JP7158731B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機に関する。
いわゆる「設定」に関する示唆(現状設定に関する示唆)がなされるぱちんこ遊技機が公知である(例えば、下記特許文献1参照)。
特開2019-10593号公報
本発明が解決しようとする課題は、面白みのある現状設定に関する示唆を行うことが可能な遊技機を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた本発明にかかる遊技機は、遊技者にとって有利な度合が異なるように複数段階に区分けされた候補設定のうち、いずれかを現状設定として設定する有利度合設定手段と、当否判定結果が当たりとなったときに当たり遊技を実行する当たり遊技実行手段と、前記当たり遊技において払い出された賞球数に基づく利益数値を表示する利益数値表示手段と、前記利益数値を用いて前記現状設定に関する示唆を行う数値示唆演出を実行する演出実行手段と、を備えることを特徴とする。
本発明にかかる遊技機は、面白みのある現状設定に関する示唆を行うことが可能である。
本実施形態にかかる遊技機の正面図である。 表示領域に表示された識別図柄および保留図柄を示した図である。 候補設定と大当たり確率の対応関係を示した図(表)である。 規定回示唆演出の設定変更態様を説明するための図である。 規定回示唆演出に関する第五具体例を示した図である。 補填示唆演出の概要を説明するための図である。 補填示唆演出に関する第一具体例を説明するための図である。 区切数値を説明するための図(数値示唆演出が発生しない場合の利益数値の表示態様を示した図)である。 数値示唆演出の概要を説明するための図である。 特殊数値の例を説明するための図である。 数値示唆演出に関する第一具体例を説明するための図である。 数値示唆演出に関する第三具体例を説明するための図である。 時間示唆演出の概要を説明するための図である。 時間示唆演出の第三具体例を説明するための図である。 時間示唆演出の第四具体例を説明するための図である。 時間示唆演出の第五具体例を説明するための図である。
1)遊技機の基本構成
以下、本発明にかかる遊技機1(ぱちんこ遊技機)の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。
遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
遊技領域902には、表示装置91、始動領域904、大入賞口906、アウト口などが設けられている。表示装置91の表示領域911は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能な部分である。また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動領域904や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
なお、遊技機1の枠体、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は説明を省略する。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
大当たりの抽選は、図示されない制御基板に設けられた当否判定手段が始動領域904への遊技球の入賞を契機として実行する。本実施形態では、始動領域904として、第一始動領域904a(いわゆる「特図1」の始動領域)と第二始動領域904b(いわゆる「特図2」の始動領域)が設けられている。始動領域904への遊技球の入賞を契機として乱数源から数値(当否判定情報)が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、異なる場合にははずれとなる。本実施形態では、当該数値が取得された順に当否判定結果の報知が開始される(いわゆる変動が開始される)こととなるが、未だ当否判定結果の報知が完了していない当否判定情報が存在する場合には、新たに取得された当否判定情報は保留情報として図示されない制御基板に設けられた記憶手段に記憶される。記憶手段に保留情報が記憶されていることは、保留図柄70として表示される。
本実施形態では、保留図柄70として、当否判定結果を報知する報知演出は開始されている(当否判定結果を示す識別図柄80(識別図柄群80g)の変動は開始されている)ものの、当否判定結果の報知は完了していない(当否判定結果を示す態様で識別図柄80(識別図柄群80g)の変動が停止していない)情報(以下、変動中保留情報と称することもある)に対応する変動中保留図柄71(いわゆる「当該変動保留」の存在を示す図柄)と、当否判定結果を報知する報知演出が開始されていない(当否判定結果を示す識別図柄80(識別図柄群80g)の変動が開始されていない)情報(以下、変動前保留情報と称することもある)ものに対応する変動前保留図柄72が表示される(図2参照)。本実施形態では、変動中保留図柄71と変動前保留図柄72の基本的な形態は同じであり、両者を区別するために変動中保留図柄71の方が変動前保留図柄72よりも大きく表示される。変動中保留図柄71と変動前保留図柄72の基本的な形態が全く異なるものとしてもよい。
変動前保留情報の最大の記憶数は上限が決められている。本実施形態では、第一始動領域904aに入賞することによって得られる第一変動前保留情報(特図1保留)の最大の記憶数は四つであり、第二始動領域904bに入賞することによって得られる第二変動前保留情報(特図2保留)の最大の記憶数は四つである。したがって、特図1および特図2の一方に相当する保留図柄70に関していえば、一つの変動中保留図柄71と、最大四つの変動前保留図柄72が表示されることがある(図2参照)。
本実施形態では、公知の遊技機と同様に、表示装置91の表示領域911に表示される識別図柄80(図2参照)の組み合わせによって当否判定結果を遊技者に報知する。具体的には、複数種の識別図柄80を含む識別図柄群80g(左識別図柄群80gL、中識別図柄群80gC、右識別図柄群80gR)が変動を開始し、最終的に各識別図柄群80gから一の識別図柄80が選択されて停止する。大当たりに当選している場合には各識別図柄群80gから選択されて停止した識別図柄80の組み合わせは所定の組み合わせ(例えば、同じ識別図柄80の三つ揃い)となる。はずれである場合にはそれ以外(大当たりとなる組み合わせ以外)の組み合わせとなる。識別図柄80は、数字とキャラクタ等が組み合わされたものとしてもよい。
なお、図2以外の少なくとも一部の図面においては、保留図柄70や識別図柄80の図示を省略する。
本実施形態では、遊技状態として、通常遊技状態と特別遊技状態が設定されている。特別遊技状態は、通常遊技状態に比して遊技者に有利な遊技状態である。通常遊技状態は、大当たりに当選する確率が低い低確率遊技状態であり、かつ、始動領域904に遊技球が入賞しにくい低ベース状態(低確率・時短無)である。特別遊技状態としては、第一特別遊技状態と第二特別遊技状態が設定されている。第一特別遊技状態は、大当たりに当選する確率が高い高確率遊技状態であり、かつ、始動領域904に遊技球が入賞しやすい高ベース状態(高確率・時短有)である。第二特別遊技状態は、大当たりに当選する確率が低い低確率遊技状態であり、かつ、始動領域904に遊技球が入賞しやすい高ベース状態(低確率・時短有)である。通常遊技状態においては、遊技者は、第一始動領域904aを狙って遊技球を発射させる。本実施形態では、いわゆる「左打ち」を行う。特別遊技状態は、第二始動領域904bを狙って遊技球を発射させる。本実施形態では、いわゆる「右打ち」を行う。特別遊技状態は、普通始動領域905に遊技球が進入することを契機とした第二始動領域904bの開放抽選に当選しやすい状態であるため、比較的容易に第二始動領域904bに遊技球が入賞する。なお、遊技状態の移行に関する設定はどのようなものであってもよいから説明を省略する。また、上記のような遊技状態が設定されていることはあくまで一例である。
本実施形態における遊技機1は、いわゆる「確変ループ機」である。大当たりとして、通常大当たりおよび特別大当たりが設定されている。通常大当たりに当選した後は、第二特別遊技状態(低確率・時短有)に移行する。特別大当たりに当選した後は第一特別遊技状態(高確率・時短有)に移行する。第二特別遊技状態は所定回数(例えば100回)連続して当否判定結果がはずれとなるまで継続する。第二遊技状態にて所定回数連続して当否判定結果がはずれとなった場合には通常遊技状態に移行する。第一特別遊技状態は当否判定結果が大当たりとなるまで継続する。いわゆる「確変割合」は適宜設定することができる。本実施形態では、全大当たりに占める特別大当たりの割合は65%である(通常大当たりは45%である)。
2)設定
本実施形態にかかる遊技機1は、いわゆる「設定付ぱちんこ」である。ここでいう「設定」とは、遊技者にとって有利な度合が異なるように複数段階に区分けされたもののそれぞれをいう。「有利な度合」に差をつける手法としては種々考えられる。本実施形態では、当否判定(当否抽選)に当選する確率、すなわち大当たり確率に差をつけている。少なくとも、低確率遊技状態における大当たり確率が設定毎に異なるものとされる(図3参照;当該図に示した大当たり確率は、低確率遊技状態における大当たり確率である)。高確率遊技状態における大当たり確率が設定毎に異なるものとしてもよい。本実施形態では、候補設定1~6の六種類が設けられている。候補設定1から順に大当たり確率が高くなる(候補設定6が最も大当たり確率が高い)。当然ではあるが、大当たり確率が高いほど大当たりに当選しやすいということであるため、「設定1」が遊技者にとって最も不利な設定であり、「設定6」が遊技者にとって最も有利な設定であるといえる。当該候補設定1~6のいずれかが現状の設定(以下、現状設定と称する)として遊技店員によりセットされ、遊技店において遊技者に供されることになる(遊技者は現状設定を変更することはできない)。当該現状設定のセット・変更のための構造はどのようなものであってもよいから詳細な説明を省略する。例えば、遊技機1内部に設定キーを挿入することが可能な鍵穴を設け、当該設定キーを操作することで、現状設定をセット・変更することができるようにすることが考えられる。
なお、「有利な度合」に差をつける手法は、大当たり確率に限られない。遊技者の利益(出玉の期待値)に影響を及ぼす確率であれば、その他の確率が対象とされていてもよい。例えば、大当たり遊技終了後の遊技状態が高確率遊技状態に移行する大当たりの割合(いわゆる確率変動割合)が対象とされていてもよい。つまり、確率変動割合が異なる複数種の候補設定が設けられ、当該候補設定のうちのいずれかが現状設定としてセットされる構成とする。
3)設定示唆
本実施形態にかかる遊技機1は、現状設定に関する示唆を行う示唆演出を実行することが可能である。示唆演出の作用である「現状設定に関する示唆」の態様としては、大まかにみて二つある。一つは、いわゆる「設定変更」がなされたかどうかの示唆(設定変更示唆)である。遊技店側による現状設定の変更の方法等は上述した通りであるが、現状設定の変更がなされたことが示唆演出により示唆されることがある。なお、「設定変更」には現状設定とされている候補設定と同じ候補設定を設定した場合(いわゆる設定の「打ち直し」)も含まれるものとする。つまり、「設定変更」がなされたか否かは、厳密には、現状設定が変わったか否かではなく、複数の候補設定のうちのいずれかを現状設定として設定する操作を行ったか否かに相当するものである。
もう一つは、いずれの候補設定が現状設定として設定されているのかについての示唆(現状設定示唆)である。このような示唆演出による示唆作用に基づきながら、遊技者は現状設定を推測しつつ遊技を楽しむことになる。
以下、本実施形態にかかる遊技機1が実行可能な各種示唆演出について説明する。なお、以下で説明する各種示唆演出は、それぞれを区別するために「〇〇示唆演出」と称する。また、以下で説明する各種示唆演出の全てが実行可能である必要はない。一部の種類の示唆演出のみが実行可能であってもよい。また、以下の説明において単に「画像」というときは、静止画だけでなく動画を含むものとする。
3-1)規定回示唆演出
当否判定情報が取得されることを契機として、当該当否判定情報に基づく当否判定結果を報知する報知演出(識別図柄80が変動を開始してから当否判定結果を示す組み合わせで停止するまでの演出)が実行される。本実施形態では、所定のリセット条件が成立してから所定回目の当否判定結果を報知する報知演出(以下、規定回報知演出と称する)にて現状設定を示唆する示唆演出である「規定回示唆演出」を実行する。
上記リセット条件は、遊技機1の電源がONとされることにより成立するものである(電源ONの前には必ず電源OFFとされるのであるから、電源OFFとされることがリセット条件であるということもできる)。遊技店が遊技機1の電源を開店前にONするのであれば、リセット条件が成立した状態はいわゆる「朝一」状態であるということができる。
本実施形態では、リセット条件が成立した後、N回目(Nは2以上の自然数である)の報知演出(以下、N回目報知演出と称する)に規定回示唆演出が発生する。電源ON後、いわゆる「N回転目」に規定回示唆演出が発生する。本実施形態における規定回示唆演出は、上述した「設定変更示唆」に相当するものである。設定変更がなされた場合にはN回目報知演出にて規定回示唆演出として「設定変更態様」が発生する。一方、設定変更がなされなかった場合にはN回目報知演出にて規定回示唆演出として「設定変更態様」ではない態様(以下、当該態様を「通常態様」と称することもある)が発生する。つまり、遊技者は、N回目の報知演出にて「設定変更態様」の規定回示唆演出が発生するか否かにより、設定変更がなされたか否かを遊技者が把握することが可能である。規定回示唆演出の結果として、「「設定変更態様」が発生する結果」と「「設定変更態様」が発生しない結果(「通常態様」が発生する結果)」が設定されているとみることもできる。すなわち、「所定の演出が発生しない」という結果も示唆の一種であるといえる。
本実施形態では、N=50に設定されている。つまり、リセット条件後、50回目の報知演出(営業日毎に電源ONとされているのであればいわゆる「朝一」状態から遊技をはじめて50回転目)にて「設定変更態様」の規定回示唆演出が発生するか否かにより、設定変更がなされたかどうかを把握することが可能である。遊技店の営業開始時点ではリセット条件が成立していると考えられるから、遊技店の各営業日にて誰も遊技していない状態から50回目の報知演出まで遊技することの価値が高くなる。
なお、本実施形態では、リセット条件が成立してから50回目(N回目)の報知演出が実行されるまでの間に大当たりに当選した場合(1~49回目の報知演出で大当たりに当選した)であっても、リセット条件が成立してから50回目の報知演出にて規定回示唆演出が発生するようにしている(大当たり遊技終了後、規定回示唆演出が発生するということである)。つまり、大当たり当選の有無に拘わらず、リセット条件が成立してから50回目の報知演出にて必ず規定回示唆演出が発生するものとしている。ただし、50回目(N回目)の報知演出が実行されるまでの間に大当たりに当選した場合には、大当たりに当選したことに遊技者が満足しているであろうから、50回目の報知演出にて規定回示唆演出を発生させる必要はないとしてもよい。つまり、リセット条件が成立してから49回目までの当否判定結果が連続してはずれとなる場合に限り、規定回示唆演出が発生するようにしてもよい。
規定回示唆演出の「設定変更態様」はどのようなものであってもよい。本実施形態における「設定変更態様」(図4参照)は、報知演出開始時における識別図柄80の変動開始アクションが、通常時(「通常態様」時)の変動開始アクションと異なるものである。具体的には、変動を開始した識別図柄80が一旦わずかに停止する(変動を開始した識別図柄80が「つっかえる」ような状況が発生する)(図4(b)参照)ことが「設定変更態様」として設定されている。なお、通常態様は、識別図柄80はこのような停止が発生することなく(図4(b)に示すような状況が発生することなく)、変動速度を次第に高めるように変化していく(「つっかえる」ような状況が発生することなく、スムーズに変動する)態様である。
規定回示唆演出の「設定変更態様」は、N回目報知演出以外の報知演出においては発生しないようにされる。つまり、N回目報知演出にて規定回示唆演出を見逃してしまった場合には、規定回示唆演出による設定変更示唆作用を享受することができない。また、N回目報知演出以外の報知演出においては「設定変更態様」(特殊な識別図柄80の変動開始アクション)が発生しないから、N回目報知演出にて発生した「設定変更態様」が通常とは異なるものであることを把握することが可能である。
このように、本実施形態にかかる遊技機1によれば、N回目変動中演出にて現状設定に関する示唆がなされるという面白みのある遊技性を実現することが可能である。遊技者は、N回目報知演出にて規定回示唆演出が発生することを遊技者が知っていれば、少なくともN回目報知演出までは遊技しよう考える蓋然性が高くなるから、遊技の促進に資することになる。
以下、上記規定回示唆演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
〇第一具体例
上記実施形態では、リセット条件が成立してからN回目の報知演出にて規定回示唆演出が発生するものであることを説明したが、当該Nの値は2以上であれば適宜変更可能である。Nの値が少なすぎると遊技の促進効果が低いというデメリットがある。Nの値が多すぎると規定回数演出に接するまでに必要な報知演出の回数が多くなり、規定回数示唆演出が発生するまで遊技しようとする遊技者が少なくなってしまうおそれがあるというデメリットがある。
Nの値が抽選等により決定される構成(すなわち、Nの値が一定ではない構成)としてもよい。例えば、リセット条件が成立することを契機として抽選が実行され、当該抽選によりNの値が決定されるものとする。後述するαの値も抽選等により決定される構成としてもよい。
〇第二具体例
上記実施形態では、設定変更時にはN回目報知演出にて「設定変更態様」の規定回示唆演出が発生するものであること(100%の確率で発生するものであること)を説明したが、設定変更がなされた場合であっても「設定変更態様」の規定回示唆演出が発生するとは限らない構成としてもよい。例えば、設定変更時にN回目報知演出にて「設定変更態様」の規定回示唆演出が発生する確率を80%とする(当選確率80%の抽選に当選した場合に「設定変更態様」の規定回示唆演出が発生するようにする)。このようにすることで、N回目報知演出にて「設定変更態様」の規定回示唆演出が発生しなかった場合であっても、設定変更の可能性があるという遊技性を実現することが可能である。
〇第三具体例
上記実施形態における規定回示唆演出は、「設定変更示唆」に相当するものであることを説明したが、「現状設定示唆」であってもよい。「現状設定示唆」を行う規定回示唆演出としては様々なものが考えられる。以下にその例を示すが、以下に示す例以外のものも考えられる。
N回目報知演出にて規定回示唆演出として所定の態様の演出が発生した場合には、現状設定が所定の候補設定以上であることが確定する構成とする。例えば、N回目報知演出にて規定回示唆演出として所定の態様の演出が発生した場合には、「設定4」以上(「設定4」、「設定5」、「設定6」のいずれか)が確定するといったように、ある設定よりも高設定であることが確定するというものとする。「設定6」以上(すなわち「設定6」であること)が確定するような構成としてもよい。
N回目報知演出にて規定回示唆演出として所定の態様の演出が発生した場合には、現状設定が所定の候補設定以上である蓋然性が高くなる構成とする。例えば、現状設定が低設定(「設定1」~「設定3」)である場合よりも、高設定(「設定4」~「設定6」)である場合の方が、N回目報知演出にて規定回示唆演出として所定の態様の演出が発生する蓋然性が高い構成とする。
規定回示唆演出の態様として複数種の態様が設定され、当該規定回示唆演出の態様に応じ、現状設定が示唆されるものとする。例えば、規定回示唆演出の態様として第一態様~第三態様の三種類が設定され、第一態様、第二態様、第三態様の順で、発生したときに高設定である蓋然性が高くなるようなものとする。
〇第四具体例
上記実施形態におけるリセット条件は、遊技機1の電源がONとされることであることを説明したが、その他の条件も考えられる。報知演出が実行された回数(変動回数)を記憶する記憶手段と、当該変動回数をリセットする(0とする)ことができる手段を備え、当該変動回数がリセットされることをリセット条件の成立として設定することが考えられる。いずれにせよ、リセット条件は、遊技者が意図的に成立させることが可能な条件でないこと(基本的には遊技店(店員)の行動に起因して成立する状況であること)が必要である。遊技者が意図的にリセット条件を成立させることができるとすると、意図的に規定回示唆演出が発生する状況を作り出すことができるということであるからである。
〇第五具体例
リセット条件が成立してから、N-α回目(αは1以上かつN未満の自然数である)の報知演出においても、規定回示唆演出が実行されるものとする。N-α回目報知演出は、N回目報知演出よりもα回分先に実行される報知演出であるということもできる。端的に言えば、リセット条件成立後のN回目の変動だけでなく、N-α回目の変動でも規定回示唆演出が発生するものとする。例えば、N=50、α=49とすれば、リセット条件成立後、1回目の報知演出(1回転目)および50回目の報知演出(50回転目)において規定回示唆演出が発生することになる。
ここで、リセット条件が成立してからN-α回目報知演出にて発生する規定回示唆演出(以下、第一規定回示唆演出と称することもある)による示唆の内容と、その後のN回目報知演出にて発生する規定回示唆演出(以下、第二規定回示唆演出と称することもある)による示唆の内容については、以下の「第一形態」として示すような関係とすることも考えられるし、「第二形態」として示すような関係とすることも考えられる。
・第一形態
第一規定回示唆演出による示唆の内容と、第二規定回示唆演出による示唆の内容とは、異なる可能性がある構成とする。例えば、規定回示唆演出として第一態様の演出(例えば、「星」の画像が表示される演出。図5(a)参照)が発生した場合の方が、第二態様の演出(例えば、「ヘリコプター」の画像が表示される演出。図5(b)参照)が発生した場合に比して「設定6」の蓋然性が高まるものとする。具体的には、図5に示すように、現状設定が「設定6」であれば60%の確率で第一態様の演出が発生(40%の確率で第二態様の演出が発生)することになる態様決定抽選が行われ、設定6以外(設定1~5のいずれか)であれば10%の確率で第一態様の演出が発生(90%の確率で第二態様の演出が発生)する態様決定抽選が行われるものとする。なお、第二態様の演出は、「何も発生しない」(第一態様の演出が発生しない)というものであってもよい。
このような構成であることを前提とし、N-α回目報知演出にて第一態様の演出を発生させるかどうかの態様決定抽選が行われるとともに、N回目報知演出にて第一態様の演出を発生させるかどうかの態様決定抽選が行われるようにする。つまり、N-α回目とN回目にて、別個の態様決定抽選が行われる(同じ振分の抽選が二回行われる)ことになる。よって、いずれの規定回示唆演出も第一態様の演出となることや、いずれの規定回示唆演出も第二態様の演出となる可能性もあるし、一方の規定回示唆演出は第一態様の演出となるが、他方の規定回示唆演出は第二態様の演出となるという可能性もある。つまり、第一規定回示唆演出による示唆の内容と第二規定回示唆演出による示唆の内容とが異なりうるということになる(図5(i)参照)。確率的にいえば、(a)いずれの規定回示唆演出も第二態様の演出となった場合、(b)一方の規定回示唆演出が第一態様の演出となり、他方の規定回示唆演出は第二態様の演出となった場合、(c)いずれの規定回示唆演出も第一態様の演出となった場合(最も高い)の順で、現状設定が「設定6」である蓋然性が高くなるということになる。
このように、第一規定回示唆演出による示唆の内容、および、第二規定回示唆演出による示唆の内容をどのようにするかについての抽選がそれぞれ別個に行われる(両演出による示唆の内容が異なりうる)ようにすることで、遊技者は各規定回数示唆演出それぞれの示唆の内容により、現状設定について推測することになる。第一規定回示唆演出による示唆の内容と、第二規定回示唆演出による示唆の内容が異なるものとなる可能性があるということになるから、第一規定回示唆演出に接した遊技者であっても、第二規定回示唆演出が発生するまで(N回目報知演出まで)遊技を継続する価値があるといえる。
なお、第一規定回示唆演出による示唆の内容と第二規定回示唆演出による示唆の内容の異同は、演出として表示される画像の態様(例えば、識別図柄80の種類等まで含む画像の態様)が完全に同一か否かで判断されるものではない。あくまで、示唆に関係する事柄が同一であるかどうかで判断される(以下の第二形態においても同じ)。
・第二形態
第一規定回示唆演出による示唆の内容と、第二規定回示唆演出による示唆の内容とは、同じである設定とする。例えば、上記第一形態として説明したように、規定回示唆演出として第一態様の演出(図5(a)参照)が発生した場合の方が、第二態様の演出(図5(b)参照)が発生した場合(第一態様の演出が発生しなかった場合)に比して「設定6」の蓋然性が高まるものとする。具体的には、図5に示すように、現状設定が「設定6」であれば60%の確率で第一態様の演出が発生(40%の確率で第二態様の演出が発生)することになる態様決定抽選が行われ、設定6以外(設定1~5のいずれか)であれば10%の確率で第一態様の演出が発生(90%の確率で第二態様の演出が発生)する態様決定抽選が行われるものとする(態様決定抽選自体は第一形態と同じである)。
第一規定回示唆演出の態様を決定するための態様決定抽選を行い、それによって決定された態様が、第二規定回示唆演出においても実行されるようにする。端的に言えば、態様決定抽選を一回のみ行うということである。したがって、第一規定回示唆演出が第一態様の演出となった場合には、必ず、第二規定回示唆演出も第一態様の演出なる。第一規定回示唆演出が第二態様の演出となった場合には、必ず、第二規定回示唆演出も第二態様の演出となる(図5(ii)参照)。
N-α回目報知演出にて遊技者が第一規定回示唆演出(第一規定回示唆演出の態様)を見逃してしまう可能性がある。これに対し、N回目報知演出における第二規定回示唆演出による示唆の内容が、n-α回目報知演出における第一規定回示唆演出による示唆の内容と同じとなるようにすれば、第二規定回示唆演出により、(遊技者が見逃してしまった)第一規定回示唆演出と同様の現状設定に関する示唆作用を享受することができる。
なお、第一形態および第二形態のいずれにおいても、N-α回目報知演出およびN回目報知演出以外の報知演出においては、規定回示唆演出(上述した第一態様の演出や第二態様の演出)が発生しないように(図5(a)や(b)に示した「星」や「ヘリコプター」の画像が表示されることがないように)されるとよい。つまり、N-α回目報知演出およびN回目報知演出にて規定回示唆演出を見逃してしまった場合には、規定回示唆演出による設定変更示唆作用を享受することができないようにするとよい。このようにすることで、N-α回目報知演出およびN回目報知演出にて発生する第一態様の演出や第二態様の演出が現状設定を示唆する類の演出ではないかということに遊技者が気付く蓋然性が高まる。
〇第六具体例
上記第五具体例と同様に、N-α回目報知演出にて第一規定回示唆演出が発生し、N回目にて第二規定回示唆演出が発生するものとする。これを前提とし、第一規定回示唆演出および第二規定回示唆演出の組み合わせにより現状設定に関する示唆がなされるものとする。「現状設定示唆」がなされるケースを例に以下具体的に説明する。
第一規定回数示唆演出および第二規定回数示唆演出は、ともに、所定の事象が発生するか否かの演出であるとする。その一例としては、表示領域911に所定の画像が表示されるか否かの演出を挙げることができる。当該所定の画像が表示される結果を「画像有」、表示されない結果を「画像無」とすると、第一規定回数示唆演出の結果と第二規定回数示唆演出の結果の組み合わせとしては以下の四つのパターンが存在することになる。
(パターン1)第一規定回数示唆演出「画像無」・第二規定回数示唆演出「画像無」
(パターン2)第一規定回数示唆演出「画像有」・第二規定回数示唆演出「画像無」
(パターン3)第一規定回数示唆演出「画像無」・第二規定回数示唆演出「画像有」
(パターン4)第一規定回数示唆演出「画像有」・第二規定回数示唆演出「画像有」
このパターンの少なくともいずれかの発生が「現状設定示唆」であるものとする。例えば、パターン4が発生した場合には「設定6」が確定する(「設定6」である確率が高くなる)、パターン3が発生した場合には偶数設定(設定2、4、6)が確定する(偶数設定である確率が高くなる)、といったように、あるパターンに対し、所定の設定示唆内容が対応づけられた設定とする。つまり、第一規定回数示唆演出および第二規定回数示唆演出のそれぞれに単独で接しただけでは、現状設定に関する示唆作用を享受することは困難であるが、両規定回数示唆演出に接すれば(両規定回数示唆演出の結果を組み合わせれば)現状設定に関する示唆作用を享受することができる態様とする。このようにすることで、N-α回目報知演出で遊技を終了するのではなく、少なくともN回目報知演出まで遊技を継続しようとする遊技者の増加が見込める。
なお、第一規定回数示唆演出と第二規定回数示唆演出の組み合わせのパターンとして発生しうるもののうちの少なくとも一つは、「デフォルトのパターン」として設定されていることが好ましい。当該「デフォルトのパターン」は、発生する蓋然性が最も高いパターンとされる。第一規定回数示唆演出および第二規定回数示唆演出が、所定の事象が発生するか否かの演出であるとするのであれば、第一規定回数示唆演出および第二規定回数示唆演出の両方とも所定の事象が発生しないパターン(上記例でいうパターン1)が「デフォルトのパターン」として設定されているとよい。
3-2)補填示唆演出
補填示唆演出は、遊技者にとって有利な状態が強制的に終了することを条件として発生する演出である。遊技者にとっては「有利な状態」が終了することは望んでいない事象であるから、当該事象が発生したことの代償として補填示唆演出が発生するとみることもできる。
本実施形態では、通常遊技状態に移行することなく、特別遊技状態にて当否判定結果が大当たりとなる回数(いわゆる連チャン回数。通常遊技状態にて当選した最初の大当たり(いわゆる初当たり)を連チャン回数に含めてもよいし、含めなくてもよい)が所定回数X(以下、リミット回数Xと称することもある)に到達した場合には、強制的に特別遊技状態が終了する(X回目の大当たり遊技終了後に通常遊技状態に移行する)ように設定されている。つまり、上記「有利な状態」は特別遊技状態であり、当該「有利な状態」が強制的に終了する条件(以下、終了条件と称することもある)として、「いわゆる連チャン回数がリミット回数Xに到達したこと」が設定されているということである。換言すれば、補填示唆演出は、当該終了条件の成立を契機として発生するということである。
本実施形態における補填示唆演出は「現状設定示唆」である。つまり、いずれの候補設定が現状設定として設定されているのかについての示唆である。補填示唆演出による具体的な示唆態様はどのようなものであってもよい。本実施形態では、特別遊技状態が終了したことを示す画像(文字)の色により現状設定を示唆する。図6(a)に示すように、連チャン回数=X回である大当たり遊技の終了時には、特別遊技状態が終了することを示す文字が表示される。当該文字の少なくとも一部の色による演出が補填示唆演出である。当該文字の色として白、緑、赤の三種類が設定され、文字の色が白である場合よりも緑である場合の方が、緑である場合よりも赤である場合の方が、高設定である蓋然性が高くなるように設定されている(図6(b)参照)。補填示唆演出は、現状設定を明示的に示すものではないが、遊技者は雑誌やウェブサイトから上記のように設定されている情報を得た上で、補填示唆演出の内容から現状設定を推測しつつ楽しむことになる。
連チャン回数がリミット回数に到達するということは、強制的に特別遊技状態(連チャン)が終了するということであって遊技者にとって酷なことであるといえるから、その代償として現状設定に関する示唆を遊技者が享受することができるようにし、強制的に特別遊技状態が終了させられたことの心理的な苦痛を和らげられる。
また、本実施形態における補填示唆演出は、有利な状態が終了したこと(換言すれば終了条件が成立したこと)を示す文字の色によるものであるから、有利な状態が終了したことの報知と同時に実行されるものであるといえる。すなわち、本実施形態における補填示唆演出は、終了条件が成立した場合に限り発生しうるものであるといえる。このように、補填示唆演出は、「連チャン回数がリミット回数に到達する」という事象が発生した場合に限り発生するという希少性を有するものであるため、当該演出を発生させることを目的に遊技する遊技者が現れることも考えられ、遊技の促進に資することになる。
なお、本実施形態のような補填示唆演出とすることはあくまで一例である。また、終了条件が成立することを契機として補填示唆演出を発生させるか否かの抽選を行い、当該抽選に当選した結果として補填示唆演出を発生させる構成(補填示唆演出の発生確率が100%ではない構成)としてもよい。本実施形態では、上記のような抽選を経て、補填示唆演出が発生するかどうかが設定される。
以下、上記補填示唆演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
〇第一具体例
上記実施形態における補填示唆演出が発生する契機となる終了条件は、「連チャン回数がリミット回数に到達すること」であることを説明したが、遊技者に有利な状態を強制的に終了させることになる条件であればよい。
このような終了条件の一例としては、所定の期間内に得られた利益が予め定められた上限値(基準値)に到達することによって成立する条件を挙げることができる。ぱちんこ遊技機であればいわゆる連チャン(二以上の大当たり遊技)を通じて得られた利益(遊技球の数)が上限値に到達することを終了条件の成立とすることが考えられる。上記所定の期間は、いわゆる初当たりから連チャンが終了するまでの期間である。つまり、上記所定の期間が終了する条件は、連チャンが終了すること(連チャン回数が増加する可能性がなくなること)、すなわち通常遊技状態に移行するということになる。
一方、回胴式遊技機であれば、遊技者に有利な状態(いわゆる有利区間)で得られた利益(メダルの数)が上限値に到達することを終了条件の成立とすることが考えられる。つまり、上記所定の期間は「有利区間」である(「通常区間」に移行することで上記所定の期間が終了する)。
このように、所定の期間内にて得られる利益(ぱちんこ遊技機であれば遊技球の数、回胴式遊技機であればメダルの数)が所定の基準値(上限)に到達することによって遊技者に有利な状態が強制的に終了するようなゲーム性が搭載されているものにおいて、上記利益が上限値に到達して有利な状態が強制的に終了させられることの代償として補填示唆演出を発生させるようにする。例えば、利益が上限値に到達して有利な状態が終了したことを報知すると同時に、補填示唆演出が実行されるようにする。図7に示した例は、利益が上限に到達したことを祝福する文字の色により現状設定が示唆されるものである。
なお、上記利益が上限値に到達したか否かは、払い出された(獲得した)遊技球数(メダル数)から投入された遊技球数(メダル数)を差し引いたいわゆる「差球」ベースで判断されるものであってもよいし、払い出された遊技球数(メダル数)のみで判断されるものであってもよい。
また、別例としては、高確率遊技状態が次回大当たりに当選するか、転落抽選に当選するかまで継続する遊技機(いわゆる転落抽選タイプの遊技機)において、転落抽選に当選して高確率遊技状態が終了することが終了条件として設定された構成とすることが考えられる。すなわち、遊技者に有利な状態である高確率遊技状態が強制的に終了させられる代償として補填示唆演出を発生させるようにする。
〇第二具体例
補填示唆演出は、複数の候補設定のうちの一または二以上が、現状設定として設定されている可能性が無いことを確定させるものである構成とする。例えば、
・「設定6が確定」(設定1~5が現状設定として設定されている可能性が無いことが確定)
・「設定4以上が確定」(設定1~3が現状設定として設定されている可能性が無いことが確定)
といったものが補填示唆演出として発生するようにする。遊技者の視点で言えば、補填示唆演出が発生した場合、一部の候補設定については現状設定とされている可能性が排除されるということである。
終了条件が成立することで遊技者に有利な状態が強制的に終了することは遊技者にとって酷なことであるといえるから、その代償として実行される補填示唆演出の価値を高めるため、複数の候補設定のうちの一または二以上が現状設定として設定されている可能性が排除され、その他の候補設定が現状設定とされていることが確定する(現状設定の絞り込みができる)ようにするとよい。
〇第三具体例
上記実施形態における補填示唆演出は「現状設定示唆」であることを説明したが、補填示唆演出が「設定変更示唆」である構成としてもよい。例えば、「設定変更」がなされた場合においては終了条件が成立したことを契機として補填示唆演出が発生する一方、「設定変更」がなされなかった場合においては終了条件が成立しても補填示唆演出が発生しないようにする。つまり、終了条件成立時における補填示唆演出の発生の有無により、「設定変更」がなされたか否かが判別できるようにする。
これとは異なり、終了条件が成立することを契機として必ず補填示唆演出が発生するものとし、当該補填示唆演出の態様により、「設定変更」がなされたかどうかが判別できるようにしてもよい。補填示唆演出の態様として、第一態様および第二態様が発生するようにし、「設定変更」がなされた場合は第一態様の補填示唆演出が、「設定変更」がなされなかった場合は第二態様の補填示唆演出が実行されるようにする。
3-3)数値示唆演出
数値示唆演出は、当否判定結果が大当たりとなったときに実行される大当たり遊技中に実行されるものである。具体的には、大当たり遊技中に表示領域911に表示される利益数値30を用いた現状設定示唆である。利益数値30は、大当たり遊技において払い出された賞球数に基づくものである。本実施形態では、大当たり遊技中に払い出された賞球数そのものが利益数値30(賞球数=利益数値30である)として表示される。賞球数から発射された遊技球の数を差し引いた数(すなわち、増加した遊技球の数)が利益数値30として表示されるようにしてもよい。また、上記賞球数には、大入賞口以外の入賞口に入賞することによって払い出されたものが含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。さらに、ここでいう(賞)「球」とは、遊技媒体という意味であり、例えば回動式遊技機であれば払い出されたメダルの枚数に基づく数が利益数値30ということである。
本実施形態における利益数値30は、所定のリセット条件が成立するまでリセットされない(加算され続けていく)。本実施形態では、当該リセット条件として通常遊技状態に移行することが設定されている。つまり、特別遊技状態にて大当たりに当選する限りにおいては(いわゆる連チャン中は)、利益数値30がリセットされずに加算されていく。したがって、利益数値30をみることで、連チャンを通じて得られた大まかな利益を遊技者は把握することが可能である。
上記利益数値30の一つの概念として区切数値32というものが設定されている。区切数値32は、賞球数が予め定められた区切りとなる区切数に到達することを契機として表示されるものである。本実施形態における区切数は、5000個間隔に設定されている。つまり、賞球数が5000個に到達する度に(5000、10000、15000・・・という順で)区切数値32が表示される(図8参照)。区切数同士の間隔は一定でなくてもよい。例えば、1000、5000、10000・・・というように区切数値32が表示される構成としてもよい。なお、本実施形態では、利益数値30として通常数値31は常時表示される。賞球数が区切数に到達した場合には、通常数値31に代えて、または、通常数値31とともに区切数値32が表示される(図8(b)(c)参照)。つまり、通常数値31は常時表示されるものである一方、区切数値32は賞球数が区切数に到達したときに一時的に表示されるものである。また、区切数値32は通常数値31よりも大きく表示されるとよい。また、区切数値32は通常数値31よりも表示領域911の中央側に表示されるとよい。このようにすることで、賞球数が区切数に到達したことが強調されることになる。
本実施形態では、利益数値30として、上記区切数値32とは異なる概念である特殊数値33が設定されている。特殊数値33は、賞球数が区切数以外の数である特殊数に到達したことを契機として表示される値である(図9(特に図9(c))参照)。特殊数値33は、賞球数が特殊数に到達したことを示す作用だけでなく、現状設定を示唆する作用も発現するものである。つまり、当該特殊数値33が表示されることが「数値示唆演出」である。
特殊数値33は、現状設定の示唆のパターンの数と同数設定されている。特殊数値33の一部の値は、候補設定の値(「1」~「6」の数字)のいずれかを含むものとされる。本実施形態では、以下のような特殊数値33が設定されている。なお、以下に示す特殊数値33の一部のみが特殊数値33として設定された構成としてもよいし、以下に示す特殊数値33以外の数値が特殊数値33として設定された構成としてもよい。
・下三桁が「1・3・5」「2・4・6」である特殊数値(図10(a)参照)
例えば、「5135」や「13246」が該当する。下三桁が「1・3・5」の特殊数値33は現状設定が奇数設定(設定1、3、5のいずれか)である場合の方が出現しやすい。下三桁が「2・4・6」の特殊数値33は現状設定が偶数設定(設定2、4、6のいずれか)である場合の方が出現しやすい。下三桁が「1・3・5」の特殊数値33が出現した場合には現状設定が奇数設定であることが確定する、下三桁が「2・4・6」の特殊数値33が出現した場合には現状設定が偶数設定であることが確定する、といった構成としてもよい。
・下三桁が「4・5・6」である特殊数値(図10(b)参照)
例えば、「7456」が該当する。現状設定が設定4~6のいずれかである場合の方が、設定1~3のいずれかである場合よりも出現しやすい。出現した場合には設定4~6のいずれかが確定するような構成としてもよい。
・下三桁の少なくともいずれかに現状設定を示唆する数字を含む特殊数値(図10(c)参照)
例えば、現状設定が「設定6」であることを示唆するものとして、「8666」が設定された構成とする。現状設定が設定6である場合の方が、設定1~5のいずれかである場合よりも当該数値が出現しやすい。出現した場合には設定6が確定するような構成としてもよい。「8006」等、下三桁のうちの一部のみを用いた構成としてもよい。
このように、特殊数は、「キリの良い数」ではないから、本来であれば当該数に到達したことが報知(強調)されることは考えにくい。事実、本実施形態では、基本的には区切数(5000個刻み)で、「キリの良い数」に到達したことが遊技者に報知(強調)されることを基本態様(図8に示すような態様)としている。これを前提とし、本来であれば強調されないような数(特殊数値33)が強調して表示される(図9(c)に示すような状況が発生する)ことで、遊技者は当該数が何らかの示唆を行っているのではないかということに気付きやすくなる。
また、本実施形態における特殊数値33は、実際に払い出された賞球数が特殊数に到達してはじめて表示されるものである。すなわち、特殊数値33による設定示唆作用は、特殊数に対応する値まで利益が得られないと享受できないものであるから、遊技の促進に資するといえる。
また、本実施形態における現状設定の示唆は、特殊数値33の最も小さな桁から3桁分の数字を用いてなされる(最大「三つ」の数字を現状設定示唆に利用することができる)。つまり、一の位、十の位、百の位という3桁分の数字を用いてなされる。当該桁数をN(Nは0を除く自然数である)とすると、当該Nは、区切数値32同士の差を特定するために用いられる値となる。具体的には、区切数値32同士の差は10(Nは0を除く自然数である)以上に設定されているということである。すなわち、本実施形態のように3桁分の数字を用いて現状設定の示唆がなされるためには、区切数値32同士の差は「10=1000」以上であることが好ましい。本実施形態では、区切数値32同士の差は「5000」であるため、当該要件を満たす。本実施形態とは異なり、2桁分の数字を用いて現状設定の示唆を行う場合は、区切数値32同士の差は「10=100」以上であることが好ましいということである。
区切数値32同士の差が10以上であるということは、小さな桁から数えてN桁分は、通常であれば当然に「0」が表示される箇所であって大きな意味を持たない(遊技者がそれほど関心を示さない)数字ということになる。つまり、10個以上の賞球の増加があってはじめて新たな区切数値32が表示されることを踏まえれば、小さな桁から数えてN桁分は「端数」であるとみることもできる。本実施形態における数値示唆演出は、当該「端数」となる部分の数値により現状設定の示唆を行うというものである。
以下、上記数値示唆演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
〇第一具体例
上記実施形態では、賞球数が区切数以外の数である特殊数に到達したことを契機として当該特殊数に相当する特殊数値33が表示されることを説明したが、区切数に到達したときに当該区切数に相当する区切数値32に代えて特殊数値33が表示されるようにする。特殊数値33の例は上記実施形態にて説明した通りである。
例えば、賞球数が区切数である5000個に到達したとき、通常は「5000」という数字を含む表示を行う(図11(b-1)参照)。つまり、通常は区切数を表す区切数値32そのものを表示する。これに対し、数値示唆演出を行うときには、区切数値32に代えて特殊数値33が表示される(図11(b-2)参照)。例えば、「5456」という表示(現状設定が設定4~6のいずれかである蓋然性が高まることの示唆)がなされる。賞球数が10000個に到達したときに同様の示唆を行う場合には、「10456」という特殊数値33が表示されるようにする。このように、賞球数が区切数に到達したとき、そのまま区切数値32が表示される場合もあれば、特殊数値33が表示されて現状設定の示唆がなされる場合もあるようにする。
本例は、上記実施形態とは異なり、実際に得られた賞球数と表示される数値(特殊数値33)が異なる(齟齬する)というデメリットはあるが、本来であればキリの良い数値(区切数値32)が表示されるべきところに違和感のある数値(特殊数値33)が表示されることになるから、当該表示された数値が何らかの示唆を行っていることに遊技者が気付きやすくなる。
なお、本例においても、区切数値32同士の差は10(Nは0を除く自然数である)以上に設定されており、数値示唆演出は特殊数値33の最も小さな桁からN桁分の数字を用いてなされるようにする。賞球数が区切数に到達することによって変化するのは区切数値32におけるN+1桁(上記実施形態では千の桁)以上の数字に限られる(区切数値32のN桁以下の数字は「0」である)から、N桁以下の数字を変化させたものを特殊数値33として現状設定の示唆を行うようにする。
〇第二具体例
大当たり遊技の種類に応じて、数値示唆演出が発生する蓋然性が異なるものとする。大当たり遊技として、第一大当たり遊技および第二大当たり遊技が設定されているものとする(これ以外の種類が設定されていてもよい)。大当たり遊技を通じて得られる利益の期待値は、第一大当たり遊技よりも第二大当たり遊技の方が大きいものとする。具体的には、大当たり遊技は、大入賞口に所定数の遊技球が入賞するか所定時間経過するまで大入賞口が開放される単位遊技(いわゆる1ラウンド分の遊技)を所定回数繰り返すものであるところ、第一大当たり遊技の単位遊技の数(ラウンド数)よりも、第二大当たり遊技の単位遊技の数(ラウンド数)の方が大きい設定とする。
このような設定であることを前提とし、第一大当たり遊技中の方が、第二大当たり遊技中よりも、数値示唆演出が発生する蓋然性が高い構成とする。例えば、現状設定が設定4~6のいずれかである場合において、賞球数が7456個に到達したとき、特殊数値33として「7456」が表示される蓋然性は、第一大当たり遊技中に賞球数が7456個に到達したときの方が、第二大当たり遊技中に賞球数が7456個に到達したときの方が高いものとする。
当然ではあるが、第二大当たり遊技よりも、第一大当たり遊技の方が、大当たり遊技を通じて得られる利益(賞球(出玉)数)が少なくなるのであるから、遊技者にとっては喜ばしくない(残念な)大当たり遊技であるといえるところ、利益が小さい大当たりの方が設定示唆作用が享受できる蓋然性を高くすることで、得られる利益が小さい大当たりに当選した際の遊技者のモチベーションの低下を抑制することが可能である。
〇第三具体例
上記実施形態における数値示唆演出は、「現状設定示唆」であるが、「設定変更示唆」とすることも可能である。例えば、設定変更がなされなかった場合には大当たり遊技中に特殊数値33が表示されることはないものの、設定変更がなされた場合には大当たり遊技中に特殊数値33が表示されうる構成とする。表示される特殊数値33はどのようなものであってもよい。
また、特殊数値33が表示された場合、設定変更がなされたことが確定するとともに、特殊数値33の態様により現状設定が示唆される構成としてもよい。すなわち、数値示唆演出は、「設定変更示唆」であるだけでなく「現状設定示唆」でもある構成とする。例えば、特殊数値33として「5666」が表示された場合、設定変更が確定するだけでなく、現状設定が設定6である蓋然性が高まるような構成とする(図12参照)。
3-4)時間示唆演出
本実施形態にかかる遊技機1は、リアルタイムクロック(以下、RTCと称する)を備える。RTCは、現実の時間(以下、実時間と称する)を取得することが可能なもの(実時間取得手段)である。当該RTCによって取得される実時間が、規定時間であるか否かを判断することができる。規定時間は、遊技店が営業中である時間の一部が設定される。例えば、PM6時(18時)からPM8時(20時)が規定時間であるとする。以下の説明においては、RTCによって取得される時間が規定時間外であるときを通常時間(中)と称することもある。なお、実時間や規定時間には「日」の概念を含めることもできる。例えば、(〇年)〇月〇日のPM6時~8時を規定時間とするといった設定とすることもできるし、毎週〇曜日のPM6時~8時を規定時間とするといった設定とすることもできる。
時間示唆演出は、現状設定に関する示唆を行うものである。当該時間示唆演出の具体的な態様はどのようなものであってもよいから説明を省略する。時間示唆演出は「設定変更示唆」を行うものであってもよいし、「現状設定示唆」を行うものであってもよい。
上記時間示唆演出は、実時間が規定時間である場合(規定時間中)の方が、実時間が規定時間でない場合、すなわち通常時間である場合(通常時間中)よりも、発生する蓋然性が高くなるように設定されている。時間示唆演出は、所定条件成立時に行われる抽選(以下、実行抽選と称することもある)に当選することで発生するものであるとする。例えば、リーチ成立時(図13(b)参照)に実行抽選が行われ、当該実行抽選に当選した場合に時間示唆演出が発生する(当該実行抽選に当選しなかった場合には時間示唆演出が発生しない)ものであるとする(図13(c-1)(c-2)参照)。当該実行抽選に当選する確率が、規定時間中の方が通常時間中である場合よりも高い設定とすることが考えられる(図13の枠囲み部分参照)。実行抽選を行う契機となる所定条件が成立する(上記例でいえばリーチが成立する)確率は実時間の影響を受けないもの(同じように遊技が継続的になされている以上、実時間がどのようなものであっても当該確率は一定である)とされる。したがって、当該実行抽選の当選確率の差分、規定時間中の方が通常時間中である場合よりも時間示唆演出が発生しやすい設定となる。
このようにすることで、規定時間中であるの方が、通常時間中である場合よりも、時間示唆演出による設定示唆作用を享受する蓋然性が高いという側面においては遊技者に有利な状況であるといえる。したがって、規定時間中における遊技の促進に資する。
なお、時間示唆演出は、実時間が通常時間中であるときは発生することがない設定としてもよい。すなわち、時間示唆演出は、実時間が規定時間中であるときに限り発生しうる設定としてもよい。このような設定であることも、「時間示唆演出は、実時間が規定時間である場合(規定時間中)の方が、実時間が規定時間でない場合、すなわち通常時間である場合(通常時間中)よりも、発生する蓋然性が高くなるように設定されている」ことに含まれるものとする(通常時間中での時間示唆演出が発生する確率=0であり、規定時間中での時間示唆演出が発生する確率≠0(>0)であるから)。
また、RTCによって取得される実時間が、表示領域911に表示される構成としてもよい。遊技者が持っている時計等によって取得される時間が実時間とずれていると、遊技者が規定時間中であるか否かを正確に把握することができなくなるから、RTCによって取得される実時間(基準となる時間)が遊技者に明示されるようにする。
以下、上記時間示唆演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
〇第一具体例
規定時間は、遊技店側(遊技店員)が任意に設定することが可能であるものとする。例えば、遊技機1内部に設けられた規定時間設定手段を操作することで、任意の時間を規定時間とすることが可能であるとする(遊技機1内部であるから遊技者が勝手に規定時間を設定することはできない)。別の例としては、遊技店に設けられた制御装置(いわゆるホールコンピュータ)との通信手段を備えたものとし、当該通信手段を通じて任意の時間を規定時間とすることが可能であるとする。
規定時間中は、時間示唆演出による設定示唆作用を享受しやすいという面で遊技の促進効果が期待できるものであるから、当該規定時間(稼働の促進を図りたい時間)を遊技店側が自在に設定することができるようにするとよい。
〇第二具体例
規定時間にて時間示唆演出が発生する蓋然性を、遊技店側(遊技店員)が変化させることが可能である構成とする。上記実施形態に則していえば、規定時間中にて実行抽選に当選する確率を遊技店側が自在に決定することができるものとする。ただし、当然ではあるが、規定時間中にて実行抽選に当選する確率が、通常時間中にて実行抽選に当選する確率よりも高い範囲において、規定時間中にて実行抽選に当選する確率を遊技店側が自在に決定することができるものとする。
規定時間中に実行抽選に当選する確率を変化させることができるようにすることで、規定時間中に遊技することの価値を遊技店側が調整することが可能である。
〇第三具体例
規定時間の存在を示唆する演出(規定時間示唆演出)が発生するようにする。例えば、規定時間がPM6時~8時に設定されているとするのであれば、「18時~20時は設定示唆が出やすくなるよ」といった表示がなされる規定時間示唆演出が発生するものとする(図14参照)。上記第一具体例にて説明したように規定時間を遊技店側が任意に設定することができる構成とするのであれば、設定された規定時間に応じ、規定時間示唆演出の内容が変化することになる。
情報誌やウェブサイト等で情報を得ていない遊技者は、規定時間が設定されていること(設定示唆が出やすい時間が存在すること)を知らない可能性がある。このような遊技者であっても規定時間示唆演出により規定時間の存在を知ることが可能となる。
なお、規定時間示唆演出は、当該演出の存在のみを気付かせ、具体的な規定時間を示すものでなくてもよい。例えば、「設定示唆演出が出やすい時間があるよ」といった表示がなされる規定時間示唆演出が発生するようにしてもよい。
また、規定時間示唆演出が発生しうる状況はどのようなものであってもよい。例えば、変動中に遊技説明の演出が発生するものが公知であるところ、当該遊技説明の演出の一種として規定時間示唆演出が発生するようにする。また、遊技者が遊技していない待機状態中に表示される(待機状態中に表示される画像が規定時間の存在を示唆する態様を含む)ようにすることで、空台数の低減(稼働促進)に資する。
〇第四具体例
実時間が規定時間である最中に、設定示唆が出やすい状況であることを示唆するような演出(規定時間中演出)が発生するものとする。例えば、規定時間がPM6時~8時に設定されているとするのであれば、実時間がPM6時~8時である最中(常時表示されるようにしてもよいし、表示されない状態が発生しうるものとしてもよい)に、設定示唆が出やすい状況であることを示唆するような表示がなされるものとする。例えば、「設定示唆高確率中」といった表示がなされる規定時間中演出が発生するものとする(図15参照)。
情報誌やウェブサイト等で情報を得ていない遊技者は、規定時間が設定されていること(設定示唆が出やすい時間が存在すること)を知らない可能性がある。このような遊技者であっても規定時間中演出の発生により設定示唆演出が出現しやすい状況であるということを把握することが可能となる。
規定時間中演出は、遊技者が遊技していない待機状態中にも実行される(待機状態中に表示される画像が規定時間中であることを示唆する態様を含む)ようにすることが好ましい。これにより、誰も遊技していない空台であっても設定示唆が出やすい状況であることが示されるから、稼働促進に資することになる。
〇第五具体例
上記実施形態は、規定時間中の方が通常時間中である場合よりも時間示唆演出が発生しやすい設定である(時間示唆演出が必ず発生するとは限られない)ことを説明したが、規定時間にて時間示唆演出が必ず発生するようにしてもよい。例えば、規定時間をPM3時に設定し、実時間がPM3時になったときには時間示唆演出がもれなく発生するようにする(図16参照)。
本例のような構成とする場合、規定時間にて遊技中である場合には時間示唆演出が発生するものの、規定時間にて遊技中でない場合には時間示唆演出が発生しない設定とすることが好ましい。このようにすることで、(規定時間の存在を知っている)遊技者が規定時間までは遊技しようとする傾向が高まるため、遊技の促進に資することになる。
規定時間を点(時点)とする(ある時点で時間示唆演出が必ず発生する)のではなく、規定時間に幅を持たせてもよい。例えば、規定時間をPM3時~4時である設定とし、当該時間中における不定のタイミングで時間示唆演出がもれなく発生するようにする。このように時間示唆演出が発生する厳密なタイミング(発生時点)が決まっていない構成とすれば、時間示唆演出の発生を見逃さないように遊技することが重要となる遊技性を実現することが可能である。
4)以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
上記実施形態における遊技機1はいわゆるぱちんこ遊技機であるが、ぱちんこ遊技機特有の構成を除き、回胴式遊技機等の他の遊技機に対しても同様の技術思想を適用することが可能である。
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
・手段1-1
遊技者にとって有利な度合が異なるように複数段階に区分けされた候補設定のうち、いずれかを現状設定として設定する有利度合設定手段と、所定のリセット条件が成立してからN回目(Nは2以上の自然数である)の当否判定結果を報知するN回目報知演出にて、前記現状設定に関する示唆演出を行う演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、N回目変動中演出にて現状設定に関する示唆がなされるという面白みのある遊技性を実現することが可能である。また、N回目報知演出が実行されるまでは遊技を継続しようと考える遊技者が増加し、遊技の促進に資する。
・手段1-2
前記演出実行手段は、所定のリセット条件が成立してからN-α回目(αは1以上かつN未満の自然数である)の当否判定結果を報知する報知演出にて、前記現状設定に関する示唆演出を行うことを特徴とする手段1-2に記載の遊技機。
このように、N回目の報知演出までに複数回の示唆演出が発生するようにしてもよい。
・手段1-3
前記N回目報知演出にて発生する前記示唆演出による示唆の内容と、前記N-α回目報知演出にて発生する前記示唆演出による示唆の内容とは、異なる可能性があることを特徴とする手段1-2に記載の遊技機。
このようにすることで、N-α回目報知演出に発生する示唆演出の内容と、N回目報知演出にて発生する示唆演出の内容とを踏まえて現状設定に関する推測を行う遊技性が実現される。
・手段1-4
前記N回目報知演出にて発生する前記示唆演出による示唆の内容と、前記N-α回目報知演出にて発生する前記示唆演出による示唆の内容とは、同じであることを特徴とする手段1-2に記載の遊技機。
このようにすることで、N-α回目報知演出での示唆演出を見逃してしまった遊技者も、N回目報知演出まで遊技を継続することで、同様の示唆演出に接することができる。
・手段1-5
前記N回目報知演出にて発生する前記示唆演出と、前記N-α回目報知演出にて発生する前記示唆演出とが組み合わされることで、前記現状設定に関する示唆がなされることを特徴とする手段1-2に記載の遊技機。
このようにすることで、N-α回目報知演出に接した上で、さらにN回目報知演出に接しなければ、現状設定に関する示唆作用を享受することができないという遊技性を実現することができる。
・手段2-1
遊技者にとって有利な度合が異なるように複数段階に区分けされた候補設定のうち、いずれかを現状設定として設定する有利度合設定手段と、所定の終了条件の成立を契機として、遊技者にとって有利な状態を強制的に終了させる有利状態終了手段と、を備え、前記終了条件成立を契機として、前記有利な状態が終了するだけでなく、前記現状設定に関する示唆を行う補填示唆演出が発生することを特徴とする遊技機。
上記遊技機では、遊技者にとって有利な状態が終了する代償として現状設定に関する示唆を遊技者が享受することができるから、強制的に有利な状態が終了させられたことの心理的な苦痛が和らげられる。
・手段2-2
遊技状態として通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態が設定された遊技機であって、前記通常遊技状態に移行することなく前記特別遊技状態にて当否抽選に当選する事象が連続して所定回数発生したことが前記終了条件の成立として設定されていることを特徴とする手段2-1に記載の遊技機。
終了条件の一つとして、いわゆる連チャンが所定回数に到達することを契機として成立するものを例示することができる。
・手段2-3
所定の期間内に得られた利益が予め定められた上限値に到達することが前記終了条件の成立として設定されていることを特徴とする手段2-1に記載の遊技機。
終了条件の一つとして、得られた利益が上限に到達することを契機として成立するものを例示することができる。
・手段2-4
前記補填示唆演出は、複数の前記候補設定のうちの一または二以上が、前記現状設定として設定されている可能性が無いことを確定させるものであることを特徴とする手段2-1から手段2-3のいずれかに記載の遊技機。
有利な状態が強制的に終了する代償として補填示唆演出が実行されるのであるから、当該補填示唆演出によって示唆される内容は、一部の候補設定については現状設定とされている可能性が排除される程度のものであること(遊技者にとって有用な情報であること)が好ましい。
・手段2-5
前記補填示唆演出は、前記終了条件が成立した場合に限り発生しうるものであることを特徴とする手段2-1から手段2-4のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、有利な状態が強制的に終了する代償として実行される補填示唆演出の価値を高めることが可能である。
・手段3-1
遊技者にとって有利な度合が異なるように複数段階に区分けされた候補設定のうち、いずれかを現状設定として設定する有利度合設定手段と、当否判定結果が当たりとなったときに当たり遊技を実行する当たり遊技実行手段と、前記当たり遊技において払い出された賞球数に基づく利益数値を表示する利益数値表示手段と、前記利益数値を用いて前記現状設定に関する示唆を行う数値示唆演出を実行する演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
上記遊技機は、利益数値によって現状設定の示唆がなされるという面白みのあるものである。
・手段3-2
前記利益数値として、前記賞球数が区切となる区切数に到達したことを契機として当該区切数に相当する区切数値を表示するだけでなく、前記賞球数が前記区切数以外の数である特殊数に到達したことを契機として当該特殊数に相当する特殊数値を表示する場合があり、前記数値示唆演出は、前記特殊数値を用いてなされるものであることを特徴とする手段3-1に記載の遊技機。
このように、区切数値(キリのよい数)だけでなく、特殊数値が表示されるようにすることで、当該特殊数値が何らかの示唆を行っていることに遊技者が気付きやすくなる。
・手段3-3
前記利益数値として、前記賞球数が区切となる区切数に到達したことを契機として当該区切数に相当する区切数値に代えて特殊数値を表示する場合があり、前記数値示唆演出は、前記特殊数値を用いてなされるものであることを特徴とする手段3-1に記載の遊技機。
区切数値(キリのよい数値)に代えて、特殊数値が表示されるようにすることで当該特殊数値が何らかの示唆を行っていることに遊技者が気付きやすくなる。
・手段3-4
前記区切数値同士の差は10(Nは0を除く自然数である)以上に設定されており、前記数値示唆演出は、前記特殊数値の最も小さな桁からN桁分の数字を用いてなされるものであることを特徴とする手段3-2または手段3-3に記載の遊技機。
区切数同士の差が少なくとも10以上であれば、最も小さな桁からN桁分は本来であれば「0」が表示される部分であり大きな意味を持たない部分といえるから、当該N桁分を設定示唆に利用すればよい。
・手段3-5
前記当たり遊技として、第一当たり遊技、および、当たり遊技を通じて得られる利益の期待値が前記第一当たり遊技よりも大きい第二当たり遊技が設定されており、前記第一当たり遊技中の方が、前記第二当たり遊技中よりも、前記数値示唆演出が発生する蓋然性が高いことを特徴とする手段3-1から手段3-4のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、遊技者が得られる利益が小さい第一大当たりに当選した際の遊技者のモチベーションの低下を抑制することが可能である。
・手段4-1
現実の時間である実時間を取得する実時間取得手段と、遊技者にとって有利な度合が異なるように複数段階に区分けされた候補設定のうち、いずれかを現状設定として設定する有利度合設定手段と、前記現状設定に関する示唆を行う演出であって、前記実時間が規定時間である場合の方が、前記実時間が前記規定時間でない場合よりも、発生する蓋然性が高い時間示唆演出を実行する演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
上記のようにすることで、規定時間における遊技の促進(稼働の向上)に資することになる。
・手段4-2
前記規定時間は、遊技店側が任意に設定することが可能であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
このように、稼働を高めたい時間を遊技点側が任意に設定することができるようにするとよい。
・手段4-3
前記規定時間にて前記時間示唆演出が発生する蓋然性を、遊技店側が変化させることが可能であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
このようにすることで、規定時間中に遊技することの価値を遊技店側が調整することが可能となる。
1 遊技機
30 利益数値
31 通常数値
32 区切数値
33 特殊数値
80 識別図柄
91 表示装置
911 表示領域

Claims (1)

  1. 遊技者にとって有利な度合が異なるように複数段階に区分けされた候補設定のうち、いずれかを現状設定として設定する有利度合設定手段と、
    当否判定結果が当たりとなったときに当たり遊技を実行する当たり遊技実行手段と、
    前記当たり遊技において払い出された賞球数に基づく利益数値を表示する利益数値表示手段と、
    前記利益数値を用いて前記現状設定に関する示唆を行う数値示唆演出を実行する演出実行手段と、
    を備え
    前記当たり遊技として、第一当たり遊技、および、当たり遊技を通じて得られる利益の期待値が前記第一当たり遊技よりも大きい第二当たり遊技が設定されており、
    前記第一当たり遊技中の方が、前記第二当たり遊技中よりも、前記数値示唆演出が発生する蓋然性が高いことを特徴とする遊技機。
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