JP7178836B2 - 作業負荷に伴う認知機能低下の抑制のための緑茶組成物 - Google Patents
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ヒトの認知機能における低下は、認知機能検査(スクリーニング検査)によって診断することができ、様々な認知機能検査を利用して、飲食品やサプリメントの開発が行われている。下記特許文献1には、加齢関連の認知低下または軽度の認知機能障害を処置する方法として、ドコサヘキサエン酸を投与する段階を含む方法が記載される。この方法では、被験者の心拍数も低下させる。
また、薬剤、サプリメント、飲食品等の経口摂取によって脳機能の改善を目指す場合、前提となる問題として、それらに含まれる成分の体内への吸収があり、如何に有効な成分であっても、消化器官において成分が良好に吸収されなければ意味がない。従って、経口摂取による場合、有効成分の体内への吸収は、避けられない問題となる。
緑茶成分として、抹茶(商品名:宝尽の白、テアニン含有量:2.4質量%、EGCG含有量:5.3質量%、カテキン類8種合計量:8.4質量%、カフェイン含有量:3.5質量%)を用意した。2gの抹茶を0.6gの賦形剤(部分α化デンプン、デキストリン、ステアリン酸カルシウム、微粒二酸化ケイ素の混合物)に添加して混合し、この混合物を9個のゼラチンカプセルに均等に分けて充填することによって、1回の摂取分のサンプルを調製した。
また、2gの賦形剤(同上)にクチナシ色素を添加して緑色に色付けし、これを9個のゼラチンカプセルに均等に分けて充填することによって、1回の摂取分のプラセボを調製した。
65名の健康な男女(25歳以上35歳未満)の勤労者について、スクリーニングとして、コグニトラックス検査の言語記憶テスト、視覚記憶テスト、ストループテスト及び4パート持続処理テストの4つのテストを実施した。4つのテストにおける誤答数が高い者から順に42人を選抜し、以下の評価方法を実施する被験者に選定した。尚、4つのテストにおける誤答数は、言語記憶テストの誤答数(即時+遅延)、視覚記憶テストの誤答数(即時+遅延)、ストループテストの誤反応数、4パート持続処理テストにおける誤応答数(パート1~4の合計)及び正解見過ごし数(パート1~4の合計)の合計として算出した。また、反応時間として、ストループテストにおける反応時間、4パート持続処理テストにおける平均正解応答時間(パート1~4の合計)及び平均誤応答時間(パート1~4の合計)の合計(単位:ミリ秒)を算出した。42名の被験者について、身長、体重、脈拍及び血圧の測定を行い、被験者背景調査及び問診を行った。更に、42名の被験者を、平均年齢、性別比、コグニトラックス検査の誤応答数を割り付け因子として2つの群に振り分けて、サンプル群及びプラセボ群を21名の被験者によって各々構成した。この群構成に基づいて、ITT(Intent To Treat)解析により、下記の評価検査を行った。各群の被験者構成は表1に記載する。
サンプル群及びプラセボ群の被験者に、内田クレペリン精神検査(15分間×2セット=30分間)を実施して作業負荷を与えた後、コグニトラックス検査(CNS Vital Signs社提供)の10種のテストを行って、認知機能の評価を行った。各テストの内容は以下の通りである。各テストの結果について、応答数は、被験者間の平均値±標準偏差で示し、反応時間については、被験者の1応答当たりの反応時間から算出される被験者間の平均値±標準偏差で示す。尚、作業負荷及び評価検査の前後に、下記のような意識調査を行っている。
15の図形が2秒に1つの割合で画面に表示され、その後、新たな15の図形と共に既出の図形が表示され、既出の図形を回答する。所定数(所要時間約3分)のテストの正解回答数を測定する。
(1)単語(赤、青、黄)がランダムに黒色表示され、表示を見たら直ぐ応答し、所定回数の応答に要する時間(単純反応時間[ミリ秒])を測定する。(2)単語(赤、青、黄、緑)がランダムに色表示され、単語を表示する色と単語の意味が一致した時のみ、又は、意味が一致しない時のみに応答する。所定数(所要時間約5分)のテストにおいて、誤った応答の数(ストループ誤反応)を測定する。
図形(丸、三角)が、画面の上部に1つ、下部に2つ色ランダムに表示(赤又は青)され、上部の表示と同じ図形又は同じ色の表示を下部から選択して応答する。所定数(所要時間約3分)のテストにおける正解応答及び誤答の数、並びに、正解応答における反応時間(正解反応時間[ミリ秒])を測定する。
画面に表示される顔の表情が、その下に表示される感情との一致について正否を応答する。2分間のテストにおいて、反応時間[ミリ秒]を測定する。肯定反応及び否定反応の各場合における正解応答数、反応時間、並びに、肯定反応及び否定反応の正解応答数の合計、平均正解反応時間、正解見過ごし数の合計、誤反応の合計を算出する。
画面の4つの区分のうちの3つに表示される図から、空いた区分に入るべき図を推論し、選択肢から選んで応答する。3.5分のテストにおける正解応答及び誤反応の数を測定する。
(1)パート1:画面にランダムに文字が表示される間に、特定の文字が表示されたら即時応答し、正解応答における応答時間[ミリ秒]を測定し、平均値を算出する。(2)パート2:画面にランダムに図が表示される間に、特定の図が表示されたら即時応答し、正解応答における応答時間を測定し、平均値を算出する。(3)画面にランダムに図が表示される間に、1つ前の図が表示されたら即時応答し、正解応答における応答時間を測定し、平均値を算出する。(4)画面にランダムに図が表示される間に、2つ前の図が表示されたら即時応答し、正解応答における応答時間を測定し、平均値を算出する。
画面にランダムに文字が表示される間に、特定の文字が表示されたら即時応答し、所定のテスト(所要時間約5分)における誤反応の数を測定し、平均値を算出する。
15の単語が2秒に1つの割合で画面に表示され、その後、新たな15の単語と共に既出の単語が表示され、既出の単語を回答する。所定数(所要時間約3分)のテストの正解回答数を測定する。
右手の人差し指でキーを10秒間できる限り速く叩く。1回の練習後に3回実施し、左手の人差し指で同じ作業を繰り返す。キーを叩いた回数を測定し、3回の平均値を得る。
画面の上部に、8つのシンボルと8つの数字とを対応させて表記する表を表示し、画面の下部に、8つのシンボルと空欄とを有する表を表示する。上部の表の対応関係に従って、下部の表の各シンボルに対応する数字で空欄を埋める作業における応答時間[ミリ秒]を測定し、所定数(所要時間約4分)のテストの正解応答及び誤答の数及び反応時間を調べる。
各被験者から、以下の9つの問いに対して、1)~5)はVAS(視覚的アナログスケール、Visual Analog Scale)法[単位:mm]、6)~9)は5段階評価による回答を得た。
1)疲れを感じているか?
2)起床時に身体の疲れを感じたか?
3)物事に集中することができるか?
4)物事を明確に考えることができるか?
5)活力はあるか(物事に取り組む意欲はあるか)?
6)ちょっとした運動又は作業でも凄く疲れたか?
7)仕事中に、物事に集中できないと感じたことがあるか?
8)仕事中に、考える速さが落ちたと感じたことがあるか?
9)仕事をする上で、物事を明確に考えるのが大変であったか?
上述のサンプル又はプラセボを、サンプル群及びプラセボ群の各々の被験者に提供し、サンプル(又はプラセボ)9個を1日に1回、午前中に摂取してもらい、これを2週間継続した。この摂取期間後に、前述と同様に、問診、身体測定及びバイタルサインの測定を行って、内田クレペリン精神検査(30分間)による作業負荷を与えた。その後、コグニトラックス検査(CNC Vital Signs社製)の10種のテストを再度行って認知機能を評価した。評価は、t検定またはマンホイットニーのU検定による。尚、作業負荷及び評価検査の前後に、意識調査を行っている。検査結果において効果が認められたものを表2に示す。表中の「SCR」は「スクリーニング」を、「ns」は「有意差無し」を、各々意味する。
Claims (3)
- 緑茶葉粉末を含有し、前記緑茶葉粉末は、テアニンの含有量が1.0~4.0質量%、
カテキン類の含有量が5.0~12.5質量%、カフェインの含有量が2.5~5.0質
量%であり、
前記緑茶葉粉末に含有されるカテキン類に占めるエピガロカテキンガレートの割合は、
0.5~0.8であり、
前記緑茶葉粉末の粒度分布は、粒径が3~6μmである粒子と、粒径が20~30μmである粒子とによる2つのピークを有する、脳への作業負荷に伴う認知機能低下の抑制のための緑茶組成物。 - 前記緑茶葉粉末を、全体の0.1質量%以上且つ100質量%未満の割合で含有する請
求項1に記載の脳への作業負荷に伴う認知機能低下の抑制のための緑茶組成物。 - 前記緑茶葉粉末は、抹茶である請求項1又は2に記載の脳への作業負荷に伴う認知機能低下の抑制のための緑茶組成物。
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茶業研究報告書,1984,Vol.60,p.79-81 |
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