JP7164930B2 - 音出力装置及び音出力システム - Google Patents
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Description
オーディオ機器に故障が生じて、音声出力がなくなったとき、故障診断装置はスピーカが故障しているか否かの故障診断を実行する。スピーカに故障が生じている場合、LED等の表示器が点滅し、ユーザに対して「故障」である旨の告知がなされる。
以下、図1~図3を用いて、本発明の第1実施の形態に係る音出力装置及び音出力システムについて説明する。
図1に示されるように、本実施の形態に係る音出力システム1は、音出力装置2と、マイクロコントロールユニット(MCU)3と、クロック信号発振器(CLK)4と、スピーカ5と、を含んで構築されている。すなわち、音出力装置2は、音出力システム1を構築する1つの装置として、音出力システム1に組み込まれている。
クロック信号発振器4は、音出力装置2へ、音出力装置2の動作の制御に必要なMCLK信号を出力する。
図1に示される音出力装置2は1つの半導体集積回路(1チップ)として構成されている。この音出力装置2は、シリアルオーディオインターフェイス(SAI)20と、ミキサ(MIXER)21、26と、ボリュームユニット(VOL)22と、フィルタ(FILTER)23と、デジタルアナログコンバータ(DAC)24と、増幅回路(AMP)27とを備えている。ミキサ26、増幅回路27は、ここではステレオ構成とされているので、それぞれ2個づつ配設されている。そして、音出力装置2は故障診断ユニット6を備えている。
シリアルオーディオインターフェイス20はミキサ21に接続されている。また、ミキサ21は、音楽情報や音声情報が格納される記憶媒体に接続される図示省略のデコーダに接続されている。ミキサ21では、図示省略のデコーダでデコードされたデジタル音情報とシリアルオーディオインターフェイス20から入力されたデジタル音情報のミキシング処理が実行される。
ミキサ21はボリュームユニット22に接続されている。ボリュームユニット22では、ミキサ21から出力されるデジタル音情報に対してボリューム処理が実行される。
ボリュームユニット22はフィルタ23に接続されている。フィルタ23は、ボリュームユニット22から出力されるデジタル音情報に音響処理を加えるブロックである。
デジタルアナログコンバータ24は、ミキサ26、増幅回路27のそれぞれに接続されている。ミキサ26ではアナログ音情報にミキシング処理が実行される。
ミキサ26から出力されるアナログ音情報は増幅回路27に入力され、増幅回路27では、アナログ音情報が増幅される。増幅回路27にはスピーカ5が接続される構成とされ、増幅回路27において増幅されたアナログ音情報はスピーカ5へ出力され、スピーカ5ではアナログ音情報に基づいて音が出力される。
図1に示されるように、故障診断ユニット6では、ミキサ21から出力されるデジタル音情報及び増幅回路27から出力されるアナログ音情報が入力される。入力された音情報に基づいて、故障診断ユニット6では、「故障状態」にあるか否かが判定され、「故障状態にあるときに故障(ES)信号が出力される。このES信号はマイクロコントロールユニット3へ出力される。
アナログデジタルコンバータ61は、増幅回路27とスピーカ5との間において、増幅回路27から増幅されて出力されるアナログ音情報を取得し、このアナログ音情報を診断用デジタル音情報に変換する。
FIFO60は、メモリユニットとして使用され、ミキサ21から出力されるデジタル音情報を入力し、入力順にデジタル音情報を適宜出力する。FIFO60では、ミキサ21から出力されるデジタル音情報の位相をアナログデジタルコンバータ61から出力される診断用デジタル音情報の位相に合わせる構成とされている。表現を代えれば、FIFO60は、デジタル音情報と診断用デジタル音情報との位相差を無くす構成とされている。
減算ユニット63は判定ユニット64に接続されている。判定ユニット64には「故障状態」であるか否かの判定を行う「閾値」が入力される。この閾値は例えばマイクロコントロールユニット3から取得され、ユーザにおいて、適宜、閾値の調整が可能とされている。判定ユニット64では、所定サンプリング時間内において、差分値が閾値を超える回数がカウントされる。判定ユニット64は、所定回数がカウントされると「故障状態」と判定する。
ここで、「閾値」は、例えばデジタル音情報の振幅に対して±20%~±30%の振幅範囲に設定されている。この設定された振幅範囲を超えると、「閾値を超える」ことになる。
また、差分値が閾値を超える回数とは、アナログ音情報にはノイズ成分が含まれており、瞬間的なパルスに反応すると誤検知になるので、差分値が連続して閾値を超えた回数という意味で使用されている。閾値を超えた回数はカウントされ、「故障状態」にあるか否かが判断される。
ここでは、例えば連続して10回以上にわたって閾値を超えた場合は「故障状態」であると判断される。デジタル音情報と診断用デジタル音情報との比較はサンプリング周波数以上の間隔をあけて行われる。
例えば、自動車に搭載される音出力システム1においては、操作パネルに「故障状態」がLED等により表示される。また、音出力システム1は、「故障状態」である旨の音声を出力してもよい。
本実施の形態に係る音出力装置2は、図1に示されるように、シリアルオーディオインターフェイス20と、デジタルアナログコンバータ24と、増幅回路27と、故障診断ユニット6とを備える。シリアルオーディオインターフェイス20は、デジタル音情報を取得する。デジタルアナログコンバータ24は、シリアルオーディオインターフェイス20から出力されるデジタル音情報をアナログ音情報に変換する。増幅回路27は、デジタルアナログコンバータ24から出力されるアナログ音情報を増幅する。
図3(A)に示される出力波形では、デジタル音情報に対して設定された閾値を超えない範囲内において、デジタル音情報と診断用デジタル音情報とが一致している。診断用デジタル音情報に閾値を超えるパルス的な波形は存在するものの、デジタル音情報に対してクオリティが高い意図した状態のアナログ音情報が出力されているので、正常な状態(非故障状態)であると、故障診断ユニット6は判定する。このため、故障診断ユニット6はES信号を出力しない。
このため、デジタル音情報と診断用デジタル音情報との位相差を無くして、意図した音が出力されるか否かの診断精度を向上させることができる。
このため、アナログデジタルコンバータ61、減算ユニット63及び判定ユニット64を含んで、故障診断ユニット6を簡易に構築することができ、故障診断を実行するこができる。
このため、診断用デジタル音情報のノイズが除去されるので、意図した音が出力されるか否かの診断精度を向上させることができる。
このため、故障診断ユニット6では、シリアルオーディオインターフェイス20から出力された直後のデジタル音情報を基準として、意図した音が出力されるか否かが診断されるので、診断精度を向上させることができる。
ここで、故障診断ユニット6において、「故障状態」である診断がなされた場合、ボリュームユニット22以降の回路に故障の原因があると判定することができる。
このため、音出力装置2は、マイクロコントロールユニット3とは独立に開発し制作することができるので、音出力装置2の最適化並びに小型化を実現することができる。
次に、図4を用いて、本発明の第2実施の形態に係る音出力装置2及び音出力システム1について説明する。なお、本実施の形態において、前述の第1実施の形態に係る音出力装置2及び音出力システム1の構成要素と同一の構成要素、又は実質的に同一の構成要素には同一符号を付し、その説明は重複するので省略する。
故障診断ユニット6では、セレクタ7により選択されたデジタル音情報に基づいて、意図した音が出力されているか否かの診断が実行される。
例えば、ボリュームユニット22へ入力されるデジタル音情報が故障診断ユニット6へ出力されたときに、「故障状態」ではないと判定される。引き続き、ボリュームユニット22から出力されるデジタル音情報が故障診断ユニット6へ入力されたときに、「故障状態」であると判定される。この場合には、ボリュームユニット22に故障の原因があると特定することができる。
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々変更可能である。例えば、音出力装置には、他の回路、具体的には位相同期回路(PLL:phase locked loop)、CPUインターフェイス、デコーダ等が含まれていてもよい。
Claims (8)
- デジタル音情報を取得するインターフェイスユニットと、
当該インターフェイスユニットから出力されるデジタル音情報をアナログ音情報に変換するデジタルアナログコンバータと、
当該デジタルアナログコンバータから出力されるアナログ音情報を増幅する増幅回路と、
前記増幅回路から出力される前記アナログ音情報を診断用デジタル音情報に変換し、当該診断用デジタル音情報と前記デジタル音情報とを比較して差分値を算出し、当該差分値が予め設定された閾値を超えるときに、故障状態にある故障信号が出力される故障診断ユニットと、
前記インターフェイスユニットと前記デジタルアナログコンバータとの間に、
前記デジタル音情報のボリューム処理を実行するボリュームユニット、及び
前記デジタル音情報のノイズを除去するフィルタと、
を備えた音出力装置。 - 前記故障診断ユニットは、
前記デジタル音情報を入力し、当該デジタル音情報の位相を前記診断用デジタル音情報の位相に合わせて出力するメモリユニット
を更に備えている請求項1に記載の音出力装置。 - 前記故障診断ユニットは、
前記アナログ音情報を前記診断用デジタル音情報に変換するアナログデジタルコンバータと、
前記差分値を算出する減算ユニットと、
前記閾値を取得し、当該閾値に基づいて、故障状態にあるか否かを判定する判定ユニットと、
を含んで構成されている請求項1又は請求項2に記載の音出力装置。 - 前記故障診断ユニットは、
前記アナログ音情報又は前記診断用デジタル音情報のノイズを除去する診断用フィルタ
を更に備えている請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の音出力装置。 - 前記故障診断ユニットにおいて比較される前記デジタル音情報は、
前記ボリュームユニットへ入力される前記デジタル音情報、前記フィルタへ入力される前記デジタル音情報、又は前記デジタルアナログコンバータへ入力される前記デジタル音情報である
請求項1に記載の音出力装置。 - 前記ボリュームユニットへ入力される前記デジタル音情報、前記フィルタへ入力される前記デジタル音情報、又は前記デジタルアナログコンバータへ入力される前記デジタル音情報のいずれかを選択するセレクタユニット
を更に備えている請求項5に記載の音出力装置。 - 請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の前記音出力装置と、
前記デジタル音情報を前記インターフェイスユニットへ出力し、前記故障診断ユニットから出力される前記故障信号を入力するマイクロコントロールユニットと、
を備えている音出力システム。 - 前記増幅回路の出力に接続され、アナログ音情報に基づいて音を出力するスピーカ
を更に備えている請求項7に記載の音出力システム。
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