JP7185610B2 - Mems素子および振動発電デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、MEMS素子および振動発電デバイスに関する。
従来、シリコン基板をMEMS(Micro Electro-Mechanical System)加工技術により加工して形成される振動発電デバイスが知られている。振動発電デバイスは、弾性支持部により支持された可動電極に設けられた櫛歯を、固定電極に設けられた櫛歯に挿脱可能に設ける構造を有している。外部からの衝撃が振動発電デバイスに加わると、弾性支持された可動電極が固定電極に対して振動し、可動電極の櫛歯が固定電極の櫛歯に対して挿脱され、その結果、発電が行われる。
固定部である固定電極は、外部からの振動により可動部である可動電極に生じる加速度を、固定電極に設けた弾性を有する規制部材で受けて、可動電極の振動範囲を規制する。このため、固定電極の弾性規制部材には、可動電極の加速度による力に耐え得る剛性が必要とされる。しかし、従来のMEMS素子では、弾性規制部材のばね定数を大きくすると、弾性規制部材の弾性部の根元に応力が集中して破損し易く、発電可能な電力を増大することが困難であった。
固定電極に弾性規制部材を設ける構造の一例として、固定電極の側部の内側にスリットを設け、固定電極の側部を弾性規制部材とする構造がある(例えば、特許文献1の図5参照)。
特開2018-88780号公報
特許文献1の図5には、可動電極が衝突する固定部の側面の内方に側面に沿って延在するスリットを設ける構造が図示されている。しかし、この構造では、可動部の振動による大きい力を受けるには限界がある。
本発明の第1の態様によるMEMS素子は、ベースと、少なくとも一部が前記ベースに固定され、所定方向に移動可能な可動部と、少なくとも一部が前記ベースに固定され、前記可動部に対向して設けられた弾性部および前記弾性部が固定された固定部本体を有する固定部と、を備え、前記弾性部は、前記可動部の移動方向と交差する方向に延在され、前記可動部の力を受ける中央部と、前記固定部本体に固定された一端および他端を有し、前記中央部と前記一端との間、および前記中央部と前記他端との間のそれぞれに、前記中央部、前記一端および前記他端より肉厚が薄い薄肉部を有する。
本発明の第2の態様によるMEMS素子は、ベースと、少なくとも一部が前記ベースに固定され、所定方向に移動可能な可動部と、少なくとも一部が前記ベースに固定された固定部本体、前記固定部本体に固定された弾性部、および前記弾性部と前記固定部本体との間に前記弾性部に沿って延在され、前記固定部本体を貫通して設けられたスリットを有する固定部と、を備え、前記弾性部は、前記可動部の移動方向と交差する方向に延在され、前記可動部の力を受ける中央部と、前記固定部本体に固定された一端および他端を有する梁構造であり、前記スリットは、前記弾性部の前記中央部に対応して設けられた第1スリット部と、前記第1スリット部に接続され、前記弾性部の前記一端近傍および前記他端近傍の内側に設けられた第2スリット部を有し、前記第2スリット部の前記可動部の移動方向の幅は前記第1スリット部の幅よりも大きく形成され、前記第2スリット部の前記弾性部の前記一端側のコーナー部および前記他端側のコーナー部には、円弧状の湾曲部が設けられ、前記円弧状の湾曲部の曲率半径は、前記第1スリット部に内接する円の曲率半径より大きい。
本発明の第3の態様による振動発電デバイスは、上記第1の態様または上記第2の態様のMEMS素子と、前記MEMS素子の前記可動部を前記固定部に弾性支持する弾性支持部と、
前記固定部に対して前記可動部が振動することで発生する電力を出力する出力部と、を備える。
本発明によれば、可動部の変位量を制限する構造を採用するMEMS素子や振動発電デバイスにおいて、大きい外力が作用しても破損し難いMEMS素子や振動発電デバイスを提供することができる。
図1(A)は、真空パッケージ内にMEMS素子が封入された振動発電デバイスを、上蓋を透過して示す平面図であり、図1(B)は、図1(A)のI-I線断面図である。 図2(A)は、図1(A)に図示されたMEMS素子の平面図であり、図2(B)は、図2(A)に図示されたMEMS素子から、固定電極部および可動電極部を取り除いた状態を示す平面図である。 図3(A)は、図1(A)の領域IIIの拡大図であり、図3(B)は、図3(A)の領域IIIの拡大図である。 図4は放物線を用いた疑似平等梁の原理図であり、図4(A)は、側面の表面全長に亘り、ほぼ均等な応力となる弾性部の形状を示す側面図であり、図4(B)は、図4(A)の領域IVの拡大図である。 図5は、図4に図示された放物線梁の他の原理図であり、梁の側面図である。 図6は、比較例と本実施形態における、可動部振幅量と振動発電デバイスに印加される加速度との関係を示す図である。 図7は、弾性部に発生する応力分布をシミュレーションにより示す斜視図であり、図7(A)は比較例の構造、図7(B)は本実施形態の構造に関するものである。 図8(A)は、両端固定矩形梁(以下、単に矩形梁とする)の模式図であり、図8(B)は、図8(A)の断面形状を示し、図8(C)は、図8(A)における曲げ応力分布図であり、図8(D)は、図8(A)の曲げモーメント図であり、図8(E)は、図8(A)に図示される梁のx軸方向の下面側表面の曲げ応力を示す。 図9(A)は、両端固定の放物線梁の模式図であり、図9(B)は、図9(A)の断面形状を示し、図9(C)は、図9(A)の曲げモーメント図であり、図9(D)は、図9(A)に図示される梁のx軸方向の下面側表面の曲げ応力を示す。 図10は、MEMS素子を構成する、可動部と固定部の構造の変形例を示す平面図である。
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
図1(A)は、真空パッケージ内にMEMS素子10が封入された振動発電デバイス1を、上蓋3を透過して示す平面図であり、図1(B)は、図1(A)のI-I線断面図である。
ケース2と上蓋3は、真空パッケージを構成しており、MEMS素子10は、この真空パッケージ内に収納されている。図1(A)の平面図では、MEMS素子10の平面構造を明確に示すため、上面側(z軸正方向側)に設けられた上蓋3の図示が省略されている。
なお、本実施形態において、x軸方向、y軸方向、z軸方向は、各図に示す方向とする。
MEMS素子10は、4つの固定電極部11と、可動電極部(可動部)12と、可動電極部12を弾性支持する弾性支持部13とを備えている。MEMS素子のベース7は、ダイボンドによりケース2に固定されている。ケース2は、例えば、電気絶縁性の材料(例えば、セラミックス)で形成されている。ケース2の上端には、ケース2内を真空封入するための上蓋3がシーム溶接される。
MEMS素子10は、Siからなるベース7と、Si活性層からなるデバイス層9と、ベース7とデバイス層9を接合するSiO等の無機絶縁材料により形成された接合層8とから構成されている。つまり、MEMS素子10は、図1(B)に図示されるように、ベース7、接合層8およびSi活性層からなるデバイス層9がz方向に積層された3層構造により構成されている。このような構成のMEMS素子10は、通常、SOI(Silicon On Insulator)基板を用いて、一般的なMEMS加工技術により形成される。
デバイス層9には、4つの固定電極部11と、可動電極部12と、固定電極外周部35が形成されている。各固定電極部11は、複数の固定櫛歯110と、複数の固定櫛歯110を連結する固定櫛歯連結部111と、リード部112とを有する。固定櫛歯110は、x軸方向に延在され、y軸方向に所定の間隔で配列されている。固定櫛歯連結部111は、y軸方向に延在され、y軸方向に配列された複数の固定櫛歯110を連結している。リード部112は、固定櫛歯連結部111に直交する方向、すなわちx軸方向に延在されている。リード部112の先端部には、矩形形状の端子部が形成されている。この端子部の上面にはアルミニウム等の導電性金属が設けられて電極パッド113が形成されている。
図示はしないが、固定電極外周部35と、各固定電極部11のリード部112および固定櫛歯連結部111との間には、隙間が形成されており、固定電極外周部35と、各固定電極部11のリード部112および固定櫛歯連結部111とは物理的に分離されている。これにより、固定電極外周部35と各固定電極部11とは電気的に絶縁されている。各固定電極部11のリード部112および固定櫛歯連結部111は、接合層8を介してベース7により支持されている。各固定電極部11の固定櫛歯110は、ベース7に設けられた矩形形状の開口部7a(図1(B)、図2(A)、(B)参照)に対応する領域上に延在されている。
可動電極部12は、複数の可動櫛歯120と、中央帯部121(図1(B)参照)と、複数の可動櫛歯120を連結する可動櫛歯連結部122を有する。可動櫛歯連結部122は、中央帯部121のx軸方向の中心から、それぞれ、y軸正方向、およびy軸負方向に延在されている。可動櫛歯120は、y軸正方向およびy軸負方向に延在されている各可動櫛歯連結部122からx軸正方向またはx軸負方向に延在され、y軸方向に所定の間隔で配列されている。
可動電極部12の中央帯部121のz軸正方向側の面である上面およびz軸負方向側の面である下面には、それぞれ、錘105a、105bが接着等により固定されている。錘105a、105bそれぞれの重心位置は、中央帯部121のx軸方向およびy軸方向の中心を通るz軸と同軸上にある。
中央帯部121のy軸正方向側に配置された2つの固定電極部11は、中央帯部121のx軸方向の中心線に対して線対称に配置されている。また、中央帯部121のy軸負方向側に配置された他の2つの固定電極部11は、中央帯部121のx軸方向の中心線に対して線対称に配置されている。
固定櫛歯連結部111からx軸方向に延在する複数の固定櫛歯110と各可動櫛歯連結部122からx軸方向に延在される可動櫛歯120とは、y軸方向に隙間を介して互いに噛合するように配置されている。
可動電極部12は、接合層8を介してベース7に固定された固定部150に、弾性支持部13を介して機械的および電気的に接続されている。固定部150は、中央帯部121のx軸正方向およびx軸負方向に1つずつ、すなわち、一対設けられている。一対の固定部150は同一形状に形成されており、中央帯部121のx軸方向の中心軸に対し線対称に配置されている。各固定部150のy軸方向の中心線は、中央帯部121のy軸方向の中心線と同軸である。
弾性支持部13に支持されている可動電極部12は、外部の振動によりx軸方向に振動し、可動電極部12の中央帯部121の一側面121a(図3参照)が固定部150に衝突する。このとき、可動部が衝突する固定部150の当接部のy軸方向の位置が、錘105a、105bを含む中央帯部121の重心を通る中心軸からy軸方向にずれていると、可動電極部12の中央帯部121にモーメントが発生する。可動電極部12の中央帯部121にモーメントが発生すると、弾性支持部13に変形が生じ、中央帯部121が正常に振動しなくなる。このため、可動電極部12の中央帯部121が衝突する固定部150の当接部のy軸方向の中心線は、可動電極部12の中央帯部121のx軸方向に延在する中心線と同軸にする必要がある。
固定部150には電極パッド114が接続されている。固定部150には、矩形形状の端子部が一体的に形成され、この端子部の上面にはアルミニウム等の導電性金属が設けられて電極パッド114が形成されている。
電極パッド113、114は、それぞれ、ワイヤー22によってケース2に設けられた電極21a、21bに接続されている。
固定電極部11および可動電極部12には、エレクトレットが形成されている。固定電極部11および可動電極部12の一方にのみエレクトレットが形成されている場合、他方には、逆極性の電荷が発生するので、固定電極部11および可動電極部12の一方のみにエレクトレットを形成してもよい。
本実施の形態では可動電極部12はx軸方向に振動するように構成されており、可動電極部12がx軸方向に振動すると、固定電極部11の固定櫛歯110に対する可動電極部12の可動櫛歯120の挿入量が変化して電荷の移動が発生して発電が行われる。
図2(A)は、錘105a、105bを固着する前のMEMS素子10を示す図である。
上述したように、MEMS素子10は、SOI(Silicon On Insulator)基板を用いて一般的なMEMS加工技術により形成される。SOI基板は、ベース7、接合層8およびSi活性層からなるデバイス層9がz方向に積層された3層構造により構成されている。図1(B)に図示されるように、デバイス層9は、接合層8を介して、ベース7により支持されている。固定電極部11、可動電極部12、弾性支持部13はSi活性層により形成される。
図2(A)では、ベース7上の固定電極部11、可動電極部12、弾性支持部13および固定部150を、ハッチングを施して示した。可動電極部12は4つの弾性支持部13によって弾性支持されている。各弾性支持部13は、弾性変形可能な3本のビーム13a~13cを備えている。可動電極部12は、ベース7に設けられた開口部7aに対応する領域上に配置されている。可動電極部12は、弾性支持部13のビーム13a~13cを介して固定部150に接続されている。固定部150は、接合層8を介してベース7に固定されている。従って、可動電極部12は、4つの弾性支持部13および固定部150を介して、ベース7に支持されている。
固定部150は、可動電極部12のx軸方向の振動の範囲を制限する制限部としても機能する。各固定部150は、図3(A)に図示されるように、固定部本体151と、弾性部152と、固定部本体151と弾性部152との間に設けられたスリット153とを有する。
可動電極部12のx軸方向の振動は、可動電極部12が各固定部150に衝突し、弾性部152が変形することにより、規制される。すなわち、固定部150には、可動電極部12の力が作用する。固定部150は、損傷することなく、可動電極部12の力を受け止める剛性を有する必要がある。本実施形態の固定部150を採用することにより、従来のものに比べて、MEMS素子10のx軸方向に作用する大きな加速度でも損傷を防止することが可能であり、かつ、小型化を図ることができる構造を備えている。このことについては、後述する。
図2(B)は、図2(A)に図示されたMEMS素子10から、固定電極部11および可動電極部12を取り除いた状態を示す平面図である。図2(B)のハッチング領域11Cは、各固定電極部11の固定櫛歯連結部111およびリード部112が接合層8に接合される接合部のパターンを示す。図3(B)のハッチング領域11Aは、弾性支持部13のビーム13aの端部が接合層8に接合される接合部のパターンを示す。図3(B)のハッチング領域11Bは、固定部150が接合層8に接合される接合部のパターンを示す。
図3(A)は、図1(A)の領域IIIの拡大図であり、図3(B)は、図3(A)の領域IIIの拡大図である。 固定部150は、固定部本体151と、弾性部152と、固定部本体151と弾性部152との間に設けられたスリット153とを有する。固定部150のy軸方向の中心軸は、可動電極部12の中央帯部121のy軸方向の中心軸と同軸である。
弾性部152は、中央帯部121のx軸方向の一側面121aに沿って延在されている。弾性部152は、4つの梁構成部152a~152dと、梁構成部152aと梁構成部152b、および梁構成部152cと梁構成部152dとを連結する2つの梁構成部連結部154により構成されている。
図4(A)は、弾性部152の表面形状を説明する原理図であり、4つの梁構成部252a~252dで形成された両持ち梁である放物線梁252からなる弾性部251を示している。4つの梁構成部252aはそれぞれが放物線形状を有し、両持ち梁の全長にわたりほぼ均一な応力分布が得られる疑似平等梁を構成する。
梁構成部252aの放物線の頂点は梁構成部252bの放物線の頂点と梁構成部連結部254で接続されている。梁構成部252cの放物線の頂点は梁構成部252dの放物線の頂点と梁構成部連結部254で接続されている。
図3の弾性部152は、4つの梁構成部152a~152dを有する疑似平等梁であるが、この疑似平等梁は、図4の放物線梁252の形状のうち、各梁構成部252a~252dの放物線の軸を境とした右の領域の側面を平坦に構成した梁である。
なお、図4の梁構造は後で詳細に説明する。
図3に戻って説明を続ける。弾性部152が中央帯部121と対峙する面は、それぞれ、図4の梁構成部252a~252dと同様の放物線状の輪郭を有する。梁構成部152aと梁構成部152b、および梁構成部152cと梁構成部152dは、放物線の頂点側で梁構成部連結部154により連結されている。また、梁構成部152bと梁構成部152cとは、放物線の頂点と反対側で連結されている。以下では、放物線の頂点の反対側を根元部側と称する。梁構成部152aと梁構成部152dは、それぞれ、固定部本体151のy軸方向の一端151Tおよび他端152Tに一体化され、弾性部152は両持ち梁として機能する。
スリット153は、可動電極部12の中央帯部121が衝突する固定部本体151の端部において、中央帯部121の一側面121aと平行にy軸方向に延在されている。スリット153を形成することにより両持ち梁である弾性部152が形成される。
スリット153は、y軸方向の中央部に、換言すれば、梁構成部152bおよび梁構成部152cに対応する領域に形成された第1スリット部153aと、y軸方向の両端部、すなわち、梁構成部連結部154に対応する領域に形成された第2スリット部153bとを有する。2つの第2スリット部153bの形状およびサイズは、ほぼ、同一である。
第1スリット部153aのx軸方向の幅は、弾性部152のx軸方向の最大変位量を規定するもので、第1スリット部153aは、梁構成部152bおよび梁構成部152cのスリット153側の側面と、スリット153内の突出部151aの最終規制先端面164との間に形成されている。第1スリット部153aの幅、換言すれば、x軸方向の長さは、第2スリット部153bのx軸方向の幅より小さい。
第2スリット部153bの固定部本体151のコーナー部171近傍は、半円状に形成されている。
梁構成部152bと梁構成部152cの連結部のy軸方向の中心は、中央帯部121のy軸方向の中心と同軸である。梁構成部152bと梁構成部152cの連結部の側面161は、弾性部152において中央帯部121の一側面121aに最も近接するように突出している。2つの梁構成部連結部154の側面162は、弾性部152において中央帯部121の一側面121aから最も離間している。従って、梁構成部連結部154の肉厚、すなわち、x軸方向の長さは、構成部152bと梁構成部152cの連結部の肉厚より小さい。
つまり、弾性部152は、肉厚が大きい中央部、一端および他端を有し、また、中央部と一端との間および中央部と他端との間のそれぞれに、中央部より厚さの薄い薄肉部を有する構造を有している。
次に、固定部150による可動電極部12の振動の範囲を制限する動作について説明する。
可動電極部12の振動により中央帯部121がx軸方向に移動すると、中央帯部121の一側面121aが固定部150の弾性部152の連結部の側面161に衝突する。固定部150の弾性部152は、中央帯部121の一側面121aにより押圧されて変形し、弾性部152の第1スリット部153aに面する内側面163が、固定部本体151の第1スリット部153aに面する突出部151aの最終規制先端面164に当接し、この位置で、中央帯部121のx軸方向へ移動が停止する。つまり、固定部本体151の最終規制先端面164は、中央帯部121、すなわち可動電極部12の振動の範囲を制限する制限部となっている。
弾性部152が最終規制先端面164に衝突すると可動電極部12が停止する。従来構造のように、スリットの幅を可動電極部12の最大変位量に応じた値とし、かつ、スリットの幅を弾性部のy軸方向全長にわたり同じ寸法に設定し、かつ、弾性部の断面形状をy軸方向全長に一様な矩形とすると、弾性部152のスリット153のy軸方向両端側のコーナー部171近傍に生じる応力集中により、弾性部152のy軸方向の両端部のコーナー部171が破損する可能性が増大する。
比較例として、固定部150に形成するスリット153として、第1スリット部153aのみが設けられており、第1スリット部153aが固定部本体151のy軸方向の両端部まで延在され、断面形状が梁の全長にわたり一様な矩形とした弾性部の構造を考える。この比較例の構造では、第1スリット部153aの固定部本体151のy軸方向の両端側のコーナー部171に形成される半円の曲率半径は、図3(B)に図示されるように、第1スリット部153aに内接する円の半径Raとなる。
これに対し、本実施形態では、弾性部152を、比較例の梁に比べて大きな曲げ剛性、換言すると大きなばね定数を有し、かつ、梁の全長にわたり応力がほぼ等しくなるような疑似平等梁とした。したがって、弾性部152が有する弾性エネルギ(衝撃を吸収するエネルギ)の大きさは、実施の形態の梁が比較例の梁に比べて大きい。また、第1スリット部153aのy軸方向の両側に第1スリット部153aの幅よりも大きい幅の第2スリット部153bを有する。従って、固定部本体151のy軸方向の両端側のコーナー部に形成される第2スリット部153bの曲率半径Rbを、第1スリット部153aにおける曲率半径Raより大きくすることができる。このため、固定部本体151のy軸方向の両端側のコーナー部に生じる集中応力を緩和することができる。
第1スリット部153aの幅は、例えば、10~20μm程度とすることができる。一方、第2スリット部153bの幅は、例えば、50μm以上とすることができる。但し、これらの幅寸法は、参考用に示す一例であって、適宜、最良の幅寸法を採用することができる。
また、図3に例示される弾性部152の側面は、y軸方向の中央部の側面161から、梁構成部連結部154の側面162に向かう、なだらかな曲面に形成されている。このため、根元連結部の側面161から、梁構成部連結部154の側面162の間の応力分布をほぼ均一化することができる。
さらに、図3に例示される固定部150は、第1スリット部153aのy軸方向の両側に第2スリット部153bを設けたので、第1スリット部153aのy軸方向、換言すれば、最終規制先端面164の長さが短くなる。これにより、以下で説明するように、反応ガスの排出性を向上することができる。
通常、スリット153は、DRIE(Deep Reactive Ion Etching)により形成する。
DRIEによるエッチングでは、被エッチング材であるSiとの反応速度を向上するには、反応を終了した後の反応ガスが、スリットから流出する際の排出性の良いことが重要である。エッチング加工するスリット幅が狭く、延在する方向に長い場合には、スリットから流出する反応ガスの排出性が悪くなり、加工時間が長くなる。本実施形態では、第1スリット部153aのy軸方向、換言すれば、スリット幅方向と直交する方向の長さが短くなるので、反応を終了した後の反応ガスのスリットからの排出性が良好となり、スリット153の加工時間の能率化を図ることができる。
図6は、比較例と本実施形態における、可動部振幅量と振動発電デバイス1に印加される加速度との関係を示す図である。
図6の縦軸は、可動部振幅量であり、横軸は振動発電デバイス1に印加される加速度である。縦軸の点T1は、中央帯部121の一側面121aが固定部150の弾性部152の側面161に接触する位置である。また、縦軸の点T2は、弾性部152の内側面163が固定部本体151の最終規制先端面164に当接する位置である。弾性部152が位置T1からT2に移動して変形する際にMEMS素子10に作用する衝撃エネルギを吸収する。
可動電極部12が振動を開始して、中央帯部121の一側面121aが点T1に達するまでは、弾性部152のばね定数が大きい場合も小さい場合も、可動部振幅量と振動発電デバイス1に印加される加速度の関係は、同一であり、直線Lcの関係を示す。
固定部150に設けられた弾性部152のばね定数が小さい場合には、可動電極部12の移動と共に直線Lwに示すように可動電極部12の振幅増加の傾きが小さい状態で、中央帯部121の一側面121aが点T2に達する。すなわち、弾性部152のばね定数が小さい場合には、中央帯部121の一側面121aが点T2に達する際の振動発電デバイス1に印加される加速度αは小さい。これに対し、固定部150に設けられた弾性部152のばね定数が大きい場合には、可動電極部12の移動と共に直線に示すように振動発電デバイス1に印加される加速度が加速度αを超えても可動電極部12の力を受け続ける。そして、加速度が所定の大きさであるαに達した時点で、点T2に達する。すなわち、弾性部152のばね定数が大きい場合には、中央帯部121の一側面121aが点T2に達する際の振動発電デバイス1に印加される加速度αは、加速度αより大きくなる。
このように、固定部150の弾性部152のばね定数を大きくすることにより、可動電極部12が固定部150に衝突してからT2-T1の距離だけ変形する際に吸収するエネルギーが大きくなり、比較例に比べて大きな加速度が作用した場合でもMEMS素子10の破損を防止することができる。吸収エネルギについては後述する。
本実施形態では、固定部150に形成するスリット153を、可動電極部12の移動を規制するためのスリット幅の小さい第1スリット部153aと、第1スリット部153aに接続され、固定部150のコーナー部171近傍まで延在するスリット幅の大きい第2スリット部153bにより構成した。そして、第2スリット部153bのコーナー部171側を曲率半径の大きい円弧形状に形成した。また、弾性部152の中央帯部121側の側面を、y軸方向の中央部の側面161から梁構成部連結部154の側面162に向かうなだらかな曲面とした。
このため、外部からMEMS素子10に作用する加速度が大きくなっても、弾性部152が固定部本体151に固定されるコーナー部171、および弾性部152の側面161から梁構成部連結部154の側面162までの領域に生じる応力を均一化できる。これにより、弾性部152の小型化を図りつつ、大きなばね定数を有する弾性部を得ることができる。
また、固定部150の弾性部152を、比較例のような矩形で断面積が一様な梁構造とは異なり、梁の全長にわたり応力がほぼ等しくなるような梁構造とし、かつ、比較例の梁に比べてばね定数を大きくした。すなわち、比較例の梁のばね定数よりも大きなばね定数とした。従って、図6で説明したように、第1スリット部153aのスリット幅を比較例のスリット幅と等しくしても、換言すると、可動電極部の可動範囲が同じでも、MEMS素子10を落下してしまったり、MEMS素子10を取り付ける際に他の部材が衝突したりした場合の弾性部152の損傷を防止することが可能となる。
図7を参照して、比較例と実施の形態における応力分布について説明する。
図7(A)は、全長にわたり矩形で均一な断面積を有する両持ち梁である弾性部301のy軸方向の中心に、集中荷重fを作用させたとき、弾性部301に発生するシミュレーションによる応力分布を示す斜視図である。弾性部301は、Siにより形成されている。なお、弾性部301は、前述した比較例の弾性部と等価な梁である。
図7(B)は、実施の形態の4つの梁構成部252a~252dを有する放物線梁252を説明した図4の原理図による梁と等価な梁の斜視図である。
図7(A)、(B)では、大きい応力をハッチングAで、小さい応力をハッチングCで、その中間の応力をハッチングBで示している。
図7(A)に図示されるように、弾性部301のy軸方向の中間部301mのx軸正方向およびx軸負方向の側面の表面には、大きい応力が発生する。また、弾性部301のy軸方向の一端301ta側および他端301tb側のx軸正方向およびx軸負方向の側面の表面にも、大きい応力が発生する。
一方、弾性部301のy軸方向の中間部301mとy軸方向の一端301taとの間、および弾性部301のy軸方向の中間部301mとy軸方向の他端301tbとの間の表面に発生する応力は小さい。
このことから、矩形梁では、y軸方向の中間部301mと、y軸方向の一端301taおよび他端301tbとの間の領域では、発生する応力が小さいため、この領域の剛性を小さくする余裕があることが判る。
ここで、図4の疑似平等梁について詳細に説明する。
図4(A)は、側面の表面全長に亘り、ほぼ均等な応力となる弾性部の形状を示す側面図であり、図4(B)は、図4(A)の領域IVの拡大図である。
放物線梁252は、第1梁構成部252a~第4梁構成部252dと、第1梁構成部252aと第2梁構成部252b、および第3梁構成部252cと第4梁構成部252dとを連結する2つの梁構成部連結部254により構成されている。第1梁構成部252a~第4梁構成部252dの4つの梁構成部は、それぞれ、放物線状の輪郭を有している。
図4(B)に図示されるように、第1梁構成部252aと第2梁構成部252b、および第3梁構成部252cと第4梁構成部252dは、放物線の頂点側で梁構成部連結部254により連結されている。第1梁構成部252aの頂点と第2梁構成部252bの頂点とが接触した状態で第1、第2梁構成部252a、252bの頂点を含む近傍が一体化され、梁構成部連結部254が形成されている。同様に、第3梁構成部252cの頂点と第4梁構成部252dの頂点とが接触した状態で第3、第4梁構成部252c、252dの頂点を含む近傍が一体化され、梁構成部連結部254が形成されている。
また、第2梁構成部252bと第3梁構成部252cとは、放物線の根元部側で一体化され、第1梁構成部252aの根元部側および第4梁構成部252dの根元部側は固定されている。
図4に図示される4つの放物線状の梁が連結された両端固定梁を、以下では、放物線梁と称する。なお、図3の弾性部152は、図4の放物線の軸の右側の領域の側面を平坦面とした梁構造であるが、この弾性部152も放物線梁と呼ぶ。
弾性部152を放物線梁とすることにより、全長にわたり矩形の同一断面を有する比較例や図7(A)の矩形梁よりも、ばね定数を大きくすることが可能となって、弾性部152が保有可能な弾性エネルギを大きくできる。
図7は、弾性部に発生する応力分布をシミュレーションにより示す斜視図であり、図7(A)は比較例の構造、図7(B)は本実施形態の構造に関するものである。
図7(A)は、比較例として、断面積が一様な、矩形形状の弾性部301の応力分布を示す。
比較例では、上述した通り、弾性部301における、y軸方向における中間部301mおよび一端301ta側および他端301tbのx軸正方向およびx軸負方向の側面表面に大きい応力が発生する。また、弾性部301のy軸方向の中間部301mとy軸方向の一端301taとの間、および弾性部301のy軸方向の中間部301mとy軸方向の他端301tbとの間の側面表面に発生する応力は小さい。つまり、弾性部301に生じる応力の大きさは全長一様ではなく不均等である。
図7(B)は、放物線梁により形成された弾性部251を、弾性部251に生じる最大応力が、図7(A)の比較例の最大応力と同一になるように歪ませた状態の応力分布を示す。
図7(B)に図示された放物線梁252により形成された弾性部251では、梁構成部連結部254を除く、第1~第4梁構成部252a~252dのx軸正方向およびx軸負方向の側面表面には比較的大きな応力が生じ、かつ、第1~第4梁構成部252a~252dの側面表面の全面に亘り、ほぼ均等であることが確認された。
因みに、比較例の弾性部301の最大たわみ量は、0.5μm程度であり、放物線梁252により形成された弾性部251の最大たわみ量は1.0μm程度であった。
このように、第1~第4梁構成部252a~252dにほぼ均等に応力が生じる構造とすることにより、ばね定数を大きくすることが可能となって、弾性部251が保有可能な弾性エネルギを大きくできる。以下に、その理由を説明する。
なお、本実施形態の効果を、対比して説明するため、先ず、断面積が一様な矩形梁について記載する。
図8(A)は、両端固定矩形梁(以下、単に矩形梁とする)の模式図であり、図8(B)は、図8(A)の断面形状を示し、図8(C)は、図8(A)における曲げ応力分布図であり、図8(D)は、図8(A)の曲げモーメント図であり、図8(E)は、図8(A)に図示される梁のx軸方向の下面側表面の曲げ応力を示す。
以下では、梁のx軸方向の長さ、換言すれば、たわみ方向の長さを厚さ、梁の延在方向の長さを梁長さ、梁のx軸方向およびy軸方向に直交するz軸方向の長さを幅とする。
矩形梁は、梁長さ全体に亘り、厚さw、幅bの一様な矩形断面を有する。つまり、梁の厚さwおよび幅b1は、梁長さ方向の任意位置において一定である。梁の両端は固定され、梁長さの中央に集中荷重P1を受けるものとし、集中荷重P1を受ける位置を原点0とし、原点からの長さをyとする。梁長さはLとする。従って、梁の一端および他端の位置yは、それぞれ、±L/2である。
位置yにおける曲げモーメントM1(y)、x軸方向の下面側表面の曲げ応力σmax1(y)は、それぞれ、式(1)(2)で表される。
(y)=L(1-4|y|/L)/8 (1)
σmax1(y)=M(y)/Z (2)
は、断面係数であり、式(3)で表される。
=b /6 (3)
矩形梁では、断面係数Zがyによらず一定のため、σmax1(y)は、M(y)に比例する。このため、図8(D)に図示される|M(y)|が最大となる位置(y=0、y=±L/2)において、|σmax1(y)|は、最大値σをとる((図8(E)参照)。
すなわち、式(4)が成立する。
σ=σmax1(0)=3L/4b (4)
つまり、y=0、y=±L/2において応力が集中し、集中荷重P1を大きくすると、この位置に対応する領域が許容応力を超え、梁が破壊する。このとき、この領域以外の領域では、応力に対する余裕がある。従って、矩形梁における不均等応力を改善して、均等化することにより、梁全体を有効に利用することが可能となる。このことは、図7(A)に図示される比較品に関して説明した通りである。
たわみδは、曲げモーメントと断面二次モーメントを用いて、式(5)で表される。
δ=L /16Eb (5)
ここで、Eはヤング率である。
次に、放物線梁について説明する。
図9(A)は、両端固定の放物線梁の模式図であり、図9(B)は、図9(A)の断面形状を示し、図9(C)は、図9(A)の曲げモーメント図であり、図9(D)は、図9(A)に図示される梁のx軸方向の下面側表面の曲げ応力を示す。
放物線梁で、断面の幅bは、梁長さ方向の任意位置において一定であるが、厚さwは、yの関数であり、梁長さ方向の位置yにおける厚さをw(y)とする。梁の両端は固定され、梁長さの中央に集中荷重Pを受けるものとし、集中荷重Pを受ける位置を原点0とし、原点からの長さをyとする。梁長さはLとする。
放物線梁の固定部である一端および他端における梁の厚さをwとする(図9(A)参照)。
関数w(y)には下記の対称性を持たせることとする。
(i) y=0に対して対称
すなわち、w(-y)=w(y)
(ii)0≦yの部分が、y=L/4に対して対称
すなわち、w(L/4-y)=w(L/4+y) (x≧0)
これらの対称性により、曲げモーメントM(y)、x軸方向の下面側表面の曲げ応力σmax(y)は、それぞれ、式(6)、(7)で表される。
M(y)=LP(1-4|y|/L)/8 (6)
σmax(y)=M(y)/Z(y) (7)
Z(y)は、断面係数であり、式(8)で表される。
Z(y)=bw(y)/6 (8)
ここで、関数w(y)を適切に選ぶことにより、|σmax(y)|がyによらず、一定値σとなるようにすることが可能となる。
max(y)|=σ (9)
式(9)に式(6)、(7)、(8)を代入して整理すると式(10)が得られる。
w(y)=√3LP|1-4|y|/L |/4bσ (10)
放物線梁の一端および他端における梁の厚さw(-L/2)=wより、σとw0の関係が式(11)として得られる。
σ=3LP/4bw (11)
式(11)により、式(10)は、式(10a)となる。
w(y)=w√|1-4|y|/L| (10a)
x軸方向の下面側表面の曲げ応力の絶対値は、位置yによらずσであり、均一な分布となっている。
たわみδは、曲げモーメントと断面二次モーメントから計算され、式(12)で表される。
δ=LP/8Ebw (12)
式(10a)による放物線梁の形状を図示すると図4となる。
図4に図示された梁長さL、位置y、一端および他端における梁の厚さwは、それぞれ式(10a)のL、y、wに対応する。
なお、y軸方向の中心からの長さy=±L/4では、梁の厚さw(y)=0となるが、このような梁では集中荷重Pを受けることができない。このため、この位置を含む周囲を連結部により連結する。
次に、弾性部152を矩形梁から放物線梁に置き換えた場合の効果について説明する。
置き換えの条件は、梁の厚さw以外のサイズは同一とする。
つまり、梁の幅b=b、梁長さL=Lとする。
また、梁の応力最大値が材料の許容応力σに達するときのたわみをδとし、これらの条件をそろえる。すなわち、たわみδ=δ=δ、曲げ応力σ=σ=σ とする。
つまり、矩形梁も放物線梁も破壊寸前まで撓んでおり、そのたわみ量が等しい場合を考える。このとき、式(4)、(5)、(11)、(12)から式(13)が成り立つ。
/w=2Lσδ/L σδ=2 (13)
式(13)は、弾性部152を放物線梁にすることで、弾性部152が固定部150に固定される一端および他端の厚さを、矩形梁の場合の2倍にすることができることを示す。このことから、弾性部152が保有することができる弾性エネルギを大きくすることが可能であることが示唆される。
そこで、矩形梁と放物線梁それぞれが保有可能な弾性エネルギを求めることとする。
矩形梁と放物線梁が、それぞれ、限界まで撓んでいる状態で保有する弾性エネルギU、Uは、それぞれ、式(14)、(15)で表される。
=Pδ/2 (14)
U=Pδ/2 (15)
式(4)(11)、(13)より、これらの大きさには、式(16)に示す関係が成立することが判る。
U/U=Pδ/Pδ=4 (16)
式(16)から、同じ長さの放物線梁に置き換えることで、破壊されずに保有可能な弾性エネルギを、矩形梁の4倍に大きくすることができることが判る。
従って、放物線梁の構造を採用した弾性部152は、大きな外部振動に対して振動状態を維持することができる効果を奏する。
(放物線梁の変形例)
図5は、原理図として示した図4に対応するもので、図3に示した実施の形態の疑似平等梁の原理図である。
図4に図示された放物線梁252は、4つの梁構成部が頂点を通るy軸方向と平行な軸に対して線対称な輪郭を有する構造であった、
図5に図示された弾性部261は、一側面が直線状に延在され、一側面に対向する側面のみが湾曲面を有する放物線状の梁構造を有する。
弾性部261は、可動電極部12の中央帯部121との対面側と反対側の側面263が、直線状にy軸方向に延在されている。
弾性部261は、4つの梁構成部262a~262dが連結されて構成されており、その連結の仕方は、図4の放物線梁252と同様である。
つまり、梁構成部262aの根元部および梁構成部262dの根元部は固定されている。梁構成部262bの根元部と梁構成部262cの根元部は、弾性部261のy軸方向の中心で一体化されている。
梁構成部262aと梁構成部262bは、それぞれの頂点側の梁構成部連結部264において連結されている。また、梁構成部262cと梁構成部262dは、それぞれの頂点側の梁構成部連結部264において連結されている。
弾性部261のy軸方向の中心からの長さがyの位置における、各梁構成部262a~262dのx軸方向の厚さ、換言すれば、一側面263から湾曲面側までの長さは、図4に図示された放物線梁252における、y位置が同一位置の厚さw(y)と同一となっている。弾性部261は、一方の側面のみが湾曲された構造であるので、別の言い方をすると、各梁構成部の厚さは、図4に図示された放物線梁252の、頂点を通るy軸に平行な軸からの厚さの2倍となっている。
なお、本明細書においては、放物線状なる用語は、放物線の他、放物線に近似する形状を含むものとして用いられている。
弾性部261においても、各梁構成部の厚さは、図4に図示された放物線梁252における対応するy位置の厚さと同一であるので、図4に図示された放物線梁252からなる弾性部251と同様な効果を奏する。
上記では、弾性部251、261は、放物線または放物線状の輪郭を有する部材として例示した。しかし、弾性部251、261の輪郭を、正確に、放物線または放物線状にする必要はない。図7(A)について説明した通り、矩形梁では、中央部と、梁の固定部である一端および他端との間それぞれに応力が小さい領域が生じる。従って、この応力が小さい領域に薄肉部を設けて、剛性を小さくすれば、弾性部251、261の表面全体の応力が均等となる方向に近づくので、相応の効果を奏することができる。
また、上記実施形態では、固定部150の弾性部152の側面を湾曲面とすると共に、弾性部152と固定部本体との間に設けるスリット153を、スリット幅が小さい第1スリット部153aと、それよりもスリット幅が大きい第2スリット部153bにより構成する構造として例示した。
しかし、弾性部152の輪郭を放物線または放物線状にすることによる効果は、スリット153を、スリット幅が異なる複数のスリットから構成するか否かとは関係なく得ることができる。
また、スリット153を、スリット幅が異なる複数のスリットから構成することによる効果は、弾性部152の輪郭を放物線または放物線状にするか否かとは関係なく得ることができる。
従って、弾性部152の側面を湾曲面とすること、およびスリット153を、スリット幅が異なる複数のスリットから構成することは、それぞれ、単独に用いてMEMS素子10を構成してもよい。
(固定部および可動部の変形例)
図10は、可動部と固定部の変形例を示す平面図である。
図10に図示される固定部150は、可動電極部12の中央帯部121に対面する側面156は、y軸方向に直線状に延在されており、側面156には、突出面が形成されていない。これに対し、可動電極部12の中央帯部121の固定部150側に対面する一側面121aに、可動電極部12側に突出する突出部128が設けられている。突出部128は、先端部128aが固定部150のy軸方向の中心に対応する位置に設けられている。
また、固定部150に設けられたスリット155は、中央部に設けられた第1スリット部155aと、第1スリット部155aのy軸方向の両側に設けられたほぼ円形の第2スリット部155bにより構成されている。
このように、突出部128は、可動電極部12側に設けてもよい。また、第2スリット部155bは、円形や楕円形にしてもよい。
また、上記実施形態では、弾性部152を固定部150に設けた構造として例示したが、弾性部152を可動電極部12に設けてもよい。
上記実施形態によれば、下記の効果を奏する。
(1)MEMS素子10は、ベース7と、可動電極部(可動部)12と、弾性部152および固定部本体151を有する固定部150を備えており、弾性部152は、可動電極部12の移動方向と交差する方向に延在され、可動電極部12の中央帯部121の力を受ける中央部と、固定部本体151に固定された一端および他端を有し、中央部と一端との間および中央部と他端との間のそれぞれに、中央部、一端および他端より肉厚が薄い薄肉部を有する。中央部に外力が作用した場合、矩形梁構造の弾性部152に発生する、中央部と一端との間および中央部と他端との間の側面表面に生じる応力は、中央部、一端および他端の側面表面に生じる応力より小さい。本実施形態では、応力が小さい中央部と一端との間および中央部と他端との間に薄肉部を設けた構造を有する。これにより、弾性部152の薄肉部の側面表面の応力が大きくなり、弾性部152側面表面全体の応力が均等となる方向に改善される。このため、弾性部を小型化しつつ、ばね定数を大きくすることができ、変形に伴う弾性エネルギを大きくすることができる。その結果、大きい外力を受けた場合の弾性部152の損傷を抑制することができる。
(2)弾性部152の中央部と薄肉部の間は、その間の応力がほぼ均一となるように、なだらかな曲面に形成されている。中央部と薄肉部の間に生じる応力を均一にすることにより、弾性部の小型化を図ることができる。
弾性部152の中央部と薄肉部との間の損傷を抑制することができる。
(3)弾性部152の中央部の可動電極部12の中央帯部121に対面する側面は、薄肉部よりも可動電極部12の中央帯部121側に突出している。このため、可動電極部12の中央帯部121が弾性部152に当接したときに、中央帯部121に不所望な回転モーメントが生じるのが抑制され、可動電極部12を効果的に直線移動することができる。その結果、発電効率の低下を抑えることができる。
(4)弾性部152は、根元部側で一体化された2つの放物線状の輪郭を有する第2、第3梁構成部152b、152cと、頂点側が第2梁構成部152bの頂点側に連結された放物線状の輪郭を有する第1梁構成部152aと、頂点側が第3梁構成部152cの頂点側に連結された放物線状の輪郭を有する第4梁構成部152dを有する放物線梁により構成されている。これにより、弾性部152を矩形梁により構成する場合に比し、弾性部を小型化したり、放物線梁を矩形梁と同一サイズとすれば、最大たわみ量を大きくしたり、ばね定数を大きくすることが可能となって、弾性部152が保有可能な弾性エネルギを大きくしたりすることができる。
弾性部152を上記放物線梁により構成する場合、弾性部152の厚さw(y)は、下記の式をほぼ満足するように設定することが好ましい。
w(y)=w√|1-4|y|/L|
但し、w(y)は、弾性部152の梁長さの中央からの長さがyの位置における放物線梁の厚さであり、wは、弾性部152の一端部の厚さであり、|y|は、弾性部152の梁長さの中央から位置yまでの長さの絶対値であり、Lは、弾性部152の梁長さの全長である。
(5)MEMS素子10は、ベース7と、可動電極部12と、弾性部152および固定部本体151を有する固定部150を備えており、固定部150は、弾性部152に沿って延在され、固定部本体151を貫通して設けられたスリット153を有する。弾性部152は、可動電極部12の中央帯部121の移動方向と交差する方向に延在され、中央帯部121の力を受ける中央部と、固定部本体151に固定された一端および他端を有し、スリット153は、弾性部152の中央部に対応して設けられた第1スリット部153aと、第1スリット部153aに接続され、弾性部152の一端近傍および他端近傍の内側に設けられた第2スリット部153bを有し、第2スリット部153bの中央帯部121の移動方向の幅は第1スリット部153aの中央帯部121の移動方向の幅よりも大きく形成され、第2スリット部153bの弾性部152の一端側のコーナー部171および他端側のコーナー部171には、それぞれ、円弧状の湾曲部が設けられ、円弧状の湾曲部の曲率半径Rbは、第1スリット部153aに内接する円の曲率半径Raより大きい。このため、弾性部152の一端側のコーナー部171および他端側のコーナー部171に生じる集中応力を抑制することができ、大きい振動を受けた場合でも、弾性部152が損傷されるのを抑制することができる。
なお、上記実施形態では、SOI基板によりMEMS素子10を形成するとして例示したが、シリコン基板を用いても良い。また、シリコン基板に替えて、ガラス、金属、アルミナ等を用いてもよい。
また、上記実施形態では、MEMS素子10は、振動発電素子用として例示した。しかし、外部から駆動電圧を印加して可動電極部を振動させる振動アクチュエータ用のMEMS素子としてもよい。振動アクチュエータでは、可動電極部の振動を利用して、種々のデバイスを形成することができる。さらに、本実施形態のMEMS素子10は、種々のセンサ用としてもよい。
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。上述した種々の実施の形態および変形例を組み合わせたり、適宜、変更を加えたりしてもよく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
1 振動発電デバイス
7 ベース
10 MEMS素子
11 固定電極部
12 可動電極部(可動部)
13 弾性支持部
110 固定櫛歯
120 可動櫛歯
121 中央帯部
121a 一側面
128 突出部
150 固定部
151 固定部本体
152 弾性部
152a~152d 梁構成部
153 スリット
153a 第1スリット部
153b 第2スリット部
154 梁構成部連結部
155 スリット
155a 第1スリット部
155b 第2スリット部
161 側面
163 内側面
171 コーナー部
251 弾性部
252 放物線梁
252a 第1梁構成部
252b 第2梁構成部
252c 第3梁構成部
252d 第4梁構成部
254 梁構成部連結部
261 弾性部
262a~262d 梁構成部
264 梁構成部連結部

Claims (15)

  1. ベースと、
    少なくとも一部が前記ベースに固定され、所定方向に移動可能な可動部と、
    少なくとも一部が前記ベースに固定され、前記可動部に対向して設けられた弾性部および前記弾性部が固定された固定部本体を有する固定部と、を備え、
    前記弾性部は、前記可動部の移動方向と交差する方向に延在され、前記可動部の力を受ける中央部と、前記固定部本体に固定された一端および他端を有し、前記中央部と前記一端との間、および前記中央部と前記他端との間のそれぞれに、前記中央部、前記一端および前記他端より肉厚が薄い薄肉部を有し、
    前記弾性部の前記中央部と前記薄肉部の間は、その間の応力がほぼ均一となるように、なだらかな曲面に形成されているMEMS素子。
  2. 請求項1に記載のMEMS素子において、
    前記弾性部の前記中央部の前記可動部に対面する側面は、前記薄肉部よりも前記可動部側に突出しているMEMS素子。
  3. 請求項1に記載のMEMS素子において、
    前記可動部の前記固定部に対面する側面に、前記固定部の前記中央部に対向する突出部が形成されているMEMS素子。
  4. 請求項1または請求項2に記載のMEMS素子において、
    前記弾性部と前記固定部本体との間には、前記弾性部に沿って延在され、前記固定部本体を貫通するスリットが設けられており、
    前記弾性部の前記可動部に対面する側面は、
    前記可動部から受ける力により発生する応力が、前記中央部の表面および前記薄肉部の表面において、ほぼ均一となる、なだらかな曲面に形成されているMEMS素子。
  5. 請求項1または請求項2に記載のMEMS素子において、
    前記弾性部は、4つの梁構成部を有し、
    前記弾性部と前記固定部本体との間には、前記弾性部に沿って延在されたスリットが設けられており、
    前記弾性部の前記可動部に対面する側面および前記弾性部の前記スリット側の側面の少なくとも一方は、前記固定部本体の一端に根元部が固定された放物線状の湾曲面を有する第1梁構成部と、前記第1梁構成部と頂点側で連結された放物線状の湾曲面を有する第2梁構成部と、前記第2梁構成部と根元部で一体化された放物線状の湾曲面を有する第3梁構成部と、前記第3梁構成部と頂点側で連結され、根元部が前記固定部本体の他端に固定された放物線状の湾曲面を有する第4梁構成部からなる放物線状構造を有するMEMS素子。
  6. 請求項5に記載のMEMS素子において、
    前記弾性部の前記可動部に対面する前記側面は、前記中央部と前記一端間が、前記中央部の中心を基端とする放物線状の湾曲面と前記一端を基端とする放物線状の湾曲面とを、各放物線状の湾曲面の頂点側で接合した形状を有し、
    前記弾性部の前記スリット側の側面は、直線状に形成されているMEMS素子。
  7. 請求項5または請求項6に記載のMEMS素子において、
    前記弾性部の厚さw(y)は、下記の式をほぼ満足するように設定されているMEMS素子。
    w(y)=w√|1-4|y|/L|
    但し、w(y)は、弾性部の梁長さの中央からの長さがyの位置における放物線梁の厚さであり、wは、弾性部の一端部の厚さであり、|y|は、弾性部の梁長さの中央から位置yまでの長さの絶対値であり、Lは、弾性部の梁長さの全長である。
  8. 請求項1に記載のMEMS素子において、
    前記弾性部と前記固定部本体との間には、前記弾性部に沿って延在されたスリットが設けられており、
    前記スリットは、前記弾性部の前記中央部に対応して設けられた第1スリット部と、前記第1スリット部に接続され、前記弾性部の前記一端近傍および前記他端近傍の内側に設けられた第2スリット部を有し、前記第2スリット部の前記可動部の移動方向の幅は前記第1スリット部の幅よりも大きいMEMS素子。
  9. 請求項8に記載のMEMS素子において、
    前記固定部本体の前記第1スリット部に対向する領域には、ストッパ部が設けられており、
    前記ストッパ部の先端面は、前記弾性部を介して受ける前記可動部の力を最終的に規制する最終規制先端面であるMEMS素子。
  10. ベースと、
    少なくとも一部が前記ベースに固定され、所定方向に移動可能な可動部と、
    少なくとも一部が前記ベースに固定され、前記可動部に対向して設けられた弾性部および前記弾性部が固定された固定部本体を有する固定部と、を備え、
    前記固定部は、前記弾性部と前記固定部本体との間に前記弾性部に沿って延在され、前記固定部本体を貫通して設けられたスリットを有し、
    前記弾性部は、前記可動部の移動方向と交差する方向に延在され、前記可動部の力を受ける中央部と、前記固定部本体に固定された一端および他端を有する梁構造であり、
    前記中央部と前記一端との間、および前記中央部と前記他端との間のそれぞれに、前記中央部、前記一端および前記他端より肉厚が薄い薄肉部を有し、
    前記弾性部の前記中央部と前記薄肉部の間は、その間の応力がほぼ均一となるように、なだらかな曲面に形成され、
    前記スリットは、前記弾性部の前記中央部に対応して設けられた第1スリット部と、前記第1スリット部に接続され、前記弾性部の前記一端近傍および前記他端近傍の内側に設けられた第2スリット部を有し、前記第2スリット部の前記可動部の移動方向の幅は前記第1スリット部の幅よりも大きく形成され、前記第2スリット部の前記弾性部の前記一端側のコーナー部および前記他端側のコーナー部には、円弧状の湾曲部が設けられ、前記円弧状の湾曲部の曲率半径は、前記第1スリット部に内接する円の曲率半径より大きいMEMS素子。
  11. 請求項10に記載のMEMS素子において、
    前記弾性部は、前記中央部と前記一端との間、および前記中央部と前記他端との間のそれぞれに、前記中央部、前記一端および前記他端より肉厚が薄い薄肉部を有するMEMS素子。
  12. 請求項1から請求項11までのいずれか一項に記載のMEMS素子において、
    前記ベース、前記固定部および前記可動部は、シリコンにより形成されているMEMS素子。
  13. 請求項12に記載のMEMS素子において、
    前記可動部は、複数の可動櫛歯および前記複数の可動櫛歯を連結する櫛歯連結部を有し、前記固定部は、前記可動部の前記複数の可動櫛歯に挿脱される複数の固定櫛歯を有するMEMS素子。
  14. 請求項13に記載のMEMS素子において、
    少なくとも前記各可動櫛歯および前記固定櫛歯の一方には、エレクトレットが形成されているMEMS素子。
  15. 請求項1から請求項14までのいずれか一項に記載のMEMS素子と、
    前記MEMS素子の前記可動部を前記固定部に弾性支持する弾性支持部と、
    前記固定部に対して前記可動部が振動することで発生する電力を出力する出力部とを備える振動発電デバイス。
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