JP7186033B2 - 組立式パネル組立方法および組立式パネル組立キット - Google Patents

組立式パネル組立方法および組立式パネル組立キット Download PDF

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Description

本発明は、結合フレームとこの結合フレームに取り付けられた化粧部材とによって構成される組立式パネルを組み立てるための組立式パネル組立方法、および、組立式パネル組立キットに用いて好適なものである。
従来、企業説明会や展示会等の各種イベントで設営されるブースに、組立式パネル(バックボードや、バックパネルと呼ばれることもある)が設置されることが広く行われている。例えば、組立式パネルは、企業説明会において、受付担当者の背後に配置され、また、ブースを仕切る壁として用いられる。なお、組立式パネルは、上記例に限らず、記者会見やインタビュー等において応答者の背後に設置される等、様々な場所で用いられている。
組立式パネルは、通常、設置場所の近く(設置場所であってもよい)で組み立てられ、設置場所に設置される。そして、従来の組立式パネルは、多くの場合、特許文献1に記載された壁面パネル施工方法に準じた以下の方法で組み立てられていた。すなわち、まず、単体フレームを連結することによって組立式パネルの骨格となる結合フレームが組み立てられる。単体フレームの連結は、互いに連結する一対の単体フレームの適切な位置に熟練者によってビスが打ち付けられることによって行われる。また、結合フレームの表面(組立式パネルの設置後に最も露出する面)には、その全域にベニア板が隙間なく取り付けられる。次いで、フレームの表面を構成するベニア板に、化粧部材として機能する紙製の壁紙がまんべんなく貼り付けられる。通常、ベニア板には、単一の壁紙が貼り付けられるのではなく、複数枚の壁紙が連続するように貼り付けられる。
このほか、従来、以下の方法で組立式パネルが組み立てられる場合もあった。すなわち、まず、組立式パネルの骨格となる結合フレームが上述した方法と同様の方法で組み立てられる。本方法の場合、結合フレームの表面にベニア板が取り付けられる必要はない。その後、化粧部材として機能する布製の布シートが結合フレームの表面を覆うように取り付けられる。布シートの取り付けは、熟練者により、結合フレームの天面、底面、両側面に対して、布シートがハンドタッカーにより針部材で固定されることにより行われる。
特開平7-139119号公報
上述した従来の方法で組立式パネルを組み立てる場合、以下の問題があった。すなわち、従来は、単体フレームをビス打ちによって連結することによって結合フレームを組み立てるため、ビス打ちを適切に行うための高度な技術が必要であり、作業の難易度が高いという問題があった。また、ベニア板に複数の壁紙を連続して貼り付ける方法の場合、隣接する壁紙と壁紙との間につなぎ目が形成されてしまい、組立式パネルの見た目が悪化してしまうという問題があった。また、ハンドタッカーを利用して布シートを結合フレームに取り付ける方法の場合、ハンドタッカーを適切に使用するための高度な技術が必要になるため作業の難易度が高く、また、固定具である針部材が露出するため、組立式パネルの見た目が悪化してしまうという問題があった。
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、組立式パネルを組み立てる作業を簡易化し、見た目の良い組立式パネルを組み立てることができるようにすることを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明では、結合フレーム組立工程と、挿入工程と、本接続工程とを経て組立式パネルを組み立てるようにしている。結合フレーム組立工程では、矩形枠状の枠体を有し、枠体を構成する底枠の下面よりも下方に底枠の下面に沿って延在し正面側が開口した単体スリットが形成されると共に、枠体を構成する天枠の上面に単体面ファスナーが取り付けられた単体フレームを複数用意する。次いで、複数の単体フレームのそれぞれに設けられた連結部材を手動で操作して連結部材を介して複数の単体フレームを連結することによって、底部に複数の単体フレームの単体スリットを含む結合スリットが形成され、天部に単体面ファスナーを含む結合面ファスナーが形成された結合フレームを組み立てる。続く挿入工程では、布製の布シートの下辺に沿って布シートに取り付けられている挿入用部材を結合フレームの結合スリットに挿入する。続く本接続工程では、布シートに対して上方に向かってテンションをかけた状態で、結合フレームの天部に形成された結合面ファスナーに、布シートの上辺に沿って布シートに取り付けられている布シート面ファスナーを接続し、結合フレームの表面を布シートによって覆う。
上記のように構成した本発明によれば、連結部材を手動で操作して複数の単体フレームを連結することによって結合フレームを組み立てるため、ビス打ちの必要がなく、結合フレームを組み立てるための作業が簡易化する。また、本発明によれば、結合フレームの表面が単一の布シートで覆われることになるため、壁紙と壁紙とのつなぎ目が出現せず、その点で見た目が良い。また、結合フレームの底板よりも下に形成された結合スリットに、布シートの下辺の挿入用部材を挿入した後、結合フレームの天板に形成された面ファスナーに布シートの上辺の面ファスナーを接続するという作業で結合フレームに対して布シートを取り付けることができるため、ハンドタッカーを使用する必要がなく、布シートを結合フレームに取り付ける作業が簡易化する。また、布シートの固定に針部材が使用されないため、その点で見た目が良い。すなわち、本発明によれば、組立式パネルを組み立てる作業を簡易化し、見た目の良い組立式パネルを組み立てることができるようにすることができる。
組立式パネルの斜視図である。 組立式パネルの組み立て時に行われる各工程を示す図である。 結合フレームの上面図および正面図である。 タイプAの単体フレームを示す図である。 単体スリットの説明に用いる図である。 タイプBおよびタイプCの単体フレームを示す図である。 受け部材および係合部材を示す図である。 転倒防止部材の説明に用いる図である。 布シートの表面および裏面を示す図である。 被覆作業支援装置の斜視図である。 被覆作業支援装置に脚立が設置された様子を示す図である。 被覆作業支援装置の仕様態様の説明に用いる図である 挿入工程の説明に用いる図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、完成後の組立式パネル1の斜視図である。以下では、図1で示す組立式パネル1を組み立てる場合を例にして、本発明の一実施形態を説明する。組立式パネル1は、バックパネルや、バックボードと呼ばれる組立式のパネルである。組立式パネル1は、例えば、企業説明会や展示会等の各種イベントにおいて企業のブースに設置されたり、各種施設のエントランスにおいて受付担当者の背後に設置されたり、記者会見やインタビュー等の応答者が発言する場において応答者の背後に設置されたりする。
組立式パネル1は、通常、設置場所の近く(設置場所であってもよい)で作業者によって組み立てられ、設置場所に設置される。本実施形態では、組立式パネル1の組み立てに際し、組立式パネル組立キットとして、組立式パネル1の部品、および、組み立てに使用する用具が作業者に提供される。後に明らかとなる通り、作業者は、組立式パネル1の部品の特殊な構造を利用した製造方法によって、見た目の良い組立式パネル1を簡易に組み立てることが可能である。
図2は、組立式パネル1の組み立て時に行われる各工程を時系列で示す図である。組立式パネル1は、主として、結合フレーム3(図3)と、この結合フレーム3に被覆され、化粧部材として機能する布シート4(図9)とにより構成される。また、結合フレーム3は、4つの単体フレーム5(図3)が連結されることによって組み立てられる。4つの単体フレーム5および布シート4は、組立式パネル組立キットとして作業者に提供される。作業者は、組立式パネル組立キットを用いて、図2に示すように、結合フレーム組立工程、仮接続工程、左右端接続工程、挿入工程、本接続工程および仕上工程の各工程を順番に実行し、組立式パネル1を組み立てる。以下、組立式パネル1の部品の構造を適宜説明しつつ、工程ごとに作業者が行う作業内容について説明する。
<結合フレーム組立工程>
結合フレーム組立工程は、4つの単体フレーム5を連結して結合フレーム3を組み立てる工程である。図3(A)は、結合フレーム3の上面図であり、図3(B)は、結合フレーム3の正面図である。図3(A)に示すように、結合フレーム3は、第1単体フレーム5-1、第2単体フレーム5-2、第3単体フレーム5-3および第4単体フレーム5-4の4つの単体フレーム5が図3(A)に示す態様で連結されることによって構成される。単体フレーム5はタイプA~Cの3つのタイプがあり、第1単体フレーム5-1はタイプB、第2単体フレーム5-2はタイプA、第3単体フレーム5-3および第4単体フレーム5-4はタイプCである。本実施形態で例示する結合フレーム3の正面の幅は3メートル弱、左側面の幅は1メートル弱であり、また、高さは2メートルを少し超える程度である。
図4は、タイプA(第2単体フレーム5-2のタイプ)の単体フレーム5を示す図である。図4において、(A)はタイプAの単体フレーム5の正面図、(B)は左側面図、(C)は右側面図、(D)は上面図、(E)は背面図である。図4に示すように、単体フレーム5は、天枠7、底枠8、左側面枠9および右側面枠10により構成された矩形枠状の枠体11を有する。本実施形態に係る枠体11は木製である。
図4(A)、(E)に示すように、枠体11には、2つの横桟12が組み込まれている。図4(E)に示すように、横桟12の裏側の幅方向の中央部には、ネジ穴16が形成されている。ネジ穴16は、後述する転倒防止部材32を取り付けるときに用いられる。
図4(B)に示すように、左側面枠9には、3つの係合部材13が設けられている。3つの係合部材13はそれぞれ、横桟12によって区切られる3つの領域に1つずつ配置されるように上下方向に離間して設けられている。図4(C)に示すように、右側面枠10には、3つの受け部材14が設けられている。3つの受け部材14のそれぞれは、3つの係合部材13のそれぞれに対して対向する位置に設けられている。係合部材13および受け部材14は、図7を用いて後に説明するため、図4ではこれら部材を簡略化して描画している。
図4(D)に示すように、天枠7に形成された上面7aには、面ファスナーにより構成された単体面ファスナー15が取り付けられている。単体面ファスナー15は、天枠7の上面7aのうち、奥行き方向における正面側の約半分の領域に帯状に延在するように設けられている。
底枠8に形成された下面8aよりも下方には、単体スリット17が形成されている。図5(A)は、図4(A)の範囲X1を説明に適した態様で拡大した図であり、図5(B)は、図4(B)の範囲X2を説明に適した態様で拡大した図であり、図5(C)は、図4(C)の範囲X3を説明に適した態様で拡大した図である。図5(D)は、単体フレーム5を上から見た場合に、スリット形成部材18(後述)が延在する範囲を斜線により示した図である。図5の各図は、単体スリット17を説明することを目的とした図であり、描画された部材の縮尺を、図4の対応する図に描画された部材の縮尺と異ならせ、単体スリット17を強調して描画している。
図5(B)、(C)に示すように、枠体11を構成する底枠8の下面8aにはスリット形成部材18が取り付けられている。図5(B)、(C)、(D)に示すように、スリット形成部材18は、底枠8の下面8aのうち、奥行き方向における背面側の約半分の領域に設けられている。このスリット形成部材18の下面には、支持台20が取り付けられている。支持台20は、底枠8の下面8aと同じ形状の面が形成された鉄板であり、その上面20aが底枠8の下面8aに対向するように、スリット形成部材18に取り付けられている。
上述の通り、スリット形成部材18は、底枠8の下面8aのうち、奥行き方向における背面側の約半分の領域に延在する部材である。このため、底枠8の下面8aと支持台20の上面20aとの間には、スリット形成部材18が存在しない領域があり、このスリット形成部材18が存在しない領域に単体スリット17が形成されている。つまり、単体スリット17は、枠体11を構成する底枠8の下面8aよりも下方に形成され、底枠8の下面8aに沿って延在し、正面側が開口した隙間である。
図6(A)は、タイプB(第1単体フレーム5-1のタイプ)の単体フレーム5を示す図である。図6(A)において(A1)はタイプBの単体フレーム5の正面図、(A2)は上面図、(A3)は背面図である。タイプAの単体フレーム5(図4)とタイプBの単体フレーム5とは構造的に以下の点のみが異なっている。すなわち、図6(A)の各図に示すように、タイプBの単体フレーム5では、枠体11の背面において、枠体11を正面視したときの左端部に中継部材21が設けられている。
中継部材21は、所定幅で天枠7から底枠8まで延在する板状の部材である。図6(A2)では、破線により、単体フレーム5を上面視したときの中継部材21の範囲を示している。中継部材21には、3つの係合部材13が上下方向に離間して設けられている。中継部材21における3つの係合部材13の位置は、左側面枠9における3つの係合部材13の位置と同じである。
図6(B)は、タイプC(第3単体フレーム5-3および第4単体フレーム5-4のタイプ)の単体フレーム5を示す図である。図6(B)において(B1)はタイプCの単体フレーム5の正面図、(B2)は上面図、(B3)は背面図である。タイプAの単体フレーム5(図4)とタイプCの単体フレーム5とは構造的に以下の点のみが異なっている。すなわち、図6(B)の各図に示すように、タイプCの単体フレーム5では、枠体11の背面において、枠体11を正面視したときの左端部に左縦桟22が設けられ、右端部に右縦桟23が設けられている。左縦桟22および右縦桟23は、所定幅で天枠7から底枠8まで延在する板状の部材である。図6(B2)では、破線により、単体フレーム5を上面視したときの左縦桟22および右縦桟23の範囲を示している。
図6(B3)に示すように、左縦桟22の裏側の全域と左側面枠9の裏側の全域とに跨る領域には、面ファスナーにより構成された端部固定用面ファスナー24が取り付けられている。同様に、右縦桟23の裏側の全域と右側面枠10の裏側の全域とに跨る領域には、面ファスナーにより構成された端部固定用面ファスナー24が取り付けられている。
さて、結合フレーム組立工程では、まず、図3(A)で示す第1連結部位B1、第2連結部位B2および第3連結部位B3における単体フレーム5の連結が行われる。なお、単体フレーム5の連結を行う順番は順不同である。以下、第1連結部位B1における連結について詳述する。
第1連結部位B1における単体フレーム5の連結に際し、作業者は、第1単体フレーム5-1(タイプB)の右側面枠10の外側の面の全域と、第2単体フレーム5-2(タイプA)の左側面枠9の外側の面の全域とがズレなく対向するように、各面をぴったりと合わせる。このとき、第1単体フレーム5-1の右側面枠10に設けられた3つの受け部材14のそれぞれと、第2単体フレーム5-2の左側面枠9に設けられた3つの係合部材13のそれぞれとが対応した位置で対向した状態となる。
図7(A)は、受け部材14を示す図である。図7(A1)は、受け部材14の配置位置を単体フレーム5の右側面側から見た図(図4(C)の要部を拡大した図)である。図7(A2)は、受け部材14を単体フレーム5の背面側から見た図(図4(E)の要部を拡大した図)である。図7(A2)では、右側面枠10の内部にある受け部材14の部分を破線で表している。なお、図7(A)では、説明の便宜のため、受け部材14を単純化して表している。
図7(B)は、係合部材13を示す図である。図7(B1)、(B2)は、係合部材13を単体フレーム5の背面側から見た図(図4(E)の要部を拡大した図)である。図7(B1)は後述する解除状態を表しており、図7(B2)は後述する係合状態を表している。図7(B)では、左側面枠9の内部にある係合部材13の部分を破線で表している。図7(B)では、説明の便宜のため、係合部材13を単純化して表している。係合部材13および受け部材14は、特許請求の範囲の「連結部材」として機能する。
図7(A)の各図に示すように、受け部材14は、右側面枠10を幅方向に貫通する所定形状の孔に設けられた部材である。受け部材14は、右側面枠10に形成された孔に嵌め込まれ、内部に右側面枠10を幅方向に貫通する貫通孔が形成された受け側貫通部材26と、受け側貫通部材26の内部に設けられた鍵受け部材27とを含んで構成される。受け側貫通部材26は金属製の部材であり、右側面枠10に形成された孔は、この受け側貫通部材26によって補強されている。受け側貫通部材26の内周の幅は、後述する鍵部材28の幅よりも僅かに大きい程度に設定されている。
一方、図7(B)の各図に示すように、係合部材13は、左側面枠9を幅方向に貫通する所定形状の孔に設けられた部材である。係合部材13は、左側面枠9に形成された孔に嵌め込まれ、内部に左側面枠9を幅方向に貫通する貫通孔が形成された係合側貫通部材29と、係合側貫通部材29の内部に設けられた弧状の鍵部材28と、この鍵部材28と連動する六角レンチ受け部材30とを有する。係合側貫通部材29は金属製の部材であり、左側面枠9に形成された孔は、この係合側貫通部材29によって補強されている。
六角レンチ受け部材30は、六角レンチの先端部が嵌め込まれる六角穴を有する。六角レンチ受け部材30は、単体フレーム5の背面側に向かって外部に露出しており、作業者は、六角レンチの先端を六角穴レンチ受け部材30に嵌め込み、六角レンチを回転させることができる。六角レンチの回転に応じて、六角レンチ受け部材30が作動し、係合側貫通部材29を通して解除状態(図7(B1))と係合状態(図7(B2))との間で鍵部材28の状態が変移する。つまり、作業者は、六角レンチを六角レンチ受け部材30に嵌め込み、六角レンチを回転させるという簡単な作業で、鍵部材28の状態を解除状態と係合状態との間で変移させることができる。なお、六角レンチは、組立式パネル組立キットに含まれている。
上述したように、第1単体フレーム5-1(タイプB)の右側面枠10の外側の面と、第2単体フレーム5-2(タイプA)の左側面枠9の外側の面とがズレなく対向した状態となると、第1単体フレーム5-1の右側面枠10に設けられた3つの受け部材14のそれぞれと、第2単体フレーム5-2の左側面枠9に設けられた3つの係合部材13のそれぞれとが対応する位置で対向した状態となる。このとき、鍵部材28は解除状態とされている。この状態で、作業者は、六角レンチを利用して鍵部材28の状態を解除状態から係合状態へ変移させる。六角レンチを利用したこの操作は、特許請求の範囲の「手動の操作」に相当する。
図7(C)に示すように、鍵部材28が係合状態となると、鍵部材28が鍵受け部材27に係合すると共に、鍵部材28が受け側貫通部材26に対して嵌合した状態となる。この状態では、鍵部材28と鍵受け部材27との係合により、第1単体フレーム5-1および第2単体フレーム5-2のそれぞれについて、これらの単体フレーム5を幅方向に離間させる移動が規制される。更に、この状態では、受け側貫通部材26に対する鍵部材28の嵌合により、これらの単体フレーム5を前後方向に離間させる移動が規制される。
作業者は、六角レンチを利用して、第1連結部位B1の3つの係合部材13のそれぞれを3つの受け部材14のそれぞれに係合させる。これにより、上下方向に離間して配置された3つの係合部材13と3つの受け部材14とが係合し、係合部材13や受け部材14の何れかに偏った力が加わることが抑制された状態で第1単体フレーム5-1と第2単体フレーム5-2とが強固に連結される。
以上、第1連結部位B1における単体フレーム5の連結について説明した。作業者は、第2連結部位B2についても同様の方法で第2単体フレーム5-2と第3単体フレーム5-3とを連結する。また、第3連結部位B3については、作業者は、以下の方法で第1単体フレーム5-1と第4単体フレーム5-4とを連結する。すなわち、作業者は、第1単体フレーム5-1(タイプB)の中継部材21の外側の面の全域と、第4単体フレーム5-4(タイプC)の右側面枠10の外側の面の全域とがズレなく対向するように、各面をぴったりと合わせる。このとき、第1単体フレーム5-1の中継部材21に設けられた3つの係合部材13のそれぞれと、第4単体フレーム5-4の右側面枠10に設けられた3つの受け部材14のそれぞれとが対応した位置に位置した状態となる。作業者は、六角レンチを利用して3つの係合部材13を3つの受け部材14に係合させて、第3連結部位B3において第1単体フレーム5-1と第4単体フレーム5-4とを連結する。
ここで、従来は、単体フレームを連結して結合フレームを組み立てる場合、単体フレームの連結は、互いに連結する一対の単体フレームの適切な位置にビスが打ち付けられることによって行われていた。このため、ビス打ちを適切に行うための高度な技術が必要であり、作業の難易度が高かった。一方で、本実施形態では、作業者は、組立式パネル組立キットに含まれる六角レンチを利用して簡易に単体フレーム5の連結を行うことができ、作業が簡易である。
また、本実施形態では、単体フレーム5のそれぞれについて、一方の側面枠(左側面枠9)に係合部材13が設けられると共に、他方の側面枠(右側面枠10)に受け部材14が設けられている。このため、互いに連結させる2つの単体フレーム5を、単体フレーム5のタイプに応じて適切に並べて配置したときに、自動的に一方の単体フレーム5の係合部材13のそれぞれと、他方の単体フレーム5の受け部材14のそれぞれとが対応する位置で対向した状態となり、この点でも作業者が行うべき作業が簡易である。
結合フレーム組立工程において、第1連結部位B1~第3連結部位B3における単体フレーム5の連結後、作業者は、組立式パネル組立キットに含まれる転倒防止部材32を、第3単体フレーム5-3に取り付ける作業を行う。なお、この作業は、第1連結部位B1~第3連結部位B3における単体フレーム5の連結よりも前に行われてもよく、後に行われてもよく、途中で行われてもよい。以下、当作業について詳述する。
図8(A)は、転倒防止部材32が第3単体フレーム5-3に取り付けられた様子を右側面側から見た図である。図8(B)は転倒防止部材32が第3単体フレーム5-3に取り付けられた様子を背面側から見た図である。図8(A)、(B)に示すように、転倒防止部材32は、単体フレーム5に取り付けられたときに、一定幅で天枠7から底枠8まで延在する板状の取付部材33を有する。取付部材33において、転倒防止部材32を単体フレーム5の取付位置に配置したときに、単体フレーム5の枠体11の2つの横桟12のそれぞれに形成されたネジ穴16が存在する位置には、専用ボルト34の軸部が貫通するボルト受け側貫通孔35が形成されている。
また、転倒防止部材32は、取付部材33と直交するように取付部材33の基端部に接続され、単体フレーム5に取り付けられたときに下面が地面に接触した状態で地面に沿って延在する板状の土台部材36を有する。また、転倒防止部材32は、取付部材33と土台部材36との間に介在し、土台部材36に対する取付部材33の動きが規制されるように取付部材33を支持する支持部材37を有する。
上述したように、単体フレーム5の枠体11には2つの横桟12が組み込まれており、横桟12の幅方向の中央部にはネジ穴16が形成されている。作業者は、転倒防止部材32を単体フレーム5の取付位置(図8(A)、(B)参照)に配置させる。すると、2つの横桟12のネジ穴16のそれぞれと、取付部材33に設けられた2つのボルト受け側貫通孔35のそれぞれとが対応した位置で対向した状態となる。この状態で、作業者は、ボルト受け側貫通孔35を介して専用ボルト34をネジ穴16に螺合する。専用ボルト34の頭部には、単体フレーム5の連結に用いた六角レンチの先端部を嵌め込み可能な六角穴が形成されており、作業者は、六角レンチを利用して専用ボルト34の螺合を行う。
2つの専用ボルト34の2つのネジ穴16への螺合が完了すると、単体フレーム5の枠体11に対して転倒防止部材32が強固に固定された状態となる。この状態で、作業者は、土台部材36の先端部(支持部材37が接続された位置に近い位置)の上面に、所定形状の重り部材38を載置する。図8(A)では、破線により重り部材38を示している。重り部材38が載置されると、地面に対して土台部材36が押さえつけられた状態となり、地面に対する土台部材36の動きが規制される。なお、専用ボルト34および重り部材38は、組立式パネル組立キットに含まれている。
土台部材36への重り部材38の載置により、第3単体フレーム5-3への転倒防止部材32の取り付けが完了すると共に、結合フレーム3の組み立てが完了する。この状態では、結合フレーム3は、正面側および背面側への傾き、転倒が転倒防止部材32に防止され、地面に対して安定的に垂直に起立した状態となる。なお、本実施形態では、第3単体フレーム5-3にのみ転倒防止部材32を取り付けているが、これを第1単体フレーム5-1や第2単体フレーム5-2にも取り付けるようにしてもよい。すなわち、結合フレーム3を構成する単体フレーム5のうち、どの単体フレーム5に転倒防止部材32を取り付けるかは、結合フレーム3の傾き、転倒を防止し、結合フレーム3を地面に対して安定的に起立させるという観点の下、結合フレーム3の態様を考慮して適切に定められる。
図3(A)に示すように、結合フレーム3の天部には、4つの単体フレーム5の単体面ファスナー15が延在することによって、結合面ファスナー40が形成される。結合面ファスナー40は、結合フレーム3の天部において、結合フレーム3の正面および左側面に沿って延在する面ファスナーである。また、図3(B)に示すように、結合フレーム3の底部には、4つの単体フレーム5の単体スリット17が延在する結合スリット41が形成されている。図3(B)では表されていないが、第4単体フレーム5-4の単体スリット17も、結合スリット41の一部を構成する。結合スリット41は、結合フレーム3の底部において、結合フレーム3の正面および左側面に沿って延在するスリット(隙間)である。
<仮接続工程>
次に、結合フレーム組立工程の次に行われる仮接続工程について説明する。仮接続工程は、布シート4に対してテンションをかけない状態で、結合フレーム3の天部の結合面ファスナー40に、布シート4の上辺に沿う上辺面ファスナー43を仮接続する工程である。仮接続工程は、2人以上の作業者によって行われる。以下では、2人の作業者が作業を行うものとする。
まず、作業者は、組立式パネル組立キットに含まれる布シート4を準備する。図9(A)は、布シート4の表面4aを示す図であり、図9(B)は、布シート4の裏面4bを示す図である。なお、図9(A)では、図1の布シート4に描画されている模様は描画していない。布シート4は、布製のシートであり、図9(A)、(B)に示すように、正面視したときの形状は、横に長い長方形である。以下の説明では、図9(A)に示すように布シート4の表面4aを正面視したときに、右側に位置する辺を布シート4の右辺とし、左側に位置する辺を布シート4の左辺とする。
図9(B)に示すように、布シート4の裏面4bには、上辺に沿って、面ファスナーにより構成された上辺面ファスナー43(特許請求の範囲の「布シート面ファスナー」)が取り付けられている。また、布シート4の裏面4bには、右辺に沿って右辺面ファスナー44が取り付けられると共に、左辺に沿って左辺面ファスナー45が取り付けられている。更に、布シート4の裏面4bには、下辺に沿って帯状に延びる挿入用部材46が取り付けられている。挿入用部材46は、シリコンゴムシート等のシリコン樹脂製の部材であり、柔軟性および弾性を備えている。挿入用部材46は、縫合や、接着等の手段で布シート4に強固に取り付けられている。
本実施形態では、布シート4は、結合フレーム3の正面および左側面を覆うように結合フレーム3に取り付けられる。図3(A)では、符号H1~H6によって、結合フレーム3において、布シート4が取り付けられる範囲を6つの範囲に区分けしている。また、図9(A)では、符号N1~N6によって、布シート4において、範囲H1~H6のそれぞれに対応する6つの範囲を区分けしている。
布シート4の準備と共に、作業者は、組立式パネル組立キットに含まれる被覆作業支援装置48を準備する。図10は、被覆作業支援装置48の斜視図である。被覆作業支援装置48は、布シート4を結合フレーム3に被覆する作業を支援する装置である。図10に示すように、被覆作業支援装置48は、地面に沿って延在する装置本体49を有する。装置本体49には、4つのキャスター50が設けられている。また、装置本体49には、被覆作業支援装置48を移動させる作業を行う作業者(以下、「移動作業者」という)が装置を移動させる力を加えるためのハンドル51が設けられている。また、装置本体49には、2本の支持棒52が設けられている。
図10に示すように、ハンドル51は、装置本体49の後端部(一方の端部)に設けられている。支持棒52は、ハンドル51に対して前方の端部側(他方の端部側)に設けられている。ハンドル51と支持棒52とは前後方向に離間して配置されており、ハンドル51と支持棒52との間には、作業者が滞在可能な作業用スペースSPが形成されている。
被覆作業支援装置48には、脚立53を設置することが可能である。図11は、被覆作業支援装置48に脚立53を設置した様子を装置の側面側から見た図である。図11では脚立53を破線で表している。図10、11に示すように、被覆作業支援装置48の装置本体49には、脚立53の一方の梯子54Fの足部を嵌め込んで固定する前方足部固定部材55と、脚立53の他方の梯子54Bの足部を嵌め込んで固定するための後方足部固定部材56とが設けられており、装置本体49に対して脚立53を安定的に設置可能である。
さて、布シート4および被覆作業支援装置48を用意した後、作業者は、芯部材(不図示)に対して所定方向に布シート4を巻き回すことによって、布シート4をロール状にする。芯部材は、支持棒52を挿入可能な空洞が形成された円筒形の部材であり、組立式パネル組立キットに含まれている。次いで、作業者は、布シート4が巻き回された芯部材の空洞に支持棒52が挿入されるように、支持棒52に対して芯部材に巻き回された布シート4を取り付ける。以下、布シート4のうち、支持棒52に取り付けられたロール状の部分を「シート本体57」という。
図10、11では、シート本体57が一方の支持棒52に取り付けられた様子を破線により表している。シート本体57は、被覆作業支援装置48を用いて行われる作業を考慮して2本の支持棒52のうち適切な方の支持棒52に適切な態様で取り付けられる。本実施形態では、シート本体57は、装置前方(図10、11参照)に向かって左側の左側支持棒52に取り付けられる。また、シート本体57は、シート本体57からシート4を繰り出したときにシート本体57が図10中の矢印K1に従って回転するように支持棒52に取り付けられる。また、本実施形態では、被覆作業支援装置48は、移動作業者によってハンドル51が押されることによって装置前方に移動されながら使用される。移動作業者は、ハンドル51に適切な力を加えることによって被覆作業支援装置48を方向転換することができる。
図12(A)は、仮接続工程において、被覆作業支援装置48が移動する様子を示す図である。まず、移動作業者は、被覆作業支援装置48のハンドルを操作して、装置前方に向かって左側の支持棒52が第4単体フレーム5-4の左側面枠9の近傍に位置する場所P1に被覆作業支援装置48を移動させる。このとき、移動作業者は、結合フレーム3に対する被覆作業支援装置48の相対的な向きを図12(A)のようにする。
次いで、作業者は、被覆作業支援装置48に脚立53を設置する。次いで、移動作業者ではない作業者(以下、「直接被覆作業者」という)は、脚立53に跨ったときに自身の正面が装置前方に対して左側に向かうように、脚立53に跨る。脚立53の設置や、脚立53への直接被覆作業者の搭乗は場所P1への被覆作業支援装置48の移動前に行われてもよい。
次いで、移動作業者は、図12(A)に示すように、被覆作業支援装置48の装置前方に向かって左側の側面が、結合フレーム3の面に対向した状態を維持しつつ、結合フレーム3の面に沿って被覆作業支援装置48を移動させる。被覆作業支援装置48の移動中、直接被覆作業者は、結合フレーム3の範囲H2に属する結合面ファスナー40に対して布シート4の範囲N2に属する上辺面ファスナー43を接続し、範囲H3に属する結合面ファスナー40に対して布シート4の範囲N3に属する上辺面ファスナー43を接続するといった具合に、結合面ファスナー40の範囲H2~H5に属する結合面ファスナー40のそれぞれに、布シート4の範囲N2~N5に属する上辺面ファスナー43のそれぞれを順次接続してく。
図12(B)では、被覆作業支援装置48を利用して移動作業者と直接被覆作業者とが作業を行う様子を単純化して模式的に示している。仮接続の作業は、移動作業者と直接被覆作業者とが協力して、適宜、被覆作業支援装置48の停止や、位置の調整が行われつつ実行される。なお、図12(A)中の角部KDのそれぞれでは、上辺面ファスナー43が屈折していることに起因して、上辺面ファスナー43に、結合面ファスナー40と接続できない部分が生じるが、この時点では、そのままの状態とされる。
以上の作業が行われる結果、結合フレーム3の範囲H2に対応する面に布シート4の範囲N2に対応する領域が対向し、結合フレーム3の範囲H3に対応する面に布シート4の範囲N3に対応する領域が対向する、といった具合に、結合フレーム3の範囲H2~H5に対応する面のそれぞれに、布シート4の範囲N2~N5に対応する領域のそれぞれが対向した状態で、結合フレーム3に対して布シート4が取り付けられた状態(以下、この状態を「仮接続状態」という)となる。ただし、この状態では、結合面ファスナー40と上辺面ファスナー43との接続により、結合フレーム3に対して布シート4がぶら下がった状態であり、布シート4に弛みが生じている。以上により仮接続工程が完了する。
以上の通り、仮接続工程は、組立式パネル組立キットとして提供される被覆作業支援装置48を用いることにより、2人の作業者によって行うことができる。被覆作業支援装置48を使用しなかった場合、仮接続工程を行うためには、例えば、各部(例えば、結合フレーム3の角部KDのそれぞれ)で複数の作業者が広げた状態の布シート4を支えつつ、他の作業者が脚立を利用して段階的に面ファスナーの仮接続を行う等、3人以上の作業者が、密に連携を取って行う必要があるが、本実施形態によれば、少ない作業者で、スムーズに作業を行うことができる。
なお、被覆作業支援装置48は、脚立53を設置せずに使用することも可能である。例えば、地面から結合フレーム3の天部までの高さが低く、結合フレーム3の天部に作業者の手が容易に届く場合において、仮接続工程を行う場合に、被覆作業支援装置48は、脚立53が設置されることなく使用される。上述したように、被覆作業支援装置48において、支持棒52とハンドル51とは前後方向に離間して配置されており、これら部材の間には作業用スペースSPが形成されている。このため、直接被覆作業者は、被覆作業支援装置48が装置前方へ移動して使用されている、作業用スペースSPに滞在し作業を行うことができる。作業用スペースSPは、支持棒52(=支持棒52に取り付けられているシート本体)に非常に近い位置であって、かつ、シート本体からシートを繰り出しつつ装置前方へ被覆作業支援装置48が移動しているときに、シート本体からシートが繰り出される側の位置であるため、直接被覆作業者は、シートの撓みの影響が少ない中で効率よく作業を行うことができる。
<左右端接続工程>
次に、仮接続工程の次に行われる左右端接続工程について説明する。左右端接続工程において、まず、作業者は、布シート4の左辺面ファスナー45を、第4単体フレーム5-4の左縦桟22の端部固定用面ファスナー24(図6(B))に接続する。その際、作業者は、布シート4の端を把持し、横に軽く引っ張りながら、左縦桟22と左側面枠9とで形成される角を境として布シート4を巻き込むようにして、左辺面ファスナー45を対応する端部固定用面ファスナー24に接続する。このとき、布シート4は仮接続状態であり、左辺面ファスナー45と第4単体フレーム5-4の左縦桟22の端部固定用面ファスナー24とは近い位置で対向しているため、作業者は、無理に力を加えることなく、簡易に作業を行うことができる。
更に、作業者は、布シート4の右辺面ファスナー44を、第3単体フレーム5-3の右縦桟23の端部固定用面ファスナー24(図6(B))に接続する。作業は、布シート4の左辺面ファスナー45を接続するときと同様の方法で行われる。以上により左右端接続工程が完了する。左右端接続工程が完了した段階では、布シート4の左辺面ファスナー45と第4単体フレーム5-4に係る端部固定用面ファスナー24との接続、および、布シート4の右辺面ファスナー44と第3単体ンフレーム5-3に係る端部固定用面ファスナー24との接続により、結合フレーム3に対する布シート4の左右方向の動きが規制される。以下、左右端接続工程後の布シート4の状態を「左右端接続状態」という。
<挿入工程>
次に、左右端接続工程の次に行われる挿入工程について説明する。挿入工程において、作業者は、結合フレーム3の結合スリット41に、布シート4の下辺に取り付けられている挿入用部材46を挿入する。図13は挿入工程の説明に利用する図である。図13(A)は、図3(A)のA-A断面図の要部を、左右端接続状態の布シート4の断面と共に示す図である。左右端接続状態では、範囲H2~範囲H5の各位置において、布シート4は、図13(A)のように、鉛直方向に対して少し弛んだ状態で、その下端部が地面に接触した状態となっている。
図13(B)、(C)は、挿入用部材46が結合スリット41に押し込まれて挿入される様子を示す図である。図13(B)に示すように、作業者は、挿入用部材46の先端が結合スリット41の奥へ向かって進むように、挿入用部材46を結合スリット41に押し込む。図13(C)に示すように、作業者は、挿入用部材46の縦方向の全域が結合スリット41の内部に収容された状態となるまで、挿入用部材46を結合スリット41へと押し込む。作業者は、範囲H2~範囲H5の全域において、挿入用部材46が結合スリット41に収容された状態(図13(C)の状態)となるように、結合フレーム3の随所において挿入用部材46を結合スリット41に挿入する作業を行う。
ただし、角部KD(図12(A)参照)のそれぞれでは、角部KDで布シート4が屈折していることに起因して、挿入用部材46に結合スリット41に入りきれない部分が生じているが、この時点ではそのままの状態とされる。また、図3(A)において、符号Qで示す範囲には、単体フレーム5の構造上、スリットが形成されていないため、範囲Qでは、挿入用部材46に結合スリット41に収容されない部分が生じるが、この時点ではそのままの状態とされる。
上述したように、挿入用部材46は、シリコンゴムシート等のシリコン樹脂製の部材であり柔軟性および弾性を備えている。挿入用部材46は柔軟性を備えているため、作業者は、結合スリット41を適宜湾曲させながら挿入用部材46を挿入する作業を行うことができ、この点で作業者の作業が簡易である。また、挿入用部材46が取り付けられた部分の厚みは、結合スリット41の隙間の幅より僅かに大きくなるように設定されている。挿入用部材46は、弾性を備えているため、結合スリット41に収容された状態(図13(C)の状態)のときに、挿入用部材46が結合スリット41の内周に圧迫されつつ密着し、挿入用部材46の面と結合スリット41の内周との間に、結合スリット41から挿入用部材46を抜く力に抗する強い摩擦力が働く。このため、図13(C)に示すように、挿入用部材46が結合スリット41に収容された状態のときに、図13(C)の矢印に示すように布シート4を上に引っ張った場合、上に引っ張る力に抗する力が働き、布シート4の抜けおよび布シート4が上へ向かう移動が規制される。
以上により挿入工程が完了する。挿入工程が完了した段階では、布シート4の4辺のそれぞれが結合フレーム3に対して固定され、結合フレーム3の範囲H2~H5が布シート4で覆われた状態となるものの、布シート4には弛みや、シワが少なからず残っている状態である。
<本接続工程>
次に、挿入工程の次に行われる本接続工程について説明する。本接続工程では、上述した仮接続工程と同様、移動作業者と直接被覆作業者とにより、脚立53が設置された被覆作業支援装置48が使用されて作業が行われる。本接続工程において、移動作業者は、基本的には、仮接続工程のときと同様の態様で、被覆作業支援装置48を移動させる。すなわち、移動作業者は、基本的には、図12(A)で示す態様で被覆作業支援装置48を移動させる。
被覆作業支援装置48の移動中、直接被覆作業者は、適宜、以下の作業を行う。すなわち、直接被覆作業者は、布シート4の上端部を把持し、自身の肩幅程度の範囲で、結合面ファスナー40と上辺面ファスナー43との接続を一旦解除する。直接被覆作業者は、弛みやシワをなくすという観点から、把持している布シート4の上端部をそのまま上方へ向かって引っ張り、布シート4に上方へ向かうテンションをかける。直接被覆作業者は、布シート4にテンションをかけた状態を維持しつつ、一旦接続を解除した結合面ファスナー40と上辺面ファスナー43とを再度接続する。
以上の作業が結合面ファスナー40の全域についてまんべんなく行われると、布シート4は、上方に向かうテンションがかかった状態で結合フレーム3の正面および左側面を覆った状態となる。このため、結合フレーム3を覆う布シート4から弛みがなくなり、かつ、布シート4に張りが生じ、組立式パネル1の見た目がよくなる。
<仕上工程>
次に、本接続工程の次に行われる仕上工程について説明する。上述したように、角部KD(図12(A)参照)のそれぞれでは、角部KDで布シート4が屈折していることに起因して、挿入用部材46に結合スリット41に入りきれない部分が生じている。仕上工程では、角部KDのそれぞれにおいて、挿入用部材46にハサミやカッター等で適切に切り込みが入れられ、角部KDにおいて結合スリット41に入りきれない挿入用部材46の部分が適切に排除される。なお、この作業は、上述した挿入工程で行われてもよい。また、上述したように、結合フレーム3の範囲Q(図3(A))はスリットが形成されておらず、範囲Qでは挿入用部材46が結合スリット41に収容されていない。仕上工程では、範囲Qのそれぞれにおいて、ハサミやカッター等で挿入用部材46が適切に切り取られ、範囲Qにおいて結合スリット41に収容されていない挿入用部材46の部分が適切に排除される。
また、上述したように、角部KD(図12(A)参照)のそれぞれでは、角部KDで布シート4が屈折していることに起因して、上辺面ファスナー43に、結合面ファスナー40と接続できない部分が生じている。仕上工程では、角部KDのそれぞれにおいて、上辺面ファスナー43に適切に切り込みが入れられ、角部KDにおいて結合面ファスナー40と接続できない上辺面ファスナー43の部分が適切に排除される。なお、この作業は、上述した本接続工程で行われてもよい。
以上により、組立式パネル1の製造が完了する。以上の通り、本実施形態では、結合フレーム3の面の全域にベニア板を設け、このベニア板に複数の壁紙を連続して貼り付けることによって、組立式パネル1の露出する側の面が形成されるのではなく、結合フレーム3の面を1枚の布シート4で覆うことによって、組立式パネル1の露出する側の面が形成される。複数の壁紙をベニア板に連続して貼り付ける方法の場合、隣接する壁紙と壁紙との間につなぎ目が形成されてしまうが、本実施形態では、このようなつなぎ目が生じず、この点で組立式パネル1の見た目がよい。
また、布シート4の被覆は、仮接続工程、左右端接続工程、挿入工程、本接続工程および仕上工程の各工程を通して行われる。上述の通り、各工程では、ハンドタッカーを利用して布シート4を結合フレーム3に取り付ける作業はなく、挿入用部材46を結合スリット41に挿入したり、結合フレーム3側の面ファスナーと布シート4側の面ファスナーとを接続する等、非熟練者(例えば、初めて作業を行う者)でも実行可能な作業により構成される。このため、作業の難易度が低く、非熟練者でも容易に組立式パネル1を組み立てることができる。また、ハンドタッカーを使用して布シート4を取り付ける場合には、固定具である針部材が露出するが、本実施形態では、このような固定具の針部材がなく、その点で見た目がよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
例えば、上記実施形態に係る結合フレーム3の態様はあくまで一例であり、他の態様であってもよい。例えば、結合フレーム3は、単体フレーム5が横に3つ以上並んで構成されていてもよい。
また、組立式パネル1を構成する各部品の構造および組立式パネル1の組み立てに供する用具は上記実施形態で例示した構造に限られない。一例として、上述した実施形態では、単体スリット17は、スリット形成部材18により単体フレーム5の底枠8と支持台20とに隙間が形成されることによって形成されていた。これを底枠8を切り欠いて隙間を形成することによって単体スリット17を形成するようにしてもよい。
また、仮接続工程がない構成でもよい。この構成は、地面から結合フレーム3の天部までの高さが低く、結合フレーム3の天部に作業者の手が容易に届くようなケースのときに特に有効である。
また、組立式パネル1を構成する部品や、組立式パネル1の組み立てに利用する用具の寸法はあくまで例示であり、部品や用具の寸法が上記実施形態で例示した寸法に限定されないことは勿論である。
1 組立式パネル
3 結合フレーム
4 布シート(化粧部材)
5 単体フレーム
5-1 第1単体フレーム(単体フレーム)
5-2 第2単体フレーム(単体フレーム)
5-3 第3単体フレーム(単体フレーム)
5-4 第4単体フレーム(単体フレーム)
7 天枠
7a 上面
8 底枠
8a 下面
9 左側面枠(一方の側面枠)
10 右側面枠(他方の側面枠)
11 枠体
13 係合部材(連結部材)
14 受け部材(連結部材)
15 単体面ファスナー
17 単体スリット
32 転倒防止部材
40 結合面ファスナー
41 結合スリット
43 上辺面ファスナー(布シート面ファスナー)
46 挿入用部材
48 被覆作業支援装置
49 装置本体
50 キャスター
51 ハンドル
52 支持棒
SP 作業用スペース

Claims (10)

  1. 結合フレームと、前記結合フレームに取り付けられる化粧部材とによって構成される組立式パネルを組み立てるための組立式パネル組立方法であって、
    矩形枠状の枠体を有し、前記枠体を構成する底枠の下面よりも下方に前記底枠の下面に沿って延在し正面側が開口した単体スリットが形成されると共に、前記枠体を構成する天枠の上面に単体面ファスナーが取り付けられた単体フレームを複数用意し、複数の単体フレームのそれぞれに設けられた連結部材を手動で操作して前記連結部材を介して前記複数の単体フレームを連結することによって、底部に前記複数の単体フレームの前記単体スリットを含む結合スリットが形成され、天部に前記単体面ファスナーを含む結合面ファスナーが形成された前記結合フレームを組み立てる結合フレーム組立工程と、
    布製の化粧部材である布シートの下辺に沿って前記布シートに取り付けられている挿入用部材を前記結合フレームの前記結合スリットに挿入する挿入工程と、
    前記布シートに対して上方に向かってテンションをかけた状態で、前記結合フレームの天部に形成された前記結合面ファスナーに、前記布シートの上辺に沿って前記布シートに取り付けられている布シート面ファスナーを接続し、前記結合フレームの表面を前記布シートによって覆う本接続工程と、
    を有することを特徴とする組立式パネル組立方法。
  2. 前記結合フレーム組立工程の後であって、前記挿入工程の前に、前記布シートに対してテンションをかけない状態で、前記結合フレームの天部の前記結合面ファスナーに、前記布シートの上辺に沿う前記布シート面ファスナーを仮接続する仮接続工程を有することを特徴とする請求項1に記載の組立式パネル組立方法。
  3. 前記結合フレーム組立工程において、
    複数の単体フレームのうち互いに連結する一対の単体フレームを連結する際、一方の単体フレームに設けられた、前記連結部材を構成する係合部材を手動の操作によって移動させ、他方の単体フレームに設けられた、前記連結部材を構成する受け部材に係合することによって、前記一対の単体フレームを連結する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の組立式パネル組立方法。
  4. 前記結合フレーム組立工程において、
    前記結合フレームを構成する前記単体フレームのうち、何れかの前記単体フレームの前記枠体に、前記結合フレームの転倒を防止する転倒防止部材を取り付ける
    ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の組立式パネル組立方法。
  5. 結合フレームと、前記結合フレームに取り付けられる化粧部材とによって構成された組立式パネルを組み立てるための組立式パネル組立キットであって、
    矩形枠状の枠体を有し、前記枠体を構成する底枠の下面よりも下方に前記底枠の下面に沿って延在し正面側が開口した単体スリットが形成されると共に、前記枠体を構成する天枠の上面に単体面ファスナーが取り付けられた複数の単体フレームと、
    前記単体スリットに挿入可能な挿入用部材が下辺に沿って取り付けられると共に、前記単体面ファスナーに接続可能な布シート面ファスナーが上辺に沿って取り付けられた化粧部材である布シートと、
    を備えることを特徴とする組立式パネル組立キット。
  6. 前記挿入用部材は、柔軟性および弾性を有する部材であることを特徴とする請求項5に記載の組立式パネル組立キット。
  7. 前記挿入用部材は、柔軟性および弾性を有するシリコン製の部材であることを特徴とする請求項6に記載の組立式パネル組立キット。
  8. 一の前記単体フレームは、前記枠体を構成する一方の側面枠に係合部材を有し、他方の側面枠に、他の前記単体フレームの前記係合部材が係合可能な受け部材を有することを特徴とする請求項5から7の何れか1項に記載の組立式パネル組立キット。
  9. キャスターが設けられた装置本体、前記装置本体に取り付けられたハンドル、および、前記装置本体に取り付けられ、前記布シートがロール状に巻き回された芯部材を支持する支持棒を有し、前記装置本体に脚立を取り付け可能に構成された被覆作業支援装置を更に備えることを特徴とする請求項5から8の何れか1項に記載の組立式パネル組立キット。
  10. 前記被覆作業支援装置において、
    前記ハンドルは、前記装置本体の一方の端部に設けられ、
    前記支持棒は、前記ハンドルに対して他方の端部側に設けられ、
    前記ハンドルと前記支持棒との間に作業者が滞在可能な作業用スペースが形成されていることを特徴とする請求項9に記載の組立式パネル組立キット。
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