JP7168821B1 - 熱膨張性マイクロカプセル - Google Patents
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Abstract
Description
熱膨張性マイクロカプセルとしては、熱可塑性シェルポリマーの中に、シェルポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる揮発性膨張剤が内包されているものが広く知られている。
また、特許文献2には、表面にワックスが付着した熱膨張性微小球を含有する接着剤組成物用改質材が開示されている。
本開示2は、アセタール基を有する化合物がポリビニルアセタール樹脂である、本開示1記載の熱膨張性マイクロカプセルである。
本開示3は、ポリビニルアセタール樹脂がポリビニルブチラール樹脂である、本開示2記載の熱膨張性マイクロカプセルである。
本開示4は、シェルは、更に重合体化合物を含有する、本開示1、2又は3記載の熱膨張性マイクロカプセルである。
本開示5は、アセタール基を有する化合物の含有量が、熱膨張性マイクロカプセル全体に対して0.001重量%以上、20重量%以下である、本開示1、2、3又は4記載の熱膨張性マイクロカプセルである。
本開示6は、シェルは黒色材を含有する、本開示1、2、3、4又は5記載の熱膨張性マイクロカプセルである。
本開示7は、黒色材は、熱膨張性マイクロカプセルの内部に存在する、本開示6記載の熱膨張性マイクロカプセルである。
本開示8は、黒色材は、黒色顔料である、本開示6又は7記載の熱膨張性マイクロカプセルである。
本開示9は、アセタール基を有する化合物の含有量が、黒色材に対して3重量%以上、10000重量%以下である、本開示6、7又は8記載の熱膨張性マイクロカプセルである。
本開示10は、黒色材の含有量が、熱膨張性マイクロカプセル全体に対して0.01重量%以上、30重量%以下である、本開示6、7、8又は9記載の熱膨張性マイクロカプセルである。
本開示11は、本開示1~10のいずれかに記載の熱膨張性マイクロカプセル及び熱可塑性樹脂を含有する、発泡性マスターバッチである。
本開示12は、本開示1~10のいずれかに記載の熱膨張性マイクロカプセル、又は、本開示11記載の発泡性マスターバッチを用いてなる、発泡成形体である。
以下、本発明を詳述する。
上記ポリビニルアセタール樹脂を含有することにより、本発明の熱膨張性マイクロカプセルは、分散性に優れるものとなり、外観の良好な成形体を得ることが可能となる。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、例えば、アルデヒドを用いてポリビニルアルコールをアセタール化する方法等により作製することができる。
また、上記式(1)中、Rは炭素数1~10のアルキル基であることが好ましく、特に、メチル基、プロピル基であることが好ましい。
なお、上記数平均分子量はゲルパーミテーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定することができる。例えば、ポリビニルアセタール樹脂をテトラヒドロフランに0.2重量%の濃度で溶解させ、GPC装置(HLC-8220、東ソー社製)にて測定を行い、得られた測定結果から、単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して、数平均分子量(Mn)、(重量平均分子量(Mw)、Mw/Mn)を算出することができる。上記測定で使用されるカラムとしては、カラムTSKgel SuperHZM-H(東ソー社製)を用いることができる。
なお、上記粘度はエタノール/トルエン=1/1混合溶媒中にアセタール基を有する化合物を10重量%になるように添加した溶液について、回転粘度計(BM型)等を用いて20℃の条件下にて測定することができる。
上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基量が85モル%以下であることにより、優れた分散性を発現させることができ、外観が良好な成形体を得ることができる。上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基量のより好ましい下限は54モル%、更に好ましい下限は58モル%であり、より好ましい上限は82モル%、更に好ましい上限は79モル%である。
なお、上記アセタール基量の計算方法については、ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基がポリビニルアルコールの2個の水酸基をアセタール化して得られたものであることから、アセタール化された2個の水酸基を数える方法を採用する。
上記アセタール基を有する化合物のガラス転移温度(Tg)は、例えば、示差走査熱量測定により求めることができる。
また、上記アセタール基を有する化合物の含有量は、後述する黒色材に対して0.5重量%以上、10000重量%以下であることが好ましい。上記アセタール基を有する化合物の含有量が上記範囲内であることにより、優れた分散性を発現させることができ、外観が良好な成形体が得られる。
特に、黒色材に対する上記アセタール化合物の含有量が0.5重量%以上であることで、熱膨張性マイクロカプセル及び黒色材の分散性を向上させて発泡性能の低下を防止できる。また、黒色材に対する上記アセタール基を含有する化合物の含有量が10000重量%以下であることで、熱膨張性マイクロカプセルのシェルが均一構造となり、発泡性能を向上させることが可能となる。黒色材に対する上記アセタール基を有する化合物の含有量のより好ましい下限は1重量%、更に好ましい下限は2重量%、更により好ましい下限は3重量%、より好ましい上限は5000重量%、更に好ましい上限は3000重量%、更により好ましい上限は2000重量%、特に好ましい上限は1000重量%、とりわけ好ましい上限は80重量%、ことさら好ましい上限は60重量%、非常に好ましい上限は40重量%、例えば30重量%以下である。
特に、重合性化合物に対する上記アセタール化合物の含有量が0.01重量%以上であることで、熱膨張性マイクロカプセルの分散性を向上させて成形体の外観低下を防止できる。また、重合性化合物に対する上記アセタール基を含有する化合物の含有量が10重量%以下であることで、熱膨張性マイクロカプセルのシェルが均一構造となり、発泡性能を向上させることが可能となる。
重合性化合物に対する上記アセタール基を有する化合物の含有量は、0.1重量%以上、5重量%以下であることが好ましい。
なお、上記アセタール基を有する化合物の各種含有量は、例えば、NMR、熱分解GC/MS、IR、LC/MS等により測定することができる。また、上記アセタール基を有する化合物の各種含有量は、アセタール基を有する化合物及び各原料の添加量から算出してもよい。
上記重合体化合物は、ニトリル系モノマーと、カルボキシル基を有するモノマーとを含有するモノマー組成物の重合体であることが好ましい。
具体的には例えば、不飽和ジカルボン酸やその無水物又は不飽和ジカルボン酸のモノエステルやその誘導体が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記不飽和ジカルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸等の不飽和モノカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸、クロロマレイン酸等が挙げられる。
上記不飽和ジカルボン酸のモノエステルとしては、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノブチル等が挙げられる。
これらのなかでは、特にアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸が好ましい。
上記アミド基含有モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-ブチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
上記エポキシ基含有モノマーとしては、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記ジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジメチロール-トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。更に、重量平均分子量が200~600であるポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレートを用いてもよい。
上記3官能の(メタ)アクリレートとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリアリルホルマールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、上記4官能以上の(メタ)アクリレートとしては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらのなかでは、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の3官能性のものや、ポリエチレングリコール等の2官能性の(メタ)アクリレートが、アクリロニトリルを主体としたシェルには比較的均一に架橋が施される。
上記他のモノマーを含有することで、熱膨張性マイクロカプセルと熱可塑性樹脂等のマトリックス樹脂の混和性が良好となり、該熱膨張性マイクロカプセルを用いた発泡成形体が優れた外観を有する。
上記他のモノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステルのほか、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、スチレン等のビニルモノマー等も挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、特に、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-ブチル等のメタクリル酸アルキルエステル類、又は、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸イソボルニル等の脂環・芳香環・複素環含有メタクリル酸エステル類が好ましい。
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂等が挙げられる。これらのなかでは、エポキシ樹脂、フェノール樹脂が好ましい。
上記フェノール樹脂としては、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、ベンジリックエーテル型フェノール樹脂等が挙げられる。これらのなかでは、ノボラック型フェノール樹脂が好ましい。
なお、上記熱硬化性樹脂は、ラジカル重合性の二重結合を有しないものであることが好ましい。
上記熱硬化性樹脂の含有量を0.01重量%以上とすることで、加熱発泡時の耐圧縮性を向上できる。上記熱硬化性樹脂の含有量を30重量%以下とすることで、シェルのガスバリア性を改善し、発泡性が向上する。より好ましい下限は0.1重量%、より好ましい上限は15重量%である。
上記重合開始剤としては、例えば、過酸化ジアルキル、過酸化ジアシル、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、アゾ化合物等が好適に用いられる。
具体例には、例えば、メチルエチルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドなどの過酸化ジアルキル;イソブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド、3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオキサイドなどの過酸化ジアシル等が挙げられる。
また、t-ブチルパーオキシピバレート、t-ヘキシルパーオキシピバレート、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ヘキシルパーオキシネオデカノエート、1-シクロヘキシル-1-メチルエチルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート等が挙げられる。
また、クミルパーオキシネオデカノエート、(α、α-ビス-ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼンなどのパーオキシエステル;ビス(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ-n-プロピル-オキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等が挙げられる。
更に、ジ(2-エチルエチルパーオキシ)ジカーボネート、ジメトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3-メチル-3-メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート等が挙げられる。
加えて、2、2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、1,1’-アゾビス(1-シクロヘキサンカルボニトリル)などのアゾ化合物等が挙げられる。
従来の熱膨張性マイクロカプセルでは、黒色材を添加した場合、黒色材の分散性が低いことに起因して、黒色の発泡成形体を製造する場合には、発泡後に得られる成形体の黒色度が低くなり、成形体表面に熱膨張性マイクロカプセル由来の白斑点が生じるという問題がある(白化・外観不良)。
しかしながら、本発明では、黒色材を添加した場合でも、黒色材の分散性を高めることができ、得られる成形体に白斑点が生じることを抑制することができる。
また、本発明では、成形体表面の色ムラの発生についても効果的に抑制することが可能となる。
なお、上記黒色材は、太陽光のうちの可視光領域を含む全ての光線を吸収することで黒色を示すものである。一般的な黒色顔料は可視光領域(約380~780nm)の光を吸収して黒色を示すが、実際には、熱に寄与する度合いの大きい800~1,400nmの波長領域を含む近赤外領域の光も吸収する。
上記黒色材のOD値は、上記黒色材を50重量%含有するアクリル樹脂(塗膜厚み50μm)を測定した場合のOD値をいう。
なお、本明細書において、光学濃度(OD値)とは、光学濃度変化素子に対する入射光強度をI0、透過光強度をITとした際に、X=-log(IT/I0)で表される値Xのことを差す。
なお、光学濃度(OD値)は、色彩色差計、マクベス濃度計等を用いることで測定することができる。
上記黒色顔料としては、炭素系黒色顔料、酸化物系黒色顔料等の無機系黒色顔料のほか、有機系黒色顔料が挙げられる。なかでも、炭素系黒色顔料及び酸化物系黒色顔料からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
上記炭素系黒色顔料としては、カーボンブラック、黒鉛、活性炭、グラフェン等が挙げられる。
上記酸化物系黒色顔料としては、チタンブラック、酸化鉄、マグネタイト、酸化第一銅(亜酸化銅)のほか、銅とクロム、銅とマンガン、銅と鉄とマンガン、コバルトとクロムと鉄を主金属成分とした複合酸化物黒色顔料等が挙げられる。
上記有機系黒色顔料としては、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等が挙げられる。
なかでも、優れた耐熱性に加え、樹脂中での分散性に優れること、均質な黒色を付与できる点でカーボンブラックがより好ましい。
上記無機系黒色染料としては、金属錯塩アゾ系黒色染料が挙げられる。
上記金属錯塩アゾ系黒色染料としては、NeoSuper Black C-832(商品名 ソルベントブラック27、中央合成化学社製)等が挙げられる。
上記ジスアゾ系黒色染料としては、Chuo Sudan Black 141(商品名 ソルベントブラック3、中央合成化学社製)等が挙げられる。
上記アジン系黒色染料としては、として知られているChuo Black F5(商品名 ソルベントブラック7、中央合成化学社製)等が挙げられる。
上記黒色微粒子としては、平均粒子径が1μm以下であることが好ましく、0.5μm以下がより好ましく、0.4μm以下がさらに好ましく、0.3μm以下であることがさらにより好ましい。上記範囲内とすることで、樹脂中で黒色微粒子が分散され、色相(黒色)が均一となる。
上記平均粒子径は、粒子径分布測定装置(例えば、ELSZ-2000ZS、大塚電子社製)を用いた観察により測定することができる。
上記黒色微粒子としては、一次平均粒子径が1μm以下であることが好ましく、0.5μm以下がより好ましく、0.1μm以下がさらに好ましく、80nm以下がさらにより好ましく、1nm以上が好ましく、5nm以上がより好ましく、10nm以上がさらに好ましい。上記範囲内とすることで、樹脂中で黒色微粒子が分散され、色相(黒色)が均一となる。
上記一次平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(Regulus8220、日立ハイテクノロジーズ社製)を用いた観察により測定することができる。
なお、本明細書において、「平均粒子径」は、実在粒子(二次粒子も含む)の平均粒子径のことであり、特に液体中での流体力学的直径を意味する。また、「一次平均粒子径」は、最小単位の粒子(一次粒子)の平均粒子径を意味する。
なお、黒色材の含有量は、例えば、熱膨張性マイクロカプセルを窒素雰囲気下で600℃まで10℃/minで昇温し、10分間保持した後、400℃まで10℃/minで降温して10分間保持し、雰囲気を空気に切り替え、空気下で1000℃まで昇温して、10分間1000℃で維持する。この際における400℃~1000℃の重量減少分から求めることができる。
上記比表面積は、表面積/細孔径分析装置(NOVA4200e、カンタクローム・インスツルメンツ社製)を用いて、窒素の吸着等温線を測定し、測定結果から、BET法に準拠して、黒色材の比表面積を算出することで測定できる。
なお、DBP吸収量(cm3/100g)とは、100gのカーボンブラックが吸着し得るジブチルフタレート(DBP)の体積であり、JIS K 6217に準じて測定される。
また、上記熱膨張性マイクロカプセルは、最外層を有し、最外層に黒色材が含まれる形態であってもよい。
なお、上記シェル内部に黒色材が存在する熱膨張性マイクロカプセルは、表面が被覆されていない黒色材を用いることで製造することができる。また、上記シェルの内側界面に黒色材が存在する熱膨張性マイクロカプセルは、ポリマー又は低分子化合物で表面が被覆された黒色材を用いることで製造することができる。
上記黒色材の存在位置は、埋め込み樹脂中に分散した熱膨張性マイクロカプセルの中心付近を通るように薄膜を作製した後、透過型電子顕微鏡等を用いて確認することができる。
上記無機系化合物を含有することで、成形時に樹脂中での熱膨張性マイクロカプセル同士の融着を抑制することが可能となる。
なお、上記無機系化合物は、上記黒色材とは異なるものである。
これらのSi系化合物、Mg系化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記Mg系化合物としては、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、ジハイドロタルサイト、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウムカルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、ピロリン酸マグネシウム、ホウ酸マグネシウム等が挙げられる。なかでも、水酸化マグネシウムが好ましい。
上記無機系化合物が微粒子状である場合、1次粒子径は0.5μm以下であることが好ましく、より好ましくは5~100nmである。上記範囲内とすることで、成形時に樹脂中での熱膨張性マイクロカプセル同士の融着を抑制することができる。上記1次粒子径は、走査型電子顕微鏡(Regulus8220、日立ハイテクノロジーズ社製)を用いた観察により測定することができる。
上記揮発性膨張剤は、シェルを構成するポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる物質であり、低沸点有機溶剤が好適である。
上記揮発性膨張剤としては、例えば、エタン、エチレン、プロパン、プロペン、n-ブタン、イソブタン、ブテン、イソブテン、n-ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、n-へキサン、ヘプタン、石油エーテル、イソオクタン、オクタン、デカン、イソドデカン、ドデカン、ヘキサンデカン等の低分子量炭化水素等が挙げられる。
また、CCl3F、CCl2F2、CClF3、CClF2-CClF2等のクロロフルオロカーボン;テトラメチルシラン、トリメチルエチルシラン、トリメチルイソプロピルシラン、トリメチル-n-プロピルシラン等のテトラアルキルシラン等が挙げられる。なかでも、イソブタン、n-ブタン、n-ペンタン、イソペンタン、n-へキサン、イソオクタン、イソドデカン及び、これらの混合物が好ましい。これらの揮発性膨張剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、揮発性膨張剤として、加熱により熱分解してガス状となる熱分解型化合物を用いてもよい。
また、揮発性膨張剤として、加熱により熱分解してガス状になる熱分解型化合物を用いることとしてもよい。
なお、本明細書において、最大発泡温度は、熱膨張性マイクロカプセルを常温から加熱しながらその径を測定したときに、熱膨張性マイクロカプセルの径が最大となったとき(最大変位量)における温度を意味する。
なお、上記最大変位量は、所定量の熱膨張性マイクロカプセルを常温から加熱しながらその径を測定したときに、所定量全体の熱膨張性マイクロカプセルの径が最大となるときの値をいう。
上記高温燃焼物含有量は、示差熱熱重量同時測定装置(TA7200、日立ハイテクサイエンス社製)を用いて、得られた熱膨張性マイクロカプセル1.0mgを窒素雰囲気下で600℃まで10℃/minで昇温し、10分間保持した後、400℃まで10℃/minで降温して10分間保持した。その後、雰囲気を空気に切り替え、空気下で1000℃まで昇温し、10分間1000℃で維持した際の、400℃~1000℃における重量減少分を求めることで測定することができる。
上記体積平均粒子径は、レーザー回折・散乱法粒度分布測定装置等を用いて測定することができる。
上記モノマー組成物としては、上記ニトリル系モノマー、カルボキシル基を有するモノマー、架橋性モノマー、他のモノマーを含有するものを用いることができる。
上記縮合生成物としては、ジエタノールアミンと脂肪族ジカルボン酸との縮合生成物が好ましく、特にジエタノールアミンとアジピン酸との縮合物やジエタノールアミンとイタコン酸との縮合生成物が好ましい。
具体的には、モノマー組成物、揮発性膨張剤、アセタール基を含有する化合物、ならびに必要に応じて黒色材および分散剤を含有する油性混合液を水性分散媒体中に分散させる工程を行う。この工程では、モノマー組成物及び揮発性膨張剤を別々に水性分散媒体に添加して、水性分散媒体中で油性混合液を調製してもよいが、通常は、予め両者を混合し油性混合液としてから、水性分散媒体に添加する。この際、油性混合液と水性分散媒体とを予め別々の容器で調製しておき、別の容器で攪拌しながら混合することにより油性混合液を水性分散媒体に分散させた後、重合反応容器に添加してもよい。
なお、上記モノマーを重合するために、重合開始剤が使用されるが、上記重合開始剤は、予め上記油性混合液に添加してもよく、水性分散媒体と油性混合液とを重合反応容器内で攪拌混合した後に添加してもよい。
水性分散媒体が黒色材及び必要に応じて分散剤を含む場合、熱膨張性マイクロカプセルの内部に、使用した黒色材を存在させることができる。
なお、上記静止型分散装置には水性分散媒体と重合性混合物を別々に供給してもよいし、予め混合、攪拌した分散液を供給してもよい。
これらのなかでは、融点が低く加工しやすいことから、LDPE、EVA、EMMA等が好ましい。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記混練機としては、熱膨張性マイクロカプセルを破壊することなく混練できるものであれば特に限定されず、例えば、加圧ニーダー、バンバリーミキサー等が挙げられる。
具体的には、上記熱膨張性マイクロカプセル又は上記熱膨張性マイクロカプセルを含有する発泡性マスターバッチと、マトリックス樹脂とを混練し、成形することで発泡成形体が得られる。
(熱膨張性マイクロカプセルの作製)
重合反応容器に、水250重量部と、分散安定剤としてコロイダルシリカ(旭電化社製)35重量部及びポリビニルピロリドン(BASF社製)0.8重量部と、1N塩酸1.8重量部とを投入し、水性分散媒体を調製した。
次いで、表1に記載のモノマー組成物、揮発性膨張剤、ポリビニルブチラール(PVB1)0.013重量部、及び、重合開始剤(2,2’-アゾビスイソブチロニトリル)0.8重量部、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)0.6重量部からなる油性混合物を水性分散媒体に添加し、懸濁させて、分散液を調製した。
なお、モノマー組成物は、アクリロニトリル20重量部、メタクリロニトリル30重量部、メタクリル酸35重量部、メチルメタクリレート15重量部からなり、揮発性膨張剤は、イソペンタン15重量部、イソオクタン10重量部からなるものである。
また、PVB1(積水化学工業社製)は、粘度:平均12mPa・s、数平均分子量:15000、水酸基量:28モル%、アセチル基量:2モル%、アセタール基量(ブチラール基量):70モル%、ガラス転移温度:67℃であった。粘度はエタノール/トルエン=1/1溶媒中に10重量%になるようにPVB1を添加した溶液を回転粘度計(BM型)を用いて20℃の条件下で測定した。
得られた分散液をホモジナイザーで攪拌混合し、窒素置換した加圧重合器内へ仕込み、加圧(0.5MPa)しながら60℃で20時間反応させることにより、反応生成物を得た。
得られた反応生成物について、ろ過と水洗を繰り返した後、乾燥することにより、熱膨張性マイクロカプセルを得た。
ポリビニルブチラール(PVB1)の添加量を表1に示す量に変更した以外は実施例1と同様にして熱膨張性マイクロカプセルを得た。
(熱膨張性マイクロカプセルの作製)
重合反応容器に、水250重量部と、分散安定剤としてコロイダルシリカ(旭電化社製20重量%)35重量部及びポリビニルピロリドン(BASF社製)0.8重量部と、1N塩酸1.8重量部とを投入し、水性分散媒体を調製した。
次いで、表1のモノマー組成物、揮発性膨張剤、ポリビニルブチラール(PVB1)1.25重量部、黒色材としてカーボンブラック(CB1、一次平均粒径24nm、比表面積110m2/g、DBP吸収量100cm3/100g、油性混合物中での平均粒子径150nm)0.013重量部、重合開始剤からなる油性混合物を超音波照射した後、水性分散媒体に添加した。その後、懸濁させて、分散液を調製した。なお、モノマー組成物は、アクリロニトリル20重量部、メタクリロニトリル30重量部、メタクリル酸35重量部、メチルメタクリレート15重量部からなり、揮発性膨張剤は、イソペンタン15重量部、イソオクタン10重量部からなるものである。
また、重合開始剤は、(2,2’-アゾビスイソブチロニトリル)0.8重量部及び2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)0.6重量部からなるものである。
また、超音波照射後の油性混合物中のカーボンブラックの平均粒子径は150nmであった。
得られた分散液をホモジナイザーで攪拌混合し、窒素置換した加圧重合器内へ仕込み、加圧(0.5MPa)しながら60℃で21時間反応させることにより、反応生成物を得た。
得られた反応生成物について、ろ過と水洗を繰り返した後、乾燥することにより、熱膨張性マイクロカプセルを得た。
なお、得られた熱膨張性マイクロカプセルを粒子の含有量が3重量%となるように、埋め込み樹脂(テクノビット4000、Kulzer社製)に添加し、分散させて、熱膨張性マイクロカプセル埋め込み樹脂を作製した。埋め込み樹脂中に分散した熱膨張性マイクロカプセルの中心付近を通るようにミクロトーム(EM UC7、LEICA社製)で薄膜を作製し、透過型電子顕微鏡(JEM-2100、日本電子社製)で黒色材の存在位置を確認したところ、シェルの内部に黒色材が存在することが確認できた。
なお、以降で作製する熱膨張性マイクロカプセルに関しても、同様に黒色材の存在位置を確認した。表1では、黒色材が熱膨張性マイクロカプセルの表面に存在する場合は「粒子表面」とし、黒色材がシェルの内側界面に存在する場合は「コアシェル界面」とした。また、黒色材の一部がシェルの表面に出ており、一部がシェルの内部に埋まっている状態である場合は「シェル内部」とした。
ポリビニルブチラール(PVB1)、カーボンブラックの添加量を表1に示す量に変更した以外は実施例6と同様にして熱膨張性マイクロカプセルを得た。
ポリビニルブチラール(PVB1)を、表1に示すポリビニルブチラール(PVB2~PVB7)に変更した以外は実施例6と同様にして熱膨張性マイクロカプセルを得た。なお、PVB2~PVB7としては、以下のものを使用した。
PVB2:粘度:平均20mPa・s、数平均分子量19000、水酸基量:36モル%、アセチル基量:1モル%、アセタール基量(ブチラール基量):63モル%、ガラス転移温度:70℃
PVB3:粘度:平均17mPa・s、数平均分子量20000、水酸基量:30モル%、アセチル基量:1モル%、アセタール基量(ブチラール基量):69モル%、ガラス転移温度:68℃
PVB4:粘度:平均23mPa・s、数平均分子量23000、水酸基量:23モル%、アセチル基量:5モル%、アセタール基量(ブチラール基量):72モル%、ガラス転移温度:66℃
PVB5:粘度:平均34mPa・s、数平均分子量28000、水酸基量:30モル%、アセチル基量:1モル%、アセタール基量(ブチラール基量):69モル%、ガラス転移温度:70℃
PVB6:粘度:9~13mPa・s、水酸基量:14~18モル%、アセチル基量:5~8モル%、アセタール基量(ブチラール基量):74~81モル%
PVB7:粘度:14~20mPa・s、水酸基量:18~21モル%、アセチル基量:1~4モル%、アセタール基量(ブチラール基量):75~81モル%
カーボンブラック(CB1、一次平均粒径24nm、比表面積110m2/g、DBP吸収量100cm3/100g、油性混合物中での平均粒子径150nm)に代えて、表1に示すCB2(一次平均粒径13nm、比表面積370m2/g、DBP吸収量77cm3/100g、油性混合物中での平均粒子径80nm)、CB3(一次平均粒径30nm、比表面積74m2/g、DBP吸収量113cm3/100g、油性混合物中での平均粒子径200nm)、CB4(一次平均粒径55nm、比表面積36m2/g、DBP吸収量93cm3/100g、油性混合物中での平均粒子径350nm)を用いた以外は実施例6と同様にして熱膨張性マイクロカプセルを得た。
水性分散媒体に黒色材としてカーボンブラック(CB5、アクアブラック#001、東海カーボン社製、平均粒子径:160nm)を3.75重量部加え、油性混合物にカーボンブラックを加えなかったこと以外は実施例9と同様にして熱膨張性マイクロカプセルを得た。
カーボンブラック(CB1、一次平均粒径24nm、比表面積110m2/g、DBP吸収量100cm3/100g、油性混合物中での平均粒子径150nm)に代えて、表1に示すCB6(一次平均粒径24nm、油性混合物中での平均粒子径150nm、ポリマー又は低分子化合物により表面が被覆された表面被覆カーボンブラック)を用いた以外は実施例6と同様にして熱膨張性マイクロカプセルを得た。
(マスターバッチペレットの作製)
低密度ポリエチレン(LDPE、融点103℃)100重量部と、滑剤としてステアリン酸10重量部とをバンバリーミキサーで混練し、約100℃になったところで、実施例9で得られた熱膨張性マイクロカプセル100重量部添加し、更に30秒間混練して押し出すと同時にペレット化し、マスターバッチペレットを得た。
ポリビニルブチラール(PVB1)を添加しなかった以外は実施例6と同様にして熱膨張性マイクロカプセルを得た。
ポリビニルブチラール(PVB1)を添加しなかった以外は実施例1と同様にして熱膨張性マイクロカプセルを得た。
得られた熱膨張性マイクロカプセルの性能を以下の方法で評価した。結果を表1に示した。
(1-1)体積平均粒子径測定
得られた熱膨張性マイクロカプセルの体積平均粒子径をレーザー回折・散乱法粒度分布測定装置(LS 13 320、ベックマンコールター社製)を用いて測定した。
熱機械分析装置(TMA)(TMA2940、TA インスツルメンツ社製)を用い、発泡開始温度(Ts)、最大変位量(Dmax)及び最大発泡温度(Tmax)を測定した。具体的には、試料25μgを直径7mm、深さ1mmのアルミ製容器に入れ、上から0.1Nの力を加えた状態で、5℃/minの昇温速度で80℃から220℃まで加熱し、測定端子の垂直方向における変位を測定し、変位が上がり始める温度を発泡開始温度、その変位の最大値を最大変位量とし、最大変位量における温度を最大発泡温度とした。
得られた熱膨張性マイクロカプセル1万個をFE-SEM(Regulus8220、日立ハイテク社製)を用いて観察した。2個以上の凝集が発生した個数を計数し、以下の基準で評価した。
50個以上100個未満:○
100個以上300個未満:△
300個以上:×
示差熱熱重量同時測定装置(TA7200、日立ハイテクサイエンス社製)を用いて、得られた熱膨張性マイクロカプセル1.0mgを窒素雰囲気下で600℃まで10℃/minで昇温し、10分間保持した後、400℃まで10℃/minで降温して10分間保持した。その後、雰囲気を空気に切り替え、空気下で1000℃まで昇温し、10分間1000℃で維持した際の、400℃~1000℃における重量減少分を求め、高温燃焼物含有量とした。
また、黒色材を含有しない同成分の熱膨張性マイクロカプセルの高温燃焼物含有量を別途測定し、黒色材を含有する場合の高温燃焼物含有量と、黒色材を含有しない場合の高温燃焼物含有量と差を黒色材含有量として算出した。
(2-1)表面粗さ
得られた熱膨張性マイクロカプセル5g、TPV樹脂(エラストマー7030BS,三井化学社製)195gを計量後、カップにて混合し、8インチロール(191-TM、安田精機製作所社製)にて110℃でロールシートを作製した。このロールシートをカットし、プレス機(PA-40E/40C、小平製作所社製)にて205℃で加熱することで発泡成形体を得た。得られた発泡成形体サンプルについて、3D形状測定機(キーエンス社製)を用いて、成形体表面の表面粗さ(Rz)を計測し、以下の基準で評価した。
50μm以上80μm以下:○
80μm超100μm以下:△
100μm超:×
得られた発泡成形体サンプルについて、色彩色差計(CM-26dG、コニカミノルタ社製)を用いて、任意の3か所のL*値を測定し、平均値を算出した。ベースレジンのL*値(熱膨張性マイクロカプセル無添加)を基準として、その差(ΔE*ab=√((ΔL*)^2+(Δa*)^2(Δb*)^2))を算出し、以下の基準で評価した。
差が0.5以上1未満:○○
差が1以上2未満:○
差が2以上3未満:△
差が3以上:×
得られた発泡成形体のサンプルについて、光学顕微鏡を用いて表面の1mm四方における白斑点個数を計数し、以下の基準で評価した。
10個以上20個未満:○○
20個以上50個未満:〇
50個以上70個未満:△
70個以上:×
「(2-1)表面粗さ」において、発泡前の密度(発泡成形体作製時のペーストの密度)、及び、得られた発泡成形体サンプルの密度をJIS K 7112 A法(水中置換法)に準拠した方法により測定し、発泡前後の密度から発泡倍率を算出し、以下の基準で評価した。
1.10倍以上1.15倍未満:○
1.05倍以上1.10倍未満:△
1.05倍未満:×
Claims (12)
- シェルに、コア剤として揮発性膨張剤が内包された熱膨張性マイクロカプセルであって、前記シェルは、アセタール基を有する化合物を含有する、熱膨張性マイクロカプセル。
- アセタール基を有する化合物がポリビニルアセタール樹脂である、請求項1記載の熱膨張性マイクロカプセル。
- ポリビニルアセタール樹脂がポリビニルブチラール樹脂である、請求項2記載の熱膨張性マイクロカプセル。
- シェルは、更に重合体化合物を含有する、請求項1、2又は3記載の熱膨張性マイクロカプセル。
- アセタール基を有する化合物の含有量が、熱膨張性マイクロカプセル全体に対して0.001重量%以上、20重量%以下である、請求項1、2又は3記載の熱膨張性マイクロカプセル。
- シェルは黒色材を含有する、請求項1記載の熱膨張性マイクロカプセル。
- 黒色材は、熱膨張性マイクロカプセルの内部に存在する、請求項6記載の熱膨張性マイクロカプセル。
- 黒色材は、黒色顔料である、請求項6又は7記載の熱膨張性マイクロカプセル。
- アセタール基を有する化合物の含有量が、黒色材に対して3重量%以上、10000重量%以下である、請求項6又は7記載の熱膨張性マイクロカプセル。
- 黒色材の含有量が、熱膨張性マイクロカプセル全体に対して0.01重量%以上、30重量%以下である、請求項6又は7記載の熱膨張性マイクロカプセル。
- 請求項1~3のいずれかに記載の熱膨張性マイクロカプセル及び熱可塑性樹脂を含有する、発泡性マスターバッチ。
- 請求項11記載の発泡性マスターバッチを用いてなる、発泡成形体。
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