JP7159585B2 - 繊維強化樹脂成形品の塗装方法 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維強化樹脂成形品の塗装方法及びその塗装製品に関するものである。
近年、成形品の強度向上及び軽量化の観点から、例えば炭素繊維やガラス繊維等の強化繊維に熱硬化性樹脂を含浸させてなる繊維強化樹脂成形品や、その塗装製品が注目されている。
しかしながら、成形直後の繊維強化樹脂成形品には、潜在的な歪みや応力等が存在しており、その後の乾燥工程や加熱工程等でこれらの歪みや応力が顕在化して、繊維強化樹脂成形品の表面に反り等が生じるという問題があった。
そこで、例えば、特許文献1には、繊維強化樹脂成形品の塗装前に、該成形品に矯正治具を装着させた状態で、塗装温度よりも10~70℃高い温度で熱処理することで、該成形品の反りを矯正することが開示されている。
特開2004-291558号公報
ところで、繊維強化樹脂成形品には、上記反り以外に、繊維強化樹脂成形品内部に含有される強化繊維由来の凹凸模様が塗装表面に現れ、十分な表面平滑性が得られず、外観不良の要因となるという問題があった。
そして、強化繊維由来の凹凸模様を隠して外観不良を改善するために、塗装工程において、例えば繰り返し研磨工程を施すことや、10層以上もの塗装膜を形成することが行われており、作業面、時間面、及びコスト面において、過大な負担がかかるという問題があった。
また、上記特許文献1には、塗装後の繊維強化樹脂成形品の反りを低減させることについては開示されているものの、その表面に現れた強化繊維由来の凹凸模様を低減させることについては、開示されていない。
そこで本発明は、塗装工程後に得られる塗装製品の表面に強化繊維由来の凹凸が現れるのを抑制するとともに、塗装工程を簡潔化することができる繊維強化樹脂成形品の塗装方法を提供することを課題とする。
上記の目的を達成するために、本発明では、塗装工程前に繊維強化樹脂成形品を所定温度で所定時間加熱して予め熱硬化性樹脂を収縮させておき、塗装工程後に製品外観に強化繊維由来の凹凸が生じにくくなるようにした。
すなわち、ここに開示する第1の技術に係る繊維強化樹脂成形品の塗装方法は、強化繊維を含み、熱硬化性樹脂をマトリクスとする繊維強化樹脂層を備えた繊維強化樹脂成形品の表面に塗装を施す方法であって、前記繊維強化樹脂成形品は、成形により製造されたものであり、前記塗装を施す前の前記繊維強化樹脂成形品に所定温度で所定時間加熱処理を施すことにより、予め前記熱硬化性樹脂の収縮を促進させて、前記塗装を施す前の前記繊維強化樹脂成形品の表面に、前記強化繊維と前記熱硬化性樹脂との収縮率の差異に起因して生じる凹凸模様を予め形成し、前記繊維強化樹脂成形品に前記加熱処理を施した後、常温まで冷却する第1加熱工程と、前記第1加熱工程後に、前記繊維強化樹脂成形品の表面に、スプレー塗装、刷毛塗り塗装、回転霧化塗装、及びカーテンコート塗装の群から選択される少なくとも1種を施して該表面の前記凹凸模様を隠すように塗装層を形成する塗装工程と、前記塗装工程後に、前記繊維強化樹脂成形品に熱処理を施す第2加熱工程と、を備え、前記第1加熱工程における前記所定温度は、第2加熱工程における温度以上であることを特徴とする。
塗装表面に現れる強化繊維由来の凹凸模様は、塗装工程における塗料の乾燥工程や加熱工程において、強化繊維よりも収縮率の大きい熱硬化性樹脂の収縮が促進されるために、顕在化すると考えられる。第1の技術によれば、塗装工程前の繊維強化樹脂成形品に対し所定温度で所定時間加熱処理を施すことにより、予め熱硬化性樹脂の収縮を促進させることができる。そうすると、塗装工程前の繊維強化樹脂成形品の表面に、強化繊維と熱硬化性樹脂との収縮率の差異に起因して生じる凹凸模様を予め形成することができる。そして、表面の凹凸を隠すように塗装層を形成することにより、塗装工程後に得られた製品の表面に強化繊維由来の凹凸模様が現れるのを抑制することができる。そうして、塗装工程を簡潔化しつつ、塗装製品の表面平滑性を向上させて、外観性を向上させることができる。また、第1の技術は、前記塗装工程後に、前記繊維強化樹脂成形品に熱処理を施す第2加熱工程を備えるから、第2加熱工程により、塗装層のより確実な定着を図ることができる。さらに、前記第1加熱工程における前記所定温度は、第2加熱工程における温度以上であるから、製品の平滑性及び外観性を効果的に向上させることができる。
第2の技術は、第1の技術において、前記塗装工程は、前記第1加熱工程後の前記繊維強化樹脂成形品の表面に下塗り層を形成する第1塗装工程と、前記繊維強化樹脂成形品の前記下塗り層の表面上に上塗り層を形成する第2塗装工程とを備えたことを特徴とする。
第2の技術によれば、塗装層を少なくとも下塗り層及び上塗り層の積層構造とすることにより、強化繊維由来の凹凸をより効果的に隠すことができ、塗装工程後に得られた製品の平滑性及び外観性を効果的に向上させることができる。
第3の技術は、第2の技術において、前記塗装工程は、前記第1塗装工程後であり且つ前記第2塗装工程前に、前記下塗り層の表面を研磨する研磨工程を備えたことを特徴とする。
第3の技術によれば、下塗り層の表面を研磨する研磨工程を備えることで、下塗り層表面に現れた強化繊維由来の凹凸を滑らかにすることができ、延いては塗装工程後に得られた製品の平滑性及び外観性をより効果的に向上させることができる。
の技術は、第1乃至第の技術のいずれか一において、前記繊維強化樹脂層に含まれる前記強化繊維は所定方向に配向していることを特徴とする。
本構成によれば、繊維強化樹脂成形品の強度を向上させることができる。
の技術は、第の技術において、前記繊維強化樹脂層は、前記強化繊維の配向が異なる複数の層を積層させてなることを特徴とする。
本構成によれば、繊維強化樹脂成形品の強度をより一層向上させることができる。
の技術は、第又は第の技術において、前記所定方向に配向した強化繊維は、織物材、編物材、組物材、UD材及びノンクリンプファブリック材の少なくとも1種であることを特徴とする。
本構成によれば、強度及び耐久性に優れた繊維強化樹脂成形品の塗装製品を得ることができる。
の技術は、第1乃至第の技術のいずれか一において、前記強化繊維は、炭素繊維であることを特徴とする。
本構成によれば、軽量且つ強度及び耐久性に優れた繊維強化樹脂成形品の塗装製品を得ることができる。
の技術は、第1乃至第の技術のいずれか一において、前記熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂であることを特徴とする。
本構成によれば、軽量且つコスト性の優れた繊維強化樹脂成形品の塗装製品を得ることができる。
の技術は、第1乃至第の技術のいずれか一において、前記第1加熱工程における前記所定温度は、100℃以上250℃以下であり、前記第1加熱工程における前記所定時間は、5分以上60分以下であることを特徴とする。
本構成によれば、製品の平滑性及び外観性を効果的に向上させることができる。
10の技術は、第1乃至第の技術のいずれか一において、前記繊維強化樹脂成形品は、車両部品外板部材用であることを特徴とする。
本構成によれば、外観性に優れるとともに、軽量且つ高強度の車両部品外板部材を得ることができる。
第11の技術は、第1乃至第10の技術のいずれか一において、前記繊維強化樹脂成形品中における前記強化繊維の含有量は、30体積%以上80体積%以下であることを特徴とする。
第12の技術は、第1乃至第11の技術のいずれか一において、前記繊維強化樹脂成形品の表面における凹部の凹み深さをt、前記第1加熱工程前の該凹み深さtをt 、及び前記第1加熱工程後前記塗装工程前の該凹み深さtをt としたときに、前記t に対する前記t の比t /t は、1.1以上10以下であることを特徴とする。
第13の技術は、第2又は第3の技術において、前記第2加熱工程後における前記下塗り層の膜厚は、5μm以上50μm以下であることを特徴とする。
上述の塗装方法のいずれかによれば、強化繊維を含み、熱硬化性樹脂をマトリクスとする繊維強化樹脂層を備えた繊維強化樹脂成形品と、前記繊維強化樹脂成形品の表面に形成された塗装層とを備えた繊維強化樹脂成形品の塗装製品であって、前記繊維強化樹脂層は、一定の方向に配向した前記強化繊維からなる繊維束を複数含んでおり、前記複数の繊維束は、前記繊維強化樹脂成形品の表面と平行な方向に互いに隣り合う2つの繊維束を備えており、前記塗装製品の縦断面図において、前記繊維束の上側に位置する前記塗装層の表面高さと、隣り合う前記繊維束間の上側に位置する前記塗装層の表面高さとの差が例えば0.5μm以下である塗装製品を得ることができる
塗装製品は、外観性に優れるとともに、軽量且つ高強度である
以上述べたように、本発明によれば、塗装工程前の繊維強化樹脂成形品に対し所定温度で所定時間加熱処理を施すことにより、予め熱硬化性樹脂の収縮を促進させることができる。そうすると、塗装工程前の繊維強化樹脂成形品の表面に、強化繊維と熱硬化性樹脂との収縮率の差異に起因して生じる凹凸模様を予め形成することができる。そして、表面の凹凸を隠すように塗装層を形成することにより、塗装工程後に得られた製品の表面に強化繊維由来の凹凸模様が現れるのを抑制することができる。そうして、塗装工程を簡潔化しつつ、塗装製品の表面平滑性を向上させて、外観性を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る繊維強化樹脂成形品の塗装方法を説明するためのフローチャートである。 準備工程において準備された繊維強化樹脂成形品の構成を模式的に示す図である。 準備工程において準備された繊維強化樹脂成形品の表面に垂直な方向の模式的な縦断面図である。 第1加熱工程後の繊維強化樹脂成形品の図3相当図である。 第1塗装工程後の繊維強化樹脂成形品の図3相当図である。 仕上げ工程後の繊維強化樹脂成形品、すなわち塗装製品の図3相当図である。 第1加熱工程を省略して第1塗装工程を行った後の繊維強化樹脂成形品の図3相当図である。 図7の繊維強化樹脂成形品について、仕上げ工程後の状態を示す図である。 他の実施形態に係る繊維強化樹脂成形品の図2相当図である。 他の実施形態に係る繊維強化樹脂成形品の図2相当図である。 他の実施形態に係る繊維強化樹脂成形品の図2相当図である。 供試材1の繊維強化樹脂成形品について、凹み深さと加熱温度との関係を示すグラフである。 供試材1の繊維強化樹脂成形品について、凹み深さと加熱回数との関係を示すグラフである。 供試材1の繊維強化樹脂成形品について、凹み深さと加熱時間との関係を示すグラフである。 塗面平滑性評価試験の試験方法を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
(実施形態1)
<繊維強化樹脂成形品の塗装方法>
図1に示すように、本実施形態に係る繊維強化樹脂成形品11の塗装方法は、準備工程S1と、第1加熱工程S2と、塗装工程S3と、仕上げ工程S4(第2加熱工程)とを備えている。そして、塗装工程S3は、第1塗装工程S31と、研磨工程S32と、第2塗装工程S33とを備えている。
-準備工程-
準備工程S1は、塗装を施すための繊維強化樹脂成形品11を準備する工程である。
≪繊維強化樹脂成形品≫
図2,図3に示すように、繊維強化樹脂成形品11は、複数のプリプレグ層31が積層されてなる繊維強化樹脂層3を成形させてなる。プリプレグ層31は、強化繊維36を含み、この強化繊維36に熱硬化性樹脂37をマトリックスとして含浸させてなるシート状の層である。なお、図2には、プリプレグ層31を3層積層させた構成として図示しているが、プリプレグ層31の層数はこれに限られるものではなく、2層であってもよいし、4層以上であってもよい。また、複数でなくても、単層であってもよい。
≪強化繊維≫
プリプレグ層31に含まれる強化繊維36は、繊維強化樹脂成形品11の強度を向上させるためのものであり、限定する意図ではないが、例えば繊維状の炭素繊維の繊維束が、所定方向に配向された状態、具体的には平織された状態となっている。

なお、所定方向に配向された状態の強化繊維36は、平織状の織物材に限られるものではなく、例えば一定の方向に配向した強化繊維からなる繊維束が一方向又は多方向に複数配置されてなる強化繊維材であってよい。具体的には例えば、平織に加え、綾織、朱子織等の織物材、平編、リブ編、両面編、パール編、トリコット、ラッセル等の編物材、丸組、平組、角組等の組紐等の組物材、繊維束が一方向に並んだ単一方向性(UD)材、及び、多方向に積層された繊維束を例えばナイロンやポリエステル等の高分子の糸でステッチ加工してなるノンクリンプファブリック材等が挙げられる。繊維強化樹脂層3は、強度及び耐久性に優れた繊維強化樹脂成形品11を得る観点から、強化繊維36として上記織物材、編物材、組物材、UD材及びノンクリンプファブリック材の少なくとも1種を含む層を単層で又は複数層を積層させたものとしてもよいし、複数種を積層させたものとしてもよい。
また、強化繊維36は、所定の方向に配向している強化繊維材に限られるものではなく、例えば不織布等の、ランダム配向の強化繊維を含む強化繊維材であってもよい。ゆえに、繊維強化樹脂層3は、強化繊維36として、上記ランダム配向の強化繊維材を含む層を単層で又は複数層を積層させたものとしてもよいし、複数種を積層させたものとしてもよい。さらに、繊維強化樹脂層3は、強化繊維36として、上記ランダム配向の強化繊維材を含む層と、上記所定の方向に配向する強化繊維材の層とを組み合わせたものであってもよい。
強化繊維36としての炭素繊維は、特に限定されるものではないが、例えば、東レ株式会社製T700、東邦テナックス株式会社製HTS40、三菱ケミカル株式会社製TR50S等のポリアクリロニトリル(PAN)系、日本グラファイトファイバー株式会社製XN-60、三菱ケミカル株式会社製K13312等のピッチ系等を使用することができる。
また、強化繊維36としては、軽量且つ強度及び耐久性に優れた繊維強化樹脂成形品11を得る観点から、特に炭素繊維を用いることが好ましいが、炭素繊維に限定されるものではなく、炭素繊維以外に、ガラスファイバ、バサルトファイバ等により構成されてもよい。
強化繊維36の平均繊維径は、限定されるものではないが、軽量且つ強度及び耐久性に優れた繊維強化樹脂成形品11を得る観点から、例えば5μm~15μm程度とすることができる。また強化繊維36の平均繊維長は、特に限定されるものではなく、軽量且つ強度及び耐久性に優れた繊維強化樹脂成形品11を得る観点から、連続繊維が好ましい。
繊維強化樹脂成形品11中における強化繊維36の含有量は、軽量且つ強度及び耐久性に優れるとともに成形性に優れた繊維強化樹脂成形品11を得る観点から、好ましくは30体積%以上80体積%以下、より好ましくは40体積%以上70体積%以下とすることができる。
≪熱硬化性樹脂≫
熱硬化性樹脂37は、繊維強化樹脂成形品11の骨格を形成するためのものであり、具体的には例えば、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ビスマレイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂等の熱硬化性樹脂材料が挙げられ、特に、繊維強化樹脂成形品11の軽量性、強度、耐久性、コスト性等の観点から、エポキシ樹脂が望ましい。これらの熱硬化性樹脂材料は、単体の他、一種の樹脂材料と他の樹脂材料との共重合体、変性体および2種類以上ブレンドした樹脂材料等も用いることができる。
≪その他の材料≫
繊維強化樹脂成形品11は、強化繊維36、熱硬化性樹脂37に加え、成形性、強度、意匠性、機能性等の向上の観点から、フィラー、顔料、染料、耐衝撃性改良剤、UV吸収剤等の添加材等を含有してもよい。これらの添加材は単独で添加してもよいし、複数種を添加してもよい。
繊維強化樹脂成形品11中に、添加材等を含有させる場合には、成形性、強度、意匠性、機能性等を向上させる観点から、添加材の含有量は、例えば5質量%以下とすることができる。
また、繊維強化樹脂成形品11の樹脂材料として、上記熱硬化性樹脂37に加え、成形性を向上させる観点から、熱可塑性樹脂を含有してもよい。熱可塑性樹脂としては、具体的には例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリーレンスルフィド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトンケトン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂等が挙げられる。
≪繊維強化樹脂成形品の用途≫
繊維強化樹脂成形品11は、例えば車両部品、例えばエンジンカバー等のエンジン部品用、ボンネット、リヤフェンダー、ルーフ、ドア、フロントパネル、リアパネル、リフトゲート等の車両部品外板部材用等の用途に用いることができ、好ましくは車両部品外板部材用である。これにより、表面平滑性に優れ、軽量且つ高強度の車両部品、特に車両部品外板部材を得ることができる。
≪繊維強化樹脂成形品の準備方法≫
繊維強化樹脂成形品11の準備方法は、特に限定されるものではなく、市販のものを用いてもよいし、成形により製造してもよい。
成形を行う場合には、例えば、プリプレグ層31を調製後、種々の成形方法により成形することにより、繊維強化樹脂成形品11を得ることができる。
プリプレグ層31は、具体的には例えば、ロール成形機等を用いて、所定方向に配向した強化繊維36の前駆体シートの表裏両面にシート状の熱硬化性樹脂37を貼り合わせ、ヒータ等で加熱して、前駆体シートに熱硬化性樹脂37が含浸してなるプリプレグ層31を形成する方法が挙げられる。
このプリプレグ層31を単独で、又は必要に応じて複数層積層して、繊維強化樹脂層3を構成する。このとき、後述するように、所定方向に配向した強化繊維36の繊維束の配向が互いに異なる複数のプリプレグ層や、ランダム配向の強化繊維36を含有するプリプレグ層を積層させてもよい。
繊維強化樹脂層3の成形方法は特に限定されるものではなく、一般的な成形方法を採用することができるが、具体的には例えば、内圧成形、オートクレーブ成形、オーブン成形等により成形することができる。そして、成形後の繊維強化樹脂層3を冷却、脱型、乾燥等させて、繊維強化樹脂成形品11を得ることができる。
-第1加熱工程-
第1加熱工程S2は、繊維強化樹脂成形品11に所定温度で所定時間加熱処理を施す工程である。
第1加熱工程S2による繊維強化樹脂成形品11の変化を図3,図4を参照して説明する。
図3に示すように、繊維強化樹脂成形品11の最表面のプリプレグ層31は、強化繊維36としての縦繊維36a及び横繊維36bと、これら繊維間及び繊維内に含浸された熱硬化性樹脂37とを備えている。縦繊維36aは、図3の紙面に垂直な方向に延び、横繊維36bは、図3の紙面に平行な方向に延びるように配置されている。縦繊維36a及び横繊維36bは、それぞれ繊維強化樹脂成形品11の表面と平行な方向に並んだ複数の繊維束を形成しており、これらの繊維束が平織状の織物を形成している。具体的には、図3に示すように、縦繊維36aは、繊維強化樹脂成形品11の表面と平行な方向に互いに隣り合う2つの繊維束36a1,36a2を有している。そして、縦繊維36aの繊維束36a1,36a2間には、熱硬化性樹脂37が含浸されており、その最表面には、縦繊維36aの繊維束36a1,36a2が存在する位置に比べて例えば凹み深さtがtだけ凹んだ凹部37aが形成され得る。
図3の状態の繊維強化樹脂成形品11に対して、第1加熱工程S2を施すと、図4に示すように、凹部37aの凹み深さtがtに増加した状態となる。具体的に、プリプレグ層31に含まれる熱硬化性樹脂37及び強化繊維36のうち、熱硬化性樹脂37の収縮率は、強化繊維36の収縮率よりも大きい。そうすると、第1加熱工程S2の加熱処理により、熱硬化性樹脂37の方が強化繊維36よりも大きく収縮し、凹部37aの凹み深さtがtまで大きくなり得る。このように、加熱処理を施すことで、繊維強化樹脂成形品11の表面に、強化繊維36と熱硬化性樹脂37との互いの収縮率の差異に起因する凹凸模様が形成され得る。
第1加熱工程S2において、所定温度は、下限値は好ましくは100℃以上、より好ましくは105℃以上、特に好ましくは110℃以上、上限値は好ましくは250℃以下、より好ましくは200℃以下、特に好ましくは160℃以下である。第1加熱工程S2における所定時間は、下限値は好ましくは5分以上、より好ましくは7分以上、特に好ましくは10分以上、上限値は好ましくは60分以下、より好ましくは50分以下、特に好ましくは30分以下である。所定温度が100℃未満及び/又は所定時間が5分未満では熱硬化性樹脂37の収縮を効果的に促進させることができないおそれがある。また所定温度が250℃超及び/又は所定時間が60分超では凹部37aの凹み深さtが大きくなりすぎ、塗装層4を形成しても凹凸模様を効果的に隠すことが難しくなるおそれがある。
なお、仕上げ工程S4において、第2加熱工程として、塗装工程S3後の繊維強化樹脂成形品に対し、加熱処理を行う場合は、第1加熱工程S2における所定温度は、仕上げ工程S4における温度以上とすることが望ましい。これにより、製品の平滑性及び外観性を効果的に向上させることができる。
凹部37aの凹み深さtについて、熱硬化性樹脂37の収縮を促進させ、塗装工程S3を簡潔化しつつ塗装製品1の表面平滑性を向上させる観点から、第1加熱工程S2前のtに対する第1加熱工程S2後tの比t/tは、好ましくは1.1以上10以下、より好ましくは1.3以上9以下、特に好ましくは1.5以上8以下である。具体的には例えば、tは0.1μm以上1μm以下程度であり、この場合、第1加熱工程S2後のtは、例えば1.1μm以上3μm以下程度とすることができる。
第1加熱工程S2では、繊維強化樹脂成形品11に加熱処理を施した後、常温まで冷却する。
-塗装工程-
塗装工程S3は、第1加熱工程S2後の繊維強化樹脂成形品11の表面に塗装を施して塗装層4を形成する工程である。上述のごとく、塗装工程S3は、第1塗装工程S31と、研磨工程S32と、第2塗装工程S33とを備えている。
≪第1塗装工程≫
第1塗装工程S31は、図5に示すように、第1加熱工程S2後の繊維強化樹脂成形品11の表面に下塗り剤を塗装して、下塗り層41を形成する工程である。
このとき、下塗り層41は、上述の凹部37aを隠して、繊維強化樹脂成形品11の表面が平坦化するように形成される。
下塗り剤は、繊維強化樹脂成形品11の凹部37a等の凹凸模様を隠して平坦化する役割に加え、その他の表面欠陥等を補修する役割や、繊維強化樹脂成形品11と第2塗装工程S33で形成される上塗り層42,43との密着性を向上させる役割、そして塗装製品1の色調整の役割等を有している。下塗り剤としては、例えばCOODE(登録商標)フィラー(関西ペイント株式会社製)、COODE(登録商標)W/Wプライマープラス(関西ペイント株式会社製)、ポリタン車輛用サーフェーサーゴールド(大日本塗料株式会社製)、ウレタンプラサフジタン(日本ペイント株式会社製)等のプライマー剤等を用いることができる。
下塗り剤の塗装方法としては、特に限定されるものではなく、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、刷毛塗り塗装等を用いることができる。また、繊維強化樹脂成形品11の表面に下塗り剤を載せ、その表面形状に倣った成形面を有する成形型を押し付けて上記表面全体に下塗り剤を拡げるようにしてもよい。下塗り剤を塗装した後は、常温で例えば20分~1時間程度大気乾燥することにより、下塗り剤を硬化させて下塗り層41を形成することができる。
下塗り層41の仕上げ工程S4後の膜厚、すなわち塗装製品1における下塗り層41の膜厚は、例えば図6に示すように、凹部37a以外の平坦部37bの平均厚さとして、塗装製品1の軽量化を図りつつ下塗り層41の上記機能を発現させる観点から、好ましくは5μm以上50μm以下、より好ましくは6μm以上45μm以下、特に好ましくは7μm以上40μm以下である。
≪研磨工程≫
塗装製品1の表面平滑性をさらに向上させる観点から、第1塗装工程S31後であり且つ第2塗装工程S33前に、下塗り層41の表面を研磨する研磨工程S32を備える構成としてもよい。なお、研磨工程S32は任意の工程であり、研磨工程S32を行わず第1塗装工程S31後にそのまま第2塗装工程S33を行ってもよい。
研磨工程S32は、特に限定されるものではないが、下塗り層41の表面をサンドペーパー、バフ布等で研磨することにより行うことができる。また、乾式研磨でもよいし、水研磨等の湿式研磨でもよい。
研磨工程S32を行う場合は、下塗り層41の表面平滑性を向上させる観点から、研磨工程S32において、下塗り層41の上記膜厚が、研磨工程S32前の膜厚に比べて好ましくは80%以上99%以下、より好ましくは85%以上98%以下、特に好ましくは90%以上97%以下の厚さになるまで研磨することが望ましい。
≪第2塗装工程≫
繊維強化樹脂成形品11の下塗り層41の表面上に、上塗り剤を塗装することにより、上塗り層42,43を形成する。なお、上塗り層42,43は、着色層42と保護層43とよりなる。
着色層42は、塗装層4に発色を与えるための層であり、水性ベース塗料、油性(溶剤型)ベース塗料等のベース塗料の塗装によって形成することができる。水性ベース塗料に関し、その主成分である水性樹脂については、アクリルエマルション、水溶性アクリル樹脂等からなるアクリル樹脂や、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂等を用いることができる。水性ベース塗料には着色剤として顔料を添加するが、顔料としては、例えば、有機系のアゾキレート系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等の有機系着色顔料、黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二酸化チタン等の無機系着色顔料、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク等の体質顔料、メタルフレーク等の光輝性顔料等が挙げられる。また、水性ベース塗料は、必要に応じて、架橋剤、扁平顔料、硬化触媒、増粘剤、有機溶剤、塩基性中和剤、紫外線吸収剤、光安定剤、表面調整剤、酸化防止剤、シランカップリング剤等の塗料用添加剤等を配合することができる。油性(溶剤型)ベース塗料は、具体的には例えば、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、及び着色顔料を含むメラミン硬化型油性塗料等を用いることができる。ベース塗料は、例えば、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、刷毛塗り塗装、回転霧化塗装、カーテンコート塗装等により、下塗り層41の上に塗装することができる。着色層42の仕上げ工程S4後の膜厚は、例えば10~20μmとすることができる。
保護層43は、着色層42を保護するとともに、塗装製品1の外観性を高めるための層である。保護層43を形成する樹脂としては、特に限定されるものではないが、水酸基含有アクリル樹脂及びポリイソシアネート化合物を含有する2液ウレタンクリヤ塗料、アクリル樹脂及び/又はポリエステル樹脂とアミノ樹脂との組み合わせによるクリヤ塗料、或いはカルボン酸・エポキシ硬化系を有するアクリル樹脂及び/又はポリエステル樹脂のクリヤ塗料等が挙げられる。クリヤ塗料には、必要に応じて、顔料類、非水分散樹脂、ポリマー微粒子、硬化触媒、紫外線吸収剤、光安定剤、塗面調整剤、酸化防止剤、流動性調整剤、ワックス等を適宜含有することができる。硬化触媒の例としては、有機錫化合物、トリエチルアミン、ジエタノールアミン等が挙げられる。紫外線吸収剤の例としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、サリシレート系、蓚酸アニリド系等の化合物、ヒンダードアミン系化合物等の紫外線安定剤が挙げられる。クリヤ塗料は、着色層42の上に、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、刷毛塗り塗装、回転霧化塗装、カーテンコート塗装等により塗装することができる。保護層43の仕上げ工程S4後の膜厚は、例えば20~50μmとすることができる。
-仕上げ工程-
仕上げ工程S4は、塗料を定着させるための工程であり、例えば常温で30分~2時間程度、大気乾燥させることにより塗料を定着させてもよい。
また、塗装層4のより確実な定着を図る観点から、例えば炉を用いて塗装工程S3後の繊維強化樹脂成形品に対し、100℃~160℃の温度で10分~30分程度熱処理を施す第2加熱工程としてもよい。
なお、図6に示すように、仕上げ工程S4後の凹部37aの凹み深さtは、tとなる。仕上げ工程S4では、凹部37aの凹み深さtが増加することもあり得るし、また増加しないこともあり得る。凹部37aの凹み深さtが増加する場合にはtはtよりも大きくなる。また、凹部37aの凹み深さtが増加しない場合には、tはtと同一となる。凹部37aの凹み深さtが増加する場合であっても、tとtとの差は僅かである。
<繊維強化樹脂成形品の塗装製品>
上記のごとく得られた繊維強化樹脂成形品11の塗装製品1は、図6に示すように、強化繊維36を含み、熱硬化性樹脂37をマトリクスとする繊維強化樹脂層3を備えた繊維強化樹脂成形品11と、繊維強化樹脂成形品11の表面に形成された塗装層4とを備えている。
-作用効果-
ここに、本実施形態に係る繊維強化樹脂成形品11の塗装方法は、第1加熱工程S2を備えることを特徴とする。以下、その作用効果について説明する。
図7に、図3の繊維強化樹脂成形品11に対して、第1加熱工程S2を得ることなく第1塗装工程S31を行った状態を示す。凹部37aの凹み深さtは図3のtのまま下塗り層41が形成される。その後、研磨工程S32、第2塗装工程S33を経て、上塗り層42,43が形成される。そして、仕上げ工程S4を経て、図8に示す繊維強化樹脂成形品11の塗装製品1が得られる。
仕上げ工程S4において、常温での乾燥や、加熱による乾燥を行うことで、熱硬化性樹脂37の収縮が促進され得る。そうすると、熱硬化性樹脂37の凹部37aの凹み深さtがtにまで成長し得る。すると、繊維強化樹脂成形品11の表面に形成された下塗り層41、上塗り層42,43は、凹部37aの成長に追従して凹み、塗装製品1の表面には、凹部37aが反映された形で塗装層凹部4a、すなわち凹凸模様が形成され得る。塗装層凹部4aの凹み深さtは、図8に示すように、繊維束36a1,36a2の上側に位置する塗装層4、すなわち塗装層平坦部4bの表面高さと、隣り合う繊維束36a1,36a2間の上側に位置する塗装層4、すなわち塗装層凹部4aの底部の表面高さとの差tとなる。そして、塗装層凹部4aの凹み深さtは、tとtとの差の値を反映した値となる。なお、本明細書において、凹部37aの凹み深さt,t,t及び塗装層凹部4aの凹み深さtをまとめて「凹み深さt」という。
これに対し、本実施形態に係る繊維強化樹脂成形品11の塗装方法では、繊維強化樹脂成形品11の表面に塗装を施す塗装工程S3前に、第1加熱工程S2として、繊維強化樹脂成形品11に対し所定温度で所定時間加熱処理を施す。本構成により、予め熱硬化性樹脂の収縮を促進させて、図4に示すように、強化繊維36と熱硬化性樹脂37との互いの収縮率の差異に起因する凹凸を予め繊維強化樹脂成形品11の表面に形成することができる。そうして、塗装工程S3において、表面の凹凸を隠すように下塗り層41、延いては上塗り層42,43を形成することにより、仕上げ工程S4後に得られた塗装製品1の表面に強化繊維36に起因する凹凸が現れるのを抑制し、その平滑性を向上させて、外観性に優れた塗装製品1を得ることができる。すなわち、図6に示すように、塗装層凹部4aの凹み深さtは、tとtとの差の値を反映した値となり、図8のものに比べて小さい値となる。
このように、本実施形態に係る塗装製品1は表面平滑性に優れており、塗装層凹部4aの凹み深さtは、外観性に優れた塗装製品1をもたらす観点から、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.4μm以下、特に好ましくは0.3μm以下である。また、塗装製品1の算術平均表面粗さ、すなわち塗装層4の表面の算術平均表面粗さRaは、外観性に優れた塗装製品1をもたらす観点から、例えば0.1μm以下とすることができる。
-塗装製品の用途-
繊維強化樹脂成形品11の塗装製品1は、例えば車両部品、例えばエンジンカバー等のエンジン部品、ボンネット、リヤフェンダー、ルーフ、ドア、フロントパネル、リアパネル、リフトゲート等の車両部品外板部材等に好適に用いることができ、好ましくは車両部品外板部材に好適に用いることができる。これにより、表面平滑性に優れ、軽量且つ高強度の車両部品、特に車両部品外板部材を得ることができる。
(その他の実施形態)
以下、本発明に係る他の実施形態について詳述する。なお、これらの実施形態の説明において、実施形態1と同じ部分については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
実施形態1では、塗装工程S3は、研磨工程S32を備える構成であったが、備えない構成としてもよい。なお、塗装製品1の表面平滑性の向上及び塗装方法全体の工程の簡素化を両立させる観点からは、研磨工程S32を1回行う実施形態1の構成が望ましい。
また、第1塗装工程S31と第2塗装工程S33により下塗り層41と上塗り層42,43とを積層させる構成であったが、当該構成に限定されるものではなく、単層、又はさらに複数の層を積層させる構成としてもよい。また、更に複数の層を積層させる場合は、研磨工程S32を複数回行う構成としてもよい。なお、塗装製品1の平滑性及び外観性を効果的に向上させる観点から、塗装層4を積層構造とする構成が望ましい。
さらに、他の実施形態として、上述のごとく、繊維強化樹脂層3は、強化繊維36繊維束の配向が互いに異なる複数のプリプレグ層を積層させてなるものであってもよい。
具体的には、図9に示すように、UD材の縦プリプレグ層32と、この縦プリプレグ層32の繊維束の配向と直交する向きに繊維束が配向したUD材の横プリプレグ層33(なお、以下の説明において、縦プリプレグ層32と横プリプレグ層33を併せて「プリプレグ層32,33」と称することがある)を、それぞれ2枚ずつ、積層方向に対して互いに対称となるように積層させてなる繊維強化樹脂層3としてもよい。なお、プリプレグ層32,33を積層方向に対して互いに対称となるように積層させることにより、繊維強化樹脂成形品11の反り等を抑えることができる。
また、図10に示すように、繊維強化樹脂層3の構成について、UD材からなるプリプレグ層をさらに複数枚積層させる構成としてもよい。具体的には、縦プリプレグ層32と横プリプレグ層33との間に、所定方向に配向した強化繊維36の繊維束の配向が45度の斜プリプレグ層34を配置すると共に、2枚の横プリプレグ層33間に所定方向に配向した強化繊維36の繊維束の配向が斜プリプレグ層34と逆方向に斜め45度に傾いた逆斜プリプレグ層35を2枚配置する構成としてもよい。斜プリプレグ層34及び逆斜プリプレグ層35を配置することにより、繊維強化樹脂層3の強度が増し、延いては繊維強化樹脂成形品11の強度が向上する。
さらに、他の実施形態では、図11に示すように、繊維強化樹脂成形品11の繊維強化樹脂層3の表面に、繊維強化樹脂層3を保護する観点から、熱硬化性樹脂からなる最外層2を備える構成としてもよい。
最外層2は、熱硬化性樹脂のみからなる構成としてもよいし、衝撃強度向上の観点から、所定方向に配向したランダム配向の強化繊維又は不織布を含有してもよい。なお、最外層2に含まれるランダム配向の強化繊維又は不織布は、最外層2と繊維強化樹脂層3との収縮差を緩和させる観点から、ポリエステル製、セルロース製、ガラス繊維製であることが好ましく、特にポリエステル製であることが好ましい。
最外層2に含まれる熱硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂37と同様に、エポキシ樹脂、ウレタン、ビニルエステル等を用いることができるが、繊維強化樹脂成形品11の外観性を高める観点から、エポキシ樹脂が望ましい。なお、最外層2に含まれる熱硬化性樹脂は、繊維強化樹脂層3に含まれる熱硬化性樹脂37と同一の材料であってもよいし異なる材料であってもよい。
次に、具体的に実施した実施例について説明する。
<繊維強化樹脂成形品>
(供試材1)
繊維強化樹脂成形品11としてのシート状(厚さ8mm)の炭素繊維強化プラスチック材(GIGANTEX社製)を縦20cm×横20cmのサイズに切り出して、供試材1とした。
≪加熱試験1≫
凹み深さtに対する加熱温度の影響を確認するため、供試材1の表面に形成された強化繊維由来の凹凸模様の凹部について、例えば図3,図4に示すように、加熱前及び加熱後の凹み深さtを測定した。
具体的に、加熱前の供試材1の表面の凹部の凹み深さtを接触式表面粗さ計(株式会社ミツトヨ製)を用いて測定した。その後、供試材1を所定の加熱温度まで昇温させたオーブン(エスペック株式会社製)内に配置し、その加熱温度で30分保持した後、供試材1をオーブンから取り出し、加熱前に凹み深さtを測定した凹部と同一の凹部の凹み深さtを上記表面粗さ計を用いて測定した。オーブンを次の測定温度まで昇温させ、供試材1をオーブン内に戻して30分間保持した後、同様に凹み深さtを測定した。以後、同様の操作を繰り返して測定を行った。測定温度は、23℃、110℃、130℃、155℃、180℃、210℃、230℃である。結果を図12に示す。
図12に示すように、凹部の凹み深さtは、加熱前の0.32μm(0℃)から、1.42μm(110℃)、1.73μm(130℃)、2μm(155℃)、2.37μm(180℃)、2.5μm(210℃)、2.86μm(230℃)と、加熱温度の上昇に比例して大きくなることが判った。
≪加熱試験2≫
加熱回数に対する加熱温度の影響を確認するため、加熱試験1と同様のオーブン及び表面粗さ計を用い、加熱条件120℃×30分の加熱を所定回数行って、同一の凹部の凹み深さtを測定した。図13に結果を示す。
図13に示すように、1回目の加熱を行った段階で、凹み深さtは加熱前の0.34μmから、2.43μmへと増加した。その後、2回目以降は2.19μm(2回目)、2.47μm(3回目)、2.47μm(4回目)とほぼ一定となることが判った。
≪加熱試験3≫
加熱時間に対する加熱温度の影響を確認するため、加熱試験1と同様のオーブン及び表面粗さ計を用いて実験を行った。具体的に、110℃に昇温させたオーブン内に供試材1を配置して5分間保持した後、凹部の凹み深さtを測定した。その後さらに5分間ずつ加熱し、同一凹部の凹み深さtの測定を繰り返した。図14に結果を示す。なお、図14の加熱時間は、累積加熱時間である。
図14に示すように、凹み深さtは加熱前には0.64μmであったのに対し、最初の5分間の加熱によって2.63μmまで増加した。その後、加熱時間10分、15分、20分、25分、30分における凹み深さtはそれぞれ2.57μm、2.71μm、2.93μm、2.86μm、2.81μmであり、その凹み深さtはほとんど一定であることが判った。
<繊維強化樹脂成形品の塗装製品>
(実施例1)
第1加熱工程として、供試材1を110℃に昇温させた上述のオーブンに入れ、30分間加熱を行い、供試材1をオーブンから取り出して常温まで冷却した。その後、第1塗装工程として、供試材1の表面に下塗り剤をエアスプレー塗装した。下塗り剤は、COODE(登録商標)フィラーグレー(L55)ベース(関西ペイント株式会社製)100gに対して、硬化剤20g、希釈シンナー20gを加えて混合し、調製した。下塗り剤をエアスプレー塗装後、20分間大気中で風乾して下塗り層を形成した。その後、下塗り層の表面を#2000のサンドペーパーで研磨(水研ぎ)した。その後、下塗り層の表面に上塗り剤として、水性ベース塗料(日本ペイントオートモーティブコーティングス株式会社製)及びクリヤー塗料(日本ペイントオートモーティブコーティングス株式会社製)をエアスプレー塗装した。仕上げ工程として、上塗り剤を塗装した供試材1を110℃のオーブンに入れ、20分間加熱した。その後、供試材1をオーブンから取り出して、常温まで冷却し、塗装製品の試験片TPを得た。
(比較例1)
第1加熱工程の加熱を省略した以外は、実施例1と同様に試験片TPを作製した。
≪凹み深さ測定試験≫
実施例1及び比較例1の試験片TPについて、第1加熱工程前後、研磨工程後、仕上げ工程後の供試材1の凹部の凹み深さtを測定した。結果を表1に示す。
Figure 0007159585000001
第1加熱工程前には、実施例1及び比較例1の両方の試験片TPにおいて、凹部が観察され、凹み深さtはそれぞれ0.52μm及び0.81μmであった。そして、第1加熱工程を行わなかった比較例1の試験片TPでは、仕上げ工程後に凹み深さtが0.56μmとなり、試験片TPの表面に凹凸の形成が確認された。一方、第1加熱工程を行った実施例1の試験片TPでは、仕上げ工程後にも試験片TPの表面に凹凸はほとんど観察されなかった。
≪塗面平滑性評価試験≫
図15に示すように、実施例1及び比較例1の試験片TPを地面Gに静置し、試験片TPの表面を試験者Aにより目視で観察した。試験方法は以下の通りである。
すなわち、試験者Aは、つま先を試験片TPの端部に接触させて腰を下ろした状態で、試験片TP表面を目視により観察し、凹部を観察することができなかった場合は○、凹部を観察することができた場合は、凹部に視線を合わせたまま立ち上がりつつ目の位置を試験片TPから徐々に離していき、目視で凹部が見えなくなった位置で静止し、試験者Aの目の位置から試験片TPの凹部までの距離dを測定して、その距離dを評価結果とした。
なお、試験者Aは、A1~A5の5人(男性5人、30歳~50歳、身長165cm~180cm、裸眼視力又は矯正視力0.8~2.0)とした。結果を表2に示す。
Figure 0007159585000002
表2に示すように、比較例1の試験片TPでは、試験者A1~A5の全員が凹部の存在を確認し、その距離dの平均値は137cmであった。一方、実施例1の試験片TPでは、試験者A1~A5の全員が凹部の存在を確認できなかった。
本発明は、塗装工程後の製品の表面に強化繊維由来の凹凸が現れるのを抑制するとともに、塗装工程を簡潔化することができる繊維強化樹脂成形品の塗装方法及び塗装製品を提供することができるので、極めて有用である。
1 (繊維強化樹脂成形品の)塗装製品
11 繊維強化樹脂成形品
2 最外層
3 繊維強化樹脂層
31 プリプレグ層
32 縦プリプレグ層
33 横プリプレグ層
34 斜プリプレグ層
35 逆斜プリプレグ層
36 強化繊維
37 熱硬化性樹脂
S1 準備工程
S2 第1加熱工程
S3 塗装工程
S31 第1塗装工程
S32 研磨工程
S33 第2塗装工程
S4 仕上げ工程

Claims (13)

  1. 強化繊維を含み、熱硬化性樹脂をマトリクスとする繊維強化樹脂層を備えた繊維強化樹脂成形品の表面に塗装を施す方法であって、
    前記繊維強化樹脂成形品は、成形により製造されたものであり、
    前記塗装を施す前の 前記繊維強化樹脂成形品に所定温度で所定時間加熱処理を施すことにより、予め前記熱硬化性樹脂の収縮を促進させて、前記塗装を施す前の前記繊維強化樹脂成形品の表面に、前記強化繊維と前記熱硬化性樹脂との収縮率の差異に起因して生じる凹凸模様を予め形成し、前記繊維強化樹脂成形品に前記加熱処理を施した後、常温まで冷却する第1加熱工程と、
    前記第1加熱工程後に、前記繊維強化樹脂成形品の表面に、スプレー塗装、刷毛塗り塗装、回転霧化塗装、及びカーテンコート塗装の群から選択される少なくとも1種を施して該表面の前記凹凸模様を隠すように塗装層を形成する塗装工程と、
    前記塗装工程後に、前記繊維強化樹脂成形品に熱処理を施す第2加熱工程と、
    を備え、
    前記第1加熱工程における前記所定温度は、第2加熱工程における温度以上である
    ことを特徴とする繊維強化樹脂成形品の塗装方法。
  2. 請求項1において、
    前記塗装工程は、
    前記第1加熱工程後の前記繊維強化樹脂成形品の表面に下塗り層を形成する第1塗装工程と、
    前記繊維強化樹脂成形品の前記下塗り層の表面上に上塗り層を形成する第2塗装工程とを備えた
    ことを特徴とする繊維強化樹脂成形品の塗装方法。
  3. 請求項2において、
    前記塗装工程は、前記第1塗装工程後であり且つ前記第2塗装工程前に、前記下塗り層の表面を研磨する研磨工程を備えた
    ことを特徴とする繊維強化樹脂成形品の塗装方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
    前記繊維強化樹脂層に含まれる前記強化繊維は所定方向に配向している
    ことを特徴とする繊維強化樹脂成形品の塗装方法。
  5. 請求項4において、
    前記繊維強化樹脂層は、前記強化繊維の配向が異なる複数の層を積層させてなる
    ことを特徴とする繊維強化樹脂成形品の塗装方法。
  6. 請求項4又は請求項5において、
    前記所定方向に配向した強化繊維は、織物材、編物材、組物材、UD材及びノンクリンプファブリック材の少なくとも1種である
    ことを特徴とする繊維強化樹脂成形品の塗装方法。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一において、
    前記強化繊維は、炭素繊維である
    ことを特徴とする繊維強化樹脂成形品の塗装方法。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一において、
    前記熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂である
    ことを特徴とする繊維強化樹脂成形品の塗装方法。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか一において、
    前記第1加熱工程における前記所定温度は、100℃以上250℃以下であり、
    前記第1加熱工程における前記所定時間は、5分以上60分以下である
    ことを特徴とする繊維強化樹脂成形品の塗装方法。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか一において、
    前記繊維強化樹脂成形品は、車両部品外板部材用である
    ことを特徴とする繊維強化樹脂成形品の塗装方法。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれか一において、
    前記繊維強化樹脂成形品中における前記強化繊維の含有量は、30体積%以上80体積%以下である
    ことを特徴とする繊維強化樹脂成形品の塗装方法。
  12. 請求項1乃至請求項11のいずれか一において、
    前記繊維強化樹脂成形品の表面における凹部の凹み深さをt、前記第1加熱工程前の該凹み深さtをt、及び前記第1加熱工程後前記塗装工程前の該凹み深さtをtとしたときに、前記tに対する前記tの比t/tは、1.1以上10以下である
    ことを特徴とする繊維強化樹脂成形品の塗装方法。
  13. 請求項2又は請求項3において、
    前記第2加熱工程後における前記下塗り層の膜厚は、5μm以上50μm以下である
    ことを特徴とする繊維強化樹脂成形品の塗装方法。
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