JP2021028097A - 研磨方法、研磨システム、基板処理方法、および基板処理システム - Google Patents

研磨方法、研磨システム、基板処理方法、および基板処理システム Download PDF

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Abstract

【課題】研磨性能を維持することができる研磨方法を提供する。【解決手段】本研磨方法は、研磨パッド22を研磨装置10の研磨テーブル12で支持しかつ回転させ、基板Wを保持した研磨ヘッド20を研磨高さに位置させ、基板Wを研磨ヘッド20によって研磨パッド22の研磨面22aに押し付けて基板Wを研磨し、研磨ヘッド20と研磨パッド22との間に作用する摩擦力を示す摩擦指標値を決定し、摩擦指標値に基づいて研磨高さを補正する。【選択図】図3

Description

本発明は、研磨ヘッドを用いてウェーハなどの基板を研磨する研磨方法および研磨システムに関し、特に研磨パッドの摩耗に基づいて研磨ヘッドの研磨高さを補正する技術に関する。また、本発明は、バフヘッドを用いてウェーハなどの基板を処理する基板処理方法および基板処理システムに関し、特に、バフパッドの摩耗に基づいてバフヘッドの処理圧力を補正する技術に関する。
近年、半導体デバイスの高集積化・高密度化に伴い、回路の配線がますます微細化し、多層配線の層数も増加している。回路の微細化を図りながら多層配線を実現しようとすると、下側の層の表面凹凸を踏襲しながら段差がより大きくなるので、配線層数が増加するに従って、薄膜形成における段差形状に対する膜被覆性(ステップカバレッジ)が悪くなる。したがって、多層配線するためには、このステップカバレッジを改善し、然るべき過程で平坦化処理しなければならない。また光リソグラフィの微細化とともに焦点深度が浅くなるため、半導体デバイスの表面の凹凸段差が焦点深度以下に収まるように半導体デバイス表面を平坦化処理する必要がある。
従って、半導体デバイスの製造工程においては、半導体デバイス表面の平坦化技術がますます重要になっている。この平坦化技術のうち、最も重要な技術は、化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing)である。この化学機械研磨(以下、CMPという)は、シリカ(SiO)等の砥粒を含んだ研磨液を研磨パッド上に供給しつつウェーハなどの基板を研磨面に摺接させて研磨を行うものである。
CMPを行うための研磨装置は、研磨面を有する研磨パッドを支持する研磨テーブルと、基板を保持するための研磨ヘッドを備えている。このような研磨装置は、研磨テーブルと研磨ヘッドとを相対運動させ、さらにスラリーなどの研磨液を研磨パッドの研磨面上に供給しながら、研磨ヘッドにより基板を研磨パッドの研磨面に押し付けるように構成される。基板の表面は、研磨液の存在下で研磨面に摺接し、研磨液の化学的作用、および研磨液に含まれる砥粒の機械的作用により、基板の表面は平坦かつ鏡面に研磨される。
また、粘着性のパーティクルを除去したり、基板の表面のマイクロスクラッチを除去したりするために基板の表面をわずかに研磨することを目的として基板の処理(以下、上記基板の処理を仕上げ処理と呼ぶことがある)を行うことがある。この仕上げ処理用の基板処理装置は、基板を保持するバフテーブルと、基板を処理するためのバフパッドと、バフパッドを支持するためのバフヘッドを備えている。このような基板処理装置を用いて基板の仕上げ処理を行う場合には、バフテーブルによって基板を保持しつつ、バフヘッドによってバフパッドを基板の被処理面に接触させる。さらに、バフテーブルとバフヘッドとを相対運動させることによりバフパッドが基板の被処理面に摺接し、仕上げ処理が行われる。
特開2009−148877号公報
しかし、研磨装置の研磨パッドは基板の研磨や研磨パッドのドレッシングを繰り返すにつれて徐々に減耗する。結果として、研磨ヘッドと研磨パッドの研磨面との相対位置が変化し、研磨装置の研磨性能が変化してしまう。同様に、基板処理装置のバフパッドは基板の処理やバフパッドのドレッシングを繰り返すにつれて徐々に減耗する。結果として、バフパッドから基板の被処理面に加えられる荷重が変化し、基板処理装置の処理性能が変化してしまう。さらに、このような研磨性能および処理性能の変化の解消のための対策が必要になり装置ダウンタイムが発生する。
そこで、本発明は、研磨パッドの減耗にかかわらず、研磨ヘッドと研磨パッドとの相対位置を一定に維持することで、研磨性能を維持することができる研磨方法および研磨システムを提供する。
さらに本発明は、バフパッドの減耗にかかわらず、バフヘッドの処理圧力を補正することで、基板処理性能を維持することができる基板処理方法および基板処理システムを提供する。
一態様では、研磨パッドを研磨装置の研磨テーブルで支持しかつ回転させ、基板を保持した研磨ヘッドを研磨高さに位置させ、前記基板を前記研磨ヘッドによって前記研磨パッドの研磨面に押し付けて前記基板を研磨し、前記研磨ヘッドと前記研磨パッドとの間に作用する摩擦力を示す摩擦指標値を決定し、前記摩擦指標値に基づいて前記研磨高さを補正する研磨方法が提供される。
一態様では、前記摩擦指標値を決定する工程は、前記研磨ヘッドを前記研磨パッドに接触させながらテーブルモータにより前記研磨テーブルを予め設定された速度で回転させ、前記研磨ヘッドを前記研磨パッドに接触させた状態で前記テーブルモータを停止させ、前記テーブルモータが停止してから前記研磨テーブルの回転が停止するまでに、前記研磨テーブルが回転した角度を測定する工程を含む。
一態様では、前記研磨高さを補正する工程は、前記摩擦指標値と相対研磨高さとの関係を表す相関データに基づいて、前記決定された摩擦指標値に対応する相対研磨高さと、予め設定された目標摩擦指標値に対応する目標相対研磨高さを決定し、前記決定された相対研磨高さと前記目標相対研磨高さとの差を算出し、前記差を現在の研磨高さから減算する工程を含む。
一態様では、前記差が、予め設定された誤差しきい値よりも大きいときに、前記現在の研磨高さから前記差を減算する。
一態様では、前記研磨方法は、前記研磨高さを補正した回数が予め設定された補正回数しきい値よりも大きいときに、前記研磨パッドの交換時期に達したと判断する工程をさらに含む。
一態様では、前記研磨方法は、前記研磨高さを補正した頻度が、予め設定された補正頻度しきい値よりも大きいときに、前記研磨パッドの交換時期に達したと判断する工程をさらに含み、前記研磨高さを補正した頻度は、前記摩擦指標値を決定した回数に対する前記研磨高さを補正した回数の割合で表される。
一態様では、前記研磨装置は、複数の生産ラインごとに設置された複数の研磨装置であって、前記生産ラインごとに前記研磨高さの補正または前記研磨パッドの交換時期の予測を行う。
一態様では、基板を研磨する少なくとも1つの研磨装置と、前記研磨装置に接続された研磨高さ補正部とを備え、前記研磨装置は、研磨パッドを支持する研磨テーブルと、前記研磨テーブルを回転させるテーブルモータと、前記研磨テーブルの回転角度を測定する角度測定装置と、前記基板を前記研磨パッドの研磨面に押し付ける研磨ヘッドと、前記研磨ヘッドに連結された高さ調整機構を備えており、前記研磨高さ補正部は、前記研磨ヘッドと前記研磨パッドとの間に作用する摩擦力を示す摩擦指標値を決定し、前記摩擦指標値に基づいて前記研磨ヘッドの研磨高さを補正するためのプログラムが格納された記憶装置、および前記プログラムに含まれる命令に従って演算を実行するための演算装置を有している、研磨システムが提供される。
一態様では、前記研磨高さ補正部は、前記研磨ヘッドを前記研磨パッドに接触させた状態で前記テーブルモータに指令を発して前記研磨テーブルを予め設定された速度で回転させ、前記研磨ヘッドを前記研磨パッドに接触させた状態で前記テーブルモータを停止させ、前記テーブルモータが停止してから前記研磨テーブルの回転が停止するまでの前記研磨テーブルの回転角度の測定値を前記角度測定装置から取得するように構成されている。
一態様では、前記研磨高さ補正部は、前記摩擦指標値と相対研磨高さとの関係を表す相関データに基づいて、前記決定された摩擦指標値に対応する相対研磨高さと、予め設定された目標摩擦指標値に対応する目標相対研磨高さを決定し、前記決定された相対研磨高さと前記目標相対研磨高さとの差を算出し、前記差を現在の研磨高さから減算するように構成されている。
一態様では、基板を該基板の被処理面を上向きにして基板処理装置のバフテーブルで保持しかつ回転させ、バフパッドをバフヘッドによって前記基板の被処理面に押し付けて前記基板を処理し、前記バフパッドと回転体との間に作用する摩擦力を示す摩擦指標値を決定し、前記摩擦指標値に基づいて前記バフヘッドの処理圧力を補正する、基板処理方法が提供される。
一態様では、前記回転体は、前記バフテーブルと、前記バフテーブルに保持された前記基板とを含む第1回転体、または前記バフパッドのドレッシングを行うドレッサーと前記ドレッサーを支持する回転可能なドレステーブルとを含む第2回転体のいずれかである。
一態様では、前記摩擦指標値を決定する工程は、前記バフパッドを予め設定された基準圧力で前記回転体に接触させながら回転モータにより前記回転体を予め設定された速度で回転させ、前記バフパッドを前記基準圧力で前記回転体に接触させた状態で前記回転モータを停止させ、前記回転モータが停止してから前記回転体の回転が停止するまでに、前記回転体が回転した角度を測定する工程を含む。
一態様では、前記処理圧力を補正する工程は、前記摩擦指標値と前記処理圧力との関係を表す相関データに基づいて、予め設定された目標摩擦指標値に対応する処理圧力を決定し、現在の処理圧力を前記決定された処理圧力に変更する工程を含む。
一態様では、前記決定された処理圧力と前記現在の処理圧力との差が、予め設定された誤差しきい値よりも大きいときに、前記現在の処理圧力を前記決定された処理圧力に変更する。
一態様では、前記基板処理方法は、前記処理圧力を補正した回数が予め設定された補正回数しきい値よりも大きいときに、前記バフパッドの交換時期に達したと判断する工程をさらに含む。
一態様では、前記基板処理方法は、前記処理圧力を補正した頻度が、予め設定された補正頻度しきい値よりも大きいときに、前記バフパッドの交換時期に達したと判断する工程をさらに含み、前記処理圧力を補正した頻度は、前記摩擦指標値を決定した回数に対する前記処理圧力を補正した回数の割合で表される。
一態様では、前記基板処理装置は、複数の生産ラインごとに設置された複数の基板処理装置であって、前記生産ラインごとに前記処理圧力の補正または前記バフパッドの交換時期の予測を行う。
一態様では、基板を処理する少なくとも1つの基板処理装置と、前記基板処理装置に接続された処理圧力補正部とを備え、前記基板処理装置は、前記基板を該基板の被処理面を上向きにして保持するバフテーブルと、前記バフテーブルを回転させる第1回転モータと、バフパッドを支持し、該バフパッドを前記基板の被処理面に押し付けるバフヘッドと、前記バフパッドのドレッシングを行うドレッサーと、前記ドレッサーを支持する回転可能なドレステーブルと、前記ドレステーブルを回転させる第2回転モータと、前記バフヘッドに連結された処理圧力調整機構と、前記バフパッドに摺接する回転体の回転角度を測定する角度測定装置を備えており、前記処理圧力補正部は、前記バフパッドと前記回転体との間に作用する摩擦力を示す摩擦指標値を決定し、前記摩擦指標値に基づいて前記バフヘッドの処理圧力を補正するためのプログラムが格納された記憶装置、および前記プログラムに含まれる命令に従って演算を実行するための演算装置を有している、基板処理システムが提供される。
一態様では、前記回転体は、前記バフテーブルと、前記バフテーブルに保持された前記基板とを含む第1回転体、または前記ドレッサーと前記ドレステーブルとを含む第2回転体のいずれかである。
一態様では、前記処理圧力補正部は、前記バフパッドを予め設定された基準圧力で前記回転体に接触させた状態で、回転モータに指令を発して前記回転体を予め設定された速度で回転させ、前記バフパッドを前記基準圧力で前記回転体に接触させた状態で前記回転モータを停止させ、前記回転モータが停止してから前記回転体の回転が停止するまでの前記回転体の回転角度の測定値を前記角度測定装置から取得するように構成されている。
一態様では、前記処理圧力補正部は、前記摩擦指標値と前記処理圧力との関係を表す相関データに基づいて、予め設定された目標摩擦指標値に対応する処理圧力を決定し、現在の処理圧力を前記決定された処理圧力に変更するように構成されている。
本発明によれば、研磨ヘッドの研磨高さは、研磨ヘッドと研磨パッドとの間に作用する摩擦力の変化をキャンセルする方向に補正される。これにより、研磨パッドの減耗にかかわらず研磨装置の研磨性能を維持することができる。
また、バフヘッドの処理圧力は、バフパッドと回転体との間に作用する摩擦力の変化をキャンセルする方向に補正される。これにより、バフパッドの減耗にかかわらず基板処理装置の処理性能を維持することができる。
また、研磨パッドおよびバフパッドの減耗量を測定するためのセンサ等を必要としないため、研磨装置および基板処理装置のコストダウンを達成することができる。
研磨システムの一実施形態を示す模式図である。 図1に示す研磨ヘッドの断面図である。 研磨高さを補正する方法の一実施形態を示すフローチャートである。 研磨高さを補正する方法の一実施形態を示すフローチャートである。 研磨高さを補正する方法の一実施形態を示すフローチャートである。 摩擦指標値と、相対研磨高さとの相互関係を表す関係式の一例を示すグラフである。 研磨高さを補正する方法の他の実施形態を示すフローチャートである。 研磨高さを補正する方法の他の実施形態を示すフローチャートである。 研磨高さを補正する方法の他の実施形態を示すフローチャートである。 研磨システムの他の実施形態を示す模式図である。 基板処理システムの一実施形態を模式的に示す平面図である。 図11の側面図である。 処理圧力を補正する方法の一実施形態を示すフローチャートである。 処理圧力を補正する方法の一実施形態を示すフローチャートである。 処理圧力を補正する方法の一実施形態を示すフローチャートである。 摩擦指標値と、処理圧力との相互関係を表す関係式の一例を示すグラフである。 処理圧力を補正する方法の他の実施形態を示すフローチャートである。 処理圧力を補正する方法の他の実施形態を示すフローチャートである。 処理圧力を補正する方法の他の実施形態を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、研磨システムの一実施形態を示す模式図である。図1に示すように、研磨システム1は、ウェーハなどの基板を研磨するための研磨装置10と、研磨装置10に接続された研磨高さ補正部80を備えている。研磨装置10は、研磨パッド22を支持する研磨テーブル12と、研磨テーブル12を回転させるテーブルモータ70と、支軸14の上端に連結された研磨ヘッド揺動アーム16と、研磨ヘッド揺動アーム16の自由端に取り付けられた研磨ヘッドシャフト18と、研磨ヘッドシャフト18の下端に固定された研磨ヘッド20と、研磨ヘッド20に連結された高さ調整機構24を備えている。テーブルモータ70はインバータを備えた可変速モータである。
研磨高さ補正部80は、研磨パッド22の減耗に基づいて研磨ヘッド20の研磨高さを補正する装置である。研磨高さ補正部80は、少なくとも1台のコンピュータから構成される。研磨高さ補正部80は、記憶装置80aと、演算装置80bを備えている。演算装置80bは、記憶装置80aに格納されているプログラムに含まれている命令に従って演算を行うCPU(中央処理装置)またはGPU(グラフィックプロセッシングユニット)などを含む。記憶装置80aは、演算装置80bがアクセス可能な主記憶装置(例えばランダムアクセスメモリ)と、データおよびプログラムを格納する補助記憶装置(例えば、ハードディスクドライブまたはソリッドステートドライブ)を備えている。
研磨ヘッドシャフト18は、研磨ヘッド揺動アーム16内に配置された研磨ヘッド回転モータ(図示せず)に連結されており、研磨ヘッドシャフト18は研磨ヘッド回転モータにより回転されるようになっている。この研磨ヘッドシャフト18の回転により、研磨ヘッド20が矢印で示す方向に研磨ヘッドシャフト18を中心に回転するようになっている。
研磨テーブル12は、テーブル軸12aを介してその下方に配置されるテーブルモータ70に連結されている。このテーブルモータ70により研磨テーブル12がテーブル軸12aを中心に矢印で示す方向に回転されるようになっている。テーブルモータ70には、研磨テーブル12の回転角度を測定する角度測定装置71が組み込まれている。角度測定装置71の一例として、ロータリーエンコーダが挙げられる。研磨テーブル12の上面には研磨パッド22が貼り付けられている。研磨パッド22の上面はウェーハなどの基板Wを研磨する研磨面22aを構成している。研磨装置10は、研磨パッド22の研磨面22aの上方に配置されたスラリー供給ノズル19を備えている。砥粒を含むスラリーは、スラリー供給ノズル19から研磨パッド22の研磨面22a上に供給される。
研磨ヘッドシャフト18は、高さ調整機構24により研磨ヘッド揺動アーム16に対して相対的に上下動可能であり、この研磨ヘッドシャフト18の上下動により研磨ヘッド20が研磨ヘッド揺動アーム16に対して相対的に上下動可能となっている。研磨ヘッドシャフト18と研磨ヘッド20は、一体に上下動可能である。研磨ヘッドシャフト18の上端にはロータリージョイント25が取り付けられている。
研磨ヘッド20は、その下面にウェーハなどの基板Wを保持できるように構成されている。研磨ヘッド揺動アーム16は支軸14内に配置されたアーム旋回モータ15によって支軸14を中心に旋回されるように構成されている。下面に基板Wを保持した研磨ヘッド20は、研磨ヘッド揺動アーム16の旋回により、基板Wの図示しない受取位置と研磨テーブル12の上方位置との間を移動される。
研磨ヘッドシャフト18および研磨ヘッド20を昇降させる高さ調整機構24は、研磨ヘッドシャフト18を回転可能に支持する軸受26と、軸受26が固定されたブリッジ28と、ブリッジ28に取り付けられたボールねじ機構32と、支柱30により支持された支持台29と、支持台29に固定されたサーボモータ38とを備えている。サーボモータ38を支持する支持台29は、支柱30を介して研磨ヘッド揺動アーム16に連結されている。
ボールねじ機構32は、サーボモータ38に連結されたねじ軸32aと、このねじ軸32aが螺合するナット32bとを備えている。ナット32bはブリッジ28に固定されている。研磨ヘッドシャフト18は、ブリッジ28と一体となって昇降(上下動)するようになっている。したがって、サーボモータ38を駆動すると、ボールねじ機構32を介してブリッジ28が上下動し、これにより研磨ヘッドシャフト18および研磨ヘッド20が上下動する。
研磨ヘッド回転モータ(図示せず)、アーム旋回モータ15、テーブルモータ70、および角度測定装置71は研磨高さ補正部80に電気的に接続されており、研磨ヘッド回転モータ、アーム旋回モータ15、テーブルモータ70、および角度測定装置71の動作は、研磨高さ補正部80によって制御される。
次に、基板保持装置を構成する研磨ヘッド20について説明する。図2は、図1に示す研磨ヘッド20の断面図である。図2に示すように、研磨ヘッド20は、基板Wを研磨パッド22の研磨面22aに対して押し付けるための弾性膜45と、弾性膜45を保持するヘッド本体21と、ヘッド本体21の下方に配置された環状のドライブリング42と、ドライブリング42の下面に固定された環状のリテーナリング40とを備えている。弾性膜45は、ヘッド本体21の下部に取り付けられている。ヘッド本体21は、研磨ヘッドシャフト18の端部に固定されており、ヘッド本体21、弾性膜45、ドライブリング42、およびリテーナリング40は、研磨ヘッドシャフト18の回転により一体に回転するように構成されている。リテーナリング40およびドライブリング42は、ヘッド本体21に対して相対的に上下動可能に構成されている。ヘッド本体21は、エンジニアリングプラスティック(例えば、PEEK)などの樹脂により形成されている。
弾性膜45の下面は、基板Wを研磨パッド22の研磨面22aに対して押し付ける基板押圧面45aを構成する。リテーナリング40は、基板押圧面45aを囲むように配置され、基板Wはテーナリング40によって囲まれている。弾性膜45とヘッド本体21との間には、4つの圧力室50,51,52,53が設けられている。圧力室50,51,52,53は弾性膜45とヘッド本体21によって形成されている。中央の圧力室50は円形であり、他の圧力室51,52,53は環状である。これらの圧力室50,51,52,53は、同心上に配列されている。
圧力室50,51,52,53にはそれぞれ気体移送ラインF1,F2,F3,F4が接続されている。気体移送ラインF1,F2,F3,F4の一端は、研磨装置が設置されている工場に設けられたユーティリティとしての圧縮気体供給源(図示せず)に接続されている。圧縮空気等の圧縮気体は、気体移送ラインF1,F2,F3,F4を通じて圧力室50,51,52,53にそれぞれ供給されるようになっている。
圧力室52に連通する気体移送ラインF3は、図示しない真空ラインに接続されており、圧力室52内に真空を形成することが可能となっている。圧力室52を構成する、弾性膜45の部位には開口が形成されており、圧力室52に真空を形成することにより基板Wが研磨ヘッド20に吸着保持される。また、この圧力室52に圧縮気体を供給することにより、基板Wが研磨ヘッド20からリリースされる。弾性膜45は、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ポリウレタンゴム、シリコーンゴム等の強度および耐久性に優れたゴム材によって形成されている。
リテーナリング40は、弾性膜45の周囲に配置されており、研磨パッド22の研磨面22aに接触する環状の部材である。リテーナリング40は、基板Wの外周縁を囲むように配置されており、基板Wの研磨中に基板Wが研磨ヘッド20から飛び出してしまうことを防止する。
ドライブリング42の上部は、環状のリテーナリング押圧装置60に連結されている。リテーナリング押圧装置60は、ドライブリング42を介してリテーナリング40の上面40bの全体に下向きの荷重を与え、これによりリテーナリング40の下面40aを研磨パッド22の研磨面22aに押し付ける。
リテーナリング押圧装置60は、ドライブリング42の上部に固定された環状のピストン61と、ピストン61の上面に接続された環状のローリングダイヤフラム62とを備えている。ローリングダイヤフラム62の内部にはリテーナリング圧力室63が形成されている。このリテーナリング圧力室63は、気体移送ラインF5を介して上記圧縮気体供給源に連結されている。圧縮気体は、気体移送ラインF5を通じてリテーナリング圧力室63内に供給される。
上記圧縮気体供給源からリテーナリング圧力室63に圧縮気体を供給すると、ローリングダイヤフラム62がピストン61を下方に押し下げ、ピストン61はドライブリング42を押し下げ、さらにドライブリング42はリテーナリング40の全体を下方に押し下げる。このようにして、リテーナリング押圧装置60は、リテーナリング40の下面40aを研磨パッド22の研磨面22aに押し付ける。ドライブリング42は、リテーナリング押圧装置60に着脱可能に連結されている。
気体移送ラインF1,F2,F3,F4,F5は、研磨ヘッドシャフト18に取り付けられたロータリージョイント25を経由して延びている。圧力室50,51,52,53、およびリテーナリング圧力室63に連通する気体移送ラインF1,F2,F3,F4,F5には、それぞれ圧力レギュレータR1,R2,R3,R4,R5が設けられている。圧縮気体供給源からの圧縮気体は、圧力レギュレータR1〜R5を通って圧力室50〜53、およびリテーナリング圧力室63内にそれぞれ独立に供給される。圧力レギュレータR1〜R5は、圧力室50〜53、およびリテーナリング圧力室63内の圧縮気体の圧力を調節するように構成されている。
圧力レギュレータR1〜R5は、圧力室50〜53、およびリテーナリング圧力室63の内部圧力を互いに独立して変化させることが可能であり、これにより、基板Wの対応する4つの領域、すなわち、中央部、内側中間部、外側中間部、およびエッジ部に対する研磨圧力、およびリテーナリング40の研磨パッド22への押圧力を独立に調節することができる。気体移送ラインF1,F2,F3,F4,F5は大気開放弁(図示せず)にもそれぞれ接続されており、圧力室50〜53、およびリテーナリング圧力室63を大気開放することも可能である。本実施形態では、弾性膜45は、4つの圧力室50〜53を形成するが、一実施形態では、弾性膜45は4つよりも少ない、または4つよりも多い圧力室を形成してもよい。
基板Wの研磨は次のようにして行われる。研磨ヘッド20および研磨テーブル12をそれぞれ回転させながら、研磨テーブル12の上方に設けられたスラリー供給ノズル19からスラリーを研磨パッド22上に供給する。研磨ヘッド20は高さ調整機構24により所定の位置(研磨高さ)まで下降する。この所定の位置(研磨高さ)にある研磨ヘッド20の圧力室50〜53に圧縮気体を供給することで、弾性膜45を膨らませ、弾性膜45は基板Wを研磨パッド22の研磨面22aに押し付ける。圧縮気体は、圧力室63内にも供給され、ローリングダイヤフラム62はリテーナリング40を研磨パッド22の研磨面22aに対して押し付ける。スラリーが研磨パッド22の研磨面22a上に存在した状態で、基板Wは研磨パッド22の研磨面22aに摺接される。基板Wの表面は、スラリーの化学成分による化学的作用と、スラリーに含まれる砥粒の機械的作用との組み合わせにより、研磨される。本明細書では、研磨高さを、研磨装置10が基板Wを研磨するときの研磨ヘッド20のある原点位置からの高さと定義する。
サーボモータ38は、モータドライバ37に接続されている。モータドライバ37はサーボモータ38の回転角度および回転回数を制御する。サーボモータ38はボールねじ機構32に連結されており、ボールねじ機構32は、ブリッジ28および研磨ヘッドシャフト18を介して研磨ヘッド20に連結されている。したがって、研磨ヘッド20の研磨高さは、サーボモータ38の回転角度および回転回数によって決まる。モータドライバ37は、研磨高さ補正部80に接続されており、サーボモータ38の回転角度および回転回数を研磨高さ補正部80に送るように構成されている。研磨高さ補正部80はサーボモータ38の回転角度および回転回数から研磨ヘッド20の研磨高さを算出するように構成されている。
基板の研磨が終了すると、研磨された基板は研磨ヘッド20から取り外され、次の工程に搬送される。基板研磨後、研磨パッド22の研磨面22aは、図示しないドレッサーによりドレッシングされる。ドレッサーは研磨パッド22をわずかに削り取り、これにより研磨面22aを再生する。研磨ヘッド20は、新たな基板を保持し、新たな基板が同様に研磨される。このようにして基板の研磨が繰り返される。
基板の研磨が繰り返されるにつれて、研磨パッド22は徐々に減耗する。また、上述した研磨面22aのドレッシングによっても研磨パッド22は徐々に減耗する。研磨パッド22の減耗に伴って、研磨ヘッド20の研磨パッド22の研磨面22aに対する相対位置が変化する。このような研磨ヘッド20の相対位置の変化は、研磨ヘッド20の弾性膜45が基板Wに加える研磨荷重(あるいは研磨圧力)を変化させ、結果として、研磨装置10の研磨性能が変化してしまう。
そこで、研磨高さ補正部80(図1参照)は、研磨パッド22の減耗に基づいて研磨ヘッド20の研磨高さを補正するように構成されている。より具体的には、研磨高さ補正部80は、研磨ヘッド20と研磨パッド22との間に作用する摩擦力を示す摩擦指標値に基づいて、研磨ヘッド20の研磨高さを補正するように構成されている。
摩擦指標値は、研磨高さ補正部80によって決定される。より具体的には、研磨高さ補正部80は、研磨ヘッド20を研磨パッド22に接触させながらテーブルモータ70によって研磨テーブル12を予め設定された速度で回転させ、研磨ヘッド20を研磨パッド22に接触させた状態でテーブルモータ70を停止させる。角度測定装置71は、テーブルモータ70が停止してから研磨テーブル12の回転が停止するまでに、研磨テーブル12が回転した角度を測定する。研磨高さ補正部80は、測定された上記研磨テーブル12の角度から摩擦指標値を決定する。摩擦指標値は、研磨ヘッド20と研磨パッド22との間に作用する摩擦力を直接または間接に示す数値である。例えば、摩擦指標値は、研磨テーブル12の角度の測定値自体であってもよいし、または研磨テーブル12の角度の測定値から換算された摩擦力を示す数値であってもよい。このような換算は、摩擦力と研磨テーブル12の角度との相関データを用いて行われる。
研磨高さ補正部80の記憶装置80aには、摩擦指標値を決定し、決定された摩擦指標値に基づいて研磨ヘッド20の研磨高さを補正するためのプログラムが格納されており、演算装置80bは、プログラムに含まれる命令に従って演算を実行する。
研磨高さ補正部80は、研磨装置10に通信線で接続されたエッジサーバであってもよいし、あるいはインターネットなどのネットワークによって研磨装置10に接続されたクラウドサーバであってもよし、あるいは研磨装置10に接続されたネットワーク内に設置されたフォグコンピューティングデバイス(ゲートウェイ、フォグサーバ、ルーターなど)であってもよい。研磨高さ補正部80は、インターネットなどのネットワークにより接続された複数のサーバであってもよい。例えば、研磨高さ補正部80は、エッジサーバとクラウドサーバとの組み合わせであってもよい。
以下、研磨高さを補正する方法について説明する。図3乃至図5は、研磨高さを補正する方法の一実施形態を示すフローチャートである。より具体的には、図3乃至図5は、基板の研磨前に摩擦指標値を決定し、研磨高さを補正する方法を示すフローチャートである。図3乃至図5に示すステップ1−1〜ステップ1−16の工程は、研磨ヘッド20が基板を保持していない状態で行われる。
ステップ1−1では、研磨高さ補正部80は、基板の研磨前に、摩擦指標値の決定時期に達したか否かを判断する。本実施形態では、研磨高さ補正部80は、所定の研磨周期毎に摩擦指標値を決定する工程を実行する。具体的には、研磨高さ補正部80は、最初の基板の研磨前、または所定の枚数の基板を研磨した後、次の基板の研磨前に摩擦指標値を決定する工程を実行する。一実施形態では、研磨高さ補正部80は、毎回の基板の研磨前に摩擦指標値を決定する工程を実施してもよい。
摩擦指標値の決定時期に達していない場合、研磨ヘッド20は、基板の図示しない受取位置に移動し、研磨すべき基板を保持する。その後、研磨装置10は、上述した方法で基板の研磨を開始する。摩擦指標値の決定時期に達した場合、研磨高さ補正部80は、アーム旋回モータ15に指令を発して研磨ヘッド揺動アーム16を旋回させ、研磨ヘッド20を研磨パッド22の上方に移動させる(ステップ1−2)。次に、研磨高さ補正部80は、高さ調整機構24に指令を発して、研磨ヘッド20を現在設定されている研磨高さに位置させる(ステップ1−3)。現在設定されている研磨高さとは、研磨高さが一度も補正されていない場合は、最初の基板の研磨前に設定された初期研磨高さであり、研磨高さが補正されている場合は、補正後の研磨高さである。
ステップ1−4では、研磨ヘッド20を研磨パッド22に押し付ける。具体的には、研磨高さ補正部80は、圧力レギュレータR5に指令を発して、リテーナリング圧力室63内の圧縮気体を設定圧力に維持し、リテーナリング押圧装置60によって、リテーナリング40の下面40aを研磨パッド22の研磨面22aに対して所定の圧力で押し付ける。圧力室50〜53の内部は、大気開放されるか、または負圧が圧力室50〜53内に形成される。
ステップ1−5では、研磨高さ補正部80は、研磨ヘッド20を研磨パッド22に接触させた状態でテーブルモータ70に指令を発して研磨テーブル12を予め設定された速度で回転させる。ステップ1−5の設定速度は、後述するステップ1−7の研磨テーブル12の停止角度を測定するための研磨テーブル12の回転速度である。
ステップ1−6では、研磨高さ補正部80は、テーブルモータ70に指令を発して、研磨ヘッド20を研磨パッド22に接触させた状態でテーブルモータ70を停止させる。
ステップ1−7では、角度測定装置71は、テーブルモータ70が停止してから研磨テーブル12の回転が停止するまでの研磨テーブル12の回転角度を測定し、研磨高さ補正部80は、上記回転角度の測定値を角度測定装置71から取得する。以下、テーブルモータ70が停止してから研磨テーブル12の回転が停止するまでの研磨テーブル12の回転角度を、研磨テーブル12の停止角度と呼ぶことがある。
研磨ヘッド20と研磨パッド22との間に作用する摩擦力が大きい場合、研磨テーブル12の停止角度は小さい。一方で、研磨ヘッド20と研磨パッド22との間に作用する摩擦力が小さい場合は、研磨テーブル12の停止角度は大きい。したがって、研磨テーブル12の停止角度は、研磨ヘッド20と研磨パッド22との間に作用する摩擦力を示す摩擦指標値としての役割を果たす。ステップ1−1〜ステップ1−7の工程中、研磨ヘッド20は、回転していてもよく、回転していなくてもよい。
ステップ1−8では、研磨高さ補正部80は、研磨テーブル12の停止角度の測定値から摩擦指標値を決定する。この摩擦指標値は、研磨テーブル12の角度の測定値自体であってもよいし、または研磨テーブル12の角度の測定値から換算された摩擦力を示す数値であってもよい。
研磨高さ補正部80の記憶装置80aには、摩擦指標値と相対研磨高さとの関係を表す相関データが格納されている。本明細書では、相対研磨高さを、研磨ヘッド20の研磨面22aに対する相対的な高さと定義する。一例では、相対研磨高さは、研磨ヘッド20のヘッド本体21の研磨面22aからの高さである。一実施形態では、上記相関データは、図6に示すように、摩擦指標値と、相対研磨高さとの相互関係を表す関係式であってもよい。さらに一実施形態では、上記相関データは、複数の摩擦指標値と、複数の摩擦指標値にそれぞれ対応する複数の相対研磨高さから構成される相関テーブル(ルックアップテーブル)であってもよい。一例では、相関データは、複数の相対研磨高さにそれぞれ対応する複数の研磨テーブル12の停止角度を実験により測定することによって予め作成される。
図4に戻り、ステップ1−9では、研磨高さ補正部80は、摩擦指標値と相対研磨高さとの関係を表す相関データに基づいて、ステップ1−8で決定された摩擦指標値に対応する相対研磨高さと、予め設定された目標摩擦指標値に対応する目標相対研磨高さを決定する。目標相対研磨高さは、基板を研磨するために最適な相対研磨高さである。研磨ヘッド20の研磨高さは、目標相対研磨高さに基づいて決定される。
ステップ1−10では、研磨高さ補正部80は、決定された相対研磨高さと目標相対研磨高さとの差を算出する。基板の研磨および研磨パッド22のドレッシングが繰り返されるにつれて、研磨パッド22は徐々に減耗するため、研磨ヘッド20の研磨高さが一定である限り、相対研磨高さは徐々に大きくなる。相対研磨高さが大きくなるに従って研磨ヘッド20と研磨パッド22との間に作用する摩擦力は小さくなる。
ステップ1−11では、研磨高さ補正部80は、上記算出された差を予め設定された誤差しきい値と比較する。上記差が誤差しきい値よりも小さい場合、研磨高さ補正部80は、研磨高さを補正しない。上記差が誤差しきい値よりも小さい場合、研磨ヘッド20は、基板の図示しない受取位置に移動し、研磨する基板を保持する。その後、研磨装置10は、上述した方法で基板の研磨を開始する。上記差が誤差しきい値よりも大きい場合、研磨高さ補正部80は、研磨高さを補正する(ステップ1−12)。具体的には、研磨高さ補正部80は、現在の研磨高さから上記算出された差を減算することによって、研磨高さを補正する。研磨高さ補正部80は、研磨ヘッド20の研磨高さを補正後の研磨高さに更新する。一実施形態では、ステップ1−11を省略してもよい。
ステップ1−13では、研磨高さ補正部80は、研磨高さを補正した回数を、予め設定された補正回数しきい値と比較する。研磨高さを補正した回数が補正回数しきい値よりも大きい場合、研磨高さ補正部80は、研磨パッド22の交換時期に達したと判断する。一実施形態では、研磨高さ補正部80は、研磨パッド22の交換時期に達したと判断した場合、作業者に研磨パッド22の交換を促す警報信号を生成してもよい(ステップ1−14)。
ステップ1−15では、研磨高さを補正した回数が補正回数しきい値よりも小さい場合、研磨高さ補正部80は、研磨高さを補正した頻度を、予め設定された補正頻度しきい値と比較する。研磨高さを補正した頻度は、摩擦指標値を決定した回数に対する研磨高さを補正した回数の割合で表される。研磨高さを補正した頻度が補正頻度しきい値よりも大きい場合、研磨高さ補正部80は、研磨パッド22の交換時期に達したと判断する。一実施形態では、研磨高さ補正部80は、研磨パッド22の交換時期に達したと判断した場合、作業者に研磨パッド22の交換を促す警報信号を生成してもよい(ステップ1−16)。研磨高さを補正した頻度が補正頻度しきい値よりも小さい場合、研磨ヘッド20は、基板の図示しない受取位置に移動し、研磨すべき基板を保持する。その後、研磨装置10は、上述した方法で基板の研磨を開始する。
基板の研磨が終了すると、研磨ヘッド20から研磨された基板が取り外される。新たな基板を研磨する場合は、処理シーケンスはステップ1−1から開始される。一実施形態では、ステップ1−13〜ステップ1−14、およびステップ1−15〜ステップ1−16のうちのいずれかの工程のみを実行してもよい。ステップ1−15〜ステップ1−16を実行しない場合で、かつ研磨高さを補正した回数が補正回数しきい値よりも小さい場合は、ステップ1−13の後、研磨装置10は、上述した方法で基板の研磨を開始する。ステップ1−13〜ステップ1−14を実行しない場合は、ステップ1−12の後、ステップ1−15を実行する。
図7乃至図9は、研磨高さを補正する方法の他の実施形態を示すフローチャートである。より具体的には、図7乃至図9は、基板の研磨後に摩擦指標値を決定し、研磨高さを補正する方法を示すフローチャートである。図7乃至図9に示すステップ2−1〜ステップ2−18の工程は、研磨ヘッド20が研磨された基板に接触した状態で行われる。
ステップ2−1では、研磨高さ補正部80は、研磨終了後、引き続き新たな基板を研磨するかを判断する。新たな基板を研磨しない場合は、研磨された基板を研磨ヘッド20から取り外す。新たな基板を研磨する場合は、以下のステップ2−2を実行する。
ステップ2−2では、研磨高さ補正部80は、研磨された基板が研磨ヘッド20に接触したまま、摩擦指標値の決定時期に達したか否かを判断する。本実施形態では、所定の研磨周期毎に摩擦指標値を決定する工程を実行する。具体的には、最初の基板の研磨後、または所定の枚数の基板を研磨した後、摩擦指標値を決定する工程を実行する。一実施形態では、毎回の基板の研磨後に摩擦指標値を決定する工程を実施してもよい。ステップ2−1,2−2では、研磨された基板および研磨ヘッド20は、研磨パッド22の研磨面22aに接触している。
摩擦指標値の決定時期に達していない場合、研磨ヘッド20は、基板の図示しない受取位置に移動し、研磨した基板を研磨ヘッド20から取り外し、新たに研磨すべき基板を保持する。その後、研磨装置10は、上述した方法で新たな基板の研磨を開始する。摩擦指標値の決定時期に達した場合、研磨ヘッド20のリテーナリング40の下面40aを研磨面22aに接触させた状態で、研磨された基板を研磨ヘッド20の弾性膜45に吸着させ、研磨された基板を研磨パッド22から離間させる(ステップ2−3)。
ステップ2−4では、研磨高さ補正部80は、アーム旋回モータ15に指令を発して研磨ヘッド揺動アーム16を旋回させ、リテーナリング40を研磨面22aに接触させながら、研磨ヘッド20をオーバーハング位置に移動させる。オーバーハング位置とは、リテーナリング40の下面40aの一部、および研磨ヘッド20に保持された基板の一部が研磨パッド22の外周部から外側にはみ出す位置である。基板の全面がスラリーを介して研磨パッド22に接触している状態で基板を上方に引き上げようとした場合、基板と研磨パッド22との間に介在するスラリーの表面張力によって、基板が研磨ヘッド20から脱落することがある。基板および研磨ヘッド20をオーバーハング位置に移動させることにより、上記表面張力の影響を緩和させることができる。
ステップ2−5では、研磨高さ補正部80は、圧力レギュレータR5に指令を発して、リテーナリング圧力室63内の圧縮気体を設定圧力に維持し、リテーナリング押圧装置60によって、リテーナリング40の下面40aを研磨パッド22の研磨面22aに対して所定の圧力で押し付ける。
図7乃至図9に示すステップ2−6〜ステップ2−17の詳細は、ステップ1−5〜ステップ1−16を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
上述した各実施形態によれば、研磨ヘッド20の研磨高さは、研磨ヘッド20と研磨パッド22との間に作用する摩擦力の変化をキャンセルする方向に補正される。これにより、研磨パッド22の減耗にかかわらず研磨装置10の研磨性能を維持することができる。また、研磨パッド22の減耗量を測定するためのセンサ等を必要としないため、研磨装置10のコストダウンを達成することができる。
図10は、研磨システム1の他の実施形態を示す模式図である。特に説明しない本実施形態の詳細は、図1乃至図9を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。本実施形態の研磨システム1は、複数の研磨装置10を備えている。本実施形態の研磨高さ補正部80の記憶装置80aは、データ蓄積部80cと、ノウハウ蓄積部80dを備えている。本実施形態の研磨高さ補正部80は、インターネットなどのネットワークを経由して複数の研磨装置10に接続されている。本実施形態の複数の研磨装置10は、生産ライン1から生産ラインNまでの複数の生産ラインごとに設置されている。
データ蓄積部80cは、測定された各研磨装置10の研磨テーブル12の停止角度の測定値や、相対研磨高さなどのデータを蓄積する。データ蓄積部80cは、生産ラインごとに上記データを分類して蓄積することができる。ノウハウ蓄積部80dは、研磨高さの補正量などのノウハウを蓄積する。ノウハウ蓄積部80dは、生産ラインごとに上記ノウハウを分類して蓄積することができる。したがって、本実施形態の研磨システム1は、生産ラインごとに研磨高さの補正または研磨パッド22の交換時期の予測を行うことができる。
図11は、基板処理システムの一実施形態を模式的に示す平面図であり、図12は、図11の側面図である。図11に示すように、基板処理システム100は、ウェーハなどの基板を処理するための基板処理装置110と、基板処理装置110に接続された処理圧力補正部180を備えている。一例として、基板処理装置110は、基板の仕上げ処理に使用される。この基板処理装置110は、基板Wを、基板Wの被処理面を上向きにして保持するバフテーブル112と、バフテーブル112を回転させる回転モータ170Aと、支軸114の上端に連結されたバフアーム116と、バフアーム116の自由端に取り付けられたバフヘッドシャフト118と、バフヘッドシャフト118の下端に固定されたバフヘッド120と、バフヘッド120に連結された処理圧力調整機構124と、バフヘッド120に保持されたバフパッド122のドレッシングを行うドレッサー140と、ドレッサー140を支持する回転可能なドレステーブル142と、ドレステーブル142を回転させる回転モータ170Bを備えている。回転モータ170A,170Bのそれぞれは、インバータを備えた可変速モータである。
処理圧力補正部180は、バフパッド122の減耗に基づいてバフヘッド120の処理圧力を補正する装置である。処理圧力補正部180は、少なくとも1台のコンピュータから構成される。処理圧力補正部180は、記憶装置180aと、演算装置180bを備えている。演算装置180bは、記憶装置180aに格納されているプログラムに含まれている命令に従って演算を行うCPU(中央処理装置)またはGPU(グラフィックプロセッシングユニット)などを含む。記憶装置180aは、演算装置180bがアクセス可能な主記憶装置(例えばランダムアクセスメモリ)と、データおよびプログラムを格納する補助記憶装置(例えば、ハードディスクドライブまたはソリッドステートドライブ)を備えている。
バフアーム116は支軸114内に配置されたアーム旋回モータ115によって支軸114を中心に旋回されるように構成されている。一実施形態では、アーム旋回モータ115は、支軸114に連結されてもよい。バフヘッド120は、バフアーム116の旋回により、ドレッサー140の上方位置と、バフテーブル112の上方位置との間を移動される。
バフヘッドシャフト118は、バフアーム116の底面を貫通して下方に延びている。バフヘッドシャフト118は、バフヘッドシャフト118に取り付けられたプーリー191aと、バフヘッド回転モータ194の回転軸に取り付けられたプーリー191bと、これらプーリー191a,191bに掛けられたベルト192を介してバフヘッド回転モータ194によって回転される。バフヘッド回転モータ194の回転軸はバフヘッドシャフト118と平行に延びている。このバフヘッドシャフト118の回転により、バフヘッド120が図11および図12の矢印で示す方向にバフヘッドシャフト118を中心に回転するようになっている。プーリー191a,191b、バフヘッド回転モータ194、およびベルト192は、バフアーム116内に配置されている。
バフテーブル112は、テーブル軸112aを介してその下方に配置される回転モータ170Aに連結されている。この回転モータ170Aによりバフテーブル112がテーブル軸112aを中心に図11および図12の矢印で示す方向に回転されるようになっている。回転モータ170Aには、バフテーブル112の回転角度を測定する角度測定装置171Aが組み込まれている。角度測定装置171Aの一例として、ロータリーエンコーダが挙げられる。基板処理装置110は、バフテーブル112の上方に配置された純水供給ノズル117と、薬液供給ノズル119とを備えている。純水は、純水供給ノズル117から基板W上に供給され、基板Wの処理に使用される薬液は、薬液供給ノズル119から基板W上に供給される。
バフヘッドシャフト118は、処理圧力調整機構124によりバフアーム116に対して相対的に上下動可能であり、このバフヘッドシャフト118の上下動によりバフヘッド120がバフアーム116に対して相対的に上下動可能となっている。バフヘッドシャフト118とバフヘッド120は、一体に上下動可能である。
処理圧力調整機構124は、下向きの力を発生するエアシリンダ125と、エアシリンダ125に接続されたブリッジ131と、バフアーム116に固定された支持台133と、ブリッジ131と支持台133とを連結するばね129を備えている。エアシリンダ125、ブリッジ131、支持台133、およびばね129は、バフアーム116内に配置されている。バフヘッドシャフト118は、ブリッジ131を介してエアシリンダ125に連結されている。
エアシリンダ125は、気体移送ラインF6を通じて圧縮気体供給源(図示せず)に接続されている。気体移送ラインF6には、圧力レギュレータR6が設けられている。圧縮気体供給源からの圧縮気体は、圧力レギュレータR6を通ってエアシリンダ125内に供給される。圧力レギュレータR6は、エアシリンダ125内の圧縮気体の圧力を調節するように構成されている。エアシリンダ125内に圧縮気体が供給されると、エアシリンダ125に下向きの力が発生する。これにより、バフヘッドシャフト118が、ブリッジ131を介して下降され、バフヘッド120はバフヘッドシャフト118と一体に下降される。気体移送ラインF6は大気開放弁(図示せず)にも接続されており、エアシリンダ125内を大気開放することも可能である。
バフヘッド回転モータ194の回転軸およびバフヘッドシャフト118は、支持台133を貫通して下方に延びている。ばね129の一端は、支持台133に固定されており、ばね129の他端は、ブリッジ131に固定されている。このような構成により、ばね129は、ブリッジ131を上方に押し上げる力(反発力)を発生させている。エアシリンダ125内を大気開放すると、ブリッジ131が上方に押し上げられて、ブリッジ131とバフヘッドシャフト118とバフヘッド120が一体に上昇する。
バフヘッド120は、その下面にバフパッド122を保持できるように構成されている。図12に示すように、バフパッド122は、基板Wよりも小径である。バフパッド122の下面はウェーハなどの基板Wを処理する処理面122aを構成している。基板処理装置110は、バフヘッド120によってバフパッド122の処理面122aを、バフテーブル112に保持された基板Wの被処理面に押し付けることにより基板Wの処理を行う。
基板Wの処理は次のようにして行われる。基板Wを、基板Wの被処理面を上向きにしてバフテーブル112で保持し、バフパッド122を保持したバフヘッド120、および基板Wを保持したバフテーブル112をそれぞれ回転させながら、バフテーブル112の上方に設けられた薬液供給ノズル119から薬液(例えば、スラリー)を基板W上に供給する。一実施形態では、純水供給ノズル117から純水を基板W上に供給してもよい。この状態で、エアシリンダ125内に所定の圧力の圧縮気体が気体移送ラインF6を通じて供給される。エアシリンダ125はバフヘッド120を下方に押し下げ、バフヘッド120は、バフパッド122を基板Wの被処理面に押し付ける。薬液(例えば、スラリー)および/または純水が基板W上に存在した状態で、バフパッド122の処理面122aは基板Wに摺接される。以下、本明細書では、基板Wを処理するときのエアシリンダ125内の圧縮気体の圧力の設定値を、バフヘッド120の処理圧力と定義する。バフヘッド120の処理圧力を、単に処理圧力と呼ぶことがある。
基板Wの処理が終了すると、処理された基板Wはバフテーブル112から取り外され、次の工程に搬送される。基板Wの処理後、バフパッド122の処理面122aは、ドレッサー140によりドレッシングされる。ドレッサー140はバフパッド122をわずかに削り取り、これにより処理面122aを再生する。バフテーブル112は、新たな基板を保持し、新たな基板が同様に処理される。このようにして基板の処理が繰り返される。
ドレステーブル142は、テーブル軸142aを介してその下方に配置される回転モータ170Bに連結されている。この回転モータ170Bによりドレステーブル142がテーブル軸142aを中心に図11および図12の矢印で示す方向に回転されるようになっている。回転モータ170Bには、ドレステーブル142の回転角度を測定する角度測定装置171Bが組み込まれている。角度測定装置171Bの一例として、ロータリーエンコーダが挙げられる。
ドレステーブル142の上面にはドレッサー140が固定されている。ドレッサー140は、表面にダイヤモンドの粒子が電着固定された、又は、ダイヤモンド砥粒がバフパッド122との接触面の全面もしくは一部に配置されたダイヤドレッサ、樹脂製のブラシ毛がバフパッド122との接触面の全面もしくは一部に配置されたブラシドレッサ、又はこれらの組み合わせで形成される。ドレッサー140は、回転モータ170Bによりドレステーブル142と一体に回転される。
バフパッド122のドレッシングを行う際には、基板処理装置110は、バフパッド122がドレッサー140に対向する位置になるまでバフアーム116を旋回させる。バフヘッド回転モータ194および回転モータ170Bは、バフヘッド120およびドレステーブル142をそれぞれ回転させながら、バフパッド122の処理面122aをドレッサー140に押し付けることによって、バフパッド122の処理面122aのドレッシングを行う。
アーム旋回モータ115、圧力レギュレータR6、回転モータ170A,170B、角度測定装置171A,171B、バフヘッド回転モータ194は、処理圧力補正部180に電気的に接続されており、アーム旋回モータ115、圧力レギュレータR6、回転モータ170A,170B、角度測定装置171A,171B、バフヘッド回転モータ194の動作は、処理圧力補正部180によって制御される。
基板の処理が繰り返されるにつれて、バフパッド122は徐々に減耗する。また、上述した処理面122aのドレッシングによってもバフパッド122は徐々に減耗する。一定の処理圧力で基板を処理する場合、バフパッド122の減耗に伴って、バフパッド122から基板の被処理面に加えられる荷重(処理荷重)が変化する。具体的には、バフパッド122が減耗するにつれて、ブリッジ131が、バフヘッドシャフト118およびバフヘッド120と一体に下降する。支持台133の位置は固定されている。したがって、ブリッジ131が下降することによりばね129が縮み、ばね129の反発力が大きくなる。結果として、処理圧力が一定でも、バフパッド122から基板に加わる処理荷重が小さくなり、基板処理装置110の処理性能が変化してしまう。
そこで、処理圧力補正部180は、バフパッド122の減耗に基づいてバフヘッド120の処理圧力を補正するように構成されている。より具体的には、処理圧力補正部180は、バフパッド122と回転体との間に作用する摩擦力を示す摩擦指標値に基づいて、バフパッド122の処理圧力を補正するように構成されている。特に説明しない処理圧力補正部180の詳細は、研磨高さ補正部80と同じであるので、その重複する説明を省略する。
ここで、上記回転体とは、第1回転体175Aまたは第2回転体175Bのいずれかである。第1回転体175Aは、バフテーブル112と、バフテーブル112に保持された基板Wとを含む。第2回転体175Bは、ドレッサー140とドレステーブル142とを含む。
摩擦指標値は、処理圧力補正部180によって決定される。より具体的には、処理圧力補正部180は、バフパッド122を予め設定された基準圧力で第1回転体175Aの基板Wの被処理面に接触させながら回転モータ170Aによって第1回転体175Aを予め設定された速度で回転させ、バフパッド122を第1回転体175Aに接触させた状態で、回転モータ170Aを停止させる。角度測定装置171Aは、回転モータ170Aが停止してから第1回転体175Aの回転が停止するまでに、第1回転体175Aが回転した角度を測定する。処理圧力補正部180は、測定された第1回転体175Aの角度から摩擦指標値を決定する。摩擦指標値は、バフパッド122と第1回転体175Aとの間に作用する摩擦力(より具体的には、バフパッド122と基板Wとの間に作用する摩擦力)を直接または間接に示す数値である。例えば、摩擦指標値は、第1回転体175Aの角度の測定値自体であってもよいし、または第1回転体175Aの角度の測定値から換算された摩擦力を示す数値であってもよい。このような換算は、摩擦力と第1回転体175Aの角度との相関データを用いて行われる。
一実施形態では、処理圧力補正部180は、バフパッド122を予め設定された基準圧力で第2回転体175Bのドレッサー140に接触させながら回転モータ170Bによって第2回転体175Bを予め設定された速度で回転させ、バフパッド122を第2回転体175Bに接触させた状態で、回転モータ170Bを停止させる。角度測定装置171Bは、回転モータ170Bが停止してから第2回転体175Bの回転が停止するまでに、第2回転体175Bが回転した角度を測定する。処理圧力補正部180は、測定された第2回転体175Bの角度から摩擦指標値を決定する。摩擦指標値は、バフパッド122と第2回転体175Bとの間に作用する摩擦力(より具体的には、バフパッド122とドレッサー140との間に作用する摩擦力)を直接または間接に示す数値である。例えば、摩擦指標値は、第2回転体175Bの角度の測定値自体であってもよいし、または第2回転体175Bの角度の測定値から換算された摩擦力を示す数値であってもよい。このような換算は、摩擦力と第2回転体175Bの角度との相関データを用いて行われる。
処理圧力補正部180の記憶装置180aには、摩擦指標値を決定し、上記摩擦指標値に基づいてバフヘッド120の処理圧力を補正するためのプログラムが格納されており、演算装置180bは、プログラムに含まれる命令に従って演算を実行する。
以下、バフヘッド120の処理圧力を補正する方法について説明する。図13乃至図15は、処理圧力を補正する方法の一実施形態を示すフローチャートである。より具体的には、図13乃至図15は、バフパッド122と第1回転体175Aとの間に作用する摩擦力を示す摩擦指標値を決定し、処理圧力を補正する方法を示すフローチャートである。
ステップ3−1では、処理圧力補正部180は、基板の処理の終了後、引き続き新たな基板を処理するかを判断する。新たな基板を処理しない場合は、処理された基板をバフテーブル112から取り外す。新たな基板を処理する場合は、以下のステップ3−2を実行する。
ステップ3−2では、処理圧力補正部180は、摩擦指標値の決定時期に達したか否かを判断する。本実施形態では、所定の処理周期毎に摩擦指標値を決定する工程を実行する。具体的には、最初の基板の処理後、または所定の枚数の基板を処理した後、摩擦指標値を決定する工程を実行する。一実施形態では、毎回の基板の処理後に摩擦指標値を決定する工程を実施してもよい。ステップ3−1,3−2では、バフパッド122は、基板の被処理面に接触している。
摩擦指標値の決定時期に達していない場合、バフヘッド120を図示しない退避位置に移動させ、処理された基板をバフテーブル112から取り外し、新たに処理すべき基板をバフテーブル112に保持させる。その後、基板処理装置110は、上述した方法で新たな基板の処理を開始する。摩擦指標値の決定時期に達した場合、処理圧力補正部180は、アーム旋回モータ115に指令を発してバフアーム116を旋回させ、バフパッド122を基板に接触させながら、バフヘッド120を所定の摩擦指標値測定位置に移動させる(ステップ3−3)。
ステップ3−4では、処理圧力補正部180は、圧力レギュレータR6に指令を発して、バフヘッド120の処理圧力を予め設定された基準圧力に設定する。基準圧力は、後述するステップ3−5〜ステップ3−7において第1回転体175Aの停止角度(または後述する第2回転体175Bの停止角度)を測定するためのバフヘッド120の処理圧力である。このステップ3−4では、バフパッド122は基板の被処理面に対して基準圧力で押し付けられる。
ステップ3−5では、処理圧力補正部180は、バフパッド122を予め設定された基準圧力で第1回転体175Aの基板に接触させた状態で回転モータ170Aに指令を発して第1回転体175Aを予め設定された速度で回転させる。ステップ3−5の設定速度は、後述するステップ3−7の第1回転体175Aの停止角度を測定するための第1回転体175Aの回転速度である。
ステップ3−6では、処理圧力補正部180は、回転モータ170Aに指令を発して、バフパッド122を基準圧力で第1回転体175Aに接触させた状態で回転モータ170Aを停止させる。
ステップ3−7では、角度測定装置171Aは、回転モータ170Aが停止してから第1回転体175Aの回転が停止するまでの第1回転体175Aの回転角度を測定し、処理圧力補正部180は、上記回転角度の測定値を角度測定装置171Aから取得する。以下、回転モータ170Aが停止してから第1回転体175Aの回転が停止するまでの第1回転体175Aの回転角度を、第1回転体175Aの停止角度と呼ぶことがある。
バフパッド122と第1回転体175Aとの間に作用する摩擦力が大きい場合、第1回転体175Aの停止角度は小さい。一方で、バフパッド122と第1回転体175Aとの間に作用する摩擦力が小さい場合は、第1回転体175Aの停止角度は大きい。したがって、第1回転体175Aの停止角度は、バフパッド122と第1回転体175Aとの間に作用する摩擦力を示す摩擦指標値としての役割を果たす。ステップ3−1〜ステップ3−7の工程中、バフパッド122は、回転していてもよく、回転していなくてもよい。
ステップ3−8では、処理圧力補正部180は、第1回転体175Aの停止角度の測定値から摩擦指標値を決定する。この摩擦指標値は、第1回転体175Aの角度の測定値自体であってもよいし、または第1回転体175Aの角度の測定値から換算された摩擦力を示す数値であってもよい。
処理圧力補正部180の記憶装置180aには、摩擦指標値と処理圧力との関係を表す相関データが格納されている。一実施形態では、上記相関データは、摩擦指標値と、処理圧力との相互関係を表す関係式であってもよい。さらに一実施形態では、上記相関データは、複数の摩擦指標値と、複数の摩擦指標値にそれぞれ対応する複数の処理圧力から構成される相関テーブル(ルックアップテーブル)であってもよい。一例では、相関データは、複数の処理圧力にそれぞれ対応する複数の第1回転体175Aの停止角度を実験により測定することによって予め作成される。
図16は、摩擦指標値と、処理圧力との相互関係を表す関係式の一例を示すグラフである。図16の直線L1は、バフパッド22を使用して、複数の処理圧力p1,p2,p3にそれぞれ対応する複数の第1回転体175Aの停止角度を実験により測定し、上記複数の停止角度に対応する複数の摩擦指標値n1,n2,n3を決定し、処理圧力p1,p2,p3および摩擦指標値n1,n2,n3から導き出される関係式に基づいて作成されたものである。
図14に戻り、ステップ3−9では、処理圧力補正部180は、摩擦指標値と処理圧力との関係を表す相関データに基づいて、予め設定された目標摩擦指標値に対応する処理圧力を決定する。具体的には、ステップ3−8で決定された摩擦指標値と、図16の直線L1の傾きに基づいて、目標摩擦指標値に対応する処理圧力を決定する。例えば、基準圧力p4と、ステップ3−8で決定された摩擦指標値n4とから特定される座標点r1を通り、かつ直線L1と同じ傾きを持つ直線L2を決定し、直線L2上の目標摩擦指標値に対応する処理圧力p5を決定する。
ステップ3−10では、処理圧力補正部180は、ステップ3−9で決定された処理圧力p5と現在の処理圧力との差を算出する。現在の処理圧力とは、処理圧力が一度も補正されていない場合は、最初の基板の処理前に設定された初期処理圧力であり、処理圧力が補正されている場合は、補正後の処理圧力である。
ステップ3−11では、処理圧力補正部180は、上記算出された差を予め設定された誤差しきい値と比較する。上記差が誤差しきい値よりも小さい場合、処理圧力補正部180は、処理圧力を補正しない。上記差が誤差しきい値よりも小さい場合、バフヘッド120を図示しない退避位置に移動させ、処理された基板をバフテーブル112から取り外し、新たに処理すべき基板をバフテーブル112に保持させる。その後、基板処理装置110は、上述した方法で新たな基板の処理を開始する。
上記差が誤差しきい値よりも大きい場合、処理圧力補正部180は、処理圧力を補正する(ステップ3−12)。具体的には、処理圧力補正部180は、現在の処理圧力を、上記ステップ3−9で決定された処理圧力に変更することによって、処理圧力を補正する。処理圧力補正部180は、圧力レギュレータR6の設定値を、補正された処理圧力に更新する。一実施形態では、ステップ3−10,3−11を省略してもよい。この場合は、処理圧力補正部180は、ステップ3−9で目標摩擦指標値に対応する処理圧力を決定した後、現在の処理圧力を、上記決定された処理圧力に変更する。
ステップ3−13では、処理圧力補正部180は、処理圧力を補正した回数を、予め設定された補正回数しきい値と比較する。処理圧力を補正した回数が補正回数しきい値よりも大きい場合、処理圧力補正部180は、バフパッド122の交換時期に達したと判断する。一実施形態では、処理圧力補正部180は、バフパッド122の交換時期に達したと判断した場合、作業者にバフパッド122の交換を促す警報信号を生成してもよい(ステップ3−14)。
ステップ3−15では、処理圧力を補正した回数が補正回数しきい値よりも小さい場合、処理圧力補正部180は、処理圧力を補正した頻度を、予め設定された補正頻度しきい値と比較する。処理圧力を補正した頻度は、摩擦指標値を決定した回数に対する処理圧力を補正した回数の割合で表される。処理圧力を補正した頻度が補正頻度しきい値よりも大きい場合、処理圧力補正部180は、バフパッド122の交換時期に達したと判断する。一実施形態では、処理圧力補正部180は、バフパッド122の交換時期に達したと判断した場合、作業者にバフパッド122の交換を促す警報信号を生成してもよい(ステップ3−16)。処理圧力を補正した頻度が補正頻度しきい値よりも小さい場合、バフヘッド120を図示しない退避位置に移動させ、処理された基板をバフテーブル112から取り外し、新たに処理すべき基板をバフテーブル112に保持させる。その後、基板処理装置110は、上述した方法で新たな基板の処理を開始する。
基板の処理が終了後、処理シーケンスはステップ3−1に戻る。一実施形態では、ステップ3−13〜ステップ3−14、およびステップ3−15〜ステップ3−16のうちのいずれかの工程のみを実行してもよい。ステップ3−15〜ステップ3−16を実行しない場合で、かつ処理圧力を補正した回数が補正回数しきい値よりも小さい場合は、ステップ3−13の後、上述した方法で新たな基板の処理を開始する。ステップ3−13〜ステップ3−14を実行しない場合は、ステップ3−12の後、ステップ3−15を実行する。
図17乃至図19は、処理圧力を補正する方法の他の実施形態を示すフローチャートである。より具体的には、図17乃至図19は、基板の処理前にバフパッド122と第2回転体175Bとの間に作用する摩擦力を示す摩擦指標値を決定し、処理圧力を補正する方法を示すフローチャートである。
ステップ4−1では、処理圧力補正部180は、基板の処理前に、摩擦指標値の決定時期に達したか否かを判断する。本実施形態では、処理圧力補正部180は、所定の処理周期毎に摩擦指標値を決定する工程を実行する。具体的には、処理圧力補正部180は、最初の基板の処理前、または所定の枚数の基板を処理した後、次の基板の処理前に摩擦指標値を決定する工程を実行する。一実施形態では、処理圧力補正部180は、毎回の基板の処理前に摩擦指標値を決定する工程を実施してもよい。
摩擦指標値の決定時期に達していない場合、基板処理装置110は、上述した方法で基板の処理を開始する。摩擦指標値の決定時期に達した場合、処理圧力補正部180は、アーム旋回モータ115に指令を発してバフアーム116を旋回させ、バフヘッド120をドレッサー140の上方に移動させる(ステップ4−2)。
ステップ4−3では、処理圧力補正部180は、圧力レギュレータR6に指令を発して、バフヘッド120の処理圧力を予め設定された基準圧力に設定する。ステップ4−3により、バフパッド122は第2回転体175Bのドレッサー140に対して基準圧力で押し付けられる。
図17乃至図19に示すステップ4−4〜ステップ4−15の詳細は、第1回転体175Aを第2回転体175Bと置き換え、回転モータ170Aを回転モータ170Bと置き換え、角度測定装置171Aを角度測定装置171Bと置き換えれば、ステップ3−5〜ステップ3−16および図16を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
上述した各実施形態によれば、バフパッド122の処理圧力は、バフパッド122と回転体との間に作用する摩擦力の変化をキャンセルする方向に補正される。これにより、バフパッド122の減耗にかかわらず基板処理装置110の処理性能を維持することができる。また、バフパッド122の減耗量を測定するためのセンサ等を必要としないため、基板処理装置110のコストダウンを達成することができる。
図10を参照して説明した実施形態は、研磨装置10を基板処理装置110と置き換え、研磨高さ補正部80を処理圧力補正部180と置き換えることによって、図11乃至図19を参照して説明した基板処理システム100にも適用することができる。本実施形態の基板処理システム100は、生産ラインごとに処理圧力の補正またはバフパッド122の交換時期の予測を行うことができる。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
1 研磨システム
10 研磨装置
12 研磨テーブル
12a テーブル軸
14 支軸
15 アーム旋回モータ
16 研磨ヘッド揺動アーム
18 研磨ヘッドシャフト
19 スラリー供給ノズル
20 研磨ヘッド
21 ヘッド本体
22 研磨パッド
22a 研磨面
24 高さ調整機構
25 ロータリージョイント
26 軸受
28 ブリッジ
29 支持台
30 支柱
32 ボールねじ機構
32a ねじ軸
32b ナット
37 モータドライバ
38 サーボモータ
40 リテーナリング
42 ドライブリング
45 弾性膜
50〜53 圧力室
60 リテーナリング押圧装置
61 ピストン
62 ローリングダイヤフラム
63 リテーナリング圧力室
70 テーブルモータ
71 角度測定装置
80 研磨高さ補正部
100 基板処理システム
110 基板処理装置
112 バフテーブル
114 支軸
115 アーム旋回モータ
116 バフアーム
117 純水供給ノズル
118 バフヘッドシャフト
119 薬液供給ノズル
120 バフヘッド
122 バフパッド
124 処理圧力調整機構
125 エアシリンダ
129 ばね
131 ブリッジ
133 支持台
140 ドレッサー
142 ドレステーブル
170A 回転モータ
170B 回転モータ
171A 角度測定装置
171B 角度測定装置
175A 第1回転体
175B 第2回転体
180 処理圧力補正部
191a,191b プーリー
192 ベルト
194 バフヘッド回転モータ

Claims (22)

  1. 研磨パッドを研磨装置の研磨テーブルで支持しかつ回転させ、
    基板を保持した研磨ヘッドを研磨高さに位置させ、
    前記基板を前記研磨ヘッドによって前記研磨パッドの研磨面に押し付けて前記基板を研磨し、
    前記研磨ヘッドと前記研磨パッドとの間に作用する摩擦力を示す摩擦指標値を決定し、
    前記摩擦指標値に基づいて前記研磨高さを補正する研磨方法。
  2. 前記摩擦指標値を決定する工程は、
    前記研磨ヘッドを前記研磨パッドに接触させながらテーブルモータにより前記研磨テーブルを予め設定された速度で回転させ、
    前記研磨ヘッドを前記研磨パッドに接触させた状態で前記テーブルモータを停止させ、
    前記テーブルモータが停止してから前記研磨テーブルの回転が停止するまでに、前記研磨テーブルが回転した角度を測定する工程を含む、請求項1に記載の研磨方法。
  3. 前記研磨高さを補正する工程は、
    前記摩擦指標値と相対研磨高さとの関係を表す相関データに基づいて、前記決定された摩擦指標値に対応する相対研磨高さと、予め設定された目標摩擦指標値に対応する目標相対研磨高さを決定し、
    前記決定された相対研磨高さと前記目標相対研磨高さとの差を算出し、
    前記差を現在の研磨高さから減算する工程を含む、請求項1または2に記載の研磨方法。
  4. 前記差が、予め設定された誤差しきい値よりも大きいときに、前記現在の研磨高さから前記差を減算する、請求項3に記載の研磨方法。
  5. 前記研磨高さを補正した回数が予め設定された補正回数しきい値よりも大きいときに、前記研磨パッドの交換時期に達したと判断する工程をさらに含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の研磨方法。
  6. 前記研磨高さを補正した頻度が、予め設定された補正頻度しきい値よりも大きいときに、前記研磨パッドの交換時期に達したと判断する工程をさらに含み、前記研磨高さを補正した頻度は、前記摩擦指標値を決定した回数に対する前記研磨高さを補正した回数の割合で表される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の研磨方法。
  7. 前記研磨装置は、複数の生産ラインごとに設置された複数の研磨装置であって、
    前記生産ラインごとに前記研磨高さの補正または前記研磨パッドの交換時期の予測を行う、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の研磨方法。
  8. 基板を研磨する少なくとも1つの研磨装置と、
    前記研磨装置に接続された研磨高さ補正部とを備え、
    前記研磨装置は、
    研磨パッドを支持する研磨テーブルと、
    前記研磨テーブルを回転させるテーブルモータと、
    前記研磨テーブルの回転角度を測定する角度測定装置と、
    前記基板を前記研磨パッドの研磨面に押し付ける研磨ヘッドと、
    前記研磨ヘッドに連結された高さ調整機構を備えており、
    前記研磨高さ補正部は、前記研磨ヘッドと前記研磨パッドとの間に作用する摩擦力を示す摩擦指標値を決定し、前記摩擦指標値に基づいて前記研磨ヘッドの研磨高さを補正するためのプログラムが格納された記憶装置、および前記プログラムに含まれる命令に従って演算を実行するための演算装置を有している、研磨システム。
  9. 前記研磨高さ補正部は、
    前記研磨ヘッドを前記研磨パッドに接触させた状態で前記テーブルモータに指令を発して前記研磨テーブルを予め設定された速度で回転させ、
    前記研磨ヘッドを前記研磨パッドに接触させた状態で前記テーブルモータを停止させ、
    前記テーブルモータが停止してから前記研磨テーブルの回転が停止するまでの前記研磨テーブルの回転角度の測定値を前記角度測定装置から取得するように構成されている、請求項8に記載の研磨システム。
  10. 前記研磨高さ補正部は、
    前記摩擦指標値と相対研磨高さとの関係を表す相関データに基づいて、前記決定された摩擦指標値に対応する相対研磨高さと、予め設定された目標摩擦指標値に対応する目標相対研磨高さを決定し、
    前記決定された相対研磨高さと前記目標相対研磨高さとの差を算出し、
    前記差を現在の研磨高さから減算するように構成されている、請求項8または9に記載の研磨システム。
  11. 基板を該基板の被処理面を上向きにして基板処理装置のバフテーブルで保持しかつ回転させ、
    バフパッドをバフヘッドによって前記基板の被処理面に押し付けて前記基板を処理し、
    前記バフパッドと回転体との間に作用する摩擦力を示す摩擦指標値を決定し、
    前記摩擦指標値に基づいて前記バフヘッドの処理圧力を補正する、基板処理方法。
  12. 前記回転体は、前記バフテーブルと、前記バフテーブルに保持された前記基板とを含む第1回転体、または前記バフパッドのドレッシングを行うドレッサーと前記ドレッサーを支持する回転可能なドレステーブルとを含む第2回転体のいずれかである、請求項11に記載の基板処理方法。
  13. 前記摩擦指標値を決定する工程は、
    前記バフパッドを予め設定された基準圧力で前記回転体に接触させながら回転モータにより前記回転体を予め設定された速度で回転させ、
    前記バフパッドを前記基準圧力で前記回転体に接触させた状態で前記回転モータを停止させ、
    前記回転モータが停止してから前記回転体の回転が停止するまでに、前記回転体が回転した角度を測定する工程を含む、請求項11または12に記載の基板処理方法。
  14. 前記処理圧力を補正する工程は、
    前記摩擦指標値と前記処理圧力との関係を表す相関データに基づいて、予め設定された目標摩擦指標値に対応する処理圧力を決定し、
    現在の処理圧力を前記決定された処理圧力に変更する工程を含む、請求項11乃至13のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  15. 前記決定された処理圧力と前記現在の処理圧力との差が、予め設定された誤差しきい値よりも大きいときに、前記現在の処理圧力を前記決定された処理圧力に変更する、請求項14に記載の基板処理方法。
  16. 前記処理圧力を補正した回数が予め設定された補正回数しきい値よりも大きいときに、前記バフパッドの交換時期に達したと判断する工程をさらに含む、請求項11乃至15のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  17. 前記処理圧力を補正した頻度が、予め設定された補正頻度しきい値よりも大きいときに、前記バフパッドの交換時期に達したと判断する工程をさらに含み、前記処理圧力を補正した頻度は、前記摩擦指標値を決定した回数に対する前記処理圧力を補正した回数の割合で表される、請求項11乃至15のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  18. 前記基板処理装置は、複数の生産ラインごとに設置された複数の基板処理装置であって、
    前記生産ラインごとに前記処理圧力の補正または前記バフパッドの交換時期の予測を行う、請求項11乃至17のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  19. 基板を処理する少なくとも1つの基板処理装置と、
    前記基板処理装置に接続された処理圧力補正部とを備え、
    前記基板処理装置は、
    前記基板を該基板の被処理面を上向きにして保持するバフテーブルと、
    前記バフテーブルを回転させる第1回転モータと、
    バフパッドを支持し、該バフパッドを前記基板の被処理面に押し付けるバフヘッドと、
    前記バフパッドのドレッシングを行うドレッサーと、
    前記ドレッサーを支持する回転可能なドレステーブルと、
    前記ドレステーブルを回転させる第2回転モータと、
    前記バフヘッドに連結された処理圧力調整機構と、
    前記バフパッドに摺接する回転体の回転角度を測定する角度測定装置を備えており、
    前記処理圧力補正部は、前記バフパッドと前記回転体との間に作用する摩擦力を示す摩擦指標値を決定し、前記摩擦指標値に基づいて前記バフヘッドの処理圧力を補正するためのプログラムが格納された記憶装置、および前記プログラムに含まれる命令に従って演算を実行するための演算装置を有している、基板処理システム。
  20. 前記回転体は、前記バフテーブルと、前記バフテーブルに保持された前記基板とを含む第1回転体、または前記ドレッサーと前記ドレステーブルとを含む第2回転体のいずれかである、請求項19に記載の基板処理システム。
  21. 前記処理圧力補正部は、
    前記バフパッドを予め設定された基準圧力で前記回転体に接触させた状態で、回転モータに指令を発して前記回転体を予め設定された速度で回転させ、
    前記バフパッドを前記基準圧力で前記回転体に接触させた状態で前記回転モータを停止させ、
    前記回転モータが停止してから前記回転体の回転が停止するまでの前記回転体の回転角度の測定値を前記角度測定装置から取得するように構成されている、請求項19または20に記載の基板処理システム。
  22. 前記処理圧力補正部は、
    前記摩擦指標値と前記処理圧力との関係を表す相関データに基づいて、予め設定された目標摩擦指標値に対応する処理圧力を決定し、
    現在の処理圧力を前記決定された処理圧力に変更するように構成されている、請求項19乃至21のいずれか一項に記載の基板処理システム。
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