以下で説明する実施形態に係る端末プログラムは、取得手順と、生成手順と、送信手順とを端末装置10に実行させる。取得手順は、捕獲した動物の撮像画像を取得する。生成手順は、取得手順によって取得された撮像画像に対して動物の捕獲に関する付加情報を対応付けた画像情報を生成する。送信手順は、生成手順によって生成された画像情報を管理サーバ20(サーバ装置の一例)へ送信する。
以下で説明する実施形態に係る端末プログラムにおいて、生成手順は、動物の捕獲者に関する捕獲者情報を含む付加情報を対応付ける。
以下で説明する実施形態に係る端末プログラムにおいて、生成手順は、動物の捕獲日および捕獲場所の少なくとも一方の情報を含む付加情報を対応付ける。
以下で説明する実施形態に係る端末プログラムにおいて、生成手順は、動物の種別に関する種別情報を含む付加情報を対応付ける。
以下、図面を参照して、実施形態に係る端末プログラム、端末装置の制御方法および端末装置について説明する。実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
図1は、実施形態に係る支援システム(判定システムの一例)の構成例を示す図である。支援システム1は、害獣を捕獲したユーザによる自治体への報奨金の申請および自治体における報奨金に関する情報の管理等を支援するためのシステムである。図1に示すように支援システム1は、端末装置10、管理サーバ20(判定装置の一例)および自治体端末100を有する。
また、支援システム1の各装置は、ネットワーク2を介して通信可能に接続されている。端末装置10は、ユーザが所持する端末である。以降の説明で、端末装置10を所持して猟を行うユーザを、ハンターと呼ぶ場合がある。また、支援システム1は、端末装置10の認証機能等により、所持しているハンターをID等で識別するものとする。なお、ハンターは、銃や罠等の道具を用いて害獣を捕獲するユーザであってもよい。また、以下では、害獣は、イノシシである場合を一例に挙げて説明するが、シカや鳥類等の他の害獣であればよく、広義には、報奨金等の対象となる動物であればよい。
例えば、端末装置10は、スマートフォン、タブレット及びデジタルカメラ等の携帯型の端末である。管理サーバ20は、支援システム1全体の管理を行うサーバである。例えば、管理サーバ20は、各装置へのアプリケーション(以下、アプリ)の提供、およびアプリで利用される情報の管理を行う。自治体端末100は、スマートフォン、タブレット及びデジタルカメラ等の携帯型の端末や、あるいはデスクトップ型のPC(personal computer)等、設置型の端末である。
支援システム1における処理の流れについて説明する。支援システム1では、まず、ハンターは、害獣を捕獲した場合、害獣の一部にQRコード(登録商標)等の識別情報30を付与した状態で、端末装置10のカメラ機能を用いて害獣全体を撮像する。
なお、識別情報30は、QRコード等の2次元コードに限定されるものではなく、バーコード等の1次元コードであってもよく、各害獣の一部を識別可能な情報であれば任意のものであってもよい。例えば、識別情報30が、任意の文字数(あるいは桁数)の文字や数字の配列であってもよい。また、識別情報30は、ハンターの住所や氏名、捕獲日等が記載された情報であってもよい。
図1に示す例では、イノシシのしっぽに対して識別情報30を固定した状態で、イノシシ全体(識別情報30を含む)を撮像することとする。なお、害獣の一部に対して所定の固定部材を用いて識別情報30を固定するが、かかる点については図6で後述する。
端末装置10は、ハンターによって撮像された害獣全体の撮像画像(第1画像の一例)に対して撮像画像の撮像条件や、害獣の捕獲に関する情報である付加情報を対応付けた画像情報(以下、全体画像情報と記載する場合がある)を管理サーバ20へ送信する。かかる付加情報は、例えば、管理サーバ20が提供するアプリを介して付与されるが、かかる点については図7~図12で後述する。
なお、端末装置10が撮像する撮像画像(第1画像)は、害獣全体を含んだ画像であってもよく、あるいは害獣の一部を予め切断し、かかる害獣の一部のみを含んだ画像であってもよい。
つづいて、ハンターは、画像情報を送信後、識別情報30が付与された害獣の一部を切断して自治体へ提出する。そして、自治体では、提出された害獣の一部を撮像し、自治体端末100によって害獣の一部の撮像画像(第2画像の一例)を含む画像情報(以下、部分画像情報と記載する場合がある)を管理サーバ20へ送信する。
なお、ハンターは、害獣の一部を捕獲の都度、自治体に提出してもよく、例えば、所定期間に捕獲した害獣の一部を冷凍保存により保存し、所定期間後にまとめて自治体へ提出してもよい。
管理サーバ20は、端末装置10から受信した全体画像情報と、自治体端末100から受信した部分画像情報に基づいて、自治体に提出された害獣の一部およびハンターが捕獲した害獣の一部が同じものであるか否かを判定する。
例えば、管理サーバ20は、端末装置10から受信した全体画像情報の履歴を記憶部に記憶しておき、新たに受信した全体画像情報と同じものが記憶部に記憶された履歴に含まれるか否かを判定する。
具体的には、管理サーバ20は、記憶部に記憶された履歴の中に、新たに受信した全体画像情報の付加情報との類似度が所定値以上の付加情報が含まれているか否かを判定する。例えば、管理サーバ20は、かかる履歴の中に、類似度が所定値以上の付加情報が含まれていた場合、かかる新たに受信した全体画像情報が過去に既に登録済みであると判定する。そして、管理サーバ20は、かかる判定結果を自治体端末100へ送信する。これにより、自治体は、かかる全体画像情報に対応する識別情報30が付与された害獣の一部が提出された場合、申請を却下して報奨金を認可しない。すなわち、実施形態に係る管理サーバ20によれば、提出された害獣の一部が実際に捕獲された害獣の一部であるか否かの判定を容易に行うことができる。換言すれば、付加情報の履歴を調べることで、同じ害獣の一部に対して複数の識別情報30が付与されたとしても、誤って報奨金が認可されることを防ぐことができる。
また、管理サーバ20は、端末装置10から受信した全体画像情報と、自治体端末100から受信した部分画像情報とに基づいて、全体画像情報における害獣の一部および部分画像情報における害獣の一部の類似の有無を判定する。
具体的には、管理サーバ20は、全体画像情報と部分画像情報とに対して画像認識処理を行い、画像認識された双方の害獣の一部が類似する場合、全体画像情報における害獣の一部および部分画像情報における害獣の一部が同じものであると判定する。そして、管理サーバ20は、かかる判定結果を自治体端末100へ送信する。そして、自治体は、提出された害獣の一部に対する報奨金を認可する。
つまり、管理サーバ20は、捕獲時にハンターによって撮像された撮像画像と、自治体に提出された際に撮像された撮像画像とを照合することで、双方の撮像画像に写った害獣の一部が一致しているか否かを判定する。これにより、提出された害獣の一部が実際に捕獲された害獣の一部であるか否かの判定を容易に行うことができる。
なお、害獣の一部に識別情報30を付与する場合に、所定の固定部材を用いて識別情報30を固定するとともに、かかる固定部材の固定が解除された場合に、その解除の痕跡が害獣の一部または固定部材に残るようにするが、かかる点については後述する。
また、図1では、端末装置10は、害獣全体の撮像画像を管理サーバ20へ送信したが、例えば、識別情報30が付与された害獣の一部(切断後)の撮像画像を管理サーバ20へ送信してもよい。
次に、図2を用いて、実施形態に係る管理サーバ20の構成について説明する。図2は、実施形態に係る管理サーバ20の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、管理サーバ20は、通信部21と、制御部22と、記憶部23とを具備する。
通信部21は、無線通信処理や有線通信処理を行うためのネットワークデバイスである。例えば、通信部21は、ネットワーク2を介して端末装置10や自治体端末100との間で各種情報を送受信する。
記憶部23は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部23は、ユーザ情報23aと、履歴情報23bとを記憶する。
ユーザ情報23aは、捕獲者であるユーザに関する情報(捕獲者情報の一例)である。図4は、実施形態に係るユーザ情報23aの一例を示す図である。図4に示すように、ユーザ情報23aには、ユーザID、氏名、住所および振込先といった項目が含まれる。
「ユーザID」は、ユーザを識別する情報である。「氏名」は、ユーザの登録氏名を示す情報である。「住所」は、ユーザの登録住所を示す図である。「振込先」は、報奨金の振込先を示す情報である。
ユーザ情報23aは、端末装置10によって撮像画像に付与される付加情報として管理サーバ20が取得してもよく、あるいは、管理サーバ20が提供するアプリに登録する際に入力された情報を取得してもよい。
履歴情報23bは、端末装置10から送信される画像情報の履歴の情報である。図5は、実施形態に係る履歴情報23bの一例を示す図である。図5に示すように、履歴情報23bには、ユーザID、撮像画像、撮像日時、撮像場所、重複および申請といった項目が含まれる。
「撮像画像」は、端末装置10で撮像された撮像画像の情報である。図5では、害獣全体の撮像画像(第1画像)を示しているが、識別情報30が付与された害獣の一部の撮像画像(第2画像)であってもよい。「撮像日時」は、端末装置10によって付与される付加情報であり、撮像画像が撮像された日時、すなわち、害獣の捕獲日を示す情報である。「撮像場所」は、付加情報であり、撮像画像が撮像された場所、すなわち、害獣の捕獲場所を示す情報である。「重複」は、後述の判定部22cによって類似(同じ)であると判定された画像情報を示す情報である。図5では、重複の「あり」が付いた画像情報が同じであることを示す。「申請」は、自治体に提出されて報奨金が認可されたことを示す図である。申請の「済」は、報奨金の認可が完了したこと示す。また、申請の「未」は、自治体に提出されていないことを示す。
図2に戻って制御部22について説明する。制御部22は、各種の処理手順等を規定したプログラム及び所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。制御部22は、取得部22a、記憶処理部22bおよび判定部22cを具備する。
取得部22aは、各種情報を取得する。例えば、取得部22aは、端末装置10から捕獲した害獣(動物の一例)を含む撮像画像と、撮像画像に対応付けられた付加情報とを含む画像情報を取得する。撮像画像には、害獣全体または害獣の一部と、害獣の一部に付与された識別情報30とが含まれる。また、付加情報には、撮像時間や撮像場所等の撮像条件に関する情報が含まれる。なお、識別情報30は、害獣の一部に対して所定の固定部材によって固定されるが、かかる点については図6で後述する。
また、取得部22aは、自治体端末100から提出された害獣の一部の撮像画像を取得する。かかる撮像画像には、害獣の一部と、識別情報30が含まれる。
記憶処理部22bは、取得部22aが取得した画像情報を履歴情報23bとして記憶部23に記憶する処理を行う。
判定部22cは、各種判定処理を行う。例えば、判定部22cは、履歴情報23bの中に、取得部22aが取得した付加情報との類似度が所定値以上の付加情報が含まれるか否かを判定する。
例えば、判定部22cは、付加情報である撮像時間が近いほど、類似度を高く算出する。つまり、判定部22cは、撮像時間が所定時間以内の画像情報が履歴に含まれていた場合に、新たに取得した画像情報が重複していると判定し、履歴情報23bの「重複」を「あり」に更新する。
また、判定部22cは、付加情報である撮像場所が近いほど、類似度を高く算出する。つまり、判定部22cは、撮像場所が所定距離以内の画像情報が履歴に含まれていた場合に、新たに取得した画像情報が重複していると判定し、履歴情報23bの「重複」を「あり」に更新する。
このように、判定部22cは、付加情報として撮像時間や撮像場所を比較することで、例えば、同じ害獣を使いまわして報奨金を不正に請求することを防止することができる。
なお、判定部22cは、撮像時間および撮像場所それぞれを単独で判定処理してもよく、撮像時間および撮像場所ともに、所定の範囲内である場合に限って、新たに取得した画像情報が重複していると判定してもよい。
また、判定部22cは、付加情報に限らず撮像画像に基づいて重複を判定してもよい。具体的には、判定部22cは、記憶部23に記憶した履歴情報23bの中に、取得部22aが取得した撮像画像との類似度が所定値以上の撮像画像が含まれているか否かを判定する。つまり、判定部22cは、新たに取得した撮像画像と、履歴の中にある撮像画像とを画像認識処理により照合を行い、撮像画像に含まれる害獣全体または害獣の一部が一致するか否かで重複を判定する。これにより、捕獲した害獣の一部とは異なるものを使って報奨金を不正に申請することを防止することができる。
なお、判定部22cは、重複があると判定した場合、重複がある旨を端末装置10へ送信してもよい。これにより、端末装置10を所持するハンターが誤って登録したことを認識させて登録の取り消し等の対応をとらせることができる。
また、判定部22cは、端末装置10から送信される害獣全体を含む撮像画像(第1画像)と、自治体端末100から送信される提出された害獣の一部を含む撮像画像(第2画像)とに基づいて、第1画像における害獣の一部と、第2画像における害獣の一部の類似の有無を判定する。
具体的には、判定部22cは、第1画像および第2画像を画像認識処理により照合を行い、双方の画像に共通する害獣の一部(例えば、しっぽ)について、類似度を算出し、かかる類似度が所定値以上の場合に、類似していると判定する。
そして、判定部22cは、類似していると判定した場合、第1画像および第2画像それぞれに含まれる識別情報30が一致しているか否かを判定する。そして、判定部22cは、第1画像における害獣の一部および第2画像における害獣の一部が類似していると判定し、かつ、それぞれの識別情報30が一致した場合、第1画像に含まれる害獣の一部と、第2画像に含まれる害獣の一部とが一致していると判定する。これにより、自治体に提出された害獣の一部と、ハンターが捕獲した害獣とが同じであると判定できる。
また、判定部22cは、第1画像および第2画像の比較において、識別情報30を固定する固定部材の状態に基づいて類似の有無を判定してもよいが、かかる点については図6で後述する。
次に、図3を用いて、実施形態に係る端末装置10の構成について説明する。図3は、実施形態に係る端末装置10の構成例を示すブロック図である。図3に示すように、端末装置10は、通信部11と、制御部12と、記憶部13とを具備する。また、端末装置10は図示しない表示部を有し、かかる表示部は、例えば、タッチパネルディスプレイである。
通信部11は、無線通信処理や有線通信処理を行うためのネットワークデバイスである。例えば、通信部11は、ネットワーク2を介して管理サーバ20や自治体端末100との間で各種情報を送受信する。
記憶部13は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部13は、端末装置10で実行される各処理で利用されるデータを記憶する。
制御部12は、各種の処理手順等を規定したプログラム及び所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。制御部12は、取得部12a、生成部12bおよび送信部12cを具備する。
取得部12aは、捕獲した害獣の撮像画像を取得する。取得部12aは、例えば、端末装置10が有する撮像部(内蔵カメラ)によって撮像された撮像画像を取得する。また、取得部12aは、他の端末装置で撮像された撮像画像を取得してもよい。
生成部12bは、取得部12aによって取得された撮像画像に対して害獣の捕獲に関する付加情報を対応付けた画像情報を生成する。例えば、生成部12bは、管理サーバ20から提供されるアプリを介して付加情報を対応付けるが、かかる点の詳細については図7~図12を用いて後述する。
送信部12cは、生成部12bによって生成された画像情報を管理サーバ20(サーバ装置の一例)へ送信する。送信部12cによる送信タイミングは任意である。例えば、送信部12cは、画像情報が生成される毎に管理サーバ20へ送信する。また、送信部12cは、所定数の画像情報に到達してからまとめて管理サーバ20へ送信してもよい。
次に、図6を用いて、固定部材を用いた識別情報30の固定方法について説明する。図6は、実施形態に係る固定部材を用いた識別情報30の固定方法を示す図である。図6では、固定部材50として結束バンドを一例に挙げて説明する。また、固定部材50によって識別情報30をイノシシのしっぽに固定する場合について説明する。
図6に示すように、ハンターは、害獣を捕獲すると、まず、固定部材50により識別情報30を固定してから、端末装置10によって害獣を撮像する。この時、端末装置10によって撮像された撮像画像には、少なくとも害獣の一部および識別情報30が含まれるようにする。つまり、図6に示す例では、固定部材50によってイノシシのしっぽに識別情報30が固定された状態を撮像する。
かかる場合の撮像方法としては、例えば、以下の3通りのいずれかが用いられてよい。すなわち、1つ目は、しっぽを切断せずに、イノシシ全体が含まれる撮像画像を得る方法、2つ目は、しっぽを切断せずに、イノシシのしっぽのみ(識別情報30含む)が含まれる撮像画像を得る方法、3つ目は、切断されたしっぽのみ(識別情報30)が含まれる撮像画像を得る方法のいずれかが用いられてよい。そして、ハンターは、撮像画像を取得後、識別情報30付きのしっぽを自治体に提出する。
そして、管理サーバ20の判定部22cは、端末装置10から送信される撮像画像および自治体端末100から送信される撮像画像の固定部材50の状態に基づいて類似の有無を判定する。
例えば、判定部22cは、しっぽに対する結束バンドの固定位置が所定距離以上ずれている場合や、結束度合(通し穴における係合位置)が異なる場合等には、類似していないと判定する。つまり、判定部22cは、端末装置10から送信される撮像画像および自治体端末100から送信される撮像画像それぞれの害獣の一部が同じでないと判定する。
このように、固定部材50の状態に基づいて類似の有無を判定することで、判定精度を向上させる。
さらに、固定部材50は、固定箇所である害獣の一部から解除された場合、害獣の一部および固定部材50の少なくとも一方に対して解除情報が付与されるようにする。例えば、図6に示す結束バンドの場合、結束後、通し穴における係合を解除できないため、ハンターは、結束バンドをはさみ等で切断するしかない。つまり、かかる場合に、はさみで切断された箇所が解除情報となる。
そして、管理サーバ20の判定部22cは、一度切断された結束バンドを再度接着剤等で繋ぎ合わせて使用されていた場合、類似ではないと判定する。具体的には、判定部22cは、端末装置10から送信される撮像画像および自治体端末100から送信される撮像画像の少なくとも一方の結束バンドに切断された痕跡が残っていた、つまり固定部材50に解除情報が付与されていた場合、双方の撮像画像に写った害獣の一部が同じではないと判定する。
このように、判定部22cは、解除情報に基づいて類似の有無を判定することで、判定精度をさらに向上させることができる。また、固定部材50に解除情報を付与することで、ハンターによる同一識別情報の使い回しを防止することができる。
なお、図6では、固定部材50として結束バンドを一例として説明したが、結束バンドに限定されるものではなく、固定の解除に伴って解除情報が付与されればよい。
例えば、固定部材50は、ファスナー式のプラスチックバッグであってもよい。かかる場合、ファスナーを閉じた後に再度開けた場合、ファスナー部分に所定の色情報が解除情報として付与されたり、あるいは、再度閉じることができないロック機構が解除情報として付与されてもよい。また、プラスチックバック内に、予め接着部材を満たしてもよい。これにより、害獣の一部を入れて、再度取り出した場合に、かかる接着部材を解除情報として害獣の一部に付与させることができる。
また、固定部材50は、例えば、固形化される樹脂であってもよい。具体的には、害獣の一部に識別情報30を貼り付けた後に、樹脂により固形化(標本化)してもよい。これにより、判定部22cは、例えば、固形樹脂内における害獣の一部の位置を比較できるため、類似の判定を容易に行うことができる。換言すれば、固形樹脂を破壊して再度標本化した場合、固形樹脂内における位置の変化が解除情報として付与されるため、類似の判定を容易化できる。さらに、害獣の一部を固形樹脂内に閉じ込めることで、腐敗の遅延化および腐敗臭の抑制を実現できるため、害獣の一部の保存を容易化させることができる。
また、固定部材50は、所定の模様を有する鋲であってもよい。具体的には、ハンターが害獣の一部を撮像する際に、例えば幾何学模様が印字された鋲で固定する。そして、ハンターは、鋲固定した害獣の一部を自治体に提出し、自治体が同様に鋲で固定された害獣の一部を撮像する。そして、判定部22cは、双方の撮像画像における幾何学模様の配列を比較することで、類似の判定を行う。つまり、ハンターが鋲を再固定することによる模様の変化が解除情報となる。
次に、図7~図12を用いて、生成部12bによる画像情報の生成処理について説明する。図7~図12は、実施形態に係る生成部12bによる画像情報の生成処理を示す図である。図7~図12では、管理サーバ20から提供されるアプリを実行することで、端末装置10の表示部に表示される画面を示している。また、図7~図12では、ユーザであるハンターは、かかるアプリの登録を既に完了していることとする。
端末装置10の生成部12bは、図7~図12に示す画面に従ってハンターが入力した情報を付加情報として撮像画像に対応付けることで画像情報を生成する。具体的に図7から順を追って説明する。
まず、図7の上段に示すように、ハンターがアプリを起動すると、ユーザ名およびパスワードを入力するためのログイン画面が表示される。そして、ハンターによってユーザ名およびパスワードの入力後、ログインのボタンが押下されると、図7の下段に示す画面に遷移する。なお、ユーザ名は、ユーザの名称や、ユーザID等の識別情報であってよい。
具体的には、図7の下段に示す画面には、ログインユーザ名や、申請履歴情報等の項目が表示される。具体的には、申請履歴情報には、捕獲日、捕獲物、申請状況および捕獲場所等の情報が表示される。捕獲日は、害獣を捕獲した日を示す。捕獲物は、捕獲した害獣の種別を示す。申請状況は、報奨金の申請に関する状態を示す。例えば、承認済は、報奨金が認可済みであり、申請受付済は、自治体による申請の受付済み(報奨金の認可待ち)であり、登録中は、管理サーバ20および自治体への登録済み(自治体の申請受付待ち)であり、未申請は、管理サーバ20にのみ登録済みで自治体への登録が済んでいないことを示す。捕獲場所は、害獣の捕獲場所を示す。例えば、捕獲場所の項目に表示されたリンク(例えば、URL)が押下されると、捕獲地点を含む地図画面に切り替わる。
そして、図8の上段に示す画面において、例えば、ログインユーザ名の下に表示されたユーザ情報確認・編集のボタンが押下されると、図8の下段(左図)に示すログインユーザに関するユーザ情報の編集画面が表示され、登録済のユーザ情報を編集することができる。つまり、生成部12bは、かかるユーザ情報である捕獲者情報を付加情報として対応付けるとともに、管理サーバ20のユーザ情報23aとして更新する。なお、かかる編集画面において、キャンセルボタンが押下されると、ユーザ情報を編集前の状態に戻して、図8の上段に示す画面に戻る。一方、登録ボタンが押下されると、編集後のユーザ情報のままで図8の上段に示す画面に戻る。なお、図8の上段に示す画面において、ログアウトのボタンが押下されると、アプリをログアウトし、申請を強制終了する。
また、図8の上段に示す画面において、新規申請スタートのボタンが押下されると、図8の下段(右図)に示す申請画面に遷移する。具体的には、申請画面には、害獣の捕獲日を入力する項目が含まれる。
具体的には、申請画面には、「2018/10/10」と表示された捕獲日領域が含まれる。ハンターが捕獲日領域に直接捕獲日を入力することにより、付加情報として捕獲日の情報が対応付けられる。そして、図8の下段に示す申請画面において、次へのボタンが押下されると、図9の上段に示す申請画面に遷移し、一方、戻るのボタンが押下されると、図8の上段に示す画面に戻る。
具体的には、図9の上段に示す申請画面には、害獣の捕獲場所を指定するための地図画面が表示される。例えば、ハンターは、かかる地図画面の捕獲日に相当する位置を指定すると、指定された位置に関する位置情報が表示される。位置情報は、例えば、緯度経度や、住所、地名等の場所に関する情報であればよい。これにより、付加情報として捕獲場所の情報が対応付けられる。そして、図9の上段に示す申請画面において、次へのボタンが押下されると、図9の下段に示す申請画面に遷移し、一方、戻るのボタンが押下されると、図8の下段(右図)に示す申請画面に戻る。
具体的には、図9の下段に示す申請画面には、害獣の一部に付与される識別情報30を登録する画面が表示される。図9の下段に示す例では、害獣の一部であるしっぽを固定する固定部材50(結束バンド)と、結束バンドに貼り付けられた識別情報30(QRコード)とを撮像して登録する。これにより、害獣の撮像画像に識別情報30が対応付けられる。そして、図9の下段に示す申請画面において、次へのボタンが押下されると、図10の上段に示す申請画面に遷移し、一方、戻るのボタンが押下されると、図9の上段に示す申請画面に戻る。
具体的には、図10の上段に示す申請画面には、捕獲した害獣に関する捕獲情報を登録する画面が表示される。例えば、図10の上段に示す例では、捕獲情報として、捕獲物の種類や区分等の種別を登録する。ハンターは、例えば、自治体によって登録されている害獣の種類の一覧から、捕獲した害獣の種類を選択する。また、ハンターは、害獣の区分の一覧から、捕獲した害獣の区分を選択する。なお、成獣とは、大人(所定の月齢以上または所定のサイズ以上)の害獣であることを示し、幼獣とは、子供(所定の月齢未満または所定のサイズ未満)の害獣であることを示す。これにより、付加情報として害獣の種別の情報が対応付けられる。そして、図10の上段に示す申請画面において、次へのボタンが押下されると、図10の下段に示す撮像の注意事項の画面に遷移し、一方、戻るのボタンが押下されると、図9の下段に示す申請画面に戻る。
具体的には、図10の下段に示す画面には、捕獲した害獣を撮像する上での注意事項が表示される。より具体的には、「捕獲物全体と結束バンドが収まるように撮影してください」といった被写体である害獣の撮像位置に関する注意事項を含む。また、「なるべく明るく撮影してください」といった撮像時の照度に関する注意事項を含む。また、「撮影後は、申請証拠物に取り付けたバンドが外れないように切断処理の上、所轄役所へ提出してください」といった撮像後の自治体への送付方法に関する注意事項を含む。そして、図10の下段に示す画面において、撮影のボタンが押下されると、端末装置10のカメラが起動して、図11の上段に示す撮像モードの画面に遷移し、一方、戻るのボタンが押下されると、図10の上段に示す申請画面に戻る。
そして、図11の上段に示す撮像モードの画面において、ハンターは上記した注意事項を満たす条件で害獣を撮像した場合、図11の下段に示す撮像画像の確認画面が表示される。そして、図11の下段に示す画面において、次へのボタンが押下されると、端末装置10のカメラが終了して、図12の上段に示す最終確認画面に遷移し、一方、撮り直しのボタンが押下されると、図11の上段に示す撮像モードの画面に戻る。
具体的には、図12の上段に示す最終確認画面には、前段までにハンターが入力した付加情報がすべて表示される。より具体的には、かかる最終確認画面には、害獣および識別情報30を含む撮像画像と、付加情報とが修正可能に表示される。そして、図12の上段に示す最終確認画面において、捕獲申請ボタンが押下されると、撮像画像に対して付加情報が対応付けられた画像情報が生成部12bによって生成されるとともに、送信部12cによって管理サーバ20へ送信される。
そして、管理サーバ20への画像情報の送信が完了すると、図12の下段に示す送信完了画面が表示される。具体的には、図12の下段に示す送信完了画面には、「以下の内容で申請を実施致しました。」といった送信完了を示す情報や、申請後に自治体へ提出を促す情報、送信した画像情報の撮像画像および付加情報等が表示される。そして、図12の下段に示す送信完了画面において、トップ画面へのボタンが押下されると、図7の下段に示す画面に遷移する。この時、図7の下段に示す画面の申請履歴情報には、送信した画像情報に関する項目が追加される。
このように、実施形態に係る端末装置10は、撮像画像に対して害獣の捕獲に関する付加情報を対応付けた画像情報を管理サーバ20へ送信することで、管理サーバ20が、提出された害獣の一部が実際に捕獲された害獣の一部であるか否かの判定を容易に行うことができる。
次に、図13を用いて、実施形態に係る支援システム1の処理の流れについて説明する。図13は、実施形態に係る支援システム1の処理手順を示すシーケンス図である。
まず、図13に示すように、端末装置10は、捕獲した害獣および害獣の一部に対して付与された識別情報30を含む撮像画像を取得する(ステップS101)。つづいて、端末装置10は、管理サーバ20によって提供されるアプリを介して付加情報を対応付けた画像情報を生成する(ステップS102)。
つづいて、端末装置10は、生成した画像情報を管理サーバ20へ送信する(ステップS103)。管理サーバ20は、履歴情報23bの中に、受信した画像情報と類似する画像情報が含まれるか否かを判定することにより重複を判定する(ステップS104)。なお、重複があると判定された場合、履歴情報23bの「重複」を「あり」に更新する。
つづいて、自治体端末100は、ハンターによって提出された害獣の一部の撮像画像(第2画像)を取得する(ステップS105)。つづいて、自治体端末100は、取得した撮像画像を含む画像情報を管理サーバ20へ送信する(ステップS106)。
つづいて、管理サーバ20は、端末装置10から受信した画像情報と、自治体端末100から受信した画像情報との類似の有無を判定する(ステップS107)。つづいて、管理サーバ20は、ステップS104およびステップS107における判定結果を自治体端末100へ送信する(ステップS108)。
つづいて、自治体端末100は、判定結果をもとに、自治体の職員によって報奨金の認可が行われた場合、報奨金を認可した旨を管理サーバ20へ送信する(ステップS109)。なお、管理サーバ20は、報奨金を認可した旨を受信する履歴情報23bの「申請」を「未」から「済」に変更する。
上述したように、実施形態に係る端末プログラムは、取得手順と、生成手順と、送信手順とを端末装置10に実行させる。取得手順は、捕獲した動物の撮像画像を取得する。生成手順は、取得手順によって取得された撮像画像に対して動物の捕獲に関する付加情報を対応付けた画像情報を生成する。送信手順は、生成手順によって生成された画像情報を管理サーバ20(サーバ装置の一例)へ送信する。これにより、管理サーバ20が提出された害獣の一部が実際に捕獲された害獣の一部であるか否かの判定を容易に行うことができる。
なお、上述した実施形態では、ハンターが所持する端末装置10が通信機能(通信部11)を有する場合について説明したが、ハンターが所持する端末装置10が通信機能を有さなくてもよい。かかる場合、ハンターは、例えば、カメラ機能付きの端末装置10(通信機能無し)によって捕獲した害獣を撮像して撮像画像として保存しておき、自治体に対して害獣の一部を提出する際に、自治体端末100からかかる撮像画像を送信してもらうようにする。
また、上述した実施形態では、管理サーバ20と自治体端末100とが別体である場合について説明したが、管理サーバ20および自治体端末100双方の機能を兼ね備えた1つの自治体端末であってもよい。つまり、実施形態に係る判定装置は、管理サーバ20に含まれてもよく、自治体端末100に含まれてもよい。
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。