以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1~図3には、本発明の吸収性物品の一実施形態である尿取りパッド1が示されている。尿取りパッド1は、図1に示すように、着用者の前後方向に対応し、着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる縦方向Xと、これに直交する横方向Yとを有し、液保持性の吸収体14と、該吸収体14の非肌対向面側に配された非導電性(絶縁性)の裏面シート13とを具備する。裏面シート13の非肌対向面には、着用者が排泄した尿等の体液の有無を検知可能なセンシング領域S1が設けられている。
本明細書において、「肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材(例えば吸収体14)における、吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面、すなわち相対的に着用者の肌に近い側であり、「非肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材における、吸収性物品の着用時に肌側とは反対側(着衣側)に向けられる面、すなわち相対的に着用者の肌から遠い側である。なお、ここでいう「着用時」は、通常の適正な着用位置、すなわち当該吸収性物品の正しい着用位置が維持された状態を意味する。
本実施形態において尿取りパッド1は、図1~図3に示すように、尿取りパッド1の主体をなす吸収性本体10を具備する。そして、吸収性本体10が、表面シート12と、裏面シート13と、両シート12,13間に介在配置された吸収体14とを具備する。表面シート12は、尿取りパッド1の肌対向面を形成する。尿取りパッド1は、該パッド1を横方向Yに二等分して縦方向Xに延びる縦中心線CLに対してほぼ左右対称の形状を有している。
裏面シート13の非肌対向面側には、センシング領域S1(センサー領域S)及び後述する接続用タブ30を被覆する外層シート15が配されている。外層シート15は、尿取りパッド1の非肌対向面を形成する。本実施形態においては、図2に示すように、裏面シート13の非肌対向面の一部、具体的には周縁部を除く部分の全域が外層シート15で被覆されているが、裏面シート13の非肌対向面の全域が外層シート15で被覆されていてもよい。表面シート12、吸収体14、裏面シート13及び外層シート15は、ホットメルト接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって互いに接合されている。
前述した各種シート12,13,15としては、それぞれ、当該技術分野において従来用いられている各種のものを特に制限なく用いることができる。表面シート12としては液透過性シートが好ましく、具体的には例えば、公知の各種製法により製造された単層又は多層構造の不織布、開孔フィルム等が挙げられる。裏面シート13としては、非導電性(絶縁性)であることを前提として、液不透過性シートが好ましく、具体的には例えば、樹脂フィルムが挙げられ、該樹脂フィルムは透湿性でもよい。なお、裏面シート13に関し、液不透過性とは、液を全く通さない性質と、少量ではあるが液を通す性質(液難透過性)との両方を含む概念である。裏面シート13は撥水性を有していてもよい。外層シート15は、良好な通気性及び肌触りを得る観点から、各種製法により製造された不織布から構成されていることが好ましい。
尿取りパッド1は、股下部M並びにその前後に位置する前方部F及び後方部Rを有している。股下部Mは、尿取りパッド1(吸収性本体10)を縦方向Xに三分して3つの領域に区分した場合の中央の領域であり、尿取りパッド1の着用時に着用者の排泄部(ペニス等)と対向する部分である排泄部対向部を含む。前方部Fは、着用時に股下部Mよりも着用者の腹側(前側)に配され、後方部Rは、着用時に股下部Mよりも着用者の背側(後側)に配される。股下部Mは、図1に示すように、吸収性本体10において横方向Yの長さ(幅)が最小の部分である括れ部を有し、前方部F及び後方部Rは、それぞれ、該括れ部よりも幅広の部分を有している。また後方部Rは、前方部Fよりも幅広の部分を有している。なお、尿取りパッド1の前後方向は便宜的なものであり、使用の実態に応じて方向を逆にして使用することもできる。例えば、尿取りパッド1を男性が使用する場合、漏れを防止するために尿取りパッド1の後方部Rを、着用時に股下部Mよりも着用者の腹側に、且つ前方部Fを股下部Mよりも着用者の背側に配されるよう着用してもよい。
吸収性本体10及び吸収体14は、図1(a)及び(b)に示すように、尿取りパッド1の平面視において縦方向Xに長い縦長の形状を有している。図2に示すように、表面シート12は、吸収体14の肌対向面を被覆している。裏面シート13は、吸収体14の非肌対向面の全域を被覆し、更に吸収体14の縦方向Xに沿う両側縁それぞれから横方向Yの外方に延出する延出部を有し、その延出部において、後述するサイドシート16bと、ホットメルト接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって接合されている。
吸収体14は、主たる吸液部位であり、図2及び図3に示すように、尿等の体液を吸収して保持する機能を有する吸収性コア40と、該吸収性コア40を被覆するコアラップシート17a,17bとを有している。吸収性コア40は、その肌対向面の全域が、肌対向面側コアラップシート17aによって被覆されており、且つ非肌対向面の全域が、非肌対向面側コアラップシート17bによって被覆されている。非肌対向面側コアラップシート17bは、吸収性コア40から横方向Yの外方に延出する延出部を有し、その延出部が肌対向面側に巻き上げられて、肌対向面側コアラップシート17aと重なっている。これらコアラップシート17a,17bと吸収性コア40とは、接着剤等の公知の接合手段により互いに接合されている。コアラップシート17a,17bとしては、それぞれ、液透過性のシートを用いることができ、例えば、ティッシュペーパー等の紙や各種不織布、メッシュシート、開孔フィルム等を用いることができる。なお、吸収性コア40は、1枚のコアラップシートで被覆されていてもよい。また、吸収性コア40はコアラップシートで被覆されていなくてもよい。
吸収性コア40は、吸水性材料を主体として構成されている。本実施形態において吸収性コア40は、吸水性材料として図2及び図3に示すように、繊維材料41及び吸水性ポリマー42を含んでいる。繊維材料41としては、木材パルプ等の天然セルロース繊維、親水性合成繊維等、当該技術分野において従来用いられている各種のものを特に制限なく用いることができ、繊維材料の1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。吸水性ポリマー42としては、一般に粒子状のものが用いられるが、繊維状のものでもよい。粒子状の吸水性ポリマーの形状は特に限定されず、例えば、球状、塊状、俵状、不定形状であり得る。吸水性ポリマーは、典型的には、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の重合物又は共重合物を主体とする。
図1~図3に示すように、吸収性本体10の縦方向Xに沿う左右両側部には、少なくとも股下部Mにおいて着用時に着用者の肌側に向かって起立する部分を有する一対の防漏カフ16,16が設けられている。一対の防漏カフ16,16は、それぞれ、横方向Yの外方側(縦中心線CLから相対的に遠い側)に位置する外側縁部と、横方向Yの内方側(縦中心線CLから相対的に近い側)に位置する内側縁部とを有し、該内側縁部に弾性部材16aが配されている。防漏カフ16は、サイドシート16bを主体として構成され、弾性部材16aは、サイドシート16bに伸長状態で固定されている。サイドシート16bは、図1(a)に示すように、吸収性本体10の縦方向Xの略全長にわたって、吸収性本体10の縦方向Xに沿う側部に沿って配されており、吸収性本体10の肌対向面すなわち表面シート12の肌対向面が、サイドシート16bによって被覆されている。また、サイドシート16bは、図2に示すように、吸収性本体10の縦方向Xに沿う側縁から横方向Yの外方へ延出し、その延出部が裏面シート13と接合されている。前方部F及び後方部Rそれぞれには、防漏カフ16の前記内側縁部(弾性部材16aの配置部)が表面シート12に固定されることで防漏カフ16の起立が阻害された、起立阻害部16cが形成されており(図3参照)、これにより、防漏カフ16における前方部Fの起立阻害部16cと後方部Rの起立阻害部16cとに挟まれた部分が、弾性部材16aの収縮力により、図2に示すように、吸収性本体10側を基端とし該内側縁部を自由端として起立し得る。尿取りパッド1の着用中に一対の防漏カフ16,16がこのように起立することで、尿取りパッド1の肌対向面に排泄された尿等の体液の漏れが効果的に防止される。弾性部材16a及びサイドシート16bとしては、それぞれ、当該技術分野において従来用いられている各種のものを特に制限なく用いることができる。
図1(b)に示すように、裏面シート13の非肌対向面には、着用者が排泄した尿等の体液の有無を検知可能なセンシング領域S1が設けられている。図4には、センシング領域S1を含むセンサー領域Sが示されている。センサー領域Sは、センシング領域S1を構成する複数の電極21と、該複数の電極21に接続された導線部23と、外部の電圧供給装置が接続される接続端子部24とを含んで構成されている。
本実施形態におけるセンサー領域Sは、図4に示すように、裏面シート13の非肌対向面に形成された複数の電極21として、複数の正電極21a及び複数の負電極21bを有している。センサー領域Sは、その長手方向(図中方向X)に沿って複数の正電極21aどうしが導線部23を介して接続された正電極列22aと、長手方向に沿って複数の負電極21bどうしが導線部23を介して接続された負電極列22bとを有している。本実施形態において、センサー領域Sは、2列の負電極列22bが、長手方向と直交する方向(図中方向Y)に隣り合う2列の正電極列22aを挟むように配されている。センサー領域Sは、その長手方向に複数個の正電極21a及び負電極21bを有していることが好ましく、同方向に正電極21a及び負電極21bがそれぞれ4~12個並んでいることがより好ましい。ここで、センサー領域Sの長手方向は、尿取りパッド1の縦方向Xと一致し、センサー領域Sの長手方向と直交する方向(以下、幅方向ともいう)は、尿取りパッド1の横方向Yと一致する。以下、尿取りパッド1及びセンサー領域Sの何れについても、尿取りパッド1の縦方向Xと一致する方向を「縦方向X」、尿取りパッド1の横方向Yと一致する方向を「横方向Y」ともいう。
2列の正電極列22aは、縦方向Xの両端部において、導線部23を介して接続端子部24aに接続されている。すなわち、縦方向Xの両端部それぞれにおいて、2列の正電極21aが1個の接続端子部24aを共用している。また、2列の負電極列22bは、それぞれ、縦方向Xの両端部において、導線部23を介して接続端子部24bに接続されている。このように、本実施形態においては、1列の負電極列22bにつき、2個の接続端子部24bが接続されている。以下、正電極列22aと接続している接続端子部24aと、負電極列22bと接続している接続端子部24bとを纏めて「接続端子部24」ともいう。
正電極列22aと接続された導線部23の一端部は、該正電極列22aの縦方向Xの両端部側それぞれにおいて、該縦方向Xの端部側に設けられた接続端子部24aに接続されている。また、負電極列22bの縦方向Xの両端部側それぞれにおいて、該負電極列22bと接続された導線部23の一端部は、該縦方向Xの端部側に設けられた接続端子部24bに接続されている。本実施形態の正電極21aどうし及び負電極21bどうしは、図4に示すように、導線部23を介してそれぞれ直列で接続されているが、並列で接続されていてもよい。
複数の負電極21bは、接続端子部24bを介してアースされていることが好ましい。センサー領域Sにおいて横方向Yの外方に配置された複数の負電極21bをアースすることにより、センサー領域Sは、外部ノイズの侵入を軽減することができ、測定精度を向上させることが可能になる。
正電極列22a及び負電極列22bは、図4に示すように、同形の矩形形状の電極21を、縦方向Xに沿って間隔を空けて、それぞれ4個有している。また、正電極列22a及び負電極列22bは、図4に示すように、縦方向Xに隣り合って配置されており、正電極21aと負電極21bとが、縦方向Xに沿って交互に配置されている。
前述の如き構成のセンサー領域Sにおいて、正電極21a及び負電極21bが配された領域がセンシング領域S1であり、着用者が排泄した尿等の体液の有無を検知し得る領域である。センシング領域S1は、図4に示すように、センサー領域Sを構成する電極21の全部を包含する平面視四角形形状の領域のうち、面積が最小の領域である。すなわちセンシング領域S1は、縦方向Xの最前方に位置する電極21の縦方向Xの前側端から最後方に位置する電極21の縦方向Xの後側端までを縦方向長さとし、横方向Yの一方側の最外方に位置する電極21の同方向最外方端から他方側の最外方に位置する電極21の同方向最外方端までを横方向長さとする、平面視四角形の範囲である。本実施形態においてセンサー領域Sは、図1(b)に示すように、前方部Fから後方部Rにわたって縦方向Xに延在している。
本実施形態においては、センシング領域S1を含むセンサー領域Sは、非導電性の裏面シート13の非肌対向面に付着した、導電性材料20を含んで構成されている。すなわち、センサー領域S(センシング領域S1)を構成する正電極21a、負電極21b、接続端子部24a,24b及び導線部23は、それぞれ、導電性材料20からなる。導電性材料20からなる正電極21a等のセンサー領域Sの各部は、典型的には、裏面シート13の非肌対向面に積層された導電層の形態をなす。本発明においては、センサー領域Sの構成部材として、電気電子機器としてのセンサーを用いることも可能であるが、その場合は、吸収性物品に電気電子機器としてのセンサーが組み込まれるために全体として嵩張り、柔軟性が低下して着用感の低下を招くおそれがある。これに対し、センサー領域Sが導電性材料20によって構成されていることで、電気電子機器としてのセンサーを用いる場合に懸念される不都合が払拭される。
センサー領域Sを構成する導電性材料20としては、例えば、導電性インク、導線糸、導電性シート、導電性テープ、導電布、導電性メッシュ、導電性両面テープ、金属箔等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。裏面シート13の非肌対向面に導電性材料20を付着させる方法は、使用する導電性材料の種類等に応じて適宜選択すればよく、例えば、導電性材料として導電性インクを用い、印刷により付着させる方法、導電性材料を蒸着させる方法などが挙げられる。特に、導電性インクを印刷により付着させる方法が好ましい。すなわち、導電性材料20としては導電性インクが好ましい。例えば、導電性材料20として導線糸や導電性シートを用いた場合は、尿取りパッド1の製造時に、それらを裏面シート13の非肌対向面の所定位置に精度よく付着させることが比較的難しいのに対し、導電性材料20として導電性インクを用いた場合は、印刷によって高精度且つ容易に導電性インクを裏面シート13の非肌対向面の所定位置に付着させることが可能となり、製造工程の簡素化、製造コストの低廉化を図ることが可能となる。裏面シート13の非肌対向面に導電性インクを印刷により付着させる場合の印刷方法は特に制限されず、例えば、インクジェット印刷、ロータリー印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷等が挙げられる。
導電性インクとしては、少なくとも導電性材料及び液媒体を含有し、更に必要に応じ、分散剤、バインダ、樹脂、硬化剤等を含有するものを用いることができる。導電性物質としては、例えば、銀や銅等の金属粉末、カーボン粉末(カーボンブラック)等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。液媒体としては、常圧における沸点が80℃以上100℃以下のものを用いることが好ましく、具体的には例えば、ドデカン、テトラデカン、テルピネオール、n-ヘプタン、PGMEA等の有機溶媒、水、水溶性溶媒、又はこれらの混合物が挙げられる。導電性インクにおける液媒体の含有量は、該インクの全質量に対して、好ましくは10質量%以上80質量%以下である。
センシング領域S1は、後述する接続用タブ30を介してセンサー領域Sに接続された電気電子機器(電圧供給装置)から所定の電圧が印加されることにより、尿取りパッド1の着用者が排泄した尿等の体液の有無を検知することができる。なお、本段落において、以下、体液を尿として説明する。具体的には、隣り合う正電極21a及び負電極21bが、センシング領域S1における尿が無い状態と尿がある状態とのインピーダンスの変化を検知する。例えば、尿が無い状態での電圧値及び尿がある状態での電圧値における、隣り合う正電極21a及び負電極21b間の静電容量等のインピーダンスの変化に基づいて尿の有無を検出する。このような検知には、接続端子部24a,24bを介して、時間と共に周期的に変化するような電圧(交流電圧)をセンシング領域S1に印加し、高周波のインピーダンスを検出する検出方法が好ましい。また、センシング領域S1は、尿の有無によるインピーダンスの変化を検知した各電極の位置に基づいて、尿の広がりを検知することもできる。尿の広がりを検知すると、その測定値を所定の計算式で演算することで、尿の吸収量や排尿量等を求めることができる。
そして、尿取りパッド1においては、排泄された体液を吸収保持する吸収体14に隣接する裏面シート13に、センシング領域S1を含むセンサー領域Sが設けられており、検知対象の体液が存在する吸収体14と、体液を検知するセンシング領域S1との離間距離が比較的短い。また、センサー領域Sが非導電性(絶縁性)の外層シート15で被覆されているため、電極21や導線部23でのノイズの発生が効果的に抑制される。これらの構成が相俟って、尿取りパッド1は、着用者が排泄した尿等の体液の有無、尿の広がりなどを高精度で検知することができる。
後述する接続用タブ30を介してセンシング領域S1に電気的に接続される電気電子機器としては、尿取りパッド1とは別体であって、センシング領域S1に電圧を供給し得るものが好ましく用いられる。つまり、前記電気電子機器としては、電圧供給装置を例示できる。また、前記電気電子機器は、電圧供給機能以外の他の機能を有していてもよい。「電圧供給機能以外の他の機能を有する構成」として、例えば、インピーダンス検出部、インピーダンス変化データを保存するデータロガー、時刻データを出力するタイマー等が挙げられ、前記電気電子機器は、これら構成の一部又は全部を有していてもよい。前記インピーダンス検出部は、複数の正電極21a及び負電極21b間のインピーダンス変化を検出する機能を備えている。前記インピーダンス検出部は、所定の周波数信号を発振する発振器と、該発振器からの周波数信号を用いて複数の正電極21a及び負電極21b間のインピーダンス変化を検知するインピーダンス変化検出回路と、インピーダンス変化検出回路で検出されたインピーダンス変化を電圧変化データに変換するインピーダンス変化電圧変換部とを含んで構成されていることが好ましい。
センシング領域S1によって尿の有無などを精度よく検知する観点から、センシング領域S1を含むセンサー領域Sの各部の寸法等は以下のように設定することが好ましい。
センシング領域S1の縦方向Xの長さL1(図4参照)は、吸収体14の同方向の長さに対して、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上、そして、好ましくは95%以下、より好ましくは90%以下である。
センシング領域S1の横方向Yの長さすなわち幅W1(図4参照)は、吸収体14の同方向の最大長さ(最大幅)に対して、好ましくは60%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは100%である。センシング領域S1の幅W1に関しては、特に股下部Mにおいて、吸収体14の幅との関係で斯かる範囲にあることが好ましい。
センシング領域S1の面積は、吸収体14の面積に対して、好ましくは60%以上、より好ましくは75%以上、更に好ましくは80%以上である。
電極21の縦方向Xの長さL10(図4参照)は、センシング領域S1の同方向の長さL1に対して、好ましくは4%以上20%以下である。また、電極21の縦方向Xの長さL10は、好ましくは10mm以上40mm以下である。
電極21の横方向Yの長さW10(図4参照)は、センシング領域S1の同方向の最大長さ(幅W1の最大値)に対して、好ましくは10%以上40%以下である。長さW10(図3参照)は、好ましくは10mm以上であり、また、電極21の横方向Yの長さW10は、好ましくは10mm以上60mm以下である。
縦方向Xにおける電極21間の距離L13(図4参照)は、電極21の同方向の長さL10に対して、好ましくは15%以上80%以下である。
横方向Yに隣り合う正電極列22aと負電極列22bとは、同方向において重なっている。横方向Yに隣り合う正電極列22aと負電極列22bとの非重複部分の長さW13(図4参照)は、電極21の同方向の長さW10に対して、好ましくは1%以上30%以下である。
正電極列22aと接続している接続端子部24aの縦方向Xの長さL15(図4参照)は、好ましくは10mm以上、より好ましくは15mm以上、そして、好ましくは80mm以下、より好ましくは60mm以下である。
正電極列22aと接続している接続端子部24aの横方向Yの長さW15(図4参照)は、好ましくは10mm以上、より好ましくは15mm以上、そして、好ましくは30mm以下、より好ましくは25mm以下である。
負電極列22bと接続している接続端子部24bの縦方向Xの長さL17(図4参照)は、好ましくは10mm以上、より好ましくは15mm以上、そして、好ましくは80mm以下、より好ましくは60mm以下である。
負電極列22bと接続している接続端子部24bの横方向Yの長さW17(図4参照)は、好ましくは8mm以上、より好ましくは12mm以上、そして、好ましくは30mm以下、より好ましくは25mm以下である。
尿取りパッド1には、図1(b)、図3、図5及び図6に示すように、裏面シート13の非肌対向面すなわち吸収体14との対向面とは反対側の面に、尿取りパッド1とは別体の電圧供給装置などの電気電子機器(図示せず)をセンシング領域S1に電気的に接続するために使用される接続用タブ30が設けられている。接続用タブ30は、一端側が裏面シート13の非肌対向面に固定された固定部30aであり、他端側が自由端部30bである。接続用タブ30は、裏面シート13とは別体である。
接続用タブ30は、センサー領域Sの接続端子部24a,24bに対応して設けられている。本実施形態において接続端子部24a,24bは、尿取りパッド1の縦方向Xの前後端部それぞれの横方向Yの中央部に設けられているので、接続用タブ30も同位置に設けられており、図1(b)及び図5に示すように、前方部F及び後方部Rに一対設けられている。これら一対の接続用タブ30,30は、基本的に互いに同様に構成されている。
本実施形態においては、図1(b)及び図5に示すように、接続用タブ30の固定部30aは、該接続用タブ30の縦方向Xの一端部である。より具体的には、接続用タブ30は、図1(b)に示す如き平面視において正方形形状ないし長方形形状をなし、その互いに直交する二辺のうちの一方を縦方向Xに、他方を横方向Yに一致させて、裏面シート13の非肌対向面に配され、且つ縦方向Xの一端側が裏面シート13の非肌対向面に固定されて固定部30aとされ、縦方向Xの他端側が自由端部30bとされている。接続用タブ30の固定部30aは、センサー領域Sの接続端子部24a,24bと重なっている。尿取りパッド1においては、固定部30aが縦方向Xの内方側(尿取りパッド1の縦方向Xの中央から相対的に近い側)、自由端部30bが縦方向Xの外方側(尿取りパッド1の縦方向Xの中央から相対的に遠い側)に位置している。
裏面シート13の非肌対向面における接続用タブ30の配置部分(以下、「接続用タブ対応部」ともいう。)には、図5及び図6に示すように、導電性材料20が付着している。前記接続用タブ対応部の導電性材料20の付着部は、センサー領域Sの接続端子部24a,24bと同数設けられており、本実施形態においては、平面視において縦方向Xに延びる直線状の3個の導電性材料20の付着部が横方向Yに間欠配置され、いわゆるストライプ状に配置されている。この裏面シート13の前記接続用タブ対応部の非肌対向面の3個の導電性材料20の付着部は、それぞれ、縦方向Xの一端が接続端子部24a,24bに接続され、他端が尿取りパッド1の縦方向Xの端に位置しており、接続端子部24a,24bからその近傍の尿取りパッド1の縦方向Xの端にわたって縦方向Xに延在している。
一方、接続用タブ30は、裏面シート13の非肌対向面との固定領域(固定部30aにおける裏面シート13との対向面)を有する面(以下、「内面」ともいう。)と、該内面とは反対側の面(以下、「外面」ともいう。)を有しているところ、接続用タブ30の内面には、図3、図5及び図6に示すように、導電性材料20が付着している。この接続用タブ30の内面に付着している導電性材料20は、前述した裏面シート13の非肌対向面に付着している導電性材料20、すなわちセンサー領域Sの接続端子部24a,24b等の各部を構成する導電性材料20と同じであり、特に断らない限り、前記説明が適宜適用される。接続用タブ30の内面の導電性材料20の付着部は、裏面シート13の前記接続用タブ対応部の導電性材料20の付着部と同様のストライプ状のパターンで配置されており、具体的には、平面視において接続用タブ30の内面の縦方向Xの全長にわたって縦方向Xに延びる直線状の3個の導電性材料20の付着部が、横方向Yに間欠配置されている。この接続用タブ30の内面の3個の導電性材料20の付着部は、前述した裏面シート13の前記接続用タブ対応部の非肌対向面の3個の導電性材料20の付着部と1対1で対応しており(図3及び図5参照)、また、横方向Yにおいて互いに離間していることで、互いに電気的に独立している。そして、図3、図5及び図6に示すように、接続用タブ30の固定部30aにおいて、接続用タブ30及び裏面シート13それぞれの導電性材料20どうしが重なっている。
接続用タブ30の内面の導電性材料20の付着部の幅(横方向Yの長さ)は、裏面シート13の前記接続用タブ対応部の導電性材料20の付着部の幅に比して長いことが好ましい。斯かる構成により、仮に接続用タブ30の位置が所定の配置位置から多少ずれた場合でも、接続用タブ30と裏面シート13(前記接続用タブ対応部)とが導電性材料20を介して電気的に接続されているため、電気電子機器の接続不良が防止される。
前述したように、尿取りパッド1においては、接続用タブ30の内面の導電性材料20と、センサー領域Sの電極21等の各部を構成する導電性材料20とが電気的に繋がっている。したがって、電圧供給装置などの電気電子機器をセンシング領域S1に電気的に接続する場合には、図5及び図6に示すように、接続用タブ30の自由端部30bが裏面シート13の非肌対向面から離間した状態、すなわち接続用タブ30の自由端部30b側が起立した状態で、電気電子機器の接続端子を自由端部30bに取り付けるだけでよい。このような、センシング領域S1が設けられている裏面シート13とは別体の接続用タブ30を、電気電子機器との接続部とすることで、裏面シート13(吸収性本体10)と電気電子機器の接続端子とを面接触させる従来の接続方式に比して、接続作業をよりスムーズに行うことが可能となる。仮に、裏面シート13を縦方向Xの外方に延出させ、その裏面シート13の延出部を電気電子機器との接続用タブとして構成した場合、裏面シート13はそもそもそのような接続部材として想定されたものではないため、強度不足により電気電子機器との接続が困難となり、該裏面シート13の延出部に電気電子機器の接続端子を無理に接続させれば、該接続端子がぶら下がるなどして不安定な状態となるおそれがある。
接続用タブ30の裏面シート13への固定手段は特に制限されず、この種の吸収性物品において部材の固定に利用されている手段を適宜採用することができ、例えば、ホットメルト接着剤などの接着剤、熱融着等が挙げられる。電気電子機器の接続不良を確実に防止する観点から、接着剤よりも熱融着の方が好ましい。接着剤を使用すると、接着剤の塗布の態様によっては、導電性材料20が接着剤によって被覆され、電気電子機器の接続不良に繋がるおそれがある。接続用タブ30と裏面シート13との熱融着は、常法に従って行うことができ、例えば、熱若しくは超音波を伴う圧搾加工により行うことができる。接続用タブ30の裏面シート13への固定手段として接着剤を用いる場合は、両者の接触部分全体に接着剤をべた塗りするのではなく、該接触部分に接着剤の非塗布部が分散配置されるような間欠的なパターンで塗布することが好ましく、そのような接着剤の塗布パターンとして、例えば、ビード状パターン、オメガ状パターン、スパイラルパターン等が挙げられる。また、接着剤を介して接続用タブ30を裏面シート13に固定し、更に両者を圧着すると、接着剤による導電性材料20の被覆が防止されやすく、電気電子機器の接続不良を防止しやすい。
接続用タブ30における固定部30aとそれ以外の部分との境界には、折り目(図示せず)が設けられていることが好ましい。この折り目は、例えば、接続用タブ30の横方向Yの全長にわたって横方向Yに延びる直線状をなすものとすることができる。接続用タブ30にこのような折り目を設けることで、接続用タブ30の自由端部30b側の起立が一層容易になり、電気電子機器の接続作業をより一層スムーズに行うことが可能となる。
本実施形態においては、前述したように、裏面シート13の非肌対向面に、少なくとも接続用タブ30を被覆し、更にはセンシング領域S1(センサー領域S)を被覆する外層シート15が配されているところ(図3等参照)、図1(b)及び図5に示すように、外層シート15における接続用タブ30に対応する部分(平面視において接続用タブ30と重なる部分、又は接続用タブ30の周辺部分)に破断誘導線35が設けられており、この破断誘導線35に沿って外層シート15を破断することにより、接続用タブ30を露出可能になされている。ここでいう、「接続用タブ30を露出可能になされている」には、接続用タブ30が露出するだけでなく、その露出した接続用タブ30の自由端部30b側が起立する場合が含まれる。例えば前述したように、接続用タブ30における固定部30aとそれ以外の部分との境界に折り目を設けておくことで、破断誘導線35に沿って外層シート15を破断するだけで、露出した接続用タブ30の自由端部30b側が図5及び図6に示すように起立しやすくなる。したがって、このような接続用タブ30に折り目を有する形態は、「接続用タブ30を露出又は起立可能になされている」と言える。
本実施形態においては、接続用タブ30の周縁に沿って破断誘導線35が設けられている。図5では、外層シート15における後方部Rの接続用タブ30に対応する部分が破断誘導線35に沿って除去され、該接続用タブ30の自由端部30b側が起立している状態が示されている。前方部Fの接続用タブ30は未使用状態であり、外層シート15によって被覆されたままとなっている。破断誘導線35は、典型的には、外層シート15の坪量ないし強度が周辺部に比して低下した部分であり、具体例としてミシン目を例示できる。ミシン目は周知のとおり、坪量ゼロの部分(貫通孔)が一方向に間欠配置されたものであり、破断誘導線35として機能し得る。
接続用タブ30とこれを被覆する外層シート15とは、互いに接合されていてもよく、接合されていなくてもよく、前者の場合の接合手段としては、ホットメルト接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段を利用できる。本実施形態においては、接続用タブ30とこれを被覆する外層シート15とが接合されており、且つ該接続用タブ30は、裏面シート13に比して縦方向Xの引張強度が高い。このように、接続用タブ30と外層シート15とが接合されている場合に、接続用タブ30の縦方向Xの引張強度が、接続用タブ30が固定されている裏面シート3のそれに比して高くなされていることで、例えば前述した破断誘導線35に沿って外層シート15を破断する際に、接続用タブ30が裏面シート3から外れる不都合が効果的に防止される。また、接続用タブ30は、図1(b)、図5及び図6に示すように、縦方向Xの一端側に固定部30a及び他端側に自由端部30bを有しており、このため、接続用タブ30はその操作時において縦方向Xに引っ張られやすいところ、このように裏面シート3との関係で縦方向Xの引張強度が相対的に高められていることにより、電気電子機器を接続用タブ30に接続する際に接続用タブ30が破断する不都合も防止される。
接続用タブ30の縦方向Xの引張強度は、好ましくは15N/10mm以上、より好ましくは18N/10mm以上、更に好ましくは20N/10mm以上である。接続用タブ30の縦方向Xの引張強度の上限については特に制限は無いが、接続用タブ30の柔軟性の観点から、好ましくは50N/10mm以下である。
接続用タブ30の横方向Yの引張強度は、好ましくは8N/10mm以上、より好ましくは10N/10mm以上、更に好ましくは12N/10mm以上である。接続用タブ30の横方向Yの引張強度の上限については特に制限は無いが、前記と同様の観点から、好ましくは40N/10mm以下である。
接続用タブ30の引張強度は以下の方法により測定される。縦方向Xの長さ50mm、横方向Yの長さ10mmの平面視長方形形状の接続用タブ30を測定片とする。引張強度試験機(株式会社オリエンテック製RTC-1150)の一対のチャック間(初期チャック間距離30mm)に測定片を、引張方向が縦方向Xとなるようにセットし、速度300mm/分で測定片を縦方向Xに引っ張り、測定片が破断したときの最大荷重値(N)を測定し、当該測定片の縦方向Xの引張強度とする。接続用タブ30の横方向Yの引張強度については、引張方向を横方向Yにする以外は前記と同様に測定することができる。
接続用タブ30の素材としては、非導電性(絶縁性)のシートが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂からなる樹脂製フィルム、該樹脂製フィルムと紙との積層体を例示できる。
接続用タブ30の坪量は、実用上十分な強度と操作性とのバランス等の観点から、好ましくは30g/m2以上、より好ましくは50g/m2以上、そして、好ましくは120g/m2以下、より好ましくは100g/m2以下である。
また、接続用タブ30の横方向Yの長さすなわち幅は、好ましくは25mm以上、より好ましくは30mm以上、そして、好ましくは80mm以下、より好ましくは70mm以下である。
接続用タブ30の外面(裏面シート13の非肌対向面との固定領域を有する面とは反対側の面)の色は、裏面シート13の非肌対向面の色と異なることが好ましい。斯かる構成により、接続用タブ30の存在が一見してわかるようになり、電気電子機器の接続作業をより一層スムーズに行うことが可能となる。また、本実施形態のように、接続用タブ30の外面が外層シート15で被覆されている場合、接続用タブ30の外面の色は、外層シート15の色と異なることが好ましい。裏面シート13及び外層シート15の色は、典型的には、白色又は白色に近い色であるので、接続用タブ30の外面の色は、白色以外の色、例えば、赤色、黄色、緑色、黒色などにすることが好ましい。
接続用タブ30は、図7及び図8に示すように、その外面(裏面シート13の非肌対向面との固定領域を有する面とは反対側の面)側に折り返された部分を有していてもよい。図7に示す形態では、接続用タブ30は外面側に1回折り返された部分を有しており、その折り返しによって相対向する接続用タブ30,30どうしの間には仮止め剤31が介在配置されている。図7に示す接続用タブ30は、その未使用状態においては図7(a)に示すように、相対向する接続用タブ30,30どうしが仮止め剤31を介して仮固定されており、これを使用する際には、接続用タブ30の自由端部30b側を手指で摘まんで引っ張り上げることで、容易に図7(b)に示す如き状態となる。図7に示す形態では、外層シート15は破断誘導線35にて、接続用タブ30の自由端部30b側(接続用タブ30の起立する部分)とそれ以外の部分とに分断されている。また、図8に示す形態では、接続用タブ30は、固定部30aから近い順に、外面側に1回折り返された部分と、内面側に1回折り返された部分とを有しており、接続用タブ30全体としてZ字状に折り曲げられている。これら2個の折り返された部分には、それぞれ、相対向する接続用タブ30,30どうしを仮止めする仮止め剤31が介在配置されている。このように、接続用タブ30がその外面側に折り返された部分を有していると、接続用タブ30の起立部分が長くなるため、電気電子機器の接続作業をより一層スムーズに行うことが可能となる。仮止め剤31としては、この種の吸収性物品において部材どうしの仮止めに使用可能なものを特に制限無く用いることができ、例えば粘着剤が挙げられる。
また、図7及び図8に示す形態では、それぞれ、表面シート12、裏面シート13及び外層シート15並びに裏面シート13の非肌対向面の接続端子部24a,24bそれぞれが、接続用タブ30よりも縦方向Xの外方に延出している。このように、接続用タブ30に重ねて配置された他の部材が該接続用タブ30よりも縦方向Xの外方に延出していることで、例えば、尿取りパット1の製造工程においてその縦方向Xの前後端部をカットする場合に、接続用タブ30が誤ってカットされる不都合が防止される。
図9及び図10には、本発明の吸収性物品の他の実施形態が示されている。後述する他の実施形態については、前述した尿取りパッド1と異なる構成部分を主として説明し、同様の構成部分は同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない構成部分は、尿取りパッド1についての説明が適宜適用される。
図9に示す尿取りパッド1Aにおいては、接続用タブ30の固定部30aが縦方向Xの外方側(尿取りパッド1の縦方向Xの中央から相対的に遠い側)、自由端部30bが縦方向Xの内方側(尿取りパッド1の縦方向Xの中央から相対的に近い側)に位置しており、前述した尿取りパッド1とは両端部30a,30bの配置が逆になっている。
また、図9に示す尿取りパッド1Aにおいては、後方部Rの接続用タブ30が外層シート15で被覆されているのに対し、前方部Fの接続用タブ30は外層シート15で被覆されておらず、未使用状態で露出している。後方部Rの接続用タブ30も、前方部Fの接続用タブ30と同様に、未使用状態で露出していてもよい。尿取りパッド1Aによっても、尿取りパッド1と同様の効果が奏される。
図10に示す尿取りパッド1Bにおいては、接続用タブ30の平面視において、自由端部30bが縦方向Xの前方又は後方に向かって凸の凸状をなしている。より具体的には、尿取りパッド1Bにおいては、前方部Fの接続用タブ30の自由端部30bは、縦方向Xの外方(尿取りパッド1の縦方向Xの中央から離れる方向)に向かって凸の凸状をなし、後方部Rの接続用タブ30の自由端部30bは、縦方向Xの内方(尿取りパッド1の縦方向Xの中央に向かう方向)に向かって凸の凸状をなしており、両自由端部30b,30bの凸の頂部が、縦中心線CL上に位置している。前方部Fの接続用タブ30と後方部Rの接続用タブ30とで、凸の湾曲方向が図10とは逆の方向であってもよく、同じでもよい。尿取りパッド1Bによっても、尿取りパッド1と同様の効果が奏される。特に、接続用タブ30の自由端部30bが縦方向Xの前方又は後方に向かって凸の凸状をなしているため、接続用タブ30がめくりやすく、電気電子機器の接続作業をより一層スムーズに行うことが可能となる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に何ら制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
センサー領域Sにおける電極21等の各部のパターン(平面視形状及び配置)は、図示のパターンに限定されず、センシング領域S1による尿等の体液の有無の検知等に支障がない範囲で適宜設定可能である。例えば前記実施形態においては、吸収性本体10の縦方向Xの前後端部それぞれに、センサー領域Sの接続端子部24a,24bが設けられていたが、どちらか一方のみに設けられていてもよい。接続用タブ30についても同様である。また、センサー領域Sは、電気電子機器としてのセンサーを含んで構成されていてもよく、具体的には例えば、導電性材料20を含んで構成されるセンサー領域Sに、更に電気電子機器としての加速度センサーを取り付けて、排泄の有無の検出とともに、吸収性物品の着用者の姿勢を検出し得る形態としてもよい。
本発明は、尿、経血、便、汗などの体液の吸収に用いられる物品全般に適用することができ、前述した尿取りパッドの如き「インナーとしての吸収性物品」は勿論のこと、展開型の使い捨ておむつ、パンツ型の使い捨ておむつ等の「アウターしての吸収性物品」にも適用可能である。インナーとしての吸収性物品は、アウターとしての吸収性物品の肌対向面(内面)に重ねて使用されるものである。