JP7169112B2 - 排水性舗装の路面管理システム - Google Patents

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Description

本発明は、排水性舗装の路面を調査し管理する管理システムに関する。
道路のアスファルト舗装として、排水性舗装は、高速道路を中心に広く採用されている。排水性舗装は、下層の路盤、中層の基層、上層の表層の3層を含む舗装構造からなり、高機能舗装1型と呼ばれている。
この排水性舗装の劣化機構や破損形態に関しては、劣化要因に対する現象を再現する実験や、供用中の高速道路での調査事例などの多数の報告事例がある。
一方で、舗装道路の維持管理の課題として、現状の補修管理目標値は、排水性舗装には適用されない密粒舗装を対象としている。
しかし、密粒舗装用の補修管理目標値を、排水性舗装の管理に転用しても、排水性舗装の表面テクスチャのために、微細なひび割れの発見が極めて困難である。
排水性舗装は、耐流動性に優れ、わだち掘れが生じにくいため、劣化初期では路面変状が現れ難く、密粒舗装のように、初期段階の劣化状態を舗装道路の表面から把握することが困難である。
一方で、排水性舗装は、路面に変状が確認されると比較的短時間でポットホールなどの路面損傷へと進展する。
排水性舗装の破損は、排水基面である基層部にひび割れや施工目地が存在するとき、そのひび割れ等から基層以深への浸水が発生する。この浸水によって路盤や路床が脆弱化し、ひび割れ等から脆弱化によって発生した細粒分が噴出するポンピング現象に進展することにより、加速度的に深刻化する。
このポンピング現象が発生すると、基層部の下層に空隙が発生し、この空隙が、経年劣化によって基層部のくぼみを引き起こす。
この基層部のくぼみの発現により、滞水が発生し、これによって、舗装を構成する混合物の剥離が助長され、表・基層混合物が剥奪されるポットホールが発生する。
このように排水性舗装の劣化は、ひび割れが路面に出現した時点で、既に基層以深まで深度化している現象が散見されている。
本願出願人は、特開2018-28486で、排水性舗装の劣化因子の値を用いて排水性舗装におけるポットホールの発生リスクを段階的に判定するという発明を提案している。特開2018-28486では、少なくとも、路面性状データから算出される局所沈下量、画像データから得られる緑と赤の比率であるG/R値、および、路面形状データから算出される平均プロファイル深さであるMPDを、排水性舗装の劣化因子としている。
特開2018-28486
現状行われている路面性状を調査する方法は、解析に時間と費用を要する。このため路面性状調査の頻度は、たとえば3年に1回の頻度である。
排水性舗装の劣化特性に鑑みると、調査頻度を上げて、早期に損傷個所を抽出することができ、しかも費用を要せずに解析することができる路面管理システムの構築が望まれている。
また、排水性舗装の劣化機構を解明し、確実に劣化の進行を定量的に把握できる管理システムの構築が望まれている。
本発明は、排水性舗装の路面の劣化の進行を正確に定量的に把握できるようにし、短時間で費用を要せずに解析結果を出力できるようにすることを課題とする。
第1発明は、
車両に設けられ、排水性舗装の路面の横断方向各位置の高さを計測する横断方向高さ計測部と、
前記車両の路面縦断方向の走行位置データと前記横断方向高さ計測部で計測された路面の横断方向各位置の高さデータとに基づいて、前記車両が走行した区間の走行区間路面の各位置の高さデータを生成する走行区間路面高さデータ生成部と、
前記走行区間路面高さデータ生成部で生成された走行区間路面の各位置の高さデータに基づいて、前記走行区間路面を分割した各分割路面毎に、表面きめ深さおよび局所沈下量の演算値を求める演算部と、
前記排水性舗装で発生し得る複数種の劣化タイプ毎に、複数段階の劣化度合いが対応づけられ、各劣化タイプの各劣化度合いに対応して、表面きめ深さおよび局所沈下量それぞれの判定しきい値が記憶された記憶部と、
管理対象路面内の分割路面の表面きめ深さおよび局所沈下量の各演算値と前記記憶部に記憶された判定しきい値とを比較して、前記管理対象路面内の分割路面の表面きめ深さおよび局所沈下量の各演算値がそれぞれ判定しきい値に到達した場合に、当該判定しきい値に対応づけられた劣化タイプおよび当該劣化タイプの劣化度合いが、前記管理対象路面の劣化タイプおよび当該劣化タイプの劣化度合いであると判定する判定部と、
を備えた排水性舗装の路面管理システムであることを特徴とする。
第2発明は、第1発明において、
前記複数種の劣化タイプは、局所沈下量の増加率に比して表面きめ深さの増加率が大きい状態で劣化度合いが増大する第1の劣化タイプと、表面きめ深さの増加率に比して局所沈下量の増加率が大きい状態で劣化度合いが増大する第2の劣化タイプと、局所沈下量の増加率と表面きめ深さの増加率とが同程度である状態で劣化度合いが増大する第3の劣化タイプとからなる排水性舗装の路面管理システムである。
第3発明は、第1発明または第2発明において、
前記判定部は、前記管理対象路面内の分割路面の表面きめ深さの増加率および局所沈下量の増加率がそれぞれ判定しきい値以上になった場合に、前記管理対象路面が緊急の対処を要する劣化度合いであると判定する排水性舗装の路面管理システムである。
第4発明は、第1発明から第3発明のいずれかにおいて、
表面きめ深さおよび局所沈下量を各軸とする2次元マップ上に、複数種の劣化タイプ毎に、複数段階の劣化度合いを示す各管理区分がそれぞれ識別されて表示され、
前記判定部で判定された劣化タイプおよび当該劣化タイプの劣化度合いに対応する管理区分上に、前記管理対象路面内の分割路面の表面きめ深さおよび局所沈下量の各演算値を示す座標が表示される表示部をさらに備えた排水性舗装の路面管理システムである。
第5発明は、第4発明において、
前記走行区間路面の中から、前記管理対象路面を指示する指示部
をさらに備え、
前記判定部は、前記指示部で指示された前記管理対象路面内の分割路面の表面きめ深さおよび局所沈下量の各演算値と前記記憶部に記憶された判定しきい値とを比較して、前記管理対象路面内の分割路面の表面きめ深さおよび局所沈下量の各演算値がそれぞれ判定しきい値に到達した場合に、当該判定しきい値に対応づけられた劣化タイプおよび当該劣化タイプの劣化度合いが、前記管理対象路面の劣化タイプおよび当該劣化タイプの劣化度合いであると判定し、
前記表示部は、
前記判定部で判定された劣化タイプおよび当該劣化タイプの劣化度合いに対応する管理区分上に、前記管理対象路面の分割路面の表面きめ深さおよび局所沈下量の各演算値を示す座標を表示する排水性舗装の路面管理システムである。
第6発明は、第4発明または第5発明において、
前記2次元マップ上で、前記管理対象路面内の分割路面の表面きめ深さおよび局所沈下量の各演算値を示す座標が時系列で表示される排水性舗装の路面管理システムである。
本発明者らは、排水性舗装の劣化機構を解明した。
排水性舗装において、局所的な沈下領域が発現すると短期間でひび割れ発生からポットホールへ進展する事象を確認した。
この局所沈下領域のコアを確認すると、アスファルト最下層である上層基盤が脆弱化しており、排水性舗装の劣化初期段階では、基層以深の損傷により、劣化が進行することがわかった。
排水性舗装の劣化初期段階において、ポンピングは、基層以深から進行する劣化を捉える予兆として有効である。しかし、ポンピングをもって劣化の進行性を定量的に把握することができない。
そこで、ポットホール発生の前兆となる指標として、劣化の進行性を定量化できる局所沈下量を定義した。
また、骨材飛散を伴うひび割れの進行性を定量化できる指標として、表面きめ深さを定義した。表面きめ深さは、具体的には、平均プロファイル深さ(MPD:Mean Profile Depth)
である。
表面きめ深さにより、骨材飛散が定量化され、ひび割れの進行が定量化される。
本発明者らは、排水性舗装の各箇所の局所沈下量と表面きめ深さの推移を観測した結果、
これら局所沈下量と表面きめ深さの推移の仕方によって、複数種の劣化タイプに分類されることを解明した。そして複数種の劣化タイプ毎に、複数段階の劣化度合いのステージがあることを解明した。
したがって、各劣化タイプの各劣化度合いに対応して、表面きめ深さおよび局所沈下量それぞれの判定しきい値を記憶しておく。そして記憶された判定しきい値と管理対象路面内の表面きめ深さおよび局所沈下量と比較するという簡単な処理で、管理対象路面の現在の劣化タイプおよび当該劣化タイプの劣化度合いを容易に判定することができる。
本発明によれば、排水性舗装の路面の劣化の進行を正確に定量的に把握できるようになり、短時間で費用を要せずに解析結果を出力することができる。
図1は、排水性舗装の路面管理システムを示す機能ブロック図である。 図2は、路面管理システムの一部の構成要素が組み込まれた車両の側面図である。 図3は実施形態に適用される光切断法を説明する斜視図である。 図4は、路面の横断方向各位置の高さデータを例示するグラフである。 図5は、局所沈下量を説明する図である。 図6(a)、図6(b)は、表面きめ深さとしての平均プロファイル深さとしてのMPDを説明する図である。 図7(a)は、走行区間路面を分割した各分割路面それぞれについて算出されたMPDの数値の一例を示した図で、 図7(b)は、図7(a)に示すA-A´断面の局所沈下量を示す図である。 図8は、各箇所の管理対象路面の局所沈下量と表面きめ深さとしてのMPDの推移を時系列で示す2次元マップである。 図9は、各箇所の管理対象路面の局所沈下量と表面きめ深さとしてのMPDの推移を時系列で示す2次元マップである。 図10は、各箇所の管理対象路面の局所沈下量と表面きめ深さとしてのMPDの推移を時系列で示す2次元マップである。 図11は、各箇所の管理対象路面の局所沈下量と表面きめ深さとしてのMPDの推移を時系列で示す2次元マップである。 図12は、管理対象路面P1について、0日から980日までの局所沈下量と表面きめ深さとしてのMPD の推移を時系列で示した図である。 図13は、管理対象路面P2について、0日から980日までの局所沈下量と表面きめ深さとしてのMPD の推移を時系列で示した図である。 図14は、管理対象路面P3について、0日から980日までの局所沈下量と表面きめ深さとしてのMPD の推移を時系列で示したものである。 図15は、路面管理を行うための路面管理2次元マップである。 図16は、表面損傷型の危険度(劣化度合い)と管理基準値(判定しきい値)と路面管理2次元マップ上の管理区分との関係を示した図である。 図17は、内部損傷型の危険度(劣化度合い)と管理基準値(判定しきい値)と路面管理2次元マップ上の管理区分との関係を示した図である。 図18は、複合損傷型の危険度(劣化度合い)と管理基準値(判定しきい値)と路面管理2次元マップ上の管理区分との関係を示した図である。 図19は、表示部の表示画面の表示例を示す図である。 図20は、表示部の表示画面の表示例を示す図である。 図21は、表示部の表示画面の表示例を示す図である。 図22は、表示部の表示画面の表示例を示す図である。 図23は、表示部の表示画面の表示例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明に係る排水性舗装の路面管理システムの実施の形態について説明する。
(排水性舗装の路面管理システムの構成)
図1は、排水性舗装の路面管理システム100を示す機能ブロック図である。
図2は、路面管理システム100の一部の構成要素が組み込まれた車両10の側面図である。
排水性舗装の路面管理システム100は、車両10に設けられた横断方向高さ計測部11および走行位置測定部12と、車両10の外部に設けられた各機能部とから構成される。車両10の外部に設けられた各機能部は、制御部39と、走行区間路面高さデータ生成部31と、演算部32と、記憶部33と、判定部34と、指示部35と、表示部36とで構成される。
制御部39、走行区間路面高さデータ生成部31、演算部32、記憶部33、判定部34と、指示部35、表示部36、パーソナルコンピュータのハードウェアおよびソフトウェアで構成される。
制御部39は、上記パーソナルコンピュータ内で行われる各処理を制御する。
記憶部33は、少なくとも本実施形態に用いられるデータを記憶するものであり、上記パーソナルコンピュータの動作に必要なプログラムおよび作成され編集された各種ファイルを記憶する。
指示部35は、少なくとも本実施形態で行われる指示を行うための入力インターフェースであり、例えばキーボード、マウス、タッチパネルである。
表示部36は、少なくとも本実施形態で行われる表示を行うための表示画面37を備えたディスプレイである。
車両10に設けられた横断方向高さ計測部11で計測されたデータおよび走行位置測定部12で測定されたデータは、記憶媒体を介して、あるいはインターネットなどの情報通信手段を介して、上記パーソナルコンピュータに取り込まれる。なお、制御部39、走行区間路面高さデータ生成部31、演算部32、記憶部33、判定部34、指示部35、表示部36の一部あるいはすべてを車両10に搭載する実施も可能である。
横断方向高さ計測部11は、排水性舗装の路面の横断方向各位置の高さを計測する。排水性舗装の路面の横断方向各位置の高さは、光切断法を用いて取得される。
図3は実施形態に適用される光切断法を説明する斜視図である。
図2と図3を併せて説明する。
横断方向高さ計測部11は、スリットレーザ発振器13と、エリアカメラ14とを含んで構成される。スリットレーザ発振器13と、エリアカメラ14は、車両10の屋上の後方に取り付けられている。
スリットレーザ発振器13は、スリットレーザ21を発振する。スリットレーザ発振器13は、車両10の進行方向22に対して直交する路面の横断方向23に平行となるスリット状のレーザ21を、路面に対して垂直に上方から照射できるように車両10に取り付けられている。路面上には、スリットレーザ21の照射によって、路面の横断方向23に平行な線状のマーカ24が形成される。
エリアカメラ14は、線状のマーカ24が撮影エリア25内に収まるように、路面に対して斜めな方向から撮影できるように車両10に取り付けられている。
したがって光切断法の原理にしたがい、エリアカメラ14は、路面の横断方向に沿って路面が平坦であれば、線状のマーカ24を直線として撮影し、路面の横断方向に沿って路面に凹凸であれば、線状のマーカ24を凹凸がある歪んだものとして撮影する。
エリアカメラ14は、輝度情報を取得することができる。取得された輝度情報は、路面の領域の判別などに用いられる。
横断方向高さ計測部11は、線状のマーカ24を撮影したデータに基づいて排水性舗装の路面の横断方向各位置の高さを計測する。
走行位置測定部12は、たとえばGPS(グローバル・ポジショニング・システム)と、車速センサとから構成され、車両10の路面縦断方向の走行位置データを測定する。
走行区間路面高さデータ生成部31は、車両10の路面縦断方向の走行位置データと横断方向高さ計測部11で計測された路面の横断方向各位置の高さデータとに基づいて、車両10が走行した区間の走行区間路面の各位置の高さデータを生成する。
図4は、路面の横断方向各位置の高さデータを例示するグラフである。たとえば、路面の横断方向の高さの平均値を基準高さとして0mmに設定する。図4のグラフでは、例えば、70mmを基準高さ0mmとする。図4に示す路面の横断方向各位置の高さデータを、路面の縦断方向に沿って、車両10の路面縦断方向の走行位置データに従い所定のピッチで取得する。そして、取得した路面の横断方向各位置の高さデータを路面の縦断方向に沿って結合することにより、車両10が走行した区間の走行区間路面の各位置の高さデータを生成することができる。
ここで、表面きめ深さおよび局所沈下量を以下のように定義する。
本実施形態では、ポットホール発生の前兆となる指標として、劣化の進行性を定量化できる局所沈下量を定義する。
図5は、局所沈下量を説明する図であり、実線は、評価地点における路面横断方向の路面形状を示している。
局所沈下量は、評価地点のわだち掘れ量を代表わだち掘れ量から差分した局所的な相対わだち掘れ量として定義される。
本実施形態では、代表わだち掘れ量として、評価地点から前後10mの路面縦断区間におけるわだち掘れ量の中央値を採用する。破線は、評価地点から前後10mの路面縦断区間における路面横断方向の代表路面形状を示している。
本実施形態では、骨材飛散を伴うひび割れの進行性を定量化できる指標として、表面きめ深さを定義する。表面きめ深さは、具体的には、平均プロファイル深さ(MPD:Mean Profile Depth)である。
図6(a)、図6(b)は、表面きめ深さとしての平均プロファイル深さ(以下、MPDという)を説明する図である。
図6(a)は、走行区間路面を横断方向20cm、縦断方向20cmのメッシュに分割した分割路面40を示す。
分割路面40におけるMPDは、たとえば縦断方向に5mmのピッチ毎に、横断方向に沿った区間50におけるMPDを算出し、20本の区間50・・・50をそれぞれについて算出された各MPD値を平均することにより求められる。
すなわち、20本の区間50、50・・・50それぞれのMPD を演算し(MPD1、MPD2・・・MPD20)、これら20個のMPD1、MPD2・・・MPD20の平均値を、分割路面40におけるMPDとする(MPD=MPD1+MPD2+・・・+MPD20)/20)。
各区間50におけるMPD (MPD1、MPD2・・・MPD20)は、図6(b)に示すように、区間50におけるプロファイルの回帰直線(破線で示す)とピーク高さ(実線で示す)との差として算出される。
演算部32は、走行区間路面高さデータ生成部31で生成された走行区間路面の各位置の高さデータに基づいて、走行区間路面を分割した各分割路面40毎に、表面きめ深さとしてのMPDおよび局所沈下量を演算する。
図7(a)は、走行区間路面60を分割した各分割路面40それぞれについて算出されたMPDの数値の一例を示している。各分割路面40を示す矩形内に、算出されたMPDの数値を表示している。
図7(b)は、図7(a)に示すA-A´横断面の局所沈下量を示す。
本実施形態では、局所沈下量が所定の規定値、たとえば7mm以上となっている分割路面40が集合された路面を、管理対象路面Pとし、管理対象路面Pを管理すべき箇所とする。
以下では、管理対象路面Pの局所沈下量と表面きめ深さとしてのMPDは、その管理対象路面Pに含まれる各分割路面40の中で最大値を示している局所沈下量と表面きめ深さとしてのMPDの値を用いる。たとえば、図7(a)、(b)において、分割路面40´の局所沈下量の数値が最大値を示し、分割路面40´´の表面きめ深さとしてのMPDの数値(5.14)が最大値を示しているから、管理対象路面Pの局所沈下量と表面きめ深さとしてのMPDは、それぞれ分割路面40´、分割路面40´´の数値を用いる。
図7(a)では、管理対象路面Pの外枠を黒枠で示している。
以下では、管理対象路面を特定するときは、符号Pに番号を付与し、P1、P2、P3・・とする。
(排水性舗装の劣化機構の解明)
本発明者らは、排水性舗装の各箇所の局所沈下量と表面きめ深さとしてのMPDの推移を観測した結果、これら局所沈下量と表面きめ深さとしてのMPDの推移の仕方によって、路面の損傷が複数種の劣化タイプに分類されることを解明した。そして、複数種の劣化タイプ毎に、複数段階の劣化度合いのステージがあることを解明した。
以下に示す図8、図9、図10、図11は、34箇所の管理対象路面P1、P2、P3・・の局所沈下量と表面きめ深さとしてのMPDの推移を時系列で示す。
34箇所の管理対象路面P1、P2、P3・・は、ポットホール発生に対して応急措置が実施された箇所を参考に、局所沈下量が50mm、40mm、30mm、20mmに達している箇所の中から無作為に抽出して選定した。
図8、図9、図10、図11はそれぞれ、局所沈下量を横軸(単位mm)とし、表面きめ深さとしてのMPDを縦軸とする2次元マップであり、座標原点は、局所沈下量が25mmに、表面きめ深さとしてのMPDが3.5に設定されている。2次元マップ上に、管理対象路面P1、P2、P3・・の表面きめ深さとしてのMPDおよび局所沈下量を示す座標が表示されている。
図11は、管理対象路面P1、P2、P3それぞれについて劣化進行が著しくなった時点、つまりポットホール発生に対する応急措置直前の時点(980日経過時点)の管理対象路面P1、P2、P3・・の推移を示している。
図8は、図11の時点から980日前の管理対象路面P1、P2、P3・・の推移を示している。図9は、図11の時点から690日前の管理対象路面P1、P2、P3・・の推移を示している。図10は、図11の時点から10日前の管理対象路面P1、P2、P3・・の推移を示している。
これら図8、図9、図10、図11からわかるように、局所沈下量、表面きめ深さとしてのMPD ともに、ある時期までは小さな値を示しており、2次元マップの図中左下に管理対象路面P1、P2、P3・・のプロットが集まっている。
しかし、評価指標局である局所沈下量、表面きめ深さとしてのMPDが増大し始めると、時間経過とともに、各管理対象路面P1、P2、P3・・のプロットは、様々な進行を辿り、散在しながら2次元マップ上を図中右上に移動する。
また、34 箇所について、評価指標である局所沈下量、表面きめ深さとしてのMPDの値の変化を確認した結果、局所沈下量が25mm、表面きめ深さとしてのMPD が3.5 を超過するまでは路面の劣化の進行が滞留し、これらの値(局所沈下量が25mm、表面きめ深さとしてのMPD が3.5)を超過すると、局所沈下量、表面きめ深さとしてのMPD いずれかが増加傾向を示すことを確認した。
以上の観察結果と考察からポットホール発生の危険性は、局所沈下量と表面きめ深さとしてのMPD を組合せることで、評価できると考えた。
つぎに、図11の時点で劣化進行が著しい3箇所の管理対象路面P1、P2、P3それぞれについて個別に劣化進行特性を確認した。
図12、図13、図14はそれぞれ、図8、図9、図10、図11に示したのと同様の2次元マップ上に、管理対象路面P1、P2、P3の推移を個別に示したものである。
図12は、管理対象路面P1について、0日から980日までの局所沈下量と表面きめ深さとしてのMPD の推移を時系列で示したものである。
図13は、管理対象路面P2について、0日から980日までの局所沈下量と表面きめ深さとしてのMPD の推移を時系列で示したものである。
図14は、管理対象路面P3について、0日から980日までの局所沈下量と表面きめ深さとしてのMPD の推移を時系列で示したものである。
ポットホールの発生は、路面の劣化進行が急変した兆候を捉えることが肝要となる。よって路面の劣化進行速度を確認するために測定間隔を10日とし、中間点の値を比例計算で補完してプロットした。したがってプロット間の距離が長いほど、急激に路面の劣化が進行したことを示している。また、プロットの大きさは、損傷面積の大きさに比例している。
図8、図9、図10、図11を用いて説明した考察と、代表例として路面劣化の著しい3箇所の管理対象路面P1、P2、P3を含む34箇所それぞれの劣化進行を解析した結果、排水性舗装の路面の劣化タイプを次の3つに定義した。
(1)表面損傷型(管理対象路面P1:図12、 図11のプロット▲)
表面損傷型とは、局所沈下量の増加率に比して表面きめ深さとしてのMPDの増加率が大きい状態で劣化度合いが増大する第1の劣化タイプである。
表面損傷型は、表面きめ深さとしてのMPD の増加が先行して路面の劣化が進行する。路面表面の劣化である骨材飛散やひび割れが主要因で劣化が進行するが、局所沈下量の増大を引き金にポットホールへと進展する。路面の表面側から損傷が進行するため、損傷面積は比較的大きい。局所沈下量が比較的小さい場合においても表面損傷が進行する希少な症例であり、この劣化タイプを解明したのは有用な知見である。
(2)内部損傷型(管理対象路面P2:図13、 図11のプロット□)
内部損傷型とは、表面きめ深さとしてのMPDの増加率に比して局所沈下量の増加率が大きい状態で劣化度合いが増大する第2の劣化タイプである。
内部損傷型は、局所沈下量の増加が先行して路面の劣化が進行する。基層以深の舗装体内部の損傷が主要因で劣化進行が進行し、局所沈下量が25mmを超過するとひび割れが顕在化し、表面きめ深さとしてのMPDが増大し、ポットホールへと進展する。基層以深から損傷が進行するため、表層で確認される損傷面積は、表面損傷型よりも小さい。
(3)複合損傷型(管理対象路面P3:図14、 図11のプロット◆)
複合損傷型とは、局所沈下量の増加率と表面きめ深さとしてのMPDの増加率とが同程度である状態で劣化度合いが増大する第3の劣化タイプである。
複合損傷型は、局所沈下量と表面きめ深さとしてのMPDとが同時に増大して路面の劣化が進行する。路面の劣化の進行速度を示すプロット間の距離が他の劣化タイプに比べて最短経路であることから、最も警戒すべき劣化形態である。900日を経過までは局所沈下量、表面きめ深さとしてのMPD 、損傷面積の値は、ともに小さく、損傷の進行性は、確認されない。しかし、900日~980 日経過までの間で損傷が著しく進行していることがわかる。
つぎに、局所沈下量と表面きめ深さとしてのMPD の増加速度を定量化するために、測定間隔日数で評価結果を除した進行速度(mm/day、/day)を設定した。
応急措置直前の進行速度のみが、それまでの進行速度を逸脱し、1 週間という短期間で急増していることがわかる。これは、それまでの進行速度の95%信頼区間の上限値を超過した「外れ値」であり、ポットホール発生の危険サインを示している。この指標は、特に緊急性を要する箇所の抽出に有用となる。
進行速度のしきい値については、抽出箇所のうち、局所沈下量が25mm、表面きめ深さとしてのMPDが3.5を超過した箇所の平均値から、局所沈下量を1.0mm/day
、表面きめ深さとしてのMPDを0.1/dayに設定した。
図15は、路面管理を行うための路面管理2次元マップであり、表面きめ深さとしてのMPDおよび局所沈下量を各軸とする2次元マップ上に、上述した複数種の劣化タイプ(表面損傷型、内部損傷型、複合損傷型)毎に、複数段階の劣化度合い(観察C、注意B1、B2、要注意A)を示す各管理区分がそれぞれ識別されて表示されている。
図15に示す路面管理2次元マップは、図8乃至図14と同様に、局所沈下量を横軸(単位mm)とし、表面きめ深さとしてのMPDを縦軸とし、座標原点は、局所沈下量が25mmに、表面きめ深さとしてのMPDが3.5に設定されている。この路面管理2次元マップ上の図中左下の第3象限を「観察C」という管理区分に設定し、図中右下の第4象限を「注意B1(内部損傷型)」という管理区分に設定し、図中左上の第2象限を「注意B2(表面損傷型)」という管理区分に設定し、図中右上の第1象限を「要注意A」という管理区分に設定する。
各管理対象路面P1、P2、P3・・の表面きめ深さとしてのMPDおよび局所沈下量を示す座標を、定期的にプロットすることで、両評価指標の増加傾向や、劣化タイプを分類することができ、ポットホール発生箇所を特定して予測することが可能となる。
図16は、表面損傷型の危険度(劣化度合い)と管理基準値(判定しきい値)と路面管理2次元マップ上の管理区分との関係を示している。
表面損傷型では、MPD <3.5(局所沈下量<25mm)という管理区分に入っているときに、「観察C」という危険度(劣化度合い)であると判定する。このとき路面では、骨材飛散と微細なひび割れが発生している。
表面損傷型では、MPD≧3.5(局所沈下量<25mm)という管理区分に入っているときに、「注意B2」という危険度(劣化度合い)であると判定する。このとき路面では、骨材飛散の拡大とともにひび割れが顕在化している。
表面損傷型では、MPD≧3.5、局所沈下量≧25mmという管理区分に入っているときに、「要注意A」という危険度(劣化度合い)であると判定する。このとき路面では、骨材飛散を伴うひび割れが増大し、局所沈下量が増加している。
表面損傷型では、図16中、矢印で示すように、表面きめ深さとしてのMPDおよび局所沈下量を示す座標が、路面管理2次元マップ上を図中左下の第3象限の「観察C」から図中左上の第2象限の「注意B2(表面損傷型)」を経て図中右上の第1象限の「要注意A」に至るという時系列で推移する。
図17は、内部損傷型の危険度(劣化度合い)と管理基準値(判定しきい値)と路面管理2次元マップ上の管理区分との関係を示している。
内部損傷型では、局所沈下量<25mm(MPD <3.5)という管理区分に入っているときに、「観察C」という危険度(劣化度合い)であると判定する。このとき路面では、わだち掘れが進行し、局所的に微小なくぼみが発生している。
内部損傷型では、局所沈下量≧25mm(MPD <3.5)という管理区分に入っているときに、「注意B1」という危険度(劣化度合い)であると判定する。このとき路面では、基層以深の損傷が進行し、局所沈下量が増加している。
内部損傷型では、局所沈下量≧25mm、MPD≧3.5という管理区分に入っているときに、「要注意A」という危険度(劣化度合い)であると判定する。このとき路面では、局所沈下量が増加し、亀甲状のひび割れが顕在化している。
内部損傷型では、図17中、矢印で示すように、表面きめ深さとしてのMPDおよび局所沈下量を示す座標が、路面管理2次元マップ上を図中左下の第3象限の「観察C」から図中右下の第4象限の「注意B1(内部損傷型)」を経て図中右上の第1象限の「要注意A」に至るという時系列で推移する。
図18は、複合損傷型の危険度(劣化度合い)と管理基準値(判定しきい値)と路面管理2次元マップ上の管理区分との関係を示している。
複合損傷型では、局所沈下量<25mm(MPD <3.5)という管理区分に入っているときに、「観察C」という危険度(劣化度合い)であると判定する。このとき路面では、骨材飛散と微細なひび割れが発生し、局所的に微小なくぼみが発生している。
複合損傷型では、局所沈下量≧25mm、MPD≧3.5という管理区分に入っているときに、「要注意A」という危険度(劣化度合い)であると判定する。このとき路面では、局所沈下量と骨材飛散を伴うひび割れが同時進行している。
危険度Aの要注意領域に達した場合には、局所沈下量と表面きめ深さとしてのMPDという両評価指標に進行速度という指標を付加することにより、ポットホール発生を未然に応急措置すべき箇所として抽出することができる。すなわち、進行速度が、局所沈下量≧1.0mm/day、MPD≧0.1/dayになったときは、複合損傷型という劣化タイプの緊急AAという劣化度合いであると判定する。緊急AAとは、要注意領域に達し、局所沈下量とMPDの進行速度が加速している状態である。
複合損傷型では、図18中、矢印で示すように、表面きめ深さとしてのMPDおよび局所沈下量を示す座標が、路面管理2次元マップ上を図中左下の第3象限の「観察C」から図中右上の第1象限の「要注意A」に至るという時系列で推移する。
記憶部33には、排水性舗装で発生し得る複数種の劣化タイプ(表面損傷型、内部損傷型、複合損傷型)毎に、複数段階の劣化度合い(観察C、注意B1、B2、要注意A、緊急AA)が対応づけられ、各劣化タイプの各劣化度合いに対応して、表面きめ深さとしてのMPDおよび局所沈下量それぞれの判定しきい値(管理基準値)が記憶されている。
パーソナルコンピュータの操作者は、走行区間路面の中から、管理対象路面Pを指示する。
判定部34は、演算部32で演算された管理対象路面P内の分割路面40の表面きめ深さとしてのMPDおよび局所沈下量の各演算値と記憶部33に記憶された判定しきい値(管理基準値)とを比較する処理を実行する。管理対象路面P内の分割路面40の表面きめ深さとしてのMPDおよび局所沈下量の各演算値がそれぞれ判定しきい値(管理基準値)に到達した場合に、当該判定しきい値(管理基準値)に対応づけられた劣化タイプおよび当該劣化タイプの劣化度合いが、管理対象路面Pの劣化タイプおよび当該劣化タイプの劣化度合いであると判定する。
また判定部34は、管理対象路面P内の分割路面40の表面きめ深さとしてのMPDの増加率(進行速度:/day)および局所沈下量の増加率(進行速度:mm/day)がそれぞれ判定しきい値(管理基準値::MPD≧0.1/day、局所沈下量≧1.0mm/day)以上になったか否かを判定する。管理対象路面P内の分割路面40の表面きめ深さとしてのMPDの増加率(進行速度:/day)および局所沈下量の増加率(進行速度:mm/day)がそれぞれ判定しきい値(管理基準値::MPD≧0.1/day、局所沈下量≧1.0mm/day)以上になった場合には、管理対象路面Pが緊急の対処を要する劣化度合い(緊急AA)であると判定する。
表示部36は、図15に示される表面きめ深さとしてのMPDおよび局所沈下量を各軸とする路面管理2次元マップ上に、複数種の劣化タイプ毎に、複数段階の劣化度合いを示す各管理区分をそれぞれ識別して表示する。
そして表示部36は、判定部34で判定された劣化タイプおよび当該劣化タイプの劣化度合いに対応する管理区分上に、管理対象路面P内の分割路面の表面きめ深さとしてのMPDおよび局所沈下量の各演算値を示す座標を表示する。
たとえば管理対象路面Pの局所沈下量と表面きめ深さとしてのMPDを測定する間隔、つまり路面管理2次元マップ上のプロットの間隔は、例えば10日間という間隔に設定され、自動解析にて速やかに結果が出力され、クラウドにアップロードされる。
解析結果は、たとえば図7(a)、(b)に示したのと同様のものである。表示部36の表示画面37には、走行区間路面60を分割した各分割路面40それぞれについて算出されたMPDの数値が、各分割路面40を示す矩形内に表示される(図7(a))。また縦断面方向に沿って所定のピッチ(たとえば20cm)毎に、局所沈下量の横断プロファイルが表示される(図7(b))。そして、局所沈下量が所定の規定値、たとえば7mm以上となっている分割路面40が集合された路面が、管理対象路面Pとして表示される(図7(a))。
なお、図7(a)に示す各分割路面40を示す画像に、走行区間路面60の可視画像ないしは高さ情報の画像を重ね合わせて表示してもよい。可視画像ないしは高さ情報の画像は、路面の高さを明暗の諧調で示す画像である。明暗の情報と各分割路面40それぞれのMPDの数値および局所沈下量の数値とを対比させることで、ポットホール発生箇所等劣化箇所を特定することができる。
図19は、表示部36の表示画面37の表示例を示す。
パーソナルコンピュータの操作者が、管理対象路面P1、P2、P3、P4、P5を指示すると、表示部36の表示画面37には、管理対象路面P1、P2、P3、P4、P5が地図情報とともに表示される。表示部36の表示画面37には、管理対象路面P1、P2、P3、P4、P5それぞれの劣化度合いが表示される。
図20は、表示部36の表示画面37の表示例を示す。
パーソナルコンピュータの操作者が、図19に示す表示画面37上で管理対象路面P3を指示すると、表示部36の表示画面37には、図20に示すように管理対象路面P3の局所沈下量と表面きめ深さとしてのMPDの過去の座標の履歴が表示される。管理対象路面P3の局所沈下量と表面きめ深さとしてのMPDの座標が時系列T1、T2、T3、T4、T5で、図15に示す路面管理2次元マップ上に表示される。
これにより現在時点T5で、管理対象路面P3が「複合損傷型」という劣化タイプで「緊急AA」という劣化度合いであることを認識することができる。
またT3ないしはT4の時点で、管理対象路面P3が「複合損傷型」という劣化タイプで「要注意A」という劣化度合いであることを認識することができる。このため、そのT3ないしはT4の時点で、複合損傷型の路面損傷に応じて応急措置ではない適切な措置を取ることができる。
図21は、表示部36の表示画面37の表示例を示す。
パーソナルコンピュータの操作者が、図19に示す表示画面37上で管理対象路面P1を指示すると、表示部36の表示画面37には、図21に示すように管理対象路面P1の局所沈下量と表面きめ深さとしてのMPDの過去の座標の履歴が表示される。管理対象路面P1の局所沈下量と表面きめ深さとしてのMPDの座標が時系列T1、T2、T3、T4、T5で、図15に示す路面管理2次元マップ上に表示される。
これにより現在時点T5で、管理対象路面P1が「表面損傷型」という劣化タイプで「要注意A」という劣化度合いであることを認識することができる。
またT2ないしはT3ないしはT4の時点で、管理対象路面P1が「表面損傷型」という劣化タイプで「注意B2」という劣化度合いであることを認識することができる。このため、そのT2ないしはT3ないしはT4の時点で、表面損傷型の路面損傷に応じて事前に適切な措置を取ることができる。
図22は、表示部36の表示画面37の表示例を示す。
パーソナルコンピュータの操作者が、図19に示す表示画面37上で管理対象路面P2を指示すると、表示部36の表示画面37には、図22に示すように管理対象路面P2の局所沈下量と表面きめ深さとしてのMPDの過去の座標の履歴が表示される。管理対象路面P2の局所沈下量と表面きめ深さとしてのMPDの座標が時系列T1、T2、T3、T4、T5で、図15に示す路面管理2次元マップ上に表示される。
これにより現在時点T5で、管理対象路面P2が「内部損傷型」という劣化タイプで「要注意A」という劣化度合いであることを認識することができる。
またT2の時点で、管理対象路面P2が「内部損傷型」という劣化タイプで「注意B1」という劣化度合いであることを認識することができる。このため、そのT2の時点で、内部損傷型の路面損傷に応じて事前に適切な措置を取ることができる。
図23は、表示部36の表示画面37の表示例を示す。
管理対象路面Pを個別に表示することなく、現時点での管理対象路面P(たとえば局所沈下量が7mm以上になっている路面)を一括して表示する実施も可能である。
パーソナルコンピュータの操作者が、表示画面37上で「路面管理2次元マップの表示」を指示する。すると、表示部36の表示画面37には、図23に示すように全ての管理対象路面P1、P2、P3、P4、P5の局所沈下量と表面きめ深さとしてのMPDの座標が、図15に示す路面管理2次元マップ上に表示される。
これにより現在時点T5で、管理対象路面P1が「表面損傷型」という劣化タイプで「要注意A」という劣化度合いであることを認識することができる。また、現在時点T5で、管理対象路面P2が「内部損傷型」という劣化タイプで「要注意A」という劣化度合いであることを認識することができる。また、管理対象路面P3が「複合損傷型」という劣化タイプで「緊急AA」という劣化度合いであることを認識することができる。また、管理対象路面P4が「観察C」という劣化度合いであることを認識することができる。また、管理対象路面P5が「内部損傷型」という劣化タイプで「注意B1」という劣化度合いであることを認識することができる。
このため各箇所の路面損傷を、各損傷型に応じて効率的に適切な措置を取ることができる。
以上のように実施形態によれば、
(1) 現状の路面損傷の危険度を正確に把握することができ、点検注視箇所や、各箇所の劣化タイプが「点検前」に正確に把握することができる。
(2) 補修計画時に、現状の路面損傷の危険度を正確に確認することができ、工事対象箇所のチェックや、実施優先順位の見直しを正確に行うことができる。
(3)補修計画時において、劣化タイプと劣化度合いに応じて、補修工法の選定を適切に行うことができる。たとえば路面損傷が表面損傷型であれば、クラックシールを事前に適用することができ、路面損傷が重度であれば表面処理工法を事前に適用することができる。また路面損傷が内部損傷型、複合損傷型であれば、部分打換工を事前に適用することができ、路面損傷が重度で損傷面積が大きい場合には切削オーバーレイを事前に適用することができる。
本実施形態によれば、各劣化タイプの各劣化度合いに対応して、表面きめ深さとしてのMPDおよび局所沈下量それぞれの判定しきい値を記憶しておく。そして、記憶された判定しきい値と管理対象路面P内の表面きめ深さとしてのMPDおよび局所沈下量と比較する。このような簡単な処理で、管理対象路面Pの現在の劣化タイプおよび当該劣化タイプの劣化度合いを容易に判定することができる。
したがって実施形態によれば、排水性舗装の路面の劣化の進行を正確に定量的に把握できるようになり、短時間で費用を要せずに解析結果を出力することができる。このため管理対象路面Pの局所沈下量と表面きめ深さとしてのMPDを測定する間隔を、たとえば10日間という短い間隔に設定することができる。
100 路面管理システム
10 車両
11 横断方向高さ計測部
12 走行位置測定部
31 走行区間路面高さデータ生成部
32 演算部
33 記憶部
34 判定部
35 指示部
36 表示部

Claims (5)

  1. 車両に設けられ、排水性舗装の路面の横断方向各位置の高さを計測する横断方向高さ計測部と、
    前記車両の路面縦断方向の走行位置データと前記横断方向高さ計測部で計測された路面の横断方向各位置の高さデータとに基づいて、前記車両が走行した区間の走行区間路面の各位置の高さデータを生成する走行区間路面高さデータ生成部と、
    前記走行区間路面高さデータ生成部で生成された走行区間路面の各位置の高さデータに基づいて、前記走行区間路面を分割した各分割路面毎に、表面きめ深さおよび局所沈下量の演算値を求める演算部と、
    前記排水性舗装で発生し得る複数種の劣化タイプであって、局所沈下量の増加率に比して表面きめ深さの増加率が大きい状態で劣化度合いが増大する表面損傷型と、表面きめ深さの増加率に比して局所沈下量の増加率が大きい状態で劣化度合いが増大する内部損傷型と、局所沈下量の増加率と表面きめ深さの増加率とが同程度である状態で劣化度合いが増大する複合損傷型毎に、複数段階の劣化度合いであって、「観察」、「注意(表面損傷型)」、「注意(内部損傷型)」、「要注意」が対応づけられ、前記「観察」、前記「注意(表面損傷型)」、前記「注意(内部損傷型)」、前記「要注意」の各劣化度合いに対応して、表面きめ深さおよび局所沈下量それぞれの第1判定しきい値、第2判定しきい値が記憶された記憶部と、
    管理対象路面内の分割路面の表面きめ深さおよび局所沈下量の各演算値と前記記憶部に記憶された前記第1判定しきい値、前記第2判定しきい値とを比較して、
    表面きめ深さおよび局所沈下量の各演算値が、表面きめ深さが前記第1判定しきい値より低く、かつ局所沈下量が前記第2判定しきい値よりも低くなっている管理区分にあるときは、前記表面損傷型、前記内部損傷型、前記複合損傷型のいずれかの前記「観察」の劣化度合いであると判定し、
    表面きめ深さおよび局所沈下量の各演算値が、表面きめ深さが前記第1判定しきい値以上で、かつ局所沈下量が前記第2判定しきい値よりも低くなっている管理区分にあるときは、前記表面損傷型の前記「注意(表面損傷型)」の劣化度合いであると判定し、
    表面きめ深さおよび局所沈下量の各演算値が、表面きめ深さが前記第1判定しきい値より低く、かつ局所沈下量が前記第2判定しきい値以上となっている管理区分にあるときは、前記内部損傷型の前記「注意(内部損傷型)」の劣化度合いであると判定し、
    表面きめ深さおよび局所沈下量の各演算値が、表面きめ深さが前記第1判定しきい値以上で、かつ局所沈下量が前記第2判定しきい値以上となっている管理区分にあるときは、前記表面損傷型、前記内部損傷型、前記複合損傷型のいずれかの前記「要注意」の劣化度合いであると判定する判定部と、
    を備えたことを特徴とする排水性舗装の路面管理システム。
  2. 前記判定部は、表面きめ深さおよび局所沈下量の各演算値が、表面きめ深さが前記第1判定しきい値以上で、かつ局所沈下量が前記第2判定しきい値以上となっている管理区分にあるときは、前記管理対象路面が緊急の対処を要する劣化度合いであると判定する請求項に記載の排水性舗装の路面管理システム。
  3. 表面きめ深さおよび局所沈下量を各軸とする2次元マップ上に、前記「観察」、前記「注意(表面損傷型)」、前記「注意(内部損傷型)」、前記「要注意」の各劣化度合いを示す各管理区分がそれぞれ識別されて表示され、
    前記判定部で判定された前記「観察」、前記「注意(表面損傷型)」、前記「注意(内部損傷型)」、前記「要注意」の劣化度合いに対応する管理区分上に、前記管理対象路面内の分割路面の表面きめ深さおよび局所沈下量の各演算値を示す座標が表示される表示部をさらに備えた
    請求項1又は2に記載の排水性舗装の路面管理システム。
  4. 前記走行区間路面の中から、前記管理対象路面を指示する指示部
    をさらに備え、
    前記判定部は、前記指示部で指示された前記管理対象路面内の分割路面の表面きめ深さおよび局所沈下量の各演算値と前記記憶部に記憶された前記第1判定しきい値、前記第2判定しきい値とを比較して、
    表面きめ深さおよび局所沈下量の各演算値が、表面きめ深さが前記第1判定しきい値より低く、かつ局所沈下量が前記第2判定しきい値よりも低くなっている管理区分にあるときは、前記表面損傷型、前記内部損傷型、前記複合損傷型のいずれかの前記「観察」の劣化度合いであると判定し、
    表面きめ深さおよび局所沈下量の各演算値が、表面きめ深さが前記第1判定しきい値以上で、かつ局所沈下量が前記第2判定しきい値よりも低くなっている管理区分にあるときは、前記表面損傷型の前記「注意(表面損傷型)」の劣化度合いであると判定し、
    表面きめ深さおよび局所沈下量の各演算値が、表面きめ深さが前記第1判定しきい値より低く、かつ局所沈下量が前記第2判定しきい値以上となっている管理区分にあるときは、前記内部損傷型の前記「注意(内部損傷型)」の劣化度合いであると判定し、
    表面きめ深さおよび局所沈下量の各演算値が、表面きめ深さが前記第1判定しきい値以上で、かつ局所沈下量が前記第2判定しきい値以上となっている管理区分にあるときは、前記表面損傷型、前記内部損傷型、前記複合損傷型のいずれかの前記「要注意」の劣化度合いであると判定し、
    前記表示部は、
    前記判定部で判定された前記「観察」、前記「注意(表面損傷型)」、前記「注意(内部損傷型)」、前記「要注意」の劣化度合いに対応する管理区分上に、前記管理対象路面の分割路面の表面きめ深さおよび局所沈下量の各演算値を示す座標を表示する
    請求項に記載の排水性舗装の路面管理システム。
  5. 前記2次元マップ上で、前記管理対象路面内の分割路面の表面きめ深さおよび局所沈下量の各演算値を示す座標が時系列で表示される
    請求項またはに記載の排水性舗装の路面管理システム。
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