[0035] 図1を参照すると、EUV光源100において使用される供給システム110のブロック図が示されている。供給システム110は、ターゲット121pが真空チャンバ109内のプラズマ形成位置123へ送出されるようにターゲット流121を放出する。稼働使用時、供給システム110は、圧力Pのもとでターゲット材料を収容しているリザーバ112に流体結合されている。ターゲット材料は、プラズマ状態である場合にEUV光を放出する任意の材料である。例えばターゲット材料は、水、スズ、リチウム、及び/又はキセノンを含み得る。ターゲット材料は、例えばチャネル内に流入できる溶融状態とすることができる。ターゲット流内のターゲットは、ターゲット材料又はターゲットの小滴であると考えられる。
[0036] 供給システム110はターゲット形成装置116を含む。図1の例において、ターゲット形成装置116は筐体114内に収容されている。ターゲット形成装置116は、オリフィス119を画定するノズル構造118を含む。オリフィス119はリザーバ112に流体結合されている。例えばオリフィス119は、チャネル(図1には示されていない)を介してリザーバ112に流体結合することができる。真空チャンバ109内の圧力は、リザーバに加えられる圧力Pよりもはるかに低いので、ターゲット材料はオリフィス119を介して流れる。オリフィス119から放出されたターゲット材料はターゲット流121を形成する。プラズマ形成位置123は光ビーム106を受ける。光ビーム106は、光源105によって発生され、光路107を介して真空チャンバ109へ送出される。光ビーム106とターゲット121pのターゲット材料との間の相互作用が、EUV光を放出するプラズマ196を生成する。
[0037] ターゲット形成装置116は、半導体デバイス製造技術で製造されるMEMSシステム117を含むことができる。これらの実施において、ノズル構造118及びオリフィス119はMEMSシステム117の一部として形成され、MEMSシステム117を含むターゲット形成装置116はMEMSベースのターゲット形成装置116であると考えることができる。供給システム110では、従来の機械加工技法を用いて製造されたターゲット形成装置でなくMEMSベースのターゲット形成装置116を用いることができる。
[0038] MEMSシステム117は、従来の機械加工技術でなく半導体デバイス製造技術で製造される。例えばMEMSシステム117は、ウェットエッチング及び/又はドライエッチング、放電加工(EDM:electro discharge machining)、及び、小型デバイスを製造することができる他の任意の技術を用いて製造できる。従来の機械加工は、MEMSシステム117の製造に使用されるものとは異なる技法を使用し得る。従来の機械加工技法は例えば、ソーイング、フライス加工(milling)、穿孔(drilling)、レーザ加工、及び/又は旋盤加工(turning)を含む。高強度金属(モリブデン、タングステン、又はチタン)に従来の機械加工を適用してフィーチャ(例えばオリフィス、チャネル、及び/又はチャンバ等)を形成することにより、ターゲット形成装置を製造することも可能である。しかしながら、高強度金属に従来の機械加工を適用すると、粗い表面、粒子、及び/又は化学的汚染を招く可能性がある。これらの効果は、エッチング、洗浄、及び/又は研摩のような表面処理によって軽減され得るが、軽減されない粒子及び/又は化学的汚染が、従来の機械加工技法を用いて作製されたターゲット形成装置の性能に影響を及ぼす恐れがある。
[0039] 例えば、従来の機械加工は、ターゲット材料が通過するオリフィスの直径よりも大きい粒子を生成することがある。これらの粒子は、洗浄によって除去されない場合、ターゲット材料の流れを閉塞する可能性がある。ターゲット材料がオリフィスから流れ出ない場合、ターゲット材料はプラズマ形成位置123に到達せず、EUV光は生成されない。更に、このような閉塞はターゲット形成装置に損傷を与える結果となり得る。また、従来の機械加工は、オリフィスの直径よりも小さい粒子も生成することがある。これらの粒子はノズル又はオリフィスに詰まり、部分的にオリフィスを閉塞する恐れがある。オリフィス119が部分的に閉塞された場合、オリフィス119によって放出されたターゲット材料は予想経路から逸れた軌道上に放出され、プラズマ形成位置123に到達せず、このためEUVの生成が低減するか又は皆無となる可能性がある。また、化学的に形成された汚染も、オリフィスを閉塞するか又は部分的に妨げることがある。
[0040] しかしながら、ターゲット形成装置116はMEMSシステム117を含むので、従来の機械加工技法のみで形成されたターゲット形成装置ほど徹底的な洗浄を行うことなく、性能及び信頼性を向上させ得る。例えば、MEMSシステム117は半導体デバイス製造技術を用いて製造されるので、クリーンルーム条件下において単一の場所で製造及び組み立てを行うことができる。MEMSシステム117は、リソグラフィパターニング及び様々なエッチングプロセス(例えばウェットエッチング、リアクティブイオンエッチング、集束イオンビームエッチング等)や、化学気相成長法のような化学反応に基づく半導体デバイス製造技術で製造することができる。化学気相成長技法は、例えば大気圧化学気相成長法(APCVD:atmospheric pressure chemical vapor deposition)、原子層化学気相成長法(ACVD又はALCVD:atomic layer chemical vapor deposition)、ホットフィラメント化学気相成長法(HFCVP:hot filament chemical vapor deposition)、低圧化学気相成長法(LPCVD:low-pressure chemical vapor deposition)、有機金属化学気相成長法(MOCVD:metal organic chemical vapor deposition)、マイクロ波プラズマ支援化学気相成長法(MPCVD:microwave plasma-assisted chemical vapor deposition)、プラズマエンハンス化学気相成長法(PECVD:plasma enhanced chemical vapor deposition)、急速熱化学気相成長法(RTCVD:rapid thermal chemical vapor deposition)、遠隔プラズマエンハンス化学気相成長法(RPECVD:remote plasma enhanced chemical vapor deposition)、超高真空化学気相成長法(UHVCVD:ultra high vacuum chemical vapor deposition)を含む。これらの様々な技法を用いて、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、及び/又は、例えば金、タングステン、クロム等の金属の薄い層を形成する。研摩性の(abrasive)製造ステップを含まないので、MEMSシステム117では、従来の機械加工技法を用いて製造された装置よりも粒子及び/又は化学的汚染の少ないターゲット形成装置116が得られる。
[0041] 更に、MEMS技術ポートフォリオを用いてMEMSシステム117を形成することで、ターゲット形成装置116は、従来の機械加工技術を用いて作製された装置よりも厳しい公差での多数の再現が容易になり得る。例えば、いくつかのターゲット形成装置は、クオーツ又は同様の材料から手作業で形成された毛細管を含む。毛細管は、複雑な手作業のプロセスを経て形成された小さいオリフィスを画定するノズルを含み、これは、信頼性の高い再現が困難であると共に、粒子及び化学的汚染のない状態を保つことが難しい場合がある。更に、毛細管に使用される材料は亀裂を生じやすいので、従来の方法で形成された毛細管を最大で8,000ポンド/平方インチ(psi)の圧力で使用することは難しい場合がある。MEMSシステム117を含むターゲット形成装置116は、毛細管なしで動作できる。更に、MEMSシステム117に使用され得る材料は、ターゲット材料と共に、8,000psiまでの圧力及びこれを超える圧力で使用するのに適している。いくつかの実施において、MEMSシステム117はシリコン(Si)で作製され、窒化物コーティングが用いられる。MEMSシステム117を作製できる他の材料には、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(SiN)、及び/又は二酸化ケイ素(SiO2)が含まれる。更に、MEMSシステム117で使用されるいずれの材料も窒化物でコーティングすることができる。例えばMEMSシステム117は、窒化物でコーティングされたSiC、窒化物でコーティングされたSiN、及び/又は窒化物でコーティングされたSiO2で作製できる。
[0042] ターゲット形成装置116でMEMSシステム117を用いることにより、追加の利点が得られる。例えば、MEMSシステム117にフィルタを一体化することができる。フィルタは、ターゲット形成装置116とリザーバ112との間に生じる粒子汚染を軽減するために使用できる。いくつかの実施において、フィルタは、MEMSシステム117が外部環境に対して実質的に閉鎖されるように、(リザーバ112からオリフィス119への流れ方向で見た)MEMSシステム117の始端及び終端に配置することができる。
[0043] 更に、MEMS技術で作製されたコンポーネントは、上述のような従来の機械加工技法で作製された同様のコンポーネントよりも著しく小さくすることができる。例えばMEMS技術で作製されたコンポーネントは、従来の機械加工技法で作製された同様のコンポーネントよりも一桁小さくすることができる。従って、MEMSシステム117自体を、従来の機械加工技法で作製された同様のコンポーネントよりも著しく小さくすることができ、このため、MEMSシステム117を含むターゲット形成装置116を、MEMSシステム117を含まないターゲット形成装置よりも小さくすることができる。供給システム110において利用できる全空間量が限定又は制約される可能性があるので、ターゲット形成装置116の小さい実装面積は有利となり得る。
[0044] 更に、ターゲット形成装置116にMEMSシステム117を含むことによって、ターゲット形成装置116は、各々がそれぞれMEMSシステムを含む3つ以上の個別に制御可能なターゲット形成装置を含む一体構造(monolithic structure)として製造することができる。図5A及び図5Bは、この実施の一例を示す。一体構造内のターゲット形成装置は、これらのターゲット形成装置のうち任意のものを活性化してターゲット流121を生成するか、又は非活性化してターゲット流121を生成しないように、個別に制御可能である。従って、ターゲット形成装置のいずれかが故障するか、その性能が劣化するか、予想寿命の終わりに近付くか、又は他の何らかの理由で非稼働に切り換えることが望ましい場合、EUV光源の生成が継続するようにターゲット形成装置の他のものを活性化することができる。
[0045] MEMSシステム117は、3つ以上のターゲット形成装置を含む一体構造を形成する場合の使用に大変適しているが、各々が従来の機械加工技法を用いて製造されたターゲット形成装置の一群を、同様に個別に制御して共に使用することも可能である。図6は、そのような実施の一例を示す。
[0046] 図2A及び図2Bは、半導体デバイス製造技術で製造されたMEMSシステム217を示す。MEMSシステム217はMEMSシステム117(図1)の実施の一例である。MEMSシステム217はターゲット形成装置116及び供給システム110(図1)において使用することができ、MEMSシステム217は供給システム110を参照して検討される。図2AはMEMSシステム217の側断面のブロック図である。図2Bはライン2B-2Bから見たMEMSシステム217の上面のブロック図である。図2Bの点線は、MEMSシステム217の第1の端部225の下方にある隠れた要素を表す。
[0047] MEMSシステム217は第1の端部225及び第2の端部226を含む。MEMSシステム217において、第1の端部225及び第2の端部226は反対の側にある。第1の端部225からX軸に沿って第1のチャネル227が延出している。稼働使用時、第1の端部225はリザーバ112と向かい合うように配向され、リザーバ112からのターゲット材料は第1のチャネル227内へ流入する。各第1のチャネル227はそれぞれ中間チャネル229を介してチャンバ228に流体結合されている。チャンバ228は例えば、壁233によって部分的に形成されたディスク形ボリュームである。チャンバ228はディスク以外の形状を有することも可能である。例えば、チャンバ228を正方形又は矩形のボリュームとしてもよい。チャンバ228は第2のチャネル230に流体結合されている。第2のチャネル230は、オリフィス219を画定するノズル構造218に流体結合されている。
[0048] MEMSシステム217の例において、第1のチャネル227はX-Z面内で鏡面対称を有する。他の実施において、第1のチャネル227はX-Z面内で鏡面対称を持たない。例えばMEMSシステム217は、Y-Z面内で相互に120度離間した3つの第1のチャネル227を用いて実施できる。MEMSシステム217において、Z-Y面内の第1のチャネル227の各々の直径は、X軸に沿った位置に応じて変動する。具体的には、MEMSシステム217において、第1のチャネル227の直径は、中間チャネル229における部分238よりも第1の端部225における部分237の方が大きい。第1のチャネル227の直径の変化は、第1のチャネル227の上流の領域(例えばリザーバ112内)から発生する音響外乱(acoustic disturbance)を取り除くのに役立つ音響フィルタを形成する。
[0049] MEMSシステム217が、(圧力を加えられた)リザーバ112に流体結合されている場合、ターゲット材料はリザーバ112から第1のチャネル227及び中間チャネル229内へ流入する。ターゲット材料は中間チャネル229からチャンバ228内へ流入し、チャンバ228から第2のチャネル230内へ流入する。ターゲット材料はオリフィス219からターゲット材料のジェットとして放出され、これはターゲットへと分解する。第1のチャネル227、中間チャネル229、チャンバ228、第2のチャネル230、及びオリフィス219は、共に、第1の端部225から第2の端部226までのターゲット材料経路を形成する。
[0050] MEMSシステム217はフィルタ241a~241dも含む。図2A及び図2Bの例において、MEMSシステム217は4つのフィルタを含む。すなわち、第1の端部225における第1のチャネル227内のフィルタ241a、241bと、チャンバ228と第2のチャネル230との間の第2のチャネル230内のフィルタ241cと、ノズル構造218内のオリフィス219の近傍におけるフィルタ241dである。フィルタ241dはオリフィス219に対してX方向に配置されている。従って、稼働使用時、ターゲット材料は第1の端部225においてフィルタ241a、241bを通って流れた後、第1のチャネル227内へ流入し、フィルタ241cを通って第2のチャネル230内に入り、フィルタ241dを通ってからオリフィス219を通過する。
[0051] フィルタ241a~241dは、例えば半導体デバイス製造技術で製造される任意のタイプのフィルタとすればよい。フィルタ241a~241dは、ターゲット材料を通過させるフィルタチャネル又は開口のアレイと、フィルタチャネルの直径よりも大きい粒子を捕捉する濾過表面(filtration surface)とを含むことができる。例えばフィルタチャネルは、オリフィス219を閉塞するか又は部分的に閉塞する可能性のある粒子の直径よりも小さい直径を有し得る。粒子は濾過表面で捕捉され、フィルタ241a~241dは、粒子デブリがオリフィス219の方へ移送されるのを防ぐように粒子デブリを保持することによってターゲット材料を濾過する。
[0052] 図2Cは、フィルタ241e及びフィルタ241fの斜視図である。フィルタ241e、241fはどちらも、フィルタ241a~241dのいずれかとして使用できる。フィルタ241e、241fは、それぞれ濾過表面248e、248f及びサポート249e、249fを含む。濾過表面248e、248fにおける点は、ターゲット材料が通過できるフィルタチャネル又は開口を表す。チャネル又は開口は、X軸に沿ってフィルタ241e、241f全体を貫通し得る。
[0053] フィルタチャネルは、例えば1~20μmの直径を有することができる。フィルタチャネルは、オリフィス219の直径よりも小さい直径を有し得る。例えばオリフィス219は2~5μmの直径を有し、フィルタチャネルは1~2μm又はそれ以下の直径を有し得る。フィルタ241a~241dは同一の特徴を有する場合があり、又はフィルタ241a~241dは相互に異なる場合もある。例えばフィルタ241dは、フィルタ241a、241b、又は241cのチャネルよりも小さい直径を有するチャネルを有し得る。いくつかの実施において、フィルタ241a及び241bは、より大きい粒子を阻止するためオリフィス219の直径よりも大きい直径を有するチャネルを有し、フィルタ241cは、オリフィス219の直径と同一の直径を有するチャネルを有し、フィルタ241dは、オリフィス219の直径よりも小さい直径を有するチャネルを有し得る。
[0054] フィルタ241a~241dは、サポートによって所定位置に保持された濾過領域を形成する膜を含む膜フィルタとすることができる。いくつかの実施において、フィルタ241a~241dのうち1つ以上は高空隙率の微小ふるい(microsieve)フィルタである。フィルタは、100バールよりも大きい(又は約1450psiよりも大きい)破裂圧力を有するように製造できる。フィルタ241a~241dは、音響的に透明とすることも可能である。
[0055] 再び図2A及び図2Bを参照すると、MEMSシステム217は空間234内にアクチュエータ231も含む。アクチュエータ231はチャンバ228に結合されており、チャンバ228内の圧力を変調するように構成されている。MEMSシステム217において、アクチュエータ231は膜232を介してチャンバ228に機械的に結合されている。膜232は、アクチュエータ231の変調がチャンバ228に伝達されるようにアクチュエータ231に機械的に結合されている。例えば、膜232の位置の変調はチャンバ228内の圧力の対応した変化を生成することができる。膜232はチャンバ228からアクチュエータ231を分離する。このため、膜232はチャンバ228内のターゲット材料からアクチュエータ231を保護するのに役立ち得る。MEMSシステム217において、膜232の一部は壁233から形成されている。
[0056] 空間234は複数の壁によって画定されており、図2Aではそのうち2つ(壁240及び243)が標示されている。壁240及び243はX軸に沿って分離されており、空間234の両側にある。いくつかの実施において、アクチュエータ231は壁240と243との間にクランプされている。これらの実施において、アクチュエータ231は、X軸に沿って膨張及び収縮することで膜232を移動させるように構成できる。別の実施において、アクチュエータ231は、例えばのり付け、はんだ付け、又はろう付けによって壁240及び膜232に堅固に取り付けられている。これらの実施において、アクチュエータ231は、壁240を背にして屈曲することで膜232を移動させるように構成できる。
[0057] アクチュエータ231は、膜232の位置を変調することによってチャンバ228内の圧力の変調を可能とする任意の適切な作動機構とすればよい。例えばアクチュエータ231は、電界が印加された場合に伸長、屈曲、収縮、膨張、及び/又は他の形状変化を生じるような逆圧電効果を示すピエゾ材料を含むピエゾアクチュエータとすることができる。アクチュエータ231がピエゾアクチュエータである実施において、アクチュエータ231は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)又は同様の別の材料を含み得る。これらの実施において、アクチュエータ231は、単一のピエゾアクチュエータ(例えば、逆圧電効果を示す単一のピエゾプレートレット又は単一の材料層)、2つのピエゾアクチュエータ、又は多層ピエゾアセンブリとすることができる。いくつかの実施において、アクチュエータ231は、空間234と向かい合う膜232の壁又は側面240に直接堆積された単一のピエゾ材料層から形成される。
[0058] アクチュエータ231がピエゾ材料を含むピエゾアクチュエータである実施において、ピエゾ材料は任意の形状を有し得る。例えばピエゾ材料の形状は、ディスク形、正方形、矩形、円筒形、チューブ形、又は環状とすることができる。アクチュエータ231がピエゾアクチュエータである実施において、ピエゾ材料の構成は、空間234内にどのようにピエゾアクチュエータを搭載するかに基づいて選択できる。上記で検討したように、アクチュエータ231は壁240と243との間にクランプすることができる。これらの実施では、電界の印加に応答してX軸に沿って形状を変化させる(例えば伸長する)ように構成されたピエゾアクチュエータを使用できる。アクチュエータ231が壁240に取り付けられるが壁243には取り付けられない実施では、電界の印加に応答して屈曲するピエゾアクチュエータを使用できる。
[0059] ピエゾ材料の近傍に、ピエゾ材料に電界を印加するための電極(図示せず)を配置することができる。電界の変調によってピエゾ材料の機械的変調が生じる。電極により発生された電界は、信号制御線を用いて又は導管239(図2B)を介して電極に到達する同様の機構を用いてピエゾ材料に電界を印加するように制御できる。導管239は、Y軸に沿ってMEMSシステム217を貫通している。導管239は、MEMSシステム217の外部から空間234へのアクセスを与える。
[0060] 導管239(又は導管239と同様の別の導管)を用いて、空間234内の(アクチュエータ231における)圧力とチャンバ228内の圧力とが実質的に同一となるように空間234内の圧力を制御することができる。従って、膜232に加わる唯一の圧力差は、膜232を変調するアクチュエータ231から発生する圧力差である。
[0061] リザーバ112内のターゲット材料に圧力P(図1)を加えると、ターゲット材料はターゲット材料ジェットとしてオリフィス219から出る。ターゲット材料ジェットは最終的にターゲットへと分解する。オリフィスから発する液体ジェットの自然な分裂は、レイリー分裂として知られている。レイリー周波数は、レイリー分裂による個々の小滴の生成率である。レイリー周波数は、オリフィス219におけるターゲット材料の平均(average)(又は算術平均(mean))速度とオリフィス219の直径に関連している。レイリー分裂は、チャンバ228内の圧力の変調を行わなくても発生し得る。しかしながら、チャンバ228内の圧力を変調すると、ターゲット材料ジェットの分裂をよりいっそう制御することが可能となる。例えば、レイリー周波数よりもはるかに低い周波数でチャンバ228の圧力を変調すると、オリフィスからのターゲット材料の放出速度も変調され、これによって、ターゲット流の分裂をよりいっそう制御して発生させることができる。
[0062] 上記で検討したように、アクチュエータ231はチャンバ228内の圧力を変調するために使用される。1つの実施では、アクチュエータ231に低周波数変調連続ジェット技法を適用してターゲット流121を形成することができる。低周波数変調連続ジェット技法において、アクチュエータ231は少なくとも2つの周波数を有する入力信号によって制御される。少なくとも2つの周波数は第1の周波数及び第2の周波数を含む。第1の周波数はメガヘルツ(MHz)範囲とすることができる。第1の周波数はレイリー周波数に近いものとすることができる。第1の周波数でチャンバ228内の圧力を変調すると、ターゲット材料ジェットは所望の大きさ及び速度を有する比較的小さいターゲットへと分解する。
[0063] 第2の周波数は第1の周波数よりも低い。例えば、第2の周波数はキロヘルツ(kHz)範囲とすることができる。第2の周波数は、ターゲット流内のターゲットの速度を変調すると共にターゲット生成率を決定するために用いられる。レイリー周波数よりもはるかに低い周波数でチャンバ228内の圧力を変調すると、ターゲット群が形成される。所与のターゲット群内で様々なターゲットは異なる速度で進む。速度の速いターゲットは、速度の遅いターゲットと合体して、ターゲット流121を構成する大きい合体ターゲットを形成することができる。これらの大きいターゲットは、合体していない小滴よりも大きい距離だけ相互に分離している。この大きい分離は、1つのターゲットから形成されたプラズマがターゲット流121内の後続ターゲットの軌道に及ぼす影響を軽減するのに役立つ。
[0064] ターゲット流121内のターゲットは、約30μmの直径を有する概ね球形の形状であり得る。ターゲットは、例えば40~310kHzの間の周波数で発生させ、例えば40~120メートル/秒(m/s)又は最大で500m/sの速度でプラズマ形成位置123(図1)の方へ進むことができる。ターゲット流121内の2つの隣接ターゲット間の空間的分離は、例えば1~3ミリメートル(mm)とすることができる。100~300の初期小滴(レイリー小滴とも称される)が合体して単一の大きいターゲットを形成し得る。
[0065] 上記で検討したように、アクチュエータ231は少なくとも2つの周波数により駆動することができる。そのうち1つはレイリー周波数に近く、別の周波数(第2の周波数)は合体を促進する。合体を促進する第2の周波数は、ターゲットがプラズマ形成位置123に到達する周波数を決定する。
[0066] MEMSシステム217の機械的構造を用いて第2の周波数を決定することができる。例えば、MEMSシステム217の共振周波数を第2の周波数として使用できる。MEMSシステムのジオメトリに応じて、ヘルムホルツ周波数、又はX軸に沿った第2のチャネル230の長さにより決定される周波数を、第2の周波数として使用できる。
[0067] ヘルムホルツ周波数(fHelmholtz)を式(1)に示す。
ここで、cは、ターゲット材料の周囲のコンプライアンスに対して補正された(流れている)ターゲット材料中の音速であり、Vcはチャンバ228の体積であり、Aorificeはオリフィス219の表面積であり、Lorificeはオリフィス219の長さであり、Athrottleは中間チャネル229のうち1つの表面積であり、Lthrottleは中間チャネルのうち1つの長さであり、nは中間チャネル229の数である。チャネル230を含む実施(図2Aの実施等)では、チャネル230の設計パラメータ又はジオメトリに基づいて第2の周波数が変化する可能性がある。
[0068] 周波数の4分の1波長がX軸に沿った第2のチャネル230及びノズル構造218を包含する4分の1波長周波数を、第2の周波数として使用することができる。音響補正を除いて、4分の1波長周波数(fqw)を式(2)に示す。
ここで、cは、ターゲット材料の周囲のコンプライアンスに対して補正された(流れている)ターゲット材料中の音速であり、Lは、第2のチャネル230及びノズル構造218のX軸に沿った全長である。MEMSシステム217では、4分の1波長周波数を第2の周波数として使用することができる。例えば、cが2000m/sであると仮定すると、320kHzの周波数でターゲットを発生させるためには、Lは1.5mmである。
[0069] MEMSシステム217は、オリフィス219が直接チャンバ228に結合されるように第2のチャネル230なしで設計するか、又はオリフィスとチャンバ228との間に無視できる大きさを有する第2のチャネル230を用いて設計することも可能である。これらの実施では、第2の周波数はヘルムホルツ周波数(式1)によって定義される。図3A及び図3Bはそのような実施の一例を示す。
[0070] 第2の周波数が第2のチャネル230の大きさによって決定される(例えば式2から)実施では、第2のチャネル230の大きさを制御するため、第2のチャネル230を含む層の厚さを厳しい公差内に収まるよう制御することができる。これにより、そのような実施は第2の周波数に対して厳しく制御された値を提供する。例えばいくつかの実施において、MEMSシステム217は、できるだけ少ない層を有する平面状の(又は実質的に平坦な)構造として実施される。
[0071] 他の技法を用いてチャンバ228内の圧力を変調することも可能である。例えばいくつかの実施では、第1の周波数と第2の周波数との間に高調波周波数を追加することによって合体を増強することができる。これに加えて又はこの代わりに、振幅変調に基づく技法を使用してもよい。更に、上記の例は第2の周波数として4分の1波長周波数を用いることを検討しているが、他の周波数も使用できる。例えば、周波数の4分の3波長がX軸に沿った第2のチャネル230及びノズル構造218を包含する周波数以上の周波数を、第2の周波数として使用できる。
[0072] 第2の端部226上に導電性コーティング242を形成することができる。導電性コーティング242は任意の導電性材料とすればよい。ノズル構造218、オリフィス219、及びMEMSシステム217の他の部分は、窒化ケイ素(SiN)のような絶縁材料から作製することができる。ターゲット材料と、ノズル構造218、第1のチャネル227、第2のチャネル230、及びMEMSシステム217の他の部分の壁との間の摩擦の結果として、第2の端部226及びMEMSシステム217の他の部分に電荷が蓄積する可能性がある。この電荷の存在は、ターゲット間のクーロン反発のため、合体ターゲットの形成を妨げる及び/又はターゲットの経路を変化させる可能性がある。これを軽減するため、導電性コーティングを接地して蓄積電荷を除去することができる。導電性コーティング242は、ターゲット材料(例えば溶融スズ)への露出による腐食又は他の劣化に対して耐性のある任意の導電性材料とすればよい。例えば導電性コーティングは、二酸化ケイ素、一酸化ケイ素、モリブデン、タングステン、タンタル、イリジウム、又はクロムとすることができる。
[0073] MEMSシステム217は組み立てた状態で使用される。図2A及び図2Bは組み立てた状態のMEMSシステム217を示している。図2Dを参照すると、組み立てていない状態のMEMSシステム217のブロック図が示されている。MEMSシステム217は層245a~245fを含む。組み立てた状態では、層245a~245fはX軸に沿って相互に接合されている。組み立てた状態において、MEMSシステム217は、2つ以上の層から形成された一体部分と見なすことができる。MEMSシステム217を形成する一体部分は、単一の統合された(integral)部品又は部分である。
[0074] 図2Dの例において、ノズル構造218、オリフィス219、及びフィルタ241dは、層245aの一部として形成されている。層245aは導電性コーティング242も含み得る。ノズル構造218は、例えばSiNのコーティングを有し得る。第2のチャネル230は層245bの一部として形成されている。チャンバ228及び中間チャネル229は層245cとして形成されている。膜232及び第1のチャネル227の部分238は層245dとして形成されている。アクチュエータ231及び関連するコンポーネント(例えば電極)は層245eとして形成されている。第1のチャネル227の部分237及びフィルタ241a、241bは層245fとして形成されている。
[0075] 他の構成も可能である。例えば、層245b及び245cのフィーチャを単一の層として製造することで、MEMSシステム217内の層の合計数を5に減らすことができる。別の例では、層245c、245d、及び245eのフィーチャ(例えばチャンバ228及び膜232を形成する)を単一の層として製造することで、MEMSシステム217内の層の合計数を4に減らすことができる。
[0076] 層245a~245fは、組み立て後はこれらの層245a~245fを損傷させずに相互に分離することができないように、例えば熱的結合、化学結合、及び/又は機械的結合によって永続的に接合され得る。他の実施では、MEMSシステム217を組み立てた状態で使用している間、層245a~245fは一時的に接合される。これらの実施において、層245a~245fは、組み立て後は損傷させることなく相互に分離できる。層245a~245fを一時的に接合するための技法は、例えば、クランプ又は機械的マウントを用いてX軸に沿って(X方向及び/又は-X方向に)層245a~245fに対して力を加えることを含む。いくつかの実施では、層245a~245fをクランプで永続的に接合及び保持することができる。
[0077] 層245a~245fは別個に製造することができる。このため、層245a~245fの各々に対して異なる半導体デバイス製造技術が使用され得る。更に、異なる機能を実行するMEMSシステム217のフィーチャを別個の層に製造することができる。例えば、アクチュエータ231及びノズル構造218は異なる層に製造される。オリフィス219は、エッチングによってシリコンウェーハの表面又はエッジに形成することができる。いくつかの実施では、2つ以上のオリフィス219をシリコンウェーハにエッチングして、ターゲット形成ユニット群を形成する。この実施の一例が図8に示されている。
[0078] 層245a~245fの各々は半導体デバイス製造技術を用いて製造されるので、層245a~245fは、従来の機械加工技法を用いて可能であるよりも著しく高い清浄度で製造される。更に、MEMSシステム217の例において、フィルタ241a及び241bは組み立てた状態のMEMSシステム217の入口を閉鎖する。入口の閉鎖は、MEMSシステム217の清浄度を更に向上させ得る。例えば、組み立て中及び稼働使用時、MEMSシステム217の内部の汚染はフィルタ241a及び241bによって限定される。
[0079] 任意のタイプの半導体デバイス製造技術を用いて層245a~245fを形成することができる。例えば、層245a~245fの各々はシリコンウェーハから形成できる。層245a~245fを形成した後、各層を隣接する1又は複数の層に結合することにより、これらの層を接合することができる。層245a~245fを結合した後、コーティングが塗布される(例えば、酸化物及び/又は窒化物のコーティングを各層に塗布すればよい)。いくつかの実施では、層245a~245fの各々が形成され、層245a~245fの各々にコーティングが塗布された後に、層245f~245fが接合される。既知のように、結合強度は結合される表面の表面ラフネスに依存する。
[0080] 従ってMEMSシステム217は、比較的高い圧力(例えば8,000psi)のもとに置かれた場合であっても動作可能であると予想される。更に、いくつかの実施において、ターゲット形成装置116はアイソスタティックに(iso-static)動作及び/又は設計される。これらの実施において、アクチュエータ231及び/又はMEMSシステム217の他の部分、又はMEMSシステム217全体は、チャンバ228内のターゲット材料の圧力と同一の圧力であるか、又はチャンバ228内のターゲット材料の圧力に比べて部分的(又は低い)圧力である。
[0081] 図2Aに示されている実施において、MEMSシステム217は機械的サポート又はマウント203に配置されている。マウント203は、稼働使用時にMEMSシステム217の構造的完全性を維持するのに役立てるため、X方向及び/又は-X方向に沿って追加の力を加えるデバイス(例えばクランプ)を含み得る。図2Aに示されている例では、マウント203はMEMSシステム217を取り囲んでいる。マウント203は、MEMSシステム217がマウント203内にある場合にオリフィス219からターゲット材料を放出できるようにオリフィスと一致する開口204も含む。
[0082] 図3AはMEMSシステム317の側断面のブロック図である。図3Bはライン3B-3Bから見たMEMSシステム317の上面のブロック図である。図3Bの点線は、MEMSシステム317の第1の端部325の下方にある隠れた要素を表す。
[0083] MEMSシステム317は、MEMSシステム117(図1)の実施の別の例である。MEMSシステム317は供給システム110(図1)において使用することができ、MEMSシステム317は供給システム110を参照して検討される。MEMSシステム317は、第2のチャネル230のような第2のチャネルを含まない点を除いて、MEMSシステム217と同様である。
[0084] MEMSシステム317は、端部325からX軸に沿って延出する第1のチャネル327を含む。図3Bに示されているように、MEMSシステム317は、相互に半径方向に60度離間した6つの第1のチャネル327を含む。簡略化のため、図3Bには第1のチャネル327のうち1つのみが標記されている。第1のチャネル327の各々は、中間チャネル329を介してチャンバ328に流体結合されている。チャンバ328は、オリフィス319を画定するノズル構造318に流体結合されている。図3Aに示されているように、MEMSシステム317は、フィルタ241a、241b、241d、及びアクチュエータ231も含む。図3Bには示されていないが、第1のチャネル327の各々は、端部325に位置決めされたフィルタ241a又はフィルタ241bと同様のフィルタを含む。
[0085] MEMSシステム317が圧力を加えられたリザーバ112に流体結合されている場合、ターゲット材料はリザーバ112から第1の端部325におけるフィルタ(例えば図3Aに示されているフィルタ241a、241b)を介して第1のチャネル327内に流入する。ターゲット材料は中間チャネル329からチャンバ328内へ、更にチャンバ328からフィルタ241d内へ、次いでノズル構造318内へ流入する。ターゲット材料はオリフィス319からターゲット材料のジェットとして放出され、これはターゲットへと分解する。第1のチャネル327、中間チャネル329、チャンバ328、及びオリフィス319は、共に、第1の端部325から第2の端部326までのターゲット材料経路を形成する。
[0086] アクチュエータ231は、MEMSシステム217のアクチュエータ231と同様の方法でチャンバ328に結合されている。MEMSシステム317において、アクチュエータ231は、レイリー周波数に近い周波数を含む2つ以上の周波数によって駆動することができる。第2の周波数は、式(1)に示されているヘルムホルツ周波数とすればよい。式(1)に示されているように、ヘルムホルツ周波数は、中間チャネル329の数、並びに中間チャネル329の表面積及び長さに依存する。このため、第2の周波数(従ってターゲット生成の周波数)は、中間チャネル329の数を増やすこと及び/又は中間チャネル329のジオメトリを変更することによって調節できる。
[0087] MEMSシステム317は組み立てた状態で示されている。MEMSシステム317は、3つの層345a、345b、及び345cを含む。図3Aにおいて、これらの層の境界が2本の破線で示されている。層345a、345b、及び345cは別個に製造することができ、これらの層を接合することで、組み立てたMEMSシステム317が形成される。組み立てたMEMSシステム317は、図2Aのマウント203のようなマウントに収容することができる。
[0088] MEMSシステム117の他の実施も可能である。例えば、MEMSシステム217及び317は、MEMSシステムの2つの対向する側の間にターゲット材料経路があるように構成されている。しかしながら、他の構成も使用できる。例えば、MEMSシステムの対向する側でない端部からターゲット材料経路が延出するように、ターゲット材料がZ軸に沿ってMEMSシステムに入って-X方向でMEMSシステムから出ることも可能である。MEMSシステム217は6つの第1のチャネル227を含むが、他の実施はもっと多いか又はもっと少ない第1のチャネルを含み得る。例えばいくつかの構成では、単一のチャネルが第1の端部225からチャンバ228まで延出し得る。MEMSシステム217及び317は、図2D及び図3に示されている各例よりも多いか又は少ない層を含み得る。
[0089] 更に、第1のチャネル227は部分237及び238を含み、第1のチャネル337は部分337及び338を含む。部分238に対する部分237の相対的な寸法、及び部分338に対する部分337の寸法は、異なる実施では異なる可能性がある。例えば、MEMSシステム317のいくつかの実施では、部分338全体が層345b内にあるように、部分337は層345cの全長にわたってX軸に沿って延出することができる。同様に、MEMSシステム217のいくつかの実施では、部分238が別個の層内にあるように、部分237は層245fの全長にわたってX軸に沿って延出することができる。
[0090] 図12A、図12B、図13A、及び図13Bは、MEMSシステム117の追加の例示的な実施を示す。MEMSシステムの他の例示的な実施について検討する前に、図4から図8を検討する。図4から図8は、2つ以上の制御可能ターゲット形成ユニットを含む供給システムの例を与える。
[0091] 図4を参照すると、供給システム400のブロック図が示されている。供給システム400はEUV光源で使用することができる。供給システム400は、ターゲット形成装置416及び制御システム450を含む。ターゲット形成装置416は、n個のターゲット形成ユニット462を含む(462_1から462_nと標示されている)。nは2以上の任意の整数である。ターゲット形成ユニット462の各々は、オリフィス419を画定するノズル構造418を含む。図4において、ノズル構造418は418_1から418_nと標示され、各ノズルの各オリフィス419は419_1から419_nと標示されている。
[0092] ターゲット形成ユニット462はMEMSベースとすることができる。例えば、ターゲット形成ユニット462の各々はMEMSシステム117(図1)の事例(instance)とすることができる。そのような実施の例が図5A及び図5Bに示されている。他の実施では、ターゲット形成ユニット462はMEMSベースでなく、従来の機械加工技法を用いて作製される。例えばターゲット形成ユニット462の各々は、従来の機械加工技法を用いて機械加工された高強度金属から形成されるが、毛細管を含まないノズルを有し得る。図6に示されているようないくつかの実施では、ターゲット形成ユニット462の各々は従来の機械加工技法によって作製され、毛細管も含む。
[0093] ターゲット形成装置416は、図1のリザーバ112のようなターゲット材料を収容しているリザーバに流体結合されるように構成されている。稼働使用時、圧力を加えられたターゲット材料がリザーバからオリフィス419のいずれかに流入できるように、オリフィス419はリザーバに流体結合されている。ターゲット形成ユニット462の各々を活性化又は非活性化することができる。制御システム450は、ターゲット形成ユニット462のうち特定の1つ以上を活性化又は非活性化することにより、n個のターゲット形成ユニット462のうちどれが所与の時点でターゲットを生成できるかを制御する。特定のターゲット形成ユニット462は活性化されると各オリフィス419からターゲット材料を放出することができる。特定のターゲット形成ユニット462は非活性化されると各オリフィス419からターゲット材料を放出することができない。
[0094] 制御システム450は、ターゲット形成ユニット462の非活性化及び/又は活性化を制御する。図4に示されている実施を含むいくつかの実施において、制御システム450は、ターゲット形成ユニット462における熱量を制御するよう構成された温度システム453を含む。上記で検討したように、ターゲット材料は流動し得る溶融状態とすることができる。例えば、ターゲット材料は溶融スズを含み得る。これらの実施において、温度システム453は、ターゲット形成装置416及び/又はターゲット形成ユニット462のうち特定のものに対して熱を追加又は除去することができる。熱を追加すると、ターゲット材料が溶融状態を維持することを保証できる。熱を除去するか、又はターゲット形成装置416及び/又はターゲット形成ユニット462のうち特定のものを冷却すると、ターゲット材料は凝固する。ターゲット材料が溶融状態である場合、ターゲット材料をオリフィス419から放出することができ、ターゲット形成ユニット462はアクティブである。ターゲット材料が凝固している場合、ターゲット材料はオリフィス419から放出されず、ターゲット形成ユニット462はアクティブでない。
[0095] 温度システム453は、個別の温度システム463_1~463_nを含むことができ、これら温度システム463_1~463_nのそれぞれにターゲット形成ユニット462_1~462_nの各々が関連付けられている。温度システム463_1~463_nの各々は、1つ以上の冷却デバイス及び/又は1つ以上の加熱デバイスを含み得る。冷却デバイスは、関連付けられたターゲット形成ユニットの温度を低下させることができる任意のデバイスである。例えば冷却デバイスは、熱を吸収する要素とすればよい。加熱デバイスは、関連付けられたターゲット形成ユニットの温度を上昇させることができる任意のデバイスである。例えば加熱デバイスは、ヒータ又はヒータ群とすればよい。加熱デバイス及び/又は冷却デバイスは、例えばペルチェデバイスを用いて実施できる。ペルチェデバイスは、デバイスの一方側から他方側へ熱を伝達する固体アクティブヒートポンプである。ペルチェデバイスは、ペルチェヒートポンプ、ペルチェクーラ、ペルチェヒータ、熱電ヒートポンプ、固体冷却装置(solid state refrigerator)、又は熱電冷却器(TEC:thermoelectric cooler)と称されることもある。
[0096] 制御システム450は、通信リンク452を介して送信される活性化信号及び非活性化信号によって温度システム463_1~463_nを制御することができる。通信リンク452は、データ及び電気信号を送信できる任意のタイプの通信リンクとすればよい。制御システム450は、通信リンク452を介してターゲット形成装置416及び/又はターゲット形成装置416の任意のコンポーネントとデータ及び/又は情報を交換する。制御システム450は、電子プロセッサ454、電子ストレージ456、及び入出力(I/O)インタフェース458も含む。電子プロセッサ454は、汎用又は特殊用途マイクロプロセッサのようなコンピュータプログラムの実行に適した1つ以上のプロセッサや、任意の種類のデジタルコンピュータの1つ以上のプロセッサを含む。一般に電子プロセッサは、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、又はそれら双方から命令及びデータを受信する。電子プロセッサ454は任意のタイプの電子プロセッサとすればよい。
[0097] 電子ストレージ456は、RAM等の揮発性メモリ、又は不揮発性メモリとすることができる。いくつかの実施において、電子ストレージ456は不揮発性及び揮発性の部分又はコンポーネントを含む。電子ストレージ456は、制御システム450及び/又は制御システム450のコンポーネントの動作に使用されるデータ及び情報を記憶することができる。
[0098] 電子ストレージ456は、コンピュータプログラムとして命令を記憶することができる。命令が実行された場合、電子プロセッサ454は、制御システム450のコンポーネント、ターゲット形成装置416、及び/又はターゲット形成装置416を含むEUV光源のコンポーネントと通信を行う。
[0099] I/Oインタフェース458は任意の種類の電子インタフェースであり、これによって制御システム450は、人のオペレータ、ターゲット形成装置416、及び/又はターゲット形成装置416を含むEUV光源、及び/又は別の電子デバイス上で実行している自動化プロセスとの間で、データ及び信号を受信及び/又は送出することができる。例えばI/Oインタフェース458は、視覚ディスプレイ、キーボード、及び通信インタフェースのうち1つ以上を含み得る。いくつかの実施において、I/Oインタフェース458は、インターネット等のネットワークを介して遠隔コンピュータに接続し通信を行うよう構成できる。
[0100] 制御システム450は、I/Oインタフェース458で受信した情報に応答して、ターゲット形成装置416と通信を行ってターゲット形成ユニット462のうち特定の1つを活性化又は非活性化のため選択することができる。例えばI/Oインタフェース458は、ターゲット形成装置416を含むEUV光源から、EUV光が生成されていないという指示を受信し得る。別の例において制御システム450は、生成されているEUV光量の指示を受信し、この量を電子ストレージ456に記憶された予想値と比較することができる。制御システム450は、EUV光が生成されていないこと又は予想値未満である量の指示に応答して、異なるターゲット形成ユニットを活性化することができる。別の例では、人のオペレータがI/Oインタフェース458と相互作用して、ターゲット形成ユニット462_1~462_nのうち特定の1つを活性化又は非活性化のため選択することができる。
[0101] 制御システム450は、ターゲット形成装置416の他の面(aspect)を制御することも可能である。例えば制御システム450は、ターゲット形成装置416が搭載されている機械的位置決めステージ又は同様のデバイスを活性化することにより、ターゲット形成装置416を移動させるように構成できる。いくつかの実施において、制御システム450は、アクチュエータ231のようなターゲット形成ユニット内のアクチュエータを制御することができる。例えば、制御システム450を用いて、アクチュエータ231の近傍の電極に第1及び第2の周波数を与えることができる。
[0102] 図5A及び図5Bを参照すると、ターゲット形成装置516が示されている。ターゲット形成装置516はマウント570に収容されている。図5Aは、ターゲット形成装置516及びマウント570の側断面のブロック図である。図5Bは、ターゲット形成装置516及びマウント570の上面のブロック図である。ターゲット形成装置516はターゲット形成装置416(図4)の実施の一例であり、ターゲット形成装置516は制御システム450と共に使用できる。
[0103] ターゲット形成装置516は、個別に制御可能なMEMSベースのターゲット形成ユニット517_1、517_2、及び517_3を有するMEMSベースの供給システムの一例である。ターゲット形成装置516は、図2Aから図2Dに関して上記で検討したMEMSシステム217の3つの事例を含む。ターゲット形成装置516は、接合された層から形成された一体部分である。3つの事例はターゲット形成ユニット517_1、517_2、及び517_3である。ターゲット形成ユニット517_1、517_2、及び517_3の各々は、MEMSシステム217の特徴を含む。マウント570に収容された場合、ターゲット形成ユニット517_1、517_2、及び517_3の各々の第1の端部225は、ターゲット材料を収容しているリザーバと向かい合っている。図示の例において、ターゲット形成ユニット517_1、517_2、及び517_3は、Z軸に沿って延出する線形アレイ状に配置されている。MEMSベースのターゲット形成装置516は比較的小型である。例えば、ターゲット形成ユニット517_1、517_2、及び517_3の各々のオリフィスは、Z軸に沿って相互に約1mm分離させることができる。
[0104] ターゲット形成装置516は、ターゲット形成ユニット517_1と517_2との間の断熱部565_1と、ターゲット形成ユニット517_2と517_3との間の断熱部565_2も含む。ターゲット形成ユニット517_1、517_2、及び517_3が形成される材料は、比較的高い熱伝導率を有し得る。例えば、ターゲット形成ユニット517_1、517_2、及び517_3はシリコンで作製できる。断熱部565_1及び565_2は、隣接するターゲット形成ユニット間の熱バリアを提供するか、又は隣接するターゲット形成ユニット間の熱伝達量を低減させる。これにより、ターゲット形成ユニット517_1、517_2、及び517_3が良好な熱導体である材料で作製された場合であっても、ターゲット形成ユニット517_1、517_2、及び517_3を個別に制御可能とすることができる(例えば1度に1つずつ活性化又は非活性化することができる)。
[0105] 断熱部565_1及び565_2は、MEMSシステムにおける使用に適した任意の断熱材で作製することができる。例えば断熱部565_1及び565_2の各々は、空気、ストーンウール(stone wool)、又は折り畳んだポリイミドフォイルを充填したキャビティとすることができる。いくつかの実施では、断熱部565_1及び565_2の位置に小さい穴をエッチングし、エッチングした穴に二酸化ケイ素又はシリコンの層を配置することができる。二酸化ケイ素の熱伝導率は約5~10W/m/Kであり、シリコンの熱伝導率は130W/m/Kであり、これらの材料の一方又は双方で作製された層は断熱性を与える。断熱部565_1及び565_2は同一の形状及び/又は材料とすることができる。いくつかの実施では、ターゲット形成ユニット517_1、517_2、及び517_3の各々にアクティブな加熱及び/又は冷却機構(ペルチェデバイス等)を関連付けて、特定のターゲット形成ユニットをアクティブに加熱又は冷却すると共に、各ターゲット形成ユニットの温度の精密な制御を行う。
[0106] ターゲット形成装置516は、ターゲット形成ユニット517_1、517_2、及び517_3にそれぞれ関連付けられた温度システム563_1、563_2、及び563_3も含む。ターゲット形成装置516において、温度システム563_1、563_2、及び563_3は関連付けられたターゲット形成ユニットの一部であり、これらも半導体デバイス製造技術で製造される。例えばターゲット形成装置516は、ターゲット形成ユニット517_1、517_2、及び517_3、温度システム563_1、563_2、及び563_3、並びに断熱部565_1及び565_2を含む一体部分とすることができる。
[0107] 稼働使用時、温度システム563_1、563_2、及び563_3は、制御システム450から制御信号を受信する。制御信号は温度システム563_1、563_2、及び563_3を活性化又は非活性化させ、これによってターゲット形成ユニット517_1、517_2、及び517_3のうち特定の1つを任意の所与の時点で活性化することができる。
[0108] ターゲット形成装置516は、例えばOリング又は他の任意の密閉デバイスによってマウント570内の所定位置に保持することができる。マウント570に収容された場合、ホルダとターゲット形成装置516との間に空間571が形成され得る。空間571は、空間234(アクチュエータ231を保持する)及びチャンバ228と同じ部分的圧力とすることができる。
[0109] 図5A及び図5Bの例は、各々がMEMSシステム217の事例である3つのターゲット形成ユニットを含む供給システムを示している。しかしながら、他の構成も可能である。例えば、MEMSシステム217のもっと多いか又は少ない事例を使用すること、及び/又はそれらの事例を線形アレイ以外のジオメトリ構成に配置することも可能である。ターゲット形成装置516において、MEMSシステム217以外のMEMSシステムを使用してもよい。
[0110] 図6を参照すると、ターゲット形成装置616の斜視図が示されている。ターゲット形成装置616はターゲット形成装置416(図4)の実施の別の例であり、ターゲット形成装置616は制御システム450と共に使用できる。ターゲット形成装置616はEUV光源と共に使用される。
[0111] ターゲット形成装置616は、個別に制御可能であるがMEMSベースでないターゲット形成ユニット662を含む。ターゲット形成装置616は3つ以上のターゲット形成ユニット662を含む。ターゲット形成ユニット662は従来の機械加工技法を用いて製造される。各ターゲット形成ユニット662は、ピエゾアクチュエータ(図示せず)によって取り囲まれてフィルタ673に嵌め込まれた少なくとも1つの毛細管671を含む。図6にはターゲット形成ユニット662のうち1つのみが標示されているが、図示のように、ターゲット形成装置616の他のユニットも同様の特徴を有する。
[0112] ターゲット形成装置616のターゲット形成ユニット662はブロック670に搭載されている。ブロック670はEUV光源の真空チャンバ(例えば図1の真空チャンバ109)内に搭載されている。また、ブロック670はリザーバ112にも搭載されて、圧力を加えられたリザーバ内のターゲット材料がターゲット形成ユニット662内へ流入すると共に毛細管のオリフィスから放出することが可能となっている。ブロック670は、ターゲット形成ユニットの方へ流れるターゲット材料を加熱又は冷却できる温度システム(図示せず)を含む。ターゲット形成ユニット662の各々は、制御システム450によって制御可能である関連付けられた温度システムを有する。制御システム450は、特定のターゲット形成ユニットを活性化するため、そのターゲット形成ユニットのターゲット材料の溶融状態を維持するように温度システムを制御する。特定のターゲット形成ユニットを非活性化するため又はそのターゲット形成ユニットを活性化するため、制御システム450は、ターゲット材料がそのターゲット形成ユニットを介して流れないように凝固するまでこれを冷却するか、又はターゲット材料がそのターゲット形成ユニットを介して流れるようにこれを加熱するよう、関連付けられた温度システムを制御する。
[0113] いくつかの実施において、ターゲット形成ユニット662は軸677を中心としてブロック670内で回転するように構成できる。これらの実施では、ターゲット形成ユニット662をブロック670に対して回転させて、活性化したターゲット形成から放出されたターゲットをプラズマ形成位置123の方へ誘導する。他の実施では、ターゲット形成ユニット662の全てがプラズマ形成位置123に照準を合わせるようにターゲット形成ユニット662はブロック670内に搭載されている。これらの実施では、ターゲット形成ユニット662はブロック670に対して回転しない。更に別の実施では、ブロック670及びターゲット形成ユニット662は共に、プラズマ形成位置123に対して移動して、活性化したターゲット形成ユニットから放出されたターゲットをプラズマ形成位置123の方へ誘導する。この実施において、ブロック670及びターゲット形成ユニット662は、弧Aに沿って軸677を中心として回転する及び/又はプラズマ形成位置123に対して任意の方向に並進することができる。例えば、ブロック670及びターゲット形成ユニット662は共に、経路P及び/又は経路P’に沿って移動できる。ブロック670及び/又はターゲット形成ユニット672が移動する実施では、制御システム450を用いて移動を制御することができる。
[0114] 図7を参照すると、ターゲット形成装置716の斜視図が示されている。ターゲット形成装置716はターゲット形成装置416(図4)の実施の別の例であり、ターゲット形成装置716は制御システム450と共に使用できる。ターゲット形成装置716はEUV光源と共に使用される。
[0115] ターゲット形成装置716は、個別に制御可能であるターゲット形成ユニット762を含む。図7にはターゲット形成ユニット762のうち1つのみが標示されているが、図示のように、他のユニットも同様の特徴を有する。ターゲット形成装置716は3つ以上のターゲット形成ユニット762を含む。ターゲット形成ユニット762はMEMSベースであり、各ターゲット形成ユニット762はMEMSシステム717を含む。MEMシステム717は、MEMSシステム117、217、もしくは317と同様とすることができるか、又は、MEMSシステム717は異なる構成を有することも可能である。各ターゲット形成ユニット762において、MEMSシステム717は、ブロック675に搭載されたフィルタ673上に搭載されている。
[0116] 図8を参照すると、ターゲット形成装置816の斜視図が示されている。ターゲット形成装置816はターゲット形成装置416(図4)の実施の別の例であり、ターゲット形成装置816は制御システム450と共に使用できる。ターゲット形成装置816はEUV光源と共に使用される。
[0117] ターゲット形成装置816は、個別に制御可能であるターゲット形成ユニット862を含む。図8にはターゲット形成ユニット862のうち1つのみが標示されているが、図示のように、他のユニットも同様の特徴を有する。ターゲット形成装置816は3つ以上のターゲット形成ユニット862を含む。ターゲット形成ユニット862はMEMSベースであり、各ターゲット形成ユニット862はMEMSシステム817を含む。MEMシステム817は少なくとも1つのフィルタを含み、MEMSシステム217もしくは317と同様とすることができるか、又は、MEMSシステム817は異なる構成を有することも可能である。MEMSシステム817は、シリコンウェーハにエッチングされた複数のオリフィスとして製造することができる。各ターゲット形成ユニット862において、MEMSシステム817はブロック670に直接搭載されている。
[0118] ターゲット形成装置716及び816は、ターゲット形成装置616の実施と同様、ブロック670に対して及び/又はブロック670と共に移動するよう実施できる。更に、ブロック670及び制御システム450の温度システムによって、ターゲット形成装置716及び816のターゲット形成ユニット762及び862を、ターゲット形成装置616に関して検討したように個別に制御することができる。更に、ターゲットの2つ以上の流れがプラズマ形成位置123の方へ放出されるように、任意の所与の時点で2つ以上のターゲット形成ユニットを活性化することも可能である。
[0119] 図9は、1つの実施に従ったソースコレクタモジュールSOを含むリソグラフィ装置900を概略的に示す。ターゲット形成装置116、416、516、616、716、及び816は、ソースコレクタモジュールSOにおいて使用できるターゲット形成装置又は小滴ジェネレータの例である。リソグラフィ装置900は、
放射ビームB(例えばEUV放射)を調節するよう構成された照明システム(イルミネータ)ILと、
パターニングデバイス(例えばマスク又はレチクル)MAを支持するように構成され、パターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、
基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTと、
パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ以上のダイを含む)上に投影するように構成された投影システム(例えば反射型投影システム)PSと、を含む。
[0120] 照明システムは、放射を誘導し、整形し、又は制御するための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、又はその他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらの任意の組み合わせ等、様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
[0121] 支持構造MTは、パターニングデバイスの配向、リソグラフィ装置の設計及び、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かのような他の条件に応じた方法で、パターニングデバイスMAを保持する。支持構造は、機械式、真空式、静電式、又は他のクランプ技法を使用してパターニングデバイスを保持することができる。支持構造は、例えばフレーム又はテーブルとすることができ、必要に応じて固定式又は可動式とすればよい。支持構造は、例えば投影システムに対してパターニングデバイスが所望の位置にあることを保証できる。
[0122] 「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを付与するため使用できる任意のデバイスを指すものと広義に解釈されるべきである。放射ビームに付与されるパターンは、集積回路等のターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当し得る。
[0123] パターニングデバイスは透過性又は反射性とすることができる。パターニングデバイスの例は、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルを含む。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、更には様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例は、小型ミラーのマトリクス配列を使用しており、ミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜させることができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを付与する。
[0124] 投影システムPSは、照明システムILと同様、使用する露光放射、又は真空の使用のような他の要因に合わせて適宜、例えば屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、又はその他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらの任意の組み合わせ等、様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。その他のガスは放射を吸収しすぎるため、EUV放射用に真空を使用することが望ましい場合がある。従って、真空壁及び真空ポンプを用いてビーム経路全体に真空環境を提供することができる。
[0125] 本明細書で示すように、この装置は反射型である(例えば反射マスクを使用する)。
[0126] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上のパターニングデバイステーブル)を有するタイプとすることができる。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使用するか、又は、1つ以上のテーブルを露光に使用している間に1つ以上の他のテーブルで準備ステップを実行することができる。
[0127] 図9を参照すると、イルミネータILはソースコレクタモジュールSOから極端紫外線放射ビームを受光する。EUV光を生成する方法は、例えばキセノン、リチウム、又はスズのようなEUV範囲内に1つ以上の輝線がある少なくとも1つの元素を有する材料をプラズマ状態に変換することを含むが、必ずしもこれに限定されない。そのような方法のうちの1つであり、しばしばレーザ生成プラズマ(「LPP:laser produced plasma」)と呼ばれる方法では、必要な線発光元素を有する材料の小滴、流れ、又はクラスタ等の燃料をレーザビームで照射することにより、必要なプラズマを生成することができる。ソースコレクタモジュールSOは、燃料を励起するレーザビームを提供するためのレーザ(図9には図示されていない)を含むEUV放射システムの一部とすることができる。結果として生じるプラズマは、例えばEUV放射のような出力放射を放出し、この出力放射はソースコレクタモジュール内に配置された放射コレクタを用いて集光される。例えば二酸化炭素(CO2)レーザを使用して燃料励起のためのレーザビームを提供する場合、レーザとソースコレクタモジュールは別個の構成要素である可能性がある。
[0128] そのような場合、レーザはリソグラフィ装置の一部を形成するとは見なされず、放射ビームは、レーザからソースコレクタモジュールへ、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムを用いて渡される。その他の場合、例えば放射源がしばしばDPP源と呼ばれる放電生成プラズマEUVジェネレータである場合は、放射源はソースコレクタモジュールの一体部分である可能性がある。
[0129] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調整するためのアジャスタを備えることができる。通常、イルミネータの瞳面内の強度分布の少なくとも外側半径範囲及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調整することができる。更に、イルミネータILは、ファセットフィールドミラーデバイス及びファセット瞳ミラーデバイスのような様々な他のコンポーネントも含むことができる。イルミネータILを用いて、放射ビームが断面において所望の均一性と強度分布を有するように調節することができる。
[0130] 放射ビームBは、支持構造(例えばマスクテーブル)MT上に保持されたパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射し、パターニングデバイスによってパターン形成される。パターニングデバイス(例えばマスク)MAから反射された後、放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSはビームを基板Wのターゲット部分C上に合焦させる。第2のポジショナPW及び位置センサPS2(例えば、干渉デバイス、リニアエンコーダ、又は容量センサ)を使用して、基板テーブルWTを、例えば様々なターゲット部分Cを放射ビームBの経路に位置決めするように正確に移動させることができる。同様に、第1のポジショナPM及び別の位置センサPS1を用いて、パターニングデバイス(例えばマスク)MAを放射ビームBの経路に対して正確に位置決めすることができる。パターニングデバイス(例えばマスク)MA及び基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を用いて位置合わせすることができる。
[0131] 図示されている装置は、以下のモードのうち少なくとも1つで使用可能である。
1.ステップモードでは、支持構造(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTを基本的に静止状態に維持しながら、放射ビームに付与されたパターン全体を1回でターゲット部分Cに投影する(すなわち単一静的露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTをX方向及び/又はY方向に移動させる。
2.スキャンモードでは、支持構造(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTを同期的にスキャンしながら、放射ビームに付与されたパターンをターゲット部分Cに投影する(すなわち単一動的露光)。支持構造(例えばマスクテーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって決定することができる。
3.別のモードでは、支持構造(例えばマスクテーブル)MTがプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持されると共に基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームに付与されたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス放射源が使用され、基板テーブルWTの各移動の後に又はスキャン中の連続した放射パルスと放射パルスとの間に、プログラマブルパターニングデバイスが必要に応じて更新される。この動作モードは、上記で言及したタイプのプログラマブルミラーアレイ等のプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に適用できる。
[0132] 上述した使用モードの組み合わせ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
[0133] 図10は、ソースコレクタモジュールSO、照明システムIL、及び投影システムPSを含むリソグラフィ装置900の一実施形態を更に詳細に示す。ソースコレクタモジュールSOは、このソースコレクタモジュールSOの閉鎖構造1020内に真空環境を維持できるように構築及び配置されている。システムIL及びPSも同様にそれら自身の真空環境内に収容されている。レーザ生成LPPプラズマ源によって、EUV放射を発するプラズマ2を形成することができる。ソースコレクタモジュールSOの機能は、プラズマ2からのEUV放射ビーム20を仮想光源点に合焦させるように送出することである。仮想光源点は一般に中間焦点(IF)と称される。ソースコレクタモジュールは、中間焦点IFが閉鎖構造1020の開口1021に又はその近傍に位置するように構成されている。仮想光源点IFは、放射を発するプラズマ2の像である。
[0134] 中間焦点IFにおけるアパーチャ1021から、放射は、この例ではファセットフィールドミラーデバイス22及びファセット瞳ミラーデバイス24を含む照明システムILを横断する。これらのデバイスはいわゆる「フライアイ(fly’s eye)」イルミネータを形成する。これは、パターニングデバイスMAにおいて放射ビーム21の所望の角度分布を与えると共に、パターニングデバイスMAにおいて所望の放射強度均一性を与える(参照番号1060で示されている)ように配置されている。支持構造(マスクテーブル)MTによって保持されたパターニングデバイスMAでビーム21が反射されると、パターン付きビーム26が形成される。このパターン付きビーム26は、投影システムPSによって、反射要素28、30を介して、基板テーブルWTにより保持された基板W上に結像される。基板W上のターゲット部分Cを露光するため、基板テーブルWT及びパターニングデバイステーブルMTが同期した移動を行って照明スリットを通してパターニングデバイスMA上のパターンをスキャンすると同時に、放射パルスを発生させる。
[0135] 各システムIL及びPSは、閉鎖構造1020と同様の閉鎖構造によって画定されたそれら自身の真空環境又は近真空(near-vacuum)環境内に配置されている。一般に、照明システムIL及び投影システムPS内には、図示するよりも多くの要素が存在し得る。更に、図示するよりも多くのミラーが存在する場合がある。例えば、照明システムIL及び/又は投影システムPS内には、図10に示すもの以外に1つから6つの追加の反射要素が存在することがある。
[0136] ソースコレクタモジュールSOについて更に詳しく検討すると、レーザ1023を含むレーザエネルギソースが、ターゲット材料を含む燃料にレーザエネルギ1024を堆積するように配置されている。ターゲット材料は、キセノン(Xe)、スズ(Sn)、又はリチウム(Li)等、プラズマ状態でEUV放射を放出する任意の材料とすればよい。プラズマ2は、数10電子ボルト(eV)の電子温度を有する高度に電離したプラズマである。例えばテルビウム(Tb)及びガドリニウム(Gd)のような他の燃料材料によって、より高いエネルギのEUVを発生させることも可能である。これらのイオンの脱励起及び再結合中に発生した高エネルギ放射がプラズマから放出され、近法線入射コレクタ3によって収集され、アパーチャ1021に合焦される。プラズマ2及びアパーチャ1021は、それぞれコレクタCOの第1及び第2の焦点に位置付けられている。
[0137] 図10に示されているコレクタ3は単一の曲面ミラーであるが、コレクタは他の形態をとってもよい。例えばコレクタは、2つの放射収集面を有するシュヴァルツシルトコレクタとしてもよい。一実施形態においてコレクタは、相互に入れ子状になった複数の実質的に円筒形のリフレクタを含むかすめ入射コレクタとしてもよい。
[0138] 例えば液体スズである燃料を送出するため、高周波数の小滴の流れ1028をプラズマ2の所望の位置に向けて発射するよう配置された小滴ジェネレータ1026が、閉鎖部(enclosure)1020内に配置されている。動作の際、レーザエネルギ1024は小滴ジェネレータ1026の動作と同期して送出され、各燃料小滴をプラズマ2に変えるための放射インパルスを送出する。小滴ジェネレータ1026は、上記で検討したターゲット形成装置116、416、516、616、716、又は816のうち任意のものとするか、又はそれを含むことができる。小滴送出の周波数は数キロヘルツとすることができ、例えば50kHzである。実際には、レーザエネルギ1024は少なくとも2つのパルスで送出される。すなわち、燃料材料を小さいクラウドに気化させるため、限られたエネルギのプレパルスがプラズマ位置に到達する前の小滴へ送出され、次いで、プラズマ2を発生させるため、レーザエネルギのメインパルス1024が所望の位置のクラウドへ送出される。閉鎖構造1020の反対側にトラップ1030が設けられ、何らかの理由でプラズマに変わらない燃料を捕捉する。
[0139] 小滴ジェネレータ1026は、燃料液体(例えば溶融スズ)を収容するリザーバ1001、フィルタ1069、及びノズル1002を備えている。ノズル1002は、燃料液体の小滴をプラズマ2の形成位置の方へ放出するように構成されている。リザーバ1001内の圧力とピエゾアクチュエータ(図示せず)によってノズルに加えられる振動との組み合わせによって、燃料液体の小滴をノズル1002から放出させることができる。
[0140] 当業者に既知のように、基準軸X、Y、及びZは、装置、装置の様々なコンポーネント、及び放射ビーム20、21、26のジオメトリ及び挙動を測定及び記述するために規定できる。装置の各部分において、X軸、Y軸、及びZ軸の局所基準フレームを規定することができる。Z軸は、システム内の所与のポイントにおいて光軸O方向とほぼ一致し、概ねパターニングデバイス(レチクル)MAの面に垂直であると共に基板Wの面に垂直である。ソースコレクタモジュールにおいて、X軸は燃料の流れ1028の方向とほぼ一致し、Y軸は図10に示されているように、X軸に直交し、紙面から出ていく方向である。一方、レチクルMAを保持する支持構造MTの近傍において、X軸は、Y軸と位置合わせされたスキャン方向を概ね横断する。便宜上、図10の概略図のこのエリアでは、X軸は図示されているように紙面から出ていく方向である。これらの指定は当技術分野において従来からのものであり、本明細書でも便宜的に採用される。原理上、装置及びその挙動を記述するため任意の基準フレームを選択することができる。
[0141] 典型的な装置においては、全体としてソースコレクタモジュール及びリソグラフィ装置900の動作に使用される多数の追加コンポーネントが存在するが、ここには図示されていない。これらには、例えばコレクタ3及び他の光学系に損傷を与えるかそれらの性能を低下させる燃料材料の堆積を防止するように、閉鎖された真空内の汚染の効果を低減又は軽減するための構成が含まれる。存在するが詳述しない他の特徴部(feature)は、リソグラフィ装置900の様々なコンポーネント及びサブシステムの制御に関与するセンサ、コントローラ、及びアクチュエータである。
[0142] 図11を参照すると、LPP EUV光源の実施が示されている。図11はLPP EUV光源1100を示す。光源1100は、リソグラフィ装置900におけるソースコレクタモジュールSOとして使用できる。更に、光源1100と共に、ターゲット形成装置116、416、516、616、716、及び816のうち任意のものを使用できる。例えば、光源1100の供給システム1125と共に、ターゲット形成装置116、416、516、616、716、及び816のうち任意のものを使用できる。更に、図1の光源105を駆動レーザ1115の一部とすること、制御システム450をマスタコントローラ1155の一部とすること、マスタコントローラ1155のコンポーネントのいずれかとすること、又は別個の制御システムとして実施することも可能である。
[0143] LPP EUV光源1100は、プラズマ形成位置1105にあるターゲット混合物1114を、ビーム経路に沿ってターゲット混合物1114の方へ進行する増幅光ビーム1110で照射することによって形成される。図1から図8に関して検討されたターゲット材料は、ターゲット混合物1114であるか又はターゲット混合物1114を含むことができる。プラズマ形成位置1105は真空チャンバ1130の内部1107にある。増幅光ビーム1110がターゲット混合物1114に当たると、ターゲット混合物1114内のターゲット材料は、EUV範囲内に輝線がある元素を有するプラズマ状態に変換される。生成されたプラズマは、ターゲット混合物1114内のターゲット材料の組成に応じた特定の特徴を有する。これらの特徴は、プラズマによって生成されるEUV光の波長、並びにプラズマから放出されるデブリの種類及び量を含み得る。
[0144] 光源1100は供給システム1125も含む。供給システム1125は、液体小滴、液体流、固体粒子もしくはクラスタ、液体小滴に含まれる固体粒子、又は液体流に含まれる固体粒子の形態であるターゲット混合物1114を、送出、制御、及び誘導する。ターゲット混合物1114はターゲット材料を含み、これは例えば、水、スズ、リチウム、キセノン、又は、プラズマ状態に変換された場合にEUV範囲内に輝線を有する任意の材料である。例えば元素スズは、純粋なスズ(Sn)として、例えばSnBr4、SnBr2、SnH4のようなスズ化合物として、例えばスズ-ガリウム合金、スズ-インジウム合金、スズ-インジウム-ガリウム合金、又はこれらの合金の組み合わせのようなスズ合金として、使用され得る。ターゲット混合物1114は、非ターゲット粒子のような不純物も含み得る。従って、不純物が存在しない状況では、ターゲット混合物1114はターゲット材料でのみ構成される。ターゲット混合物1114は、供給システム1125によってチャンバ1130の内部1107へ、更にターゲット位置1105へ送出される。
[0145] 光源1100は駆動レーザシステム1115を含み、これは、レーザシステム1115の1又は複数の利得媒質内の反転分布のために増幅光ビーム1110を生成する。光源1100は、レーザシステム1115とプラズマ形成位置1105との間にビームデリバリシステムを含む。ビームデリバリシステムは、ビーム伝送システム1120及びフォーカスアセンブリ1122を含む。ビーム伝送システム1120は、レーザシステム1115から増幅光ビーム1110を受光し、必要に応じて増幅光ビーム1110を方向操作及び変更し、増幅光ビーム1110をフォーカスアセンブリ1122に出力する。フォーカスアセンブリ1122は、増幅光ビーム1110を受光し、ビーム1110をプラズマ形成位置1105に合焦する。
[0146] いくつかの実施においてレーザシステム1115は、1以上のメインパルスを提供し、場合によっては1以上のプレパルスも提供するための、1以上の光増幅器、レーザ、及び/又はランプを含み得る。各光増幅器は、所望の波長を高い利得で光学的に増幅することができる利得媒質、励起源、及び内部光学系を含む。光増幅器は、レーザミラー、又はレーザキャビティを形成する他のフィードバックデバイスを有する場合も有しない場合もある。従ってレーザシステム1115は、レーザキャビティが存在しない場合であっても、レーザ増幅器の利得媒質における反転分布のために増幅光ビーム1110を生成する。更にレーザシステム1115は、レーザシステム1115に充分なフィードバックを与えるレーザキャビティが存在する場合、コヒーレントなレーザビームである増幅光ビーム1110を生成できる。「増幅光ビーム」という言葉は、増幅されているだけで必ずしもコヒーレントなレーザ発振でないレーザシステム1115からの光、及び増幅されていると共にコヒーレントなレーザ発振であるレーザシステム1115からの光のうち1つ以上を包含する。
[0147] レーザシステム1115における光増幅器は、利得媒質としてCO2を含む充填ガスを含み、波長が約9100nm~約11000nm、特に約10600nmの光を、800以上の利得で増幅できる。レーザシステム1115で使用するのに適した増幅器及びレーザは、パルスレーザデバイスを含み得る。これは例えば、DC又はRF励起によって約9300nm又は約10600nmの放射を生成し、例えば10kW以上の比較的高いパワーで、例えば40kHz以上の高いパルス繰り返し率で動作するパルスガス放電CO2レーザデバイスである。パルス繰り返し率は、例えば、50kHzであってもよい。また、レーザシステム1115における光増幅器は、レーザシステム1115をもっと高いパワーで動作させる場合に使用され得る水のような冷却システムも含むことができる。
[0148] 光源1100は、増幅光ビーム1110を通過させてプラズマ形成位置1105に到達させることができるアパーチャ1140を有するコレクタミラー1135を含む。コレクタミラー1135は例えば、プラズマ形成位置1105に主焦点を有すると共に中間位置1145に二次焦点(中間焦点とも呼ばれる)を有する楕円ミラーであり得る。中間位置1145でEUV光は光源1100から出力し、例えば集積回路リソグラフィツール(図示せず)に入力することができる。光源1100は、端部が開口した中空円錐形シュラウド1150(例えばガス円錐(cone))も含むことができる。これは、コレクタミラー1135からプラズマ形成位置1105に向かってテーパ状であり、増幅光ビーム1110がターゲット位置1105に到達することを可能としながら、フォーカスアセンブリ1122及び/又はビーム伝送システム1120内に入るプラズマ生成デブリの量を低減させる。この目的のため、シュラウドにおいて、プラズマ形成位置1105の方へ誘導されるガス流を提供することができる。
[0149] 光源1100は、小滴位置検出フィードバックシステム1156と、レーザ制御システム1157と、ビーム制御システム1158と、に接続されているマスタコントローラ1155も含むことができる。光源1100は1以上のターゲット又は小滴撮像器1160を含むことができ、これは、例えばプラズマ形成位置1105に対する小滴の位置を示す出力を与え、この出力を小滴位置検出フィードバックシステム1156に提供する。小滴位置検出フィードバックシステム1156は、例えば小滴の位置及び軌道を計算することができ、それらから小滴ごとに又は平均値として小滴位置誤差が計算され得る。従って、小滴位置検出フィードバックシステム1156は、小滴位置誤差をマスタコントローラ1155に対する入力として提供する。従ってマスタコントローラ1155は、例えばレーザ位置、方向、及びタイミング補正信号を、例えばレーザタイミング回路の制御に使用するためレーザ制御システム1157に提供し、及び/又はビーム制御システム1158に提供して、ビーム伝送システム1120の増幅光ビームの位置及び整形を制御し、チャンバ1130内のビーム焦点スポットの位置及び/又は集光力を変化させることができる。
[0150] 供給システム1125はターゲット材料送出制御システム1126を含む。ターゲット材料送出制御システム1126は、マスタコントローラ1155からの信号に応答して動作可能であり、例えば、ターゲット材料供給装置1127によって放出される小滴の放出点を変更して、所望のプラズマ形成位置1105に到達する小滴の誤差を補正する。
[0151] 更に、光源1100は光源検出器1165及び1170を含むことができ、これらは、限定ではないが、パルスエネルギ、波長の関数としてのエネルギ分布、特定の波長帯内のエネルギ、特定の波長帯外のエネルギ、EUV強度の角度分布、及び/又は平均パワーを含む1つ以上のEUV光パラメータを測定する。光源検出器1165は、マスタコントローラ1155によって使用されるフィードバック信号を発生する。フィードバック信号は、効果的かつ効率的なEUV光生成のため適切な時に適切な場所で小滴を正確に捕らえるために、例えばレーザパルスのタイミング及び焦点のようなパラメータの誤差を示すことができる。
[0152] 光源1100は、光源1100の様々な領域を位置合わせするため又は増幅光ビーム1110をプラズマ形成位置1105へ方向操作するのを支援するために使用され得るガイドレーザ1175も含むことができる。ガイドレーザ1175に関連して、光源1100は、フォーカスアセンブリ1122内に配置されてガイドレーザ1175からの光の一部と増幅光ビーム1110をサンプリングするメトロロジシステム1124を含む。他の実施では、メトロロジシステム1124はビーム伝送システム1120内に配置される。メトロロジシステム1124は、光のサブセットをサンプリング又は方向転換(re-direct)する光学素子を含むことができ、そのような光学素子は、ガイドレーザビーム及び増幅光ビーム1110のパワーに耐えられる任意の材料から作製される。マスタコントローラ1155がガイドレーザ1175からのサンプリングされた光を解析し、この情報を用いてビーム制御システム1158を介してフォーカスアセンブリ1122内のコンポーネントを調整するので、メトロロジシステム1124及びマスタコントローラ1155からビーム解析システムが形成されている。
[0153] 従って、要約すると、光源1100は増幅光ビーム1110を生成し、これはビーム経路に沿って誘導されてプラズマ形成位置1105のターゲット混合物1114を照射して、混合物1114内のターゲット材料を、EUV範囲内の光を発するプラズマに変換する。増幅光ビーム1110は、レーザシステム1115の設計及び特性に基づいて決定される特定の波長(駆動レーザ波長とも称される)で動作する。更に、ターゲット材料がコヒーレントなレーザ光を生成するのに充分なフィードバックをレーザシステム1115に与える場合、又は駆動レーザシステム1115がレーザキャビティを形成する適切な光学フィードバックを含む場合、増幅光ビーム1110はレーザビームであり得る。
[0154] 他の実施も特許請求の範囲の範囲内である。例えば、上記のように、MEMSシステム117(図1)の他の実施が可能である。MEMSシステム117のこれらの他の実施は、ターゲット形成装置116及び供給システム110におけるMEMSシステム117として使用できる。更に、MEMSシステム117の他の実施は、ターゲット形成装置416(図4)において使用できる。例えば、MEMSシステム117の別の実施の事例は、ターゲット形成ユニット462として使用できる。
[0155] 図12A及び図12Bは、半導体デバイス製造技術で製造されたMEMSシステム1217を示す。MEMSシステム1217はMEMSシステム117の実施である。図12Aは、X-Z面におけるMEMSシステム1217の側断面のブロック図である。図12Aにおいて、MEMSシステム1217はマウント1203に収容されている。図12Bは、ライン12B-12Bから見たY-Z面におけるMEMSシステム1217の上面のブロック図である。
[0156] MEMSシステム1217は第1の端部1225及び第2の端部1226を含む。MEMSシステム1217において、第1の端部1225及び第2の端部1226は反対側にある。MEMSシステム1217はマウント1203に収容されている。マウント1203は、第1の端部1225及び第2の端部1226でMEMSシステム1217を保持するクランプである。マウント1203は、X軸に沿ってMEMSシステム1217に力を加える。マウント1203は、MEMSシステム1217に対するターゲット材料の出入りを可能とする開口1204を含む。マウント1203はMEMSシステム1217に対して密閉することができる。図12Aの例では、シール1245がMEMSシステム1217のノズル1218をマウント1203に密閉する。シール1245は、例えばOリングシール、又はノズル1218をマウント1203に密閉できる他のタイプの機構とすればよい。
[0157] 第1の端部1225からX軸に沿って第1のチャネル1227が延出している。稼働使用時、ターゲット材料は、圧力を加えられたリザーバ(図1のリザーバ112等)からフィルタ1241aを介して開口部1204内に流入し、第1のチャネル1227内へ流入する。第1のチャネル1227は、中間チャネル1229を介してチャンバ1228に流体結合されている。チャンバ1228は、部分的に壁1233によって形成されている。チャンバ1228は、Z軸に沿ってチャンバ1228から離れる方へ延出している第2のチャネル1230に流体結合されている。このため、MEMSシステム1217において、第1のチャネル1227及び第2のチャネル1230は相互に垂直である。第2のチャネル1230は、X軸に沿って延出しているノズル1218に流体結合されている。ノズルはオリフィス1219を画定する。
[0158] 第1のチャネル1227、中間チャネル1229、チャンバ1228、第2のチャネル1230、及びオリフィスは、共に、第1の端部1225から第2の端部1226までのターゲット材料経路を形成する。MEMSシステム1217は1つだけの第1のチャネル1227を含むので、2つ以上の第1のチャネルを含む実施に比べ、MEMSシステム1217を流れるターゲット材料は、MEMSシステム1217内でいっそう局所化することができる。このため、例えば、個別に制御可能な複数のターゲット形成ユニットを含む供給システムにおいてMEMSシステム1217をターゲット形成ユニットとして用いる場合、MEMSシステム1217の温度をいっそう容易に制御することができる。
[0159] MEMSシステム1217が圧力を加えられたリザーバ112に流体結合されている場合、ターゲット材料は、リザーバ112からフィルタ1241aを介して第1のチャネル1227及び中間チャネル1229内へ、次いでチャンバ1228内へ流入する。チャンバ1228から、ターゲット材料は第2のチャネル1230及びノズル1218内へ流入し、フィルタ1241bを通過する。フィルタ1241a及び1241bは、上記で検討したフィルタのいずれかと同様とすることができる。フィルタ1241bを通過した後、ターゲット材料はオリフィス1219から放出される。
[0160] MEMSシステム1217は空間1234内にアクチュエータ231も含む。アクチュエータ231はチャンバ1228に結合されており、チャンバ1228内の圧力を変調するように構成されている。アクチュエータ231は膜1232を介してチャンバ1228に機械的に結合されている。アクチュエータ231は、膜1232に対して空間1234の反対側にある壁1243に接触する。壁1243は、-X方向でアクチュエータ231に対して押圧されて、アクチュエータ231を膜1232に対していっそう堅固に機械的に結合することを可能とする。
[0161] 図12AはMEMSシステム1217を組み立てた状態で示している。MEMSシステム1217は、2つの層1245a及び1245bから形成されている。図12Aにおいて、これらの層の境界がZ軸に延出する破線で示されている。層1245a及び1245bは別個に製造することができ、これらの層を接合することで、組み立てたMEMSシステム1217が形成される。MEMSシステム1217は2つだけの層を含むので、もっと多くの層を含む実施よりも簡単に製造できる。
[0162] 図13A及び図13Bは、MEMSシステム117の実施の別の例であるMEMSシステム1317を示す。図13AはY-Z面におけるMEMSシステム1317の断面ブロック図である。図13BはX-Z面におけるMEMSシステム1317の断面ブロック図である。図13BはMEMSシステム1317の層1345a、1345b、及び1345cを示している。
[0163] MEMSシステム1317は、第1の端部1325からZ軸に沿って延出する第1のチャネル1327を含む。第1のチャネル1327は、中間チャネル1329、チャンバ1328、及び第2のチャネル1330に流体結合され、これらは全てZ軸に沿って延出している。第2のチャネル1330は、X軸に沿って(図13Aの紙面内に向かう方へ)延出するノズル1318に流体結合されている。ノズル1318はオリフィス1319を画定する。MEMSシステム1317は空間1334内にアクチュエータ231も含む。アクチュエータ231は、膜1332を介してチャンバ1328に機械的に結合されている。アクチュエータ231はチャンバ1328内の圧力を変調するように構成されている。
[0164] 稼働使用時、第1のチャネル1327は、図1のリザーバ112のような圧力を加えられたリザーバからターゲット材料を受け入れる。ターゲット材料は、第1のチャネル1327から中間チャネル1329及びチャンバ1328内へ流入する。ターゲット材料は、チャンバ1328から第2のチャネル1330内へ流入する。第1のチャネル1327、中間チャネル1329、チャンバ1328、第2のチャネル1330、及びオリフィス1319は、共に、第1の端部1325(図13A)からMEMSシステム1317を介して第2の端部1326(図13B)までのターゲット材料経路を形成する。図13A及び図13Bの実施において、第1の端部1325及び第2の端部1326はMEMSシステム1317の反対側にない。第1の端部1325はX-Y面に延出するMEMSシステム1317の側方にあり、第2の端部1326はY-Z面に延出するMEMSシステム1317の側方にある。
[0165]
1.極端紫外線(EUV)光源のための供給システムであって、
プラズマ状態でEUV光を生成するターゲット材料を収容するように構成されたリザーバに流体結合されるように構成された装置を備え、前記装置は2つ以上のターゲット形成ユニットを備え、前記ターゲット形成ユニットの各々は、
前記リザーバから前記ターゲット材料を受け入れるように構成されたノズル構造であって、前記ターゲット材料をプラズマ形成位置へ放出するように構成されたオリフィスを備えるノズル構造を備え、
前記供給システムは更に、前記ターゲット材料を前記プラズマ形成位置へ放出するため前記ターゲット形成ユニットのうち特定の1つを選択するように構成された制御システムを備える、供給システム。
2.前記制御システムは、前記装置における熱量を制御するように構成された温度システムを備え、前記制御システムは、前記温度システムを制御することによって前記特定のターゲット形成ユニットを活性化又は非活性化のため選択するように構成されている、条項1に記載の供給システム。
3.前記温度システムは2つ以上のヒータを備え、各ターゲット形成ユニットは前記ヒータのうち1つ以上に関連付けられ、前記制御システムは、前記特定のターゲット形成ユニットに関連付けられた前記ヒータのうち特定の1つ以上を制御することによって前記特定のターゲット形成ユニットを活性化のため選択するように構成されている、条項2に記載の供給システム。
4.各ターゲット形成ユニットは、前記リザーバと前記オリフィスとの間のチャネルと、前記チャネルにおける1つ以上のフィルタと、を更に備える、条項1に記載の供給システム。
5.各ターゲット形成ユニットは、前記チャネルに流体結合された作動チャンバと、前記作動チャンバに結合された変調器と、を更に備え、前記変調器は前記作動チャンバ内の圧力を変調するように構成され、
各ターゲット形成ユニットの前記チャネルは、前記リザーバと向かい合う前記各ターゲット形成ユニットの第1の端部から前記作動チャンバまで延出している2つ以上の分岐と、前記作動チャンバに流体結合された出口チャネルと、を備え、前記出口チャネルは前記作動チャンバから前記オリフィスまで延出している、条項4に記載の供給システム。
6.前記ターゲット形成ユニットのうち任意の2つの間に断熱材が配置されている、条項2に記載の供給システム。
7.前記温度システムは2つ以上のアクティブ温度制御機構を備え、各ターゲット形成ユニットは前記アクティブ温度制御機構のうち1つ以上に関連付けられ、ターゲット形成ユニットに関連付けられた前記1つ以上のアクティブ温度制御機構はそのターゲット形成ユニットを加熱又は冷却するように構成されている、条項2に記載の供給システム。
8.前記装置は一体的な単一部材である、条項1に記載の供給システム。
9.前記装置は半導体デバイス製造技術で製造されたMEMS(マイクロ電子機械)システムを含む、条項8に記載の供給システム。
10.前記装置は半導体デバイス製造技術で製造されたMEMSシステムを含む、条項1に記載の供給システム。
11.前記装置を収容するホルダを更に備え、前記装置及び前記ホルダは相互に対して移動するように構成されている、条項1に記載の供給システム。
12.前記装置を収容するホルダを更に備え、前記ホルダは前記プラズマ形成位置に対して移動するように構成されている、条項1に記載の供給システム。
13.前記装置を収容するホルダを更に備え、各ターゲット形成ユニットは複数の毛細管のうち少なくとも1つを含み、前記複数の毛細管は前記ホルダから離れる方へ延出している、条項1に記載の供給システム。
14.前記制御システムは、(a)前記プラズマ形成位置で生成された前記EUV光の量の指示、(b)前記プラズマ形成位置に前記ターゲット材料が存在しないことの指示、及び(c)人のオペレータからの入力、のうち1つ以上に基づいて、前記特定のターゲット形成ユニットを選択するように構成されている、条項1に記載の供給システム。
15.各ターゲット形成ユニットは、前記オリフィスに流体結合された作動チャンバと、前記作動チャンバに結合された変調器と、を更に備え、前記変調器は前記作動チャンバ内の圧力を変調するように構成され、前記制御システムは更に、前記特定のターゲット形成ユニットの前記アクチュエータを2つ以上の周波数で駆動するように構成され、前記周波数のうち少なくとも1つは前記特定のターゲット形成ユニットのジオメトリ構成に基づいている、条項1に記載の供給システム。
16.極端紫外線(EUV)光源の供給システムのための装置であって、前記供給システムはターゲット材料をプラズマ形成位置へ供給するように構成され、前記装置は、
前記供給システムの筐体に収容されるように構成され、半導体デバイス製造技術で製造されたMEMSシステムを備え、前記MEMSシステムは、
プラズマ状態でEUV光を生成する前記ターゲット材料を収容するように構成されたリザーバに流体結合されるように構成されたノズル構造であって、前記ターゲット材料を前記プラズマ形成位置へ放出するように構成されたオリフィスを備えるノズル構造を備える、装置。
17.前記MEMSシステムは、
前記リザーバと前記オリフィスとの間のチャネルと、
前記チャネルにおける1つ以上のフィルタと、
を更に備える、条項16に記載の装置。
18.前記MEMSシステムは、
前記リザーバと前記オリフィスとの間のチャネルと、
前記チャネルに流体結合され、前記チャネルから前記ターゲット材料を受け入れるように構成されたチャンバと、
前記チャンバに結合され、前記チャンバ内の圧力を変調するように構成された変調器と、
を更に備える、条項16に記載の装置。
19.前記チャネルは、前記チャンバに流体結合された1つ以上の供給チャネルと、前記チャンバ及び前記オリフィスに流体結合された出口チャネルと、を備える、条項18に記載の装置。
20.稼働使用時、前記変調器は前記チャンバ内の前記ターゲット材料と実質的に同一の圧力又は前記ターゲット材料の部分的圧力のもとにある、条項18に記載の装置。
21.EUV源であって、
光ビームを生成するように構成された光源と、
プラズマ形成位置で前記光ビームを受光するように構成された容器と、
供給システムであって、
プラズマ状態でEUV光を生成するターゲット材料を収容するように構成されたリザーバに流体結合されるように構成された装置であって、前記装置は2つ以上のターゲット形成ユニットを備え、前記ターゲット形成ユニットの各々は、
前記リザーバから前記ターゲット材料を受け入れるように構成されたノズル構造であって、前記ターゲット材料をプラズマ形成位置へ放出するように構成されたオリフィスを備えるノズル構造を備える、装置と、
前記ターゲット材料を前記プラズマ形成位置へ放出するため前記ターゲット形成ユニットのうち特定の1つを選択するように構成された制御システムと、を備える、供給システムと、を備え、前記光源によって生成された前記光ビームは前記放出されたターゲット材料をプラズマに変換するように構成されている、EUV源。
22.前記制御システムは、前記装置における熱量を制御するように構成された温度システムを備え、前記制御システムは、前記温度システムを制御することによって前記特定のターゲット形成ユニットを活性化又は非活性化のため選択するように構成されている、条項21に記載のEUV源。
23.前記温度システムは2つ以上のヒータを備え、各ターゲット形成ユニットは前記ヒータのうち1つ以上に関連付けられ、前記制御システムは、前記特定のターゲット形成ユニットに関連付けられた前記ヒータのうち特定の1つ以上を制御することによって前記特定のターゲット形成ユニットを活性化のため選択するように構成されている、条項22に記載のEUV源。
24.前記装置は一体的な単一部材である、条項21に記載のEUV源。
25.前記装置は半導体デバイス製造技術で製造されたMEMSシステムを含む、条項21に記載のEUV源。