JP7156893B2 - 位置検出回路及び位置検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、位置検出回路及び位置検出方法に関する。
特許文献1には、タッチ操作の誘導経路を示す検査用パターンを表示し、検査員のタッチ操作に伴って形成される検出位置の軌跡に応じて、タッチセンサの異常の有無を判定する方法が開示されている。
特開2014-215843号公報
ところが、特許文献1に開示される方法では、検査用パターンを予め表示させる必要があるため、通常の使用状態では用いることができないという問題がある。
本発明の目的は、特別な検査用パターンを表示することなく簡単な方法によってライン電極の異常状態を判定可能な位置検出回路及び位置検出方法を提供することである。
第1の本発明における位置検出回路は、複数本のライン電極を二次元格子状に配置してなる静電容量方式のタッチセンサに接続される回路であって、ライン電極同士のクロスポイントにおける静電容量に関する検出値を前記クロスポイントの位置と対応付けて取得する取得ステップと、前記検出値が第1閾値を下回るクロスポイントの個数をライン電極毎に計数する計数ステップと、計数されたクロスポイントの個数が第2閾値を上回るライン電極を異常又は異常候補であると判定する判定ステップと、を実行する。
第2の本発明における位置検出方法は、複数本のライン電極を二次元格子状に配置してなる静電容量方式のタッチセンサを用いた方法であって、ライン電極同士のクロスポイントにおける静電容量に関する検出値を前記クロスポイントの位置と対応付けて取得する取得ステップと、前記検出値が第1閾値を下回るクロスポイントの個数をライン電極毎に計数する計数ステップと、計数されたクロスポイントの個数が第2閾値を上回るライン電極を異常又は異常候補であると判定する判定ステップと、を1つ又は複数のプロセッサが実行する。
本発明によれば、特別な検査用パターンを表示することなく簡単な方法によってライン電極の異常状態を判定することができる。
本発明の一実施形態における位置検出回路が組み込まれた電子機器の概略ブロック図である。 図1の位置検出回路による位置検出方法の動作全体を示すフローチャートである。 図2のステップS10において実行される断線検出処理の詳細フローチャートである。 仮判定処理により得られる結果の第1例を示す図である。 仮判定処理により得られる結果の第2例を示す図である。 多数決処理により得られる結果の一例を示す図である。 図7A、図7B及び図7Cは、各行ラインにおける信号レベルの分布の例を示す図である。 図8Aは、三次スプライン補間による補間結果の一例を示す図である。図8Bは、電子ペンの移動に伴うペン座標の軌跡を模式的に示す図である。 図2のステップS20において実行されるスキップ連続ラインデータによるペン座標導出処理の詳細フローチャートである。 スキップ連続ラインデータ取得処理により得られた信号レベルの値の関係を示す図である。 図11A及び図11Bは、各行ラインにおける信号レベルの分布の例を示す図である。 図12Aは、三次スプライン補間による補間結果の一例を示す図である。図12Bは、電子ペンの移動に伴うペン座標の軌跡を模式的に示す図である。 断線箇所のスキップに応じた補正切り替え処理のフローチャートである。 図14A及び図14Bは、ペン座標の補正方法の一例を示す図である。
本発明における位置検出回路及び位置検出方法について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、以下の実施形態及び変形例に限定されるものではなく、この発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。あるいは、技術的に矛盾が生じない範囲で各々の構成を任意に組み合わせてもよい。
[電子機器10の構成]
図1は、本発明の一実施形態における位置検出回路18が組み込まれた電子機器10の概略ブロック図である。電子機器10は、例えば、タブレット型端末、スマートフォン、パーソナルコンピュータで構成される。ユーザは、電子ペン12(あるいはスタイラス)を片手で把持し、表示パネル(不図示)のタッチ面にペン先を押し当てながら移動させることで、電子機器10に絵や文字を書き込むことができる。あるいは、ユーザは、自身の指14でタッチ面に接触することで、表示中のユーザコントロールを介して所望の操作を行うことができる。
この電子機器10は、タッチセンサ16と、位置検出回路18と、ホストプロセッサ20と、を含んで構成される。なお、本図に示すx方向,y方向は、タッチセンサ16がなす平面上において定義される直交座標系のX軸,Y軸に相当する。
タッチセンサ16は、表示パネル上に配置される複数の電極である。タッチセンサ16は、X座標(x方向の位置)を検出するための複数のライン電極16xと、Y座標(y方向の位置)を検出するための複数のライン電極16yと、を含む。複数のライン電極16xは、y方向に延びて設けられ、かつx方向に沿って等間隔に配置されている。複数のライン電極16yは、x方向に延びて設けられ、かつy方向に沿って等間隔に配置されている。以下、ライン電極16x(16y)の配置間隔を「ピッチ」という場合がある。
位置検出回路18は、ファームウェア22を実行可能に構成された集積回路であり、タッチセンサ16を構成する複数の電極にそれぞれ接続されている。ファームウェア22は、ユーザの指14などによるタッチを検出するタッチ検出機能24tと、電子ペン12の状態を検出するペン検出機能24pと、を実現可能に構成される。
タッチ検出機能24tは、例えば、タッチセンサ16の二次元スキャン機能、タッチセンサ16上のヒートマップ(検出レベルの二次元位置分布)の作成機能、ヒートマップ上の領域分類機能(例えば、指、手の平の分類)を含む。ペン検出機能24pは、例えば、タッチセンサ16の二次元スキャン機能、ダウンリンク信号の受信・解析機能、電子ペン12の状態(例えば、位置、姿勢、筆圧)の推定機能、電子ペン12に対する指令を含むアップリンク信号の生成・送信機能を含む。
ホストプロセッサ20は、CPU(Central Processing Unit)又はGPU(Graphics Processing Unit)からなるプロセッサである。ホストプロセッサ20は、図示しないメモリからプログラムを読み出し実行することで、例えば、位置検出回路18からのデータを用いてデジタルインクを生成する処理、当該デジタルインクが示す描画内容を表示させるための可視化処理などを行う。
[位置検出回路18の概略的な動作]
タッチセンサ16がN行のライン電極16x及びM列のライン電極16yを含む場合、N×M個の交差位置(以下、クロスポイントという)が存在する。以下の説明において「行ライン」は行方向の電極、「列ライン」は列方向の電極、「ライン」は行方向又は列方向のいずれか又は両方の電極を意味する。
位置検出回路18は、各々のクロスポイントにおける静電容量の変化を捉えることで指14の位置を検出する。また、位置検出回路18は、ライン電極16x,16yのそれぞれの方向で検出される電子ペン12からの信号レベルに基づいて電子ペン12の状態を検出する。なお、静電容量に関する検出値は、相互容量であってもよいし、自己容量であってもよい。
図2は、図1の位置検出回路18による位置検出方法の動作全体を示すフローチャートである。まず、位置検出回路18は、断線検出処理を実行する(ステップS10)。断線が検出されなかった場合(S12;NO)、位置検出回路18は、全ラインデータを用いたペン座標導出処理を実行する。一方、断線が検出された場合(S12;YES)、位置検出回路18は、スキップ連続ラインデータによるペン座標導出処理(ステップS20)を実行する。なお、この動作は、1つのプロセッサ(位置検出回路18)が実行してもよいし、複数のプロセッサが協働して実行してもよい。
[断線検出処理の説明]
<具体的な動作>
図3は、図2のステップS10において実行される断線検出処理の詳細フローチャートである。
まず、ステップS11において、N×M個のクロスポイントにおける静電容量値を含む容量データテーブルCを取得する。容量データテーブルCは、後述する図4に示すような値のテーブルである。
次に、ステップS12において、i番目の行ラインにおけるライン毎異常ポイント数EPCを検出する。この検出は、例えば、i番目の行ラインに含まれるM個のクロスポイントにおける静電容量値をそれぞれ所定の閾値th1(第1閾値)と比較して、この閾値th1を越えた異常ポイントの数を計数してもよい。また、この比較は、現在の行ラインと隣接する行ライン(例えば、i-1番目の行ライン)における静電容量値との差分値と、閾値th1との比較であってもよいし、現時点で得られている当該クロスポイントにおける基準値との比較であってもよい。この比較により、異常値とされたクロスポイントのポイントの個数であるライン毎異常ポイント数EPC(i)をカウントする(ステップS123)。
次に、ステップS13において、i番目の行ラインが断線しているか否かを仮判定する。まず、ステップS131において、ライン毎異常ポイント数EPC(i)が所定の個数th2より少ないか否か判定し、個数が少ない場合(S131;YES)は、i番目の行ラインは断線でないことを示す値を、その行の断線候補フラグE_Flagの値を設定する(ステップS133)。判定の結果、個数が多い場合(S131;NO)は、i番目の行ラインは断線候補であることを示す値を断線候補フラグE_Flagの値に設定する(ステップS135)。更に、この場合、N行全体の異常候補ライン数ELCの数をインクリメントする(ステップS136)。
図4及び図5は、仮判定処理により得られる結果の一例をそれぞれ示す図である。具体的には、X0~X14の行ライン及びY0~Y14列ラインを有するタッチパネルにおいて、各クロスポイントにおいて取得された静電容量値の例、並びに、上述ステップにおいて取得される、ライン毎異常ポイント数EPC、異常候補ライン数ELC、断線候補フラグE_Flagの値の例を示している。静電容量値が19(第2閾値)より小さい場合に異常値と判定される。
図4の例では、異常値であると判定されたポイントの個数が15個存在するY8の行ラインが異常候補ラインと仮判定される。また、行方向における異常候補ライン数ELCは1個と仮判定される。図5の例では、異常値であると仮判定されたポイントの個数が15個存在するY8~Y10が異常候補ラインと仮判定される。また、行方向における異常候補ライン数ELCは3つと仮判定され、列方向における異常候補ライン数ELCは1つと仮判定される。
図3に戻る。ステップS14において、仮判定された異常候補ラインが異常であるか否かを決定するための多数決処理を行う。まず、異常候補ライン数ELCが行ライン数N(あるいは列ライン数M)の過半数より少ないか否かを判定する(ステップS141)。判定の結果、異常候補ライン数ELCが過半数より少ない場合(S141;YES)は、異常候補ラインをそのまま異常ラインとして決定する。判定の結果、異常候補ライン数ELCが過半数より大きい場合(S141;NO)、異常候補ライン(図6の例で、Y3~Y11の9ライン)を正常ラインとして決定し、正常ラインと仮判定されていたライン(Y0~Y2及びY12~14の6行)を異常ラインに決定する。この処理は、例えば、異常ラインであると仮判定したラインについての断線候補フラグE_Flagの値を反転させることで、異常と仮判定されたラインと正常と仮判定されたラインを入れ替えることができる。そして、決定された異常ラインに基づいて、後述するステップS20のペン座標導出処理を実行する。
図6は、多数決処理により得られる結果の一例を示す図である。行ラインY3~Y11は、一旦異常候補ラインと仮判定されるが、異常候補ライン数の値である9は、全部の行ライン数である15の過半数を占めている。このような状態は、タッチセンサ16全体の機構上の状態が変化した可能性、あるいは、隣接ライン間の差分値を静電容量値として利用している場合に、異常候補と仮判定されたライン群とそうでないライン群とのどちらの側が正常の値を示しているか区別することが難しい。このような状況下であってもタッチ検出動作を打ち切らずに検出動作を続行するために、一旦異常候補ラインと仮判定された行ラインY3~Y11の方のライン群の出力を利用し、Y0~Y2及びY12~Y14の6ラインの方が断線しているライン群であるとしてこれらを入れ替える。
<断線検出処理による効果>
以上のように、この位置検出回路18は、複数本のライン電極16x,16yを二次元格子状に配置してなる静電容量方式のタッチセンサ16に接続される回路であって、ライン電極16x,16y同士のクロスポイントにおける静電容量に関する検出値を当該クロスポイントの位置と対応付けて取得する取得ステップ(S11)と、検出値が第1閾値を下回るクロスポイントの個数をライン電極16x,16y毎に計数する計数ステップ(S12)と、計数されたクロスポイントの個数が第2閾値を上回るライン電極16x,16yを異常又は異常候補であると判定する判定ステップ(S13,S14)を実行する。
このように、通常の使用状態にて取得可能なクロスポイント毎の検出値に対して計数処理及び閾値処理を組み合わせて実行することで、異常又は異常候補であるライン電極16x,16yが特定される。これにより、特別な検査用パターンを表示することなく簡単な方法によってライン電極16x,16yの異常状態を判定することができる。
また、判定ステップ(S14)では、二次元格子の一方向を構成するライン電極16x(16y)を母集団とし、異常候補でないライン電極16x(16y)の本数が母集団の全標本数のうちの過半数を占める場合に、異常候補として抽出されたライン電極16x(16y)が異常であると判定し、異常候補であるライン電極16x(16y)の本数が母集団の全標本数のうちの過半数を占める場合に、異常候補として抽出されなかった残りのライン電極16x(16y)が異常であると判定してもよい。多数決の原理に基づいて二次判定を行うことで、母集団全体として妥当な判定結果が得られる可能性が高まる。
[ペン座標導出処理の説明]
<断線に起因する問題点>
次に、ペン座標導出処理について説明する。ペン座標導出処理は、電子ペン12から送信されたペン信号をライン電極16x,16yで検出することで、行方向及び列方向の二次元位置を導出する処理である。以下では、行方向の位置検出について、Y0~Y15の行ラインのうちY8の近傍に電子ペン12が位置する状態を例にして説明する。以下、行方向についての処理を説明するが、列方向についても同様の処理を行うことが可能であることは言うまでもない。
図7A,7B,7Cは、各行ラインにおける信号レベルの分布の例を示す図である。図7Aは、Y0~Y15の行ラインのいずれにも断線が検出されなかった場合(図2のS12;NO)における各行ラインにおける信号レベルの分布の例を示す図である。
各ラインにおいて検出される信号レベルは、Y8においてピーク値となり、二番目にY9、三番目にY7となっている。ペン座標導出処理においては、このようにピーク値となったY8の位置を中心にY7及びY9信号レベルの分布を用いて所望の近似又は補間を行い、得られた分布(曲線あるいは曲面)に基づいて信号レベルの極大座標を導出し、Y8の付近ペンのY座標の位置として出力する。近似又は補間アルゴリズムは、例えば、三次スプライン関数、B-スプライン関数を含む様々な手法が用いられる。
図7B及び図7Cは、電子ペン12がY8の位置に存在している状態で、Y8が断線していた場合に、各行ラインで検出される信号レベルの分布の例を示す分布図である。Y8は断線しているため、Y9又はY7の一方において検出される信号レベルがピーク値を取り、他方において検出される信号レベルが2番目のピークとなる。
図8Aは、三次スプライン補間による補間結果の一例を示す図である。Y8の信号レベルが欠損しているため、Y7とY9の間のデータ点の密度(空間分解能)が相対的に「疎」になっている。このため、Y7とY9の信号レベルが完全に一致する場合はY8が補間曲線の極大位置になるが、両者の信号レベルに差が生じてしまうと補間曲線の極大位置がY7又はY9のいずれか一方(信号レベルが相対的に高い側)に近寄ってしまう傾向がある。つまり、極大位置は、Y7~Y9(2ピッチ分)の範囲内で大きく変動し得る。
その結果、図7Bの例は、実際には電子ペン12はY8の位置に存在するが、取得された信号レベルのうちピーク値であるY9の位置P9(黒丸位置)付近を電子ペン12の位置を示す座標(以下、「ペン座標」ともいう)として出力する。また、図7Cの例ではY7の位置P7(白丸位置)付近をペン座標として出力する。図7Bと図7Cでは、Y7とY9とで検出される信号レベルはそれほど大きい差はない。これは、どちらも本来のピーク値の位置とは異なる位置であるためである。このような場合、電子ペン12の傾きや行方向の手振れ等により、Y7で検出される信号レベルとY9で検出される信号レベルの大小が簡単に変化し、交互に発生することがある。
図8Bは、電子ペン12の移動に伴うペン座標の軌跡を模式的に示す図である。ここでは、断線した行ラインY8が延在する方向に沿ってペンを移動操作させる場合を想定する。上述した理由で信号レベルの大小関係が入れ替わると、ペン座標は、初めはP7(白丸)の位置付近であるが、その後P9(黒丸)の位置付近となり、再びP7の位置付近に戻るというように振れ幅W1で揺らいでしまう。ここで、例えばY8の位置に仮の信号レベル値(例えば、Y7,Y9で取得された信号レベルの平均値等)を与えたとしてもこの問題はなおも残存する。特に、連続する複数のラインが同時に断線すると、この振れ幅W1はさらに大きくなってしまう。
<具体的な動作>
図9は、図2のステップS20において実行されるスキップ連続ラインデータによるペン座標導出処理の詳細フローチャートである。
まず、接続関係変更処理を実行する(ステップS210)。ここで、接続関係とは、実際の位置と本来のデータの位置の対応関係を意味する。この変更処理は、各行ラインY0~Y14で取得される信号レベルの値が、断線位置をスキップし、かつ、互いが隣接するようにデータを並べ替える処理である。つまり、この変更処理は、スキップ連続ラインデータを取得するスキップ連続ラインデータ取得処理に対応する。
図10は、スキップ連続ラインデータ取得処理により得られた信号レベルの値の関係を示す図である。例えば、Y8の行ラインが断線していると判定された場合、Y8のアドレス位置のデータの読み出しをスキップし、次のY9に格納されているデータが読み出されるように、データのアドレス関係を入れ替える。つまり、この「スキップ」とは、ラインの対応位置を詰めるアドレス変換処理に相当する。
次に、この接続関係に基づいて供給されるスキップ連続ラインデータを用いてペン座標導出処理を実行する。ペン座標導出処理は、データが入れ替わっていること以外は、図2のステップS13で実行されるペン座標導出処理と同じ処理である。すなわち、Y8の位置に実際にはY9で取得された信号レベルのデータを用いて処理される。
図11A~図12Bは、このスキップ連続ラインを用いた位置導出処理の効果を説明する図である。図11Aの例では、ピーク値であるY8(実際にはY9のデータ)の位置P8(黒四角)付近をペン座標として出力する。図11Bの例では、ピーク値であるY7の位置P7(白四角)付近をペン座標として出力する。
図12Aは、三次スプライン補間による補間結果の一例を示す図である。Y8の信号レベルがスキップされたため、Y7とY8(実際にはY9のデータ)の間の空間分解能が、断線がなかった場合と同等になっている。つまり、Y7とY9の信号レベルに差が生じた場合であっても、補間曲線における極大位置の揺らぎをY7~Y8(1ピッチ分)の範囲内に収めることができる。
図12Bは、電子ペン12の移動に伴うペン座標の軌跡を模式的に示す図である。図8Bと同様に、断線した行ラインY8が延在する方向に沿って電子ペン12を移動操作させた場合を想定する。上述した理由で信号レベルの大小関係が入れ替わると、ペン座標は、初めはP7(白四角)の位置付近であるが、その後は、P9ではなく、P8(黒四角)の位置付近となる。したがって、図8Bの振れ幅W1と比べて、振れ幅W2は、約1ピッチ分だけ抑制することができ、描画される線がバーコードのように上下に揺れる状態を抑制することが可能となる。
なお、このようにスキップ連続データにより得られるペン座標は、断線位置であるY8を境界にずれが生じる。そのような場合に、断線位置より前か後かを判別し、前である場合と後ろである場合で補正を切り替えて出力するとしてもよい。
図13は、断線箇所のスキップに応じた補正切り替え処理のフローチャートである。
まず、ステップS221において出力対象位置が断線位置より前か否か(影響を受けるか否か)を判定する。例えば、行ラインY0~Y7は、Y8の断線位置より前の位置であると判定される。断線位置よりも前である場合(S221;YES)、導出されたペン座標はそのまま出力される(ステップS223)。
他方、断線位置より後の場合(S221;NO)、導出されたペン座標は、断線本数に応じたシフト量だけ後ろ方向にシフトされて出力される(ステップS223)。例えば、1つの行ラインが断線していた場合は1ピッチ分、3本の行ラインが断線していた場合は3ピッチ分、後ろ方向にシフトされたペン座標が出力される。これにより、本来的には断線の影響がない位置において、スキップに伴う検出位置のずれを抑制することができる。なお、ペン座標の補正方法は、上記した位置シフト(図14A参照)であってもよいし、所定の区間(Y6~Y9)のレンジ拡大であってもよい(図14B参照)。
<ペン座標導出処理による効果>
以上のように、この位置検出回路18は、複数本のライン電極16x,16yを二次元格子状に配置してなる静電容量方式のタッチセンサ16に接続される回路であって、ライン電極16x,16y同士のクロスポイントにおける静電容量に関する検出値を当該クロスポイントの位置と対応付けて取得する取得ステップ(S11)と、ライン電極16x,16yが正常であるか否かを判定する判定する判定ステップ(S14)と、検出値の分布を示す複数のデータ点を用いて近似又は補間を行い、得られた分布における検出値の極大座標に基づいて検出位置を導出する導出ステップ(S20)を実行し、上記した導出ステップでは、異常であると判定されたライン電極16x,16yに対応するデータ点をスキップして近似又は補間を行ってもよい。
このように構成したので、ライン電極16x,16yの異常に起因する空間分解能の局所的な低下を抑制可能となり、近似又は補間による検出位置の導出精度を保つことができる。これにより、特定の方向に沿ってタッチ操作を行う際に、線幅方向の揺らぎを抑制することができる。
また、導出ステップでは、スキップされたデータ点の個数に応じて極大座標を補正することで検出位置を導出してもよい。これにより、スキップに伴う検出位置のずれを抑制することができる。
また、取得ステップでは、ライン電極16x(16y)間のピッチよりも狭い線幅で筆記可能な電子ペン12とタッチセンサ16の間の静電容量に関する検出値を取得してもよい。指示位置の空間分解能が高い電子ペン12を用いる場合、その分だけペン座標の高い検出精度が要求されるので、上記した揺らぎの抑制効果がより顕著に現われる。
10 電子機器、12 電子ペン、14 指、16 タッチセンサ、16x,16y ライン電極、18 位置検出回路、20 ホストプロセッサ。

Claims (8)

  1. 複数本のライン電極を二次元格子状に配置してなる静電容量方式のタッチセンサに接続される位置検出回路であって、
    ライン電極同士のクロスポイントにおける静電容量に関する検出値を前記クロスポイントの位置と対応付けて取得する取得ステップと、
    前記検出値が第1閾値を下回るクロスポイントの個数をライン電極毎に計数する計数ステップと、
    計数されたクロスポイントの個数が第2閾値を上回るライン電極を異常又は異常候補であると判定する判定する判定ステップと、
    を実行することを特徴とする位置検出回路。
  2. 前記判定ステップでは、
    二次元格子の一方向を構成するライン電極を母集団とし、異常候補でないライン電極の本数が前記母集団の全標本数のうちの過半数を占める場合に、異常候補として抽出されたライン電極が異常であると判定し、
    異常候補であるライン電極の本数が前記母集団の全標本数のうちの過半数を占める場合に、異常候補として抽出されなかった残りのライン電極が異常であると判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の位置検出回路。
  3. 前記検出値の分布を示す複数のデータ点を用いて近似又は補間を行い、得られた分布における検出値の極大座標に基づいて検出位置を導出する導出ステップをさらに含み、
    前記導出ステップでは、異常であると判定されたライン電極に対応するデータ点をスキップして近似又は補間を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の位置検出回路。
  4. 前記取得ステップでは、ライン電極間のピッチよりも狭い線幅で筆記可能な電子ペンと前記タッチセンサの間の静電容量に関する前記検出値を取得することを特徴とする請求項3に記載の位置検出回路。
  5. 複数本のライン電極を二次元格子状に配置してなる静電容量方式のタッチセンサを用いた位置検出方法であって、
    ライン電極同士のクロスポイントにおける静電容量に関する検出値を前記クロスポイントの位置と対応付けて取得する取得ステップと、
    前記検出値が第1閾値を下回るクロスポイントの個数をライン電極毎に計数する計数ステップと、
    計数されたクロスポイントの個数が第2閾値を上回るライン電極を異常又は異常候補であると判定する判定ステップと、
    を1つ又は複数のプロセッサが実行することを特徴とする位置検出方法。
  6. 前記判定ステップでは、
    二次元格子の一方向を構成するライン電極を母集団とし、異常候補でないライン電極の本数が前記母集団の全標本数のうちの過半数を占める場合に、異常候補として抽出されたライン電極が異常であると判定し、
    異常候補であるライン電極の本数が前記母集団の全標本数のうちの過半数を占める場合に、異常候補として抽出されなかった残りのライン電極が異常であると判定する
    ことを特徴とする請求項に記載の位置検出方法。
  7. 前記検出値の分布を示す複数のデータ点を用いて近似又は補間を行い、得られた分布における検出値の極大座標に基づいて検出位置を導出する導出ステップをさらに含み、
    前記導出ステップでは、異常であると判定されたライン電極に対応するデータ点をスキップして近似又は補間を行うことを特徴とする請求項又はに記載の位置検出方法。
  8. 前記取得ステップでは、ライン電極間のピッチよりも狭い線幅で筆記可能な電子ペンと前記タッチセンサの間の静電容量に関する前記検出値を取得することを特徴とする請求項に記載の位置検出方法。
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