JP7159121B2 - 作業車両 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、トラクタ等の作業車両に関する。
従来、農作業機として特許文献1が知られている。特許文献1の農作業機は、手動操舵による手動走行と、走行基準ラインに平行に設定される設定走行ラインに沿って自動操舵により走行する自動走行とを切替自在な走行機体と、手動走行と自動走行とを切替自在な切替スイッチとを備えている。また、農作業機は、畝に沿って走行中に右指示ボタンを押した後、走行基準ラインの始点が設定され、走行中に左指示ボタンを押すことによって走行基準ラインの終点が設定される。即ち、自動操舵前に走行基準ラインの設定を行っている。
特開2017-123803号公報
特許文献1の農作業機では、走行基準ラインを設定した後、走行基準ラインに平行な走行予定ラインを設定することにより、圃場において、走行予定ラインに沿って農作業機を走行させながら作業を行うことができる。しかしながら、圃場において、走行予定ラインに沿って作業を行う時間を把握することができないのが実情である。
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、手動操舵と自動操舵とを行うことが可能な作業車両において、作業時間を簡単に予測することができる作業車両を提供することを目的とする。
この技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、以下に示す点を特徴とする。
作業車両は、ステアリングハンドルによる手動操舵と、走行基準ラインに基づいて前記ステアリングハンドルの自動操舵とのいずれかで走行可能な車体と、作業装置を連結する連結部と、前記作業装置にて圃場で作業を行う作業時間を、前記手動操舵と前記自動操舵との両方の実績に基づいて予測する作業時間予測部と、を備え、前記車体は、前記手動操舵を旋回する旋回部分で行い、前記自動操舵を直進する直進部分で行い、前記旋回部分と前記直進部分はそれぞれ接続され、前記作業時間予測部は、一連の作業で必要な前記旋回部分の本数、及び前記手動操舵の実績として、前記手動操舵を行った前記旋回部分の本数と前記手動操舵を行った経過時間の合計である旋回時間に基づいて、前記一連の作業における前記旋回部分で必要な作業時間である旋回総時間を演算し、前記一連の作業で必要な前記直進部分の本数、及び前記自動操舵の実績として、前記自動操舵を行った前記直進部分の本数と前記自動操舵を行った経過時間の合計である自動操舵時間に基づいて、前記一連の作業における前記直進部分で必要な作業時間である自動操舵総時間を演算し、前記旋回総時間と前記自動操舵総時間とに基づいて、前記一連の作業における全体の作業時間を演算する
前記作業時間予測部は、前記手動操舵の実績として、前記旋回時間から前記手動操舵を行った前記旋回部分の本数を除して、前記旋回部分の1本あたりの旋回必要時間を演算し、当該旋回必要時間と前記一連の作業で必要な前記旋回部分の本数との積に基づいて、前記旋回総時間を演算し、前記自動操舵の実績として、前記自動操舵時間から前記自動操舵を行った前記直進部分の本数を除して、前記直進部分の1本あたりの直進必要時間を演算し、当該直進必要時間と前記一連の作業で必要な前記直進部分の本数との積に基づいて、前記自動操舵総時間を演算する
前記作業時間予測部は、前記旋回必要時間と、前記一連の作業での残りの前記旋回部分の本数との積と、前記直進必要時間と、前記一連の作業での残りの前記直進部分の本数との積と、の和によって、現時点から前記一連の作業が終了するまでの時間を演算する
作業車両は、前記手動操舵を行っているときに、前記走行基準ラインを設定する登録スイッチと、前記走行基準ラインの設定後、前記自動操舵の開始及び終了のいずれかを切り換える操舵切換スイッチと、を備え、前記作業時間予測部は、前記走行基準ラインを設定するのに要した時間を設定時間として演算し、前記操舵切換スイッチの操作によって前記自動操舵が終了してから開始するまでの時間の合計に基づいて、前記旋回時間を演算し、前記操舵切換スイッチの操作によって前記自動操舵が開始されてから終了するまでの時間の合計に基づいて、前記自動操舵時間を演算し、前記設定時間、前記旋回総時間、及び前記自動操舵総時間に基づいて、全体の作業時間を演算する
作業車両は、前記操舵切換スイッチによって前記自動操舵の開始が設定された場合には、前記走行基準ラインを所定の方向にシフトした走行予定ラインを設定し、且つ、前記走行予定ラインに沿って車体が移動するように前記自動操舵を行う制御装置と、前記車体の位置を検出可能な測位装置と、を備え、前記制御装置は、前記手動操舵において、前記登録スイッチが操作したときの前記測位装置が測位した前記車体の位置を始点として設定し、前記始点の次に登録スイッチを操作したときの前記測位装置が測位した前記車体の位置を終点として設定し、前記始点と前記終点とを結ぶ直線を前記走行基準ラインとして設定する。
本発明によれば、手動操舵と自動操舵とを行うことが可能な作業車両において、作業時間を簡単に予測することができる
トラクタの構成及び制御ブロック図を示す図である。 自動操舵を説明する説明図である。 プッシュスイッチにおける補正量を説明する説明図である。 スライドスイッチにおける補正量を説明する説明図である。 プッシュスイッチにおける第1補正部及び第2補正部を示す図である。 スライドスイッチにおける第1補正部及び第2補正部を示す図である。 自動操舵中で直進中に演算車体位置が右にずれた場合の状態を示している。 自動操舵中で直進中に演算車体位置が左にずれた場合の状態を示している。 運転席の前方のカバーを運転席側から見た図である。 自動操舵を説明する説明図である。 自動操舵を行った場合の直進部及び旋回部を示す図である。 作業時間WTを予測する流れを示す図である。 運転画面M1の一例を示す図である。 トラクタの全体図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図11は作業車両1の一実施形態を示す側面図であり、図11は作業車両1の一実施形態を示す平面図である。本実施形態の場合、作業車両1はトラクタである。但し、作業車両1は、トラクタに限定されず、コンバインや移植機等の農業機械(農業車両)であってもよいし、ローダ作業機等の建設機械(建設車両)等であってもよい。
以下、トラクタ(作業車両)1の運転席10に着座した運転者の前側(図11の矢印A1方向)を前方、運転者の後側(図11の矢印A2方向)を後方、運転者の左側を左方、運転者の右側を右方として説明する。また、作業車両1の前後方向に直交する方向である水平方向を車体幅方向として説明する。
図11に示すように、トラクタ1は、車体3と、原動機4と、変速装置5とを備えている。車体3は走行装置7を有していて走行可能である。走行装置7は、前輪7F及び後輪7Rを有する装置である。前輪7Fは、タイヤ型であってもクローラ型であってもよい。また、後輪7Rも、タイヤ型であってもクローラ型であってもよい。
原動機4は、ディーゼルエンジン、電動モータ等であって、この実施形態ではディーゼルエンジンで構成されている。変速装置5は、変速によって走行装置7の推進力を切換可能であると共に、走行装置7の前進、後進の切換が可能である。車体3には運転席10が設けられている。
また、車体3の後部には、3点リンク機構等で構成された連結部8が設けられている。連結部8には、作業装置2を着脱可能である。作業装置2を連結部8に連結することによって、車体3によって作業装置2を牽引することができる。作業装置2は、耕耘する耕耘装置、肥料を散布する肥料散布装置、農薬を散布する農薬散布装置、収穫を行う収穫装置、牧草等の刈取を行う刈取装置、牧草等の拡散を行う拡散装置、牧草等の集草を行う集草装置、牧草等の成形を行う成形装置等である。
図1に示すように、変速装置5は、主軸(推進軸)5aと、主変速部5bと、副変速部5cと、シャトル部5dと、PTO動力伝達部5eと、前変速部5fと、を備えている。推進軸5aは、変速装置5のハウジングケース(ミッションケース)に回転自在に支持され、当該推進軸5aには、原動機4のクランク軸からの動力が伝達される。主変速部5bは、複数のギア及び当該ギアの接続を変更するシフタを有している。主変速部5bは、複数のギアの接続(噛合)をシフタで適宜変更することによって、推進軸5aから入力された回転を変更して出力する(変速する)。
副変速部5cは、主変速部5bと同様に、複数のギア及び当該ギアの接続を変更するシフタを有している。副変速部5cは、複数のギアの接続(噛合)をシフタで適宜変更することによって、主変速部5bから入力された回転を変更して出力する(変速する)。
シャトル部5dは、シャトル軸12と、前後進切換部13とを有している。シャトル軸12には、副変速部5cから出力された動力がギア等を介して伝達される。前後進切換部13は、例えば、油圧クラッチ等で構成され、油圧クラッチの入切によってシャトル軸12の回転方向、即ち、トラクタ1の前進及び後進を切り換える。シャトル軸12は、後輪デフ装置20Rに接続されている。後輪デフ装置20Rは、後輪7Rが取り付けられた後車軸21Rを回転自在に支持している。
PTO動力伝達部5eは、PTO推進軸14と、PTOクラッチ15とを有している。PTO推進軸14は、回転自在に支持され、推進軸5aからの動力が伝達可能である。PTO推進軸14は、ギア等を介してPTO軸16に接続されている。PTOクラッチ15は、例えば、油圧クラッチ等で構成され、油圧クラッチの入切によって、推進軸5aの動力をPTO推進軸14に伝達する状態と、推進軸5aの動力をPTO推進軸14に伝達しない状態とに切り換わる。
前変速部5fは、第1クラッチ17と、第2クラッチ18とを有している。第1クラッチ17及び第2クラッチ18は、推進軸5aからの動力が伝達可能であって、例えば、シャトル軸12の動力が、ギア及び伝動軸を介して伝達される。第1クラッチ17及び第2クラッチ18からの動力は、前伝動軸22を介して前車軸21Fに伝達可能である。具体的には、前伝動軸22は、前輪デフ装置20Fに接続され、前輪デフ装置20Fは、前輪7Fが取り付けられた前車軸21Fを回転自在に支持している。
第1クラッチ17及び第2クラッチ18は、油圧クラッチ等で構成されている。第1クラッチ17には油路が接続され、当該油路には油圧ポンプ33から吐出した作動油が供給される第1作動弁25に接続されている。第1クラッチ17は、第1作動弁25の開度によって接続状態と切断状態とに切り換わる。第2クラッチ18には油路が接続され、当該油路には第2作動弁26に接続されている。第2クラッチ18は、第2作動弁26の開度によって接続状態と切断状態とに切り換わる。第1作動弁25及び第2作動弁26は、例えば、電磁弁付き二位置切換弁であって、電磁弁のソレノイドを励磁又は消磁することにより、接続状態又は切断状態に切り換わる。
第1クラッチ17が切断状態で且つ第2クラッチ18が接続状態である場合、第2クラッチ18を通じてシャトル軸12の動力が前輪7Fに伝達される。これにより、前輪7F及び後輪7Rが動力によって駆動する四輪駆動(4WD)で且つ前輪7Fと後輪7Rとの回転速度が略同じとなる(4WD等速状態)。一方、第1クラッチ17が接続状態で且つ第2クラッチ18が切断状態である場合、四輪駆動になり且つ前輪7Fの回転速度が後輪7Rの回転速度に比べて速くなる(4WD増速状態)。また、第1クラッチ17及び第2クラッチ18が切断状態である場合、シャトル軸12の動力が前輪7Fに伝達されないため、後輪7Rが動力によって駆動する二輪駆動(2WD)となる。
トラクタ1は、測位装置40を備えている。測位装置40は、D-GPS、GPS、GLONASS、北斗、ガリレオ、みちびき等の衛星測位システム(測位衛星)により、自己の位置(緯度、経度を含む測位情報)を検出可能である。即ち、測位装置40は、測位衛星から送信された衛星信号(測位衛星の位置、送信時刻、補正情報等)を受信し、衛星信号に基づいて位置(例えば、緯度、経度)を検出する。測位装置40は、受信装置41と、慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)42とを有している。受信装置41は、アンテナ等を有していて測位衛星から送信された衛星信号を受信する装置であり、慣性計測装置42とは別に車体3に取付けられている。この実施形態では、受信装置41は、車体3に設けられたロプスに取付けられている。なお、受信装置41の取付箇所は、実施形態に限定されない。
慣性計測装置42は、加速度を検出する加速度センサ、角速度を検出するジャイロセンサ等を有している。車体3、例えば、運転席10の下方に設けられ、慣性計測装置42によって、車体3のロール角、ピッチ角、ヨー角等を検出することができる。
図1に示すように、トラクタ1は、操舵装置11を備えている。操舵装置11は、運転者の操作によって車体3の操舵を行う手動操舵と、運転者の操作によらずに自動的に車体3の操舵を行う自動操舵とを行うことが可能な装置である。
操舵装置11は、ステアリングハンドル(ステアリングホイール)30と、ステアリングハンドル30を回転可能に支持するステアリングシャフト(回転軸)31とを有している。また、操舵装置11は、補助機構(パワーステアリング装置)32を有している。補助機構32は、油圧等によってステアリングシャフト31(ステアリングハンドル30)の回転を補助する。補助機構32は、油圧ポンプ33と、油圧ポンプ33から吐出した作動油が供給される制御弁34と、制御弁34により作動するステアリングシリンダ35とを含んでいる。制御弁34は、例えば、スプール等の移動によって切り換え可能な3位置切換弁であり、ステアリングシャフト31の操舵方向(回転方向)に対応して切り換わる。ステアリングシリンダ35は、前輪7Fの向きを変えるアーム(ナックルアーム)に接続されている。
したがって、運転者がステアリングハンドル30を把持して一方向又は他方向に操作すれば、当該ステアリングハンドル30の回転方向に対応して制御弁34の切換位置及び開度が切り換わり、当該制御弁34の切換位置及び開度に応じてステアリングシリンダ35が左又は右に伸縮することによって、前輪7Fの操舵方向を変更することができる。つまり、車体3は、ステアリングハンドル30の手動操舵によって、進行方向を左又は右に変更することができる。
次に、自動操舵について説明する。
図2に示すように、自動操舵を行うに際しては、まず、自動操舵を行う前に走行基準ラインL1を設定する。走行基準ラインL1の設定後に、当該走行基準ラインL1に平行な走行予定ラインL2の設定を行うことによって自動操舵を行うことができる。自動操舵では、測位装置40によって測定された車体位置と走行予定ラインをL2とが一致するように、トラクタ1(車体3)の進行方向の操舵を自動的に行う。
具体的には、自動操舵を行う前にトラクタ1(車体3)を圃場内の所定位置に移動させ(S1)、所定位置にて運転者がトラクタ1に設けられた操舵切換スイッチ(登録スイッチ)52の操作を行うと(S2)、測位装置40によって測定された車体位置が走行基準ラインL1の始点P10に設定される(S3)。また、トラクタ1(車体3)を走行基準ラインL1の始点P10から移動させ(S4)、所定の位置で運転者が操舵切換スイッチ52の操作を行うと(S5)、測位装置40によって測定された車体位置が走行基準ラインL1の終点P11に設定される(S6)。したがって、始点P10と終点P11とを結ぶ直線が走行基準ラインL1として設定される。
走行基準ラインL1の設定後(S6後)、例えば、トラクタ1(車体3)を、走行基準ラインL1を設定した場所とは異なる場所に移動させ(S7)、運転者が操舵切換スイッチ52の操作を行うと(S8)、走行基準ラインL1に平行な直線である走行予定ラインL2が設定される(S9)。走行予定ラインL2の設定後、自動操舵が開始され、トラクタ1(車体3)の進行方向が走行予定ラインL2に沿うように変更される。例えば、現在の車体位置が走行予定ラインL2に対して左側にある場合には、前輪7Fが右に操舵され、現在の車体位置が走行予定ラインL2に対して右側にある場合には、前輪7Fが左に操舵される。なお、自動操舵中において、トラクタ1(車体3)の走行速度(車速)は、運転者が手動で当該トラクタ1に設けられたアクセル(アクセルペダル、アクセルレバー)210の操作量を変更したり、変速部材(変速レバー、変速スイッチ)211によって変速装置5の変速段を変更することにより変更することができる。
また、自動操舵の開始後、運転者が任意の箇所で操舵切換スイッチ52の操作を行うと、自動操舵を終了することができる。即ち、走行予定ラインL2の終点は、操舵切換スイッチ52の操作による自動操舵の終了によって設定することができる。つまり、走行予定ラインL2の始点から終点までの長さは、走行基準ラインL1よりも長く設定したり、短く設定することができる。言い換えれば、走行予定ラインL2は、走行基準ラインL1の長さとは関連付けされておらず、走行予定ラインL2によって、走行基準ラインL1の長さよりも長い距離を自動操舵しながら走行させることができる。
図1に示すように、操舵装置11は、自動操舵機構37を有している。自動操舵機構37は、車体3の自動操舵を行う機構であって、測位装置40で検出された車体3の位置(
車体位置)に基づいて車体3を自動操舵する。自動操舵機構37は、ステアリングモータ38とギア機構39とを備えている。ステアリングモータ38は、車体位置に基づいて、回転方向、回転速度、回転角度等が制御可能なモータである。ギア機構39は、ステアリングシャフト31に設けられ且つ当該ステアリングシャフト31と供回りするギアと、ステアリングモータ38の回転軸に設けられ且つ当該回転軸と供回りするギアとを含んでいる。ステアリングモータ38の回転軸が回転すると、ギア機構39を介して、ステアリングシャフト31が自動的に回転(回動)し、車体位置が走行予定ラインL2に一致するように、前輪7Fの操舵方向を変更することができる。
図1に示すように、トラクタ1は、表示装置45を備えている。表示装置45は、トラクタ1に関する様々な情報を表示可能な装置であって、少なくともトラクタ1の運転情報を表示可能である。表示装置45は、運転席10の前方に設けられている。
図1に示すように、トラクタ1は、設定スイッチ51を備えている。設定スイッチ51は、少なくとも自動操舵の開始前の設定を行う設定モードに切り換えるスイッチである。設定モードは、自動操舵を開始する前に当該自動操舵に関する様々な設定を行うモードであり、例えば、走行基準ラインL1の始点、終点の設定等を行うモードである。
設定スイッチ51は、ON又はOFFに切換可能であり、ONである場合には設定モードが有効である信号を出力し、OFFである場合には設定モードが無効である信号を出力する。また、設定スイッチ51は、ONである場合には設定モードが有効である信号を表示装置45に出力し、OFFである場合には設定モードが無効である信号を表示装置45に出力する。
トラクタ1は、操舵切換スイッチ52を備えている。操舵切換スイッチ52は、自動操舵の開始又は終了を切り換えるスイッチである。具体的には、操舵切換スイッチ52は、中立位置から上、下、前、後に切換可能であり、設定モードが有効である状態で中立位置から下方に切り換えられた場合には自動操舵の開始を出力し、設定モードが有効である状態で中立位置から上方に切り換えられた場合には自動操舵の終了を出力する。また、操舵切換スイッチ52は、設定モードが有効である状態で中立位置から後に切り換えられた場合には、走行基準ラインL1の始点P10を設定することを出力し、操舵切換スイッチ52は、設定モードが有効である状態で中立位置から前に切り換えられた場合には、走行基準ラインL1の終点P11を設定することを出力する。即ち、操舵切換スイッチ52は、走行基準ラインL1の開始位置(始点P10)及び終了位置(終点P11)を設定する登録スイッチと、自動操舵の開始又は終了を切り換えるスイッチとを兼用化している。登録スイッチは、操舵切換スイッチ52と別体に構成してもよい。
トラクタ1は、補正スイッチ53を備えている。補正スイッチ53は、測位装置40によって測定された車体位置(緯度、経度)を補正するスイッチである。即ち、補正スイッチ53は、衛星信号(測位衛星の位置、送信時刻、補正情報等)と、慣性計測装置42で計測した測定情報(加速度、角速度)とで演算された車体位置(演算車体位置という)を補正するスイッチである。
補正スイッチ53は、押圧可能なプッシュスイッチ又はスライド可能なスライドスイッチで構成されている。以下、補正スイッチ53がプッシュスイッチ、スライドスイッチのそれぞれである場合について説明する。
補正スイッチ53がプッシュスイッチである場合、当該プッシュスイッチの操作回数に基づいて、補正量が設定される。補正量は、補正量=操作回数×1回の操作回数当たりの補正量により決定される。例えば、図3Aに示すように、プッシュスイッチを操作する毎に、補正量が数センチ或いは数十センチずつ増加する。プッシュスイッチの操作回数は、第1制御装置60Aに入力され、当該第1制御装置60Aが操作回数に基づいて補正量を設定(演算)する。
また、補正スイッチ53がスライドスイッチである場合、当該スライドスイッチの操作量(変位量)に基づいて、補正量が設定される。例えば、補正量は、補正量=所定位置からの変位量により決定される。例えば、図3Bに示すように、スライドスイッチの変位量が5mm増加する毎に、補正量が数センチ或いは数十センチずつ増加する。スライドスイ
ッチの操作量(変位量)は、第1制御装置60Aに入力され、当該第1制御装置60Aが変位量に基づいて補正量を設定(演算)する。なお、上述した補正量の増加方法及び増加の割合は、上述した数値に限定されない。
詳しくは、図4A及び図4Bに示すように、補正スイッチ53は、第1補正部53Aと、第2補正部53Bとを有している。第1補正部53Aは、車体3の幅方向における一方側、即ち、左側に対応する車体位置の補正を指令する部分である。第2補正部53Bは、車体3の幅方向における他方側、即ち、右側に対応する車体位置の補正を指令する部分である。
図4Aに示すように、補正スイッチ53がプッシュスイッチである場合、第1補正部53A及び第2補正部53Bは、操作を行う毎に自動的に復帰するON又はOFFのスイッチである。第1補正部53Aを構成するスイッチと第2補正部53Bを構成するスイッチとは一体化されている。なお、第1補正部53Aを構成するスイッチと第2補正部53Bを構成するスイッチとは互いに離間して配置されていてもよい。図3Aに示すように、第1補正部53Aを押圧する毎に、車体3の左側に対応する補正量(左補正量)が増加する。また、第2補正部53Bを押圧する毎に、車体3の右側に対応する補正量(右補正量)が増加する。
図4Bに示すように、補正スイッチ53がスライドスイッチである場合、第1補正部53A及び第2補正部53Bは、長孔の長手方向に沿って左又は右に移動する摘み部55を含んでいる。補正スイッチ53がスライドスイッチである場合、第1補正部53Aと第2補正部53Bとは互いに幅方向に離間して配置されている。図3Bに示すように、摘み部55を予め定められた基準位置から徐々に左側へ変位させると、変位量に応じて左補正量が増加する。また、摘み部55を予め定められた基準位置から徐々に右側へ変位させると、変位量に応じて右補正量が増加する。なお、図4Bに示すように、スライドスイッチである場合、第1補正部53Aと第2補正部53Bとを一体化に形成し、摘み部55の基準位置を中央部に設定し、基準位置から左側に移動した場合に左補正量が設定され、摘み部55を中間位置から右側に移動した場合に右補正量が設定される構成としてもよい。
次に、補正スイッチ53による補正量(左補正量、右補正量)と、走行予定ラインL2と、トラクタ1(車体3)の挙動(走行軌跡)との関係について説明する。
図5Aは、自動操舵中で直進中に演算車体位置W1が右にずれた場合の状態を示している。図5Aに示すように、自動操舵が開始された状態において、実際のトラクタ1(車体3)の位置(実際位置W2)と演算車体位置W1とが一致し、且つ、実際位置W2と走行予定ラインL2とが一致している場合、トラクタ1は走行予定ラインL2に沿って走行する。即ち、測位装置40の測位に誤差がなく、測位装置40で検出した車体位置(演算車体位置W1)が実際位置W2と同じである区間P1では、トラクタ1は走行予定ラインL2に沿って走行する。なお、測位装置40の測位に誤差がなく補正も行われていない場合は、演算車体位置W1と、補正量で補正した補正後の車体位置(補正車体位置)W3とは同じ値である。補正車体位置W3は、補正車体位置W3=演算車体位置W1-補正量である。
ここで、位置P20の付近において、実際位置W2が走行予定ラインL2に対してズレていないのにも関わらず、様々な影響により、測位装置40の測位に誤差が生じ、測位装置40で検出した車体位置W1が走行予定ラインL2(実際位置W2)に対して右側にズレてしまい、ズレ量W4が維持されているとすると、トラクタ1は、演算車体位置W1と走行予定ラインL2とにズレが生じたと判断し、演算車体位置W1と走行予定ラインL2とのズレ量W4を解消するように、当該トラクタ1を左に操舵する。そうすると、トラクタ1の実際位置W2は左の操舵によって走行予定ラインL2にシフトする。その後、運転者がトラクタ1が走行予定ラインL2からズレていることに気づき、位置P21にて第2補正部53Bを操舵して右補正量を零から増加させたとする。演算車体位置W1に対して右補正量が加えられ、補正後の車体位置(補正車体位置)W3は、実際位置W2と略同じにすることができる。つまり、第2補正部53Bによって右補正量を設定することにより、位置P20の付近において発生したズレ量W4を解消する方向に、測位装置40の車体
位置を補正することができる。なお、図5Aの位置P21に示すように、車体位置の補正後、トラクタ1の実際位置W2が走行予定ラインL2から左側に離れている場合は、トラクタ1は右に操舵され、当該トラクタ1の実際位置W2を、走行予定ラインL2に一致させることができる。
図5Bは、自動操舵中で直進中に演算車体位置W1が左にずれた場合の状態を示している。図5Bに示すように、自動操舵が開始された状態において、実際位置W2と演算車体位置W1とが一致し、且つ、実際位置W2と走行予定ラインL2とが一致している場合、図5Aと同様に、トラクタ1は走行予定ラインL2に沿って走行する。即ち、図5Aと同様に、測位装置40の測位に誤差がない区間P2では、トラクタ1は走行予定ラインL2に沿って走行する。また、図5Aと同様に、演算車体位置W1と補正車体位置W3とは同じ値である。
ここで、位置P22において、様々な影響により、測位装置40の測位に誤差が生じ、測位装置40で検出した車体位置W1が実際位置W2に対して左側にズレてしまい、ズレ量W5が維持されているとすると、トラクタ1は、演算車体位置W1と走行予定ラインL2とのズレ量W5を解消するように、当該トラクタ1を右に操舵する。その後、運転者がトラクタ1が走行予定ラインL2からズレていることに気づき、運転者が位置P23にて第1補正部53Aを操舵して左補正量を零から増加させたとする。そうすると、演算車体位置W1に対して左補正量が加えられ、補正後の車体位置(補正車体位置)W3は、実際位置W2と略同じにすることができる。つまり、第1補正部53Aによって左補正量を設定することにより、位置P22の付近において発生したズレ量W5を解消する方向に、測位装置40の車体位置を補正することができる。なお、図5Bの位置P23に示すように、車体位置の補正後、トラクタ1の実際位置W2が走行予定ラインL2から右側に離れている場合は、トラクタ1は左に操舵され、当該トラクタ1の実際位置W2を、走行予定ラインL2に一致させることができる。
次に、設定スイッチ51、補正スイッチ53について説明する。
図6に示すように、ステアリングシャフト31の外周は、ステアリングポスト180により覆われている。ステアリングポスト180の外周は、カバー177により覆われている。カバー177は、運転席10の前方に設けられている。カバー177は、パネルカバー178とコラムカバー179とを含んでいる。パネルカバー178には、表示装置45、設定スイッチ51、補正スイッチ53及びシャトルレバー181が取り付けられている。シャトルレバー181を前方に操作(揺動)することにより、前後進切換部13が走行装置7へ前進動力を出力する状態となり、車体3の走行方向が前進方向に切り換えられる。また、シャトルレバー181を後方に操作(揺動)することにより、前後進切換部13が走行装置7へ後進動力を出力する状態となり、車体3の走行方向が後進方向に切り換えられる。シャトルレバー181が中立位置にあるときには、走行装置7へ動力が出力されない。
図1に示すように、トラクタ1は、複数の制御装置60を備えている。複数の制御装置60は、トラクタ1における走行系の制御、作業系の制御、車体位置の演算等を行う装置である。複数の制御装置60は、第1制御装置60A、第2制御装置60B及び第3制御装置60Cである。
第1制御装置60Aは、受信装置41が受信した衛星信号(受信情報)と、慣性計測装置42が測定した測定情報(加速度、角速度等)を受信し、受信情報及び測定情報に基づいて車体位置を求める。例えば、第1制御装置60Aは、補正スイッチ53による補正量が零である場合、即ち、補正スイッチ53による車体位置の補正が指令されていない場合、受信情報と測定情報とで演算された演算車体位置W1に対して補正を行わず、演算車体位置W1を自動操舵時に用いる車体位置に決定する。一方、第1制御装置60Aは、補正スイッチ53による車体位置の補正が指令されている場合、補正スイッチ53の操作回数及び補正スイッチ53の操作量(変位量)のいずれかに基づいて車体位置の補正量を設定し、演算車体位置W1を補正量で補正した補正車体位置W3を自動操舵時に用いる車体位置に決定する。
第1制御装置60Aは、車体位置(演算車体位置W1、補正車体位置W3)及び走行予定ラインL2に基づいて制御信号を設定し、制御信号を第2制御装置60Bに出力する。第2制御装置60Bは、自動操舵制御部200を有している。自動操舵制御部200は、第2制御装置60Bに設けられた電気・電子回路、CPU等に格納されたプログラム等から構成されている。自動操舵制御部200は、第1制御装置60Aから出力された制御信号に基づいて車体3が走行予定ラインL2に沿って走行するように自動操舵機構37のステアリングモータ38を制御する。
また、第1制御装置60Aは、上述したように、走行基準ラインL1の始点P10及び終点P11の設定(登録)に関する動作を制御する。即ち、第1制御装置60Aは、登録スイッチ(操舵切換スイッチ52)を始点設定側に操作すると、車体位置を走行基準ラインL1の始点P10に設定し、登録スイッチ(操舵切換スイッチ52)を終点設定側に操作すると、車体位置を走行基準ラインL1の終点P11に設定する。
図7に示すように、車体位置と走行予定ラインL2との偏差が閾値未満である場合、自動操舵制御部200は、ステアリングモータ38の回転軸の回転角を維持する。車体位置と走行予定ラインL2との偏差(位置偏差)が閾値以上であって、トラクタ1が走行予定ラインL2に対して左側に位置している場合は、自動操舵制御部200は、トラクタ1の操舵方向が右方向となるようにステアリングモータ38の回転軸を回転する。即ち、自動操舵制御部200は、位置偏差が零となるように、右方向の操舵角を設定する。車体位置と走行予定ラインL2との偏差が閾値以上であって、トラクタ1が走行予定ラインL2に対して右側に位置している場合は、自動操舵制御部200は、トラクタ1の操舵方向が左方向となるようにステアリングモータ38の回転軸を回転する。即ち、自動操舵制御部200は、位置偏差が零となるように、左方向の操舵角を設定する。
なお、上述した実施形態では、車体位置と走行予定ラインL2との偏差に基づいて操舵装置11の操舵角を変更していたが、走行予定ラインL2の方位とトラクタ1(車体3)の進行方向(走行方向)の方位(車体方位)F1とが異なる場合、即ち、走行予定ラインL2に対する車体方位F1の角度θgが閾値以上である場合、自動操舵制御部200は、角度θgが零になる(車体方位F1が走行予定ラインL2の方位に一致する)ように操舵角を設定してもよい。また、自動操舵制御部200は、偏差(位置偏差)に基づいて求めた操舵角と、方位(方位偏差)に基づいて求めた操舵角とに基づいて、自動操舵における最終の操舵角を設定してもよい。上述した実施形態における自動操舵における操舵角の設定は一例であり、限定されない。
また、第2制御装置60Bは、自動操舵制御部200によって自動操舵が行われている場合に、アクセル210が操作されたときは、アクセル210の操作量に応じて、原動機4の回転数(原動機回転数)を変更する。また、第2制御装置60Bは、自動操舵制御部200によって自動操舵が行われている場合に、変速部材211が操作された場合は、変速装置5の変速段を変更する。
第3制御装置60Cは、運転席10の周囲に設けられた操作部材の操作に応じて、連結部8を昇降させる。なお、第1制御装置60A、第2制御装置60B及び第3制御装置60Cは一体化されていてもよい。また、上述した走行系の制御、作業系の制御、車体位置の演算は限定されない。以上のように、制御装置60によって、トラクタ1(車体3)を自動操舵することができる。
さて、圃場H1において作業(対地作業)を行う場合、トラクタ1に作業に対応した作業装置2を連結して、作業装置2を連結したトラクタ1を圃場H1で走行させる。図8に示すように、例えば、圃場H1において、対地作業を行う場合は、走行予定ラインL2に示すように、直進と旋回とを繰り返しながら作業を行う。即ち、トラクタ1が畦際に近づいた場合に旋回をした後、直進し、反対側の畔際に近づくと再び旋回をした後、直進をすることになる。なお、旋回の際は、作業姿勢である作業装置2を上昇させ、旋回の部分は作業を行わない。
このように、ターンを繰り返しながら作業を行うに際して、自動操舵は、走行予定ラインL2の直進部分SLn(n=1、2、3・・・)にて行われる。例えば、1本目の直進
部分SL1において、運転者が操舵切換スイッチ52を操作することにより、開始位置ST1(STn:n=1)で自動操舵を開始した後、運転者は作業状態を見ながら操舵切換スイッチ52を操作することにより、終了位置EN1(ENn:n=1)で自動操舵を終了する。また、運転者は、1本目の直進部分SL1において自動操舵を行っている状況下に応じて補正スイッチ53を操作することにより、トラクタ1の車体位置の微調整を行ったり、作業状況に応じてアクセル210及び変速部材211を操作してトラクタ1の車速の調整を行う。
また、運転者は、終了位置EN1で自動操舵を終了後にトラクタ1を手動操舵することで、旋回を行い、2本目の直進部分SL2において、操舵切換スイッチ52を操作することにより、開始位置ST2で自動操舵を開始し、操舵切換スイッチ52を操作することにより、終了位置EN2で自動操舵を終了する。即ち、圃場H1において、トラクタ1は、直進部分SLnで結ばれる旋回部分RLnを、手動操舵をしながら走行することになる。
さて、上述したように、圃場H1において、トラクタ1の手動操舵と自動操舵とを繰り返しながら作業を行うにあたって、トラクタ1は、圃場H1において作業時間を適正に把握することができるようになっている。
図1に示すように、トラクタ1は、作業時間予測部75を備えている。第1制御装置60A、第2制御装置60B、第3制御装置60Cのいずれかに設けられた電気・電子回路、CPU等に格納されたプログラム等から構成されている。なお、作業時間予測部75は、表示装置45に設けられた電気・電子回路、CPU等に格納されたプログラム等から構成されていてもよい。この実施形態では、作業時間予測部75は、第1制御装置60Aに設けられているとして説明を進めるが、第2制御装置60B、第3制御装置60C及び表示装置45にいずれに設けた場合であっても動作は同じである。
作業時間予測部75は、トラクタ1にて圃場H1の作業を行うにあたって、圃場H1にて手動操舵を行ったときの実績と、自動操舵を行ったときの実績との両方を用いて、作業時間WTを予測する。具体的には、作業時間予測部75は、手動操舵を行いながら走行基準ラインL1を登録(設定)するのに要した時間(設定時間)WT1と、自動操舵が開始されてから終了するまでの時間(自動操舵時間WT2)と、に基づいて、作業時間WTを予測する。また、作業時間予測部75は、自動操舵が終了してから開始するまでの時間(旋回時間)WT3に基づいて、作業時間WTを予測する。
図9は、作業時間予測部75によって、作業時間WTを予測する流れを示している。
図9に示すように、例えば、作業時間予測部75は、登録スイッチ(操舵切換スイッチ52)を始点設定側に操作した時点(走行基準ラインL1の始点P10を登録した時点)から設定時間WT1の算出を開始する(S30)。
また、作業時間予測部75は、登録スイッチ(操舵切換スイッチ52)を終点設定側に操作した時点(走行基準ラインL1の終点P11を登録した時点)から設定時間WT1の算出を終了する(S31)。つまり、S30及びS31では、作業時間予測部75は、登録スイッチを始点設定側に操作した時点からタイマのカウントを開始し、登録スイッチを終点設定側に操作した時点でタイマのカウントを終了し、タイマのカウントした時間(経過時間)を、設定時間WT1に設定する。
また、作業時間予測部75は、走行基準ラインL1の設定後、操舵切換スイッチ52が操作されて自動操舵の開始が指令されると、自動操舵時間WT2の算出を開始する(S32)。作業時間予測部75は、自動操舵の開始後、操舵切換スイッチ52が操作されて自動操舵の終了が指令されると、一旦、自動操舵時間WT2の算出を終了する(S33)。つまり、S32及びS33では、作業時間予測部75は、直進部分SLnにおいて、自動操舵を開始してから自動操舵を終了するまでのカウンタの時間(経過時間)を、自動操舵時間WT2に加算する。言い換えれば、作業時間予測部75は、自動操舵時間WT2=直進部分SLnにおいて自動操舵に要した総時間を求める。
また、作業時間予測部75は、自動操舵の終了が指令されると、旋回時間WT3の算出を開始する(S34)。作業時間予測部75は、自動操舵の終了後、操舵切換スイッチ52が操作されて自動操舵の開始が指令されると、一旦、旋回時間WT3の算出を終了する
(S35)。つまり、S34及びS35では、作業時間予測部75は、旋回部分RLnにおいて、自動操舵を終了してから自動操舵を開始するまでのカウンタの時間(経過時間)を、旋回時間WT3に加算する。言い換えれば、作業時間予測部75は、旋回時間WT3=旋回部分RLnにおいて手動操舵に要した総時間を求める。
作業時間予測部75は、少なくとも1回以上自動操舵時間WT2の算出を行うと、自動操舵時間WT2から直進部分SLnの1本当たりの必要時間JT2を求める(S36)。例えば、作業時間予測部75は、自動操舵時間WT2からトラクタ1によって自動操舵を行った直進部分SLnの本数(nの値)を除算することにより必要時間JT2を求める(必要時間JT2=自動操舵時間WT2/n)。
また、作業時間予測部75は、少なくとも1回以上旋回時間WT3の算出を行うと、旋回時間WT3から旋回部分RLnの1本当たりの必要時間JT3を求める(S37)。例えば、作業時間予測部75は、旋回時間WT3からトラクタ1によって手動操舵を行った旋回部分RLnの本数(nの値)を除算することにより必要時間JT3を求める(必要時間JT3=旋回時間WT3/n)。
また、作業時間予測部75は、必要時間JT2、JT3を求めると、直進部分SLnにおいて自動操舵に掛かる総時間(自動操舵総時間)KT2と、旋回部分RLnにおいて旋回に掛かる総時間(旋回総時間)KT3とを求める(S38)。つまり、作業時間予測部75は、自動操舵総時間KT2=必要時間JT2×n(本数)、旋回総時間KT3=必要時間JT3×n(本数)により、自動操舵総時間KT2及び旋回総時間KT3を求める。
また、作業時間予測部75は、設定時間WT1、自動操舵総時間KT2及び旋回総時間KT3を加算することにより、作業時間WTを予測する(作業時間WT=設定時間WT1+自動操舵総時間KT2+旋回総時間KT3、S39)。
以上のように、トラクタ1において、走行基準ラインL1の設定、自動操舵の開始及び終了、手動操舵による旋回を繰り返しながら圃場H1で作業を行う場合であっても正確に作業時間WTを予測することができる。
なお、上述した実施形態では、走行基準ラインL1の設定後、自動操舵を開始するまでの時間、即ち、
トラクタ1が走行基準ラインL1の終点P11から開始位置ST1に至るまでの開始前時間WT4を、作業時間WTに加算していなかったが、当該開始前時間WT4を作業時間WTに加算してもよい。
図10は、トラクタ1の表示装置45が表示した運転画面M1の一例を示している。
表示装置45は、運転画面M1に、トラクタ1(車体3)を示す図形D1と、走行予定ラインL2(直進部分SLn、旋回部分RLn)と表示する。走行予定ラインL2は、既にトラクタ1(車体3)によって自動操舵を行った過去のラインであっても、これからトラクタ1(車体3)によって自動操舵を行う予定のラインであってもよい。
また、表示装置45は、運転画面M1に示した時間表示部78に、作業時間予測部75によって予測した作業時間WTを表示する。また、表示装置45は、時間表示部78に作業終了時間(作業終了時刻)を表示する。第1制御装置60A又は表示装置45は、走行基準ラインL1の始点P10を登録した時点の時刻(登録開始時刻)を保持していて、登録開始時刻に作業時間WTを加算することにより、作業終了時刻を求める。
上述した実施形態では、走行基準ラインL1の登録を開始してから、トラクタ1が最後の直進部分SLnに到達するまでの時間を作業時間WTとして予測していたが、トラクタ1が圃場H1にて作業を行っている状況下において、トラクタ1の現在位置から、最後の直進部分SLnに到達するまでの時間を作業時間WTとして予測してもよい。この場合、作業時間予測部75は、必要時間JT2、JT3を求めた後、自動操舵を行っていない残りの直進部分SLnにおいて自動操舵に掛かる総時間(自動操舵総時間)KT2aと、旋回を行っていない残りの旋回部分RLnにおいて旋回に掛かる総時間(旋回総時間)KT3aとを求める。つまり、作業時間予測部75は、自動操舵総時間KT2a=必要時間JT2×残りの本数(残りのn数)、旋回総時間KT3a=必要時間JT3×残りの本数(残りのn数)により、自動操舵総時間KT2a及び旋回総時間KT3aを求める。そして
、作業時間予測部75は、作業時間WT=自動操舵総時間KT2a+旋回総時間KT3aにより、現時点から作業を終了するまでの作業時間WTを求める。この場合、第1制御装置60A又は表示装置45は、現在の時刻に作業時間WTを加算することにより、作業終了時刻を求め、求めた作業終了時刻を時間表示部78に表示する。
作業時間予測部75は、過去の手動操舵の実績と、自動操舵の実績に基づいて、作業時間WTを予測してもよい。具体的には、作業時間予測部75は、トラクタ1の作業が終了した場合、即ち、全ての直進部分SLnにおける自動操舵と、全ての旋回部分RLnにおける手動操舵が完了した場合において、
設定時間WT1、自動操舵時間WT2と旋回時間WT3との合計を、過去の作業時間WTとして記憶する。そして、トラクタ1において同じ圃場H1にて作業を行う場合、過去の作業時間WTを、当該圃場H1の作業時間とする。
作業車両1は、ステアリングハンドル30による手動操舵と、走行基準ラインL1に基づいてステアリングハンドル30の自動操舵とのいずれかで走行可能な車体3と、作業装置2を連結する連結部8と、作業装置2にて圃場で作業を行う作業時間を、手動操舵と自動操舵との両方の実績に基づいて予測する作業時間予測部75と、を備えている。これによれば、手動操舵と自動操舵とを繰り返しながら走行及び作業を行う複雑な場合においても適正に作業時間を予測することができる。例えば、作業時間が予定よりも長い場合は、手動操舵における車速や自動操舵における車速等によって実際の作業時間を、予測した作業時間に合わせることができる。
作業車両1は、手動操舵を行っているときに、走行基準ラインL1を設定する登録スイッチと、走行基準ラインL1の設定後、自動操舵の開始及び終了のいずれかを切り換える操舵切換スイッチと、を備え、作業時間予測部75は、走行基準ラインL1を設定するのに要した時間と、操舵切換スイッチの操作によって自動操舵が開始されてから終了するまでの時間に基づいて、作業時間を予測する。これによれば、例えば、運転者が手動操舵を行いながら登録スイッチを操作することにより走行基準ラインL1を設定するような場合であっても、適正に作業時間を予測することができる。
作業時間予測部75は、操舵切換スイッチの操作によって自動操舵が終了してから開始するまでの時間に基づいて、作業時間を予測する。これによれば、自動操舵を終了してから手動操舵を行った後、自動操舵を再開するような場合であっても適正に作業時間を予測することができる。
操舵切換スイッチによって自動操舵の開始が設定された場合には、走行基準ラインL1を所定の方向にシフトした走行予定ラインL2を設定し、且つ、走行予定ラインL2に沿って車体3が移動するように自動操舵を行う制御装置を備え、作業時間予測部75は、走行予定ラインL2に沿って車体3が移動した自動操舵の時間に基づいて作業時間を予測する。これによれば、走行基準ラインL1をシフトして設定した走行予定ラインL2に沿って自動操舵を行うような場合において、適正に作業時間を予測することができる。
作業車両1は、車体3の位置を検出可能な測位装置40を備え、制御装置は、手動操舵において、登録スイッチが操作したときの測位装置40が測位した車体3の位置を始点として設定し、始点の次に登録スイッチを操作したときの測位装置が測位した車体3の位置を終点として設定し、始点と終点とを結ぶ直線を走行基準ラインL1として設定する。これによれば、測位装置40が測位した車体3の位置を用いて、直線状の走行基準ラインL1を簡単に設定することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 :作業車両
2 :作業装置
3 :車体
8 :連結部
30 :ステアリングハンドル
40 :測位装置
52 :操舵切換スイッチ
60 :制御装置
75 :作業時間予測部
H1 :圃場
L1 :走行基準ライン
L2 :走行予定ライン
P10 :始点
P11 :終点
WT :作業時間

Claims (5)

  1. ステアリングハンドルによる手動操舵と、走行基準ラインに基づいて前記ステアリングハンドルの自動操舵とのいずれかで走行可能な車体と、
    作業装置を連結する連結部と、
    前記作業装置にて圃場で作業を行う作業時間を、前記手動操舵と前記自動操舵との両方の実績に基づいて予測する作業時間予測部と、
    を備え
    前記車体は、前記手動操舵を旋回する旋回部分で行い、前記自動操舵を直進する直進部分で行い、
    前記旋回部分と前記直進部分はそれぞれ接続され、
    前記作業時間予測部は、
    一連の作業で必要な前記旋回部分の本数、及び前記手動操舵の実績として、前記手動操舵を行った前記旋回部分の本数と前記手動操舵を行った経過時間の合計である旋回時間に基づいて、前記一連の作業における前記旋回部分で必要な作業時間である旋回総時間を演算し、
    前記一連の作業で必要な前記直進部分の本数、及び前記自動操舵の実績として、前記自動操舵を行った前記直進部分の本数と前記自動操舵を行った経過時間の合計である自動操舵時間に基づいて、前記一連の作業における前記直進部分で必要な作業時間である自動操舵総時間を演算し、
    前記旋回総時間と前記自動操舵総時間とに基づいて、前記一連の作業における全体の作業時間を演算する作業車両。
  2. 前記作業時間予測部は、
    前記手動操舵の実績として、前記旋回時間から前記手動操舵を行った前記旋回部分の本数を除して、前記旋回部分の1本あたりの旋回必要時間を演算し、当該旋回必要時間と前記一連の作業で必要な前記旋回部分の本数との積に基づいて、前記旋回総時間を演算し、
    前記自動操舵の実績として、前記自動操舵時間から前記自動操舵を行った前記直進部分の本数を除して、前記直進部分の1本あたりの直進必要時間を演算し、当該直進必要時間と前記一連の作業で必要な前記直進部分の本数との積に基づいて、前記自動操舵総時間を演算する請求項1に記載の作業車両。
  3. 前記作業時間予測部は、
    前記旋回必要時間と、前記一連の作業での残りの前記旋回部分の本数との積と、
    前記直進必要時間と、前記一連の作業での残りの前記直進部分の本数との積と、
    の和によって、現時点から前記一連の作業が終了するまでの時間を演算する請求項2に記載の作業車両。
  4. 前記手動操舵を行っているときに、前記走行基準ラインを設定する登録スイッチと、
    前記走行基準ラインの設定後、前記自動操舵の開始及び終了のいずれかを切り換える操舵切換スイッチと、
    を備え、
    前記作業時間予測部は、前記走行基準ラインを設定するのに要した時間を設定時間として演算し、
    前記操舵切換スイッチの操作によって前記自動操舵が終了してから開始するまでの時間の合計に基づいて、前記旋回時間を演算し、
    前記操舵切換スイッチの操作によって前記自動操舵が開始されてから終了するまでの時間の合計に基づいて、前記自動操舵時間を演算し、
    前記設定時間、前記旋回総時間、及び前記自動操舵総時間に基づいて、全体の作業時間を演算する請求項1~3のいずれか1項に記載の作業車両。
  5. 前記操舵切換スイッチによって前記自動操舵の開始が設定された場合には、前記走行基準ラインを所定の方向にシフトした走行予定ラインを設定し、且つ、前記走行予定ラインに沿って車体が移動するように前記自動操舵を行う制御装置と、
    前記車体の位置を検出可能な測位装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記手動操舵において、前記登録スイッチが操作したときの前記測位装置が測位した前記車体の位置を始点として設定し、前記始点の次に登録スイッチを操作したときの前記測位装置が測位した前記車体の位置を終点として設定し、前記始点と前記終点とを結ぶ直線を前記走行基準ラインとして設定する請求項4に記載の作業車両。
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