JP7163629B2 - 負極活物質、その製造方法、負極及び非水電解質蓄電素子 - Google Patents

負極活物質、その製造方法、負極及び非水電解質蓄電素子 Download PDF

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Description

本発明は、負極活物質、その製造方法、負極及び非水電解質蓄電素子に関する。
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池は、エネルギー密度の高さから、パーソナルコンピュータ、通信端末等の電子機器、自動車等に多用されている。上記非水電解質二次電池は、一般的には、セパレータで電気的に隔離された一対の電極を有する電極体、及び電極間に介在する非水電解質を備え、両電極間でイオンの受け渡しを行うことで充放電するよう構成される。また、非水電解質二次電池以外の非水電解質蓄電素子として、リチウムイオンキャパシタや電気二重層キャパシタ等のキャパシタも広く普及している。
上記非水電解質蓄電素子の負極活物質には、黒鉛が広く用いられている。また、負極活物質としてハードカーボンなどの非黒鉛質炭素が用いられた蓄電素子も開発されている(特許文献1、2参照)。
特開2015-162441号公報 特開平10-284060号公報
一方、非水電解質蓄電素子においては、負極電位が0V(vs.Li/Li)に近づくと、負極表面にリチウムの電析が生じやすくなる。リチウム塩以外の電解質塩が用いられた場合も、同様に、負極電位が低くなるほど電析が生じやすくなる。このような電析を抑制するためには、負極電位が低くなり過ぎないように使用すること、具体的には負極電位が例えば0.4V(vs.Li/Li)以上の電位範囲で使用することが望まれる。しかし、黒鉛や非黒鉛質炭素などの従来の炭素材料は、作動電位が低い。このため、従来の炭素材料を負極活物質として用いた非水電解質蓄電素子では、負極電位が0.4V(vs.Li/Li)以上の電位範囲で使用した場合、十分な放電容量を得ることができない。また、比較的高い作動電位を有する負極活物質として現在利用されているチタン酸リチウムも、放電容量が小さいことやコストが高いことなどといった不都合を有する。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、炭素材料であって、負極電位が0.4V(vs.Li/Li)以上の電位範囲で使用した場合も十分な放電容量を有する負極活物質、このような負極活物質の製造方法、並びにこのような負極活物質を有する負極及び非水電解質蓄電素子を提供することである。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様は、炭素材料であり、ラマンスペクトルにおける1500cm-1以上1700cm-1以下の範囲での最大値Iに対する、1400cm-1以上1550cm-1以下の範囲での最小値Iの比(I/I)が0.6以上、上記最大値Iに対する、1200cm-1以上1450cm-1以下の範囲での最大値Iの比(I/I)が0.88以上である非水電解質蓄電素子用の負極活物質である。
本発明の他の一態様は、炭素材料をメカノケミカル処理することを備える、ラマンスペクトルにおける1500cm-1以上1700cm-1以下の範囲での最大値Iに対する、1400cm-1以上1550cm-1以下の範囲での最小値Iの比(I/I)が0.6以上、上記最大値Iに対する、1200cm-1以上1450cm-1以下の範囲での最大値Iの比(I/I)が0.88以上である負極活物質の製造方法である。
本発明の他の一態様は、当該負極活物質を有する負極である。
本発明の他の一態様は、当該負極を備える非水電解質蓄電素子である。
本発明によれば、炭素材料であって、負極電位が0.4V(vs.Li/Li)以上の電位範囲で使用した場合も十分な放電容量を有する負極活物質、このような負極活物質の製造方法、並びにこのような負極活物質を有する負極及び非水電解質蓄電素子を提供することができる。
図1は、本発明の負極活物質のラマンスペクトルを模式的に示した説明図である。 図2は、本発明の非水電解質蓄電素子の一実施形態に係る二次電池を示す外観斜視図である。 図3は、本発明の非水電解質蓄電素子の一実施形態に係る二次電池を複数個集合して構成した蓄電装置を示す概略図である。
本発明の一態様は、炭素材料であり、ラマンスペクトルにおける1500cm-1以上1700cm-1以下の範囲での最大値Iに対する、1400cm-1以上1550cm-1以下の範囲での最小値Iの比(I/I)が0.6以上、上記最大値Iに対する、1200cm-1以上1450cm-1以下の範囲での最大値Iの比(I/I)が0.88以上である非水電解質蓄電素子用の負極活物質である。
当該負極活物質は、炭素材料であって、負極電位が0.4V(vs.Li/Li)以上の電位範囲で使用した場合も十分な放電容量を有する。このような効果が生じる理由は定かではないが、以下の理由が推測される。炭素材料のラマンスペクトルにおける1500cm-1以上1700cm-1以下の範囲に現れるピークは、Gバンドと称される、黒鉛の結晶構造に由来するピークとされる。また、1200cm-1以上1450cm-1以下の範囲の範囲に現れるピークは、Dバンドと称される、炭素の欠陥構造に由来するピークとされる。さらに、これらの2つのバンドの間には、乱層構造やランダム構造に起因するピークが存在することが知られている。すなわち、上記比(I/I)が0.6以上と高いことは、乱層構造やランダム構造が多く存在することを示す。また、上記比(I/I)が0.88以上と高いことは、炭素の欠陥構造が多く存在することを示す。このように、当該負極活物質においては、黒鉛の結晶構造が相対的に少なく、乱層構造、ランダム構造、欠陥構造などが相対的に多い構造を有し、このような構造が作動電位を高めているものと推測される。
ここで本明細書における「ラマンスペクトル」は、堀場製作所社の「LabRAM HR Revolution」を用い、波長532nm(YAGレーザ)、グレーティング600gr/mmの条件においてラマン分光測定を行って得られたスペクトルから、ベースラインを除いて補正したものとする。以下、図1を参照に具体的な補正方法を説明する。まず、100cm-1~4000cm-1の範囲でラマン分光測定を行い、スペクトルAを得る。この得られたスペクトルAにおいて、1000cm-1以下の範囲で最も高波長側に存在する極小値(B1)と、1800cm-1以上の範囲で最も低波長側に存在する極小値(B2)とを結ぶ直線をベースライン(図1におけるベースラインB)とする。但し、ノイズにより生じる極小値は、上記極小値(B1)及び極小値(B2)には含めない。具体的にはスペクトルAにおける1500cm-1以上1700cm-1以下の範囲での最大値(Gバンドのピーク強度)の4%以下の深さの極小値は、極小値(B1)及び極小値(B2)としない。「極小値の深さ」とは、極小値とこの極小値に隣接する左右2つの極大値との差のうち、大きいほうをいう。上記測定により得られたスペクトルAから、上記ベースラインBを除くことにより補正する。このベースラインB分を除いて補正したスペクトルCに基づいて、上記最大値I、最大値I、及び最小値Iをそれぞれ求める。また、ラマン分光装置ソフトウェアLabspec 6(堀場製作所社製)を用いて、バックグラウンドを補正してもよい。SN比が小さい(ノイズが大きい)場合は、Labspec 6を用いてノイズ除去を施してもよい。
上記最大値Iに対する、上記最小値Iの比(I/I)が0.85以下であることが好ましい。このようにすることで、負極電位が0.4V(vs.Li/Li)以上の電位範囲で使用した場合の放電容量をより大きくすることができる。この理由も定かではないが、上記最小値Iの比(I/I)が0.85以下であるとき、乱層構造及びランダム構造と、欠陥構造との割合が好適化され、高い電位で充放電反応がより生じやすい状態になっているものと推測される。
当該負極活物質は、0.4~2.0V(vs.Li/Li)における充放電ヒステリシスが0.29V以下であることが好ましい。このようにすることで、負極電位が0.4V(vs.Li/Li)以上の電位範囲で使用した場合の不可逆容量を小さくすることができる。この理由は定かではないが、上記電位範囲における充放電ヒステリシスが小さくなることで、放電電位が貴となり、不可逆容量の低減に寄与したものと推測される。なお、不可逆容量とは、充電容量と放電容量との差をいう。
ここで、本明細書における「0.4~2.0V(vs.Li/Li)における充放電ヒステリシス」は、次のようにして測定する。まず、負極活物質を含む負極を作用極、金属リチウムを対極及び参照極とした試験セルを作製する。なお、本明細書において、負極活物質にリチウムイオン等が吸蔵される還元反応を「充電」、負極活物質からリチウムイオン等が放出される酸化反応を「放電」という。
まず、次の充放電試験により、負極活物質の定格容量を求める。充電は定電流定電位(CCCV)充電とし、充電下限電位は0.4V(vs.Li/Li)とする。充電終止条件は、充電下限電位に到達してから12時間を経過した時点とする。放電は定電流(CC)放電とし、放電終止電位は2.0V(vs.Li/Li)とする。充電及び放電の定電流値は、負極が含有する負極活物質の質量に対して50mA/gとする。また、充電後に10分間の休止時間を設定する。このようにして求めた、負極活物質の質量あたりの放電容量を定格容量とする。この定格容量を、1時間の定電流放電で放電するときの電流値を1Cとする。
次に、放電終止電位2.0V(vs.Li/Li)として0.05Cの電流値で定電流放電を行い、3時間の休止を設ける。その後、充電電位0.4V(vs.Li/Li)、充電電流0.05C、充電時間1時間の定電位定電流充電を行い、3時間休止する操作を27回繰り返す。a回目(a=1、2、3、・・・27)の充電操作時の充電電気量をQ、その操作前後の3時間休止後の開回路電位をそれぞれVa-1、Vとした時、(Σ(Q×(Va-1+V)/2))/Σ(Q)で求められる値を平均充電電位とする。
次に、放電電位2.0V(vs.Li/Li)、放電電流0.05C、放電時間1時間の定電位定電流放電を行い、3時間休止する操作を27回繰り返す。b回目(b=1、2、3、・・・27)の放電操作時の放電電気量をQ、その操作前後の3時間休止後の開回路電位をそれぞれVb-1、Vとした時、(Σ(Q×(Vb-1+V)/2))/Σ(Q)で求められる値を平均放電電位とする。このようにして求めた平均充電電位と平均放電電位の差を充放電ヒステリシスとする。
上記比(I/I)が0.64以上であることが好ましい。このようにすることで、負極電位が0.4V(vs.Li/Li)以上の電位範囲で使用した場合の不可逆容量を小さくすることができる。この理由も定かではないが、乱層構造やランダム構造が多くなり、作動電位が高まることが、不可逆容量の低減にも寄与していると推測される。
上記比(I/I)が1.02以下であることが好ましい。このようにすることで、負極電位が0.4V(vs.Li/Li)以上の電位範囲で使用した場合の不可逆容量を小さくすることができる。この理由も定かではないが、比(I/I)を1.02以下とすることで、適度な割合で黒鉛の結晶構造が存在することとなり、これが不可逆容量の低減に寄与していると推測される。
本発明の他の一態様は、炭素材料をメカノケミカル処理することを備える、ラマンスペクトルにおける1500cm-1以上1700cm-1以下の範囲での最大値Iに対する、1400cm-1以上1550cm-1以下の範囲での最小値Iの比(I/I)が0.6以上、上記最大値Iに対する、1200cm-1以上1450cm-1以下の範囲での最大値Iの比(I/I)が0.88以上である負極活物質の製造方法である。
当該製造方法においては、炭素材料をメカノケミカル処理することにより、炭素材料中の乱層構造やランダム構造が増加し、所定のラマンスペクトルを有する負極活物質が得られる。すなわち、当該製造方法によれば、負極電位が0.4V(vs.Li/Li)以上の電位範囲で使用した場合も十分な放電容量を有する負極活物質を得ることができる。
本発明の他の一態様は、当該負極活物質を有する負極である。当該負極を用いた非水電解質蓄電素子は、負極活物質が炭素材料であるにもかかわらず、負極電位が0.4V(vs.Li/Li)以上の電位範囲で使用した場合も十分な放電容量を有する。
当該負極は、アルミニウムを主成分とする基材をさらに有することが好ましい。負極の基材として、低コスト化、軽量化などの観点から、一般的に広く使用されている銅に代わって、アルミニウムを用いることが期待されている。しかし、アルミニウムを負極の基材として用いた場合、例えば負極電位が0.4V(vs.Li/Li)未満にまで低くなると、アルミニウムの合金化反応が生じやすくなるという不都合を有する。従って、作動電位の低い従来の炭素材料に対して、アルミニウムの基材を適用させることは難しい。これに対し、本発明の一態様の負極活物質は、負極電位が0.4V(vs.Li/Li)以上の電位範囲で使用した場合も十分な放電容量を有する。このため、当該負極活物質と、アルミニウムを主成分とする基材とを有する負極を用いた非水電解質蓄電素子によれば、負極電位が0.4V(vs.Li/Li)以上の電位範囲で使用することにより、アルミニウムの合金化を抑制しつつ、十分な放電容量を発揮することができる。
なお、「主成分」とは、質量基準で最も含有量が多い成分をいう。
本発明の他の一態様は、当該負極を備える非水電解質蓄電素子(以下、単に「蓄電素子」ともいう。)である。当該蓄電素子は、負極活物質が炭素材料であるにもかかわらず、負極電位が0.4V(vs.Li/Li)以上の電位範囲で使用した場合も十分な放電容量を有する。
当該蓄電素子においては、通常使用時の充電終止電圧における負極電位が、0.4V(vs.Li/Li)以上であることが好ましい。通常使用時の充電終止電圧における負極電位を0.4V(vs.Li/Li)以上とすることにより、十分な放電容量を備えつつ、リチウム等の電析を抑制することができる。したがって、負極へのリチウム等の電析を抑制するために、充電終止電圧における負極電位を0.4V(vs.Li/Li)以上とした場合であっても、十分なエネルギー密度を有するので、充電受け入れ性能に優れた非水電解質蓄電素子を提供できる。ここで、通常使用時とは、当該蓄電素子について推奨され、又は指定される充電条件を採用して当該蓄電素子を使用する場合であり、当該蓄電素子のための充電器が用意されている場合は、その充電器を適用して当該蓄電素子を使用する場合をいう。なお、本明細書において、負極活物質にリチウムイオン等が吸蔵される還元反応を「充電」、負極活物質からリチウムイオン等が放出される酸化反応を「放電」という。
以下、本発明の一実施形態に係る負極活物質、その製造方法、負極及び非水電解質蓄電素子について、順に詳説する。
<負極活物質>
(構成元素等)
本発明の一実施形態に係る負極活物質は、炭素材料である。炭素材料とは、原子数基準で最も含有量が多い元素が炭素である材料をいう。当該負極活物質において、炭素以外に含まれていてもよい元素としては、酸素、水素等が挙げられる。当該負極活物質における炭素の含有量の下限としては、50atm%が好ましく、70atm%がより好ましい。当該負極活物質における炭素の含有量の上限は、100atm%であってよく、95atm%であってもよい。
また、当該負極活物質を構成する元素のうち水素を除く全元素に占める炭素の割合の下限としては、60atm%が好ましく、80atm%がより好ましく、85atm%がさらに好ましい。一方、この炭素の割合の上限としては、100atm%であってもよく、95atm%であってもよい。当該負極活物質を構成する元素のうち水素を除く全元素に占める炭素及び酸素の割合の下限としては、80atm%が好ましく、90atm%がより好ましく、95atm%がさらに好ましく、98atm%がよりさらに好ましい。一方、この炭素及び酸素の割合の上限としては、100atm%であってよい。このような元素組成で構成される当該負極活物質は、黒鉛、ハードカーボン等の従来の炭素材料を原料としたメカノケミカル処理によって、効率的に得ることができる。
なお、当該負極活物質を構成する元素のうち水素を除く元素の組成は、走査型電子顕微鏡-エネルギー分散型X線分光法(SEM-EDX)によって測定することができる。
また、「黒鉛」とは、広角X線回析法により決定される層間距離(d002)が3.40Å未満の炭素材料を意味する。ハードカーボンとは、上記層間距離(d002)が3.60Å以上である非黒鉛質炭素(但し、本発明の負極活物質は除く)をいう。
当該負極活物質は、非水電解質蓄電素子の負極活物質として用いられる。当該負極活物質は、通常、粉末状である。当該負極活物質は、例えば他の負極活物質との複合化されて用いられてもよいが、好適な形態としては、当該負極活物質のみの粉末として用いられる。
(ラマンスペクトル)
当該負極活物質のラマンスペクトルにおける1500cm-1以上1700cm-1以下の範囲での最大値Iに対する、1400cm-1以上1550cm-1以下の範囲での最小値Iの比(I/I)の下限は、0.6であり、0.64が好ましく、0.645がより好ましく、0.68がさらに好ましい。この比(I/I)を上記下限以上とすることで、比較的高い電位範囲で使用した場合も放電容量が大きくなり、また、不可逆容量が小さくなる傾向にある。一方、上記比(I/I)の上限は、1であってもよく、0.9であってもよい。
当該負極活物質のラマンスペクトルにおける上記最大値Iに対する、1200cm-1以上1450cm-1以下の範囲での最大値Iの比(I/I)の下限は、0.88であり、0.90が好ましい。この比(I/I)を上記下限以上とすることで、比較的高い電位範囲で使用した場合も放電容量が大きくなる。一方、この比(I/I)の上限は、例えば2であり、1.2が好ましく、1.02がより好ましい。この比(I/I)を上記上限以下とすることで、不可逆容量が小さくなる傾向にある。
当該負極活物質のラマンスペクトルにおける上記最大値Iに対する、上記最小値Iの比(I/I)の下限としては、0.3が好ましく、0.5がより好ましく、0.60がさらに好ましく、0.7がさらに好ましい。この比(I/I)を上記下限以上とすることで、比較的高い電位範囲で使用した場合も放電容量が大きくなり、また、不可逆容量が小さくなる傾向にある。一方、上記比(I/I)の上限は、0.85が好ましく、0.84がより好ましい。
(充放電ヒステリシス)
当該負極活物質の0.4~2.0V(vs.Li/Li)における充放電ヒステリシスの上限は、0.29Vが好ましく、0.26Vがより好ましく、0.20Vがさらに好ましい。充放電ヒステリシスの下限は、特に限定されないが、例えば0.05Vであり、0.07Vでもよい。充放電ヒステリシスが上記範囲であることで、不可逆容量を低減することができる。
<負極活物質の製造方法>
本発明の一実施形態に係る負極活物質は、炭素材料をメカノケミカル処理することにより得ることができる。なお、この原料となる炭素材料には、当該負極活物質は含まれない。すなわち、原料となる炭素材料のラマンスペクトルは、比(I/I)が0.6未満であるか、比(I/I)が0.88未満である。
原料となる炭素材料としては、黒鉛、ハードカーボン等、従来公知の炭素材料が用いられる。これらは、天然の炭素材料であってもよく、合成された炭素材料であってもよい。合成された炭素材料の場合、公知の合成方法により得ることができる。また、市販品を用いてもよい。
メカノケミカル処理とは、メカノケミカル反応を生じさせる処理をいう。メカノケミカル反応とは、固体物質の破砕過程での摩擦、圧縮等の機械エネルギーにより局部的に生じる高いエネルギーを利用する相転移反応、固溶化反応等の化学反応をいう。当該製造方法においては、メカノケミカル処理により、原料の炭素材料の乱層構造やランダム構造が増加し、その結果、上記比(I/I)が0.6以上、かつ上記比(I/I)が0.88以上の負極活物質が得られる。
メカノケミカル処理を行う装置としては、ボールミル、ビーズミル、振動ミル、ターボミル、メカノフュージョン、ディスクミルなどの粉砕・分散機が挙げられる。これらの中でもボールミルが好ましい。ボールミルとしては、タングステンカーバイド製のボールミル、ジルコニア製のボールミル、ステンレス製のボールミルなどを用いることができる。
ボールミルにより処理を行う場合、乾式で行ってもよいし、湿式で行ってもよいが、乾式で行うことが好ましい。乾式でボールミリング処理を行うことで、効率的なメカノケミカル反応が生じ、短期間で目的物が得られるなど、生産性を高めることができる。なお、乾式とは、原料の炭素材料に対して液体を混合することなく、固体のみの状態で処理することをいう。一方、湿式とは、原料の炭素材料と液体とを混合した状態で処理することをいう。
ボールミルにより処理を行う場合、この処理条件としては特に限定されず、原料の種類や用いるボールミルの種類などによって適宜変更することができる。例えば、ボールミルの回転速度としては、50rpm以上1,000rpm以下とすることができ、250rpm以上が好ましい。回転速度を高めることで、効率的に目的物を得ることができる。また、処理時間としては、例えば10分以上1,000分以下とすることができる。
ボールミルにより処理を行う場合、処理雰囲気は特に限定されず、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気中又は大気中で行うことができる。処理雰囲気を不活性雰囲気とすることで、不可逆容量を低減することができる。
炭素材料をボールミルにより処理した後、さらに熱処理や炭素被覆処理を行ってもよい。熱処理の温度や時間は特に限定されないが、例えば500~1000℃、2~5時間とすることができる。炭素被覆処理は、公知の方法で行うことができ、例えば、ピッチ等の炭素材料と混合して不活性雰囲気で焼成する方法や、CVD法が挙げられる。
<負極>
本発明の一実施形態に係る負極は、負極基材、及びこの負極基材に積層される負極合剤層を有する。なお、負極基材と負極合剤層との間には、中間層を設けてもよい。
(負極基材)
上記負極基材は、導電性を有する基材である。負極基材の材質としては、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等の金属又はそれらの合金等が用いられる。これらの中でも、導電性などの観点からは、銅又は銅合金が好適に用いられる。一方、負極基材としては、アルミニウム又はアルミニウム合金を用いることも好ましい。このように、アルミニウムを主成分とする基材を用いることで、低コスト化、軽量化などを図ることができる。なお、アルミニウム又はアルミニウム合金としては、JIS-H-4000(2014年)に規定されるA1085P、A3003P等が例示できる。また、負極基材の形成形態としては、箔、蒸着膜等が挙げられ、コストの面から箔が好ましい。なお、「導電性」を有するとは、JIS-H-0505(1975年)に準拠して測定される体積抵抗率が10Ω・cm以下であることを意味する。
(中間層)
上記中間層は、負極基材の表面の被覆層である。中間層の構成は特に限定されず、例えば樹脂バインダー及び導電性粒子を含有する組成物により形成できる。
(負極合剤層)
上記負極合剤層は、負極活物質を含有するいわゆる負極合剤から形成される。負極合剤層は、必要に応じて導電剤、バインダー(結着剤)、増粘剤、フィラー等の任意成分を含む。
(負極活物質)
上記負極合剤層に含有される負極活物質は、本発明の一実施形態に係る負極活物質を含む。上記負極合剤層における当該負極活物質の含有量の下限としては、60質量%が好ましく、70質量%がより好ましい。当該負極活物質の含有量を上記下限以上とすることで、放電容量を大きくすることができる。一方、この含有量の上限としては、100質量%であってもよく、95質量%が好ましく、90質量%がより好ましい。
上記負極合剤層は、本発明の一実施形態に係る負極活物質以外の負極活物質をさらに含んでいてもよい。このような他の負極活物質としては、通常使用される公知の材料が挙げられ、例えばSi、Sn等の金属又は半金属;Si酸化物、Sn酸化物等の金属酸化物又は半金属酸化物;ポリリン酸化合物等が挙げられる。また、本発明の一実施形態に係る負極活物質以外の炭素材料が、負極活物質としてさらに含有されていてもよい。
(他の成分)
上記導電剤としては、金属、導電性セラミックス、アセチレンブラック等が挙げられる。
上記バインダーとしては、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム等のエラストマー;フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド等のエラストマー以外の熱可塑性樹脂;多糖類高分子等が挙げられる。
上記増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース等の多糖類高分子が挙げられる。また、増粘剤がリチウムと反応する官能基を有する場合、予めメチル化等によりこの官能基を失活させておくことが好ましい。
上記フィラーとしては、蓄電素子性能に悪影響を与えないものであれば特に限定されない。フィラーの主成分としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、シリカ、アルミナ、ゼオライト、ガラス等が挙げられる。
(負極の製造方法)
当該負極は、本発明の一実施形態に係る負極活物質を用いること以外は、従来公知の方法により製造することができる。具体的には、負極基材に直接又は中間層を介して負極合剤層を積層することにより得ることができる。上記中間層は、負極基材に、中間層形成材料を塗工することにより得ることができる。
上記負極合剤層は、負極合剤層形成用材料(負極合剤)の塗工により形成することができる。上記負極合剤層形成用材料は、負極合剤層の各成分と分散媒とを含む。上記分散媒としては、水やN-メチルピロリドン(NMP)等の有機溶媒を適宜選択して用いればよい。負極合剤層形成用材料の塗工は公知の方法により行うことができる。通常、塗工後、塗膜を乾燥させて、分散媒を揮発させる。その後、塗膜を厚さ方向にプレスすることが好ましい。
<非水電解質蓄電素子>
本発明の一実施形態に係る蓄電素子は、正極、負極及び非水電解質を有する。以下、蓄電素子の一例として、二次電池について説明する。上記正極及び負極は、通常、セパレータを介して積層又は巻回により交互に重畳された電極体を形成する。この電極体はケースに収納され、このケース内に上記非水電解質が充填される。上記非水電解質は、正極と負極との間に介在する。また、上記ケースとしては、二次電池のケースとして通常用いられる公知の金属ケース、樹脂ケース等を用いることができる。
(正極)
上記正極は、正極基材、及びこの正極基材に直接又は中間層を介して配される正極合剤層を有する。上記正極の中間層は、上述した負極の中間層と同様とすることができる。
上記正極基材は、導電性を有する。正極基材の材質としては、アルミニウム、チタン、タンタル、ステンレス鋼等の金属又はそれらの合金が用いられる。これらの中でも、耐電位性、導電性の高さ及びコストのバランスからアルミニウム及びアルミニウム合金が好ましい。また、正極基材の形成形態としては、箔、蒸着膜等が挙げられ、コストの面から箔が好ましい。
正極合剤層は、正極活物質を含むいわゆる正極合剤から形成される。また、正極合剤層を形成する正極合剤は、必要に応じて導電剤、バインダー(結着剤)、増粘剤、フィラー等の任意成分を含む。これらの任意成分は、上述した負極のものと同様とすることができる。
上記正極活物質としては、例えばLiMO(Mは少なくとも一種の遷移金属を表す)で表される複合酸化物(層状のα-NaFeO型結晶構造を有するLiCoO,LiNiO,LiMnO,LiNiαCo(1-α),LiNiαMnβCo(1-α-β)等、スピネル型結晶構造を有するLiMn,LiNiαMn(2-α)等)、LiMe(XO(Meは少なくとも一種の遷移金属を表し、Xは例えばP、Si、B、V等を表す)で表されるポリアニオン化合物(LiFePO,LiMnPO,LiNiPO,LiCoPO,Li(PO,LiMnSiO,LiCoPOF等)が挙げられる。これらの化合物中の元素又はポリアニオンは、他の元素又はアニオン種で一部が置換されていてもよい。正極合剤層においては、これら化合物の1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
(負極)
当該二次電池(蓄電素子)に備わる負極は、上述した通りである。
(セパレータ)
上記セパレータの材質としては、例えば織布、不織布、多孔質樹脂フィルム等が用いられる。これらの中でも、強度の観点から多孔質樹脂フィルムが好ましく、非水電解質の保液性の観点から不織布が好ましい。上記セパレータの主成分としては、強度の観点から例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンが好ましく、耐酸化分解性の観点から例えばポリイミドやアラミド等が好ましい。また、これらの樹脂を複合してもよい。
なお、セパレータと電極(通常、正極)との間に、無機層が配設されていても良い。この無機層は、耐熱層等とも呼ばれる多孔質の層である。また、多孔質樹脂フィルムの一方の面に無機層が形成されたセパレータを用いることもできる。上記無機層は、通常、無機粒子及びバインダーとで構成され、その他の成分が含有されていてもよい。
(非水電解質)
上記非水電解質としては、一般的な非水電解質二次電池(蓄電素子)に通常用いられる公知の非水電解質が使用できる。上記非水電解質は、例えば、非水溶媒とこの非水溶媒に溶解されている電解質塩とを含む。上記非水電解質は、固体電解質等であってもよい。
上記非水溶媒としては、一般的な蓄電素子用非水電解質の非水溶媒として通常用いられる公知の非水溶媒を用いることができる。上記非水溶媒としては、環状カーボネート、鎖状カーボネート、エステル、エーテル、アミド、スルホン、ラクトン、ニトリル等を挙げることができる。これらの中でも、環状カーボネート又は鎖状カーボネートを少なくとも用いることが好ましく、環状カーボネートと鎖状カーボネートとを併用することがより好ましい。環状カーボネートと鎖状カーボネートとを併用する場合、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの体積比(環状カーボネート:鎖状カーボネート)としては、特に限定されないが、例えば5:95以上50:50以下とすることが好ましい。
上記環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、クロロエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、スチレンカーボネート、カテコールカーボネート、1-フェニルビニレンカーボネート、1,2-ジフェニルビニレンカーボネート等を挙げることができ、これらの中でもECが好ましい。
上記鎖状カーボネートとしては、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジフェニルカーボネート等を挙げることができ、これらの中でもEMC及びDMCが好ましい。
上記電解質塩としては、一般的な蓄電素子用非水電解質の電解質塩として通常用いられる公知の電解質塩を用いることができる。上記電解質塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、オニウム塩等を挙げることができるが、リチウム塩が好ましい。
上記リチウム塩としては、LiPF、LiPO、LiBF、LiClO、LiN(SOF)等の無機リチウム塩、LiSOCF、LiN(SOCF、LiN(SO、LiN(SOCF)(SO)、LiC(SOCF、LiC(SO等のフッ化炭化水素基を有するリチウム塩などを挙げることができる。これらの中でも、無機リチウム塩が好ましく、LiPFがより好ましい。
上記非水電解質における上記電解質塩の含有量の下限としては、0.1mol/dmが好ましく、0.3mol/dmがより好ましく、0.5mol/dmがさらに好ましい。一方、この上限としては、特に限定されないが、2.5mol/dmが好ましく、2mol/dmがより好ましく、1.5mol/dmがさらに好ましい。
当該二次電池(蓄電素子)の充電終止電圧における負極電位は特に制限されず、求められる電池特性等に応じて適宜設定することができる。当該二次電池の通常使用時の充電終止電圧における負極電位の下限は0V(vs.Li/Li)であってよいが、0.1V(vs.Li/Li)が好ましく、0.2V(vs.Li/Li)がより好ましく、0.3V(vs.Li/Li)がさらに好ましく、0.4V(vs.Li/Li)がよりさらに好ましい。通常使用時の充電終止電圧における負極電位を上記下限以上とすることで、負極表面におけるリチウム等の電析を抑制することができる。また、負極の基材にアルミニウムを主成分とする基材を用いた場合も、アルミニウムの合金化を抑制することができる。さらに、当該二次電池によれば、このように充電終止電圧における負極電位を比較的高くしても、十分な放電容量を有する。なお、当該二次電池の通常使用時の充電終止電圧における負極電位の上限としては、例えば0.8V(vs.Li/Li)であってよく、0.6V(vs.Li/Li)であってよく、0.5V(vs.Li/Li)であってもよい。通常使用時の充電終止電圧における負極電位を上記上限以下とすることで、十分な放電容量を有し、充電受け入れ性能に優れた非水電解質蓄電素子を提供することができる。
(蓄電素子の製造方法)
当該二次電池(蓄電素子)は、負極として本発明の一実施形態に係る負極を用いること以外は、従来公知の方法により製造することができる。当該製造方法は、例えば、正極を作製する工程、負極を作製する工程、非水電解質を調製する工程、正極及び負極を、セパレータを介して積層又は巻回することにより交互に重畳された電極体を形成する工程、正極及び負極(電極体)を電池容器(ケース)に収容する工程、並びに上記電池容器に上記非水電解質を注入する工程を備えることができる。上記注入は、公知の方法により行うことができる。注入後、注入口を封止することにより非水電解質二次電池(蓄電素子)を得ることができる。
<その他の実施形態>
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。例えば、上記正極又は負極は、層構造を有していなくてもよい。また、上記実施の形態においては、非水電解質蓄電素子が二次電池である形態を中心に説明したが、その他の非水電解質蓄電素子であってもよい。その他の非水電解質蓄電素子としては、キャパシタ(電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ)等が挙げられる。
図2に、本発明に係る非水電解質蓄電素子の一実施形態である矩形状の二次電池1の概略図を示す。なお、同図は、容器内部を透視した図としている。図2に示す二次電池1は、電極体2が電池容器3(ケース)に収納されている。電極体2は、正極活物質を備える正極と、負極活物質を備える負極とが、セパレータを介して巻回されることにより形成されている。正極は、正極リード4’を介して正極端子4と電気的に接続され、負極は、負極リード5’を介して負極端子5と電気的に接続されている。上記負極として、本発明の一実施形態に係る負極が用いられている。また、電池容器3内には非水電解質(非水電解液)が注入されている。
本発明に係る非水電解質蓄電素子の構成については特に限定されるものではなく、円筒型電池、角型電池(矩形状の電池)、扁平型電池等が一例として挙げられる。本発明は、上記の非水電解質蓄電素子を複数備える蓄電装置としても実現することができる。蓄電装置の一実施形態を図3に示す。図2において、蓄電装置30は、複数の蓄電ユニット20を備えている。それぞれの蓄電ユニット20は、複数の二次電池1を備えている。上記蓄電装置30は、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等の自動車用電源として搭載することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[比較例1]
とうもろこしでんぷん(和光純薬製)を50g秤取した。それを容量730mLのアルミナ製るつぼに載置し、このるつぼを乾燥機(佐竹化学機械工業の「N22-25」)内に設置し、空気雰囲気下の210℃で62時間の前処理を施した。得られた試料を10g秤取し、それを容量150mLのアルミナ製るつぼに載置し、このるつぼを卓上真空・ガス置換炉(デンケン・ハイデンタル社の「KDF75」)内に設置した。次いで、窒素流中、常圧下、常温から300℃まで昇温速度5℃ min-1で昇温し、この温度で1時間保持した後、さらに800℃まで昇温速度5℃ min-1で昇温し、この温度で3時間保持した後、室温まで自然放冷した。このようにして、合成ハードカーボン1(合成HC1)を得た。この合成HC1を比較例1の負極活物質とした。
[比較例2]
比較例1で得られた合成HC1を2.5g秤取した。それを直径5mmのタングステンカーバイド製ボール250g(約250個)が入った、容積80mLのタングステンカーバイド製ポットに投入し、大気中で蓋をした。これを遊星型ボールミル(フリッチュ社の「P-5」)にセットし、公転回転数100rpmで合計80分間混合した。このような乾式のボールミリング処理によって、比較例2の負極活物質を得た。
[比較例3~5、実施例1~5]
ボールミリング処理における、ポット及びボールの材質、ボール径、乾式又は湿式の選択、回転速度及び処理時間を表1に示す通りとしたこと以外は、比較例2と同様にして、各負極活物質を得た。
なお、表1中の湿式のボールミリング処理は、助剤としてのアセトンを10ml加えた以外は実施例5と同様の条件にて行った。
また、表1中、WCはタングステンカーバイド、ZrOは酸化ジルコニウム、SUSはステンレス鋼をそれぞれ示す。
[比較例6]
天然黒鉛をそのまま比較例6の負極活物質とした。
[実施例6~9]
比較例6の天然黒鉛を原料として用い、ボールミリング処理における、ポット及びボールの材質、ボール径、乾式又は湿式の選択、回転速度及び処理時間を表1に示す通りとしたこと以外は、比較例2と同様にして、各負極活物質を得た。
[比較例7]
ばれいしょでんぷん(ナカライテスク製)を50g秤取した。それを容量730mLのアルミナ製るつぼに載置し、このるつぼを乾燥機(佐竹化学機械工業の「N22-25」)内に設置し、空気雰囲気下の200℃で20時間の前処理を施した。得られた試料を10g秤取し、それを容量150mLのアルミナ製るつぼに載置し、このるつぼを卓上真空・ガス置換炉(デンケン・ハイデンタル社の「KDF75」)内に設置した。次いで、窒素流中、常圧下、常温から500℃まで昇温速度5℃ min-1で昇温し、この温度で2時間保持した後、室温まで自然放冷した。このようにして、合成ハードカーボン2(合成HC2)を得た。この合成HC2を比較例7の負極活物質とした。
[実施例10]
アルゴン雰囲気下でポットに蓋をしたこと以外は、実施例6と同様にして、ボールミリング処理により、実施例10の負極活物質を得た。
[実施例11~16]
実施例10の負極活物質をアルミナ製るつぼに戴置し、このるつぼを卓上真空・ガス置換炉(デンケン・ハイデンタル社の「KDF75」)内に設置した。次いで、窒素流中、常圧下、常温から表2に記載の温度まで昇温速度5℃ min-1で昇温し、この温度で3時間保持した後、室温まで自然放冷した。このようにして、実施例11~16の負極活物質を得た。
[実施例17]
実施例10の負極活物質及びピッチ(JFEケミカル社の「MCP-110C」)を、直径5mmのジルコニア製ボールが入ったジルコニア製ポットに投入し、蓋をした。混合比は、焼成後の母材に対するコート量が3質量%となるようにした。これを遊星型ボールミルにセットし、公転回転数300rpmで合計10分間混合した。混合物をアルミナ製るつぼに載置し、このるつぼを卓上真空・ガス置換炉(デンケン・ハイデンタル社の「KDF75」)内に設置した。次いで、窒素流中、常圧下、常温から800℃まで昇温速度5℃ min-1で昇温し、この温度で3時間保持した後、室温まで自然放冷した。このようにして、実施例17の負極活物質を得た。
[実施例18]
実施例10の負極活物質をカーボンシート上に載置し、回転CVD炉(マイクロフェーズ社の「MPCVD―Powder」)内に設置した。次いで、アルゴンおよびメタンの混合気流中(体積比9:1)、常圧下、常温から800℃まで昇温速度10℃ min-1で昇温し、この温度で3時間保持した後、室温まで自然放冷した。コート量は母材に対して5質量%であった。このようにして、実施例18の負極活物質を得た。
[実施例19]
処理時間を400分としたこと以外は、実施例8と同様にして、ボールミリング処理を行った。得られた炭素材料を濃塩酸中に入れ、マグネチックスターラーで64時間撹拌し、ボールミリング処理で混入したステンレスを溶解させた。その後、吸引ろ過によって、ろ液と分離し、十分にイオン交換水で洗浄した後、80℃で一晩乾燥した。このようにして、実施例19の負極活物質を得た。
[比較例8]
ピッチ(JFEケミカル社の「MCP-110C」)をアルミナ製るつぼに戴置し、このるつぼを卓上真空・ガス置換炉(デンケン・ハイデンタル社の「KDF75」内)に設置した。次いで、窒素流中、常圧下、常温から700℃まで昇温速度5℃ min-1で昇温し、この温度で3時間保持した後、室温まで自然放冷した。このようにして、合成ハードカーボン3(合成HC3)を得た。この合成HC3を比較例8の負極活物質とした。
(ラマンスペクトルの測定)
比較例1~8及び実施例1~19の各負極活物質について、以下の要領でラマンスペクトルを測定した。堀場製作所社の「LabRAM HR Revolution」を用い、波長532nm(YAGレーザ)、グレーティング600g/mmの条件において、100cm-1~4000cm-1の範囲でラマン分光測定を行った。得られたスペクトルにおいて、1000cm-1以下の範囲で最も高波長側に存在する極小値と、1800cm-1以上の範囲で最も低波長側に存在する極小値とを結ぶ直線をベースラインとした。上記測定により得られたスペクトルから、上記ベースライン分を除くことにより補正した。この補正後のラマンスペクトルに基づいて、1500cm-1以上1700cm-1以下の範囲での最大値Iに対する、1400cm-1以上1550cm-1以下の範囲での最小値Iの比(I/I)、上記最大値Iに対する、1200cm-1以上1450cm-1以下の範囲での最大値Iの比(I/I)、上記最大値Iに対する、上記最小値Iの比(I/I)をそれぞれ求めた。各値を表1に示す。
(元素分析)
実施例6及び9の負極活物質について、日新EM製のカーボン両面テープ(アルミ基材)上に固定し、HITACHI製走査型電子顕微鏡TM3030Plus、及びBruker製エネルギー分散型X線分光装置Quantax70を用い、走査型電子顕微鏡/エネルギー分散型X線分光法(SEM-EDX)によって、粒径15μm程度の粒子のEDXマッピングを取得した。倍率は5000倍、加速電圧は15kV、作動距離は7.8mmとした。テープの影響を除外するため、スポットモードで定量する範囲を、負極活物質粒子上に限定し、そのスペクトル品質が良好であることを確認して、炭素及び酸素の定量を行った。その結果、実施例6の負極活物質は、炭素89atm%、酸素11atm%、実施例9の負極活物質は、炭素87atm%、酸素13atmであった。
(負極の作製)
実施例1、2、6~19及び比較例1~3、6~8のいずれかの負極活物質とPVDFとを質量比88.0:12.0で混合し、NMPを分散媒とする負極合剤層形成用材料を調製した。また、実施例3~5及び比較例4、5のいずれかの負極活物質と、アセチレンブラックと、PVDFとを質量比79.2:8.8:12.0で混合し、NMPを分散媒とする負極合剤層形成用材料を調製した。各負極合剤層形成用材料を銅箔基材に塗布し、乾燥させ、実施例1~19及び比較例1~8の負極(作用極)を得た。
(セル(非水電解質蓄電素子)の作製)
得られた上記各負極を用いて、非水電解質蓄電素子であるセルを作製した。対極及び参照極には、金属リチウムを用いた。セパレータにはポリエチレン製の微多孔膜を用いた。非水電解質としては、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート及びジメチルカーボネートを体積比が6:7:7となるように混合した溶媒に、LiPFを1mol/dmとなるように溶解させたものを用いた。セパレータを介して、負極と対極(金属リチウム)とを対向させ、各集電端子が外部に露出するようにして、袋状に加工したアルミラミネート膜の内部に収納し、電解液を注入後、気密封止した。これにより各非水電解質蓄電素子(セル)を得た。
(充放電試験)
上記セルを用い、以下の条件にて充放電試験を行った。充電は定電流定電位(CCCV)充電とし、充電下限電位は0.4V(vs.Li/Li)とした。充電終止条件は、充電下限電位に到達してから12時間を経過した時点とした。放電は定電流(CC)放電とし、放電終止電位は2.0V(vs.Li/Li)とした。充電及び放電の定電流値は、負極が含有する負極活物質の質量に対して50mA/gとした。また、充電後に10分間の休止時間を設定した。この時の放電容量を各負極活物質の定格容量とし、定格容量を1時間の定電流放電で放電する電流値を1Cとした。上記充放電試験における放電容量、及び不可逆容量(充電容量と放電容量との差)を表1に示す。
Figure 0007163629000001
表1に示されるように、実施例1~19の各負極活物質においては、比(I/I)が0.6以上であり、かつ比(I/I)が0.88以上である。さらに、これらの負極活物質においては、比(I/I)は0.85以下である。一方、未処理のハードカーボン(比較例1、7、8)、未処理の黒鉛(比較例6)などは、比(I/I)の値が小さい。黒鉛やハードカーボンなどの従来の炭素材料に対して十分なボールミリング処理を施すことで、メカノケミカル反応が生じ、結晶構造が変化するものと推測される。
これらの実施例1~19の負極活物質を用いた非水電解質蓄電素子は、充電下限電位が0.4V(vs.Li/Li)の充放電試験において、放電容量が180mAh/gを超える大きい値を示すことがわかる。一方、未処理のハードカーボン(比較例1、7、8)、未処理の黒鉛(比較例6)などを用いた非水電解質蓄電素子は、充電下限電位が0.4V(vs.Li/Li)の充放電試験において、放電容量が非常に小さい。
実施例の中でも、比(I/I)が0.64以上である実施例1~8は、不可逆容量が440mAh/g以下、比(I/I)が0.645以上である実施例1~6、8は、不可逆容量が400mAh/g以下、比(I/I)が0.68以上である実施例1~6は、不可逆容量が300mAh/g以下である。このように、比(I/I)をより大きくすることで、不可逆容量が小さくなることがわかる。また、比(I/I)が1.02以下、比(I/I)が0.7以上である実施例1~6は、不可逆容量が300mAh/g以下と小さいことがわかる。
(0.4~2.0V(vs.Li/Li)における充放電ヒステリシスの測定)
実施例1~6、9~19及び比較例1~8のいずれかの負極活物質を用いたセルを用いて、0.4~2.0V(vs.Li/Li)における充放電ヒステリシスを測定した。
放電終止電位2.0V(vs.Li/Li)として0.05Cの電流値で定電流放電を行ったのち、3時間の休止を設けた。その後、充電電位0.4V(vs.Li/Li)、充電電流0.05C、充電時間1時間の定電位定電流充電を行い、3時間休止する操作を27回繰り返した。a回目(a=1、2、3、・・・27)の充電操作時の充電電気量をQ、その操作前後の3時間休止後の開回路電位をそれぞれVa-1、Vとし、(Σ(Q×(Va-1+V)/2))/Σ(Q)の式を用いて、平均充電電位を算出した。
次に、放電電位2.0V(vs.Li/Li)、放電電流0.05C、放電時間1時間の定電位定電流放電を行い、3時間休止する操作を27回繰り返した。b回目(b=1、2、3、・・・27)の放電操作時の放電電気量をQ、その操作前後の3時間休止後の開回路電位をそれぞれVb-1、Vとし、(Σ(Q×(Vb-1+V)/2))/Σ(Q)の式を用いて、平均放電電位を算出した。平均充電電位と平均放電電位の差を0.4~2.0V(vs.Li/Li)における充放電ヒステリシスとした。得られた充放電ヒステリシスの値を、比(I/I)、比(I/I)、比(I/I)、上記充放電試験における放電容量、及び不可逆容量(充電容量と放電容量との差)と合わせて表2に示す。
Figure 0007163629000002
表2に示されるように、実施例1、3~6、10~18の負極活物質は、比(I/I)が0.6以上であり、かつ比(I/I)が0.88以上であり、これらの負極活物質を用いた非水電解質蓄電素子は、0.4~2.0V(vs.Li/Li)における充放電ヒステリシスが0.29V以下である。一方、実施例2、9、及び19の負極活物質は、比(I/I)は0.6以上であり、かつ比(I/I)は0.88以上であるが、充放電ヒステリシスが0.29Vより大きい。
実施例1、3~6、10~18の負極活物質を用いた非水電解質蓄電素子は、充電下限電位が0.4V(vs.Li/Li)の充放電試験において、不可逆容量が260mAh/g以下と小さい値である。一方、実施例2、9及び19の負極活物質を用いた非水電解質蓄電素子は、不可逆容量が260mAh/gを超える。このように、比(I/I)が0.6以上であり、かつ比(I/I)が0.88以上である場合に、充放電ヒステリシスを小さくすることで、不可逆容量が小さくなることがわかる。
本発明は、パーソナルコンピュータ、通信端末等の電子機器、自動車などの電源として使用される非水電解質二次電池をはじめとした非水電解質蓄電素子、及びこれに備わる負極などに適用できる。
1 二次電池
2 電極体
3 電池容器
4 正極端子
4’ 正極リード
5 負極端子
5’ 負極リード
20 蓄電ユニット
30 蓄電装置

Claims (8)

  1. 炭素材料(但し、アズルミン酸から得られたもの、並びに、下記の条件(1)、(2)及び(3)の全てを満たすものを除く
    (1)上記炭素材料に含まれる炭素原子、窒素原子及び水素原子が、下記式(I)及び(II)で表される条件を満たすこと、
    (N /N )>0.87×(N /N )-0.06 (I)
    (N /N )>0.01 (II)
    ここで、式中、N 、N 、N はそれぞれ、上記窒素原子、上記炭素原子、上記水素原子の数を示す、
    (2)CuKα線をX線源として得られるX線回折図において、回折角(2θ)が23.5~25.5°の位置にピークを有すること、
    (3)波数1000~2000cm -1 のレーザーラマン分光分析によるスペクトル図において、1355~1385cm -1 の間にピークP1と、1550~1620cm -1 の間にピークP2とを有し、上記ピークP1と上記ピークP2との間にベースラインから最も低い高さLを有する最小点Mを有し、かつ、上記ピークP1のベースラインからの高さH1に対する上記高さLの比(L/H1)が0.70~0.95であること。)であり、
    波長532nmで測定されるラマンスペクトルにおける1500cm-1以上1700cm-1以下の範囲での最大値Iに対する、1400cm-1以上1550cm-1以下の範囲での最小値Iの比(I/I)が0.6以上、
    上記最大値Iに対する、1200cm-1以上1450cm-1以下の範囲での最大値Iの比(I/I)が0.90以上である非水電解質蓄電素子用の負極活物質。
  2. 上記最大値Iに対する、上記最小値Iの比(I/I)が0.85以下である請求項1の負極活物質。
  3. 0.4~2.0V(vs.Li/Li)における充放電ヒステリシスが0.29V以下である請求項1又は請求項2の負極活物質。
  4. 上記比(I/I)が0.64以上である請求項1、請求項2又は請求項3の負極活物質。
  5. 上記比(I/I)が1.02以下である請求項1から請求項4のいずれか1項の負極活物質。
  6. 炭素材料をメカノケミカル処理することを備える、
    波長532nmで測定される ラマンスペクトルにおける1500cm-1以上1700cm-1以下の範囲での最大値Iに対する、1400cm-1以上1550cm-1以下の範囲での最小値Iの比(I/I)が0.6以上、
    上記最大値Iに対する、1200cm-1以上1450cm-1以下の範囲での最大値IDの比(I/I)が0.88以上である負極活物質の製造方法。
  7. 請求項1から請求項5のいずれか1項の負極活物質を有する負極。
  8. 請求項7の負極を備える非水電解質蓄電素子。
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