JP7166181B2 - 曝気撹拌システム及び曝気撹拌システムの運転方法 - Google Patents

曝気撹拌システム及び曝気撹拌システムの運転方法 Download PDF

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Description

本発明は、反応槽内の被処理水を曝気、撹拌する曝気撹拌システム及び曝気撹拌システムの運転方法に関するものである。
下水や汚水等の被処理水の処理において、無終端水路で硝化、脱窒を行うオキシデーションディッチ法が知られている。オキシデーションディッチ法は、被処理水が周回する無終端水路からなる反応槽の1又は数カ所に曝気撹拌装置を設け、被処理水を曝気撹拌することにより、硝化または脱窒の条件を調整している。
オキシデーションディッチを用いた被処理水の処理として、例えば、特許文献1には、オキシデーションディッチとして構成される曝気槽、沈殿槽、最終処理槽を備える設備において、沈殿槽の底部から取り出した汚泥を超微細化し、曝気槽に戻す超微細化装置を備えることで、被処理水の処理能力を大幅に高め、汚泥減容化することが記載されている。また、特許文献1には、曝気槽で発生した活性汚泥を、後段に設けた沈殿槽で固液分離し、得られた上澄水を最終処理槽で処理することにより、BODやCODなどの規制をクリアした処理水として河川などに放流することが記載されている。
特開2009-28673号公報
特許文献1に記載されたように、オキシデーションディッチによる被処理水の処理においては、曝気槽(反応槽)で発生した活性汚泥は、後段に設けられた沈殿槽にて沈殿処理が行われ、上澄水のみが処理水として河川に放流される。
しかし、大雨等で、流入する被処理水の量が計画外水量となった場合、曝気槽の活性汚泥が沈殿槽に大量流入し、沈殿槽における固液分離処理が十分に行われないまま処理水として流出するおそれがある。
このとき、反応槽内の曝気撹拌装置を停止して、沈殿槽への活性汚泥の流入を防ぐことも考えられるが、オキシデーションディッチによる被処理水処理を停止することになるため、未処理状態の被処理水が反応槽から沈殿槽に越流する可能性がある。また、流入する被処理水の量が通常水量に戻った際には、反応槽内で高濃度化した活性汚泥が曝気撹拌装置の駆動とともに沈殿槽に流出し、沈殿槽における固液分離処理に支障を与えるという問題がある。
本発明の課題は、曝気、撹拌を行い、硝化または脱窒を伴う被処理水の処理において、流入する水量に変更が生じても、放流される処理水の水質の安定化を図ることが可能な曝気撹拌システム及び曝気撹拌システムの運転方法を提供することである。
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、曝気、撹拌を行い、硝化または脱窒を伴う被処理水の処理において、反応槽に流入する水量を測定し、測定された水量に基づき、曝気撹拌装置の運転を制御することで、放流される処理水の水質を安定させることが可能となることを見出して、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の曝気撹拌システム及び曝気撹拌システムの運転方法である。
上記課題を解決するための本発明の曝気撹拌システムは、循環する被処理水を硝化または脱窒させる反応槽内の被処理水を曝気、撹拌する機械式曝気撹拌機と、反応槽内に流入する被処理水の水量を測定する測定部と、測定部で測定された水量に基づいて、機械式曝気撹拌機の運転を制御する制御部とを備えることを特徴とする。
この曝気撹拌システムによれば、反応槽内に流入する被処理水の水量に応じて、機械式曝気撹拌機の運転制御を行うことで、被処理水の処理を最適化することが可能となり、放流される処理水の水質の安定化を図ることができる。
また、本発明の曝気撹拌システムの一実施態様としては、制御部は、通常運転モードと水量増加運転モードを備え、測定部で測定された水量が所定値を超えた際に、水量増加運転モードに切り替えるという特徴を有する。
この特徴によれば、所定値以上の被処理水が反応槽に流入したときに、通常運転モードとは異なる水量増加運転モードに切り替えることで、被処理水の増加による処理において、処理の最適化を行うことが可能となる。
また、本発明の曝気撹拌システムの一実施態様としては、通常運転モードは、機械式曝気撹拌機の高速回転と低速回転を行い、水量増加運転モードは、通常運転モードにおける低速回転よりも低速となるように、機械式曝気撹拌機の回転を行うという特徴を有する。
この特徴によれば、所定値以上の被処理水が反応槽に流入したときに、機械式曝気撹拌機の運転を、通常運転モードよりも低速とすることで、反応槽での処理を継続させるとともに、反応槽に沈殿槽としての機能を一部持たせることができる。これにより、反応槽内の被処理水が未処理の状態で導出することを抑制するとともに、反応槽内の活性汚泥が大量溢流することを抑制することが可能となる。その結果、放流される処理水の水質について、より一層の安定化を図ることができる。
また、本発明の曝気撹拌システムの一実施態様としては、測定部で測定された水量が所定値以内を示し、反応槽に流入する被処理水の水量が通常に戻った際に、制御部を通常運転モードに切り替えるという特徴を有する。
この特徴によれば、反応槽に流入する被処理水が所定値以下となったときに、水量増加運転モードを通常運転モードに切り替えることで、被処理水の処理の最適化を行うことが可能となる。
上記課題を解決するための本発明の曝気撹拌システムの運転方法は、循環する被処理水を硝化または脱窒させる反応槽内の被処理水を曝気、撹拌する機械式曝気撹拌機を備えた曝気撹拌システムの運転方法であって、反応槽内に流入する被処理水の水量に係る情報を取得する工程と、取得した水量に係る情報に基づいて、機械式曝気撹拌機の運転を制御する工程を備えたことを特徴とする。
この曝気撹拌システムの運転方法によれば、反応槽内に流入する被処理水の水量に応じて、機械式曝気撹拌機の運転制御を行うことで、被処理水の処理を最適化することが可能となり、放流される処理水の水質の安定化を図ることができる。
本発明によれば、曝気、撹拌を行い、硝化または脱窒を伴う被処理水の処理において、流入する水量に変更が生じても、放流される処理水の水質の安定化を図ることが可能な曝気撹拌システム及び曝気撹拌システムの運転方法を提供することができる。
本発明の実施態様の曝気撹拌システム及びオキシデーションディッチの構造を示す概略説明図である。 本発明の実施態様の機械式曝気撹拌機の構造を示す概略説明図である。 本発明の実施態様の曝気撹拌システムの運転制御に係るフロー図である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る曝気撹拌システム及び曝気撹拌システムの運転方法の実施態様を詳細に説明する。また、本発明に係る曝気撹拌システムの運転方法の説明については、本発明に係る曝気撹拌システムの運転制御に係る説明に置き換えるものとする。
なお、実施態様に記載する曝気撹拌システムについては、本発明に係る曝気撹拌システムを説明するために例示したに過ぎず、これに限定されるものではない。また、実施態様に記載する曝気撹拌システムの運転方法についても、本発明に係る曝気撹拌システムに対する運転方法を説明するために例示したに過ぎず、これに限定されるものではない。
本発明の曝気撹拌システム及び曝気撹拌システムの運転方法は、曝気、撹拌を行い、硝化または脱窒を伴う被処理水の処理に係るものである。特に、オキシデーションディッチによる被処理水の処理に対し、本発明を好適に利用することができる。
なお、実施態様に記載するオキシデーションディッチの構造については、本発明を説明するための例示であって、これに限定されるものではない。
また、被処理水については特に限定されないが、下水、農業集落排水、畜産排水、工場排水等の有機性廃水が挙げられる。特に、天候等の要因により、処理設備への流入量が突発的に変化することがある下水、農業集落排水等に対し、本発明を好適に利用することができる。
図1は、本発明の実施態様における曝気撹拌システム及びオキシデーションディッチの構造を示す概略説明図である。また、図2は、本発明の実施態様における機械式曝気撹拌機の構造を示す概略説明図である。なお、図1における一点鎖線の矢印は、電気的に接続され、入力又は制御可能であることを示している。
(オキシデーションディッチ)
本実施態様におけるオキシデーションディッチ1は、図1に示すように、平面視長円形状を成す反応槽2を備え、この反応槽2の中央部に長手方向に延在する隔壁3が配設されている。この隔壁3の周囲の領域が、無終端状の循環水路4となっている。循環水路4には、導入口2aを通して下水などの被処理水W0が導入されているとともに、この循環水路4からは当該循環水路4で処理された処理水W1が導出口2bを通じて導出されている。
オキシデーションディッチ1は、反応槽2内の被処理水W0を曝気、撹拌する機械式曝気撹拌機20を備え、機械式曝気撹拌機20は反応槽2の長手方向の中央部に配置されている。なお、本実施態様における機械式曝気撹拌機20は、縦軸型機械式曝気撹拌機について示しているが、これに限定されるものではない。機械式曝気撹拌機20としては、縦軸型のほかに、横軸型、斜軸型などが挙げられる。
機械式曝気撹拌機20は、図2に示すように、上下方向に延在し、軸線周りに回転するシャフト21を有し、このシャフト21の下端には、複数の羽根状のインペラ22が設けられている。また、インペラ22は、シャフト21の外周面から放射状に取り付けられている。
機械式曝気撹拌機20は、インペラ22を回転させるための駆動源としてインペラ回転用のモーター23を備えている。モーター23の駆動を制御するための手段は特に限定されないが、後述する水量増加運転モードにおいては、インペラ22の回転が完全に停止しないよう、インペラ22の低速回転を継続して行う必要がある。
このようなインペラ22の低速回転を可能とするモーター23の駆動手段としては、例えば、図2に示すように、モーター23の回転数を制御するインバータ24を備えることが挙げられる。インバータ24は、電源から供給された電流を所定の周波数の交流電流に変換することにより、モーター23の回転数を調整する構成であり、インペラ22の低速回転に係る制御が容易である。また、モーター23の駆動手段の他の例としては、モーター23の駆動をON/OFF制御するものが挙げられる。モーター23の駆動をOFFにしても、インペラ22の回転自体はすぐには停止しない。したがって、インペラ22の回転が完全に停止する前に、モーター23の駆動をON/OFF制御することでインペラ22の低速回転を行うことが可能となる。
また、機械式曝気撹拌機20は、シャフト21を回転自在に支持して昇降可能とする昇降装置25とを備えている。これにより、反応槽2内における被処理水W0に対するインペラ22の位置を制御し、後述する好気運転と無酸素運転の切り替えを可能とする。
本実施態様のオキシデーションディッチ1では、2つの機械式曝気撹拌機20が設けられ、各機械式曝気撹拌機20は、反応槽2の隔壁3を挟んで配設され、循環水路4の上流側に配置されている。反応槽2内の被処理水W0は、インペラ22が浸漬するように水量が調整され、インペラ回転用のモーター23の駆動によるインペラ22の回転に従って、反応槽2内を反時計回り(図1中)に循環する。
オキシデーションディッチ1では、反応槽2内を好気状態にする好気運転と、反応槽2内を嫌気状態にする無酸素運転を交互に行う。好気運転時には、図2に示すように、機械式曝気撹拌機20のインペラ22の回転数を増やして適度の飛沫Dを発生させ、被処理水W0に空気を供給して曝気する。無酸素運転時には、インペラ22を下降させて回転数を減らして被処理水W0を撹拌する。このように、機械式曝気撹拌機20のインペラ22の回転速度によって、反応槽2内に好気状態又は嫌気状態を形成することができる。以下、好気運転に係るインペラ22の高速回転と、無酸素運転に係るインペラ22の低速回転を併せて、機械式曝気撹拌機20の通常運転モードと呼ぶ。
(曝気撹拌システム)
本実施態様の曝気撹拌システム10は、図1に示すように、上述した反応槽2と、機械式曝気撹拌機20と、反応槽2に流入する被処理水W0の水量に係る情報を取得する測定部30と、測定部30で取得した情報に基づき機械式曝気撹拌機20の運転を制御する制御部40を備える。
測定部30は、反応槽2内に流入する被処理水W0の水量に係る情報を取得するものである。なお、反応槽2内に流入する被処理水W0の水量に係る情報としては、反応槽2に流入する被処理水W0の流量の測定値又は算出値や、反応槽2や反応槽2の前段に設けた貯水槽内の水位の測定値又は算出値が挙げられる。
測定部30としては、反応槽2内に流入する水量に係る情報を測定又は算出することができるものであればよく、例えば、反応槽2内に水位計を設けるもの、反応槽2の導入口2aに流量計を設けるもの、反応槽2の前段に設けた貯水槽に流量計や水位計を設けるものなどが挙げられる。また、反応槽2に被処理水W0を供給する揚水ポンプの駆動状態から、反応槽2内に流入する被処理水W0の水量を推定し、算出するものとしてもよい。なお、測定部30として流量計や水位計を用い、被処理水W0の水量を測定する際において、計測機器により自動で水量に係る情報(測定値)を収集するものであってもよく、作業者が目視により水量に係る情報(測定値)を読み取るものであってもよい。また、流量計や水位計等の計測器を用いることなく、作業者の目視により反応槽2や貯水槽の水位を推定、算出し、水量に係る情報(算出値)を取得するものとしてもよい。
測定部30で取得した被処理水W0の水量に係る情報(測定値又は算出値)は、後述する制御部40に対し、自動又は手動により入力される。
制御部40は、測定部30で取得した被処理水W0の水量に係る情報(測定値又は算出値)に基づき、機械式曝気撹拌機20の運転を制御するものである。
制御部40は、演算処理を行うCPU、記憶部41となるROM及びRAM、入力信号回路、出力信号回路、電源回路などを含むものである。制御部40では、記憶部41に記憶されたプログラムを実行することで、運転条件設定部42、判定部43、運転切替部44が構築されている。制御部40には、測定部30及び機械式曝気撹拌機20が電気的に接続されている。
記憶部41は、後述する運転条件設定部42で設定した運転条件に係る情報を記憶するものである。また、測定部30で取得した被処理水W0の水量に係る情報(測定値又は算出値)を記憶するものである。記憶部41で記憶した情報は、後述する判定部43での判定で使用される。
運転条件設定部42は、例えば作業者による入力に基づき、曝気撹拌システムの運転条件を設定する。ここで、運転条件に係るパラメータは、反応槽2に流入する被処理水W0の水量に係る所定値として、流入水量上限値(判定閾値)を含むものである。また、その他のパラメータとしては、例えば、好気運転と無酸素運転を繰り返し実行する1周期の時間(1サイクル時間)、曝気時間、曝気運転開始時刻などが挙げられる。
判定部43は、測定部30による測定値(算出値)と、運転条件設定部42で設定した流入水量上限値(判定閾値)とを比較し、測定値(算出値)が流入水量上限値以上であるか否かを判定する。また、判定部43は、運転条件設定部42で設定したその他のパラメータに関する判定を行うものとしてもよい。例えば、運転時間が設定された曝気時間未満であるか否かを判定するとともに、運転時間が設定された1サイクル時間未満であるか否かを判定することなどが挙げられる。
運転切替部44は、判定部43による判定の結果に基づいて、機械式曝気撹拌機20の運転モードの切り替えを行う。
例えば、測定部30による測定値(算出値)が流入水量上限値未満であれば、運転切替部44は、通常運転モードを継続し、設定された曝気時間と1サイクル時間に基づき、好気運転と無酸素運転との切り替えを行う。
一方、測定部30による測定値(算出値)が流入水量上限値以上であれば、運転切替部44は、通常運転モードから、水量増加運転モードに切り替えを行う。
水量増加運転モードは、反応槽2内の被処理水W0が未処理の状態で導出することを抑制するとともに、反応槽2内の活性汚泥が大量溢流することを抑制するための運転モードである。
水量増加運転モードとしては、例えば、通常運転モードにおける無酸素運転に係るインペラ22の低速回転よりも低速となるように、インペラ22を回転させるものが挙げられる。このとき、インペラ22の回転が完全に停止すると、反応槽2内における被処理水W0の処理も停止することになるため、未処理状態の被処理水W0が反応槽2から導出する可能性がある。したがって、水量増加運転モードにおいては、インペラ22の回転駆動を継続させる必要がある。
なお、水量増加運転モードにおけるインペラ22の回転は、通常運転モードにおけるインペラ22の低速回転よりも低速であって、かつ完全に停止することがなければよく、特に限定されない。例えば、水量増加運転モードのインペラ22の回転は、通常運転モードにおけるインペラ22の低速回転の半分以下の回転数で駆動させることが挙げられる。
このとき、反応槽2内においては、通常運転モードの無酸素運転よりも遅い水流が形成される。これにより、反応槽2内において、被処理水W0と活性汚泥の混合を継続するとともに、反応槽2内に活性汚泥が沈殿、貯留され、反応槽2外に活性汚泥が大量溢流することを抑制することが可能となる。
また、水量増加運転モード中に、測定部30による測定値(算出値)が流入水量上限値を下回った場合、運転切替部44は、水量増加運転モードから通常運転モードに切り替えを行う。
このとき、反応槽2内には、活性汚泥が貯留されているため、一気に通常運転モードに切り替えると、反応槽2内に大量の活性汚泥を分散させることになり、活性汚泥が反応槽2外に溢流するおそれがある。
したがって、反応槽2内にMLSS(Mixed Liquor Suspended Solids)計を設け、活性汚泥濃度(微生物濃度)をパラメータとして、インペラ22の回転数を段階的に上げ、通常運転モードに戻すことが好ましい。これにより、水量増加運転モード中に反応槽2内に貯留された活性汚泥を急激に反応槽2内に分散させることがなく、運転モードの切り替えによる活性汚泥の溢流を抑制することが可能となる。なお、インペラ22の回転数を段階的に上げるためのパラメータは、MLSS計による活性汚泥濃度に限定されない。例えば、反応槽2内にMLSS計を設ける代わりに、濁度計や画像処理システムを設け、反応槽2内の活性汚泥の分散状態を判断し、インペラ22の回転数を段階的に上げるものとしてもよい。また、例えば、作業者の目視により反応槽2内の活性汚泥の分散状態を判断し、インペラ22の回転数を段階的に上げるものとしてもよい。
(曝気撹拌システムの運転制御)
図3を参照して、反応槽2に流入する被処理水W0の水量に基づく曝気撹拌システムの運転制御例について説明する。
図3は、本実施態様における曝気撹拌システムの運転制御を示すフロー図である。
まず、運転条件設定部42で、反応槽2に流入する被処理水W0の水量に係る所定値として、流入水量上限値(判定閾値)を設定する(ステップS1)。流入水量上限値の設定基準については特に限定されない。例えば、過去の運転実績に基づき設定するものであってもよく、反応槽2の設計上の限界値に基づき設定するものであってもよい。
運転条件が設定された後、曝気撹拌システムは通常運転モードによる運転を開始する(ステップS2)。なお、通常運転モードにおいては、インペラ22の高速回転による好気運転と、インペラ22の低速回転による無酸素運転とを所定時間ごとに繰り返す。また、ステップS2において、測定部30によって反応槽2内に流入する被処理水W0の水量に係る情報(測定値又は算出値)の取得を開始する。
次に、判定部43は、測定部30で取得した反応槽2内に流入する被処理水W0の水量の測定値(算出値)が所定値以上であるか否かを判定する(ステップS3)。測定値(算出値)が所定値以上の場合(ステップS3:YES)、ステップS4に進む。一方、測定値(算出値)が所定値未満の場合(ステップS3:NO)、ステップS2に戻り、通常運転モードを継続する。
ステップS4では、運転切替部44により、曝気撹拌システムは水量増加運転モードによる運転を開始する。水量増加運転モードとして、インペラ22の回転を通常運転モードの低速回転よりも低速で駆動させることで、反応槽2内での処理を継続するとともに、反応槽2内に活性汚泥を貯留し、活性汚泥が溢流することを抑制する。
次に、判定部43は、測定部30で取得した反応槽2内に流入する被処理水W0の水量の測定値(算出値)が所定値以上であるか否かを再度判定する(ステップS5)。測定値(算出値)が所定値以上の場合(ステップS5:YES)、ステップS4に戻り、水量増加運転モードを継続する。一方、測定値(算出値)が所定値未満の場合(ステップS5:NO)、ステップS6に進む。
ステップS6では、運転切替部44により、曝気撹拌システムは通常運転モードによる運転を開始する。このとき、MLSS計の測定値等に基づき、インペラ22の回転数を段階的に上げることで、反応槽2内に貯留した活性汚泥を急激に分散させることがなく、活性汚泥の溢流を抑制することが可能となる。
ステップS6で、通常運転モードに復帰した後、ステップS2に戻り、通常運転モードを継続させる。以後、ステップS2~ステップS6を繰り返すことで、被処理水の処理を安定して行うことができる。
なお、上述したステップS1~ステップS6に係る制御は、制御プログラムとして制御部40により全て自動で実行されるものであってもよく、作業員の手動操作を含むものであってもよい。なお、作業員の労力を低減する観点から、制御プログラムによる自動制御とすることがより好ましい。これにより、反応槽2内に流入する被処理水の水量増加を検知するタイミングや運転モードの切り替えのタイミングなど、被処理水の処理を短時間で最適化することが可能となり、放流される処理水の水質の安定化が容易となる。
以上のように、本実施態様における曝気撹拌システム及び曝気撹拌システムの運転方法は、反応槽2内に流入する被処理水W0の水量に応じて、機械式曝気撹拌機20の運転制御を行うことで、被処理水の処理を最適化することが可能となり、放流される処理水の水質の安定化を図ることができる。
特に、流入水量上限以上の計画外水量の被処理水が流入したときに、水量増加運転モードに切り替えることで、反応槽2での処理を継続させるとともに、反応槽2に沈殿槽としての機能を一部持たせることで、反応槽2内の被処理水W0が未処理の状態で導出することを抑制するとともに、反応槽2内の活性汚泥が大量溢流することを抑制することが可能となる。これにより、放流される処理水の水質について、より一層の安定化を図ることができる。
なお、上述した実施態様は曝気撹拌システム及び曝気撹拌システムの運転方法の一例を示すものである。本発明に係る曝気撹拌システム及び曝気撹拌システムの運転方法は、上述した実施態様に限られるものではなく、請求項に記載した要旨を変更しない範囲で、上述した実施態様に係る曝気撹拌システム及び曝気撹拌システムの運転方法を変形してもよい。
例えば、本実施態様の曝気撹拌システムにおいて、機械式曝気撹拌機は、反応槽内のどの位置に配置されるものであってもよい。例えば、反応槽の長手方向端部に設けるものとしてもよい。
また、本実施態様の曝気撹拌システム及び曝気撹拌システムの運転方法において、曝気撹拌システムの運転状態を制御するための指標として利用できる水質を測定する水質計測器をさらに設け、運転条件設定部で設定する運転条件として、水質の目標値、上限値及び下限値を設定してもよい。
曝気撹拌システムの運転状態を制御する指標となる水質としては、例えば、溶存酸素濃度(DO)の他、酸化還元電位(ORP)、アンモニア性窒素量、pH、生物化学的酸素要求量(BOD)、化学的酸素要求量(COD)、懸濁物質(SS)等が挙げられる。また、水質計測器としては、溶存酸素濃度を測定する溶存酸素計測器、酸化還元電位を測定する酸化還元電位検出器、アンモニア性窒素量を測定するアンモニア検出器、生物化学的酸素要求量を測定するBOD測定器、化学的酸素要求量を測定するCOD測定器等が挙げられる。
これらの運転条件を基に、本実施態様の曝気撹拌システムの運転制御を行うことで、被処理水の処理をより最適化することが可能となり、放流される処理水の水質の安定化を図ることができる。
また、本実施態様の曝気撹拌システム及び曝気撹拌システムの運転方法は、曝気、撹拌を行い、硝化または脱窒を伴う被処理水の処理であれば適用することができ、オキシデーションディッチによる被処理水の処理以外にも適用することができる。例えば、無終端水路ではなく、水槽に曝気撹拌装置を備えた生物処理槽等にも適用することが可能である。
本発明の曝気撹拌システム及び曝気撹拌システムの運転方法は、曝気、撹拌を行い、硝化または脱窒を伴う被処理水の処理に利用されるものである。例えば、オキシデーションディッチによる被処理水の処理に好適に利用されるものである。
また、本発明の曝気撹拌システム及び曝気撹拌システムの運転方法は、特に、下水処理場または農業集落排水処理施設等のように、天候などの要因により突発的に計画外水量が発生する施設における被処理水の処理に好適に利用されるものである。
1 オキシデーションディッチ、2 反応槽、2a 導入口、2b 導出口、3 隔壁、4 循環水路、10 曝気撹拌システム、20 機械式曝気撹拌機、21 シャフト、22 インペラ、23 モーター、24 インバータ、25 昇降装置、30 測定部、40 制御部、41 記憶部、42 運転条件設定部、43 判定部、44 運転切替部駆動部、D 飛沫、W0 被処理水、W1 処理水

Claims (5)

  1. 循環する被処理水を硝化または脱窒させる反応槽内の前記被処理水を曝気、撹拌する機械式曝気撹拌機と、
    前記反応槽内に流入する前記被処理水の水量を測定する測定部と、
    前記測定部で測定された水量に基づいて、前記機械式曝気撹拌機の運転を制御する制御部とを備え
    前記制御部は、前記機械式曝気撹拌機の高速回転と低速回転を行う通常運転モードと、前記通常運転モードにおける低速回転よりも低速となるように、前記機械式曝気撹拌機の回転を行う水量増加運転モードを備えることを特徴とする、曝気撹拌システム。
  2. 前記制御部は、前記測定部で測定された水量が所定値を超えた際に、前記通常運転モードから前記水量増加運転モードに切り替えることを特徴とする、請求項1に記載の曝気撹拌システム。
  3. 記水量増加運転モードは、前記通常運転モードにおける低速回転の半分以下の回転数となるように、前記機械式曝気撹拌機の回転を行うことを特徴とする、請求項2に記載の曝気撹拌システム。
  4. 前記測定部で測定された水量が所定値以内を示し、前記反応槽に流入する前記被処理水の水量が通常に戻った際に、前記制御部を通常運転モードに切り替えることを特徴とする、請求項2又は3に記載の曝気撹拌システム。
  5. 循環する被処理水を硝化または脱窒させる反応槽内の前記被処理水を曝気、撹拌する機械式曝気撹拌機を備えた曝気撹拌システムの運転方法であって、
    前記反応槽内に流入する前記被処理水の水量に係る情報を取得する工程と、
    取得した水量に係る情報に基づいて、前記機械式曝気撹拌機の運転を制御する工程を備え、
    前記機械式曝気撹拌機の運転を制御する工程は、前記機械式曝気撹拌機の高速回転と低速回転を行う通常運転モードと、前記通常運転モードにおける低速回転よりも低速となるように、前記機械式曝気撹拌機の回転を行う水量増加運転モードを備えることを特徴とする、曝気撹拌システムの運転方法。
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