以下に添付図面を参照して、撮像装置および撮像装置の制御方法の実施形態を詳細に説明する。
(実施形態)
(実施形態に係る撮像装置)
図1は、実施形態に係る撮像装置を概略的に示す。図1において、撮像装置1aは、略直方体の筐体10aの第1の面に、複数(この例では5個)の撮像レンズ20a1、20a2、20a3、20a4および20a5と、シャッタボタン30とが設けられる。筐体10a内には、各撮像レンズ20a1、20a2、…、20a5にそれぞれ対応して撮像素子が設けられる。
各撮像レンズ20a1、20a2、…、20a5に入射した光は、筐体10aに設けられる、それぞれ撮像レンズ20a1、20a2、…、20a5を含む結像光学系を介して、それぞれ対応する撮像素子に照射される。撮像素子は、例えばCCD(Charge Coupled Device)であって、照射された光を電荷に変換する受光素子である。撮像素子は、これに限らず、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサであってもよい。
また、筐体10aの、第1の面の背面側の第2の面に、複数の撮像レンズ20b1、20b2、20b3、20b4および20b5が設けられる。これら撮像レンズ20b1、20b2、…、20b4および20b5も、上述の各撮像レンズ20a1、20a2、…、20a5と同様に、筐体10a内にそれぞれ対応した撮像素子が設けられる。
各撮像レンズ20b1、20b2、…、20b4および20b5に入射された光は、各撮像レンズ20b1、20b2、…、20b4および20b5を含む各結像光学系を介して、それぞれ対応する撮像素子に照射される。各撮像素子は、照射された光を電荷に変換する。
詳細は後述するが、各撮像素子を駆動する各駆動部は、トリガ信号に応じて、各撮像素子に対してシャッタ制御を行うと共に、各撮像素子から光が変換された電荷を読み出す。各駆動部は、各撮像素子から読み出した電荷をそれぞれ電気信号に変換し、この電気信号をディジタルデータとしての撮像画像に変換して出力する。各駆動部から出力された各撮像画像は、例えばメモリに記憶される。この、例えば、トリガ信号に応じて撮像レンズ20a1に入射された光に基づく撮像画像を出力する動作を、便宜上、撮像レンズ20a1に
よる撮像、などと記述する。
なお、筐体10aを直方体と見做した場合に、撮像レンズ20a1、20a2、…、20a5が整列する方向に沿った辺(長辺)に接する面を側面、第1の面、第2の面および2つの側面それぞれの上端に接する面を上面、下端に接する面を底面とする。図1の例では、撮像レンズ20a1および20b1が配置される側の上端に接する面が上面、シャッタボタン30が配置される側の下端に接する面が底面となる。
実施形態では、各撮像レンズ20a1、20a2、…、20a5は、それぞれ隣接する撮像レンズとの間の距離を距離dとして等間隔に配置される。また、撮像レンズ20a1および20b1、撮像レンズ20a2および20b2、撮像レンズ20a3および20b3、撮像レンズ20a4および20b4、撮像レンズ20a5および20b5は、それぞれ、筐体10aの例えば底面からの高さが一致するように、筐体10aに配置される。
各撮像レンズ20a1、20a2、…、20a5と、撮像レンズ20b1、20b2、…、20b5とにおいて、筐体10aの底面からの高さが一致する撮像レンズの組と、当該撮像レンズの組に対応する各結像光学系および各撮像素子と、を含めて、撮像体(全天球撮像手段)と呼ぶ。図1の例では、撮像レンズ20a1および20b1の組が、対応する各結像光学系および各撮像素子を含めて撮像体211とされている。撮像体212、213、214および215も同様に、それぞれ対応する各結像光学系および各撮像素子を含めて、それぞれ撮像体212、213、214および215と呼ぶ。
シャッタボタン30は、操作に応じて、各撮像レンズ20a1、20a2、…、20a5と、各撮像レンズ20b1、20b2、…、20b5とによる撮像を指示するためのボタンである。シャッタボタン30が操作されると、各撮像レンズ20a1、20a2、…、20a5、および、各撮像レンズ20b1、20b2、…、20b5による撮像が同期して行われる。
図1に示されるように、撮像装置1aの筐体10aは、各撮像体211~215が配置される撮像部領域2aと、シャッタボタン30が配置される操作部領域3aと、を含んで構成される。操作部領域3aは、ユーザが撮像装置1aを保持するためのグリップ部31(把持手段)を含む。
グリップ部31は、ユーザによる保持および操作が容易なように、その表面がより滑り難く形成される。グリップ部31は、例えば撮像部領域2aと比較して滑りにくく形成することが考えられる。例えば、グリップ部31は、少なくとも表面が、滑り難い材質の材料により形成される。滑り難い材質の例としては、合成/天然樹脂、合成/天然皮革、木材、布材、紙材など、あるいは、表面の状態をこれらに模した材料などが考えられる。また、グリップ部31に対して、表面に滑り難い加工を施してもよい。滑り難い加工としては、例えば平坦な表面に対して所定のパターンの凹凸を与える加工が考えられる。
また、筐体10aにおいて、少なくとも撮像部領域2aは、各撮像レンズ20a1~20a5、20b1~20b5の位置および向きが変化しないように、耐衝撃性に優れ温度変化に対する変形が少ない材質の材料を用いて形成することが好ましい。このような材料の例として、アルミニウム合金、マグネシウム合金、チタニウム合金、ステンレス鋼、繊維強化樹脂、繊維強化金属など、弾性率が高い(剛性が高い)材料が挙げられる。
撮像体211、212、…、215の構造について、より具体的に説明する。なお、撮像体211、212、…、215は、同一の構造で実現可能であるので、ここでは、撮像体211、212、…、215を撮像体21で代表させて説明を行う。
図2は、実施形態に適用可能な撮像体21の一例の構造を示す。図2において、撮像体21は、それぞれ撮像レンズ20aおよび20bを含む結像光学系201aおよび201bと、CCDまたはCMOSセンサによる撮像素子200aおよび200bとを含み構成される。各結像光学系201aおよび201bは、例えば6群7枚の魚眼レンズとして構成されている。この魚眼レンズは、180°(=360度/n、nは光学系数=2)以上、好ましくは180°より大きい全画角を有し、好適には、185°以上の画角を有し、より好適には、190°以上の画角を有する。
各結像光学系201aおよび201bは、それぞれ、光路を90°変更するプリズム202aおよび202bを含む。各結像光学系201aおよび201bにそれぞれ含まれる6群7枚の魚眼レンズは、プリズム202aおよび202bより入射側のグループと、出射側(撮像素子200aおよび200b側)のグループとに分けることができる。例えば、結像光学系201aにおいて、撮像レンズ20aに入射された光は、プリズム202aより入射側のグループに属する各レンズを介してプリズム202aに入射される。プリズム202aに入射された光は、光路を90°変換されて、プリズム202aより出射側のグループに属する各レンズ、開口絞り、フィルタを介して撮像素子200aに照射される。
2つの結像光学系201aおよび201bの光学素子(レンズ、プリズム202aおよび202b、フィルタおよび開口絞り)は、撮像素子200aおよび200bに対して位置関係が定められる。より具体的には、結像光学系201aおよび201bの光学素子の光軸が、対応する撮像素子200aおよび200bの受光領域の中心部に直交して位置するように、かつ、受光領域が、対応する魚眼レンズの結像面となるように、位置決めが行われる。また、撮像体21では、結像光学系201aおよび201bは、同一仕様のものであり、それぞれの光軸が合致するようにして、互いに逆向きに組み合わせられる。
図3は、実施形態に係る撮像装置1aの外観を概略的に示す3面図である。図3(a)、図3(b)および図3(c)は、それぞれ撮像装置1aの上面図、前面図および側面図の例である。図3(b)において、撮像レンズ20a5は、レンズ中心が筐体10aの底面から高さhに位置するように配置される。この撮像レンズ20a5を起点として、各撮像レンズ20a4、20a3、20a2および20a1が、距離dずつ間隔を開けて、筐体10aの底面側から上面側に向けて、筐体10aの長辺方向の中心線Cにレンズ中心を整列させて配置される。
図3(c)に示されるように、各撮像レンズ20a1~20a5の背面側には、各撮像レンズ20b1~20b5が、それぞれ各撮像レンズ20a1~20a5と対応する位置に配置される。すなわち、これら撮像レンズ20b1~20b5も、上述の中心線Cにレンズ中心を整列させて配置される。また、上述したように、各撮像レンズ20a1~20a5、および、各撮像レンズ20b1~20b5のうち、高さが一致する2つの撮像レンズ(例えば撮像レンズ20a1および20b1)が1つの撮像体(例えば撮像体211)に含まれる。
図3(a)および図3(c)において、角度αは、撮像レンズ20a1および20b1の画角(撮像範囲)の例を示している。上述したように、各撮像体211~215に含まれる各撮像レンズ20a1~20a5、20b1~20b5は、それぞれ180°より大きな角度αを画角として撮像を行う。そのため、筐体10aは、各撮像体211~215により撮像された各撮像画像に対する筐体10aの写り込みを避けるために、図3(a)、図3(b)および図3(c)に面231、232、233および234として示されるように、第1の面および第2の面の、各撮像レンズ20a1~20a5、20b1~20b5の中心線Cに対する両側が、各撮像レンズ20a1~20a5、20b1~20b5の画角に応じて面取りされる。
なお、ここでは、撮像装置1aが5つの撮像体211~215を備えるように説明したが、これはこの例に限定されない。すなわち、撮像装置1aは、複数の撮像体21を備えていればよく、6以上の撮像体21を備えていてもよいし、2以上4以下の撮像体21を備えていてもよい。
図4は、実施形態に適用可能な各撮像体211、212、…、215により撮像可能な撮像範囲の例を示す。各撮像体211、212、…、215は、同様の撮像範囲を有する。図4では、撮像体211、212、…、215による各撮像範囲を、撮像体211の撮像範囲で代表して示している。
なお、以下では、図4に示されるように、例えば撮像レンズ20a1、20a2、…、20a5が整列する方向にZ軸を定義し、撮像レンズ20a1および20b1の光軸の方向にX軸を定義する。また、Z軸に直角に交わる平面に含まれ、且つ、X軸に直角に交わる方向にY軸を定義する。
撮像体211は、撮像レンズ20a1および20b1の組み合わせにより、撮像体211の中心部を中心とした全天球を撮像範囲とする。すなわち、上述したように、撮像レンズ20a1および20b1は、それぞれ画角が180°以上、好ましくは180°より大きく、より好適には185°以上とされている。したがって、これら撮像レンズ20a1および20b1の組み合わせにより、XY平面上の撮像範囲AおよびXZ平面上の撮像範囲Bをそれぞれ360°とすることができ、これらの組み合わせにより、全天球の撮像範囲が実現される。
換言すれば、撮像体211は、撮像レンズ20a1の光軸を中心とした、光軸の第1の方向に向けた半球を含む範囲と、撮像レンズ20a1の光軸と共通する撮像レンズ20b1の光軸を中心とした、光軸の第1の方向と逆方向の第2の方向に向けた半球を含む範囲と、を撮像可能である。
また、撮像体211、212、…、215は、それぞれZ軸方向に距離dの間隔を開けて配置されている。したがって、各撮像体211、212、…、215により全天球を撮像範囲として撮像された各撮像画像は、Z軸方向に距離dずつ視点の異なる画像となる。
このとき、実施形態では、各撮像レンズ20a1~20a5、および、各撮像レンズ20b1~20b5における撮像が、シャッタボタン30の操作に応じて同期して行われる。そのため、実施形態に係る撮像装置1aを用いることで、筐体10aの第1の面および第2の面それぞれについて、Z軸方向に距離dずつ視点が異なり、且つ、同一のタイミングで撮像された各5枚の撮像画像を取得することができる。
この、Z軸方向に距離dずつ視点が異なり、且つ、同一のタイミングで撮像された各5枚の撮像画像は、Z軸方向に伸びる同一のエピポーラ線に並ぶ画像となる。
(実施形態に適用可能な3次元復元モデル作成処理)
次に、実施形態に適用可能な、視点の異なる複数の画像を用いた3次元復元モデル作成処理について、概略的に説明する。実施形態では、例えば、図5に示されるように、撮像装置1aに接続した画像処理装置100により、3次元復元モデルの作成処理を実行する。画像処理装置100は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)上で画像処理プログラムを実行させることで構成できる。これに限らず、画像処理装置100は、3次元復元モデル作成処理を実行するための専用のハードウェアであってもよい。
例えば、画像処理装置100は、撮像装置1aのメモリから、撮像装置1aにより異なる視点で同期して撮像されメモリに記憶された複数(この例では、第1の面および第2の面を合計して10枚)の撮像画像を読み出す。画像処理装置100は、撮像装置1aのメモリから読み出した10枚の画像のうち、各撮像体211、212、…、215においてそれぞれ2枚ずつ撮像された撮像画像を、撮像体211、212、…、215毎にそれぞれ合成して、Z軸方向に距離dずつ視点が異なる5枚の全天球画像を作成する。
なお、全天球画像は、立体角4πステラジアンの画像であって、撮像位置から見渡すことが可能な全方向を撮像した画像となる。画像処理装置100は、この5枚の全天球画像の何れかを基準として各全天球画像の視差を求め、求めた視差に基づき3次元復元モデルを作成する。
図6は、実施形態に適用可能な、撮像装置1aにおいて、異なる5つの視点で撮像され、各撮像体211、212、…、215毎に合成された画像の例を示す。図6(a)は、被写体60の例を示し、図6(b)、図6(c)、図6(d)、図6(e)および図6(f)は、同一の被写体60を、それぞれ異なる5つの視点で撮像した撮像画像が合成された全天球画像3001、3002、3003、3004および3005の例を示す。図6(b)~図6(f)に例示されるように、各全天球画像3001~3005は、被写体60の画像が、各撮像体211~215間の距離dに応じて、少しずつずれて含まれる。
なお、図6では、撮像装置1aが、撮像装置1aの第1の面(前面)側に存在する被写体60を撮像するように示しているが、これは説明のためであって、実際には、撮像装置1aは、撮像装置1aを取り囲んで存在する被写体60を撮像できる。この場合、全天球画像3001~3005は、例えば正距円筒図法による画像であって、それぞれ、左右の辺が同一の位置を表し、上辺および下辺がそれぞれ1点を表すものとなる。すなわち、図6に示す全天球画像3001~3005は、説明のために、正距円筒図法による画像を変換して部分的に切り取ったものを示している。
なお、全天球画像3001~3005の投影方法は、正距円筒図法に限定されない。例えば、全天球画像3001~3005は、Z軸方向の画角を大きく取る必要が無い場合には、シリンドリカル投影を用いた画像であってもよい。
図7は、実施形態に適用可能な3次元復元モデルの作成処理を示す一例のフローチャートである。このフローチャートの各処理は、例えば画像処理装置100により実行される。また、撮像装置1aでは、既に、各撮像体211~215により撮像された10枚の撮像画像が内蔵されるメモリに記憶されているものとする。
ステップS10で、画像処理装置100は、撮像装置1aから、各撮像体211~215により撮像された各撮像画像を取得する。画像処理装置100は、取得した各撮像画像を撮像体211~215毎に合成し、図6に示したような、複数の視点から撮像された5枚の全天球画像3001~3005を作成する。
次のステップS11で、画像処理装置100は、ステップS10で作成した全天球画像3001~3005から1つを基準全天球画像(全天球画像3001とする)として選択する。画像処理装置100は、選択した基準全天球画像に対する、他の全天球画像3002~3005の視差を、画像の全画素について計算する。
ここで、第1の実施形態に適用可能な視差の計算手法の原理について説明する。撮像素子200aなどの画像センサにより撮像された撮像画像を用いた視差計算を行う上での基本的な原理は、三角測量を利用した方法である。図8を用いて、三角測量について説明する。図8において、カメラ400aおよび400bは、それぞれレンズ401aおよび401bと、撮像素子402aおよび402bと、を含む。三角測量を用いて、カメラ400aおよび400bを結ぶ線から対象403までの距離Dを、各撮像素子402aおよび402bにより撮像された撮像画像内の撮像位置情報から算出する。
図8において、値fは、各レンズ401aおよび401bの焦点距離を示す。また、レンズ401aおよび401bの光軸中心を結ぶ線の長さを基線長Bとする。図1、図3の例では、撮像体211~215それぞれの間の距離dが基線長Bに相当する。対象403の、撮像素子402aおよび402b上での各撮像位置i1およびi2の差が視差qとなる。三角形の相似関係により、D:f=B:qが成り立つので、式(1)により距離Dを算出することができる。
式(1)において、焦点距離fおよび基線長Bが既知であるので、視差qを算出することが処理の課題となる。視差qは、撮像位置i1と撮像位置i2との差分であるので、各撮像素子402aおよび402bで撮像された各撮像画像における撮像位置の対応関係を検出することが、視差算出の根本課題となる。一般的には、この、複数の画像間での対応位置を求めるマッチング処理は、エピポーラ拘束に基づき、エピポーラ線上の各視差を探索していくことにより実現される。
視差の探索処理は、様々な計算方法を用いて実現可能である。例えば、式(2)に示される、正規化自己相関係数(NCC)を用いたブロックマッチング処理や、式(3)および式(4)で示されるSGM(Semi Global Matching)による密度の高い視差計算処理などを適用することができる。視差の計算に何れの方法を用いるかは、最終的に生成される3次元復元モデルの用途に応じて適宜、選択することができる。なお、式(2)~式(4)において、値pは画素位置、値qは視差をそれぞれ表す。
これらのコスト関数に基づいて、エピポーラ線上の各画素の対応関係を算出していき、最も類似していると考えられる算出結果を選択することになる。NCCすなわち式(2)においては、数値C(p,q)NCCが最大値のコストを持つ画素位置を、対応点と見做すことができる。また、SGMすなわち式(3)および式(4)においては、最小値のコストを持つ画素位置が、対応点と見做される。
一例として、式(2)のNCCを用いて視差を算出する場合について、概略的に説明する。ブロックマッチング法は、参照画像内の任意の参照画素を中心としてM画素×N画素のブロックとして切り出される領域の画素値と、対象画像内の任意の対象画素を中心としてM画素×N画素のブロックとして切り出される領域の画素値と、を取得する。取得した画素値に基づき、参照画素を含む領域と、対象画素を含む領域との類似度を計算する。探索対象の画像内でM画素×N画素のブロックを移動させながら類似度を比較し、最も類似度が高くなる位置のブロックにおける対象画素を、参照画素に対応する対応画素とする。
式(2)において、値I(i,j)は、参照画像における画素ブロック内の画素の画素値を表し、値T(i,j)は、対象画像における画素ブロック内の画素値を表す。参照画像におけるM画素×N画素の画素ブロックに対応する、対象画像における画素ブロックを画素単位で移動させながら、式(2)の計算を実行し、数値C(p,q)NCCが最大値となる画素位置を探索する。
第1の実施形態に係る撮像装置1aを用いた場合においても、基本的には、上述の三角測量の原理を用いて視差を算出する。ここで、当該撮像装置1aは、5つの撮像体211~215を含み、1度に5枚の全天球画像3001~3005を撮像可能とされている。すなわち、第1の実施形態に係る撮像装置1aは、3以上の撮像画像を同時に撮像できる。そのため、第1の実施形態には、上述の三角測量の原理を拡張して適用させる。
例えば、式(5)にNCCの例として、また、式(6)にSGMの例として示されるように、基線長Bずつ離れたカメラ毎のコストの視差qの総和をコストとして、各カメラによる各撮像画像における対応点を検出することができる。
一例として、第1、第2および第3のカメラが、エピポーラ線上に第1のカメラ、第2のカメラ、第3のカメラ、の順に並べられているものとする。この場合に、第1のカメラおよび第2のカメラの組、第1のカメラおよび第3のカメラの組、ならびに、第2のカメラおよび第3のカメラの組それぞれにおいて、上述したNCCやSGMなどによりコスト計算を行う。対象までの最終的な距離Dは、これら各カメラの組のそれぞれにより算出されたコストの総和計算を行い、その総和によるコストの最小値を求めることで算出できる。
これに限らず、実施形態における視差の計算手法として、EPI(Epipolar Plane Image)を用いたステレオ画像計測方法を適用することができる。例えば、撮像装置1aにおいて各撮像体211~215により撮像された撮像画像に基づく全天球画像3001~3005を、等速度運動するカメラにより撮像された同画像と見做して、EPIを作成することができる。EPIを用いることで、各全天球画像3001~3005間の対応点の探索を、例えば上述した三角測量を用いた方法と比較して、容易に実行できる。
一例として、撮像装置1aにおいて、例えば撮像体211を基準として、撮像体211と各撮像体212~215との間の各距離d1-2、d1-3、d1-4およびd1-5を算出する。算出結果に基づき、全天球画像3001~3005の横、縦軸(x,y)と、距離D(=0,距離d1-2,…,d1-5)と、の3次元からなる空間画像を作成する。この空間画像のy-D平面での断面像をEPIとして作成する。
上述のように作成したEPIにおいては、元の各全天球画像3001~3005内に存在する物体上の点は、単一の直線として表現される。この直線の傾きは、撮像装置1aから当該物体上の点までの距離に応じて変化する。したがって、EPIに含まれる直線を検出することで、各全天球画像3001~3005間における対応点を決定することが可能である。また、直線の傾きにより、当該直線に対応する物体の撮像装置1aからの距離を算出できる。
図9および図10を用いて、EPIの原理について説明する。図9(a)は、それぞれ円筒画像である複数の画像4201、4202、…のセットを示している。図9(b)は、この画像4201、4202、…のセットから、平面421により切り出したEPI422を概略的に示している。図9(a)の例では、奥行方向に、各画像4201、4202、…の撮影位置軸を取り、画像4201、4202、…のセットを重ねて、図9(a)に示されるように、3次元データ化する。この3次元データ化した画像4201、4202、…のセットを、奥行方向に平行な平面421で切り出したものが、図9(b)に示されるEPI422となる。
換言すれば、EPI422は、各画像4201、4202、…からX座標が同一のラインを取り出し、取り出した各ラインを、それぞれが含まれる各画像4201、4202、…をX座標として並べて配置した画像である。
図10は、第1の実施形態に適用可能な、EPIの原理を示す図である。図10(a)は、上述した図9(b)を模式化して示している。図10(a)において、横軸uは、各画像4201、4202、…を重畳した奥行方向であって、視差を表し、縦軸vは、各画像4201、4202、…の縦軸に対応する。EPI422は、撮像画像を基線長Bの方向に重畳した画像を意味する。
この基線長Bの変化は、図10(b)における距離ΔXで表される。なお、図10(b)において、位置C1およびC2は、例えば図8におけるレンズ401aおよび401bの光学中心にそれぞれ対応する。また、位置u1およびu2は、それぞれ位置C1およびC2を基準とした位置であって、図8における撮像位置i1およびi2にそれぞれ対応する。
このように基線長B方向に各画像4201、4202、…を並べていくと、各画像4201、4202、…の対応点の位置は、EPI422上で、傾きmを持つ直線、あるいは、曲線として表される。この傾きmが、すなわち距離Dを算出する際に用いる視差qとなる。傾きmは、距離Dが近いほど小さく、距離Dが遠いほど大きくなる。この距離Dに応じて異なる傾きmを持つ直線または曲線を、特徴点軌跡と呼ぶ。
傾きmは、下記の式(7)で表される。式(7)において、値Δuは、図10(b)における、それぞれ撮像点である位置u1と位置u2との差分であり、式(8)にて算出できる。傾きmから、式(9)により距離Dが計算される。ここで、式(7)~式(9)において、値vは、カメラの移動速度、値fは、カメラのフレームレートを示している。すなわち、式(7)~式(9)は、カメラを等速度vで移動させながら、フレームレートfで各全周囲画像を撮像した場合の計算式となる。
なお、EPIを構成する画像として全周囲画像を用いた場合は、傾きmが曲線に基づく値となる。図11および図12を用いて説明する。図11において、球4111、4112、4113が、それぞれ撮像体21の構造を有し、直線上に配置されたカメラ#0、カメラ#refおよびカメラ#(n-1)により撮像された全天球画像を示している。カメラ#0とカメラ#refとの間隔(基線長)は距離d2、カメラ#refとカメラ#(n-1)との間隔は距離d1とされている。以下、球4111、4112、4113を、それぞれ全天球画像4111、4112、4113と呼ぶ。
対象点Pの全天球画像4111上の撮像位置は、各カメラ#0、#refおよび#(n-1)が配置される直線に対して角度φn-1を有する位置となる。同様に、対象点Pの各全天球画像4112および4113上の撮像位置は、当該直線に対してそれぞれ角度φrefおよびφ0の角度を有する位置となる。
図12は、これらの角度φ0、φrefおよびφn-1を縦軸にプロットし、各カメラ#0、#refおよび#(n-1)の位置を横軸にプロットしたものである。図12から分かるように、各全天球画像4111、4112および4113における撮像位置と、各カメラ#0、#refおよび#(n-1)の位置として示される特徴点軌跡は、直線にはならず、各点を結ぶ直線4121および4122に基づき近似した曲線413となる。
全天球画像3001~3005を利用して全周囲の視差qを計算する場合には、上述のように全天球画像3001~3005から直接的に曲線413上の対応点を探索する方法を用いてもよいし、全天球画像3001~3005をピンホールなどの投影系に変換し、変換した各画像に基づき対応点を探索する方法を用いてもよい。
図11の例では、全天球画像4111、4112、4113のうち全天球画像4112を参照画像(ref)とし、全天球画像4111を(n-1)番目の対象画像、全天球画像4113を0番目の対象画像としている。参照画像である全天球画像4112をベースに、各全天球画像4111および4113との対応点は、視差qn-1およびq0で表される。この視差qn-1およびq0は、上述の式(2)~式(4)を例として、様々な既知の手法を利用して求めることができる。
3次元復元モデルの作成にEPIを利用することで、大量の全周囲画像を統一的に処理することが可能となる。また傾きmを利用することで、点としての対応のみではない計算になるため、処理がロバストになる。
図7のフローチャートの説明に戻り、画像処理装置100は、ステップS11での視差計算の後、処理をステップS12に移行する。ステップS12で、画像処理装置100は、ステップS11で算出した視差を示す視差情報に対して、補正処理を施す。視差情報に対する補正処理としては、Manhattan-world仮説に基づく補正や、線分補正などを適用することができる。次のステップS13で、画像処理装置100は、ステップS12で補正処理された視差情報を、3次元点群情報に変換する。次のステップS14で、画像処理装置100は、ステップS13で視差情報が変換された3次元点群情報に対して、必要に応じてスムージング処理、メッシュ化処理などを施す。このステップS14までの処理により、各全天球画像3001~3005に基づく3次元復元モデルが生成される。
なお、上述したステップS11~ステップS14の処理は、オープンソースにて配布されるSfM(Structure-from-Motion)ソフトウェア、MVS(Multi-View Stereo)ソフトウェアなどを用いて実行可能である。画像処理装置100上で動作される画像処理プログラムは、例えば、これらSfMソフトウェア、MVSソフトウェアなどを含む。
また、上述では、ステップS11の視差算出処理を画像処理装置100において実行するように説明したが、これはこの例に限定されない。すなわち、ステップS11の視差算出処理を、撮像装置1a内において実行してもよい。例えば、撮像体211、212、…の数が少ない場合、各撮像体211、212、…に含まれる撮像素子200aおよび200bの解像度が低い場合、復元の精度よりも処理速度が重要な場合、撮像装置1aが処理能力の高い演算素子を搭載している場合、などに、視差算出処理を撮像装置1a内において実行することが考えられる。
さらに、図3および図4を用いて説明したように、実施形態に係る撮像装置1aは、各撮像体211~215をZ軸上に配置している。そのため、撮像装置1aから各被写体までの距離は、図13に平面40として示される、各撮像レンズ20a1~20a5が整列する方向と直交する平面40上において放射方向に優先的に算出されることになる。ここでいう優先とは、画角に対する3次元復元モデルの生成能力を示す。
すなわち、平面40上の各方向(図13の放射方向)については、各撮像体211~215による画角が、360°の全周を含むことができ、全周について距離の算出を行うことが可能である。一方、Z軸方向については、各撮像体211~215による画角(撮像範囲)の重複部分が大きくなる。そのため、Z軸方向では、画角の180°近辺で、各撮像体211~215により撮像された撮像画像に基づく全天球画像3001~3005において視差が少なくなる。したがって、Z軸を含む平面の方向には、360°全周にわたる距離算出が困難となる。
ここで、図14に例示されるように、大きな建物50、50、…などを含む大きな空間を3次元復元モデル作成の対象として考える。なお、図14において、X軸、Y軸およびZ軸は、図4で示したX軸、Y軸およびZ軸と一致している。この場合、全画角(360°)でのモデル化は、X-Y軸で表される平面40の方向になる。そのため、この平面40に対して直交するZ軸方向に、複数の撮像体211~215を整列させて配置させることが好ましい。
(実施形態に係る撮像装置の信号処理に関する構成)
次に、実施形態に係る撮像装置1aの信号処理に関する構成について説明する。図15-1は、実施形態に係る撮像装置1aの一例の構成を示す。なお、図15-1において、上述した図1および図2と対応する部分には同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
図15-1において、撮像装置1aは、撮像素子200a1、200a2、…、200a5、および、撮像素子200b1、200b2、…200b5と、駆動部210a1、210a2、…、210a5、および、駆動部210b1、210b2、…、210b5と、バッファメモリ211a1、211a2、…、211a5、および、バッファメモリ211b1、211b2、…、211b5と、を含む。
これらのうち、撮像素子200a1、200a2、…、200a5と、駆動部210a1、210a2、…、210a5と、バッファメモリ211a1、211a2、…、211a5と、は、それぞれ撮像レンズ20a1、20a2、…、20a5に対応する構成であって、それぞれ撮像体211、212、…、215に含まれる。なお、図15-1では、煩雑さを避けるため、撮像体211~215のうち、撮像体211のみを示している。
同様に、撮像素子200b1、200b2、…、200b5と、駆動部210b1、210b2、…、210b5と、バッファメモリ211b1、211b2、…、211b5と、は、それぞれ撮像レンズ20b1、20b2、…、20b5に対応する構成であって、それぞれ撮像体211、212、…、215に含まれる。
撮像装置1aは、さらに、制御部220、メモリ221およびスイッチ(SW)222を含む。スイッチ222は、図1に示したシャッタボタン30に対応する。例えば、スイッチ222が閉状態で、シャッタボタン30が操作された状態に対応する。
撮像装置1aは、さらにまた、表示部223および音入出力部224を含むことができる。表示部223は、例えばLED(Light Emitting Diode)といった表示デバイスとその駆動回路を含み、制御部220の制御に従い、例えば撮像装置1aの状態を示す表示を行う。音入出力部224は、例えばマイクロホンおよびスピーカと、音処理回路とを含み、例えば撮像装置1aの外部で発生した音の撮像装置1aへの取り込みと、撮像装置1a内で生成した音の外部への出力とを行う。
撮像体211について説明する。撮像体211は、撮像素子200a1、駆動部210a1およびバッファメモリ211a1と、撮像素子200b1、駆動部210b1およびバッファメモリ211b1と、を含む。
駆動部210a1は、撮像素子200a1を駆動し、制御部220から供給されるトリガ信号に応じて、撮像素子200a1から電荷を読み出す。駆動部210a1は、撮像素子200a1から読み出した電荷を電気信号に変換し、さらに、この電気信号を、ディジタルデータである撮像画像に変換して出力する。なお、駆動部210a1は、1回のトリガ信号に応じて、撮像素子200a1から読み出した電荷に基づき1フレームの撮像画像を出力する。
バッファメモリ211a1は、少なくとも1フレーム分の撮像画像を記憶可能なメモリである。駆動部210a1から出力された撮像画像は、このバッファメモリ211a1に一時的に記憶される。
なお、撮像体211において、撮像素子200b1、駆動部210b1およびバッファメモリ211b1については、上述の撮像素子200a1、駆動部210a1およびバッファメモリ211a1と同等の機能を有するため、ここでの説明を省略する。また、他の撮像体212~215についても、機能は撮像体211と同等であるため、ここでの説明を省略する。
制御部220は、撮像装置1aの全体の動作を制御する。制御部220は、スイッチ222の開状態から閉状態への遷移を検知すると、トリガ信号を出力する。トリガ信号は、各駆動部210a1、210a2、…、210a5、および、各駆動部210b1、210b2、…、210b5に同時に供給される。
メモリ221は、トリガ信号の出力に応じた制御部220の制御に従い、各バッファメモリ211a1、211a2、…、211a5、および、各バッファメモリ211b1、211b2、…、211b5から各撮像画像を読み出し、読み出した各撮像画像を記憶する。メモリ221に記憶された各撮像画像は、例えば図5を用いて説明したように、撮像装置1aと接続される画像処理装置100により読み出すことができる。
このように、制御部220は、各撮像体211~215による撮像を制御し、撮像された撮像画像の取得を行う撮像制御部として機能する。
バッテリ2020は、例えばリチウムイオン二次電池といった二次電池であって、撮像装置1a内部の電力供給が必要な各部に電力を供給する電力供給部である。なお、バッテリ2020は、二次電池に対する充放電の制御を行う充放電制御回路を含む。
図15-2は、バッテリ2020による撮像装置1a内各部への電源供給の経路の例を示す。なお、図15-2において、図15-1に示した各部間の信号経路は、繁雑さを避けるため省略している。図15-2に例示されるように、バッテリ2020は、各撮像体211、212、…、215の、各駆動部210a1~211a5、および、各駆動部210b1~211b5、ならびに、各バッファメモリ211a1~211a5、および、各バッファメモリ211b1~211b5、に対してそれぞれ電力を供給する。なお、各撮像素子200a1~200a5、および、各撮像素子200b1~200b5は、それぞれ対応する各駆動部210a1~211a5、および、各駆動部210b1~211b5から供給される電力により駆動される。バッテリ2020は、さらに、制御部220、メモリ221、表示部223および音入出力部224に、それぞれ電力を供給する。バッテリ2020による各部への電力供給は、例えば、それぞれ独立した配線、あるいは、複数の配線を含むフレキシブル基板などを介して行われる。
図16は、実施形態に係る撮像装置1aにおける制御部220およびメモリ221の一例の構成を示す。図16において、制御部220は、CPU(Central Processing Unit)2000と、ROM(Read Only Memory)2001と、トリガI/F2004と、スイッチ(SW)回路2005と、データI/F2006と、通信I/F2007と、表示デバイスI/F2008aと、オーディオI/F2008bと、RTC(Real Time Clock)2050と、を含み、これら各部がバス2010に通信可能に接続される。また、メモリ221は、RAM(Random Access Memory)2003と、メモリコントローラ2002とを含み、バス2010に対して、メモリコントローラ2002がさらに接続される。これらCPU2000、ROM2001、メモリコントローラ2002、RAM2003、トリガI/F2004、スイッチ回路2005、データI/F2006、通信I/F2007、表示デバイスI/F2008a、オーディオI/F2008b、バス2010およびRTC2050それぞれに対し、バッテリ2020からの電力が供給される。
CPU2000は、例えばROM2001に予め記憶されるプログラムに従い、RAM2003の一部の記憶領域をワークメモリとして用いて動作して、この撮像装置1aの全体の動作を制御する。メモリコントローラ2002は、CPU2000の指示に従い、RAM2003に対するデータの記憶および読み出しを制御する。また、メモリコントローラ2002は、CPU2000の指示に従い、各バッファメモリ211a1、211a2、…、211a5、および、各バッファメモリ211b1、211b2、…、211b5からの撮像画像の読み出しも制御する。
スイッチ回路2005は、スイッチ222の閉状態および開状態の間の遷移を検知して、検知結果をCPU2000に渡す。CPU2000は、スイッチ回路2005からスイッチ222が開状態から閉状態に遷移した旨の検知結果を受け取ると、トリガ信号を出力する。トリガ信号は、トリガI/F2004を介して出力され、分岐して、各駆動部210a1、210a2、…、210a5、および、各駆動部210b1、210b2、…、210b5にそれぞれ供給される。
データI/F2006は、外部機器との間でデータ通信を行うためのインタフェースである。データI/F2006としては、例えばUSB(Universal Serial Bus)を適用することができる。通信I/F2007は、ネットワークと接続され、ネットワークに対する通信を制御する。通信I/F2007に接続されるネットワークは、有線および無線の何れでもよいし、有線および無線の両方に接続可能であってもよい。上述した画像処理装置100は、データI/F2006および通信I/F2007の少なくとも一方を介して撮像装置1aに接続される。
なお、上述では、CPU2000は、スイッチ回路2005による検知結果に応じてトリガ信号を出力するように説明したが、これはこの例に限定されない。例えば、CPU2000は、データI/F2006や通信I/F2007を介して供給された信号に応じて、トリガ信号を出力してもよい。さらに、トリガI/F2004がスイッチ回路2005の検知結果に応じてトリガ信号を発生させて、各駆動部210a1、210a2、…、210a5、および、各駆動部210b1、210b2、…、210b5に供給してもよい。
表示デバイスI/F2008aは、表示部223に対するインタフェースであり、CPU2000が生成した表示制御信号を、表示部223が含む表示デバイスが表示可能な信号に変換する。また、オーディオI/F2008bは、音入出力部224に対するインタフェースであり、アナログ音声信号をディジタル音声信号に変換するA/D変換器と、ディジタル音声信号をアナログ音声信号に変換するD/A変換器とを含む。RTC2050は、クロックをカウントして時刻を計測する。
このような構成において、制御部220は、スイッチ222の開状態から閉状態への遷移を検知すると、トリガ信号を生成、出力する。トリガ信号は、各駆動部210a1、210a2、…、210a5、および、各駆動部210b1、210b2、…、210b5に同タイミングで供給される。各駆動部210a1、210a2、…、210a5、および、各駆動部210b1、210b2、…、210b5は、供給されたトリガ信号に同期して、各撮像素子200a1、200a2、…、200a5、および、各撮像素子200b1、200b2、…、200b5から電荷を読み出す。
各駆動部210a1、210a2、…、210a5、および、各駆動部210b1、210b2、…、210b5は、各撮像素子200a1、200a2、…、200a5、および、各撮像素子200b1、200b2、…、200b5から読み出した電荷をそれぞれ撮像画像に変換し、変換された各撮像画像を各バッファメモリ211a1、211a2、…、211a5、および、各バッファメモリ211b1、211b2、…、211b5に記憶する。
制御部220は、トリガ信号の出力後の所定タイミングで、メモリ221に対して、各バッファメモリ211a1、211a2、…、211a5、および、各バッファメモリ211b1、211b2、…、211b5からの撮像画像の読み出しを指示する。メモリ221において、メモリコントローラ2002は、この指示に応じて、各バッファメモリ211a1、211a2、…、211a5、および、各バッファメモリ211b1、211b2、…、211b5から各撮像画像を読み出し、読み出した各撮像画像をRAM2003の所定領域に記憶する。
画像処理装置100が例えばデータI/F2006を介して撮像装置1aに接続される場合、画像処理装置100は、データI/F2006を介して、RAM2003に記憶される各撮像画像の読み出しを要求する。CPU2000は、この要求に応じて、メモリコントローラ2002に対してRAM2003からの各撮像画像の読み出しを指示する。メモリコントローラ2002は、この指示に応じてRAM2003から各撮像画像を読み出して、読み出した各撮像画像を、データI/F2006を介して画像処理装置100に送信する。画像処理装置100は、撮像装置1aから送信された各撮像画像に基づき、図7のフローチャートによる処理を実行する。
図17は、実施形態に係る撮像装置1aにおける、バッテリ2020および回路部2030(制御手段)の配置の例を示す。このように、バッテリ2020および回路部2030は、筐体10aの内部に設けられる。また、バッテリ2020および回路部2030のうち少なくともバッテリ2020は、接着剤やネジなどの固定手段により筐体10a内部に固定される。なお、図17は、上述した図3(b)に対応するもので、撮像装置1aを、前面から見た例を示している。回路部2030は、少なくとも、上述した制御部220およびメモリ221の各要素を含む。制御部220およびメモリ221は、例えば1または複数の回路基板上に構成される。図17に示されるように、撮像装置1aは、バッテリ2020および回路部2030が、各撮像レンズ20a1、20a2、…、20a5が整列して配置される列の延長上に配置される。
なお、ここでは、バッテリ2020および回路部2030が当該位置に配置されるように説明したが、これはこの例に限定されず、例えば回路部2030が十分小型であれば、当該位置には、少なくともバッテリ2020のみが配置されていればよい。
このようにバッテリ2020および回路部2030を配置することで、撮像装置1aの各撮像レンズ20a1、20a2、…、20a5(および各撮像レンズ20b1、20b2、…、20b5)が配置される面(前面および背面)の横幅(図4のY軸方向の幅)を細くすることができる。これにより、撮像装置1aの筐体10aの一部が各撮像体211、212、…、215により撮像された各撮像画像に含まれることが抑制され、より高精度に視差を算出することが可能となる。
また、同様の理由で、撮像装置1aの筐体10aの横幅は、可能な限り細くすることが好ましい。
以上説明したように、実施形態に係る撮像装置1aは、それぞれ全天球の撮像が可能で、且つ、視点の異なる複数の撮像体211、212、…、215を備える。これら各撮像体211、212、…、215は、1回のシャッタボタン30の操作で同期して撮像が行われるため、視点の異なる複数の全天球画像3001~3005を同期して取得することができ、撮像環境の時間変化の影響を抑制することができる。
また、実施形態に係る撮像装置1aは、各撮像体211、212、…、215の相対位置が固定されている。そのため、実施形態に係る撮像装置1aを用いることで、例えば1つの撮像体21を備える撮像装置を移動させることで視点を異ならせて撮像する場合と比較して、視点移動量の高精度な推定処理が不要になる。
さらに、実施形態に係る撮像装置1aでは、相対位置が既知である各撮像体211、212、…、215により撮像された複数の撮像画像に基づく複数の全天球画像3001~3005を用いた視差の算出が可能である。そのため、視差算出にも用いる各全天球画像3001~3005の信頼性を高くすることができ、視差算出の際のノイズの低減が可能である。
さらにまた、実施形態に係る撮像装置1aは、各撮像体211、212、…、215で距離範囲を分担して並列的に処理を行うことが可能であるため、処理時間を短縮することが可能である。
例えば、観光地や不動産、点検などにおいて、季節や時期、時間などに応じてデータを取得し、変化を分析、記録を行いたいという要望も多い。しかしながら、従来では、3次元復元モデルの作成のために大規模な装置や長時間にわたるデータ取得が必要であり、これらの要望に応えることは難しかった。一方、小規模な物体の3次元復元モデルを作成するような場合は、撮像画像とSfM技術とを利用するのが一般的である。
しかしながら、上述の観光地や不動産、点検などに対応する大規模な空間や距離レンジが広い状況においては、画角の制約とSfMによる精度の点から、大量の撮像画像が必要となる。大量の撮像画像に対して3次元復元モデルの作成処理を実行した場合、多くの処理時間を要したり、大量の撮像画像を取得している間に環境が変化したりしてしまうこともあり、うまく処理できない事態が発生するおそれがあった。
実施形態に係る撮像装置1aでは、上述のように、それぞれ視点が異なる複数の撮像体211~215を同期して撮像を行うことが可能であるため、撮像に要する時間が短くて済み、大量の撮像画像が必要な場合であっても、環境変化による撮像状態の変化を抑制できる。また、各撮像体211~215の相対的な位置関係が固定されているため、各撮像画像に基づく視差の算出も容易である。
また、実施形態に係る撮像装置1aが備える複数の撮像体211、212、…、215により撮像された撮像画像に基づく各全天球画像3001~3005から複数の全天球画像を含む組を作成し、作成された組に含まれる複数の全天球画像の同一のポイントに対して視差の算出処理を行ってもよい。
例えば、全天球画像3001~3005のうち、全天球画像3001および3002を含む組、全天球画像3002および3003を含む組、全天球画像3003および3004を含む組、ならびに、全天球画像3004および3005を含む組をそれぞれ作成する。作成された各組において、含まれる複数の全天球画像の同一ポイントに対してそれぞれ視差を算出する。各組において、算出された複数の視差に対して、フィルタ処理を行うことで、1つの撮像体により撮像された撮像画像に基づく全天球画像を用いて視差を算出する場合に比べ、距離算出の安定性を向上させることができる。フィルタ処理としては、メディアンフィルタ処理、移動平均フィルタ処理など、種々の手法が適用できる。
なお、実施形態に係る撮像装置1aにおいて、撮像体21が含む結像光学系201aおよび201bは、周辺画角と中央画角との解像度(暈け)の差が少ないと好ましい。周辺画角と中央画角との解像度の差を少なくする技術としては、特許文献3や特許文献4に開示される技術を適用可能である。
また、全天球画像を作成するための各撮像画像は、各撮像画像間の関係が、全周囲としての接続、および、各撮像画像間で設計値に従い並んでいるようにキャリブレーションされていることが望ましい。全天球画像のキャリブレーションは、各撮像体211~215のうちある撮像体(例えば、一番下に配置される撮像体215)を基準として、各撮像体211~214により撮像された各撮像画像が、基準の撮像体215により撮像された撮像画像に対して直線上に並んでいるように補正を行う。隣接する撮像体間のみで補正をするのではなく、各撮像体211~215の全体で直線に並ぶように補正することが、視差計算を簡易に行う上では重要になる。
(実施形態の第1の変形例)
次に、実施形態の第1の変形例について説明する。図18は、実施形態の第1の変形例に係る撮像装置の外観を概略的に示す。図18において、撮像装置1bは、図1に示した撮像装置1aと同様に、略直方体の筐体10bの第1の面(前面)に、複数(この例では6個)の撮像レンズ20a10、20a11、20a12、20a13、20a14および20a15と、シャッタボタン30とが設けられる。
また、撮像装置1bにおいて、筐体10bの第2の面(背面)には、上述した撮像装置1aと同様に、これら撮像レンズ20a10、20a11、20a12、20a13、20a14および20a15と例えば底面からの高さをそれぞれ一致させて、撮像レンズ20b10、20b11、20b12、20b13、20b14および20b15が設けられる。
これら各撮像レンズ20a10、20a11、20a13、20a14および20a15と、各撮像レンズ20b10、20b11、20b12、20b13、20b14および20b15とにおいて、筐体10bの底面からの高さが一致する撮像レンズの組と、当該撮像レンズの組に対応する各結像光学系および各撮像素子とを含めて、各撮像体2110、2111、2112、2113、2114および2115が形成される。撮像部領域2bは、これら6の撮像体2110、2111、2112、2113、2114および2115を含む。
これら各撮像体2110~2115の構造および構成は、図2で説明した撮像体21の構成、および、図15を用いて説明した撮像体211の構成と同一なので、ここでの説明を省略する。また、各撮像体2110~2115の配置も、図1および図3を用いて説明したように、筐体10bの底面側から上面側に向けて、筐体10bの長辺方向の中心線にそれぞれレンズ中心を整列させて配置される。さらに、撮像装置1bの構成は、図15および図16を用いて説明した構成を略そのまま適用可能であるので、ここでの説明を省略する。
実施形態の第1の変形例では、各撮像体2110~2115(各撮像レンズ20a10~20a15、および、各撮像レンズ20b10~20b15)の配置の間隔が、上述した実施形態とは異なる。すなわち、実施形態の第1の変形例に係る撮像装置1bは、例えば各撮像レンズ20a10~20a15は、一方に隣接する撮像レンズとの間隔と、他方に隣接する撮像レンズとの間隔とが異なる撮像レンズを含む。
図18の例では、各撮像レンズ20a10~20a15の間隔が、それぞれ距離d1、d2、d3、d4およびd5とされている。この例では、各距離d1~d5の関係は、次式(10)のようになっている。
d1>d2>d3>d4=d5 …(10)
画像処理装置100は、上述した実施形態の場合と同様に、図7のフローチャートの処理に従い、撮像装置1bから、各撮像体2110~2115により撮像された撮像画像を取得する。画像処理装置100は、撮像装置1bから取得した各撮像画像に基づき、各撮像体2110~2115に対応した、それぞれ視点が異なる複数の全天球画像を作成する。画像処理装置100は、この複数の全天球画像に基づき視差の算出を行い、算出された視差に基づき3次元復元モデルを作成する。
撮像レンズ間の距離が大きいほど、撮像画像に基づく視差の算出が容易となり、より遠距離の被写体までの距離を求めることができる。一方、撮像レンズ間の距離が小さい場合は、近距離の被写体までの距離をきめ細かな精度で、ノイズを抑えつつ求めることができる。したがって、実施形態の第1の変形例に係る撮像装置1bにより撮像した撮像画像に基づく全天球画像を用いることで、遠距離から近距離にかけて、満遍なく距離算出が可能とされ、より大きな空間を対象とした場合であっても、高精度に3次元復元モデルを作成することが可能である。
上述では、画像処理装置100は、撮像装置1bから取得された、各撮像体2110~2115により撮像された撮像画像を全て用いて3次元復元モデルを作成しているが、これは、この例に限定されない。例えば、画像処理装置100は、各撮像体2110~2115から任意に選択された撮像体により撮像された撮像画像を用いて、3次元復元モデルを作成することができる。
例えば、撮像体2110、2111および2112を選択することで、遠距離の被写体に関する3次元復元モデルをより高速に作成することが可能である。同様に、撮像体2113、2114および2115を選択することで、近距離の被写体に関する3次元復元モデルをより高速に作成可能である。また、撮像体2110および2112と、撮像体2114および2115とを選択してもよい。この場合には、全ての撮像体2110~2115の撮像画像に基づき3次元復元モデルを作成する場合に比べて、精度の点では不利であるが、近距離から遠距離までの被写体について、より高速に3次元復元モデルを作成可能である。
撮像体211~215から、3次元復元モデルを作成するために用いる撮像画像を撮像する撮像体を選択する方法として、例えば、トリガ信号を各駆動部210a1~210a5、および、各駆動部210b1~210b5に供給する各信号経路(制御部220から出力されたトリガ信号の分岐先)に、それぞれ制御部220により撮像体211~215毎に制御可能なスイッチ回路を設けることが考えられる。
この場合、制御部220は、データI/F2006や通信I/F2007を介してなされた指示に従い、撮像体211~215のうち、撮像画像を用いるように選択された撮像体にトリガ信号を供給するためのスイッチ回路を閉状態とし、その他の撮像体にトリガ信号を供給するためのスイッチ回路を開状態とする。
また例えば、メモリコントローラ2002による各バッファメモリ211a1~211a5、および、各バッファメモリ211b1~211b5からの読み出しを制御することで、撮像画像を選択することも考えられる。この場合、メモリコントローラ2002は、データI/F2006や通信I/F2007を介してなされた指示に従った制御部220からの指示に応じて、各撮像体2110~2115が含む各バッファメモリ211a1~211a5、および、各バッファメモリ211b1~211b5のうち、選択された撮像体に含まれるバッファメモリから撮像画像を読み出して、RAM2003に記憶させる。
さらに、各撮像体2110~2115から撮像画像を使用する撮像体を選択する処理を、画像処理装置100側で行うことも考えられる。この場合、撮像装置1bにおける撮像を通常通り行い、画像処理装置100側で、撮像装置1bから取得した各撮像画像から、所望の撮像画像を選択する。
(実施形態の第2の変形例)
次に、実施形態の第2の変形例について説明する。図19は、実施形態の第2の変形例に係る撮像装置の外観を概略的に示す。図19において、撮像装置1cは、図1に示した撮像装置1aと同様に、略直方体の筐体10cの第1の面(前面)に、複数(この例では3個)の撮像レンズ20a20、20a21および20a22と、シャッタボタン30とが設けられる。撮像装置1cにおいて、撮像レンズ20a20、20a21および20a22と、筐体10cの第2の面(背面)に設けられる撮像レンズ20b20、20b21および20b22と、の底面からの高さが一致する組を含む各撮像体2120、2121および2122については、図1を用いて説明した実施形態と同様であるので、ここでの説明を省略する。撮像部領域2cは、これら3の撮像体2120、2121および2122を含む。
実施形態の第2の変形例に係る撮像装置1cは、上述した実施形態に係る撮像装置1aに対して、各撮像体2120、2121および2122間の間隔が、上述の距離dに対して短い距離d6とされている。これにより、当該撮像装置1cは、実施形態に係る撮像装置1aと比べて近距離の被写体に関する3次元復元モデルの作成に適している。また、図19の例では、撮像装置1cは、3つの撮像体2120、2121および2122が設けられ、図1に示した撮像装置1aよりも撮像体の数が少ない。したがって、実施形態の第2の変形例に係る撮像装置1cは、実施形態に係る撮像装置1aに対して、コストを抑えることが可能である。
(実施形態の第3の変形例)
次に、実施形態の第3の変形例について説明する。図20は、実施形態の第3の変形例に係る撮像装置の外観を概略的に示す。図20において、撮像装置1dは、複数の筐体10dおよび10eを組み合わせて構成される。撮像装置1dは、上面に筐体10dの内部の回路を外部と接続するためのコネクタ11が設けられている以外は、図1を用いて説明した実施形態に係る撮像装置1aと同等である。
図20において、筐体10eは、図1に示した撮像装置1aと同様に、略直方体の筐体10eの第1の面(前面)に、複数(この例では5個)の撮像レンズ20a30、20a31、20a32、20a33および20a34が設けられ、シャッタボタン30は設けられない。筐体10eにおいて、第2の面(背面)には、撮像装置1aと同様に、撮像レンズ20b30、20b31、20b32、20b33および20b34が、それぞれ撮像レンズ20a30、20a31、20a32、20a33および20a34と底面からの高さを一致させて設けられる。
また、筐体10eにおいても、各撮像レンズ20a30~20a34と、各撮像レンズ20b30~20b34との、底面からの高さが一致する組を含む各撮像体2130、2131、2132、2133および2134が形成される。各撮像体2130~2134の構造は、図2に示した構造および構成と同様なので、ここでの説明を省略する。また、各撮像体2130~2134は、図15を用いて説明した構成と同様に、前面および背面それぞれについて、撮像素子、駆動部およびバッファメモリをそれぞれ含む。このように、筐体10eは、各撮像体2130~2134を含む撮像部領域2dを有し、操作部領域を有しない。
図15および図16を参照し、コネクタ11は、例えば、制御部220(トリガI/F2004)がトリガ信号を各撮像体2130~2134に出力するための接続線と、メモリ221(メモリコントローラ2002)と各撮像体2130~2134が含む各バッファメモリとを接続する複数の接続線と、筐体10dから筐体10eに電力を供給するための電力線と、を接続する各端子を少なくとも含む。
筐体10eは、底面に、このコネクタ11に対応する各端子を含むコネクタを備える。例えば、筐体10eは、図15の構成から制御部220、メモリ221およびスイッチ222を除いた構成を含む。筐体10eに設けられるコネクタは、各撮像体2130~2134が含む各駆動部に1本の信号としてのトリガ信号を供給するための接続線と、各撮像体2130~2134が含む各バッファメモリからの各接続線と、筐体10e内の各部に電力を供給するための電力線と、を接続する各端子を含む。
筐体10dの上面に設けられたコネクタ11と、筐体10eの底面に設けられたコネクタとを接続することで、筐体10dと筐体10eとが電気的に接続される。このコネクタの接続により、筐体10eの位置が筐体10dに対して固定されると好ましい。
筐体10dと筐体10eとが電気的に接続された状態で、筐体10dにおいてシャッタボタン30が操作されると、制御部220は、トリガ信号を出力する。トリガ信号は、筐体10dが含む各撮像体211~215に供給されると共に、コネクタ11を介して筐体10eに入力され、筐体10eが含む各撮像体2130~2134に供給される。これにより、筐体10dに設けられたシャッタボタン30の操作に応じて、筐体10eの各撮像体2130~2135による撮像と、筐体10dの各撮像体211~215による撮像とを同期させることができる。
筐体10eにおいて、各撮像体2130~2134により撮像された撮像画像は、各撮像体2130~2134が含むバッファメモリにそれぞれ記憶される。各バッファメモリに記憶された各撮像画像は、所定のタイミングで各バッファメモリから読み出され、コネクタ11を介して筐体10dに入力され、筐体10d内のメモリ221に供給される。
このように、実施形態の第3の変形例では、複数の筐体10dおよび10eを組み合わせて1つの撮像装置1dとして用いている。そのため、撮像装置を拡張して、例えばより高精度な3次元復元モデルの作成を可能にできる。また、実施形態の第3の変形例によれば、例えば筐体10dに接続する筐体10eの構成を複数、用意することで、筐体10dおよび10eを組み合わせた際の撮像装置1dの構成を、用途に応じて変更できる。
(実施形態の第4の変形例)
次に、実施形態の第4の変形例について説明する。実施形態の第4の変形例は、例えば図1の撮像装置1aにおいて、複数の撮像体211~215のうち1つを、撮像範囲を確認するためのファインダ画像を出力するために用いる。図21は、実施形態の第4の変形例に係る撮像装置の一例の構成を示す。なお、図21において、上述した図15と共通する部分には同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。また、この実施形態の第4の変形例に係る撮像装置1eの外観は、図1に示した撮像装置1aと同様とすることができるため、ここでの説明を省略する。
図21において、撮像装置1eは、図15に示した撮像装置1aの構成における各撮像体211~215のうち撮像体211に対して、画像処理部230を追加している。この、撮像体211(または撮像体211~215の何れか)に画像処理部230が追加された構成を、撮像体22と呼ぶ。なお、画像処理部230は、制御部220に含まれる構成とすることができる。
撮像装置1aの他の撮像体212~215は、この撮像装置1eにもそのまま適用可能である。また、撮像装置1eにおいて、制御部220は、シャッタボタン30の操作に応じたトリガ信号に加え、フレーム周期(例えば60Hz)の信号であるフレーム信号を出力する。このフレーム信号は、撮像体22に含まれる各駆動部210a1および210b1と
、画像処理部230とに供給される。
撮像体22において、駆動部210a1は、制御部220から供給されるフレーム信号に応じて、フレーム周期で撮像素子200a1から電荷を読み出し、読み出した電荷に基づき撮像画像を出力する。駆動部210a1からフレーム周期で出力された撮像信号は、画像処理部230に供給される。
撮像体22において、駆動部210b1も同様に、制御部220から供給されるフレーム信号に応じて、フレーム周期で撮像素子200b1から電荷を読み出し、読み出した電荷に基づき撮像画像を出力する。駆動部210b1からフレーム周期で出力された撮像画像は、画像処理部230に供給される。
画像処理部230は、例えば駆動部210a1および210b1にそれぞれ対応し、それぞれ1フレーム分の撮像画像を記憶可能な2つのバッファメモリと、少なくとも1フレーム分のファインダ画像を記憶可能なビデオメモリと、2つの撮像画像を合成して全天球画像を生成する合成部と、を含む。駆動部210a1および210b1からフレーム周期で供給された各撮像画像は、2つのバッファメモリにそれぞれ記憶される。合成部は、2つのバッファメモリにそれぞれ1フレーム分の撮像画像が記憶されると、これら2つのバッファメモリそれぞれから撮像画像を読み出して合成し、1枚の全天球画像を生成する。生成された全天球画像は、ビデオメモリに記憶される。
画像処理部230は、フレーム信号に応じて、ビデオメモリからフレーム周期で全天球画像を読み出して、ファインダ画像として出力する。画像処理部230から出力されたファインダ画像は、例えばデータI/F2006(図16参照)から外部に出力される。データI/F2006に表示デバイスを備える表示装置を接続することで、ファインダ画像を表示装置の表示デバイスに表示させることができる。これに限らず、画像処理部230から出力されたファインダ画像を、通信I/F2007から外部に出力してもよい。
また、撮像体22において、各駆動部210a1および210b1は、他の各駆動部210a2、…、210a5、および、各駆動部210b2、…、210b5と同様に、制御部220からシャッタボタン30の操作に応じて出力されたトリガ信号に応じて、撮像素子200a1および200b1から、それぞれ電荷を読み出し、撮像画像として出力する。
このように、実施形態の第4の変形例によれば、撮像装置1eが備える複数の撮像体のうち1つを、ファインダ画像を出力する撮像体22としても用いている。そのため、撮像装置1eを用いることで、撮像範囲を確認しながら撮像を行うことが可能になり、撮像に要する時間を短縮することができる。また、ファインダ画像を取得するための撮像体を別途に設ける必要が無いため、コストを抑えることができる。ファインダ画像を出力する撮像体は、撮像装置1eが備える複数の撮像体のうち、例えば図1の撮像体211のように、撮像装置1eの筐体の最も端に配置された撮像体であることが好ましい。このような位置に配置された撮像体は、全天球画像の天頂部に外部を撮像可能であり、ファインダ画像に表示される外部領域が、他の位置に配置される撮像体に比べて大きくなるからである。
(実施形態の第5の変形例)
次に、実施形態の第5の変形例について説明する。図22は、実施形態の第5の変形例に係る撮像装置1fの外観の概略を、上述した実施形態に係る撮像装置1aの外観と比較して示す。なお、図22において、上述した図1と共通する部分には同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。また、撮像装置1fは、各撮像体211~215の配置、および、回路構成は、上述した撮像装置1aと同等であるので、ここでの説明を省略する。
実施形態に係る撮像装置1aは、の右側に示されるように、筐体10aが、操作部領域3aの長さL2が撮像部領域2aの長さL1よりも短くなるように構成されている。なお、ここでいう長さは、筐体10aの長辺方向の長さである。実施形態の第5の変形例は、撮像装置1fの筐体10fにおいて、シャッタボタン30およびグリップ部31’が含まれる操作部領域3bの長さL3が、撮像部領域2aの長さL1よりも長くなるように構成している。
このように、筐体10fを、操作部領域3bの長さL3がより長くなるように構成することで、撮像装置1fは、撮像装置1aよりも高い位置での撮像が容易となる。また、操作部領域3fの長さL3をより長く構成することで、回路部2030やバッテリ2020(図17参照)を格納するための空間をより大きく確保することが可能となり、設計自由度の向上や、バッテリ2020の大容量化を図ることができる。
なお、撮像部領域2aの長さL1をより長く構成した場合には、各撮像体211~215間の各距離d(基線長B)をより大きな値とすることができ、より遠距離の被写体の距離情報を取得可能となる。
また、図22では、撮像部領域2aの長さL1より短い長さL2の操作部領域3aを持つ撮像装置1aと、撮像部領域2aの長さL1より長い長さL3の操作部領域3bを持つ撮像装置1fと、が示されているが、これは、これらの例に限定されない。すなわち、例えば撮像装置1aにおいて、撮像部領域2aの長さL1と、操作部領域3aの長さL2とが略等しくてもよい。
(実施形態の第6の変形例)
次に、実施形態の第6の変形例について説明する。図23は、実施形態の第6の変形例に係る撮像装置の外観を概略的に示す。なお、図23において、上述した図1と共通する部分には同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。また、撮像装置1gは、各撮像体211~215の配置、および、回路構成は、上述した撮像装置1aと同等であるので、ここでの説明を省略する。
図23において、撮像装置1gは、図1の撮像装置1aと同様にして、筐体10gに、撮像部領域2aの下端側に、シャッタボタン30aおよびグリップ部31aを含む操作部領域3cが配される。撮像装置1gは、さらに、撮像部領域2aの上端側に、シャッタボタン30bおよびグリップ部31bを含む操作部領域3dが配される。なお、グリップ部31aおよび31bは、それぞれ、図1を用いて説明したグリップ部31と同様に、より滑り難く形成されている。
撮像装置1gは、シャッタボタン30aおよび30bの何れの操作によっても、各撮像体211~215を同期させての撮像が可能となっている。図24は、実施形態の第6の変形例に係る撮像装置の回路構成の例を示す。撮像装置1gの回路構成を概略的に示す。図24において、上述した図17と共通する部分には同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
図24に示されるように、シャッタボタン30aおよび30bの出力は、回路部2030に共通に供給される。これは、上述した図20の構成において、シャッタボタン30aおよび30bにそれぞれ対応する2つのスイッチ222が並列に制御部220に接続される状態に対応する。制御部220は、シャッタボタン30aおよび30bの何れが操作された場合でも、トリガ信号を各撮像体211~215に同時に供給する。これにより、各撮像体211~215が同期して撮像を実行する。
このように、撮像装置1gの筐体10gを、シャッタボタン30aおよび30bがそれぞれ配置された操作部領域3cおよび3dが両端に配置された構造とすることで、ユーザは、撮像装置1gの筐体10gの長辺方向の両端側、すなわち、操作部領域3cおよび3dの何れを保持した状態であっても、撮像を実行することができる。
図24に示されるように、撮像装置1gは、さらに方向センサ2040を備えることができる。方向センサ2040は、少なくとも撮像装置1gの長辺に沿った向きについて上下方向を検知するセンサであって、例えば加速度センサを用いて構成できる。
方向センサ2040の出力は、撮像装置1gが操作部領域3cおよび3dの何れを上に(あるいは下に)して保持されているかを示す方向情報として回路部2030に供給され、制御部220に渡される。制御部220は、方向センサ2040から供給された方向情報を、各撮像体211~215により撮像された各撮像画像に付加し、方向情報が付加された各撮像画像をメモリ221に記憶させる。
このようにすることで、ユーザは、メモリ221に記憶された各撮像画像を画像処理装置100において処理する際に、各撮像画像の上下方向や位置関係を容易に把握することが可能となる。
また、方向センサ2040として、3軸の加速度センサと、3軸のジャイロセンサと、3軸の地磁気センサとが該一体的に形成された9軸センサを用いてもよい。この場合には、撮像装置1gの上下方向に加え、撮像装置1gの垂直方向に対する角度や、水平面における向きをさらに知ることができる。これにより、ユーザは、メモリ221に記憶された各撮像画像に基づき、より高精度に3次元復元モデルを生成することが可能となる。
(実施形態の第7の変形例)
次に、実施形態の第7の変形例について説明する。実施形態の第7の変形例は、上述した実施形態の第6の変形例による撮像装置1gの筐体10gを、2つに分離して構成した例である。図25および図26は、実施形態の第7の変形例に係る撮像装置1hの外観を概略的に示す。図25、ならびに、図26(a)および図26(b)に示されるように、撮像装置1hは、2の筐体10h1と筐体10h2とを組み合わせて構成される。
図25において、筐体10h1は、撮像体2142、2143および2144を含む撮像部領域2eと、シャッタボタン30a’およびグリップ部31a’を含む操作部領域3eと、を含む。同様に、筐体10h2は、撮像体2140および2141を含む撮像部領域2fと、シャッタボタン30b’およびグリップ部31b’を含む操作部領域3fと、を含む。
なお、操作部領域3eおよび3fに含まれるグリップ部31a’および31b’は、それぞれ、図1を用いて説明したグリップ部31と同様に、より滑り難く形成されている。
ここで、筐体10h1は、シャッタボタン30a’が配置される側の図における下端に接する面を底面、撮像体2142が配置される側の図における上端に接する面を上面とする。筐体10h2も同様に、シャッタボタン30b’が配置される側の図における上端に接する面を底面、撮像体2141が配置される側の図における下端に接する面を上面とする。
筐体10h1において、各撮像体2142、2143および2144は、それぞれ筐体10h1の第1の面(前面)および第2の面(背面)に設けられる、撮像レンズ20a42および20b42の組、撮像レンズ20a43および20b43の組、ならびに、撮像レンズ20a44および20b44の組、をそれぞれ含む。また、筐体10h2において、各撮像体2140および2141は、それぞれ第1の面および第2の面に設けられる、撮像レンズ20a40および20b40の組、ならびに、撮像レンズ20a40および20b41の組、をそれぞれ含む。
各撮像体2140~2144は、筐体10h1および10h2の上面同士を接合して組み合わせた場合に、隣接する撮像体との距離がそれぞれ距離dとなるように、筐体10h1および10h2に配置される。
図26(a)および図26(b)は、筐体10h1および10h2を分離させた状態を示す。筐体10h1および10h2それぞれの上面には、筐体10h1および10h2の間で電気的な接続を行うためのコネクタ32aおよび32bが設けられる。また、コネクタ32aおよび32bは、筐体10h1および10h2を結合した際に筐体10h1および10h2の位置関係が所定の関係となるように固定する機能も有している。
撮像装置1hは、シャッタボタン30a’および30b’の何れの操作によっても、各撮像体2140~2144を同期させての撮像が可能となっている。また、撮像装置1hは、各撮像体2140~2144により撮像された各撮像画像を、筐体10h1および10h2の何れからも出力可能とすることができる。図27(a)は、実施形態の第7の変形例に係る筐体10h1の回路構成の例、図27(b)は、実施形態の第7の変形例に係る筐体10h2の回路構成の例をそれぞれ示す。
図27(a)に示されるように、筐体10h1は、バッテリ2020、回路部2030および方向センサ2040を含む。また、図27(b)に示されるように、筐体10h2は、それぞれ筐体10h1に含まれるバッテリ2020、回路部2030および方向センサ2040と同等のバッテリ2020’、回路部2030’および方向センサ2040’を含む。シャッタボタン30a’の出力は、回路部2030に供給され、回路部2030内の制御部220に渡される。同様に、シャッタボタン30b’の出力は、回路部2030’に供給され、回路部2030’内の制御部220に渡される。
また、筐体10h1および10h2は、各撮像体2140~2144の撮像を制御するためのトリガ信号と、各撮像体2140~2144において撮像された各撮像画像と、をコネクタ32aおよび32bを介して送受信することができる。
例えば、筐体10h1および10h2がコネクタ32aおよび32bにより接続された状態でシャッタボタン30a’が操作された場合、シャッタボタン30a’の操作に応じて、筐体10h1の回路部2030内の制御部220によりトリガ信号が出力される。このトリガ信号は、筐体10h1内の各撮像体2142~2144に供給されると共に、コネクタ32aおよび32bを介して筐体10h2の各撮像体2140および2141に供給される。これにより、各撮像装置1hに含まれる各撮像体2140~2144により同期して撮像が行われる。
筐体10h1において、シャッタボタン30a’の操作に応じたトリガ信号により各撮像体2142~2144で撮像された各撮像画像は、回路部2030に供給される。回路部2030内の制御部220は、各撮像体2142~2144で撮像された各撮像画像に対して筐体10h1に含まれる方向センサ2040から供給された方向情報を付加し、方向情報が付加された各撮像画像を回路部2030内のメモリ221に記憶させる。
また、筐体10h2において、当該トリガ信号により各撮像体2140および2141で撮像された各撮像画像は、コネクタ32bおよび32aを介して、筐体10h1内の回路部2030に供給される。当該回路部2030内の制御部220は、各撮像体2140および2141で撮像された各撮像画像に対して筐体10h1に含まれる方向センサ2040から供給された方向情報を付加し、方向情報が付加された各撮像画像を回路部2030内のメモリ221に記憶させる。
ユーザは、このメモリ221に記憶される、筐体10h1の各撮像体2142~2144により撮像された各撮像画像と、筐体10h2の各撮像体2140および2141により撮像された各撮像画像と、を例えば画像処理装置100に読み込ませる。これにより、筐体10h1に含まれる3の撮像体2142~2144と、筐体10h2に含まれる2の撮像体2140および2141と、により同期して撮像された撮像画像に基づき、3次元復元モデルを生成することができる。
筐体10h2に設けられるシャッタボタン30b’が操作された場合も、同様である。すなわち、シャッタボタン30b’の操作に応じて、筐体10h2の回路部2030’内の制御部220によりトリガ信号が出力される。このトリガ信号は、筐体10h2内の各撮像体2140および2141に供給されると共に、コネクタ32bおよび32aを介して筐体10h1内の各撮像体2142~2144に供給され、各撮像体2140~2144により同期して撮像が行われる。
各撮像体2140および2141で撮像された各撮像画像は、回路部2030’に供給され、回路部2030’内の制御部220により方向センサ2040’から供給された方向情報を付加されて、回路部2030’内のメモリ221に記憶される。また、筐体10h1において、各撮像体2142~2144により撮像体2140および2141と同期して撮像された各撮像画像は、コネクタ32aおよび32bを介して、筐体10h2内の回路部2030’に供給される。当該各撮像画像は、回路部2030’内の制御部220により方向センサ2040’から供給された方向情報が付加されて、回路部2030’内のメモリ221に記憶される。
このように、筐体10h2に設けられるシャッタボタン30b’の操作によっても、筐体10h1および10h2に分離して含まれる5の撮像体2140~2144により同期して撮像された各撮像画像を得ることができる。
実施形態の第7の変形例に係る撮像装置1hは、上述のように、3の撮像体2142~2144を含む筐体10h1と、2の撮像体2140および2141を含む筐体10h2と、に分離して構成されている。そのため、例えば筐体10h1において、各撮像体2142~2144と回路部2030とを接続する配線を、例えば図1に示す、5の撮像体211~215が同一の筐体10aに含まれる場合に比べて短縮することが可能である。また、これにより、基板配置の設計自由度の向上や、バッテリの大容量化を図ることが可能となる。
なお、上述では、各撮像体2140~2144により撮像された各撮像画像を、シャッタボタン30a’が操作された場合には筐体10h1が有するメモリ221に記憶させ、シャッタボタン30b’が操作された場合には、筐体10h2が有するメモリ221に記憶させているが、これはこの例に限定されない。例えば、シャッタボタン30a’あるいはシャッタボタン30b’の操作に応じて撮像された各撮像画像を、筐体10h1および10h2が有する各メモリ221にそれぞれ記憶させてもよい。また、シャッタボタン30a’の操作に応じて撮像された各撮像画像を筐体10h2に含まれるメモリ221に記憶させ、シャッタボタン30b’の操作に応じて撮像された各撮像画像を筐体10h2に含まれるメモリ221に記憶させてもよい。
(実施形態の第8の変形例)
次に、実施形態の第8の変形例について説明する。上述した実施形態では、図1および図3(b)に示したように、撮像装置1aにおいて、シャッタボタン30が各撮像レンズ20a1~20a5が整列する中心線C上に配置されているように説明した。これに対して、実施形態の第8の変形例では、シャッタボタン30を、当該中心線Cから所定以上離れた位置に配置する。
図28は、実施形態の第8の変形例に係る撮像装置の外観を概略的に示す。図28において、撮像装置1iは、その筐体10iにおいて、各撮像体211~215が含まれる撮像部領域2aに対して、シャッタボタン30およびグリップ部31aを含む操作部領域3gが、略90°の角度を以て設けられている。また、シャッタボタン30は、各撮像体211~215(各撮像レンズ20a1~20a5)が整列する中心線Cから所定以上離れた位置に配置される。ここで、シャッタボタン30の位置は、例えばシャッタボタン30の端が、筐体10iにおける撮像部領域2aの、中心線C方向の延長線上に掛からない位置とすると好ましい。すなわち、第8の実施形態に係る撮像装置1iは、図28に示されるように、複数の撮像体211~215の延長線上にはシャッタボタン30が存在せず、当該延長線上から所定以上離れた位置にシャッタボタン30が配置されている。
なお、撮像装置1iは、各撮像体211~215の配置、および、回路構成は、上述した撮像装置1aと同等であるので、ここでの説明を省略する。
このように、シャッタボタン30の位置を、中心線Cから所定以上離れた位置とすることで、シャッタボタン30を操作するユーザの手指や器具類の各撮像体211~215による各撮像画像への写り込みを抑制することができる。
なお、図28では、操作部領域3gと撮像部領域2aとが略90°の角度を有するように示したが、操作部領域3gと撮像部領域2aとの角度関係は、略90°に限定されない。すなわち、シャッタボタン30は、各撮像体211~215が整列する中心線Cから所定以上離れた位置に配置されればよい。
(実施形態の第9の変形例)
次に、実施形態に第9の変形例について説明する。上述した実施形態では、各撮像体211~215に対する撮像を指示するためのシャッタボタン30が撮像装置1aの筐体10aに配置されていた。これは、上述した実施形態の各変形例でも同様である。これに対して、実施形態の第9の変形例は、撮像装置1aの筐体10aの外部から各撮像体211~215への撮像を指示できるようにしたものである。
図29および図30は、それぞれ、実施形態の第9の変形例に係る撮像装置について、外観の概略と、制御部220’およびメモリ221の一例の構成と、を示す。なお、図29および図30において、上述した図1および図16と共通する部分には同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
実施形態の第9の変形例に係る撮像装置1jは、図30に例示されるように、制御部220’に無線通信を行う無線通信I/F2009を含む。上述したバッテリ2020からの電力は、この無線通信I/F2009にも供給される。撮像装置1jは、無線送信機33に設けられたシャッタボタン30’の操作に応じて無線送信機33から送信される、撮像を指示するための信号34を無線通信I/F2009により受信する。撮像装置1jにおいて、制御部220’は、受信した信号34に応じて、各撮像体211~215に対する撮像を指示する。図29の例では、撮像装置1jにおける筐体10jの、操作部領域3a’のグリップ部31cには、シャッタボタンが配されていない。
無線送信機33と無線通信I/F2009との間でなされる通信の方式は、特に限定されない。例えば、無線送信機33と無線通信I/F2009との間の通信の通信方式として、Bluetooth(登録商標)や無線LANを適用することが考えられる。また、この通信に、撮像装置1jの独自の通信方式を適用することもできる。さらに、この通信は、電波による通信に限らず、光、音など他の媒体を用いて行ってもよい。さらにまた、この通信は、無線に限らず、有線で行ってもよい。
(付記)
上述の実施形態および各変形例の他の対応によれば、撮像装置は、第1の全天球撮像手段と、第2の全天球撮像手段とを有し、該第2の全天球撮像手段と前記第1の全天球撮像手段とが共通の筐体に一体的に設けられる。
また、撮像装置は、少なくとも2つの全天球撮像手段と、把持部と、が共通の筐体に一体的に設けられる。
また、撮像装置は、少なくとも2つの全天球撮像手段と、回路基板を有する制御手段とが共通の筐体に一体的に設けられる。
また、撮像装置は、少なくとも2つの全天球撮像手段と、2該つの全天球撮像手段に電力を供給する電力供給手段とを有し、該電力供給手段と前記2つの全天球撮像手段とが共通の筐体に一体的に設けられる。
また、撮像装置は、少なくとも2つの全天球撮像手段と、シャッタボタンとが共通の筐体に一体的に設けられる。
なお、上述の各実施形態は、本発明の好適な実施の例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形による実施が可能である。