JP7156144B2 - シート掛け装置、粉塵飛散防止装置及びシート掛け方法 - Google Patents

シート掛け装置、粉塵飛散防止装置及びシート掛け方法 Download PDF

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Description

本発明は、シート掛け装置、粉塵飛散防止装置及びシート掛け方法に係り、特に、シートを当該堆積物の山に掛けるシート掛け装置、粉塵飛散防止装置及びシート掛け方法に関する。
製造業及び鉄鋼業等の分野において原料又は残渣などを所定の場所に山状に堆積させておくことがあるが、その堆積物の山から粉塵(厳密には、堆積物由来の粉塵)が飛散すると、それが周辺環境の汚染又は原料の浪費の原因となり得る。こうした粉塵飛散への対策として、粉塵飛散防止用のシートを堆積物の山に掛けることは、既に知られている。
従来、シートを堆積物の山に掛ける作業は、人手によって行われ、例えば作業員がシートを山の頂部付近まで運搬して山の斜面上でシートを広げていた。しかしながら、山の高さが高くなるほど(換言すると、堆積物の量が増えるほど)、より大きなシートが必要となり、その分、シートの重量が増える。また、堆積物の山の斜面は、崩れ易く不安定である。したがって、人手でシートを山に掛ける場合には、作業が難航し、また危険を伴う虞がある。
以上のような状況に対して、近年、効率的且つ安全にシートを堆積物の山に掛けるための技術が開発されている。その一例としては、例えば、特許文献1に記載されたシート掛け方法が挙げられる。特許文献1に記載のシート掛け方法は、野積みされたバラ物へのシート掛け方法であり、ロール状に巻かれたシートを吊り上げ冶具に固定し、ロール状のシートが固定された吊り上げ冶具をクレーン等の運搬装置によって吊り上げて積山の頂上まで搬送し、シートの一端に取り付けられたロープを積山の山裾から引っ張ってロール状のシートを積山の斜面に沿って広げるというものである。
特開2017-149537号公報
しかしながら、特許文献1に記載のシート掛け方法では、ロール状のシートを山の頂部まで運搬するためにクレーン等の運搬装置を用意し、また、それに付随する作業(例えば、養生作業)が必要となる。また、堆積物の山が複数形成されて山同士の間隔が狭くなっていると(つまり、山が密集していると)、クレーン等の運搬装置が山の間に入れない場合があり、その場合には、ロール状のシートを山の頂部まで運搬装置によって搬送することが困難となる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、以下に示す目的を解決することを課題とする。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、クレーン等の運搬装置を用いなくとも効率よくシートを堆積物の山に掛けることが可能なシート掛け装置、粉塵飛散防止装置及びシート掛け方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明のシート掛け装置は、堆積物の山に掛けられるシートと、内部に流体が封入されることで膨む封入体と、封入体の内部に流体を供給する流体供給装置と、を有し、シートが畳まれた状態で封入体の内部に流体が封入されると、封入体の膨らみ部分が増えて伸長した際に生じる力によって、シートが畳まれた状態から繰り出されて山に掛けられることを特徴とする。
上記のように構成された本発明のシート掛け装置は、封入体中、内部に流体が封入されることで膨らんだ部分(膨らみ部分)が増加して伸長した際に生じる力を利用して、畳まれた状態のシートを繰り出して堆積物の山に掛ける。このようなシート掛け装置であれば、クレーン等の運搬装置を用いなくとも効率よくシートを堆積物の山に掛けることが可能である。また、本発明のシート掛け装置であれば、複数の山が密集していて山間に運搬装置が配置できない場合であっても、適切にシートを山に掛けることが可能である。
また、封入体は、一端が閉塞し、且つ、他端が流体供給装置に接続されたチューブであり、チューブは、扁平形状であるときにロール状に畳まれており、チューブの内部に流体が封入されると、扁平形状から膨らんだ膨らみ部分が増えて伸長すると、より好適である。
上記の構成であれば、チューブにおいて扁平形状から膨らんで繰り出された部分、すなわち、膨らみ部分が増加して伸長したときに発生する力(以下、変形力とも言う。)を利用して、シートを良好に山に掛けることが可能となる。
また、シートは、軸を中心にしてロール状に畳まれており、チューブは、軸の延出方向において少なくとも2か所以上に配置され、延出方向の各箇所に配置されたチューブは、シートに重ねられてシートと共に軸を中心にしてロール状に畳まれると、より好適である。
上記の構成であれば、チューブがシートに重ねられてシートと共にロール状に畳まれているので、チューブの変形力をシートに対して良好に作用させることができる。これにより、シートをロール状に畳まれた状態からスムーズに繰り出すことが可能となる。
また、チューブには開閉自在の弁が取り付けられており、弁は、膨らみ部分に封入された液体を膨らみ部分の内部に保持しておくときには閉じており、膨らみ部分に封入された液体を排出する際には開かれると、より好適である。
上記の構成であれば、弁の開閉を通じて、チューブの膨らみ部分の状態(液体の封入状態)を容易に調整することができる。この結果、比較的簡易な構成により、膨らみ部分を保持してシートを山に掛けた状態で維持したり、膨らみ部分を元の扁平形状に戻してシートをロール状に畳むことが可能となる。
また、膨らみ部分に封入された液体の排出速度を調整するための調整機構が設けられていると、より好適である。
上記の構成であれば、膨らみ部分に封入された液体の排出速度を調整することができるので、比較的速い速度にて液体を排出した場合に生じ得る不具合、例えば、シートがロール状に畳む際に乱れて畳まれてしまう事態を抑えることが可能となる。
また、繰り出されて山に掛けられたシートに対して、山の傾斜方向において下方に付勢力を付与する付勢力付与部材を有すると、より好適である。
上記の構成であれば、山に掛けられたシートをロール状に畳むためにシートを山の傾斜方向に沿って下方に転がす際に、付勢力付与部材の付勢力を利用することができ、シートを良好に転がすことが可能となる。
また、シートにおいてロール状に畳まれているロール状部分と膨らみ部分との間には、チューブのうち、ロール状部分と共にロール状に畳まれている部分への流体の流入を規制する規制機器が設けられていると、より好適である。
上記の構成であれば、チューブの内部に流体を封入する際に、チューブのうち、シートのロール状部分と共にロール状に畳まれている部分への流体の流入が規制機器によって規制される。これにより、チューブの変形力によってシートを繰り出して山に掛ける期間中、チューブの変形力を良好に確保する(厳密には、チューブの変形力が得られなくなる事態を回避する)ことが可能となる。
また、規制機器と軸とを連結する連結部材を有し、規制機器は、膨らみ部分中、ロール状部分に位置する側の端部に接し、膨らみ部分が増えたときに端部にて膨らみ部分に押圧され、膨らみ部分から規制機器への押圧力が連結部材を通じて軸に伝達されることにより、ロール状部分が山の傾斜方向に沿って押し上げられて傾斜方向に沿って転がりながら、シートが繰り出されて山に掛けられると、より好適である。
上記の構成であれば、チューブの変形力が規制機器から連結部材を通じて軸へ伝達されることで、シートのロール状部分が山の傾斜方向に沿って押し上げられる。これにより、チューブの変形力を利用したシートの繰り出しが、より良好に行われるようになる。
また、規制機器は、ロール状部分と膨らみ部分との間においてチューブを挟み込む第一ローラ及び第二ローラと、第一ローラ及び第二ローラの各々のローラ回転軸を回転自在に支持する支持体と、を有し、ローラ回転軸は、軸に沿っており、連結部材は、軸と支持体とを連結し、第一ローラ及び第二ローラは、ローラ回転軸を中心にして回転しながら膨らみ部分に沿って膨らみ部分に対して相対移動すると、より好適である。
上記の構成であれば、シートのロール状部分及びチューブの膨らみ部分との間において第一ローラと第二ローラがチューブを挟み込むことにより、チューブのうち、シートのロール状部分と共にロール状に畳まれている部分への流体の流入を良好に規制することができる。また、第一ローラ及び第二ローラは、回転しながら膨らみ部分に沿って膨らみ部分に対して相対移動し、その移動動作に伴って連結部材及び軸が移動する。これにより、チューブの変形力が規制機器から連結部材を通じて軸まで、より良好に伝達されるようになる。
また、前述の課題を解決するために、本発明の粉塵飛散防止装置は、上記のシート掛け装置を用いて山からの粉塵の飛散を防止する粉塵飛散防止装置である。
上記の装置であれば、シートを堆積物の山に効果的に掛けることができるので、山から生じる粉塵がもたらす弊害、例えば、周辺環境の汚染や堆積物を利用した製品の歩留まりの低下等が良好に抑えられる。
また、前述の課題を解決するために、本発明のシート掛け方法は、上述したいずれか一つのシート掛け装置を用いて、山にシートを掛けるものである。
上記の方法であれば、クレーン等の運搬装置を用いなくとも効率よくシートを堆積物の山に掛けることが可能である。
本発明によれば、粉塵飛散防止用シートを、クレーン等の運搬装置を用いなくとも効率よく堆積物の山に掛けることが可能である。これにより、シート掛け作業における作業者への負担を軽減しつつ、比較的簡易な機構にてシートを堆積物の山に掛ける方法が実現されることになる。
本発明の一実施形態に係るシート掛け装置の斜視図である。 本発明の一実施形態に係るシート掛け装置の側面図である。 シートの両側部及びチューブの断面図である。 シートにおけるチューブの固定箇所を示す上面図である。 シートを堆積物の山に掛ける手順を示す図である(その1)。 シートを堆積物の山に掛ける手順を示す図である(その2)。 シートを回収する手順を示す図である(その1)。 シートを回収する手順を示す図である(その2)。 シートのロール状部分を押し上げる様子を示す図である。 シートのロール状部分を押し上げられない状況を示す図である。 チューブの変形力が伝達される様子を示す図である。 チューブの変形力についての説明図である。 第一変形例に係るシート掛け装置の斜視図である。 第二変形例に係るシート掛け装置の斜視図である。
本発明の一実施形態に係るシート掛け装置及び粉塵飛散防止装置について、添付の図面に示す好適な実施形態を参照しながら、以下に詳細に説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするために挙げた一例にすぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、以下に説明する実施形態から変更又は改良され得る。また、当然ながら、本発明には、その等価物が含まれる。
また、以下では、本発明に係る堆積物として、野積みされた石炭、コークス、鉄鉱石、焼結鉱及びその他の鉄鋼原料の粉粒体を代表例として説明するが、本発明は、これに限定されず、堆積物の山から粉塵が発生し得るものであれば、上記以外の堆積物であってもよく、例えば、穀物、木材チップ、セメント、砂、家畜用飼料、塩及び砂糖等の粒状物、並びに原料使用後に残った残渣等であってもよい。また、堆積物の山は、屋内にあってもよく、例えば、倉庫等の建屋内に設けられてもよい。
<<本実施形態に係るシート掛け装置及び粉塵飛散防止装置の全体構成>>
本実施形態に係る粉塵飛散防止装置は、シート掛け装置(以下、シート掛け装置100)を用いて、堆積物の山(以下、山B)から発生する粉塵の飛散を防止する。
本実施形態において、堆積物は、前述したように、野積みされた石炭、コークス、鉄鉱石、焼結鉱及びその他の鉄鋼原料の粉粒体である。また、山Bのサイズについて説明しておくと、例えば、高さが10m以上であり、底辺(山裾の長さ)が約20mである。上記のシートは、このようなサイズの山Bの表面を覆うのに十分な長さと横幅とを備えている。ただし、シート掛け装置100によってシートが掛けられる山Bの形状及びサイズについては、特に限定されるものではなく、例えば、比較的背が低く平坦な山も含まれる。
また、以下では、山Bの裾から頂上に亘って各堆積物の表面が連なることで構成されている面を、山Bの斜面と呼び、この斜面の傾斜方向を山Bの傾斜方向と呼ぶ。
シート掛け装置100は、シートを山Bに掛ける装置であり、粉塵飛散防止装置を構成する機器であり、本実施形態では、シート掛け装置100単体で粉塵飛散防止装置をなしている。シート掛け装置100の全体構成を図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、シート掛け装置100の斜視図であり、図2は、シート掛け装置100の側面図である。図1及び図2では、後述するばね20等の一部の機器を省略して図示している。
シート掛け装置100は、図1及び図2に示すように、シート10と、封入体としてのチューブ12と、流体供給装置としてのポンプ14と、軸16とを有する。さらに、シート掛け装置100は、調整機構としての弁18と、付勢力付与部材としてのばね20と、規制機器22と、連結部材34とを有する。
<<各構成機器の詳細構成>>
シート掛け装置100の各構成機器の詳細構成について、既出の図1及び図2、並びに図3乃至図6Bを参照しながら説明する。図3は、シート10の側端部及びチューブ12の断面を示す図である。図4は、シート10におけるチューブ12の固定箇所を示す上面図である。図5A及び図5Bは、シート10を山Bに掛ける手順を示す模式図である。図6A及び図6Bは、シート10を回収する手順を示す模式図である。なお、図5A、図5B、図6A及び図6Bについては、図示を分かり易くするため、規制機器22及び連結部材34等の図示を省略している。
(シート)
シート10は、山Bからの粉塵の飛散を防止するために山Bに掛けられる帯状体であり、シート10を山Bに掛けていない時(以下、不使用時とも言う。)には、図1及び2に示すように円柱状の軸16を中心にしてロール状に畳まれている。シート10は、シート10を山Bに掛ける時(以下、使用時とも言う。)には、図5Bに示すように、シート10の長手方向が山Bの傾斜方向に沿った状態で繰り出される。シート10の長手方向とは、シート10の連続方向であり、軸16の延出方向とは直交又は略直交する方向である。
シート10を山Bに掛けるにあたり、シート10は、図5Aに示すように、ロール状に畳まれた状態で山Bの裾部分の斜面に載せられる。そして、シート10は、山Bの裾部分から頂部に向かって山Bの傾斜方向に沿って転がりながら徐々にロール状態から繰り出されて展開していく。これにより、シート10が山Bの裾部分から順次、山Bの斜面に沿って広げられる(山Bに掛けられる)。
繰り出されて山Bに掛けられたシート10(図6Aに図示の状態にあるシート10)は、再びロール状に畳んで回収することができる。このとき、シート10は、図6Bに示すように、山Bの傾斜方向に沿って転がり落ちながら軸16を中心にしてロール状に畳まれる。
シート10のサイズは、山Bの斜面を覆うのに適したサイズ、例えば、完全に繰り出された状態で山Bの裾部分から頂部まで山Bの斜面を覆うのに十分な長さであるのが望ましい。また、シート10の材質は、透湿性を有する材質であるのが望ましい。シート10が掛けられた山Bにおいて調湿が可能となり、シート10によって風雨等が山Bの中に浸入するの抑えると共に、山Bの内部の湿気を蒸発させることが可能となる。
(チューブ)
チューブ12は、シート掛け装置100において、ロール状に畳まれた状態のシート10を繰り出すものとして機能する。チューブ12は、その一端開口が閉塞しており、他端開口がポンプ14に接続された状態で設けられている。また、チューブ12は、消防用の平ホースのように不使用時には扁平形状となってロール状に畳まれている。使用時には、チューブ12の内部に流体(具体的には、水等の液体)が封入されることで、チューブ12が一端側から図3のように扁平形状から略円筒形状へと膨らんで膨らむ部分12aを形成し、チューブ12の内部へ流体が流入するほど膨らみ部分12aが増えて伸長する(繰り出される)。
そして、膨らみ部分12aが増加したときに発生する力、すなわち、チューブ12の変形力を利用することにより、シート10を山Bの傾斜方向に沿って繰り出して(展開して)山Bに掛ける。
なお、チューブ12の変形力を利用したシート10の展開動作については、後述する『本実施形態に係るシート掛け装置を用いたシート掛け方法』の項で詳述する。
本実施形態において、チューブ12は、図1に示すように、軸16の延出方向において互いに離れた状態で2か所に配置されている。各箇所に配置されたチューブ12は、扁平形状であるときにシート10に重ねられてシート10と共に軸16を中心にしてロール状に畳まれている。すなわち、シート10及びチューブ12が一体的にロール状に畳まれている。そして、チューブ12の内部に液体が封入されると、図2及び図5B等に示すように、膨らみ部分12aが増加してシート10の長手方向(シート10の繰り出し方向)に沿って伸長する。
図2及び図5Bから分かるように、使用時において、膨らみ部分12aは、シート10のうち、山Bの傾斜方向に沿って繰り出された部分(以下、展開部分10b)の上に載る。膨らみ部分12aの重さ(すなわち、膨らみ部分12a内部に封入された水の自重)によって展開部分10bが押さえられるので、風雨等によるシート10の煽られ、捩れ及び剥がれ等が抑えられる。
各チューブ12は、軸16の延出方向においてシート10の側端部に設けられている。図3に示すように、シート10の両端部の各々が袋状に折り返されており、その内側に形成されるスペース(以下、チューブ挿通スペース10cと言う。)内にチューブ12が挿通されている。
チューブ挿通スペース10cは、その内部でチューブ12が略円筒形状となるように膨らむ(図3中の破線にて示す大きさまで膨らむ)のに十分な空間となっている。
また、本実施形態では、シート10の長手方向におけるシート10の両端部のうち、シート10がロール状に畳まれた状態で軸16側に位置する端部(以下、シート末端部10dと言う。)には、図4に示すように、チューブ12における軸16側の端部(以下、チューブ末端部12bと言う。)が固定されている。すなわち、図3に示したチューブ挿通スペース10c(シート10の側端部において袋状に折り返されている部分)は、図4に示すように、シート10の末端位置よりも幾分手前位置で途切れている。つまり、シート末端部10dの側端部にはチューブ挿通スペース10cが形成されておらず、チューブ末端部12bは、チューブ挿通スペース10cを通り抜けている。そして、チューブ挿通スペース10cから突出したチューブ末端部12bが、図4に示すように、シート末端部10dに縫い付けられて固定されている。このように本実施形態では、シート末端部10dにチューブ末端部12bが固定されているため、チューブ12の変形力を利用してシート10を繰り出す際に、シート末端部10dまで確実に繰り出すことができる。
シート10におけるチューブ12の固定箇所は、シート末端部10dのみに限定されるものではなく、シート末端部10dを少なくとも含む範囲であれば好ましく、例えば、シート10の長手方向の略全域に亘ってチューブ12が固定されてもよい。また、シート10に対するチューブ12の固定方法については、縫製(縫い付け)に限定されず、接着剤を用いた固定方法、クリップ及びステイプラー等の留め具を用いた固定方法、あるいは溶着による固定方法等を利用することも可能である。
チューブ12の素材は、膨縮自在とする柔軟性及び可撓性を備え、不使用時には容易にロール状に畳むことができる一方で、チューブ12の連続方向及び周長方向には伸縮しない素材であることが好ましい。さらに、チューブ12の内部に水を封入したときの内圧が1.0MPa程度になった場合にも耐えうる素材であれば、より好ましい。例えば、平ホースからなる消防ホースと同様の素材が好適である。チューブ12は、平ホースのみに限られるものではなく、潰れた(あるいは萎んだ)状態から流体の封入によって膨らむものであればよく、例えば、不使用時には幾分潰れる略円筒状のホースであってもよい。
(ポンプ)
ポンプ14は、図1に示すように、2つのチューブ12の各々の内部に流体としての水を供給する装置である。ポンプ14から吐出された水は、ポンプに接続された流路内を流れていき、当該流路は、2つのチューブ12の各々に向けて延出している。これにより、ポンプ14が起動すると、各チューブ12の内部に水が圧送される。ポンプ14は、その内部に搭載された羽根車(不図示)が正回転したときには、各チューブ12の内部に水を送り込む一方で、羽根車が逆回転したときには、各チューブ12に封入された水を吸引することが可能である。吸引された水は、図6Bに示すように、ポンプ14に取り付けられた排出ノズル14aからポンプ14の外へ排出される。
ポンプ14が供給可能な液体は、水に限定されるものではなく、油等の水以外の液体であってもよい。
(弁)
弁18は、開閉自在の弁であり、図1に示すように、ポンプ14に接続された流路を介してチューブ12に取り付けられている。弁18は、チューブ12の膨らみ部分12aに封入された水を当該膨らみ部分12aの内部に保持しておくときには閉じており、膨らみ部分12aに封入された水を排出する際には開かれる。また、弁18の開度を調整することにより、水の排出速度を調整することができる。この意味で、弁18は、膨らみ部分12aに封入された水の排出速度を調整するために設けられた調整機構である。
上記の調整機構としては、弁18以外のものであってもよく、例えば、水の排出速度を調整するためにポンプ14の回転数(特に、水を吸引するために逆回転する際の回転速度)を制御するインバータであってもよい。
(ばね)
ばね20は、図6A及び図6Bに示すように、繰り出されて山Bに掛けられたシート10に対して、山Bの傾斜方向において下方に付勢力を付与する部材である。ばね20は、コイルバネであり、一端が軸16に固定されており、他端がシート10の基端部(シート10の長手方向においてシート末端部10dとは反対側の端部)に固定されている。本実施形態では、図1に示すように、軸16を挟んでばね20が左右一対設けられているので、シート10に対してバランスよく付勢力を付与することが可能である。
(規制機器)
規制機器22は、シート10の繰り出しが完了するまでチューブ12の変形力が良好に確保されるように、チューブ12において水が流入できる範囲を規制するものである。規制機器22は、図2に示すように、シート10においてロール状に畳まれている部分(以下、ロール状部分10aと言う。)とチューブ12の膨らみ部分12aとの間に設けられ、チューブ12のうち、ロール状部分10aと共にロール状に畳まれている部分への水の流入を規制する。規制機器22は、チューブ12内部での水の流れを堰き止め、規制機器22よりも下流側(ロール中心側)への水の流入を規制している。
規制機器22を設けることで、ポンプ14から圧送された水がチューブ12の内部に封入されたときに、ロール状に畳まれた扁平形状のチューブ12から膨らみ部分12aが順次増えて伸長し(繰り出され)、シート10の繰り出しが完了するまで持続する。規制機器22により、シート10の繰り出しが完了するまでチューブ12の変形力を良好に確保することができる。
本実施形態では規制機器22が設けられているが、規制機器22が設けられていない構成であってもよく、その場合にも本発明の効果が奏される。
本実施形態に係る規制機器22の具体的な構成は、図1及び図2に示すように、第一ローラ24、第二ローラ26、支持体28、取り付けフレーム30、及び転動体としてのキャスタ32からなる。図1では、規制機器22が軸16の延出方向において互いに離れた位置に左右一対設けられているが、両者は、同一の構成であるため、以下では、一方の規制機器22についてのみ説明する。
第一ローラ24及び第二ローラ26は、図2に示すように、ロール状部分10aと膨らみ部分12aとの間においてチューブ12及びシート10を挟み込むピンチローラである。各々のローラ24、26は、軸16に沿った回転軸(ローラ回転軸24a、24b)を有しており、当該回転軸と一体的に回転する。使用時(シート10を繰り出して山Bに掛けるとき)には、図2に示すように、第二ローラ26が第一ローラ24よりも山B側に配置されている(より下方に位置している)。
第一ローラ24及び第二ローラ26間の隙間(以下、ニップ部と言う。)には、シート10の側端部(袋状に折りたたまれた部分)及びチューブ12が入り込んでいる。チューブ12のうち、ニップ部の上流側(ポンプ14が位置する側)に位置する部分は、膨らみ部分12aであり、ニップ部の内部及びニップ部の下流側(ポンプ14とは反対側)に位置する部分は、扁平形状の部分である。ニップ部内にある扁平形状の部分がニップ部を通過して膨らみ部分12aに遷移すると、膨らみ部分12aが増加して伸長することになり、第一ローラ24及び第二ローラ26は、膨らみ部分12aに沿って膨らみ部分12aに対して相対移動する。
膨らみ部分12aが増加した際、第一ローラ24及び第二ローラ26は、袋状に折り返されてチューブ12を包んでいるシート10の端部に摺接しながら回転する。つまり、膨らみ部分12aが増加すると、第一ローラ24及び第二ローラ26がローラ回転軸24a、26aを中心にして回転しながら膨らみ部分12aに沿って膨らみ部分12aに対して相対移動する。なお、このとき、第一ローラ24及び第二ローラ26は、それぞれのローラ回転軸24a、26aを中心にして互いに反対向きに回転する。
第一ローラ24及び第二ローラ26の各々の軸方向長さは、図1に示すようにチューブ12の横幅より長く、且つ、シート10の横幅より小さい。また、図1に示すように、第一ローラ24及び第二ローラ26は、双方ともに、その軸方向外側の端部がシート10の側縁よりも外側に幾分はみ出した状態で配置される。
支持体28は、第一ローラ24及び第二ローラ26の各々のローラ回転軸24a、26aを回転自在に支持する部材であり、本実施形態では矩形状の金属板によって構成され、軸16の延出方向において第一ローラ24及び第二ローラ26の外側で各ローラ回転軸24a、26aを片持ち支持している。
キャスタ32は、シート10を繰り出して山Bに掛ける際に、第二ローラ26を斜面から離間させるために斜面に接しながら転動する。キャスタ32は、支持体28に固定された取り付けフレーム30の底面に取り付けられている。取り付けフレーム30は、側面視で略台形状の枠体であり、図1及び図2に示すように、その下端部は、第二ローラ26よりも幾分下方に位置している。したがって、シート10を繰り出して山Bに掛ける際に、取り付けフレーム30の底面に取り付けられたキャスタ32は、第二ローラ26よりも山Bの斜面に近い位置にあり、厳密には斜面に接触している。このため、シート10を繰り出して山Bに掛けるとき、キャスタ32は転動し、第二ローラ26は斜面から離間する(浮く)ことになる。
(連結部材)
連結部材34は、規制機器22と軸16とを連結する部材であり、本実施形態では長尺の棒体によって構成されている。連結部材34は、長手方向一端部が規制機器22の支持体28に締結され、他端部が軸16に締結されて、軸16と支持体28とを連結している。連結部材34が規制機器22及び軸16を連結しているので、これらは、互いに一体化している。このため、膨らみ部分12aが増加して伸長したときには、第一ローラ24及び第二ローラ26が膨らみ部分12aに対して相対移動するが、このとき、第一ローラ24及び第二ローラ26を含む規制機器22、連結部材34及び軸16が一体的に膨らみ部分12aに対して相対移動することになる。
本実施形態では、規制機器22及び連結部材34が設けられているが、本発明のシート掛け装置は、規制機器22及び連結部材34を備えないものでもよい。
<<本実施形態に係るシート掛け装置を用いたシート掛け方法>>
次に、本実施形態に係るシート掛け装置100を用いたシート掛け方法について、既出の図5A~図6Bを参照しながら説明する。
シート掛け装置100を用いてシート10を山Bに掛ける際には、先ず、図5Aに示すように、ロール状に畳まれた状態のシート10を山Bの裾部分の斜面に載せる。その後、弁18を開けてポンプ14からチューブ12内に水を供給(圧入)すると、チューブ12の、ポンプ14に接続された部分から水がチューブ12の内部に順次封入され、内部に水が封入された部分は、略円筒状に膨らみ、ロール状に巻かれた状態から繰り出される。つまり、膨らみ部分12aが増えて伸長する。
そして、膨らみ部分12aが増加して伸長することで膨らみ部分12aの先端にて力(すなわちチューブ12の変形力)が発生する。この力により、シート10のロール状部分10aが、図5Bに示すように山Bの傾斜方向に沿って図中の矢印方向に転がりながら押し上げられる。この結果、シート10が山Bの傾斜方向に沿って繰り出される。
本実施形態では、シート10をロール状態から繰り出すとき、規制機器22が、チューブ12のうち、ロール状部分10aと共にロール状に畳まれている部分への水の流入(具体的には流入量)を規制する。この規制機器22の機能により、シート10を適切に山Bに掛けることができ、具体的にはシート末端部10dまで良好に繰り出して山Bに掛けることが可能である。規制機器22の機能については、後に詳しく説明する。
最終的に、図6Aに示すように、ロール状部分10a(厳密には、軸16)が頂部に達し、山Bの斜面の略全域に亘ってシート10が掛けられる。
シート掛けが完了した時点では、チューブ12の全長に亘り、チューブ12の内部に水が封入され、チューブ12の全体が膨らみ部分12aとなっている。この状態において弁18を閉じると、チューブ12の全域(膨らみ部分12a)に封入された水が、膨らみ部分12aの内部に保持されて、山Bの斜面の略全体に亘ってシート10が掛けられた状態を維持することができる。
シート10のうち、繰り出されて山Bに掛けられた部分(展開部分10b)の両側部の上には、内部に水が封入された状態の膨らみ部分12aが、シート10の長手方向に沿って載置されているので、展開部分10bが膨らみ部分12aの重さによって押さえられ、風雨等による展開部分10bの煽られ、捩れ及び剥がれが抑えられる。
山Bに掛けられたシート10を取り外すには、弁18を開け、ポンプ14により、チューブ12の膨らみ部分12aに封入された水を吸引することで、膨らみ部分12a内の水がポンプ14の排出ノズル14aから排出され、チューブ12がその末端側から順次萎んでいき、この結果、図6Bに示すように、シート10及びチューブ12が山Bの斜面に沿って図中の矢印方向に転がり落ちる。シート10及びチューブ12は、軸16を中心にしてロール状に畳まれ、最終的に展開前の状態(すなわち、図5Aに示す状態)まで戻る。
繰り出されて山Bに掛けられた状態のシート10に対しては、軸16を介してばね20の付勢力が付与されており、この付勢力は、山Bの傾斜方向に沿って下方(裾側)に向かって作用している。このため、シート10を山Bの傾斜方向に沿って下方に転がしてロール状に畳むことが可能である。
膨らみ部分12aに封入された水を排出する際に、弁18の開度を調整したり、インバータ等によってポンプ14の回転数を制御することで水の排出速度を調整すれば、シート10が山Bの傾斜方向に沿って転がり落ちる速度を調整することができる。これにより、比較的速い速度にて水を排出した場合に生じ得る不具合、例えば、シート10がロール状に畳む際に乱れて畳まれてしまう事態を抑えることが可能となる。
規制機器22の機能及び効果について、以下、規制機器22が設けられていない構成を示す図7及び図8、並びに、本実施形態の構成を示す図9を参照しながら説明する。図7の構成において、ポンプ14によってチューブ12内に水(図中、記号fにて示す)を圧入すると、チューブ12においてロール状態から繰り出された部分とシート10のロール状部分10aとの接触箇所(以下、単に、接触箇所と言う。)で、チューブ12が膨らむ。ロール状部分10aの径が十分に大きい段階(つまり、シート10中、未展開の部分が多く残っている段階)では、図7に示すように、接触箇所の最下点においてチューブ12がロール状部分10aの重さにより潰れている。この場合、チューブ12中、ロール状部分10aと共にロール状に畳まれている部分に水が流入し難くなっている。これにより、接触箇所にてチューブ12が膨らんで、膨らみ部分12aが増加して伸長する。
また、上記の状態では、接触箇所が図7に示すように円弧面形状となっており、膨らみ部分12aが増加して伸長することで接触箇所においてチューブ12の変形力が発生し、ロール状部分10aに作用する。これにより、ロール状部分10aが山Bの傾斜方向に沿って図7中の矢印方向に転がりながら押し上げられるようになる。
シート10の繰り出しが進んでロール状部分10aの径が比較的小さくなると、ロール状部分10aの重さだけではチューブ12を十分に潰しきれなくなる。チューブ12の変形力のうち、山Bの斜面に垂直な成分(後述する力fyに相当する力)がロール状部分10aに作用し、この力により、ロール状部分10aのうち、チューブ12を押し潰していた部分が山Bの斜面から離間する(浮き上がる)。この結果、ポンプ14から圧入される水が、チューブ12においてロール状に畳まれた部分にまで流入するので、図8に示すように、チューブ12がロール状態のまま膨らんでしまい、接触箇所が円弧面形状とならなくなる。この結果、ロール状部分10aを押し上げる力(すなわち、変形力)がチューブ12から得られなくなり、シート10が図8に示した状態で山Bの斜面上で停滞し、それ以上には繰り出されなくなる(広がらなくなる)。
これに対して、本実施形態では、図9に示すように規制機器22が設けられ、ロール状部分10aと膨らみ部分12aとの間の位置において第一ローラ24及び第二ローラ26がチューブ12及びシート10を挟み込んでいる。これにより、ロール状部分10aの径が小さくなったとしても、第一ローラ24及び第二ローラ26のニップ部にてチューブ12が潰され、それより下流側(ポンプ14とは反対側)への水の流入が規制されることにより、図8に図示したようにチューブ12がロール状態のまま膨らんでしまうためにロール状部分10aを押し上げる力が得られなくなる事態を回避できる。
また、本実施形態では、第一ローラ24及び第二ローラ26のニップ部にて膨らみ部分12aが増加して伸長するため、チューブ12の変形力がニップ部にて発生する。そして、規制機器22は、ニップ部にて上記の変形力を受け、その変形力が規制機器22から連結部材34を経由して軸16に伝達される。これにより、ロール状部分10aが山Bの傾斜方向に沿って押し上げられるようになる。
本実施形態におけるチューブ12の変形力の伝達について、図9及び図10を参照しながら説明する。図10は、チューブ12の変形力についての説明図であり、チューブ12の膨らみ部分12aの先端部の拡大図である。
ポンプ14によりチューブ12内に水を圧入してシート10を繰り出す際、図10に示すように、第一ローラ24の外周面が、膨らみ部分12a中、ロール状部分10aに位置する側の端部(以下、先端部とも言う。)に接する。第一ローラ24の外周面と膨らみ部分12aの先端部との接触箇所は、円弧面形状(図10では、点Aから点Bまでの円弧線にて図示)となる。
チューブ12内へ更に水を圧入することで膨らみ部分12aが増加して伸長すると、上記の円弧面に対して、山Bの斜面に沿って斜面の上方に向かう力fxと、斜面に対して垂直な方向において斜面から離間する向きの力fyが作用する。これら2つの力fx、fyの合力がチューブ12の変形力(つまり、膨らみ部分12aの増加によって生じる力)である。斜面に沿って斜面の上方に向かう力fxは、押圧力に相当し、下記の式(1)にて表される。
fx=(pπd)/4 (1)
ここで、pは、膨らみ部分12aの内部における水圧(Pa)であり、dは、膨らみ部分12aの直径(m)である。なお、水圧p及び直径dのそれぞれの範囲は、例えば、以下の通りである。
1.0(kPa)<p<5.0(Mpa)
10(mm)<d<500(mm)
水圧p及び直径dのそれぞれが上記の範囲において好適に設定されると、シート10を押し上げるのに十分な押圧力fxが得られるようになり、直径dを30(mm)とし、水圧pを1.0(Mpa)とすると、押圧力fxが707(N)(≒72kgf)となり、シート10の面密度が0.2(kg/m)で、長手方向の長さが20(m)で、横幅が5(m)であれば、シート10の質量が20(kg)となるため、シート10を押し上げるのに十分な押圧力fxが得られることになる。
規制機器22は、膨らみ部分12aの先端部にて膨らみ部分12aに押圧され、上記式(1)の押圧力fxを受ける。そして、規制機器22が膨らみ部分12aの先端部に押圧されると、規制機器22、連結部材34及び軸16が一体的に膨らみ部分12aに沿って膨らみ部分に対して相対移動するようになる。
第一ローラ24が膨らみ部分12aの先端部から押圧力fxを受けると、ローラ回転軸24aを中心にして図9に図示の矢印方向に回転し、山Bの傾斜方向において上方に向かって、袋状に折り返されてチューブ12を包むシート10の端部上を移動する。この第一ローラ24の移動動作に連動して、第一ローラ24と共に支持体28に回転支持された第二ローラ26が、ローラ回転軸26aを中心にして回転しながら第一ローラ24と同じ向きに移動する。このとき、第二ローラ26は、ロール状態から繰り出されるシート10に摺接しながら回転するため、図9に示すように、第一ローラ24の回転向きとは反対向きに回転することになる。
そして、第一ローラ24が上記のごとく移動すると、支持体28に固定された連結部材34、及び、連結部材34の端部が固定された軸16が、同様に山Bの傾斜方向において上方に向かって移動するようになる。つまり、膨らみ部分12aから規制機器22への押圧力fxが、第一ローラ24から連結部材34を通じて軸16まで伝達され、これらが一体的に山Bの傾斜方向において上方に向かって移動する。これにより、図9に示すように、軸16に巻き付けられたシート10のロール状部分10aが山Bの傾斜方向に沿って押し上げられて当該傾斜方向に沿って転がりながら展開する。
シート10を繰り出す間、支持体28に取り付けフレーム30を介して取り付けられたキャスタ32が山Bの斜面に接しながら転動するため、第二ローラ26は、山Bの斜面から離間した状態で回転する。これにより、シート10のロール状部分10aを山Bの傾斜方向に沿って転がしながら押し上げる際、第二ローラ26の回転による影響を断つことができる。
第二ローラ26は、図9に示すように、シート10の押し上げ方向とは逆行する向きに回転するので、第二ローラ26が山Bに接してしまうと、シート10の押し上げに支障をきたす虞がある。
これに対して、本実施形態では、キャスタ32を設けることで第二ローラ26を山Bから離間させることができるので、第二ローラ26の回転によって影響を受けることなく、シート10を良好に押し上げることが可能となる。
以上までに説明してきた本発明のシート掛け装置、及び、当該装置を用いたシート掛け方法によれば、比較的大きなサイズの山に対して、特許文献1に記載のシート掛け方法のようにクレーン等の運搬装置を用いなくてもシートを掛けることができる。また、堆積物の山が密集して山の間隔が比較的に短い場合(クレーン等の運搬装置では山の間に進入することができない場合)にも、適切にシートを山に掛けることが可能である。
<<その他の実施形態>>
以上までに本発明のシート掛け装置及びシート掛け方法について説明してきたが、上述の実施形態は、あくまでも一例にすぎず、他の実施形態(変形例)も考えられる。
例えば、上述の実施形態では、軸16の延出方向において互いに離れた位置にて2つのチューブ12がシート10に取り付けられており、特に、シート10の両側部のそれぞれに取り付けられていることとした。ただし、チューブ12は、少なくとも1つあればよく、望ましくは複数あればよい。例えば、図11に示すように、3つのチューブ12がシート10に取り付けられており、具体的には、軸16の延出方向においてシート10の両側部及び中央部分に、それぞれチューブ12が取り付けられている構成(以下、第一変形例)であってもよい。第一変形例では、図11に示すように、左右一対に設けられた規制機器22の第一ローラ24及び第二ローラ26が連続してシート10を横切るように配置されている。これにより、それぞれ1本ずつ設けられた第一ローラ24及び第二ローラ26によって、シート10の両側部及び中央部分に取り付けられたチューブ12の各々を挟み込むことができる。
なお、図11は、第一変形例に係るシート掛け装置100xの構成を示す図であり、図11中、上述した実施形態(図1に図示のシート掛け装置100)と共通する部材については図1と同様の符号が付されている。
また、上記の実施形態では、チューブ12がシート10に取り付けられており、不使用時のときにはシート10に重ねられた状態でシート10と共にロール状に畳まれていることとした。ただし、これに限定されるものではなく、チューブ12及びシート10が分離されていてもよく、例えば、図12に示すようにシート10の両脇にチューブ12が配置されていて、シート10から離れた状態で軸16に巻き付けられている構成(以下、第二変形例)であってもよい。第二変形例では、図12に示すように、左右一対に設けられた規制機器22の第一ローラ24及び第二ローラ26がシート10よりも幾分外側に配置されており、ローラ間に2つのチューブ12のうち、対応するチューブ12(最寄りのチューブ)を挟み込む一方で、シート10については挟み込まない。このような構成であっても、チューブ12中、膨らみ部分12aの変化によって生じる力(すなわち、変形力)を利用してシート10のロール状部分10aを山Bの斜面に沿って転がるように押し上げることが可能である。
なお、図12は、第二変形例に係るシート掛け装置100yの構成を示す図であり、図12中、上述した実施形態(図1に図示のシート掛け装置100)と共通する部材については図1と同様の符号が付されている。
また、上記の実施形態では、チューブ12内に封入される流体が液体であることとしたが、他の流体であってもよく、例えば気体であってもよく、あるいは、スラリー状の流体であってもよい。ただし、取り扱いが容易であり、チューブ12内に封入した後も固化し難く、さらにシート10の展開部分10bを好適に押さえておくことができる理由から液体(具体的には水又は油等)が好適である。
また、上記の実施形態では、シート10及びチューブ12が不使用状態ではロール状に畳まれていることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、シート10及びチューブ12が、それぞれ蛇腹状に折り畳まれてもよい。ただし、シート10及びチューブ12がロール状に畳まれていれば、山Bの傾斜方向に沿って転がしながら繰り出すことができるので、シート10を容易に山Bに掛けることができ、かかる点では上記の実施形態の方が好適である。
10 シート
10a ロール状部分
10b 展開部分
10c チューブ挿通スペース
10d シート末端部
12 チューブ(封入体)
12a 膨らみ部分
12b チューブ末端部
14 ポンプ(流体供給装置)
14a 排出ノズル
16 軸
18 弁(調整機構)
20 ばね(付勢力付与部材)
22 規制機器
24 第一ローラ
24a ローラ回転軸
26 第二ローラ
26a ローラ回転軸
28 支持体
30 取り付けフレーム
32 キャスタ(転動体)
34 連結部材
100 シート掛け装置
100x 第一変形例に係るシート掛け装置
100y 第二変形例に係るシート装置
B 山

Claims (13)

  1. 堆積物の山に掛けられるシートと、
    内部に流体が封入されることで膨らむ封入体と、
    前記封入体の内部に前記流体を供給する流体供給装置と、を有し、
    前記シートは、ロール状に畳まれており、
    前記シートが畳まれた状態で前記封入体の内部に前記流体が封入されると、前記封入体の膨らみ部分が増えて伸長した際に生じる力によって、前記シートにおいてロール状に畳まれているロール状部分が前記山の傾斜方向に沿って押し上げられて前記傾斜方向に沿って転がることで、前記シートが畳まれた状態から繰り出されて前記山に掛けられることを特徴するシート掛け装置。
  2. 堆積物の山に掛けられるシートと、
    内部に流体が封入されることで膨らむ封入体と、
    前記封入体の内部に前記流体を供給する流体供給装置と、
    前記山に掛けられた前記シートに対して、前記山の傾斜方向において下方に付勢力を付与する付勢力付与部材と、を有し、
    前記シートが畳まれた状態で前記封入体の内部に前記流体が封入されると、前記封入体の膨らみ部分が増えて伸長した際に生じる力によって、前記シートが畳まれた状態から繰り出されて前記山に掛けられることを特徴するシート掛け装置。
  3. 堆積物の山に掛けられるシートと、
    内部に流体が封入されることで膨らむ封入体と、
    前記封入体の内部に前記流体を供給する流体供給装置と、を有し、
    前記封入体は、一端が閉塞し、且つ、他端が前記流体供給装置に接続されたチューブであり、
    前記チューブは、扁平形状であるときにロール状に畳まれており、
    前記シートが畳まれた状態で前記チューブの内部に前記流体が封入されると、前記扁平形状から膨んだ前記チューブの膨らみ部分が増えて伸長した際に生じる力によって、前記シートが畳まれた状態から繰り出されて前記山に掛けられ、
    前記シートにおいてロール状に畳まれているロール状部分と前記膨らみ部分との間には、前記チューブのうち、前記ロール状部分と共にロール状に畳まれている部分への前記流体の流入を規制する規制機器が設けられていることを特徴するシート掛け装置。
  4. 前記封入体は、一端が閉塞し、且つ、他端が前記流体供給装置に接続されたチューブであり、
    前記チューブは、扁平形状であるときにロール状に畳まれており、
    前記チューブの内部に前記流体が封入されると、前記扁平形状から膨んだ前記膨らみ部分が増えて伸長する請求項1又は2に記載のシート掛け装置。
  5. 前記シートは、軸を中心にしてロール状に畳まれており、
    前記チューブは、前記軸の延出方向において少なくとも2か所以上に配置され、
    前記延出方向の各箇所に配置された前記チューブは、前記シートに重ねられて前記シートと共に前記軸を中心にしてロール状に畳まれることを特徴とする請求項3又は4に記載のシート掛け装置。
  6. 前記チューブには開閉自在の弁が取り付けられており、
    前記弁は、前記膨らみ部分に前記流体として封入された液体を前記膨らみ部分の内部に保持しておくときには閉じており、前記膨らみ部分に封入された前記液体を排出する際には開かれる請求項3乃至5のいずれか一項に記載のシート掛け装置。
  7. 前記膨らみ部分に封入された前記液体の排出速度を調整するための調整機構が設けられている請求項6に記載のシート掛け装置。
  8. 繰り出されて前記山に掛けられた前記シートに対して、前記山の傾斜方向において下方に付勢力を付与する付勢力付与部材を有する請求項1に記載のシート掛け装置。
  9. 前記シートにおいてロール状に畳まれているロール状部分と前記膨らみ部分との間には、前記チューブのうち、前記ロール状部分と共にロール状に畳まれている部分への前記流体の流入を規制する規制機器が設けられている請求項4に記載のシート掛け装置。
  10. 前記シートをロール状に畳む際の中心となる軸と前記規制機器とを連結する連結部材を有し、
    前記規制機器は、前記膨らみ部分中、前記ロール状部分に位置する側の端部に接し、前記膨らみ部分が増えたときに前記端部にて前記膨らみ部分に押圧され、
    前記膨らみ部分から前記規制機器への押圧力が前記連結部材を通じて前記軸に伝達されることにより、前記ロール状部分が前記山の傾斜方向に沿って押し上げられて前記傾斜方向に沿って転がりながら、前記シートが繰り出されて前記山に掛けられる請求項9に記載のシート掛け装置。
  11. 前記規制機器は、前記ロール状部分と前記膨らみ部分との間において前記チューブを挟み込む第一ローラ及び第二ローラと、前記第一ローラ及び前記第二ローラの各々のローラ回転軸を回転自在に支持する支持体と、を有し、
    前記ローラ回転軸は、前記軸に沿っており、
    前記連結部材は、前記軸と前記支持体とを連結し、
    前記第一ローラ及び前記第二ローラは、前記ローラ回転軸を中心にして回転しながら前記膨らみ部分に沿って前記膨らみ部分に対して相対移動する請求項10に記載のシート掛け装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載のシート掛け装置を用いて、前記山からの粉塵の飛散を防止する粉塵飛散防止装置。
  13. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載のシート掛け装置を用いて、前記山に前記シートを掛けるシート掛け方法。
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