JP7180452B2 - 不飽和カルボン酸エステルの製造方法 - Google Patents

不飽和カルボン酸エステルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、不飽和カルボン酸とアルコールを原料とし、気液混相状態にて、固体触媒を
用いて不飽和カルボン酸エステルを製造する方法に関する。
不飽和カルボン酸エステルの一般的な製造方法は、不飽和カルボン酸とアルコールを原
料とするエステル化反応である。該エステル化反応では通常、反応速度を高める為に触媒
が用いられる。該触媒は、反応流体中に溶解して使用する場合(均一系)と、反応流体中
に固体として存在する場合(不均一系)に二分され、更に不均一系は、触媒が反応流体と
共に流動する流動床と、触媒が静止して動かない固定床に分類される。固定床によるエス
テル化反応は、流動床や均一系に比べて、単位空間当たりの触媒濃度を高くすることがで
き、また、反応流体と触媒が容易に分離出来るという特徴を有する。
エステル化反応で生成した不飽和カルボン酸エステルは、反応副生物である水と反応し
て不飽和カルボン酸とアルコールに加水分解するため、反応転化率は、エステル化反応と
加水分解反応(逆反応)の平衡状態となり、これを超えることが出来ない。よって、反応
副生物である水は、不飽和カルボン酸エステルとの分離及び回収が必要となる。例えば非
特許文献1には、アクリル酸と1.1倍~1.3倍当量のメタノールやエタノールを、触
媒の陽イオン交換樹脂が充填された固定床反応器に供給し、60℃~80℃でエステル化
反応を行い、次いで反応液を蒸留塔に供給して未反応アクリル酸を塔缶出液として分離し
、アクリル酸エステル、未反応アルコール及び反応副生物である水を留出液として分離し
、該留出液の二液分離により反応副生物である水を分離し、分離された粗アクリル酸エス
テル溶液から抽出及び蒸留により未反応アルコールを分離し、これら分離されたアクリル
酸及びアルコールをエステル化反応器に循環するアクリル酸エステルの製造方法が示され
ている。
エステル化反応の過程で反応副生物である水を反応系外へ除去することにより、加水分
解反応を抑制し、アクリル酸等の不飽和カルボン酸とアルコールとの反応転化率を高める
ことが出来る。反応転化率が高いほど、反応器出口における未反応のアクリル酸等の不飽
和カルボン酸やアルコールが少なくなる為、その分離や回収の負荷が低減され、より効率
的な生産が可能となる。特許文献1には、アクリル酸とメタノールやエタノールを強酸性
イオン交換樹脂の充填された反応器に供給し、該反応器内の温度や圧力を調整して反応系
全体を気液混相状態(バブリング状態)とすることで、液相中のエステル化反応で副生し
た水を気相に移動させ、液相中の反応転化率を高めるアクリル酸エステルの製造方法が示
されている。同様に特許文献2には、過剰量のアクリル酸と炭素数1~3のアルコールを
13kPa~67kPaの減圧下、60℃~130℃で反応させることで、副生物を減ら
しつつ、高い反応転化率で得られるアクリル酸エステルの製造方法が示されている。また
、非特許文献2には、蒸留塔の中段部に酸性イオン交換樹脂を有する反応部を設け、該反
応部の上からアクリル酸を供給し、該反応部の下からブタノールを供給し、塔頂から反応
副生水を抜き出し、塔底からアクリル酸ブチルを得る方法が示されている。これらは何れ
も反応器内に固体触媒を有し、反応流体が液体及び気体の混相状態で存在する、いわゆる
トリクルベット反応器(Trickle Bed Reactor)(以下「TBR」と
称する場合がある)に類する。
一方、不飽和カルボン酸と不飽和カルボン酸エステル(以下、これらを合わせて「不飽
和カルボン酸類」と称する)は、その不飽和結合による意図しない重合を生じることがあ
る。特にアクリル酸やメタクリル酸、及びこれらのエステル類(以下、これらを合わせて
「アクリル酸類」と称する)は、重合開始剤の添加が無くとも自然に重合を開始する易重
合性化合物である。意図しない重合による固形物の堆積が製造設備内で進行すると、閉塞
等により該設備の運転停止を強いられるため、重合閉塞の回避又は少なくとも低減が必要
である。対策として例えば、操作温度の低下による重合性低下を目的とした減圧下での蒸
留操作、重合を引き起こすラジカルの捕捉を目的とした重合防止剤の添加、重合物による
閉塞の緩和を目的とした平均滞留時間が短く滞留部の少ない装置内部構造の採用、等が挙
げられる。非特許文献1には、重合防止のため、アクリル酸類の蒸留を減圧下で行うこと
や、重合防止剤としてハイドロキノンやフェノチアジンを添加する方法が示されている。
不飽和カルボン酸類の液相中に於ける重合は、局所的な高温部や滞留部を解消し、液相
中の重合防止剤濃度を平均的に一定値以上に保つことで、その防止が可能となるが、気相
が存在する場合には、気相から凝縮した不飽和カルボン酸類が重合防止剤を含まないため
、高い重合性を有し、閉塞のリスクを上げる要因となる。そのため、反応流体が液体及び
気体の混相状態で存在するTBRは、重合閉塞が起こりやすい。
特開昭55-122740号公報 特開平10-279523号公報
Ullmann‘s Encyclopedia of Industrial Chemistry 5th-Ed. Vol.A1 pp.161-176 "Acrylic Acid and Derivatives" Chem. Eng. Sci. 61(2006) 4417-4431 "Design and control of butyl acrylate reactive distillation column system"
エステル化反応において、空間当たりの触媒密度が高く、反応流体との分離が容易な固
定床型の触媒層を用い、且つ反応転化率を高める為の脱水が平行して行えるTBRは、非
常に効率的な装置であり、反応流体である反応液と反応ガスが向流接触する非特許文献2
に示されたような反応蒸留型が、選択的に反応副生物である水の分離を行える点で特に優
れている。
しかし不飽和カルボン酸類の場合、エステル化反応の効率と同等ないしそれ以上に、重
合閉塞に留意する必要がある。不飽和カルボン酸類の液相中に於ける重合は、局所的な高
温部や滞留部を解消し、液相中の重合防止剤濃度を平均的に一定値以上に保つことで、そ
の防止が可能となる。気相中では不飽和カルボン酸類の濃度が低いため、実質的に重合は
起こらない。但し、用いられる重合防止剤の蒸気圧は不飽和カルボン酸類に比べて低いこ
とが多く、気相中に殆ど重合防止剤が存在せず、気相から凝縮した不飽和カルボン酸類も
また、重合防止剤を含まず、高い重合性を有するので、気相部の保温や加熱による不飽和
カルボン酸類蒸気の凝縮防止、あるいは凝縮液への速やかな重合防止剤の添加が必要とな
る。
上記理由により、不飽和カルボン酸類の蒸発と凝縮が連続的に繰り返される蒸留塔内は
、重合閉塞が起こりやすい箇所の1つである。非特許文献2に記載の方法もこれに類し、
凝縮液と重合防止剤の速やかな混合が不可欠であるが、固体触媒が充填された条件下でこ
れを行うのは極めて困難であり、解決策も何ら示されていないことから、現実的とは言い
難い。
特許文献1や特許文献2に記載の方法では、管型反応器を用いて、管内を液とガスが同
一方向に流れる所謂プラグフローとすることで、水の選択的分離を多少犠牲にしつつもア
クリル酸類の蒸発や凝縮の頻度を最低限に抑えると共に、反応器内における液・ガス流を
均一化して装置内の重合閉塞を抑制し、更に析出まで至らなかった比較的分子量の小さい
重合物を速やかに反応器外に排出する機能も有すると考えられ、重合閉塞対策の点では、
より現実的な方法と言える。
TBRにおけるエステル化反応の高い反応転化率は、反応副生物である水の速やかな蒸
発による液相からの分離に基づくと考えられる。水の蒸発には蒸発熱が必要であり、前記
管型反応器の場合、蒸発熱は反応管内壁面を通じて管内の反応流体に供給される。蒸留塔
の再沸器として多管式熱交換器を用いる場合と類似するが、全量ないし大半が液体からな
る反応流体が線速度0.3m/秒~3m/秒で管内を流れる多管式熱交換器に比べ、容量
比で気体が液体よりも大きい気液混相流が固体触媒の充填された管内を線速度0.3m/
秒未満で流れる管型反応器では、管内壁面における局所的な反応流体の滞留と、これに伴
う重合閉塞の可能性が大幅に高まる。反応流体の管内線速度をリボイラと同程度まで高め
ることは、反応に必要な滞留時間が確保出来ないこと、及び充填された触媒による差圧上
昇が極めて大きくなることから、現実的でない。管内側を流れる反応流体と管外側を流れ
る熱媒流体の温度差(ΔT)を小さくすることで、局所的な過昇温を緩和して重合閉塞を
低減することも可能だが、必要な熱量を供給する為の反応管内表面積(伝熱面積)をΔT
に反比例して増やす必要がある。伝熱面積を増やすために反応管長を伸ばすことは反応器
容量を増やすことであり、TBRの利点である効率的なエステル化反応を損なう可能性が
ある。反応管を細くすれば、該管径に反比例して伝熱面積を増やすことが出来るが、反応
管数が増えるため、反応器の製作費が増加するだけでなく、反応管へ触媒を充填する際の
作業負荷も増大し、更に、反応管内で重合閉塞が生じた際の復旧作業も、反応管が細いほ
ど難しくなる、という問題を有している。
本発明は、上記の問題点を解決し、不飽和カルボン酸のエステル化反応において、重合
閉塞のリスクを下げ、所要機器費や作業負荷を低く抑えるとともに、反応初期より安定し
て極めて高い反応転化率を達成する、不飽和カルボン酸エステルの製造方法を提供するこ
とにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討を重ねた結果、不飽和カルボン酸とアルコー
ルのエステル化反応において、固体触媒の充填された反応器を用い、該反応器の入口より
、不飽和カルボン酸及びアルコールを連続的に供給すると共に、アルコールを気化し、気
化したアルコールを該反応器の入口又はその近傍より供給することにより、実質的に該反
応器へ熱供給を行わずとも極めて高い反応転化率の得られることを見出した。
本発明はこのような知見に基づいて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1]固体触媒の充填された反応器を用いた、アクリル酸大気圧下の沸点が70℃~
130℃であるアルコールとのエステル化反応によるアクリル酸エステルの製造方法であ
って、
アクリル酸及びアルコールを該反応器の入口より該反応器へ連続的に供給し、該反応
器内で反応液流体とし、
アルコールを気化し、気化したアルコールを、該反応器の入口又はその近傍より該
反応器へ連続的に供給し、液流とガス流れが並流するアクリル酸エステルの製造方法。
[2]前記アルコールの大気圧下における沸点が、前記アクリル酸の大気圧下における
沸点より低い[1]に記載のアクリル酸エステルの製造方法。
[3]前記アクリル酸の大気圧下における沸点と、前記アクリル酸エステルの大気圧下
における沸点との差が10℃以下である[1]又は[2]に記載のアクリル酸エステルの
製造方法。
[4]前記アルコールがブタノールである[1]乃至[3]のいずれかに記載のアクリ
ル酸エステルの製造方法。
[5]前記反応器に供給される前記アルコールの量が、前記反応器に供給されるアクリ
ル酸の量に対して1.5倍以上5.0倍以下のモル比である[1]乃至[4]のいずれか
に記載のアクリル酸エステルの製造方法。
[6]前記反応器が縦型反応器であり、反応液流体がダウンフローである[1]乃至[
5]のいずれかに記載のアクリル酸エステルの製造方法。
[7]前記反応器から排出されるエステル化反応物を液相と気相に分離し、
該液相を、前記反応器の下流に別途設置された反応器(A)の入口より該反応器(A)
へ連続的に供給し、該反応器(A)内で反応液流体とし、
該気相からガス状の前記アルコールを回収し、回収したガス状の前記アルコールを該反
応器(A)の入口又はその近傍より前記反応器(A)へ連続的に供給する[1]乃至[6]の
いずれかに記載のアクリル酸エステルの製造方法。
[8]前記反応器から排出されるエステル化反応物を液相と気相に分離し、
該液相をアクリル酸エステル精製工程に供給し、
該気相からガス状の前記アルコールを回収し、回収したガス状の前記アルコールを前記
反応器の入口又はその近傍より前記反応器へ連続的に供給する[1]乃至[]のいずれかに
記載のアクリル酸エステルの製造方法。
[9]固体触媒の充填された反応器を用い、アクリル酸大気圧下の沸点が70℃~1
30℃であるアルコールによるエステル化反応によるアクリル酸エステルの製造方法であ
って、
気化したアルコールを該反応器の入口又はその近傍より該反応器へ連続的に供給し、
該反応器の内圧が少なくとも30分間継続して所定圧力の±5%以内となったのちに、
アクリル酸及びアルコールを該反応器の入口より連続的に供給を開始し、液流とガス
流れが並流するアクリル酸エステルの製造方法。
[10]前記反応器の内温の振れ幅が少なくとも30分間継続して0.5℃以下となっ
たのちに、
アクリル酸及びアルコールを前記反応器の入口より前記反応器へ連続的に供給を開始す
る[9]に記載のアクリル酸エステルの製造方法。
本発明によれば、エステル化反応において、重合閉塞のリスクを下げ、所要機器費や作
業負荷を低く抑えるとともに、原料の分離回収を必要とせず、反応初期より安定して高い
反応転化率を達成することができる。
本発明の不飽和カルボン酸エステル製造のための反応器の一例を示す模式図である。 本発明の不飽和カルボン酸エステル製造のための反応器の別の一例を示す模式図である。 本発明の不飽和カルボン酸エステル製造のための反応器を含むプロセスの一例を示す模式図である。 本発明の不飽和カルボン酸エステル製造のための実験用装置の模式図である。
以下、本発明の不飽和カルボン酸エステルの製造方法について、図面を参考にして詳細
に説明するが、本発明は何ら以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲
内で種々変更して実施することが出来る。また、以下では不飽和カルボン酸として、アク
リル酸を用いた形態を中心に説明する。これは不飽和カルボン酸の中でも、アクリル酸が
高い重合性を有し、本発明の特徴である反応器の重合リスク低減による恩恵を多く受ける
からである。ただし、その他不飽和カルボン酸であるメタクリル酸等にも同様の効果が得
られる。
図1は本発明の不飽和カルボン酸エステル製造のための反応器の一例を示す模式図であ
る。本反応器は、図中上部より、入口部、固体触媒を含む反応部、および出口部を含む。
原料アクリル酸、アルコール、重合防止剤、下流工程から循環されたアクリル酸エステル
等を含む供給液(f11)が反応器(R11)に連続的に供給される。供給液(f11)
の供給には反応器(R11)の横断面に対して均一に行き渡るよう、シャワーノズルや噴
霧化ノズルが用いられるが、これに限らない。
これとは別に、アルコール(f16)が蒸発器(E11)により気化されたのち、反応
器(R11)の入口部に連続供給される。アルコール(f16)は、必ずしも反応器の入
口部に供給される必要はなく、その近傍、即ち反応部における入口部側に連続的に供給さ
れてもよい。具体的に近傍とは、固体触媒(C11)の図中上下方向における1/2より
も入口部側であってよく、1/3よりも入口部側であってよく、1/4よりも入口部側で
あってよく、1/5よりも入口部側であってよい。反応器(R11)は固体触媒(C11
)の充填された槽と、熱媒(f14)が流動する経路を外周部に有する、ジャケット型の
反応器であり、縦方向に流体が移動するダウンフローの反応器である。
充填された固体触媒(C11)の上には、供給液(f11)のより均一な拡散や、気化
されたアルコールによる予熱などを目的とした、触媒活性を有さない充填層が設けられる
こともある。その種類は特に限定されないが例えば、空隙率が大きく圧力損失が小さいこ
と、熱伝導率が高いことなどから金属製の不規則充填物であってよく、アクリル酸類のポ
リマーが堆積しにくいことから、ポリテトラフルオロエチレン等の弗素樹脂から成る不規
則充填物であってよく、該弗素樹脂により表面加工された不規則充填物又は金網が好まし
く、着脱時の扱い易さから、金網がより好ましい。
反応器(R11)における熱媒は、反応流体から外気への放熱防止が目的であり、大き
な熱量は必要としない。故に、熱媒を反応器(R11)へ導入する代わりに、電気ヒータ
ーや蒸気トレースなどの加温手段を用いることも出来る。なお、反応器(R11)の槽内
の固体触媒や反応流体が局所的に過熱されるのを防ぐため、電気ヒーターや蒸気トレース
配管は槽外壁面に直接触れないよう、間に断熱材等を配置するのが好ましい。
用いられる固体触媒(C11)は特に限定されず、不飽和カルボン酸とアルコールのエ
ステル化反応に用いる一般的な触媒が使用可能である。粒子径が小さいほど、単位空間当
たりに占める触媒の表面積は大きく、エステル化反応をより効率的に行うことが出来るが
、気体の流通に伴う圧力損失が大きくなり過ぎないよう、平均粒径は0.1mm以上が好
ましく、より好ましくは0.2mm以上である。
固体触媒としては、単位空間当たりの触媒濃度が高く、粒径分布が狭い点で、ポーラス
型のイオン交換樹脂が好ましく、物理的強度や価格の点からモンモリロナイト等酸性白土
を熱酸処理した活性白土が好ましい。エステル製造プラントの規模が大きく、運転期間も
3ヶ月~数年と長い場合では、ポーラス型イオン交換樹脂が経済性に優れる。反対にプラ
ント規模が小さく、運転期間も1週間~数ヶ月程度と短く、また製造品目の変更に伴う触
媒の更新頻度が高い場合では、経済性や作業負荷の点で活性白土が優れる。
エステル化反応により副生した水は、アルコールの蒸気と熱交換することで蒸発し、熱
交換したアルコールは凝縮する。水とアルコールの共沸混合物の組成がA(水):B(ア
ルコール)(モル比)の場合、反応副生水に対してB/Aモル倍のガス化したアルコール
(以下「アルコール蒸気」と称する場合がある。)が最低必要量となる。但し供給したア
ルコール蒸気の全てが反応副生水と熱交換することは出来ないため、最低必要量に対して
少なくとも1.2倍のアルコール蒸気の供給量が必要であり、好ましくは1.3倍以上で
ある。
供給するアルコール蒸気量が多いほど反応副生水の蒸発は速やかに進行するが、アルコ
ールの蒸発に要する熱量、及び下流工程におけるアルコールの分離回収に要する負荷が増
大することを鑑みて、アルコール蒸気の供給量は最低必要量の5倍以下が好ましく、より
好ましくは3倍以下である。
また、不飽和カルボン酸のエステル化反応も、アルコールの量が多いほど進行しやすい
ため、高転化率を達成するためにも、アルコールの供給量は多い方が好ましい。但し、ア
ルコールが多いほど反応副生水の蒸発は速やかに進行するが、アルコールの蒸発に要する
熱量、及び下流工程におけるアルコールの分離回収に要する負荷が増大するため、アルコ
ールの供給量は、原料供給液(f11)とアルコール蒸気(f16)を合わせた量として
、不飽和カルボン酸に対してモル比で1.5倍以上5.0倍以下とすることが好ましく、
下限は2.0倍がより好ましく、上限は3.5倍がより好ましい。
本発明によると、アルコールは、原料供給液(f11)とアルコール蒸気(f16)の
双方により供給されるが、このうち原料供給液(f11)に含まれるアルコールの供給量
を、不飽和カルボン酸に対してモル比で1倍以上1.5倍以下とすることが好ましい。
さらに、所望とする不飽和カルボン酸エステルの種類により、原料である不飽和カルボ
ン酸と不飽和カルボン酸エステルとの沸点が近くなる場合があり、分離効率が高いとされ
る蒸留分離では原料である不飽和カルボン酸と不飽和カルボン酸エステルとの分離が困難
となり、抽出等による別の分離方法に頼らざるをえず、プロセス外への原料排出が増える
ことで原単位の悪化を招く場合がある。しかしながら、上記場合においても反応転化率を
容易に向上させることで解決が可能となる。すなわち、本発明は、不飽和カルボン酸と不
飽和カルボン酸エステルの沸点が近く、下流工程における不飽和カルボン酸エステルの蒸
留分離が困難な場合に高い効果を得ることができる。特に効果が高いのは、不飽和カルボ
ン酸の大気圧下における沸点と不飽和カルボン酸エステルの大気圧下における沸点との差
が10℃以内である場合であり、不飽和カルボン酸エステルがアクリル酸ブチル(大気圧
下の沸点148℃)である時、即ちアルコールとしてブタノールを用いた時に最も高い効
果を示す。
反応を進行させる上では、アルコールの大気圧下における沸点が不飽和カルボン酸の大
気圧下における沸点より低いことが好ましい。アルコールの大気圧下における沸点が高過
ぎると、気化したアルコールがプロセス液中の未反応不飽和カルボン酸と熱交換して不飽
和カルボン酸を蒸発させ、蒸発した不飽和カルボン酸に由来する重合閉塞が起こり易くな
り、更に気相中ではエステル化反応が進行しないため、反応転化率も下がる可能性がある
。また、アルコールの大気圧下における沸点が低すぎると、反応副生水の蒸発が速やかに
進行しない可能性がある。アルコールの大気圧下の沸点は、70℃~130℃が好ましく
、80℃~120℃がより好ましい。
反応流体の温度は、反応器内の圧力により制御される。反応流体の組成は反応軸に沿っ
て連続的に変化し、反応流体の流通に伴う圧力損失も生じることから、全ての反応域で温
度を等しくすることは困難である。運転制御方法として例えば、反応軸に沿って複数点の
反応器内温度を測定し、特定位置の温度が一定となるよう、反応器内の圧力を調整する方
法、反応器内の圧力を一定に保ち、蒸発器(E11)で発生させるアルコール蒸気の量や
温度を調整することで、反応器内の特定位置の温度を一定に保つ方法、又は、反応器内圧
力及び供給蒸気量と温度を一定に保ち、反応器内の温度変動を許容範囲内とする方法、な
どが挙げられる。反応温度は、高いほど反応速度が上がる点で好ましいが、重合反応とこ
れに伴う閉塞も起こり易くなるため、過度の昇温は避ける必要がある。適切な反応はエス
テルの種類により異なるが、概ね60℃~120℃の範囲が好ましく、70℃~110℃
の範囲がより好ましい。反応圧力は用いるアルコールの種類によるが、反応温度における
水の蒸気圧に対して0.2倍以上1.0倍以下が目安である。反応器出口の反応流体は、
アクリル酸エステルを主成分とする液流(f12)とアルコール及び反応副生水を主成分
とするガス流(f13)に分離される。
本実施形態の反応器を用いて、不飽和カルボン酸エステルを製造する場合、不飽和カル
ボン酸及びアルコールを含む原料と、気化したアルコールと、を反応器に供給するタイミ
ングは、気化したアルコールを反応器の入口又はその近傍より反応器へ連続的に供給し、
該反応器の内圧が少なくとも30分継続して、好ましくは45分以上継続して、より好ま
しくは60分以上継続して、所定圧力の±5%以内、好ましくは±3%以内、より好まし
くは±2%以内となったのちに、不飽和カルボン酸及びアルコールを該反応器の入口より
連続的に供給を開始する。
加えて、気化したアルコールを反応器へ連続的に供給し、前記反応器の内温が少なくと
も30分間継続して、好ましくは45分以上継続して、より好ましくは60分以上継続し
て、振れ幅が0.5℃以下、好ましくは0.4℃以下、より好ましくは0.3℃以下とな
ったのちに、前記不飽和カルボン酸及びアルコールを該反応器の入口より連続的に供給を
開始することが好ましい。
なお、反応器の内温は触媒層の温度としてもよい。また、反応器の内圧は、例えば入口
部や出口部の圧力であってよい。
本実施形態では、反応副生水はアルコール蒸気との熱交換により反応流体中で液相から
気相に移動するが、液流とガス流れが並流のため、反応器出口においては、生成したアク
リル酸エステルと等モルの反応副生水が存在する。水分子の大半は気相中に存在するが、
その一部は気液平衡により液相中に存在し、反応転化率向上の阻害要因となる。その改善
策として、アルコール蒸気の供給と反応副生水の分離を多段階にする方法が挙げられる。
図2は不飽和カルボン酸エステル製造のための反応器の別の一例を示す模式図であり、
図1に示した反応器を直列2段式反応器に応用したものである。原料アクリル酸、アルコ
ール、重合防止剤、下流工程から循環されたアクリル酸エステル等を含む供給液(f21
)と、アルコール蒸気(f26A)が反応器の上部鏡部(R21A)に供給され、1段目
反応部(R21B)の固体触媒(C21)でエステル化反応が行われる。その後、反応器
の中間連結部(R21C)でアルコール及び反応副生水からなるガス流(f23A)が側
面より抜き出され、アクリル酸エステル、未反応原料、及び凝縮したアルコール等を含む
液流(以下、プロセス液とも称する)は、下方に設けられた多孔板(J21)上に液深を
形成しつつ、板孔を通じて落下する。
中間連結部(R21C)では、多孔板(J21)より下側の側面から、新たにアルコー
ル蒸気(f26B)が供給される。多孔板(J21)上に形成された液深により、追加供
給されたアルコール蒸気(f26B)は1段目反応部(R21B)やガス流の抜出配管(
f23A)へ流入することなく、プロセス液と共に2段目反応部(R21D)に供給され
る。
アルコール蒸気(f26B)の流入防止策として、多孔板(J21)の代わりにSトラ
ップ等の管トラップを用いることも可能である。しかしながら、トラップ内にアクリル酸
類の滞留部を生じること、トラップ出口のプロセス液を2段目反応部(R21D)全体に
分散させるためのディストリビューターが必要となること、等々の点で多孔板がより好ま
しい。固体触媒(C22)で反応を終えたプロセス流体は、反応器の下部鏡部(R21E
)で、未凝縮のアルコールと反応副生水を主とするガス流(f23B)とアクリル酸エス
テル及び凝縮したアルコールを主とする液流(f22)に分離される。
中間連結部(R21C)では、多孔板(J21)より下流の側面から、新たにアルコー
ル蒸気(f26B)が供給される。多孔板(J21)上に形成された液深により、追加供
給されたアルコール蒸気(f26B)は1段目反応部(R21B)やガス流の抜出配管(
f23A)へ流入することなく、プロセス液と共に2段目反応部(R21D)に供給され
る。
図2は直列2段式反応器の例であるが、これに限らず多段式とすることが可能である。
反応副生水を逐次抜き出せることから、段数は多いほど好ましいが、機器の構造が複雑化
し、所要機器費が嵩み、本発明の目的に適合しないことを鑑みて、2段~5段が好ましい

図1の反応器を複数、直列に接続した仕様とすることも出来る。この場合、複数の反応
器を垂直方向に重ねることも可能だが、施工や保全の点から、複数反応器を同じ高さに配
置し、反応器下部より得られた反応液を送液ポンプで次の反応器上部に送ることが好まし
い。送液ポンプにより高い吐出圧が得られる為、2段目以降の反応器においても、供給液
の均一分散にシャワーノズルや噴霧ノズルの使用が可能となる。
なお、多段式反応器や、複数の反応器を直列に接続した形態においては、反応後の流体
から回収したアルコールを、反応原料と共に反応に供するアルコールとして使用してもよ
く、上流の反応器に循環させてもよく、更に下流の反応器へと供給してもよい。
図3は不飽和カルボン酸エステル製造のための反応器を含むプロセスの一例を示す模式
図である。アクリル酸及びアルコールが原料タンク(T31、T32)から3段式反応器
(R31)に供給され、アルコールがタンク(T33)から蒸発器(E31)へ送られて
アルコール蒸気とされた後、三分割されて3段式反応器(R31)に供給される。各段か
ら分離されたアルコールと反応副生水の蒸気は、凝縮器(E32~E34)で凝縮された
後、貯液槽(V31)で水層と溶媒層に分離される。水層は廃水として系外へ抜き出され
、溶媒層はタンク(T33)に循環される。3段式反応器(R31)の底部より得られた
反応流体は、一旦貯液槽(V32)に集められた後、軽沸分離蒸留塔(D31)へ送られ
る。軽沸分離蒸留塔(D31)の塔頂よりアルコール、アクリル酸等を主成分とするスト
リームが得られ、3段式反応器(R31)に循環される。これとは異なり、軽沸分離蒸留
塔(D31)の塔頂以外の濃縮部からサイドカットすることで、アルコールを主とする塔
頂留出ストリームと、アルコール等を主とするサイドカットストリームを得、塔頂留出ス
トリームはタンク(T33)へ循環し、サイドカットストリームは3段式反応器(R31
)へ循環することも出来る(図示せず)。軽沸分離蒸留塔(D31)の塔底より得られた
アクリル酸エステルを主とするストリームは精製蒸留塔(D32)へ送られ、塔頂より精
製アクリル酸エステルが得られる。また、精製や有価物回収のために、蒸留塔や抽出装置
を任意に追加することも可能である。
尚、図3に示すように、多段の反応器構成とすることで、安定して高い反応転化率を維
持することができる。又、下流に精製工程を有する構成とすることで精製が容易となる。
図4は、本発明の不飽和カルボン酸エステル製造のための実験用装置の模式図である。
アルコール用容器(G41)、アルコール送液ポンプ(P41)、アルコール蒸発用ヒー
ター(E41)、アクリル酸とアルコール及び重合防止剤の混合液用容器(G42)、混
合液送液ポンプ(P42)、反応装置の入口部ガラス装置(G43)、固体触媒を充填す
る反応部ガラス装置(G44)、反応流体の気液分離及び分離気体の凝縮を行う出口部ガ
ラス装置(G45)、反応装置内の温度を測定する為に複数本束ねられた熱電対(TI4
1)、から成る。反応部ガラス装置(G44)はジャケット式の二重管であり、該ジャケ
ット部には高温の熱媒(f51)が通液される。出口部ガラス装置(G45)の冷却部に
は冷水(f53)が通液される。生成したエステルや凝縮した溶媒からなるプロセス液(
f45)は受器(図示無し)に集められ、未凝縮の溶媒や反応副生水からなるガスの凝縮
液(f46)も異なる受器(図示無し)に集められる。入口部ガラス装置(G43)と出
口部ガラス装置(G45)に設けられたノズル(PI41,PI42)は圧力計に繋がれ
、真空ライン(f47)先の圧力バルブ(図示無し)により制御される。運転開始時の系
内窒素置換及び運転継続時の真空系における爆発組成回避の為、微量の窒素が(f43)
から供給される。
[実施例1]
(固体触媒の脱水)
固体触媒としてポーラス型強酸性イオン交換樹脂であるPK216(H型、三菱ケミカ
ル)を用いた。該樹脂をテトラヒドロフランに浸けた後、ガラス製カラムに詰め、トルエ
ンを通液させることで、含有される水分の除去を行った。
図4の装置を用いてエステル化反応を行った。反応部ガラス装置(G44)(内径2c
m)に脱水済みの前記ポーラス型強酸性イオン交換樹脂60cmを充填した。入口部ガ
ラス装置(G43)を31kPaに調整し、アルコール用容器(G41)内のn-ブタノ
ールを15.0g/時間の速度で、アルコール蒸発用ヒーター(E41)を介して気化さ
せて入口部ガラス装置(G43)を介して反応部ガラス装置(G44)に供給した。外部
循環の熱媒体は99℃に設定した。ガスの冷却部には5℃の冷水を循環させ、凝縮液中に
水分が含まれなくなるまで、n-ブタノールの供給を2時間継続した。60分継続して、
装置内の内圧は所定圧力の±1%以内となり、装置内の内温の振れ幅は0.5℃以下とな
った。
n-ブタノールの供給は継続したまま、混合液用容器(G42)内のアクリル酸とn-
ブタノールの混合溶液(ハイドロキノン300重量ppm含有)をアクリル酸6.7g/
時間、n-ブタノール7.6g/時間の速度となるように供給を開始した。触媒層内の温
度は入口・出口共に速やかに93℃~94℃で安定化し、反応器出口における組成は原料
の供給開始から約2時間で定常状態に達した。最長で6時間まで実験を継続したが、反応
転化率に差異は見られなかった。
アクリル酸の反応転化率はアクリル酸とn-ブタノールの混合溶液供給初期より変動が
少なく、99.1%であった。
同様の実験を繰り返す中で、熱電対の位置を変えて触媒層内の温度を確認したが、層内
温度はほぼ一定であった。
[実施例2]
n-ブタノールの供給速度を21.8g/時間とした以外は実施例1と同様にして反応
を行った。アクリル酸の反応転化率はアクリル酸とn-ブタノールの混合溶液供給初期よ
り変動が少なく、反応転化率は99.4%であった。
[比較例]
n-ブタノールに変えて、トルエンを気化し、トルエンの供給速度を20.9g/時間
とした以外は実施例1と同様にして反応を行った。アクリル酸の反応転化率はアクリル酸
とn-ブタノールの混合溶液供給初期より変動が少なく、反応転化率は88.8%に留ま
った。
C11、C21、C22、C41 固体触媒
D31 軽沸分離蒸留塔
D32 精製蒸留塔
E11、E31 蒸発器
E32~35、E37 凝縮器
E36、E38 リボイラ
E41 アルコール蒸発用ヒーター
G41 アルコール用容器
G42 混合液用容器
G43 入口部ガラス装置
G44 反応部ガラス装置
G45 出口部ガラス装置
J21 多孔板
P31~P39 送液ポンプ
P41 アルコール送液ポンプ
P42 混合液送液ポンプ
PI41、PI42 ノズル
R11 反応器
R21A 上部鏡部
R21B 1段目反応部
R21C 中間連結部
R21D 2段目反応部
R21E 下部鏡部
R31 3段式反応器
T31、T32、T33 タンク
TI41 熱電対
V31~V34 貯液槽
f11、f21 供給液
f12、f22 液流
f13、f23B ガス流
f14、f51 熱媒
f16 アルコール
f26A、f26B アルコール蒸気
f23A アルコール及び反応副生水からなるガス流
f43 窒素
f45 プロセス液
f46 凝縮液
f47 真空ライン
f53 冷水

Claims (10)

  1. 固体触媒の充填された反応器を用いた、アクリル酸大気圧下の沸点が70℃~130
    ℃であるアルコールとのエステル化反応によるアクリル酸エステルの製造方法であって、
    アクリル酸及びアルコールを該反応器の入口より該反応器へ連続的に供給し、該反応
    器内で反応液流体とし、
    アルコールを気化し、気化した該アルコールを、該反応器の入口又はその近傍より該
    反応器へ連続的に供給し、液流とガス流れが並流するアクリル酸エステルの製造方法。
  2. 前記アルコールの大気圧下における沸点が、前記アクリル酸の大気圧下における沸点よ
    り低い請求項1に記載のアクリル酸エステルの製造方法。
  3. 前記アクリル酸の大気圧下における沸点と、前記アクリル酸エステルの大気圧下におけ
    る沸点との差が10℃以下である請求項1又は2に記載のアクリル酸エステルの製造方法
  4. 前記アルコールがブタノールである請求項1乃至3のいずれか1項に記載のアクリル酸
    エステルの製造方法。
  5. 前記反応器に供給される前記アルコールの量が、前記反応器に供給されるアクリル酸
    量に対して1.5倍以上5.0倍以下のモル比である請求項1乃至4のいずれか1項に記
    載のアクリル酸エステルの製造方法。
  6. 前記反応器が縦型反応器であり、反応液流体がダウンフローである請求項1乃至5のい
    ずれか1項に記載のアクリル酸エステルの製造方法。
  7. 前記反応器から排出されるエステル化反応物を液相と気相に分離し、
    該液相を、前記反応器の下流に別途設置された反応器(A)の入口より反応器(A)に
    連続的に供給し、該反応器(A)内で反応液流体とし、
    該気相からガス状の前記アルコールを回収し、回収したガス状の前記アルコールを該反
    応器(A)の入口又はその近傍より該反応器(A)へ連続的に供給する請求項1乃至6の
    いずれか1項に記載のアクリル酸エステルの製造方法。
  8. 前記反応器から排出されるエステル化反応物を液相と気相に分離し、
    該液相をアクリル酸エステル精製工程に供給し、
    該気相からガス状の前記アルコールを回収し、回収したガス状の前記アルコールを前記
    反応器の入口又はその近傍より前記反応器へ連続的に供給する請求項1乃至のいずれか
    1項に記載アクリル酸エステルの製造方法。
  9. 固体触媒の充填された反応器を用い、アクリル酸大気圧下の沸点が70℃~130℃
    であるアルコールによるエステル化反応によるアクリル酸エステルの製造方法であって、
    気化したアルコールを該反応器の入口又はその近傍より該反応器へ連続的に供給し、
    該反応器の内圧が少なくとも30分間継続して所定圧力の±5%以内となったのちに、
    アクリル酸及びアルコールを該反応器の入口より連続的に供給を開始し、液流とガス
    流れが並流するアクリル酸エステルの製造方法。
  10. 前記反応器の内温の振れ幅が少なくとも30分間継続して0.5℃以下となったのちに

    前記アクリル酸及び前記アルコールを前記反応器へ連続的に供給を開始する請求項9に
    記載のアクリル酸エステルの製造方法。
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