以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
<画像形成システム1>
図1は、本実施の形態が適用される画像形成システム1の全体構成例を示した図である。
画像形成システム1は、画像形成装置10と、端末31、33、35、41、43、45と、中継装置(アクセスポイント)51とを有する。なお、画像形成装置10は、画像処理装置の一例である。
画像形成装置10は、用紙への画像形成機能の他、原稿の画像を読み取るスキャン機能、ファクシミリ送信を行うファクシミリ通信機能を有する所謂複合機(Multifunction Peripheral、MFP)である。この画像形成装置10は、他装置と無線通信を行う無線通信機能を備える。
端末31、33、35、41、43、45は、画像形成装置10と通信可能なコンピュータ装置などにより構成される。図示の例における端末31、33、35は、画像形成装置10と通信可能なスマートフォン、タブレット型コンピュータ、あるいはノート型コンピュータなどの持ち運びが容易なコンピュータ装置である所謂モバイル端末によって構成される。また、端末41、43は、中継装置51を介して画像形成装置10と通信可能なデスクトップ型コンピュータによって構成される。また、端末45は、画像形成装置10と通信可能であるとともにユーザが身に着けることができる所謂ウェアラブル端末である。さらに説明をすると、図示の端末45は、画像形成装置10のユーザなどが手首に着ける腕時計型である。なお、以下の説明において端末31、33、35、41、43、45の各々を特に区別しない場合には、「端末31など」ということがある。
ここで、上記端末31などは、画像形成装置10と通信可能であれば、端末の種別や個数は特に限定されない。また、端末31などは、各々固有のIPアドレスを持ちインターネットに接続が可能な機器である所謂IoT(Internet of Things)デバイスの一例として捉えることができる。また、図示の例では、端末45を腕時計型として説明したが、これに限定されない。例えば、ユーザが端末45を身に着けることができれば、端末45は眼鏡やネームタグなどにより構成されてもよい。
次に、本実施の形態における画像形成装置10は、複数の無線通信機能を有する。言い替えると、画像形成装置10は、複数の通信プロトコルを用いて端末31などと無線通信を行うことができる。図示の例における画像形成装置10は、Bluetooth(登録商標)による通信と、Wi-Fi(登録商標、Wireless Fidelity)による通信とが可能である。付言すると、図示の例における画像形成装置10は、Bluetoothの拡張仕様の1つであるBluetooth Low Energy(登録商標)による通信を行う。
以下の説明においては、Wi-Fiによる通信を「Wi-Fi通信」ということがあり、Bluetooth Low Energyを「BLE」ということがあり、Bluetooth Low Energyによる通信を「BLE通信」ということがある。また、以下の説明においては、Wi-Fi通信やBLE通信などの通信方式を、インターフェイスということがある。
<画像形成装置10のハードウェア構成>
図2は、画像形成装置10のハードウェア構成例を示した図である。
図2に示すように、画像形成装置10は、CPU11と、RAM(Random Access Memory)12と、ROM(Read Only Memory)13と、HDD(Hard Disk Drive)14と、操作パネル15と、画像読取部16と、印刷部17と、無線通信モジュール21とを備える。
CPU11は、ROM13等に記憶された各種プログラムをRAM12にロードして実行することにより、画像形成装置10の各機能を実現する。
RAM12は、CPU11の作業用メモリ等として用いられるメモリである。
ROM13は、CPU11が実行する各種プログラム等を記憶するメモリである。
HDD14は、画像読取部16が読み取った画像データ(スキャナデータ)や印刷部17が画像形成にて用いる画像データ(プリントデータ)等を記憶する例えば磁気ディスク装置である。
操作パネル15は、各種情報の表示やユーザからの操作入力の受付を行う例えばタッチパネルである。
画像読取部16は、原稿に記録された画像を読み取る。ここで、画像読取部16は、例えばスキャナであり、光源から原稿に照射した光に対する反射光をレンズで縮小してCCD(Charge Coupled Devices)で受光するCCD方式や、LED光源から原稿に光を照射し反射光をCIS(Contact Image Sensor)で受光するCIS方式のものを用いるとよい。
印刷部17は、用紙に画像を形成する。印刷部17は、例えばプリンタであり、感光体に付着させたトナーを用紙に転写して像を形成する電子写真方式や、インクを用紙上に吐出して像を形成するインクジェット方式のものを用いるとよい。
無線通信モジュール21は、端末31などと無線通信を行う。ここで、無線通信モジュール21は、Wi-Fi通信を行うWi-Fi通信回路23と、BLE通信を行うBLE通信回路25とを有する。なお、無線通信モジュール21は、Wi-Fi通信の機能およびBLE通信の機能を1チップに設けたコンボチップとして構成されてもよいし、各通信機能を複数のチップに分けて設ける構成であってもよい。
ここで、CPU11によって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で、画像形成装置10へ提供される。また、CPU11によって実行されるプログラムは、例えばネットワーク上のサーバ(不図示)などから画像形成装置10へ送信してもよい。
また、図示の画像形成装置10は、蓄積プリントを実行可能である。ここで、蓄積プリントとは、プリントデータを受信した際に直ちに印刷処理を行なうのではなく、HDD14などにプリントデータを一旦記憶しておき、その後に出力指示を受けて実行される印刷処理である。
<通信データ>
さて、画像形成装置10は、端末31などとの間で、上記複数の無線通信機能を用いて種々のデータの送受信を行う。図示の例における画像形成装置10を介して送受信されるデータとしては、例えばMFPデータ、IoTデータ、および設定データがある。これらMFPデータ、IoTデータ、および設定データは、互いに異質なデータフォーマットのデータとして捉えることができる。以下、各データについて説明をする。
まず、MFPデータについて説明をする。MFPデータとは、画像形成装置10が画像処理を実行するためのデータである。言い替えると、MFPデータは、画像形成装置10による画像処理の対象となるデータである。例えば、MFPデータは、画像形成装置10が提供するプリント、スキャン、ファクシミリなどのサービスで送受信されるデータである。このMFPデータは、ジョブ要求に対応する実体情報として捉えることもできる。具体的には、例えば、MFPデータは、プリント(印刷)機能を実現するプリントデータ、スキャン機能を実現するスキャナデータを含む。なお、MFPデータは、画像形成装置10を介して送受信されるメールや、画像形成装置10を介して実行されるファイルの保存など、画像処理以外のサービスを画像形成装置10が提供する際に送受信されるデータを含めてもよい。
次に、IoTデータについて説明をする。IoTデータは、IoTデバイスである端末31などについての情報である。IoTデータは、端末31などから送信される種々のデータを含み、所謂ビッグデータ解析や人工知能(Artificial Intelligence、AI)などにより、業務効率改善などを実現するためのデータである。このIoTデータは、画像形成装置10との間で送受信されるデータのうち、MFPデータ以外のデータとして捉えることができる。また、IoTデータは、画像形成装置10によって業務効率改善などを実現するための処理(例えば、分析など)を施されてもよいし、画像形成装置10を介して例えばネットワーク上のサーバ(不図示)に送信され、サーバにおいて処理を施されてもよい。
ここで、IoTデータは、端末31などから一方的に発せられるビーコンデータや、IoT通信で予め決められた方式で送受信されるデータまで様々である。IoTデータには、例えば端末31などが備える各種センサ(不図示)が取得したデータ、すなわちセンサ情報が含まれる。また、ウェアラブル端末である端末45を例に説明をすると、端末45を身に着けたユーザが画像形成装置10に接近したこと示すデータ(近接データ)がIoTデータに含まれる。なお、この近接データにより、例えば端末45を身に着けたユーザによる画像形成装置10の使用頻度を算出することが可能となる。
次に、設定データについて説明をする。図示の例における設定データとは、画像形成装置10の各種設定に関するデータである。さらに説明をすると、設定データとは、画像形成装置10が予め定めた機能を発揮するために必要な設定に関するデータである。この画像形成装置10の設定に関するデータとしては、以下のデータが含まれる。すなわち、画像形成装置10のIPアドレスなど、画像形成装置10と接続するための接続情報や、画像形成装置10を利用することが許可されたユーザのユーザ名やパスワードなど、画像形成装置10の認証情報や、画像形成装置10におけるスキャン機能を無効とすることなど、画像形成装置10によるサービスの設定情報などが、設定データに含まれる。
<データの送受信>
<MFPデータの送受信>
次に、MFPデータ、IoTデータ、および設定データ各々の送受信について説明をする。
まず、図1を参照しながら、MFPデータの送受信について説明をすると、MFPデータは、予め決められた通信方式(例えば、プロトコル、アプリケーション毎に定められたポートやURL)によって送受信される。なお、画像形成装置10は、例えばデータ通信に先立って行なわれるネゴシエーション処理によっていずれのサービスのデータ通信であるかを判断し、適合するサービスのデータとして処理を行う。
例えば画像形成装置10は、デスクトップ型コンピュータである端末41、43との間で、MFPデータの送受信を行う。このとき画像形成装置10と端末41、43とは、中継装置51を介して通信を行う。そして、画像形成装置10と中継装置51との間の通信種別はWi-Fi通信である。また、例えば画像形成装置10は、モバイル端末である端末35との間で、MFPデータの送受信を行う。ここで、図示の例における画像形成装置10と端末35との間の通信種別は、Wi-Fi Direct(登録商標)による通信である。このWi-Fi Directは、Wi-Fi通信で用いられるアクセスポイント(例えば中継装置51)を介さずに、端末35が画像形成装置10とのWi-Fi通信を直接行うことが可能となる通信規格である。なお、図示の例におけるMFPデータは、Wi-Fi通信により送受信がなされるものとして説明するが、BLE通信により送受信がなされてもよい。
<IoTデータの送受信>
図3(a)および(b)はGATTサービスにおけるデータの送受信を示す図である。具体的には、図3(a)はGATTサービスによるIoTデータの送受信を示す図であり、図3(b)はGATTサービスによる設定データの送受信を示す図である。
次に、図3(a)を参照しながら、IoTデータの送受信について説明をする。まず、IoTデータは、Wi-Fi通信およびBLE通信のいずれによっても送受信することが可能である。画像形成装置10は、例えば予め定めた期間ごとに画像形成装置10の周囲に位置する端末31、33、45を検索(スキャン)し、検索された端末31、33、45との間でIoTデータの送受信を行う。この画像形成装置10と端末31、33、45との間の通信種別は、上述のようにWi-Fi通信であってもよいし、BLE通信であってもよい。
ここで、BLE通信によるIoTデータの送受信について詳細に説明をする。まず、画像形成装置10は、BLE通信を使用して周囲のIoTデバイスからIoTデータを収集する。このBLE通信を用いてIoTデータの送受信を行う際に、汎用アトリビュートプロファイル(Generic attribute profile、GATT)を用いた通信が行われることがある。例えば図3(a)に示すGATTを用いた通信においては、端末31、33、45がアドバータイジングパケットAPを送信する。また、画像形成装置10は、周期的にスキャンを実行する。そして、画像形成装置10がスキャンによりアドバータイジングパケットAPを検出すると、画像形成装置10は、検出したアドバータイジングパケットAPを送信する端末31、33、45など、すなわち検出したIoTデバイスに対して、GATT接続を行う。そして、このGATT接続においては、データを受信する側の画像形成装置10がデータのリクエストを送信する。また、データを送信する側の端末31、33、45などはデータのリクエストを受信し、例えばIoTデバイスのサービス情報などのデータを送信する。
なお、図3(a)に示す例においては、画像形成装置10がデータのリクエストを送信するクライアント、さらに説明をするとGATTクライアントである。また、端末31、33、45がデータのリクエストを受信するサーバ、さらに説明をするとGATTサーバである。また、端末31は第1機器の一例である。IoTデータは第1データの一例である。
<設定データの送受信>
次に、図3(b)を参照しながら、設定データの送受信について説明をする。図3(b)に示す例において、画像形成装置10と端末35、41、43との間での設定データの送受信は、BLE通信によりなされるものとする。なお、ここでは、BLE通信により設定データの送受信がなされるものとして説明するが、Wi-Fi通信により設定データの送受信がなされてもよい。
ここで、BLE通信による設定データの送受信においては、GATTを用いた通信が行われることがある。例えば、図3(b)に示すGATTを用いた通信においては、画像形成装置10がアドバータイジングパケットAPを送信する。また、周囲のIoTデバイスである端末35、41、43は、周期的にスキャンを実行し、アドバータイジングパケットAPを検出すると画像形成装置10に対してGATT接続を行う。このGATT接続においては、端末35、41、43が画像形成装置10のデータを要求するリクエストや、画像形成装置10への情報を書き込むリクエストを送信する。さらに説明をすると、データを画像形成装置10に要求する側あるいはデータを画像形成装置10に書き込む側である端末35、41、43がリクエストを送信する。
なお、図3(b)に示す例においては、画像形成装置10がサーバ、さらに説明をするとGATTサーバである。また、端末35、41、43がクライアント、さらに説明をするとGATTクライアントである。また、画像形成装置10は、端末35、41、43からのGATT接続を受け付け、設定データの送受信を行うことにより、設定データの読み出しを行う所謂Tap To XXや、認証処理、あるいは画像形成装置10の設定変更などの各サービス(GATTサービス)を実行する。ここで、Tap To XXを行う際には、設定データとして上記接続情報が送受信される。また、認証処理を行う際には、設定データとして上記設定情報が送受信される。また、端末35は第2機器の一例である。また、設定データは第2データの一例である。
<データの競合>
さて、上記のように画像形成装置10は、互いに異なる無線通信方式であるWi-Fi通信およびBLE通信を用いて、種々のデータを送受信する。ここで、画像形成装置10において、共通のインターフェイスを用いて異なるデータフォーマットのデータを送受信すると、インターフェイスの最大容量を超過し、結果として一部のデータが送受信されない場合や、予め定めた時間を超過して送受信がなされる場合などがある。すなわち、インターフェイスの制約から、データの競合が発生することがある。
具体的に説明をすると、例えば、共通のインターフェイスであるBLE通信を介して、IoTデータの収集およびGATTサービス機能の提供を実行する場合において、データの競合が発生することがある。また、例えば、共通のインターフェイスであるWi-Fi通信を介して、MFPデータの収集およびIoTデータの収集を実行する場合において、データの競合が発生することがある。
そこで、本実施の形態における画像形成装置10は、種々のデータ通信を実行することにともない各インターフェイスの最大容量を超過した場合、通信先の情報に基づいて、一部のデータ通信を制限する。ここで、通信先の情報としては、通信の属性についての情報や端末の属性についての情報を含む。具体的には、通信先の情報は、通信データの内容、通信端末の種別、通信を実行中であるか否か、通信を優先すべき通信端末として事前に登録されているか、予め定めた期間に通信を行った履歴の有無などを含む。なお、データ通信を制限する具体的な処理については、詳細に後述する。
<画像形成装置10の構成例>
図4は、画像形成装置10の構成例を説明するための図である。
次に、図1乃至図4を参照しながら画像形成装置10の構成例について説明をする。
本実施の形態の画像形成装置10は、無線通信制御部110と、無線通信管理部120と、操作パネル制御部140と、画像読取制御部150と、印刷制御部160と、ファクシミリ通信制御部170とを有する。
無線通信制御部110は、無線通信モジュール21の制御を行う。具体的には、無線通信制御部110は、無線通信モジュール21を介して端末31などとデータの送受信を行う。図示の無線通信制御部110は、Wi-Fi通信回路23の動作を制御するWi-Fi通信制御部111と、BLE通信回路25を制御するBLE通信制御部113とを有する。なお、BLE通信回路25は、通信部の一例である。また、Wi-Fi通信制御部111は、他の通信部の一例である。
無線通信管理部120は、無線通信制御部110によって制御されるWi-Fi通信回路23およびBLE通信回路25による通信の通信量を制御する。また、無線通信管理部120は、Wi-Fi通信回路23およびBLE通信回路25の動作タイミングの判定を行う。また、無線通信管理部120は、Wi-Fi通信およびBLE通信の各々において、どのような種別のデータ通信を行っているかを管理する。なお、無線通信管理部120の詳細構成については後述する。
操作パネル制御部140は、操作パネル15の制御を行う。操作パネル制御部140は、操作パネル15を介して、優先すべき通信の種別などを設定する指示を画像形成装置10のユーザや管理者から受け付ける。なお、操作パネル制御部140は、受付手段の一例である。
画像読取制御部150は、画像読取部16の制御を行い、原稿の画像の読み取りを実行する。
印刷制御部160は、印刷部17の制御を行い、用紙への画像形成を実行する。
ファクシミリ通信制御部170は、画像読取部16および印刷部17を制御し、ファクシミリ通信を実行する。
<無線通信管理部120>
次に、無線通信管理部120の詳細構成について説明をする。図示の無線通信管理部120は、通信量検知部121と、通信制限部122と、優先度管理部123と、端末管理部124と、装置情報管理部125と、端末検索部126と、迂回通信制御部127とを有する。
通信量検知部121は、Wi-Fi通信回路23およびBLE通信回路25によって実行されている通信の通信量を検知する。この通信量検知部121は、Wi-Fi通信およびBLE通信各々の通信量を検知する。通信量検知部121が通信量を検知する具体的な態様については後述する。
通信制限部122は、無線通信制御部110により実行される通信の制限、すなわちWi-Fi通信回路23およびBLE通信回路25の各々による通信の制限を実行する。また、通信制限部122は、実行された通信の制限を解除する。通信制限部122は、各々のインターフェイスについて予め定めた基準に従って、各インターフェイスにおける通信の制限を実行する。
ここで、通信制限部122による通信を制限する具体的な態様としては、例えば、実行中の通信量を低減する態様、実行中の通信を停止する態様、通信の開始を制限する態様、通信を迂回させる態様などがある。ここで、通信量を低減する態様においては、例えば、通信先がGATTサーバであるかあるいはGATTクライアントであるかを基準として、通信制限部122がどの通信を制限するかを決定する。また、例えば、通信データがIoTデータであるかあるいはMPFデータであるかを基準として、通信制限部122がどの通信を制限するかを決定する。また、通信制限部122は、通信先の情報に応じて、どの通信を制限するかを決定する。なお、画像形成装置10の通信先の情報には、上記のように通信の属性についての情報や端末の属性についての情報を含む。
優先度管理部123は、優先する通信を決定するための基準となる通信の優先度を管理する。ここで、優先度の低い通信が、優先度の高い通信と共通のインターフェイスにおいて競合した場合、優先度の低い通信は制限される。したがって、優先度は、制限すべき通信を決定するための基準として捉えることもできる。詳細は後述するが、優先度管理部123は、操作パネル15などに優先指示受付画像151(後述する図5参照)を表示し、ユーザからの優先度についての指示を受け付ける。
端末管理部124は、通信を行っている端末および各通信における通信内容に関する情報を取得する。ここで、例えば端末31などで動作する各種通信アプリケーション(通信アプリ)は、データ通信開始時に、データ通信開始とデータ種別を通知する。また、各種通信アプリは、データ通信終了後に、データ通信終了を通知する。この通信アプリの通知に従って、端末管理部124は、Wi-Fi通信回路23およびBLE通信回路25が動作中であるかの判定、あるいはどのような種別のデータ通信を行っているかの管理を実行する。図示の例の端末管理部124は、通信を行っている端末を管理する管理テーブルを記憶する。この管理テーブルは、IoTデータ通信履歴などを含む通信履歴のデータベースを有する。
装置情報管理部125は、上記GATTサービスに用いられる画像形成装置10に関する情報を管理する。ここで、画像形成装置10に関する情報には、接続情報、認証情報、および設定情報などが含まれる。接続情報は、画像形成装置10と接続する際に利用される情報であり、例えばIPアドレスである。また、上記の通り、認証情報はユーザ名やパスワードなどであり、設定情報はスキャン機能の有効あるいは無効の指定などである。
端末検索部126は、予め定めた条件に従って、Wi-Fi通信制御部111およびBLE通信制御部113を介してスキャンを実行する。また、端末検索部126は、スキャンの実行周期など、スキャンの実行条件を設定する。また、端末検索部126は、BLE通信により対象とする端末31などから画像形成装置10までの物理的な距離を測定する。
迂回通信制御部127は、通信が制限される一部のデータについて、最大容量を超えたインターフェイスを用いずに、他のインターフェイスなどを介し、迂回して通信を実行するとともに、通信の迂回を解除する。ここで、通信の迂回を実行する態様としては、例えばBLE通信において通信が制限される場合、他のインターフェイスであるWi-Fi通信を用いて実行する。あるいは、例えば、画像形成装置10におけるWi-Fi通信でデータが競合する場合、他の画像形成装置(不図示、他の画像処理装置の一例)を利用して通信を実行する。詳細は後述するが、迂回通信制御部127は、操作パネル15などに迂回指示受付画像161(後述する図7参照)を表示し、ユーザからの迂回通信に関する指示を受け付ける。
<通信量の検知>
次に、通信量検知部121による通信量の検知について説明をする。ここでは例として、画像形成装置10が、BLE通信を介して、IoTデータを収集しつつGATTサービス機能を提供するものとする。この例における通信量検知部121は、IoTデータを収集すべき端末の数や、現在のGATTサービスを利用する端末の数、あるいはGATTサービスの利用状況を監視することにより通信量を検知する。
なお、通信量検知部121は、通信量に応じたポイントを用いて通信量の検知を行ってもよい。例えば、画像形成装置10と通信を行う周囲のIoTデバイス1台ごとに1ポイントとしてもよい。また、利用されているGATTサービスの種別でポイントを変更してもよい。具体的には、画像形成装置10の設定情報の読み出しのみを行うTap To XXは2ポイント、画像形成装置10の設定情報の書き込みおよびユーザの入力時間などが発生する認証処理は3ポイント、画像形成装置10の設定情報の書き込みおよび長期間接続される可能性ある設定変更は5ポイントなどとしてもよい。なお、認証処理および設定変更は、通信の時間に応じたポイントを付与する態様である。付言すると、ここでの通信量は、その通信を行うインターフェイスの負荷として捉えることもできる。
<通信の制限>
次に、通信制限部122による通信の制限について説明をする。ここでは、上記通信量検知部121による通信量の検知と同様に、画像形成装置10がBLE通信を介して、IoTデータを収集しつつGATTサービス機能を提供する例を用いて説明をする。
まず、通信制限部122は上述のように予め定めた判定基準により、通信を制限するかを決定する。具体的には、通信量検知部121が検知する通信量が予め定めた判定基準を超えた場合に、通信制限部122は通信を制限する。上記の例で説明をすると、通信量検知部121は、画像形成装置10がBLE通信を介してIoTデータを収集すべき端末の数が、予め定めた数を超えていた場合に、通信を制限する。また、通信量検知部121は、画像形成装置10のGATTサービスを利用する端末の数が予め定めた数を超えた場合や、BLE通信の負荷を計算し、その負荷が予め定めた値を超えた場合に通信を制限してもよい。
そして、通信制限部122が予め定めた判定基準により、例えばGATTサービスを制限すべきと判断した場合、通信制限部122はGATTサービスの制限を実行する。ここで、GATTサービスを制限する態様としては、実行中のGATTサービスを停止することや、新たなGATT接続の開始を禁止することが含まれる。また、既にGATTサービスを利用中の場合は、そのサービスの利用が完了するまではGATT接続を維持し、GATTサービスの利用が終了した時点で、GATT接続を停止してもよい。すなわち、通信制限部122は、予め定めた条件を満たすまで待機した後に、GATT接続を停止してもよい。なお、既にGATTサービスの利用中であっても、利用されているGATTサービスが長期化する可能性がある場合は、GATTサービスを停止してもよい。また、GATTサービスを利用中であっても、GATTサービスを全て停止してもよい。すなわち、通信制限部122がGATT接続を強制的に停止してもよい。
また、GATTサービスを制限する場合において、GATTサービスを停止させず、すなわちGATTサービス自体は維持しながら、GATTサービスの機能を制限してもよい。例えば、GATTサービスは継続しながら、GATTサービスを利用する端末の数を制限してもよい。また、GATTサービスは継続しながらも、負荷の大きいGATTサービスは停止するなど、利用できるGATTサービスを選択してもよい。
次に、通信制限部122が予め定めた判定基準により、IoTデータの収集を制限すべきと判断した場合における、通信制限部122がIoTデータの収集を制限する動作の具体例について説明をする。
まず、IoTデータの収集を制限する場合、例えば、通信制限部122がIoTデータの収集を停止するため、端末検索部126によるスキャンと、無線通信制御部110による接続動作とを停止させてもよい。また、通信制限部122が、IoTデバイスごとに優先順位をつけて、優先順位の高いIoTデバイスのみにおいてIoTデータの収集を実施してもよい。ここでの優先順位としては、IoTデバイスごとに定められる優先順位だけでなく、IoTデバイスを予め定めた基準でグルーピングしたグループごとに定められる優先順位などであってもよい。
また、IoTデータの収集を制限する態様としては、実行中のIoTデータの収集を停止することや、新たなIoTデータの収集の開始を禁止することが含まれる。ここで、IoTデータの収集を制限する場合において、IoTデータの収集を停止させず、すなわちIoTデータの収集自体は継続しながら、収集するIoTデータを制限してもよい。例えば、IoTデータの収集は継続しながら、端末検索部126によるスキャンにフィルタをかけることで、IoTデータを収集するIoTデバイスの数を制限してもよい。ここで、端末検索部126によるスキャンのフィルタとしては、例えば一度スキャンしたことのあるIoTデバイス、すなわちIoTデータを収集した履歴のあるIoTデバイスとの通信を制限(例えば、無視)し、一度もスキャンしたことのない新規のIoTデバイスのみをスキャンにより検出するようにしてもよい。
また、IoTデータの収集を制限する場合において、端末検索部126によるスキャン周期を広げスキャンウィンドウを狭めることで、IoTデータを収集する頻度を減らしてもよい。ここで、スキャン周期とは、端末検索部126がスキャンを実行する間隔である。スキャン周期を広げることで、スキャンが実行される頻度が減り、結果としてIoTデータ収集の頻度が減る。また、スキャンウィンドウとは、スキャン時にアドバータイジングパケットAPを受け付ける時間の時間幅である。この時間幅が狭まることで、スキャンにより検出されるIoTデバイスの数が減り、結果としてIoTデータ収集が制限される。
<優先度管理>
図5は、優先指示受付画像151を示す図である。
次に、図2、図4、および図5を参照しながら、優先度管理部123によって実行される優先度の管理について説明をする。
まず、上記のように優先度管理部123は、操作パネル15に優先指示受付画像151を表示し、ユーザからの優先度についての指示を受け付ける。図5に示す例においては、優先指示受付画像151によって、IoTデータの通信とGATTサービスのための設定データとが競合した際に、IoTデータおよび設定データのいずれの通信を優先するかについての指示を、ユーザから受け付ける。
具体的には、優先指示受付画像151は、ユーザに対してモードの選択を促す選択促進画像153と、IoTデータの通信を優先するモードを選択するIoT優先画像155と、GATTサービスの設定データの通信を優先するモードを選択するGATTサービス優先画像157とを有する。例えば操作パネル15を操作することにより、ユーザによってIoT優先画像155が選択された場合、優先度管理部123が設定データよりもIoTデータの優先度を高く設定する。このような優先度の設定により、通信制限部122が設定データの通信よりもIoTデータの通信を優先するIoTデータ優先モードで、通信制限部122は動作する。また、ユーザによってGATTサービス優先画像157が選択された場合、優先度管理部123がIoTデータよりも設定データの優先度を高く設定する。このような優先度の設定により、通信制限部122がIoTデータの通信よりも設定データの通信を優先するGATTサービス優先モードで、通信制限部122は動作する。
ここで、優先指示受付画像151は、予め定めたタイミングで画像形成装置10の操作パネル15に表示される。この優先指示受付画像151を表示する予め定めたタイミングとしては、画像形成装置10の電源投入時や、画像形成装置10がデータ通信を実行中であって通信の制限が必要になった際などがある。
また、ここでは優先指示受付画像151が画像形成装置10の操作パネル15に表示されることを説明したが、ユーザがモードを選択可能であれば表示する装置は特に限定されない。例えば、端末31などに優先指示受付画像151を表示し、端末31などを介してユーザからモード選択についての指示を受け付けてもよい。
また、ここでは優先指示受付画像151がIoTデータおよび設定データのいずれを優先するかについての指示を受け付けるものであることを説明した。図示の例とは異なり、優先指示受付画像151は、他のデータ同士の関係、例えばMFPデータおよびIoTデータのいずれを優先するかについての指示を受け付けるものであってもよい。
図6は、優先度管理処理の動作例を示したフローチャートである。
次に、図4、図5および図6を参照しながら、優先度管理部123による優先度管理処理の動作例について説明をする。
優先度管理部123は、上記のように予め定めたタイミングで、優先指示受付画像151を画像形成装置10の操作パネル15に表示する(S601)。そして、優先度管理部123は、ユーザから選択指示を受け付けたかを判断する(S602)。選択指示を受け付けた場合(S602でYES)、優先度管理部123はIoT優先画像155が選択されたかを判断する(S603)。IoT優先画像155が選択された場合(S603でYES)、優先度管理部123は設定データよりもIoTデータの送受信を優先する、IoTデータ優先モードを設定する(S604)。また、IoT優先画像155が選択されない場合(S603でNO)、すなわちGATTサービス優先画像157が選択された場合、優先度管理部123はIoTデータよりも設定データの送受信を優先する、GATTサービス優先モードを設定する(S605)。
<迂回通信制御>
図7(a)および(b)は、迂回通信制御を説明する図である。具体的には、図7(a)は迂回指示受付画像161を示す図であり、図7(b)はWi-Fi通信案内画像169を示す図である。
次に、図2、図4、図7(a)および(b)を参照しながら、迂回通信制御部127によって実行される迂回通信制御について説明をする。
まず、図7(a)に示すように、迂回通信制御部127は、操作パネル15に迂回指示受付画像161を表示し、ユーザからの迂回通信に関する指示を受け付ける。図7(a)に示す例においては、迂回通信を行うか否かについての指示をユーザから受け付ける。
具体的には、迂回指示受付画像161は、ユーザに対して迂回通信を行うかについての選択指示を促す選択促進画像163と、迂回通信を行うことを選択する迂回通信選択画像165と、迂回通信を行わないことを選択する迂回通信非選択画像167とを有する。例えば操作パネル15を操作することにより、ユーザによって迂回通信選択画像165が選択された場合、迂回通信制御部127は迂回通信を実行する迂回通信実行モードを設定する。また、ユーザによって迂回通信非選択画像167が選択された場合、迂回通信制御部127は迂回通信を実行しない迂回通信非実行モードを設定する。
ここで、迂回指示受付画像161は、予め定めたタイミングで画像形成装置10の操作パネル15に表示される。この迂回指示受付画像161を表示する予め定めたタイミングとしては、画像形成装置10の電源投入時や、画像形成装置10がデータ通信を実行中であって通信の制限が必要になった際などがある。
なお、ここでは迂回指示受付画像161が画像形成装置10の操作パネル15に表示されることを説明したが、ユーザがモードを選択可能であれば表示する装置は特に限定されない。例えば、端末31などに迂回指示受付画像161を表示し、端末31などを介してユーザからモード選択についての指示を受け付けてもよい。
また、例えば、設定情報の通信を制限する場合、すなわちGATTサービスを制限する場合、迂回通信制御部127は、制限するGATTサービスが迂回通信により実行可能かを判定してもよい。そして、迂回通信を実行可能であると判定した場合に、迂回通信制御部127は迂回指示受付画像161を端末31などに表示させる。すなわち、ユーザが操作する端末31などにWi-Fi通信経由の接続の案内を受けるか選択できるメニューの一例である迂回指示受付画像161を表示させ、迂回通信を実行するかをユーザに選択させる。
また、図7(b)に示すように、迂回通信を実行する場合に、Wi-Fi通信案内画像169を操作パネル15や端末31などに表示させてもよい。このWi-Fi通信案内画像169は、画像形成装置10のWi-Fi Directの接続情報など、端末31などが迂回通信を行う際に必要な情報を含む。そして、このWi-Fi通信案内画像169に含まれる情報に従い、ユーザが端末31などを操作(例えば、SSIDの入力)すると、迂回通信が実行される。
また、ここでは、図7(a)に示す迂回指示受付画像161や図7(b)に示すWi-Fi通信案内画像169を用いて、Wi-Fi通信経由の迂回通信実行モードを設定することを説明したが、迂回指示受付画像161などを用いて、画像形成装置10以外の他の画像形成装置(不図示)を利用する迂回通信について設定してもよい。
図8は、迂回通信におけるモード選択処理の動作例を示したフローチャートである。
次に、図4、図5、および図8を参照しながら、迂回通信制御部127によるモード選択処理の動作例について説明をする。
迂回通信制御部127は、上記のように予め定めたタイミングで、迂回指示受付画像161を画像形成装置10の操作パネル15に表示する(S801)。そして、迂回通信制御部127は、ユーザから選択指示を受け付けたかを判断する(S802)。選択指示を受け付けた場合(S802でYES)、迂回通信制御部127は迂回通信選択画像165が選択されたか、すなわち迂回通信が選択されたかを判断する(S803)。迂回通信選択画像165が選択された場合(S803でYES)、迂回通信制御部127は迂回通信実行モードを設定する(S804)。また、迂回通信選択画像165が選択されない場合(S803でNO)、すなわち迂回通信非選択画像167が選択された場合、迂回通信制御部127は迂回通信非実行モードを設定する(S805)。
さて、迂回通信制御部127が迂回通信実行モードを設定した場合(S804)において、いずれかのインターフェイスで最大容量を超過するデータの送受信がなされると、迂回通信制御部127は迂回通信を実行する。例えば、BLE通信において最大容量を超過するデータの送受信がなされる場合、他のインターフェイスであるWi-Fi通信を用いて一部のデータの送受信が行われる。
なお、この例においては、Wi-Fi通信を用いて迂回通信を実行することを説明したが、最大容量を超過するBLE通信以外の通信手段を用いることで、BLE通信による通信データが低減されれば、迂回通信の具体的な態様は特に限定されない。例えば、NFC通信など他の無線通信方式を用いて、迂回通信を行ってもよい。また、Webブラウザーを介して画像形成装置10にリモートでアクセスして利用できるリモートアクセス機能がある場合には、このリモートアクセス機能を用いて、迂回通信を行ってもよい。また、最大容量を超過するBLE通信を行う画像形成装置10以外の装置(例えば、不図示の他の画像形成装置)を用いて、迂回通信を行ってもよい。付言すると、画像形成装置10によるサービスの設定情報を変更するためのデータ通信であれば、リモートアクセス機能を介した通信により代替可能、すなわち迂回通信可能である。このような場合には、リモートアクセス機能を利用して迂回通信を行うことの指示を受けるため、端末31などに迂回指示受付画像161が表示される。
<無線通信管理処理>
図9は、無線通信管理部120による無線通信管理処理の動作例を示したフローチャートである。
次に、図4および図9を参照しながら、無線通信管理部120による無線通信管理処理の動作例について説明をする。
なお、以下で説明する無線通信管理処理においては、通信量検知部121が継続して通信量の検知を実行するものとする。また、以下の無線通信管理処理においては、画像形成装置10が、共通のインターフェイスであるBLE通信を介して、IoTデータを収集しつつGATTサービス機能を提供する。
また、画像形成装置10の電源投入時など予め定めたタイミングで優先指示受付画像151(図5参照)を表示することにともない、ユーザから優先度についての指示を受けているものとする。具体的には、無線通信管理部120は、GATTサービスのための設定データの通信よりもIoTデータの通信を優先する指示を受けているものとする。すなわち、GATTサービスを停止対象サービスとする指示を受けているものとする。また、無線通信管理部120は、通信の制限を行う際にGATTサービスが利用中の場合は、そのGATTサービスが完了するまではGATT接続を維持し、GATTサービスが完了した時点で、GATT接続を停止するものとする。
また、画像形成装置10の電源投入時など予め定めたタイミングで迂回指示受付画像161(図7参照)を表示することにともない、ユーザから迂回通信についての指示を受けているものとする。具体的には、無線通信管理部120は、Wi-Fi通信経由の迂回通信を行う指示を受けているものとする。
図9に示す無線通信管理処理を具体的に説明すると、まず通信量検知部121が、検知する通信量が最大容量を超過したかを判断する(S901)。通信量が最大容量を超過した場合(S901でYES)、迂回通信制御部127はGATTサービス(停止対象サービス)のための設定データは迂回通信が可能であるかを判断する(S902)。そして、GATTサービスのための設定データが迂回通信可能である場合(S902でYES)、迂回通信制御部127はWi-Fi通信案内画像169(図7(b)参照)を出力する(S903)。なお、Wi-Fi通信案内画像169に含まれる情報をユーザが端末31などに入力することにより、迂回通信が実行される。
次に、端末管理部124は、GATTサービスを利用中であるかを判断する(S904)。GATTサービスが利用中である場合(S904でYES)、端末管理部124はGATTサービスが停止するかを判断する(S905)。すなわち端末管理部124はGATTサービスが停止するまで待機する。GATTサービスが停止した場合(S905でYES)、およびGATTサービスが利用中でない場合(S904でNO)、通信制限部122はGATTサービスを制限する(S906)。
次に、通信量検知部121が、最大容量超過を検知しない、すなわち通信量が最大容量以下であるかを判断する(S907)。通信量が最大容量以下である場合(S907でYES)、通信制限部122はGATTサービスの制限を解除する(S908)。なお、GATTサービスの制限が解除、言い替えるとGATTサービスが起動されると、GATTサービスのための設定データの通信およびIoTデータの通信の両者が許容された状態となる。
なお、上記の動作を行う画像形成装置10は、画像形成装置の第1の機能であるGATTサービス機能についての情報と、画像形成装置10と接続するIoT装置の情報であり、第1の機能についての情報とは異なる情報であるIoTデータとを収集する無線通信管理部120を有する構成である。そして、画像形成装置10は、第1の通信インターフェイスであるBLE通信で、GATTサービス機能についての情報と、IoTデータとが収集できない事象が発生した場合に、GATTサービス機能についての情報とIoTデータとのいずれか一方の情報を、BLE通信を使用して収集する。また、BLE通信を使用して収集しなかった情報を、第2の通信インターフェイスであるWi-Fi通信を使用して収集する。
また、上記の説明における迂回通信制御部127は迂回通信が可能であるかを判断する(S902)ことを説明したが、この判断は必須ではない。すなわち、迂回通信制御部127が迂回通信についての判断をすることなく、通信制限部122がGATTサービスを制限(S906参照)してもよい。
さて、上記図9に示す動作例とは異なり、無線通信管理部120は、IoTデータの通信よりもGATTサービスのための設定データの通信を優先する指示を受け付ける場合がある。詳細な説明は省略するが、この場合において、通信制限部122は、図9におけるGATTサービスの制限(S906など)に替えて、IoTデータの通信を制限する。
<MFPデータおよびIoTデータの競合>
さて、上記のように画像形成装置10は、共通のインターフェイスであるWi-Fi通信を介して、MFPデータの収集およびIoTデータの収集を実行することがある。以下においては、このMFPデータの収集およびIoTデータの収集を実行する際における、無線通信管理部120による無線通信管理処理の動作例について説明をする。
付言すると、以下の動作例においては、MFPデータおよびIoTデータの両方データを収集できない場合に、無線通信管理部120が両方のデータを収集できるように制御を行う。または、無線通信管理部120は、送受信する一方のデータ(例えばIoTデータ)を調整することで、MFPデータに影響を与えずに、かつIoTの目的に対し例えば最も影響度の少ない制御が実行される。
<管理テーブル>
図10(a)および(b)は、管理テーブルを説明する図である。具体的には、図10(a)はIoT管理テーブルを示し、図10(b)はPC管理テーブルを示す。
次に、図4、図10(a)および(b)を参照しながら、端末管理部124が管理する管理テーブルを説明する。
まず、図10(a)に示すように、端末管理部124は、端末31などのうち、画像形成装置10とIoTデータの送受信を行う端末(以下、対象端末ということがある)ごとに、デバイス識別情報(ID)などのIoT情報を示すIoT管理テーブルを管理する。このIoT管理テーブルは、対象端末との接続前に、端末管理部124に予め初期登録しておいてもよいし、対象端末との最初の接続時に端末管理部124に登録するようにしてもよい。
図示の例においては、IoT管理テーブルはデバイス識別情報に加えて、対象端末が提供するサービス情報、対象端末の位置情報、対象端末との通信履歴情報、対象端末における傾向分析情報などを含む。ここで、デバイス識別情報においては、対象端末が有するメモリの容量であるメモリ容量と、対象端末において送受信するデータを圧縮する機能である圧縮機能に関する情報と、対象端末において送受信するデータを一時的に記憶する機能である一時データ保存機能に関する情報とを有する。
また、圧縮機能に関する情報としては、データの圧縮が可能であるか否かについての情報や、圧縮方式の種別についての情報が含まれる。付言すると、圧縮方式の種別としては、圧縮したデータを元に戻すことが可能な可逆圧縮方式と、圧縮したデータを元に戻すことが不可能な不可逆圧縮方式とが含まれる。
また、一時データ保存機能は、データの入出力と処理のタイミングを調整するためデータを一時的に記憶する機能である。一時データ保存機能に関する情報としては、対象端末において一時データ保存が可能であるか否かについての情報が含まれる。
また、サービス情報としては、対象端末内に一時的にデータを保持するストレージサービス、対象端末内においてデータを圧縮する圧縮サービス、対象端末内においてデータを処理するデータ処理サービスに関する情報が含まれる。
また、位置情報としては、対象端末のGPS位置情報や、対象端末から画像形成装置10までの距離など、対象端末の位置に関する情報が含まれる。
また、通信履歴情報としては、通信開始日時、通信終了日時、送受信されたデータサイズ、通信方式、データ形式などが含まれる。
また、傾向分析情報としては、受信頻度や、1回の通信あたりの平均データ量である受信データ量/回、データ種別、対象端末で処理を待つことが可能な時間であるIoT可能待ち時間、使用通信帯域などが含まれる。なお、傾向分析情報は、端末管理部124が上記の通信履歴情報を分析することにより得られる。
また、図10(b)に示すように、端末管理部124は、対象端末のデバイス識別情報を含むPC管理情報を示すPC管理テーブルを管理する。このPC管理テーブルは、対象端末との接続前に、端末管理部124に予め初期登録しておいてもよいし、対象端末との最初の接続時に端末管理部124に登録するようにしてもよい。
図示の例においては、PC管理テーブルは、デバイス識別情報に加えて、対象端末のユーザを識別するユーザ識別情報、対象端末が利用した画像形成装置10のサービスである利用サービス情報、対象端末との通信履歴情報などを含む。
ここで、デバイス識別情報は、デバイス名、対象端末を管理する管理者の情報である管理者情報、対象端末の位置情報、対象端末の稼働情報などを含む。
また、ユーザ識別情報としては、対象端末のユーザ名や、ユーザの属性(例えば、画像形成装置10を利用する権限)などについての情報が含まれる。
また、利用サービス情報としては、プリント機能、スキャン機能、ファクシミリ機能(FAX機能)などに関する情報を含む。また、図示の例においては、利用サービス情報として、ファイル保存機能、ストレージ機能、他の画像形成装置(不図示)を用いた印刷である代理印刷機能、認証/課金機能などに関する情報を含む。
また、通信履歴情報としては、通信開始日時、通信終了日時、送受信されたデータサイズ、通信方式、データ形式などが含まれる。
<管理テーブル更新処理>
図11は、端末管理部124による管理テーブル更新処理の動作例を示したフローチャートである。
次に、図4、図10、および図11を参照しながら、端末管理部124による管理テーブル更新処理の動作例について説明をする。なお、ここでは、管理テーブルは端末管理部124によって登録(例えば、初期登録)がなされており、通信時においてなされる管理テーブルの更新について説明をする。
まず、端末管理部124は、通信中の通信内容に関する情報を取得し、受信データがMFPデータであるかを判別する(S1101)。受信データがMFPデータである場合(S1101でYES)、端末管理部124は、対象端末が図10(b)に示すPC管理テーブルに含まれない新たなデバイスであるかを判別する(S1102)。新たなデバイスである場合(S1102でYES)、対象端末をPC管理テーブルに登録する(S1103)。そして、対象端末をPC管理テーブルに登録(S1103)した後、あるいは新たなデバイスでない場合(S1102でNO)、端末管理部124はPC管理テーブルを更新する(S1103)。ここで、端末管理部124は、PC管理テーブルに含まれる、通信開始日時/終了日時、データサイズなどの情報を、例えばMFPデータの送受信が完了する度に更新する。
また、受信データがMFPデータでない場合(S1101でNO)、端末管理部124は、図10(a)に示すIoT管理テーブルに含まれない新たなデバイスであるかを判別する(S1105)。新たなデバイスである場合(S1105でYES)、対象端末をIoT管理テーブルに登録する(S1106)。そして、対象端末のIoT管理テーブルを登録(S1106)した後、あるいは新たなデバイスでない場合(S1105でNO)、端末管理部124はIoT管理テーブルを更新する(S1107)。ここで、端末管理部124は、IoT管理テーブルに含まれる、通信開始日時/終了日時、データサイズなどの情報を、例えばIoTデータの送受信が完了する度に更新する。
<他の無線通信管理処理>
図12は、無線通信管理部120による他の無線通信管理処理の動作例を示したフローチャートである。
次に、図4および図12を参照しながら、無線通信管理部120による他の無線通信管理処理の動作例について説明をする。
なお、以下で説明する他の無線通信管理処理の動作例においては、通信量検知部121が継続して通信量の検知を実行するものとする。また、無線通信管理部120は、画像形成装置10の電源投入時など予め定めたタイミングで、他の画像形成装置通信経由の迂回通信を行う指示を受けているものとする。
また、以下の動作例においては、無線通信制御部110により実行される通信の制限として、他の画像形成装置(不図示)を用いた迂回通信、対象端末における調整、および画像形成装置10における調整のいずれかが実行されるものとする。さらに、以下の動作例においては、MFPデータの通信よりもIoTデータの通信を優先する処理を行う場合と、IoTデータの通信よりもMFPデータの通信を優先する処理を行う場合とがある。また、MFPデータは、画像処理を実行するためのデータの一例である。
まず、通信量検知部121が、検知する通信量が最大容量を超過したかを判断する(S1201)。通信量が最大容量を超過した場合(S1201でYES)、迂回通信制御部127はMFPデータを迂回通信が可能であるかを判断する(S1202)。そして、MFPデータが迂回通信可能である場合(S1202でYES)、迂回通信制御部127は他の画像形成装置(不図示)を利用する代理処理によりMFPデータの通信を実行する(S1203)。
次に、通信量検知部121が、最大容量超過を検知しない、すなわち通信量が最大容量以下であるかを判断する(S1204)。通信量が最大容量以下である場合(S1204でYES)、通信制限部122はIoTデータの受信制限を解除する(S1205)。例えば、通信制限部122は通信を制限した対象端末に対して受信制限を解除する通知を行う。なお、IoTデータの受信制限が解除されると、MFPデータの通信およびIoTデータの通信の両者が許容された状態となる。
また、MFPデータが迂回通信可能でない場合(S1202でNO)、迂回通信制御部127は対象端末において送信するIoTデータの通信の調整が可能かを判断する(S1206)。対象端末において調整が可能である場合(S1206でYES)、通信制限部122は対象端末から送信されるIoTデータの調整を対象端末に実行させる(S1207)。なお、この対象端末におけるIoTデータの調整としては、対象端末において、IoTデータを一時的に保存すること、IoTデータを圧縮すること、IoTデータの送信を中止することなどが含まれる。
また、対象端末において調整が不可能である場合(S1206でNO)、通信制限部122は画像形成装置10側で受信帯域の調整を実行する(S1208)。
なお、IoTデータの調整を対象端末にて実行(S1207)した後、あるいは画像形成装置10側で受信帯域の調整を実行(S1208)した後、通信量検知部121は通信量が最大容量以下であるかを判断し(S1204)、通信制限部122がIoTデータの受信制限を解除する(S1205)。
付言すると、図12に示す他の無線通信管理処理の動作例を構成する各処理と並行して、上記図11に示す管理テーブル更新処理が実行される。
ここで、図12に示す他の無線通信管理処理を構成する各処理について詳細に説明をする。
まず、通信量検知部121による通信量が最大容量を超過したかの判断(S1201)について説明をする。ここでの最大容量は、印刷部17(図2参照)の出力性能、MFPデータ平均送信性能、設定値、MFPデータからの算出などにより定められる。印刷部17の出力性能においては、印刷部17の画像処理及び描画排出処理にかかる時間を下回らないデータ受信容量(帯域)を予め設定して、あるいは受信履歴から算出して、最大容量が定められる。MFPデータ平均送信性能においては、端末31(図1参照)などのうちのMFPデータを送受信する端末ごとに、通信1回ごとの平均データ容量(帯域)を算出しておき、その値が最大容量、すなわち基準値として定められる。設定値においては、予めユーザが設定した値やインターフェイスの最大帯域の80%などとして、最大容量が定められる。MFPデータからの算出においては、データサイズと画像形成装置10の印刷速度から必要な通信容量(帯域)を算出して、最大容量が定められる。なお、プロトコルやアプリケーションによっては、印刷に先立って端末31などからデータサイズなどを通知してくる場合がある。この場合には、先立って通知されるデータサイズに基づいて、必要な通信容量を算出して、最大容量が定められる。
次に、迂回通信制御部127による迂回通信が可能であるかの判断(S1202)について説明をする。迂回通信制御部127は、端末31(図1参照)などのうちのMFPデータを送受信する端末ごとに、迂回通信が可能であるかの判断を行う。具体的には、MFPデータを送受信する端末を特定し、特定された端末のPC管理テーブル(図10(b)参照)を参照する。そして、参照したPC管理テーブルに含まれる利用サービス情報の項目において、代理印刷の履歴情報がある場合、迂回通信制御部127は、他の画像形成装置(不図示)に処理を依頼したい旨の情報を特定された端末に送信する。そして、特定された端末側において迂回通信の対応可能と判断した場合は、特定された端末は、他の画像形成装置にデータを送信する。また、特定された端末側において迂回通信の対応不可と判断した場合は、特定された端末はその旨を迂回通信制御部127に通知する。この通知を受信した迂回通信制御部127は、対象端末において送信するIoTデータの通信の調整が可能かを判断する(S1206)。
次に、通信制限部122によるIoTデータの通信調整が可能であるかの判断(S1206)について説明をする。迂回通信制御部127は、端末31(図1参照)などのうちのMFPデータを送受信する端末ごとに、通信調整が可能であるかの判断を行う。具体的には、通信制限部122は、通信を行なっている端末、あるいは画像形成装置10との定期通信が行なわれる予定の端末について、IoT管理テーブルを参照する。
そして、通信制限部122は、IoTデータの通信量と、IoT管理テーブルに含まれるメモリ容量の比較、あるいは一時データ保存機能の有無などをチェックし、一時的に対象端末内にIoTデータを保持できる場合は、その旨を対象端末に通知する。
また、通信制限部122は、一時的に対象端末内にIoTデータを保持できない場合や、保持できる場合であっても更に容量(帯域)を減らす必要がある場合には、IoT管理テーブルに含まれる圧縮機能の有無をチェックし、対象端末がデータ圧縮機能を有する場合には、その旨対象端末に指示する。なお、さらに対象端末が圧縮率を変更することが可能であれば、データの圧縮率などの指示も行なう。この圧縮率は、例えば必要な帯域と、IoTデータのデータサイズから算出される。
ここで、通信制限部122は、対象端末で実行される圧縮の方式を、IoTデータの種別によって定める。まず、通信制限部122は、原則として、可逆圧縮方式が選択可能で、それによって必要な帯域を満たせる場合は、可逆圧縮方式で圧縮を実行するべく対象端末に指示する。また、通信制限部122は、IoTデータのデータサイズが大きく高圧縮が必要と判断した場合には、IoTデータのデータ形式を確認する。そして、例えば、IoTデータが、リアルタイムな動画、音声などのストリームデータの場合は、非可逆圧縮方式によって圧縮率を上げる。この非可逆圧縮方式によると、画像あるいは音声の品質は落ちるものの、データの内容自体は担保可能、言い替えると特定可能となる。
なお、上記処理でも必要な帯域が不足する場合は、IoTデータの種別を対象端末ごとに確認し、予め決められたもしくは優先度から判断して、対象端末から画像形成装置10に送るIoTデータの種類を減らす。例えば、定期通信で予め定めた期間ごとに送信されるIoTデータであって、対象端末の稼動状態や設定状態など相対的に変化の少ないIoTデータなどについては、IoT分析の観点からは影響が限定されるため送信しない。
また、上記処理でも必要な帯域が不足する場合は、通信制限部122は、予め決められた優先度、あるいはIoT分析の観点から優先度を判断し、対象端末から画像形成装置10へのデータ送信を停止するよう指示する。あるいは、必要な帯域が不足する場合、通信制限部122は、他の端末が提供しているストレージサービスを利用するよう指示する。例えば、図10(a)に示すIoT管理テーブルから、対象端末にストレージ機能がなく、他の端末がストレージ機能を提供する場合、その他の端末に一時的にIoTデータを送信するように指示する。また、必要な帯域が不足する場合、通信制限部122は、他の端末で提供されている、圧縮機能を利用するよう指示してもよい。例えば、図10(a)に示すIoT管理テーブルから、対象端末に圧縮機能がなく、他の端末が圧縮機能を提供する場合、その他の端末に一時的にIoTデータを送信するように指示する。
次に、通信制限部122による画像形成装置10側での受信帯域の調整(S1208)について説明をする。
通信制限部122は、例えば、受信するIoTデータを選択することや、通信容量(帯域)を対象端末ごとに調整することや、IoTデータの通信を調整することなどにより、画像形成装置10側での受信帯域の調整を行う。
ここで、通信制限部122は、受信するIoTデータの選択において、例えば対象端末ごとに、データ種別、時間、属性、履歴などによって、受信するIoTデータを選択する。ここで、通信制限部122は、対象端末ごとに、あるいはIoTデータごとに、予め優先度を決めておき、優先度の低いものから受信を止めてもよい。また、通信制限部122は、データ収集の目的から優先度を判断してもよい。例えば、IoTデータの種別が、電灯や空調の稼動状態についての情報であれば優先度は低く、ネットワーク機器などの稼動状態であれば、業務に影響するため優先度は高く設定される。また、業務改善のための情報収集としてオフィス機器の利用状況を収集している場合は、それらのIoTデータは優先度が高く、対象端末の移動情報などは優先度を低く設定される。
また、通信制限部122は、受信するIoTデータの選択において、例えばデータ受信履歴やデータ種別から、データ受信を止めてよい対象端末を判断する。例えば、端末31などの生産性などに関するIoTデータであれば業務が停止する休憩時間帯などはデータ受信を止めてよいと判断する。また、データ受信履歴から予め定めた時間に予め定めた情報がやり取りされるようなIoTデータは、一定時間止めても良いと判断する。このようなデータ受信履歴やデータ種別などの分析を行い、IoTデータを受け取れなくてもよい、データ分析に影響の少ない単位時間、もしくは日時や時間帯などから、受け取らないIoTデータを判断してもよい。すなわち、通信制限部122は、時間情報に基づき、受信するIoTデータを選択してもよい。
また、通信制限部122は、受信するIoTデータの選択において、例えばIoTデータの種別から、データ受信を止める対象端末を判断する。例えば、暗号化や圧縮などされたIoTデータの場合、IoTデータの一部が欠落すると復元できなくなるのでデータ受信を止めない。しかしながら、これら以外のデータの場合、対象端末側で蓄積できる可能性があるのでデータ受信を止めてもよい。また、ストリームデータは蓄積できないのでデータ受信を止めないが、それ以外のデータは対象端末側で一次蓄積できる可能性があるのでデータ受信を止めてもよい。また、対象端末で変化があった際にのみ送信されるIoTデータはロストする、すなわち受信し損なうと影響が大きいためデータ受信を止めないが、定期的に送信されるIoTデータはデータ受信を止めてもよい。また、IoTデータ分析への影響を少なくするため、データ量が多いIoTデータから止めてもよい。
ここで、通信制限部122は、通信容量の端末ごとの調整において、例えばIoTデータの受信間隔(帯域制限)を調整して強制的に受信するデータ量を制限する。例えば、対象端末の位置情報のように動的な変化を見るIoTデータの場合、間引かれると情報精度は低下するが、傾向分析の観点では影響は限定的である。したがって、対象端末の位置情報のようなIoTデータについての受信帯域を優先的に低減する(例えば、受信の間隔を広げる)。また、ストリームデータの場合、加工(暗号や圧縮)されていなければ、途中受信し損なっても画像形成装置10で受け取ったデータだけでも部分的には有効なデータとなるので、受信帯域を優先的に低減する。
ここで、通信制限部122は、IoTデータの通信の調整において、例えば対象端末ごとの通信方式(種類、プロトコル等)に依存するが、セッションそのものを切る(リセットを送る)こと、通信不可/BUSYなどを通知すること、ハンドシェイク通信の場合にレスポンスを返さない、リクエストに対してデータ送信しないなどにより、画像形成装置10側での受信帯域の調整を行う。
なお、上記の動作を行う画像形成装置10は、例えば画像処理機能など、画像形成装置の第1の機能についての情報であるMFPデータと、画像形成装置10と接続するIoT装置の情報であり、第1の機能についての情報とは異なる情報であるIoTデータとを収集する無線通信管理部120を有する構成である。そして、画像形成装置10は、第1の通信インターフェイスであるWi-Fi通信で、MFPデータとIoTデータとが収集できない事象が発生した場合に、送受信するIoTデータの情報量を少なくする。
さて、上記図12に示す動作例とは異なり、無線通信管理部120は、MFPデータの通信よりもIoTデータの通信を優先する指示を受け付ける場合がある。詳細な説明は省略するが、この場合において、通信制限部122は、対象端末側での調整(S1207)、および画像形成装置10側で受信帯域の調整を、MFPデータの通信について実行する。同様に、無線通信管理部120は、IoTデータの通信よりもMFPデータの通信を優先する指示を受け付ける場合がある。この場合においては、通信制限部122は、図12における他の画像形成装置(不図示)を利用する代理処理(S1203)をIoTデータの通信について実行する。
<変形例>
上記の説明においては、無線通信管理部120が迂回通信制御部127を備えること、すなわち無線通信管理部120が迂回通信を実行可能であることを説明したが、これに限定されない。無線通信管理部120は、Wi-Fi通信およびBLE通信のいずれかの通信においてデータの競合が発生した場合に、迂回通信を実行することなく、上記のように通信先の情報に基づいてデータ通信を制限してもよい。
また、上記の説明においては、画像形成装置10がWi-Fi通信およびBLE通信の2つの無線通信機能を有することを説明したが、いずれか1つの無線通信機能を有する構成であってもよい。また、画像形成装置10が3つ以上の無線通信機能を有してもよい。さらに説明をすると、Wi-Fi通信やBLE通信に加えて、あるいはこれらの通信に替えて、例えばZigBee(登録商標)、UWB(Ultra Wideband)、あるいはNFC(Near Field Communication)による通信等の既存の通信方式を用いても良い。そして、3つ以上の無線通信機能のうち、いずれかにおいてデータの競合が発生した場合に、上記のように通信先の情報に基づいて、一部のデータ通信を制限してもよい。
また、上記の説明においては、IoT管理テーブルおよびPC管理テーブルを別のテーブルとして管理することを説明したが、これに限定されない。上記のIoT管理テーブルおよびPC管理テーブルを1つの管理テーブルとして管理してもよいし、上記のIoT管理テーブルおよびPC管理テーブルの少なくとも一方を複数のテーブルにより管理してもよい。
なお、上記では種々の実施形態および変形例を説明したが、これらの実施形態や変形例同士を組み合わせて構成してももちろんよい。
また、本開示は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。