JP7177717B2 - 摩擦撹拌接合用工具を用いた摩擦撹拌接合装置、及び摩擦撹拌接合方法 - Google Patents

摩擦撹拌接合用工具を用いた摩擦撹拌接合装置、及び摩擦撹拌接合方法 Download PDF

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本発明は、摩擦撹拌接合用工具を用いた摩擦撹拌接合装置、及び摩擦撹拌接合方法に関する。
金属製の被接合部材同士を接合させる手法として、摩擦撹拌接合(FSW)が知られている。摩擦撹拌接合では、接合用工具のプローブを高速で回転させながら接合予定部分の起点に挿入し、その後、高速回転を維持しつつショルダ部で接合表面を押さえつけながら移動させる。プローブの高速回転によって発生する摩擦熱により被接合部材が軟化するとともに、被接合部材同士が塑性流動によって撹拌され、被接合部材同士が接合される。
接合用工具の回転中に、塑性流動する被接合部材がショルダ部の外へはみ出した場合、そのはみ出した部分は、撹拌接合された部分(撹拌接合部)におけるバリとなる。そこで、従前の摩擦撹拌接合用工具では、渦巻き形状をなす溝をショルダ部に形成し、塑性流動する被接合部材を回転中心へ引き込むようにしている。これにより、ショルダ部の外へ塑性流動する被接合部材がはみ出すことが抑制され、ひいてはバリの発生が抑制される(例えば特許文献1参照)。
特開2016-215264号公報
ところで、摩擦撹拌接合によって接合される被接合部材として、導電性を付与するためのめっき層等、部材本体(母材)を形成する金属材料よりも融点の高い表面処理層が設けられたものが用いられることがある。このように相対的に融点の高い表面処理層を有する被接合部材を摩擦撹拌接合によって接合しようとすると、プローブの回転により生じる摩擦熱によって母材が軟化して塑性流動する一方、融点の高い表面処理層は軟化しない状態で維持される。
それにもかかわらず、従前の接合用工具を用いて摩擦撹拌接合を行うと、ショルダ部に形成された渦巻状の溝によって回転中心へ引き込まれるように塑性流動する母材とともに、非軟化状態にある表面処理層も回転中心へ引き込まれるように撹拌される。この場合、確かに、母材がショルダ部の外へはみ出すことが抑制され、それによるバリの発生は抑制される。その一方で、非軟化状態にある表面処理層の破片が撹拌接合部に残存するため、残った表面処理層の破片が母材の塑性流動を阻害したり、当該破片が母材によるバリに代わるバリとなり、撹拌接合部の表面が粗くなったりするという不都合もある。
そこで、本発明は、母材よりも融点の高い表面処理層を有する被接合部材が用いられた場合でも、撹拌接合部に表面処理層の破片が残存することによるバリの発生を抑制して表面粗さを低くすることができる摩擦撹拌接合装置及び摩擦撹拌接合方法を得ることを目的とする。
上記課題を解決すべく、第1の発明の摩擦撹拌接合用工具は、
柱状をなす基部と、
前記基部の一端部に設けられたプローブと、
前記基部の一端部において、前記プローブの周囲に設けられたショルダ部と、
を備え、
前記ショルダ部に、被接合部材の母材の表面に設けられた表面処理層を削り取って前記ショルダ部と前記被接合部材との間から排出する切削部が設けられていることを特徴とする。
第2発明の摩擦撹拌接合用工具は、
前記ショルダ部は平面であって、当該平面には前記プローブから外方へ直線状に延びる溝部が設けられており、
前記切削部は、前記溝部の開口縁部に形成された角部の外周側端部であることを特徴とする。
第3の発明の摩擦撹拌接合装置は、
上記摩擦撹拌接合用工具と、
前記ショルダ部を、被接合部材の表面に対して傾斜した状態で保持しつつ回転させる工具回転保持機構と、
を備えたことを特徴とする。
第4の発明の摩擦撹拌接合方法では、
接合対象となる被接合部材のうち少なくとも一方が母材の表面に表面処理層が設けられ、当該被接合部材同士を接合する摩擦撹拌接合方法であって、
上記摩擦撹拌接合用工具を用い、
前記ショルダ部を前記被接合部材の表面に対して傾斜させた状態で、前記摩擦撹拌接合用工具を保持し、前記溝部の開口縁部に形成された角部の外周側端部によって前記被接合部材の表面処理層を削り取って前記ショルダ部と前記被接合部材との間から排出しながら摩擦撹拌接合することを特徴とする。
第1の発明によれば、摩擦撹拌接合を行う際に、被接合部材の表面処理層が切削部によって削り取られてショルダ部と被接合部材との間から排出され、その状態で、被接合部材の母材同士が塑性流動によって撹拌される。これにより、母材同士の塑性流動に非軟化状態にある表面処理層が巻き込まれ、それがバリとして残ってしまうことが抑制され、撹拌接合部における表面粗さを低くすることができる。
第2の発明によれば、摩擦撹拌接合用工具を被接合部材の表面に対して傾斜させることにより、当該表面には、溝部によって形成される角部の外周側端部が当たり、外周側端部によって表面処理層が削り取られ、ショルダ部の外方へ排出される。摩擦撹拌接合用工具は、工具鋼等の強度、耐衝撃性、耐摩耗性等に優れた材料によって形成されるため、複雑な加工がしにくく、また複雑な加工を施すとなれば高コストとなる。その点、平面であるショルダ部に溝部を形成するだけの簡易な構成で切削部が設けられているため、切削部が設けられた場合でも、摩擦撹拌接合用工具のコストが増加することを抑制できる。
第3の発明によれば、摩擦撹拌接合用工具がそのショルダ部を傾斜させた状態で保持されるため、切削部により、被接合部材の表面処理層を削り取ってショルダ部と被接合部材との間から排出することを好適に行える。
第4の発明によれば、被接合部材の表面に設けられた表面処理層が角部の外周側端部によって削り取られ、ショルダ部と被接合部材との間から排出される。これにより、プローブの回転によって被接合部材の母材が塑性流動する際に、当該塑性流動に、非軟化状態にある表面処理層が巻き込まれ、それがバリとして残ってしまうことが抑制され、撹拌接合部における表面粗さ低くすることができる。
摩擦撹拌接合用工具を示す側面図。 摩擦撹拌接合用工具のショルダ部を示す平面図。 図2におけるA-A断面図。 摩擦撹拌接合装置を示す概略図。 摩擦撹拌接合工具が移動している状態を示す断面図。
以下、本発明を具体化した実施形態について、図面を参照しながら説明する。
はじめに、図1乃至図3に示す摩擦撹拌接合用工具10について説明する。摩擦撹拌接合用工具10は、基部11と、プローブ12と、ショルダ部13とを備えている。
基部11は、円柱状をなし、工具鋼、タングステン合金、セラミックス等の工具鋼、タングステン合金、セラミックス等の強度、耐衝撃性、耐摩耗性等に優れた材料を用いて形成されている。基部11の一端部は、基部11の中心軸線方向に対して直交する平坦面とされ、当該平坦面がショルダ部13となる。
プローブ12は、円形平坦面よりなるショルダ部13の中心部に設けられ、基部11の中心軸線方向に向けて突出している。プローブ12は、円柱状をなし、基部11と同様、工具鋼、タングステン合金、セラミックス等の工具鋼、タングステン合金、セラミックス等の強度、耐衝撃性、耐摩耗性等に優れた材料を用いて形成されている。プローブ12の外周部には、その軸方向全域にわたってねじ溝が形成されている。
ショルダ部13には、プローブ12の外周部から基部11の外周部に向かって直線状に延びるスリット14が、径方向の全域にわたって設けられている。スリット14は、ショルダ部13を平面視した場合に、図2に示すように、十字をなすように4本設けられている。スリット14は溝部に相当し、図3に示すように、その断面形状は四角形状をなしている。スリット14の開口縁部には、略直角をなすとともに径方向に直線状に延びる角部15が形成されている。
次に、上記摩擦撹拌接合用工具10が設けられた摩擦撹拌接合装置20について説明する。摩擦撹拌接合装置20は、図4に示すように、装置ベース部23に設けられた載置部21と、位置決め部22と、加工装置部30とを有している。
載置部21は、装置ベース部23に設けられ、摩擦撹拌接合の接合対象となる被接合部材W1,W2が複数枚載置される。載置部21において、被接合部材W1,W2は、側面同士を突き合わせた状態で載置されることも、平面同士を重ね合わさせた状態で載置されることも可能となっている。図4には、一例として、板状をなす被接合部材W1,W2が重ね合わされて載置部21に載置された状態を示している。載置部21は、装置ベース部23に設けられたレール等の移動装置24によって移動可能に支持されている。図4に示した状態では、紙面に対して垂直方向に移動することが可能となっている。
位置決め部22は、載置部21に載置された被接合部材W1,W2が摩擦撹拌接合時に位置ずれしないように位置決めする。位置決め部22の構成は任意であるが、図4では、一例として、一対の挟持用部材22a,22bを有する構成を示している。この構成では、各挟持用部材22a,22bが被接合部材W1,W2の側に移動してこれを挟み込むことにより、載置部21に載置された被接合部材W1,W2が位置決めされる。
加工装置部30は、工具回転保持機構31と、支持機構32とを有している。なお、以下の説明では、図4に示された状態を上下方向とする。
工具回転保持機構31は、載置部21の上方に設けられ、上下方向に延びる回転軸線C1を中心に高速回転する回転軸33を有している。回転軸33には、上記摩擦撹拌接合用工具10が取り付けられている。回転軸33に取り付けられた摩擦撹拌接合用工具10は、プローブ12が下方に向けられ、回転軸33の回転軸線C1が摩擦撹拌接合用工具10の中心軸線と一致している。回転軸33が回転することにより、摩擦撹拌接合用工具10もその中心軸線を中心として回転する。工具回転保持機構31は、摩擦撹拌接合を行う際に、摩擦撹拌接合用工具10を被接合部材W1,W2に対して押圧する工具加圧部(図示略)を有している。
支持機構32は、装置ベース部23から上方に延びるように設けられたコラム25に沿って工具回転保持機構31が移動可能となるように、当該工具回転保持機構31を支持している。支持機構32は、工具回転保持機構31を上下方向に移動させ、摩擦撹拌接合を行う位置に配置したり、そこから退避位置に退避させたりする。
また、支持機構32は、水平方向に延びる回動軸線C2を中心に工具回転保持機構31が回動可能となるように支持している。上下方向に延びる回転軸線C1に対して、載置部21の進行方向に向けて所定角度だけ、工具回転保持機構31を傾斜させることが可能となっている。この傾斜機能を用いることにより、被接合部材W1,W2同士を接合させる部分の表面が水平である場合に、回転軸線C1を当該表面に対して直交した状態とすることも、当該表面に対して載置部21の進行方向又はその逆方向に向けて傾斜した状態にすることも可能となっている。
次に、上記摩擦撹拌接合用工具10が取り付けられた摩擦撹拌接合装置20を用いて行う摩擦撹拌接合方法について説明する。ここでは、被接合部材W1,W2を接合する接合部分において、被接合部材W1,W2はそれぞれ板状をなしており、上下に重ね合わされている場合を例とする。本実施の形態では、上側に配置された被接合部材W1はアルミニウムにより形成され、導電性を付与するめっき処理が施されている。そのため、上側の被接合部材W1の表面及び下側の被接合部材W2との接合面には、アルミニウムよりも融点の高いめっき層41が設けられている。めっき層41は、表面処理層に相当する。一方、下側に配置された被接合部材W2はチタンにより形成されたものが用いられている。
図5に示すように、摩擦撹拌接合装置20において、工具回転保持機構31と支持機構32とによって、摩擦撹拌接合用工具10を、載置部21の進行方向に向けて角度θだけ傾斜した状態で保持する。摩擦撹拌接合用工具10のプローブ12を高速で回転させながら接合予定部分の起点に挿入する。その後、摩擦撹拌接合用工具10の高速回転を維持しつつ、ショルダ部13で上側の被接合部材W1の表面を押さえつけながら、載置部21を摩擦撹拌接合用工具10の移動方向とは反対方向へ移動させる。これにより、摩擦撹拌接合用工具10は接合予定部分に沿って移動する。
摩擦撹拌接合用工具10の移動中、プローブ12の高速回転によって発生する摩擦熱により、上側の被接合部材W1と、下側の被接合部材W2の界面側(上側の被接合部材W1との接合面側)の領域とが軟化し、被接合部材W1,W2同士が塑性流動によって撹拌される。これにより、摩擦撹拌接合用工具10の軌跡には撹拌接合部42が形成され、被接合部材W1,W2同士が摩擦撹拌接合される。
この場合において、ショルダ部13には、4本のスリット14の開口縁部に直線状をなす角部15が形成されている。そして、摩擦撹拌接合用工具10はショルダ部13が上側の被接合部材W1の表面に対して傾斜している。そのため、各角部15の外周側端部16は、ショルダ部13の回転によって被接合部材W1の表面に当たるたび、当該表面に対し、図5に示すように移動方向に対する直交方向からみて鋭角をなすように当たる。そのため、摩擦撹拌接合用工具10の高速回転により、角部15の外周側端部16は、上側の被接合部材W1の表面に当たるたび、当該表面に設けられためっき層41を削り取り、ショルダ部13と被接合部材W1との間から外方へ排出する。なお、角部15のうち、上側の被接合部材W1の表面に当たる外周側端部16が切削部に相当する。
これにより、被接合部材W1,W2の母材同士が塑性流動によって撹拌される際に、表面のめっき層41は削り取られ、かつショルダ部13の外方へ排出されているため、撹拌によって表面のめっき層41が巻き込まれることが抑制される。その結果、摩擦撹拌接合による撹拌接合部42の表面に、めっき層41の破片がバリとして残ることが抑制され、表面粗さを低くすることができる。
なお、上側の被接合部材W1に設けられためっき層41のうち、下側の被接合部材W2に接する部分のめっき層41は、角部15の外周側端部16によって削り取られ、排出されることはない。それでも、当該めっき層41の破片は、被接合部材W1,W2同士が塑性流動によって撹拌される際に、上側の被接合部材W1の表面に現れることがないため、撹拌接合部42の表面粗さには影響しない。
以上詳述したように、本発明の摩擦撹拌接合用工具10及びそれを用いた摩擦撹拌接合方法によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)摩擦撹拌接合用工具10のショルダ部13にはスリット14が設けられ、径方向に延びる角部15が形成されている。摩擦撹拌接合を行う際には、摩擦撹拌接合用工具10を、そのショルダ部13が上側の被接合部材W1の表面に対して傾斜した状態で保持され、その状態で回転する。そのため、角部15の外周側端部16によりめっき層41が削り取られ、かつショルダ部13との間から排出されながら、摩擦撹拌接合用工具10はその移動方向へ移動する。プローブ12の回転によって被接合部材W1,W2の母材が塑性流動する際には、非軟化状態にあるめっき層41の破片が排出された状態で塑性流動するため、当該塑性流動にめっき層41の破片が巻き込まれ、それが撹拌接合部42にバリとして残ってしまうことが抑制される。これにより、撹拌接合部42における表面粗さを低くすることができる。
(2)ショルダ部13には、スリット14が十字状をなすように形成されているため、上側の被接合部材W1のめっき層41を削り取ってショルダ部13と被接合部材W1との間から排出する角部15の外周側端部16は、4箇所設けられている。そのため、角部15の外周側端部16の数が少ない場合に比べ、めっき層41の削り取りと排出をより確実に行うことができる。
(3)摩擦撹拌接合用工具10は、工具鋼等の強度、耐衝撃性、耐摩耗性等に優れた材料によって形成されるため、複雑な加工がしにくく、また複雑な加工を施すとなれば高コストとなる。その点、平面であるショルダ部13にスリット14を形成するだけの簡易な構成でめっき層41の切削部分を設けることができるため、切削部分を設けるために摩擦撹拌接合用工具10のコストが増加することを抑制できる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、例えば次のような構成や摩擦撹拌接合方法を採用してもよい。
(a)上記実施の形態では、ショルダ部13に4本のスリット14が十字状をなすように設けられているが、スリット14の本数は任意であり、少なくとも1本のスリット14が形成されていればよい。また、同一方向に延びる複数のスリット14が設けられていてもよい。その他、上記実施の形態では、スリット14が径方向の全域にわたって設けられているが、これに代えて、径方向の中央部よりも外周寄りの部分に設けられていれば足りる。
(b)上記実施の形態では、ショルダ部13に設けられ、断面形状が略四角形状をなすスリット14が溝部に相当する。これに代えて、スリット14よりも幅広に形成された溝部としたり、径方向に直線状をなすのではなく、削り取られて排出されためっき層41がショルダ部13の外方へはみ出すような渦巻き形状をなすように形成された溝部としたりしてもよい。また、溝部の断面形状も任意であり、半円形状、V字状など、少なくとも、溝部の開口縁部に角部(エッジ)が形成される形状であれば、いかなる形状であってもよい。
(c)上記実施の形態では、プローブ12が円柱状をなすように形成されているが、これに代えて、先端に平坦面を有する略円錐形状に形成するなど、プローブ12の形状も任意である。また、プローブ12は、基部11と一体形成されたものであっても、基部11に対して着脱式のものであってもよい。
(d)上記実施の形態では、ショルダ部13に設けられたスリット14の径方向に延びる角部15のうち、摩擦撹拌接合用工具10を傾斜させた場合に、上側の被接合部材W1の表面にあたる外周側端部16を切削部とした。切削部としては、例えば、正面フライス加工を行う工具のように、めっき層41等の表面処理層を切削することが可能な構成を備えていればよい。例えば、ショルダ部13に段差部分を設け、当該段差によって形成される角部を切削部としてもよい。切削部を形成する上では、ショルダ部13は平面でなくてもよい。この例のような切削部が設けられた構成であれば、摩擦撹拌接合用工具10を傾斜させることなく、上側の被接合部材W1の表面と水平な状態で保持し、高速回転させることによって、上側の被接合部材W1のめっき層41を削り取ってショルダ部13の外方へ排出することが可能となる。
(e)上記実施の形態では、被接合部材W1,W2を接合する接合部分において、被接合部材W1,W2はそれぞれ板状をなし、それが上下に重ね合わされている場合の摩擦撹拌接合について説明した。これに代えて、被接合部材W1,W2同士の側面部分が突き合わされ、その突き合わされた部分が接合部分となる場合に適用してもよい。
(f)上記実施の形態では、被接合部材W1,W2として、一方がめっき層41を有するアルミニウム、他方がチタンを材料とした場合について説明した。被接合部材W1,W2となる金属材料は、両者の接合部分の表面を形成するもの(重なり接合であれば上側の部材、突き合わせ接合であれば両者)が、めっき層41等の母材よりも融点の高い表面処理層を有する材料であればよい。マグネシウム、銅、ステンレス等の材料が一例として挙げられる。また、接合対象となる被接合部材W1,W2同士は異種材料であっても、同種材料であってもよい。
10…摩擦撹拌接合用工具、11…基部、12…プローブ、13…ショルダ部、14…スリット(溝部)、15…角部、16…角部の外周側端部(切削部)、20…摩擦撹拌接合装置、31…工具回転保持機構、41…めっき層(表面処理層)、W1,W2…被接合部材。

Claims (2)

  1. 柱状をなす基部と、
    前記基部の一端部に設けられたプローブと、
    前記基部の一端部において、前記プローブの周囲に設けられたショルダ部と、
    有する摩擦撹拌接合用工具と、
    工具回転保持機構と、
    を備え、
    前記ショルダ部に、被接合部材の母材の表面に設けられた表面処理層を削り取って前記ショルダ部と前記被接合部材との間から排出する切削部が設けられており、
    前記ショルダ部は平面であって、当該平面には前記プローブから外方へ直線状に延びる溝部が設けられており、
    前記切削部は、前記溝部の開口縁部に形成された角部の外周側端部であり、
    前記工具回転保持機構は、前記接合部材の表面に対して前記ショルダ部を傾斜した状態で保持しつつ、前記ショルダ部で前記被接合部材の表面を押さえ付けながら前記ショルダ部及び前記プローブを回転させることを特徴とする摩擦撹拌接合装置
  2. 接合対象となる被接合部材のうち少なくとも一方が母材の表面に表面処理層が設けられ、当該被接合部材同士を接合する摩擦撹拌接合方法であって、
    請求項に記載の摩擦撹拌接合装置を用い、
    前記ショルダ部を前記被接合部材の表面に対して傾斜させた状態で、前記工具回転保持機構により前記摩擦撹拌接合用工具を保持し、前記角部の外周側端部によって前記被接合部材の表面処理層を削り取って前記ショルダ部と前記被接合部材との間から排出しながら摩擦撹拌接合することを特徴とする摩擦撹拌接合方法。
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