JP7185541B2 - 硫化検出抵抗器 - Google Patents

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Description

本発明は、腐食環境の累積的な硫化量を検出するための硫化検出抵抗器関する。
一般的にチップ抵抗器等の電子部品の内部電極としては、比抵抗の低いAg(銀)系の電極材料が使用されているが、銀は硫化ガスに晒されると硫化銀となり、硫化銀は絶縁物であることから、電子部品が断線してしまうという不具合が発生してしまう。そこで近年では、AgにPd(パラジウム)やAu(金)を添加して硫化しにくい電極を形成したり、電極を硫化ガスが到達しにくい構造にする等の硫化対策が講じられている。
しかし、このような硫化対策を電子部品に講じたとしても、当該電子部品が硫化ガス中に長期間晒された場合や高濃度の硫化ガスに晒された場合は、断線を完全に防ぐことが難しくなるため、未然に断線を検知して予期せぬタイミングでの故障発生を防止することが必要となる。
そこで従来より、特許文献1に記載されているように、電子部品の累積的な硫化の度合いを検出して、電子部品が硫化断線する等して故障する前に危険性を検出可能とした硫化検出センサが提案されている。
特許文献1に記載された硫化検出センサは、絶縁基板上にAgを主体とした硫化検出体を形成し、この硫化検出体を覆うように透明で硫化ガス透過性のある保護膜を形成すると共に、絶縁基板の両側端部に硫化検出体に接続する端面電極を形成した構成となっている。このように構成された硫化検出センサを他の電子部品と共にプリント基板上に実装した後、該プリント基板を硫化ガスを含む雰囲気で使用すると、時間経過に伴って他の電子部品が硫化されると共に、硫化ガスが硫化検出センサの保護膜を透過して硫化検出体に接するため、硫化ガスの濃度と経過時間に応じて硫化検出体の色が変化していく。これにより、硫化検出体の色の変化を保護膜を透して目視したり、硫化検出センサの上面に照射した光の硫化検出体からの反射光を検出したり、あるいは硫化検出体の抵抗値の変化を検出することにより、硫化の度合いを検出するようにしている。
特開2009-250611号公報
しかし、硫化ガスによる硫化検出体の色の変化は微妙であるため、作業員の目視によって硫化の度合いを正確に検出することは困難であり、硫化検出体からの反射光に基づいて硫化の度合いを検出するとしても、検出するための大掛かりな設備が別途必要になるという課題がある。また、硫化検出体は比抵抗の低いAgを主体とした導電体であるため、累積的な硫化量に伴う硫化検出体の抵抗値変化は微量であり、さらにAgは温度特性(TCR)が非常に悪く、温度による抵抗値変化が大きいため、硫化検出体の抵抗値の変化に基づいて硫化の度合いを正確に検出することも困難となる。
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、硫化の度合いを正確かつ容易に検出することができる硫化検出抵抗器を提供することある。
上記目的を達成するために、本発明による硫化検出抵抗器の一形態は、直方体形状の絶縁基板と、前記絶縁基板の主面における両端部に形成された一対の表電極と、前記一対の表電極間に直列に形成された抵抗体および硫化検出導体と、前記抵抗体の全体および前記硫化検出導体の一部を覆うように形成された保護膜と、を備えた硫化検出抵抗器であって、前記一対の表電極に互いの膜厚を同じくする複数の前記硫化検出導体が並列に接続されており、前記複数の硫化検出導体は、互いの材料組成を相違していると共に、前記保護膜から同じ表面積で露出する硫化検出部を有していることを特徴としている。
このように構成された硫化検出抵抗器では、直列に接続された抵抗体と硫化検出導体の組一対の表電極間に複数組並列に接続されており、各組の硫化検出導体が、膜厚が同じで互いの材料組成を相違していると共に、保護膜から同じ表面積で露出しているため、一対の表電極間の抵抗値変化が段階的に変化していき、硫化の度合いを正確かつ容易に検出することができる。
この場合において、複数の硫化検出導体が、Agを主成分としてPdの含有量を相違させた電極材料によって形成されていると、硫化しにくい硫化検出導体を形成できて好ましい。
また、上記の目的を達成するために、本発明による硫化検出抵抗器の別形態は、直方体形状の絶縁基板と、前記絶縁基板の主面における両端部に形成された一対の表電極と、前記一対の表電極間に直列に形成された抵抗体および硫化検出導体と、前記抵抗体の全体および前記硫化検出導体の一部を覆うように形成された保護膜と、を備えた硫化検出抵抗器であって、前記一対の表電極に互いの材料組成を同じくする複数の前記硫化検出導体が並列に接続されており、前記複数の硫化検出導体は、互いの膜厚を相違していると共に、前記保護膜から同じ表面積で露出する硫化検出部を有していることを特徴としている。このように構成された硫化検出抵抗器では、直列に接続された抵抗体と硫化検出導体の組が一対の表電極間に複数組並列に接続されており、各組の硫化検出導体が、同じ材料組成で互いの膜厚を相違していると共に、保護膜から同じ表面積で露出しているため、一対の表電極間の抵抗値変化が段階的に変化していき、硫化の度合いを正確かつ容易に検出することができる。
また、上記の目的を達成するために、本発明による硫化検出抵抗器のさらに別形態は、直方体形状の絶縁基板と、前記絶縁基板の主面における両端部に形成された一対の表電極と、前記一対の表電極間に直列に形成された抵抗体および硫化検出導体と、前記抵抗体の全体および前記硫化検出導体の一部を覆うように形成された保護膜と、を備えた硫化検出抵抗器であって、前記一対の表電極間に、導通確保回路部と複数の前記硫化検出導体とが並列に接続されており、前記導通確保回路部が直列に接続された抵抗体と導体とからなると共に、これら抵抗体と導体の全体が前記保護膜により覆われており、前記複数の硫化検出導体は前記保護膜から露出する硫化検出部を有しており、前記複数の硫化検出部の累積的な硫化量によって断線するタイミングがそれぞれ異なるように設定されていることを特徴としている。このように構成された硫化検出抵抗器では、一対の表電極間の抵抗値変化が段階的に変化していき、硫化の度合いを正確かつ容易に検出することができると共に、複数の硫化検出部が全て断線した状態になっても、導通確保回路部によって両表電極間の導通を確保することができる。
また、上記構成の硫化検出抵抗器において、保護膜が複数の硫化検出導体と表電極の接続部を覆うように形成されていると、表電極から硫化検出導体との接続部に抵抗値検出に悪影響を及ぼす成分が拡散されたとしても、当該部位が保護膜で覆われているため、抵抗値変化を正確に検出することができる。
また、上記構成の硫化検出抵抗器において、保護膜が並列配置され複数の硫化検出部の間に位置する帯状部を有していると、隣接する硫化検出部がマイグレーションによって短絡することを防止できる。
また、上記構成の硫化検出抵抗器において、一対の表電極間に前記硫化検出導体と並列して導通確保回路部が形成されており、導通確保回路部が直列に接続された抵抗体と導体とからなると共に、これら抵抗体と導体が保護膜で覆われていると、複数の硫化検出部が全て断線した状態になっても、導通確保回路部によって両表電極間の導通を確保することができる。
また、上記構成の硫化検出抵抗器において、一対の表電極間に直列に形成された抵抗体および硫化検出導体のうち、抵抗体にトリミング溝が形成されていると共に、該抵抗体の両端部に硫化検出導体と測定用導体が接続されていると、各組の抵抗体の抵抗値をトリミングする際に、個々の抵抗体の両端部に接続された硫化検出導体と測定用導体にプローブを当接させながらトリミングを行うことができる。
この場合において、測定用導体が硫化検出導体であり、抵抗体の両端部に接続された一対の測定用導体に同じ表面積の硫化検出部が形成されていると、1つの抵抗体が2箇所の硫化検出部を有するため、硫化度合いの検出精度が向上する。
本発明によれば、硫化の度合いを正確かつ容易に検出することが可能な硫化検出抵抗器を提供することができる。
本発明の第1実施形態例に係る硫化検出抵抗器の平面図である。 図1のII-II線に沿う断面図である。 該硫化検出抵抗器の製造工程を示す平面図である。 該硫化検出抵抗器の製造工程を示す断面図である。 該硫化検出抵抗器における累積硫化量と抵抗値の関係を示す説明図である。 本発明の第2実施形態例に係る硫化検出抵抗器の平面図である。 本発明の第3実施形態例に係る硫化検出抵抗器の平面図である。 本発明の第4実施形態例に係る硫化検出抵抗器の平面図である。 該硫化検出抵抗器の製造工程を示す平面図である。 該硫化検出抵抗器の製造工程を示す断面図である。 本発明の第5実施形態例に係る硫化検出抵抗器の平面図である。 本発明の第6実施形態例に係る硫化検出抵抗器の平面図である。 該硫化検出抵抗器の製造工程を示す平面図である。 該硫化検出抵抗器の製造工程を示す断面図である。 本発明の第7実施形態例に係る硫化検出抵抗器の平面図である。
以下、発明の実施の形態について図面を参照しながら説明すると、図1は本発明の第1実施形態例に係る硫化検出抵抗器の平面図、図2は図1のII-II線に沿う断面図である。
図1と図2に示すように、第1実施形態例に係る硫化検出抵抗器10は、直方体形状の絶縁基板1と、絶縁基板1の表面の長手方向両端部に設けられた第1表電極2および第2表電極3と、第1表電極2に並列に接続された複数(本実施形態では3つ)の硫化検出導体4と、各硫化検出導体4と第2表電極3との間に接続された複数の抵抗体5と、各硫化検出導体4の一部と各抵抗体5の全体を覆う保護膜6と、絶縁基板1の裏面の長手方向両端部に設けられ一対の裏電極7と、絶縁基板1の長手方向両端面に設けられた一対の端面電極8と、端面電極8の表面に設けられた外部電極9と、によって主として構成されている。
絶縁基板1は、後述する大判基板を縦横の分割溝に沿って分割して多数個取りされたものであり、大判基板の主成分はアルミナを主成分とするセラミックス基板である。
一対の第1表電極2と第2表電極3は銀を主成分とするAg系ペーストをスクリーン印刷して乾燥・焼成したものであり、これら第1表電極2と第2表電極3は所定間隔を存して対向するように絶縁基板1の長手方向両端部に形成されている。一対の裏電極7も銀を主成分とするAg系ペーストをスクリーン印刷して乾燥・焼成したものであり、これら裏電極7は絶縁基板1の表面側の第1表電極2および第2表電極3と対応する位置に形成されている。
第1表電極2に並列に接続された3つの硫化検出導体4は、銀を主成分とするAg系ペーストをスクリーン印刷して乾燥・焼成したものであるが、Agペーストに添加されたPd(パラジウム)の含有量が互いに相違している。具体的には、図1の真上に位置する硫化検出導体4はPdを全く含まないAgペーストからなり、図1の真ん中に位置する硫化検出導体4はPdを5%含むAg系ペーストからなり、図1の真下に位置する硫化検出導体4はPdを10%含むAg系ペーストからなる。
複数の抵抗体5は酸化ルテニウム等の抵抗体ペーストをスクリーン印刷して乾燥・焼成させたものであり、これら抵抗体5の抵抗値は全て同じ値に設定されている。抵抗体5の両端部は硫化検出導体4と第2表電極3に接続されており、1組の硫化検出導体4と抵抗体5の直列回路部が第1表電極2と第2表電極3との間に3組並列に接続されている。
保護膜6はアンダーコート層とオーバーコート層の2層構造からなり、そのうちアンダーコート層はガラスペーストをスクリーン印刷して乾燥・焼成させたものであり、オーバーコート層はエポキシ系樹脂ペーストをスクリーン印刷して加熱硬化させたものである。この保護膜6は各硫化検出導体4の中央部分を除く部位と各抵抗体5の全体を覆うように形成されており、保護膜6から露出する各硫化検出導体4の中央部分は同じ表面積の硫化検出部4aとなっている。なお、硫化検出部4aを挟んで2つに分離した保護膜6のうち、一方(図示左側)の保護膜6は第1表電極2と各硫化検出導体4との接続部を覆う位置まで延びており、他方(図示右側)の保護膜6は第2表電極3と各抵抗体5との接続部を覆う位置まで延びている。
一対の端面電極8は、絶縁基板1の端面にNi/Crをスパッタリングしたり、Ag系ペーストを塗布して加熱硬化させたものであり、これら端面電極8は対応する第1表電極2と裏電極7間、および第2表電極3と裏電極7間をそれぞれ導通するように形成されている。
一対の外部電極9はバリヤー層と外部接続層の2層構造からなり、そのうちバリヤー層は電解メッキによって形成されたNiメッキ層であり、外部接続層は電解メッキによって形成されたSnメッキ層である。これら外部電極9により、保護膜6から露出する第1表電極2と第2表電極3の表面と、裏電極7および端面電極8の表面がそれぞれ被覆されている。
次に、この硫化検出抵抗器10の製造工程について、図3と図4を用いて説明する。なお、図3(a)~(f)はこの製造工程で用いられる大判基板を表面的に見た平面図、図4(a)~(f)は図3(a)~(f)のA-A線に沿う1チップ相当分の断面図をそれぞれ示している。
まず、絶縁基板1が多数個取りされる大判基板を準備する。この大判基板には予め1次分割溝と2次分割溝が格子状に設けられており、両分割溝によって区切られたマス目の1つ1つが1個分のチップ領域となる。図3には1個分のチップ領域に相当する大判基板10Aが代表して示されているが、実際は多数個分のチップ領域に相当する大判基板に対して以下に説明する各工程が一括して行われる。
すなわち、図3(a)と図4(a)に示すように、この大判基板10Aの表面にAg系ペースト(Ag-Pd20%)をスクリーン印刷した後、これを乾燥・焼成して一対の第1表電極2と第2表電極3を形成する。なお、これと同時あるいは前後して、大判基板10Aの裏面にAg系ペースト(Ag-Pd20%)をスクリーン印刷した後、これを乾燥・焼成することにより、第1表電極2および第2表電極3に対応する一対の裏電極7を形成する。
次に、図3(b)と図4(b)に示すように、大判基板10Aの表面にAgを主成分とするAg系ペーストをスクリーン印刷した後、これを乾燥・焼成して第1表電極2に接続する3つの硫化検出導体4を形成する。ここで、3つの硫化検出導体4はAgペーストに含まれるPdの含有量を相違しており、まず、Pdを全く含まないAgペーストをスクリーン印刷して乾燥した後、Pdを5%含むAg系ペーストをスクリーン印刷して乾燥し、最後にPdを10%含むAg系ペーストをスクリーン印刷して乾燥・焼成することにより、第1表電極2に並列に接続された3つの硫化検出導体4を形成する。
次に、酸化ルテニウム等の抵抗体ペーストをスクリーン印刷して乾燥・焼成することにより、図2(c)と図3(c)に示すように、両端部が硫化検出導体4と第2表電極3に接続する3つの抵抗体5を形成する。これら抵抗体5は同一材料を用いて一括形成されるため、各硫化検出導体4に接続された抵抗体5の抵抗値は同じ値である。
次に、各抵抗体5を覆う領域にガラスペーストをスクリーン印刷した後、このガラスペーストを乾燥・焼成してアンダーコート層を形成し、必要に応じてアンダーコート層の上から抵抗体5に図示せぬトリミング溝を形成して抵抗値調整する。しかる後、アンダーコート層の上からエポキシ系樹脂ペーストをスクリーン印刷して加熱硬化させることにより、図2(d)と図3(d)に示すように、各硫化検出導体4の一部と各抵抗体5の全体を覆う2層構造の保護膜6を形成する。その際、各硫化検出導体4の中央部分に保護膜6から露出する硫化検出部4aが形成され、これら硫化検出部4aは同じ表面積で保護膜6から露出する。また、第1表電極2と各硫化検出導体4の接続部が保護膜6によって覆われると共に、第2表電極3と各抵抗体5の接続部も保護膜6によって覆われる。
次に、可溶性材料等からなる図示せぬマスキングで各硫化検出部4aを覆い、この状態で大判基板10Aを一次分割溝に沿って短冊状基板10Bに1次分割した後、短冊状基板10Bの分割面にNi/Crをスパッタリングすることにより、図3(e)と図4(e)に示すように、第1表電極2と裏電極7間および第2表電極3と裏電極7間を接続する端面電極8を形成する。なお、短冊状基板10Bの分割面にNi/Crをスパッタリングする代わりに、Ag系ペーストを塗布して加熱硬化させることにより端面電極8を形成するようにしても良い。
次に、短冊状基板10Bを二次分割溝に沿って複数のチップ状基板10Cに2次分割し、これらチップ状基板10Cに対して電解メッキを施してNi-Snメッキ層を形成した後、前述したマスキングを溶剤を用いて除去する。これにより、図3(f)と図4(f)に示すように、第1表電極2と第2表電極3と裏電極7および端面電極8の表面に外部電極9が形成され、図1,2に示す硫化検出抵抗器10が完成する。
図5は、本実施形態例に係る硫化検出抵抗器10を硫化ガス雰囲気中に配置した場合における累積硫化量と抵抗値の関係を示す説明図である。図5に示すように、硫化検出抵抗器10が硫化ガスに晒される前の初期状態において、第1表電極2と第2表電極3との間に3つの抵抗体5が並列に接続された状態となっているため、各抵抗体5の抵抗値Rを例えば1KΩとすると、硫化検出抵抗器10の初期抵抗値はR0=(R/3)≒333Ωとなる。
この硫化検出抵抗器10が硫化ガスを含む雰囲気中に配置されると、各硫化検出導体4の硫化検出部4aが硫化ガスに接するため、累積硫化量が増えていくことに伴って、各硫化検出導体4の中で最も硫化しやすい硫化検出導体4が最初に断線する。本実施形態例の場合、図1の真上に位置する硫化検出導体4がPdを全く含まないAgペーストからなるため、この硫化検出導体4が断線して残り2つの硫化検出導体4だけの導通となる。したがって、これら硫化検出導体4に接続する2つの抵抗体5が第1表電極2と第2表電極3との間に並列接続された状態となり、硫化検出抵抗器10の抵抗値はR1=(R/2)=500Ωとなる。
このように1つの硫化検出導体4が断線した後、さらに累積硫化量が増えていくと、次に硫化しやすい硫化検出導体4が断線する。本実施形態例の場合、図1の真ん中に位置する硫化検出導体4がPdを5%含むAg系ペーストからなり、真下に位置する硫化検出導体4がPdを10%含むAg系ペーストからなるため、真ん中の硫化検出導体4が断線して真下に位置する残り1つの硫化検出導体4の導通となる。したがって、真下の硫化検出導体4に接続する1つの抵抗体5のみが第1表電極2と第2表電極3との間に接続された状態となり、硫化検出抵抗器10の抵抗値はR2=R=1000Ω(1KΩ)となる。そして、さらに累積硫化量が増えて図1の真下に位置する硫化検出導体4も断線すると、硫化検出抵抗器10の抵抗値はオープン状態となる。
以上説明したように、第1実施形態例に係る硫化検出抵抗器10では、直列接続した硫化検出導体4と抵抗体5を1組とし、この直列回路部を第1表電極2と第2表電極3との間に複数組並列に接続した構造としており、各組の硫化検出導体4が累積的な硫化量によって断線するタイミングを異にするように設定されているため、複数の硫化検出導体4が断線するタイミングに応じて硫化検出抵抗器10の抵抗値変化が段階的に変化していき、硫化の度合いを正確かつ容易に検出することができる。なお、第1表電極2と第2表電極3との間に並列接続される硫化検出導体4と抵抗体5の直列回路部は、本実施形態例のような3組に限らず2組または4組以上であっても良い。
また、第1実施形態例に係る硫化検出抵抗器10では、複数の硫化検出導体4が断線するタイミングを異ならせる手段として、各硫化検出導体4の材料組成を相違させており、特に、Agを主成分としてPdの含有量が相違する電極材料を用いているため、Pdの含有量を調整することによって、用途に合わせた硫化検出導体4を容易に形成することができる。しかも、複数の硫化検出導体4に保護膜6から露出する硫化検出部4aが形成されており、これら硫化検出部4aが保護膜6から同じ表面積で露出しているため、硫化ガスを複数の硫化検出部4aに対して同一条件で作用させることができ、各硫化検出導体4の断線タイミングを適切に異ならせることができる。なお、複数の硫化検出導体4が断線するタイミングを異ならせる手段として、各硫化検出導体4の材料組成を相違させる代わりに、各硫化検出導体4の互いの膜厚を相違させたり、各硫化検出導体4の互いの材料組成と膜厚の両方を相違させるようにしても良い。
また、第1実施形態例に係る硫化検出抵抗器10では、保護膜6が各硫化検出導体4と第1表電極2の接続部を覆う位置まで形成されているため、実装時に硫化検出導体4が半田に喰われてしまうことを防止できる。また、第1表電極2と硫化検出導体4との接続部周辺に硫化検出に悪影響を及ぼす成分が拡散されて組成が変化したとしても、その拡散が硫化検出部4aまで達することはなくなり、抵抗値変化を正確に検出することができる。
図6は本発明の第2実施形態例に係る硫化検出抵抗器20の平面図であり、図1に対応する部分には同一符号を付すことで重複説明を省略する。
図6に示すように、第2実施形態例に係る硫化検出抵抗器20は、保護膜6に各硫化検出部4aの間に位置する帯状部6aが形成されており、それ以外の構成は第1実施形態例に係る硫化検出抵抗器10と基本的に同じである。
このように構成された第2実施形態例に係る硫化検出抵抗器20では、第1表電極2と第2表電極3との間に並列配置された各硫化検出部4aの隣接間距離が短くなった場合でも、隣接する硫化検出部4a間のマイグレーションに起因する短絡を帯状部6aによって抑制することができる。なお、帯状部6aの幅寸法は隣接する硫化検出部4aの間隔より狭くても良いが、帯状部6aの幅寸法を隣接する硫化検出部4aの間隔と同程度または幾分幅広に形成すると、マイグレーションに起因する短絡をより効果的に抑制することができる。
図7は本発明の第3実施形態例に係る硫化検出抵抗器30の平面図であり、図1に対応する部分には同一符号を付すことで重複説明を省略する。
図7に示すように、第3実施形態例に係る硫化検出抵抗器30は、第1表電極2と第2表電極3間に並列に接続された複数組の硫化検出導体4と抵抗体5のうち、例えば図中の真上と真ん中の硫化検出導体4にだけ保護膜6から露出する硫化検出部4aが形成されており、真下の硫化検出導体4には保護膜6に覆われて硫化検出部が形成されていない。そして、この硫化検出導体4とそれに接続する抵抗体5とで導通確保回路部を構成しており、それ以外の構成は第1実施形態例に係る硫化検出抵抗器10と基本的に同じである。
このように構成された第3実施形態例に係る硫化検出抵抗器30では、保護膜6に覆われた導通確保回路部の硫化検出導体4は硫化ガスに接する硫化検出部を有していないため、累積硫化量の増加に伴って2つの硫化検出導体4の硫化検出部4aが異なるタイミングで断線した後も、導通確保回路部の硫化検出導体4によって両表電極2,3間の導通状態を確保することができる。なお、導通確保回路部の硫化検出導体4は硫化ガスの検出に関与しないため、該硫化検出導体4を印刷により形成する代わりに、第1表電極2に第2表電極3に向かって突出する導体を一体形成し、この導体に抵抗体5を接続するようにしても良い。
図8は本発明の第4実施形態例に係る硫化検出抵抗器40の平面図であり、図1に対応する部分には同一符号を付すことで重複説明を省略する。
図8に示すように、第4実施形態例に係る硫化検出抵抗器40は、第1表電極2に並列に接続された3つの硫化検出導体4に対応するように、第2表電極3に3つの測定用導体11を並列に接続し、これら対応する硫化検出導体4と測定用導体11との間にそれぞれ抵抗体5を直列に接続すると共に、各抵抗体5に抵抗値調整用のトリミング溝5aが形成されおり、それ以外の構成は第1実施形態例に係る硫化検出抵抗器10と基本的に同じである。
次に、この硫化検出抵抗器40の製造工程について、図9と図10を用いて説明する。なお、図9(a)~(f)はこの製造工程で用いられる大判基板を表面的に見た平面図、図10(a)~(f)は図9(a)~(f)のB-B線に沿う1チップ相当分の断面図をそれぞれ示している。
まず、図9(a)と図10(a)に示すように、大判基板10Aの裏面にAg系ペースト(Ag-Pd20%)をスクリーン印刷した後、これを乾燥・焼成することにより、後から形成される第1表電極2および第2表電極3に対応する一対の裏電極7を形成する。
次に、図9(b)と図10(b)に示すように、大判基板10Aの表面に銀を主成分とするAg系ペーストをスクリーン印刷した後、これを乾燥・焼成して後から形成される第1表電極2に接続する3つの硫化検出導体4と、後から形成される第2表電極3に接続する3つの測定用導体11とをそれぞれ形成する。ここで、3つの硫化検出導体4はAgペーストに含まれるPdの含有量を相違しており、まず、Pdを全く含まないAgペーストをスクリーン印刷して乾燥した後、Pdを5%含むAg系ペーストをスクリーン印刷して乾燥し、最後にPdを10%含むAg系ペーストをスクリーン印刷して乾燥・焼成することにより、第1表電極2に並列に接続された3つの硫化検出導体4を形成する。なお、3つの測定用導体11は、対応する硫化検出導体4と同一材料で同時に形成しても良いし、別途、同一材料のAgペーストまたはAg-Pdペーストにて形成するようにしても良い。
次に、酸化ルテニウム等の抵抗体ペーストをスクリーン印刷して乾燥・焼成することにより、図9(c)と図10(c)に示すように、抵抗体5の両端部に硫化検出導体4と測定用導体11が接続された直列回路部を3組形成する。これら抵抗体5は同一材料を用いて一括形成されるため、各硫化検出導体4に接続された抵抗体5の抵抗値は同じ値である。次に、各抵抗体5を覆う領域にガラスペーストをスクリーン印刷し、このガラスペーストを乾燥・焼成して図示せぬアンダーコート層を形成した後、アンダーコート層の上から抵抗体5にトリミング溝5aを形成して抵抗値調整する。その際、抵抗体5の両端部に接続する硫化検出導体4と測定用導体11にプローブを当接させながら、各抵抗体5のトリミング調整を個別に行うことができる。
次に、大判基板10Aの表面にAg系ペースト(Ag-Pd20%)をスクリーン印刷した後、これを乾燥・焼成することにより、図9(d)と図10(d)に示すように、各硫化検出導体4に接続する第1表電極2と、各測定用導体11に接続する第2表電極3とを形成する。このとき、既に抵抗体5の抵抗値調整は完了しているため、抵抗値ドリフトを考慮してAg等からなる導電性樹脂をスクリーン印刷して加熱硬化させることにより、第1表電極2と第2表電極3を形成しても良い。
しかる後、アンダーコート層の上からエポキシ系樹脂ペーストをスクリーン印刷して加熱硬化させることにより、図9(e)と図10(e)に示すように、各硫化検出導体4の一部と各抵抗体5および測定用導体11の全体を覆う2層構造の保護膜6を形成する。その際、各硫化検出導体4の中央部分に保護膜6から露出する硫化検出部4aが形成され、これら硫化検出部4aは同じ表面積で保護膜6から露出する。また、第1表電極2と各硫化検出導体4の接続部が保護膜6によって覆われると共に、第2表電極3と各測定用導体11の接続部も保護膜6によって覆われる。
次に、可溶性材料等からなる図示せぬマスキングで各硫化検出部4aを覆い、この状態で大判基板10Aを一次分割溝に沿って短冊状基板10Bに1次分割した後、短冊状基板10Bの分割面にNi/Crをスパッタリングすることにより、図9(f)と図10(f)に示すように、第1表電極2と裏電極7間および第2表電極3と裏電極7間を接続する端面電極8を形成する。
次に、短冊状基板10Bを二次分割溝に沿って複数のチップ状基板10Cに2次分割し、これらチップ状基板10Cに対して電解メッキを施してNi-Snメッキ層を形成した後、マスキングを溶剤を用いて除去する。これにより、図9(g)と図10(g)に示すように、第1表電極2と第2表電極3と裏電極7および端面電極8の表面に外部電極9が形成され、図8に示す硫化検出抵抗器40が完成する。
このように構成された第4実施形態例に係る硫化検出抵抗器40では、抵抗体5の両端部に硫化検出導体4と測定用導体11を直列に接続した直列回路部が一対の表電極2,3間に複数並列に配置されているため、各組の抵抗体5の抵抗値をトリミングする際に、個々の抵抗体5の両端部に接続された硫化検出導体4と測定用導体11にプローブを当接させながらトリミングを容易に行うことができる。
図11は本発明の第5実施形態例に係る硫化検出抵抗器50の平面図であり、図8に対応する部分には同一符号を付すことで重複説明を省略する。
図11に示すように、第5実施形態例に係る硫化検出抵抗器50は、各抵抗体5の両端部に同じ材料組成からなる硫化検出導体4と測定用導体11が接続されると共に、これら硫化検出導体4と測定用導体11に同じ表面積の硫化検出部4a,11aが形成されおり、それ以外の構成は第4実施形態例に係る硫化検出抵抗器40と基本的に同じである。
このように構成された第5実施形態例に係る硫化検出抵抗器50では、並列配置された各抵抗体5の両端部に硫化検出導体4と測定用導体11が接続されているため、各組の抵抗体5の抵抗値をトリミングする際に、個々の抵抗体5の両端部に接続された硫化検出導体4と測定用導体11にプローブを当接させながらトリミングを行うことができる。しかも、1つの抵抗体5が同じタイミングで断線する硫化検出部4a,11aを2箇所に有しているため、硫化度合いの検出精度が向上する。
図12は本発明の第6実施形態例に係る硫化検出抵抗器60の平面図であり、図1に対応する部分には同一符号を付すことで重複説明を省略する。
図12に示すように、第6実施形態例に係る硫化検出抵抗器60は、絶縁基板1の両端部に第1表電極2と第2表電極3がそれぞれセパレートされた状態で形成されると共に、セパレートされた第1表電極2および第2表電極3が端面電極8によって導通されるようになっており、それ以外の構成は第1実施形態例に係る硫化検出抵抗器10と基本的に同じである。
次に、この硫化検出抵抗器60の製造工程について、図13と図14を用いて説明する。なお、図13(a)~(f)はこの製造工程で用いられる大判基板を表面的に見た平面図、図14(a)~(f)は図13(a)~(f)のC-C線に沿う1チップ相当分の断面図をそれぞれ示している。
まず、図13(a)と図14(a)に示すように、大判基板10Aの表面にAg系ペースト(Ag-Pd20%)をスクリーン印刷した後、これを乾燥・焼成して3つにセパレートされた第1表電極2と同じく3つにセパレートされた第2表電極3を形成する。なお、これと同時あるいは前後して、大判基板10Aの裏面にAg系ペースト(Ag-Pd20%)をスクリーン印刷した後、これを乾燥・焼成することにより、第1表電極2と第2表電極3に対応する位置に一対の裏電極7を形成する。
次に、図13(b)と図14(b)に示すように、大判基板10Aの表面にAgを主成分とするAg系ペーストをスクリーン印刷した後、これを乾燥・焼成して各第1表電極2に接続する3つの硫化検出導体4を形成する。ここで、3つの硫化検出導体4はAgペーストに含まれるPdの含有量を相違しており、まず、Pdを全く含まないAgペーストをスクリーン印刷して乾燥した後、Pdを5%含むAg系ペーストをスクリーン印刷して乾燥し、最後にPdを10%含むAg系ペーストをスクリーン印刷して乾燥・焼成することにより、3つにセパレートされた第1表電極2にそれぞれ接続する硫化検出導体4を形成する。
次に、酸化ルテニウム等の抵抗体ペーストをスクリーン印刷して乾燥・焼成することにより、図13(c)と図14(c)に示すように、対応する3組の第1表電極2と第2表電極3との間に、硫化検出導体4と抵抗体5が直列に接続された直列回路部をそれぞれ形成する。これら抵抗体5は同一材料を用いて一括形成されるため、各硫化検出導体4に接続された抵抗体5の抵抗値は同じ値である。
次に、各抵抗体5を覆う領域にガラスペーストをスクリーン印刷し、このガラスペーストを乾燥・焼成して図示せぬアンダーコート層を形成した後、アンダーコート層の上から抵抗体5にトリミング溝5aを形成して抵抗値調整する。その際、硫化検出導体4および抵抗体5の両端部に接続する第1表電極2と第2表電極3の対にプローブを当接させながら、プローブにて硫化検出導体4を傷付けることなく各抵抗体5のトリミング調整を個別に行うことができる。
しかる後、アンダーコート層の上からエポキシ系樹脂ペーストをスクリーン印刷して加熱硬化させることにより、図13(d)と図14(d)に示すように、各硫化検出導体4の一部と各抵抗体5および測定用導体11の全体を覆う2層構造の保護膜6を形成する。その際、各硫化検出導体4の中央部分に保護膜6から露出する硫化検出部4aが形成され、これら硫化検出部4aは同じ表面積で保護膜6から露出する。また、第1表電極2と各硫化検出導体4の接続部が保護膜6によって覆われると共に、第2表電極3と各測定用導体11の接続部も保護膜6によって覆われる。
次に、可溶性材料等からなる図示せぬマスキングで各硫化検出部4aを覆い、この状態で大判基板10Aを一次分割溝に沿って短冊状基板10Bに1次分割した後、短冊状基板10Bの分割面にNi/Crをスパッタリングすることにより、図13(e)と図14(e)に示すように、第1表電極2と裏電極7間および第2表電極3と裏電極7間を接続する端面電極8を形成する。これら端面電極8を形成することにより、3つにセパレートされた第1表電極2どうしが導通されると共に、同じく3つにセパレートされた第2表電極3どうしが導通される。
次に、短冊状基板10Bを二次分割溝に沿って複数のチップ状基板10Cに2次分割し、これらチップ状基板10Cに対して電解メッキを施してNi-Snメッキ層を形成した後、前述したマスキングを溶剤を用いて除去する。これにより、図13(f)と図14(f)に示すように、第1表電極2と第2表電極3と裏電極7および端面電極8の表面に外部電極9が形成され、図12に示す硫化検出抵抗器60が完成する。
このように構成された第6実施形態例に係る硫化検出抵抗器60では、セパレートされた状態で対向する第1表電極2と第2表電極3にプローブを当接させることにより、各抵抗体5の抵抗値調整(トリミング)を高精度に行うことができ、かかるトリミング後にセパレートされた第1表電極2および第2表電極3をそれぞれ端面電極8で導通することにより、第1実施形態例に係る硫化検出抵抗器10と同様の作用効果を奏することができる。
図15は本発明の第7実施形態例に係る硫化検出抵抗器70の平面図であり、図8に対応する部分には同一符号を付すことで重複説明を省略する。
図15に示すように、第7実施形態例に係る硫化検出抵抗器70は、第1表電極2に並列に接続された3つの硫化検出導体4に対応するように、第2表電極3に3つの抵抗体5を並列に接続し、これら対応する硫化検出導体4と抵抗体5との間に同一材料からなる測定用導体11をそれぞれ直列に接続すると共に、各抵抗体5に抵抗値調整用のトリミング溝5aが形成されおり、それ以外の構成は第1実施形態例に係る硫化検出抵抗器10と基本的に同じである。
このように構成された第7実施形態例に係る硫化検出抵抗器70では、各硫化検出導体4を材料や膜厚等の違うもので形成することにより、各硫化検出導体4の累積硫化量に応じた断線タイミングが異なるようにしているが、硫化検出導体4と抵抗体5の接続部に測定用導体11を同じ材料にて接続させているため、トリミング時の測定端子の接触抵抗が同じになり、高精度の抵抗値調整を行うことができる。また、各抵抗体5へのAgの拡散量が同じになるため、Agの拡散量による抵抗体5の温度特性の影響を同一にすることができる。
なお、この第7実施形態例と前述した第4実施形態例(図8参照)とを組み合わせ、抵抗体5における硫化検出導体4側の端部と第2表電極3側の端部の両方に測定用導体11を接続させると、抵抗値調整用のトリミング溝5aを容易かつ高精度に形成することができる。
10,20,30,40,50,60,70 硫化検出抵抗器
1 絶縁基板
2 第1表電極
3 第2表電極
4 硫化検出導体
4a 硫化検出部
5 抵抗体
6 保護膜
6a 帯状部
7 裏電極
8 端面電極
9 外部電極
11 測定用導体
11a 硫化検出部

Claims (8)

  1. 直方体形状の絶縁基板と、前記絶縁基板の主面における両端部に形成された一対の表電極と、前記一対の表電極間に直列に形成された抵抗体および硫化検出導体と、前記抵抗体の全体および前記硫化検出導体の一部を覆うように形成された保護膜と、を備えた硫化検出抵抗器であって、
    前記一対の表電極に互いの膜厚を同じくする複数の前記硫化検出導体が並列に接続されており、
    前記複数の硫化検出導体は、互いの材料組成を相違していると共に、前記保護膜から同じ表面積で露出する硫化検出部を有していることを特徴とする硫化検出抵抗器。
  2. 直方体形状の絶縁基板と、前記絶縁基板の主面における両端部に形成された一対の表電極と、前記一対の表電極間に直列に形成された抵抗体および硫化検出導体と、前記抵抗体の全体および前記硫化検出導体の一部を覆うように形成された保護膜と、を備えた硫化検出抵抗器であって、
    前記一対の表電極に互いの材料組成を同じくする複数の前記硫化検出導体が並列に接続されており、
    前記複数の硫化検出導体は、互いの膜厚を相違していると共に、前記保護膜から同じ表面積で露出する硫化検出部を有していることを特徴とする硫化検出抵抗器。
  3. 直方体形状の絶縁基板と、前記絶縁基板の主面における両端部に形成された一対の表電極と、前記一対の表電極間に直列に形成された抵抗体および硫化検出導体と、前記抵抗体の全体および前記硫化検出導体の一部を覆うように形成された保護膜と、を備えた硫化検出抵抗器であって、
    前記一対の表電極間に、導通確保回路部と複数の前記硫化検出導体とが並列に接続されており、
    前記導通確保回路部が直列に接続された抵抗体と導体とからなると共に、これら抵抗体と導体の全体が前記保護膜により覆われており、
    前記複数の硫化検出導体は前記保護膜から露出する硫化検出部を有しており、
    前記複数の硫化検出部の累積的な硫化量によって断線するタイミングがそれぞれ異なるように設定されていることを特徴とする硫化検出抵抗器。
  4. 請求項に記載の硫化検出抵抗器において、
    前記複数の硫化検出導体の材料組成は、Agを主成分とし、Pdの含有量を相違するものであることを特徴とする硫化検出抵抗器。
  5. 請求項1~3のいずれか1項に記載の硫化検出抵抗器において、
    前記保護膜は、前記複数の硫化検出導体と前記表電極の接続部を覆うように形成されていることを特徴とする硫化検出抵抗器。
  6. 請求項1~3のいずれか1項に記載の硫化検出抵抗器において、
    前記保護膜は、並列配置された前記複数の硫化検出部の間に位置する帯状部を有していることを特徴とする硫化検出抵抗器。
  7. 請求項1~3のいずれか1項に記載の硫化検出抵抗器において、
    前記一対の表電極間に直列に形成された前記抵抗体および前記硫化検出導体のうち、前記抵抗体にトリミング溝が形成されていると共に、該抵抗体の両端部に前記硫化検出導体と測定用導体が接続されていることを特徴とする硫化検出抵抗器。
  8. 請求項7に記載の硫化検出抵抗器において、
    前記測定用導体が硫化検出導体であり、前記抵抗体の両端部に接続された一対の前記測定用導体に同じ表面積の硫化検出部が形成されていることを特徴とする硫化検出抵抗器。
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