JP7171303B2 - 梱包箱 - Google Patents

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Description

本発明は、物品を収納し梱包して輸送したり保管したりするための梱包箱に関する。
従来、物品を梱包し輸送するための強化ダンボール製の梱包箱には、例えば特許文献1に開示されているものがある。この梱包箱は、底蓋と、側板と、上蓋とからなり、上記側板を外筒体と内筒体により構成するとともに、高さの異なる第1の内外筒体と第2の内外筒体を選択的に組み合わせて、側板の高さを調節自在に構成している。
このように構成することで、上記梱包箱は、梱包する物品の大きさや数量等に応じて収納容積を選択的に変更して使用することができるようにしている。
特許第5514937号公報
ところで、上記梱包箱は、梱包する物品の大きさが大きい場合や数量が多い場合、側板の高さが高くなる。このように側板の高さを高くした場合、物品を収納する収納作業は、側板内に一人の作業者が入り、その作業者に他の作業者が側板外から物品を手渡ししていた。そのため、収納作業の作業効率が極めて低いという課題がある。
本発明は、上記課題を解決するべくなされたものであり、側板の高さを高くした場合でも、物品の収納作業の作業効率を向上させた梱包箱を提供することを目的とする。
かかる課題を達成するために、請求項1に記載の発明は、物品が載置される四角形の底面部を有し、かつこの底面部の周縁に上方へ突出した下部側壁を一体に設けた底板部と、一枚の板材を折り曲げて四角形の筒状に形成され、前記底板部の前記下部側壁の内側に沿って上方から嵌め入れて前記底板部の上面に設置される側板部と、前記側板部の上端開口を閉止する上面部を有し、かつこの上面部の周縁に下方へ突出した上部側壁を一体に設けた上板部と、を有し、前記側板部の一面に側板開閉扉を開閉可能に設け、この側板開閉扉の開閉先端が前記側板部の上下方向全長にわたって形成され、前記側板開閉扉は、前記側板部の一面が左右両側に分割され、これら分割された側板部が観音開き状に開閉可能に構成され、前記側板部の4面の水平方向に沿った縦横寸法が前記底面部及び前記上面部の水平方向に沿った縦横寸法と同じ寸法であって、前記側板部は、前記左右両側に分割された前記側板開閉扉にそれぞれ連続する側面部の寸法が前記側板開閉扉に対向する側面部の寸法よりも短く形成され、前記上板部の前記上部側壁が前記底板部の前記下部側壁の上面に当接した状態で、前記上板部と前記底板部との間に空間が形成され、前記側板部は、前記側板開閉扉、該側板開閉扉にそれぞれ連続する側面部、及び前記側板開閉扉に対向する側面部を互いに重ね合わせるように前記空間内に折り畳んで収納可能に形成されていることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、物品が載置される四角形の底面部を有し、かつこの底面部の周縁に上方へ突出した下部側壁を一体に設けた底板部と、一枚の板材を折り曲げて四角形の筒状に形成され、前記底板部の前記下部側壁の内側に沿って上方から嵌め入れて前記底板部の上面に設置される側板部と、前記側板部の上端開口を閉止する上面部を有し、かつこの上面部の周縁に下方へ突出した上部側壁を一体に設けた上板部と、を有し、前記側板部の一面に側板開閉扉を開閉可能に設け、この側板開閉扉の開閉先端が前記側板部の上下方向全長にわたって形成され、前記側板開閉扉は、前記側板部の一面が左右両側に分割され、これら分割された側板部が観音開き状に開閉可能に構成され、前記底板部の前記下部側壁の前記側板開閉扉に対応する一面に上下方向に開閉可能な下部開閉扉を設けるとともに、前記上板部の前記上部側壁の前記側板開閉扉に対応する一面に上下方向に開閉可能な上部開閉扉を設け、前記底板部、前記側板部、及び前記上板部を組み合わせた状態で、前記下部開閉扉、前記側板開閉扉、及び前記上部開閉扉を開いたとき、前記物品の出し入れを可能とするとともに、前記下部開閉扉及び前記上部開閉扉を閉じたとき、前記側板開閉扉の外側に位置して前記側板開閉扉の閉状態を維持するように構成したことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項に記載の構成に加え、前記下部開閉扉の両側には、前記下部開閉扉を閉じた際に前記下部側壁の他の面の端部に係止される係止部材が取り付けられたことを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の構成に加え、前記底面部の上面側、前記側板部の内面側、及び前記上板部の下面側に、それぞれ断熱板が設置されたことを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の構成に加え、前記底面部の下面側に、フォークリフトのフォークの挿入用開口部が形成された強化段ボール製のパレットが一体に設けられていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、側板部の一面に側板開閉扉を開閉可能に設け、この側板開閉扉の開閉先端が側板部の上下方向全長にわたって形成され、側板開閉扉は、側板部の一面が左右両側に分割され、これら分割された側板部が観音開き状に開閉可能に構成されいるので、梱包箱の設置状態において、側板開閉扉の前の面積が狭くても、側板開閉扉を開閉させることができる。そのため、狭い場所でも物品の収納作業及び搬出作業を行うことが可能になる。
また、請求項1に記載の発明によれば、側板部が一枚の板材を折り曲げて四角形の筒状に形成され、側板部の4面の水平方向に沿った縦横寸法が底面部及び上面部の水平方向に沿った縦横寸法と同じ寸法であって、側板部は、左右両側に分割された側板開閉扉にそれぞれ連続する側面部の寸法が側板開閉扉に対向する側面部の寸法よりも短く形成され、上板部の上部側壁が底板部の下部側壁の上面に当接した状態で、上板部と底板部との間に空間が形成され、側板部は、側板開閉扉、この側板開閉扉にそれぞれ連続する側面部、及び側板開閉扉に対向する側面部を互いに重ね合わせるように空間内に折り畳んで収納可能に形成されていることから、組立前及び回収後の梱包箱の小型化が図れるので、梱包箱の搬送作業を容易に行うことができる。
請求項2に記載の発明によれば、側板部の一面に側板開閉扉を開閉可能に設け、この側板開閉扉の開閉先端が側板部の上下方向全長にわたって形成される一方、底板部の下部側壁の側板開閉扉に対応する一面に上下方向に開閉可能な下部開閉扉を設けたことにより、側板部の高さを高くした場合でも、側板開閉扉を上下方向全長にわたって開放させ、かつ下部側壁の下部開閉扉を上下方向に開放することで、側板部の開放面積が大きくなり、物品の収納作業の作業効率を向上させることができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、上板部の上部側壁の側板開閉扉に対応する一面に上下方向に開閉可能な上部開閉扉を設け、底板部、側板部、及び上板部を組み合わせた状態で、下部開閉扉、側板開閉扉、及び上部開閉扉を開いたとき、物品の出し入れを可能としたので、側板部から上板部を取り外すことなく、積載された物品を取り出すことが可能となり、作業効率を著しく高めることができる。
さらに、請求項2に記載の発明によれば、下部開閉扉及び上部開閉扉を閉じたとき、側板開閉扉の外側に位置して側板開閉扉の閉状態を維持するように構成したので、輸送時に梱包バンドを巻き付ける際に、上部開閉扉、側板開閉扉、及び下部開閉扉が開放されることがなくなる。その結果、梱包バンドの巻き付け作業を容易に行うことができる。
請求項3に記載の発明によれば、下部開閉扉の両側には、閉じた際に下部側壁の他の面の端部に係止される係止部材が取り付けられたことにより、下部開閉扉と側板開閉扉の閉状態が維持される。そのため、輸送時に梱包バンドを巻き付ける際に、側板開閉扉及び下部開閉扉が不意に開放されることがなくなる。その結果、梱包バンドの巻き付け作業を一段と容易に行うことができる。
請求項4に記載の発明によれば、底面部の上面側、側板部の内面側、及び上板部の下面側に、それぞれ断熱板が設置されたことで、収納される物品の保温、保冷効果を高めることができる。
請求項5に記載の発明によれば、底面部の下面側に、フォークリフトのフォークの挿入用開口部が形成された強化段ボール製のパレットが一体に設けられているため、フォークリフトによって梱包箱を搬送することで、梱包箱の搬送作業効率を向上させることができる。
本発明の第1実施形態に係る梱包箱を構成する各部材を分解した状態を示す分解斜視図である。 同実施形態に係る梱包箱の側板開閉扉及び下部開閉扉を開いた状態を示す分解斜視図である。 同実施形態に係る梱包箱の側板開閉扉を閉じて下部開閉扉を開いた状態を示す斜視図である。 同実施形態に係る梱包箱を組み立てた状態を示す部分断面正面図である。 同実施形態に係る梱包箱の側板部を折り畳んで収納した状態を示す縦断面図である。 同実施形態に係る梱包箱を梱包した状態を示す外観斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る梱包箱の側板開閉扉、下部開閉扉及び上部開閉扉を開いた状態を示す分解斜視図である。
[発明の第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態の梱包箱について、図1乃至図6を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る梱包箱を構成する各部材を分解した状態を示す分解斜視図である。図2は、同実施形態に係る梱包箱の側板開閉扉及び下部開閉扉を開いた状態を示す分解斜視図である。図3は、同実施形態に係る梱包箱の側板開閉扉を閉じて下部開閉扉を開いた状態を示す斜視図である。
図4は、同実施形態に係る梱包箱を組み立てた状態を示す部分断面正面図である。図5は、同実施形態に係る梱包箱の側板部を折り畳んで収納した状態を示す縦断面図である。図6は、同実施形態に係る梱包箱を梱包した状態を示す外観斜視図である。なお、図4には底部断熱板、側部断熱板及び上部断熱板を示しているが、図1~図3及び図5~図7では省略している。
まず、本実施形態の梱包箱10の構成を説明する。
図1~図3に示すように、本実施形態の梱包箱10は、底板部20と、側板部30と、上板部40と、を有し、これらが強化段ボールから作製されている。
底板部20は、図示しない物品が載置される四角形(本実施形態では、正方形)の底面部21を有している。底板部20は、底面部21の周縁に一定の高さ(幅)で上方へ突出した4面の下部側壁22が一体に設けられている。下部側壁22の一面には、上下方向に開閉可能な下部開閉扉23が設けられている。具体的には、下部側壁22は、側板部30において後述する側板開閉扉に対応する一面に下部開閉扉23が設けられている。
底面部21の下面には、底面部21と同じ面積のパレット25が一体に設けられている。このパレット25も強化段ボールから作製されている。パレット25には、図示しないフォークリフトのフォークが挿入される挿入用開口部25aが複数形成されている。底面部21は、寸法が例えば縦128cm、横143cm、高さ13cmであり、また縦118cm、横118cm、高さ13cmのものが用いられる。すなわち、本実施形態では、下部側壁22及び下部開閉扉23の高さが13cmとなる。
側板部30は、横断面四角形(本実施形態では、正方形)の筒状に折り曲げて4面の側面部31が形成されている。側板部30は、底板部20の下部側壁22の内側に沿って上方から嵌め入れて底板部20の上面に設置される。側板部30は、4本の折れ線により折畳み可能に形成されている。これらの4本の折れ線は、ヒンジ機能を有している。折り畳まれた側板部30を展開すると、一枚の板状になる。側板部30の一面の側面部31には、側板開閉扉32,32が開閉可能に設けられている。
これらの側板開閉扉32,32のそれぞれの開閉先端32a,32a(図2に示す)が側板部30の上下方向全長にわたって形成されている。より具体的には、側板開閉扉32,32は、側板部30の一面の側面部31が左右両側に分割され、これら分割された側面部31が左右方向に観音開き状に開閉可能に構成されている。開閉先端32a,32aは、側板開閉扉32,32を閉じたときに互いに当接される。
側板部30は、寸法が例えば縦128cm、横143cm、高さ90cmであり、また縦128cm、横143cm、高さ113cmのものもあり、さらに縦128cm、横143cm、高さ136cmのものが用いられる。すなわち、本実施形態では、側板部30及び側板開閉扉32,32の高さが上記のような寸法の高さとなる。したがって、本実施形態では、側板部30は、左右両側に分割された側板開閉扉32,32にそれぞれ連続する側面部31の寸法が4面の水平方向に沿った縦寸法であり、側板開閉扉32,32に対向する側面部31の寸法が4面の水平方向に沿った横寸法であることから、上記のように縦寸法が横寸法よりも短く形成されている。
上板部40は、側板部30の上端開口を閉止する四角形(本実施形態では、正方形)の上面部41を有している。上板部40は、上面部41の周縁に一定幅で下方へ突出した4面の上部側壁42が一体に設けられている。上面部41は、組み立てた側板部30の開口面積より大きな面積であるため、上板部40は、側板部30の上端開口を閉止可能となる。また、上板部40の上部側壁42の開口面積は、下部側壁22の開口面積と同様の面積に形成されている。これにより、上板部40の上部側壁42の下面が底板部20の下部側壁22の上面に当接した状態で、上板部40と底板部20との間に形成される空間内に側板部30を折り畳んだ状態で収納可能になる。
上面部41は、底面部21と同様に、寸法が例えば縦128cm、横143cm、高さ13cmであり、また縦118cm、横118cm、高さ13cmのもの用いられる。すなわち、本実施形態では、上部側壁42の高さが13cmとなる。
本実施形態の梱包箱10は、下部開閉扉23が閉じたとき、この下部開閉扉23が側板開閉扉32,32の外側に位置して側板開閉扉32,32の閉状態を維持するように構成されている。
この場合、図2及び図3に示すように下部開閉扉23の内側の長さ方向両端部には、係止部材としての一方の面ファスナー24aが固着されている。下部開閉扉23の両端部に固着された面ファスナー24aが当接する下部側壁22における他の面の端部には、係止部材としての他方の面ファスナー24bが固着されている。
これにより、下部開閉扉23を閉じた際、一方の面ファスナー24aが他方の面ファスナー24bに係止されることで、下部開閉扉23が下部側壁22の他の面の端部に係止される。
また、図4に示すように底板部20の上面側には、底面部21と同じ大きさの底部断熱板26が設置される。同様に、側板部30の内面側には、4面の側面部31と略同じ大きさの側部断熱板33がそれぞれ設置される。上板部40の下面側は、上面部41と同じ大きさの上部断熱板43が設置される。これら底部断熱板26、側部断熱板33、及び上部断熱板43には、それぞれ板厚が例えば2cmのものが用いられている。
なお、この場合、例えば4面の側部断熱板33の高さ方向の寸法は、底部断熱板26及び上部断熱板43の板厚分を差し引いた寸法になる。また、4面の側部断熱板33のうち、2面の側部断熱板33は、互いの板厚分を差し引いた寸法になる。
本実施形態の梱包箱10において、側板部30は、図5に示すように上板部40の上部側壁42の下面が底板部20の下部側壁22の上面に当接した状態で、上板部40と底板部20との間に形成される空間内に折り畳んだ状態で収納可能に形成されている。
次に、本実施形態の梱包箱10の組立作業工程、梱包積載作業工程、梱包取出し作業工程、及び回収作業工程について説明する。
組立前の梱包箱10は、上板部40の上部側壁42の下面を底板部20の下部側壁22の上面に当接させた状態で、上板部40と底板部20との間に形成される空間内に、側板部30が折り畳んだ状態で収納されている。この状態で、上板部40と底板部20とが梱包バンド11をパレット25の挿入用開口部25aを通して巻き付けられている。
本実施形態の梱包箱10の組立作業工程及び梱包積載作業工程について説明する。
まず、複数本の梱包バンド11を切断する等して解き、底板部20から上板部40を取り外してから折り畳んだ側板部30を取り出す。次いで、側板部30を折れ線にて四角形の筒状に折り曲げて底板部20の下部側壁22の内側に沿って上方から嵌め入れる。
そして、側板部30の側板開閉扉32,32を観音開きして開放すると同時に、底板部20の下部開閉扉23を下方に開いて開放する。ここで、側板部30の側板開閉扉32,32を観音開きするとき、その折れ線はヒンジ機能を有しているので、容易に開放することが可能となる。
次に、底板部20の底面部21の上面側に底部断熱板26を設置する。また、側板開閉扉32,32を除いた3面の側面部31の内面側に側部断熱板33をそれぞれ設置する。
その後、作業員は、開放された側板開閉扉32,32から側板部30内に被梱包物となる物品を順次積み込む。物品の積み込み作業が終了した後は、側板開閉扉32,32を開放した状態で残りの側部断熱板33を積載された物品の側面に設置する。
次いで、側板開閉扉32,32を閉じると同時に、下部開閉扉23を閉じた後、積載された物品の上面に上部断熱板43を設置する。さらに、上板部40を側板部30の上端開口に被せ、上板部40によって側板部30の上端開口を閉止する。これにより、側板開閉扉32,32が不意に開放されるのを防止することが可能となる。
その後、図6に示すように複数本の梱包バンド11をパレット25の挿入用開口部25aを通して底板部20、側板部30及び上板部40に巻き付ける。これにより、底板部20、側板部30及び上板部40が一体化される。
この状態で、図示しないフォークリフトのフォークを挿入用開口部25aに挿入し、上記フォークリフトで梱包箱10に収納された物品を搬送することが可能になる。
次に、本実施形態の梱包箱10の梱包取出し作業工程及び回収作業工程について説明する。
図6に示すように、底板部20、側板部30及び上板部40が複数本の梱包バンド11によって巻き付けられているので、まずこれらの梱包バンド11を切断する等して解き、側板部30から上板部40を取り外し、上端開口に設置された上部断熱板43を取り除く。次いで、作業員が下部開閉扉23を開放すると同時に、側板開閉扉32,32を開放し、側板開閉扉32,32が設けられた側の側部断熱板33を取り除く。
そして、作業員は、側板部30内に積載された物品を上方から下方に向けて順次取り出し、全ての物品を取り出す。その後、残り3面の側面部31の内面側に設置された側部断熱板33を取り除いた後に、底部断熱板26を取り除く。
次に、梱包箱10を回収するには、作業員が下部開閉扉23を閉じ、四角形の筒状に折り曲げられた側板部30の側板開閉扉32,32を他の側面部31の内側になるように両側から順次折り畳み、この折り畳まれた側板部30を、上板部40の上部側壁42の下面を底板部20の下部側壁22の上面に当接した状態で、上板部40と底板部20との間に形成される空間内に収納する。
この場合、側板部30の4本の折れ線は、ヒンジ機能を有することから、側板部30を容易に折り畳むことができるとともに、上板部40と底板部20との間に形成される空間内に収納し易くなる。
そして、この状態で、上板部40と底板部20とが梱包バンド11をパレット25の挿入用開口部25aを通して巻き付けて一体化した後に回収される。
以上のように構成された本実施形態の梱包箱10では、側板部30の一面に側板開閉扉32,32を開閉可能に設け、これらの側板開閉扉32,32の開閉先端32a,32aが側板部30の上下方向全長にわたって形成される一方、底板部20の下部側壁22の側板開閉扉32,32に対応する一面に上下方向に開閉可能な下部開閉扉23を設けている。
これにより、側板部30の高さを高くした場合でも、側板開閉扉32,32を上下方向全長にわたって開放させ、かつ下部側壁22の下部開閉扉23を上下方向に開放することで、側板部30の開放面積が大きくなり、物品の収納作業の作業効率を向上させることができる。そのため、一人の作業員で収納作業を行うことができる。
また、下部開閉扉23が閉じたときに側板開閉扉32,32の外側に位置して側板開閉扉32,32の閉状態を維持するように構成したので、輸送時に梱包バンド11を巻き付ける際に、側板開閉扉32,32及び下部開閉扉23が開放されることがなくなる。その結果、梱包バンド11の巻き付け作業を容易に行うことができる。
また、本実施形態によれば、側板開閉扉32,32は、側板部30の一面が左右両側に分割され、これら分割された側板部30が観音開き状に開閉されることにより、梱包箱10の設置状態において、側板開閉扉32,32の前の面積が狭くても、側板開閉扉32,32を開閉させることができる。そのため、狭い場所でも物品の収納作業及び搬出作業を行うことが可能になる。
さらに、本実施形態によれば、下部開閉扉23の両側には、閉じた際に下部側壁22の他の面の端部に係止される面ファスナー24a,24bが取り付けられたことにより、下部開閉扉23と側板開閉扉32,32の閉状態が確実に維持される。そのため、輸送時に梱包バンド11を巻き付ける際に、側板開閉扉32,32及び下部開閉扉23が開放されることがなくなる。その結果、梱包バンド11の巻き付け作業を一段と容易に行うことができる。
本実施形態によれば、底面部20の上面側、側板部30の内面側、及び上板部40の下面側に、それぞれ底部断熱板26、側部断熱板33、及び上部断熱板43が設置されたことで、収納される物品の保温、保冷効果を高めることができる。
また、本実施形態によれば、底面部20の下面側に、フォークリフトのフォークの挿入用開口部25aが形成された強化段ボール製のパレット25が一体に設けられているため、フォークリフトによって梱包箱10を搬送することで、梱包箱10の搬送作業効率を向上させることができる。
さらに、本実施形態によれば、側板部30は、上板部40の上部側壁42の下面が底板部20の下部側壁22の上面に当接した状態で、上板部40と底板部20との間に形成される空間内に折り畳んだ状態で収納可能に形成されていることから、組立前及び回収後の梱包箱10の小型化が図れるので、梱包箱10の搬送作業を容易に行うことができる。
[発明の第2実施形態]
図7は、本発明の第2実施形態に係る梱包箱の側板開閉扉、下部開閉扉及び上部開閉扉を開いた状態を示す分解斜視図である。なお、前記第1実施形態と同一又は対応する部分には、同一の符号を付して重複する説明は省略する。
前記第1実施形態では、上板部40に上部開閉扉を設けていない例について説明した。本実施形態では、図7に示すように、上部側壁42において側板開閉扉32,32に対応する一面に上下方向に開閉可能な上部開閉扉44が設けられている。
このように構成することで、梱包箱10の梱包取出し作業工程において、梱包バンド11を切断する等して解いた状態で、下部開閉扉23及び側板開閉扉32,32に加えて上部開閉扉44が開放可能となる。そのため、側板部30から上板部40を取り外すことなく、側板部30の上端開口に設置された上部断熱板43を取り除き、積載された物品を取り出すことが可能となる。これにより、物品の取出し作業効率を著しく高めることができる。
また、梱包箱10の梱包積載作業工程において、梱包バンド11を底板部20、側板部30及び上板部40に巻き付ける前であれば、下部開閉扉23、側板開閉扉32,32及び上部開閉扉44が開放可能となる。そのため、上板部40を側板部30の上端開口に被せ、上板部40によって側板部30の上端開口を閉止した状態であっても、物品の積み込み作業を行うことが可能となる。
この場合、上部開閉扉44は、下部開閉扉23と同様に、閉じたときに側板開閉扉32,32の外側に位置して側板開閉扉32,32の閉状態を維持するように構成するようにしてもよい。このように構成することで、輸送時に梱包バンド11を巻き付ける際に、側板開閉扉32,32、下部開閉扉23及び上部開閉扉44が開放されることがなくなる。その結果、梱包バンド11の巻き付け作業を容易に行うことができる。
また、本実施形態の上部開閉扉44は、下部開閉扉23と同様に、その内側の長さ方向両端部に係止部材としての一方の面ファスナーを固着し、この面ファスナーが当接する上部側壁42における他の面の端部に他方の面ファスナーを固着するようにしてもよい。
これにより、上部開閉扉44と側板開閉扉32,32の閉状態が確実に維持される。そのため、輸送時に梱包バンド11を巻き付ける際に、側板開閉扉32,32及び上部開閉扉44が開放されることがなくなる。その結果、梱包バンド11の巻き付け作業を一段と容易に行うことができる。その他の構成及び作用は、前記第1実施形態と同様であるのでその説明を省略する。
[発明の他の実施形態]
なお、本発明の実施形態は、上記各実施形態に限定されるものではなく、その発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
例えば、上記各実施形態では、側板開閉扉32,32は、側板部30の一面の側面部31が左右両側に分割され、これら分割された側面部31が観音開き状に開閉可能に構成するようにしたが、これに限らず側面部31を左右両側に分割せずに、側面部31の一面をドア式に開閉可能に側板開閉扉を構成してもよい。
また、上記第1実施形態では、下部開閉扉23の内側の長さ方向両端部には、係止部材としての一方の面ファスナー24aを固着し、この面ファスナー24aが当接する下部側壁23における他の面の端部に他方の面ファスナー24bを固着した例について説明したが、これに限らず係止部材として下部開閉扉23の長さ方向両端部に凸部又は凹部を設け、下部側壁23における他の面の端部に凹部又は凸部を設けるようにしてもよい。すなわち、これら凸部と凹部とで係止部材を構成してもよい。
これは、上記第2実施形態でも適用可能である。具体的には、係止部材として上部開閉扉44の長さ方向両端部に凸部又は凹部を設け、上部側壁42における他の面の端部に凹部又は凸部を設けるようにしてもよい。
さらに、上記各実施形態では、上板部40の上部側壁42の開口面積を下部側壁23の開口面積と同様の面積に形成した例について説明したが、これに限定されることなく、上板部40の上部側壁42の開口面積を下部側壁22の開口面積よりも大きく形成してもよい。
この場合には、上板部40の上部側壁42が底板部20の下部側壁23の外周側から嵌合可能になる。そのため、上板部40と底板部20との間に形成される空間が狭くなるものの、上板部40の上部側壁42が底板部20の下部側壁22に嵌合した状態で、上板部40と底板部20との間に形成される空間内に側板部30を折り畳んだ状態で収納すれば、より組立前及び回収後の梱包箱10の小型化を図ることができる。
そして、上記各実施形態では、底面部21、側板部30の横断面、及び上面部41の形状を正方形に形成した例について説明したが、これに限らずその他の四角形に形成した例についても適用可能である。
また、上記各実施形態では、各部の寸法を例示したが、これらの寸法に必ずしも限定されない。但し、上記各実施形態は、側板部30内に作業者が入って物品を収納するような高さの側板部30に適用される。
10 梱包箱
11 梱包バンド
20 底板部
21 底面部
22 下部側壁
23 下部開閉扉
24a,24b 面ファスナー(係止部材)
25 パレット
25a 挿入用開口部
26 底部断熱板
30 側板部
31 側面部
32 側板開閉扉
32a 開閉先端
33 側部断熱板
40 上板部
41 上面部
42 上部側壁
43 上部断熱板
44 上部開閉扉

Claims (5)

  1. 物品が載置される四角形の底面部を有し、かつこの底面部の周縁に上方へ突出した下部側壁を一体に設けた底板部と、
    一枚の板材を折り曲げて四角形の筒状に形成され、前記底板部の前記下部側壁の内側に沿って上方から嵌め入れて前記底板部の上面に設置される側板部と、
    前記側板部の上端開口を閉止する上面部を有し、かつこの上面部の周縁に下方へ突出した上部側壁を一体に設けた上板部と、を有し、
    前記側板部の一面に側板開閉扉を開閉可能に設け、この側板開閉扉の開閉先端が前記側板部の上下方向全長にわたって形成され、前記側板開閉扉は、前記側板部の一面が左右両側に分割され、これら分割された側板部が観音開き状に開閉可能に構成され、
    前記側板部の4面の水平方向に沿った縦横寸法が前記底面部及び前記上面部の水平方向に沿った縦横寸法と同じ寸法であって、前記側板部は、前記左右両側に分割された前記側板開閉扉にそれぞれ連続する側面部の寸法が前記側板開閉扉に対向する側面部の寸法よりも短く形成され、
    前記上板部の前記上部側壁が前記底板部の前記下部側壁の上面に当接した状態で、前記上板部と前記底板部との間に空間が形成され、
    前記側板部は、前記側板開閉扉、該側板開閉扉にそれぞれ連続する側面部、及び前記側板開閉扉に対向する側面部を互いに重ね合わせるように前記空間内に折り畳んで収納可能に形成されていることを特徴とする梱包箱。
  2. 物品が載置される四角形の底面部を有し、かつこの底面部の周縁に上方へ突出した下部側壁を一体に設けた底板部と、
    一枚の板材を折り曲げて四角形の筒状に形成され、前記底板部の前記下部側壁の内側に沿って上方から嵌め入れて前記底板部の上面に設置される側板部と、
    前記側板部の上端開口を閉止する上面部を有し、かつこの上面部の周縁に下方へ突出した上部側壁を一体に設けた上板部と、を有し、
    前記側板部の一面に側板開閉扉を開閉可能に設け、この側板開閉扉の開閉先端が前記側板部の上下方向全長にわたって形成され、前記側板開閉扉は、前記側板部の一面が左右両側に分割され、これら分割された側板部が観音開き状に開閉可能に構成され、
    前記底板部の前記下部側壁の前記側板開閉扉に対応する一面に上下方向に開閉可能な下部開閉扉を設けるとともに、前記上板部の前記上部側壁の前記側板開閉扉に対応する一面に上下方向に開閉可能な上部開閉扉を設け、
    前記底板部、前記側板部、及び前記上板部を組み合わせた状態で、前記下部開閉扉、前記側板開閉扉、及び前記上部開閉扉を開いたとき、前記物品の出し入れを可能とするとともに、前記下部開閉扉及び前記上部開閉扉を閉じたとき、前記側板開閉扉の外側に位置して前記側板開閉扉の閉状態を維持するように構成したことを特徴とする梱包箱。
  3. 前記下部開閉扉の両側には、前記下部開閉扉を閉じた際に前記下部側壁の他の面の端部に係止される係止部材が取り付けられたことを特徴とする請求項に記載の梱包箱。
  4. 前記底面部の上面側、前記側板部の内面側、及び前記上板部の下面側に、それぞれ断熱板が設置されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の梱包箱。
  5. 前記底面部の下面側に強化段ボール製のパレットが一体に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の梱包箱。
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