JP2023180458A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技者からのクレームが発生するおそれを低減することが可能な遊技機を提供すること。【解決手段】高開閉モードである遊技状態として、開始されてからN回(Nは2以上である)の小当たりに当選することを契機として高開閉モードが終了する第一特定遊技状態が設けられており、第一特定遊技状態においては、小当たりに当選したものの特典領域に遊技球が進入しなかった非進入事象がN-1回発生する前の普通状態と、当該非進入事象がN-1回発生した後の特殊状態とで、所定条件成立時に実行される対象演出の態様を異ならせる遊技機。【選択図】図12

Description

本発明は、遊技機に関する。
遊技者が指示通り遊技を行わなかったり、停電等の異常が発生したりすることで、遊技の進行が予定されたものと異なってしまうと、遊技者からのクレームに繋がってしまうおそれがあるところ、このような異常の発生に備えた遊技機が種々提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。
特開2019-017540号公報
本発明が解決しようとする課題は、遊技者からのクレームが発生するおそれを低減することが可能な遊技機を提供することである。
上記課題を解決するためになされた本発明にかかる遊技機は、始動領域に遊技球が進入することを契機として取得される当否抽選情報に基づき当否抽選を実行する当否抽選手段と、当否抽選結果が小当たりとなった際に開放される領域であって、遊技球の進入が大当たり付与の条件とされている特典領域と、低開閉モードおよび当該低開閉モードにあるときよりも前記始動領域に遊技球が進入しやすい高開閉モードを設定することが可能な開閉モード設定手段と、前記特典領域に遊技球が進入した時点で高開閉モードにあるか否かに応じて付与する前記大当たりの種類を決定する大当たり決定手段と、を備え、前記高開閉モードである遊技状態として、開始されてからN回(Nは2以上である)の小当たりに当選することを契機として前記高開閉モードが終了する第一特定遊技状態が設けられており、前記第一特定遊技状態においては、小当たりに当選したものの前記特典領域に遊技球が進入しなかった非進入事象がN-1回発生する前の普通状態と、当該非進入事象がN-1回発生した後の特殊状態とで、所定条件成立時に実行される対象演出の態様を異ならせることを特徴とする。
本発明にかかる遊技機によれば、遊技者からのクレームが発生するおそれを低減することが可能である。
本実施形態にかかる遊技機の正面図である。 (a)は特典領域が閉鎖された状態にある単位遊技(大当たり遊技を構成する単位遊技)における大入賞領域内の様子を示した模式図であり、(b)は特典領域が開放された状態にある単位遊技(小当たり遊技)における大入賞領域内の様子を示した模式図である。(c)は小当たり遊技中に表示される特典領域を狙って遊技球を発射すべき状況であることを示す画像の一例を示した図である。 表示領域に表示された装飾図柄、保留図柄を示した図である。 本実施形態にかかる遊技機の遊技性(遊技状態の移行等)を説明するための図である。 各種特定遊技状態の終了条件(変動数条件、小当たり条件)を示した図である。 第一当否抽選(特図1抽選)および第二当否抽選(特図2抽選)の大当たり振り分け(参照テーブル)を説明するための図である(第二当否抽選については時短有状態と時短無状態で振り分けが異なることを説明するための図である)。 第一特定遊技状態の時短最終変動(はずれ変動)で実行される保留貯留指示演出、保留貯留完了演出を説明するための図である。 残保留チャンスにて実行される変動中演出の概要を説明するための図である。 第二当否抽選の当選(小当たり)を経て時短無状態にて獲得した大当たりが第二特定大当たりであるか通常大当たりであるかを報知する演出(大当たり遊技中に実行される演出)の概要を説明するための図である。 第二特定遊技状態の当たり変動で実行される保留貯留指示演出、保留貯留完了演出を説明するための図である。 特別特定大当たり獲得時に表示される画像を示した図である。 第一特定遊技状態における「普通状態」および「特殊状態」を説明するための図である。 第一特定遊技状態における普通状態で実行される対象演出と、特殊状態で実行される対象演出の違いを説明するための図である。 具体例1-1を説明するための図である。 具体例1-2を説明するための図(その一)である。 具体例1-2を説明するための図(その二)である。 具体例1-3を説明するための図(その一)である。 具体例1-3を説明するための図(その二)である。 具体例1-4を説明するための図である。 特別画像(特別特定大当たり中に表示される特別画像)を説明するための図である。 (a)は、昇格演出に関し、特別大当たり、非特別大当たり(第一非特別大当たり、第二非特別大当たり)の区分けを説明するための図であり、(b)は、各種当たり組み合わせを説明するための図である。 特別昇格演出を説明するための図である。 通常昇格演出を説明するための図である。 昇格失敗演出を説明するための図である。 具体例2-2を説明するための図である。 具体例2-4を説明するための図である。 具体例2-5を説明するための図(その一)である。 具体例2-5を説明するための図(その二)である。
以下、本発明にかかるぱちんこ遊技機1(以下、単に遊技機と称する)の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、特に明示した場合を除き、以下の説明における各種画像には、静止画だけでなく動画も含まれるものとする。また、特に明示した場合を除き、以下の説明は、正常な遊技(目論見通りの遊技)が行われることを前提としたものである。また、「○○に遊技球が進入(入賞)」等というときは、厳密には当該○○に設けられたセンサが進入した遊技球を検出したことをいう。
1)遊技機の基本構成
遊技機1(図1参照)の全体構成について簡単に説明する。遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。遊技領域902には、始動領域904、大入賞領域906、アウト口907などが設けられている。
表示装置91の表示領域911は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認されるものである。なお、一部の図においては、遊技盤90に覆われずに露出する表示領域911の形状を簡略化して記載する(方形状に記載する)が、当該部分の大きさや形状は適宜変更可能である。
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動領域904や大入賞領域906等の入賞領域に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
2)遊技性(スペック)
2-1)当否抽選(特別図柄抽選)
始動領域904への遊技球の進入を契機として乱数源から数値(以下、当否抽選情報と称することもある)が取得される。当該数値を用いて当否抽選(一般的には特別図柄(特図)抽選等と称される)が実行される。基本的には、周知の遊技機と同様に、当該数値を予め定められた判定用数値(当否抽選テーブル)と照らし合わせて、当否抽選結果が導出される。また、当該数値は、変動中演出(後述)としてどのような演出を実行するかを決定する際にも用いられる。
本実施形態では、始動領域904として第一始動領域904aと、当該第一始動領域904aとは異なる位置にある第二始動領域904bと、が設けられている(図1参照)。第一始動領域904aに遊技球が進入することを契機として第一当否抽選情報が取得され、それに基づき第一当否抽選(特図1抽選)が実行される。第二始動領域904bに遊技球が進入することを契機として第二当否抽選情報が取得され、それに基づき第二当否抽選(特図2抽選)が実行される。第一始動領域904aは、遊技領域902の左側(表示領域911の左側)を流下するように遊技球を発射する(いわゆる「左打ち」を行う)ことにより遊技球が進入する領域である。第二始動領域904bは、遊技領域902の右側(表示領域911の右側)を流下するように遊技球を発射する(いわゆる「右打ち」を行う)ことにより遊技球が進入する領域である。本実施形態では、「右打ち」を行った場合に第一始動領域904aに遊技球が進入することはなく、「左打ち」を行った場合に第二始動領域904bに遊技球が進入することはないように設定されている。
本実施形態では、当否抽選の結果は、「小当たり」または「はずれ」となるものである。すなわち、当否抽選が「当たり」となる場合は、全て「小当たり」であって、「大当たり」はない。ただし、後述するように異常等が発生しなければ小当たりの当選は全て大当たりの獲得に結び付くため、実質的には小当たり=大当たりである。よって、以下の説明における、大当たり確率、大当たり当選等の「大当たり」とは厳密には小当たりのことを指すものとする。各種演出等は、小当たりに当選することが、大当たりに当選であるように捉えられる態様とされている。なお、このような小当たり経由の大当たりを獲得できる遊技機は、「二種」遊技機と称されるものである。上述した通り、本実施形態では、当否抽選の結果が大当たりとなって大当たりが獲得できるものではない(いわゆる直当たりは発生しない)から、「一種」の遊技性を備えたものではない(「一種二種混合」遊技機でもない)。ただし、「二種」でなければ実現できない構成を除き、以下で説明する技術事項は、「一種」遊技機や、「一種二種混合」遊技機にも適用することができる。
本実施形態では、第一当否抽選の小当たり確率(=(実質)大当たり確率)は1/319である(それ以外ははずれである)。また、第二当否抽選の小当たり確率(=(実質)大当たり確率)は1/47である(それ以外ははずれである)。よって、第一当否抽選よりも、第二当否抽選の方が、遊技者にとって有利な抽選(高確率抽選)といえる。詳細は後述するが、通常遊技状態は第一当否抽選による大当たり獲得を目指す状態であり、特定遊技状態は第二当否抽選による大当たり獲得を目指す状態であるから、通常遊技状態よりも特定遊技状態の方が有利な遊技状態である。
2-2)当たり遊技
大当たりを獲得した場合には大当たり遊技が実行される。大当たり遊技は、所定条件成立まで大入賞領域906(常態において閉鎖されている)が開放される単位遊技(いわゆる1「ラウンド」分の遊技のことをいう。以下の説明において「ラウンド」と称することもある)が一または複数回繰り返される。一回の単位遊技は、大入賞領域906に遊技球がC個入賞する入賞条件、および、所定時間が経過する時間条件のいずれか一方が成立することをもって終了(大入賞領域906が閉鎖)する。なお、本実施形態ではC=10とされている(当該Cの値は、一般的には「カウント(数)」と称されるものである)。各単位遊技は、継続的に大入賞領域906に向かって遊技球を発射していれば、ほぼ確実に時間条件が成立するよりも前に入賞条件が成立するものとされている。つまり、指示通り遊技を行っていれば、一回の単位遊技にて少なくとも10個の遊技球が入賞する。本実施形態では、大入賞領域に一の遊技球が入賞したときの払い出し(賞球数)は15個であるから、一回の単位遊技にて少なくとも150個の賞球が得られる(いわゆるオーバー入賞が発生することで当該賞球数は多くなる)。大当たり遊技が含む単位遊技の数(ラウンド数)が多くなるほど、当該大当たり遊技にて得られる遊技者の利益(利益の期待値)が大きくなる。本実施形態では、大入賞領域906は遊技領域902の右側に設けられており(図1参照)、遊技者は遊技領域902の右側に遊技球が進入するよう遊技する(いわゆる「右打ち」を行う)。
上述した通り、本実施形態では、小当たり経由で大当たりが獲得できる。小当たりに当選した場合には小当たり遊技が実行される。小当たり遊技は、大入賞領域906が開放されるとともに、当該大入賞領域906内に設けられた特典領域10(図2参照)が開放されるものである。当該特典領域10の付近には「V」の文字が付されており(図1、2参照)、当該特典領域10を遊技者に示す文言として当該「V」が用いられる。特典領域10は常態において閉鎖されているものであるところ、小当たり当選時には一時的に開放される。なお、大入賞領域906には二つの出口領域が設けられており、大入賞領域906に進入した遊技球は当該二つの出口領域のいずれかを通過することになる。当該二つの出口領域のうちの一方が特典領域10とされている(図2参照)。当該出口領域のそれぞれにはセンサが設けられており、当該出口領域のいずれかを通過した遊技球が大入賞領域906に入賞したものと扱われる。つまり、特典領域10に進入した遊技球は、大入賞領域906に入賞したものでもある。
当該小当たり遊技にて特典領域10に遊技球が進入することが大当たり獲得条件とされている(大当たりを獲得するためには、1つの遊技球が特典領域10に進入すればよい)。以下の説明においては、特典領域10に遊技球が進入することを「V入賞」と称することもある(「V入賞=大当たり獲得(大当たり確定)」である)。なお、大入賞領域906外に特典領域10が設けられた構成としてもよい。小当たり遊技は、それを経て獲得した大当たり遊技の1ラウンド分の単位遊技とみなされる。例えば、小当たりを経由した10ラウンド大当たり(単位遊技が10回実行される大当たり)とは、小当たり遊技(大入賞領域906が開放されるとともに特典領域10が開放される遊技)が1ラウンド目の遊技として、その後の大当たり遊技として実行される大入賞領域906の開放が2~10ラウンド目の遊技として実行される(特典領域10に遊技球が進入しなかった場合には、いわゆる「パンク」となって当該2~10ラウンド目の遊技が実行されず、小当たり遊技のみで終了する)。小当たり遊技は、大当たり遊技を構成する単位遊技と同様、時間条件および入賞条件(本実施形態では10個入賞)の少なくともいずれか一方が成立することにより終了する。継続的に遊技球を発射していれば先に入賞条件が成立することになるから、小当たり遊技においては一回の単位遊技と同様の賞球を得ることができる。
本実施形態では、小当たり遊技においては大入賞領域906とともに特典領域10が開放されることになるが、その時間は、当該特典領域10に遊技球を進入させるために十分な長さが確保される。特典領域10は遊技領域902の右側に設けられており、特典領域10に遊技球を進入させるためには遊技者は右打ちを行うところ、継続的に右打ちを行っていればほぼ確実に特典領域10に遊技球が進入する(図2(b)参照)。小当たり当選時には表示領域911に右打ちを実行する旨の指示が出される(図2(c)参照)ため、遊技者はそれに従うだけでよい。指示が出されてから10数秒遅れて右打ちを開始しても、ほぼ確実に遊技球が特典領域10に進入するように設定されている。このように、小当たり当選により小当たり遊技が実行された場合には、(予期しないような異常(停電や故障)が発生しなければ)指示通り遊技さえしていれば特典領域10に遊技球が進入することになるから、実質的には「小当たり当選=大当たり当選」となる(小当たり当選が大当たり獲得に結びつく)という設定であるということである。なお、本実施形態では、小当たり遊技以外の大当たり遊技を構成する単位遊技(2ラウンド以降)においては、特典領域10は閉鎖された状態(図2(a)参照)にある。
2-3)装飾図柄
当否抽選結果は、表示領域911に表示される装飾図柄80(図3参照)により報知される。本実施形態では、それぞれが複数種の装飾図柄80を含む三つの装飾図柄群80gが設定される。具体的には、表示領域911の左側に表示される左装飾図柄群80gL、右側に表示される右装飾図柄群80gR、左装飾図柄群80gLと右装飾図柄群80gRの間に表示される中装飾図柄群80gCの三つである。各装飾図柄群80gから選択されて表示された三つの装飾図柄80の組み合わせにより抽選結果が報知される。当該三つの装飾図柄群80gが変動を開始してから、当該変動が停止して当否抽選結果を示す組み合わせが表示されるまでの演出が変動中演出(以下単に「変動」や「回転」等と称することもある)である。なお、一部の図面においては、装飾図柄80の図示を省略する。本実施形態では同じ数字を含むものが同種の装飾図柄80とされる(異なる種類の数字を含むものは異種である)。
本実施形態では、当否抽選結果が当たり(小当たり)となったときには、同じ種類の装飾図柄80の三つ揃いから構成される当たり組み合わせが表示される。上述した通り、本実施形態では実質的には「小当たり当選=大当たり当選」となる設定であるため、同じ種類の装飾図柄80の三つ揃いが表示されることは実質的に大当たり当選を示しているともいえる。当否抽選結果がはずれである場合には、上記当たり組み合わせではない組み合わせ(はずれ組み合わせ)が表示される。
なお、説明は省略するが、装飾図柄80以外の図柄(別図柄)が表示されるようにし、当該別図柄により当否抽選結果が示されるようにしてもよい。別図柄は、表示領域911の外縁近傍に小さく表示されるものであってもよいし、表示領域911外に表示される(表示領域911外に表示されるランプ等の点灯パターン)であってもよい。ただし、通常の遊技者は、別図柄の態様を意識することなく、装飾図柄80や表示領域911にて実行される各種演出等を見て遊技を楽しむことができる。
2-4)保留
始動領域904に遊技球が進入し、新たな当否抽選情報が取得されたとき、それよりも先に取得された当否抽選情報に対応する変動中演出が実行されている場合(装飾図柄80の変動中である場合)には、当該新たに取得された当否抽選情報は保留情報(保留)として記憶手段(図示せず)に記憶される。本実施形態では、第一当否抽選情報として取得された第一保留情報(特図1保留)の最大の記憶数は四つであり、第二当否抽選情報として取得された第二保留情報(特図2保留)の最大の記憶数は四つである。
記憶手段に記憶されている保留情報は保留図柄70として表示領域911に表示されることがある(図3参照)。本実施形態では、保留図柄70は、変動中保留図柄71と変動前保留図柄72に区分けされる。変動中保留図柄71は、対応する当否抽選結果についての変動中演出は開始されていないものの、当該当否抽選結果の報知は完了していない(変動中演出が終了していない)当否抽選情報の存在を示すものである。なお、当該当否抽選情報は、厳密には保留情報に該当するものではないが、一般的には「当該変動保留」等と称されるため、当該当否抽選情報の存在を示す図柄を変動中保留図柄71とする。変動前保留図柄72は、対応する当否抽選結果についての変動中演出は開始されていない当否抽選情報(保留情報)の存在を示すものである。
本実施形態では、第一始動領域904aを狙って遊技球を発射すべき状態(左打ちすべき状態;詳細を後述する通常遊技状態)においては、第一当否抽選情報(第一保留情報)の存在を示す保留図柄(特図1保留)が表示される。第二始動領域904bを狙って遊技球を発射すべき状態(右打ちすべき状態;詳細を後述する特定遊技状態)においては、第二当否抽選情報(第二保留情報)の存在を示す保留図柄(特図2保留)が表示される。なお、一部の図面においては、当該保留図柄70の図示を省略する。
記憶手段に第一当否抽選情報(第一保留情報)と第二当否抽選情報(第二保留情報)の両方が記憶されている際には、第二当否抽選情報に基づく変動中演出が優先して実行され(第二当否抽選の結果が優先して報知され)、記憶手段に記憶されている第二当否抽選情報が無くなるまで、第一当否抽選情報に基づく変動中演出は開始されない(第一当否抽選の結果が報知されない)。つまり、本実施形態にかかる遊技機1は、いわゆる「特図2(保留)優先消化」である。
2-5)遊技状態
2-5-1)通常遊技状態と特定遊技状態
遊技者が大当たり獲得を目指して遊技する(始動領域904を狙って遊技球を発射させる)遊技状態は、大まかに通常遊技状態と特定遊技状態に区分けされる(図4参照)。基本的には、大当たりの獲得しやすさ、始動領域904への遊技球の進入しやすさ、のいずれも通常遊技状態よりも特定遊技状態の方が勝るため、通常遊技状態よりも特定遊技状態の方が遊技者にとって有利な遊技状態である。
通常遊技状態は第一始動領域904aを狙って遊技球を発射すべき(「左打ち」を行うべき)遊技状態である。通常遊技状態にて遊技者が「右打ち」を行うと、遊技者は目論見通りの利益を享受することができなくなる(「左打ち」を行った場合に比して享受できる利益が著しく低下する)から、「右打ち」を行っていることが検出された場合には「左打ち」を行うよう注意が促される。上述した通り、第一始動領域904aに遊技球が進入することを条件として実行される第一当否抽選の当選確率(小当たり確率)は1/319であるから、通常遊技状態は1/319の大当たり獲得を目指して遊技する遊技状態であるといえる。
一方、特定遊技状態は第二始動領域904bを狙って遊技球を発射すべき(「右打ち」を行うべき)遊技状態である。特定遊技状態にて遊技者が「左打ち」を行うと、遊技者は目論見通りの利益を享受することができなくなる(「右打ち」を行った場合に比して享受できる利益が著しく低下する)から、「左打ち」を行っていることが検出された場合には「右打ち」を行うよう注意が促される。上述した通り、第二始動領域904bに遊技球が進入することを条件として実行される第二当否抽選の当選確率(小当たり確率)は1/47であるから、通常遊技状態は1/47の大当たり獲得を目指して遊技する遊技状態であるといえる。
2-5-2)開閉モード(時短の有無)
開閉モードとして低開閉モードと高開閉モードが設けられている。低開閉モードと高開閉モードは、第二始動領域904b(図1参照)の開放されやすさが異なる。第二始動領域904bは、常態において閉鎖されている領域(閉鎖されているときには遊技球は進入不可能)であり、開放抽選(始動領域904に遊技球が進入することを契機として実行される当否抽選(特別図柄抽選)とは異なる抽選であり、一般的には普通抽選、普通図柄(普図)抽選等と称される)に当選することで開放される領域である(いわゆる「電チュー(領域)」である)。
開放抽選は、普通領域905に遊技球が進入することを契機として取得される数値(開放抽選情報)に基づき実行される。本実施形態では、遊技領域902の右側に普通領域905が設けられている(図1参照)。右打ちを行うことで比較的容易に当該普通領域905に遊技球が進入する。開放抽選の当否を報知する手法は、一般的な遊技機と同様に行うことができるから詳細な説明は省略する。本実施形態では、表示領域911外に設けられたランプの点灯パターンにより報知される(当該ランプの点灯パターンが「普通図柄」にあたる)。なお、開放抽選の結果の報知が完了していない状態(普通図柄の変動中)に、新たに普通領域905に遊技球が進入した場合には、開放抽選情報は図示されない記憶手段に記憶される。本実施形態では、当該開放抽選情報の最大の記憶数は四つ(普通図柄保留の最大値=4)である。
低開閉モードが設定されているときにおける開放抽選に当選する確率よりも、高開閉モードが設定されているときにおける開放抽選に当選する確率の方が高い。低開閉モードが設定されているときにおける開放抽選に当選する確率が0%であってもよい。また、高開閉モードが設定されているときにおける開放抽選に当選する確率が100%であってもよい。本実施形態では、低開閉モードが設定されている状態にて開放抽選に当選しても、第二始動領域904bの開放時間は極めて短く、第二始動領域904bに遊技球を進入させることは事実上不可能とされている。よって、低開閉モードが設定されている状態では左打ち遊技(第一始動領域904aを狙う遊技)が推奨される。一方、高開閉モードが設定されている状態では開放抽選に容易に当選し、その際の第二始動領域904bの開放時間は十分に長い。よって、高開閉モードが設定されている状態では右打ち遊技(第二始動領域904bを狙う遊技)が推奨され、右打ちを継続的に行っていれば頻繁に第二始動領域904bに遊技球が進入する。
本実施形態では、通常遊技状態は低開閉モードが設定された状態である。特定遊技状態は高開閉モードが設定された状態である。一般的に高開閉モードは「時短(状態)」と称されるものであるから、通常遊技状態は「時短無」状態、特定遊技状態は「時短有」状態であるということができる。以下の説明においては低開閉モードを「時短無(状態)」と、高開閉モードを「時短有(状態)」と称することもある。また、高開閉モード(時短)が終了する条件となる当否抽選(本実施形態では第二当否抽選)の回数を時短回数と称することもある。なお、本実施形態では、始動領域904(第一始動領域904a、第二始動領域904b)に遊技球が進入することで所定数の賞球が払い出される(始動領域904は入賞領域である)。そのため、低開閉モードよりも高開閉モードの方が持ち球の減少速度(発射遊技球数あたりの賞球数)が少ない状態である。すなわち、低開閉モードは比較的ベースが低い「低ベース状態」であり、高開閉モードは比較的ベースが高い「高ベース状態」でもある。
2-5-3)特定遊技状態の種類
本実施形態では特定遊技状態(高開閉モード)として、第一特定遊技状態、第二特定遊技状態、特別特定遊技状態が設けられている。各種特定遊技状態は、高開閉モードが終了する終了条件が異なるものである。終了条件は、開始されてから実行された第二当否抽選の回数が規定値(予め定められた時短回数)に到達したことで成立する「変動数条件」、および、開始されてから当選した小当たりの回数が規定値に到達したことで成立する「小当たり条件」のいずれか(変動数条件および小当たり条件の早い方)が成立したことで成立するものとする。
なお、大当たりが獲得されて大当たり遊技が実行されることは、大当たりの獲得を目指して遊技する遊技状態ではなくなるということであるため、大当たりの獲得も高開閉モードの事実上の終了条件であるとみることができる。また、各種特定遊技状態は対応する大当たり遊技の終了後に移行する遊技状態であるところ、各種特定遊技状態(高開閉モード)の「開始」時点とは、対応する大当たり遊技の終了時点をいうものとする。すなわち、大当たり遊技終了後、ある種の特定遊技状態に移行するときには、上記変動数条件および小当たり条件はリセットされるものとする。ただし、変動数条件がリセットされるのはあくまで「大当たり」が獲得できた場合(特典領域10に遊技球が進入した場合)であり、「小当たり」の当選だけではリセットされないものとする。
第一特定遊技状態は、開始されてから第二当否抽選が70回実行されることが変動数条件とされたものである。つまり、時短回数=70回とされたものである。上述した通り、第二当否抽選が当たり(小当たり)となる確率は1/47であるため、第一特定遊技状態が開始されて70回連続してはずれとなる前に(高開閉モードが終了する前に)第二当否抽選に当選する確率は約78%である。
第一特定遊技状態は、開始されてから「2回」の小当たりに当選することが小当たり条件とされている。つまり、第一特定遊技状態が開始された後、1回の小当たりに当選することを契機として高開閉モードは終了しない。なお、第一特定遊技状態の小当たり条件の成立となる小当たりの回数は2回以上であればよい。
第二特定遊技状態は、開始されてから第二当否抽選が1000回実行されることが変動数条件とされたものである。つまり、時短回数=1000回とされたものである。上述した通り、第二当否抽選が当たり(小当たり)となる確率は1/47であるため、第二特定遊技状態が開始されて第二当否抽選に当選することなく1000回連続してはずれとなることは起こり得ないような確率である。つまり、第二特定遊技状態は、事実上次の小当たり当選(小当たりを経由した大当たりの獲得)まで高開閉モードの継続が約束された状態であるといえる。このように、当否抽選に当選することなく終了することが天文学的に低い確率(0.1%未満)となる時短回数とされた特定遊技状態は、当該特定遊技状態(高開閉モード)が終了する前に「事実上次の大当たりの獲得が約束された」状態であるとする(後述する特別特定遊技状態も同様)。本実施形態とは異なり、第二特定遊技状態は、次の大当たり獲得まで継続するもの(時短回数=∞)としてもよい。このような次の大当たり獲得まで継続する特定遊技状態も、当該特定遊技状態(高開閉モード)が終了する前に「事実上次の大当たりの獲得が約束された」状態であるとする。
第二特定遊技状態は、開始されてから「1回」の小当たりに当選することが小当たり条件とされている。つまり、第二特定遊技状態が開始された後、1回の小当たりに当選することを契機として高開閉モードが終了する。
特別特定遊技状態は、開始されてから第二当否抽選が1000回実行されることが変動数条件とされたものである。つまり、時短回数=1000回とされたものである。上述した通り、第二当否抽選が当たり(小当たり)となる確率は1/47であるため、特別特定遊技状態が開始されて第二当否抽選に当選することなく1000回連続してはずれとなることは起こり得ないような確率である。つまり、特別特定遊技状態は、事実上次の小当たり当選(小当たりを経由した大当たりの獲得)まで高開閉モードの継続が約束された状態であるといえる。
特別特定遊技状態は、開始されてから「2回」の小当たりに当選することが小当たり条件とされている。つまり、特別特定遊技状態が開始された後、1回の小当たりに当選することを契機として高開閉モードは終了しない。なお、特別特定遊技状態の小当たり条件の成立となる小当たりの当選回数は2回以上であればよい。
2-5-4)以上の通りであるから、通常遊技状態と特定遊技状態を、当否抽選の当選確率(実質大当たり確率)の高低、時短の有無で表せば、
(a)通常遊技状態・・・「低確率・時短無」
(b)特定遊技状態・・・「高確率・時短有」
ということになる。
また、各種特定遊技状態を、当否抽選の当選確率(実質大当たり確率)の高低、時短の有無(時短回数)、高開閉モードが終了することになる小当たりの回数で表せば、
(b-1)第一特定遊技状態・・・「高確率・時短有(70回)・小当たり2回」
(b-2)第二特定遊技状態・・・「高確率・時短有(1000回)・小当たり1回」
(b-3)特別特定遊技状態・・・「高確率・時短有(1000回)・小当たり2回」
ということになる。
2-6)大当たりの種類
本実施形態では、大当たりの種類として、通常大当たりおよび特定大当たりが設定されている。通常大当たりは、大当たり遊技終了後(大当たり遊技を構成する最後の単位遊技の終了後のことをいう)、通常遊技状態に移行する大当たりである。特定大当たりは、大当たり遊技終了後、特定遊技状態に移行する大当たりである。通常遊技状態(低確率・時短無)よりも、特定遊技状態(高確率・時短有)の方が遊技者に有利な遊技状態であるから、大当たり遊技終了後の遊技状態に関していえば(ラウンド数の多少を除いて考えれば)、通常大当たりよりも特定大当たりの方が遊技者に有利なものであるといえる。
特定大当たりとしては、第一特定大当たり、第二特定大当たり、特別特定大当たりがある。第一特定大当たりは、大当たり遊技終了後、第一特定遊技状態に移行する大当たりである。第二特定大当たりは、大当たり遊技終了後、第二特定遊技状態に移行する大当たりである。特別特定大当たりは、大当たり遊技終了後、特別特定遊技状態に移行する大当たりである。特定遊技状態のうち、特別特定遊技状態が最も有利な遊技状態である(特別特定遊技状態が全ての遊技状態のうちの最も有利な遊技状態である)から、大当たり遊技終了後の遊技状態に関していえば(ラウンド数の多少を除いて考えれば)特定大当たりのうち最も価値があるのは特別特定大当たりである。
本実施形態では、通常大当たりおよび第一特定大当たりは、2ラウンド(2R)または10ラウンド(10R)大当たりである。第二特定大当たりおよび特別特定大当たりは、全て10ラウンド(10R)大当たりである。なお、以下で特に説明する点を除いては、当該ラウンド数は適宜変更可能である。
2-7)遊技の流れ
2-7-1)「回数切りタイプ」(第一特定遊技状態)と「ループタイプ」(第二特定遊技状態)
以下、一部上記説明と重複するが、本実施形態にかかる遊技機1の遊技の流れを説明する。なお、以下で説明する流れは、異常等が発生せず、遊技者が指示通りの遊技を行った(左打ちすべき状況で左打ちを行い、右打ちすべき状況で右打ちを行った)場合のものである。
所定のリセット操作(当該リセット操作は、遊技店(遊技店員)が行うことができるものであり、遊技者が行うことができるものではない)がなされた後の初期状態時には、通常遊技状態(遊技者にとって最も不利な遊技状態)とされる。本実施形態では、RAMクリア操作が当該リセット操作にあたり、電源OFF/ONはリセット操作ではない。ただし、電源のOFF/ONがリセット操作である設定としてもよい。
通常遊技状態においては、遊技者は左打ち遊技を行う。第一始動領域904aに遊技球が進入することを契機として第一抽選情報が取得される。第一抽選情報(第一当否抽選情報)に基づく第一当否抽選(特図1抽選)にて小当たりに当選した場合には小当たり遊技が実行され、当該小当たり遊技にて特典領域10に遊技球が進入する(V入賞する)ことで大当たりが獲得できる。第一当否抽選を経て獲得した大当たりは、第一当否抽選用の大当たり振分テーブルを参照して大当たりの種類が決まる。本実施形態では、第一当否抽選を経て獲得した大当たり(第一当否抽選を経て獲得した大当たり)は、通常大当たり(2R)が40%、第一特定大当たり(2R)が10%、特別特定大当たり(10R)が50%の振分けとなる(図6(a)参照)。通常大当たりとなった場合には、その大当たり遊技終了後通常遊技状態に移行する(図4参照)ため、再び通常遊技状態にて大当たりの獲得を目指して遊技することになる。
第一特定大当たりとなった場合には、第一特定遊技状態に移行する(図4参照)。第一特定遊技状態においては、遊技者は右打ち遊技を行う。第二始動領域904bに遊技球が進入することを契機として第二抽選情報が取得される。第二抽選情報(第二当否抽選情報)に基づく第二当否抽選(特図2抽選)にて小当たりに当選した場合には小当たり遊技が実行され、当該小当たり遊技にて特典領域10に遊技球が進入する(V入賞する)ことで大当たりが獲得できる。第一特定遊技状態は、「高確率・時短有(70回)」の状態である。よって、70回連続して第二当否抽選結果がはずれとなる前に、第二当否抽選結果が当たり(小当たり)となって大当たりを獲得することを目指して遊技する状態である。言い換えれば、第二当否抽選結果が70回連続してはずれとなった場合には通常遊技状態に移行する(ただし、まずは残保留チャンス(詳細は後述)状態に移行する)ことになるため、当該通常遊技状態への移行を回避するために、70回連続して第二当否抽選結果がはずれとなるよりも前に大当たりを獲得することを目指して遊技する遊技状態である。このような規定回数(本実施形態では70回)連続してはずれとなるまでは大当たりが獲得しやすい状態が継続するという遊技性は、一般的には「回数切り」、「ST」等と称される(以下では「回数切りタイプ」と称する)。
第二当否抽選(特図2抽選)を経て獲得される大当たりの種類は、第二当否抽選用の大当たり振分テーブルに基づいて決定される。ここで、第二当否抽選に関しては、大当たり獲得時に高開閉モードである(「時短有」状態である)か、大当たり獲得時に高開閉モードでない(「時短無」状態である)かにより参照されるテーブルが異なる。つまり、大当たり獲得時に、「時短有」状態であるか、「時短無」状態であるかに応じ、「大当たり振り分け」が異なる。また、本実施形態では、小当たり遊技にて特典領域10に遊技球を進入させた時点、すなわちV入賞させた時点が「大当たり獲得時」(大当たり獲得が決まった時点)である。したがって、V入賞させた時点が、「時短有」状態であるか、「時短無」状態であるかに応じ、「大当たり振り分け」が異なるということになる(図6(b)参照)。
第一特定遊技状態は、小当たり条件が2回とされている(図5参照)のであるから、第一特定遊技状態が開始されてから最初の小当たり当選(1回の小当たり当選)では、高開閉モード(時短)は終了しない(小当たり条件は成立しない)。よって、当該最初の小当たり当選を経て実行される小当たり遊技にてV入賞させた時点(大当たり獲得が決まった時点)では、「時短有」の状態にある。異常等が発生せず、遊技者が指示通り特典領域10を狙って継続的に遊技球を発射していれば、ほぼ確実に当該最初の小当たり遊技にてV入賞することになる(パンクは発生しない)ため、第一特定遊技状態にて獲得した大当たりの種類は、「時短有」のテーブルを参照して決定されることになる。よって、第一特定遊技状態にて獲得される大当たりの振り分けは、基本的には(パンクが発生しなければ)、第一特定大当たり(10R)が95%、特別特定大当たり(10R)が5%となる(図6(b-1)参照)。
第一特定遊技状態が開始されてから時短回数(70回)連続して第二当否抽選結果がはずれとなった(「時短抜け」となった)場合には変動数条件が成立することになるため、第一特定遊技状態が終了して通常遊技状態に移行する。ただし、第一特定遊技状態が終了した直後は、記憶手段に第二保留情報(特図2保留)が残っている(以下、第一特定遊技状態が終了した時点で残っている第二保留情報を残保留と称することもある)ため、「高確率」(1/47)の第二当否抽選が残保留分実行される(以下、当該残保留分の高確率抽選を「残保留チャンス」と称する)(図4参照)。
本実施形態では、第一特定遊技状態が開始されてから70回目のはずれ変動(時短最終変動)では、当該変動が終了するよりも前に、第二保留情報を4つとする(以下、第二保留情報が4つ記憶された状態を「保留満タン」と称することもある)ことを促す演出(保留貯留指示演出)(図7(a)参照)が実行される。保留満タンとなった場合には、それを示す演出(保留貯留完了演出)(図7(b)参照)が実行される。なお、時短最終変動の所定時点にて、既に保留満タンにある場合には保留貯留指示演出が発生しないようにしてもよい。
時短最終変動にて上記のような保留貯留指示演出が実行されるため、通常であれば第一特定遊技状態が終了した時点で第二保留情報は4つ残っている。つまり、当選確率1/47の第二当否抽選(高確率抽選)を4回受ける権利がある。これが残保留チャンスである。つまり、残保留チャンスが実行される状態は、厳密には既に通常遊技状態ではあるが、高確率抽選の契機が4回残っているため、それが終了するまでは未だ有利な状態(通常遊技状態ではない状態)であるかのように見せるため「残保留チャンス」に対応する演出が実行される。
残保留チャンスにて実行される変動中演出(4回の変動中演出)は残保留チャンスではない状態では実行されることがない特殊なものとされる。本実施形態では「○○チャンス」と称される残保留チャンス用の演出(図8(a)参照)が実行される。残保留チャンスでは、取得された順が早い第二保留情報(第二当否抽選情報)に対応する当否抽選結果から報知されていく。本実施形態では、当否抽選結果が当たり(小当たり)である場合には遊技者に有利な状況となったことを示す成功結果(図8(b)→(c-1)参照)に、はずれである場合には遊技者に不利な状況となったことを示す失敗結果(図8(b)→(c-2)参照)に至る演出が実行される(なお、成功結果には、一旦失敗したとみせかけてそれが覆されるいわゆる逆転パターンが含まれるものとする)。成功結果となった場合には小当たり遊技が実行される。失敗結果となった場合には次の変動中演出が開始される。当該4回の第二当否抽選(高確率抽選)が全てはずれとなった場合には、残保留チャンスは終了して左打ち遊技が促される状態に移行する。つまり、第一当否抽選を経て大当たり獲得を目指す状態となる。
詳細については後述するが、残保留チャンスで第二当否抽選に当選して当選して獲得される大当たりは通常大当たりおよび第二特定大当たりのいずれかとなる。本実施形態では、どちらの大当たりに当選したかは大当たり遊技中のバトル演出(図9参照)にて報知されるところ、通常大当たりおよび第二特定大当たりを包括した大当たり(特典)の名称を「バトルボーナス」と称している。そのため、残保留チャンスの変動中は、当該バトルボーナスという特典を表す画像(以下、特典画像と称する)を用いた演出が実行される。具体的には、各変動において、成功結果に至るか失敗結果に至るかが判明していない段階で、特典画像が表示されるようにしている(図8(b)参照)。このようにすることで、遊技者は、当該演出が成功すれば当該特典画像が表す特典が獲得できるということを事前に知ることができる(演出が分かりやすくなる)。成功結果に至った場合には、好ましい状況に至ったことを示す画像(本実施形態では「成功」の文字)とともにその前の段階(図8(b)の段階)から表示されていた特典画像が表示された状態(図8(c-1)参照)となるため、当該特典を獲得できたということが容易に把握できる。一方、失敗結果に至った場合には、残念な状況に至ったことを示す画像(本実施形態では「失敗」の文字)が表示されるとともにその前の段階(図8(b)の段階)では表示されていた特典画像が表示されない状態(図8(c-2)参照)となるため、当該特典を獲得できなかったことが容易に把握できる。
残保留チャンスの第二当否抽選にて小当たりに当選した場合には、小当たり遊技が実行される(図9(a)参照)。当該小当たり遊技にてV入賞することで大当たりが獲得できる。ここで、残保留チャンスが実行される状態は既に高開閉モードが終了した時短無の状態であるため、V入賞した時点である大当たり獲得時点も時短無の状態である。よって、残保留チャンスの第二当否抽選を経て獲得した大当たりの種類は、「時短無」のテーブルを参照して決定されることになる。すなわち、残保留チャンスにて獲得した大当たりの振り分けは、第二特定大当たり(10R)が79%、通常大当たり(10R)が21%となる(図6(b-2)参照)。第二特定大当たりを獲得した場合には、その大当たり遊技終了後第二特定遊技状態に移行する(図4参照)。通常大当たりを獲得した場合には、その大当たり遊技終了後通常遊技状態に移行する(図4参照)。
本実施形態では、第二特定大当たりおよび通常大当たりのいずれを獲得したのかは、V入賞後の大当たり遊技中に報知される。本実施形態では、バトル演出(図9(b)参照)によりどちらの大当たりを獲得したのかが報知される。当該バトル演出は、遊技者側のキャラクタが勝利する勝利結末(遊技者にとって有利な結末)(図9(c-1)参照)または敗北する敗北結末(遊技者にとって不利な結末)(図9(c-2)参照)に至るものである(なお、勝利結末には、一旦敗北したとみせかけてそれが覆されるいわゆる逆転パターンが含まれるものとする)。獲得した大当たりが第二特定大当たりである場合には勝利結末に、通常大当たりである場合には敗北結末に至る。勝利結末となった場合には、大当たり遊技終了後、第二特定遊技状態が開始されることになる。一方、敗北結末となった場合には、大当たり遊技終了後、通常遊技状態に移行することになる。
なお、残保留チャンスとして実行される4回の第二当否抽選のうち、1~3回目の第二当否抽選で小当たりに当選して通常大当たりを獲得した場合には、当該通常大当たり後、残りの第二保留情報分(1~3回のいずれか)の第二当否抽選が実行される(図9(c-2)下の(イ)参照)。例えば、残保留チャンスの開始から3回目の第二当否抽選に当選して通常大当たりを獲得したとする。その場合には、当該通常大当たり遊技の終了後は、残り1つの第二保留情報分の第二当否抽選が実行される。仮にそこで再び第二当否抽選に当選し、第二特定大当たりを獲得したとすれば、その大当たり遊技終了後に第二特定遊技状態に移行することになる。つまり、残保留チャンスは、「第二特定大当たりの獲得」または「残保留チャンスの開始から4回目の第二当否抽選の終了」のいずれかで終了するため、1~3回目の第二当否抽選にて通常大当たりを獲得したとしても、残りの第二当否抽選にて第二特定大当たりを獲得すれば残保留チャンス後に第二特定遊技状態に移行する可能性がある。
残保留チャンスの開始から4回目の第二当否抽選がはずれとなった場合、または、当選したとしてもそれを経て獲得した大当たりが通常大当たりであった場合には、左打ち遊技が促される状態に移行する。つまり、第一当否抽選を経て大当たり獲得を目指す状態となる。
残保留チャンスにて第二特定大当たりを獲得した場合には、第二特定遊技状態に移行する(図4参照)。第二特定遊技状態は、時短回数=1000回であり、高開閉モードが終了する前に次回の大当たりが獲得できることが事実上約束された状態である。よって、第二特定遊技状態では、小当たり当選となるまではずれ変動が高速で消化されていく。そして、第二当否抽選で小当たりに当選することを経て大当たりが獲得できることになる。
ここで、第二特定遊技状態は、(上記第一特定遊技状態とは異なり)、小当たり条件が1回とされているのである(図5参照)から、第二特定遊技状態が開始されてから最初(1回目)の小当たり当選で、高開閉モード(時短)が終了する。よって、当該最初の小当たり当選を経て実行される小当たり遊技にてV入賞させた時点(大当たり獲得が決まった時点)では、「時短無」の状態にある。異常等が発生せず、遊技者が指示通り特典領域10を狙って継続的に遊技球を発射していれば、ほぼ確実に当該最初の小当たり遊技にてV入賞することになる(パンクは発生しない)ため、第二特定遊技状態にて獲得した大当たりの種類は、「時短無」のテーブルを参照して決定されることになる。よって、第一特定遊技状態にて獲得される大当たりの振り分けは、基本的には(パンクが発生しなければ)、第二特定大当たり(10R)が79%、通常大当たり(10R)が21%となる(図6(b-2)参照)。なお、この振り分けは、残保留チャンスにて獲得した大当たりの振り分けと同じである。
このように、第二特定遊技状態は、事実上次回大当たりの獲得が約束された状態であり、その大当たりは79%の確率で第二特定大当たりとなって再び第二特定遊技状態に移行することになる。つまり、一旦第二特定遊技状態に移行すれば、次回の大当たりまで継続することが約束された有利な遊技状態(高確率かつ高開閉モード)が所定の確率でループする「ループタイプ」の遊技性となる。
第二特定遊技状態にて通常大当たりを獲得した場合には、その大当たり遊技終了後通常遊技状態に移行する。本実施形態では、第二特定遊技状態にて獲得した通常大当たり遊技終了後も「残保留チャンス」に移行するものとされている。このような残保留チャンスに移行させるようにするためには、第二特定遊技状態の終了時に第二保留情報が4つ記憶された状態(保留満タンの状態)となるようにしなければならない。よって、本実施形態では、第二特定遊技状態にて次のような制御を行っている。
上述した通り、第二特定遊技状態は、事実上次回の大当たりが約束された状態であるため、第二当否抽選結果がはずれとなるはずれ変動は高速で消化されていく。そして、当否抽選結果が当たり(小当たり)となる当たり変動では、保留を貯めるための演出(保留貯留指示演出)が実行される(はずれ変動では保留貯留指示演出は実行されない)(図10(a)参照)。つまり、当たり変動は、はずれ変動とは異なりある程度長い変動時間とされ、第二保留情報を満タンとするために十分な時間が確保される。保留貯留指示演出の後、保留満タンの状態となることを契機として保留満タンとなったことを示す演出(保留貯留完了演出)が実行される(図10(b)参照)。なお、これら保留貯留指示演出や保留貯留完了演出は、上述した第一特定遊技状態の時短最終変動で実行されるものと同じ態様であってもよいし、異なる態様であってもよい。その後、当否抽選結果が当たり(小当たり)となったことが報知される(図10(c)参照)。なお、この時点では、獲得される大当たりが第二特定大当たりであるか通常大当たりであるかは明確に遊技者に報知されない。つまり、上述した保留貯留指示演出は、将来的に獲得される大当たりが第二特定大当たりおよび通常大当たりのいずれとなる場合であっても、当たり変動にて実行されることになる。また、V入賞後の大当たり遊技にて、獲得された大当たりが第二特定大当たりであるか通常大当たりであるかがバトル演出にて報知されることになるから、本実施形態では「バトルボーナス」という名称が表示される(図10(c)参照)。すなわち、「バトルボーナス」という名称は、V入賞後に獲得される大当たりが、通常大当たりおよび第二特定大当たりのいずれかであることを示すものであるといえる。
その後の進行は残保留チャンスにて小当たりに当選した場合と同様である。すなわち、小当たり遊技にて特典領域10を狙って遊技球を発射すべき旨の指示が出され(図9(a)参照)、V入賞することにより、大当たり獲得となって大当たり遊技が開始される。大当たり遊技中には獲得した大当たりが第二特定大当たりであるか通常大当たりであるかを報知するバトル演出(図9(b)、(c-1)、(c-2)参照)が行われる。
上述した通り、第二特定遊技状態の当たり変動では保留貯留指示演出が実行されるから、当該当たり変動が終了した時点で既に保留満タンの状態にあるはずである。したがって、獲得した大当たりが通常大当たりであり(大当たり遊技中のバトル演出が敗北結末に至り)通常遊技状態に移行しても、第二当否抽選を4回受ける権利がある(残保留チャンスが発生する)ことになる(図9(c-2)下の(ロ)参照)。
なお、当たり変動にて、獲得される大当たりが第二特定大当たりであることが確定するケースが発生するようにしてもよい。このような場合には、第二特定大当たり遊技の終了後、再び第二特定遊技状態に移行する(残保留チャンスには移行しない)のであるから、当たり変動にて保留貯留指示演出が実行されないようにしてもよい。
当該残保留チャンスは、上述した第一特定遊技状態後(時短抜け後)にて実行されるものと同様であるから説明を省略する。第一特定遊技状態後に実行される残保留チャンスと、第二特定遊技状態後に実行される残保留チャンスの演出(当否抽選結果を報知する演出の態様や演出名称等)を異ならせてもよい。
以上の通り、本実施形態にかかる遊技機1は、第一特定遊技状態では規定回数(本実施形態では70回)連続してはずれとなる前に大当たりを獲得することを目指す「回数切りタイプ」(STタイプ)の遊技性となり、第二特定遊技状態では事実上獲得が約束された次の大当たりが第二特定大当たりとなること(通常大当たりとならないこと)を目指す「ループタイプ」の遊技性となるものである。すなわち、「回数切りタイプ」(STタイプ)の遊技性と「ループタイプ」の遊技性を同じ遊技機(一機種)にて体験できるという斬新なものである。
また、本実施形態では、通常遊技状態(残保留チャンスを除く)から第二特定遊技状態に移行する可能性はなく(通常遊技状態(残保留チャンスを除く)にて第二特定大当たりを獲得することはなく)、第一特定遊技状態が終了した後の残保留チャンスにて第二特定大当たりを獲得することが第二特定遊技状態に移行する条件とされている。したがって、通常遊技状態(残保留チャンスを除く)から遊技を開始する遊技者は、まずは第一特定遊技状態に移行することを目指し、当該第一特定遊技状態が終了した場合には残保留チャンスでの第二特定遊技状態への移行権利の獲得を目指すという遊技性となる。
特に、本実施形態では、第一特定遊技状態が変動数条件で終了する(時短抜けする)よりも前に小当たりに当選して第一特定大当たりを獲得する確率は約78%である一方、第二特定遊技状態にて第二特定大当たりを獲得する確率は約79%である。すなわち、いわゆる継続率は、第一特定遊技状態より第二特定遊技状態の方が高い。よって、比較的移行しやすい第一特定遊技状態よりも、比較的移行しにくい第二特定遊技状態の方が価値ある状態であるといえる。別の味方をすれば、第一特定遊技状態終了後の残保留チャンスで大当たりを獲得することが、より有利な遊技状態である第二特定遊技状態への移行条件とされているという面白みのある遊技性であるといえる。
2-7-2)特別特定大当たり(特別特定遊技状態)
特別特定大当たりは、通常遊技状態(残保留チャンスを除く)にて第一当否抽選に当選すること、および、第一特定遊技状態にて第二当否抽選に当選することで獲得できる可能性がある大当たりであって、全て10ラウンドである(図4、図6参照)。よって、一回の特別特定大当たり遊技においては、各単位遊技にて時間条件が成立するよりも前に入賞条件が成立するようある程度継続的に右打ちを行っていれば、15×10×10(賞球数×カウント×ラウンド数)=1500の賞球が最低得られることになる。
特別特定大当たり遊技終了後に移行する特別特定遊技状態は、時短回数=1000回であり、高開閉モードが終了する前に次回の大当たりが獲得できることが事実上約束された状態である。つまり、次回の大当たりが事実上約束されている点については第二特定遊技状態と同じである。このように次回の大当たりが事実上約束されているため、特別特定遊技状態では、小当たり当選となるまではずれ変動が高速で終了していく。そして、他の遊技状態と同様、小当たりに当選することで大当たりが獲得できることになる。
ここで、特別特定遊技状態は、(上記第二特定遊技状態とは異なり)小当たり条件が2回とされているのである(図5参照)から、第一特定遊技状態が開始されてから最初の小当たり当選(1回の小当たり当選)では、高開閉モード(時短)は終了しない(小当たり条件は成立しない)。よって、当該最初の小当たり当選を経て実行される小当たり遊技にてV入賞させた時点(大当たり獲得が決まった時点)では、「時短有」の状態にある。異常等が発生せず、遊技者が指示通り特典領域10を狙って継続的に遊技球を発射していれば、ほぼ確実に当該最初の小当たり遊技にてV入賞することになる(パンクは発生しない)ため、特別特定遊技状態にて獲得した大当たりの種類は、「時短有」のテーブルを参照して決定されることになる。よって、特別特定遊技状態にて獲得される大当たりの振り分けは、基本的には(パンクが発生しなければ)、第一特定大当たり(10R)が95%、特別特定大当たり(10R)が5%となる(図6(b-1)参照)。
つまり、第二特定遊技状態と特別特定遊技状態とは、高開閉モードが終了する前に次回の大当たりが獲得できることが事実上約束された状態である点で共通するが、第二特定遊技状態の小当たり条件は小当たり1回であり、特別特定遊技状態の小当たり条件は小当たり2回であるから、大当たり獲得時の参照テーブル(大当たり振り分け)は前者が「時短無」(図6(b-2)参照)、後者が「時短有」(図6(b-1)参照)で異なることになる。その大きな違いの一つとしては、前者は通常大当たりとなる可能性がある一方、後者は通常大当たりとなる可能性がないことである。遊技者視点でいえば、第二特定遊技状態は大当たり遊技終了後に通常遊技状態に移行する危険性を孕んでいるが、特別特定遊技状態は大当たり遊技終了後に通常遊技状態に移行することはない(第一特定遊技状態および特別特定遊技状態のいずれかに移行する)ということである。
また、特別特定遊技状態にて獲得される可能性がある第一特定大当たりおよび特別特定大当たりはいずれも10ラウンドである。つまり、特別特定遊技状態にて獲得した大当たりでも、15×10×10(賞球数×カウント×ラウンド数)=1500の賞球が最低得られることになる。
このことをまとめると次のことがいえる。特別特定大当たりを獲得した場合、当該特別特定大当たり(以下、「先の大当たり」と称することもある)で得られる最低の賞球数1500個と、その後移行する特別特定遊技状態にて獲得する大当たり(以下、「後の大当たり」と称することもある)で得られる最低の賞球数1500個とを足した、最低3000個の賞球が得られることが事実上約束されることになる。また、後の大当たり遊技終了後も特定遊技状態(高確率かつ高開閉モード)は継続する。よって、特別特定大当たりの獲得は、「3000個の賞球」かつ「(後の大当たり遊技終了後の)特定遊技状態」が約束されたものであるといえる。
本実施形態では、特別特定大当たりの名称(タイトル)は、上記最低得られる賞球数を示す「3000」を含むものとされている(図11参照)。特別特定大当たりを獲得した際には、当該特別特定大当たりを獲得する契機となった当たり変動や特別特定大当たり遊技の冒頭において、当該名称が表示される。本実施形態では、特別特定大当たりは「スペシャルボーナス3000」と名付けられている。
このように、本実施形態にかかる遊技機1は、特別特定大当たりが3000個の賞球が約束されたプレミアムな大当たりとして搭載されている。当該特別特定大当たりは通常遊技状態(残保留チャンスを除く)でも獲得できる(いわゆる初当たりとして獲得できる)ものであるから、遊技の促進を図ることに資する。特に、本実施形態では、第一当否抽選を経て獲得した大当たりの50%が特別特定大当たりであり、いきなり当該大当たりを獲得できる蓋然性がかなり高いから、遊技の促進を図る効果が高い。加えて、いわゆる「回数切りタイプ」の遊技性となる第一特定遊技状態においても特別特定大当たりが獲得できる可能性があるから、連荘中に獲得できる出玉が大きくなることにも期待がもてる。
また、特別特定大当たり(先の大当たり)を獲得した後に特別特定遊技状態にて獲得される後の大当たり遊技終了後は通常遊技状態に移行することはない。すなわち、特別特定遊技状態を「連荘確定」の遊技状態としている。「3000個」の賞球が得られるというプレミアムな大当たり(後の大当たり)終了後に通常遊技状態に移行してしまうと、遊技者が興醒めしてしまうから、後の大当たり遊技終了後は特定遊技状態(高確率かつ高開閉モード)に移行するようにしている。
なお、第二特定遊技状態を「ループタイプ」の遊技性を実現する遊技状態とし、特別特定遊技状態を「連荘確定」の遊技状態とすることを両立させることができるのは、高開閉モード中に次回の大当たり獲得が事実上約束されている(いわゆるロング時短である)点で共通する第二特定遊技状態と特別特定遊技状態とで、小当たり条件(終了条件)を異ならせているからである。「ループタイプ」とするためには、通常大当たりが獲得される可能性(通常遊技状態への転落可能性)がなければならない。一方、「連荘確定」とするためには、通常大当たりが獲得される可能性(通常遊技状態への転落可能性)をなくさなければならない。つまり、第二特定遊技状態と特別特定遊技状態とで、大当たり振り分けを異ならせなければならない。よって、第二特定遊技状態と特別特定遊技状態をいずれもロング時短(本実施形態では時短1000回)として次回の大当たり獲得が事実上約束された状態としつつも、小当たり条件を異ならせ、前者はV入賞時に時短無状態となるように(「時短無」テーブルが参照されるように)して大当たり振り分けに通常大当たりが含まれるように(図6(b-2)参照)、後者はV入賞時に時短有状態となるように(「時短有」テーブルが参照されるように)して大当たり振り分けに通常大当たりが含まれないように(図6(b-1)参照)している。
2-8)「パンク」発生時の制御
高開閉モードである第一特定遊技状態は、小当たり条件が2回とされたものである。したがって、第一特定遊技状態が開始された後1回目の小当たり当選では高開閉モード(時短)が終了せず、通常であれば(異常等が発生せず、指示通り遊技を行っていれば)当該1回目の小当たり遊技にてV入賞することになるから、大当たりの種類は「時短有」の振り分け(図6(b-1)参照)で決定されることになる。
しかし、第一特定遊技状態が開始された後1回目の小当たり遊技において、異常の発生や遊技者が指示通り遊技を行わない(継続的に右打ちしない)等の原因により、V入賞しなかった場合、「パンク」となって大当たりが獲得できないこととなる(以下、小当たり遊技にて特典領域10に遊技球が進入しない(V入賞しない)事象を非進入事象と称することもある。「非進入事象」の発生=「パンク」の発生であるということである)。
ただし、第一特定遊技状態の終了条件の成立は、変動数条件(時短回数)=70回および小当たり条件2回のいずれか一方が成立することであるから、このような「パンク」となっても時短回数が残っていれば、小当たり遊技の終了後、再び第一特定遊技状態の変動が開始される(残りの時短回数分の変動が開始される)。例えば、第一特定遊技状態が開始されてから50回目の第二当否抽選で小当たりに当選したものの当該小当たり遊技が「パンク」となった場合、当該小当たり遊技の終了後、51回目(時短の51回転目)の第二当否抽選結果を報知する変動が開始されることになる。本実施形態では、第一特定遊技状態にてパンク(非進入事象)が発生する前の状態(以下、普通状態と称することもある)と、パンク(非進入事象)が発生した後の状態(以下、特殊状態と称することもある)とを区別している。上記の例でいえば、第一特定遊技状態が開始されてから50回転目までが普通状態であり、51回転目から第一特定遊技状態が終了するまでが特殊状態となるということである(図12参照)。
第一特定遊技状態にて「パンク」が発生することを契機として、特殊状態にあることを示す情報(以下、特殊情報と称する)が記憶手段に記憶される(図12参照)。つまり、当該記憶手段に特殊情報が記憶された状態にあれば現在は特殊状態であり、特殊情報が記憶された状態になければ現在は普通状態であるということになる。当該特殊情報を記憶する記憶手段は電源OFFとなっても記憶が消失しない不揮発性の記憶手段であることが好ましい。つまり、停電等が発生しても特殊状態にあることを示す情報は残存するようにすることが好ましい。本実施形態では、主制御基板(主制御回路)が有する記憶手段に特殊情報が記憶される。本実施形態にかかる遊技機1も、一般的な遊技機と同様に、当否抽選を行う主制御基板(主制御回路)および当否抽選結果に基づいて実行する演出の内容を決定するサブ制御基板(サブ制御回路)を有する(当該主制御基板およびサブ制御基板自体は周知であるから詳細な説明を省略する)ところ、電源OFFとなると記憶が消失するサブ制御基板(サブ制御回路)の記憶手段ではなく、電源OFFとなっても記憶が消失しない主制御基板(主制御回路)の記憶手段に特殊情報が記憶されるようにしている。
普通状態にある場合と特殊状態にある場合とでは、変動中演出を構成する演出であって、所定条件成立時に実行される対象演出の態様を異ならせる。本実施形態では、「当たり組み合わせの表示」および「ボーナス名称(大当たり名称)の表示」が対象演出とされている。
「当たり組み合わせの表示」に関し、普通状態では、当否抽選結果が当たりとなる場合、すなわち当たり変動では、最終的に「7」の装飾図柄80の三つ揃いが表示されて当選が報知される(図13(a)参照)。普通状態での小当たり当選は、第一特定遊技状態が開始されてから1回目の小当たり当選であるから、高開閉モード(時短)は終了しない。よって、V入賞時には「時短有」の大当たり振り分け(図6(b-1)参照)で大当たりの種類が決定される。当該「時短有」の大当たり振り分けは、通常大当たりがない(大当たり遊技終了後に特定遊技状態(第一特定遊技状態または特別特定遊技状態)に移行するものであり、通常遊技状態に移行することはない)から、「7」の装飾図柄80の三つ揃いにより当選が報知される。本願技術分野において、「7」の図柄は価値ある図柄として設定されているのが通常であり、多くの遊技者がそのように考えているものである。「時短有」の大当たり振り分けは通常大当たりとなる可能性がないのであるから、当該価値ある図柄である「7」の装飾図柄80により当選が報知されるようにしている。
これに対し、特殊状態では、当否抽選結果が当たりとなる場合、すなわち当たり変動で、「7」の装飾図柄80の三つ揃いが表示されないようにしている。本実施形態では、「7」以外の装飾図柄80のいずれかの三つ揃いが表示されるようにしている(図13(b)参照)。「7」以外の装飾図柄80のうち、いずれの装飾図柄80が表示されるのかが決まっている構成(例えば「6」の装飾図柄80の三つ揃いが表示されることが決まっている構成)としてもよい。特殊状態での小当たり当選は、第一特定遊技状態が開始されてから2回目の小当たり当選であるから、高開閉モード(時短)が終了する。よって、V入賞時には「時短無」の大当たり振り分け(図6(b-2)参照)で大当たりの種類が決定される。当該「時短無」の大当たり振り分けは、通常大当たりとなる可能性があるものである。よって、上述した通り、価値ある図柄として一般的に認識されている「7」の装飾図柄80の三つ揃いにより当選が報知されてしまうと、「7」の装飾図柄80が揃ったのに通常遊技状態に転落してしまう可能性があることになってしまう(遊技者からのクレームにつながってしまうおそれがある)。よって、本実施形態では、特殊状態では、上述した普通状態にて表示される「「7」の装飾図柄80の三つ揃い」とは異なる図柄組み合わせ(「7」の装飾図柄80以外の装飾図柄80の三つ揃い)が表示されるように制御する。
「ボーナス名称(大当たり名称)の表示」に関し、普通状態にてV入賞後に獲得しうる大当たりの名称と、特殊状態にてV入賞後に獲得しうる大当たりの名称とを異ならせている。普通状態にて獲得しうる大当たり(「時短有」の大当たり振り分け(図6(b-1)参照)で獲得しうる大当たり)は、第一特定大当たりまたは特別特定大当たりである。上述した通り、本実施形態では特別特定大当たり「スペシャルボーナス3000」という名称である(図13(a-2)参照)。一方、第一特定大当たりは「ビックボーナス」という名称である(図13(a-1)参照)。よって、普通状態における当たり変動にて将来的(V入賞後)に獲得される大当たりを示す際には、「スペシャルボーナス3000」や「ビックボーナス」という名称を用いる。
一方、特殊状態にて獲得しうる大当たり(「時短無」の大当たり振り分け(図6(b-2)参照)で獲得しうる大当たり)は、第二特定大当たりまたは通常大当たりである。上述した通り、いずれの大当たりを獲得したかは大当たり遊技中の演出(バトル演出)で報知される(図9参照)のであって、それが判明する前の状態では「バトルボーナス」という名称を用いている(「バトルボーナス」という名称は、第二特定大当たりおよび通常大当たりを包括的に示す名称であるといえる)(図13(b)参照)。よって、特殊状態における当たり変動にて将来的(V入賞後)に獲得される大当たりを示す際には、「バトルボーナス」という名称を用いる。
なお、特殊状態では、当たり変動にて上述した保留貯留指示演出が実行されるようにしてもよい。特殊状態にて獲得した大当たりは通常大当たりとなる可能性があるのであり、その場合に第二保留情報が満タンの状態で残保留チャンスに移行するようにするため、保留貯留指示演出が発生して保留を貯めるよう指示が出されるようにする。
このように、本実施形態における第一特定遊技状態は、通常であれば(パンクが発生しなければ)「時短有」の大当たり振り分け(図6(b-1)参照)で大当たりの種類が決定されるが、1回のパンクが発生した後、再度小当たりに当選し、その小当たりで獲得した大当たりは、「時短無」の大当たり振り分け(図6(b-2)参照)で大当たりの種類が決定されることになる。パンクが発生していない普通状態と既にパンクが発生した特殊状態とでは大当たり振り分けが異なる(付与される大当たりの種類が異なる)から、普通状態および特殊状態のいずれにあるかを判別した上で、対象演出の態様を決定している。なお、本実施形態では「当たり組み合わせの表示」および「ボーナス名称の表示」が対象演出とされているが、一方のみが対象演出とされた構成としてもよい。また、「当たり組み合わせの表示」および「ボーナス名称の表示」が異なる時期に発生するようにしてもよい。また、これら以外の演出が対象演出とされた構成としてもよい。
普通状態および特殊状態のいずれにあるかは、不揮発性の記憶手段に特殊情報が存在するか否かで判別される。よって、特殊状態にて停電等が発生してそれが復旧したとした場合、復旧後の遊技は特殊状態で再開される。すなわち、停電等の異常が発生することにより、異常等が発生する前後で、大当たりを獲得した場合の大当たり振り分けが変わってしまうという状況は発生しない(停電等の異常が、遊技者の利益に影響を及ぼすことはない)。
なお、本実施形態では、第一特定遊技状態の小当たり条件を小当たり2回としている(図5参照)が、小当たり条件を3回以上としてもよい。第一特定遊技状態は、基本的には「時短有」状態の大当たり振り分け(図6(b-1)参照)が適用されるようにしたものであるから、第一特定遊技状態が開始されてから1回目の小当たり当選で高開閉モードが終了しないようにすればよい。第一特定遊技状態の小当たり条件を3回以上としても、1回の小当たり当選では高開閉モードが終了しないから、「時短有」状態の大当たり振り分けが適用されることになる。つまり、第一特定遊技状態は、N回(Nは2以上である)の小当たり当選により高開閉モードが終了するものであればよい。
そして、特殊状態は、次の小当たり当選により高開閉モードが終了する状態(次の小当たり遊技にてV入賞した場合には「時短無」状態の大当たり振り分け(図6(b-2)参照)が適用される状態)である。これに基づけば、第一特定遊技状態が開始されてからN-1回の小当たり当選まで(N-1回のパンク発生まで)が普通状態であり、N-1回の小当たり当選後(N-1回のパンク発生後)が特殊状態であるということができる。例えば、小当たり条件を小当たり3回(N=3)とするのであれば、第一特定遊技状態が開始されてから2回の小当たり当選まで(2回のパンク発生まで)が普通状態であり、2回の小当たり当選後(2回のパンク発生後)が特殊状態であることになる。
なお、同様の制御(普通状態および特殊状態のいずれにあるかに基づき対象演出を決定する制御)は、第一特定遊技状態と同様に、小当たり条件が2回とされた特別特定遊技状態においても実行される。
以下、上記遊技性に関する事項を改良、変形、具体化等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の各具体例を用いて説明する事項を複数適用した構成としてもよい。
○具体例1-1
上記実施形態では、大当たりとして特別特定大当たりが、特別特定大当たり遊技の終了後に移行する遊技状態として特別特定遊技状態が設けられた構成であることを説明したが、これらが設けられていなくても、「回数切りタイプ」(STタイプ)と「ループタイプ」を併せ持つ遊技性を実現することは可能である。
例えば、図14に示すようなゲームフローとすることが考えられる(なお、第一特定遊技状態および第二特定遊技状態の終了条件(変動数条件および小当たり条件)は上記実施形態と同じ(図5参照)であるとする)。通常遊技状態(残保留チャンスを除く)では、第一当否抽選を経て通常大当たりまたは第一特定大当たりが獲得されうるものとする(100%第一特定大当たりであってもよい)。第一特定大当たり遊技の終了後は、第一特定遊技状態に移行し、「回数切りタイプ」(STタイプ)の遊技が実行される。「時短抜け」となった場合には、残保留チャンスが実行され、そこで第二特定大当たりを獲得した場合には第二特定遊技状態に移行し、「ループタイプ」の遊技が実行されることになる。
○具体例1-2
上記実施形態では、第一特定遊技状態が小当たり条件2回(2回以上)であり、第二特定遊技状態が小当たり条件1回であることを説明したが、これを逆の設定とすることにより、「回数切りタイプ」(STタイプ)と「ループタイプ」が交互に訪れるような遊技性も実現できる。このような遊技性は、例えば図15、図16に示すような構成とすることで実現できる。
第一特定遊技状態は小当たり条件1回とし、第二特定遊技状態は小当たり条件2回(または2回以上)とする(図16(a)参照)。このようにした場合、第一特定遊技状態にて小当たりに当選した場合には、V入賞時には既に高開閉モードが終了しているのであるから、「時短無」の大当たり振り分け(図16(b-2)参照)が適用される。当該大当たり振り分けにて獲得される大当たりを第二特定大当たりとする(第一特定大当たりが獲得されることはないようにする)ことにより、第二特定大当たり遊技の終了後は第二特定遊技状態に移行することになる(図15参照)。
第二特定遊技状態は小当たり条件2回(または2回以上)であるから、第二特定遊技状態が開始されてから1回目の小当たりに当選した時点では、高開閉モードは終了していない。よって、当該1回目の小当たり遊技にてV入賞させた場合には、「時短有」の大当たり振り分け(図16(b-1)参照)が適用される。当該大当たり振り分けにて獲得される大当たりに第一特定大当たりが含まれるようにしておく(第二特定大当たりが獲得されることはないようにしておく)ことで、第一特定大当たり遊技の終了後は第一特定遊技状態に移行することになる(図15参照)。
このように、第一特定遊技状態にて第二特定大当たりが獲得でき(第一特定大当たりは獲得できず)、第二特定遊技状態にて第一特定大当たりが獲得できる(第二特定大当たりは獲得できない)ようにしておくことで、いわゆる連荘時(特定遊技状態の継続時)には、「回数切りタイプ」(STタイプ)である第一特定遊技状態と「ループタイプ」である第二特定遊技状態とが交互に訪れるという遊技性が実現できる。
○具体例1-3
上記実施形態では、まずは「回数切りタイプ」(STタイプ)である第一特定遊技状態への移行を目指し、当該第一特定遊技状態が終了した後の残保留チャンスにて大当たりを獲得することが、「ループタイプ」である第二特定遊技状態への移行条件とされた遊技性であることを説明したが、その逆の構成、すなわち「ループタイプ」である第二特定遊技状態が終了した後の残保留チャンスにて大当たりを獲得することが「回数切りタイプ」(STタイプ)である第一特定遊技状態の移行条件とされた遊技性とすることもできる。例えば図17、図18に示すような構成とすることでこのような遊技性を実現できる。
通常遊技状態(残保留チャンスを除く)にて獲得しうる大当たりには、第一特定大当たりは含まれず、第二特定大当たりが含まれるものとする(図17参照)。そのため、遊技者は、まずは第二特定大当たりの獲得を目指して遊技する。
第二特定遊技状態は小当たり条件2回(または2回以上)とする(図18(a)参照)。これにより、第二特定遊技状態が開始されてから1回目の小当たりに当選した時点では、高開閉モードは終了していない。よって、当該1回目の小当たり遊技にてV入賞させた場合には、「時短有」の大当たり振り分け(図18(b-1)参照)が適用される。当該大当たり振り分けにて獲得される大当たりは、第二特定大当たりまたは通常大当たりであるとする。第二特定大当たりを獲得した場合には、その大当たり遊技終了後再び第二特定遊技状態に移行する。つまり、第二特定大当たりを獲得することが連荘となる。
第二特定遊技状態にて通常大当たりを獲得した場合には、通常遊技状態に移行するが、第二特定遊技状態の当たり変動にて貯留された4つの残保留(第二保留情報)分の第二当否抽選(高確率)が受けられる残保留チャンスが実行されるようにする。なお、第二特定遊技状態の当たり変動では上記実施形態にて説明した保留貯留指示演出が実行されるようにする。
残保留チャンスは既に通常遊技状態であるため、当該残保留チャンスにて獲得した大当たりの種類は、「時短無」の大当たり振り分け(図18(b-2)参照)に基づき決定される。「時短無」の大当たり振り分けは100%第一特定大当たりであり、当該第一特定大当たり遊技の終了後は第一特定遊技状態に移行する。4回の第二当否抽選が全てはずれとなった場合は、残保留チャンスは終了して左打ち遊技が促される状態に移行する。つまり、第一当否抽選を経て大当たり獲得を目指す状態となる。
第一特定遊技状態は小当たり条件1回とする(図18(a)参照)。これにより、第一特定遊技状態が開始されてから1回目の小当たりに当選した時点では、高開閉モードが終了する。よって、当該1回目の小当たり遊技にてV入賞させた場合には、「時短無」の大当たり振り分け(図18(b-2)参照)が適用される。「時短無」の大当たり振り分けは100%第一特定大当たりであるから、当該第一特定大当たり遊技の終了後に再び第一特定遊技状態に移行する。
第一特定遊技状態が開始されてから時短回数(例えば70回)連続してはずれとなった場合には、変動数条件の成立によい第一特定遊技状態が終了し、再び残保留チャンスに移行する。時短最終変動においては、上記実施形態にて説明した保留貯留指示演出が実行されるようにする。
このように、通常遊技状態(残保留チャンスを除く)から第一特定遊技状態に移行することはないが、通常遊技状態(残保留チャンスを除く)から第二特定遊技状態に移行しうるようにするとともに、第二特定遊技状態が終了した後の残保留チャンスでの大当たり獲得時には第一特定遊技状態に移行しうるようにすることで、まずは「ループタイプ」である第二特定遊技状態への移行を目指し、当該第二特定遊技状態が終了した後の残保留チャンスにて大当たりを獲得することが「回数切りタイプ」(STタイプ)である第一特定遊技状態の移行条件とされた遊技性となる。
○具体例1-4
第一特定遊技状態にて特殊状態となり、当該特殊状態にて大当たりが獲得されたことが判別できるようにする。特殊状態は、「パンク」の発生により移行する状態であるから、通常であれば移行することはない状態である。当該特殊状態にて獲得された大当たりは通常大当たりである可能性もあり、遊技者からのクレームにつながるおそれもあるため、特殊状態にて小当たりに当選して大当たりが獲得された場合には、その事実が表示領域911に表示される画像(図19参照;以下、判別画像20と称する)から把握できるようにしておく。
当該判別画像20は、遊技者が意識しないよう(演出の邪魔にならないよう)、表示領域911の外縁近傍に小さく表示されるものとすることが好ましい。また、このような判別画像20が表示領域911外に設けられたものとしてもよい(ランプ等の点灯によるものとしてもよい)。例えば、判別画像20の常態(デフォルトの態様)は「青」であるものとする。特殊状態にて大当たりが獲得された場合には判別画像20は「赤」となる。判別画像20を「青」に戻すためにはリセット操作(上述)が必要であるようにする。すなわち、遊技者が「青」に戻すことはできない構成とする。このようにすることで、特殊状態にて獲得された大当たりが通常大当たりあること等によってクレームが発生したとしても、その原因(「パンク」の発生)を遊技者に対し説明することができる。
3)昇格演出
3-1)特別画像
本実施形態にかかる遊技機1に搭載された大当たりのうち、特別特定大当たり(10R)が、遊技者が得る利益の期待値が最も高い(最も高価値である)大当たりである。当該特別特定大当たり遊技中には、所定の演出要素を表した特別画像30が表示される。本実施形態では、所定のキャラクタ(特別キャラクタ;図面においては「X」の文字を付して示す)を表した特別画像30が表示される(図20(c)参照)。なお、特別画像30は、同じ対象を表したものであると遊技者が認識可能な範囲で特別画像30の態様は変化してもよい。換言すれば、遊技者が同じ対象を表したものであると認識できる範疇にあるものは特別画像30であるとする。
当該特別画像30は、その他の種類の大当たり遊技中には表示されない。よって、当該特別画像30は、特別大当たりを象徴する画像であって、最も高価値な大当たりを獲得したことを強調する(祝福する)ものである。当該特別画像30は、できるだけ早いタイミングで表示されるようにすることが好ましい。本実施形態では、V入賞を契機として特別画像30が表示される(図20(b)→(c)参照)。このようにすることで、V入賞が特別特定大当たりの獲得に結び付いたということをより強調することができる。
なお、当該特別画像30は、特別大当たりを直接的に示すものではない。例えば、特別大当たりの名称(タイトル)の一部または全部を含むものではない。また、特別画像30は、ある特別大当たり遊技においては表示されるが、別の特別大当たり遊技においては表示されないといったものでもない。本実施形態では、通常遊技状態にて獲得された特別大当たり遊技、および、特定遊技状態にて獲得された特別大当たり遊技のいずれにおいても特別画像30が表示される。また、特別画像30は、特別大当たり中に得られた利益(出玉)やラウンド数を示すものでもない。
3-2)特別昇格演出
本実施形態にかかる遊技機1は、当否抽選結果が当たり(小当たり)となる変動中演出(当たり変動)を構成する演出として昇格演出を実行することがある。本実施形態では、通常遊技状態(残保留チャンスを除く)の当たり変動にて昇格演出が発生しうる。ただし、以下で説明する昇格演出と実質同一の演出が特定遊技状態にて発生しうるようにすることを否定するわけではない。
上述した通り、本実施形態における通常遊技状態(残保留チャンスを除く)での第一当否抽選を経て獲得しうる大当たりの種類は、通常大当たり(2R)、第一特定大当たり(2R)、特別特定大当たり(10R)の三種である。大当たり遊技のラウンド数や、大当たり遊技終了後に移行する遊技状態に照らせば、各大当たりが獲得されることによって遊技者が得られる利益の期待値(以下、単に利益と称することもある)は、特別特定大当たり>第一特定大当たり>通常大当たりの順となる。すなわち、特別特定大当たりが遊技者にとって最も価値が高い大当たりであり、通常大当たりが遊技者にとって最も価値が低い大当たりである。
昇格演出は上記三種の大当たりが関係するものであり、第二特定大当たりは関係しないものであるから、昇格演出に関しては上記三種の大当たりを図21(a)のように区分け(規定)する。すなわち、特別特定大当たり(10R)を「特別大当たり」と規定し、当該「特別大当たり」に含まれない大当たりを「非特別大当たり」と規定する。したがって、通常大当たり(2R)および第一特定大当たり(2R)は「非特別大当たり」に含まれるものである。また、「非特別大当たり」である通常大当たり(2R)、第一特定大当たり(2R)は、それぞれ、第一非特別大当たり、第二非特別大当たりと規定する。利益の小さい順から並べると、第一非特別大当たり<第二非特別大当たり<特別大当たりの順になる。
図21(b)に示すように、本実施形態では、通常遊技状態においては、「7」の装飾図柄80による当たり組み合わせ(以下、特別組み合わせと称する)が確定表示された場合には特別大当たりが獲得できることが確定する。つまり、獲得される大当たりが非特別大当たりである可能性が無くなる。当該特別組み合わせ以外の組み合わせを非特別組み合わせとする。本実施形態では、非特別組み合わせとして、第二非特別組み合わせ、第一非特別組み合わせが表示されうる。第二非特別組み合わせは、「7」以外の奇数の装飾図柄80(「1」「3」「5」「9」)による当たり組み合わせである。第二非特別組み合わせが確定表示された場合には獲得される大当たりが第一非特別大当たりである可能性が無くなる。つまり、獲得される大当たりが特別大当たりまたは第二非特別大当たりである(第二非特別大当たり以上である)ことが決まる。第一非特別組み合わせは、偶数の装飾図柄80(「2」「4」「6」「8」)の装飾図柄80による当たり組み合わせである。第一非特別組み合わせが確定表示された場合には三つの大当たりのいずれの可能性もある(第一非特別大当たり以上である)。よって、遊技者にとってみれば、特別組み合わせが最も高価値であり、第一非特別組み合わせが最も低価値であるといえる。なお、「確定表示」とは、変動中演出の最後に表示されることをいう(装飾図柄80の変動が完全に停止した時点での表示)をいう。これに対し、以下の説明で用いる「仮表示」とは、変動中演出の途中、装飾図柄80の変動が完全に停止していない擬似停止態様(わずかに揺れている等、完全に停止していない態様をいう)での表示をいう。当たり組み合わせが仮表示された場合には、当否抽選結果が当たりであることは確定するものとする。また、ある種の当たり組み合わせ(特別組み合わせまたは第二非特別組み合わせ)が仮表示された後は、それよりも低価値の当たり組み合わせに変化して確定表示なされることはないものとする(当たり組み合わせのランクダウンは生じない)。
上述した通り、変動中演出にて当たり組み合わせが仮表示された場合には、当否抽選結果が当たりであることは確定する。本実施形態では、「7」以外の装飾図柄80の組み合わせである非特別組み合わせ(第二非特別組み合わせまたは第一非特別組み合わせ)で仮表示された場合(図22(a)参照)には、当否抽選結果が当たりであることは確定するが、特別大当たりが獲得できるかどうか定かではない状況にある。このような状況にて昇格演出の一種である特別昇格演出が発生しうる。
特別昇格演出は、前半部分および後半部分を含む。前半部分は、特別大当たりの獲得が可能であるか定かではない状態である。具体的には、非特別組み合わせ(第二非特別組み合わせまたは第一非特別組み合わせ)で仮表示された(擬似停止した)(図22(a)参照)後、装飾図柄80が変動表示される(再変動する)(図22(b)参照)ことが前半部分として実行される。後半部分は、特別大当たりの獲得が可能となったことを示す状態である。本実施形態では、当該後半部分にて上述した特別画像30(特別キャラクタを表した画像)が表示された上で(図22(c)参照)、装飾図柄80の再変動が停止して特別組み合わせが確定表示される(図22(d)参照)ことが後半部分として実行される。
このように、特別昇格演出中においては、特別大当たり(特別特定大当たり)中と同様に特別画像30が表示される。特別画像30(特別キャラクタ)は、特別大当たりを象徴する画像である(特別大当たりに対応付けられたキャラクタである)ところ、当該特別画像30が特別昇格演出においても表示されるようにすることで、昇格演出(特別昇格演出)の内容とそれを経て獲得される大当たり(特別大当たり)がリンクする演出形態とすることができる。
なお、特別昇格演出が発生せずに特別組み合わせが確定表示されて特別大当たりの獲得が報知されるケースも生じうる。つまり、変動中演出にて特別画像30が表示されない場合であっても、特別大当たりが獲得できる可能性はある。
3-3)通常昇格演出
上述した通り、変動中演出にて当たり組み合わせが仮表示された場合には、当否抽選結果が当たりであることは確定する。本実施形態では、第一非特別組み合わせで仮表示された場合には、当否抽選結果が当たりであることは確定するが、第二非特別大当たりや特別大当たりが獲得できるかどうか定かではない状況にある(獲得される大当たりが第一非特別大当たりである可能性がある)。このような状況にて、上記特別昇格演出だけでなく、特別昇格演出とは異なる昇格演出(特別画像30が表示される特別昇格演出と区別するため通常昇格演出と称する)が発生しうる。
通常昇格演出は、前半部分および後半部分を含む。前半部分は、第二非特別大当たりの獲得が可能であるか定かではない状態である(特別大当たりの獲得が可能であるかどうかも定かではない)。具体的には、第一非特別組み合わせで仮表示された(擬似停止した)(図23(a)参照)後、装飾図柄80が変動表示される(再変動する)(図23(b)参照)ことが前半部分として実行される。後半部分は、第二非特別大当たりの獲得が可能となったことを示す状態である。本実施形態では、装飾図柄80の再変動が停止して第二非特別組み合わせが確定表示されることが後半部分として実行される(図23(c)(d)参照)。
ここで、通常昇格演出では上記特別画像30は表示されない(図23(c)(d)参照)。特別画像30は特別大当たりを象徴する画像であるところ、通常昇格演出は特別大当たりの獲得が可能となったことを示す演出ではない(特別大当たり確定の演出ではない)ため、特別画像30は表示されない。このようにすることで、特別昇格演出と通常昇格演出の違い(将来的に獲得できる大当たりの違い)が明確になる。
3-4)昇格失敗演出
上記昇格演出(特別昇格演出、通常昇格演出)は、前半部分にて仮表示された図柄組み合わせよりも、後半部分にて確定表示された図柄組み合わせの方が、高価値の図柄組み合わせとなる演出である。これに対し、昇格失敗演出は、前半部分にて仮表示された図柄組み合わせ(図24(a)参照)が、再変動後(図24(b)参照)、そのまま後半部分にて確定表示される(図柄組み合わせの「昇格」が発生しない)(図24(d)参照)ものである。本実施形態では、昇格失敗演出として、前半部分にて第一非特別組み合わせが仮表示され、後半部分にて第一非特別組み合わせが確定表示されるパターン、前半部分にて第二非特別組み合わせが仮表示され、後半部分にて第二非特別組み合わせが確定表示されるパターンが発生しうる。当然ではあるが、当該昇格失敗演出においても特別画像30は表示されない。
3-5)なお、本実施形態では、大当たり遊技(ラウンド中)において、大当たりの「昇格」が報知される可能性がある。以下、当該昇格の報知を、大当たり中昇格と称する。ただし、上記昇格演出はあくまで変動中にて実行されるものであり、当該大当たり中昇格とは別のものである。第二非特別組み合わせが確定表示された場合には、獲得された大当たりが特別大当たりであったことを報知する大当たり中昇格が発生することがある。第一非特別組み合わせが確定表示された場合には、獲得された大当たりが特別大当たりであったことを報知する大当たり中昇格、および、第二非特別大当たりであったことを報知する大当たり中昇格が発生することがある。当該大当たり中昇格の具体的態様はどのようなものであってもよいから説明を省略する。
このような大当たり中昇格が発生するということは、確定表示された図柄組み合わせは、あくまで、当該確定表示された図柄組み合わせに対応する大当たりの獲得が最低でも保証されたことを示すということになる。図21(b)に示したように、第二非特別組み合わせが確定表示されることは、第二非特別大当たり以上(第二非特別大当たりまたは特別大当たり)の大当たりが確定したことを示すものである。第一非特別組み合わせが確定表示されることは、第一非特別大当たり以上(第一非特別大当たり、第二非特別大当たりまたは特別大当たり)の大当たりが確定したことを示すものである。
ただし、このような大当たり中昇格が発生しないようにしてもよい。このようにした場合には、ある種の図柄組み合わせが確定表示された場合、当該図柄組み合わせに対応する大当たりの獲得が決まるという構成となる。すなわち、特別組み合わせが確定表示された場合には特別大当たりの獲得が、第二非特別組み合わせが確定表示された場合には第二非特別大当たりの獲得が、第一非特別組み合わせが確定表示された場合には第一非特別大当たりの獲得が決まることになる。見方を変えれば、昇格演出(特別昇格演出、通常昇格演出)の発生が、大当たりの種類がランクアップ(仮表示時点よりもランクアップ)する最後のチャンスとなる。
以下、上記昇格演出に関する事項を改良、変形、具体化等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の各具体例を用いて説明する事項を複数適用した構成としてもよい。
○具体例2-1
上記実施形態では、特別大当たり(特別特定大当たり)は、複数種の大当たりのうち、遊技者が得られる利益の期待値が最も高い大当たり(最高大当たり)であることを説明したが、当該特別大当たりが最高大当たりではない構成としてもよい。
○具体例2-2
大当たり中昇格(ラウンド中昇格)の発生時に特別画像30が表示される構成とする。例えば、非特別組み合わせ(第一非特別組み合わせまたは第二非特別組み合わせ)が確定表示された(図25(a)参照)上で大当たり遊技が開始された(図25(b)参照)とする。その大当たり遊技中に、獲得した大当たりが特別大当たりであったことを報知する大当たり中昇格が発生する場合には特別画像30が表示される(図25(c)参照)ものとする。つまり、大当たり遊技の開始時点においては、獲得された大当たりが特別大当たりではなかったように見せかけ、大当たり遊技の途中で獲得された大当たりが実際には特別大当たりであったことを報知する際、それを強調するために、特別大当たりを象徴する画像である特別画像30が表示されるようにする。このようにすることで、特別大当たりが獲得されたこと(特別大当たりに昇格したこと)を分かりやすく示すことができる。
○具体例2-3
上記特別画像30は、通常遊技状態(残保留チャンスを除く)にて獲得された特別大当たり、すなわちいわゆる「初当たり」として獲得された特別大当たり遊技では表示されるが、特定遊技状態にて獲得された特別大当たり遊技では表示されない構成とする。換言すれば、低確率抽選に当選することを経て獲得された特別大当たり遊技では表示されるが、高確率抽選に当選することを経て獲得された特別大当たり遊技では表示されない構成とする。
上述した通り、昇格演出(特別昇格演出)は、通常遊技状態(残保留チャンスを除く)にて第一当否抽選に当選した当たり変動にて発生しうるものであるから、当該通常遊技状態にて獲得された「初当たり」としての特別大当たり遊技に限って表示されるようにする。つまり、特別画像30が表示される特別昇格演出が発生しうる場面と、特別画像30が表示される特別大当たりが獲得されうる場面を共通(通常遊技状態)とする。このようにすることで、昇格演出(特別昇格演出)の内容とそれを経て獲得される大当たり(特別大当たり)のつながりをより分かりやすいものとすることができる。
○具体例2-4
上記実施形態における特別昇格演出は、自動的に(遊技者の行動によらずとも)特別画像30が表示されるものである。それとは異なり、遊技者の行動による所定条件が成立しなければ、特別昇格演出にて特別画像30が表示されない構成とする。例えば、非特別組み合わせが仮表示された後の再変動中に設定される所定期間中(確定表示がなされる前に設けられる期間)に、押ボタン等の操作手段60(図1参照)が操作された場合には、それを契機として抽選(表示抽選)を実行し、当該表示抽選に当選することを条件として特別画像30が表示される(図26(a)→(b-1)参照)ものとする。表示抽選に当選しなければ特別画像30は表示されない(図26(a)→(b-2)参照)。当然、操作手段60の操作が全くなされなければ特別画像30が表示されることはない。なお、表示抽選に当選するか否かにかかわらず、最終的には特別組み合わせが確定表示される(図26(c)参照)。つまり、表示抽選に当選するか否か(特別画像30が表示されるか否か)は、あくまで演出上の差異を生じさせるものであって、実質的な利益(出玉)に影響を及ぼすものではない。
本例のようにすることで、遊技者が自らの力で特別大当たりの象徴である特別画像30を表示させたかのような印象を与える特別昇格演出とすることができる。
○具体例2-5
上記実施形態では、特別大当たり遊技中に表示される特別画像30が特別昇格演出においても表示されること、すなわち共通する「画像」が表示されるものであることを説明したが、その他の演出要素(遊技者の感覚で把握できる出力要素)が共通する構成としてもよい。例えば、スピーカ65(図1参照)から出力される音(以下、特別音と称する)が共通する構成とする。すなわち、特別大当たり遊技中に出力される特別音(図27参照)が、特別昇格演出においても出力される(図28参照)ものとする。なお、特別音は、その他の大当たり遊技中に出力されることはない音である。このようにすることで、特別大当たりを象徴する音が、特別昇格演出においても出力されることになるため、特別昇格演出が特別大当たりの獲得を示唆するものであることが分かりやすくなる。
好ましくは、特別大当たり遊技中に出力される特別音は、V入賞を契機として発生するようにする(図27(b)→(c)参照)とよい。このようにすることで、特別音は、特別大当たりが獲得されたこと(V入賞したこと)を報知する「目立つ音」となる。このような「目立つ音」が、特別昇格演出においても出力されるようにすることで、特別昇格演出が特別大当たりの獲得を示唆していることがより分かりやすくなる。
4)以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
上記実施形態にかかる遊技機1は、小当たり経由での大当たり獲得が可能とされるいわゆる「二種」の遊技性を有するものであることを説明したが、当該「二種」の遊技性でなければ成り立たない構成を除いて、上記実施形態にて説明した構成は「一種」の遊技性を有する遊技機(いわゆる直当たりが搭載された遊技機。一種二種混合機を含む)に対して適用することも可能である。例えば、上記「昇格演出」に関しては、「一種」の遊技性を有する遊技機にも適用することが可能である。
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
○手段1-1
始動領域に遊技球が進入することを契機として取得される当否抽選情報に基づき当否抽選を実行する当否抽選手段と、複数種の装飾図柄が変動を開始してから当否抽選結果に応じた態様で停止するまでの変動中演出を実行する変動中演出実行手段と、通常遊技状態および当該通常遊技状態よりも前記始動領域に遊技球が進入しやすい高開閉モードである特定遊技状態を設定することが可能な遊技状態設定手段と、を備え、前記特定遊技状態として、第一特定遊技状態および第二特定遊技状態が設けられており、前記第一特定遊技状態に移行した場合の遊技性であって、規定回数連続して当否抽選結果がはずれとなる前に大当たりを獲得することが前記通常遊技状態への移行を回避する条件とされた回数切りタイプの遊技性と、前記第二特定遊技状態に移行した場合の遊技性であって、事実上獲得が約束された次の大当たりが通常大当たりとならないことが前記通常遊技状態への移行を回避する条件とされたループタイプの遊技性と、を併せ持つことを特徴とする遊技機。
上記遊技機は、回数切りタイプとループタイプの遊技性を併せ備えた斬新なものである。
○手段1-2
未だ対応する前記変動中演出が開始されていない前記当否抽選情報を、保留情報として所定数を限度に記憶する記憶手段を備え、前記第一特定遊技状態にて前記規定回数連続して当否抽選結果がはずれとなって前記通常遊技状態に移行した時点で前記記憶手段に記憶されている前記保留情報に基づき大当たりを獲得することが前記第二特定遊技状態に移行する条件とされていることを特徴とする手段1-1に記載の遊技機。
このようにすることで、いわゆる残保留分で大当たりを獲得することが第二特定遊技状態への移行条件とされた斬新な遊技性が実現される。
また、第一特定遊技状態が終了した場合でも、第二特定遊技状態に移行するチャンスがあるという面白みのある遊技性が実現される。
○手段1-3
当否抽選結果が小当たりとなった際に開放される特典領域に遊技球を進入させることで大当たりが獲得できるものであり、前記大当たりの種類として、大当たり遊技の終了後に前記第一特定遊技状態に移行する第一特定大当たり、および大当たり遊技の終了後に前記第二特定遊技状態に移行する第二特定大当たりが設けられており、
前記第一特定遊技状態は、開始された後、1回の小当たりに当選することを契機として前記高開閉モードが終了しないものである一方、前記第二特定遊技状態は、開始された後、1回の小当たりに当選することを契機として前記高開閉モードが終了するものであり、前記特典領域に遊技球が進入した時点が、前記高開閉モードである場合には、獲得される大当たりが前記第一特定大当たりである可能性があり、前記高開閉モードではない場合には、獲得される大当たりが前記第二特定大当たりである可能性がある手段1-1または手段1-2に記載の遊技機。
このように、第一特定遊技状態は小当たり当選により高開閉モードが終了せず、第二特定遊技状態は小当たり当選により高開閉モードが終了するようにすることで、第一特定遊技状態と第二特定遊技状態とで獲得可能性がある大当たりの種類を異ならせることができる。
○手段1-4
前記特定遊技状態として、事実上獲得が約束された次の大当たりが前記通常大当たりとなることはない特別特定遊技状態が設けられており、前記特別特定遊技状態は、開始された後、1回の小当たりに当選することを契機として前記高開閉モードが終了しないものであることを特徴とする手段1-3に記載の遊技機。
第二特定遊技状態と特別特定遊技状態は、次の大当たりの獲得が事実上約束されている点で共通するが、小当たり当選時に高開閉モードが終了するかどうかで異なるため、第二特定遊技状態と特別特定遊技状態にて獲得可能な大当たりの種類を異ならせることができる。
○手段2-1
始動領域に遊技球が進入することを契機として取得される当否抽選情報に基づき当否抽選を実行する当否抽選手段と、当否抽選結果が小当たりとなった際に開放される領域であって、遊技球の進入が大当たり付与の条件とされている特典領域と、低開閉モードおよび当該低開閉モードにあるときよりも前記始動領域に遊技球が進入しやすい高開閉モードを設定することが可能な開閉モード設定手段と、前記特典領域に遊技球が進入した時点で高開閉モードにあるか否かに応じて付与する前記大当たりの種類を決定する大当たり決定手段と、を備え、前記高開閉モードである遊技状態として、開始されてからN回(Nは2以上である)の小当たりに当選することを契機として前記高開閉モードが終了する第一特定遊技状態が設けられており、前記第一特定遊技状態においては、小当たりに当選したものの前記特典領域に遊技球が進入しなかった非進入事象がN-1回発生する前の普通状態と、当該非進入事象がN-1回発生した後の特殊状態とで、所定条件成立時に実行される対象演出の態様を異ならせることを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、特殊状態にて獲得される大当たりが、普通状態にて獲得される大当たりと異なること等に基づくクレームが発生するおそれを低減することができる。
○手段2-2
前記対象演出は、当否抽選結果が当たりとなったことを示す同種の装飾図柄から構成される当たり組み合わせが表示される演出であり、前記普通状態にて表示される前記当たり組み合わせを構成する前記装飾図柄の種類と、前記特殊状態にて表示される前記当たり組み合わせを構成する前記装飾図柄の種類とは異なることを特徴とする手段2-1に記載の遊技機。
このようにすることで、普通状態と特殊状態とは、獲得可能な大当たりの種類が異なる(大当たりの種類の決定方法が異なる)こと等が強調される。
○手段2-3
前記第一特定遊技状態にて前記非進入事象がN-1回発生することを契機として、前記特殊状態にあることを示す特殊情報が不揮発性の記憶手段に記憶されることを特徴とする手段2-1または手段2-2に記載の遊技機。
このようにすることで、停電等が発生して復旧した場合でも、特殊状態にて遊技が再開される(停電等により普通状態に戻ることが防止される)。
○手段2-4
前記高開閉モードである遊技状態として、開始されてから1回の小当たりに当選することを契機として前記高開閉モードが終了する第二特定遊技状態が設けられていることを特徴とする手段2-1に記載の遊技機。
このようにすることで、第一特定遊技状態と第二特定遊技状態とで獲得される大当たりの種類を決定する方法を異ならせることができる。
○手段3-1
当否抽選結果が当たりとなった場合に獲得できる可能性がある大当たりの種類として、特別大当たりを含む複数種の大当たりが設けられた遊技機であって、複数種の装飾図柄が変動を開始してから当否抽選結果が当たりであることを示す態様で停止するまでの当たり用変動中演出を構成する演出として昇格演出を実行することが可能であり、前記昇格演出として、前記特別大当たりの獲得が可能であるか定かではない状態から前記特別大当たりの獲得が可能となったことを示す状態に推移する特別昇格演出が実行可能であり、前記特別昇格演出中および前記特別大当たり中には、所定の演出要素を表した特別画像が表示されることを特徴とする遊技機。
上記遊技機は、特別昇格演出と特別大当たりが特別画像という共通の演出要素により結び付けられたものであるため、両者がリンクしている(特別昇格演出の対象が特別大当たりである)ことが分かりやすい。
○手段3-2
前記特別大当たりよりも遊技者が得られる利益の期待値が低い二種以上の非特別大当たりが設けられており、二種以上の非特別大当たりは、第一非特別大当たりおよび当該第一非特別大当たりよりも遊技者が得られる利益の期待値が高い第二非特別大当たりを含み、前記昇格演出として、第二非特別大当たりの獲得が可能であるか定かではない状態から前記第二非特別大当たりの獲得が可能となったことを示す状態に推移する通常昇格演出が実行可能であり、前記通常昇格演出中には、前記特別画像が表示されないことを特徴とする手段3-1に記載の遊技機。
このようにすることで、通常昇格演出の対象が、特別大当たりではないことが分かりやすい。
○手段3-3
前記特別大当たりは、獲得できる可能性がある複数種の大当たりのうち、遊技者が得られる利益の期待値が最も高い大当たりであることを特徴とする手段3-1または手段3-2に記載の遊技機。
このようにすることで、特別画像は、最も高価値の大当たりが獲得できたことを強調する(象徴する)要素として機能する。
1 遊技機
10 特典領域
20 判別画像
30 特別画像
60 操作手段
65 スピーカ
70 保留図柄
80 装飾図柄
904 始動領域
906 大入賞領域
91 表示装置
911 表示領域

Claims (4)

  1. 始動領域に遊技球が進入することを契機として取得される当否抽選情報に基づき当否抽選を実行する当否抽選手段と、
    当否抽選結果が小当たりとなった際に開放される領域であって、遊技球の進入が大当たり付与の条件とされている特典領域と、
    低開閉モードおよび当該低開閉モードにあるときよりも前記始動領域に遊技球が進入しやすい高開閉モードを設定することが可能な開閉モード設定手段と、
    前記特典領域に遊技球が進入した時点で高開閉モードにあるか否かに応じて付与する前記大当たりの種類を決定する大当たり決定手段と、
    を備え、
    前記高開閉モードである遊技状態として、開始されてからN回(Nは2以上である)の小当たりに当選することを契機として前記高開閉モードが終了する第一特定遊技状態が設けられており、
    前記第一特定遊技状態においては、小当たりに当選したものの前記特典領域に遊技球が進入しなかった非進入事象がN-1回発生する前の普通状態と、当該非進入事象がN-1回発生した後の特殊状態とで、所定条件成立時に実行される対象演出の態様を異ならせることを特徴とする遊技機。
  2. 前記対象演出は、当否抽選結果が当たりとなったことを示す同種の装飾図柄から構成される当たり組み合わせが表示される演出であり、
    前記普通状態にて表示される前記当たり組み合わせを構成する前記装飾図柄の種類と、前記特殊状態にて表示される前記当たり組み合わせを構成する前記装飾図柄の種類とは異なることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記第一特定遊技状態にて前記非進入事象がN-1回発生することを契機として、前記特殊状態にあることを示す特殊情報が不揮発性の記憶手段に記憶されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
  4. 前記高開閉モードである遊技状態として、開始されてから1回の小当たりに当選することを契機として前記高開閉モードが終了する第二特定遊技状態が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。

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