JP7168119B2 - 油性食品の甘味増強方法 - Google Patents

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Description

本発明は、油性食品の甘味増強方法に関するものである。
甘味増強剤としては、各種の化合物が開示されている。たとえば、特許文献1には、甘味増強剤として、所定の構造を有する化合物が開示されている。
特許文献2には、所定の構造を有する甘味増強剤と併用し、甘味を向上させる界面活性剤添加物として、ポリソルベート(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(ポリソルベート80)、ポリソルベート20、ポリソルベート60)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルまたはスルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、塩化セチルピリジニウム(塩化ヘキサデシルピリジニウム)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、コール酸ナトリウム、カルバモイル、塩化コリン、グリココール酸ナトリウム、タウロデオキシコール酸ナトリウム、アルギン酸ラウリル、ナトリウムステアロイルラクチレート、タウロコール酸ナトリウム、レシチン、ショ糖オレエートエステル、ショ糖ステアレートエステル、ショ糖パルミテートエステル、ショ糖ラウレートエステル、が列記されている。
特許文献3には、味増強化合物及び塩化コリンを含む、味覚増強化合物について記載されている。
特許文献4には、「糖質としてパラチニットおよび易吸湿性の糖と、乳化剤としてレシチンおよびレシチン以外の親油性乳化剤とを使用することを特徴とする感触の改良された低カロリーチョコレート。」が記載されている。
特許文献5には、「高甘味度甘味料を水溶液の状態で添加し、水分だけを除去することで、油脂中に高甘味度甘味料を含有させた油脂がチョコレート等油脂製品の油性感を大きく軽減させること」を見いだした旨が記載されている。
特表2017-532027号公報 特表2010-527611号公報 特表2013-537039号公報 特開平7-132047号公報 特開2005-204511号公報
本発明の課題は、油性食品において、甘味料の甘味を増強する事で、該油性食品における甘味料の使用量を低減する方法を提供することである。
本発明者は、課題の解決に向け鋭意検討を行った。
特許文献1は、所定の化合物を甘味増強剤として使用する必要があり、配合上の制限を受ける場合があった。
特許文献2でも、甘味増強の為に所定の化合物を使用する必要が有るほか、甘味を向上させる界面活性添加物も、非常に多くの種類が列挙されており、実質的に何らかの情報が開示されているとは言えないものであり、参考とはならなかった。
特許文献3においては、コリンは塩化物塩の形態で用いられる必要が有り、煩雑であった。
特許文献4においては、糖質としてパラチニットを使用することが必須であり、配合上の制約を受ける場合があった。
特許文献5においては、効果は油性感の軽減であり、本発明とは課題が相違し参考とはならなかった。
本発明者は、課題の解決に向け、更に検討を行ったところ、甘味料を含む油性食品において、糖が溶解した水相が、油相中に粒子径50~2000nmで分散することにより、甘味を増強できることを見いだし、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、
(1)糖が溶解した水相を、油相中に粒子径50~2000nmで分散することを特徴とする、甘味料を含有する油性食品における甘味増強方法、
(2)該糖が、砂糖、麦芽糖、果糖、糖蜜から選ばれる1以上である、前記(1)記載の方法、
(3)該水相における糖の濃度が40~70質量%である、前記(1)又は(2)に記載の方法、
(4)該油性食品における、該水相により持ち込まれる糖が40~400ppmである、前記(1)~(3)いずれか1項に記載の方法、
(5)該油性食品が、甘味料として砂糖を4~30質量%含むものである、前記(1)~(4)いずれか1項に記載の方法、
(6)該油性食品がチョコレート、アイスクリーム、キャラメルから選ばれる1つである、前記(1)~(5)いずれか1項に記載の方法、
(7)糖が溶解した水相が、油相中に粒子径50~2000nmで分散した油脂を含む、甘味料を含有する油性食品、
(8)該油性食品の甘味が強化されたものである、前記(7)記載の油性食品、
(9)該油性食品が砂糖を4~30質量%含有するものである、前記(7)または(8)に記載の油性食品、
(10)糖が溶解した水相を、油相中に粒子径50~2000nmで分散することを特長とする、甘味料を含有する油性食品の製造方法、
に関するものである。
本発明によれば、簡易な方法で、油性食品における甘味を増強する事ができる。これにより、油性食品に使用する、砂糖などの甘味料の使用量を低減する事ができる。
本発明において甘味増強とは、食品に含まれる甘味料が本来示す甘味以上に甘味を知覚させることである。そして、甘味増強方法とは、食品に含まれる甘味料が本来示す甘味以上に甘味を知覚させる方法である。
本発明において油性食品とは、本来の原材料として油脂を含有する食品である。具体的には、チョコレート、バタークリーム、アイスクリーム、キャラメルの他、油で揚げる工程を含む食品を挙げることができる。油で揚げる工程を含む食品には、かりんとう、ドーナツ、芋けんぴを挙げる事ができる。
油性食品としては、より望ましくはチョコレート、キャラメルであり、更に望ましくはチョコレートである。
なお、本発明で言うアイスクリームとは、具体的にはアイスクリーム、ラクトアイス、アイスミルクを含むものである。
本発明においてチョコレートとは、カカオの種子を発酵・焙煎したカカオマスを主原料とし、これに砂糖、ココアバター、粉乳などを混ぜて練り固めた食品である。また、ココアバター以外の油脂を使用したものや、ココア分をほとんど含まない、いわゆるホワイトチョコレートも、本発明ではチョコレートと総称する。
本発明における油性食品においては、糖が溶解した水相が、油相中に分散している必要が有る。ここで糖としては単糖類であるグルコース、果糖、二糖類である麦芽糖、シュクロースを挙げる事ができ、これらを含む糖蜜や果糖ブドウ糖水飴を使用することができる。より望ましくは麦芽糖、糖蜜であり、更に望ましくは麦芽糖である。適当な糖を使用することで、油性食品において、甘味を増強する事ができる。
本発明で言う油相は、油脂および、油脂に溶解する成分から構成されるものである。具体的には、本発明に係る油性食品中の、油脂原料や油脂に溶解する原料の一部ないし全部から構成されるものである。たとえば、油性食品がチョコレートである場合には、チョコレートに多用される油脂であるハードバターを使用することができる。
油相には、油性食品の原材料としての油脂以外の油脂を使用することもできる。
なお、油相には、本発明の効果を妨げない範囲で、他の油溶性成分を溶解することができる。具体的な油溶性成分としては、油溶性乳化剤や色素、香料を挙げる事ができる。特に、本発明においては、水相が油相中に微分散した、いわゆる油中水型の乳化構造を取っていることから、該乳化構造を安定させる働きのある油溶性乳化剤を使用することが好ましい。本発明で油溶性乳化剤とは、HLB7以下の、油脂に溶解する乳化剤であり、具体的には、ポリグリセリンエステル、シュガーエステル、ソルビタンエステル、モノグリセリン脂肪酸エステル選ばれる1以上が望ましく、より望ましくはポリグリセリンエステル、シュガーエステル、蒸留モノグリセリドが好ましく、特にポリグリセリンエステルが好ましく、そのうちポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルが最も好ましい。なお、ポリグリセリン縮合リシノレートはPGPRと略称されることがある。
なお、上記の通り、本発明においては、油相中に水相が分散した、いわゆる油中水型の乳化構造を取っているが、便宜的に「油脂」、「検討油脂」と称する場合がある。
本発明においては、糖が溶解した水相における糖の濃度は40~70質量%であることが望ましく、より望ましくは47~68質量%であり、更に望ましくは55~65質量%である。水相における糖の濃度が適当であることで、油性食品において、甘味料の甘味を増強する事ができる。
本発明においては、糖が溶解した水相は、油相中に分散している必要があるが、このときの水相の粒子径は50~2000nmである必要が有る。この値は、より望ましくは60~1000nmであり、更に望ましくは70~200nmである。油相中の水相の粒子径が適当であることで、油性食品において、甘味料の甘味を増強する事ができる。
なお、水相の粒子径の測定方法は、以下の通りである。
装置名:ゼータサイザーナノS、
製造元:マルバーン
測定する油脂組成物10μl を2mlに希釈し、測定した。 (サンプル調製後1日目の段階での測定結果を判断指標とする。)
温度: 20.0℃
平衡時間: 240秒
セル:ガラスセル
測定角度: 173°
ポジショニング法:最適ポジション選択
自動減衰の選択:有
本発明に係る油性食品において、該水相により持ち込まれる糖の量は40~400ppmであることが望ましく、より望ましくは70~300ppmであり、更に望ましくは100~200ppmである。該水相により持ち込まれる糖の量が適当であることで、油性食品において、甘味料の甘味を増強する事ができる。
なお、糖が溶解した水相を油性食品へ添加することで、該油性食品の糖の量はわずかながら増加することになるが、本発明の甘味増強効果は、水相により持ち込まれる糖による甘味以上のものである。
本発明に係る油性食品は、甘味料を含む必要がある。なお、ここでいう甘味料とは、上記の水相中に存在する糖以外に存在するものである。すなわち、水相中に存在する糖として砂糖を使用することもでき、油性食品の甘味料として、同じく砂糖を使用することもできる。
該甘味料としては、砂糖などの各種糖類の他、高甘味度甘味料を挙げることができる。高甘味度甘味料としては、スクラロース、アセスルファムカリウム、ソーマチン、アスパルテームを挙げる事ができる。本発明は、通常よりも甘味料の量が少ないにもかかわらず、その少ない甘味料が示す甘味を増強し、結果として甘味料の使用量を少なくする事ができるものである。
なお、本発明に係る油性食品において、砂糖を使用する場合は、その量は4~30質量%であることが望ましく、より望ましくは10~27質量%であり、さらに望ましくは15~25質量%である。
一般的なチョコレートにおいては、砂糖は35~45質量%含有する場合が多いが、本発明においては、それよりも少ない砂糖量において、甘味を増強させる効果を有するものである。
本発明は又、甘味が増強された油性食品としてとらえることもできる。具体的特徴は、糖が溶解した水相が、油相中に粒子径50~2000nmで分散していることである。そして甘味料が存在する必要があるが、該甘味料は、該油性食品において通常用いられる量よりも少ないことが特徴である。該油性食品がチョコレートであり、該甘味料が砂糖である場合には、その含有量は4~30質量%であることが望ましい。
さらに、本発明は、甘味が増強された油性食品の製造法ととらえることもできる。具体的な特徴は、糖が溶解した水相を、油相中に粒子径50~2000nmで分散することである。そして、甘味料を含有するが、その含有量は、該油性食品において通常用いられる量よりも少ないことが特徴である。
ここで、より具体的な方法を、例をもって説明する。
本発明においては、糖を水に溶解し、水相を調製する。ここで使用する糖の種類や、水相における糖の濃度は、これまで述べたとおりである。また、油相を調製する。油相は、本発明に係る油性食品において、原材料である油脂の全部又は一部を用いることが望ましい。油相には、必要に応じ、油溶性乳化剤等を溶解する。
次に、得られた水相を、油相に分散し、油中水型乳化油脂組成物とする。分散には、各種の方法を使用することができる。具体的には、高圧ホモゲナイザー や超音波乳化機、また、湿式ジェットミルとも言われる2液衝突型の乳化装置 を用いることができる。適当な乳化装置を使用することで、所定の抗酸化油 脂組成物を得ることができる。なお、高圧ホモゲナイザーを使用する場合の 一般的な乳化条件は、30~40MPa、10~30パスである。これにより、油相における水相の粒子径を50~2000nmとすることができる。
該油中水型乳化油脂組成物は、油性食品における他の油溶性原料と混合し、油性食品を調製する。
以下、実施例により、より詳細に発明の実施態様を説明する。
検討1 油中水型乳化油脂組成物(検討油脂)の調製
表1-1の配合に従い、油中水型乳化油脂組成物を調製した。調製方法は、「○油中水型乳化油脂組成物の調製方法」に従った。水相の粒子径の測定は「〇水相粒子径の測定方法」に従った。
なお、ここで調製した油中水型乳化油脂組成物は、以下において、「検討油脂」と称した。
表1-1 検討油脂の配合
Figure 0007168119000001
・植物油脂1には不二製油株式会社製のハードバターである「NEW SS7」を使用した。
・乳化剤には理研ビタミン株式会社製ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル「ポエムPR-100」(HLB:1)を使用した。
・糖質1には砂糖(グラニュー糖)を使用した。
・糖質2には三菱商事ライフサイエンス製の還元澱粉糖化物である「アマミール」を使用した。
・糖質3には日本コーンスターチ製の果糖ブドウ糖液糖である「ハイフラクトM75C」を使用した。
・糖質4には三和澱粉工業の麦芽糖水飴である「マルスターMS630」を使用した。
・糖質5には日本甜菜糖製のフラクトオリゴ糖である「どさんこオリゴシロップ」を使用した。
・糖質6には日本甜菜糖製の糖蜜を含有する甜菜糖である「ビート含蜜糖」を使用した。
・糖質7には日本甜菜糖製のオリゴ糖である「メルシーオリゴ」を使用した。
・水相の粒子径は、すべて300nm以下であった。
〇水相粒子径の測定方法
装置名:ゼータサイザーナノS、製造元:マルバーン
測定する油脂組成物10μl をヘキサン2mlに希釈し、測定した。
温度: 20.0℃
平衡時間: 240秒
セル:ガラスセル
測定角度: 173°
ポジショニング法:最適ポジション選択
自動減衰の選択:有
○油中水型乳化油脂組成物の調製方法
1 水相及び油相に分類されている原材料をそれぞれ混合し、水相及び油相を調製した。
2 油相を攪拌している所へ水相を徐々に添加し、略乳化物とした。
3 高圧ホモゲナイザーにて乳化物(検討油脂)とした。高圧ホモゲナイザーの条件は、30~40MPa、10~30パスとした。
検討2 チョコレートの調製
検討1で得られた検討油脂を使用し、表2-1の配合に従い、チョコレートを調製した。調製法は「○チョコレートの調製法」に従った。
得られたチョコレートを官能評価により甘さを評価した。方法は「○チョコレートの官能評価方法」に従った。結果を表2-1にあわせて記入した。
表2-1 チョコレートの配合
Figure 0007168119000002
・カカオマスには不二製油株式会社製「GB100」を使用した。
・ココアバターには、不二製油株式会社製「GO201」を使用した。
・レシチンには辻製油株式会社製大豆レシチン「SLP-ペースト」を使用した。なお、表においてレシチンの量は、上乗せ量(質量%)を記載した。
○チョコレートの調製法
1.チョコレート配合において、ココアバター、レシチン、検討油脂以外の原材料をニーダーで混合し、均一化した。
2.1で均一化した原材料をロールリファイナーで粉砕した。
3.2で粉砕した原材料をコンチェにてコンチングした。
4.3のコンチングの後にココアバター、検討油脂、レシチンを添加し、更にコンチェで均一化した。
5.テンパリングを行った後、モールド成形した。
○チョコレートの官能評価方法
表2-2の配合にて、「○チョコレートの調製法」に従い、コントロールとなるチョコレート(以下単に「コントロールチョコレート」と称した)を調製した。試食に供するチョコレートは、試食前に室温に1時間以上放置した。
普段からチョコレートの試作に携わるパネラー5名により各サンプルを食しコントロールチョコレートの甘味を10点、甘味をほとんど感じない状態を1点とし、以下の採点表を参考に合議にて、それぞれの甘味度を点数化した。

11点 コントロールチョコレートを超える甘味が感じられたもの。
10点 コントロールチョコレートと同等の甘味と感じられたもの。
7点 コントロールチョコレートの70%程度の甘味と感じられたもの
5点 コントロールチョコレートの50%程度の甘味と感じられたもの。
3点 コントロールチョコレートの30%程度の甘味と感じられたもの。
1点 甘味をほとんど感じられなかったもの。
判断指標のない点数は,その上下の判断指標から類推した。また、採点は適宜小数点以下1位まで行った。
比較例2-1よりも甘味度が上昇している場合を合格と判断した。
表2-2
Figure 0007168119000003
・配合合計からレシチンは除外した。
考察
・糖質が溶解した水相が油相中に分散されることで、チョコレートにおいて、甘味が増強されることが確認された。また、その効果は糖の種類により相違し、マルトース、糖蜜、オリゴ糖により効果が高かった。
・検討油脂に由来する糖固形分は100ppm前後であり、固形の甘味料として同量を添加した場合は、チョコレートの甘味への影響はないことは別途確認した。
検討3 油中水型乳化油脂組成物(検討油脂)の調製2
表3-1の配合に従い、油中水型乳化油脂組成物を調製した。調製方法は、「○油中水型乳化油脂組成物の調製方法」に従った。
検討油脂における、水相の粒子径を測定し、表3-1下部に記載した。水相粒子径測定方法は「○水相粒子径の測定方法」に従った。
表3-1 配合
Figure 0007168119000004
・植物油脂1には不二製油株式会社製のハードバターである「NEW SS7」を使用した。
・乳化剤には理研ビタミン株式会社製ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル「ポエムPR-100」(HLB:1)を使用した。
・糖質1には三和澱粉工業株式会社製の、麦芽糖を61%以上含む「マルスターMS630」を使用した。
・糖質2には三和澱粉工業株式会社製の、麦芽糖を70%以上含む「マルスターMS720」を使用した。
・糖質3には昭和産業株式会社製の、麦芽糖を70%以上含む「マルトリッチM750」を使用した。
検討4 チョコレートの調製
検討3で得られた検討油脂を使用し、表4-1の配合に従い、チョコレートを調製した。調製法は「○チョコレートの調製法」に従った。
得られたチョコレートを官能評価により甘さを評価した。方法は「○チョコレートの官能評価方法」に従った。結果を表4-1にあわせて記入した。
表4-1 チョコレートの配合
Figure 0007168119000005
・カカオマスには不二製油株式会社製「GB100」を使用した。
・ココアバターには、不二製油株式会社製「GO201」を使用した。
・レシチンには辻製油株式会社製大豆レシチン「SLP-ペースト」を使用した。なお、表においてレシチンの量は、上乗せ量(質量%)を記載した。
考察
・水相により持ち込まれる糖質においては、マルトースを用いた場合に、甘さの増強効果が大きいことが明らかとなった。
検討5 油中水型乳化油脂組成物(検討油脂)の調製3
表5-1の配合に従い、油中水型乳化油脂組成物を調製した。調製方法は、「○油中水型乳化油脂組成物の調製方法2」に従った。
検討油脂における、水相の粒子径を測定し、表5-1下部に記載した。水相粒子径測定方法は「○水相粒子径の測定方法」に従った。
表5-1 配合
Figure 0007168119000006
・植物油脂1には不二製油株式会社製のハードバターである「NEW SS7」を使用した。
・乳化剤には理研ビタミン株式会社製ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル「ポエムPR-100」(HLB:1)を使用した。
・糖質2には三和澱粉工業株式会社製の、麦芽糖を70%以上含む「マルスターMS720」を使用した。
○油中水型乳化油脂組成物の調製方法2
「○油中水型乳化油脂組成物の調製方法」において、高圧ホモゲナイザーのパス数を35としたほかは、「○油中水型乳化油脂組成物の調製方法」と同じ条件とした。
検討6 チョコレートの調製
検討5で得られた検討油脂を使用し、表6-1の配合に従い、チョコレートを調製した。調製法は「○チョコレートの調製法」に従った。
得られたチョコレートを官能評価により甘さを評価した。方法は「○チョコレートの官能評価方法」に従った。結果を表6-1にあわせて記入した。
表6-1 チョコレートの配合
Figure 0007168119000007
・カカオマスには不二製油株式会社製「GB100」を使用した。
・ココアバターには、不二製油株式会社製「GO201」を使用した。
・レシチンには辻製油株式会社製大豆レシチン「SLP-ペースト」を使用した。なお、表においてレシチンの量は、上乗せ量(質量%)を記載した。
考察
・検討油脂5-1は検討油脂3-3,検討油脂5-2は検討油脂3-4と配合は同じであり、検討油脂5-1,5-2は乳化条件を強くすることで、水相粒子径を小さくした。それにより、チョコレートを調製した場合の甘さの感じ方に違いがあるかを検討した。
・表6-1に示すとおり、粒子径が小さくなることで、官能評価における甘味が増加することが明らかとなった。
検討7 油中水型乳化油脂組成物(検討油脂)の調製4
表7-1の配合に従い、油中水型乳化油脂組成物を調製した。調製方法は、「○油中水型乳化油脂組成物の調製方法2」に従った。
検討油脂における、水相の粒子径を測定し、表7-1下部に記載した。水相粒子径測定方法は「○水相粒子径の測定方法」に従った。
表7-1 配合
Figure 0007168119000008
・植物油脂1には不二製油株式会社製のハードバターである「NEW SS7」を使用した。
・乳化剤には理研ビタミン株式会社製ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル「ポエムPR-100」(HLB:1)を使用した。
・糖質1には三和澱粉工業株式会社製の、麦芽糖を70%以上含む「マルスターMS720」を使用した。
・糖質2には日本甜菜糖株式会社製の、オリゴ糖10%以上含有する甜菜糖蜜「メルシーオリゴ」を使用した。
・糖質3には、アリサン有限会社製の、サトウキビ糖蜜「モラセス」を使用した。
・糖質4には、テート&ライル ノースアメリカ社製の果糖である「無水結晶果糖クリスター300」を使用した。
検討8 チョコレートの調製
検討7で得られた検討油脂を使用し、表8-1の配合に従い、チョコレートを調製した。調製法は「○チョコレートの調製法」に従った。
得られたチョコレートを官能評価により甘さを評価した。方法は「○チョコレートの官能評価方法」に従った。結果を表8-1にあわせて記入した。
表8-1 チョコレートの配合
Figure 0007168119000009
・カカオマスには不二製油株式会社製「GB100」を使用した。
・ココアバターには、不二製油株式会社製「GO201」を使用した。
・レシチンには辻製油株式会社製大豆レシチン「SLP-ペースト」を使用した。なお、表においてレシチンの量は、上乗せ量(質量%)を記載した。
考察
・甘味増強効果は、甜菜糖蜜を使用した方が勝る傾向がみられた。また、甘みの質的にもよい傾向がみられた。
・サトウキビ糖蜜の甘味増強効果は、麦芽糖と同程度であった。
検討9 油中水型乳化油脂組成物(検討油脂)の調製5
表9-1の配合に従い、油中水型乳化油脂組成物を調製した。調製方法は、「○油中水型乳化油脂組成物の調製方法2」に従った。
検討油脂における、水相の粒子径を測定し、表9-1下部に記載した。水相粒子径測定方法は「○水相粒子径の測定方法」に従った。
表9-1 配合
Figure 0007168119000010
・植物油脂1には不二製油株式会社製のハードバターである「NEW SS7」を使用した。
・乳化剤には理研ビタミン株式会社製ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル「ポエムPR-100」(HLB:1)を使用した。
・糖質1には三和澱粉工業株式会社製の、麦芽糖を70%以上含む「マルスターMS720」を使用した。
・糖質2には日本甜菜糖株式会社製の、オリゴ糖10%以上含有する甜菜糖蜜「メルシーオリゴ」を使用した。
検討10 チョコレートの調製
検討9で得られた検討油脂を使用し、表10-1の配合に従い、チョコレートを調製した。調製法は「○チョコレートの調製法」に従った。
得られたチョコレートを官能評価により甘さを評価した。方法は「○チョコレートの官能評価方法2」に従った。結果を表10-1にあわせて記入した。
表10-1 チョコレートの配合
Figure 0007168119000011
・植物油脂1には不二製油株式会社製のハードバターである「NEW SS7」を使用した。
・カカオマスには不二製油株式会社製「GB100」を使用した。
・ココアバターには、不二製油株式会社製「GO201」を使用した。
・レシチンには辻製油株式会社製大豆レシチン「SLP-ペースト」を使用した。なお、表においてレシチンの量は、上乗せ量(質量%)を記載した。
・イヌリンには、Fuji Nihon Thai Inulin社製「Fuji FF」を使用した。
○チョコレートの官能評価方法2
表2-2の配合にて、「チョコレートの調製法」に従い、コントロールとなるチョコレート(以下単に「コントロールチョコレート」と称した)を調製した。試食に供するチョコレートは、試食前に室温に1時間以上放置した。
普段からチョコレートの試作に携わるパネラー5名により各サンプルを食しコントロールチョコレートの甘味を10点、甘味をほとんど感じない状態を1点とし、以下の採点表を参考に合議にて、それぞれの甘味度を点数化した。
なお、判断指標として、以下の採点表を用いた。
11点 コントロールチョコレートを超える甘味が感じられたもの。
10点 コントロールチョコレートと同等の甘味と感じられたもの。
7点 コントロールチョコレートの70%程度の甘味と感じられたもの
5点 コントロールチョコレートの50%程度の甘味と感じられたもの。
3点 コントロールチョコレートの30%程度の甘味と感じられたもの。
1点 甘味をほとんど感じられなかったもの。
判断指標のない点数は,その上下の判断指標から類推した。
比較例10-1よりも甘味度が上昇している場合を合格と判断した。
考察
検討10ではイヌリンを使用したが、乳糖の場合と同様に、検討油脂を使用することによる甘味増強効果が確認された。
検討11 チョコレートの調製
検討9で得られた検討油脂を使用し、表11-1の配合に従い、チョコレートを調製した。調製法は「○チョコレートの調製法」に従った。
得られたチョコレートを官能評価により甘さを評価した。方法は「○チョコレートの官能評価方法3」に従った。結果を表10-1にあわせて記入した。
表11-1 チョコレートの配合
Figure 0007168119000012
・植物油脂1には不二製油株式会社製のハードバターである「NEW SS7」を使用した。
・カカオマスには不二製油株式会社製「GB100」を使用した。
・ココアバターには、不二製油株式会社製「GO201」を使用した。
・レシチンには辻製油株式会社製大豆レシチン「SLP-ペースト」を使用した。なお、表においてレシチンの量は、上乗せ量(質量%)を記載した。
・イヌリンには、Fuji Nihon Thai Inulin社製「Fuji FF」を使用した。
○チョコレートの官能評価方法3
表2-2の配合にて、「チョコレートの調製法」に従い、コントロールとなるチョコレート(以下単に「コントロールチョコレート」と称した)を調製した。試食に供するチョコレートは、試食前に室温に1時間以上放置した。
普段からチョコレートの試作に携わるパネラー5名により各サンプルを食しコントロールチョコレートの甘味を10点、甘味をほとんど感じない状態を1点とし、以下の採点表を参考に合議にて、それぞれの甘味度を点数化した。
なお、判断指標として、以下の採点表を用いた。
11点 コントロールチョコレートを超える甘味が感じられたもの。
10点 コントロールチョコレートと同等の甘味と感じられたもの。
7点 コントロールチョコレートの70%程度の甘味と感じられたもの
5点 コントロールチョコレートの50%程度の甘味と感じられたもの。
3点 コントロールチョコレートの30%程度の甘味と感じられたもの。
1点 甘味をほとんど感じられなかったもの。
判断指標のない点数は,その上下の判断指標から類推した。
比較例11-1よりも甘味度が上昇している場合を合格と判断した。
考察
砂糖の量が5%のチョコレートであっても、本発明に係る検討油脂を用いることで、甘味増強効果があることが確認された。
検討12 油中水型乳化油脂組成物(検討油脂)の調製
表12-1の配合に従い、油中水型乳化油脂組成物を調製した。調製方法は、「○油中水型乳化油脂組成物の調製方法」に従った。水相の粒子径の測定は「〇水相粒子径の測定方法」に従った。
表12-1 検討油脂の配合
Figure 0007168119000013

・ヤシ油には不二製油株式会社製「精製ヤシ油」を使用した。
・パーム分別油には、不二製油株式会社製のパームオレインである「パームエース10N」を使用した。
・乳化剤1には、阪本薬品工業株式会社製ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル「CRS-75」を使用した。
・糖質1には三和澱粉工業株式会社製の、麦芽糖を70%以上含む「マルスターMS720」を使用した。
・水相の粒子径は、すべて300nm以下であった。
検討13 アイスクリームの調製
検討12で得られた検討油脂を使用し、表13-1の配合に従い、アイスクリームを調製した。調製法は「○アイスクリームの調製法」に従った。
得られたアイスクリームを、官能評価により甘さを評価した。方法は、「○アイスクリームの官能評価方法」に従った。結果を表13-1に合わせて記入した。
表13-1 アイスクリームの配合
Figure 0007168119000014

・水溶性食物繊維にはイヌリンを使用した。
・粉末水飴には「マックス2000」を使用した。
・乳化材2には理研ビタミン株式会社製グリセリン脂肪酸エステルである「エマルジーMS」を使用した。
・安定剤には三栄源エフ・エフ・アイ製の冷菓用安定剤である「サンベストNN-305」を使用した。
○アイスクリームの調製法
1 配合に従い、水に全ての原材料を投入した。
2 80℃にて、ホモミキサーを用い8000rpm、20分間攪拌した。
3 高圧ホモ(150MPa)にて均質化した。
4 8℃にて一晩放置した。
5 アイスクリーマーにて15分間フリージングした。
6 プラスチック容器に分注し、ショックフリーザー(-40℃)にて硬化した。
○アイスクリームの官能評価方法
各アイスクリームは、調製した翌日に評価した。評価は、パネラー3名にて、合議により以下の基準で採点した。
比較例13-1を10点、比較例13-2を5点とした。なお、比較例13-2は比較例13-1に対して、砂糖の量は半分としたものであった。
実施例13-1は、比較例13-1を判断基準に、また実施例13-2は比較例13-2を判断基準に評価を行った。
12点 比較例13-1に対して2割増しの甘味と感じられたもの。
11点 比較例13-1に対して1割増しの甘味と感じられたもの。
10点 比較例13-1と同等の甘味と感じられたもの。
9点 比較例13-2に対して8割増しの甘味と感じられたもの。
8点 比較例13-2に対して6割増しの甘味と感じられたもの。
7点 比較例13-2に対して4割増しの甘味と感じられたもの。
6点 比較例13-2に対して2割増しの甘味と感じられたもの。
5点 比較例13-2と同等の甘味と感じられたもの。
考察
表13-1に示した様に、所定の検討油脂を使用することで、コントロールに比べ甘味度が高く感じられるアイスクリームが得られることが確認された。
検討14 キャラメルの調製
検討12で得られた検討油脂を使用し、表14-1の配合に従い、キャラメルを調製した。調製法は「○キャラメルの調製法」に従った。
得られたキャラメルを、官能評価により甘さを評価した。方法は、「○キャラメルの官能評価方法」に従った。結果を表14-1に合わせて記入した。
表14-1 キャラメルの配合
Figure 0007168119000015

・糖質1には日本コーンスターチ製の果糖ブドウ糖液糖である「ハイフラクトM75C」を使用した。本品は水分を25質量%含むものであった。
・加糖練乳には、生乳/砂糖=84.6/15.4のものを使用した。本品は水分を26.1質量%含むものであった。
・各配合の水分量は、15.3質量%であった。
・最終水分が6質量%となるように煮詰めた状態を想定し、キャラメル中の検討油脂由来糖固形分(ppm)を計算して、表14-1に記載した。
○キャラメルの調製法
1 配合に従い、液糖、グラニュー糖、イヌリン、加糖練乳、乳化剤を混合し、ホモミキサーで攪拌した。温度は70℃とした。
2 検討油脂を加え、ホモミキサーにて70℃ 5000rpm、5分間攪拌した。
3 直火で、品温が最高120℃となる様に煮詰め、最終水分が6質量%となるように調整した。
4 金属トレーに流し、20℃、24時間放置した。
5 適当な大きさにカットした。
○キャラメルの官能評価方法
各キャラメルは、調製した翌日に評価した。評価は、パネラー3名にて、合議により以下の基準で採点した。
比較例14-1を10点とし、他のサンプルを評価した。
10点 比較例14-1と同等の甘味と感じられたもの。
9点 比較例14-1に対して1割減の甘味と感じられたもの。
8点 比較例14-1に対して2割減の甘味と感じられたもの。
7点 比較例14-1に対して3割減の甘味と感じられたもの。
6点 比較例14-1に対して4割減の甘味と感じられたもの。
5点 比較例14-1の半分程度の甘味と感じられたもの。
考察
比較例14-2に対して、検討油脂12-1を使用した実施例14-1は、官能評価による甘さが大きく向上し、比較例14-1に迫るほどであった。このことから、検討油脂12-1による、甘味強化の効果が確認された。
検討15 スプレー油としての評価
検討12で得られた検討油脂を使用し、表15-1の配合に従い、スプレー油としての効果を検証した。調製法は「○スプレー方法」に従った。
得られた各菓子を、官能評価により甘さを評価した。方法は、「○菓子の官能評価方法」に従った。結果を表15-1に合わせて記入した。
表15-1 スプレー油の評価
Figure 0007168119000016

・かりんとうには、市販品(TOPVALU)の「白かりんとう」を使用した。
・芋けんぴには、市販品(TOPVALU)の「細切り芋けんぴ」を使用した。
・ドーナツには、市販品(TOPVALU)の「ミルクドーナツ」を使用した。
・ビスケットには、市販品(TOPVALU)の「ココナッツビスケットミニ」を使用した。
かりんとう、芋けんぴ、ドーナツ、ビスケットは市販品であるため、厳密な砂糖量は不明であるが、それぞれの原材料表示や成分表示から、砂糖を4~30質量%含む油性食品であることが推認された。
○スプレー方法
1 表15-1の配合に従い、それぞれの菓子を準備した。
2 検討油脂を50℃に温調し、表15-1の配合に従い、それぞれの菓子にスプレーした。
○菓子の官能評価方法
各菓子において、比較例の点数を10点とし、実施例における甘さを評価した。
評価は、パネラー3名にて、合議により以下の基準で採点した。
14点 各菓子の比較例で感じられる甘味より4割程度甘味が強いと感じられるもの。
13点 各菓子の比較例で感じられる甘味より3割程度甘味が強いと感じられるもの。
12点 各菓子の比較例で感じられる甘味より2割程度甘味が強いと感じられるもの。
11点 各菓子の比較例で感じられる甘味より1割程度甘味が強いと感じられるもの。
10点 各菓子の比較例で感じられる甘味と同等と感じられるもの。
9点 各菓子の比較例で感じられる甘味より1割程度甘味が弱いと感じられるもの。
考察
表15-1に示されたとおり、本発明に係る検討油脂を使用した場合、甘味が強まる効果が確認された。

Claims (4)

  1. 砂糖、麦芽糖、果糖、糖蜜から選ばれる1以上の糖が溶解した水相を、油相中に粒子径50~2000nmで分散することを特徴とする、甘味料を含有する油性食品における甘味増強方法。但し、該水相により持ち込まれる糖の量は油性食品中40~400ppmである。
  2. 該水相における糖の濃度が40~70質量%である、請求項1に記載の方法。
  3. 該油性食品が、甘味料として砂糖を4~30質量%含むものである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 該油性食品がチョコレート、アイスクリーム、キャラメルから選ばれる1つである、請求項1~3いずれか1項に記載の方法。
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