JP7172605B2 - 情報生成方法、情報生成装置、プログラム - Google Patents

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Description

本技術は植生の特定の環境ストレスに関する情報を生成する情報生成方法、情報生成装置、及びこれらを実現するためのプログラムに関する。
植物の光合成活動及びそれに伴う植物体の成長は、日照や温度、飽差、CO2濃度、土壌水分、土壌中の肥料成分といった環境の状態に影響を受けると共に、同じ環境の状態においても植物の種類や環境への順化状態によって異なる挙動を示す。
従って植物の良好な育成のためには、環境の状態を把握することや、植物の種類や育成ステージごとに時間的変化を伴う植物の内部状態をモニタし、その状態に応じて育成環境を制御することが重要である。
下記の特許文献1には、水ストレスの分光計測手法として、分光計測と水ポテンシャルの物理的測定から相関を導き出すことで水ストレスの計測を行うことが開示されている。
特許文献2には、水ストレスの測定方法として赤から近赤外域の分光反射率の変化点の移動を用いることが開示されている。
特許文献3には、基準地区と近傍の圃場を重なるようにリモートセンシングにより撮像し、基準地区の撮像情報と作物情報(携帯型測定器を用いた現地調査による)により、近傍の圃場の作物情報を補正することが開示されている。
特許第5186635号公報 特許第4524473号公報 特許第5162890号公報
ところで、一般的に植物の内部状態を迅速かつ正確にモニタすることは極めて難しい。例えば日照は十分でも温度が低すぎて光合成が十分行えない状態にあることは、過去の経験から判断するか、或はその状態が一定のまま日数が経過し成長が十分でなかった結果が観測できない限り判別が難しい。
そして特に環境条件が一定ではなく、複数の環境ストレスが生ずる野外環境等においては、植物の育成に影響を与えている環境条件の特定や定量化、もしくは状態に応じた対処を行う事が困難である。
例えば上記各特許文献に記載の技術を用いる場合も、複数のストレスが同時に起こり得る場合に、特定の環境ストレスを弁別して観測することが難しい。
また、干ばつによる水不足を発端にする灌漑水量の削減や、環境汚染を発端にする肥料の削減が望まれている。
例えば土壌水分センサで土壌水分量を計測できれば灌漑水量を適切に設定できるものの、広大な圃場では高コストとなり実現できていない。
カメラによる撮像で植物の分光計測は安価に可能であるが、植物の環境ストレス反応という形で間接的に計測するため、圃場で複数の環境ストレスが同時に起こっている場合にその原因(例えば水不足)の弁別ができない。例えば灌漑水量を削減した場合に、水不足が生育に悪影響を与えているのか、他の環境ストレスが原因なのかがわからず、このため灌漑水量の適切な削減量の判断が困難になる。
そこで本技術は、複数の環境ストレスが同時に起こりえる環境でも、特定の環境ストレスを比較的容易に把握できるようにすることを目的とする。
本技術に係る情報生成方法は植生の環境ストレスに関する情報を生成する方法である。そして植生の撮像信号を用いて植生情報を求める植生情報取得手順と、前記植生情報と特定の環境ストレスに関する基準植生情報との差分情報を得る差分取得手順とを行う。
植生の環境ストレスは複数あるが、ある特定の環境ストレスに関する情報を算出する。例えば温度状況や乾燥状況などのストレスがほぼ同じ状態において、特定の環境ストレス(例えば水ストレス)の情報を算出する。このために特定の環境ストレスが無い状態における基準植生情報と、特定の環境ストレスがありうる状態の植生情報の差分を求め、これを特定の環境ストレスに関する情報とする。
上記した情報生成方法においては、前記植生情報取得手順では、前記特定の環境ストレスがない状態とされたリファレンス区域の撮像信号から前記リファレンス区域の植生情報を求めるとともに、前記特定の環境ストレスがありうる状態とされた被計測区域の撮像信号から前記被計測区域の植生情報を求め、前記基準植生情報取得手順では、前記リファレンス区域の植生情報を用いて前記基準植生情報を算出し、前記差分取得手順では、前記被計測区域の植生情報と前記基準植生情報の差分演算を行うことが考えられる。
例えば圃場の一部をリファレンス区域とする。そのリファレンス区域は例えば水ストレスが無い状態とする。圃場の他の部分を被計測区域とし、灌漑条件が異なる状態とする。そしてそれらの撮像信号に基づいて特定の環境ストレスに関する情報を算出する。
上記した情報生成方法においては、前記リファレンス区域は、前記被計測区域とは離間した場所に設けられていることが考えられる。
例えば圃場をリファレンス区域と被計測区域に分ける。
上記した情報生成方法においては、前記リファレンス区域は、前記被計測区域毎に、前記被計測区域と隣接して設けられていることが考えられる。
即ち被計測区域内の一部に特定の環境ストレス状態が無い区域を用意し、これをリファレンス区域とする。
上記した情報生成方法においては、前記基準植生情報取得手順では、前記被計測区域についての植生情報との差分演算を行う前記基準植生情報を、当該植生情報を求めた撮像信号と同時刻帯と判定される前記リファレンス区域の撮像信号から求めた植生情報を用いて算出することが考えられる。
撮像装置の数、種類、性能などの機材的事情や、農場の広さなどの事情により、被計測区域とリファレンス区域について、同時刻帯に撮像することができる場合もあれば、同時刻帯には撮像できない場合もある。時刻帯が異なると、日照条件や気温など環境条件が変化することで、算出したい特定の環境ストレス以外の条件が変化してしまう。そこで、撮像信号に付加されている撮像日時情報を用いて基準植生情報を算出するための植生情報を選択するようにする。
上記した情報生成方法においては、前記植生情報取得手順では、被計測区域を前記特定の環境ストレスがない状態としたときに撮像した第1の撮像信号から植生情報を求めるとともに、前記被計測区域を前記特定の環境ストレスがありうる状態としたときに撮像した第2の撮像信号から植生情報を求め、前記基準植生情報取得手順では、前記第1の撮像信号から求めた植生情報を用いて前記基準植生情報を算出し、前記差分取得手順では、前記第2の撮像信号から求めた植生情報と前記基準植生情報の差分演算を行うことが考えられる。
例えば被計測区域としての圃場について特定の環境ストレス状態を可変制御できるようにしておく。そして特定の環境ストレスをかけていないときの第1の撮像信号に基づいて基準植生情報を生成する。この基準植生情報と、特定の環境ストレスをかけたときの第2の撮像信号から求めた植生情報との間で差分演算を行う。
上記した情報生成方法においては、前記撮像信号は、撮像画像であることが考えられる。
また上記した情報生成方法においては、前記差分取得手順では、前記差分情報としての画像情報を生成することが考えられる。
例えば前記特定の環境ストレスがありうる状態の植生の撮像画像から得られた植生情報と基準植生情報との差分を表す画像情報を生成する。
上記した情報生成方法においては、前記基準植生情報取得手順では、前記基準植生情報の算出において、前記特定の環境ストレスがない状態の植生情報の平均値算出を行うことが考えられる。
特定の環境ストレスが無い状態における撮像画像から求められる植生情報についてある程度のばらつきはある。そこで、その植生情報の代表値となる基準植生情報を、平均値演算で得られた値を用いて求める。
上記した情報生成方法においては、前記特定の環境ストレスは、水ストレス、低温ストレス、高温ストレス、乾燥ストレス、二酸化炭素不足ストレス、窒素ストレスのうちのいずれかであることが考えられる。
また上記した情報生成方法においては、前記植生情報は、PRI、クロロフィル蛍光の大きさ、クロロフィル蛍光インデックス、又はステート遷移反射率のいずれかであることが考えられる。
本技術に係る情報生成装置は、植生の撮像信号を用いて植生情報を求める植生情報取得部と、前記植生情報と特定の環境ストレスに関する基準植生情報との差分情報を得る差分取得部と、を備える。
また前記特定の環境ストレスがない状態の植生の撮像信号から得た植生情報を用いて前記基準植生情報を求める基準植生情報取得部を更に備える。
この情報生成装置により、例えば水ストレスなどの特定の環境ストレスが無い状態を基準として基準植生情報を求め、例えば特定の環境ストレスがありうる区域の撮像信号から得られた植生情報についての基準植生情報との差分を求めることができる。
上記した情報生成装置においては、外部の撮像装置による撮像信号として撮像画像データを取得する画像取得部を更に備えることが考えられる。
即ち外部の撮像装置で撮像された植生の撮像画像をストレス測定処理に用いるデータとして取得する。
上記した情報生成装置においては、前記画像取得部で取得した撮像画像データについて、前記特定の環境ストレスがない状態の植生情報の撮像画像と、前記特定の環境ストレスがありうる状態の植生情報の撮像画像とを区分するための区分情報を取得する区分取得部を備えることが考えられる。
撮像画像が例えばリファレンス区域の画像であるか、被計測区域の画像であるかを区別するための情報を取得する。
上記した情報生成装置においては、前記基準植生情報取得部は、前記区分情報に基づいて、前記特定の環境ストレスがない状態の植生情報の撮像画像から求められた植生情報を判定し、該判定した植生情報を用いて前記基準植生情報を求めることが考えられる。
これにより特定の環境ストレスがない状態の植生情報を適切に選択して基準植生情報を求めることができる。
上記した情報生成装置においては、前記画像取得部で取得した撮像画像データについて、前記特定の環境ストレスがない状態の植生情報の撮像画像と、前記特定の環境ストレスがありうる状態の植生情報の撮像画像とに分割する画像分割部を備えることが考えられる。
1つの撮像画像内に例えばリファレンス区域の画像と被計測区域の画像が混在する場合に、それらの区域の画像を分割抽出する。
上記した情報生成装置においては、前記基準植生情報取得部は、前記特定の環境ストレスがありうる状態の植生情報に対する前記基準植生情報を、当該植生情報を求めた撮像信号と同時刻帯と判定される、前記特定の環境ストレスがない状態の撮像信号から求めた植生情報を用いて算出することが考えられる。
例えば被計測区域の撮像信号から求めた植生情報に対する基準植生情報を、同じ時刻帯に撮像したリファレンス区域の撮像信号から求めた植生情報を用いて算出する。
上記した情報生成装置においては、圃場を、前記特定の環境ストレスがない状態と、前記特定の環境ストレスがありうる状態に変更する指示を行う指示部を備えることが考えられる。
例えば灌漑設備を制御して、或る圃場を水ストレスがありうる状態とない状態に変更できるようにする。
上記した情報生成装置においては、前記差分取得部により得られた差分情報に基づいて、環境ストレス可変設備を制御する指示部を備えることが考えられる。
例えば基準植生情報との差分情報に基づいて灌漑量を調整するバルブ等を自動制御することなどができるようにする。
上記した情報生成装置においては、前記差分取得部では、前記差分情報としての画像情報を生成するとともに、前記画像情報を出力する画像出力部を備えることが考えられる。
例えば圃場(被計測区域)に対応するように差分情報を示した画像を出力する。
上記した情報生成装置においては、前記基準植生情報取得部は、前記植生情報取得部が前記特定の環境ストレスがない状態の植生の撮像信号から得た植生情報を用いて前記基準植生情報を求めることが考えられる。即ち環境ストレスがない状態の植生を基準として差分情報が得られるようにする。
本技術によれば、野外の圃場のような複数の環境ストレスが同時に起こりうる環境で、特定の環境ストレスを把握することが可能になり、環境ストレス原因の弁別とその結果を用いた作物管理の最適化が可能になる。
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
本技術の第1の実施の形態のシステム構成の説明図である。 実施の形態で設定する圃場の区域の説明図である。 実施の形態の環境ストレス情報の算出の流れの説明図である。 実施の形態の情報生成装置を実現するコンピュータ装置のブロック図である。 実施の形態の環境ストレス情報生成処理のフローチャートである。 第1の実施の形態の植生指数の演算処理のフローチャートである。 実施の形態で灌漑制御単位でリファレンス区域を設ける場合の説明図である。 第2の実施の形態のシステム構成の説明図である。 第2の実施の形態の植生指数の演算処理のフローチャートである。 実施の形態の灌漑制御単位としての被計測区域内にリファレンス区域を設ける場合の説明図である。 第3の実施の形態のシステム構成の説明図である。 第3の実施の形態の植生指数の演算処理のフローチャートである。 第4の実施の形態のシステム構成の説明図である。 第4の実施の形態のストレス反応観測の説明図である。 実施の形態において灌漑チューブにより灌漑量を段階的に変える場合の説明図である。 実施の形態において灌漑チューブにより各被計測区域で灌漑量を段階的に変える場合の説明図である。 実施の形態において灌水路の破損検出を行う場合の説明図である。 実施の形態の窒素ストレスの測定のための施肥の説明図である。
以下、実施の形態を次の順序で説明する。
<1.第1の実施の形態>
<2.第2の実施の形態>
<3.第3の実施の形態>
<4.第4の実施の形態>
<5.灌漑量の設定>
<6.灌水路の破損検出>
<7.他の環境ストレスの測定>
<8.まとめ及び変形例>
<1.第1の実施の形態>
図1は第1の実施の形態として、植生に対する特定の環境ストレスを算出する情報生成装置1を含むシステム構成を示している。
情報生成装置1は、算出対象となる圃場についての撮像信号である撮像画像を用いて特定の環境ストレス算出を行う。
なお各実施の形態では、特定の環境ストレスとして水ストレスを計測するケースを例に挙げて説明する。
図1には圃場の例としてリファレンス区域Aref、被計測区域A1,A2・・・を示している。リファレンス区域Aref、被計測区域A1,A2・・・はいずれも植物・農作物を栽培している圃場である。ここでは環境ストレス算出のために区域が分けられている。例えば灌漑設備単位で区域がわけられる。
図2に圃場の様子を示している。圃場には灌水路12によって供給される水が各区域の灌漑設定バルブ11(11-R,11-1,11-2・・・)に導かれている。
リファレンス区域Arefには例えば灌水チューブによる灌水路12-Rがひかれており、その灌水量は灌漑設定バルブ11-Rによってコントロールされる。
また被計測区域A1,A2・・・には、それぞれ同様に例えば灌水チューブによる灌水路12-1,12-2・・・がひかれている。灌水路12-1,12-2・・・による灌水量は、それぞれ灌漑設定バルブ11-1,11-2・・・によってコントロールされる。
このようにリファレンス区域Aref、被計測区域A1,A2・・・は、それぞれ個別に灌漑水量を設定できる。換言すれば、それぞれ水ストレスの状態を設定できる区域とされている。
図2において小型の飛行体200を示している。飛行体200は例えば操作者の無線操縦、或いは無線自動操縦等により、圃場の上空を移動することができる。そして飛行体200は撮像装置250を搭載し、圃場の上空を移動しながらリファレンス区域Arefや被計測区域A1,A2の植生を撮像していくことができる。
図1には、図2に示したようなリファレンス区域Arefや被計測区域A1,A2を模式的に示している。なお、リファレンス区域Arefや被計測区域A1,A2の面積、配置等は一例である。特に各区域の分け方や面積比などが制限されるものではない。
灌漑制御装置10は、各灌漑設定バルブ11(11-R,11-1,11-2・・・)の開放水量等を制御する装置としている。
この例では灌漑制御装置10は、オペレータの指示等に応じて各灌漑量設定バルブ11を制御するとともに、各灌漑量設定バルブ11の開放水量の情報を区分情報PIとして情報生成装置1に供給できるものとしている。
ここで、リファレンス区域Arefとは、気象等の他の環境条件によらず、水不足にならないように十分な灌水量を設定した区域である。即ち水ストレスが無い状態とした区域である。
従って図示するリファレンス区域Arefは、灌漑制御装置10によって十分灌漑されるように灌漑設定バルブ11が制御されている区域となる。このリファレンス区域Arefは固定的な場所として設定されてもよいが、あくまでも環境ストレス算出を行う際に水ストレスが無い状態にコントロールされた区域であればよく、リファレンス区域Arefは変更されてもかまわない。
一方、被計測区域A1,A2・・・は、場所毎、気象毎、育成ステージ毎に、灌漑量をなるべく最低限にする区域としている。従って、被計測区域A1,A2・・・は、灌漑制御装置10によってある程度灌水量が制限されるように灌漑設定バルブ11が制御されている区域となる。
このことから、灌漑制御装置10が区分情報PIとして、各区域の灌水量の情報(灌漑設定バルブ11の制御情報)を情報生成装置1に供給すると、情報生成装置1は、どの区域(どの灌漑設定バルブ11の区域)がリファレンス区域Arefでどの区域が被計測区域A1,A2であるかが判別できることになる。
なお各灌漑量設定バルブ11は、手動で開放水量を調整する構造のものであってもよい。その場合、灌漑制御装置10は設けられなくてもよい。またその場合、区分情報PIは各区域の灌漑水量を設定したスタッフが情報生成装置1に対して手動入力することが考えられる。
情報生成装置1は、画像取得部21、植生指数演算部22、植生指数バッファ23、区分取得部24、リファレンス値算出部25、差分演算部26、出力バッファ27、画像出力部28、出力データ生成部29を有する。
なお、これらの各部は、それぞれハードウエアにより構成されてもよいが、後述するコンピュータ装置においてソフトウエア(環境ストレス情報生成プログラム)によって実現される機能とされてもよい。以下では、これら各部がソフトウエアによる機能ブロックとして実現される例で説明する。
画像取得部21は、例えば上述の飛行体200に搭載された撮像装置250等によって撮像された画像データを環境ストレス算出に用いる画像として取得する。
そして画像取得部21は、少なくともリファレンス区域Arefの植生を撮像した画像データとしての画像ファイルRefと、被計測区域A1,A2・・・の植生を撮像した画像データとしての画像ファイルM1,M2・・・を取得する。
なお、取得する画像ファイル(Ref,M1,M2・・・)は、撮像装置250や中継装置から有線伝送又は無線伝送として送信され情報生成装置1で受信した画像データファイルであったり、撮像装置250側や他の記録装置によって記録媒体に記録され、情報生成装置1が記録媒体を再生することで取得する画像データファイルである。
また画像取得部21による撮像された画像ファイル(Ref,M1,M2・・・)の取得は、リアルタイム(撮像時)でも良いし、後の時点でもよい。少なくとも環境ストレス情報生成の時点で、リファレンス区域Arefや被計測区域A1,A2・・・の画像が取得されれば良い。
さらに撮像画像を得るための撮像装置として飛行体200に搭載された撮像装置250を例に挙げているが、画像取得部21は、圃場に設置された定点カメラによる撮像画像や、人が所持する撮像装置を用いて撮像した画像を取得するものとしてもよい。
また本実施の形態では、画像取得部21が取得する画像ファイル(Ref,M1,M2・・・)は分光計測画像を含むものであるとする。即ち上記の撮像装置250はマルチスペクトラムカメラとされ、任意の2以上の波長の測定画像を含む。
図3に画像ファイルRef、画像ファイルM1に含まれるデータの一例を示している。これらの画像ファイルには、「λ1」「λ2」「λ3」「λ4」として示す複数の波長の画像が含まれている。ここでは4つ示しているが、少なくとも2つの波長の画像を有するものとする。
また画像ファイルには、タグ情報TGが付加されている。タグ情報TGには撮像日時情報や、GPS(Global Positioning System)データとしての位置情報(緯度/経度情報)、撮像装置情報(カメラの個体識別情報や機種情報等)、各画像データの情報(画サイズ、波長、撮像パラメータ等の情報)などが含まれている。
図1の情報生成装置1における植生指数演算部22は、画像取得部21が取得した画像を用いて植生の情報となる植生指数を求める処理を行う。
環境ストレスの測定に用いる指数として植生指数演算部22が演算する指数は、
・PRI(photochemical reflectance index)
・クロロフィル蛍光の大きさ
・クロロフィル蛍光インデックス
・ステート遷移反射率
等がある。
クロロフィル蛍光の大きさは、太陽光によって励起されるクロロフィル蛍光の大きさ(solar-induced chlorophyll fluorescence(SIF))でもよいし、太陽光ではなくレーザーやLEDを用いてクロロフィル蛍光を励起させてもよい。
クロロフィル蛍光インデックスは、クロロフィル蛍光をいくつかの波長に分けて測定し、例えば685nm、735nmの2波長の比で表すものである。
本実施の形態ではPRIを求める例を挙げて説明する。
PRIは、キサントフィルサイクルの脱エポキシ化に伴い変化する分光反射率をインデックス化したものである。キサントフィルサイクルは、強光や水ストレスに伴う気孔閉塞といった、光合成しきれない過剰な光エネルギーを熱として放出する機構である。
ここではPRIは、
PRI=(R570-R531)/(R570+R531)
として算出されるものとする。なお、「R570」は波長570nmの反射光強度、「R531」は波長531nmの反射光強度である。
従って植生指数演算部22は、画像ファイルRef、M1,M2・・・における波長570nmの画像と、波長531nmの画像を用いて、PRIの値による植生指数画像ファイルRef_P、M1_P、M2_P・・・を生成する。
図3には画像ファイルRefから植生指数画像ファイルRef_Pを生成し、画像ファイルM1から植生指数画像ファイルM1_Pを生成することを示している。
即ちこれらの植生指数画像ファイルは、「λ1」画像(例えば波長570nmの画像)、「λ2」画像(例えば波長531nmの画像)を用いて求める。これら各画像を構成するピクセル毎の値(反射光強度に応じた輝度値)について、上記のPRIの演算を行い、植生指数画像としての各ピクセル毎のPRI値を求める。そのピクセル毎のPRI値の画像データを含むファイルが、植生指数画像ファイルとなる。
なお、上記定義のPRI値の場合では、ストレスが増加するとPRI値も増加するものとなる。
植生指数演算部22が求めたこれらの植生指数画像ファイルは、植生指数バッファ23に一時的に記憶される。
なお、別の指数としてのクロロフィル蛍光に関して補足しておく。
クロロフィル蛍光を用いてストレス検出を行うこともできる。クロロフィル蛍光は植物の光合成に伴い植物から発せられる蛍光で、光により電子が励起した反応中心から一定時間内にエネルギーが抜き取られないと、高等植物では680nm~770nm前後の波長の蛍光としてエネルギーが放出される現象である。
放出されるエネルギーは入力光のエネルギーに対し0.5%~3%で、植物の光合成の状態に応じて変動し、強光や、水ストレスに伴う気孔閉塞といった光合成しきれない過剰な光エネルギーが多い場合に大きくなる。
PRIやクロロフィル蛍光はいずれも、ストレスに対し数分内に変化がみられる反応である。
また、正規化植生指数(NDVI:Normalized Difference Vegetation Index)などを用い、瞬時のストレスを見分けられなくとも、恒常的なストレスが結果として成長差として現れることを利用してもよい。
植生指数演算部22は、これらPRI以外の値による植生指標画像ファイルを、取得した画像ファイルRef,M1,M2・・・を用いて求めるようにしてもよい。
情報生成装置1における区分取得部24は、上述のように区分情報PIを取得する。この区分情報PIは、植生指数バッファ23に記憶された植生指数画像ファイルを区別するための情報となる。
少なくとも区分情報PIは、どのファイルが、リファレンス区域Arefに対応する植生指数画像ファイルRef_Pであり、どのファイルが被計測区域A1,A2・・・に対応する植生指数画像ファイルM1_P、M2_P・・・であるかを区別する情報である。
上述のように区分情報PIは、灌漑制御装置10から供給される場合がある。また画像取得部21が取得した画像ファイル(Ref,M1,M2・・・)におけるタグ情報TGが区分情報PIとして用いられる場合もある。さらに図1には示していないが、スタッフによる入力情報が区分情報PIとされる場合もある。
区分取得部24は、区分情報PI、もしくは区分情報PIに基づいて生成したファイル指定のための情報をリファレンス値算出部25に供給する。
リファレンス値算出部25は、環境ストレス情報を得るために用いる基準植生情報(リファレンス値Vref)を算出する。
リファレンス値Vrefは植生指数画像ファイルRef_Pを用いて算出する。このためリファレンス値Vrefは、区分取得部24からの情報に基づいて、植生指数バッファ23に記憶されている植生指数画像ファイルのうちで、リファレンス区域Arefに対応する植生指数画像ファイルRef_Pを選択して読み出す。
そして植生指数画像ファイルRef_Pにおける画像データの各ピクセルの値、即ちリファレンス区域Arefにおける各部のPRI値を用いてリファレンス値Vrefを算出する。
リファレンス値Vrefは、例えば植生指数画像ファイルRef_Pの画像の各画素(ピクセル)値の平均値とすることが考えられる。例えば単純に全画素の平均値をリファレンス値Vrefとする。
また、本実施の形態の処理は、植物に関するストレス測定を目的とするものであるが、撮像画像に土の部分が含まれている場合もある。土の部分の画像、換言すれば土の部分に相当する植生指数画像のピクセル値は、植物のPRI値としてのノイズとなっている。
そこで土を除外し植物が写っている箇所(ピクセル)のみ抽出し、その抽出したピクセルのPRI値の平均値を求め、それをリファレンス値Vrefとしても良い。
画像において植物の部分と土の部分を判別するには、他の植生指数(例えばNDVI)を用いることも考えられる。
また、植物の日が当たっている箇所のみ抽出して平均値を求め、リファレンス値Vrefとしても良い。
或いは、植物の日が当たっていない箇所のみ抽出して平均値を求め、リファレンス値Vrefとしても良い。
これらは、例えばNDVI等の他の植生指数で植物と土を判別したうえで、輝度の高いピクセルを選んだり、或いは輝度の低いピクセルを選ぶなどの手法により可能である。
差分演算部26は、リファレンス値算出部25が算出したリファレンス値Vrefと、植生指数バッファ23に記憶されている被計測区域A1,A2・・・の植生指数画像ファイルM1_P、M1_P・・・を用いて、各被計測区域A1,A2・・・についてのストレス値を算出する。
図3には、被計測区域A1についてのストレス情報を、植生指数画像ファイルM1_Pとリファレンス値Vrefの差分として得た差分画像ファイルM1_DPとして生成することを示している。
具体的には、被計測区域A1についてのストレス情報は、植生指数画像ファイルM1_Pの各ピクセル値のそれぞれについて、リファレンス値Vrefを減算した差分値を求め、この差分値がそのままピクセル値とされる画像データとして生成される。この画像データを差分画像ファイルM1_DPとする。
同様に、被計測区域A2についてのストレス情報は、植生指数画像ファイルM2_Pの各ピクセル値のそれぞれについて、リファレンス値Vrefを減算した差分値を求め、この差分値がそのままピクセル値とされる画像データとして生成される。この画像データを差分画像ファイルM2_DPとする。
各被計測区域A1,A2・・・について求めたストレス情報である差分画像ファイルM1_DP、M2_DP・・・は、出力バッファ27に記憶される。
出力バッファ27に記憶された差分画像ファイルM1_DP、M2_DP・・・は、例えばスタッフの操作などにより、画像出力部28から出力画像情報Poutとして出力される。例えばモニタディスプレイに表示されたり、他の情報処理装置に送信されたり、記憶装置で記憶媒体に記憶されたりする。
この出力画像は、差分演算部26で求めたピクセル毎の差分値に応じた画像である。従ってその出力画像は、水ストレスがないリファレンス区域Arefを基準として、水ストレスがありうる被計測区域A1,A2・・・について、各部の植生の水ストレスの度合いを表現する画像となる。
また出力バッファ27に記憶された差分画像ファイルM1_DP、M2_DP・・・については、例えばスタッフの操作などに応じて、出力データ生成部29で処理されるようにしてもよい。例えば出力データ生成部29は、差分画像ファイルM1_DPの各ピクセル値の平均値、代表値、最大値、最小値、重心値などを求め、これらが被計測区域A1についての水ストレスの指標となる出力データDoutとして出力されてもよい。
或いは出力データ生成部29は、さらに差分画像ファイルM1_DPの差分値を解析し、水ストレスの観測情報、被計測区域A1内での分布状況、その他の情報を生成し、出力データDoutとするものとしてもよい。これらにより、多様或いは高度な分析情報が得られるようになる。
以上の図1の構成の第1の実施の形態の情報生成装置1は、計測したい圃場と別に、算出したい特定の環境ストレス(水ストレス)のみ異なる条件のリファレンスとなる個体(リファレンス区域Aref)の計測を行い、その差分から植生の環境ストレス(水ストレス)を算出するものである。
水ストレスが起きないように十分灌漑をしたリファレンス区域Arefの植生指数の演算結果の例えば平均値であるリファレンス値Vrefを、各被計測区域の植生指数の演算結果から差し引くことで、水ストレスが異なる別個体の間での差分を求める。
なおこの時、計測時刻(撮像装置250で撮像する時刻)はほぼ同一(同じ時刻帯)とすることで、温度や日照などの他の環境ストレスは同一条件である。即ち飛行体200によりリファレンス区域Aref、被計測区域A1,A2・・・を、順番に短時間で続けて撮像していくことで、その際に撮像された画像ファイルRef,M1,M2・・・に基づいて算出される植生指数(植生指数画像ファイルRef_P、M1_P、M2_P・・・)は、他の条件が同一で水ストレスのみ異なる状態の植生指数とみなせることになる。
以上の図1のような機能構成を備える情報生成装置1は、例えば図4のようなハードウエア構成のコンピュータ装置100で実現される。
図4に示すようにコンピュータ装置100は、CPU(Central Processing Unit)51、ROM(Read Only Memory)52、RAM(Random Access Memory)53を有して構成される。
CPU51は、ROM52に記憶されているプログラム、または記憶部59からRAM53にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM53にはまた、CPU51が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
CPU51、ROM52、およびRAM53は、バス54を介して相互に接続されている。このバス54にはまた、入出力インターフェース55も接続されている。
入出力インターフェース55には、液晶パネル或いは有機ELパネルなどよりなるディスプレイ56、キーボード、マウスなどよりなる入力部57、スピーカ58、HDDなどより構成される記憶部59、通信部60などが接続可能である。
ディスプレイ56はコンピュータ装置100と一体でも良いし別体の機器でもよい。例えば出力画像Poutの表示や、出力データDoutについての表示が行われる。
入力部57は、コンピュータ装置100を使用するユーザが用いる入力デバイスを意味する。
通信部60は、インターネットを含むネットワークを介しての通信処理や、周辺各部の機器との間の通信を行う。例えば撮像装置250との通信なども可能である。
入出力インターフェース55にはまた、必要に応じてドライブ61が接続され、メモリカード62が装着され、メモリカード62から読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部59にインストールされたり、CPU51で処理したデータが記憶される。もちろんドライブ61は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等のリムーバブル記憶媒体に対する記録再生ドライブとされてもよい。
このようなハードウエア構成において、実施の形態の情報生成装置1としての処理、即ち図1の画像取得部21、植生指数演算部22、区分取得部24、リファレンス値算出部25、差分演算部26、画像出力部28、出力データ生成部29としての処理を行うことができる。即ちこれらの処理はCPU51で起動されるソフトウエアにより実現される。そのソフトウエアを構成するプログラムは、ネットワークからダウンロードされたり、リムーバブル記憶媒体から読み出されたりして図4のコンピュータ装置100にインストールされる。或いはそのプログラムが記憶部59としてのHDD等に予め記憶されていてもよい。そしてCPU51において当該プログラムが起動されることで、上記各部の機能が発現する。
また植生指数バッファ23、出力バッファ27は、例えばRAM53の記憶領域を用いて実現される。
画像ファイルRef,M1,M2・・・等は通信部60によって受信されたり、ドライブ61によって記憶媒体から読み込まれて例えば記憶部59に格納される。画像取得部21としての機能を備えるCPU51は、そのように取り込まれた画像ファイルのうちで、ストレス情報生成のために必要な画像ファイルを取得する。
区分情報PIも同様である。或いは区分情報PIは、入力部57を用いたオペレータ入力として取り込まれることもある。
画像出力部28、出力データ生成部29による情報の出力は、ディスプレイ56、スピーカ58により画像や音声として出力されたり、記憶部59に記憶されたり、通信部60により外部機器に送信されたり、ドライブ61により記憶媒体に記憶されるという各種形態で実行されることになる。
なお、実施の形態の情報生成装置1は、図4のようなハードウエア構成の情報処理装置(コンピュータ装置)100が単一で構成されることに限らず、複数のコンピュータ装置がシステム化されて構成されてもよい。複数のコンピュータ装置は、LAN等によりシステム化されていてもよいし、インターネット等を利用したVPN(Virtual Private Network)等により遠隔地に配置されたものでもよい。複数のコンピュータ装置には、クラウドコンピューティングサービスによって利用可能なコンピュータ装置が含まれてもよい。
またこの図4のコンピュータ装置100は、据え置き型、ノート型等のパーソナルコンピュータ、タブレット端末やスマートフォン等の携帯端末として実現できる。さらにはコンピュータ装置100としての機能を有する測定装置、テレビジョン装置、モニタ装置、撮像装置、設備管理装置等の電子機器でも、本実施の形態の情報生成装置1を搭載することができる。
情報生成装置1によるストレス情報生成処理の例を説明する。
図5,図6は情報生成装置1としての図1に示した機能を有するコンピュータ装置100のCPU51の処理例である。
CPU51はステップS101で例えば灌漑制御装置10等から送信されていた区分情報PIを読み込む。即ち灌漑制御区分を判別するための情報であり、具体的にはリファレンス区域Arefや被計測区域A1,A2・・・の区別のための情報を取得する。
ステップS102でCPU51は、処理に用いる分光計測画像ファイルを読み込む。即ち上述したように画像ファイルRef、M1,M2・・・が処理対象となる分光計測画像ファイルであるが、その1つ(例えば画像ファイルRefとする)を読み込む。具体的には、撮像装置250等から送信され記憶部59等に格納されている画像ファイルRef、M1,M2・・・のうちから画像ファイルRefを読み出す処理となる。
ステップS103でCPU51は、読み込んだ画像ファイルRefに付加されているタグ情報TGを読み取る。
タグ情報は必要に応じてリファレンス区域Arefや被計測区域A1,A2・・・の区別のための情報(区分情報PI)として用いる
ステップS104でCPU51は、画像ファイルRefに基づいて植生指数の演算を行う。この画像ファイルRefについて処理を行っている場合は、ステップS104でリファレンス区域Arefの植生指数を求めることになる。
この植生指数演算(PRIの場合)の処理例を図6に示している。
図6は1つの画像ファイルから1つの植生指数画像ファイルを生成する処理を示している。即ちCPU51は画像ファイルRefについて図6の処理を行い植生指数画像ファイルRef_Pを生成する。
図6のステップS141でCPU51は分光計測画像ファイル(この場合、画像ファイルRef)の570nmの波長の計測値として1画素(1ピクセル)の値を読み込む。
またステップS142でCPU51は分光計測画像ファイル(この場合、画像ファイルRef)の531nmの波長の計測値として1画素(1ピクセル)の値を読み込む。
そしてこれら読み込んだ1画素の値を用いて、ステップS143で、PRI=(R570-R531)/(R570+R531)の演算を行い、当該1画素についてのPRI値を算出する。
ステップS144でCPU51は処理対象としている分光計測画像ファイルの全ピクセルについて、上記処理を終えたか否かを確認する。終えていなければステップS141に戻り、次の画素について同様の処理を行う。
この処理を繰り返すことで、分光計測画像ファイルの全ピクセルについて、PRI値が算出される。即ちステップS144で画像ファイルRefについて全ての画素の演算を終えたと判断される時点では、全ピクセル値がPRI値とされた植生指数画像ファイルRef_Pが生成できたことになる。そこで1つの分光計測画像ファイル(例えば画像ファイルRef)についての図6の処理を終える。
図5のステップS105として以上の処理を行ったら、CPU51はステップS105で、生成した植生指数画像ファイルRef_Pを植生指数バッファ23へ書き出す。
ステップS106でCPU51は、現在作成した植生指数画像ファイルが、リファレンス区域Arefに対応するものであるか(「Ref_P」であるか)否かを確認する。
即ちCPU51は区分情報PIとして得られた灌漑区分の情報とタグ情報TGを比較して、植生指数画像ファイルRef_Pを生成したのか否かを確認する。
この場合、例えば灌漑区分の情報と画像ファイルRefに付加されたタグ情報TG内の位置情報の比較により、今回生成したのはリファレンス区域Arefに対応する植生指数画像ファイルRef_Pであると判断することができる。
リファレンス区域Arefに対応する植生指数画像ファイルRef_Pを生成したと判断した場合、CPU51はステップS107でリファレンス値Vrefの算出を行う。即ち植生指数バッファ23から植生指数画像ファイルRef_Pを読み出す。
なお、植生指数バッファ23には、植生指数画像ファイルRef_Pは、少なくともステップS107で読み出される時点まで記憶されていれば良い。
そしてCPU51は例えば読み出した植生指数画像ファイルRef_Pの全ピクセルの平均値を求めるなど、上述した手法でリファレンス値Vrefを算出する。そしてステップS108に進む。
ステップS108でCPU51は、処理対象とする全ての分光計測画像ファイルについて植生指数の演算を終えたか否かを判断する。終えていなければステップS102に戻って他の分光計測画像ファイルについての処理を行う。
例えば次に画像ファイルM1についてステップS102~S106の処理を行うことになる。従ってCPU51はステップS102で画像ファイルM1を読み込み、ステップS103でタグ情報TGを読み取り、ステップS104で植生指数の演算を行う。つまり画像ファイルM1を対象として図6の処理を行う。これにより被計測区域A1に対応する植生指数画像ファイルM1_Pが生成されることになる。
図5のステップS105でCPU51は植生指数画像ファイルM1_Pを植生指数バッファ23に書き込む。
この場合は、CPU51はステップS106で、今回作成した植生指数画像ファイルはリファレンス区域Arefに対応するものではないと判断するため、ステップS107を経ずにステップS108に進み、残りの分光計測画像ファイルを確認する。
画像ファイルM2以降についても同様に処理が行われ、植生指数画像ファイルが生成されていく。
全ての分光計測画像ファイルについて植生指数の演算が終わったらCPU51はステップS109に進む。ここでは被計測区域A1,A2・・・の植生指数画像ファイルM1_P、M2_P・・・について順次、差分画像ファイルM1_DP、M2_DP・・・を生成していく処理を行う。
CPU51はステップS109で例えば植生指数画像ファイルM1_Pを植生指数バッファ23から読み出す。そしてステップS110で、植生指数画像ファイルM1_Pの画素毎に植生指数の値からリファレンス値Vrefを減算する。これにより全ての画素が差分値となった差分画像ファイルM1_DPが生成される。
CPU51はステップS111で、差分画像ファイルM1_DPを出力バッファ27に書き出す。
ステップS112でCPU51は、対象とする全ての被計測区域A1,A2・・・についての植生指数画像ファイルについて処理を終えたか否かを確認し、終えていなければステップS109に戻る。
そしてCPU51はステップS109で、他の植生指数画像ファイルM2_Pを植生指数バッファ23から読み出し、ステップS110で、植生指数画像ファイルM2_Pの画素毎に植生指数の値からリファレンス値Vrefを減算する。これにより全ての画素が差分値となった差分画像ファイルM2_DPが生成される。CPU51はステップS111で、差分画像ファイルM2_DPを出力バッファ27に書き出す。
ステップS112で、今回測定対象とした全ての被計測区域A1,A2・・・について植生指数画像ファイルについて処理を終えたと判断したら、CPU51はステップS113に進み、差分画像ファイルM1_DP、M2_DP・・・を出力する。例えば画像として差分画像ファイルM1_DP、M2_DP・・・を出力したり、差分画像ファイルM1_DP、M2_DP・・・に基づいて出力データを生成し、生成した出力データDoutを出力する。
これにより、被計測区域A1,A2・・・について生成されたストレス情報が出力されたことになる。
ここで第1の実施の形態における圃場の灌漑制御単位について図7で説明しておく。灌漑制御単位(1ha(10,000m2))程度でリファレンス区域Arefを作るケースである。
図7Aは、圃場における区域A0,A1,A2,A3を示している。各区域には灌水路12-0,12-1,12-2,12-3が敷かれており、それぞれ灌漑設定バルブ11-0,11-1,11-2,11-3により灌水量が調節可能である。
このような圃場において、場所・気象・育成ステージにごとに合わせた仮の灌漑設定として、灌漑設定バルブ11-0,11-1,11-2,11-3の開放量を50%、60%、90%、70%というように設定した場合を図7Bに示している。しかしこの設定が適切でないと各区域A0,A1,A2,A3について水ストレスが起こり得るので、各区域の水ストレス情報を求めることで、適切な灌水量が判断できる。
しかしこの場合、基準が存在しないため、正確な判断が困難である。例えば灌水量90%の区域A2についてはストレス情報として水ストレスが少ないという結果が得られたとしても、それが最適かどうかは判断できない。
なお、ここでの100%とは既存の灌漑手法における値で、場所・気象・育成ステージに合わせていない一定の値か、あるいはそれらの条件に十分に個別最適化できていない設定値である。例えばA0,A1,A2,A3というように場所が違っても一律十分な灌漑値を使うことを意味する。一般的に場所だけ考えても、その場所の排水性や土壌の成分の差で必要な灌漑量は異なる。
そこで実施の形態では上述のように、水ストレスのないリファレンス区域Arefを設けるようにし、リファレンス区域Arefの植生指数と被計測区域の植生指数との差分情報としてストレス情報を生成する。
このために図7Cのように、例えば区域A0をリファレンス区域Arefとし、100%の灌水量とする。その他の区域A1,A2,A3を、被計測区域A1,A2,A3とし、それぞれ然るべき灌水量を設定する。
このようにした上で上述のとおり水ストレスの情報を生成すれば、灌水量を削減したい場合に、灌水量が適切かを明確に判断できることになる。
例えば被計測区域A2,A3に対応する差分画像ファイルM2_DP、M3_DPとして顕著な差が観測できない(つまりリファレンス区域Arefとあまり変わらない)場合、これら被計測地域は灌漑が十分かあるいはさらなる削減の余地があり、被計測区域A1についての差分画像ファイルM1_DPで、顕著な差分が観測される場合、被計測地域A1は灌漑量を削減しすぎていることが明確にわかる。
<2.第2の実施の形態>
第2の実施の形態について図8で説明する。
なお、以降の各実施の形態の説明において説明済みの実施の形態と同様の構成部位については同一符号を付し、重複説明を避ける。
第2の実施の形態は、リファレンス区域Arefが被計測区域A(“A”はA1,A2・・・の総称とする)毎に、その被計測区域Aに隣接した区域として設けられている例である。
例えば図8に示すように、被計測区域A1内にはリファレンス区域Aref1が設けられ、被計測区域A2内にはリファレンス区域Aref2が設けられる。(この第2の実施の形態の場合、“Aref”はAref1、Aref2・・・の総称とする)
このため、撮像された分光計測画像としての画像ファイルM1,M2・・・には、被計測区域A(A1,A2・・・)の画像とリファレンス区域Aref(Aref1、Aref2・・・)の画像が混在することになる。
なお、この第2の実施の形態は、被計測区域Aとリファレンス区域Arefの画像が一緒に撮像される場合の例としている。リファレンス区域Arefは必ずしも図8のように、被計測区域Aに囲まれたような区域に限らず、被計測区域Aに挟まれた区域、被計測区域Aに隣に並んだ区域などでもよい。つまり圃場の区画として対応する被計測区域Aと隔てられていない区域としてリファレンス区域Arefが設けられればよい。
この図8では情報生成装置1の区分取得部24には、入力部33からの入力情報が区分情報PIとして入力される例を示している。
入力部33は、例えば図4の入力部57に相当するキーボード、マウス、リモートコントローラであったり、或いはスマートフォン等の携帯端末機器であって、スタッフが情報生成装置1に情報入力を行うことのできる機器である。
例えば、各被計測区域Aに対してリファレンス区域Arefがどのように配置されているかの情報が、区分情報PIとして入力される。
スタッフは、圃場にリファレンス区域Arefを形成したら、それに応じて情報(圃場における位置、範囲の情報)を入力すればよい。
画像ファイルM1,M2・・・には、被計測区域Aとリファレンス区域Arefの画像が混在することになる。例えば被計測区域A1とリファレンス区域Aref1は同時に撮像されるためである。
そのため、1つの画像ファイルM1,M2・・・については、それぞれ被計測区域Aとしての画像領域とリファレンス区域Arefとしての画像領域を分割する必要がある。
このため情報生成装置1では、画像分割部30としての機能を設けている。
画像分割部30は、区分取得部24が取得した区分情報PIに基づいて分割処理を行う。例えば分光計測画像としての画像ファイルM1から、被計測区域A1の画像領域とリファレンス区域Aref1の画像領域を分割する。
植生指数演算部22は分割された画像に基づいて、それぞれPRI値の演算を行い、植生指数画像ファイルRef_P1,M1_Pを生成する。
この場合、リファレンス区域Arefが被計測区域A毎に設けられているため、画像ファイルM1からは植生指数画像ファイルRef_P1,M1_Pが生成され、画像ファイルM2からは植生指数画像ファイルRef_P2,M2_Pが生成されていくということになる。
リファレンス値算出部25は、各被計測区域A毎にリファレンス値Vrefを算出する。即ち植生指数画像ファイルRef_P1を用いて植生指数画像ファイルM1_Pに対して用いるリファレンス値Vref1を生成し、また植生指数画像ファイルRef_P2を用いて植生指数画像ファイルM2_Pに対して用いるリファレンス値Vref2を生成するようにする。
このような情報生成装置1としてのコンピュータ装置100(CPU51)のストレス情報生成処理例を図9に示す。この図9は、基本的には図5,図6で説明した処理と同様である(図9において図5と同じ処理は同一のステップ番号を付している)。
但し、上述のように画像ファイルM1,M2・・・にリファレンス区域Arefの画像が混在するため、図5のステップS103とS104(図9のステップS104A)の間に、リファレンス区域Arefの画像と被計測区域Aの画像を分割する画像分割処理S120が加わることになる。
例えばCPU51はステップS120において、区分情報PI(タグ情報TGを含む)を用いて、画像ファイルM1の分光計測画像において、どの画素領域がリファレンス値Vref1の画像領域であるかを判定し、その画素領域をリファレンス区域Aref1の画像とし、他を被計測区域A1の画像とする。
そしてステップS104AでCPU51は、分割したリファレンス区域Aref1の画像を用いて図6の処理を行ってPRIを計算し、植生指数画像ファイルRef_P1を生成する。さらにCPU51は被計測区域A1の画像を用いて同じく図6の処理を行ってPRIを計算し、植生指数画像ファイルM1_Pを生成する。
ステップS105Aでは、これら植生指数画像ファイルRef_P1と植生指数画像ファイルM1_Pを植生指数バッファ23に書き出す。
そしてステップS107Aに進み、植生指数画像ファイルRef_P1を用いてリファレンス値Vref1を算出する。
その後、他の画像ファイルが未処理であれば、ステップS108からS102に戻る。例えば画像ファイルM2について同様の処理を行うことになる。
このような第2の実施の形態の場合、被計測区域A1,A2・・・に隣接してリファレンス区域Aref1,Aref2・・・が設けられているため、被計測区域Aとリファレンス区域Arefの画像が同時に得られ、特定の環境ストレス(例えば水ストレス)以外の環境条件(例えば日照、気温等)を同一にすることができる。特に農地が広大な場合に有効である。実際の農場のオペレーションでは、この方式は有用である。
ここで、水ストレスを特定の環境ストレスとする場合について、リファレンス区域Arefの形成手法の例を図10に示す。
図10には被計測区域A1,A2,A3,A4を示している。各被計測区域Aには、例えば灌漑チューブによる灌水路12-1,12-2,12-3,12-4が配設されている。
灌漑チューブは通常1畝(50cm-1m)間隔で埋めるが、一部だけ2本埋める。この部分がリファレンス区域Aref1,Aref2,Aref3,Aref4となる。
なお、2本埋めるほかに、リファレンス区域Arefとする箇所のみ、灌漑チューブの穴の径を太いものあるいは穴の間隔が短いものとしてもよい。
このようにすることで、圃場全体の灌漑量設定を減らしても部分的には十分灌漑できる区域を低コストで実現できる。
なお、この例では灌漑設定バルブ11-1,11-2,11-3,11-4の開放量を50%、60%、90%、70%というように設定した場合としている。
<3.第3の実施の形態>
第3の実施の形態の構成例を図11で説明する。
これは、第1の実施の形態と同様に被計測区域A1,A2・・・とは離間したリファレンス区域Arefを設ける場合において、リファレンス区域Arefの撮像及び植生指数画像ファイル生成を、被計測区域A1,A2・・・とは別個に随時行う例である。
例えばリファレンス区域Arefについては、定点カメラを設けて、所定時間おきに撮像を行う。もちろん飛行体200を所定時間おきに飛行させて撮像装置250で撮像してもよい。
そしてそのたびに植生指数画像ファイルRef_Pを生成していく。つまり各時刻に生成されたリファレンス区域Arefの植生指数画像ファイルRef_P(t1),Ref_P(t2),Ref_P(t3)・・・が生成されていく。
情報生成装置1には、撮像時刻抽出部31、時刻同期部32としての機能が設けられる。
撮像時刻抽出部31は、画像ファイルRef,M1,M2・・・について撮像時刻情報を抽出する。撮像時刻情報は区分情報PIとして区分取得部24に入力される。また撮像時刻情報は時刻同期部32に供給される。
時刻同期部32は、撮像時刻情報を、リファレンス値Vrefの算出のためにリファレンス値算出部25に供給する。
このような情報生成装置1としてのコンピュータ装置100(CPU51)のストレス情報生成処理を図12に示す。基本的には図5、図6で説明した処理と同様である(図12において図5とほぼ同様の処理は同一のステップ番号を付している)。但し、画像ファイルRefと画像ファイルM1,M2・・・が連続して入力されるわけではないため、以下のように撮像時刻を同期させる処理が加わる。
リファレンス区域Arefの画像ファイルRefは、撮像装置から逐次提供される。図11には画像ファイルRef(t1),Ref(t2)・・・として異なる時点の画像ファイルRefを示している。
これらの画像ファイルRef(t1),Ref(t2)・・・に対しては、CPU51は逐次図12のステップS101~S105の処理を行い、植生指数画像ファイルRef_P(t1),Ref_P(t2)・・・を生成していく。但し、この段階ではリファレンス値Vrefの算出は行われなくてよい。
被計測区域A1,A2・・・の画像ファイルM1,M2・・・を対象としても、図12の処理が行われる。この場合、図5と同様に、画像ファイルM1,M2・・・が順次処理対象とされて図12のステップS101~S105の処理が行われる。
例えばCPU51は画像ファイルM1についてステップS101~S105の処理を行い、植生指数画像ファイルM1_Pを生成する。
このときCPU51はステップS106Bで、被計測区域A1の画像を対象としていると判定することで、処理をステップS160に進め、当該画像ファイルM1と同時刻帯に撮像したリファレンス区域Arefの画像ファイルRefについての植生指数画像ファイルRef_Pを選択する。即ちこれは画像ファイル(Ref,M1,M2・・・)から抽出した撮像時刻情報を用いて同期をとる処理となる。
この同期処理により、例えば植生指数画像ファイルM1_Pについては、植生指数画像ファイルRef_P(t1)が同時刻帯のものとして該当したとする。
その場合ステップS161でCPU51は、植生指数画像ファイルRef_P(t1)を用いてリファレンス値Vref(t1)を生成する。CPU51は、このリファレンス値Vref(t1)を植生指数画像ファイルM1_Pに対応する値として記憶する。
次にCPU51は、例えば画像ファイルM2についてステップS101~S105の処理を行い、植生指数画像ファイルM2_Pを生成する。
このときCPU51はステップS106Bで、被計測区域A2の画像を対象としていると判定することで、処理をステップS160に進め、画像ファイルM2と同時刻帯に撮像したリファレンス区域Arefの画像ファイルRefについての植生指数画像ファイルRef_Pを選択する。そして植生指数画像ファイルM2_Pについては、植生指数画像ファイルRef_P(t2)が該当したとする。
その場合ステップS161でCPU51は、植生指数画像ファイルRef_P(t2)を用いてリファレンス値Vref(t2)を生成する。CPU51は、このリファレンス値Vref(t2)を植生指数画像ファイルM2_Pに対応する値として記憶する。
ステップS109~S113の処理は図5と同様である。但し、ステップS110におけるリファレンス値Vrefは、植生指数画像ファイルM1_P,M2_P・・・にそれぞれ対応したリファレンス値Vref(t1),Vref(t2)・・・が用いられることになる。
この第3の実施の形態は、例えば広大な農地の植生計測の場合に適している。
例えば1つの被計測区域Aの撮像のために飛行体200の飛行が10分を要するとし、被計測区域Aが20個あるとすると、被計測区域A1の撮像時刻と被計測区域A20の撮像時刻に200分の差が生じる。
このように被計測区域Aの計測に時間がかかると、リファレンス区域Arefの計測の時間と大きく異なる被計測区域Aが生じる。すると日照条件や気温などの環境条件が変化するから、被計測区域Aとリファレンス区域Arefで算出したい環境ストレス以外の条件が変化してしまう。
そこでリファレンス区域Arefの撮像は逐次行っておくようにする。すると各被計測区域A1~A20とほぼ同時刻で撮像されたリファレンス区域Arefの画像が存在することになり、それらにより対応する同時刻帯のリファレンス値Vrefを得ることができる。
従って特定の環境ストレス以外の環境条件をほぼ同一とした場合のリファレンス値Vrefにより、差分画像ファイルM1_DP,M2_DP・・・を得ることができる。
なお、図12の処理例では、リファレンス値Vrefの算出は、被計測区域Aの植生指数画像ファイル生成時にステップS161で行うものとしたが、リファレンス区域Arefの植生指数画像ファイルRef_P(t1),Ref_P(t2)・・・を生成する毎に、リファレンス値Vref(t1),Vref(t2)・・・を計算し記憶しておいてもよい。その場合、ステップS110の際に、対応するリファレンス値Vrefを撮像時刻情報を用いて選択するようにすればよい。
同時刻帯の判断は、他の環境条件がほぼ同じとみなすことのできる時間幅として設定されればよい。農地の場所、設備、気候等に応じて決められればよい。
<4.第4の実施の形態>
第4の実施の形態の構成例を図13に示す。
この実施の形態は、情報生成装置1において灌漑指示部35を設けたものである。また圃場においては特にリファレンス区域Arefを設けていない。
灌漑指示部35は、灌漑制御装置10に対して灌漑量を指示する。灌漑制御装置10は被計測区域A1についての灌漑設定バルブ11-1を駆動制御して被計測区域A1の灌水量をコントロールする。
例えば灌漑指示部35は、灌水量として100%灌水、90%灌水、80%灌水などを指示することができる。灌漑制御装置10はこの指示に応じて灌漑設定バルブ11-1を駆動制御する。
また灌漑指示部35は各時刻での灌水量の指示情報をリファレンス値算出部25に伝えるようにしている。
この構成の場合、被計測区域A1において、灌水量を100%としたときの撮像画像を画像ファイルRefとし、灌水量を減らしたとき(例えば灌水量70%としたときなど)の撮像画像を画像ファイルMとして用いることになる。
情報生成装置1としてのコンピュータ装置100(CPU51)のストレス情報生成処理は図5、図6と同様となる。
但しステップS106では、作成した植生指数画像ファイルが、リファレンスとしての植生指数画像ファイルRef_Pとなるか、被計測区域A1の植生指数画像ファイルM_Pとなるかを判定する。そしてリファレンスとしての植生指数画像ファイルRef_Pであった場合に、ステップS107でリファレンス値Vrefを算出するようにすればよい。
例えばCPU51は、100%灌水としたときの時刻が既知であるため、その時刻の画像ファイルを用いて生成された植生指数画像ファイルを植生指数画像ファイルRef_Pとして扱えばよい。
このように灌水量を意図的に制御して計測を行う場合の植生指数画像ファイルRef_P及び植生指数画像ファイルM_Pの生成について図14で説明する。
期間TM1は、灌漑制御を抑制状態(例えば灌水量70%とするなど)とする期間である。
この期間TM1において撮像される画像ファイルM(分光計測画像)からは、PRI値として高いストレス反応が観測される。
期間TM2は、灌漑制御を一時的に増加させた状態(例えば灌水量100%とするなど)とする期間である。
この期間TM2において撮像される画像ファイルRef(分光計測画像)からは、PRI値が低下し、ストレスなし状態が観測される。
従って、この期間TM2についての植生指数画像ファイルRef_Pから求めたリファレンス値Vrefを用いて、期間TM1についての植生指数画像ファイルM_Pとの差分演算を行えば、水ストレスに関して適切な差分画像ファイルM_DPが得られることになる。
以上の第4の実施の形態では、特定の環境を制御し、測定値に変化が現れるかどうかによって特定の環境ストレスが発生しているかどうかを測定するものであった。この時、特定の環境を段階的に制御し、ストレスがなくなる環境設定値(例えば温度であったり、灌漑量)を記録し、この値を最適な環境設定値として環境ストレス可変設備(例えば灌漑設定バルブ11-1)を自動的に制御することも考えられる。ここで、環境ストレス可変設備とは、植物の環境ストレスに対して直接的または間接的に影響を与えるために、環境の状態(水量や温度、CO2濃度など)を変化させる装置である。環境ストレス可変設備は、例示した灌漑設定バルブに限らず、例えば照明やヒーター、CO2発生器なども含まれる。
例えば、事前にさまざまな環境条件下(特定の環境ストレスに影響する条件を除く)での最適な環境設定値を記録しておき、差分値がプラス(ストレスあり)の場合にはその時点で最も近い条件下での環境設定値を目標値とした制御を行うようにする。具体的には灌漑指示部35によって灌漑制御装置10に指示を出し、被計測区域A1の灌水量(灌漑設定バルブ11-1)を制御する。すなわち、環境ストレス可変設備は、植物の環境ストレスが減少する方向に環境の状態を変化させるように制御される。
即ちリファレンス値Vrefとの差分情報に基づいて灌漑量等を調整する灌漑設定バルブ11-1を自動制御することで、観測結果に基づく望ましい灌漑制御が可能となる。
<5.灌漑量の設定>
続いて、以上の各実施の形態に採用できる灌漑量の設定手法の他の例について述べる。
各区域の灌漑量の設定の手法については先に図7、図10で例を述べたが、図15はさらに他の例を示している。
図15Aは灌水路12として用いる灌漑チューブ120を示している。灌漑チューブ120を購入した時点では、特に穴が空けられていない。例えば灌漑チューブ120を圃場へ設置する際に用いるトラクターに穴あけ機構を装備させる。そして灌漑チューブ120の設置時に、図15Cのように穴120Hを空けながら設置していくようにする。
この場合に、穴120Hの間隔を可変したり、穴径を異なるようにすることで、灌漑チューブ120の区間毎に灌水量を異なるようにすることができる。
図15Bには灌漑チューブ120の区間毎に灌水量を80%~200%にまで異なるように設定した例を示している。
この図15Bのようにした灌漑チューブ120を用いる例を図16Bに示す。図16Aは図15Bと同じ灌漑チューブ120を示している。
この図16Aの灌漑チューブ120を、図16Bのように被計測区域A1,A2,A3,A4の灌水路12-1,12-2,12-3,12-4として用いる。なお、図16Bでは被計測区域A1のみ全体として複数本の灌漑チューブ120を並列配置した状態を示し、被計測区域A2,A3,A4は省略して一部のみを示している。但し各被計測区域Aは複数本の灌漑チューブ120を並列配置することに限らず、1本の灌漑チューブ120を設置するものでもよい。
灌漑設定バルブ11-1,11-2,11-3,11-4については、それぞれバルブの開放を50%,60%,90%,70%としている。
このようにすると、図示のように圃場の各箇所で灌水量を細かく設定することができる。
そして各灌水量の区域を被計測区域A1,A2・・・とすれば、多様な灌水量について水ストレスの情報(差分画像ファイルM1_DP、M2_DP・・・)を得ることができる。
例えば灌漑量が50%に設定された被計測領域A1で、灌漑量がほぼ100%のリファレンス区域Aref1に加え、40%~90%の区域が存在する。50%までストレスが計測されない場合、最適の灌漑設定は50%が正しいことがわかる。これによって灌水量を変えながら測定を行うようなカットアンドトライを繰り返さなくても、どの程度の灌水量が最適かがわかりやすくなる。
<6.灌水路の破損検出>
ところで実施の形態の情報生成装置1によれば、灌漑チューブ120等によって形成される灌水路12の破損検出も可能である。
例えば図17では、4つのリファレンス区域Aref1,Aref2,Aref3,Aref4を示している。各リファレンス区域Aref1,Aref2,Aref3,Aref4は灌漑設定バルブ11-R1,11-R2,11-R3,11-R4によって灌水量が調整される。全てリファレンス区域Arefであるため、全て灌水量100%としている。
この4つのリファレンス区域Aref1,Aref2,Aref3,Aref4についての画像ファイルRefから植生指数画像ファイルRef_Pを生成し、リファレンス値Vrefを求める。
全て同じ水ストレスの状態であるため、それぞれのリファレンス値Vrefは、ほぼ同等の値になるはずである。
ところが例えばリファレンス区域Aref3は、灌漑設定バルブ11-R3に至る灌水路12が破損しており、ほぼ全域(斜線部)の灌水量が0%となっているとする。またリファレンス区域Aref4は、灌水路12-4の一部が破損し、斜線部に適切な灌水が行われていないとする。
このような場合、リファレンス区域Aref3やリファレンス区域Aref4について求めたリファレンス値Vrefは、リファレンス区域Aref1、Aref2について求めたリファレンス値Vrefと大きく異なる値となる。
これによりリファレンス区域Aref3、Aref4として例示したような場合、灌水チューブに破損が発生するなどして、適切な灌水が行われていないことが検出できる。
従って例えば第1の実施の形態において複数のリファレンス区域Arefを設け、それらのリファレンス区域Arefからのリファレンス値Vrefを比較することで、リファレンス区域Arefの異常判定を行うことができる。
リファレンス区域Arefに異常が生じていると、環境ストレス測定が適切に行うことができないため、この異常検出手法は有用となる。
また或るリファレンス区域Arefにおいて異常が検出されたら、他のリファレンス区域Arefの撮像画像を用いて上述の処理を行うようにすることが考えられる。
これによりリファレンス区域Arefの一部が異常となっても、適切なストレス測定を行うことができる。
リファレンス区域Arefをいくつ設置するかは、灌漑システムの故障率を踏まえて決めればよい。
ところで、この例はリファレンス区域Arefの異常検出の例としたが、リファレンス区域Aref、被計測区域Aに関わらず、異なる灌水経路ではあるが、同じ灌水量となる区域を複数設け、それらについての測定結果(例えばPRI平均値等)を比較して、異常検出を行うこともできる。
例えば広大な農場において灌漑チューブ120の破損等による灌水路12の異常を見つけることは容易ではない。そのため情報生成装置1の処理動作を利用して灌水路異常を検出できることはシステム活用としても好適である。
<7.他の環境ストレスの測定>
以上の実施の形態では、特定の環境ストレスとして水ストレスを計測する場合を例にして説明してきたが、もちろん他の環境ストレスについても実施の形態の技術は同様に適用できる。
例えば窒素ストレスを測定することも可能である。
第1の実施の形態のように、リファレンス区域Arefを設ける場合、図18Aのように区域設定を行う。リファレンス区域Arefは、施肥量を100%とし、被計測区域A1,A2,A3はそれぞれ施肥量を90%、80%、70%とする。
このようにした状態で、第1の実施の形態の処理を行うことで、どの程度の施肥量が適切であるかを判断するための差分画像ファイルM1_DP,M2_DP,M3_DPを得ることができる。
第2の実施の形態に適用する場合は、図18Bのように区域設定を行う。例えば被計測区域A1,A2,A3,A4はそれぞれ施肥量を90%、80%、70%、60%とする。そして各区域に隣接して、施肥量を100%としたリファレンス区域Aref1,Aref2,Aref3,Aref4を設ける。
このようにした状態で、第2の実施の形態の処理を行うことで、どの程度の施肥量が適切であるかを判断するための差分画像ファイルM1_DP,M2_DP,M3_DP,M4_DPを得ることができる。
もちろん、植生指数はPRI等のストレスを示す指数ではなく、成長結果を示す指数、NDVIでもよい。
NDVI画像を目視でみてラインが見られたら、施肥が適切で無いと判断できる。リファレンス区域Arefのラインが目視できる場合とは、リファレンス区域Arefと被計測区域Aの植生状態が異なる状態となっている場合であるためである。
実施の形態で測定可能な植生の環境ストレスの種類は、水ストレスや窒素ストレスの他にも、低温ストレス、高温ストレス、乾燥ストレス、CO2不足によるストレスなどが想定される。
<8.まとめ及び変形例>
以上の実施の形態によれば以下の効果が得られる。
実施の形態の情報生成装置1によるストレス情報生成方法は、植生の撮像画像を用いて植生情報を求める植生情報取得手順(図5のS104、図6)と、特定の環境ストレスがない状態の植生情報の基準植生情報(リファレンス値Vref)を求める基準植生情報取得手順(図5のS107、図9のS107A、図12のS161)と、環境ストレスに関する情報として、特定の環境ストレスがありうる状態の植生の撮像画像から得られた植生情報と基準植生情報との差分情報を得る差分取得手順(S109,S110,S111)とを行う。
例えば水ストレスなどの特定の環境ストレスが無い状態を基準として基準植生情報(リファレンス値Vref)を求め、特定の環境ストレスがありうる区域の撮像画像から得られた植生情報についての基準植生情報との差分を求めることで、当該特定の環境ストレスについての情報を精度良くかつ比較的容易に得ることができる。
特に野外の圃場のような複数の環境ストレスが同時に起こりうる環境で、特定の環境ストレスを把握することが可能になり、環境ストレス原因の弁別とその結果を用いた作物管理の最適化が可能になる。
またこれにより、灌漑水量の削減や肥料の削減などが望まれる場合などに、それらの実行による環境ストレスが植生に影響を与えない範囲を的確に把握できる。従って適切な灌漑水量の削減や肥料の削減のための極めて有用な情報を提供できる。
なお、撮像画像に基づく処理について説明したが、画像に限られない。例えば波長帯成分などを撮像した植生の撮像信号を用いて植生情報を求めることもできる。
第1、第2、第3の実施の形態においては、特定の環境ストレスがない状態とされたリファレンス区域Arefの撮像画像(画像ファイルRef)からリファレンス区域の植生情報(植生指数画像ファイルRef_P)を求める。また特定の環境ストレスがありうる状態とされた被計測区域A1,A2・・・の撮像画像M1,M2・・・から被計測区域の植生情報(植生指数画像ファイルM1_P、M2_P等)を求める。そしてリファレンス区域Arefの植生情報を用いてリファレンス値Vrefを算出し、計測区域の植生情報とリファレンス値Vrefの差分演算を行うことで、差分情報(差分画像ファイルM1_DP,M2_DP等)を求めている。
例えば圃場の一部をリファレンス区域Arefとする。そのリファレンス区域Arefは例えば水ストレスが無い状態とする。圃場の他の部分を被計測区域A(A1,A2・・・)とし、灌漑条件が異なる状態とする。
このように区域を分けることで、他の環境ストレスを略同様にしたうえで、例えば水ストレスなど特定の環境ストレスが異なる状態を形成することができる。そしてリファレンス区域Arefと被計測区域Aについてほぼ同時刻に撮像を行うことで、それらの撮像画像から例えば水ストレスに関する情報(差分画像ファイルM1_DP,M2_DP等)を精度良く得ることができる。
第1の実施の形態では、リファレンス区域Arefは、被計測区域Aとは離間した場所に設けられている。
この場合、リファレンス区域Arefを特定の環境ストレスが無い区域とし、被計測区域Aを特定の環境ストレスがありうる区域とすることが容易になる。
例えば灌漑設備が被計測区域Aとは異なる区域としてリファレンス区域Arefを設ければ、各灌漑設備による灌水量を調整することで、水ストレスがないリファレンス区域Arefと水ストレスがありうる被計測区域Aの設定が容易である。
第2の実施の形態では、リファレンス区域Arefは、被計測区域A毎に、被計測区域Aと隣接して設けられる例を挙げた。
例えば被計測区域Aと同じ灌漑制御単位内に、リファレンス区域Arefを設ける。
これによりリファレンス区域Arefと被計測区域Aを、ほぼ同時刻で撮像することが容易となる。例えばリファレンス区域Arefを被計測区域Aと同じ撮像画像内に納めることも可能となる。
特に、広大な農場を想定した場合、第1の実施の形態のようにリファレンス区域Arefを離間して設けると、同時刻帯の撮像が困難になることが生ずる場合がある。この場合、リファレンス区域Arefと被計測区域Aでの、他の環境条件が異なってしまう恐れがある。これを避けてなるべく同じ時刻に撮像するには、複数の飛行体250により撮像を行ったり、各所に定点カメラを設けるなどが必要になり、設備コスト、運用コストが高くなる。
第2の実施の形態のようにすることで、これらのコストアップを生じさせずに、リファレンス区域Arefと被計測区域Aを、ほぼ同時刻で撮像することが可能となる。つまりリファレンス区域Arefと被計測区域Aの画像として、特定の環境ストレスのみが異なった環境条件の画像を得ることが容易かつ低コストで可能となる。
第3の実施の形態では、被計測区域Aについての植生情報との差分演算を行う基準植生情報(リファレンス値Vref)を、当該植生情報を求めた撮像画像と同時刻帯と判定されるリファレンス区域Arefの撮像画像から求めた植生情報を用いて算出するようにしている。
撮像装置の数、種類、性能などの機材的事情や、農場の広さなどの事情により、被計測区域Aとリファレンス区域Arefについて、同時刻帯に撮像することができる場合もあれば、同時刻帯には撮像できない場合もある。時刻帯が異なると、日照条件や気温など環境条件が変化することで、算出したい特定の環境ストレス以外の条件が変化してしまう。そこで、撮像画像に付加されている撮像日時情報を用いてリファレンス値Vrefを算出するための植生情報を選択するようにする。
これによりリファレンス区域Arefと被計測区域Aを同時刻で撮像できない場合でも、同時刻帯でほぼ同じ環境条件における被計測区域Aの植生情報と、リファレンス区域Arefの植生情報(植生情報から求めたリファレンス値Vref)の比較を行うことができる。従って差分情報は、測定したい特定の環境ストレス(例えば水ストレス)を的確に表現した値となり、測定の信頼性を向上させることができる。
なお同時刻帯とは、他の環境条件がほぼ同一と推定される時間幅などとして設定されればよい。
第4の実施の形態では、被計測区域Aを特定の環境ストレスがない状態としたときに撮像した第1の撮像画像(画像ファイルRef)から植生情報(植生指数画像ファイルRef_P)を求めるとともに、被計測区域Aを特定の環境ストレスがありうる状態としたときに撮像した第2の撮像画像(画像ファイルM)から植生情報(植生指数画像ファイルM_P)を求める。そして第1の撮像画像から求めた植生情報を用いて基準植生情報(リファレンス値Vref)を算出し、第2の撮像画像から求めた植生情報(植生指数画像ファイルM_P)とリファレンス値Vrefの差分演算を行うようにしている。
同一の被計測区域Aにおいて、例えば水ストレス等の特定の環境ストレスを可変制御することで、差分演算による特定の環境ストレスの情報を精度良く得ることができる。
またこの場合、被計測区域とは別にリファレンス区域Arefを用意する必要はない。
また、育成環境を動的に制御し、環境ストレスを変えて測定することによれば、環境によらず(例えば天候待ちにならず)、特定の環境ストレスに関する計測が可能にもなる。
なお、この第4の実施の形態では、水ストレスを計測するために、灌漑システムの灌漑量を制御し土壌水分量を変化させる例を述べたが、特定の環境ストレスの制御としては、次のような手法が考えられる。
例えば低温・高温ストレスを計測するために、空調を制御し気温を変化させるようにすることが考えられる。
また乾燥ストレスを計測するために、空調を制御し飽差を変化させることが考えられる。
またCO2不足によるストレスを計測するために、二酸化炭素発生装置を制御しCO2濃度を変化させることが考えられる。
第1~第4の実施の形態では、差分情報としての画像情報(差分画像ファイルM1_DP等)を生成する例を述べた。即ち特定の環境ストレスがありうる状態の植生の撮像画像から得られた植生情報と基準植生情報(リファレンス値Vref)との差分を表す画像情報である。
このような圃場の各位置に対応したストレス状態を表す画像情報を生成することで、人(スタッフ)が各場所のストレス状態を容易に認識できる情報を提供できる。
第1~第4の実施の形態では、基準植生情報(リファレンス値Vref)の算出において、特定の環境ストレスがない状態の植生情報の平均値算出を行う例を述べた。
算出過程で平均値を用いることで、例えばリファレンス区域内での固体毎のばらつきを吸収して適切なリファレンス値Vrefを得ることができる。
第1~第4の実施の形態の情報生成装置1は、植生の撮像画像を用いて植生情報を求める植生指数演算部22と、特定の環境ストレスに関する基準植生情報(リファレンス値Vref)を求める基準植生情報取得部(リファレンス値算出部25)と、植生情報と特定の環境ストレスに関する基準植生情報との差分情報を得る差分演算部26とを備える。
この情報生成装置1により、或る植生の状態を基準として測定対象の区域の撮像画像から得られた植生情報についての基準植生情報との差分を求めることができる。この差分によって基準状態と比較した植生に対するストレス状態の評価を行うことが可能となる。
なお、基準植生情報は、予め取得しておいたものを用いる場合もある。
また、差分演算部26が生成する差分情報は、定量的な数値を示すものであってもよいし、プラス/マイナスのように大小関係だけを示すものであってもよい。例えばプラスの場合にはストレス有り、マイナスの場合にはストレスなしを示すような値でもよい。
つまり差分情報はストレスの有無または度合を示すものであればよい。
第1~第4の実施の形態の情報生成装置1においては、外部の撮像装置による撮像画像データを取得する画像取得部21を備える。
例えば外部の撮像装置として、撮像装置250を搭載した飛行体200や、定点カメラ、或いは人が所持するカメラ等が想定される。
これらの撮像装置から有線伝送又は無線伝送で送信されてくる画像を受信したり、記憶媒体から読み出すことなどにより、情報生成装置1は圃場における植生の撮像画像を得ることができる。この撮像画像を処理対象として取得することで、コンピュータ装置100等において情報生成装置1としての処理を行うことができる。
第1~第3の実施の形態の情報生成装置1においては、画像取得部21で取得した撮像画像データについて、特定の環境ストレスがない状態の植生情報の撮像画像と、特定の環境ストレスがありうる状態の植生情報の撮像画像とを区分するための区分情報PIを取得する区分取得部24を備える。
画像取得部21で取得した画像については、リファレンス区域Arefの画像か被計測区域Aの画像であるかを区別する必要がある。
そこで位置情報、時刻情報、手動入力による指定情報などを区分情報として受け付け、画像の区別ができるようにしている。これにより取得した画像を正しく扱って、ストレス情報生成を行うことができる。
第1~第3の実施の形態の情報生成装置1では、区分情報PIに基づいて、特定の環境ストレスがない状態の植生情報の撮像画像から求められた植生情報を判定し、該判定した植生情報を用いて基準植生情報(リファレンス値Vref)を求める
これにより基準植生情報を正確に特定の環境ストレスがない状態の植生情報から求めることができる。即ちリファレンス区域Arefの植生指数画像ファイルRef_Pを用いてリファレンス値Vrefを算出することができる。
第2の実施の形態の情報生成装置1では、画像取得部21で取得した撮像画像データについて、特定の環境ストレスがない状態の植生情報の撮像画像と、特定の環境ストレスがありうる状態の植生情報の撮像画像とに分割する画像分割部30を備える。
即ち第2の実施の形態の場合、画像取得部21で取得した画像ファイル(M1,M2・・・)については、リファレンス区域Arefの画像と被計測区域A(A1,A2・・・)の画像が混在する。このように1つの撮像画像内にリファレンス区域Arefの画像と被計測区域Aの画像が混在する場合に、それらの区域の画像を分割抽出する。
これにより取得した画像を正しく扱って、ストレス情報生成を行うことができる。
第3の実施の形態の情報生成装置1では、特定の環境ストレスがありうる状態の植生情報に対する基準植生情報(リファレンス値Vref)を、当該植生情報を求めた撮像画像と同時刻帯と判定される、特定の環境ストレスがない状態の撮像画像から求めた植生情報を用いて算出するようにしている。
第3の実施の形態の場合のように、時刻帯を考慮して植生指数画像ファイルRef_Pを選択することで、植生指数画像ファイルM1_P、M2_P・・・と同時刻帯の撮像画像に基づくリファレンス値Vrefを算出することができる。これは例えばPRI値などの特定の環境ストレス以外の環境条件をほぼ同一とした場合の基準植生情報とすることができるため、求められる差分画像ファイルM1_DP、M2_DP・・・は、特定の環境ストレスを適切に表現した情報となる。即ち特定の環境ストレスの計測情報の精度を向上させることができる。
なお、第1,第2の実施の形態も、基本的には同一時刻帯の画像を用いてリファレンス値Vrefを算出できるため、同様に高精度の測定が可能である。
第4の実施の形態の情報生成装置1では、圃場を、特定の環境ストレスがない状態と、特定の環境ストレスがありうる状態に変更する指示を行う指示部(灌漑指示部35)を備えている。即ち灌漑設備を制御して、或る圃場を水ストレスがありうる状態とない状態に変更できるようにする。
これにより、同一の区域についても特定の環境ストレスがない状態と、特定の環境ストレスがありうる状態を設定することができる。
第1~第4の実施の形態の情報生成装置1においては、差分演算部26では、差分情報としての画像情報(差分画像ファイルM1_DP等)を生成するとともに、この画像情報を出力する画像出力部28を備えている。
画像として出力することで、農場スタッフが視覚的にはわかりやすく環境ストレスを認識できる情報を提供できる。
また第1~第4の実施の形態の情報生成装置1においては、基準植生情報取得部(リファレンス値算出部25)は、植生指数演算部22が特定の環境ストレスがない状態の植生の撮像画像から得た植生情報を用いて基準植生情報(リファレンス値Vref)を求めるようにしている。
この情報生成装置1により、例えば水ストレスなどの特定の環境ストレスが無い状態を基準としてリファレンス値Vrefを求め、特定の環境ストレスがありうる区域の撮像画像から得られた植生情報についてのリファレンス値Vrefとの差分を求めることができる。
本発明の実施の形態のプログラムは、コンピュータ装置100のCPU51に、植生の撮像画像を用いて植生情報を求める植生情報演算処理と、特定の環境ストレスに関する基準植生情報を求める基準植生情報取得処理と、植生情報と基準植生情報との差分情報を得る差分取得処理とをコンピュータに実行させるプログラムである。
より具体的には、コンピュータ装置100のCPU51に、植生の撮像画像を用いて植生情報を求める植生情報演算処理と、特定の環境ストレスがない状態の植生情報の基準植生情報を求める基準植生情報取得処理と、環境ストレスに関する情報として、特定の環境ストレスがありうる状態の植生の撮像画像から得られた植生情報と基準植生情報との差分情報を得る差分取得処理とを実行させるプログラムである。
即ち図5、図6(又は図9,図12)の処理をコンピュータ100に実行させるプログラムである。
このようなプログラムにより本実施の形態の情報生成装置1の実現が容易となる。
そしてこのようなプログラムはコンピュータ装置等の機器に内蔵されている記録媒体や、CPUを有するマイクロコンピュータ内のROM等に予め記憶しておくことができる。あるいはまた、半導体メモリ、メモリカード、光ディスク、光磁気ディスク、磁気ディスクなどのリムーバブル記録媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記憶)しておくことができる。またこのようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウェアとして提供することができる。
また、このようなプログラムは、リムーバブル記録媒体からパーソナルコンピュータ等にインストールする他、ダウンロードサイトから、LAN、インターネットなどのネットワークを介してダウンロードすることもできる。
なお、本明細書に記載された効果はあくまでも例示であって限定されるものではなく、また他の効果があってもよい。
なお本技術は以下のような構成も採ることができる。
(1)植生の撮像信号を用いて植生情報を求める植生情報取得手順と、
前記植生情報と特定の環境ストレスに関する基準植生情報との差分情報を得る差分取得手順と、
を行う情報生成方法。
(2)前記植生情報取得手順では、前記特定の環境ストレスがない状態とされたリファレンス区域の撮像信号から前記リファレンス区域の植生情報を求めるとともに、前記特定の環境ストレスがありうる状態とされた被計測区域の撮像信号から前記被計測区域の植生情報を求め、
基準植生情報取得手順として、前記リファレンス区域の植生情報を用いて前記基準植生情報を取得し、
前記差分取得手順では、前記被計測区域の植生情報と前記基準植生情報の差分演算を行う
上記(1)に記載の情報生成方法。
(3)前記基準植生情報取得手順では、
前記被計測区域についての植生情報との差分演算を行う前記基準植生情報を、当該植生情報を求めた撮像信号と同時刻帯と判定される前記リファレンス区域の撮像信号から求めた植生情報を用いて算出する
上記(2)に記載の情報生成方法。
(4)前記植生情報取得手順では、被計測区域を前記特定の環境ストレスがない状態としたときに撮像した第1の撮像信号から植生情報を求めるとともに、前記被計測区域を前記特定の環境ストレスがありうる状態としたときに撮像した第2の撮像信号から植生情報を求め、
前記基準植生情報取得手順では、前記第1の撮像信号から求めた植生情報を用いて前記基準植生情報を算出し、
前記差分取得手順では、前記第2の撮像信号から求めた植生情報と前記基準植生情報の差分演算を行う
上記(2)に記載の情報生成方法。
(5)前記撮像信号は、撮像画像である
請求項1に記載の情報生成方法。
上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の情報生成方法。
(6)前記差分取得手順では、前記差分情報としての画像情報を生成する
上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の情報生成方法。
(7)前記基準植生情報取得手順では、
前記基準植生情報の算出において、前記特定の環境ストレスがない状態の植生情報の平均値算出を行う
上記(2)乃至(4)のいずれかに記載の情報生成方法。
(8)前記特定の環境ストレスは、水ストレス、低温ストレス、高温ストレス、乾燥ストレス、二酸化炭素不足ストレス、窒素ストレスのうちのいずれかである
上記(1)乃至(7)のいずれかに記載の情報生成方法。
(9)前記植生情報は、PRI、クロロフィル蛍光の大きさ、クロロフィル蛍光インデックス、又はステート遷移反射率のいずれかである
上記(1)乃至(8)のいずれかに記載の情報生成装置。
(10)植生の撮像信号を用いて植生情報を求める植生情報取得部と、
前記植生情報と特定の環境ストレスに関する基準植生情報との差分情報を得る差分取得部と、を備えた
情報生成装置。
(11)前記特定の環境ストレスがない状態の植生の撮像信号から得た植生情報を用いて前記基準植生情報を求める基準植生情報取得部を更に備えた、
上記(10)に記載の情報生成装置。
(12)外部の撮像装置による撮像信号として撮像画像データを取得する画像取得部を更に備えた
上記(10)又は(11)に記載の情報生成装置。
(13)前記画像取得部で取得した撮像画像データについて、
前記特定の環境ストレスがない状態の植生情報の撮像画像と、前記特定の環境ストレスがありうる状態の植生情報の撮像画像とを区分するための区分情報を取得する区分取得部を備えた
上記(12)に記載の情報生成装置。
(14)前記基準植生情報取得部は、前記区分情報に基づいて、前記特定の環境ストレスがない状態の植生情報の撮像画像から求められた植生情報を判定し、該判定した植生情報を用いて前記基準植生情報を求める
上記(13)に記載の情報生成装置。
(15)前記画像取得部で取得した撮像画像データについて、
前記特定の環境ストレスがない状態の植生情報の撮像画像と、前記特定の環境ストレスがありうる状態の植生情報の撮像画像とに分割する画像分割部を備えた
上記(12)に記載の情報生成装置。
(16)前記基準植生情報取得部は、
前記特定の環境ストレスがありうる状態の植生情報に対する前記基準植生情報を、当該植生情報を求めた撮像信号と同時刻帯と判定される、前記特定の環境ストレスがない状態の撮像信号から求めた植生情報を用いて算出する
上記(11)に記載の情報生成装置。
(17)圃場を、前記特定の環境ストレスがない状態と、前記特定の環境ストレスがありうる状態に変更する指示を行う指示部を備えた
上記(10)乃至(16)のいずれかに記載の情報生成装置。
(18)前記差分取得部により得られた差分情報に基づいて、環境ストレス可変設備を制御する指示部を備えた
上記(10)乃至(17)のいずれかに記載の情報生成装置。
(19)前記差分取得部では、前記差分情報としての画像情報を生成するとともに、
前記画像情報を出力する画像出力部を備えた
上記(10)乃至(18)のいずれかに記載の情報生成装置。
(20)前記基準植生情報取得部は、
前記植生情報取得部が前記特定の環境ストレスがない状態の植生の撮像信号から得た植生情報を用いて前記基準植生情報を求める
上記(11)に記載の情報生成装置。
(21)植生の撮像信号を用いて植生情報を求める植生情報演算処理と、
前記植生情報と特定の環境ストレスに関する基準植生情報との差分情報を得る差分取得処理と
をコンピュータに実行させるプログラム。
1…情報生成装置、10…灌漑制御装置、11,11-R,11-1,11-2…灌漑設定バルブ(バルブ)、12、12-R,12-1,12-2…灌水路、21…画像取得部、22…植生指数演算部、23…植生指数バッファ、24…区分取得部、25…リファレンス値算出部、26…差分演算部、27…出力バッファ、28…画像出力部、29…出力データ生成部、30…画像分割部、31…撮像時刻抽出部、32…時刻同期部、33…入力部、35…灌漑指示部、51…CPU、52…ROM、53…RAM、Aref…リファレンス区域、A1,A2,A3,A4…被計測区域、100…コンピュータ装置、200…飛行体、250…撮像装置

Claims (21)

  1. 植生の撮像信号を用いて植生情報を求める植生情報取得手順と、
    特定の環境ストレスがない状態とされたリファレンス区域又は被計測区域の植生情報を用いて前記特定の環境ストレスに関する基準植生情報を取得する、基準植生情報取得手順と、
    前記被計測区域の前記植生情報と前記基準植生情報を用いて差分情報を得る差分取得手順と、
    を行う情報生成方法。
  2. 前記植生情報取得手順では、前記特定の環境ストレスがない状態とされた前記リファレンス区域の撮像信号から前記リファレンス区域の植生情報を求めるとともに、前記特定の環境ストレスがありうる状態とされた前記被計測区域の撮像信号から前記被計測区域の植生情報を求め、
    前記基準植生情報取得手順では、前記リファレンス区域の植生情報を用いて前記基準植生情報を取得し、
    前記差分取得手順では、前記被計測区域の植生情報と前記基準植生情報の差分演算を行う
    請求項1に記載の情報生成方法。
  3. 前記基準植生情報取得手順では、
    前記被計測区域についての植生情報との差分演算を行う前記基準植生情報を、当該植生情報を求めた撮像信号と同時刻帯と判定される前記リファレンス区域の撮像信号から求めた植生情報を用いて算出する
    請求項2に記載の情報生成方法。
  4. 前記植生情報取得手順では、前記被計測区域を前記特定の環境ストレスがない状態としたときに撮像した第1の撮像信号から植生情報を求めるとともに、前記被計測区域を前記特定の環境ストレスがありうる状態としたときに撮像した第2の撮像信号から植生情報を求め、
    前記基準植生情報取得手順では、前記第1の撮像信号から求めた植生情報を用いて前記基準植生情報を算出し、
    前記差分取得手順では、前記第2の撮像信号から求めた植生情報と前記基準植生情報の差分演算を行う
    請求項1に記載の情報生成方法。
  5. 前記撮像信号は、撮像画像である
    請求項1に記載の情報生成方法。
  6. 前記差分取得手順では、前記差分情報としての画像情報を生成する
    請求項1に記載の情報生成方法。
  7. 前記基準植生情報取得手順では、
    前記基準植生情報の算出において、前記特定の環境ストレスがない状態の植生情報の平均値算出を行う
    請求項2に記載の情報生成方法。
  8. 前記特定の環境ストレスは、水ストレス、低温ストレス、高温ストレス、乾燥ストレス、二酸化炭素不足ストレス、窒素ストレスのうちのいずれかである
    請求項1に記載の情報生成方法。
  9. 前記植生情報は、PRI、クロロフィル蛍光の大きさ、クロロフィル蛍光インデックス、又はステート遷移反射率のいずれかである
    請求項1に記載の情報生成方法。
  10. 植生の撮像信号を用いて植生情報を求める植生情報取得部と、
    特定の環境ストレスがない状態とされたリファレンス区域又は被計測区域の植生情報を用いて前記特定の環境ストレスに関する基準植生情報を取得する、基準植生情報取得部と、
    前記被計測区域の前記植生情報と前記基準植生情報を用いて差分情報を得る差分取得部と、を備えた
    情報生成装置。
  11. 前記基準植生情報取得部は、
    前記特定の環境ストレスがない状態の植生の撮像信号から得た植生情報を用いて前記基準植生情報を求める
    請求項10に記載の情報生成装置。
  12. 外部の撮像装置による撮像信号として撮像画像データを取得する画像取得部を更に備えた
    請求項10に記載の情報生成装置。
  13. 前記画像取得部で取得した撮像画像データについて、
    前記特定の環境ストレスがない状態の植生情報の撮像画像と、前記特定の環境ストレスがありうる状態の植生情報の撮像画像とを区分するための区分情報を取得する区分取得部を備えた
    請求項12に記載の情報生成装置。
  14. 前記基準植生情報取得部は、前記区分情報に基づいて、前記特定の環境ストレスがない状態の植生情報の撮像画像から求められた植生情報を判定し、該判定した植生情報を用いて前記基準植生情報を求める
    請求項13に記載の情報生成装置。
  15. 前記画像取得部で取得した撮像画像データについて、
    前記特定の環境ストレスがない状態の植生情報の撮像画像と、前記特定の環境ストレスがありうる状態の植生情報の撮像画像とに分割する画像分割部を備えた
    請求項12に記載の情報生成装置。
  16. 前記基準植生情報取得部は、
    前記特定の環境ストレスがありうる状態の植生情報に対する前記基準植生情報を、当該植生情報を求めた撮像信号と同時刻帯と判定される、前記特定の環境ストレスがない状態の撮像信号から求めた植生情報を用いて算出する
    請求項11に記載の情報生成装置。
  17. 圃場を、前記特定の環境ストレスがない状態と、前記特定の環境ストレスがありうる状態に変更する指示を行う指示部を備えた
    請求項10に記載の情報生成装置。
  18. 前記差分取得部により得られた差分情報に基づいて、環境ストレス可変設備を制御する指示部を備えた
    請求項10に記載の情報生成装置。
  19. 前記差分取得部では、前記差分情報としての画像情報を生成するとともに、
    前記画像情報を出力する画像出力部を備えた
    請求項10に記載の情報生成装置。
  20. 前記基準植生情報取得部は、
    前記植生情報取得部が前記特定の環境ストレスがない状態の植生の撮像信号から得た植生情報を用いて前記基準植生情報を求める
    請求項11に記載の情報生成装置。
  21. 植生の撮像信号を用いて植生情報を求める植生情報演算処理と、
    特定の環境ストレスがない状態とされたリファレンス区域又は被計測区域の植生情報を用いて前記特定の環境ストレスに関する基準植生情報を取得する、基準植生情報取得処理と、
    前記被計測区域の前記植生情報と前記基準植生情報を用いて差分情報を得る差分取得処理と、
    をコンピュータに実行させるプログラム。
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