JP7169210B2 - 研磨方法および研磨装置 - Google Patents

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Description

本発明は、研磨方法および研磨装置に関するものである。
半導体デバイスの製造における歩留まり向上の観点から、ウェハの表面状態の管理が近年注目されている。半導体デバイスの製造工程では、種々の材料がシリコンウェハ上に成膜される。このため、ウェハの周縁部には不要な膜や表面荒れが形成される。近年では、ウェハの周縁部のみをアームで保持してウェハを搬送する方法が一般的になってきている。このような背景のもとでは、周縁部に残存した不要な膜が種々の工程を経ていく間に剥離してウェハに形成されたデバイスに付着し、歩留まりを低下させてしまう。
そこで、ウェハの周縁部に形成された不要な膜を除去するために、研磨装置を用いてウェハの周縁部が研磨される。また、近年の集積度を向上させるためのウェハの積層化において、薄膜化する際の周縁部の断面形状管理がウェハ割れ等を防止し、歩留まり向上の重要な要素となっている。
特開2017-124471号公報 特開2018-14465号公報 特開2011-171647号公報
図13は、多層のウェハを示す図である。図13に示すように、ウェハWは、露出した表面を形成する表面層L1(例えば、シリコン窒化(SiN)膜または金属膜など)と、表面層L1の下にあるシリコン(Si)層L2とを有している。研磨具(例えば、研磨テープまたは砥石)は、押圧部材によってウェハWの周縁部に押しつけられて、ウェハWの周縁部を研磨する。このようにして、研磨具は、ウェハWの周縁部に階段状の窪みを形成する。
表面層L1およびシリコン層L2は、異なる硬さを有している場合がある。この場合、表面層L1と研磨具との間の摩擦係数(μ)の値は、シリコン層L2と研磨具との間の摩擦係数(μ)の値と異なる。したがって、表面層L1に加えるべき最適な研磨荷重とシリコン層L2に加えるべき最適な研磨荷重とは、異なる。そこで、研磨レート(単位時間あたりの研磨量)を最大化して、研磨効率を向上させるために、表面層L1およびシリコン層L2のそれぞれに対して、異なる研磨荷重を加える必要がある。
異なる大きさの砥粒を有する様々な種類の研磨具が存在する。したがって、使用される研磨具の種類によって、ウェハWの周縁部に加えるべき最適な研磨荷重は異なる。
図13に示すように、ウェハWの周縁部の断面形状は、ウェハWの厚さ方向において、一様ではない。すなわち、研磨されるウェハWの部位の深さ(研磨深さDp)に応じて、研磨されるウェハWの部位の幅(研磨幅Wp)は変化する。したがって、研磨されるウェハWの面積(研磨面積)は、ウェハWの研磨が進行するにつれ、徐々に変化する。そこで、研磨レートを最大化するためには、ウェハWの研磨面積の変化に応じて、研磨具からウェハWに加えるべき研磨荷重を変化させる必要がある。
このように、ウェハWの研磨レートを最大化するためには、様々な要素を考慮して、最適な研磨レシピを構築する必要がある。しかしながら、従来では、最適な研磨レシピを生成するためには、作業者の能力(知識および経験)が必要であり、手間がかかる。
そこで、作業者の知識、経験、および手間を不要としつつ、ウェハなどの基板の研磨レートを最大化することができる研磨方法が提供される。また、このような研磨方法を実行することができる研磨装置が提供される。
一態様では、砥粒の大きさから特定される研磨具の種類と、前記研磨具によって研磨される基板の研磨幅の値および研磨深さの値とを、機械学習アルゴリズムにより構築されたモデルに入力し、前記研磨具の研磨力が最大となるときの前記研磨具の前記基板に対する接触圧力で前記基板を研磨する条件を含む、研磨条件を有する研磨レシピを前記モデルから出力する、研磨方法が提供される。
一態様では、前記研磨レシピは、前記研磨具から前記基板に加えられる研磨荷重を少なくとも含み、前記研磨条件は、前記基板の研磨の進行とともに変化する前記基板の研磨面積に応じて、前記研磨荷重を変化させる条件を含む。
一態様では、前記研磨レシピは、前記研磨具から前記基板に加えられる研磨荷重を少なくとも含み、前記研磨条件は、前記基板の異なる硬さを有する複数の層に応じて、前記研磨荷重を変化させる条件を含む。
一態様では、前記モデルの構築において、学習データの説明変数は、研磨前取得データおよび研磨中取得データを含む研磨情報データとして与えられ、目的変数は、実際の研磨レートの予測研磨レートからのずれを表す数値として与えられる。
一態様では、前記研磨前取得データは、画像取得装置により生成された前記基板のエッジ部の画像データを含み、前記研磨中取得データは、使用される研磨具の種類、前記基板を保持する基板保持部の回転速度および回転トルク、前記研磨具を前記基板に押し付ける研磨ヘッドの振動、前記基板の厚さ方向における前記研磨ヘッドの位置、前記研磨ヘッドの下降速度、前記研磨具から前記基板に加えられる研磨荷重、前記研磨具の移動速度、および前記基板上に供給される液体の流量および温度を含む。
一態様では、基板を保持する基板保持部と、研磨具を前記基板に押し付ける研磨ヘッドと、機械学習アルゴリズムにより構築されたモデルを有するコンピュータと、を備え、前記コンピュータは、前記モデルが格納された記憶装置と、砥粒の大きさから特定される前記研磨具の種類と、前記研磨具によって研磨される前記基板の研磨幅の値および研磨深さの値とを、前記モデルに入力し、前記研磨具の研磨力が最大となるときの前記研磨具の前記基板に対する接触圧力で前記基板を研磨する条件を含む、研磨条件を有する研磨レシピを前記モデルから出力するための演算を実行する処理装置と、を備えている、研磨装置が提供される。
一態様では、入力層と、複数の隠れ層と、出力層とを有するニューラルネットワークからなるモデルの前記入力層に、砥粒の大きさから特定される研磨具の種類と、前記研磨具によって研磨される基板の研磨幅の値および研磨深さの値とを、入力するステップと、前記ニューラルネットワークを構成する多層パーセプトロンのアルゴリズムに従って演算を実行することによって、前記出力層から、前記研磨具の研磨力が最大となるときの前記研磨具の前記基板に対する接触圧力で前記基板を研磨する条件を含む、研磨条件を有する研磨レシピを出力するステップと、をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
機械学習アルゴリズムにより構築されたモデルを用いることにより、従来、作業者の知識および経験に依存して生成されていた研磨レシピを、自動的に、かつ精度よく生成することができる。結果として、基板の研磨レートを最大化することができる。
図1(a)および図1(b)は、基板の一例としてのウェハの周縁部を示す拡大断面図である。 研磨装置の一実施形態を模式的に示す平面図である。 図2に示す研磨装置を示す側面図である。 研磨ヘッド組立体を示す図である。 ウェハを研磨しているときの研磨ヘッドを示す図である。 図6(a)はストッパーが位置決め部材から荷重を受けていないときのストッパーの状態を示す図であり、図6(b)は位置決め部材からストッパーに荷重が加えられたときのストッパーの状態を示す図である。 荷重決定部が備えているデータベースの一例を示す図である。 研磨テープの能力特性の一例を示す図である。 ウェハの研磨面積およびノッチ部を示す図である。 図10(a)および図10(b)は、研磨テープのノッチ部との接触を示す図である。 研磨レシピを生成するモデルの一実施形態を示す模式図である。 図4および図5に示す制御装置の少なくとも一部を構成するコンピュータの一実施形態を示す模式図である。 多層のウェハを示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下に説明する実施形態に係る研磨方法および研磨装置は、研磨具を基板の周縁部に接触させることで基板の周縁部を研磨する。ここで、本明細書では、基板の周縁部を、基板の最外周に位置するベベル部と、このベベル部の半径方向内側に位置するトップエッジ部およびボトムエッジ部とを含む領域として定義する。
図1(a)および図1(b)は、基板の一例としてのウェハの周縁部を示す拡大断面図である。より詳しくは、図1(a)はいわゆるストレート型のウェハの断面図であり、図1(b)はいわゆるラウンド型のウェハの断面図である。図1(a)のウェハWにおいて、ベベル部は、上側傾斜部(上側ベベル部)P、下側傾斜部(下側ベベル部)Q、および側部(アペックス)Rから構成されるウェハWの最外周面(符号Bで示す)である。図1(b)のウェハWにおいては、ベベル部は、ウェハWの最外周面を構成する、湾曲した断面を有する部分(符号Bで示す)である。トップエッジ部は、ベベル部Bよりも半径方向内側に位置する平坦部E1である。ボトムエッジ部は、トップエッジ部とは反対側に位置し、ベベル部Bよりも半径方向内側に位置する平坦部E2である。トップエッジ部E1は、デバイスが形成された領域を含むこともある。以下の説明では、トップエッジ部を単にエッジ部という。
図2は、研磨装置の一実施形態を模式的に示す平面図であり、図3は図2に示す研磨装置を示す側面図である。研磨装置は、基板の一例であるウェハWを保持し、回転させるウェハ保持部(基板保持部)1を備えている。このウェハ保持部1は、ウェハWを保持することができるウェハステージ(基板ステージ)2と、ウェハステージ2をその軸心を中心に回転させるステージモータ3とを有する。研磨されるウェハWは、ウェハステージ2の上面に真空吸引などにより保持され、ウェハステージ2とともにステージモータ3によって回転される。
ステージモータ3には、ステージモータ3のモータトルクを検出するステージトルクセンサ4が電気的に接続されている。ステージトルクセンサ4は、ステージモータ3のモータ電流値に基づいて、ステージモータ3のモータトルクを検出する。
本実施形態の研磨装置は、ウェハWを研磨するための研磨具をウェハWのエッジ部に押し付ける研磨ヘッド11を備えた研磨ヘッド組立体10を有している。研磨ヘッド11は、ウェハステージ2の上方に配置される。本実施形態では、研磨具は研磨テープ7である。研磨テープ7の一端は巻き出しリール14に固定され、研磨テープ7の他端は巻き取りリール15に固定されている。研磨テープ7の大部分は巻き出しリール14および/または巻き取りリール15の両方に巻かれており、研磨テープ7の一部は巻き出しリール14と巻き取りリール15との間を延びている。巻き出しリール14および巻き取りリール15は、それぞれリールモータ17,18によって反対方向のトルクが加えられており、これにより研磨テープ7にはテンションが付与される。
巻き出しリール14と巻き取りリール15との間には、テープ送り装置20が配置されている。研磨テープ7は、テープ送り装置20によって一定の速度で巻き出しリール14から巻き取りリール15に送られる。巻き出しリール14と巻き取りリール15との間を延びる研磨テープ7は2つのガイドローラ21,22によって支持されている。これら2つのガイドローラ21,22は巻き出しリール14と巻き取りリール15との間に配置されている。ガイドローラ21,22の間を延びる研磨テープ7の下面は、ウェハWを研磨する研磨面を構成する。
研磨ヘッド11は2つのガイドローラ21,22の間に位置している。ウェハWのエッジ部と研磨テープ7との接触点において、ガイドローラ21,22間の研磨テープ7がウェハWの接線方向に延びるようにガイドローラ21,22が配置されている。
ウェハWの研磨は次のようにして行われる。ウェハWは、その表面に形成されている膜(例えば、デバイス層)が上を向くようにウェハステージ2に保持され、さらにウェハWはウェハステージ2とともにその軸心を中心に回転される。回転するウェハWの中心には、液体供給ノズル24(図3参照)から液体(例えば、純水)が供給される。この状態で、研磨ヘッド組立体10の研磨ヘッド11は研磨テープ7をウェハWのエッジ部に押し付ける。回転するウェハWと、研磨テープ7との摺接により、ウェハWが研磨される。ウェハWを研磨しているときの研磨テープ7は、図2に示すように、ウェハWと研磨テープ7との接触点においてウェハWの接線方向に延びている。
図4は、研磨ヘッド組立体10を示す図である。図4に示すように、研磨ヘッド組立体10は、研磨具をウェハWに押し付ける上記研磨ヘッド11と、研磨ヘッド11に力を加えるエアシリンダ25とを備えている。研磨ヘッド11はエアシリンダ25に連結されている。エアシリンダ25は、ウェハ保持部1上のウェハWに向かう所定の方向に研磨ヘッド11を押すアクチュエータである。本実施形態では、エアシリンダ25は、研磨ヘッド11をウェハWのエッジ部に向かって下方に押すように構成されている。本実施形態では、エアシリンダ25によって押される研磨ヘッド11の方向は、ウェハ保持部1の軸心と平行な方向、すなわち鉛直方向である。
研磨ヘッド11は、研磨テープ7を保持する押圧部材12と、押圧部材12を着脱可能に保持する押圧部材ホルダー27aと、押圧部材ホルダー27aとエアシリンダ25とを連結する荷重伝達部材27とを備えている。荷重伝達部材27の下端は、押圧部材ホルダー27aに連結されており、荷重伝達部材27の上端は、エアシリンダ25に連結されている。エアシリンダ25によって発生した力は、荷重伝達部材27を介して押圧部材12に伝達される。
押圧部材12はその内部に形成された貫通孔12aを有している。貫通孔12aの一端は押圧部材12の下面で開口しており、貫通孔12aの他端は真空ライン30に接続されている。真空ライン30には、図示しない弁が設けられており、弁を開くことにより押圧部材12の貫通孔12a内に真空が形成される。押圧部材12が研磨テープ7の上面に接触した状態で貫通孔12aに真空が形成されると、研磨テープ7の上面は押圧部材12の下面に保持される。
一実施形態では、研磨具は、研磨テープ7に代えて砥石であってもよい。この場合、砥石は砥石を着脱可能に保持する砥石ホルダーに保持され、砥石ホルダーは荷重伝達部材27の下端に連結される。研磨ヘッド11は砥石をウェハWのエッジ部に接触させウェハWを研磨する。
研磨ヘッド11の荷重伝達部材27には、位置決め部材31が固定されている。研磨ヘッド11および位置決め部材31は、一体的な構造体を構成し、エアシリンダ25によって一体に移動される。荷重伝達部材27は、ウェハ保持部1の軸心に沿って延びる直動ガイド33に移動自在に連結されている。したがって、研磨ヘッド11および位置決め部材31の全体の移動方向は、ウェハ保持部1の軸心と平行な方向に制限される。本実施形態では、ウェハ保持部1の軸心は鉛直方向に延びている。
研磨ヘッド組立体10は、研磨ヘッド11の移動距離を測定する第1の距離センサ23をさらに備えている。第1の距離センサ23は、研磨ヘッド組立体10のフレーム39に固定されており、研磨ヘッド11の移動距離を測定することが可能に構成されている。第1の距離センサ23の例としては、変位センサなどが挙げられる。
研磨ヘッド組立体10は、位置決め部材31の下方に配置されたストッパー35と、ストッパー35に連結されたストッパー移動機構37とをさらに備えている。ストッパー移動機構37は、ストッパー35を制御された速度で所定の方向に移動させるための装置である。ストッパー移動機構37は、ストッパー35に連結されたボールねじ機構38と、ボールねじ機構38を駆動するサーボモータ36とを備えている。本実施形態では、ウェハWの研磨中、ストッパー移動機構37はストッパー35を下方に移動させる。
ストッパー移動機構37がストッパー35を移動させる方向は、エアシリンダ25が研磨ヘッド11をウェハWのエッジ部に向かって押す方向と同じである。サーボモータ36は、サーボモータ36の回転回数と回転角度を検出する図示しないエンコーダを備えている。ストッパー移動機構37がストッパー35を移動させた移動距離は、サーボモータ36の回転回数と回転角度を示すエンコーダの出力値に基づいて決定される。エアシリンダ25、直動ガイド33、およびストッパー移動機構37は、フレーム39に固定されている。
ストッパー35は、位置決め部材31の真下に位置している。したがって、一体的な構造体を形成する研磨ヘッド11および位置決め部材31の下方への移動は、ストッパー35によって制限される。ストッパー35は、その上面に突部34を備えている。突部34は、位置決め部材31の下面に接触可能に構成されている。エアシリンダ25によって研磨ヘッド11および位置決め部材31が下降されると、位置決め部材31は突部34に接触する。一実施形態では、突部34は位置決め部材31の下面に固定されてもよい。
ウェハWのエッジ部は次のようにして研磨される。図5に示すように、ウェハWをその軸心を中心に回転させながら、ウェハWの上面に純水などの液体(図示せず)が供給される。エアシリンダ25は研磨ヘッド11をウェハWのエッジ部に向かって下方に移動させ、研磨ヘッド11の押圧部材12は研磨テープ7をウェハWのエッジ部に押し付け、該エッジ部を研磨する。
ウェハWの研磨中、エアシリンダ25は一定の力を発生する。さらに、ウェハWの研磨中、ストッパー35が位置決め部材31の下面に接触した状態で、ストッパー35は位置決め部材31の下方への移動を制限しながらストッパー移動機構37によって下降される。ストッパー35の下降に伴い、研磨ヘッド11および位置決め部材31は一体に下降する。研磨テープ7は、下降する研磨ヘッド11の押圧部材12によってウェハWのエッジ部に押され、ウェハWを研磨する。
ウェハWの研磨中、エアシリンダ25によって発生した力の一部は、位置決め部材31を介してストッパー35に伝達される。すなわち、位置決め部材31からストッパー35に、エアシリンダ25によって発生した力の一部が加えられる。エアシリンダ25によって発生した力をFと表し、研磨テープ7からウェハWに加えられる研磨荷重をF1と表し、位置決め部材31からストッパー35に加えられる荷重をF2と表すと、F=F1+F2(単位:N)という関係が成り立つ。
ストッパー35の一端はボールねじ機構38に連結され、他端は自由な状態にある。図6(a)および図6(b)に示すように、ストッパー35が位置決め部材31から荷重を受けたとき、ストッパー35はわずかに下方に傾く。図6(a)はストッパー35が位置決め部材31から荷重を受けていないときのストッパー35の状態を示す図であり、図6(b)は位置決め部材31からストッパー35に荷重F2が加えられたときのストッパー35の状態を示す図である。図6(b)に示す例では、位置決め部材31からストッパー35に荷重F2が加えられたときのストッパー35の傾き量はδ(単位:μm)で表される。本明細書において、ストッパー35の傾き量は、位置決め部材31から受けた荷重によってストッパー35が下方に傾いたときの、位置決め部材31とストッパー35との接触点の変位と定義される。本実施形態では、ストッパー35の突部34が位置決め部材31に接触するので、ストッパー35の傾き量は、ストッパー35が位置決め部材31から荷重を受けたときの突部34の変位で表すことができる。
図4に戻って、本実施形態の研磨装置は、位置決め部材31から荷重を受けたときのストッパー35の傾き量を決定するストッパー傾き量決定部41をさらに備えている。ストッパー傾き量決定部41は、第1の距離センサ23によって測定された研磨ヘッド11の移動距離と、ストッパー移動機構37がストッパー35を移動させた移動距離との差に基づいて、ストッパー35の傾き量を算出する。上述したように、ストッパー移動機構37がストッパー35を移動させた移動距離は、サーボモータ36に内蔵されたエンコーダの出力値に基づいて決定される。
ストッパー35が位置決め部材31の下面に接触した状態で、ストッパー35は、位置決め部材31の下方への移動を制限しながらストッパー移動機構37によって下降される。第1の距離センサ23によって測定された研磨ヘッド11の移動距離をd1(単位:μm)と表し、ストッパー移動機構37がストッパー35を移動させた移動距離をd2(単位:μm)と表すと、ストッパー35の傾き量が0μmのとき、d1=d2という関係が成り立つ。一方、ストッパー35が位置決め部材31から受けた荷重によって下方にδμm傾いたときは、d1=d2+δという関係が成り立つ。したがって、ストッパー傾き量決定部41は、第1の距離センサ23によって測定された研磨ヘッド11の移動距離d1と、ストッパー移動機構37がストッパー35を移動させた移動距離d2との差に基づいて、ストッパー35の傾き量を決定することができる。
本実施形態の研磨装置は、位置決め部材31とストッパー35との間の隙間の大きさを測定する第2の距離センサ32を備えている。この第2の距離センサ32は、位置決め部材31とストッパー35とが離れているときの、位置決め部材31とストッパー35の突部34との間の隙間の大きさを測定する目的で使用される。
本実施形態の研磨装置は、位置決め部材31からストッパー35に加えられる荷重を決定する荷重決定部42をさらに備えている。荷重決定部42は、ストッパー傾き量決定部41に電気的に接続されており、ストッパー傾き量決定部41によって決定されたストッパー35の傾き量は荷重決定部42に送られる。荷重決定部42は、位置決め部材31からストッパー35に加えられた荷重とストッパー35の傾き量との関係を示す、予め構築されたデータベースを備えている。
図7は、荷重決定部42が備えているデータベースの一例を示す図である。図7に示すデータベースは、位置決め部材31からストッパー35に複数の異なる荷重を加え、それぞれの荷重に対応するストッパー35の傾き量を測定した実験結果から得たものである。図7に示すように、ストッパー35に加えられた荷重の大きさによってストッパー35の傾き量は線形的に変化する。つまり、ストッパー35の傾き量は、ストッパー35に加えられた荷重に比例する。したがって、荷重決定部42は、上述のデータベースに基づいて、位置決め部材31からストッパー35に加えられる荷重をストッパー35の傾き量から決定することができる。
ストッパー35の下降速度が一定であるとき、研磨テープ7からウェハWに加えられる研磨荷重は、ウェハWの表面状態によって変わり得る。例えば、ウェハWの表面層が硬い場合には、研磨ヘッド11および位置決め部材31の下降速度(研磨速度)は、ストッパー35の下降速度よりも小さくなり、研磨荷重は大きくなる。一方で、ウェハWの表面層が柔らかい場合には、研磨ヘッド11および位置決め部材31の下降速度(研磨速度)は、ストッパー35の下降速度よりも大きくなり、研磨荷重は小さくなる。このような研磨荷重の変動は、研磨効率を不安定にする。例えば、研磨荷重が大きすぎると、研磨テープ7に過大な圧力が印加され、研磨テープ7が劣化し、結果として研磨効率が低下する。一方で、研磨荷重が小さすぎると、研磨レートが低下し、研磨効率が低下する。つまり、研磨効率を最適化することができる研磨荷重が存在する。
そこで、図4に示すように、本実施形態に係る研磨装置は、研磨荷重が目標範囲内に収まることができるストッパー35の移動速度を決定するストッパー速度決定部43を備えている。ストッパー速度決定部43は、荷重決定部42に電気的に接続されており、荷重決定部42によって決定された荷重は、ストッパー速度決定部43に送られる。ストッパー傾き量決定部41、荷重決定部42、およびストッパー速度決定部43は、基本的に、制御装置50を構成している。
ウェハWの研磨中、エアシリンダ25は一定の力を発生する。ストッパー速度決定部43は、荷重決定部42で決定される、位置決め部材31からストッパー35に加えられる荷重を、エアシリンダ25で発生した力の値から減算することによって、研磨テープ7からウェハWに加えられる研磨荷重を決定し、この研磨荷重が目標範囲内に収まることができるストッパー35の移動速度を決定する。上述のように、F=F1+F2という関係が成り立つので、ストッパー速度決定部43は、位置決め部材31からストッパー35に加えられる荷重を制御することによって、研磨テープ7からウェハWに加えられる研磨荷重を制御することができる。一実施形態では、位置決め部材31からストッパー35に加えられる荷重が目標範囲内に収まることができるストッパー35の移動速度を決定してもよい。エアシリンダ25によって発生した力は、エアシリンダ25に供給された気体の圧力と、エアシリンダ25のピストンの受圧面積から計算することができる。
以下、ウェハWの研磨レートを最大化するための具体的な構成について、説明する。制御装置50は、ディープラーニングなどの機械学習アルゴリズムにより、ウェハWの研磨レートを最大化することができる研磨レシピを、多様な要素を含めて学習し、最適な研磨レシピを生成するように構成されている。
研磨方法は、砥粒の大きさから特定される研磨具の種類と、研磨具によって研磨される基板の研磨幅の値および研磨深さの値とを、機械学習アルゴリズムにより構築されたモデルに入力するステップと、研磨具の研磨力が最大となるときの研磨具のウェハに対する接触圧力でウェハを研磨する条件を含む、研磨条件を有する研磨レシピをモデルから出力するステップとを含む。研磨装置は、この研磨レシピに従って、ウェハWの研磨を実行する。
上記研磨幅は、図13に示す研磨幅Wpに相当し、上記研磨深さは、図13に示す研磨深さDpに相当する。使用される研磨具の種類は、研磨具の砥粒の大きさ(すなわち、粒径)に基づいて決定される。研磨具は、研磨テープまたは砥石であってもよい。
機械学習アルゴリズムとしては、ディープラーニング法(深層学習法)が好適である。ディープラーニング法は、隠れ層が多層化されたニューラルネットワークをベースとする学習法である。本明細書では、入力層と、二層以上の隠れ層と、出力層で構成されるニューラルネットワークを用いた機械学習をディープラーニングと称する。ディープラーニング法を用いることで、これまで、作業者の能力(知識および経験)に基づいて生成された研磨レシピを、研磨深さ、研磨幅、および使用される研磨具の種類に基づいて、コンピュータにより生成が可能となる。
一般的に、研磨量Qは、経験則として、Q=c×P×v×tで表される。ここで、「c」は研磨定数であり、「P」は研磨具のウェハに対する接触圧力であり、「v」は研磨具とウェハとの相対速度であり、「t」は時間である。したがって、最大の研磨レートを取得するためには、研磨具からウェハに加えられる研磨荷重を、研磨具の研磨力が最大となる上記接触圧力の値に基づいて決定し、ウェハの回転速度を可能最大速度に決定する。
図8は、研磨テープの能力特性の一例を示す図である。図8において、横軸は、研磨テープのウェハに対する接触圧力[MPa]を示しており、縦軸は、研磨テープの研磨力を百分率(%)で示している。図8では、第1研磨テープ(実線参照)、第2研磨テープ(点線参照)、および第3研磨テープ(一点鎖線参照)が示されている。第1研磨テープに保持された砥粒の粒径は、第2研磨テープに保持された砥粒の粒径よりも小さい。第2研磨テープに保持された砥粒の粒径は、第3研磨テープに保持された砥粒の粒径よりも小さい。
図8に示すように、研磨力が100パーセントであるとき、研磨テープの研磨力は最大となる。研磨テープの能力特性は、研磨テープの種類(より具体的には、砥粒の大きさ)によって異なる。したがって、制御装置50は、使用される研磨テープの種類(より具体的には、砥粒の粒径)に基づいて、研磨テープの研磨力が最大となるときの研磨テープのウェハに対する接触圧力を、研磨力と接触圧力との相関関係(すなわち、図8に示すデータベース)から求める。制御装置50は、この接触圧力に基づいて、研磨テープからウェハに加えられる研磨荷重を決定する。上記相関関係は、データベースとして、制御装置50の内部に記憶されている。
上述したように、ウェハWの厚さ方向におけるウェハWの周縁部の断面形状は、一様ではない。したがって、研磨されるウェハWの研磨面積は、ウェハWの研磨の進行に伴って変化する。そこで、本実施形態では、ウェハWの研磨面積の変化に基づいて、研磨具の研磨力が最大となるように、研磨テープ7からウェハWに加えるべき研磨荷重を変化させる必要がある。
制御装置50によって生成される研磨レシピは、研磨具(本実施形態では、研磨テープ7)からウェハWに加えられる研磨荷重と、ウェハWの回転速度と、を少なくとも含む。上記研磨条件は、ウェハWの研磨の進行とともに変化するウェハWの研磨面積に応じて、研磨荷重を変化させる条件を含む。上記研磨条件は、ウェハWの研磨の進行とともに変化するウェハWの研磨面積に応じて、ウェハWの回転速度を変化させる条件を含んでもよい。
図13に示すように、ウェハWには、異なる硬さを有する複数の層が形成されている場合がある。この場合、複数の層のそれぞれの硬さに応じて、研磨テープ7からウェハWに加えられる研磨荷重を変化させる必要がある。そこで、上記研磨条件は、ウェハWの異なる硬さを有する複数の層に応じて、研磨荷重を変化させる条件を含む。上記研磨条件は、複数の層のそれぞれの硬さに応じて、ウェハWの回転速度を変化させる条件を含んでもよい。
最適な研磨レシピを生成するためのモデルは、研磨前取得データおよび研磨中取得データを含む研磨情報データに基づいて構築される。制御装置50は、研磨装置に設けられたセンサによって測定されたセンサデータを、モデルを構築する際の要素として取り込む。
制御装置50は、ステージトルクセンサ4(図3参照)に電気的に接続されており、ステージトルクセンサ4によって検出されたモータトルク(すなわち、回転トルク)を取得する。制御装置50は、ステージモータ3に電気的に接続されており、ステージモータ3に印加される電圧に基づいて、ウェハステージ2の回転速度を取得する。制御装置50は、モデルを構築する際の要素として、ウェハステージ2の回転速度および回転トルクを取り込む。
制御装置50は、第1の距離センサ23によって測定された研磨ヘッド11の移動距離に基づいて、ウェハWの厚さ方向における押圧部材12の位置情報(すなわち、研磨深さ)を取得する。さらに、制御装置50は、第1の距離センサ23の測定値に基づいて、研磨ヘッド11の下降速度(研磨速度)を取得する。制御装置50は、荷重決定部42によって演算された結果に基づいて、研磨テープ7からウェハWに加えられる研磨荷重を取得する。制御装置50は、モデルを構築する際の要素として、押圧部材12の位置情報、研磨ヘッド11の下降速度、および研磨テープ7からウェハWに加えられる研磨荷重を取り込む。
図9は、ウェハWの研磨面積Apおよびノッチ部Nを示す図である。図10(a)および図10(b)は、研磨テープ7のノッチ部Nとの接触を示す図である。図9および図10に示すように、ウェハWのベベル部には、ウェハWの結晶方向の識別および整列を容易にするために、ノッチ部Nが設けられている場合がある。研磨ヘッド11の押圧部材12は、研磨テープ7をウェハWのエッジ部に押し付ける。したがって、ウェハWが図9の矢印方向に回転すると、押圧部材12は、研磨テープ7を介してノッチ部Nに周期的に接触する。研磨ヘッド11は、ノッチ部Nとの接触に起因して、鉛直方向に振動する。結果として、研磨テープ7からウェハWに加えられる研磨荷重は、研磨ヘッド11の振動に応じて変化する。このような研磨荷重の変化は、研磨レートに影響を及ぼす。
図10(a)は、研磨テープ7のノッチ部Nとの接触点を通る鉛直方向の接線と、研磨テープ7とのなす角度(接触角度)θを示している。図10(b)は、研磨テープ7のノッチ部Nとの接触点を通る鉛直方向の接線と、研磨テープ7とのなす角度(接触角度)θを示している。研磨テープ7によるウェハWの研磨が進行すると、研磨テープ7とノッチ部Nとの接触角度が大きくなる(θ<θ)。研磨テープ7からウェハWに加えられる研磨荷重およびウェハWの回転速度が一定である条件下において、研磨テープ7のノッチ部Nとの接触角度が大きくなると、研磨ヘッド11の振動は大きくなる。すなわち、研磨ヘッド11の振動は、ウェハWの研磨の進行とともに大きくなる。
研磨ヘッド11が振動すると、第1の距離センサ23は、押圧部材12の鉛直方向の移動距離の変化を測定する。したがって、制御装置50は、第1の距離センサ23によって測定された研磨ヘッド11の移動距離の変化に基づいて、研磨ヘッド11の振動を取得する。一実施形態では、研磨装置は、フレーム39に取り付けられ、かつ制御装置50に電気的に接続された振動センサ(図示しない)を備えてもよい。制御装置50は、モデルを構築する際の要素として、研磨ヘッド11の振動を取り込む。
制御装置50は、リールモータ17,18に電気的に接続されており、リールモータ17,18のそれぞれに印加される電圧に基づいて、研磨テープ7の移動速度を取得する。一実施形態では、研磨装置は、研磨テープ7の移動速度を測定し、かつ制御装置50に電気的に接続された速度センサ(図示しない)を備えていてもよい。研磨具として、砥石を使用する場合、制御装置50は、砥石が固定されたモータ(図示しない)の回転速度に基づいて、砥石の移動速度(すなわち、回転速度)を取得してもよい。制御装置50は、モデルを構築する際の要素として、研磨具の移動速度を取得する。
図3に示すように、液体供給ノズル24には、液体供給ライン26が接続されており、この液体供給ライン26には、液体供給ライン26を流れる液体の温度を測定する温度センサ28と、液体供給ライン26を流れる液体の流量を測定する流量センサ29が取り付けられている。制御装置50は、これら温度センサ28および流量センサ29に電気的に接続されており、液体供給ライン26を流れる液体の流量および温度を取得する。制御装置50は、モデルを構築する際の要素として、液体の流量および温度を取得する。
制御装置50には、ウェハWの研磨前に取得したデータ(研磨前取得データ)と、ウェハWの研磨中に取得したデータ(研磨中取得データ)とを含む研磨情報データが入力される。制御装置50は、研磨情報データに基づいて、モデルを構築する。
研磨中取得データは、使用される研磨具の種類、ウェハステージ2の回転速度および回転トルク、研磨ヘッド11の振動、ウェハWの厚さ方向における研磨ヘッド11(より具体的には、押圧部材12)の位置、研磨ヘッド11の下降速度、研磨テープ7からウェハWに加えられる研磨荷重、研磨テープ7の移動速度、および液体供給ノズル24からウェハW上に供給される液体の流量および温度を含む。
研磨前取得データは、ノッチ部Nを含むウェハWのベベル部の画像データを含む。この画像データは、制御装置50に電気的に接続された画像取得装置55(図2参照)によって取得される。画像取得装置55の一例として、ウェハWに照射された光の反射に基づいて、ウェハWの三次元形状を取得するように構成された光学プロファイラを挙げることができる。図2における画像取得装置55は、模式的に描かれている。ウェハWのベベル部の画像データは、ウェハWがウェハステージ2上に載置される前に取得されてもよい。研磨前取得データを取得することによって、制御装置50は、研磨されるウェハWの研磨深さに対応する、ウェハWの研磨面積を算出することが可能となる。
モデルの構築において、学習データの説明変数を研磨情報データ(研磨前取得データおよび研磨中取得データを含む)とし、学習データの目的変数を、実際にウェハWを研磨しているときの現在の研磨レート(実研磨レート)の、理論上求められる予測研磨レートからのずれを表す数値、例えば、1:非常に悪い、2:悪い、3:やや良い、4:良い、5:非常に良いという5段階評価として与えることができる。一実施形態では、上記ずれを表す数値は、5段階評価に限らず、例えば3段階評価、または10段階評価であってもよい。実研磨レートの予測研磨レートからのずれは、研磨効率を示す数値として表されてもよい。
研磨効率の判定結果から、最適な研磨レシピを自動的に生成することが可能となる。例えば、判定結果が1:「非常に悪い」であれば、現在の研磨テープのウェハに対する接触圧力が所定の第1の数値(または割合)だけ増加(または減少)するように、制御装置50は、ストッパー35の傾き量に基づいて、ストッパー35に加えられた荷重を算出し(図7参照)、ストッパー移動機構37の動作を制御して、ストッパー35の移動を制御する。制御装置50は、ウェハステージ2の回転速度を制御してもよい。
判定結果が2:「悪い」であれば、現在の研磨テープのウェハに対する接触圧力が所定の第2の数値(または割合)だけ増加(または減少)するように、制御装置50は、ストッパー35の傾き量に基づいて、ストッパー35に加えられた荷重を算出し(図7参照)、ストッパー移動機構37の動作を制御して、ストッパー35の移動を制御する。制御装置50は、ウェハステージ2の回転速度を制御してもよい。
判定結果が5:「非常に良い」であれば、制御装置50は、現在の研磨テープのウェハに対する接触圧力を不変とする。このステップを最適の判定結果が出力されるまで繰り返し行う。上記第1の数値(または割合)は、上記第2の数値(または割合)よりも大きい(または小さい)。
このように、制御装置50は、実研磨レートの予測研磨レートからのずれの原因を分析して、実研磨レートが予測研磨レートと一致するように、実研磨レートに変化を及ぼす要素(少なくとも、研磨荷重および/またはウェハWの回転速度)を補正する。制御装置50は、研磨レートの補正を基礎付ける上記要素の内容を研磨レシピの作成内容に反映して、最適な研磨レシピを生成する。
図11は、研磨レシピを生成するモデルの一実施形態を示す模式図である。モデルは、入力層301と、複数の隠れ層(中間層ともいう)302と、出力層303を有したニューラルネットワークである。図11に示すモデルは、4つの隠れ層302を有しているが、モデルの構成は図11に示す実施形態に限られない。モデルの入力層301には研磨幅、研磨深さ、および使用される研磨具の種類が入力される。
上記のように構築されたモデルに、研磨深さおよび研磨幅と、使用される研磨具の種類(より具体的には、砥粒の大きさ)を入力すると、コンピュータは、ニューラルネットワークを構成する多層パーセプトロンのアルゴリズムに従って演算を実行し、最適な研磨レシピを出力する。研磨装置は、出力された研磨レシピに基づいて、ウェハWの研磨を実行する。
機械学習アルゴリズムを用いた上記モデルは、そのモデルを用いた運転を実施している研磨装置において、新たに得られるデータを基に継続的に更新される。これによって、最初にモデルを構築した際から、研磨条件が大きく変更された場合であっても、実情に合わせて更新されていくモデルは、最適な研磨レシピを継続的に出力することが可能となる。
制御装置50は、モデルを構築および更新するためのプログラム、および上記モデルが格納された記憶装置110と、プログラムに従って演算を実行する処理装置120(GPUまたはCPUなど)を備えている。
制御装置50は、少なくとも1台のコンピュータから構成されている。少なくとも1台のコンピュータは、1台のサーバまたは複数台のサーバであってもよい。少なくとも研磨情報データに基づいて研磨効率を判定する上記モデルは、制御装置50の記憶装置110内に格納されている。
図12は、図4および図5に示す制御装置50の少なくとも一部を構成するコンピュータの一実施形態を示す模式図である。コンピュータは、プログラムやデータなどが格納される記憶装置110と、記憶装置110に格納されているプログラムに従って演算を行うCPU(中央処理装置)またはGPU(グラフィックプロセッシングユニット)などの処理装置120と、データ、プログラム、および各種情報を記憶装置110に入力するための入力装置130と、処理結果や処理されたデータを出力するための出力装置140と、インターネットまたはローカルエリアネットワークなどの通信ネットワークに接続するための通信装置150を備えている。
記憶装置110は、処理装置120がアクセス可能な主記憶装置111と、データおよびプログラムを格納する補助記憶装置112を備えている。主記憶装置111は、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)であり、補助記憶装置112は、ハードディスクドライブ(HDD)またはソリッドステートドライブ(SSD)などのストレージ装置である。
入力装置130は、キーボード、マウスを備えており、さらに、記録媒体からデータを読み出すための記録媒体読み出し装置132と、記録媒体が接続される記録媒体ポート134を備えている。記録媒体は、非一時的な有形物であるコンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、光ディスク(例えば、CD-ROM、DVD-ROM)や、半導体メモリー(例えば、USBフラッシュドライブ、メモリーカード)である。記録媒体読み出し装置132の例としては、CD-ROMドライブ、DVD-ROMドライブなどの光学ドライブや、メモリーリーダーが挙げられる。記録媒体ポート134の例としては、USBポートが挙げられる。記録媒体に記憶されているプログラムおよび/またはデータは、入力装置130を介してコンピュータに導入され、記憶装置110の補助記憶装置112に格納される。出力装置140は、ディスプレイ装置141、印刷装置142を備えている。
機械学習アルゴリズムにより構築された学習済みモデルは記憶装置110に格納されている。この学習済みモデルは、図11に示すように、入力層301と、複数の隠れ層(中間層ともいう)302と、出力層303を有したニューラルネットワークである。コンピュータは、記憶装置110に電気的に格納されたプログラムに従って動作する。すなわち、コンピュータは、砥粒の大きさから特定される研磨具の種類と、研磨具によって研磨されるウェハWの研磨幅の値および研磨深さの値とを、機械学習アルゴリズムにより構築されたモデルに入力するステップと、ニューラルネットワークを構成する多層パーセプトロンのアルゴリズムに従って演算を実行することによって、出力層303から、研磨レシピを出力するステップを実行する。さらに、コンピュータは、上記モデルを構築するステップ、および上記モデルを更新するステップを実行する。これらステップをコンピュータに実行させるためのプログラムは、非一時的な有形物であるコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録され、記録媒体を介してコンピュータに提供される。または、プログラムおよび上記モデルは、インターネットなどの通信ネットワークを介して通信装置150からコンピュータに入力されてもよい。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
1 ウェハ保持部(基板保持部)
2 ウェハステージ(基板ステージ)
3 ステージモータ
4 ステージトルクセンサ
7 研磨テープ
10 研磨ヘッド組立体
11 研磨ヘッド
12 押圧部材
12a 貫通孔
14 巻き出しリール
15 巻き取りリール
17,18 リールモータ
20 テープ送り装置
21,22 ガイドローラ
23 第1の距離センサ
24 液体供給ノズル
25 エアシリンダ
26 液体供給ライン
27 荷重伝達部材
27a 押圧部材ホルダー
28 温度センサ
29 流量センサ
30 真空ライン
31 位置決め部材
32 第2の距離センサ
33 直動ガイド
34 突部
35 ストッパー
36 サーボモータ
37 ストッパー移動機構
38 ボールねじ機構
39 フレーム
41 ストッパー傾き量決定部
42 荷重決定部
43 ストッパー速度決定部
50 制御装置
55 画像取得装置
110 記憶装置
120 処理装置
130 入力装置
140 出力装置
150 通信装置
301 入力層
302 隠れ層
303 出力層

Claims (7)

  1. 砥粒の大きさから特定される研磨具の種類と、前記研磨具によって研磨される基板の研磨幅の値および研磨深さの値とを、機械学習アルゴリズムにより構築されたモデルに入力し、
    前記研磨具の研磨力が最大となるときの前記研磨具の前記基板に対する接触圧力で前記基板を研磨する条件を含む、研磨条件を有する研磨レシピを前記モデルから出力する、研磨方法。
  2. 請求項1に記載の研磨方法であって、
    前記研磨レシピは、前記研磨具から前記基板に加えられる研磨荷重を少なくとも含み、
    前記研磨条件は、前記基板の研磨の進行とともに変化する前記基板の研磨面積に応じて、前記研磨荷重を変化させる条件を含む、研磨方法。
  3. 請求項1または2に記載の研磨方法であって、
    前記研磨レシピは、前記研磨具から前記基板に加えられる研磨荷重を少なくとも含み、
    前記研磨条件は、前記基板の異なる硬さを有する複数の層に応じて、前記研磨荷重を変化させる条件を含む、研磨方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の研磨方法であって、
    前記モデルの構築において、学習データの説明変数は、研磨前取得データおよび研磨中取得データを含む研磨情報データとして与えられ、目的変数は、実際の研磨レートの予測研磨レートからのずれを表す数値として与えられる、研磨方法。
  5. 請求項4に記載の研磨方法であって、
    前記研磨前取得データは、画像取得装置により生成された前記基板のエッジ部の画像データを含み、
    前記研磨中取得データは、使用される研磨具の種類、前記基板を保持する基板保持部の回転速度および回転トルク、前記研磨具を前記基板に押し付ける研磨ヘッドの振動、前記基板の厚さ方向における前記研磨ヘッドの位置、前記研磨ヘッドの下降速度、前記研磨具から前記基板に加えられる研磨荷重、前記研磨具の移動速度、および前記基板上に供給される液体の流量および温度を含む、研磨方法。
  6. 基板を保持する基板保持部と、
    研磨具を前記基板に押し付ける研磨ヘッドと、
    機械学習アルゴリズムにより構築されたモデルを有するコンピュータと、を備え、
    前記コンピュータは、
    前記モデルが格納された記憶装置と、
    砥粒の大きさから特定される前記研磨具の種類と、前記研磨具によって研磨される前記基板の研磨幅の値および研磨深さの値とを、前記モデルに入力し、前記研磨具の研磨力が最大となるときの前記研磨具の前記基板に対する接触圧力で前記基板を研磨する条件を含む、研磨条件を有する研磨レシピを前記モデルから出力するための演算を実行する処理装置と、を備えている、研磨装置。
  7. 入力層と、複数の隠れ層と、出力層とを有するニューラルネットワークからなるモデルの前記入力層に、砥粒の大きさから特定される研磨具の種類と、前記研磨具によって研磨される基板の研磨幅の値および研磨深さの値とを、入力するステップと、
    前記ニューラルネットワークを構成する多層パーセプトロンのアルゴリズムに従って演算を実行することによって、前記出力層から、前記研磨具の研磨力が最大となるときの前記研磨具の前記基板に対する接触圧力で前記基板を研磨する条件を含む、研磨条件を有する研磨レシピを出力するステップと、をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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