以下、図面に基づいて、本願の開示する光伝送システム、制御装置、光伝送方法及び伝送装置の実施例を詳細に説明する。尚、各実施例により、開示技術が限定されるものではない。また、以下に示す各実施例は、矛盾を起こさない範囲で適宜組み合わせても良い。
図1は、実施例1のWDMシステム1の一例を示す説明図である。図1に示すWDM(Wavelength Division Multiplexing)システム1は、第1の伝送装置2Aと、第2の伝送装置2Bと、第1の伝送装置2Aと第2の伝送装置2Bとの間を接続する伝送路ファイバ3と、SDN(Software Defined Network)コントローラ4とを有する。WDMシステム1は、異なる波長帯域、例えば、C帯及びL帯の多重光を伝送するマルチバンドシステムである。SDNコントローラ4は、WDMシステム1を管理して制御する制御装置である。
第1の伝送装置2Aは、第1の送信群10Aと、第2の送信群10Bと、第1の波長変換器20A(20)と、波長合波器30とを有する。第1の送信群10Aは、複数のC帯の送信器11と、光合波器12と、光増幅器13とを有する。送信器11は、異なるC帯波長の信号光を光合波器12に出力する。光合波器12は、各送信器11からの信号光を合波してC帯の第1の多重光を光増幅器13に出力する。尚、光増幅器13は、例えば、EDFA(Erbium Doped optical Fiber Amplifier)とする。光増幅器13は、第1の多重光を光増幅し、光増幅後のC帯の第1の多重光を波長合波器30に出力する。
第2の送信群10Bは、複数のC帯の送信器11と、光合波器12と、光増幅器13とを有する。送信器11は、異なるC帯波長の信号光を光合波器12に出力する。光合波器12は、各送信器11からの信号光を合波してC帯の第1の多重光を光増幅器13に出力する。光増幅器13は、第1の多重光を光増幅し、増幅後のC帯の第1の多重光を第1の波長変換器20Aに出力する。尚、第1の送信群10A及び第2の送信群10Bは、光増幅器13を内蔵したが、光合波器12からの第1の多重光が十分なパワーが得られる場合にはなくても良く、適宜設定変更可能である。
第1の波長変換器20Aは、第2の送信群10BからのC帯の第1の多重光を第1の励起光を用いてL帯の第2の多重光に波長変換する縮退型四光波混合方式の波長変換器である。第1の波長変換器20Aは、波長変換後のL帯の第2の多重光を波長合波器30に出力する。波長合波器30は、第1の送信群10AからのC帯の第1の多重光と、第1の波長変換器20AからのL帯の第2の多重光とを合波し、第1の多重光及び第2の多重光を伝送路ファイバ3に出力する。
第2の伝送装置2Bは、波長分波器40と、第2の波長変換器20B(20)と、第1の受信群50Aと、第2の受信群50Bとを有する。波長分波器40は、伝送路ファイバ3から受信した多重光からC帯の第1の多重光及びL帯の第2の多重光に分波し、第1の多重光を第1の受信群50Aに出力すると共に、第2の多重光を第2の波長変換器20Bに出力する。第1の受信群50Aは、光増幅器51と、光分波器52と、複数の受信器53とを有する。光増幅器51は、波長分波器40からの第1の多重光を光増幅し、光増幅後の第1の多重光を光分波器52に出力する。尚、光増幅器51は、例えば、EDFA(Erbium Doped optical Fiber Amplifier)とする。光分波器52は、第1の多重光内の全波長のC帯の信号光を各受信器53に出力する。各受信器53は、光分波器52からの第1の多重光内の全波長のC帯の信号光から、自分宛の波長の局発光を用いて、自分宛の受信光を受信する。
第2の波長変換器20Bは、第2の励起光を用いて、波長分波器40からのL帯の第2の多重光をC帯の第1の多重光に波長変換し、波長変換後のC帯の第1の多重光を第2の受信群50Bに出力する。第2の受信群50Bは、光増幅器51と、光分波器52と、複数の受信器53とを有する。光増幅器51は、第2の波長変換器20Bからの波長変換後の第1の多重光を光増幅し、光増幅後の第1の多重光を光分波器52に出力する。光分波器52は、第1の多重光内の全波長のC帯の信号光を各受信器53に出力する。各受信器53は、光分波器52からの第1の多重光内の全波長のC帯の信号光から、自分宛の波長の局発光を用いて、自分宛の受信光を受信する。尚、第1の送信群10A内の送信器11は、送信器11毎に任意のC帯の波長を使用して第1の受信群50A内の複数の受信器53の内、送信器11に対応した受信器53と通信する。同様に、第2の送信群10B内の送信器11も、送信器11毎に任意のC帯の波長を使用して第2の受信群50B内の複数の受信器53の内、送信器11に対応した受信器53と通信する。例えば、第2の送信群10B内の送信器111と第2の受信群50B内の受信器531とが同一波長C1の信号光を使用し、送信器112と受信器532とが同一波長C2の信号光を使用して通信するものとする。つまり、送信器11と受信器53とが同一波長を使用した通信ペアの関係となる。
図2は、送信器11の一例を示す説明図である。図2に示す送信器11は、デジタルコヒーレント方式の光送信器である。送信器11は、信号光源11Aと、変調部11Bと、情報通信部11Cと、送信側CPU(Central Processing Unit)11Dと、送信回路11Eとを有する。信号光源11Aは、C帯の信号光を発光するLD(Laser Diode)である。送信回路11Eは、クライアント信号に対して送信処理を実行する回路である。変調部11Bは、C帯の信号光でクライン信号を光変調し、光変調後のクライアント信号である信号光を光合波器12に出力する。情報通信部11Cは、例えば、SDNコントローラ4との間で制御情報を通信する通信部である。送信側CPU11Dは、送信器11全体を制御する。
図3は、受信器53の一例を示す説明図である。図3に示す受信器53は、デジタルコヒーレント方式の光受信器である。受信器53は、局発光源53Aと、復調部53Bと、情報通信部53Cと、受信側CPU53Dと、受信回路53Eとを有する。局発光源53Aは、局発光を発光するLDである。復調部53Bは、局発光を用いて、受信光から信号光を光復調する。受信回路53Eは、光復調後の信号光からクライアント信号を抽出する受信処理を実行する回路である。情報通信部53Cは、例えば、SDNコントローラ4との間で制御情報を通信する通信部である。受信側CPU53Dは、受信器53全体を制御する。
図4は、波長変換器20の一例を示す説明図である。図4に示す波長変換器20は、縮退型四光波混合方式の波長変換器である。波長変換器20は、励起光源21と、非線形ファイバ等の光部品22と、零分散波長テーブル23と、情報通信部24と、変換側CPU25とを有する。励起光源21は、励起光を発光するLDである。光部品22は、励起光を用いて、第1の信号光を異なる波長帯域の第2の信号光に波長変換する際に使用する、例えば、WDMカプラ、光サーキュレータ、非線形ファイバ及び光BPF等の光部品である。尚、第1の信号光は、例えば、波長変換前のC帯の信号光、第2の信号光は、例えば、波長変換後のL帯の信号光である。零分散波長テーブル23は、内部温度毎に非線形ファイバの零分散波長を管理するテーブルである。情報通信部24は、SDNコントローラ4との間で制御情報を通信する通信部である。変換側CPU25は、波長変換器20全体を制御する。
図5Aは、第1の波長変換器20Aの零分散波長テーブル23の一例を示す説明図である。第1の波長変換器20A内の変換側CPU25は、第1の波長変換器20A内の内部温度を測定し、内部温度に応じた零分散波長を零分散波長テーブル23から抽出する。更に、変換側CPU25は、抽出した零分散波長に一致するように励起光を調整すべく、励起光源21を制御する。図5Bは、第2の波長変換器20Bの零分散波長テーブル23の一例を示す説明図である。第2の波長変換器20B内の変換側CPU25は、第2の波長変換器20B内の内部温度を測定し、内部温度に応じた零分散波長を零分散波長テーブル23から抽出する。更に、変換側CPU25は、抽出した零分散波長に応じて励起光を調整すべく、励起光源21を制御する。
図6は、SDNコントローラ4の一例を示すブロック図である。SDNコントローラ4は、情報通信部4Aと、記憶部4Bと、CPU4Cとを有する。情報通信部4Aは、送信器11と、第1の波長変換器20Aと、第2の波長変換器20Bと、受信器53との間で波長情報等の制御情報を通信する。記憶部4Bは、プログラム等の各種情報を記憶する。CPU4Cは、記憶部4Bに格納されたプログラムを実行することで、機能として、取得部31と、算出部32と、通知部33とを有する。取得部31は、情報通信部4Aを通じて第2の送信群10B内の各送信器11、第1の波長変換器20A及び第2の波長変換器20Bから各種情報を取得する。取得部31は、情報通信部4Aを通じて、第2の送信群10B内の各送信器11から送信光波長λs1を取得する。尚、送信光波長λs1は、第2の送信群10B内の送信器11毎に異なる信号光の波長である。取得部31は、情報通信部4Aを通じて、第1の波長変換器20Aから第1の励起光波長λp1を取得する。尚、第1の励起光波長λp1は、第1の波長変換器20Aの第1の励起光の波長である。取得部31は、情報通信部4Aを通じて、第2の波長変換器20Bから第2の励起光波長λp2を取得する。尚、第2の励起光波長λp2は、第2の波長変換器20Bの第2の励起光の波長である。第1の励起光波長λp1及び第2の励起光波長λp2は同一波長である。算出部32は、送信光波長λs1、第1の励起光波長λp1及び第2の励起光波長λp2に基づき、送信器11に対応する受信器53で受信する受信光波長λs2を算出する。尚、受信器53は、第2の受信群50B内の複数の受信器53の内、第2の送信群10B内の送信器11の送信光波長λs1を使用する受信器である。
算出部32は、2(λp2-λp1)+λs1の数式で、受信器53毎の受信光波長λs2を算出する。通知部33は、受信器53毎の受信光波長λs2を算出した場合、情報通信部4Aを通じて、受信光波長λs2を該当受信器53に通知する。尚。CPU4Cは、受信器53毎の受信光波長λs2を算出し、受信器53毎の受信光波長λs2から受信器53毎の局発光波長を決定しても良く、その受信器53毎の局発光波長を受信器53に通知しても良い。受信器53内の受信側CPU53Dは、受信した受信光波長λs2を局発光波長として局発光源53Aに設定する。その結果、受信器53は、受信光波長λs2の局発光を使用するため、対応する送信器11からの信号光を受信できる。
尚、算出部32は、第1の送信群10Aと第1の受信群50Aとの間で第1の波長変換器20A及び第2の波長変換器20Bを使用しないため、第1の受信群50A内の各受信器53の受信光波長λs2を算出しない。これに対して、算出部32は、第2の送信群10Bと第2の受信群50Bとの間で第1の波長変換器20A及び第2の波長変換器20Bを使用しているため、第2の受信群50B内の各受信器53の受信光波長λs2を算出する。例えば、算出部32は、送信器111の“C1”の送信光波長λs1と、第1の励起光波長λp1及び第2の励起光波長λp2とに基づき、受信器531への受信光波長λs2を算出する。また、算出部32は、送信器112の“C2”の送信光波長λs1と、第1の励起光波長λp1及び第2の励起光波長λp2とに基づき、受信器532の受信光波長λs2を算出する。
図7は、受信光波長に局発光波長をシフトする際の処理動作の一例を示す説明図である。受信器53内の受信側CPU53Dは、SDNコントローラ4からの受信光波長λs2が受信光波長となるため、その受信光波長に局発光波長をシフトするように局発光源53Aを制御する。その結果、波長変換器20等で波長変換後の信号光が波長ズレ等でチャネルグリッドを大きく超えたとしても、局発光波長と受信光波長との間のズレがなくなるため、受信器53毎の受信品質の劣化を抑制できる。
次に実施例1のWDMシステム1の動作について説明する。図8は、第1の設定処理に関わるSDNコントローラ4内のCPU4Cの処理動作の一例を示すフロー図である。図8においてCPU4C内の取得部31は、情報通信部4Aを通じて第2の送信群10B内の各送信器11から送信器11毎の送信光波長λs1を取得する(ステップS11)。尚、送信光波長λs1は、第2の送信群10B内の送信器11毎に異なる送信光の波長である。取得部31は、情報通信部4Aを通じて、第1の波長変換器20Aから第1の励起光波長λp1を取得する(ステップS12)。取得部31は、情報通信部4Aを通じて、第2の波長変換器20Bから第2の励起光波長λp2を取得する(ステップS13)。CPU4C内の算出部32は、2(λp2-λp1)+λs1の数式で、送信器11に対応した受信器53の受信光波長λs2を算出する(ステップS14)。CPU4C内の通知部33は、情報通信部4Aを通じて、受信器53毎に算出した受信光波長λs2を局発光波長として該当受信器53に通知し(ステップS15)、図8に示す処理動作を終了する。
各受信器53は、SDNコントローラ4から受信光波長λs2を受信し、受信光波長λs2を局発光波長として局発光源53Aに設定する。その結果、受信器53は、例えば、波長変換器20等で波長変換後の信号光が波長ズレ等でチャネルグリッドを大きく超えたとしても、局発光波長と受信光波長との間のズレがなくなるため、受信品質の劣化を抑制できる。
尚、従来の伝送装置でも波長ズレは存在し、実際にはDSPで電気的に補正している。また、伝送装置内での局発光のスイープも機能的には可能である。しかしながら、波長変換器20を通じて波長変換後の受信光を受信する伝送装置では、波長ズレにより受信光の波長がチャネルグリッドを大きく超える場合が起こり得る。この際、従来の伝送装置では、受信光の波長がチャネルグリッドを大きく超える場合は想定されていないため、受信光の受信が困難になる。
実施例1内のSDNコントローラ4は、第2の送信群10B内の送信器11毎の送信光波長λs1、第1の波長変換器20Aの第1の励起光波長λp1及び第2の波長変換器20Bの第2の励起光波長λp2を取得する。SDNコントローラ4は、2(λp2-λp1)+λs1の数式で、第2の受信群50B内の受信器53毎の受信光波長λs2を算出する。更に、SDNコントローラ4は、受信器53毎に算出した受信光波長λs2を各受信器53に通知する。受信器53は、例えば、波長変換器20等で波長変換後の信号光が波長ズレ等でチャネルグリッドを大きく超えたとしても、受信した受信光波長λs2が局発光波長と一致させるべく、受信光波長λs2に局発光波長を設定する。その結果、受信光波長と局発光波長との間のズレがなくなるため、受信品質の劣化を抑制できる。また、受信光波長と一致するように受信器53の局発光の波長を補正するため、波長変換器20内の非線形ファイバの零分散波長のズレに起因する信号パワーの低下及び信号波長のズレの影響による受信品質の劣化を抑制できる。
また、実施例1のWDMシステム1では、第1の伝送装置2Aと、第2の伝送装置2Bとの間の伝送路ファイバが1スパンの場合を例示したが、複数のNスパンの場合にも適用可能である。例えば、2×Σ[(スパンNの第2の波長変換器20Bの第2の励起光波長λp2)-(スパンNの第1の波長変換器20Aの第1の励起光波長λp1)]+(送信光波長λs1)の数式で、Nスパンの場合でも、受信器53への受信光波長λs2を算出できる。
実施例1の取得部31は、情報通信部4Aを通じて、送信器11から送信光波長λs1、第1の波長変換器20Aから第1の励起光波長λp1、第2の波長変換器20Bから第2の励起光波長を取得した。しかしながら、SDNコントローラ4は、送信器11毎の送信光波長λs1、第1の励起光波長λp1及び第2の励起光波長λp2等の波長情報を記憶部4Bに記憶しておき、記憶部4Bから波長情報を取得しても良く、適宜変更可能である。
尚、実施例1のSDNコントローラ4は、2(λp2-λp1)+λs1の数式で受信光波長λs2を算出したが、これに限定されるものではなく、適宜変更可能である。その実施の形態につき、実施例2として以下に説明する。尚、実施例1のWDMシステム1と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
図9は、実施例2のWDMシステム1Aの一例を示す説明図である。実施例1のWDMシステム1と実施例2のWDMシステム1Aとが異なるところは、2(λp2-λp1)+λs1の代わりに2(Δλp2-Δλp1)+λs1を使用する点にある。Δλp1は、設定基準波長と第1の励起光波長λp1との波長差分を示す第1の差分量である。Δλp2は、設定基準波長と第2の励起光波長λp2との波長差分を示す第2の差分量である。
第1の波長変換器20A内の変換側CPU25は、設定基準波長及び第1の励起光波長λp1に基づき、第1の差分量Δλp1を算出する。第2の波長変換器20B内の変換側CPU25は、設定基準波長及び第2の励起光波長λp2に基づき、第2の差分量Δλp2を算出する。
SDNコントローラ4の取得部31は、情報通信部4Aを通じて、第2の送信群10B内の各送信器11から送信光波長λs1と、第1の波長変換器20Aから第1の差分量Δλp1と、第2の波長変換器20Bから第2の差分量Δλp2とを取得する。算出部32は、2(Δλp2-Δλp1)+λs1の数式で、第2の受信群50内の受信器53毎の受信光波長λs2を算出する。通知部33は、受信器53毎の受信光波長λs2を算出した場合、情報通信部4Aを通じて、受信光波長λs2を該当受信器53に通知する。
次に実施例2のWDMシステム1Aの動作について説明する。図10は、第2の設定処理に関わるSDNコントローラ4内のCPU4Cの処理動作の一例を示すフロー図である。図10においてCPU4C内の取得部31は、情報通信部4Aを通じて、第2の送信群10B内の各送信器11から送信器11毎の送信光波長λs1を取得する(ステップS11)。取得部31は、情報通信部4Aを通じて、第1の波長変換器20Aから第1の差分量Δλp1を取得する(ステップS12A)。取得部31は、情報通信部4Aを通じて、第2の波長変換器20Bから第2の差分量Δλp2を取得する(ステップS13A)。算出部32は、2(Δλp2-Δλp1)+λs1の数式で、第2の受信群50B内の受信器53毎の受信光波長λs2を算出する(ステップS14A)。
第2の受信群50B内の各受信器53は、SDNコントローラ4で算出した受信器53毎の受信光波長λs2を受信し、受信光波長λs2を局発光波長として設定する。その結果、受信器53は、例えば、波長変換器20等で波長変換後の信号光が波長ズレ等でチャネルグリッドを大きく超えたとしても、局発光波長と受信光波長との間のズレがなくなるため、受信品質の劣化を抑制できる。
実施例2内のSDNコントローラ4は、第2の送信群10B内の送信器11毎の送信光波長λs1、第1の波長変換器20Aの第1の差分量Δλp1及び第2の波長変換器20Bの第2の差分量Δλp2を取得する。SDNコントローラ4は、2(Δλp2-Δλp1)+λs1の数式で、第2の受信群50B内の受信器53毎の受信光波長λs2を算出し、受信光波長λs2を各受信器53に通知する。受信器53は、例えば、波長変換器20等で波長変換後の信号光が波長ズレ等でチャネルグリッドを大きく超えたとしても、受信した受信光波長λs2が局発光波長と一致させるべく、受信光波長λs2に局発光波長を設定する。その結果、局発光波長と受信光波長との間のズレがなくなるため、受信品質の劣化を抑制できる。
尚、実施例の第2の伝送装置2Bでは、光分波器52を例示したが、光分波器52の代わりにWSS(Wavelength Selective Switch)を配置しても良く、その実施の形態につき、実施例3として以下に説明する。
図11は、実施例3のWDMシステム1Bの一例を示す説明図である。尚、実施例3のWDMシステム1Bと同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。実施例1のWDMシステム1と実施例3のWDMシステム1Bとが異なるところは、光合波器12の代わりに第1のWSS12Aを配置し、光分波器52の代わりに第2のWSS52Aを配置した点にある。
第1の送信群10A内の第1のWSS12Aは、各送信器11の信号光を波長選択し、各送信器11の信号光を多重化して第1の多重光を光増幅器13に出力する。第2の送信群10B内の第1のWSS12Aは、各送信器11の信号光を波長選択し、各送信器11の信号光を多重化して第1の多重光を光増幅器13に出力する。
第1の受信群50A内の第2のWSS52Aは、例えば、多重光から各受信器53対応の波長の信号光のみを透過し、透過した信号光を対応受信器53に出力する。第2の受信群50B内の第2のWSS52Aは、例えば、多重光から各受信器53対応の波長の信号光のみを透過し、透過した信号光を対応受信器53に出力する。尚、第2のWSS52Aは、受信器53毎に透過波長を設定するものとする。
取得部31は、情報通信部4Aを通じて、第2の送信群10B内の送信器11毎の送信光波長λs1、第1の励起光波長λp1及び第2の励起光波長λp2を取得する。算出部32は、2(λp2-λp1)+λs1の数式で、第2の受信群50B内の受信器53毎の受信光波長λs2を算出する。そして、通知部33は、情報通信部4Aを通じて、受信器53対応の受信光波長λs2を該当受信器53に通知すると共に、受信光波長λs2の信号光が透過するように受信光波長λs2を第2の受信群50B内の第2のWSS52Aに通知する。
図12は、第2のWSS52Aのシフト前後の透過波長の一例を示す説明図である。第2のWSS52Aは、受信器53毎の受信光波長λs2をSDNコントローラ4から受信した場合、図12に示すように、受信光波長λs2の信号光が透過するように受信器53毎の透過波長及び帯域幅を設定する。
次に実施例3のWDMシステム1Bの動作について説明する。図13は、第3の設定処理に関わるSDNコントローラ4内のCPU4Cの処理動作の一例を示すフロー図である。図13においてSDNコントローラ4内のCPU4C内の通知部33は、ステップS14にて受信器53の受信光波長λs2を算出した後、受信光波長λs2を透過波長とすべく、第2のWSS52Aに通知する(ステップS21)。第2のWSS52Aは、第2の受信群50B内の受信器53毎の受信光波長λs2を受信したので、受信光波長λs2を透過波長として設定する。更に、通知部33は、第2の受信群50B内の受信器53毎の受信光波長λs2を第2のWSS52Aに通知した後、第2の受信群50B内の受信器53毎の受信光波長λs2を受信器53毎に通知し(ステップS22)、図13に示す処理動作を終了する。
実施例3内のSDNコントローラ4は、第2の送信群10B内の送信器11毎の送信光波長λs1、第1の波長変換器20Aの第1の励起光波長λp1及び第2の波長変換器20Bの第2の励起光波長λp2を取得する。SDNコントローラ4は、2(λp2-λp1)+λs1の数式で、第2の受信群50B内の受信器53毎の受信光波長λs2を算出し、受信光波長λs2を各受信器53に通知する。更に、SDNコントローラ4は、受信器53毎の受信光波長λs2を透過波長として第2のWSS52Aに通知する。その結果、第2のWSS52Aは、受信した受信光波長λs2を透過波長に設定するため、受信器53宛の信号光を該当受信器53に出力する。更に、受信器53は、例えば、波長変換器20等で波長変換後の信号光が波長ズレ等でチャネルグリッドを大きく超えたとしても、受信した受信光波長λs2に局発光波長を設定することで、受信光波長と局発光波長との間のズレがなくなるため、受信品質の劣化を抑制できる。
尚、第2のWSS52Aは、多重光から各受信器53対応の波長の信号光のみを透過する場合を例示したが、受信器53対応の波長の信号光を含む信号光を透過する場合にも適用可能であることは言うまでもない。
また、説明の便宜上、光分波器52の代わりに第2のWSS52Aを配置したが、AWG(Arrayed-Waveguide Grating)や光カプラ等であっても良く、適宜変更可能である。AWGは、AWGの温度コントローラの温度を変更することで、多重光から一定の波長を透過及び遮断する。光カプラは、多重光から全波長を透過する。
実施例1のSDNコントローラ4は、2(λp2-λp1)+λs1の数式を用いて、第2の受信群50B内の受信器53毎の受信光波長λs2を算出し、受信光波長λs2を該当受信器53に通知した。しかしながら、第1の励起光波長λp1及び第2の励起光波長λp2を用いてシフト波長量を算出しても良く、その実施の形態につき、実施例4として以下に説明する。
図14は、実施例4のWDMシステム1Cの一例を示す説明図である。尚、実施例1のWDMシステム1と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。実施例1のWDMシステム1と実施例4のWDMシステム1Cとが異なるところは、SDNコントローラ4が第1の励起光波長λp1及び第2の励起光波長λp2に基づきシフト波長量Δλpを算出する点にある。更に、異なるところは、SDNコントローラ4が、算出したシフト波長量Δλpを第2の送信群10B内の各送信器11に通知し、各送信器11が、受信したシフト波長量Δλpに基づき、発光する信号光の波長をシフトする点にある。
第1の励起光波長λp1と第2の励起光波長λp2とが一致する場合は、第2の受信群50B内の受信器53の受信光と第2の送信群10B内の対応の送信器11の送信光とが同一波長となる。これに対して、第1の励起光波長λp1と第2の励起光波長λp2とが不一致の場合、第2の受信群50B内の受信器53の受信光の波長がずれる。従って、このズレを補正するために第2の送信群10B内の送信器11の送信光の波長をシフトする。つまり、第1の励起光波長λp1と第2の励起光波長λp2とのズレ量Δλpをキャンセルするように、第2の送信群10B内の送信器11は、-2Δλpを算出し、算出した-2Δλp分だけ送信光の波長をシフトする。
更に、SDNコントローラ4内のCPU4Cは、算出部32の代わりに第1の算出部32Aを配置する。第1の算出部32Aは、取得部31にて第1の励起光波長λp1及び第2の励起光波長λp2を取得した後、第1の励起光波長λp1及び第2の励起光波長λp2に基づき、シフト波長量Δλpを算出する。つまり、第1の算出部32Aは、λp2-λp1の数式でシフト波長量Δλpを算出する。通知部33は、第2の送信群10B毎の送信器11の送信光波長λs1をシフト後、送信光波長を受信光波長と同一にすべく、送信光波長λs1を第2の受信群50B内の受信器53に通知する。
次に実施例4のWDMシステム1Cの動作について説明する。図15は、第4の設定処理に関わるSDNコントローラ4内のCPU4Cの処理動作の一例を示すフロー図である。図15においてSDNコントローラ4内のCPU4C内の取得部31は、情報通信部4Aを通じて、第1の波長変換器20Aから第1の励起光波長λp1を取得する(ステップS31)。取得部31は、情報通信部4Aを通じて、第2の波長変換器20Bから第2の励起光波長λp2を取得する(ステップS32)。第1の算出部32Aは、λp2-λp1に基づき、シフト波長量Δを算出する(ステップS33)。通知部33は、情報通信部4Aを通じて、シフト波長量Δλpを第2の送信群10B内の各送信器11に通知する(ステップS34)。その結果、第2の送信群10B内の各送信器11は、シフト波長量Δλpに基づき、送信光の波長のシフト量-2Δλpを算出し、送信光の波長を-2Δλp分シフトする。更に、通知部33は、第2の送信群10B毎の送信器11の送信光波長λs1をシフト後、局発光波長を受信光波長と同一にすべく、シフト前の送信光波長λs1を第2の受信群50B内の受信器53に通知する。
実施例4のSDNコントローラ4は、第1の波長変換器20Aの第1の励起光波長λp1及び第2の波長変換器20Bの第2の励起光波長λp2を取得する。SDNコントローラ4は、λp2-λp1の数式でシフト波長量Δλpを算出し、シフト波長量Δλpを第2の送信群10B内の各送信器11に通知する。第2の送信群10B内の各送信器11は、送信光(第1の信号光)の波長を-2Δλp分シフトする。通知部33は、第2の送信群10B毎の送信器11の送信光波長λs1をシフト後、局発光波長を受信光波長と同一にすべく、シフト前の送信光波長λs1を第2の受信群50B内の受信器53に通知する。その結果、例えば、波長変換器20等で波長変換後の信号光が波長ズレ等でチャネルグリッドを大きく超えたとしても、局発光波長を受信光の波長と一致させるため、受信器53毎の受信品質の劣化を抑制できる。
尚、実施例4のSDNコントローラ4は、第1の励起光波長λp1及び第2の励起光波長λp2に基づき、λp2-λp1の数式でシフト波長量Δλpを算出した。しかしながら、SDNコントローラ4は、第2の送信群10B内の各送信器11に第1の励起光波長λp1及び第2の励起光波長λp2を通知するようにしても良い。この場合、第2の送信群10B内の各送信器11自体が、受信した第1の励起光波長λp1及び第2の励起光波長λp2に基づき、シフト波長量Δλpを算出しても良く、適宜変更可能である。
実施例4の各送信器11は、送信光の波長のシフト量-2Δλpを算出したが、SDNコントロー4が送信光の波長のシフト量-2Δλpを算出し、算出したシフト量-2Δλpを各送信器11に通知しても良く、適宜変更可能である。
尚、実施例4のSDNコントローラ4は、シフト波長量Δλpを各送信器11に通知する場合を例示したが、シフト波長量Δλpを送信器11の他に、各受信器53に通知しても良く、その実施の形態につき、実施例5として以下に説明する。
図16は、実施例5のWDMシステム1Dの一例を示す説明図である。尚、実施例4のWDMシステム1Cと同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。実施例4のWDMシステム1Cと実施例5のWDMシステム1Dとが異なるところは、シフト波長量Δλpを各送信器11に通知するだけでなく、各受信器53に通知する点にある。
第1の励起光波長λp1と第2の励起光波長λp2とが一致する場合は、第2の受信群50B内の受信器53の受信光と第2の送信群10B内の対応の送信器11の送信光とが同一波長となる。これに対して、第1の励起光波長λp1と第2の励起光波長λp2とが不一致の場合、第2の受信群50B内の受信器53の受信光の波長がずれる。従って、このズレを補正するために、第2の送信群10B内の送信器11の送信光の波長及び第2の受信群50B内の受信器53の受信光の波長をシフトする。つまり、第1の励起光波長λp1と第2の励起光波長λp2とのズレ量Δλpをキャンセルするように、第2の送信群10B内の各送信器11は、-Δλp分だけ送信光の波長をシフトする。更に、第2の受信群50B内の各受信器53は、+Δλp分だけ受信光の波長をシフトする。
次に実施例5のWDMシステム1Dの動作について説明する。図17は、第5の設定処理に関わるSDNコントローラ4内のCPU4Cの処理動作の一例を示すフロー図である。図17においてCPU4C内の通知部33は、ステップS33にてシフト波長量Δλpを算出した後、情報通信部4Aを通じて、シフト波長量Δλpを第2の送信群10B内の各送信器11に通知する(ステップS35A)。その結果、第2の送信群10B内の各送信器11は、シフト波長量Δλpに基づき、送信光の波長を-Δλp分シフトする。
更に、通知部33は、シフト波長量Δλpを各送信器11に通知した後、情報通信部4Aを通じて、シフト波長量Δλpを第2の受信群50B内の各受信器53に通知し(ステップS36)、図15に示す処理動作を終了する。その結果、第2の受信群50B内の各受信器53は、シフト波長量Δλpに基づき、受信光の波長として局発光波長を+Δλp分シフトする。
実施例5のSDNコントローラ4は、第1の波長変換器20Aの第1の励起光波長λp1及び第2の波長変換器20Bの第2の励起光波長λp2を取得する。SDNコントローラ4は、λp2-λp1の数式でシフト波長量Δλpを算出し、シフト波長量Δλpを第2の送信群10B内の各送信器11に通知する。第2の送信群10B内の各送信器11は、送信光の波長を-Δλpシフトする。SDNコントローラ4は、シフト波長量Δλpを第2の受信群50B内の各受信器53に通知する。第2の受信群50B内の各受信器53は、受信光の波長として局発光波長を+Δλpシフトする。その結果、第2の受信群50B内の各受信器53は、例えば、波長変換器20等で波長変換後の信号光が波長ズレ等でチャネルグリッドを大きく超えたとしても、受信品質の劣化を抑制できる。
尚、上記実施例1のSDNコントローラ4は、2(λp2-λp1)+λs1で受信光波長λs2を算出した。しかしながら、SDNコントローラ4ではなく、第2の受信群50B内の受信器53の受信側CPU53Dで受信光波長λs2を算出しても良く、その実施の形態につき、実施例6として以下に説明する。
図18は、実施例6のWDMシステム1Eの一例を示す説明図である。尚、図1に示すWDMシステム1と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。図18に示すWDMシステム1Eと図1に示すWDMシステム1とが異なるところは、SDNコントローラ4の代わりに第2の受信群50B内の各受信器53で受信光波長λs2を算出する点にある。
第2の送信群10B内の各送信器11内の情報通信部11Cは、第1の波長変換器20A内の情報通信部24との間で通信する。第1の波長変換器20A内の情報通信部24は、第2の波長変換器20B内の情報通信部24との間で通信する。第2の波長変換器20B内の情報通信部24は、第2の受信群50B内の各受信器53内の情報通信部53Cとの間で通信する。
各受信器53内の受信側CPU53Dは、機能として、第2の算出部53Fと、設定部53Gとを有する。第2の算出部53Fは、情報通信部53Cを通じて送信光波長λs1、第1の励起光波長λp1及び第2の励起光波長λp2を取得する。第2の算出部53Fは、2(λp2-λp1)+λs1で受信光波長λs2を算出する。設定部53Gは、算出した受信光波長λs2を局発光波長として局発光源53Aに設定する。
第2の送信群10B内の各送信器11は、情報通信部11Cを通じて送信光波長λs1を第1の波長変換器20Aに通知する。第1の波長変換器20Aは、情報通信部24を通じて、送信光波長λs1の他に、第1の励起光波長λp1を第2の波長変換器20Bに通知する。
第2の波長変換器20Bは、情報通信部24を通じて、送信光波長λs1及び第1の励起光波長λp1の他に、第2の励起光波長λp2を第2の受信群50B内の該当受信器53に通知する。第2の受信群50B内の各受信器53内の第2の算出部53Fは、送信光波長λs1、第1の励起光波長λp1及び第2の励起光波長λp2に基づき、2(λp2-λp1)+λs1で受信光波長λs2を算出する。設定部53Gは、第2の算出部53Fにて算出した受信光波長λs2を局発光源53Aの局発光波長として設定する。
実施例6の第2の受信群50B内の各受信器53は、第2の送信群10B内の送信器毎の送信光波長λs1、第1の波長変換器20Aの第1の励起光波長λp1及び第2の波長変換器20Bの第2の励起光波長λp2を取得する。第2の受信群50B内の各受信器53は、2(λp2-λp1)+λs1の数式で、受信光波長λs2を算出し、受信光波長λs2を局発光波長として局発光源53Aに設定する。受信器53は、例えば、波長変換器20等で波長変換後の信号光が波長ズレ等でチャネルグリッドを大きく超えたとしても、受信した受信光波長λs2に局発光波長を設定する。その結果、受信光波長と局発光波長との間のズレがなくなるため、受信品質の劣化を抑制できる。
尚、上記実施例1のWDMシステム1は、C帯の第1の多重光をL帯の第2の多重光に波長変換すると共に、L帯の第2の多重光をC帯の第1の多重光に波長変換するシステムを例示したが、L帯に限定されるものではなく、適宜変更可能である。例えば、C帯の第1の多重光をS帯の第3の多重光に波長変換すると共に、S帯の第3の多重光をC帯の第1の多重光に波長変換する波長変換器を追加した実施の形態につき、実施例7として以下に説明する。
図19は、実施例7のWDMシステム1Fの一例を示す説明図である。尚、実施例1のWDMシステム1と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。図19に示す第1の伝送装置2Aは、第1の送信群10A、第2の送信群10B、第1の波長変換器20A及び波長合波器30に加えて、第3の送信群10Cと、第3の波長変換器20Cとを有する。第3の送信群10Cは、C帯の送信器11と、光合波器12と、光増幅器13とを有する。
第3の波長変換器20Cは、第3の励起光を用いて、第3の送信群10CからのC帯の第1の多重光をS帯の第3の多重光に波長変換する。第3の波長変換器20Cは、S帯の第3の多重光を波長合波器30に出力する。波長合波器30は、第1の送信群10AからのC帯の第1の多重光と、第1の波長変換器20AからのL帯の第2の多重光と、第3の波長変換器20CからのS帯の第3の多重光とを合波する。そして、波長合波器30は、第1の多重光、第2の多重光及び第3の多重光を伝送路ファイバ3に出力する。
第2の伝送装置2Bは、波長分波器40、第2の波長変換器20B、第1の受信群50A及び第2の受信群50Bの他に、第4の波長変換器20Dと、第3の受信群50Cとを有する。第3の受信群50Cは、光増幅器51と、光分波器52と、C帯の受信器53とを有する。波長分波器40は、伝送路ファイバ3から受信した多重光をC帯の第1の多重光、L帯の第2の多重光及びS帯の第3の多重光に分波する。波長分波器40は、C帯の第1の多重光を第1の受信群50Aに出力すると共に、L帯の第2の多重光を第2の波長変換器20Bに出力すると共に、S帯の第3の多重光を第4の波長変換器20Dに出力する。
第4の波長変換器20Dは、第4の励起光を用いて、波長分波器40からのS帯の第3の多重光をC帯の第1の多重光に波長変換する。尚、第4の励起光波長は、第3の励起光波長と同一波長とする。第4の波長変換器20Dは、波長変換後のC帯の第3の多重光を第3の受信群50Cに出力する。
SDNコントローラ4内のCPU4Cは、算出部32の代わりに第3の算出部32Cを配置した。取得部31は、情報通信部4Aを通じて、第2の送信群10B内の各送信器11から送信光波長λs11、第1の波長変換器20Aから第1の励起光波長λp11、第2の波長変換器20Bから第2の励起光波長λp12を取得する。尚、第1の励起光波長λp11は、第2の励起光波長λp12と同一波長とする。第3の算出部32Cは、送信光波長λs11、第1の励起光波長λp11及び第2の励起光波長λp12に基づき、2(λp12-λp11)+λs11の数式で受信光波長λs12を算出する。受信光波長λs12は、第2の送信群10B内の送信器11に対応した第2の受信群50B内の受信器53の受信光波長である。通知部33は、第2の受信群50B内の受信器53毎に算出した受信光波長λs12を該当受信器53に通知する。その結果、第2の受信群50B内の各受信器53は、受信した受信光波長λs12を局発光波長として局発光源34を設定する。
取得部31は、情報通信部4Aを通じて、第3の送信群10C内の各送信器11から送信光波長λs21、第3の波長変換器20Cから第1の励起光波長λp21、第4の波長変換器20Dから第2の励起光波長λp22を取得する。第3の算出部32Cは、送信光波長λs21、第1の励起光波長λp21及び第2の励起光波長λp22に基づき、2(λp22-λp21)+λs21の数式で受信光波長λs22を算出する。受信光波長λs22は、第3の送信群10C内の送信器11に対応した第3の受信群50C内の受信器53の受信光波長である。通知部33は、第3の受信群50C内の受信器53毎に算出した受信光波長λs22を該当受信器53に通知する。その結果、第3の受信群50C内の各受信器53は、受信した受信光波長λs22を局発光波長として局発光源34を設定する。
第2の受信群50B内の各受信器53は、算出した受信器53毎の受信光波長λs12を受信し、受信光波長λs12を局発光波長として設定する。第2の受信群50B内の各受信器53は、例えば、波長変換器20等で波長変換後の信号光が波長ズレ等でチャネルグリッドを大きく超えたとしても、局発光波長と受信光波長との間のズレがなくなる。その結果、L帯の第2の多重光で伝送された多重光の受信品質の劣化を抑制できる。
第3の受信群50C内の各受信器53は、算出した受信器53毎の受信光波長λs22を受信し、受信光波長λs22を局発光波長として設定する。第3の受信群50C内の各受信器53は、例えば、波長変換器20等で波長変換後の信号光が波長ズレ等でチャネルグリッドを大きく超えたとしても、局発光波長と受信光波長との間のズレがなくなる。その結果、S帯の第3の多重光で伝送された多重光の受信品質の劣化を抑制できる。しかも、WDMシステム1Fでは、C帯、L帯及びS帯の波長帯を用いて大容量の伝送を実現できる。
尚、上記実施例1のWDMシステム1では、第1の伝送装置2Aから第2の伝送装置2Bへの多重光を伝送する場合を例示したが、第2の伝送装置2Bから第1の伝送装置2Aへの多重光を伝送する場合も同様の効果が得られることは言うまでもない。そこで、伝送装置間を双方向に伝送するWDMシステム1Gの実施の形態につき、実施例8として以下に説明する。
図20は、実施例8のWDMシステム1Gの一例を示す説明図である。図20に示すWDMシステム1Gは、第3の伝送装置2Cと、第4の伝送装置2Dと、伝送路ファイバ3とを有する。伝送路ファイバ3は、第3の伝送装置2Cから第4の伝送装置2Dへの多重光を伝送する上り伝送路ファイバ3Aと、第4の伝送装置2Dから第3の伝送装置2Cへの多重光を伝送する下り伝送路ファイバ3Bとを有する。
第3の伝送装置2Cは、複数の第1の送受信器60Aと、光合波器71Aと、光分波器72Aと、第1の双方向波長変換器80Aとを有する。尚、図20に示す第3の伝送装置2Cは、複数台の第1の送受信器60Aを内蔵しているものとする。
第1の送受信器60Aは、光源61と、変調部62と、復調部63と、情報通信部64と、CPU65とを有する。光源61は、送信機能として信号光を発光すると共に、受信機能として局発光を発光するLDである。変調部62は、光源61からの信号光を光変調する。復調部63は、光源61からの局発光を用いて、光分波器72Aで分波された受信光を光復調する。情報通信部64は、SDNコントローラ4との間で通信する。CPU65は、第1の送受信器60A全体を制御する。光合波器71Aは、第1の送受信器60Aからの信号光を合波し、合波した多重光を第1の双方向波長変換器80Aに出力する。光分波器72Aは、第1の双方向波長変換器80Aからの第1の多重光内の全波長のC帯の信号光を各第1の送受信器60Aに出力する。各第1の送受信器60Aは、光分波器72Aからの第1の多重光内の全波長のC帯の信号光から、自分宛の波長の局発光を用いて、自分宛の受信光を受信する。
第4の伝送装置2Dは、複数の第2の送受信器60Bと、光合波器71Bと、光分波器72Bと、第2の双方向波長変換器80Bとを有する。尚、図20に示す第4の伝送装置2Dは、複数台の第2の送受信器60Bを内蔵しているものとする。第2の送受信器60Bは、光源61と、変調部62と、復調部63と、情報通信部64と、CPU65とを有する。
第1の双方向波長変換器80Aは、励起光源81と、双方向非線形ファイバ82と、情報通信部83と、記憶部84と、CPU85とを有する。励起光源81は、第1の励起光を発光するLDである。双方向非線形ファイバ82は、励起光源81からの第1の励起光を用いてC帯の第1の多重光をL帯の第2の多重光に波長変換すると共に、第1の励起光を用いて第2の多重光を第1の多重光に波長変換する。情報通信部83は、SDNコントローラ4と通信する。記憶部84は、例えば、零分散波長テーブル等の各種情報を記憶する。CPU85は、第1の双方向波長変換器80A全体を制御する。
第2の双方向波長変換器80Bは、励起光源81と、双方向非線形ファイバ82と、情報通信部83と、記憶部84と、CPU85とを有する。励起光源81は、第2の励起光を発光するLDである。双方向非線形ファイバ82は、励起光源81からの第2の励起光を用いてC帯の第1の多重光をL帯の第2の多重光に波長変換すると共に、第2の励起光を用いて第2の多重光を第1の多重光に波長変換する。情報通信部83は、SDNコントローラ4と通信する。記憶部84は、例えば、零分散波長テーブル等の各種情報を記憶する。CPU85は、第2の双方向波長変換器80B全体を制御する。
第3の伝送装置2C内の光合波器71Aは、各第1の送受信器60AからのC帯の信号光を合波して第1の多重光を第1の双方向波長変換器80Aに出力する。第1の双方向波長変換器80Aは、第1の励起光を用いて、光合波器71Aからの第1の多重光をL帯の第2の多重光に波長変換する。第1の双方向波長変換器80Aは、波長変換後のL帯の第2の多重光を上り伝送路ファイバ3Aに出力する。
第2の双方向波長変換器80Bは、第2の励起光を用いて、上り伝送路ファイバ3Aから受信したL帯の第2の多重光をC帯の第1の多重光に波長変換する。更に、第2の双方向波長変換器80Bは、波長変換後の第1の多重光を光分波器72Bに出力する。第4の伝送装置2D内の光分波器72Bは、第2の双方向波長変換器80Bからの第1の多重光内の全波長のC帯の信号光を各第2の送受信器60Bに出力する。各第2の送受信器60Bは、光分波器72Bからの第1の多重光内の全波長のC帯の信号光から、自分宛の波長の局発光を用いて、自分宛の受信光を受信する。
また、第4の伝送装置2D内の光合波器71Aは、各第2の送受信器60BからのC帯の信号光を合波して第1の多重光を第2の双方向波長変換器80Bに出力する。第2の双方向波長変換器80Bは、第2の励起光を用いて、光合波器71BからのC帯の第1の多重光をL帯の第2の多重光に波長変換する。第2の双方向波長変換器80Bは、波長変換後のL帯の第2の多重光を下り伝送路ファイバ3Bに出力する。
第1の双方向波長変換器80Aは、第1の励起光を用いて、下り伝送路ファイバ3Bから受信したL帯の第2の多重光をC帯の第1の多重光に波長変換する。更に、第1の双方向波長変換器80Aは、波長変換後の第1の多重光を光分波器72Aに出力する。第3の伝送装置2C内の光分波器72Aは、第1の双方向波長変換器80Aからの第1の多重光内の全波長のC帯の信号光を各第1の送受信器60Aに出力する。
SDNコントローラ4内の取得部31は、情報通信部4Aを通じて、第1の送受信器60Aからの送信光波長λs1、第1の双方向波長変換器80Aからの第1の励起光波長λp1、第2の双方向波長変換器80Bからの第2の励起光波長λp2を取得する。算出部32は、2(λp2-λp1)+λs1の数式で、第1の送受信器60Aに対応した第2の送受信器60Bの受信光波長λs2を算出する。通知部33は、情報通信部4Aを通じて、第2の送受信器60B毎に算出した受信光波長λs2を該当の第2の送受信器60Bに通知する。その結果、第2の送受信器60Bは、受信した受信光波長λs2を局発光波長に設定すべく、光源61を制御する。
SDNコントローラ4内の取得部31は、第2の送受信器60Bからの送信光波長λs1、第1の双方向波長変換器80Aからの第1の励起光波長λp1、第2の双方向波長変換器80Bからの第2の励起光波長λp2を取得する。算出部32は、2(λp2-λp1)+λs1の数式で、第2の送受信器60Bに対応した第1の送受信器60Aの受信光波長λs2を算出する。通知部33は、第2の送受信器60B毎に算出した受信光波長λs2を該当の第1の送受信器60Aに通知する。その結果、第1の送受信器60Aは、受信した受信光波長λs2を局発光波長に設定すべく、光源61を制御する。
実施例8のWDMシステム1Gでは、双方向波長変換器80A,80Bを使用した場合でも、受信品質の劣化を抑制できる。
尚、上記実施例1のWDMシステム1では、第1の伝送装置2Aと第2の伝送装置2Bとの間を単一スパンの伝送路ファイバ3で接続した。しかしながら、第1の伝送装置2Aと第2の伝送装置2Bとの間は単一スパンの伝送路ファイバ3に限定されるものではなく、複数のスパンの伝送路ファイバでも良い。従って、その実施の形態につき、実施例9として以下に説明する。
図21は、実施例9のWDMシステム1Hの一例を示す説明図である。図21に示すWDMシステム1Hは、第1のROADM(Reconfigurable Optical Add/Drop Multiplexer)90Aと、第11の波長変換器80Cと、第1のスパン3Cと、第12の波長変換器80Dとを有する。WDMシステム1Hは、ILA(In Line Amplifier)100と、第13の波長変換器80Eと、第2のスパン3Dと、第14の波長変換器80Fと、第2のROADM90Bとを有する。
第1のROADM90Aは、プレアンプ91と、MUX-DEMUX(Multiplexer/DeMultiplexer)92と、ポストアンプ93とを有する。MUX-DEMUX92は、複数の第1の送受信器60Aと接続し、各第1の送受信器60AからのC帯の信号光を第1の多重光として多重出力すると共に、第1の多重光をC帯の信号光に分離出力する。MUX-DEMUX92は、多重化後のC帯の第1の多重光を第11の波長変換器80Cに出力する。また、MUX-DEMUX92は、内部のWSSで、例えば、第11の波長変換器80Cから受信した88チャネルの全波長の内、任意の1波長が選択する。尚、内部のWSSは、受信する信号光に合せて受信可能な信号光の透過帯域を調整するため、受信光の波長がチャネルグリッドの波長を大きく超えた場合でも、受信光の波長を漏れなく波長選択できる。そして、MUX-DEMUX92は、選択された波長を、例えば、16チャネルの複数の波長に合波し、合波した信号光を各第1の送受信器60Aに送信する。第1の送受信器60Aは、自分宛の信号光波長の局発光を用いて、MUX-DEMUX92から受信した信号光から自分宛の信号光を受信する。
第11の波長変換器80Cは、第11の励起光を用いて、第1の多重光を第2の多重光に波長変換すると共に、第11の励起光を用いて、第2の多重光を第1の多重光に波長変換する。第12の波長変換器80Dは、第12の励起光を用いて、第2の多重光を第1の多重光に波長変換すると共に、第12の励起光を用いて、第1の多重光を第2の多重光に波長変換する。ILA100は、第12の波長変換器80Dと第13の波長変換器80Eとの間に配置し、第1の多重光を光増幅するプレアンプ101及びポストアンプ102と、設定波長の信号光を透過するWSS103とを有する中継装置である。第13の波長変換器80Eは、第13の励起光を用いて、第1の多重光を第2の多重光に波長変換すると共に、第13の励起光を用いて、第2の多重光を第1の多重光に波長変換する。第14の波長変換器80Fは、第14の励起光を用いて、第2の多重光を第1の多重光に波長変換すると共に、第14の励起光を用いて、第1の多重光を第2の多重光に波長変換する。
第2のROADM90Bは、プレアンプ91と、MUX-DEMUX92と、ポストアンプ93とを有する。MUX-DEMUX92は、複数の第2の送受信器60Bと接続し、各第2の送受信器60BからのC帯の信号光を第1の多重光として多重出力すると共に、第1の多重光をC帯の信号光に分離出力する。MUX-DEMUX92は、多重化後のC帯の第1の多重光を第14の波長変換器80Fに出力する。また、MUX-DEMUX92は、内部のWSSで、例えば、第14の波長変換器80Fから受信した88チャネルの全波長の内、任意の1波長が選択する。尚、内部のWSSは、受信する信号光に合せて受信可能な信号光の透過帯域を調整するため、受信光の波長がチャネルグリッドの波長を大きく超えた場合でも、受信光の波長を漏れなく波長選択できる。そして、MUX-DEMUX92は、選択された波長を、例えば、16チャネルの複数の波長に合波し、合波した信号光を各第2の送受信器60Bに送信する。第2の送受信器60Bは、自分宛の信号光波長の局発光を用いて、MUX-DEMUX92から受信した信号光から自分宛の信号光を受信する。
第1のROADM90Aは、各第1の送受信器60AからのC帯の信号光を多重化して第1の多重光を第11の波長変換器80Cに出力する。第11の波長変換器80Cは、第11の励起光を用いて、第1の多重光をL帯の第2の多重光に波長変換し、波長変換後の第2の多重光を第1のスパン3Cに出力する。第12の波長変換器80Dは、第1のスパン3CからL帯の第2の多重光を受信し、第12の励起光を用いて、第2の多重光をC帯の第1の多重光に波長変換し、波長変換後のC帯の第1の多重光をILA100に出力する。ILA100は、第12の波長変換器80Dからの第1の多重光を光増幅し、光増幅後の第1の多重光を第13の波長変換器80Eに出力する。
第13の波長変換器80Eは、第13の励起光を用いて、第1の多重光を第2の多重光に波長変換し、波長変換後の第2の多重光を第2のスパン3Dに出力する。第14の波長変換器80Fは、第2のスパン3DからL帯の第2の多重光を受信し、第14の励起光を用いて、第2の多重光を第1の多重光に波長変換し、波長変換後の第1の多重光を第2のROADM90Bに出力する。第2のROADM90Bは、第14の波長変換器80Fにて変換後の第1の多重光を任意のC帯の信号光に分離し、分離した複数チャネル分のC帯の信号光を合波して該当の各第2の送受信器60Bに出力する。第2の送受信器60Bは、自分宛の信号光波長の局発光を用いて、MUX-DEMUX92から受信した信号光から自分宛の信号光を受信する。
SDNコントローラ4内の取得部31は、第1の送受信器60Aからの送信光波長λs11、第11の波長変換器80Cからの第11の励起光波長λp11、第12の波長変換器80Dからの第12の励起光波長λp12を取得する。更に、取得部31は、第13の波長変換器80Eからの第13の励起光波長λp13、第14の波長変換器80Fからの第14の励起光波長λp14を取得する。算出部32は、送信光波長λs11、第11の励起光波長λp11及び第12の励起光波長λp12に基づき、2(λp12-λp11)+λs11の数式で、ILA100内のWSS103を透過する透過波長を算出する。更に、算出部32は、2(λp14-λp13+λp12-λp11)+λs11の数式で、第2のROADM90B内のMUX-DEMUX92の透過波長及び受信側の第2の送受信器60Bの受信光波長λs12を算出する。
通知部33は、2(λp12-λp11)+λs11の数式で算出した第1の透過波長をILA100内のWSS103に通知する。ILA100は、受信した第1の透過波長をWSS103に設定する。更に、通知部33は、2(λp14-λp13+λp12-λp11)+λs11の数式で算出した受信光波長λs12を第2のROADM90B及び該当の第2の送受信器60Bに通知する。第2のROADM90Bは、受信光波長λs12を透過波長としてMUX-DEMUX92に設定する。更に、第2の送受信器60Bは、受信光波長λs12を局発光波長として光源61に設定する。
実施例9のSDNコントローラ4は、第1のROADM90Aと第2のROADM90Bとの間にILA100を配置した場合でも、2(λp12-λp11)+λs11の数式で、ILA100内のWSS103を透過する透過波長を算出する。更に、SDNコントローラ4は、2(λp14-λp13+λp12-λp11)+λs11の数式で、第2のROADM90B内のMUX-DEMUX92の透過波長及び受信側の第2の送受信器60Bの受信光波長λs12を算出する。SDNコントローラ4は、2(λp12-λp11)+λs11の数式で算出した透過波長をILA100内のWSS103に設定する。更に、SDNコントローラ4は、2(λp14-λp13+λp12-λp11)+λs11の数式で算出した受信光波長λs12を第2のROADM90B内のMUX-DEMUX92の透過波長及び受信側の第2の送受信器60Bの局発光波長に設定する。その結果、第1の送受信器60Aと第2の送受信器6Bとの間にILA100を配置した場合でも、受信品質の劣化を抑制できる。
尚、実施例9のWDMシステム1Hでは、ILA100の入力段に第12の波長変換器80D、ILA100の出力段に第13の波長変換器80Eを配置し、ILA100内のアンプでC帯の第1の多重光を光増幅した。しかしながら、ILA100内のアンプがC帯の第1の多重光及びL帯の第2の多重光を光増幅する機能を有する場合、第12の波長変換器80D及び第13の波長変換器80Eを配置しなくても良く、適宜変更可能である。
尚、説明の便宜上、第11の波長変換器80Cは、波長変換後のL帯の第2の多重光を第1のスパン3Cに出力したが、L帯の第2の多重光とC帯の第1の多重光と合波して第1のスパン3Cに出力しても良い。この場合、第11の波長変換器80Cは、第1のスパン3Cから第1の多重光及び第2の多重光を分波し、分波した第2の多重光を第1の多重光に波長変換し、波長変換後の第1の多重光及び分波した第1の多重光を出力する。第12の波長変換器80Dは、波長変換後のL帯の第2の多重光を第1のスパン3Cに出力したが、L帯の第2の多重光とC帯の第1の多重光と合波して第1のスパン3Cに出力しても良い。この場合、第12の波長変換器80Dは、第1のスパン3Cから第1の多重光及び第2の多重光を分波し、分波した第2の多重光を第1の多重光に波長変換し、波長変換後の第1の多重光及び分波した第1の多重光をILA100に出力する。
第13の波長変換器80Eは、波長変換後のL帯の第2の多重光を第2のスパン3Dに出力したが、L帯の第2の多重光とC帯の第1の多重光と合波して第2のスパン3Dに出力しても良い。この場合、第13の波長変換器80Eは、第2のスパン3Dから第1の多重光及び第2の多重光を分波し、分波した第2の多重光を第1の多重光に波長変換し、波長変換後の第1の多重光及び分波した第1の多重光をILA100に出力する。第14の波長変換器80Fは、波長変換後のL帯の第2の多重光を第2のスパン3Dに出力したが、L帯の第2の多重光とC帯の第1の多重光と合波して第2のスパン3Dに出力しても良い。この場合、第14の波長変換器80Fは、第2のスパン3Dから第1の多重光及び第2の多重光を分波し、分波した第2の多重光を第1の多重光に波長変換し、波長変換後の第1の多重光及び分波した第1の多重光を出力する。
実施例9のWDMシステム1Hでは、第1のROADM90Aと第2のROADM90Bとの間にILA100を配置したが、ILA100の代わりに第3のROADM90Cを配置しても良く、その実施の形態につき、実施例10として以下に説明する。
図22は、実施例10のWDMシステム1Jの一例を示す説明図である。尚、実施例9のWDMシステム1Hと同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。実施例10のWDMシステム1Jと実施例9のWDMシステム1Hとが異なるところは、ILA100の代わりに第3のROADM90Cを配置した点にある。
図22に示す第3のROADM90Cは、プレアンプ91と、MUX-DEMUX92と、ポストアンプ93とを有する。プレアンプ91及びポストアンプ93は、C帯の第1の多重光を光増幅する。プレアンプ91は、第12の波長変換器80Dからの波長変換後の第1の多重光を光増幅し、光増幅後の第1の多重光をMUX-DEMUX92に出力する。MUX-DEMUX92は、複数の第3の送受信器60Cと接続し、透過波長に基づき、複数の第3の送受信器60Cの内、該当の第3の送受信器60Cに信号光を出力する。尚、透過波長は、第3の送受信器60Cが受信する信号光の波長とする。
MUX-DEMUX92は、透過波長に基づき、プレアンプ91からの光増幅後の第1の多重光を透過し、透過後の第1の多重光をポストアンプ93に出力する。尚、透過波長は、第2の送受信器60Bが受信する信号光の波長とする。ポストアンプ93は、第1の多重光を光増幅し、光増幅後の第1の多重光を第13の波長変換器80Eに出力する。
第13の波長変換器80Eは、第13の励起光を用いて、第1の多重光を第2の多重光に波長変換し、波長変換後の第2の多重光を第2のスパン3Dに出力する。第14の波長変換器80Fは、第14の励起光を用いて、第2のスパン3Dからの第2の多重光を第1の多重光に波長変換し、波長変換後の第1の多重光を第2のROADM90Bに出力する。第2のROADM90B内のMUX-DEMUX92は、透過波長に基づき、波長変換後の第1の多重光を任意のC帯の信号光に分離し、分離した複数のチャネル分のC帯の信号光を合波して、該当する各第2の送受信器60Bに出力する。第2の送受信器60Bは、自分宛の信号光波長の局発光を用いて、MUX-DEMUX92から受信した信号光から自分宛の信号光を受信する。
SDNコントローラ4内の取得部31は、第1の送受信器60Aからの送信光波長λs11、第11の波長変換器80Cからの第11の励起光波長λp11、第12の波長変換器80Dからの第12の励起光波長λp12を取得する。更に、取得部31は、第13の波長変換器80Eからの第13の励起光波長λp13、第14の波長変換器80Fからの第14の励起光波長λp14を取得する。算出部32は、送信光波長λs11、第11の励起光波長λp11及び第12の励起光波長λp12に基づき、2(λp12-λp11)+λs11の数式で第3のROADM90C内のMUX-DEMUX92を透過する第1の透過波長を算出する。更に、算出部32は、2(λp14-λp13+λp12-λp11)+λs11の数式で、第2のROADM90B内のMUX-DEMUX92の第2の透過波長及び受信側の第2の送受信器60Bの受信光波長λs12を算出する。
通知部33は、2(λp12-λp11)+λs11の数式で算出した第1の透過波長を第3のROADM90C内のMUX-DEMUX92に通知する。MUX-DEMUX92は、受信した第1の透過波長を設定する。その結果、MUX-DEMUX92は、送信光波長λs11の信号光を透過する。更に、通知部33は、2(λp14-λp13+λp12-λp11)+λs11の数式で算出した受信光波長λs12を第2のROADM90B及び該当の第2の送受信器60Bに通知する。第2のROADM90Bは、受信光波長λs12を透過波長としてMUX-DEMUX92に設定する。更に、第2の送受信器60Bは、受信光波長λs12を局発光波長として光源61に設定する。その結果、第2の送受信器60Bは、第1の送受信器60Aの送信光波長λs11の信号光を受信する受信品質の劣化を抑制できる。
また、算出部32は、第1の送受信器60Aからの送信光波長λs21、第11の波長変換器80Cからの第11の励起光波長λp11、第12の波長変換器80Dからの第12の励起光波長λp12を取得する。尚、第1の送受信器60Aの送信光波長λs21は、Ch2の第3の送受信器60Cの通信に使用するものとする。算出部32は、送信光波長λs21、第11の励起光波長λp11及び第12の励起光波長λp12に基づき、2(λp12-λp11)+λs21の数式で第3のROADM90C内のMUX-DEMUX92を透過する第1の透過波長を算出する。更に、算出部32は、2(λp12-λp11)+λs21の数式で、第3のROADM90C内のMUX-DEMUX92の第2の透過波長及び受信側の第3の送受信器60Cの受信光波長λs22を算出する。
通知部33は、2(λp12-λp11)+λs21の数式で算出した第1の透過波長を第3のROADM90C内のMUX-DEMUX92に通知する。MUX-DEMUX92は、受信した第1の透過波長を設定する。その結果、MUX-DEMUX92は、送信光波長λs21の信号光を透過する。更に、通知部33は、2(λp12-λp11)+λs21の数式で算出した受信光波長λs22を第3のROADM90C及び該当の第3の送受信器60Cに通知する。第3のROADM90Cは、受信光波長λs22を透過波長としてMUX-DEMUX92に設定する。更に、第3の送受信器60Cは、受信光波長λs22を局発光波長として光源61に設定する。その結果、第3の送受信器60Cは、第1の送受信器60Aの送信光波長λs21の信号光を受信する受信品質の劣化を抑制できる。
尚、上記実施例1のWDMシステム1では、縮退型四光波混合方式の波長変換器20を例示したが、非縮退型四光波混合方式の波長変換器110を使用しても良く、その実施の形態につき、実施例11として以下に説明する。尚、実施例1のWDMシステム1と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
図23は、非縮退型四光波混合方式の波長変換器110の一例を示す説明図である。図24に示す波長変換器110は、入力ポート111と、光サーキュレータ112と、第1の励起光源113Aと、第2の励起光源113Bと、WDMカプラ114と、PBS115と、非線形ファイバ116と、出力ポート117とを有する。光サーキュレータ112は、入力ポート111から信号光を入力し、信号光をPBS115に出力する。更に、WDMカプラ114は、第1の励起光源113Aからの第21の励起光と、第2の励起光源113Bからの第22の励起光とを合波し、第21の励起光及び第22の励起光をPBS115に出力する。PBS115は、信号光、第21の励起光及び第22の励起光を偏波分離し、垂直偏波の信号光、第21の励起光及び第22の励起光を非線形ファイバ116のX方向に入力する。更に、PBS115は、水平偏波の信号光、第21の励起光及び第22の励起光を非線形ファイバ116のY方向に入力する。そして、非線形ファイバ116は、第21の励起光及び第22の励起光を用いて、水平偏波の信号光を水平偏波の変換光に波長変換し、波長変換後の水平偏波の変換光をPBS115に出力する。非線形ファイバ116は、第21の励起光及び第22の励起光を用いて、垂直偏波の信号光を垂直偏波の変換光に波長変換し、波長変換後の垂直偏波の変換光をPBS115に出力する。PBS115は、垂直偏波の変換光及び水平偏波の変換光を合波して変換光を光サーキュレータ112に出力する。光サーキュレータ112は、PBS115からの変換光を出力ポート117に出力する。
図24は、信号光と変換光との関係の一例を示す説明図である。変換光は、図24に示すように、信号光の波長を中心に±Δv0の波長位置に発生する。尚、Δv0は、第11の励起光の周波数fp1と、第12の励起光の周波数fp2との周波数差分である。
図25は、非線形ファイバ116の零分散周波数が設定環境に応じた零分散周波数と一致した場合の変換前の信号光と変換後の信号光との関係の一例を示す説明図である。変換前の信号光は、変換前の信号光の周波数から-Δv0の周波数に変換後の信号光(変換光)が発生する。例えば、変換前の信号光f1の変換光は、f1-Δv0の周波数に発生し、変換前の信号光f2の変換光は、f2-Δv0の周波数に発生する。例えば、非線形ファイバ116の零分散周波数が設定環境に応じた零分散周波数を設定している場合、図25に示すように、変換光は、波長変換後の帯域で十分な信号パワーを確保している。つまり、非線形ファイバ116の零分散周波数が設定環境に応じた零分散周波数を設定している場合、信号光から変換光に波長変換する波長変換効率が高まる。
図26は、非線形ファイバ116の零分散周波数が設定環境に応じた零分散周波数よりも低周波数側にシフトした場合の信号光と変換光との関係の一例を示す説明図である。非線形ファイバ116の零分散周波数が設定環境に応じた零分散周波数よりも低周波数側にΔfcdをシフトした場合、例えば、変換前の信号光f1の変換光は、f1-Δv0の周波数に発生し、変換前の信号光f2の変換光は、f2-Δv0の周波数に発生する。しかしながら、設定環境に適した零分散周波数よりも低周波数側にΔfcd分シフトしているため、図26に示すように、変換光の高周波帯側の信号パワーが著しく低下する。
図27は、非線形ファイバ116の零分散周波数が設定環境に応じた零分散周波数よりも高周波数側にシフトした場合の変換前の信号光と変換後の信号光との関係の一例を示す説明図である。非線形ファイバ116の零分散周波数が設定環境に応じた零分散周波数よりも高周波数側にΔfcdをシフトした場合、例えば、変換前の信号光f1の変換光は、f1-Δv0の周波数に発生し、変換前の信号光f2の変換光は、f2-Δv0の周波数に発生する。しかしながら、設定環境に適した零分散周波数よりも高周波数側にΔfcd分シフトしているため、図27に示すように、変換光の低周波数帯の信号パワーが著しく低下する。
図28は、非線形ファイバ116の零分散周波数をシフト補正した場合の信号光と変換光との関係の一例を示す説明図である。零分散周波数を変更することなく、波長変換器110の励起光周波数差Δv0に誤差Δfcdを加算して励起光周波数差を変更することで、変換光の信号パワーの劣化を抑圧できる。しかしながら、非線形ファイバ116の零分散周波数が設定環境に応じた零分散周波数よりも低周波数側にΔfcdをシフトしたとする。この場合、例えば、変換前の信号光f1の変換光は、f1-(Δv0+Δfcd)の周波数に発生し、変換前の信号光f2の変換光は、f2-(Δv0+Δfcd)の周波数に発生するようにシフトする。しかしながら、励起光周波数差Δv0をずらすと、図28に示すように、波長変換後の信号光(変換光)の周波数帯域が全体的にΔfcd分ずれてしまう。その結果、局発光波長と受信光波長とにズレが生じて、受信品質が劣化する。
そこで、このような事態に対処すべく、非縮退型四光波混合方式の波長変換器110を適用したWDMシステム1Kの実施の形態につき、実施例11として以下に説明する。図29は、実施例11のWDMシステム1Kの一例を示す説明図である。尚、図1に示すWDMシステム1と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
図1に示すWDMシステム1と図30に示すWDMシステム1Kとが異なるところは、縮退型四光波混合方式の第1の波長変換器20A及び第2の波長変換器20Bの代わりに、第21の波長変換器110A及び第22の波長変換器110Bを配置した点にある第21の波長変換器110A及び第22の波長変換器110Bは、非縮退型四光波混合方式の波長変換器である。SDNコントローラ4は、算出部32の代わりに第4の算出部32Dを配置した。
SDNコントローラ4内の取得部31は、情報通信部4Aを通じて、第2の送信群10B内の各送信器11から送信光波長λs1を取得する。取得部31は、情報通信部4Aを通じて、第21の波長変換器110Aから第1の励起光差分量Δv1を取得する。尚、第1の励起光差分量Δv1は、第21の波長変換器110A内の第1の励起光源113Aの第11の励起光と第2の励起光源113Bの第12の励起光との差分である。取得部31は、情報通信部4Aを通じて、第22の波長変換器110Bから第2の励起光差分量Δv2を取得する。尚、第2の励起光差分量Δv2は、第22の波長変換器110B内の第1の励起光源113Aの第11の励起光と第2の励起光源113Bの第12の励起光との差分である。
SDNコントローラ4内の第4の算出部32Dは、送信光波長λs1、第1の励起光差分量Δv1及び第2の励起光差分量Δv2に基づき、(Δv2-Δv1)+λs1の数式で、受信光波長λs2を算出する。SDNコントローラ4内の通知部33は、情報通信部4Aを通じて、算出した受信光波長λs2を該当の受信器53に通知する。送信光波長λs1の送信器11と通信する受信器53内の受信側CPU53Dは、受信光波長λs2を局発光波長として設定する。
次に実施例11のWDMシステム1Kの動作について説明する。図30は、第6の設定処理に関わるSDNコントローラ4内のCPU4Cの処理動作の一例を示すフロー図である。図30において取得部31は、情報通信部4Aを通じて第2の送信群10B内の各送信器11から送信器11毎の送信光波長λs1を取得する(ステップS11)。尚、送信光波長λs1は、第2の送信群10B内の送信器11毎に異なる送信光の波長である。取得部31は、情報通信部4Aを通じて、第21の波長変換器110Aから第1の励起光差分量Δv1を取得する(ステップS12B)。取得部31は、情報通信部4Aを通じて、第22の波長変換器110Bから第2の励起光差分量Δv2を取得する(ステップS13B)。第4の算出部32Dは、(Δv2-Δv1)+λs1の数式で、送信器11に対応した受信器53の受信光波長λs2を算出する(ステップS14B)。通知部33は、情報通信部4Aを通じて、受信器53毎に算出した受信光波長λs2を局発光波長として該当受信器53に通知し(ステップS15)、図30に示す処理動作を終了する。
各受信器53は、SDNコントローラ4から受信光波長λs2を受信し、受信光波長λs2を局発光波長として局発光源53Aに設定する。その結果、受信器53は、局発光波長と受信光波長との間のズレがなくなるため、受信品質の劣化を抑制できる。
実施例11のSDNコントローラ4は、第2の送信群10B内の送信器11毎の送信光波長λs1、第21の波長変換器110Aの第1の励起光差分量Δv1及び第22の波長変換器110Bの第2の励起光差分量Δv2を取得する。SDNコントローラ4は、2(Δv2-Δv1)+λs1の数式で、第2の受信群50B内の受信器53毎の受信光波長λs2を算出し、受信光波長λs2を各受信器53に通知する。その結果、受信器53は、非縮退型四光波混合方式の波長変換器を使用した場合でも、受信した受信光波長λs2に局発光波長を設定するため、受信品質の劣化を抑制できる。
取得部31は、第21の波長変換器110Aから第1の励起光差分量Δv1及び第22の波長変換器110Bから第2の励起光差分量Δv2を取得した。しかしながら、取得部31は、第21の波長変換器110Aから第1の励起光源113Aの励起光波長及び第2の励起光源113Bの励起光波長を取得しても良く。この場合、第4の算出部32Dは、第1の励起光源113Aの励起光波長及び第2の励起光源113Bの励起光波長で、第1の励起光差分量Δv1及び第2の励起光差分量Δv2を算出しても良く、適宜変更可能である。
尚、第4の算出部32Dは、(Δv2-Δv1)+λs1の数式で、第2の受信群50B内の受信器53毎の受信光波長λs2を算出したが、受信器53自体が受信光波長λs2を算出しても良く、適宜変更可能である。
また、実施例11のWDMシステム1Kでは、第1の伝送装置2Aと、第2の伝送装置2Bとの間の伝送路ファイバ3が1スパンの場合を例示したが、複数のNスパンの場合にも適用可能である。2×Σ[(スパンNの第22の波長変換器110Bの第2の励起光差分量Δv2)-(スパンNの第21の波長変換器110Aの第1の励起光差分量Δv1)]+(送信光波長λs1)の数式で、Nスパンの場合でも、受信器53の受信光波長λs2を算出できる。
尚、上記実施例1のWDMシステム1では、縮退型四光波混合方式の波長変換器を採用した。波長変換器では、例えば、四光波混合(FWM:Four-Wave Mixing)の非線形光学現象を利用している。図31は、波長変換器200の一例を示す説明図である。図31に示す波長変換器200は、縮退型四光波混合方式の波長変換器である。波長変換器200は、入力ポート201と、励起光源202と、WDMカプラ203と、光サーキュレータ204と、偏波ビームスプリッタ(PBS:Polarizing Beam Splitter)205とを有する。波長変換器200は、非線形ファイバ206と、光BPF(Band Pass Filter)207と、出力ポート208とを有する。尚、例えば、C帯の多重光をL帯の多重光に波長変換する波長変換器200の場合、波長変換前のC帯の多重光が信号光、波長変換後のL帯の多重光が変換光となる。
入力ポート201は、信号光を入力するポートである。励起光源202は、励起光を出力するLD(Laser Diode)である。WDMカプラ203は、入力ポート201からの信号光と、励起光源202からの励起光とを合波する。光サーキュレータ204は、WDMカプラ203からの信号光及び励起光をPBS205に出力すると共に、PBS205からの波長変換後の変換光、信号光及び励起光を光BPF207に出力する。PBS205は、波長変換前の信号光及び励起光を、垂直偏波の信号光及び励起光と、水平偏波の信号光及び励起光とに偏波分離する。PBS205は、垂直偏波の信号光及び励起光を非線形ファイバ206のX方向から入力すると共に、水平偏波の信号光及び励起光を非線形ファイバ206のY方向から入力する。
非線形ファイバ206は、水平偏波の励起光と水平偏波の信号光との四光波混合を用いて、水平偏波の信号光を保持しながら、水平偏波の信号光を水平偏波の変換光に波長変換する。そして、非線形ファイバ206は、水平偏波の変換光、信号光及び励起光をPBS205に出力する。また、非線形ファイバ206は、垂直偏波の励起光と垂直偏波の信号光との四光波混合を用いて、垂直偏波の信号光を保持しながら、垂直偏波の信号光を垂直偏波の変換光に波長変換する。そして、非線形ファイバ206は、垂直偏波の変換光、信号光及び励起光をPBS205に出力する。
PBS205は、垂直偏波の変換光、励起光及び信号光と、水平偏波の変換光、励起光及び信号光とを合波して波長変換後の変換光、信号光及び励起光を光サーキュレータ204に出力する。光サーキュレータ204は、波長変換後の変換光、信号光及び励起光を光BPF207に出力する。光BPF207は、波長変換後の変換光、信号光及び励起光から変換光のみを抽出し、抽出した変換光を出力ポート208に出力する。つまり、波長変換器200は、例えば、C帯の多重光をL帯の多重光に波長変換できたことになる。
波長変換器200では、波長変換前の信号光のパワーに対する波長変換後の信号光(変換光)のパワーの効率、すなわち波長変換効率を高めるために、非線形ファイバ206の零分散波長と励起光波長とを一致させることが重要となる。図32は、非線形ファイバ206の零分散波長と励起光波長とが一致した場合の信号光と変換光との関係の一例を示す説明図である。励起光波長が、非線形ファイバ206の零分散波長と一致する場合、図32に示すように信号光から変換光に波長変換する波長変換効率が高くなる。
図33は、非線形ファイバ206の零分散波長と励起光波長とが不一致の場合の信号光と変換光との関係の一例を示す説明図である。非線形ファイバ206は、例えば、製造誤差や温度変動等に応じて零分散波長が変動する。そして、零分散波長が変動した場合、零分散波長と励起光波長との間に波長ズレが生じる。零分散波長と励起光波長との間に波長ズレが生じた場合、図33に示すように、波長変換後の信号光(変換光)のパワーの低下や同一波長帯の変換光間でチルト(傾き)が発生する。その結果、変換光のパワー低下や変換光間のチルトは、変換光を受信する受信器の入力パワーの低下や、受信側光増幅器のASE雑音量が増加して受信品質の劣化が生じる。
そこで、非線形ファイバ206の零分散波長のズレを補正するために、波長変換器200の励起光波長が非線形ファイバ206の零分散波長に一致するように励起光波長をシフトし、波長変換後の信号パワーの劣化を抑圧する方法が考えられる。図34は、励起光波長シフト後の信号光と変換光との関係の一例を示す説明図である。本方法では、励起光波長のシフトは、波長変換後の信号光の帯域全体のシフトに繋がるため、図34に示すように、波長変換後の信号光の一部の帯域、例えば低波長帯でパワーが著しく低下してしまう。その結果、受信器側では、受信光の波長がどの程度ずれているのかが認識できないため、変換光を受信光として受信する受信器の局発光波長と受信光波長との間のズレで受信品質が著しく劣化する。
しかしながら、実施例1のWDMシステム1では、受信光波長と一致するように受信器53の局発光の波長を補正するため、波長変換器20内の非線形ファイバの零分散波長のズレに起因する信号パワーの低下及び信号波長のズレの影響による受信品質の劣化を抑制できる。
尚、本実施例の波長変換器20は、零分散波長テーブルを参照し、現在の内部温度に応じて零分散波長の励起光波長を設定したが、これに限定されるものではなく、信号光パワーを監視し、信号パワーが最適になるように励起光波長を調整しても良い。
SDNコントローラ4は、送信光波長λs1、第1の励起光波長λp1及び第2の励起光波長λp2で受信光波長である受信光波長λs2を算出し、受信光波長λs2と一致するように局発光の波長をシフトした。しかしながら、局発光波長の代わりに送信光の波長をシフトしても良い。また、受信光と局発光とが一致するように、送信光と局発光との両方向をシフトしても良い。
送受信器の信号光と局発光との光源を共通化し、双方向で共通の励起波長を使用する双方向波長変換器を適用した場合、受信光と局発光との波長を一致させることができる。
ROADMをパススルーとした場合でも、波長変換器を通過する段数が増える。この場合も、前述した本発明の解決手段と同じ考え方で、受信信号の波長を計算すれば良い。
尚、C帯及びL帯の光増幅器13ではEDFA、S帯の光増幅器13ではツリウム添加ファイバ増幅器を使用した場合を例示した。しかしながら、O帯の光増幅器ではプラセオジム添加ファイバ増幅器等を使用しても良く、適宜変更可能である。また、E帯やU帯の光増幅器では、例えば、半導体光増幅器やラマン増幅器を使用しても良く、適宜変更可能である。
また、本実施例では、例えば、C帯の第1の多重光をL帯の第2の多重光に波長変換する波長変換器を例示した。しかしながら、多重光に限定されるものではなく、C帯の信号光をL帯の変換光に波長変換する波長変換器に適用しても良く、適宜変更可能である。尚、説明の便宜上、C帯を基準にしたが、S帯からL帯へ、L帯からS帯へのS帯とL帯との相互間で波長変換する場合の伝送システムに適用しても良く、適宜変更可能である。
上記実施例の第1の伝送装置2Aでは、波長変換器20に使用する励起光を同一装置内の他の波長変換器20に再利用しても良い。更に、光増幅器等の光部品に使用する励起光を同一装置内の波長変換器や他の光部品に使用しても良く、適宜変更可能である。
波長変換器20は、多重光と励起光とを非線形ファイバに伝搬させることで多重光を任意の波長帯域に変換するが、FM変調(またはPM変調)の励起光を用いても良い。
上記実施例では、C帯の光部品を使用し、C帯の多重光をS帯やL帯に波長変換して伝送路ファイバ3に伝送するシステムを例示した。しかしながら、S帯の光部品を使用し、S帯の多重光をC帯やL帯に波長変換して伝送路ファイバ3に伝送するシステムや、L帯の光部品を使用し、L帯の多重光をC帯やS帯に波長変換して伝送路ファイバ3に伝送するシステムにも適用可能である。
上記実施例では、C帯、S帯及びL帯の波長範囲を定義したが、この波長範囲に限定されるものではなく、その範囲を適宜設定変更可能である。更に、上記実施例では、C帯、S帯及びL帯を使用する場合を例示したが、C帯、S帯及びL帯に限定されるものではない。例えば、O帯、E帯やU帯に適用しても良く、適宜変更可能である。
また、例えば、伝送装置2A(2B)は、送信部又は受信部を内蔵した場合を例示したが、送信部又は受信部と外部接続した場合にも本願発明は適用可能である。
例えば、SDNコントローラ4は、送信光波長λs1、第1の励起光波長λp1及び第2の励起光波長λp2で受信光波長である受信光波長λs2を算出し、算出した受信光波長λs2に基づき、局発光波長を決定する場合を例示した。しかしながら、例えば、第2の伝送装置2Bが、第1の伝送装置2A内の送信器11から送信光波長λs1、第1の波長変換器20Aから第1の励起光波長λp1、第2の波長変換器20Bから第2の励起光波長λp2を取得する。そして、第2の伝送装置2Bは、送信光波長λs1、第1の励起光波長λp1及び第2の励起光波長λp2から受信光波長λs2を算出し、算出した受信光波長λs2に基づき、局発光波長を決定しても良く、適宜変更可能である。また、受信器53が、送信光波長λs1、第1の励起光波長λp1及び第2の励起光波長λp2を取得し、取得した送信光波長λs1、第1の励起光波長λp1及び第2の励起光波長λp2から受信光波長λs2を算出する。そして、受信器53が、算出した受信光波長λs2に基づき、局発光波長を決定しても良く、適宜変更可能である。
SDNコントローラ4は、第1の励起光波長λp1と、第2の励起光波長λp2との差分が小さくなるように、第2の波長変換器20B内の第2の励起光の波長を制御しても良く、適宜変更可能である。
尚、説明の便宜上、実施の形態では、波長と波長とが同一若しくは一致させるとの記載を使用したが、同一若しくは一致させることに限定されるものではなく、波長と波長との差分が小さくなるのであれば良く、適宜変更可能である。
また、図示した各部の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。