JP7151468B2 - 蛍光標識剤 - Google Patents

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Description

本発明は、重合体を用いた蛍光標識剤および分散体に関する。
バイオイメージングは、タンパク質や細胞、組織などを可視化する技術であり、生体内分子・細胞機能の解明や創薬の研究等、生物学、医学の研究領域で幅広く活用されている。
中でも蛍光バイオイメージング法は、現象の動的な観察、多色観察、高感度観察が可能なイメージング法である。蛍光バイオイメージング法は、主に標的部位に吸着、あるいは、標的部位でのみ発光する蛍光標識剤を用い、紫外~近赤外領域の光をその蛍光標識剤に照射した際に発する蛍光を検出することにより、標的を可視化する方法である。近年は、非侵襲で診断可能なイメージング法として注目されており、特に生体透過性に優れた近赤外領域の光(700~1500nm)を用いた近赤外蛍光イメージングは、患者への負担が少ない画像診断や外科手術ナビゲーションツールとして臨床現場への応用が進められている。
蛍光標識剤は、細胞や生体成分、組織などを標識する機能を有する蛍光色素であり、高感度に標識するために、高い蛍光強度を有する必要がある。蛍光標識剤としては、水溶性の有機分子であるシアニン系色素やキサンテン系色素などが用いられるが、非特許文献1、2に記載されるように蛍光強度や耐光性等の光安定性の低さが課題であった。近年、近赤外領域のシアニン系色素であるインドシアニングリーン等を用いて、その蛍光強度を改善する手法が開発されているように(特許文献1)、より高い蛍光強度や光安定性を有する蛍光標識剤が求められている。
さらに、非特許文献1に記載されるように、生体透過性の高い900nm以上の蛍光を発する色素を用いることにより、より深部におけるイメージングが可能になるが、900nm以上で蛍光を発する色素は限られていた。900nm以上に蛍光を発する色素としては、シアニン系の有機色素であるIR1061などが知られているが、上述したようにシアニン系色素は蛍光強度や耐光性等の光安定性が低いことが課題である(非特許文献1)。
国際公開WO2016/152954
BIOINDUSTRY 第34巻、第1号、通算394号、2017年1月12日発行 シーエムシー出版、p.1-5
本発明が解決しようとする課題は、900nm以上の波長領域で蛍光を発し、蛍光強度や耐光性に優れた蛍光標識剤および分散体を提供することである。
本発明者らは前記諸問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、900nm以上に蛍光発光を示し、蛍光強度や耐光性に優れた重合体を見出し、この知見に基づいて本発明をなしたものである。
すなわち本発明は、下記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体[A]を含んでなる蛍光標識剤に関する。
Figure 0007151468000001
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、一価の、置換の直鎖脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の分岐鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の環状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の脂肪族複素環基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基または置換もしくは無置換のアリ-ルオキシカルボニル基を表す。Ar1、Ar2およびAr3は、それぞれ独立に、二価の、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基または置換もしくは無置換の芳香族複素環基を表す。)
また、本発明は、重合体[A]が、下記一般式(2)で表される構造単位を有する重合体[B]である蛍光標識剤に関する。
Figure 0007151468000002
(式中、R5およびR6は、それぞれ独立に、一価の、置換の直鎖脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の分岐鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の環状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の脂肪族複素環基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基または置換もしくは無置換のアリ-ルオキシカルボニル基を表す。R9~R12は、それぞれ独立に、一価の、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の脂肪族複素環基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換のアルコキシカルボニルまたは置換もしくは無置換のアリ-ルオキシカルボニル基を表す。R9とR10、R11とR12は、それぞれ独立に、互いに連結して環を形成しても良い。Ar4は、二価の、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基または置換もしくは無置換の芳香族複素環基を表す。X1およびX2は、それぞれ独立に、酸素、硫黄またはセレンを表す)
また、本発明は、下記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体[A]および水を含んでなる分散体に関する。
Figure 0007151468000003
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、一価の、置換の直鎖脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の分岐鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の環状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の脂肪族複素環基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基または置換もしくは無置換のアリ-ルオキシカルボニル基を表す。Ar1、Ar2およびAr3は、それぞれ独立に、二価の、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基または置換もしくは無置換の芳香族複素環基を表す。)
本発明によって、900nm以上の波長領域で強い蛍光発光と優れた耐光性を示す蛍光標識剤および分散体を提供することができるようになった。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の蛍光標識剤は、一般式(1)で表される構造単位を有する重合体[A]を含むことを特徴とする。一般式(1)で表される構造単位は、重合体[A]の部分構造単位であり、このような構造を有することにより、900nm以上の波長領域で強い蛍光発光を示す。一般式(1)で表される構造単位は、繰り返し構造であることが好ましく、重合体[A]の主鎖に有することが好ましい。繰り返し単位は、特に制限はないが、5~250の範囲内であることが好ましく、10~150の範囲内であることがより好ましい。重合体[A]の質量平均分子量(Mw)は、2000~200000の範囲内であることが好ましく、5000~100000の範囲内であることがより好ましい。
まず、一般式(1)におけるR1およびR2について説明する。R1およびR2における脂肪族炭化水素基とは、一価の脂肪族炭化水素基を指し、直鎖状、分岐鎖状、環状の脂肪族炭化水素基などが挙げられる。また、環状脂肪族炭化水素基としては、単環状または縮合多環状脂肪族炭化水素基などが挙げられる。R1およびR2における無置換の脂肪族炭化水素基としては、上記の内、分岐鎖状または環状脂肪族炭化水素基が挙げられ、無置換の直鎖状脂肪族炭化水素基は含まれない。ただし、後述する置換された脂肪族炭化水素基の場合には、直鎖状脂肪族炭化水素基も含まれる。
直鎖状脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基などが挙げられる。
直鎖状アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基などが挙げられる。
直鎖状アルケニル基としては、ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、1-オクテニル基、1-デセニル基、1-オクタデセニル基などが挙げられる。
直鎖状アルキニル基としては、エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、1-ブチニル基、2-ブチニル基、3-ブチニル基、1-オクチニル基、1-デシニル基、1-オクタデシニル基などが挙げられる。
分岐鎖状炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基などが挙げられる。
分岐鎖状アルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、2-エチルヘキシル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、tert-オクチル基、ネオペンチル基、2-オクチルデシル基、2-オクチルドデシル基などが挙げられる。
分岐鎖状アルケニル基としては、イソプロペニル基、イソブテニル基、イソペンテニル基、5-メチル-3-ヘプテニル基、2-オクチル-7-デセニル基などが挙げられる。
分岐鎖状アルキニル基としては、4-メチル-2-ペンチニル基、2-エチル-4-オクチニル基、2-オクチル-8-デシニル基などが挙げられる。
単環状脂肪族炭化水素基としては、シクロアルキル基などが挙げられ、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロオクタデシル基、4-デシルシクロヘキシル基などが挙げられる。
縮合多環状脂肪族炭化水素基としては、ビシクロ、トリシクロ、テトラシクロなどのアルキル基などが挙げられ、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボルニル基などが挙げられる。
脂肪族炭化水素基としては、溶媒への溶解性や、凝集による蛍光消光の抑制の観点から、分岐鎖状または環状の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。脂肪族炭化水素基の炭素数は、8以上であることが好ましい。炭素数の上限は特に制限はないが、概ね20以下であることが好ましい。
1およびR2における芳香族炭化水素基としては、一価の、単環、縮合環および環集合芳香族炭化水素基が挙げられる。
ここで、単環芳香族炭化水素基としては、フェニル基、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、2,4-キシリル基、p-クメニル基、メシチル基などが挙げられる。好ましくは、炭素数6~18の単環芳香族炭化水素基が挙げられる。
また、縮合環芳香族炭化水素基としては、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1-アンスリル基、2-アンスリル基、5-アンスリル基、1-フェナンスリル基、9-フェナンスリル基、1-アセナフチル基、2-アズレニル基、1-ピレニル基、2-トリフェニレル基などが挙げられる。好ましくは、炭素数10~18の縮合環炭化水素基が挙げられる。
また、環集合芳香族炭化水素基としては、o-ビフェニリル基、m-ビフェニリル基、p-ビフェニリル基などが挙げられる。好ましくは、炭素数12~18の環集合炭化水素基が挙げられる。
1およびR2における脂肪族複素環基とは、一価の脂肪族複素環基を指し、2-ピペリジル基、ピペリジノ基、モルホリノ基、2-モルホリノ基などが挙げられる。好ましくは、炭素数3~18の脂肪族複素環基が挙げられる。
1およびR2における芳香族複素環基とは、一価の芳香族複素環基を指し、2-フリル基、3-フリル基、2-チエニル基、3-チエニル基、1-ピロ-リル基、2-ピロ-リル基、3-ピロ-リル基、2-ピリジル基、3-ピリジル基、4-ピリジル基、2-ピラジル基、2-オキサゾリル基、3-イソオキサゾリル基、2-チアゾリル基、3-イソチアゾリル基、2-イミダゾリル基、3-ピラゾリル基、2-キノリル基、3-キノリル基、4-キノリル基、5-キノリル基、6-キノリル基、7-キノリル基、8-キノリル基、1-イソキノリル基、2-キノキサリリル基、2-ベンゾフリル基、2-ベンゾチエニル基、N-インドリル基、N-カルバゾリル基、9-アクリジニル基などが挙げられる。これらの内、好ましくは、炭素数2~18の芳香族複素環基が挙げられる。
1およびR2におけるアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。
1およびR2におけるアリ-ルオキシカルボニル基としては、フェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基などが挙げられる。
以上説明した無置換の、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂肪族複素環基、芳香族複素環基、アルコキシカルボニル基、アリ-ルオキシカルボニル基は、さらに構造中の一部がその他置換基によって置換されていても良い。そのような置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子といったハロゲン原子や、水酸基、エーテル基(エーテル結合)、カルボニルオキシ基(エステル結合)、カルボニル基、トリアルキルシリル基、トリアリールシリル基、シアノ基、カルボキシル基、スルホ基、スルホン酸塩基、アリ-ルオキシ基、N,N-ジアルキルアミノ基、N,N-ジアリールアミノ基の他、前述の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂肪族複素環基、芳香族複素環基等が挙げられる。例えば、置換脂肪族炭化水素基とは、脂肪族炭化水素基以外の置換基によって置換された一価の脂肪族炭化水素基を指し、例えば、ハロアルキル基等のハロゲン置換脂肪族炭化水素基やヒドロキシアルキル基等の水酸基置換脂肪族炭化水素基などが挙げられる。
重合体[A]の親水性を向上したい場合には、R1およびR2に親水性が向上するような基を導入することが好ましい。そのような態様の一つとして、構造中にエーテル結合を有する置換脂肪族炭化水素基が挙げられ、例えば、エチレンオキシ基やエチレンオキシ基等のアルキレンオキシ基で置換された脂肪族炭化水素基等が挙げられる。具体例としては、-CH2-O-CH3、-CH2-CH2-O-CH2-CH3、-CH2-CH2-CH2-O-CH2-CH3、-(CH2-CH2-O)n-CH3(ここでnは1以上の整数)、-(CH2-CH2-CH2-O)m-CH3(ここでmは1以上の整数)、-CH2-CH(CH3)-O-CH2-CH3、-CH2-CH-(OCH32等を挙げることができる。特に、親水性や凝集抑制の観点から、-(CH2-CH2-O)l-(lは1以上の整数)の繰返し単位構造を有することが好ましく、lが3以上であることがより好ましい。
次に、一般式(1)におけるAr1、Ar2およびAr3について説明する。Ar1、Ar2およびAr3は、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基または置換もしくは無置換の芳香族複素環基であり、いずれも二価の基である。即ち、置換基によって置換されていてもよい2価の芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を意味する。ここで、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基としては、それぞれ単環、縮合環、環集合炭化水素基が挙げられる。
ここで、単環芳香族炭化水素基としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、メシチレン等の単環芳香族炭化水素より水素原子2個が失われた構造を有する2価の基が挙げられる。好ましくは、炭素数6~18の単環芳香族炭化水素基が挙げられる。
また、縮合環炭化水素基としては、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の縮合環芳香族炭化水素より水素原子2個が失われた構造を有する2価の基が挙げられる。好ましくは、炭素数10~18の縮合環炭化水素基が挙げられる。
また、環集合炭化水素基としては、ビフェニル、ターフェニル等の環集合芳香族炭化水素より水素原子2個が失われた構造を有する2価の基が挙げられる。好ましくは、炭素数12~18の環集合炭化水素基が挙げられる。
また、芳香族複素環基としては、フラン、チオフェン、セレノフェン等の芳香族複素環より水素原子2個が失われた構造を有する2価の基が挙げられる。好ましくは、炭素数2~18の芳香族複素環基が挙げられる。これら芳香族複素環基は、単環、縮合環のいずれでも良い。特に合成の簡便さ、光学特性の観点から、芳香族複素環基の内、フランまたはチオフェンを含む芳香族複素環基より水素原子2個が失われた構造を有する2価の基であることが好ましい。
これら、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基は、さらに他の置換基によって置換されていても良い。そのような置換基としては、上記R1およびR2の説明における置換基と同じものが挙げられる。
本発明における重合体[A]の具体例としては、以下の構造が挙げられるが、本発明の色素はこれらに限定されるものではない。

表1
Figure 0007151468000004
Figure 0007151468000005
Figure 0007151468000006
Figure 0007151468000007
Figure 0007151468000008
Figure 0007151468000009
本発明の蛍光標識剤は、一般式(2)で表される構造単位を有する重合体[B]を含むことが好ましい。一般式(2)において、R5およびR6、R9~R12における脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂肪族複素環基、芳香族複素環基、アルコキシカルボニル基、アリ-ルオキシカルボニル基とは、一般式(1)におけるR1およびR2における脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂肪族複素環基、芳香族複素環基、アルコキシカルボニル基、アリ-ルオキシカルボニル基と同義である。
また、一般式(2)におけるR9とR10、R11とR12は、それぞれ独立に、互いに連結して環を形成しても良い。R9とR10、R11とR12が互いに連結して形成される環としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、スクシンイミド、N-メチルスクシンイミド、ピロリドン、ピペリジン、モルホリン、オキサシクロペンタン、オキサシクロヘキサン、オキサシクロヘプタン、ジオキサシクロペンタン、ジオキサシクロヘキサン、ジオキサシクロヘプタンなどが挙げられる。
一般式(2)におけるAr4の芳香族炭化水素基、芳香族複素環基は、一般式(1)におけるAr1、Ar2およびAr3における芳香族炭化水素基、芳香族複素環基と同義である。
(蛍光標識剤)
本発明の蛍光標識剤は、一般式(1)で表される構造単位を有する重合体[A]を含んでなることを特徴とする。本発明の蛍光標識剤の用途は特に限定されないが、例えば、タンパク質や生体内の低分子化合物を蛍光ラベルすることで、生体内での挙動を可視化することが挙げられる。
これらの用途の場合、水中で蛍光標識剤が蛍光を発光する必要があるが、蛍光標識剤を水溶性とするか、水中に分散させることが好ましい。重合体[A]にスルホン酸ナトリウム基やポリエチレングリコール基などを導入することにより水溶性とすることができるが、蛍光強度や分散安定性、耐光性の観点から、重合体[A]を含む粒子を水中に分散させた分散体として使用することが好ましい。
さらに、標的選択性を持たせるために、重合体[A]を含む粒子に、標的とする細胞やタンパク質に特異的に発現する抗原などのターゲット分子に結合する物質を修飾することが好ましい。ターゲット分子に結合する物質としては、ターゲット分子と特異的に結合する一次抗体、その一次抗体に結合する二次抗体、アビジン、ビオチン、あるいは糖鎖などが挙げられる。
(分散体の作製方法)
本発明における重合体[A]は、単独で水中に分散させることができる。分散体の作製方法は特に限定されないが、例えば、重合体[A]を有機溶媒中に溶解し、溶液を水中に注入した後、有機溶媒を留去することにより分散体が得られる。
また、重合体[A]の分散体を作製する際、特に非水溶性の重合体[A]を使用して水性分散体を作製する場合、両親媒性物質を用いることにより、より効率よく安定な分散体を作製することができる。両親媒性物質とは、一つの分子内に親水基と疎水基を有する分子の総称であり、代表的なものとして界面活性剤やリン脂質などがある。両親媒性物質は一種類のみを使用してもよく、二種類以上を混合して使用してもよい。本実施形態に関わる両親媒性物質としては、特に限定されることはなく、本発明における重合体[A]を可溶化することができればいかなるものでもよい。
両親媒性物質としては、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、高分子界面活性剤などを挙げることができる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、Tween(登録商標)20、Tween(登録商標)40、Tween(登録商標)60、およびTween(登録商標)80などのポリオキシエチレンソルビタン系脂肪酸エステル、Cremophor(登録商標)ELおよびCremophor(登録商標)RH60などのポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、Solutol(登録商標)HS 15などの12-ヒドロキシステアリン酸-ポリエチレングリコールコポリマー、あるいはTriton(登録商標)X-100およびTriton(登録商標)X-114などのオクチルフェノールエトキシレートなどを挙げることができる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウムおよび塩化ラウリルトリメチルアンモニウムなどのアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化セチルピリジニウムなどのアルキルピリジニウム塩、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩および塩化ポリ(N,N’-ジメチル-3,5-メチレンピペリジニウム)などのアルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモリホニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム、あるいは塩化ベンゼトニウムなどを挙げることができる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホネート、デシルベンゼンスルホネート、ウンデシルベンゼンスルホネート、トリデシルベンゼンスルホネート、ノニルベンゼンスルホネート並びにこれらのナトリウム、カリウム及びアンモニウム塩などが挙げられる。
高分子界面活性剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、あるいはポリエチレングリコール-ポリアルキル、ポリエチレングリコール-ポリ乳酸、ポリエチレングリコール-ポリカプロラクトン、ポリエチレングリコール-ポリグリコール酸、およびポリエチレングリコール-ポリ(ラクチド-グリコリド)などのブロック共重合体を挙げることができる。
リン脂質としては、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジミリストリルホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジオレイルホスファチジルコリン(DOPC)、およびジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)などの合成リン脂質、あるいはホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジン酸、カルジオリピン、スフィンゴミエリン、卵黄レシチン、大豆レシチン、およびリゾレシチンなどの天然リン脂質を挙げることができる。
両親媒性物質を用いた分散体の作製方法は、特に限定されないが、例えば、本発明における重合体[A]と両親媒性物質を有機溶媒中に溶解した後、有機溶媒を留去し、水に再溶解させる方法、あるいは本発明における重合体[A]と両親媒性物質を有機溶媒に溶解した溶液に水を注入し、有機溶媒を留去する方法などを挙げることができる。
前者の方法では、有機溶媒の留去が容易であり、本発明における重合体[A]と両親媒性物質の濃度も比較的容易に見積もることができるといった利点がある。有機溶媒の留去には、エバポレーターなどによる減圧留去装置が好適に用いられる。溶媒留去時の温度は、15℃から有機溶媒の沸点温度の範囲で任意に設定することができる。水に再溶解させるときは、プロペラ撹拌機、タービン撹拌機、ボルテックスミキサー、撹拌子を用いたマグネティックスターラーによる撹拌、あるいは超音波照射装置による分散などが好適に用いられる。また、コロイドミルなどを併用してもよい。
後者の方法では、ミセル粒子を均一に調製し易いといった利点がある。有機溶媒に溶解した溶液に水を注入するとき、溶液は撹拌あるいは超音波照射した状態とし、水を短時間で注入することが好ましい。撹拌は上記と同様の装置で行うことができる。水注入時の温度は、15℃から有機溶媒の沸点より5℃低い温度の範囲で任意に設定することができる。有機溶媒の留去は、撹拌あるいは超音波照射した状態で常圧の下に留去する方法、あるいはエバポレーターなどにより減圧留去する方法が好ましい。溶媒留去時の温度は、15℃から有機溶媒の沸点温度の範囲で任意に設定することができる。
上記の作製方法で使用される有機溶媒としては、ヘキサン、シクロへキサン、およびヘプタンなどの炭化水素類、アセトンおよびメチルエチルケトンなどのケトン類、ジエチルエーテルおよびテトラヒドロフランなどのエーテル類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、およびトリクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、ベンゼンおよびトルエンなどの芳香族炭化水素、酢酸エチルおよび酢酸ブチルなどのエステル類、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、およびN-メチル-2-ピロリドンなどの非プロトン性極性溶媒類、あるいはピリジン誘導体を挙げることができる。これらの溶媒は、単独で使用してもよく、混合して使用してもよい。
上記の作製方法で使用される水としては、イオン交換水、蒸留水、あるいは超純水を挙げることができる。細胞を扱う場合は、生理条件に近づけるために水に塩を加えた生理食塩水、さらにリン酸緩衝剤を加えたリン酸緩衝生理食塩水などを好適に用いることができる。また、上記方法にて作製した分散体を透析にかけることで、有機溶媒を完全に除去してもよい。
(蛍光標識剤の組成割合)
本発明における分散体は、重合体[A]と水を含み、目的に応じて上記の両親媒性物質等を含んでもよい。本発明の分散体において、重合体[A]の濃度は特に限定されないが、例えば、細胞を扱う場合、細胞の機能障害や増殖阻害などへの影響を考量すると、濃度は低い方が好ましく、重合体[A]の濃度は、一般式[A]で表される構造単位の濃度が100μM以下であることが好ましい。また同様に、両親媒性物質の濃度も低い方が好ましく、両親媒性物質の量は重合体[A]に対して500倍質量以下が好ましく、200倍質量以下がより好ましく、100倍質量以下がさらに好ましい。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中「部」および「%」とは、特に断りのない限り、それぞれ「質量部」および「質量%」を表す。尚、重合体の質量平均分子量(Mw)は、以下の条件によって測定した標準物質であるポリスチレンの換算値である。

装置名:昭和電工社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「ShodexGPC System-21」
カラム:東ソー社製GMHXL:4本、東ソー社製HXL-H:1本を直列に連結した。
移動相溶媒 : テトラヒドロフラン(THF)
流量 : 1.0mL/分
カラム温度 : 40℃
[合成例1]
重合体(1)の合成方法
反応式1~反応式4に従って重合体(1)を合成した。
Figure 0007151468000010
以下、反応式1を参照しながら合成方法を説明する。
窒素雰囲気下、tert-アミルアルコール125部中、攪拌下に水素化ナトリウム(含有量60%)4.28部を添加した。さらに、2-シアノチオフェン11.7部、コハク酸ジイソプロピル9.71部をtert-アミルアルコール9部に溶解し、添加した。100℃ まで加熱昇温し、4時間撹拌した。その後60℃ まで冷却し、この温度において酢酸12.6部及びメタノール180部の混合液を滴下し、滴下終了後、0.5時間60℃加熱を施した。次に、ろ過し、メタノールにより洗浄した後に60℃ で乾燥し、化合物(I)を8.88部得た。マススペクトル(ブルカーダルトニクス社製、Auto
flexII)、 1H‐NMR、および13C‐NMR(日本電子社製、ECX-400P)によって同定した。
Figure 0007151468000011
以下、反応式2を参照しながら合成方法を説明する。
窒素雰囲気下、ジメチルアセトアミド(DMAc)32部に、上記の方法により得られた化合物(I)を3.00部、tert-ブトキシナトリウム2.11部を加え、50℃
まで加熱し、30分間撹拌した。次に、9-(ブロモメチル)ノナデカン7.94部を加え、50℃において3時間攪拌した。反応液を氷水160部に注入し、25℃で1時間攪拌した。濾過した後、水、メタノール洗浄し、60℃で乾燥することにより、暗赤色粉末の粗成物を3.57部得た。得られた粗成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物(II)を得た。マススペクトル(ブルカーダルトニクス社製、A
utoflexII)、 1H‐NMR、および13C‐NMR(日本電子社製、ECX-400P)によって同定した。
Figure 0007151468000012
以下、反応式3を参照しながら合成方法を説明する。
窒素雰囲気下、上記の方法により得られた化合物(II)1.00部をクロロホルム1
50部に懸濁し、攪拌下に0℃ まで冷却した。この温度においてN-ブロモコハク酸イミド(NBS)0.45部を添加し、室温に戻し12時間攪拌した。水500部とメタノール400部の混合液中に滴下し、析出した固体粗成物を減圧濾過により濾集した。得られた粗成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物(III)を
得た。マススペクトル(ブルカーダルトニクス社製、AutoflexII)、 1H‐NMR、および13C‐NMR(日本電子社製、ECX-400P)によって同定した。
Figure 0007151468000013
以下、反応式4を参照しながら合成方法を説明する。
シュレンク管に、上記の方法により得られた(III)で表される化合物1.00部、2
,5-ビス(トリメチルスタンニル)チエノ[3,2-b]チオフェンを0.45部、トリ(o-トリル)ホスフィン(P(o-tol)3)を0.03部、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(Pd2(dba)3)を0.02部、トルエンを80部入れ、凍結脱気法により酸素を除去した後、窒素雰囲気下とし、懸濁液を100℃で8時間加熱撹拌した。反応液をメタノール8000部に滴下し、析出した固体を減圧濾過により濾集し、重合体(1)を得た。得られた表1に示した重合体(1)の構造は、マススペクトル、 1H‐NMR、および13C‐NMRによって同定した。また、GPCによる分析の結果、質量平均分子量は53000であった。
[合成例2~50]
重合体(1)の合成と同様に、以下に示す反応式5~8に従って、表1に示した重合体(2)~(45)および(50)をそれぞれ合成した。重合体(46)~(49)は、Ar1-CNおよびAr2-CNにおいて、臭素を有する原料を用い、反応式5、6、8に従って合成した。反応式5におけるAr1-CNおよびAr2-CNに相当する材料は、表2に示した材料を使用した。また、反応式6におけるR1-BrおよびR2-Brに相当する材料のR1およびR2は、表1中のそれぞれ相当するR1およびR2である。また、各合成における各材料の配合は、重合体(1)の合成と同じ当量比で行い、得られた表1に示した重合体(2)~(50)の構造は、マススペクトル、 1H‐NMR、および13C‐NMRによって同定した。また、得られた重合また、得られた重合体のMwは、いずれも2000~200000の範囲内であった。
Figure 0007151468000014
Figure 0007151468000015
Figure 0007151468000016
Figure 0007151468000017
表2
Figure 0007151468000018
[実施例1]
<分散体K-1の作製>
蛍光標識剤として重合体(1)を1部、両親媒性物質としてポリエチレングリコール(PEG)・ポリカプロラクトン(PCL)ブロック共重合体(シグマアルドリッチ社製、PEG分子量5000、PCL分子量5000)100部をテトラヒドロフラン20000部に溶解した。得られた溶液を25℃で撹拌下、水25000部を素早く滴下した。さらに、25℃で12時間撹拌することでテトラヒドロフランを留去した後、0.45μmナイロン製メンブレンフィルターを通して濾過し、重合体(1)がPEG-PCLミセル内に可溶化された分散体を得た。
[実施例2~50]
<分散体K-2~50の作製>
重合体(1)を重合体(2)~(50)にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして、分散体K-2~50をそれぞれ作成した。
[実施例51]
<分散体K-51の作製>
両親媒性物質をポリエチレングリコール(PEG)・ポリ乳酸(PLGA)ブロック共重合体(シグマアルドリッチ社製、PEG分子量5000、PLGA分子量7000)に変更した以外は、実施例1と同様にして、分散体K-51を作成した。
[実施例52]
<分散体K-52の作製>
蛍光標識剤として重合体(1)1部を、テトラヒドロフラン5000部に溶解し、700rpmで撹拌しながら水25000部に滴下した。25℃で24時間撹拌しテトラヒドロフランを完全に留去した。0.2μmのナイロン製メンブレンフィルターを通して濾過し、重合体(1)の分散体を得た。
[比較例1]
<分散体K-53の作製>
重合体(1)をIR1061(4-[2-[2-クロロ-3-[(2,6-ジフェニル-4H-チオピラン-4-イリデン)エチリデン]-1-シクロヘキセン-1-イル]エテニル]-2,6-ジフェニルチオピリリウムテトラフルオロボラート、シグマアルドリッチ社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、本発明の分散体ではない分散体K-53を作成した。
<蛍光強度評価、耐光性評価>
各々の分散体について、蛍光光度計(日本分光株式会社製、FP-8700)を用いて蛍光スペクトルを測定し、蛍光波長950~1200nmにおける蛍光強度の積分値を求めた。比較例1で得られた分散体K-53の950~1200nmにおける蛍光強度の積分値を1とした時の、各分散体の蛍光強度の相対値を算出し、下記の基準に基づいて評価した。蛍光強度の相対値が1以上である場合、重合体(1)は蛍光標識剤としての特性を有するといえる。
△:0.8以上、1.2未満(やや不良)
〇:1.2以上、2未満(良好)
◎:2以上(極めて良好)
<耐光性評価>
各々の分散体について、蛍光測定時の励起波長の光を、蛍光光度計(日本分光株式会社製、FP-8700)を用いて1時間照射し、照射前後の吸収スペクトルをそれぞれ分光光度計(株式会社日立ハイテクノロジーズ社製、U-4100)を用いて測定した。照射前の最大吸収波長の吸光度I0と照射後の最大吸収波長の吸光度I1を記録し、I1/I0値を耐光性の指標とした。I1/I0の値が1に近いほど耐光性が良好であり、評価が〇であれば良好である。
〇:I1/I0が0.9以上(良好)
×:I1/I0が0.9未満(不良)
以下、表3に励起波長と、蛍光強度評価と耐光性評価の結果を示す。

表3
Figure 0007151468000019
本発明の重合体を用いて作製した分散体K-1~52(実施例1~52)は、900nm以上に蛍光を発する数少ない有機色素の中でも蛍光強度の高いIR1061を用いて作製した分散体K-53(比較例1)よりも蛍光強度、耐光性が良好であった。その中でも特に、チオフェンやチエノチオフェンなど、チオフェン骨格を含む重合体においてより優れた結果を示した。
蛍光バイオイメージングにおいて、生体透過性が高い900nm以上の蛍光を発する色素が求められているが、900nm以上に蛍光を発する蛍光色素は限られていた。有機色素としては、IR1061のようなシアニン系色素があるが、水中における蛍光強度や耐光性が課題であった。本発明の重合体を用いた蛍光標識剤は、水中において900nm以上の蛍光発光を示し、従来の有機色素よりも蛍光強度、耐光性が優れていた。

Claims (2)

  1. 重合体[A]を含んでなることを特徴とする蛍光標識剤であって、
    前記重合体[A]が、下記一般式(2)で表される構造単位を有する重合体[B]であることを特徴とする蛍光標識剤
    Figure 0007151468000020
    (式中、R 5 およびR 6 は、それぞれ独立に、一価の、置換の直鎖脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の分岐鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の環状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の脂肪族複素環基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基または置換もしくは無置換のアリ-ルオキシカルボニル基を表す。R 9 ~R 12 は、それぞれ独立に、一価の、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の脂肪族複素環基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換のアルコキシカルボニルまたは置換もしくは無置換のアリ-ルオキシカルボニル基を表す。R 9 とR 10 、R 11 とR 12 は、それぞれ独立に、互いに連結して環を形成しても良い。Ar 4 は、二価の、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基または置換もしくは無置換の芳香族複素環基を表す。X 1 およびX 2 は、それぞれ独立に、酸素、硫黄またはセレンを表す)
  2. 重合体[A]および水を含んでなることを特徴とする分散体であって、
    前記重合体[A]が、下記一般式(2)で表される構造単位を有する重合体[B]であることを特徴とする分散体
    Figure 0007151468000021
    (式中、R 5 およびR 6 は、それぞれ独立に、一価の、置換の直鎖脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の分岐鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の環状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の脂肪族複素環基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基または置換もしくは無置換のアリ-ルオキシカルボニル基を表す。R 9 ~R 12 は、それぞれ独立に、一価の、置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の脂肪族複素環基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換のアルコキシカルボニルまたは置換もしくは無置換のアリ-ルオキシカルボニル基を表す。R 9 とR 10 、R 11 とR 12 は、それぞれ独立に、互いに連結して環を形成しても良い。Ar 4 は、二価の、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基または置換もしくは無置換の芳香族複素環基を表す。X 1 およびX 2 は、それぞれ独立に、酸素、硫黄またはセレンを表す)
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