(第一実施形態)
以下、本願の第一実施形態について図面を参照して説明する。図1に示す本願に係る画像形成装置の第一実施形態であるレーザプリンタ1は、電子写真方式により用紙P等にカラー画像を形成するカラーレーザプリンタであり、4色のトナーを用いる所謂タンデム方式のレーザプリンタである。尚、以下の説明では、図1に示すように、同図の紙面右側をレーザプリンタ1の前面側、紙面左側を後面側と規定する。以下、レーザプリンタ1を、単にプリンタ1という。また、図1の紙面手前側をプリンタ1の前面側から見た左側、紙面奥側を右側と規定する。また、図1の紙面上側をプリンタ1の上側、紙面下側を下側と規定する。
図1に示すように、プリンタ1は、略箱状の本体筐体2を有しており、当該本体筐体2の内部に、給紙部10、画像形成部20等を収納している。本体筐体2の上面には、画像が形成された用紙Pを積層状態で収納する排出トレイ5が設けられている。給紙部10は、用紙Pが収容された給紙トレイ11及び各種ローラを有しており、各種ローラを駆動して用紙Pを画像形成部20に給紙する。また、給紙トレイ11は、本体筐体2の下部に対して着脱可能に構成されている。
画像形成部20は、搬送ユニット21、4つのプロセスカートリッジ30C,30M,30Y,30K、露光部35、及び定着部50を有している。搬送ユニット21は、給紙部10とプロセスカートリッジ30C等との上下方向の間に設けられており、搬送ベルト23及び4つの転写ローラ25等を有している。搬送ベルト23は、ベルトを環状にして構成された無端ベルトであり、画像形成部20の後端側下方に位置する駆動ローラ27及び前端側下方に位置する従動ローラ29に巻き付けられている。搬送ベルト23の上側の面は、プロセスカートリッジ30C等の直下において略水平に延在しており、給紙部10より供給された用紙Pの裏面と当接する。駆動ローラ27は、搬送ベルト23を所定方向に回転させる。また、搬送ベルト23は、各転写ローラ25に転写バイアスが印加されることにより負帯電し静電気力で用紙Pを上側の面に吸着させつつ、吸着した用紙Pを搬送経路Rに沿って排出トレイ5へ向かって搬送する。
プロセスカートリッジ30C,30M,30Y,30Kの各々は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色に対応している。プロセスカートリッジ30C等の各々は、対応する色(C、M、Y、K)のトナーが収容されている。また、4つのプロセスカートリッジ30C等は、プリンタ1の前方から後方に向かって、プロセスカートリッジ30K,30Y,30M,30Cの順に設けられている。
プロセスカートリッジ30Cは、ドラム形状である感光体31、帯電器41、及びトナーカートリッジ33等を有している。尚、他のプロセスカートリッジ30M,30Y,30Kは、異なるトナー色であるものの、その他の構成はプロセスカートリッジ30Cと同様となっている。このため、以下の説明では、代表してプロセスカートリッジ30Cについて説明し、他のプロセスカートリッジ30M,30Y,30Kについての説明を適宜省略する。
感光体31は、転写ローラ25の上方に位置し、転写ローラ25との上下方向の間に搬送ベルト23を挟んでいる。帯電器41は、例えば、帯電ワイヤ42及びグリッド43をシールドケース45に収容されたスコロトロン型の帯電器である。帯電ワイヤ42は、金属、例えば、金メッキされたタングステン、又はタングステン単体で形成されている。シールドケース45は、左右方向に沿って長尺となる略角筒型に形成されている。シールドケース45の感光体31に面した部分には、開口が形成されている。グリッド43は、このシールドケース45の開口において、導電性の線材をメッシュ状に張設して構成されている。また、帯電ワイヤ42は、シールドケース45内において左右方向に沿って張設され、感光体31に対して後方側の上部の位置に間隔を隔てて配置されている。従って、グリッド43は、感光体31と帯電ワイヤ42との間に配置されている。
帯電器41は、画像形成に際し、感光体31の表面を一様に正帯電させる。具体的には、帯電ワイヤ42及びグリッド43に電圧が印加されることで、帯電ワイヤ42と感光体31との間には、電場が形成されコロナ放電が発生する。帯電ワイヤ42とグリッド43との間に電場が形成される際、グリッド43には帯電ワイヤ42とは異なる電圧が印加されており、これにより電場の強さが制御され感光体31の帯電量が制御される。
露光部35は、本体筐体2の内部の最上方に設けられており、帯電された各感光体31の表面に画像データに基づく静電潜像を形成する。トナーカートリッジ33は、収容しているトナーを現像ローラ47の表面に担持させることによって、感光体31の表面にトナーを供給する。感光体31は、表面に形成された静電潜像にトナーを供給されることによってトナー像を形成される。搬送ユニット21は、用紙Pを定着部50へ向けて搬送しつつ、転写ローラ25に転写バイアスを印加されることで感光体31の表面に現像されたトナー像を用紙Pに転写させる。
定着部50は、搬送ユニット21に比べて搬送経路Rの下流側に設けられている。定着部50は、加熱ローラ51と加圧ローラ52とを有している。加熱ローラ51は、用紙Pの画像形成面側に配設されており、搬送ベルト23等と同期して回転し、用紙Pに転写されたトナーを加熱しつつ、用紙Pを搬送する。加圧ローラ52は、加熱ローラ51との間に用紙Pを挟んで、当該用紙Pを加熱ローラ51側に押圧しながら従動回転する。これにより、定着部50は、用紙Pに転写されたトナーを加熱溶融させて用紙Pに定着させつつ、用紙Pを搬送経路Rに沿って搬送する。
次に、図2を参照して、プリンタ1の本願に関連する電気的構成を説明する。図2は、プリンタ1に内蔵される回路基板(図示略)に実装される高圧電源装置60の概略的なブロック図及び高圧電源装置60に関連する接続構成を示している。尚、以下の説明では、各構成要素について、色毎に区別する場合は、各部の符号にY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の添え字、又は「1~4」などの添え字(例えば、グリッド電圧GRID1~GRID4など)を付し、区別しない場合は添え字を省略(例えば、グリッド電圧GRIDと表記)する。
高圧電源装置60は、ASIC(特定用途向けIC)61、ASIC61に接続された高圧電源回路62、ROM63、及びRAM64を有している。ASIC61(制御装置の一例)は、高圧電源回路62の制御の他に、プリンタ1全体を統括制御する。ROM63は、ASIC61が実行する各種の動作プログラム等を記憶する記憶媒体である。本実施形態のROM63には、後述する図3に示す制御動作を実行するためのプログラムPGが保存されている。RAM64は、各種処理における一時データや印刷処理に用いる画像データ等を記憶する。
高圧電源回路62は、帯電電圧生成回路70、グリッド電流検出回路82を備えるグリッド電圧調整回路81を有している。帯電電圧生成回路70には、電源線PLが接続されている。電源線PLには、各帯電器41(41K~41C)が並列に接続されている。帯電電圧生成回路70は、電源線PLを介して各帯電器41に帯電電圧CHGを印加する。また、グリッド電圧調整回路81K~81C及びグリッド電流検出回路82K~82Cは、各帯電器41K~41Cに対応して設けられる。
帯電電圧生成回路70は、例えば、PWM信号制御回路71、トランスドライブ回路72、昇圧回路73、及び出力電圧検出回路78を有している。帯電電圧生成回路70は、各帯電器41K~41Cの帯電ワイヤ42K~42Cに印加する帯電電圧CHGを生成する。また、グリッド43に印加されるグリッド電圧GRID1~GRID4は、各グリッド電圧調整回路81K~81Cによって調整される。帯電電圧CHGは、例えば、約5.5kV~7kVである。また、グリッド電圧GRIDは、例えば、約700Vである。
PWM信号制御回路71は、例えば、抵抗及びコンデンサ(図示略)を含み、ASIC61のポートPWM1からのPWM(PulseWidth Modulation;パルス幅変調)信号Sp1を平滑化し、平滑化したPWM信号Sp1をトランスドライブ回路72に供給する。トランスドライブ回路72は、例えば、PWM信号制御回路71から供給された平滑化後のPWM信号Sp1をドライブ用のトランジスタ(図示略)に供給し、昇圧回路73に発振電流を供給する。
昇圧回路73のトランス74は、1次側巻線74a、2次側巻線74b、及び補助巻線74cを備えている。トランスドライブ回路72は、ドライブ用のトランジスタからトランス74の1次側巻線74aに発振電流を供給する。トランス74は、発信電流のデューティ比に応じて、2次側巻線74bから出力される出力電圧(帯電電圧CHG)の電圧値を変更される。例えば、トランス74は、PWM信号Sp1のデューティ比が大きくなればなるほど電圧値の大きな帯電電圧CHGを生成する。2次側巻線74bには、整流ダイオード75、平滑コンデンサ76、及び出力抵抗77が接続されている。これにより、昇圧回路73は、トランス74の1次側巻線74aに発生する電圧を昇圧及び整流し、各帯電器41K~41Cの帯電ワイヤ42K~42Cに帯電電圧CHGとして印加する。
また、出力電圧検出回路78は、トランス74の補助巻線74cと、ASIC61との間に接続されている。出力電圧検出回路78は、例えば、平滑回路及び分圧抵抗(図示略)を有している。出力電圧検出回路78は、帯電電圧CHGの生成にともなって補助巻線74cに発生する出力電圧v1を検出する。出力電圧検出回路78は、出力電圧v1を平滑及び分圧して出力電圧検出信号Sv1としてASIC61のポートA/D1に供給する。
また、グリッド電圧調整回路81の各々は、電圧検出回路83及び演算増幅器OP1を有している。尚、グリッド電圧調整回路81K~81Cの各々の回路構成は同様であるため、以下の説明では、K(ブラック)色に対応するグリッド電圧調整回路81Kについて説明し、他のグリッド電圧調整回路81Y~81Cについての説明を適宜省略する。電圧検出回路83Kは、直列接続された2つの分圧抵抗R7,R8を有する。分圧抵抗R7,R8には、グリッド43Kに流れるグリッド電流Ig1の分流電流Id1が流れる。電圧検出回路83Kは、2つの分圧抵抗R7,R8の接続点からグリッド43Kに印加されるグリッド電圧GRID1に応じた検出電圧Vgr1を出力する。電圧検出回路83Kは、検出電圧Vgr1を分圧検出信号Sid1としてASIC61のポートA/D2に供給する。コンデンサC3は、分圧抵抗R8と並列に接続されることによって、RCフィルタを構成している。
また、演算増幅器OP1には、出力抵抗R9を介してASIC61のポートPWM2が接続されている。出力抵抗R9は、コンデンサC4を介してGNDに接地されている。ASIC61は、ポートPWM2からPWM信号Spp1を供給し、出力抵抗R9を介して演算増幅器OP1にPWM信号Spp1を供給する。従って、ASIC61は、演算増幅器OP1の基準電圧等を変更可能に構成されている。尚、演算増幅器OP1は、固定値のPWM信号Spp1(基準電圧値)を入力する構成でも良い。この場合、演算増幅器OP1は、ASIC61と接続されない構成でも良い。
演算増幅器OP1の出力端子には、分圧抵抗R4及びコンデンサC2を含む平滑回路が接続されている。分圧抵抗R4のグリッド43K側(演算増幅器OP1の出力端子と反対側)の接続点は、コンデンサC2を介してGNDに接地されている。また、分圧抵抗R4のグリッド43K側の接続点には、グリッド電圧GRID1を定電圧化するためのトランジスタQ1のベースが接続されている。また、トランジスタQ1は、分圧抵抗R7とグリッド43Kとの間の接続点に接続された電圧制御ラインLn1に接続されている。トランジスタQ1は、例えば、NPNトランジスタであり、コレクタをグリッド43K側の接続点(電圧制御ラインLn1)に接続され、エミッタをグリッド電流検出回路82K(抵抗R3)に接続されている。尚、トランジスタQ1はバイポーラトランジスタに限られず、例えば、FET(電界効果トランジスタ)であってもよい。
トランジスタQ1は、演算増幅器OP1の出力によってベース電流を制御される。トランジスタQ1は、ベース電流の大きさによってコレクタ抵抗を変化され、可変抵抗として機能する。ここでいうコレクタ抵抗とは、コレクタ-エミッタ間電圧をコレクタ電流で割った抵抗値である。例えば、ベース電流を大きくすることで抵抗値が下がり、反対にベース電流を小さくすることで、抵抗値が上がる。これにより、コレクタ・エミッタ間電圧が変更される。
ASIC61は、電圧検出回路83Kによって検出された検出電圧Vgr1(分圧検出信号Sid1)に基づいたフィードバック制御を行う。ASIC61は、PWM信号Spp1を変更しトランジスタQ1のベース電圧を変更させ、グリッド電圧GRID1を変更する。従って、ASIC61は、PWM信号Spp1のデューティ比を変更することによって、グリッド電圧GRID1の電圧値を所定の目標電圧値に変更することが可能となっている。尚、電圧制御ラインLn1とグリッド43Kとの間には、グリッド電圧GRIDが充電されるコンデンサC1が設けられている。
また、電圧制御ラインLn1には、グリッド43Kを流れるグリッド電流Ig1に応じたライン電流Ir1を検出するグリッド電流検出回路82Kが接続されている。グリッド電流検出回路82Kの抵抗R3は、トランジスタQ1のエミッタとGNDとの間に接続されている。グリッド電流検出回路82Kは、抵抗R3の正側の端子電圧をライン電圧検出信号Sir1としてASIC61のポートA/D3に供給する。
本実施形態のASIC61は、グリッド電流Igの電流値に基づいて帯電電圧生成回路70から供給される帯電電圧CHGの電圧値を制御する。ASIC61は、例えば、4つのグリッド電流Ig1~Ig4のうち、最も電流値の小さいグリッド電流Igに基づいて帯電電圧CHGを制御する。例えば、帯電ワイヤ42へのトナーの付着によって、グリッド電流Ig1~Ig4の電流値の増大にばらつきが生じる。そこで、電流値の増大の最も小さいグリッド電流Igを基準として帯電電圧CHGの制御を実行する。これにより、グリッド電流Ig1~Ig4の変化量にばらつきがある場合に、全てのグリッド電流Ig1~Ig4の電流値を目標電流値以上の大きさにより確実に増大することができる。
例えば、グリッド電流Ig1が最小の電流値(制御対象の電流)である場合について説明する。ASIC61は、例えば、抵抗R3の抵抗値と、ライン電圧検出信号Sir1の電圧値からライン電流Ir1(グリッド電流Ig1)を算出する。ASIC61は、算出したグリッド電流Ig1の電流値に基づいて帯電電圧生成回路70を制御し、グリッド電流Ig1の電流値を所望の目標電流値に一致させる。ASIC61は、ポートPWM1から出力するPWM信号Sp1のデューティ比を変更し、グリッド電流Ig1の電流値を所望の目標電流値に一致させる。これにより、全てのグリッド電流Ig1~Ig4の電流値を目標電流値以上の大きさにより確実に増大することができる。
尚、ASIC61は、最小のグリッド電流Igに基づいて帯電電圧生成回路70(帯電電圧CHG)を制御しなくとも良い。例えば、ASIC61は、4つのグリッド電流Ig1~Ig4のうち、最も電流値の大きい(最大値の)グリッド電流Igに基づいて帯電電圧CHGを制御しても良い。あるいは、ASIC61は、2つのグリッド電流Igの電流値の平均値に基づいて帯電電圧CHGを制御しても良い。
(制御動作について)
次に、上記した構成の帯電電圧生成回路70及び4つのグリッド電圧調整回路81K~81Cの動作を開始する際のプリンタ1における制御動作について説明する。ASIC61は、例えば、印刷指示を受け付けて帯電電圧生成回路70等を起動する際に、以下に説明する制御動作を実行する。あるいは、ASIC61は、例えば、プリンタ1の電源を投入されウォーミングアップ動作を行う際に、以下に説明する制御動作を実行する。以下の説明では、上記した例と同様に、グリッド電流Ig1が最小の電流値(制御対象の電流)である場合について説明する。
まず、比較例の制御動作について図8を用いて説明する。図8は、比較例におけるPWM信号Sp1等のタイミングチャートを示している。図8の上部には、ポートPWM1,PWM2から供給するPWM信号Sp1,Spp1~Spp3の出力のタイミングが示されている。PWM信号Sp1,Spp1~Spp3の波形の立ち上がりは、供給を開始するタイミングを示している。また、PWM信号Sp1,Spp1~Spp3の立ち上がりの高さは、デューティ比の高さを示している。例えば、立ち上がる高さが高いほど、デューティ比が高いことを示している。
また、PWM信号Sp1,Spp1~Spp3の下には、帯電電圧CHG、分圧検出信号Sid、ライン電流Irの波形が示されている。上記したように、分圧検出信号Sidは、グリッド電圧GRIDの増減に応じて増減する相関関係にある。各分圧検出信号Sidを目標電圧値Vt1~Vt3に一致させると、グリッド電圧GRIDは、目標電圧値(目標電圧値Vt1~Vt3に応じた値)に一致する。このため、下記の説明では、グリッド電圧GRIDを目標電圧値に一致させることを、説明の便宜上、グリッド電圧GRIDを目標電圧値Vt1~Vt3に一致させると記載する場合がある。
同様に、ライン電流Irは、グリッド電流Igの増減に応じて増減する相関関係にある。ライン電流Irを目標電流値It1~It3に一致させると、グリッド電流Igは、目標電流値(目標電流値It1~It3に応じた値)に一致する。このため、下記の説明では、グリッド電流Igを目標電流値に一致させることを、説明の便宜上、グリッド電流Igを目標電流値It1~It3に一致させると記載する場合がある。尚、図8を含む図3~図8では、図面が煩雑となるのを防ぐため、帯電器41Cに対応するグリッド電圧(分圧検出信号Sid4)やグリッド電流(ライン電流Ir4)の図示を省略している。
まず、図8に示す時間T0において、ASIC61は、印刷指示を受け付ける。ASIC61は、印刷指示の受け付けに応じて、帯電電圧生成回路70と4つのグリッド電圧調整回路81の動作を開始させるため、PWM信号Sp1及びPWM信号Spp1~Spp4の供給を同時に開始する(時間T1)。ASIC61は、制御対象であるグリッド電流Ig1の電流値に基づいて帯電電圧生成回路70を制御し、グリッド電流Ig1の電流値を所望の目標電流値It1に一致させる制御を開始する。ASIC61は、ポートPWM1から出力するPWM信号Sp1のデューティ比を高くする。帯電電圧生成回路70は、PWM信号Sp1に応じて帯電電圧CHGを増大させる。
一方、グリッド電圧調整回路81Kは、PWM信号Spp1の供給を開始した時間T1から一定の遅延時間T3だけ経過した後、分圧検出信号Sid1(検出電圧Vgr1)を増大させる。この遅延時間T3は、グリッド電圧調整回路81Kに含まれる回路素子の回路定数に応じて発生する遅延時間である。本実施形態の遅延時間T3は、例えば、時間T1から時間T4までの時間であり、ライン電流Ir1を目標電流値It1まで増大させるのに必要な時間を設定されている。尚、ASIC61は、PWM信号Spp1の供給タイミングやデューティ比を制御し、遅延時間T3を変更しても良い。同様に、他のグリッド電圧調整回路81Y,81M,81Cは、PWM信号Spp2~Spp4の供給を開始された時間T1から一定の遅延時間T3だけ経過した後、分圧検出信号Sid2~Sid4を増大させる。
グリッド電圧調整回路81KのトランジスタQ1は、この遅延時間T3の間、ハイレベルのベース電流をベースに供給されオン状態となる。このため、グリッド43Kを流れるグリッド電流Ig1のほぼ全てがライン電流Ir1として抵抗R3を流れる。従って、ライン電流Ir1(グリッド電流Ig1)の電流値が目標電流値It1まで増大するまで、帯電電圧CHGは、ライン電流Ir1の増大にともなって増大する。時間T4において、ライン電流Ir1は、目標電流値It1となる。
因みに、本実施形態のASIC61は、上記したように4つのグリッド電流Ig1~Ig4のうち、最も電流値の増加量の小さいグリッド電流Ig1(ライン電流Ir1)に基づいて帯電電圧CHGを制御する。このため、時間T4において、ライン電流Ir1は、目標電流値It1となる一方で、他の非制御対象のライン電流Ir2~Ir4(グリッド電流Ig2~Ig4)は、目標電流値It2,It3(例えば、目標電流値It1と同一値)に比べて大きい電流値となっている。
時間T4において、4つのグリッド電圧調整回路81は、PWM信号Spp1~Spp4の供給を受け始めた時点(時間T1)から遅延時間T3だけ経過したため、PWM信号Spp1~Spp4のデューティ比に応じてトランジスタQ1をスイッチングする。例えば、ASIC61は、分圧検出信号Sid(グリッド電圧GRID)を増大させるため、トランジスタQ1を継続的にオフ状態とする。トランジスタQ1のオフ制御によりコレクタ抵抗の抵抗値が増大し、各グリッド43を流れるグリッド電流Igは、電圧検出回路83側へ(分流電流Idとして)流れ易くなる。電圧検出回路83(分圧抵抗R7など)を流れる分流電流Idは、増大する。分圧検出信号Sid(グリッド電圧GRID)は、分流電流Idの増大にともなって増大する。
一方、4つのグリッド電圧調整回路81の動作を帯電電圧生成回路70と同時に開始したため、各グリッド電圧調整回路81のライン電流Irは、トランジスタQ1のオフ期間に応じて低減し、目標電流値It1~It3に比べて小さい電流値となる。ASIC61は、制御対象であるライン電流Ir1の低減に応じて帯電電圧CHGを増大させ、ライン電流Ir1を目標電流値It1まで増大させようとする。その結果、例えば、時間T5付近において、分圧検出信号Sidが目標電圧値Vt1~Vt3を超えてしまう、いわゆるオーバーシュートが発生する。即ち、グリッド電圧GRIDにオーバーシュートが発生する。因みに、時間T0から時間T5までの時間は、例えば、100ms程度である。
(第一実施形態の制御動作)
これに対し、本実施形態のASIC61では、図3に示すように、PWM信号Sp1の供給を開始するタイミング(時間T7)に比べてPWM信号Spp1~Spp4の供給を開始するタイミング(時間T8)を遅らせる。即ち、グリッド電流Ig(ライン電流Ir1など)の電流値を目標電流値It1に調整する処理を開始した後に、グリッド電圧GRID(分圧検出信号Sid1など)の電圧値を目標電圧値Vt2に調整する処理を開始することで、グリッド電圧GRIDのオーバーシュートの発生を抑制する。ASIC61は、例えば、ROM63からプログラムPGを読み出して実行することで、図3に示す制御動作を実現する。尚、以下の説明では、上記した図8の説明と同様の部分(時間T0など)については同一符号を付し、その説明を適宜省略する。
まず、図3に示す時間T7において、ASIC61は、印刷指示の受け付けに応じて帯電電圧生成回路70のみ動作を開始させるため、PWM信号Sp1の供給を開始する。ASIC61は、制御対象であるグリッド電流Ig1の電流値に基づいて帯電電圧生成回路70を制御し、グリッド電流Ig1の電流値を所望の目標電流値It1に一致させる制御を開始する。帯電電圧生成回路70は、PWM信号Sp1に応じて帯電電圧CHGを増大させる。
グリッド電圧調整回路81KのトランジスタQ1は、ハイレベルのベース電流をベースに供給されオン状態を維持する。ライン電流Ir1(グリッド電流Ig1)の電流値が目標電流値It1まで増大するまで、帯電電圧CHGは、ライン電流Ir1の増大にともなって増大する。
時間T8において、ASIC61は、グリッド電圧調整回路81の動作を開始させるため、PWM信号Spp1~Spp4の供給を開始する。PWM信号Sp1の供給を開始する時間T7とPWM信号Spp1~Spp4の供給を開始する時間T8との間の時間、即ち、PWM信号Spp1~Spp4の供給を遅らせる遅延時間T11は、グリッド電圧GRIDのオーバーシュートを抑制するのに十分な時間であり、例えば、シミュレーションによって決定し設定される。時間T8において、ライン電流Ir1は、目標電流値It1に近い電流値まで増大する。時間T9において、ライン電流Ir1は、目標電流値It1となる。
グリッド電圧調整回路81は、PWM信号Spp1~Spp4の供給を開始された時間T8から上記した遅延時間T3だけ経過した時間T10において、PWM信号Spp1~Spp4のデューティ比に応じてトランジスタQ1をスイッチングし、分圧検出信号Sid1(検出電圧Vgr1)の増大を開始させる。電圧検出回路83(分圧抵抗R7など)を流れる分流電流Idは、トランジスタQ1のオフ期間に応じて増大する。分圧検出信号Sid(グリッド電圧GRID)は、分流電流Idの増大にともなって増大する。
図3に示すように時間T9~T10において、帯電電圧CHGは、一定の電圧値となり安定している。従って、帯電電圧生成回路70は、グリッド電圧調整回路81によって分圧検出信号Sid(グリッド電圧調整回路81)の増大を開始する前に、帯電電圧CHGの電圧値や回路動作を安定化することができる。また、例えば、グリッド電圧調整回路81のコンデンサC1等に十分な電荷が蓄積される。これにより、トランジスタQ1のオフ期間に応じたライン電流Ir1の低減を抑制でき、ライン電流Ir1を目標電流値It1で維持することが可能となる。ライン電流Ir1の低減を抑制することで、帯電電圧CHGは、グリッド電圧GRID(分圧検出信号Sid)の変化量に合わせて(追従して)変動する。その結果、グリッド電圧GRIDのオーバーシュートを抑制することができる。また、遅延時間T11を、オーバーシュートの発生しない最短時間とすることで、PWM信号Spp1~Spp4の供給の遅れを最低限にし、帯電電圧生成回路70及びグリッド電圧調整回路81の動作開始時間の短縮、即ち、プリンタ1の起動時間の短縮を図ることが可能となる。
また、上記したように、ライン電流Ir1が目標電流値It1となり、帯電電圧CHGが一定の電圧値となって安定した後に、分圧検出信号Sid(グリッド電圧GRID)を増大させることで、オーバーシュートの発生を抑制できる。このため、PWM信号Spp1~Spp4の供給を遅らせる遅延時間T11は、グリッド電流Ig1(ライン電流Ir1)の電流値が目標電流値It1に到達するタイミング(時間T9)に応じて設定できる。例えば、遅延時間T11は、遅延時間T3の全体の時間のうち、1/3の時間を経過したタイミングと時間T9とを一致させるようにして設定することができる。尚、ASIC61は、プログラムPGに予め設定された遅延時間T11に従ってPWM信号Sppを供給するタイミングを遅らせなくとも良い。例えば、ASIC61は、ライン電流Ir1の電流値が目標電流値It1に近い値まで増大したことを検出したことに応じて、PWM信号Sppの供給を開始しても良い。
因みに、プリンタ1は、画像形成装置の一例である。ASIC61は、制御装置の一例である。ライン電流Ir1は、グリッド電流の一例である。分圧検出信号Sid(検出電圧Vgr1)は、グリッド電圧の一例である。
上記した第一実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)第一実施形態のプリンタ1(画像形成装置)は、感光体31と、帯電ワイヤ42及びグリッド43を有し、感光体31を帯電させる帯電器41と、帯電器41と接続され、帯電器41の帯電ワイヤ42に印加する電圧である帯電電圧CHGを生成する帯電電圧生成回路70と、グリッド43に印加される電圧であるグリッド電圧GRIDを調整するグリッド電圧調整回路81と、グリッド43に流れる電流であるグリッド電流Ig(ライン電流Ir1)を検出するグリッド電流検出回路82と、ASIC61(制御装置)と、を備える。ASIC61は、グリッド電流検出回路82により検出したグリッド電流Igに基づいて帯電電圧生成回路70を制御しグリッド電流Ig1(ライン電流Ir1)の電流値を目標電流値It1に調整する処理と、グリッド電圧調整回路81を制御しグリッド電圧GRID(分圧検出信号Sid)の電圧値を目標電圧値Vt1~Vt3に調整する処理と、を実行する。ASIC61は、帯電電圧生成回路70及びグリッド電圧調整回路81の動作を開始させる際に、グリッド電流Ig1の電流値を目標電流値It1に調整する処理を開始した後に、グリッド電圧GRIDの電圧値を目標電圧値Vt1~Vt3に調整する処理を開始する。
これによれば、ASIC61(制御装置)は、グリッド電流Ig1の電流値を調整する処理を開始した後に、グリッド電圧GRIDの電圧値を調整する処理を開始する。グリッド電流Ig1を目標電流値It1まで増大させ、帯電電圧生成回路70で生成する帯電電圧CHGの電圧値を安定させた状態で、グリッド電圧調整回路81の動作を開始することが可能となる。これにより、グリッド電圧調整回路81の動作の開始にともなって、帯電電圧生成回路70の制御で参照されるグリッド電流Ig1(ライン電流Ir1)の電流値、即ち、グリッド電流検出回路82Kによって検出した電流値が目標電流値It1よりも低減することを抑制できる。その結果、グリッド電流Ig1の低減を抑制し、帯電電圧CHGの過剰な増大を抑制することで、起動時間の短縮を図りつつ、グリッド電圧GRIDのオーバーシュートの発生を抑制することが可能となる。
(2)また、ASIC61(制御装置)は、グリッド電流Ig1(ライン電流Ir1)の電流値が目標電流値It1に到達するタイミング(図3の時間T9)に応じて、グリッド電圧GRIDの電圧値を目標電圧値Vt1~Vt3に調整する処理を開始する。
上記したように、遅延時間T11は、グリッド電流Ig1(ライン電流Ir1)の電流値が目標電流値It1に到達するタイミング(時間T9)に応じて設定できる。そして、グリッド電流Ig1を目標電流値It1まで増大させ、帯電電圧生成回路70で生成する帯電電圧CHGの電圧値をより確実に安定させた状態で、グリッド電圧調整回路81の動作(分圧検出信号Sidの増大)を開始することが可能となる。これにより、グリッド電圧GRIDのオーバーシュートの発生を、より確実に抑制することが可能となる。
(第二実施形態)
次に、第二実施形態の制御動作について図4を参照しつつ、説明する。第二実施形態のASIC61では、図4に示すように、PWM信号Sp1及びPWM信号Spp1の供給を開始するタイミング(時間T13)に比べてPWM信号Spp2~Spp4の供給を開始するタイミングを遅らせる。さらに、PWM信号Spp2~Spp4の供給を、時間をずらして順番に開始する(T14,T15)。即ち、複数のグリッド電圧調整回路81の各々は、グリッド電流Ig1(ライン電流Ir1)の電流値を目標電流値It1に調整する処理が開始された後に、グリッド電圧GRID(分圧検出信号Sid2~Sid4)の電圧値を目標電圧値Vt2~Vt3に調整する処理を順番に開始する。
尚、PWM信号Spp1の供給を開始するタイミングを、PWM信号Sp1の供給を開始するタイミング(時間T13)に比べて遅くしても良い。即ち、PWM信号Spp1~Spp4の供給を開始するタイミングを、PWM信号Sp1の供給の開始後で且つ、互いに異なる時間でも良い。また、以下の説明では、上記した第一実施形態と同様の部分(時間T0など)については同一符号を付し、その説明を適宜省略する。
まず、図4に示すように、ASIC61は、印刷指示の受け付けに応じて、帯電電圧生成回路70及びグリッド電圧調整回路81Kの動作を開始させるため、PWM信号Sp1及びPWM信号Spp1の供給を同時に開始する(時間T13)。ASIC61は、制御対象であるグリッド電流Ig1の電流値に基づいて帯電電圧生成回路70を制御し、グリッド電流Ig1の電流値を所望の目標電流値It1に一致させる制御を開始する。帯電電圧生成回路70は、PWM信号Sp1に応じて帯電電圧CHGを増大させる。
グリッド電圧調整回路81KのトランジスタQ1は、ハイレベルのベース電流をベースに供給されオン状態を維持する。ライン電流Ir1(グリッド電流Ig1)の電流値が目標電流値It1まで増大するまで、帯電電圧CHGは、ライン電流Ir1の増大にともなって増大する。PWM信号Spp1の供給を開始した時間T13から遅延時間T3だけ経過した時点(時間T15)において、ライン電流Ir1(グリッド電流Ig1)の電流値は目標電流値It1となる。グリッド電圧調整回路81Kは、時間T15において、分圧検出信号Sid1(検出電圧Vgr1)を増大させる。
一方で、他のグリッド電圧調整回路81Y,81M,81Cは、時間T13において、PWM信号Spp2~Spp4を供給されておらず、動作を開始していない。ライン電流Ir2~Ir4(グリッド電流Ig2~Ig4)は増大しない。
また、時間T14において、ASIC61は、次のグリッド電圧調整回路81Yの動作を開始させるため、PWM信号Spp2の供給を開始する。PWM信号Spp1の供給を開始する時間T13と、次のPWM信号Spp2の供給を開始する時間T14との間の時間、即ち、PWM信号Spp2の供給を遅らせる遅延時間T18は、グリッド電圧GRIDのオーバーシュートを抑制するのに十分な時間であり、例えば、シミュレーションによって決定し設定される。時間T14において、ライン電流Ir1は、例えば、目標電流値It1に近い電流値まで増大する。
同様に、時間T15において、ASIC61は、次のグリッド電圧調整回路81Mの動作を開始させるため、PWM信号Spp3の供給を開始する。時間T15において、ライン電流Ir1は、目標電流値It1となる。分圧検出信号Sid1(グリッド電圧GRID1)は、増大を開始する。また、時間T15において、例えば、ライン電流Ir2は、非制御対象の電流であるため、目標電流値It2を超えた値となっている。尚、図示は省略するが、例えば、時間T15から遅延時間T18だけ遅れた時間において、ASIC61は、次のグリッド電圧調整回路81Cの動作を開始させるため、PWM信号Spp4の供給を開始する。
また、PWM信号Spp2の供給を開始した時間T14から遅延時間T3だけ遅れた時間T16において、分圧検出信号Sid2(グリッド電圧GRID2)は、増大を開始する。また、PWM信号Spp3の供給を開始した時間T15から遅延時間T3だけ遅れた時間T17において、分圧検出信号Sid3(グリッド電圧GRID3)は、増大を開始する。
本実施形態では、グリッド電圧調整回路81の動作を開始するタイミング、即ち、グリッド電圧GRIDを増大させるタイミングを順番にずらすことによって、制御対象であるライン電流Ir1の低減を抑制し、帯電電圧CHGの急激な変動(増減)を抑制することができる。特に、図4に示すように、帯電電圧CHGは、分圧検出信号Sid1を増大させる時間T15以降において、急激な増大を抑制され、小さい変化量で増大している。そして、帯電電圧CHGの急激な変動を抑制することで、グリッド電圧GRID(分圧検出信号Sid)の急激な増大を抑制し、オーバーシュートの発生を抑制することが可能となる。
上記した第二実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)第二実施形態のプリンタ1は、帯電器41を複数と、グリッド電圧調整回路81を複数備える。帯電電圧生成回路70は、複数の帯電器41と接続される。ASIC61(制御装置)は、複数のグリッド電圧調整回路81のうち、少なくとも1つのグリッド電圧調整回路81によるグリッド電圧GRID(分圧検出信号Sid)の電圧値を目標電圧値Vt1~Vt3に調整する処理を開始するタイミングが、他のグリッド電圧調整回路81と異なるように、複数のグリッド電圧調整回路81を制御する。
これによれば、複数のグリッド電圧調整回路81のうち少なくとも1つのグリッド電圧調整回路81は、グリッド電圧GRIDを目標電圧値Vt1~Vt3に調整する処理を、他のグリッド電圧調整回路81と異なるタイミングで開始する。これにより、ASIC61は、グリッド電流Ig1の電流値を調整する処理を開始した後に、少なくとも一つの回路によるグリッド電圧GRIDの電圧値を調整する処理を開始する。そして、グリッド電流Ig1の低減を抑制し、帯電電圧CHGの過剰な増大を抑制することで、起動時間の短縮を図りつつ、グリッド電圧GRIDのオーバーシュートの発生を抑制することが可能となる。
(2)また、複数のグリッド電圧調整回路81の各々は、グリッド電流Ig1(ライン電流Ir1)の電流値を目標電流値It1に調整する処理が開始された後に、グリッド電圧GRIDの電圧値を目標電圧値Vt1~Vt3に調整する処理を、時間をずらして順番に開始しても良い。
これによれば、全てのグリッド電圧調整回路81は、グリッド電流Ig1を目標電流値It1に調整する処理が開始された後に、グリッド電圧GRIDを目標電圧値Vt1~Vt3に調整する処理を開始する。また、複数のグリッド電圧調整回路81は、時間をずらして順番に調整処理を開始する。これにより、グリッド電流Ig1の低減をより確実に抑制し、グリッド電圧GRIDのオーバーシュートの発生を、より確実に抑制することが可能となる。
(第三実施形態)
次に、第三実施形態の制御動作について図5を参照しつつ、説明する。第三実施形態のASIC61では、図5に示すように、PWM信号Sp1及びPWM信号Spp1~Spp4の供給を同時に開始し、グリッド電圧GRID(分圧検出信号Sid)の増大が開始した後に目標電圧値Vt1~Vt3を一時的に低減する。尚、以下の説明では、上記した各実施形態と同様の部分については同一符号を付し、その説明を適宜省略する。
まず、図5に示す時間T1において、ASIC61は、印刷指示の受け付けに応じて帯電電圧生成回路70及び4つのグリッド電圧調整回路81の動作を開始させるため、PWM信号Sp1及びPWM信号Spp1~Spp4の供給を同時に開始する。帯電電圧CHGは、ライン電流Ir1の増大にともなって増大する。時間T4において、ライン電流Ir1は、目標電流値It1となる。
4つのグリッド電圧調整回路81は、PWM信号Spp1~Spp4の供給を開始された時間T1から遅延時間T3だけ経過した時間T4において、分圧検出信号Sid(検出電圧Vgr)の増大を開始させる。そして、分圧検出信号Sid(グリッド電圧GRID)が増大した後、ASIC61は、時間T21において、4つのグリッド電圧調整回路81の目標電圧値Vt1~Vt3を低減する。ASIC61は、例えば、PWM信号Spp1~Spp4のデューティ比を低くし、分圧検出信号Sidの増大を抑制する。これにより、グリッド電圧GRIDの増大が抑制される。
ASIC61は、時間T21から時間T23だけ経過した後の時間T22において、4つのグリッド電圧調整回路81の目標電圧値Vt1~Vt3を元の値(通常制御時の値)に戻す。ASIC61は、例えば、PWM信号Spp1~Spp4のデューティ比を高くする。上記した時間T21~T23は、図8に示す時間T5で発生したグリッド電圧GRIDのオーバーシュートの発生タイミングや期間に応じて決定される。これにより、オーバーシュートの発生タイミングに応じてグリッド電圧GRIDの増大を一時的に抑制し、オーバーシュートの発生を抑制している。そして、目標電圧値Vt1~Vt3を元の値に戻すことで、グリッド電流Ig及びグリッド電圧GRIDは、所定の目標値に安定することとなる。
尚、ASIC61は、4つの目標電圧値Vt1~Vt3の全てを一時的に低減させたが、少なくとも1つの目標電圧値Vt1~Vt3を低減させても良い。また、目標電圧値Vt1~Vt3を低減させるタイミングは、時間T21に限らず、例えば時間T4でも良い。即ち、ライン電流Ir1が目標電流値It1となるタイミングで、目標電圧値Vt1~Vt3を低減しても良い。
上記した第三実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)第三実施形態のプリンタ1は、感光体31と、帯電ワイヤ42及びグリッド43を有し、感光体31を帯電させる帯電器41と、帯電器41と接続され、帯電器41の帯電ワイヤ42に印加する電圧である帯電電圧CHGを生成する帯電電圧生成回路70と、グリッド43に印加される電圧であるグリッド電圧GRIDを調整するグリッド電圧調整回路81と、グリッド43に流れる電流であるグリッド電流Igを検出するグリッド電流検出回路82と、ASIC61(制御装置)と、を備える。ASIC61は、グリッド電流検出回路82により検出したグリッド電流Ig1に基づいて帯電電圧生成回路70を制御しグリッド電流Ig1の電流値を目標電流値It1に調整する処理と、グリッド電圧調整回路81を制御しグリッド電圧GRIDの電圧値を目標電圧値Vt1~Vt3に調整する処理と、を実行する。ASIC61は、帯電電圧生成回路70及びグリッド電圧調整回路81の動作を開始させる際に、グリッド電流Ig1の電流値を目標電流値It1に調整する処理と、グリッド電圧GRID(分圧検出信号Sid)の電圧値を目標電圧値Vt1~Vt3に調整する処理を同時に開始し、グリッド電圧GRIDの増大が開始するタイミングに応じて目標電圧値Vt1~Vt3を一時的に低減する。
これによれば、ASIC61は、グリッド電流Ig及びグリッド電圧GRIDの調整処理を同時に開始し、その後のグリッド電圧GRIDの増大にともなって、一時的に目標電圧値Vt1~Vt3を低減する。これにより、オーバーシュートの発生時期に合わせて、グリッド電圧調整回路81によって昇圧されるグリッド電圧GRIDの増大を抑制することができる。その結果、帯電電圧CHGの過剰な増大を抑制することで、起動時間の短縮を図りつつ、グリッド電圧GRIDのオーバーシュートの発生を抑制することが可能となる。
(2)また、目標電圧値Vt1~Vt3を一時的に低減する期間は、低減する前の目標電圧値Vt1~Vt3をグリッド電圧GRIDの電圧値が超える可能性がある期間に応じて予め設定された期間である。
これによれば、目標電圧値Vt1~Vt3を一時的に低減する期間は、グリッド電圧GRIDのオーバーシュートの期間に応じて予め設定される。これにより、グリッド電圧GRIDのオーバーシュートの発生を、より確実に抑制することが可能となる。
(第四実施形態)
次に、第四実施形態の制御動作について図6を参照しつつ、説明する。第四実施形態のASIC61では、図6に示すように、PWM信号Sp1及びPWM信号Spp1~Spp4の供給を同時に開始するとともに、目標電圧値Vt1~Vt3を一時的に増大させた状態で開始する。ASIC61は、一時的に増大させた目標電圧値Vt1~Vt3をグリッド電圧GRID(分圧検出信号Sid)の増大が開始した後に元に戻す。尚、以下の説明では、上記した各実施形態と同様の部分については同一符号を付し、その説明を適宜省略する。
まず、図6に示す時間T25において、ASIC61は、印刷指示の受け付けに応じて帯電電圧生成回路70及び4つのグリッド電圧調整回路81の動作を開始させるため、PWM信号Sp1及びPWM信号Spp1~Spp4の供給を同時に開始する。また、時間T25において、ASIC61は、4つのグリッド電圧調整回路81の目標電圧値Vt1~Vt3を、通常時に比べて増大した値とする。ASIC61は、例えば、PWM信号Spp1~Spp4のデューティ比を通常時に比べて高くする。従って、グリッド電圧調整回路81は、高めに設定された目標電圧値Vt1~Vt3、即ち、高いデューティ比のPWM信号Spp1~Spp4に応じて動作を開始する。帯電電圧CHGは、ライン電流Ir1の増大にともなって増大する。
時間T26において、ライン電流Ir1~Ir4は、目標電流値It1~It3と同一値又は越えた値となる。目標電流値It1~It3を変更していないため、ライン電流Ir1~Ir4の増加量は、図8(比較例)に示す場合と同様となる。一方、目標電圧値Vt1~Vt3を高くし、PWM信号Spp1~Spp4のデューティ比を高くしたことで、帯電電圧CHGの増加量は、図8に示す場合に比べて増大している。時間T26において、帯電電圧CHGは、図8に示す場合に比べて、より大きい電圧値となっている。
4つのグリッド電圧調整回路81は、PWM信号Spp1~Spp4の供給を開始された時間T25から遅延時間T3だけ経過した時間T26において、分圧検出信号Sid(検出電圧Vgr)の増大を開始させる。分圧検出信号Sid(グリッド電圧GRID)が増大した後、ASIC61は、時間T27において、一時的に増大させた目標電圧値Vt1~Vt3を通常時の目標電圧値Vt1~Vt3に戻す。ASIC61は、例えば、PWM信号Spp1~Spp4のデューティ比を低くする。時間T27は、例えば、増大させる前の目標電圧値Vt1~Vt3、即ち、通常時の目標電圧値Vt1~Vt3と、昇圧させた分圧検出信号Sidの電圧値とが一致する時間である。
目標電圧値Vt1~Vt3を低減したことで、帯電電圧CHGは、低減する。グリッド電流Ig1(ライン電流Ir1)は、帯電電圧CHGの低減にともなって一時的に低減した後の時間T28において、目標電流値It1となる。他のグリッド電流Ig2~Ig4も一時的に低減する。また、帯電電圧生成回路70が帯電電圧CHGを低減する動作を行うため、分圧検出信号Sid(グリッド電圧GRID)の増大は抑制される。これにより、グリッド電圧GRIDの増大を抑制し、オーバーシュートの発生を抑制している。そして、目標電圧値Vt1~Vt3を元の値に戻すことで、グリッド電流Ig及びグリッド電圧GRIDは、所定の目標値に安定することとなる。
尚、ASIC61は、4つの目標電圧値Vt1~Vt3の全てを一時的に増大させたが、少なくとも1つの目標電圧値Vt1~Vt3を増大させても良い。また、目標電圧値Vt1~Vt3を増大させるタイミングは、時間T25に限らず、例えば、時間T25から所定時間だけ経過した後でも良い。即ち、PWM信号Spp1~Spp4の供給を開始するタイミングから少し遅れて目標電圧値Vt1~Vt3を増大させても良い。
上記した第四実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)第四実施形態のプリンタ1は、感光体31と、帯電ワイヤ42及びグリッド43を有し、感光体31を帯電させる帯電器41と、帯電器41と接続され、帯電器41の帯電ワイヤ42に印加する電圧である帯電電圧CHGを生成する帯電電圧生成回路70と、グリッド43に印加される電圧であるグリッド電圧GRIDを調整するグリッド電圧調整回路81と、グリッド43に流れる電流であるグリッド電流Igを検出するグリッド電流検出回路82と、ASIC61(制御装置)と、を備える。ASIC61は、グリッド電流検出回路82により検出したグリッド電流Ig1に基づいて帯電電圧生成回路70を制御しグリッド電流Ig1の電流値を目標電流値It1に調整する処理と、グリッド電圧調整回路81を制御しグリッド電圧GRIDの電圧値を目標電圧値Vt1~Vt3に調整する処理と、を実行する。ASIC61は、帯電電圧生成回路70及びグリッド電圧調整回路81の動作を開始させる際に、グリッド電流Ig1の電流値を目標電流値It1に調整する処理と、グリッド電圧GRIDの電圧値を目標電圧値Vt1~Vt3に調整する処理を同時に開始するとともに、目標電圧値Vt1~Vt3を一時的に増大させた状態で開始し、一時的に増大させた目標電圧値Vt1~Vt3をグリッド電圧GRIDの増大が開始した後に元に戻す。
これによれば、ASIC61は、グリッド電流Ig1及びグリッド電圧GRIDの調整処理を同時に開始するとともに、目標電圧値Vt1~Vt3を一時的に増大させた状態とする。グリッド電圧調整回路81は、増大した目標電圧値Vt1~Vt3に合わせてグリッド電圧GRIDを増大する処理を行う。また、目標電圧値Vt1~Vt3は、グリッド電圧GRIDの増大の開始後に元に戻される。帯電電圧CHGは、目標電圧値Vt1~Vt3の増減に応じて一時的に増減する。一時的に増大させた帯電電圧CHGを、グリッド電圧GRIDの増大に合わせて低減させることで、グリッド電圧GRIDの増大を抑制しオーバーシュートの発生を抑制できる。その結果、起動時間の短縮を図りつつ、グリッド電圧GRIDのオーバーシュートの発生を抑制することが可能となる。
(第五実施形態)
次に、第五実施形態の制御動作について図7を参照しつつ、説明する。第五実施形態のASIC61では、図7に示すように、PWM信号Sp1及びPWM信号Spp1~Spp4の供給を同時に開始するとともに、目標電流値It1~It3を一時的に増大させた状態で開始する。ASIC61は、一時的に増大させた目標電流値It1~It3をグリッド電圧GRID(分圧検出信号Sid)の増大が開始した後に元に戻す。尚、以下の説明では、上記した各実施形態と同様の部分については同一符号を付し、その説明を適宜省略する。
まず、図7に示す時間T30において、ASIC61は、印刷指示の受け付けに応じて帯電電圧生成回路70及び4つのグリッド電圧調整回路81の動作を開始させるため、PWM信号Sp1及びPWM信号Spp1~Spp4の供給を同時に開始する。また、時間T30において、ASIC61は、4つのグリッド電流Ig1~Ig4に対応する目標電流値It1~It3を、通常時に比べて増大した値とする。ASIC61は、図8に示す場合に比べて高い目標電流値It1~It3を設定したため、PWM信号Sp1のデューティ比を図8に示す場合に比べて高くし、帯電電圧CHGの変化量を増大させる。帯電電圧CHGは、ライン電流Ir1の増大にともなって増大する。
時間T31において、ライン電流Ir1~Ir4は、高くした目標電流値It1~It3に応じた電流値まで増大する。また、目標電流値It1~It3を高くしたことで、帯電電圧生成回路70は、帯電電圧CHGをより増大させ、ライン電流Ir1~Ir4を目標電流値It1~It3に一致させようとする。その結果、時間T31において、帯電電圧CHGは、図8の場合に比べてより大きな電圧値となっている。
4つのグリッド電圧調整回路81は、PWM信号Spp1~Spp4の供給を開始された時間T30から遅延時間T3だけ経過した時間T31において、分圧検出信号Sid(検出電圧Vgr)の増大を開始させる。例えば、ASIC61は、分圧検出信号Sidを増大させるため、トランジスタQ1を継続的にオフ状態とする。トランジスタQ1のオフ制御により、各グリッド43を流れるグリッド電流Igは、電圧検出回路83側へ流れ易くなる。電圧検出回路83を流れる分流電流Idは、増大する。分圧検出信号Sid(グリッド電圧GRID)は、分流電流Idの増大にともなって増大する。
一方、各グリッド電圧調整回路81のライン電流Irは、トランジスタQ1のオフ期間に応じて低減し、一時的に増大させた目標電流値It1~It3に比べて小さい電流値となる(時間T32)。ASIC61は、制御対象であるライン電流Ir1の低減に応じて帯電電圧CHGを増大させようとする。しかしながら、時間T32において、ASIC61は、一時的に増大させた目標電流値It1~It3を通常時の目標電流値It1~It3に戻す。このため、ASIC61は、帯電電圧生成回路70を制御して帯電電圧CHGを増大させずに、帯電電圧CHGの電圧値を維持又は低減する制御を行う。時間T32は、例えば、分圧検出信号Sidの大きさと、目標電圧値Vt1~Vt3とが一致する時間である。
グリッド電流Ig1(ライン電流Ir1)は、一時的に低減した後の時間T33において、戻した後の(通常時の)目標電流値It1となる。他のグリッド電流Ig2~Ig4も一時的に低減する。また、帯電電圧生成回路70が帯電電圧CHGを維持又は低減する動作を行うため、分圧検出信号Sid(グリッド電圧GRID)の増大は抑制される。これにより、グリッド電圧GRIDの増大を抑制し、オーバーシュートの発生を抑制している。そして、目標電流値It1~It3を元の値に戻すことで、グリッド電流Ig及びグリッド電圧GRIDは、所定の目標値に安定することとなる。
尚、ASIC61は、4つの目標電流値It1~It3の全てを一時的に増大させたが、例えば、制御対象である目標電流値It1のみを増大させても良い。また、目標電流値It1~It3を増大させるタイミングは、時間T30に限らず、時間T30から所定時間だけ経過した後でも良い。即ち、PWM信号Sp1の供給を開始するタイミングから少し遅れて目標電流値It1~It3を増大させても良い。
上記した第五実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)第五実施形態のプリンタ1は、感光体31と、帯電ワイヤ42及びグリッド43を有し、感光体31を帯電させる帯電器41と、帯電器41と接続され、帯電器41の帯電ワイヤ42に印加する電圧である帯電電圧CHGを生成する帯電電圧生成回路70と、グリッド43に印加される電圧であるグリッド電圧GRIDを調整するグリッド電圧調整回路81と、グリッド43に流れる電流であるグリッド電流Igを検出するグリッド電流検出回路82と、ASIC61(制御装置)と、を備える。ASIC61は、グリッド電流検出回路82により検出したグリッド電流Igに基づいて帯電電圧生成回路70を制御しグリッド電流Ig1の電流値を目標電流値It1に調整する処理を実行する。ASIC61は、帯電電圧生成回路70の動作を開始させる際に、目標電流値It1を一時的に増大させた状態で開始し、一時的に増大させた目標電流値It1をグリッド電圧GRIDの増大が開始した後に元に戻す。
これによれば、ASIC61は、グリッド電流Ig1の調整処理を開始する際に、目標電流値It1~It3を一時的に増大させた状態とする。帯電電圧生成回路70は、増大した目標電流値It1~It3に合わせて帯電電圧CHGを増大させる。また、目標電流値It1~It3は、グリッド電圧GRIDの増大の開始後に元に戻される。帯電電圧CHGは、目標電流値It1~It3の増減に応じて一時的に増減する。一時的に増大させた帯電電圧CHGを、グリッド電圧GRIDの増大に合わせて低減させることで、グリッド電圧GRIDの増大を抑制しオーバーシュートの発生を抑制できる。その結果、起動時間の短縮を図りつつ、グリッド電圧GRIDのオーバーシュートの発生を抑制することが可能となる。
(2)また、ASIC61(制御装置)は、グリッド電圧調整回路81を制御しグリッド電圧GRIDの電圧値を目標電圧値Vt1~Vt3に調整する処理を実行する。また、ASIC61は、帯電電圧生成回路70及びグリッド電圧調整回路81の動作を開始させる際に、グリッド電流Ig1の電流値を目標電流値It1に調整する処理と、グリッド電圧GRIDの電圧値を目標電圧値Vt1~Vt3に調整する処理を同時に開始するとともに、目標電流値It1を一時的に増大させた状態で開始する。
これによれば、ASIC61によってグリッド電圧調整回路81を制御し、グリッド電圧GRIDの電圧値を任意の値に制御することができる。これにより、印刷状況(画質)やグリッド43等の劣化に応じてグリッド電圧GRIDを調整することができる。このような構成において、目標電流値It1~It3を一時的に増大させることで、起動時間の短縮を図りつつ、グリッド電圧GRIDのオーバーシュートの発生を抑制することが可能となる。
尚、本願は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内での種々の改良、変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、上記各実施形態おいて、一つの感光体31に一つの帯電器41を対応させたものを例示して説明したが、これに限定されない。本願は、一つの感光体31に対して複数の帯電器41を対応させた構成、例えば、一つの感光体31上に各色のトナー像を重ねた後、用紙Pに一括転写するプリンタ(画像形成装置)にも適用することが可能である。この場合、感光体31は、1つでもよい。
また、プリンタ1は、ブラックに対応する感光体31Kのみを備えるモノクロのプリンタでも良い。
また、プリンタ1は、帯電器41を1つだけ備える構成でも良い。
また、ASIC61は、上記した各実施形態の制御を組み合わせた制御動作を実行しても良い。例えば、ASIC61は、PWM信号Sp1とPWM信号Spp1~Spp4の供給開始のタイミングをずらし(第一及び第二実施形態)、且つ目標電圧値Vt1~Vt3を一時的に低減する構成(第三実施形態)でも良い。
また、上記各実施形態では、感光体として、ドラム形状の感光体31を例示したが、感光体は、これに限らず、例えば、ベルト形状の感光体でも良い。
また、上記各実施形態では、制御装置としてASIC61を用いたが、本願における制御装置は、ASIC61などの専用のハードウェアにより構成する場合に限定されず、例えば、CPU上で動作するソフトウェアで構成してもよい。
また、上記各実施形態では、本願の画像形成装置として、電子写真方式のレーザプリンタ1を採用したが、これに限らない。本願の画像形成装置としては、複合機、ファクシミリ装置、コピー機などでも良い。