JP7158872B2 - 毛髪化粧料 - Google Patents
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Description
このような毛髪化粧料は、さまざまな官能品質が求められる。例えば、毛髪化粧料にある程度の粘度を付与することにより、毛髪塗布して使用する際においても、伸び広がり時に厚み(以下、コク感という場合がある)を感じるものも要求される品質の一つである。一方で、毛髪化粧料を洗い流した後に毛髪を乾かした後(以下、ドライ後という場合がある)にも、毛髪のしなやかさを求められることもあり、これらを共に満たすような毛髪化粧料の開発が望まれている。
本発明は、高温で分離することがなく安定であり、毛髪への使用時にコク感を有し、かつドライ後の毛髪のしなやかさに優れた毛髪化粧料を提供することを主な目的とする。
そしてさらに鋭意検討を重ねた結果、カチオン界面活性剤でもモノアルキルトリメチルアンモニウム型のカチオン界面活性剤と組合せた毛髪化粧料であれば、使用時のコク感およびドライ後の毛髪のしなやかさの両者の観点から優れた毛髪化粧料となるものであり、本発明を完成させるに至った。
(a)モノアルキルトリメチルアンモニウム型界面活性剤
(b)炭素数16~22の高級アルコールの一種又は二種以上
(c)1,3-プロピレングリコール
(d)トリグリセライド
(e)水
を含有する毛髪化粧料を提供するものである。
なお、成分(a)は、本発明においては、おもに乳化剤として用いるものことに期待される。
この範囲とすれば、高温で分離することがなく安定であり、毛髪への使用時にコク感を有し、かつドライ後の毛髪のしなやかさに優れた毛髪化粧料を得る効果において好ましい。
上記した成分(d)において、成分(d)トリグリセリドの脂肪酸部において、脂肪酸全量に対しての不飽和脂肪酸の含有率は、特に限定されないが、30%以上が好ましく、50%以上がより好ましい。この範囲であれば、ドライ後の毛髪のしなやかさに優れる毛髪化粧料として好ましい。
本発明に使用される成分(d)のトリグリセリドとしては、特に限定されないが、具体的には、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、トリ2-ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、トリリノール酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、メドウフォーム油、オリーブ油、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、胚芽油などが挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、オリーブ油、アボガド油、マカデミアナッツ油がより好ましい。
表1~表3に示す組成及び下記製造方法にて毛髪化粧料を調製し、以下に示す方法により、<1>使用時のコク感、<2>ドライ後の毛髪のしなやかさ、<3>粘度、<4>経時安定性(50℃恒温下)の各項目について、以下に示す評価方法及び判定基準により評価判定した。結果を併せて表1~表3に示した。
A:成分(1)~(13)を80℃に加熱して均一混合する。
B:成分(14)~(21)を80℃に加熱する。
C:AにBを添加して均一に乳化混合し、冷却する。
D:Cに成分(22)~(23)を添加混合し、容器に充填してヘアコンディショナーを得た。
化粧品評価専門パネル10名に、本発明品1~15及び比較品1~5のヘアコンディショナーを使用してもらい、評価項目、「使用時のコク感」、「ドライ後の毛髪のしなやかさ」、についてそれぞれの評価基準を用いて評価し、前パネルの平均点から判定を行った。
また、製造翌日の30℃恒温における粘度(mPa・s)及び、50℃恒温下での2週間後の外観観察から経時安定性を評価した。
[評価基準]:[評点]
非常にコク感を感じる :5点
コク感を感じる :4点
ややコク感を感じる :3点
ややコク感を感じにくい:2点
コク感を感じない :1点
<評価項目(b)>:ドライ後の毛髪のしなやかさ
[評価基準]:[評点]
毛髪のしなやかさを非常に感じる :5点
毛髪のしなやかさを感じる :4点
毛髪のしなやかさをやや感じる :3点
毛髪のしなやかさをやや感じにくい :2点
毛髪のしなやかさを感じない :1点
<評価項目(c)>:粘度(mPa・s)
◎:30,000mPa・s以上
○:10,000mPa・s以上~30,000mPa・s未満
×:10,000mPa・s未満
<評価項目(d)>:経時安定性(50℃恒温下、1か月経過時点)
◎:キメが良く分離しない
○:キメは悪いが分離はしない
×:分離してしまう
<判定基準>:
[評点の平均点]:[判定]
◎:4.0以上
○:2.5以上4.0未満
△:1.0以上2.5未満
×:1.0未満
これに対して、成分(c)を配合せずに代わりに1,2-プロパンジオールを配合した比較品1や、成分(a)が含まれていない比較品2、3および、成分(b)が含まれていない比較品4においては「使用時のコク感」「ドライ後の毛髪のしなやかさ」「粘度」「経時安定性(50℃恒温下)」が劣っているものであった。さらに、成分(d)が含まれていない比較品5では、「ドライ後の毛髪のしなやかさ」に劣っているものであった。
(成分) (%)
1.セトステアリルアルコール 2.5
2.ベヘニルアルコール 2.5
3.ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油 0.5
4.モノステアリン酸グリセリル 0.2
5.N―ラウロイル―L―グルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・
2-オクチルドデシル) 1
6.コメヌカ油 3
7.アスタキサンチン 0.01
8.ポリオキシプロピレン(40)ブチルエーテル 2
9.精製水 残量
10.1,2-プロピレングリコール 5
11.1,3-プロピレングリコール 5
12.塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.5
13.塩化[2-ヒドロキシー3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]
ヒドロキシエチルセルロース 0.2
14.フェノキシエタノール 0.1
15.香料 適量
16.水溶性コラーゲン(注1) 0.01
17.ヒアルロン酸ナトリウム(注2) 0.01
18.コンドロイチン硫酸ナトリウム(注3) 0.01
19.ローズマリー水(注4) 0.01
20.ユズ抽出液(注5) 0.01
21.チャエキス(注6) 0.01
22.チャ葉エキス(注7) 0.01
23.海洋深層水(注8) 0.01
24.レスベラトロール 0.001
25.カフェイン 0.001
(注1)PANCOGEN MARINE(GATTEFOSSE社製)
(注2)ヒアルロン酸FCH-SU(キッコーマンフードケミファ社製)
(注3)コンドロイチン硫酸ナトリウム(マルハニチロ食品社製)
(注4)ローヤルゼリー抽出液J(丸善製薬社製)
(注5)ユズ抽出液-J(丸善製薬社製)
(注6)緑茶抽出液BG(丸善製薬社製)
(注7)紅茶リキッド(一丸ファルコス社製)
(注8)深層水(広貫堂社製)
(製造方法)
A:成分1~7を均一に加熱溶解する。
B:成分8~13を均一に加熱溶解する。
C:BにAを添加し、均一に乳化混合し、冷却する。
D.Cに成分14~25を添加混合した後、容器に充填してヘアトリートメントを得た。
(成分) (%)
1.塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 2
2.ジココイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート 0.2
3.セトステアリルアルコール 7
4.2-エチルヘキサン酸セチル 5
5.ツバキ油 5
6.トリシロキサン変性高級アルコール 5
7.パラオキシ安息香酸メチル 0.3
8.フェノキシエタノール 0.5
9.精製水 残量
10.1,3-プロピレングリコール 15
11.グリセリン 1
12.高重合ジメチルポリシロキサンエマルジョン
13.香料 1
(製造方法)
A:成分1~8を70℃に加熱して均一混合する。
B:成分9~11を70℃に加熱して均一混合する。
C:BにAを添加し、均一に乳化混合し、冷却する。
D.Cに成分12および13を添加混合した後、容器に充填してヘアパック(インバス用)を得た。
(成分) (%)
1.塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 0.2
2.ジココイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート 0.2
3.セトステアリルアルコール 2
4.パルミチン酸2-エチルヘキシル 1
5.ワセリン 1
6.シア脂 1
7.硬化ヒマシ油 1
8.サフラワー油 1
9.パラメトキシケイ皮酸-2-エチルヘキシル 0.1
10.ポリオキシプロピレン(52)ブチルエーテル 3
11.1,3-プロピレングリコール 3
12.1,3-ブチレングリコール 2
13.塩化[2-ヒドロキシー3-(トリメチルアンモニオ)
プロピル]ヒドロキシエチルセルロース 0.2
14.フェノキシエタノール 0.2
15.グリコシルトレハロース 0.1
16.クエン酸 0.1
17.クエン酸ナトリウム 0.1
18.精製水 残量
19.香料 0.5
(製造方法)
A:成分1~10を均一に加熱溶解する。
B:成分11~18を均一に加熱溶解する。
C:BにAを添加し、均一に乳化混合し、冷却する。
D.Cに成分19を添加混合した後、容器に充填してヘアミルクを得た。
Claims (6)
- 次の成分(a)~(f);
(a)モノアルキルトリメチルアンモニウム型界面活性剤 0.1~3.0質量%
(b)炭素数16~22の高級アルコールの一種又は二種以上
(c)1,3-プロピレングリコール
(d)オリーブ油、アボガド油、マカデミアナッツ油から選ばれる一種以上の植物油
(e)水
(f)ジアルキルジメチルアンモニウム型界面活性剤、ジココイルエチルヒドロキシエチルモニウム型界面活性剤から選ばれる一種又は二種以上
を含有し、
前記成分(a)、(f)の含有質量割合(a)/(f)が、0.1~30の範囲である、
毛髪化粧料。
(但し、以下に示す、下記(1)ヘアコンディショナー組成物、下記(2)ヘアコンディショナー組成物、及び下記(3)毛髪のうねり改善用又は絡まり改善用の毛髪化粧料を除く。;
(1)ヘアコンディショナー組成物であり、水, セテアリルアルコール, セタノール, ベヘントリモニウムクロリド, イソドデカン, (アミノエチルアミノプロピルメチコン/ジメチコン)コポリマー, グリセリン, オリーブ油脂肪酸水添エチルヘキシル (加水分解), ホホバエステル, コメヌカ油, サイペラスエスクレンタス根油, ココナツウォーター (ココナッツ由来), パンテノール, トコフェロール, マダケジュース, タマリンドガム, ニンジン根エキス, 加水分解オクラ種子エキス (Hydrolysed), ソケイ花エキス, オランダカラシ花/葉エキス, ヒマワリ種子エキス, ヒマワリエキス, ショウガエキス, センニンコク種子エキス, ワサビノキ種子エキス, 加水分解亜麻似種子エキス (Hydrolysed),エンドウエキス, Cynara Scolymus (Artichoke) Leaf Extract, 加水分解バオバブ葉エキス (Hydrolysed), 米糠エキス (フスマ), ローズマリー葉エキス, アラニン, アルギニン, グリシン, L -ヒスチジン, イソロイシン, フェニルアラニン, L -プロリン, DL-セリン, スレオニン, バリン, L -アスパラギン酸, ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解ケラチン(Hydrolysed), 加水分解コメタンパク (Hydrolysed), 加水分解トウモロコシタンパク (Hydrolysed), 加水分解酵母たんぱく(Hydrolysed), 水添オリーブ油不けん化物 (加水分解), 脂肪酸(C12-18)セチル, エチルヘキシルグリセリン, プロパンジオール, メトキシ PEG/PPG-7/3アミノプロピルジメチコン , Parfum, (C11-15)パレス-7, 加水分解植物たんぱくPG-プロピルシラントリオール (植物性, Hydrolysed), シスチンビスPG-プロピルシラントリオール, dl-ピロリドンカルボン酸ナトリウム液, dl-ピロリドンカルボン酸, リンゴ酸ジイソステアリル, ジステアリルジモニウムクロリド, ステアラミンオキシド, セトリモニウムクロリド, ラウレス-9, トリデセス-12, ポリシリコン-15, レウコノストック/ダイコン根発酵液 (ろ過, 発酵), 乳酸ナトリウム, ポリソルベート60, 1,2-ペンタンジオール, HEC, カチオン化グアーガム-2, テトラ(ジ-t-ブチルヒドロキシヒドロケイヒ酸)ペンタエリスリチル, エデト酸四ナトリウム, クエン酸, 2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール, BHT, カプリリルグリコール, フェノキシエタノール, クロルフェネシン, ベンジルアルコール, ソルビン酸, α-イソメチルイオノン, 及びL-リモネンのこれら成分全てからなる、前記ヘアコンディショナー組成物;
(2)ヘアコンディショナー組成物であり、水, セテアリルアルコール, セタノール, ベヘントリモニウムクロリド, (アミノエチルアミノプロピルメチコン/ジメチコン)コポリマー, 脂肪酸(C12-18)セチル,イソドデカン, パンテノール, トコフェロール, ソウパルメット果実エキス, ライチーエキス, コメエキス, ワサビノキ種子エキス, ローズマリー葉エキス, ヒマワリエキス, プロパンジオール, オリーブ油脂肪酸水添エチルヘキシル (加水分解), ステアラミンオキシド, ホホバエステル, 水添オリーブ油不けん化物 (加水分解), シロバナルーピンタンパク (Hydrolysed), 加水分解植物たんぱくPG-プロピルシラントリオール (植物性, Hydrolysed), Oryza Sativa Seed Protein, シスチンビスPG-プロピルシラントリオール, 米糠エキス (フスマ), エチルヘキシルグリセリン, ポリソルベート60, サイペラスエスクレンタス根油, ワサビノキ種子油,HEC, メトキシ PEG/PPG-7/3アミノプロピルジメチコン , エデト酸四ナトリウム, トリデセス-12, グリセリン, (C11-15)パレス-7, BHT, セトリモニウムクロリド, ジステアリルジモニウムクロリド, テトラ(ジ-t-ブチルヒドロキシヒドロケイヒ酸)ペンタエリスリチル, ポリシリコン-15, ラウレス-9, クオタニウム-95, カチオン化グアーガム-2, BG, カプリリルグリコール, フィチン酸, 2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール, クエン酸, フェノキシエタノール, ベンジルアルコール, クロルフェネシン, ソルビン酸, 及びParfumのこれら成分全てからなる、前記ヘアコンディショナー組成物;
(3)毛髪のうねり改善用又は絡まり改善用の毛髪化粧料であり、γ-エルカラクトンを配合する、前記毛髪化粧料) - 前記成分(a)、(c)の含有質量割合(a)/(c)が、0.05~5の範囲である請求項1記載の毛髪化粧料。
- 前記成分(a)、(f)の含有質量割合(a)/(f)が、1~5の範囲である請求項1又は2記載の毛髪化粧料。
- 30℃での粘度が10,000~100,000mPa・sである請求項1~3の何れかの一項記載の毛髪化粧料。
- 前記成分(d)の含有量が、1.0~30質量%である請求項1~4の何れかの一項記載の毛髪化粧料。
- 前記成分(c)の含有量が、0.5~30質量%であり、
前記成分(e)の含有量が、40質量%以上である請求項1~5の何れかの一項記載の毛髪化粧料。
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