JP7154709B2 - 車両制御装置 - Google Patents
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Description
回転電機の回転トルクが入力される入力軸と、
前記入力軸から減速機構を介して入力された前記回転トルクを、車両が備える複数の車輪のうちの駆動輪に出力する出力軸と、
前記入力軸の回転を規制可能なパークロック機構と、
前記複数の車輪を、車輪ごとに独立して制動するブレーキ装置と、を備えた車両を制御する車両制御装置であって、
前記パークロック機構は、
前記入力軸に相対回転不能に設けられたパークギアと、
前記パークギアに設けた被係合部に係脱可能な係合部を備えたパークポールと、
前記パークポールの係合部を前記パークギアの被係合部に係脱させる駆動機構と、を備え、
前記車両制御装置は、
前記係合部を前記被係合部から離脱させる際に、前記ブレーキ装置により前記車輪の制動状態を維持しつつ、一部の前記駆動輪に連結する前記出力軸を回転可能とした状態で、前記回転電機により前記パークギアに回転トルクを入力するトルク制御を行う制御部を備える。
以下、本発明の第1の実施の形態に係る車両制御装置について、図面を用いて説明する。
図1は、第1の実施の形態の車両制御装置を備えるハイブリッド車両の概略構成を示す図である。以下の説明において、ハイブリッド車両は単に「車両」ともいう。
エンジン1は、ガソリン又は軽油を燃料とする内燃機関であり、コントローラからの指令に基づいて回転速度、トルク等が制御される。バッテリ2は高電圧バッテリであり、MG3に電力供給を行う。
図2に示すように、ブレーキ装置8は、駆動輪7aを含む各車輪7に設けられた摩擦ブレーキ機構81とブレーキアクチュエータ82を備える。摩擦ブレーキ機構81は、車輪7に固定されるブレーキディスク81aと、車体に固定されるブレーキキャリパ81bとを備え、ブレーキアクチュエータ82から供給される作動液の液圧によってブレーキキャリパ81bに内蔵されたホイールシリンダ(不図示)を作動させることによりブレーキキャリパ81bをブレーキディスク81aに押し付けて摩擦制動力を発生させる。ブレーキアクチュエータ82は、各車輪7の制動を独立して行う。
パークロック機構9は、前記したシフトレバー10でPレンジが選択されたときに、バリエータ56のセカンダリプーリ58(図1参照)に接続された駆動軸50dの回転を規制する。
図3の(a)に示すように、パークロック機構9は、パークギア91、パークポール93、パークシャフト95と、パークアクチュエータ97と、を備える。
ECU100は、例えば、エンジン1の動力で走行するエンジン1走行モードと、MG3の動力で走行するEV走行モードと、を運転状態に応じて切り替える。ECU100は、エンジン1走行モードにおいてはフォワードクラッチ55を締結する。エンジン1で発生した動力は、駆動軸50a、トルクコンバータ51、駆動軸50b、フォワードクラッチ55、駆動軸50c、バリエータ56、駆動軸50d、減速機構60および車軸70を介して駆動輪7aへ伝達される。ECU100は、EV走行モードにおいてはフォワードクラッチ55を解放する。MG3で発生した動力は、伝達機構31、バリエータ56、駆動軸50d、減速機構60および車軸70を介して駆動輪7aへ伝達される。ECU100は、発進時や高速道路への合流時等の高出力が要求される場合においては、エンジン1の動力とMG3の動力とを用いるハイブリッド走行モードを実施する。
車両の運転者は、不図示のブレーキペダルを踏込んで車両を停止させた後に、シフトレバー10をPレンジに入力する。前記したように、シフトレバー10でPレンジが選択された場合に、ECU100はパークアクチュエータ97によりパークシャフト95を位置P1に駆動させる。図3の(a)に示すように、パークシャフト95が位置P1に駆動されることによって、パークポール93が揺動して、パークポール93の爪部93aがパークシャフト95の歯溝91aに係合することにより、パークロック機構9が係合状態となり、駆動軸50dの回転は規制される。車両の運転者は、シフトレバー10をPレンジに入力した後に、ブレーキペダルの踏込みを解除して不図示のサイドブレーキを操作する。
車両を傾斜路で停車させた場合には、パークロックを係合状態にした後に、ブレーキペダルの踏込みを解除すると、路面の傾斜によって駆動輪7aが回転することがある。駆動輪7aの回転は、車軸70、アイドラ軸66を介して駆動軸50dに伝達される。これによって、図4に示すように、駆動軸50dに外嵌固定されたパークギア91に回転トルクTが入力される。これによって、パークギア91は係合するパークポール93の爪部93aを押圧し、パークポール93には回転トルクTに応じた荷重Nがかかることになる。この荷重Nがかかった状態で、パークアクチュエータ97がパークシャフト95を位置P1から位置P2まで駆動して爪部93aを歯溝91aから離脱させると、車両に衝撃が伝わることがある。
図5は、パークロック機構9の解除時のECU100の制御を示すフローチャートである。
運転者が、ロック解除ボタン11を押してシフトレバー10をPレンジ以外のレンジに入力すると(ステップS01:Yes)、インヒビタスイッチ12がレンジを検出してECU100に入力する。ECU100は、パークアクチュエータ97に指令を出力して、パークシャフト95を駆動する(ステップS02)。このとき、パークアクチュエータ97は、荷重Nがかかっていない状態で離脱に必要な駆動力fを出力する。
ECU100は、インヒビタスイッチ12が入力したシフトレバー10のレンジと、位置検出センサ99が検出するパークシャフト95の位置との組み合わせに基づいて、パークポール93の状態を判定する。
「係合待ち状態」は、パークシャフト95を位置P2に移動させているが、パークポール93の爪部93aがパークギア91の歯溝91aに嵌らず、歯溝91aの間に乗り上げた状態を意味する。
「解除待ち状態」は、シフトレバー10がPレンジ以外に操作されたものの、パークポール93の爪部93aがパークギア91の歯溝91aから離脱せず、パークシャフト95が位置P1にある状態を意味する。例えば、図5のステップS02で駆動力fを入力したものの、パークポール93に荷重Nがかかっているため、パークポール93の爪部93aがパークギア91の歯溝91aから離脱しなかった場合には、「解除待ち状態」が判定される。
前記したように、パークアクチュエータ97による駆動力fの入力を継続しているため、正回転が、パークギア91の押圧方向と逆方向であれば、荷重Nは次第に減少してパークポール93の爪部93aが歯溝91aから離脱するため、状態判定において「解除状態」が判定される(ステップS08:Yes)。「解除状態」が判定された場合は、ステップS10に進む。
正回転によって解除待ち状態が解消されなかった場合は、ECU100は、MG3を逆回転方向に一定量回転させる(ステップS09)。
(1)MG3(回転電機)の回転トルクが入力される駆動軸50d(入力軸)と、
駆動軸50dから減速機構60を介して入力された回転トルクを、車両が備える複数の車輪7のうちの駆動輪7aに出力する車軸70(出力軸)と、
駆動軸50dの回転を規制可能なパークロック機構9と、
複数の車輪7を、車輪7ごとに独立して制動するブレーキ装置8と、を備えた車両を制御するものである。
パークロック機構9は、
駆動軸50dに相対回転不能に設けられたパークギア91と、
パークギア91に設けた歯溝91a(被係合部)に係脱可能な爪部93a(係合部)を備えたパークポール93と、
パークポール93の爪部93aをパークギア91の歯溝91aに係脱させるパークアクチュエータ97(駆動機構)と、を備える。
ECU100は、制御部として、爪部93aを歯溝91aから離脱させる際に、パークギア91に駆動輪7a側から回転トルクTが入力されている場合に、ブレーキ装置8により車輪7の制動状態を維持しつつ、一部の駆動輪7aに連結する車軸70を回転可能とした状態で、MG3によりパークギア91に回転トルクを入力するトルク制御を行う。
これによって、一部の駆動輪7aは回転可能な状態となるため、トルク制御において駆動軸50dからMG3の回転トルクが入力された際に、減速機構60のアイドラ軸66の回転を規制する力が低減され、アイドラ軸66のねじれを防止して、減速機構60の構成部品の歪みを防止することができる。
ECU100は、爪部93aを歯溝91aから離脱させる際に、パークアクチュエータ97により所定の駆動力fをパークポール93に付与し、位置検出センサ99の検出結果に基づいてパークポール93の状態を判定する判定処理を行い、
判定処理において、爪部93aが歯溝91aから離脱していなかった場合に、トルク制御を行う。
なお、MG3の正回転と逆回転の順序は限定されず、第1の方向として逆回転を最初に行ってから、第2の方向として正回転を行っても良い。
以下、本発明の第2の実施の形態について図面を用いて説明する。
なお、以降の実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
図7は、第2の実施の形態に係る車両制御装置を備えるハイブリッド車両の構成を示す図である。
図7に示すように、第2の実施の形態では、二つの駆動輪7aのうち、一つの駆動輪7aに連結する車軸70にクラッチ71を設けた。クラッチ71は、締結および非締結を切り替えることで、駆動軸50dから減速機構60を介して車軸70に入力された回転トルクの、駆動輪7aへの伝達および遮断を切り替えるものである。クラッチ71は、ドグクラッチや摩擦クラッチ等の公知の構成とすることができる。
具体的には、第2の実施の形態では、
(6)車軸70(出力軸)には、駆動軸50d(入力軸)から入力された回転トルクの駆動輪7aへの伝達および非伝達を切り替えるクラッチ71が設けられ、
ECU100(車両制御装置)は、制御部として、爪部93a(係合部)を歯溝91a(被係合部)から離脱させる際に、クラッチ71を制御して駆動輪7aへの回転トルクを非伝達とする制御部を備える。
以下、本発明の第3の実施の形態について図面を用いて説明する。
図8は、第3の実施の形態に係る車両制御装置を備えるハイブリッド車両の構成を示す図である。
図8に示すように、第3の実施の形態では、減速機構60のアイドラ軸66に駆動装置68を設けた。駆動装置68は、アイドラ軸66を図中白抜きの矢印で示したように、駆動軸50dに対して接離する方向に駆動する。駆動装置68はモータ等の公知の構成とすることができる。アイドラ軸66が駆動軸50dと離間する方向に移動すると、アイドラ軸66に取り付けられた第2ギア63と、駆動軸50dに取り付けられた第1ギア62の噛み合いが解除される。これによって、駆動軸50dからアイドラ軸66へ回転トルクが非伝達となる。
(7)減速機構60は、駆動軸50d(入力軸)および車軸70(出力軸)の間に設けられたアイドラ軸66(中間軸)に支持され、駆動軸50dおよび車軸70に接続して回転トルクを伝達する第2ギア63及び第3ギア64(回転伝達要素)と、
アイドラ軸66を、駆動軸50dに対して接離する方向に駆動する駆動装置68を備え、
ECU100は、爪部93aを歯溝91aから離脱させる際に、駆動装置68によりアイドラ軸66を駆動軸50dと離間する方向に駆動して、第2ギア63及び第3ギア64を駆動軸50dに対して非接続とした状態で、MG3によりパークギア91に回転トルクを入力するトルク制御を行う。
なお、前記の例では、駆動装置68が、アイドラ軸66を駆動軸50dに接離する方向に駆動する例を説明したが、アイドラ軸66を車軸70に接離する方向に駆動しても良い。この場合は、トルク制御の際には、駆動装置68は、アイドラ軸66を車軸70から離間する方向に移動させ、第4ギア65の小径と大径の歯車の噛み合いを解除すると良い。
2 バッテリ
3 MG(モータジェネレータ)
31 伝達機構
4 インバータ
5 変速機
50a~50d 駆動軸
51 トルクコンバータ
52 インペラ
53 タービン
54 ロックアップクラッチ
55 フォワードクラッチ
56 バリエータ
57 プライマリプーリ
58 セカンダリプーリ
59 ベルト
60 減速機構
61 ギア機構
62 第1ギア
63 第2ギア
64 第3ギア
65 第4ギア
66 アイドラ軸
67 デファレンシャルギア
68 駆動装置
7 車輪
7a 駆動輪
70 車軸
71 クラッチ
8 ブレーキ装置
81 摩擦ブレーキ機構
82 ブレーキアクチュエータ
81a ブレーキディスク
81b ブレーキキャリパ
9 パークロック機構
91 パークギア
91a 歯溝
93 パークポール
93a 爪部
95 パークシャフト
97 パークアクチュエータ
99 位置検出センサ
10 シフトレバー
11 ロック解除ボタン
12 インヒビタスイッチ
100 ECU(Electronic Control Unit)
Claims (7)
- 回転電機の回転トルクが入力される入力軸と、
前記入力軸から減速機構を介して入力された前記回転トルクを、車両が備える複数の車輪のうちの駆動輪に出力する出力軸と、
前記入力軸の回転を規制可能なパークロック機構と、
前記複数の車輪を、車輪ごとに独立して制動するブレーキ装置と、を備えた車両を制御する車両制御装置であって、
前記パークロック機構は、
前記入力軸に相対回転不能に設けられたパークギアと、
前記パークギアに設けた被係合部に係脱可能な係合部を備えたパークポールと、
前記パークポールの係合部を前記パークギアの被係合部に係脱させる駆動機構と、を備え、
前記車両制御装置は、
前記係合部を前記被係合部から離脱させる際に、前記ブレーキ装置により前記車輪の制動状態を維持しつつ、一部の前記駆動輪に連結する出力軸を回転可能とした状態で、前記回転電機により前記パークギアに回転トルクを入力するトルク制御を行う制御部を備えることを特徴とする車両制御装置。 - 前記制御部は、前記係合部を前記被係合部から離脱させる際に、前記ブレーキ装置により、一部の前記駆動輪の制動を解除し、残りの前記車輪の制動を維持した状態で、前記トルク制御を行うことを特徴とする請求項1記載の車両制御装置。
- 前記出力軸には、前記入力軸から入力された前記回転トルクの前記駆動輪への伝達および非伝達を切り替えるクラッチが設けられ、
前記制御部は、
前記係合部を前記被係合部から離脱させる際に、前記クラッチを制御して前記駆動輪への前記回転トルクを非伝達とする制御部を備えることを特徴とする請求項1記載の車両制御装置。 - 回転電機の回転トルクが入力される入力軸と、
前記入力軸から減速機構を介して入力された前記回転トルクを、車両が備える複数の車輪のうちの駆動輪に出力する出力軸と、
前記入力軸の回転を規制可能なパークロック機構と、
前記複数の車輪を、車輪ごとに独立して制動するブレーキ装置と、を備えた車両を制御する車両制御装置であって、
前記パークロック機構は、
前記入力軸に相対回転不能に設けられたパークギアと、
前記パークギアに設けた被係合部に係脱可能な係合部を備えたパークポールと、
前記パークポールの係合部を前記パークギアの被係合部に係脱させる駆動機構と、を備え、
前記減速機構は、前記入力軸および前記出力軸の間に設けられた中間軸に支持され、前記入力軸および前記出力軸に接続して前記回転トルクを伝達する回転伝達要素と、
前記中間軸を、前記入力軸または前記出力軸に対して接離する方向に駆動する駆動装置を備え、
前記車両制御装置は、
前記係合部を前記被係合部から離脱させる際に、前記駆動装置により前記中間軸を前記入力軸または前記出力軸と離間する方向に駆動して、前記回転伝達要素を前記入力軸または前記出力軸に対して非接続とした状態で、前記回転電機により前記パークギアに回転トルクを入力するトルク制御を行う制御部を備えることを特徴とする車両制御装置。 - 前記制御部は、前記係合部を前記被係合部から離脱させる際に、前記パークギアに前記駆動輪から回転トルクが入力されている場合に、前記トルク制御として、前記回転電機により、前記駆動輪からの回転トルクの入力方向と逆方向の回転トルクを前記パークギアに入力することを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の車両制御装置。
- 前記パークロック機構は、前記パークポールの状態を検出するセンサを備え、
前記制御部は、前記係合部を前記被係合部から離脱させる際に、前記駆動機構により所定の駆動力を前記パークポールに付与し、前記センサの検出結果に基づいて前記パークポールの状態を判定する判定処理を行い、
前記判定処理において、前記係合部が前記被係合部から離脱していなかった場合に、前記トルク制御を行うことを特徴とする請求項5に記載の車両制御装置。 - 前記制御部は、前記トルク制御において、前記回転電機を第1の方向に回転させ、前記判定処理を行い、前記係合部が前記被係合部から離脱していなかった場合に、前記回転電機を前記第1の方向と反対の第2の方向に回転させることを特徴とする請求項6記載の車両制御装置。
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