JP7151195B2 - 防食構造の形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車の車体に好適に適用することのできる防食構造及びその形成方法に関する。
一般的な自動車の車体は、プレス成形・鋳造等によって形成した、鋼板・アルミ材等の複数のパネルにより構成されている。これらのパネルの大部分は、隣接するパネルの端部同士を重ね合せ、スポット溶接・リベット・かしめ等の点接合により接合されることで組み立てられることが一般的である。点接合は、線接合に対し生産性に優れるためである。
そして、このような接合工程の後、耐食性の確保のため、下塗り塗装工程を施すことが一般である。さらに、車体の下部では、走行時において、タイヤが巻き上げた路面の水や泥が表面に付着し、また石等による下塗装被膜の損傷(チッピング)を受けやすい。
このため、使用されるパネルには、各種Zn系めっき(溶融Znめっき、電気Znめっき等)を予め施し、耐食性を向上させた鋼板が多く使用されている。
ここで、Znは腐食を生じやすい金属であり、緩やかな腐食環境でも軽微な腐食を早期に生じる。しかし、Zn系めっきは、腐食生成物として発生した塩基性塩化亜鉛[ZnCl・4Zn(OH)]等がめっき及び鋼板表面を覆い、保護層となる。これにより、めっき及び鋼板の腐食進行を抑制する効果が得られる。また、この塩基性塩化亜鉛は、不導体である。このため、鋼板とアルミ材の接合部(合せ面)において、両板間に流れるガルバニック腐食電流に対して大きな電気抵抗となり、ガルバニック腐食を抑制する効果もある。ただし、Zn系めっきによる防食効果だけでは十分でないため、Zn系めっきと下塗り塗装による防食効果を併せるようにしている。これにより、車両を長期の過酷な条件で使用しても、車体の一般面(隙間や袋形状部以外)の機能と美観を維持することが可能になる。
しかし、自動車車体では、パネルの接合工程の後に、下塗り塗装を施すため、接合の合せ面の内部の狭い隙間には、下塗り塗装が入りにくく、塗装被膜を形成しにくい。さらに、このような狭い合せ面の隙間へ、合せ面の開口部から水分が浸入すると、隙間腐食現象の発生等により、一般面よりも腐食が急速に進行し、早期に穴開き等の不具合が発生する。さらに、鋼板とアルミ材の接合においては、ガルバニック腐食現象の発生により、アルミ材において、さらに急速な腐食が生じる。これらの対策として、下塗り塗装後に防水シーラーを合せ面の開口部に塗布し、外部と遮断することで、合せ面内への水分の浸入を防止する対策が一般に用いられている。
防水シーラーは、走行時等に被水を受ける片側の開口部のみに塗布される場合もあるが、接合部の両側(タイヤ側・エンジンルーム側)から、タイヤの巻き上げた水や雨水の被水を受ける部材では、各パネルの接合部合せ面には、両側の端部に防水シーラーが塗布され、合せ面への水分の浸入を防止している。ところが、長期間の自動車の使用により、防水シーラーの一部にクラックや剥離が生じた場合、微小な隙間であっても毛細管現象により合せ面内への水分の浸入が生じる。このとき、合せ面内は、外部との間に通気がない、袋形状部かつ狭い空間となっているために、隙間腐食現象が発生する。隙間腐食現象が発生すると合せ面内は酸性化を生じ、酸性化により保護層となる塩基性塩化亜鉛が生じにくくなる。このため、防食効果が機能しないまま、腐食、特に隙間腐食現象が発生し、Zn系めっき及び鋼板の腐食が進行してしまう。鋼板とアルミ材の接合においては、ガルバニック腐食現象により、アルミ材の腐食が急速に進行する不具合が生じる。
これらへの対策の従来技術として、特許文献1に示される高耐食性めっきを用いる方法がある。しかしながら、小面積である接合部合せ面の耐食性向上のために、パネル全体に対して、一般的なZn系めっきと比較して高価な表面処理を施すことは、一般面では過剰な防食性能となってしまい、効率的ではない。また、高耐食性めっきは、Zn系めっきと同様に、合せ面内では、塩基性塩化亜鉛等の保護層の形成が生じにくいため、本来のめっきの耐食性能が発揮されにくい。
特開2001-11665
本発明は、前記事情に対して、塗装被膜の形成されにくい金属部材の重ね合わせ部の腐食を防止することができ、特に自動車に好適に適用することのできる防食構造及びその形成方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明に係る防食構造は、少なくとも一方がZn系めっき鋼板からなる、二枚の金属部材を接合するための接合部の防食構造であって、前記接合部の外周をシールし、少なくとも一部が膨張形成されたシーラーと、前記接合部内部に位置するZn系めっき層上に形成された塩基性塩化亜鉛からなる保護層とを備える。
本発明に係る防食構造は、その一実施の形態で、前記二枚の金属部材が閉断面空間を構成し、前記閉断面空間がその内面を塗装するための貫通孔を有し、前記シーラーによって前記閉断面空間内の接合部がシールされるようにしている。
本発明に係る防食構造は、その一実施の形態で、前記二枚の金属部材の両方がZn系めっき鋼板からなる。
本発明に係る防食構造は、その一実施の形態で、 前記二枚の金属部材の一方がZn系めっき鋼板からなり、他方がアルミニウム材からなる。
本発明は、他の側面で、防食構造の形成方法であり、少なくとも一方がZn系めっき鋼板からなる、二枚の金属部材を接合するための接合部の防食構造の形成方法であって、前記接合部内部に位置するZn系めっき層上に、塩基性塩化亜鉛からなる保護層を形成してから、前記接合部の外周をシールするためのシーラーの少なくとも一部を膨張させることにより、前記接合部のシールを完了するようにしてなる
本発明によれば、塗装被膜の形成されにくい金属部材の重ね合わせ部の腐食を防止することができ、特に自動車に好適に適用することのできる防食構造及びその形成方法が提供される。
本発明に係る防食構造及びその形成方法の適用される自動車の一実施の形態を説明する概念的斜視図である。 本発明に係る防食構造及びその形成方法の適用されるパネルの一般的断面構造を説明する概念的断面図である。 本発明に係る防食構造の形成方法の一実施の形態を説明するフローチャートである。 本発明に係る防食構造の形成方法の一実施の形態について、その手順を説明するためにパネル同士の接合部を示す断面図である。 本発明に係る防食構造の形成方法の一実施の形態について、その手順を説明するためにパネル同士の接合部を示す断面図である。 本発明に係る防食構造の形成方法の一実施の形態について、その手順を説明するためにパネル同士の接合部を示す断面図である。 本発明に係る防食構造の形成方法について、他の実施の形態を説明するフローチャートである。 本発明に係る防食構造の形成方法について、他の実施の形態の手順を説明するためにパネル同士の接合部を示す、図1のVIII-VIII線による断面図である。 本発明に係る防食構造の形成方法について、他の実施の形態の手順を説明するためにパネル同士の接合部を示す、図1のVIII-VIII線による断面図である。 本発明に係る防食構造の形成方法について、他の実施の形態の手順を説明するためにパネル同士の接合部を示す、図1のVIII-VIII線による断面図である。
以下、本発明に係る防食構造及びその形成方法の実施の形態を、添付図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明の理解のための例示的なものである。本発明は、以下の実施の形態によって限定されるものではない。
図1は、本発明に係る防食構造及びその形成方法の適用される自動車の車体について、その一実施の形態を、概念的に示す。図1は、極めて概念的に図解しており、車体1は、ルーフパネル2、ダッシュパネル3、ピラー4、サイドシル5及びサイドメンバ6を備える。パネル状に図示したものは、フロントタイヤハウス用のパネル7である。パネル7は、少なくとも二枚のパネルを接合することにより作製される。
なお、パネル7は、本発明の適用の対象となる金属部材の一形態である。
図2に、パネル7の接合部8の断面を概念的に示す。パネル7は、図示のようにパネル7Aと、パネル7Bとを合せ面9で点接合10することでパネル化される。図2は、接合の完了前の状態を示している。向かってパネル7Aから左側がタイヤ側であり、パネル7Bから右側がエンジンルーム側である。パネル7Aとパネル7Bとは、各々の合せ面9、9同士で接合される。このようなパネル7は、タイヤ側からも、エンジンルーム側からも被水11、12する。
なお、図2は、パネル7Aと、パネル7Bとを、上下(縦)方向に図示している。しかし、本明細書及び図面を用いた後の説明では、パネルを水平方向に示し、かつ図2の鏡像イメージで示すことがある。そのような場合であっても、本発明の技術的概念に差異はない。
図3にパネル7の一般的な製造方法を示す。
まず、パネル7A、7Bのようなパネル構成要素をプレス又は鋳造によって成形する(工程301)。
次いで、これらパネル7A、7Bを接合する(工程302)。そして、下塗り塗装する(工程303)。その後、シーラーを施す(工程304)。なお、工程304では、ワックス塗布も必要に応じて行う。最後に、中・上塗り塗装工程305を実施する。なお、塗装工程は、一般的には電着塗装工程として実施する。
次に、図4~6を参照して、本発明に係る防食構造及びその形成方法の一実施の形態を説明する。
図4は、図3のシーラー塗布工程304で、接合部8のシーリングが完了する前の状態を示している。図4~6に示す実施の形態では、パネル7A及び7B共にZn系めっきが施された鋼板を用いている。
図4~6に従って、本実施の形態に係る防食構造の形成方法を説明することによって、本実施の形態に係る防食構造自体も説明する。
図2について説明したように、パネル7Aと、パネル7Bとを合せ面9、9で点接合する(図3の接合工程302)。合せ面9、9の間には、隙間13が形成される。なお、パネル7A及び7Bは、鋼板15にZn系めっき16を施したものを採用している。
このように点接合した後、パネル7A及び7Bの両面に下塗り塗装を施し、下塗り塗膜被膜17を形成する(図3の下塗り工程303)。
下塗り工程303の終了後、隙間13の一方の開口部18には、従来技術と同様に防水シーラー19を塗布して外部と遮断する(図3の工程304)。同工程304において、他方の開口部20には、その近傍の所定の位置に、発泡性樹脂21を塗布する。図4は、断面構造を示しており、防水シーラー19及び発泡性樹脂21は、紙面に垂直又は略垂直な方向に延伸する。
ここで、隙間13内と外部との間は、開口部20を通して通気が確保できる。
発泡性樹脂21を構成する素材としては、当業者に公知の市販のものを用いる。好適には発泡硬化後、硬質発泡ポリウレタンとなる発泡性樹脂を用いる。このような発泡性樹脂は、一般的に、NCO(イソシアネート)基を2個以上有するポリイソシアネートとOH(ヒドロキシル)基を2個以上有するポリオールを、触媒(アミン化合物等)、発泡剤(水、フルオロカーボン等)、整泡剤(シリコーンオイル)などと一緒に混合したものである。パネルに適用した後、泡化反応と樹脂化反応を同時に起こし、硬化後均一なプラスチック発泡体を形成する。なお、このような挙動を示す発泡性樹脂であれば、他の樹脂であっても用いることができる。
ここで、発泡性樹脂21は、発泡による体積膨張が5日間~30日間緩やかに継続し、かつ、体積膨張完了後も防水性・気密性を維持でき、発泡による空孔が連結しにくいものを使用する。
なお、発泡性樹脂21は、体積膨張完了後シーラーの一部をなすものとして把握される。
この属性により、発泡性樹脂21は、開口部20の近傍に塗布後、図5に示すように体積膨張を始める。一方で、下塗り塗装後も合せ面9、9に露出するZn系めっき(層)16は、空気中の水蒸気の存在によって反応し、保護層22を形成し始める(同図5)。すなわち、シーラー塗布工程304中、隙間13内は、外部との通気が確保されているため、水分(湿気等)の浸入によりZn系めっき16の表面にて軽微な腐食が生じ、防食効果の高い保護層22[塩基性塩化亜鉛{ZnCl・4Zn(OH)}]が生じる。5日以上経過すると、この塩基性塩化亜鉛が十分な量となり、完成した保護層22となる。なお、本実施の形態では、保護層22が形成されるまでの操作をシーラー塗布工程304に含めている。
保護層22の形成が、図6に示すように完了すると、発泡性樹脂21の体積膨張も完了し、開口部20も閉成する。採用する発泡性樹脂21は、このようなタイミングに合わせて適宜、公知の市販のものを選択することができる。
その後、仕様上の必要に応じて中・上塗り塗装工程305(図3)を実施する。
発泡性樹脂21の体積膨張が完了すると、接合部8の外周のシールが完了する。すなわち、本実施の形態に係る防食構造の形成方法が完了し、本実施の形態に係る防食構造が完成する。
本実施の形態に係る防食構造では、隙間13内と外部とは遮断され、水分の浸入が生じない。このように、隙間13への水分の浸入を防止することで、長期間にわたり、隙間13内の腐食の進行を停止させることができる。
さらに、本実施の形態に係る防食構造では、長期間の過酷な条件での使用により、防水シーラー19及び/又は発泡性樹脂21において、経年劣化によるクラックや剥離23が生じ、水分24が合せ面内に浸入した場合も、保護層22によって、腐食の進行を大幅に抑制することができる。
以上のような効果により、高価な高耐食性めっき、又は、高耐食性鋼板を使用しなくても、一般的に自動車に使用されているZn系めっき鋼板で十分に、防食効果を得ることができる。また、合せ面に対し、防錆剤を塗布する必要がない。この結果、低粘度の防錆剤によって合せ面に保護層の形成が阻害されることがなく、高粘度の防錆剤により点溶接の圧着が不足することもない。
なお、本発明に係る防食構造では、パネル7Aと7Bの組み合わせが、鋼板-アルミニウム材の組合せであってもよい。この場合、鋼板-アルミニウム材間に水が浸入しても、不導体である塩基性塩化亜鉛の保護層が大きな電気抵抗となり、鋼板-アルミニウム材間のガルバニック腐食電流が大幅に低下するため、ガルバニック腐食を大幅に低下させることができる。なお、鋼板-アルミニウム材の組合せでは、鋼板パネルに、Zn系めっき鋼板を使用する。アルミニウム材は、Zn系めっきのような表面処理があるもの、表面処理がないもののいずれも採用することができる。
上述のように、本実施の形態では、発泡性樹脂21は、防水シーラー19と同様に、下塗り塗装工程303後に塗布している。しかし、パネル成形工程301後や接合工程302後に塗布してもよい。ただし、発泡性樹脂21の体積膨張と合せ面9、9の腐食が進行しないうちに、速やかに下塗り塗装工程303までを実施する。また、液状・ゲル状の発泡性樹脂21を塗布するだけでなく、シート状のものを粘着や接着、焼付け等により設置してもよい。
なお、図4~図6は、概念的な断面図であり、本発明の趣旨に沿って読み取られるべきである。
[変形例1]
図7~図10を参照し、本発明に係る防食構造及びその形成方法について、他の実施の形態を説明する。
図1に示した、ピラー4、サイドシル5、サイドメンバ6等の車体骨格部品は、一般的に、複数のパネルをモナカ合わせに接合して形成され、閉断面空間を備えるフレーム状の部材となっている。特に、サイドシル5やサイドメンバ6は、車体の下部に位置し、厳しい腐食環境にさらされる部材である。また、これらの部材には、内部への下塗り塗装施工用や水抜き用に、複数の孔(貫通孔)が設けられているため、内部への水分の浸入を防ぐことは困難である。
本変形例1では、図7に示すように、パネル成形工程301の後に発泡性樹脂設置工程301Bを実施している。発泡性樹脂設置工程301Bでは、パネル7Cに発泡性樹脂21を設置している。
このようにして、図8に示すように、接合工程302でパネル7C及び7Dをモナカ合わせに接合している。パネル7C及び7Dは、図4のパネル7A及7Cと同様の鋼板で構成されている。
なお、図7で、図3と同一符号を付した工程は、図3について説明したものと同様の内容の工程である。また、図8~10で、図4~6と同一の符号を付した構成要素については、図4~6について説明した内容が、当業者の理解に沿って適用される。
図9に示すように、発泡性樹脂21は、開口部20の近傍に塗布後、図5について説明したと同様に、体積膨張を始める。一方で、合せ面9、9に露出するZn系めっき(層)は、空気中の水蒸気の存在によって反応し、保護層22を形成し始める。これも、既に図5について説明したものと同様である。なお、下塗り塗装工程303(図7)で施される塗料は、貫通孔である下塗り塗装施工用孔25より導入する。これによって、閉断面空間26の内面を塗装することができる。
保護層22の形成が、図10に示すように完了すると、発泡性樹脂21の体積膨張も完了し、開口部20も閉成する。
その後、仕様上の必要に応じて中・上塗り塗装工程を実施する。
本変形例1でも、図4~図6について説明した実施の形態と同様の効果を期待することができる。すなわち、発泡性樹脂21により開口部20を塞ぐ効果、及び保護層22による合せ面9の腐食防止の効果を期待することができる。加えて、発泡性樹脂21が膨張して閉断面空間26内に存在することにより、防振効果も期待することができる。
[変形例2]
本発明に係る防食構造では、さらに他の実施の形態で、腐食環境の厳しい側に防水シーラー19(図6)、緩やかな側に発泡性樹脂21(図6)を塗布する。例えば、フロントタイヤハウスでは、タイヤ側に防水シーラー、エンジンルーム側に発泡性樹脂を塗布する 。
これにより、腐食環境の厳しい側は、発泡性樹脂よりも防水効果と耐久性の高い防水シーラーにより、合せ面内への水分の浸入を長期間防止できる。また、発泡性樹脂の体積膨張完了までは、腐食環境の緩やかな側から、水分(湿気等)を合せ面内へ浸入させることにより、過剰なZn系めっきの腐食を防止することができる。
本願の出願当初の特許請求の範囲に記載されていた各請求項は、以下の通りであった。
請求項1:
少なくとも一方がZn系めっき鋼板からなる、二枚の金属部材を接合するための接合部
の防食構造であって、
前記接合部の外周をシールし、少なくとも一部が膨張形成されたシーラーと、
前記接合部内部に位置するZn系めっき層上に形成された塩基性塩化亜鉛からなる保護層とを備える
防食構造。
請求項2:
前記二枚の金属部材が閉断面空間を構成し、前記閉断面空間がその内面を塗装するための貫通孔を有し、前記シーラーによって前記閉断面空間内の接合部がシールされるようにしたことを特徴とする請求項1の防食構造。
請求項3:
前記二枚の金属部材の両方がZn系めっき鋼板からなることを特徴とする請求項1又は2の防食構造。
請求項4:
前記二枚の金属部材の一方がZn系めっき鋼板からなり、他方がアルミニウム材からなることを特徴とする請求項1又は2の防食構造。
請求項5:
少なくとも一方がZn系めっき鋼板からなる、二枚の金属部材を接合するための接合部の防食構造の形成方法であって、
前記接合部内部に位置するZn系めっき層上に、塩基性塩化亜鉛からなる保護層を形成してから、
前記接合部の外周をシールするためのシーラーの少なくとも一部を膨張させることにより、前記接合部のシールを完了するようにしてなる
防食構造の形成方法。
1 車体
2 ルーフパネル
3 ダッシュパネル
4 ピラー
5 サイドシル
6 サイドメンバ
7、7A、7B、7C、7D パネル
8 接合部
9 合せ面
10 点接合
11、12 被水
13 隙間
15 鋼板
16 Zn系めっき
17 塗装被膜
18 開口部
19 防水シーラー
20 開口部
21 発泡性樹脂
22 保護層
25 下塗り塗装施工用孔
26 閉断面空間
301 パネル成形工程
301B 発泡性樹脂設置工程
302 接合工程
303 下塗り塗装工程
304 シーラー塗布工程
305 中・上塗り塗装工程

Claims (4)

  1. 少なくとも一方がZn系めっき鋼板からなる、二枚の金属部材を接合するための接合部の防食構造の形成方法であって、
    パネルの接合及び下塗り塗装後、前記接合部の一方の開口部にはシーラーを塗布して外部と遮断し、他方の開口部にはシーラーとしての発泡性樹脂を前記接合部の近傍に塗布し、前記他方の開口部から浸入した空気中の水蒸気により、前記接合部内部に位置し、合せ面に露出するZn系めっき層上に、塩基性塩化亜鉛からなる保護層を形成してから、
    前記塩基性塩化亜鉛が保護層として十分な量とした後、前記発泡性樹脂を体積膨張させて前記開口部を閉成する
    防食構造の形成方法。
  2. 前記二枚の金属部材が閉断面空間を構成し、前記閉断面空間がその内面を塗装するための貫通孔を有し、前記シーラーによって前記閉断面空間内の接合部がシールされるようにしたことを特徴とする請求項1の防食構造の形成方法
  3. 前記二枚の金属部材の両方がZn系めっき鋼板からなることを特徴とする請求項1又は2の防食構造の形成方法
  4. 前記二枚の金属部材の一方がZn系めっき鋼板からなり、他方がアルミニウム材からなることを特徴とする請求項1又は2の防食構造の形成方法
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