JP7157206B2 - リニアガイドのクランプスライダー - Google Patents

Description

本発明は、リニアガイドに関し、詳しくはリニアガイドのクランプスライダーに関するものである。

特許文献１により開示された技術は、スプリングによってスライダーの楔形ブロックを作動させ、スライダーの楔形ブロックの斜面を介してスライダーの楔形ブロックの両側辺部のボールを押し出して締め付け力を生じることによってスライダーをスライドレールに押さえる技術である。締め付け力を解除する際、ピストンは気体の圧力を受けてスプリングを圧縮し、締め付け力を緩めて解除する。
しかし、特許文献１は付属部品が多い、加工および組立作業が難しい、製造コストが高いという問題を抱えるだけでなく、気体流路の配置方式が複雑であり、密封効果を得るために比較的多い密封ユニットが必要である。

特許文献２により開示された技術は、特許文献１に類似し、スプリングによって第一ピストンを作動させ、続いて第一ピストンを介して制動部材の斜面にローラーを押し詰め、続いて制動部材を介して片状ブレーキを押して締め付け力を生じることによってスライダーをスライドレールに押さえる技術である。締め付け力を解除する際、第二ピストンは気体の圧力を受けたうえで第一ピストンを押す。続いて第一ピストンはスプリングを圧縮し、締め付け力を緩めて解除する。
しかし、特許文献２は特許文献１と同じように付属部品が多い、加工および組立作業が難しい、製造コストが高いという問題を抱えるだけでなく、空間が原因で気体流路の配置方式が限定され、二つのピストンしか配置できないため、締め付け力の強さが比較的小さい。

特許文献３により開示された技術は、皿状スプリングを介してブレーキ部材を作動させ、ブレーキの粗い表面をスライドレールの表面に接触させることによってスライダーにスライドレールの締め付け力を生じさせる技術である。締め付け力を解除する際、ブレーキ部材の両側のピストンは気体または液体の圧力を受け、相互に対応する表面によってブレーキ部材を押す。続いてブレーキ部材は皿状スプリングを圧縮し、締め付け力を緩めて解除する。
しかし、特許文献３は皿状スプリングを格納する空間が小さいため、スプリングが作用する際、ブレーキの締め付け力が足りない。また二つのピストンは相対する表面によってブレーキ部材を作動させるため、ブレーキを作動させる力が均一でなければ、ブレーキ部材が捩れて締め付け力を妨害する。

ＤＥ１０２００９００８８１５ｂ４号公報 ＵＳ７，１２４，８６１Ｂ２号公報 ＵＳ６，５７８，７６６Ｂ２号公報

本発明は構造の簡単化および製造コストの低減を実現させ、良好な締め付け力を生じることができる、リニアガイドのクランプスライダーを提供することを主な目的とする。

上述した課題を解決するためのクランプスライダーは、ブロック本体、二つのピストン部材、二つの弾性ユニット、二つのシリンダーおよび二つの制動部材を備える。ブロック本体は二つの左右両側に位置する側部および頂部を有する。頂部は二つの側部に連結されて二つの側部との間がスライド溝になる。ブロック本体はスライド溝によってレールに装着される。二つの側部はスライド溝に背を向けた面に側面孔を有する。二つのピストン部材はブロック本体の側部に移動可能に別々に配置され、それぞれ横向き孔を有する。二つの弾性ユニットはそれぞれピストン部材に当接するようにブロック本体の側部の中に配置される。二つのシリンダーはそれぞれブロック本体の側部の端面に配置され、弾性ユニットに復元力が生じさせる方向と逆の方向へピストン部材を流体の圧力によって押す。二つの制動部材はそれぞれ制動ユニット、移動ユニットおよびサイドキャップを有する。制動ユニットはブロック本体の側部のスライド溝に向かう側面に配置される。移動ユニットは第一ピストンの胴部の横向き孔内に移動可能に配置される。サイドキャップはブロック本体の側部の側面孔に装着され、斜面を有する。移動ユニットはサイドキャップの斜面によって押されると同時に制動ユニットを押してレールに密着させる。第一状態下でサイドキャップを側面孔に装着すれば、サイドキャップの斜面と移動ユニットとの間の距離はシリンダーがピストン部材を押して移動させる方向に沿って漸減するため、流体の圧力によってレールを挟む効果を生じることができる。流体の圧力がなくなるとレールが解放される。第二状態下でサイドキャップを側面孔に装着すれば、サイドキャップの斜面と移動ユニットとの間の距離はシリンダーがピストン部材を押して移動させる方向に沿って漸増するため、流体の圧力によってレールを解放する効果を生じることができる。流体の圧力がなくなるとレールを挟む効果が生じる。

上述した構造的特徴をまとめると、本発明によるクランプスライダーはサイドキャップの斜面を異なる使用状況に対応させるためにサイドキャップの装着方式を変更することができるため、付属部品の簡単化、即ち構造の簡単化および製造コストの低減が実現できる。

比較的好ましい場合、ブロック本体のそれぞれの側部は第一チャンバー、第二チャンバーおよび第一チャンバーと第二チャンバーを分離するスペーサーを有する。それぞれの側面孔は第一チャンバーに繋がる。それぞれのピストン部材は第一ピストンおよび第二ピストンを有する。第一ピストンはブロック本体の側部の第一チャンバー内に移動可能に配置され、ヘッド部、胴部および桿状部を有する。胴部はヘッド部に連結され、横向き孔を有する。桿状部は胴部に連結され、スペーサーを貫通し、一部分がブロック本体の側部の第二チャンバー内に位置付けられる。第二ピストンはブロック本体の側部の第二チャンバー内に配置され、第一ピストンの桿状部に連結されて第一ピストンとともに同調作動する。それぞれの弾性ユニットは第二ピストンに当接する。それぞれのシリンダーは第一ピストンに当接する。

比較的好ましい場合、それぞれの移動ユニットはシャーシおよび二つの転動部材を有する。シャーシは両端に格納溝を別々に有する。二つの転動部材はそれぞれ格納溝に格納され、一部分がシャーシの端面に突出する。移動ユニットの一つの転動部材がサイドキャップの斜面によって押される際、移動ユニットは別の一つの転動部材によって制動ユニットを押す。

比較的好ましい場合、それぞれの制動ユニットは金属製ブラケット、サポートブロックおよびブレーキを有する。金属製ブラケットはブロック本体の頂部の背面に固定される。サポートブロックは移動ユニットに耐える受動部を有する。サポートブロックは金属製ブラケットに装着され、受動部がブロック本体の側部の嵌合溝に嵌まり込む。ブレーキはサポートブロックのスライド溝に向かう側面に配置される。上述した構造的特徴により、ブレーキを容易に交換することができ、かつ異なる規格のレールに応じてサポートブロックの位置の高さを調整することができる。

比較的好ましい場合、それぞれの第二ピストンはスペーサーに向かう側面に格納溝を有する。消音材は第二ピストンの格納溝に格納され、第二ピストンがスペーサーに衝突して生じたノイズを解消する。

比較的好ましい場合、ブロック本体のそれぞれの側部は第二チャンバーに繋がる端面開口部を有する。スプリングキャップは端面開口部に装着され、弾性ユニットの一端を支える。

比較的好ましい場合、端面開口部は周壁面に環状溝と、軸方向に沿って環状溝に繋がる欠け口とを有する。スプリングキャップは外周縁部に凸状辺縁部を有する。スプリングキャップの凸状辺縁部を欠け口から環状溝に嵌め込み、スプリングキャップを回して凸状辺縁部と欠け口を交差させれば、スプリングキャップを端面開口部に固定することができる。

比較的好ましい場合、ブロック本体のそれぞれの側部は端面開口部に隣接するピン穴を有する。スプリングキャップは凸状辺縁部に凹状位置決め部を有する。位置決めピンをピン穴から差し込んで凹状位置決め部に嵌め込めば、スプリングキャップが勝手に開くことを防止することができる。

比較的好ましい場合、本発明はさらに弾性ユニットの着脱に用いる治具を備える。治具はベアリングプレート、ボルトおよびナットを有する。ベアリングプレートはスプリングキャップの外側端面に締め付けられる。ボルトはベアリングプレートの中心孔およびスプリングキャップの軸孔を貫通し、末端部が第一ピストンの桿状部の末端部に嵌まり込む。ナットはボルトに締め付けられてベアリングプレートを押さえ、スプリングキャップに密接させる。このときスプリングキャップを開けることができる。スプリングキャップを開ければ、スプリングキャップは弾性ユニットの弾力を受けて外部へ飛ばされ、ベアリングプレートとナットによってキャッチされるため、飛んできたスプリングキャップが周りの作業員に当たって怪我をさせることを防止し、使用上の安全性を高めることができる。

比較的好ましい場合、それぞれのシリンダーはシリンダー本体、第三ピストンおよびピストンロッドを有する。シリンダー本体はブロック本体の側部の端面に配置される。第三ピストンはシリンダー本体内に移動可能に配置されてシリンダー本体の内部を第三チャンバーおよび第四チャンバーに分割する。ピストンロッドは一端が第三ピストンに接続され、他端がブロック本体の第一チャンバーを通って第一ピストンのヘッド部に当接する。上述した技術特徴により、第三ピストンが流体の圧力によって押される際、ピストンロッドは第一ピストンのヘッド部を押して第一ピストンをスペーサーの方向へ移動させる。

本発明によるリニアガイドのクランプスライダーの詳細な構造、特徴、組み立てまたは使用方法について、以下の実施形態の詳細な説明を通して明確にする。
なお、以下の詳細な説明および本発明により提示された実施形態は本発明を説明するための一例に過ぎず、本発明の請求範囲を限定できないことは、本発明にかかわる領域において常識がある者ならば理解できるはずである。

本発明の一実施形態によるクランプスライダーがレールに装着された状態を示す斜視図である。 本発明の一実施形態によるクランプスライダーの一部分を示す分解斜視図である。 本発明の一実施形態によるクランプスライダーを下から見た斜視図である。 本発明の一実施形態によるクランプスライダーの一部分を下から見た分解斜視図である。 本発明の一実施形態によるクランプスライダーを一端から見た平面図である。 図５中の６－６線に沿った断面図である。 図１中の７－７線に沿った断面図、即ち第一状態下でサイドキャップが側面孔に装着され、レールがブレーキから解放された構造を示す模式図である。 図１中の７－７線に沿った断面図、即ち第一状態下でサイドキャップが側面孔に装着され、レールがブレーキによって制動された構造を示す模式図である。 図１中の７－７線に沿った断面図、即ち第二状態下でサイドキャップが側面孔に装着され、レールがブレーキによって制動された構造を示す模式図である。 図１中の７－７線に沿った断面図、即ち第二状態下でサイドキャップが側面孔に装着され、レールがブレーキから解放された構造を示す模式図である。 本発明の一実施形態によるクランプスライダーのスプリングキャップに治具を装着する前の状態を示す斜面図である。 本発明の一実施形態によるクランプスライダーのスプリングキャップに治具を装着した後の状態を示す斜面図である。 本発明の一実施形態によるクランプスライダーのスプリングキャップに治具が装着されたうえでスプリングキャップが緩めた状態を示す断面図である。

以下、本発明によるリニアガイドのクランプスライダーを図面に基づいて説明する。なお、明細書および図面において、方向性用語は図面中の方向に基づいて表現される。同じ符号は同じ部品または類似した部品の構造的特徴を示す。

（一実施形態）
図１、図２および図６および図７に示すように、本発明の一実施形態によるクランプスライダー１０はブロック本体２０、二つのピストン部材３９、二つの弾性ユニット４５、二つのシリンダー５０および二つの制動部材６０を備える。

ブロック本体２０は頂部２１と、二つの左右両側に位置する側部２２とを有する。頂部２１は二つの側部２２に連結されて二つの側部２２との間がスライド溝２３になる。ブロック本体２０はスライド溝２３によってレール１２に装着される。
図６に示すように、それぞれの側部２２は内部に第一チャンバー２４、第二チャンバー２５および第一チャンバー２４と第二チャンバー２５を分離するスペーサー２６を有する。
図２および図４に示すように、それぞれの側部２２は内側面（即ちスライド溝２３に向かう側面）に嵌合溝２７を有し、外側面（即ちスライド溝２３に背を向けた側面）に側面孔２８および環状嵌合溝２８２を有し、前端面に端面開口部２９およびピン穴３０を有する。嵌合溝２７は第一チャンバー２４に繋がる。側面孔２８は第二チャンバー２５に繋がる。環状嵌合溝２８２は側面孔２８の壁面に形成される。端面開口部２９は第二チャンバー２５に繋がり、壁面に環状溝２９２および三つの軸方向に沿って環状溝２９２に繋がる欠け口２９４を有する。ピン穴３０は端面開口部２９に隣接する。
図２および図６に示すように、それぞれの側部２２は送気孔３１、三つの第一気体流路３２および第二気体流路３３を有する。
図６に示すように、説明の便をはかるため、一つの第一気体流路３２のみを表示して説明を進める。三つの第一気体流路３２はそれぞれ一端が送気孔３１に繋がり、他端が第一チャンバー２４に繋がる。第二気体流路３３は一端が一つの第一気体流路３２に繋がり、他端が第二チャンバー２５に繋がる。

二つのピストン部材３９は第一ピストン４０および第二ピストン４４を有する。第一ピストン４０はブロック本体２０の側部２２の第一チャンバー２４内に配置される。
図２および図８に示すように、第一ピストン４０はヘッド部４１、胴部４２および桿状部４３を有する。胴部４２はヘッド部４１に連結され、横向き孔４２２を有する。桿状部４３は胴部４２に連結され、スペーサー２６を貫通し、一部分がブロック本体２０の側部２２の第二チャンバー２５内に位置付けられる。第二ピストン４４はブロック本体２０の側部２２の第二チャンバー２５内に配置され、第一ピストン４０の桿状部４３に連結されて第一ピストン４０とともに同調作動する。

二つの弾性ユニット４５（圧縮スプリング）はブロック本体２０の側部２２の第二チャンバー２５内に装着されて第一ピストン４０の桿状部４３の末端部に被さる。それぞれの弾性ユニット４５は一端が第二ピストン４４に当接し、他端がスプリングキャップ４６に当接する。
図２および図５に示すように、スプリングキャップ４６は外周縁部に三つの凸状辺縁部４６２を有する。スプリングキャップ４６の三つの凸状辺縁部４６２を三つの欠け口２９４に対応させて環状溝２９２に嵌め込み、スプリングキャップ４６を回して三つの凸状辺縁部４６２と三つの欠け口２９４を交差させれば、スプリングキャップ４６を端面開口部２９に固定することができる。
スプリングキャップ４６が勝手に開くことを防止するために、スプリングキャップ４６は凸状辺縁部４６２に凹状位置決め部４６４を有する。位置決めピン４７をピン穴３０から差し込んで凹状位置決め部４６４に嵌め込めば、スプリングキャップ４６に位置決め効果を生じることができる。スプリングキャップ４６は中央に位置する軸孔４６６と、軸孔４６６の上下に位置する第二排気孔４６８とを有する。軸孔４６６は栓部材４８で塞がれる。二つの第二排気孔４６８は第二チャンバー２５に繋がる。

二つのシリンダー５０はそれぞれシリンダー本体５１、第三ピストン５２およびピストンロッド５３を有する。
図６に示すように、シリンダー本体５１はブロック本体２０の側部２２の後端面に締め付けられる。第三ピストン５２はシリンダー本体５１内に配置されてシリンダー本体５１の内部を第三チャンバー５４および第四チャンバー５５に分割する。ピストンロッド５３は一端が第三ピストン５２に接続され、他端がシリンダー本体５１に突出し、ブロック本体２０の第一チャンバー２４を通って第一ピストン４０のヘッド部４１に当接する。ピストンロッド５３は第三気体流路５３２を有する。第三気体流路５３２は軸方向に沿ってピストンロッド５３を貫通し、両端が第一チャンバー２４および第三チャンバー５４に別々に繋がる。

図２、図３および図７に示すように、二つの制動部材６０はそれぞれ制動ユニット７０、移動ユニット８０およびサイドキャップ８５を有する。

制動ユニット７０は金属製ブラケット７１、サポートブロック７６および複数のブレーキ７８を有する。本実施形態においてブレーキ７８は四つであるが、これに限定されない。
図３および図４に示すように、金属製ブラケット７１は頂面７２、側壁面７３および二つの翼部７４を有する。頂面７２は二つのねじ７５によってブロック本体２０の頂部２１の背面に固定される。側壁面７３は頂面７２に垂直に連結され、コ字型溝７３２を有する。二つの翼部７４は側壁面７３の前後両側に垂直に連結される。サポートブロック７６はゴムなどの軟性材質から製作され、二つのねじ７７によって金属製ブラケット７１の二つの翼部７４の間に装着および固定される。
上述した構造的特徴により、異なる規格のレールに応じてサポートブロック７６の位置の高さを調整することができる。サポートブロック７６は外側面に受動部７６２を有する。サポートブロック７６の受動部７６２はブロック本体２０の側部２２の嵌合溝２７に嵌まり込む。四つのブレーキ７８はサポートブロック７６の内側面（即ちスライド溝２３に向かう側面）に並列配置される。

図２および図８に示すように、二つの移動ユニット８０はそれぞれ第一ピストン４０の胴部４２の横向き孔４２２内に配置され、シャーシ８１および二つの転動部材８３、８４を有する。本実施形態において、転動部材８３、８４はローラーであるが、これに限定されない。シャーシ８１は両端に格納溝８２を別々に有する。二つの転動部材８３、８４はそれぞれ格納溝８２に格納され、一部分がシャーシ８１の端面に突出する。

図２に示すように、サイドキャップ８５はブロック本体２０の側部２２の側面孔２８に装着され、嵌合リング８７によって環状嵌合溝２８２内に固定されるため、ブロック本体２０の側部２２から逸脱することが発生しない。
図８に示すように、サイドキャップ８５は斜面８６を有する。サイドキャップ８５は斜面８６によって移動ユニット８０の転動部材８３を押す。移動ユニット８０は別の一つの転動部材８４によってサポートブロック７６の受動部７６２を押し、四つのブレーキ７８をレール１２に密着させる。

サイドキャップ８５は側面孔２８に着脱可能に装着される。嵌合リング８７さえ取ればサイドキャップ８５を取り外すことができる。つまり、実際の状況に応じてサイドキャップ８５の装着方向を変更することができる。
図７および図８に示すように、第一状態下Ｓ１でサイドキャップ８５を側面孔２８に配置すれば、サイドキャップ８５の斜面８６と移動ユニット８０との間の距離はシリンダー５０がピストン部材３９を押して移動させる方向に沿って漸減する。
図９および図１０に示すように、第二状態下Ｓ２でサイドキャップ８５を側面孔２８に装着すれば、サイドキャップ８５の斜面８６と移動ユニット８０との間の距離はシリンダー５０がピストン部材３９を押して移動させる方向に沿って漸増する。

図７および図８に示すように、第一状態下Ｓ１でサイドキャップ８５を操作する際、まず送気孔３１に高圧空気を注入する。
図６に示すように、高圧空気は第一気体流路３２を通って第一チャンバー２４へ進み、続いて第一チャンバー２４から第三気体流路５３２へ進み、続いて第三気体流路５３２から第三チャンバー５４に流れ込んで第三ピストン５２を押す。続いて、第三ピストン５２はピストンロッド５３によって第一ピストン４０を押すと同時に移動ユニット８０を第一ピストン４０とともにスペーサー２６の方向に移動させる。
このとき第四チャンバー５５内の余分な空気は第三ピストン５２によって押し出され、シリンダー本体５１の上下の二つの第三排気孔５１２から流出する。一方、高圧空気は同時に第二気体流路３３を通って第二チャンバー２５に流れ込んで第二ピストン４４を押す。このとき第二チャンバー２５内の余分な空気はスプリングキャップ４６の上下の二つの第二排気孔４６８から流出し、第一ピストン４０をサポートすると同時に弾性ユニット４５に復元力を貯めさせる。

第一ピストン４０が移動する際、図８に示すように、サイドキャップ８５の斜面８６と移動ユニット８０との間の距離はシリンダー５０がピストン部材３９を押して移動させる方向に沿って漸減する。つまり、一つの転動部材８３は斜面８６によって押されるため、移動ユニット８０はサイドキャップ８５の斜面８６に沿って転動する。
移動ユニット８０が横向きに移動する際、別の一つの転動部材８４はサポートブロック７６の受動部７６２を押す。このときサポートブロック７６は金属製ブラケット７１の二つの翼部７４（図３および図４参照）に固定される。金属製ブラケット７１は頂面７２がブロック本体２０の頂部２１に固定される。従って、サポートブロック７６の受動部７６２が転動部材８４によって押される際、二つの翼部７４および側壁面７３は金属材質の特性によって変形し、複数のブレーキ７８をレール１２に密着させてブレーキ効果を生じる。

高圧空気の注入を停止した後、図７に示すように、弾性ユニット４５からの復元力は第二ピストン４４を作動させると同時に第二ピストン４４と第一ピストン４０を逆方向に同調移動させる。続いて、第一ピストン４０はピストンロッド５３を介して第三ピストン５２を押すことによって第一チャンバー２４内の余分な空気をサイドキャップ８５の左右の二つの第一排気孔８５２から排出する。
第三チャンバー５４内の余分な空気は第三気体流路５３２を通って第一チャンバー２４に流れ込み、続いてサイドキャップ８５の左右の二つの第一排気孔８５２から流出する。第一ピストン４０が逆方向に移動する際、移動ユニット８０は第一ピストン４０に伴って移動し、転動部材８３をサイドキャップ８５の斜面８６から離れさせると同時に、別の一つの転動部材８４を介してサポートブロック７６を押す。続いて、サポートブロック７６は側壁面７３が跳ね返ることによってブレーキ７８を緩めてレール１２を解放する。

図９および図１０に示すように、第二状態下Ｓ２でサイドキャップ８５を操作する際、サイドキャップ８５の斜面８６と移動ユニット８０との間の距離はシリンダー５０がピストン部材３９を押して移動させる方向に沿って漸増する。
図９に示すように、高圧空気を注入する前に、第二ピストン４４は弾性ユニット４５の弾力によって第一ピストン４０を押し、スペーサー２６と逆の方向へ移動させる。一つの転動部材８３はサイドキャップ８５の斜面８６によって押される。移動ユニット８０は別の一つの転動部材８４を介してサポートブロック７６の受動部７６２を押すことによって複数のブレーキ７８をレール１２に密着させてブレーキ効果を生じる。
図１０に示すように、高圧空気を注入した後、第三ピストン５２は流体の圧力によってピストンロッド５３を介して第一ピストン４０を押すと同時に移動ユニット８０を第一ピストン４０とともにスペーサー２６の方向へ移動させる。第一ピストン４０が移動する際、サイドキャップ８５の斜面８６と移動ユニット８０との間の距離はシリンダー５０がピストン部材３９を押して移動させる方向に沿って漸増するため、斜面８６によって転動部材８３を押す力が漸減するとともに別の一つの転動部材８４によってサポートブロック７６を押す力が漸増する。このときサポートブロック７６は側壁面７３が跳ね返ることによってブレーキ７８を緩めてレール１２を解放する。

言い換えれば、図７および図８に示すように、第一状態下Ｓ１でサイドキャップ８５を装着する際、高圧空気を注入すれば締め付け力が生じる。高圧空気の注入を停止すれば締め付け力を放出する。
図９および図１０に示すように、第二状態下Ｓ２でサイドキャップ８５を装着する際、高圧空気を注入すれば締め付け力を放出する。高圧空気の注入を停止すれば締め付け力が生じる。往復移動中の第二ピストン４４はスペーサー２６に衝突してノイズを生じることがあるため、第二ピストン４４のスペーサー２６に向かう側面に格納溝４４１を増設することができる。
図７および図９に示すように、ポリウレタン樹脂で製作した消音材４９を第二ピストン４４の格納溝４４１に格納し、消音材４９をスペーサー２６に接触させれば第二ピストン４４がスペーサー２６に衝突して生じたノイズを解消することができる。

上述した構造的特徴をまとめると、本発明によるクランプスライダー１０はサイドキャップ８５の斜面８６を異なる使用状況に対応させるためにサイドキャップ８５の装着方式を変更することができるため、付属部品の簡単化、即ち構造の簡単化および製造コストの低減が実現できる。

本発明はさらに弾性ユニット４５の着脱に用いる治具９０を備える。図１１から図１３に示すように、治具９０はベアリングプレート９１、ボルト９２およびナット９３を有する。
治具９０を使用する際、まず栓部材４８を取り外す。続いて、ベアリングプレート９１は上下の二つのねじ９４によってスプリングキャップ４６の外側端面に締め付けられる。ボルト９２はベアリングプレート９１の中心孔およびスプリングキャップ４６の軸孔４６６を貫通し、末端部が第一ピストン４０の桿状部４３の末端部に嵌まり込む。ナット９３はボルト９２に締め付けられてベアリングプレート９１を押さえてスプリングキャップ４６に密接させる。このときスプリングキャップ４６を開けることができる。言い換えれば、何も安全措置を取らずスプリングキャップ４６を開けると、スプリングキャップ４６は弾性ユニット４５の弾力によって外部へ飛ばされ、周りの作業員に当たって怪我をさせることが起こりやすい。
従って、上述した構造的特徴により、ベアリングプレート９１とナット９３によってスプリングキャップ４６をキャッチすれば、スプリングキャップ４６の取り外しおよび弾性ユニット４５の交換が簡単になるだけでなく、使用上の安全性を高めることができる。

弾性ユニット４５を交換した後、ボルト９２の末端部は弾性ユニット４５を貫通して第一ピストン４０の桿状部４３の末端部に嵌まり込む。続いてスプリングキャップ４６は弾性ユニット４５の一端に当接する。
続いて、ナット９３は持続的な回転によってベアリングプレート９１を押して移動させる。続いて、ベアリングプレート９１はスプリングキャップ４６を押し、かつスプリングキャップ４６を端面開口部２９に装着できるまでスプリングキャップ４６に弾性ユニット４５を徐々に圧縮させる。続いて、スプリングキャップ４６が再び端面開口部２９に装着された後、位置決めピン４７を差し込めばスプリングキャップ４６の装着および位置決め作業が完了する。

１０ クランプスライダー
１２ レール
２０ ブロック本体
２１ 頂部
２２ 側部
２３ スライド溝
２４ 第一チャンバー
２５ 第二チャンバー
２６ スペーサー
２７ 嵌合溝
２８ 側面孔
２８２ 環状嵌合溝
２９ 端面開口部
２９２ 環状溝
２９４ 欠け口
３０ ピン穴
３１ 送気孔
３２ 第一気体流路
３３ 第二気体流路
３９ ピストン部材
４０ 第一ピストン
４１ ヘッド部
４２ 胴部
４２２ 横向き孔
４３ 桿状部
４４ 第二ピストン
４４１ 格納溝
４５ 弾性ユニット
４６ スプリングキャップ
４６２ 凸状辺縁部
４６４ 凹状位置決め部
４６６ 軸孔
４６８ 第二排気孔
４７ 位置決めピン
４８ 栓部材
４９ 消音材
５０ シリンダー
５１ シリンダー本体
５１２ 第三排気孔
５２ 第三ピストン
５３ ピストンロッド
５３２ 第三気体流路
５４ 第三チャンバー
５５ 第四チャンバー
６０ 制動部材
７０ 制動ユニット
７１ 金属製ブラケット
７２ 頂面
７３ 側壁面
７３２ コ字型溝
７４ 翼部
７５、７７ ねじ
７６ サポートブロック
７６２ 受動部
７８ ブレーキ
８０ 移動ユニット
８１ シャーシ
８２ 格納溝
８３、８４転動部材
８５ サイドキャップ
８５２ 第一排気孔
８６ 斜面
８７ 嵌合リング
９０ 治具
９１ ベアリングプレート
９１２ 中心孔
９２ ボルト
９３ ナット
９４ ねじ
Ｓ１ 第一状態
Ｓ２ 第二状態

Claims (5)

1. ブロック本体、二つのピストン部材、二つの弾性ユニット、二つのシリンダーおよび二つの制動部材を備えるリニアガイドのクランプスライダーであって、
   前記リニアガイドはレールを有し、
   前記ブロック本体は二つの相対する側部および頂部を有し、前記頂部は二つの前記側部に連結されて二つの前記側部との間が前記レールを装着するスライド溝になり、二つの前記側部は前記スライド溝に背を向けた面に側面孔を有し、
   二つの前記ピストン部材は前記ブロック本体の前記側部に移動可能に別々に配置され、それぞれ横向き孔を有し、
   二つの前記弾性ユニットはそれぞれ前記ピストン部材に当接するように前記ブロック本体の前記側部の中に配置され、
   二つの前記シリンダーはそれぞれ前記ブロック本体の前記側部の端面に配置され、流体の圧力によって前記ピストン部材を押し、前記弾性ユニットに復元力が生じさせる方向と逆の方向に移動させ、
   二つの前記制動部材はそれぞれ制動ユニット、移動ユニットおよびサイドキャップを有し、
   前記制動ユニットは前記ブロック本体の前記側部の前記スライド溝に向かう側面に配置され、
   前記移動ユニットは前記ピストン部材の前記横向き孔内に移動可能に配置され、
   前記サイドキャップは前記ブロック本体の前記側部の前記側面孔に装着され、斜面を有し、
   前記制動ユニットは金属製ブラケット、サポートブロックおよびブレーキを有し、前記ブロック本体の前記側部の前記スライド溝に向かう側面に配置され、
   前記移動ユニットは前記ピストン部材の前記横向き孔内に移動可能に配置され、
   前記サイドキャップは前記ブロック本体の前記側部の前記側面孔に装着され、斜面を有し、
   前記サイドキャップが前記斜面を介して前記移動ユニットを押すことにより、前記移動ユニットが前記制動ユニットを押して前記レールに密着させ、
   第一状態下で前記サイドキャップを前記側面孔に装着すると、前記移動ユニットの両端が当接する前記サイドキャップの前記斜面と前記サポートブロックとの間の対向距離が、前記シリンダーが前記ピストン部材を押して移動させる方向に沿って漸減し、
   第二状態下で前記サイドキャップを前記側面孔に装着すると、前記移動ユニットの両端が当接する前記サイドキャップの前記斜面と前記サポートブロックとの間の対向距離が、前記シリンダーが前記ピストン部材を押して移動させる方向に沿って漸増することを特徴とする、
   リニアガイドのクランプスライダー。
2. それぞれの前記ピストン部材は第一ピストンおよび第二ピストンを有し、前記ブロック本体のそれぞれの前記側部は第一チャンバー、第二チャンバーおよび前記第一チャンバーと前記第二チャンバーを分離するスペーサーを有し、それぞれの前記側部の前記側面孔は前記第一チャンバーに繋がり、前記第一ピストンは前記ブロック本体の前記第一チャンバー内に移動可能に配置され、ヘッド部、胴部および桿状部を有し、前記胴部は前記ヘッド部に連結され、前記横向き孔を有し、前記桿状部は前記胴部に連結され、前記スペーサーを貫通し、一部分が前記ブロック本体の前記第二チャンバー内に位置付けられ、前記第二ピストンは前記ブロック本体の前記第二チャンバー内に配置され、前記第一ピストンの前記桿状部に連結されて前記第一ピストンとともに同調して作動し、それぞれの前記弾性ユニットは前記第二ピストンに当接し、それぞれの前記シリンダーは前記第一ピストンに当接することを特徴とする請求項１に記載のリニアガイドのクランプスライダー。
3. それぞれの前記移動ユニットはシャーシおよび二つの転動部材を有し、前記シャーシは両端に格納溝を別々に有し、二つの前記転動部材はそれぞれ前記格納溝に格納され、一部分が前記シャーシの端面に突出し、前記移動ユニットの一つの前記転動部材が前記サイドキャップの前記斜面によって押されると、前記移動ユニットは別の一つの前記転動部材によって前記制動ユニットを押すことを特徴とする請求項１に記載のリニアガイドのクランプスライダー。
4. それぞれの前記制動ユニットは金属製ブラケット、サポートブロックおよびブレーキを有し、前記金属製ブラケットは前記ブロック本体の頂部の背面に固定され、前記サポートブロックは前記金属製ブラケットに装着され、前記移動ユニットに耐える受動部を有し、前記受動部は前記ブロック本体の前記側部の嵌合溝に嵌まり込み、前記ブレーキは前記サポートブロックの前記スライド溝に向かう側面に配置されることを特徴とする請求項１に記載のリニアガイドのクランプスライダー。
5. それぞれの前記シリンダーはシリンダー本体、第三ピストンおよびピストンロッドを有し、前記シリンダー本体は前記ブロック本体の前記側部の端面に配置され、前記第三ピストンは前記シリンダー本体内に配置されて前記シリンダー本体の内部を第三チャンバーおよび第四チャンバーに分割し、前記ピストンロッドは一端が前記第三ピストンに接続され、他端が前記ブロック本体の前記第一チャンバーを通って前記第一ピストンの前記ヘッド部に当接することを特徴とする請求項２に記載のリニアガイドのクランプスライダー。

Images