JP6899298B2 - 研磨方法および研磨装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ウェハなどの基板を研磨する研磨方法および研磨装置に関するものであり、特に基板のエッジ部を研磨具で研磨する研磨方法および研磨装置に関する。
半導体デバイスの製造における歩留まり向上の観点から、ウェハの表面状態の管理が近年注目されている。半導体デバイスの製造工程では、種々の材料がシリコンウェハ上に成膜される。このため、ウェハの周縁部には不要な膜や表面荒れが形成される。近年では、ウェハの周縁部のみをアームで保持してウェハを搬送する方法が一般的になってきている。このような背景のもとでは、周縁部に残存した不要な膜が種々の工程を経ていく間に剥離してウェハに形成されたデバイスに付着し、歩留まりを低下させてしまう。そこで、ウェハの周縁部に形成された不要な膜を除去するために、研磨装置を用いてウェハの周縁部が研磨される。また、近年の集積度を向上させるためのウェハの積層化において、薄膜化する際の周縁部の断面形状管理がウェハ割れ等を防止し、歩留まり向上の重要な要素となっている。
図9は、従来の研磨装置を示す模式図である。研磨されるウェハWは、露出した表面を形成する第1シリコン層201と、該第1シリコン層201の下にあるパターン層202と、該パターン層202の下にある第2シリコン層203を備える。ウェハWを研磨するための研磨テープ205は、押圧部材208によってウェハWのエッジ部に押し付けられる。押圧部材208はエアシリンダ209に連結されており、研磨テープ205をウェハWに押し付ける力はエアシリンダ209から押圧部材208に付与される。エアシリンダ209のロッドには位置決め部材211が固定されおり、この位置決め部材211と押圧部材208はエアシリンダ209によって一体に移動される。位置決め部材211の下面にはストッパー212が接触している。したがって、押圧部材208および研磨テープ205の下方への移動はストッパー212によって制限される。ストッパー212はボールねじ機構215に連結されている。ボールねじ機構215は、ストッパー212を設定速度で上下に移動させることが可能に構成されている。
ウェハWの周縁部は次のようにして研磨される。ウェハWをその軸心を中心に回転させながら、ウェハWの上面に液体(例えば純水)が供給される。エアシリンダ209は押圧部材208に一定の押付力を付与し、押圧部材208は研磨テープ205をウェハWのエッジ部に押し付ける。図10(a)および図10(b)に示すように、ウェハWの研磨中、位置決め部材211がストッパー212に接触した状態で、ストッパー212はボールねじ機構215によって一定の速度で下降する。研磨テープ205は、徐々に下降する押圧部材208によってウェハWのエッジ部に押されて、ウェハWのエッジ部を研磨し、ウェハWの周縁部に階段状の窪みを形成する。
特開2014−150131号公報
しかしながら、ウェハWの研磨中に押圧部材208に加えられる研磨荷重は、ウェハWの表面層の硬さに依存して変化する。例えば、第1および第2シリコン層201,203はパターン層202よりも柔らかいため、第1および第2シリコン層201,203の研磨中に位置決め部材211からストッパー212に伝わる力は、パターン層202の研磨中に位置決め部材211からストッパー212に伝わる力よりも大きい。したがって、パターン層202が研磨されているときの研磨荷重は、第1および第2シリコン層201,203が研磨されているときの研磨荷重よりも大きくなる。結果として、研磨荷重が適正範囲を超えることもある。さらに、ウェハWの表面層が硬すぎると、ストッパー212が位置決め部材211から離れてしまい、研磨荷重が過大となる。
研磨荷重が過大になると、研磨テープ205に過大な圧力が印加され、研磨テープ205が劣化し、結果として研磨効率が低下する。一方で、研磨荷重が小さすぎると、研磨レートが低下し、研磨効率が低下する。そのため、研磨効率を最適化できる適切な研磨荷重でウェハWを研磨することが要求される。
そこで、本発明は、研磨荷重を適正な範囲内に維持しながら効率よく基板を研磨することができる研磨方法および研磨装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、アクチュエータで発生した力を研磨ヘッドに加えることで研磨具を前記研磨ヘッドで基板に押し付け、前記研磨ヘッドに連結された位置決め部材の所定の方向への移動をストッパーで制限しながら、前記ストッパーをストッパー移動機構により前記所定の方向に移動させ、前記位置決め部材から荷重を受けたときの前記ストッパーの傾き量を決定し、前記荷重を前記ストッパーの傾き量から決定し、前記決定された荷重を、前記アクチュエータで発生した力の値から減算することによって、前記研磨具から前記基板に加えられる研磨荷重を決定し、前記研磨荷重が目標範囲内に収まることができる前記ストッパーの移動速度を決定し、前記ストッパーを前記決定された移動速度で前記所定の方向に移動させながら前記基板を研磨することを特徴とする研磨方法である。
本発明の好ましい態様は、前記荷重を前記ストッパーの傾き量から決定する工程は、前記位置決め部材から前記ストッパーに加えられた荷重と前記ストッパーの傾き量との関係を示す、予め構築されたデータベースに基づいて、前記荷重を前記ストッパーの傾き量から決定する工程であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記ストッパーの傾き量を決定する工程は、前記研磨ヘッドの移動距離と、前記ストッパー移動機構が前記ストッパーを移動させた移動距離との差に基づいて、該ストッパーの傾き量を算出する工程であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記ストッパーの移動速度を決定する工程は、前記研磨荷重を予め設定された目標値に維持させることができる該ストッパーの移動速度を算出する工程であり、前記目標値は前記目標範囲内の値であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記ストッパーの移動速度を算出する工程は、フィードバック制御を実行して、前記研磨荷重の目標値と、前記研磨荷重との偏差を最小とすることができる該ストッパーの移動速度を決定する工程であることを特徴とする。
本発明の一態様は、アクチュエータで発生した力を研磨ヘッドに加えることで研磨具を前記研磨ヘッドで基板に押し付け、前記研磨ヘッドに連結された位置決め部材の所定の方向への移動をストッパーで制限しながら、前記ストッパーをストッパー移動機構により前記所定の方向に移動させ、前記位置決め部材から荷重を受けたときの前記ストッパーの傾き量を決定し、前記荷重を前記ストッパーの傾き量から決定し、前記荷重が目標範囲内に収まることができる前記ストッパーの移動速度を決定し、前記ストッパーを前記決定された移動速度で前記所定の方向に移動させながら前記基板を研磨することを特徴とする研磨方法である。
本発明の好ましい態様は、前記荷重を前記ストッパーの傾き量から決定する工程は、前記位置決め部材から前記ストッパーに加えられた荷重と前記ストッパーの傾き量との関係を示す、予め構築されたデータベースに基づいて、前記荷重を前記ストッパーの傾き量から決定する工程であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記ストッパーの傾き量を決定する工程は、前記研磨ヘッドの移動距離と、前記ストッパー移動機構が前記ストッパーを移動させた移動距離との差に基づいて、該ストッパーの傾き量を算出する工程であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記ストッパーの移動速度を決定する工程は、前記荷重を予め設定された目標値に維持させることができる該ストッパーの移動速度を算出する工程であり、前記目標値は前記目標範囲内の値であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記ストッパーの移動速度を算出する工程は、フィードバック制御を実行して、前記荷重の目標値と、前記荷重との偏差を最小とすることができる該ストッパーの移動速度を算出する工程であることを特徴とする。
本発明の一態様は、基板を保持する基板保持部と、研磨具を前記基板に押し付ける研磨ヘッドと、前記研磨ヘッドに連結され、前記研磨ヘッドに力を加えるアクチュエータと、前記研磨ヘッドと一体に移動可能な位置決め部材と、前記研磨ヘッドの移動距離を測定する距離センサと、前記研磨ヘッドおよび前記位置決め部材の移動を制限するストッパーと、前記ストッパーを所定の方向に移動させるストッパー移動機構と、前記位置決め部材から荷重を受けたときの前記ストッパーの傾き量を決定するストッパー傾き量決定部と、前記荷重を決定する荷重決定部と、前記決定された荷重を、前記アクチュエータで発生した力の値から減算することによって、前記研磨具から前記基板に加えられる研磨荷重を決定し、該研磨荷重が目標範囲内に収まることができる前記ストッパーの移動速度を決定するストッパー速度決定部とを備えていることを特徴とする研磨装置である。
本発明の好ましい態様は、前記荷重決定部は、前記位置決め部材から前記ストッパーに加えられた荷重と前記ストッパーの傾き量との関係を示す、予め構築されたデータベースを備え、該データベースに基づいて、前記荷重を前記ストッパーの傾き量から決定することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記ストッパー傾き量決定部は、前記距離センサによって測定された前記研磨ヘッドの移動距離と、前記ストッパー移動機構が前記ストッパーを移動させた移動距離との差に基づいて、該ストッパーの傾き量を算出することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記ストッパー速度決定部は、前記研磨荷重を予め設定された目標値に維持させることができる前記ストッパーの移動速度を算出し、前記目標値は前記目標範囲内の値であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記ストッパー速度決定部は、フィードバック制御を実行して、前記研磨荷重の目標値と、前記決定された荷重を前記アクチュエータで発生した力の値から減算することによって決定される前記研磨荷重との偏差を最小とすることができる前記ストッパーの移動速度を算出し、前記研磨装置は前記算出された移動速度で前記基板を研磨するように構成されていることを特徴とする。
本発明の一態様は、基板を保持する基板保持部と、研磨具を前記基板に押し付ける研磨ヘッドと、前記研磨ヘッドに連結され、前記研磨ヘッドに力を加えるアクチュエータと、前記研磨ヘッドと一体に移動可能な位置決め部材と、前記研磨ヘッドの移動距離を測定する距離センサと、前記研磨ヘッドおよび前記位置決め部材の移動を制限するストッパーと、前記ストッパーを所定の方向に移動させるストッパー移動機構と、前記位置決め部材から荷重を受けたときの前記ストッパーの傾き量を決定するストッパー傾き量決定部と、前記荷重を決定する荷重決定部と、前記荷重が目標範囲内に収まることができる前記ストッパーの移動速度を決定するストッパー速度決定部とを備えていることを特徴とする研磨装置である。
本発明の好ましい態様は、前記荷重決定部は、前記位置決め部材から前記ストッパーに加えられた荷重と前記ストッパーの傾き量との関係を示す、予め構築されたデータベースを備え、該データベースに基づいて、前記荷重を前記ストッパーの傾き量から決定することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記ストッパー傾き量決定部は、前記距離センサによって測定された前記研磨ヘッドの移動距離と、前記ストッパー移動機構が前記ストッパーを移動させた移動距離との差に基づいて、該ストッパーの傾き量を算出することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記ストッパー速度決定部は、前記荷重決定部によって決定された荷重を予め設定された目標値に維持させることができる前記ストッパーの移動速度を算出し、前記目標値は前記目標範囲内の値であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記ストッパー速度決定部は、フィードバック制御を実行して、前記荷重の目標値と、前記荷重決定部によって決定された荷重との偏差を最小とすることができる前記ストッパーの移動速度を算出し、前記研磨装置は前記算出された移動速度で前記基板を研磨するように構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、ストッパーが位置決め部材から受ける荷重を、ストッパーの傾き量から決定し、決定された荷重または該荷重から算出された研磨荷重が目標範囲内に収まることができるストッパーの移動速度が決定される。ストッパーは決定された移動速度で移動するので、研磨される基板の表面状態に関わらず、基板に加わる研磨荷重を適正な範囲内に維持しながら効率よく基板を研磨することができる。また、本発明によれば、上記決定された荷重から、基板に加わる研磨荷重を算出することができる。したがって、ロードセルなどの荷重測定器を研磨装置に組み込む必要がなく、結果として研磨装置の構成をシンプルにすることができる。
図1(a)および図1(b)は、基板の一例としてのウェハの周縁部を示す拡大断面図である。 研磨装置の一実施形態を模式的に示す平面図である。 図2に示す研磨装置を示す側面図である。 研磨ヘッド組立体を示す図である。 ウェハを研磨しているときの研磨ヘッドを示す図である。 図6(a)および図6(b)は位置決め部材から受けた荷重によってストッパーが下方に傾く様子を示す図である。 荷重決定部が備えているデータベースの一例を示す図である。 ウェハの研磨プロセスを説明するフローチャートである。 従来の研磨装置を示す模式図である。 図10(a)および図10(b)は、ウェハを研磨している従来の研磨装置を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下に説明する実施形態に係る研磨方法および研磨装置は、研磨具を基板の周縁部に接触させることで基板の周縁部を研磨する。ここで、本明細書では、基板の周縁部を、基板の最外周に位置するベベル部と、このベベル部の半径方向内側に位置するトップエッジ部およびボトムエッジ部とを含む領域として定義する。
図1(a)および図1(b)は、基板の一例としてのウェハの周縁部を示す拡大断面図である。より詳しくは、図1(a)はいわゆるストレート型のウェハの断面図であり、図1(b)はいわゆるラウンド型のウェハの断面図である。図1(a)のウェハWにおいて、ベベル部は、上側傾斜部(上側ベベル部)P、下側傾斜部(下側ベベル部)Q、および側部(アペックス)Rから構成されるウェハWの最外周面(符号Bで示す)である。図1(b)のウェハWにおいては、ベベル部は、ウェハWの最外周面を構成する、湾曲した断面を有する部分(符号Bで示す)である。トップエッジ部は、ベベル部Bよりも半径方向内側に位置する平坦部E1である。ボトムエッジ部は、トップエッジ部とは反対側に位置し、ベベル部Bよりも半径方向内側に位置する平坦部E2である。トップエッジ部E1は、デバイスが形成された領域を含むこともある。以下の説明では、トップエッジ部を単にエッジ部という。
図2は、研磨装置の一実施形態を模式的に示す平面図であり、図3は図2に示す研磨装置を示す側面図である。研磨装置は、基板の一例であるウェハWを保持し、回転させるウェハ保持部(基板保持部)1を備えている。このウェハ保持部1は、ウェハWを保持することができるウェハステージ(基板ステージ)2と、ウェハステージ2をその軸心を中心に回転させるステージモータ3とを有する。研磨されるウェハWは、ウェハステージ2の上面に真空吸引などにより保持され、ウェハステージ2とともにステージモータ3によって回転される。
本実施形態の研磨装置は、ウェハWを研磨するための研磨具をウェハWのエッジ部に押し付ける研磨ヘッド11を備えた研磨ヘッド組立体10を有している。研磨ヘッド11は、ウェハステージ2の上方に配置される。本実施形態では、研磨具は研磨テープ7である。研磨テープ7の一端は巻き出しリール14に固定され、研磨テープ7の他端は巻き取りリール15に固定されている。研磨テープ7の大部分は巻き出しリール14および/または巻き取りリール15の両方に巻かれており、研磨テープ7の一部は巻き出しリール14と巻き取りリール15との間を延びている。巻き出しリール14および巻き取りリール15は、それぞれリールモータ17,18によって反対方向のトルクが加えられており、これにより研磨テープ7にはテンションが付与される。
巻き出しリール14と巻き取りリール15との間には、テープ送り装置20が配置されている。研磨テープ7は、テープ送り装置20によって一定の速度で巻き出しリール14から巻き取りリール15に送られる。巻き出しリール14と巻き取りリール15との間を延びる研磨テープ7は2つのガイドローラ21,22によって支持されている。これら2つのガイドローラ21,22は巻き出しリール14と巻き取りリール15との間に配置されている。ガイドローラ21,22の間を延びる研磨テープ7の下面は、ウェハWを研磨する研磨面を構成する。
研磨ヘッド11は2つのガイドローラ21,22の間に位置している。ウェハWのエッジ部と研磨テープ7との接触点において、ガイドローラ21,22間の研磨テープ7がウェハWの接線方向に延びるようにガイドローラ21,22が配置されている。
ウェハWの研磨は次のようにして行われる。ウェハWは、その表面に形成されている膜(例えば、デバイス層)が上を向くようにウェハステージ2に保持され、さらにウェハWはウェハステージ2とともにその軸心を中心に回転される。回転するウェハWの中心には、図示しない液体供給ノズルから液体(例えば、純水)が供給される。この状態で、研磨ヘッド組立体10の研磨ヘッド11は研磨テープ7をウェハWのエッジ部に押し付ける。回転するウェハWと、研磨テープ7との摺接により、ウェハWが研磨される。ウェハWを研磨しているときの研磨テープ7は、図2に示すように、ウェハWと研磨テープ7との接触点においてウェハWの接線方向に延びている。
図4は、研磨ヘッド組立体10を示す図である。図4に示すように、研磨ヘッド組立体10は、研磨具をウェハWに押し付ける上記研磨ヘッド11と、研磨ヘッド11に力を加えるエアシリンダ25とを備えている。研磨ヘッド11はエアシリンダ25に連結されている。エアシリンダ25は、ウェハ保持部1上のウェハWに向かう所定の方向に研磨ヘッド11を押すアクチュエータである。本実施形態では、エアシリンダ25は、研磨ヘッド11をウェハWのエッジ部に向かって下方に押すように構成されている。本実施形態では、エアシリンダ25によって押される研磨ヘッド11の方向は、ウェハ保持部1の軸心と平行な方向、すなわち鉛直方向である。
研磨ヘッド11は、研磨テープ7を保持する押圧部材12と、押圧部材12を着脱可能に保持する押圧部材ホルダー27aと、押圧部材ホルダー27aとエアシリンダ25とを連結する荷重伝達部材27とを備えている。荷重伝達部材27の下端は、押圧部材ホルダー27aに連結されており、荷重伝達部材27の上端は、エアシリンダ25に連結されている。エアシリンダ25によって発生した力は、荷重伝達部材27を介して押圧部材12に伝達される。
押圧部材12はその内部に形成された貫通孔12aを有している。貫通孔12aの一端は押圧部材12の下面で開口しており、貫通孔12aの他端は真空ライン30に接続されている。真空ライン30には、図示しない弁が設けられており、弁を開くことにより押圧部材12の貫通孔12a内に真空が形成される。押圧部材12が研磨テープ7の上面に接触した状態で貫通孔12aに真空が形成されると、研磨テープ7の上面は押圧部材12の下面に保持される。
一実施形態では、研磨具は、研磨テープ7に代えて砥石であってもよい。この場合、砥石は砥石を着脱可能に保持する砥石ホルダーに保持され、砥石ホルダーは荷重伝達部材27の下端に連結される。研磨ヘッド11は砥石をウェハWのエッジ部に接触させウェハWを研磨する。
研磨ヘッド11の荷重伝達部材27には、位置決め部材31が固定されている。研磨ヘッド11および位置決め部材31は、一体的な構造体を構成し、エアシリンダ25によって一体に移動される。荷重伝達部材27は、ウェハ保持部1の軸心に沿って延びる直動ガイド33に移動自在に連結されている。したがって、研磨ヘッド11および位置決め部材31の全体の移動方向は、ウェハ保持部1の軸心と平行な方向に制限される。本実施形態では、ウェハ保持部1の軸心は鉛直方向に延びている。
研磨ヘッド組立体10は、研磨ヘッド11の移動距離を測定する第1の距離センサ23をさらに備えている。第1の距離センサ23は、研磨ヘッド組立体10のフレーム39に固定されており、研磨ヘッド11の移動距離を測定することが可能に構成されている。第1の距離センサ23の例としては、変位センサなどが挙げられる。
研磨ヘッド組立体10は、位置決め部材31の下方に配置されたストッパー35と、ストッパー35に連結されたストッパー移動機構37とをさらに備えている。ストッパー移動機構37は、ストッパー35を制御された速度で所定の方向に移動させるための装置である。ストッパー移動機構37は、ストッパー35に連結されたボールねじ機構38と、ボールねじ機構38を駆動するサーボモータ36とを備えている。本実施形態では、ウェハWの研磨中、ストッパー移動機構37はストッパー35を下方に移動させる。
ストッパー移動機構37がストッパー35を移動させる方向は、エアシリンダ25が研磨ヘッド11をウェハWのエッジ部に向かって押す方向と同じである。サーボモータ36は、サーボモータ36の回転回数と回転角度を検出する図示しないエンコーダを備えている。ストッパー移動機構37がストッパー35を移動させた移動距離は、サーボモータ36の回転回数と回転角度を示すエンコーダの出力値に基づいて決定される。エアシリンダ25、直動ガイド33、およびストッパー移動機構37は、フレーム39に固定されている。
ストッパー35は、位置決め部材31の真下に位置している。したがって、一体的な構造体を形成する研磨ヘッド11および位置決め部材31の下方への移動は、ストッパー35によって制限される。ストッパー35は、その上面に突部34を備えている。突部34は、位置決め部材31の下面に接触可能に構成されている。エアシリンダ25によって研磨ヘッド11および位置決め部材31が下降されると、位置決め部材31は突部34に接触する。一実施形態では、突部34は位置決め部材31の下面に固定されてもよい。
ウェハWのエッジ部は次のようにして研磨される。図5に示すように、ウェハWをその軸心を中心に回転させながら、ウェハWの上面に純水などの液体(図示せず)が供給される。エアシリンダ25は研磨ヘッド11をウェハWのエッジ部に向かって下方に移動させ、研磨ヘッド11の押圧部材12は研磨テープ7をウェハWのエッジ部に押し付け、該エッジ部を研磨する。
ウェハWの研磨中、エアシリンダ25は一定の力を発生する。さらに、ウェハWの研磨中、ストッパー35が位置決め部材31の下面に接触した状態で、ストッパー35は位置決め部材31の下方への移動を制限しながらストッパー移動機構37によって下降される。ストッパー35の下降に伴い、研磨ヘッド11および位置決め部材31は一体に下降する。研磨テープ7は、下降する研磨ヘッド11の押圧部材12によってウェハWのエッジ部に押され、ウェハWを研磨する。
ウェハWの研磨中、エアシリンダ25によって発生した力の一部は、位置決め部材31を介してストッパー35に伝達される。すなわち、位置決め部材31からストッパー35に、エアシリンダ25によって発生した力の一部が加えられる。エアシリンダ25によって発生した力をFと表し、研磨テープ7からウェハWに加えられる研磨荷重をF1と表し、位置決め部材31からストッパー35に加えられる荷重をF2と表すと、F=F1+F2(単位:N)という関係が成り立つ。
ストッパー35の一端はボールねじ機構38に連結され、他端は自由な状態にある。図6(a)および図6(b)に示すように、ストッパー35が位置決め部材31から荷重を受けたとき、ストッパー35はわずかに下方に傾く。図6(a)はストッパー35が位置決め部材31から荷重を受けていないときのストッパー35の状態を示す図であり、図6(b)は位置決め部材31からストッパー35に荷重F2が加えられたときのストッパー35の状態を示す図である。図6(b)に示す例では、位置決め部材31からストッパー35に荷重F2が加えられたときのストッパー35の傾き量はδ(単位:μm)で表される。本明細書において、ストッパー35の傾き量は、位置決め部材31から受けた荷重によってストッパー35が下方に傾いたときの、位置決め部材31とストッパー35との接触点の変位と定義される。本実施形態では、ストッパー35の突部34が位置決め部材31に接触するので、ストッパー35の傾き量は、ストッパー35が位置決め部材31から荷重を受けたときの突部34の変位で表すことができる。
図4に戻って、本実施形態の研磨装置は、位置決め部材31から荷重を受けたときのストッパー35の傾き量を決定するストッパー傾き量決定部41をさらに備えている。ストッパー傾き量決定部41は、第1の距離センサ23によって測定された研磨ヘッド11の移動距離と、ストッパー移動機構37がストッパー35を移動させた移動距離との差に基づいて、ストッパー35の傾き量を算出する。上述したように、ストッパー移動機構37がストッパー35を移動させた移動距離は、サーボモータ36に内蔵されたエンコーダの出力値に基づいて決定される。
ストッパー35が位置決め部材31の下面に接触した状態で、ストッパー35は、位置決め部材31の下方への移動を制限しながらストッパー移動機構37によって下降される。第1の距離センサ23によって測定された研磨ヘッド11の移動距離をd1(単位:μm)と表し、ストッパー移動機構37がストッパー35を移動させた移動距離をd2(単位:μm)と表すと、ストッパー35の傾き量が0μmのとき、d1=d2という関係が成り立つ。一方、ストッパー35が位置決め部材31から受けた荷重によって下方にδμm傾いたときは、d1=d2+δという関係が成り立つ。したがって、ストッパー傾き量決定部41は、第1の距離センサ23によって測定された研磨ヘッド11の移動距離d1と、ストッパー移動機構37がストッパー35を移動させた移動距離d2との差に基づいて、ストッパー35の傾き量を決定することができる。
本実施形態の研磨装置は、位置決め部材31とストッパー35との間の隙間の大きさを測定する第2の距離センサ32を備えている。この第2の距離センサ32は、位置決め部材31とストッパー35とが離れているときの、位置決め部材31とストッパー35の突部34との間の隙間の大きさを測定する目的で使用される。
本実施形態の研磨装置は、位置決め部材31からストッパー35に加えられる荷重を決定する荷重決定部42をさらに備えている。荷重決定部42は、ストッパー傾き量決定部41に電気的に接続されており、ストッパー傾き量決定部41によって決定されたストッパー35の傾き量は荷重決定部42に送られる。荷重決定部42は、位置決め部材31からストッパー35に加えられた荷重とストッパー35の傾き量との関係を示す、予め構築されたデータベースを備えている。
図7は、荷重決定部42が備えているデータベースの一例を示す図である。図7に示すデータベースは、位置決め部材31からストッパー35に複数の異なる荷重を加え、それぞれの荷重に対応するストッパー35の傾き量を測定した実験結果から得たものである。図7に示すように、ストッパー35に加えられた荷重の大きさによってストッパー35の傾き量は線形的に変化する。つまり、ストッパー35の傾き量は、ストッパー35に加えられた荷重に比例する。したがって、荷重決定部42は、上述のデータベースに基づいて、位置決め部材31からストッパー35に加えられる荷重をストッパー35の傾き量から決定することができる。
ストッパー35の下降速度が一定であるとき、研磨テープ7からウェハWに加えられる研磨荷重は、ウェハWの表面状態によって変わり得る。例えば、ウェハWの表面層が硬い場合には、研磨ヘッド11および位置決め部材31の下降速度(研磨速度)は、ストッパー35の下降速度よりも小さくなり、研磨荷重は大きくなる。一方で、ウェハWの表面層が柔らかい場合には、研磨ヘッド11および位置決め部材31の下降速度(研磨速度)は、ストッパー35の下降速度よりも大きくなり、研磨荷重は小さくなる。このような研磨荷重の変動は、研磨効率を不安定にする。例えば、研磨荷重が大きすぎると、研磨テープ7に過大な圧力が印加され、研磨テープ7が劣化し、結果として研磨効率が低下する。一方で、研磨荷重が小さすぎると、研磨レートが低下し、研磨効率が低下する。つまり、研磨効率を最適化することができる研磨荷重が存在する。
そこで、図4に示すように、本実施形態に係る研磨装置は、研磨荷重が目標範囲内に収まることができるストッパー35の移動速度を決定するストッパー速度決定部43を備えている。ストッパー傾き量決定部41、荷重決定部42、およびストッパー速度決定部43のうちのいずれか2つまたは全部は、1つの処理装置(例えば、1つのコンピュータ)から構成されてもよい。
ウェハWの研磨中、エアシリンダ25は一定の力を発生する。ストッパー速度決定部43は、荷重決定部42で決定される、位置決め部材31からストッパー35に加えられる荷重を、エアシリンダ25で発生した力の値から減算することによって、研磨テープ7からウェハWに加えられる研磨荷重を決定し、この研磨荷重が目標範囲内に収まることができるストッパー35の移動速度を決定する。上述のように、F=F1+F2という関係が成り立つので、ストッパー速度決定部43は、位置決め部材31からストッパー35に加えられる荷重を制御することによって、研磨テープ7からウェハWに加えられる研磨荷重を制御することができる。一実施形態では、位置決め部材31からストッパー35に加えられる荷重が目標範囲内に収まることができるストッパー35の移動速度を決定してもよい。エアシリンダ25によって発生した力は、エアシリンダ25に供給された気体の圧力と、エアシリンダ25のピストンの受圧面積から計算することができる。
ストッパー速度決定部43は、荷重決定部42に電気的に接続されており、荷重決定部42によって決定された荷重は、ストッパー速度決定部43に送られる。ストッパー速度決定部43には、研磨テープ7からウェハWに加えられる研磨荷重の目標範囲の上限値と下限値が予め記憶されている。一実施形態では、ストッパー速度決定部43は、位置決め部材31からストッパー35に加えられる荷重の目標範囲の上限値と下限値を予め記憶していてもよい。ストッパー速度決定部43には、さらに、研磨テープ7からウェハWに加えられる研磨荷重の目標値が予め記憶されている。この目標値は、上記研磨荷重の目標範囲内の値である。一実施形態では、ストッパー速度決定部43は、位置決め部材31からストッパー35に加えられる荷重の目標値を予め記憶していてもよい。この目標値は、位置決め部材31からストッパー35に加えられる荷重の目標範囲の値である。
ストッパー速度決定部43は、上記決定された研磨荷重を、目標範囲の上限値および下限値と比較し、決定された研磨荷重が上限値よりも大きいときは、ストッパー35の移動速度を小さくし、決定された研磨荷重が下限値よりも小さいときは、ストッパー35の移動速度を大きくするように構成されている。このような構成により、本実施形態の研磨装置は、ウェハWの表面状態に関わらず、研磨荷重を適正な範囲内に維持しながら効率よくウェハWを研磨することができる。
一実施形態では、ストッパー速度決定部43は、荷重決定部42で決定された荷重(ストッパー35に加えられる荷重)を、目標範囲の上限値および下限値と比較し、荷重決定部42で決定された荷重が上限値よりも大きいときは、ストッパー35の移動速度を大きくし、荷重決定部42で決定された荷重が下限値よりも小さいときは、ストッパー35の移動速度を小さくするように構成されてもよい。
一実施形態では、ストッパー速度決定部43は、上記決定された研磨荷重を予め設定された目標値に維持させることができるストッパー35の移動速度を算出するように構成されていてもよい。この目標値は、上記決定された研磨荷重の目標範囲内の値である。ストッパー速度決定部43は、PID制御やファジー制御などのフィードバック制御を実行して、上記目標値と、決定された研磨荷重との偏差を最小とすることができるストッパー35の移動速度を算出する。研磨装置は、算出されたストッパー35の移動速度でウェハWを研磨するように構成されている。
一実施形態では、ストッパー速度決定部43は、荷重決定部42によって決定された荷重を予め設定された目標値に維持させることができるストッパー35の移動速度を算出するように構成されていてもよい。この目標値は、荷重決定部42によって決定された荷重の目標範囲内の値である。ストッパー速度決定部43は、PID制御やファジー制御などのフィードバック制御を実行して、上記目標値と、荷重決定部42によって決定された荷重との偏差を最小とすることができるストッパー35の移動速度を算出する。研磨装置は、算出されたストッパー35の移動速度でウェハWを研磨するように構成されている。
ウェハWがウェハ保持部1から外れた場合や第1の距離センサ23が故障した場合などの種々の原因により、ストッパー35の移動速度の値が過度に上昇または低下することがある。そこで、ウェハWの研磨中に、荷重決定部42によって決定された荷重が所定の管理範囲から外れた場合、および/または、決定されたストッパー35の移動速度が所定の管理範囲から外れた場合には、ストッパー速度決定部43は、研磨異常と判断して警報信号を発するようにしてもよい。あるいは、ウェハWの研磨中に、荷重決定部42によって決定された荷重が所定の管理範囲から外れた時間が予め設定された時間以上である場合、および/または、決定されたストッパー35の移動速度が所定の管理範囲から外れた時間が予め設定された時間以上である場合には、ストッパー速度決定部43は、研磨異常と判断して警報信号を発するようにしてもよい。このような場合、研磨装置の動作を制御する制御部(図示しない)は、ウェハWの研磨を停止(中断)させてもよい。一実施形態では、ストッパー速度決定部43は、ウェハWの研磨中、または中断している間にストッパー35の移動速度を修正してもよい。ウェハWの研磨が中断された場合は、上述の制御部は、ストッパー35の移動速度の修正後、ウェハWの研磨を再開させてもよい。
ストッパー35の移動速度を修正する場合、ストッパー速度決定部43は、荷重決定部42で決定された荷重を、荷重決定部42で決定される荷重の管理範囲の上限値および下限値と比較し、荷重決定部42で決定された荷重が上限値よりも大きいときは、ストッパー35の移動速度を大きくし、荷重決定部42で決定された荷重が下限値よりも小さいときは、ストッパー35の移動速度を小さくするように構成されてもよい。一実施形態では、決定されたストッパー35の移動速度を、ストッパー35の移動速度の管理範囲の上限値および下限値と比較し、決定されたストッパー35の移動速度が上限値よりも大きいときは、ストッパー35の移動速度を小さくし、決定されたストッパー35の移動速度が下限値よりも小さいときは、ストッパー35の移動速度を大きくするように構成されてもよい。
次に、ウェハWの研磨プロセスについて、図8を参照して説明する。まず、ウェハ保持部1でウェハWを回転させながら、研磨テープ7がウェハWから離れた状態で、エアシリンダ25は、一定の力を発生させる。ストッパー35が位置決め部材31の下面に接触した状態で、ストッパー移動機構37は、ストッパー35を下降させ、研磨ヘッド11および位置決め部材31を下降させる。ストッパー移動機構37は、研磨テープ7がウェハ保持部1に保持されたウェハWのエッジ部に接触し、さらにストッパー35が位置決め部材31から離れるまでストッパー35を下降させる。そして、第1の距離センサ23によって、この状態における研磨ヘッド11の位置(研磨ヘッド11の初期位置)を測定する(ステップ1)。このステップ1は、研磨テープ7が研磨前のウェハWの表面に接触しているときの研磨ヘッド11の初期位置を測定する目的で行う。ステップ1で測定した研磨ヘッド11の初期位置と研磨中の研磨ヘッド11の位置との差を算出することによってウェハWの研磨量を決定することができる。一実施形態では、ステップ1を実行するとき、ウェハWを回転させなくてもよい。
研磨テープ7がウェハWに接触した後もストッパー移動機構37はストッパー35を下降させるため、ストッパー35は位置決め部材31の下面から離れる。ストッパー35が位置決め部材31の下面から離れたらストッパー移動機構37の動作を停止する。第2の距離センサ32は、このときの位置決め部材31とストッパー35との間の隙間の大きさを測定する。ストッパー傾き量決定部41は、ストッパー移動機構37がストッパー35を移動させた移動距離から、第2の距離センサ32で測定された上記隙間の大きさを減算することで、ストッパー35の基準位置を算出する。このストッパー35の基準位置では、位置決め部材31からストッパー35に加えられる荷重は0、すなわちストッパー35の傾き量は0である。
研磨ヘッド11の初期位置は、傾き量が0のときのストッパー35の基準位置と関連付けられる(ステップ2)。このステップ2により、ストッパー35の基準位置における、第1の距離センサ23の出力値と、サーボモータ36のエンコーダの出力値との差を決定することができる。
次に、ストッパー35を上昇させ、研磨テープ7をウェハWの表面から離す(ステップ3)。より具体的には、ストッパー35は、位置決め部材31を介して研磨テープ7をウェハWの表面から50〜100μm上方に移動させる。このとき、エアシリンダ25が発生させる下向きの力は全てストッパー35に加えられ、ストッパー35は、ストッパー35が受けた荷重の大きさに比例した傾き量で下方に傾く。
ストッパー移動機構37は、予め設定された初期速度で、ストッパー35を下降させる(ステップ4)。ストッパー35の下降に伴い、位置決め部材31、研磨ヘッド11、および研磨テープ7は、同じ速度で一体に下降する。研磨テープ7がウェハWのエッジ部に接触した時点で、ウェハWの研磨が開始される(ステップ5)。本実施形態では、ウェハ保持部1でウェハWを回転させながら、エアシリンダ25で発生した力を研磨ヘッド11に加えることで研磨テープ7を研磨ヘッド11でウェハWのエッジ部に押し付け、研磨ヘッド11に連結された位置決め部材31の所定の方向(下方)への移動をストッパー35で制限しながら、ストッパー35をストッパー移動機構37により下方に移動させ、ウェハWを研磨する。
ウェハWの研磨中、第1の距離センサ23は、研磨ヘッド11の移動距離を測定し、ストッパー傾き量決定部41は、サーボモータ36のエンコーダの出力値に基づいて、ストッパー移動機構37がストッパー35を移動させた移動距離を決定する。ストッパー傾き量決定部41は、研磨ヘッド11の移動距離と、ストッパー移動機構37がストッパー35を移動させた移動距離との差に基づいてストッパー35の傾き量を算出し、ストッパー35の傾き量を決定する(ステップ6)。すなわち、ストッパー傾き量決定部41は、位置決め部材31から荷重を受けたときのストッパー35の傾き量を決定する。
荷重決定部42は、位置決め部材31からストッパー35に加えられた荷重とストッパー35の傾き量との関係を示す、予め構築されたデータベースに基づいて、位置決め部材31からストッパー35に加わった荷重をストッパー35の傾き量から決定する(ステップ7)。ストッパー速度決定部43は、荷重決定部42で決定された上記荷重を、エアシリンダ25で発生した力の値から減算することによって、研磨テープ7からウェハWに加えられる研磨荷重を決定し、この研磨荷重が目標範囲内に収まることができるストッパー35の移動速度を決定する。本実施形態の研磨装置は、ストッパー35を決定された移動速度で下方に移動させながらウェハWを研磨する(ステップ8)。一実施形態では、荷重決定部42で決定された上記荷重が目標範囲内に収まることができるストッパー35の移動速度を決定してもよい。
ウェハWの研磨は、予め設定された目標研磨量に到達したときに終了される(ステップ9)。ウェハWの研磨が終了すると、ストッパー35が、研磨ヘッド11および位置決め部材31とともに上昇する(ステップ10)。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
1 ウェハ保持部(基板保持部)
2 ウェハステージ(基板ステージ)
3 ステージモータ
7 研磨テープ
10 研磨ヘッド組立体
11 研磨ヘッド
12 押圧部材
12a 貫通孔
14 巻き出しリール
15 巻き取りリール
17,18 リールモータ
20 テープ送り装置
21,22 ガイドローラ
23 第1の距離センサ
25 エアシリンダ
27 荷重伝達部材
27a 押圧部材ホルダー
30 真空ライン
31 位置決め部材
32 第2の距離センサ
33 直動ガイド
34 突部
35 ストッパー
36 サーボモータ
37 ストッパー移動機構
38 ボールねじ機構
39 フレーム
41 ストッパー傾き量決定部
42 荷重決定部
43 ストッパー速度決定部

Claims (20)

  1. アクチュエータで発生した力を研磨ヘッドに加えることで研磨具を前記研磨ヘッドで基板に押し付け、
    前記研磨ヘッドに連結された位置決め部材の所定の方向への移動をストッパーで制限しながら、前記ストッパーをストッパー移動機構により前記所定の方向に移動させ、
    前記位置決め部材から荷重を受けたときの前記ストッパーの傾き量を決定し、
    前記荷重を前記ストッパーの傾き量から決定し、
    前記決定された荷重を、前記アクチュエータで発生した力の値から減算することによって、前記研磨具から前記基板に加えられる研磨荷重を決定し、
    前記研磨荷重が目標範囲内に収まることができる前記ストッパーの移動速度を決定し、
    前記ストッパーを前記決定された移動速度で前記所定の方向に移動させながら前記基板を研磨することを特徴とする研磨方法。
  2. 前記荷重を前記ストッパーの傾き量から決定する工程は、前記位置決め部材から前記ストッパーに加えられた荷重と前記ストッパーの傾き量との関係を示す、予め構築されたデータベースに基づいて、前記荷重を前記ストッパーの傾き量から決定する工程であることを特徴とする請求項1に記載の研磨方法。
  3. 前記ストッパーの傾き量を決定する工程は、前記研磨ヘッドの移動距離と、前記ストッパー移動機構が前記ストッパーを移動させた移動距離との差に基づいて、該ストッパーの傾き量を算出する工程であることを特徴とする請求項1または2に記載の研磨方法。
  4. 前記ストッパーの移動速度を決定する工程は、前記研磨荷重を予め設定された目標値に維持させることができる該ストッパーの移動速度を算出する工程であり、前記目標値は前記目標範囲内の値であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の研磨方法。
  5. 前記ストッパーの移動速度を算出する工程は、フィードバック制御を実行して、前記研磨荷重の目標値と、前記研磨荷重との偏差を最小とすることができる該ストッパーの移動速度を算出する工程であることを特徴とする請求項4に記載の研磨方法。
  6. アクチュエータで発生した力を研磨ヘッドに加えることで研磨具を前記研磨ヘッドで基板に押し付け、
    前記研磨ヘッドに連結された位置決め部材の所定の方向への移動をストッパーで制限しながら、前記ストッパーをストッパー移動機構により前記所定の方向に移動させ、
    前記位置決め部材から荷重を受けたときの前記ストッパーの傾き量を決定し、
    前記荷重を前記ストッパーの傾き量から決定し、
    前記荷重が目標範囲内に収まることができる前記ストッパーの移動速度を決定し、
    前記ストッパーを前記決定された移動速度で前記所定の方向に移動させながら前記基板を研磨することを特徴とする研磨方法。
  7. 前記荷重を前記ストッパーの傾き量から決定する工程は、前記位置決め部材から前記ストッパーに加えられた荷重と前記ストッパーの傾き量との関係を示す、予め構築されたデータベースに基づいて、前記荷重を前記ストッパーの傾き量から決定する工程であることを特徴とする請求項6に記載の研磨方法。
  8. 前記ストッパーの傾き量を決定する工程は、前記研磨ヘッドの移動距離と、前記ストッパー移動機構が前記ストッパーを移動させた移動距離との差に基づいて、該ストッパーの傾き量を算出する工程であることを特徴とする請求項6または7に記載の研磨方法。
  9. 前記ストッパーの移動速度を決定する工程は、前記荷重を予め設定された目標値に維持させることができる該ストッパーの移動速度を算出する工程であり、前記目標値は前記目標範囲内の値であることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項に記載の研磨方法。
  10. 前記ストッパーの移動速度を算出する工程は、フィードバック制御を実行して、前記荷重の目標値と、前記荷重との偏差を最小とすることができる該ストッパーの移動速度を算出する工程であることを特徴とする請求項9に記載の研磨方法。
  11. 基板を保持する基板保持部と、
    研磨具を前記基板に押し付ける研磨ヘッドと、
    前記研磨ヘッドに連結され、前記研磨ヘッドに力を加えるアクチュエータと、
    前記研磨ヘッドと一体に移動可能な位置決め部材と、
    前記研磨ヘッドの移動距離を測定する距離センサと、
    前記研磨ヘッドおよび前記位置決め部材の移動を制限するストッパーと、
    前記ストッパーを所定の方向に移動させるストッパー移動機構と、
    前記位置決め部材から荷重を受けたときの前記ストッパーの傾き量を決定するストッパー傾き量決定部と、
    前記荷重を前記ストッパーの傾き量から決定する荷重決定部と、
    前記決定された荷重を、前記アクチュエータで発生した力の値から減算することによって、前記研磨具から前記基板に加えられる研磨荷重を決定し、該研磨荷重が目標範囲内に収まることができる前記ストッパーの移動速度を決定するストッパー速度決定部とを備えていることを特徴とする研磨装置。
  12. 前記荷重決定部は、前記位置決め部材から前記ストッパーに加えられた荷重と前記ストッパーの傾き量との関係を示す、予め構築されたデータベースを備え、該データベースに基づいて、前記荷重を前記ストッパーの傾き量から決定することを特徴とする請求項11に記載の研磨装置。
  13. 前記ストッパー傾き量決定部は、前記距離センサによって測定された前記研磨ヘッドの移動距離と、前記ストッパー移動機構が前記ストッパーを移動させた移動距離との差に基づいて、該ストッパーの傾き量を算出することを特徴とする請求項11または12に記載の研磨装置。
  14. 前記ストッパー速度決定部は、前記研磨荷重を予め設定された目標値に維持させることができる前記ストッパーの移動速度を算出し、前記目標値は前記目標範囲内の値であることを特徴とする請求項11乃至13のいずれか一項に記載の研磨装置。
  15. 前記ストッパー速度決定部は、フィードバック制御を実行して、前記研磨荷重の目標値と、前記決定された荷重を前記アクチュエータで発生した力の値から減算することによって決定される前記研磨荷重との偏差を最小とすることができる前記ストッパーの移動速度を算出し、前記研磨装置は前記算出された移動速度で前記基板を研磨するように構成されていることを特徴とする請求項14に記載の研磨装置。
  16. 基板を保持する基板保持部と、
    研磨具を前記基板に押し付ける研磨ヘッドと、
    前記研磨ヘッドに連結され、前記研磨ヘッドに力を加えるアクチュエータと、
    前記研磨ヘッドと一体に移動可能な位置決め部材と、
    前記研磨ヘッドの移動距離を測定する距離センサと、
    前記研磨ヘッドおよび前記位置決め部材の移動を制限するストッパーと、
    前記ストッパーを所定の方向に移動させるストッパー移動機構と、
    前記位置決め部材から荷重を受けたときの前記ストッパーの傾き量を決定するストッパー傾き量決定部と、
    前記荷重を前記ストッパーの傾き量から決定する荷重決定部と、
    前記荷重が目標範囲内に収まることができる前記ストッパーの移動速度を決定するストッパー速度決定部とを備えていることを特徴とする研磨装置。
  17. 前記荷重決定部は、前記位置決め部材から前記ストッパーに加えられた荷重と前記ストッパーの傾き量との関係を示す、予め構築されたデータベースを備え、該データベースに基づいて、前記荷重を前記ストッパーの傾き量から決定することを特徴とする請求項16に記載の研磨装置。
  18. 前記ストッパー傾き量決定部は、前記距離センサによって測定された前記研磨ヘッドの移動距離と、前記ストッパー移動機構が前記ストッパーを移動させた移動距離との差に基づいて、該ストッパーの傾き量を算出することを特徴とする請求項16または17に記載の研磨装置。
  19. 前記ストッパー速度決定部は、前記荷重決定部によって決定された荷重を予め設定された目標値に維持させることができる前記ストッパーの移動速度を算出し、前記目標値は前記目標範囲内の値であることを特徴とする請求項16乃至18のいずれか一項に記載の研磨装置。
  20. 前記ストッパー速度決定部は、フィードバック制御を実行して、前記荷重の目標値と、前記荷重決定部によって決定された荷重との偏差を最小とすることができる前記ストッパーの移動速度を算出し、前記研磨装置は前記算出された移動速度で前記基板を研磨するように構成されていることを特徴とする請求項19に記載の研磨装置。
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