JP7179294B2 - 酸化ガリウム半導体膜の製造方法 - Google Patents
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Description
図1に、本発明に係る酸化ガリウム半導体膜の製造方法に使用可能な成膜装置101の一例を示す。成膜装置101は、原料溶液をミスト化してミストを発生させるミスト化部120と、ミストを搬送するキャリアガスを供給するキャリアガス供給部130と、ミストを熱処理して基体上に成膜を行う成膜部140と、ミスト化部120と成膜部140とを接続し、キャリアガスによってミストが搬送される搬送部109とを有する。また、成膜装置101は、成膜装置101の全体又は一部を制御する制御部(図示なし)を備えることによって、その動作が制御されてもよい。
本発明に係る酸化ガリウム半導体膜は、ガリウム以外の金属をさらに含むことができ、このため、原料溶液104aは、少なくともガリウムを含んでおり、ミスト化が可能な材料であれば特に限定されない。すなわち、ガリウムのほか、例えば、鉄、インジウム、アルミニウム、バナジウム、チタン、クロム、ロジウム、イリジウム、ニッケル及びコバルトから選ばれる1種又は2種以上の金属を含んでもよい。
ミスト化部120では、原料溶液104aを調整し、前記原料溶液104aをミスト化してミストを発生させる。ミスト化手段は、原料溶液104aをミスト化できさえすれば特に限定されず、公知のミスト化手段であってよいが、超音波振動によるミスト化手段を用いることが好ましい。より安定してミスト化することができるためである。
搬送部109は、ミスト化部120と成膜部140とを接続する。搬送部109を介して、ミスト化部120のミスト発生源104から成膜部140の成膜室107へと、キャリアガスによってミストが搬送される。搬送部109は、例えば、供給管109aとすることができる。供給管109aとしては、例えば石英管や樹脂製のチューブなどを使用することができる。
成膜部140では、ミストを加熱し熱反応を生じさせて、基体110の表面の一部又は全部に成膜を行う。成膜部140は、例えば、成膜室107を備え、成膜室107内には基体110が設置されており、該基体110を加熱するための加熱手段、例えばホットプレート108を備えることができる。ホットプレート108は、図1に示されるように成膜室107の外部に設けられていてもよいし、成膜室107の内部に設けられていてもよい。ホットプレート以外にも、基体が吸収し発熱可能な光等による加熱も可能である。また、成膜室107には、基体110へのミストの供給に影響を及ぼさない位置に、排ガスの排気口112が設けられていてもよい。なお、基体110を成膜室107の上面に設置するなどして、フェイスダウンとしてもよいし、基体110を成膜室107の底面に設置して、フェイスアップとしてもよい。
基体110は、成膜可能であり膜を支持できるものであれば特に限定されない。前記基体110の材料も、特に限定されず、公知の基体を用いることができ、有機化合物であってもよいし、無機化合物であってもよい。例えば、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、フッ素樹脂、鉄やアルミニウム、ステンレス鋼、金等の金属、シリコン、サファイア、石英、ガラス、酸化ガリウム等が挙げられるが、これに限られるものではない。前記基体の形状としては、どのような形状のものであってもよく、あらゆる形状に対して有効であり、例えば、平板や円板等の板状、繊維状、棒状、円柱状、角柱状、筒状、螺旋状、球状、リング状などが挙げられるが、本発明においては、板状の基体を用いることが好ましい。板状の基体の厚さは、特に限定されないが、好ましくは、10~2000μmであり、より好ましくは50~800μmである。基体が板状の場合、その面積は100mm2以上が好ましく、より好ましくは口径が2インチ(50mm)以上である。
キャリアガス供給部130は、キャリアガスを供給するキャリアガス源102aを有し、キャリアガス源102aから送り出されるキャリアガス(「主キャリアガス」ということもある)の流量を調節するための流量調節弁103aを備えていてもよい。また、必要に応じて希釈用キャリアガスを供給する希釈用キャリアガス源102bや、希釈用キャリアガス源102bから送り出される希釈用キャリアガスの流量を調節するための流量調節弁103bを備えることもできる。
次に、以下、図1を参照しながら、本発明に係る酸化ガリウム半導体膜の製造方法の一例を説明する。
上述の酸化ガリウム半導体膜の製造方法に基づいて、ガリウムを主成分とする酸化物半導体膜として、コランダム構造を有する酸化ガリウム(α-Ga2O3)膜の成膜を行った。
原料溶液104aの水素イオン濃度を1×10-4mol/L(pH=4)となるよう調整し、これ以外は実施例1と同じ条件で成膜、評価を行った。
原料溶液104aの水素イオン濃度を1×10-7mol/L(pH=7)となるよう調整し、これ以外は実施例1と同じ条件で成膜、評価を行った。
原料溶液104aの水素イオン濃度を1×10-9mol/L(pH=9)となるよう調整し、これ以外は実施例1と同じ条件で成膜、評価を行った。
原料溶液104aの水素イオン濃度を1×10-12mol/L(pH=12)となるよう調整し、これ以外は実施例1と同じ条件で成膜、評価を行った。
実施例1における水酸化カリウム(KOH)水溶液の代わりに、アンモニア水(NH3(aq))を用いて水素イオン濃度(pH)調整を行ったこと以外は、実施例1と同じ条件で成膜、評価を行った。
原料溶液104aの水素イオン濃度を1×10-4mol/L(pH=4)となるよう調整し、これ以外は実施例6と同じ条件で成膜、評価を行った。
原料溶液104aの水素イオン濃度を1×10-7mol/L(pH=7)となるよう調整し、これ以外は実施例6と同じ条件で成膜、評価を行った。
原料溶液104aの水素イオン濃度を1×10-9mol/L(pH=9)となるよう調整し、これ以外は実施例6と同じ条件で成膜、評価を行った。
原料溶液104aの水素イオン濃度を1×10-11mol/L(pH=11)となるよう調整し、これ以外は実施例6と同じ条件で成膜、評価を行った。
原料溶液104aの水素イオン濃度を1×10-3mol/L(pH=3)となるよう調整し、これ以外は実施例6と同じ条件で成膜、評価を行った。
原料溶液104aの水素イオン濃度を1×10-6mol/L(pH=6)となるよう調整し、これ以外は実施例6と同じ条件で成膜、評価を行った。
実施例1における水酸化カリウムの代わりに、臭化水素(HBr)水溶液を用いて水素イオン濃度(pH)調整を行い、原料溶液104aの水素イオン濃度を1×10-1mol/L(pH=1)となるよう調整したこと以外は、実施例1と同じ条件で成膜、評価を行った。
実施例1において、原料溶液104aの水素イオン濃度を1×10-13mol/L(pH=13)となるよう調整したこと以外は実施例1と同じ条件で成膜、評価を行った。
102b…希釈用キャリアガス源、 103a…流量調節弁、
103b…流量調節弁、 104…ミスト発生源、 104a…原料溶液、
105…容器、 105a…水、 106…超音波振動子、 107…成膜室、
108…ホットプレート、 109…搬送部、 109a…供給管、
110…基体、 112…排気口、 116…発振器、
120…ミスト化部、130…キャリアガス供給部、140…成膜部。
Claims (6)
- 原料溶液を霧化又は液滴化して生成されたミストを、キャリアガスを用いて搬送し、前記ミストを加熱して、基体上で前記ミストを熱反応させて成膜を行う酸化ガリウム半導体膜の製造方法であって、
前記原料溶液中の水素イオン濃度を、1×10-12~1×10-2mol/Lとすることを特徴とする酸化ガリウム半導体膜の製造方法。 - 前記原料溶液中の水素イオン濃度を、3×10-11~3×10-3 mol/Lとすることを特徴とする請求項1に記載の酸化ガリウム半導体膜の製造方法。
- 前記原料溶液中の水素イオン濃度を、1×10-6~1×10-3mol/Lとすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の酸化ガリウム半導体膜の製造方法。
- 前記原料溶液中の酸及び/又は塩基の量を調整することで、前記水素イオン濃度を制御することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の酸化ガリウム半導体膜の製造方法。
- 前記塩基として、アンモニアを用いることを特徴とする請求項4に記載の酸化ガリウム半導体膜の製造方法。
- 前記基体として、板状であり、成膜を行う面の面積が100mm2以上のものを用いることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の酸化ガリウム半導体膜の製造方法。
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