JP7172171B2 - 顔料用分散剤、顔料分散体及びポリマーの製造方法 - Google Patents
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Description
複数の液体を混合可能な流路を備えるマイクロリアクターを用いて、有機リチウム重合開始剤、1,1-ジフェニルエチレン、及び3級アミノ基を有するモノマーをマイクロリアクター内の流路へ導入してリビングアニオン重合させ、片末端に有機リチウム重合開始剤残基、1,1-ジフェニルエチレンが重合したポリマーブロック、及び3級アミノ基を有するポリマーブロックが順次結合した中間重合体を製造する。
前記中間重合体と、アルキル基を有するモノマーとを前記マイクロリアクターに導入し、前記マイクロリアクター内で、前記中間重合体の成長末端に前記アルキル基を有するモノマーをリビングアニオン重合させ、前記中間重合体の3級アミノ基を有するポリマーブロック側にアルキル基を有するポリマーブロックが結合したブロック共重合体を製造する。
前記ブロック共重合体が有する3級アミノ基と塩化ベンジルとを反応させ、4級アンモニウム塩化する。
複数の液体を混合可能な流路を備えるマイクロリアクターを用いて、有機リチウム重合開始剤、1,1-ジフェニルエチレン、及び3級アミノ基を有するモノマーを必須として、必要に応じて芳香族基を有するモノマーをマイクロリアクター内の流路へ導入してリビングアニオン重合させ、有機リチウム重合開始剤残基、1,1-ジフェニルエチレンが重合したポリマーブロック、並びに3級アミノ基を有するポリマーブロック、又は3級アミノ基及び芳香族基を有するポリマーブロックが順次結合した中間重合体(1)を製造する。
前記中間重合体(1)と、アルキル基を有するモノマーとを前記マイクロリアクターに導入し、前記マイクロリアクター内で、前記中間重合体(2)の成長末端に前記アルキル基を有するモノマーをリビングアニオン重合させ、前記中間重合体(1)のアミノ基及び芳香族基を有するポリマーブロック側にアルキル基を有するポリマーブロックが結合したブロック共重合体を製造する。
前記ブロック共重合体が有する3級アミノ基とハロゲン化有機化合物とを反応させ、4級アンモニウム塩化する。
複数の液体を混合可能な流路を備えるマイクロリアクターを用いて、有機リチウム重合開始剤、1,1-ジフェニルエチレン、及び芳香族基を有するモノマーをマイクロリアクター内の流路へ導入してリビングアニオン重合させ、有機リチウム重合開始剤残基、1,1-ジフェニルエチレンが重合したポリマーブロック、及び芳香族基を有するポリマーブロックが順次結合した中間重合体(1)を製造する。
前記中間重合体(1)と、3級アミノ基を有するモノマーとを前記マイクロリアクターに導入し、前記マイクロリアクター内で、前記中間重合体(1)の成長末端に前記3級アミノ基を有するモノマーをリビングアニオン重合させ、前記中間重合体(1)の芳香族基を有するポリマーブロック側に3級アミノ基を有するポリマーブロックを有する中間重合体(2)を製造する。
前記中間重合体(2)と、アルキル基を有するモノマーとを前記マイクロリアクターに導入し、前記マイクロリアクター内で、前記中間重合体(2)の成長末端に前記アルキル基を有するモノマーをリビングアニオン重合させ、前記中間重合体(2)の3級アミノ基を有するポリマーブロック側にアルキル基を有するポリマーブロックが結合したブロック共重合体を製造する。
前記ブロック共重合体が有する3級アミノ基とハロゲン化有機化合物とを反応させ、4級アンモニウム塩化する。
本実施例で用いたマイクロリアクターは、T字型の管継手からなるマイクロミキサーと、前記マイクロミキサーの下流に連結されたチューブリアクターとを含んで構成される。前記マイクロミキサーとしては、三幸精機工業株式会社製の特注品を使用した(本実施例の記載に基づいて製造を依頼し、同等のものを入手することが可能である)。なお、本実施例で使用したマイクロミキサーは、その内部に第一の導入路、第二の導入路及びこれらが合流する流路の一部を有し、前記マイクロミキサー内においては、そのいずれの内径も同じである。したがって、以下、これらの内径をまとめて「マイクロミキサーの内径」という。
実施例及び比較例で得られたポリマーの数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により、下記の条件で測定した。
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-550」
実施例及び比較例で得られたポリマーの溶液を、ガスクロマトグラフィー(株式会社島津製作所社製「GC-2014F型」)を用いて、下記の条件で測定し、残存モノマー量を求めた。
カラム:株式会社島津製作所社製のワイドボアキャピラリーカラム
検出器:FID(水素炎イオン化型検出器)
カラム温度:70~250℃
注入量:1μL(テトラヒドロフラン希釈溶液)
JIS試験方法K 0070-1992に準拠して測定した。少量のイソプロピルアルコールを加えたメタノールとトルエンの混合溶媒に試料0.1gを溶解させ、フェノールフタレインを指示薬として、0.5M塩酸溶液で滴定することにより求めた。なお、アミン価は試料1g中に含まれるアミンを中和するのに必要な塩酸塩と等量の水酸化カリウムのmg数で算出される。
まず、次に示す4種類の溶液を調製した。
(1)重合開始剤(0.2M)溶液
アルゴンガスで置換した500mLナスフラスコ中に、注射器を用いてテトラヒドロフラン(以下、「THF」と略記する。)335.9mLを採取した後、氷冷した。冷却後、注射器を用いてジフェニルエチレン14.4g(14.1mL)を採取し撹拌した溶液に1.6Mのn-ブチルリチウム溶液50mLを採取し撹拌することにより、深紅の0.2Mの重合開始剤溶液400mLを調製した。
(2)ジメチルアミノエチルメタクリレート(1.0M)溶液
アルゴンガスで置換した1Lナスフラスコ中に、注射器を用いてジメチルアミノエチルメタクリレート(以下、「DM」と略記する。)117.9g(126.4mL)及びTHF623.6mLを採取し撹拌することにより、DM濃度1.0Mであるモノマー溶液750mLを調製した。
(3)メタクリレートモノマーの混合溶液(1.0M)溶液
アルゴンガスで置換した1Lナスフラスコ中に、注射器を用いてメチルメタクリレート(以下、「MMA」と略記する。)126.3g(134.7mL)、ノルマルブチルメタクリレート(以下、「nBMA」と略記する。)53.8g(60.1mL)、2-エチルヘキシルメタクリレート(以下、「2EHMA」と略記する。)62.5g(70.7mL)、ベンジルメタクリレート(以下、「BzMA」と略記する。)66.6g(64.1mL)及びTHF570.5mLを採取し攪拌することにより、MMA濃度1.4M、nBMA濃度0.42M、2EHMA濃度0.35M、BzMA濃度0.42Mであるモノマー混合溶液900mLを調製した。
(4)メタノール(0.33M)溶液
アルゴンガスで置換した100mLナスフラスコ中に、注射器を用いてメタノール0.529g及びTHF49.3mLを採取し攪拌することにより、メタノールの0.33M溶液50mLを調製した。
実施例1で調製した(2)及び(3)の溶液を下記のように調製したものに代えた以外は実施例1と同様の操作によりポリマー溶液を得た。
(2)DM(1.6M),BzMA(0.44M)混合溶液
アルゴンガスで置換した1Lナスフラスコ中に、注射器を用いてDM188.7g(202.2mL)BzMA58.2g(55.9mL)及びTHF491.9mLを採取し撹拌することにより、DM濃度1.6M、BzMA濃度0.44Mであるモノマー混合溶液750mLを調製した。
(3)メタクリレートモノマーの混合溶液(1.0M)溶液
アルゴンガスで置換した1Lナスフラスコ中に、注射器を用いてMMA126.3g(134.7mL)、nBMA53.8g(60.1mL)、2EHMA62.5g(70.7mL)及びTHF634.5mLを採取し攪拌することにより、MMA濃度1.4M、nBMA濃度0.42M、2EHMA濃度0.35Mであるモノマー混合溶液900mLを調製した。
実施例1で調製した(1)、(2)、(3)及び(4)の溶液に加え、下記のように(5)の溶液を調製した。
(5)BzMA(0.5M)混合溶液
アルゴンガスで置換した1Lナスフラスコ中に、注射器を用いてBzMA48.5g(46.6mL)及びTHF503.4mLを採取し撹拌することにより、BzMA濃度0.5Mであるモノマー溶液550mLを調製した。
3つのT字型の菅継手からなるマイクロミキサー及びそのマイクロミキサーの下流に連結されたチューブリアクターを備えたマイクロリアクター装置に、4台のシリンジポンプ(ハーバード社製「シリンジポンプ Model 11 Plus」)を接続し、そのシリンジポンプに、上記で得られた5種類の溶液をそれぞれ吸い込んだ50mLガストシリンジをセットした。
実施例3と同様の操作により、原料溶液の調製を行った。
3つのT字型の菅継手からなるマイクロミキサー及びそのマイクロミキサーの下流に連結されたチューブリアクターを備えたマイクロリアクター装置に、4台のシリンジポンプ(ハーバード社製「シリンジポンプ Model 11 Plus」)を接続し、そのシリンジポンプに、上記で得られた5種類の溶液をそれぞれ吸い込んだ50mLガストシリンジをセットした。
攪拌機、窒素導入管、定量ポンプ、およびロードセル式天秤機能を備えた2リットルタンクにDM100.9g、MMA321.2g、nBMA137.0、2EHMA159.2g、BzMA282.8gを仕込みモノマープレミックスの調製を行った。また、定量ポンプ、およびロードセル式天秤機能を備えた別の1リットルタンクにトルエン300g、tert-ブチルパーオキシオクトエート60gを仕込み開始剤プレミックスの調製を行った。一方、攪拌機、窒素導入管、反応釜内温度を測定するための温度センサーを備えた5リットル反応釜に窒素を導入しつつトルエン700gを反応釜に仕込んだ後反応釜の昇温を開始した。反応釜内温度が110℃に達した後、内温を110℃に保ったまま、モノマープレミックス、および開始剤プレミックスを重合するのに6時間かけて滴下することにより重合反応を行った。重合後室温まで内温度を冷却することにより樹脂溶液を得た。
ポリマー8.62gを100mLのポリビンに入れ、PMA18.43g、青色顔料(DIC株式会社製「Fastogen Blue(商標名)EP-210」)4.0g、0.3-0.4mmφセプルビーズ68.4gを加え、ペイントコンディショナー(東洋精機株式会社製)で3時間分散し、顔料分散体を得た。得られた顔料分散体中の顔料の体積平均粒子径を、レーザードップラー式粒度分布計(マイクロトラックベル社製「UPA-150」)を用いて測定した。なお、比較例1で得られたポリマーは、顔料を分散できなかったため、顔料の体積平均粒子径は測定できなかった。
Claims (5)
- 下記一般式(1)又は(2)で表され、アミン価が20~110mgKOH/gの範囲であり、重量平均分子量が3,000~30,000の範囲であるポリマー(A)を含有することを特徴とする顔料用分散剤。
- 前記4級アンモニウム塩を含有する基のカウンターアニオンが塩化ベンジルである請求項1記載の顔料用分散剤。
- 前記4級アンモニウム塩を含有する基が、3級アミノ基を有するモノマーを重合した後、3級アミノ基を4級アンモニウム塩化したものである請求項1記載の顔料用分散剤。
- 前記ポリマー(A)の分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が1.65以下である請求項1記載の顔料用分散剤。
- 請求項1~4のいずれか1項記載の顔料用分散剤、顔料、及び分散媒体を含有することを特徴とする顔料分散体。
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