JP7169138B2 - 複合粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複合粒子の製造方法に関する。
従来、フェライト材料は、モーター、トランス、インダクタ、チョークコイルに例示される電磁変換部品や、ノイズ吸収体として使用されてきた。近年では、部品の小型化、部品の特性向上、部品への磁気特性の付与を目的として、金属、セラミックス、樹脂等の様々な基材と、フェライト材料とを組み合わせた複合材料が検討されている。
また、複合化する基材の形状も、粒子状、板状、パイプ状等、様々である。
フェライトとの複合化にあたり、複合化手法も、種々存在する。例えば、めっき法、ミリング法、噴霧法、ゾルゲル法、共沈法等が例示される。特に、Feイオンと水分子の加水分解反応や、Feイオンとヒドロキシルイオンの加水分解反応を利用するめっき法は、複雑な形状の基材に対してもフェライトを形成可能であり、有用性が高い。
加水分解反応を利用するめっき法では、スピネルフェライト以外にα-Feをはじめとする金属酸化物が副生成物として発生することが知られている。
従来は、フェライト生成において、Feイオンを溶解させた溶液の初期のpHを制御することで、スピネルフェライトを優先的に生成する工夫をしてきた。ところが、フェライト生成反応の進行とともにプロトンが生成するため、反応溶液中のpHは徐々に酸性に移行し、副生成物の発生を助長してしまう。フェライト生成は中性からアルカリ性条件下で進行するため、酸性への移行は副生成物の生成を促すのである。
そこで、フェライト生成反応中に、反応溶液のpHを制御して、副生成物の発生を抑制しながらフェライトを生成する技術が特許文献1で検討されている。
特開2005-64396号公報
ところで、近年、軟磁性金属粒子の表面に軟磁性フェライト膜を形成した複合粒子が、磁性材料として注目されている。この複合粒子の軟磁性フェライト膜の純度を上げること、すなわち副生成物の発生を抑制することで、磁気特性の向上が期待できる。
複合粒子を製造する際に、上記特許文献1の技術を適用することによって、生成する軟磁性フェライト膜の純度を向上できると推測される。
しかし、実際には、特許文献1の技術を適用しても、軟磁性フェライト膜の純度は必ずしも十分とは言えず、軟磁性フェライト膜の純度を更に向上させる新たな技術が切望されていた。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、軟磁性フェライト膜の純度を更に向上させることを目的とする。本発明は、以下の形態として実現することが可能である。
〔1〕軟磁性金属粒子の表面に軟磁性フェライト部が形成された複合粒子の製造方法であって、
鉄イオン、及び2価の金属イオン(鉄イオンを除く)を含有する水溶液Aと、
酸化剤としての亜硝酸塩を含有する水溶液Bと、
軟磁性金属粒子を含有するとともに、酢酸カリウム及び酢酸アンモニウムのうちの少なくとも1種を溶解させた水溶液Cと、
を用い、
前記水溶液A、前記水溶液B、及び前記水溶液Cを混合して、複合粒子を製造する複合粒子の製造方法において、
前記水溶液Aにおける、前記鉄イオン及び前記2価の金属イオンの合計濃度をαmol/Lとし、
前記水溶液Bにおける、前記亜硝酸塩の濃度をβmol/Lとした場合に、濃度比β/αが下記式(1)を満たすことを特徴とする複合粒子の製造方法。

0.05≦β/α≦0.5 …(1)
〔2〕前記水溶液A、前記水溶液B、及び前記水溶液Cを混合するに際して、前記水溶液Cに、前記水溶液Aと前記水溶液Bを混合し、
混合の際の前記水溶液Cの温度は20℃以上100℃以下であることを特徴とする〔1〕に記載の複合粒子の製造方法。
〔3〕前記水溶液A、前記水溶液B、及び前記水溶液Cを混合するに際して、前記水溶液Cに、前記水溶液Aと前記水溶液Bを混合し、
混合の際の前記水溶液CのpHは6以上12以下であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の複合粒子の製造方法。
〔4〕前記亜硝酸塩は、亜硝酸カリウム及び亜硝酸ナトリウムのうちの少なくとも1種であることを特徴とする〔1〕~〔3〕のいずれか1項に記載の複合粒子の製造方法。
〔5〕前記水溶液Aと、前記水溶液Bと、前記水溶液Cとを混合した混合液のカリウム濃度が500mmol/L以下であり、かつ
前記水溶液Aと、前記水溶液Bと、前記水溶液Cとを混合した混合液のナトリウム濃度が500mmol/L以下であることを特徴とする〔4〕に記載の複合粒子の製造方法。
〔6〕前記水溶液Cにおける、前記酢酸カリウム及び前記酢酸アンモニウムの合計濃度をγmol/Lとした場合に、
濃度比α/γが下記式(2)を満たすことを特徴とする〔1〕~〔5〕のいずれか1項に記載の複合粒子の製造方法。

0.1≦α/γ≦1.2 …(2)
〔7〕前記水溶液Aと、前記水溶液Bと、前記水溶液Cとを混合した混合液に20kHz以下の超音波を印可することを特徴とする請求項〔1〕~〔6〕のいずれか1項に記載の複合粒子の製造方法。
本発明の複合粒子の製造方法によれば、複合粒子のフェライト部の純度を向上させることができる。
また、溶液A、水溶液B、及び水溶液Cを混合するに際して、水溶液Cに、水溶液Aと水溶液Bを混合し、混合の際の水溶液Cの温度を20℃以上100℃以下にすると、次の効果を奏する。すなわち、この温度範囲内では、α-Feの生成を抑制するため軟磁性フェライト部の純度が更に向上する傾向にある。しかも、混合の際の水溶液Cの温度をこの範囲とすると、軟磁性フェライト部の生成反応の速度をコントロールして、軟磁性フェライト部の膜厚を制御し易い。
また、水溶液A、水溶液B、及び水溶液Cを混合するに際して、水溶液Cに、水溶液Aと水溶液Bを混合し、混合の際の水溶液CのpHを6以上12以下すると、次の効果を奏する。すなわち、混合の際の水溶液CのpHをこの範囲とすると、軟磁性フェライト部の形成に伴う鉄イオンの消費が速やかに行われ、形成反応がスムーズとなる。また、混合の際の水溶液CのpHをこの範囲とすると、軟磁性金属粒子の表面にてフェライト形成反応が起こり、複合粒子を得ることが出来る。
また、亜硝酸塩が、亜硝酸カリウム及び亜硝酸ナトリウムのうちの少なくとも1種である場合には、次の効果を奏する。すなわち、これらの亜硝酸塩は、酸化力が強いため、軟磁性フェライト部を形成しにくい軟磁性金属粒子に対しても、軟磁性フェライト部を形成できる。
また、本発明の複合粒子の製造方法では、水溶液Aと、水溶液Bと、水溶液Cとを混合した混合液のカリウム濃度が500mmol/L以下であり、かつ水溶液Aと、水溶液Bと、水溶液Cとを混合した混合液のナトリウム濃度が500mmol/L以下であることが好ましい。カリウム濃度やナトリウム濃度が高すぎると、複合粒子の軟磁性フェライト部の耐熱性が低下する傾向にある。上述のカリウム濃度やナトリウム濃度の範囲内とすることで、軟磁性フェライト部の耐熱性を担保できる。
水溶液Cにおける、酢酸カリウム及び酢酸アンモニウムの合計濃度をγmol/Lとした場合に、濃度比α/γが上記式(2)を満たす場合には、反応溶液のpH変動を抑制しつつ、適度な速度で軟磁性フェライト部を形成できる。よって、この場合には、軟磁性フェライト部の膜厚制御がし易い。
水溶液Aと、水溶液Bと、水溶液Cとを混合した混合液に20kHz以下の超音波を印可する場合には、軟磁性フェライト部の形成が促進される。
軟磁性フェライト部を形成する前の軟磁性金属粒子(実験例1に用いたパーマロイBの粒子)のSEMによる表面観察像である(10000倍)。 実験例1における複合粒子のSEMによる表面観察像である(10000倍)。 実験例1における複合粒子のXRD測定結果を示す図である(粉末X線回折ピーク)。
以下、本発明を詳しく説明する。なお、本明細書において、数値範囲について「~」を用いた記載では、特に断りがない限り、下限値及び上限値を含むものとする。例えば、「10~20」という記載では、下限値である「10」、上限値である「20」のいずれも含むものとする。すなわち、「10~20」は、「10以上20以下」と同じ意味である。
1.複合粒子の製造方法
本発明の製造方法は、軟磁性金属粒子の表面に軟磁性フェライト部を被覆して複合粒子とする。
本発明の製造方法では、鉄イオン、及び2価の金属イオン(鉄イオンを除く)を含有する水溶液Aと、酸化剤としての亜硝酸塩を含有する水溶液Bと、軟磁性金属粒子を含有するとともに、酢酸カリウム及び酢酸アンモニウムのうちの少なくとも1種を溶解させた水溶液Cと、を用いる。
そして、本発明の製造方法では、水溶液A、水溶液B、及び水溶液Cを混合して、複合粒子を製造する。
本発明の製造方法では、水溶液Aにおける、鉄イオン及び2価の金属イオンの合計濃度をαmol/Lとし、水溶液Bにおける、亜硝酸塩の濃度をβmol/Lとした場合に、濃度比β/αが下記式(1)を満たすことを特徴とする。

0.05≦β/α≦0.5 …(1)
(1)水溶液A
水溶液Aは、鉄イオン、及び2価の金属イオン(鉄イオンを除く)を含有する。
鉄イオンとしては、二価鉄イオン(Fe2+)が挙げられるが、三価鉄イオン(Fe3+)を含有していてもよい。二価の鉄イオン源となる化合物としては、特に限定されないが、塩化鉄(II)、硫酸鉄(II)等を好適に挙げることができる。
2価の金属イオン(鉄イオンを除く)は、特に限定されないが、マンガンイオン(Mn2+)、亜鉛イオン(Zn2+)、ニッケルイオン(Ni2+)、コバルトイオン(Co2+)、マグネシウムイオン(Mg2+)、及び銅イオン(Cu2+)からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
マンガンイオン源となる化合物としては、特に限定されないが、塩化マンガン、硫酸マンガン、硝酸マンガン等を好適に挙げることができる。
亜鉛イオン源となる化合物としては、特に限定されないが、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛等を好適に挙げることができる。
ニッケルイオン源となる化合物としては、特に限定されないが、塩化ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル等を好適に挙げることができる。
鉄イオンの濃度は、反応速度の観点から、0.005~0.1mol/Lが好ましく、0.01~0.08mol/Lがより好ましく、0.015~0.07mol/Lが更に好ましい。
2価の金属イオン(鉄イオンを除く)の合計濃度は、反応速度の観点から、0.0075~0.15mol/Lが好ましく、0.015~0.12mol/Lがより好ましく、0.0225~0.105mol/Lが更に好ましい。
(2)水溶液B
水溶液Bは、酸化剤としての亜硝酸塩を含有する。
亜硝酸塩としては、酸化能力を有していれば特に限定されない。亜硝酸カリウム、及び亜硝酸ナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。これらの亜硝酸塩は、酸化力が強いため、軟磁性フェライト部を形成しにくい軟磁性金属粒子に対しても、軟磁性フェライト部を形成できるからである。
水溶液Bにおける亜硝酸塩の濃度は、不純物の生成抑制の観点から、0.001~0.125mol/Lが好ましく、0.002~0.05mol/Lがより好ましく、0.005~0.03mol/Lが更に好ましい。
水溶液Bは、酢酸カリウム及び水酸化カリウムを含有していてもよい。水溶液Bは、軟磁性フェライト以外の副生成物の生成を抑制するという観点から、酢酸カリウム及び水酸化カリウムによって、pH=10~12に調整されていることが好ましい。
(3)水溶液C
水溶液Cは、軟磁性金属粒子を含有するとともに、酢酸カリウム及び酢酸アンモニウムのうちの少なくとも1種を含有する。
(3.1)軟磁性金属粒子
軟磁性金属粒子としては、軟磁性金属である金属の粒子を幅広く用いることができる。軟磁性金属としては、純鉄、Fe-Si合金、Fe-Si-Cr合金、Fe-Si-Al合金、Ni-Fe合金、Fe-Co合金、Feアモルファス合金等を好適に用いることができる。
軟磁性金属粒子の粒子径は、特に限定されない。軟磁性金属粒子の粒子径は、使用する用途によって適宜変更することができる。例えば、ノイズ吸収体として使用する場合、周波数帯が1MHz~1GHzであれば1~300μmの範囲で変化させることができる。なお、軟磁性金属粒子の粒子径は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(株式会社堀場製作所製、LA-750)によって測定される粒度分布での最大ピークの粒径を意味する。
軟磁性金属粒子は、表面に金属酸化物層(不動態被膜)を備えていてもよい。金属酸化物層を、表面に備えることによって、焼鈍(熱処理)を行った際、軟磁性金属粒子と軟磁性フェライト部間の金属原子の拡散反応を抑制することができる。
金属酸化物層を構成する金属酸化物は特に限定されない。例えば、酸化クロム、酸化アルミニウム、酸化モリブデン、及び酸化タングステンからなる群より選ばれた1種以上の金属酸化物が好ましい。特に、金属酸化物に、酸化クロム及び酸化アルミニウムのうちの少なくとも1つを含むことが好ましい。これらの好ましい金属酸化物を用いることで、上述の金属原子の拡散が効果的に抑制される。
なお、軟磁性金属粒子として、Fe-Si-Cr合金の粒子を用いた場合には、金属原子拡散の抑制効果を有する金属酸化物層を容易に形成することができる。すなわち、Fe-Si-Cr合金中のCrが酸化することにより軟磁性金属粒子の外縁部に金属酸化物層が形成される。
また、金属酸化物層の厚みは、特に限定されない。厚みは、好ましくは1~20nmとすることができる。なお、金属酸化物層5の厚みは、XPS(X線光電子分光法)を用いて測定できる。
(3.2)酢酸カリウム及び酢酸アンモニウムの合計濃度
水溶液Cにおける、酢酸カリウム及び酢酸アンモニウムの合計濃度は、副生成物の生成抑制の観点から、0.011~2.5mol/Lが好ましく、0.05~1.0mol/Lがより好ましく、0.1~0.5mol/Lが更に好ましい。
水溶液Cは、水酸化カリウムを含有していてもよい。水溶液Cは、フェライト生成時のpH変動抑制の観点から、酢酸カリウム及び水酸化カリウムによって、pH=10~12に調整されていることが好ましい。
(4)複合粒子
本発明の製造方法によって製造される複合粒子は、軟磁性金属粒子の表面に軟磁性フェライト部が被覆された複合粒子である。
複合粒子の表面は、軟磁性フェライト部が被覆されている。複数の複合粒子を集合させてなる粉体においては、複合粒子のコアである軟磁性金属粒子に着目すると、軟磁性金属粒子同士は、軟磁性フェライト部により電気的に遮断されて、各軟磁性金属粒子は電気的に孤立状態とされる。従って、複数の複合粒子を集合させてなる粉体を用いて圧粉磁心やノイズ吸収体とした場合も、これらの圧粉磁心やノイズ吸収体は、渦電流が効率的に抑制され、MHzを超える周波数帯域まで使用できるようになる。
軟磁性フェライト部の材料は、特に限定されない。軟磁性フェライト部の材料は、マグネタイト、Niフェライト、Znフェライト、Mnフェライト、Ni-Znフェライト、及びMn-Znフェライトからなる群より選ばれた1種以上が好ましい。更には電気抵抗率が10Ω・cm以上のフェライトを用いるのが好ましい。そのため、Niフェライト、Znフェライト、Mnフェライト、Ni-Znフェライト、及びMn-Znフェライトからなる群より選ばれた1種以上がより好ましい。
軟磁性フェライト部としては、例えば、下記式〔1〕又は〔2〕の軟磁性フェライトを好適に用いることができる。

〔1〕 Fe
〔2〕 M-Zn-Fe(3-x-y)
(但し、式中、Mは、Ni又はMnであり、0≦x≦1、0≦y≦1である。)
(5)軟磁性フェライト部の形成
本発明の製造方法では、水溶液A、水溶液B、及び水溶液Cを混合して、複合粒子を製造する。すなわち、水溶液A、水溶液B、及び水溶液Cを混合することによって、軟磁性フェライト部を軟磁性金属粒子の表面に形成して、複合粒子にする。
混合する順番は、特に限定されない。好ましくは、フェライト生成の収率を高める観点から、水溶液Cに対して、水溶液Aと水溶液Bを混合することが好ましい。このように混合することで、軟磁性金属粒子の略全面に略均一に軟磁性フェライト部、例えばフェライト膜を形成できる。
軟磁性フェライト部は、例えば、めっき装置を用いて形成できる。軟磁性フェライト部の形成反応は、水溶液中でFe2+→Fe3+の酸化反応を利用して、軟磁性金属粒子の表面に、スピネル型フェライト等を堆積させる手法である。この手法では、めっき条件、反応温度、反応液のpHの調整等を適宜調整することにより、軟磁性金属粒子の表面に軟磁性フェライト部を形成できる。また、めっき時間の調整によって、軟磁性フェライト部の厚さを調整できる。
被覆する軟磁性フェライトの種類により各々pHを調節する必要がある。この条件は被覆する軟磁性フェライトの組成によって変化するが、例えばMn-ZnフェライトではpH=10~11が好ましく、Ni-ZnフェライトではpH=11~12が好ましい。
具体的には、例えば、次のようにして軟磁性フェライト部が形成される。被めっき物である軟磁性金属粒子を、目的のpHに調整した酢酸カリウムもしくは酢酸アンモニウムを含む水溶液に添加する。そして、この水溶液(水溶液C)に、軟磁性フェライトの原料となる金属イオンを溶解させた反応液(水溶液A)と、酸化液(水溶液B)とを徐々に添加することで、軟磁性フェライトが形成される。この反応の際、撹拌羽根などで、溶液を流動させると軟磁性金属粒子の略全面に略均一なフェライト部を形成させることができる。
また、反応の際に、水溶液Aと、水溶液Bと、水溶液Cとを混合した混合液に超音波ホーンによりエネルギーを印可してもよい。超音波の周波数は特に限定されないが、20kHz以下であることが好ましい。但し、下限値は通常1Hzである。超音波ホーンの作用により、軟磁性金属粒子は発熱を伴いながら激しく分散される。超音波ホーンを作用させ、かつ混合液を例えば恒温槽等により加熱することで、軟磁性フェライトの生成反応は加速される。また、超音波により溶液中には微小な気泡であるマイクロバブルが発生し、マイクロバブルが膨張収縮する際、高温高圧の反応場が形成される。軟磁性フェライトの生成は、高温下で生成反応におけるギブズの自由エネルギーが負となるため、この高温高圧の反応場中では軟磁性フェライトの生成が著しく促進される。
また、下の反応式から分かるように、反応の進行と共にプロトンが生成されるため、反応液内のpHは徐々に酸性に変化する。pHの変動は軟磁性フェライト生成に大きく影響するため、複合粒子の製造においては、反応液内のpHを常に調整する必要がある。反応条件(めっき条件)を最適化すると、金属酸化物層により軟磁性フェライトの生成反応が阻害されることを最小限に抑えることができる。

3Fe2++4HO→Fe+8H+2e

具体的な複合粒子の製造方法の一例を以下に示す。水に2価の金属イオンと鉄イオンとを含む反応液(水溶液A)を用意する。水に酸化剤が溶解した酸化液(水溶液B)を用意する。軟磁性金属粒子を所定のpHに調製した緩衝液中に分散させる。そして、超音波を印加しながら、軟磁性金属粒子が分散した緩衝溶液(水溶液C)に、反応液(水溶液A)及び酸化液(水溶液B)を滴下すると、軟磁性金属粒子の表面に軟磁性フェライト部が形成される。このようにして、本実施形態の複合粒子を製造することができる。
緩衝液のpHは、Ni-Znフェライトの場合には、上述のように、好ましくは11~12である。緩衝液の種類は特に限定されないが、酢酸カリウムもしくは酢酸アンモニウムを用いた緩衝液が好ましい。このとき、pHを調整する水溶液の種類は特に限定されないが、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア水溶液が好ましい。
(6)軟磁性フェライト部の形成のメカニズム
軟磁性フェライト部の形成のメカニズムは解明されていないが以下のように推測される。
軟磁性金属粒子の表面の水酸基から反応が開始し、軟磁性フェライト部の形成が始まると推測される。
このようなメカニズムで、本実施形態の複合粒子が生成すると考えられる。なお、反応液のpH条件がずれると軟磁性フェライト部が形成されず、めっき槽内を漂っている磁性フェライト微粒子の堆積体が軟磁性金属粒子の表面に付着した形態の構造になると考えられる。
(7)本発明の製造方法の特徴
本発明の製造方法では、次のように、α、β、γを定義した場合に、下記式(1)を満たしている。本発明の製造方法では、下記式(1-1)を満たすことが好ましく、下記式(1-2)を満たすことがより好ましい。この特徴により、軟磁性フェライト部の純度を向上できる。すなわち、β/αをこの範囲内とすると、酸化剤と金属イオンとの量的なバランスがよくなり、酸化剤不足によるFe(OH)の生成や、酸化剤過剰によるα-Feの生成が共に抑制され、軟磁性フェライト部の純度が上がる。

αmol/L:水溶液Aにおける、鉄イオン及び2価の金属イオンの合計濃度
βmol/L:水溶液Bにおける、亜硝酸塩の濃度
γmol/L:水溶液Cにおける、酢酸カリウム及び酢酸アンモニウムの合計濃度

0.05≦β/α≦0.5 …(1)
0.04≦β/α≦0.45 …(1-1)
0.03≦β/α≦0.40 …(1-2)
また、本発明の製造方法では、下記式(2)を満たすことが好ましく、下記式(2-1)を満たすことがより好ましく、下記式(2-2)を満たすことが更に好ましい。この特徴により、反応溶液のpH変動を抑制しつつ、適度な速度で軟磁性フェライト部を形成できる。よって、この場合には、軟磁性フェライト部の膜厚を制御し易い。

0.1≦α/γ≦1.2 …(2)
0.2≦α/γ≦1.0 …(2-1)
0.3≦α/γ≦0.8 …(2-2)
なお、αは、フェライト生成および反応速度の観点から、0.0125~0.25mol/Lが好ましく、0.025~0.20mol/Lがより好ましく、0.0375~0.175mol/Lが更に好ましい。
また、βは、不純物の生成抑制の観点から、0.001~0.125mol/Lが好ましく、0.002~0.05mol/Lがより好ましく、0.005~0.03mol/Lが更に好ましい。
また、γは、不純物の生成抑制の観点から、0.011~2.5mol/Lが好ましく、0.05~1.0mol/Lがより好ましく、0.1~0.5mol/Lが更に好ましい。
本実施形態の複合粒子の製造方法では、水溶液A、水溶液B、及び水溶液Cを混合するに際して、水溶液Cに、水溶液Aと水溶液Bを混合することが好ましい。そして、混合の際の水溶液Cの温度は、20℃以上100℃以下であることが好ましい。より好ましくは、この混合の際の水溶液Cの温度は、30℃以上90℃以下であり、更に好ましくは40℃以上80℃以下である。
混合の際の水溶液Cの温度をこの範囲とすると、フェライト生成反応が加速され、短時間で軟磁性フェライト部を形成することができ、更に軟磁性フェライト部の純度が向上する傾向にある。
また、本実施形態の複合粒子の製造方法では、水溶液Cに、水溶液Aと水溶液Bを混合する際の水溶液CのpHは、6以上12以下であることが好ましい。より好ましくは、この混合する際の水溶液CのpHは、7以上12以下であり、更に好ましくは8以上12以下である。
混合する際の水溶液CのpHをこの範囲とすると、軟磁性フェライト部の形成に伴う鉄イオンの消費が速やかに行われ、形成反応がスムーズとなる。また、この範囲とすると、強アルカリ性でないから、安全に軟磁性フェライト部を形成できる。
また、本実施形態の複合粒子の製造方法では、水溶液Aと、水溶液Bと、水溶液Cとを混合した混合液のカリウム濃度が500mmol/L以下であり、かつ水溶液Aと、水溶液Bと、水溶液Cとを混合した混合液のナトリウム濃度が500mmol/L以下であることが好ましい。カリウム濃度が400mmol/L以下であり、かつナトリウム濃度が300mmol/L以下であることがより好ましい。
カリウム濃度やナトリウム濃度が高すぎると、軟磁性フェライト部の耐熱性が低下する傾向にある。そこで、カリウム濃度及びナトリウム濃度を上述の範囲内とすることで、軟磁性フェライト部の耐熱性を担保できる。
なお、上記カリウム濃度の下限値は、50mmol/Lであり、ナトリウム濃度の下限値は、50mmol/Lである。
2.本実施形態の複合粒子の製造方法の効果
従来技術では、Feイオンと、水分子又はヒドロキシルイオンとの反応を利用して軟磁性金属粒子とフェライト材料を複合化した際に、スピネルフェライト以外にα-Feや水酸化鉄、MnO、NiO、Mnといった様々な副生成物が生成される。これらの副生成物は非磁性の物質のため、副生成物の存在によって、複素透磁率をはじめ磁気特性の低下を招いてしまう。特に、α-Feは、副生成物として生成しやすく、この副生成物が生成した場合には、赤色の結晶が反応液中に浮遊したり、又は軟磁性金属粒子に付着したりする。その結果、磁気特性が低下してしまう。
これに対し、本実施形態の製造方法では、反応時における反応液のpH変動を抑制し、かつ金属イオンを錯形成によって安定化しているから、副反応が抑制されて、不純物の生成を抑制できる。反応後の反応液を目視で確認しても赤色の結晶は発生しておらず、粉末X線回折パターンにはスピネル結晶構造に由来するピークのみが検出されるようになる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。なお、実験例1,2,3,4,5,6,9,10は、実施例に相当し、実験例7,8は、比較例に相当する。
1.複合粒子の作製
(1)実験例1(実施例)
(1.1)軟磁性金属粒子
原料の軟磁性金属粒子には、水アトマイズ法によって作製したFe-50質量%Ni粒子(パーマロイB、平均粒子径:10μm)を使用した。
(1.2)pH調整液(緩衝液)の調製
純水200mLに酢酸カリウムを溶解させ、水酸化カリウムによってpH=11に調整してpH調整液とした。
(1.3)水溶液Aの調製
純水100mLに所定量の塩化ニッケル、塩化亜鉛、塩化鉄(II)を添加し、十分に溶解させて水溶液Aとした。なお、塩化ニッケル、塩化亜鉛、塩化鉄(II)の各量は、各金属イオンのモル比がNi:Zn:Fe=0.2:0.3:2.5となるように調整した。
(1.4)水溶液Bの調製
(1.2)のpH調整液100mLに、酸化剤として亜硝酸カリウム0.10gを加えて酸化液とした(水溶液B)。
(1.5)水溶液Cの調製
(1.2)のpH調整液100mLに、軟磁性金属粒子10gを分散させて水溶液Cとした。
(1.6)軟磁性フェライト部の形成
水溶液Cに窒素を流しながら、70℃に加熱し、超音波を印加しながら、水溶液Aと水溶液Bとを滴下して、軟磁性フェライト部を形成させた。反応は25分間行い、複合粒子は純粋で洗浄した後、磁石にて回収した。この後、複合粒子を乾燥させて、粉砕と篩通しを行って、実験例1に係る複合粒子を得た。
軟磁性フェライト部の形成時の「β/α」「α/γ」等を表1に示す。
なお、表1中のα、β、γは次のように定義され、これらα、β、γから、「β/α」「α/γ」が計算されている。α、β、γの定義については、後述する実験例2~10でも同様である。

αmol/L:水溶液Aにおける、鉄イオン及び2価の金属イオンの合計濃度
βmol/L:水溶液Bにおける、亜硝酸塩の濃度
γmol/L:水溶液Cにおける、酢酸カリウム及び酢酸アンモニウムの合計濃度

なお、実験例1では、「α=84(mmol/L)」「β=12(mmol/L)」「γ=179(mmol/L)」であった。
また、表1中の「アルカリ金属」の欄は、水溶液A,B,Cを全量混合した場合の混合液中におけるカリウムの濃度を示している。このカリウムは、水溶液Bに含まれる酢酸カリウムと水酸化カリウムに由来するカリウム、水溶液Bに含まれる亜硝酸カリウムに由来するカリウム、水溶液Cに含まれる酢酸カリウムと水酸化カリウムに由来するカリウムの全てを意味する。「アルカリ金属」の欄は、表2でも同様である。
Figure 0007169138000001
(2)実験例2(実施例)
(2.1)軟磁性金属粒子
原料の軟磁性金属粒子には、水アトマイズ法によって作製したFe-10質量%Si-5質量%Al粒子(Sendust、平均粒子径:10μm)を使用した。
(2.2)pH調整液(緩衝液)の調製
純水200mLに酢酸カリウムを溶解させ、水酸化カリウムによってpH=11に調整してpH調整液とした。
(2.3)水溶液Aの調製
純水100mLに所定量の塩化ニッケル、塩化亜鉛、塩化鉄(II)を添加し、十分に溶解させて水溶液Aとした。なお、塩化ニッケル、塩化亜鉛、塩化鉄(II)の各量は、各金属イオンのモル比がNi:Zn:Fe=0.2:0.3:2.5となるように調整した。
(2.4)水溶液Bの調製
(2.2)のpH調整液100mLに、酸化剤として亜硝酸カリウム0.2gを加えて酸化液とした(水溶液B)。
(2.5)水溶液Cの調製
(2.2)のpH調整液100mLに、軟磁性金属粒子10gを分散させて水溶液Cとした。
(2.6)軟磁性フェライト部の形成
水溶液Cに窒素を流しながら、70℃に加熱し、超音波を印加しながら、水溶液Aと水溶液Bとを滴下して、軟磁性フェライト部を形成させた。反応は25分間行い、複合粒子は純粋で洗浄した後、磁石にて回収した。この後、複合粒子を乾燥させて、粉砕と篩通しを行って、実験例2に係る複合粒子を得た。
軟磁性フェライト部の形成時の「β/α」「α/γ」等を表1に示す。
実験例2では、「α=117.5(mmol/L)」「β=23.5(mmol/L)」「γ=294(mmol/L)」であった。
(3)実験例3(実施例)
(3.1)軟磁性金属粒子
原料の軟磁性金属粒子には、水アトマイズ法によって作製したFe-3.5質量%Sii-4.5質量%Cr粒子(平均粒子径:30μm)を使用した。
(3.2)pH調整液(緩衝液)の調製
純水200mLに酢酸カリウムを溶解させ、水酸化カリウムによってpH=11に調整してpH調整液とした。
(3.3)水溶液Aの調製
純水100mLに所定量の塩化マンガン、塩化亜鉛、塩化鉄(II)を添加し、十分に溶解させて水溶液Aとした。なお、塩化マンガン、塩化亜鉛、塩化鉄(II)の各量は、各金属イオンのモル比がMn:Zn:Fe=0.2:0.3:2.5となるように調整した。
(3.4)水溶液Bの調製
(3.2)のpH調整液100mLに、酸化剤として亜硝酸カリウム0.05gを加えて酸化液とした(水溶液B)。
(3.5)水溶液Cの調製
(3.2)のpH調整液100mLに、軟磁性金属粒子10gを分散させて水溶液Cとした。
(3.6)軟磁性フェライト部の形成
水溶液Cに窒素を流しながら、70℃に加熱し、超音波を印加しながら、水溶液Aと水溶液Bとを滴下して、軟磁性フェライト部を形成させた。反応は25分間行い、複合粒子は純粋で洗浄した後、磁石にて回収した。この後、複合粒子を乾燥させて、粉砕と篩通しを行って、実験例3に係る複合粒子を得た。
軟磁性フェライト部の形成時の「β/α」「α/γ」等を表1に示す。
実験例3では、「α=117.5(mmol/L)」「β=7(mmol/L)」「γ=783(mmol/L)」であった。
(4)実験例4(実施例)
(4.1)軟磁性金属粒子
原料の軟磁性金属粒子には、水アトマイズ法によって作製したFe-78質量%Ni-4質量%Mo粒子(パーマロイC、平均粒子径:10μm)を使用した。
(4.2)pH調整液(緩衝液)の調製
純水200mLに酢酸カリウムを溶解させ、水酸化カリウムによってpH=11に調整してpH調整液とした。
(4.3)水溶液Aの調製
純水100mLに所定量の塩化亜鉛、塩化鉄(II)を添加し、十分に溶解させて水溶液Aとした。なお、塩化亜鉛、塩化鉄(II)の各量は、各金属イオンのモル比がZn:Fe=0.3:2.7となるように調整した。
(4.4)水溶液Bの調製
(4.2)のpH調整液100mLに、酸化剤として亜硝酸カリウム0.3gを加えて酸化液とした(水溶液B)。
(4.5)水溶液Cの調製
(4.2)のpH調整液100mLに、軟磁性金属粒子10gを分散させて水溶液Cとした。
(4.6)軟磁性フェライト部の形成
水溶液Cに窒素を流しながら、70℃に加熱し、超音波を印加しながら、水溶液Aと水溶液Bとを滴下して、軟磁性フェライト部を形成させた。反応は25分間行い、複合粒子は純粋で洗浄した後、磁石にて回収した。この後、複合粒子を乾燥させて、粉砕と篩通しを行って、実験例4に係る複合粒子を得た。
軟磁性フェライト部の形成時の「β/α」「α/γ」等を表1に示す。
実験例4では、「α=78(mmol/L)」「β=35(mmol/L)」「γ=68(mmol/L)」であった。
(5)実験例5(実施例)
(5.1)軟磁性金属粒子
原料の軟磁性金属粒子には、水アトマイズ法によって作製したFeアモルファス合金粒子(平均粒子径:30μm)を使用した。
(5.2)pH調整液(緩衝液)の調製
純水200mLに酢酸カリウムを溶解させ、水酸化カリウムによってpH=11に調整してpH調整液とした。
(5.3)水溶液Aの調製
純水100mLに所定量の塩化ニッケル、塩化銅、塩化亜鉛、塩化鉄(II)を添加し、十分に溶解させて水溶液Aとした。なお、塩化ニッケル、塩化銅、塩化亜鉛、塩化鉄(II)の各量は、各金属イオンのモル比がNi:Cu:Zn:Fe=0.2:0.05:0.3:2.45となるように調整した。
(5.4)水溶液Bの調製
(5.2)のpH調整液100mLに、酸化剤として亜硝酸カリウム0.09gを加えて酸化液とした(水溶液B)。
(5.5)水溶液Cの調製
(5.2)のpH調整液100mLに、軟磁性金属粒子10gを分散させて水溶液Cとした。
(5.6)軟磁性フェライト部の形成
水溶液Cに窒素を流しながら、70℃に加熱し、超音波を印加しながら、水溶液Aと水溶液Bとを滴下して、軟磁性フェライト部を形成させた。反応は25分間行い、複合粒子は純粋で洗浄した後、磁石にて回収した。この後、複合粒子を乾燥させて、粉砕と篩通しを行って、実験例5に係る複合粒子を得た。
軟磁性フェライト部の形成時の「β/α」「α/γ」等を表1に示す。
実験例5では、「α=42(mmol/L)」「β=11(mmol/L)」「γ=53(mmol/L)」であった。
(6)実験例6(実施例)
(6.1)軟磁性金属粒子
原料の軟磁性金属粒子には、水アトマイズ法によって作製した純鉄粒子(平均粒子径:10μm)を使用した。
(6.2)pH調整液(緩衝液)の調製
純水200mLに酢酸カリウムを溶解させ、水酸化カリウムによってpH=11に調整してpH調整液とした。
(6.3)水溶液Aの調製
純水100mLに所定量の塩化マンガン、塩化亜鉛、塩化コバルト、塩化鉄(II)を添加し、十分に溶解させて水溶液Aとした。なお、塩化マンガン、塩化亜鉛、塩化コバルト、塩化鉄(II)の各量は、各金属イオンのモル比がMn:Zn:Co:Fe=0.3:0.3:0.02:2.38となるように調整した。
(6.4)水溶液Bの調製
(6.2)のpH調整液100mLに、酸化剤として亜硝酸カリウム0.15gを加えて酸化液とした(水溶液B)。
(6.5)水溶液Cの調製
(6.2)のpH調整液100mLに、軟磁性金属粒子10gを分散させて水溶液Cとした。
(6.6)軟磁性フェライト部の形成
水溶液Cに窒素を流しながら、70℃に加熱し、超音波を印加しながら、水溶液Aと水溶液Bとを滴下して、軟磁性フェライト部を形成させた。反応は25分間行い、複合粒子は純粋で洗浄した後、磁石にて回収した。この後、複合粒子を乾燥させて、粉砕と篩通しを行って、実験例6に係る複合粒子を得た。
軟磁性フェライト部の形成時の「β/α」「α/γ」等を表1に示す。
実験例6では、「α=104(mmol/L)」「β=18(mmol/L)」「γ=259(mmol/L)」であった。
(7)実験例7(比較例)
(7.1)軟磁性金属粒子
原料の軟磁性金属粒子には、水アトマイズ法によって作製したFe-50質量%Ni粒子(パーマロイB、平均粒子径:10μm)を使用した。
(7.2)pH調整液(緩衝液)の調製
純水200mLに酢酸カリウムを溶解させ、水酸化カリウムによってpH=11に調整してpH調整液とした。
(7.3)水溶液Aの調製
純水100mLに所定量の塩化ニッケル、塩化亜鉛、塩化鉄(II)を添加し、十分に溶解させて水溶液Aとした。なお、塩化ニッケル、塩化亜鉛、塩化鉄(II)の各量は、各金属イオンのモル比がNi:Zn:Fe=0.2:0.3:2.5となるように調整した。
(7.4)水溶液Bの調製
(7.2)のpH調整液100mLに、酸化剤として亜硝酸カリウム0.01gを加えて酸化液とした(水溶液B)。
(7.5)水溶液Cの調製
(7.2)のpH調整液100mLに、軟磁性金属粒子10gを分散させて水溶液Cとした。
(7.6)軟磁性フェライト部の形成
水溶液Cに窒素を流しながら、70℃に加熱し、超音波を印加しながら、水溶液Aと水溶液Bとを滴下して、軟磁性フェライト部を形成させた。反応は25分間行い、複合粒子は純粋で洗浄した後、磁石にて回収した。この後、複合粒子を乾燥させて、粉砕と篩通しを行って、実験例7に係る複合粒子を得た。
軟磁性フェライト部の形成時の「β/α」「α/γ」等を表2に示す。
実験例7では、「α=29(mmol/L)」「β=1.2(mmol/L)」「γ=73(mmol/L)」であった。
Figure 0007169138000002
(8)実験例8(比較例)
(8.1)軟磁性金属粒子
原料の軟磁性金属粒子には、水アトマイズ法によって作製したFe-10質量%Si-5質量%Al粒子(Sendust、平均粒子径:10μm)を使用した。
(8.2)pH調整液(緩衝液)の調製
純水200mLに酢酸カリウムを溶解させ、水酸化カリウムによってpH=11に調整してpH調整液とした。
(8.3)水溶液Aの調製
純水100mLに所定量の塩化ニッケル、塩化亜鉛、塩化鉄(II)を添加し、十分に溶解させて水溶液Aとした。なお、塩化ニッケル、塩化亜鉛、塩化鉄(II)の各量は、各金属イオンのモル比がNi:Zn:Fe=0.2:0.3:2.5となるように調整した。
(8.4)水溶液Bの調製
(8.2)のpH調整液100mLに、酸化剤として亜硝酸カリウム0.1gを加えて酸化液とした(水溶液B)。
(8.5)水溶液Cの調製
(8.2)のpH調整液100mLに、軟磁性金属粒子10gを分散させて水溶液Cとした。
(8.6)軟磁性フェライト部の形成
水溶液Cに窒素を流しながら、70℃に加熱し、超音波を印加しながら、水溶液Aと水溶液Bとを滴下して、軟磁性フェライト部を形成させた。反応は25分間行い、複合粒子は純粋で洗浄した後、磁石にて回収した。この後、複合粒子を乾燥させて、粉砕と篩通しを行って、実験例8に係る複合粒子を得た。
軟磁性フェライト部の形成時の「β/α」「α/γ」等を表2に示す。
実験例8では、「α=20(mmol/L)」「β=12(mmol/L)」「γ=49(mmol/L)」であった。
(9)実験例9(実施例)
(9.1)軟磁性金属粒子
原料の軟磁性金属粒子には、水アトマイズ法によって作製したFe-78質量%Ni-4質量%Mo粒子(パーマロイC、平均粒子径:10μm)を使用した。
(9.2)pH調整液(緩衝液)の調製
純水200mLに酢酸カリウムを溶解させ、水酸化カリウムによってpH=11に調整してpH調整液とした。
(9.3)水溶液Aの調製
純水100mLに所定量の塩化亜鉛、塩化鉄(II)を添加し、十分に溶解させて水溶液Aとした。なお、塩化亜鉛、塩化鉄(II)の各量は、各金属イオンのモル比がZn:Fe=0.4:2.6となるように調整した。
(9.4)水溶液Bの調製
(9.2)のpH調整液100mLに、酸化剤として亜硝酸カリウム0.09gを加えて酸化液とした(水溶液B)。
(9.5)水溶液Cの調製
(9.2)のpH調整液100mLに、軟磁性金属粒子10gを分散させて水溶液Cとした。
(9.6)軟磁性フェライト部の形成
水溶液Cに窒素を流しながら、70℃に加熱し、超音波を印加しながら、水溶液Aと水溶液Bとを滴下して、軟磁性フェライト部を形成させた。反応は25分間行い、複合粒子は純粋で洗浄した後、磁石にて回収した。この後、複合粒子を乾燥させて、粉砕と篩通しを行って、実験例9に係る複合粒子を得た。
軟磁性フェライト部の形成時の「β/α」「α/γ」等を表2に示す。
実験例9では、「α=62(mmol/L)」「β=11(mmol/L)」「γ=49(mmol/L)」であった。
(10)実験例10(実施例)
(10.1)軟磁性金属粒子
原料の軟磁性金属粒子には、水アトマイズ法によって作製したFeアモルファス合金粒子(平均粒子径:10μm)を使用した。
(10.2)pH調整液(緩衝液)の調製
純水200mLに酢酸カリウムを溶解させ、水酸化カリウムによってpH=11に調整してpH調整液とした。
(10.3)水溶液Aの調製
純水100mLに所定量の塩化ニッケル、塩化銅、塩化亜鉛、塩化鉄(II)を添加し、十分に溶解させて水溶液Aとした。なお、塩化ニッケル、塩化銅、塩化亜鉛、塩化鉄(II)の各量は、各金属イオンのモル比がNi:Cu:Zn:Fe=0.2:0.01:0.4:2.39となるように調整した。
(10.4)水溶液Bの調製
(10.2)のpH調整液100mLに、酸化剤として亜硝酸カリウム0.15gを加えて酸化液とした(水溶液B)。
(10.5)水溶液Cの調製
(10.2)のpH調整液100mLに、軟磁性金属粒子10gを分散させて水溶液Cとした。
(10.6)軟磁性フェライト部の形成
水溶液Cに窒素を流しながら、70℃に加熱し、超音波を印加しながら、水溶液Aと水溶液Bとを滴下して、軟磁性フェライト部を形成させた。反応は25分間行い、複合粒子は純粋で洗浄した後、磁石にて回収した。この後、複合粒子を乾燥させて、粉砕と篩通しを行って、実験例10に係る複合粒子を得た。
軟磁性フェライト部の形成時の「β/α」「α/γ」等を表2に示す。
実験例10では、「α=88(mmol/L)」「β=18(mmol/L)」「γ=734(mmol/L)」であった。
2.複合粒子の評価方法
複合粒子の表面に軟磁性フェライト部が形成されていることを、SEM(走査電子顕微鏡)による表面観察にて確認した。また、軟磁性フェライト部であることの同定は、XRD測定(X線回折)により行った(リガク製RINT2000)。軟磁性フェライト部中の副生成物(不純物)の同定もXRD測定により行った。
軟磁性フェライト部中の副生成物(特に酸化鉄III(錆))は、目視よる観察でも確認した。
これらの結果を総合的に考察して、評価を以下のようにした。

<軟磁性フェライト部の形成について>
軟磁性フェライト部の形成について、以下の基準によって評価した。結果を表1,2の「膜形成」の欄に示す。

(評価基準)
「○」:軟磁性金属粒子の表面に軟磁性フェライト部が形成されている。
「×」:軟磁性金属粒子の表面に軟磁性フェライト部がほとんど形成されていない。

<副生成物(不純物)について>
副生成物について、以下の基準によって評価した。結果を表1,2の「副生成物」の欄に示す。

(評価基準)
「○」:副生成物がほとんど形成されていない。
「×」:副生成物の形成が顕著である。
3.評価結果
表1,2に示されるように、「0.05≦β/α≦0.5」の関係式(1)を満たす実験例1-6の複合粒子、実験例9-10の複合粒子は、軟磁性金属粒子の表面に軟磁性フェライト部が形成されており、しかも軟磁性フェライト部中に副生成物がほとんど形成されていなかった。
図1に、実験例1の軟磁性フェライト部形成前の軟磁性金属粒子の表面観察像を示す。図1から、軟磁性フェライト部形成前の軟磁性金属粒子の表面には、凹凸がほとんどないことが分かる。図2に、実験例1の複合粒子の表面観察像を示す。図2の複合粒子では、微細な凹凸構造を有する膜が形成されていることが確認できる。この実験例1の複合粒子をXRD測定したところ、図3の回折ピークが観察された。回折ピークのうち▲印をつけたものは、フェライトに由来するピークである。図3のうち、○印をつけたものは、Fe-Ni合金の軟磁性金属粒子に由来するピークである。図3に示すように、実験例1の複合粒子では、副生物の回折ピークは観察されなかった。また、目視にて観察したところ、実験例1の複合粒子には、赤色の副生成物(酸化鉄III(錆))は生成していなかった。よって、これらの結果を総合的に勘案すると、実験例1の複合粒子では、軟磁性金属粒子の表面に軟磁性フェライト部が形成されており、しかも軟磁性フェライト部中に副生成物がほとんど形成されていないことが確認された。ここでは、詳細な結果は省略するが、実験例2-6、実験例9-10のいずれの複合粒子においても、実施例1の複合粒子と同様に、軟磁性金属粒子の表面に軟磁性フェライト部が形成されており、軟磁性フェライト部中に副生成物がほとんど形成されていないことが確認された。
他方、β/αの値が、0.05未満である実験例7の粒子では、SEM、XRD測定、及び目視による観察結果から、軟磁性フェライト部がほとんど形成されておらず、僅かに生成した軟磁性フェライト部中に副生成物たるFe(OH)が発生したことを確認した。これは、水溶液Bにおける、酸化剤たる亜硝酸塩の濃度が低すぎるため、軟磁性フェライト部がほとんど形成されず、しかも軟磁性フェライト部の純度が低くなったからであると推測される。
また、β/αの値が0.5よりも大きい実験例8の粒子では、SEM、XRD測定、及び目視による観察結果から、軟磁性フェライト部は形成されたが、軟磁性フェライト部中に副生成物たるα-Feが発生したことを確認した。これは、水溶液Bにおける、酸化剤たる亜硝酸塩の濃度が高すぎるため、軟磁性フェライト部の純度が低くなったからであると推測される。
なお、上記関係式(1)を満たす実験例1-6、実験例9-10のうち、「0.1≦α/γ≦1.2」の関係式(2)を満たす実験例1-6、実験例10は、反応時間を制御することによって、軟磁性フェライト部の膜厚制御が容易であることを別の実験にて確認した。これに対して、実験例9の場合には、軟磁性フェライト部の膜厚制御がやや困難であることが別の実験で分かった。
また、カリウム(アルカリ金属)の濃度が500mmol/L以下の実験例1-6の場合には、軟磁性フェライト部の耐熱性が良好であった。これに対してカリウムの濃度が500mmol/Lよりも大きい実験例10では、軟磁性フェライト部の耐熱性が若干劣ることが別の実験で確認された。よって、軟磁性フェライト部の耐熱性を担保するためには、アルカリ金属の濃度を500mmol/L以下とすることが好ましいことが確認された。
4.実施例の効果
本実施例の複合粒子の製造方法によれば、複合粒子のフェライト部の純度を向上させることができる。
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
本発明の複合粒子は、モーターコア、トランス、チョークコイル、ノイズ吸収体等の用途に特に好適に使用される。

Claims (6)

  1. 軟磁性金属粒子の表面に軟磁性フェライト部が形成された複合粒子の製造方法であって、
    鉄イオン、及び2価の金属イオン(鉄イオンを除く)を含有する水溶液Aと、
    酸化剤としての亜硝酸塩を含有する水溶液Bと、
    軟磁性金属粒子を含有するとともに、酢酸カリウム及び酢酸アンモニウムのうちの少なくとも1種を溶解させた水溶液Cと、
    を用い、
    前記水溶液A、前記水溶液B、及び前記水溶液Cを混合して、複合粒子を製造する複合粒子の製造方法において、
    前記水溶液Aにおける、前記鉄イオン及び前記2価の金属イオンの合計濃度をαmol/Lとし、
    前記水溶液Bにおける、前記亜硝酸塩の濃度をβmol/Lとした場合に、濃度比β/αが下記式(1)を満たし、
    前記水溶液Cにおける、前記酢酸カリウム及び前記酢酸アンモニウムの合計濃度をγmol/Lとした場合に、
    濃度比α/γが下記式(2)を満たすことを特徴とする複合粒子の製造方法。

    0.05≦β/α≦0.5 …(1)
    0.1≦α/γ≦1.2 …(2)
  2. 前記水溶液A、前記水溶液B、及び前記水溶液Cを混合するに際して、前記水溶液Cに、前記水溶液Aと前記水溶液Bを混合し、
    混合の際の前記水溶液Cの温度は20℃以上100℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の複合粒子の製造方法。
  3. 前記水溶液A、前記水溶液B、及び前記水溶液Cを混合するに際して、前記水溶液Cに、前記水溶液Aと前記水溶液Bを混合し、
    混合の際の前記水溶液CのpHは6以上12以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の複合粒子の製造方法。
  4. 前記亜硝酸塩は、亜硝酸カリウム及び亜硝酸ナトリウムのうちの少なくとも1種であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の複合粒子の製造方法。
  5. 前記水溶液Aと、前記水溶液Bと、前記水溶液Cとを混合した混合液のカリウム濃度が500mmol/L以下であり、かつ
    前記水溶液Aと、前記水溶液Bと、前記水溶液Cとを混合した混合液のナトリウム濃度が500mmol/L以下であることを特徴とする請求項4に記載の複合粒子の製造方法。
  6. 前記水溶液Aと、前記水溶液Bと、前記水溶液Cとを混合した混合液に20kHz以下の超音波を印可することを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の複合粒子の製造方法。
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