JP7150929B1 - チューブデキャッパ - Google Patents
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Abstract
Description
試料用チューブは、内容物にアクセスする必要がないときは、内部への異物混入を防止するためキャップ等で開口部を封止することが望ましく、キャップが本体とヒンジ部で開閉可能に結合された試料用チューブ(一般的に「マイクロチューブ」、「エッペンチューブ」、「エッペンドルフ(登録商標)」と呼ばれるもの)が公知である。
このような試料用チューブにおいて、確実にキャップの封止状態を保持するために、キャップの周縁部と本体の上端縁部に、互いに係合する部分を設けた構成のものが公知である(例えば特許文献1等参照。)。
一方、把持部品がキャップをつかみ、本体から取り外して開放するチューブデキャッパが公知である(特許文献2等参照。)。
しかしながら、特許文献2等で公知のチューブデキャッパは、キャップが本体と分離可能な構造の試料用チューブにしか適用できず、特許文献1等で公知のキャップが本体とヒンジ部で開閉可能に結合された試料用チューブに対しては、開放するための動作が異なるため、対応することはできなかった。
そのため、特許文献1等で公知のキャップが本体とヒンジ部で開閉可能に結合された試料用チューブは、キャップの開放、閉塞を繰り返し行う必要がある処理等を行う際に、開放作業を作業者が手で行う必要があり、全体の自動化に支障をきたすとともに、作業者のミス等に伴う試料用チューブの取り違い、内部への異物混入等の問題が発生する虞があった。
本請求項2に記載の構成によれば、前記キャップ開放ユニットは、前記キャップ持ち上げユニットと水平方向に異なる位置に配置され、ヒンジ部とは反対側のキャップの端縁側からヒンジ部の方向に移動して前記キャップ持ち上げユニットにより開放されたキャップをさらに大きく開放させるキャップ開放部材と、前記キャップ開放部材をヒンジ部とは反対側のキャップの端縁側からヒンジ部の方向に移動させる開放部材移動アクチュエータを有することにより、試料用チューブをラックにセットした状態でキャップを大きく開放して上方からピペッター等の挿入が可能となり、さらに様々な処理の自動化が可能となる。
本請求項4に記載の構成によれば、前記チューブデキャッパは、キャッピングユニットをさらに有し、前記キャッピングユニットは、前記キャップ持ち上げユニットと水平方向に異なる位置に配置され、ヒンジ部からヒンジ部の反対側のキャップの端縁側の方向に移動してキャップを試料用チューブの上方に戻すキャップ戻し部材と、前記キャップ戻し部材161を試料用チューブTのヒンジ部からヒンジ部の反対側のキャップの端縁側の方向に移動させる戻し部材移動アクチュエータと、試料用チューブの上方から下方に移動してキャップを閉塞するキャップ押圧部材とを有することにより、人手を用いず、単純な動作で自動的に閉塞可能であり、キャップの開放、閉塞を繰り返し行う様々な処理の自動化が可能となる。
本請求項5に記載の構成によれば、前記チューブ保持機構は、試料用チューブのヒンジ部の向きを固定する位置決めピンを有することにより、確実に試料用チューブのキャップの開放、閉塞を行うことができる。
チューブデキャッパ100は、図1~図4などに示すように、試料用チューブTを縦立状態で収容するラック111を水平方向に移動、位置決めして、所望の試料用チューブTのキャップの開放、閉塞を行うように構成されており、チューブ保持機構101、キャップ確認ユニット150、ヒンジ部押えユニット120とキャップ持ち上げユニットを有するデキャップ機構102、キャップ開放ユニット140およびキャッピングユニット160を有している。
本実施形態では、水平移動手段113は、ラック111を保持するラック保持台115と、ラック保持台115の移動を案内するガイドレール114とを有している。
キャップ確認ユニット150、デキャップ機構102、キャップ開放ユニット140およびキャッピングユニット160は、ラック111の移動経路に沿って配置されている。
ラック111が保持可能な試料用チューブTの数(ラック111の移動方向の長さ)は、ラック111のラック保持台115への移動や、他の処理空間での取り扱いの便宜に応じて、適宜設計することができる。
また、ラック111には、縦立状態で保持される試料用チューブTのヒンジ部の向きを固定する位置決めピン(図示せず)が設けられている。
位置決めピンの具体的な形状、配置等は、デキャップ機構102、キャップ開放ユニット140およびキャッピングユニット160の動作の支障にならないものであれば、いかなるものであっても良い。
ヒンジ部押えユニット120は、ラック111に保持された試料用チューブTのヒンジ部の外周側斜め上方部に当接可能なヒンジ部押え部材121と、ヒンジ部押え部材121を当接位置と離間位置との間で水平方向に移動させる押え部材移動アクチュエータ122とを有している。
キャップ持ち上げユニット130は、ラック111に保持された試料用チューブTのヒンジ部とは反対側のキャップの端縁の下方に当接可能で斜め上方に移動可能なキャップ持上げ部材131と、キャップ持上げ部材131を斜め上下方向に移動させる持上げ部材移動アクチュエータ132とを有している。
ヒンジ部押え部材121のヒンジ部との当接部は、押え部材移動アクチュエータ122に対して水平移動手段113の移動方向にオフセットして設けられており、所定の位置に位置決めされた1つの試料用チューブTに対して、ヒンジ部押え部材121とキャップ持上げ部材131とが両側方から動作可能に構成されている。
キャッピングユニット160は、図1~図4、図7、図8に示すように、キャップ持ち上げユニット130と水平方向(水平移動手段113の移動方向)に異なる位置に配置され、試料用チューブTのヒンジ部からヒンジ部の反対側のキャップの端縁側の方向に移動してキャップを試料用チューブTの上方に戻すキャップ戻し部材161と、キャップ戻し部材161を試料用チューブTのヒンジ部からヒンジ部の反対側のキャップの端縁側の方向に移動させる戻し部材移動アクチュエータ162と、試料用チューブTの上方から下方に移動してキャップを閉塞するキャップ押圧部材163と、キャップ押圧部材163を試料用チューブTの上方から下方に移動させる押圧部材移動アクチュエータ164とを有している。
キャップ戻し部材161のキャップとの当接部は、戻し部材移動アクチュエータ162に対して水平移動手段113の移動方向にオフセットして設けられており、所定の位置に位置決めされた1つの試料用チューブTに対して、キャップ押圧部材163とキャップ戻し部材161とが同一位置で動作可能に構成されている。
内容物が封入されキャップが封止された複数の試料用チューブTは、ラック111に1列の縦列状態に保持される。
複数の試料用チューブTを縦立状態で保持したラック111は、ガイドレール114によって案内されて移動可能な保持台115に保持される。
なお、複数の試料用チューブTは、ラック111が保持台115に保持された状態で搬入されても、適宜の処理空間でラック111に搬入後、ラック111ごと保持台115に搬入されてもよい。
チューブデキャッパ100で開封される所定の試料用チューブTは、ラック保持台115の移動によって、まず、キャップ確認ユニット150のカメラ(撮像部)151の直下に位置決めされる。
試料用チューブTのキャップの上面には、二次元コード等のユニークな表示が付与されており、開封すべき試料用チューブTを確認することができる。
また、試料用チューブTのヒンジ部が正確な向きに保持されているかも確認することが可能であり、向きが異なった場合は作業者の介入を促す等の処理も可能である。
ヒンジ部押えユニット120のヒンジ部押え部材121は、常時は試料用チューブTから離れた位置に待機しており、キャップ持ち上げユニット130のキャップ持上げ部材131は、常時は最も下方に下がった位置に待機しており、試料用チューブTの移動の妨げにならないように構成されている。
所定の試料用チューブTが位置決めされると、ヒンジ部押えユニット120のヒンジ部押え部材121は、押え部材移動アクチュエータ122によって試料用チューブTに近づくように水平方向に移動し、押え部材移動アクチュエータ122に対して水平移動手段113の移動方向にオフセットして設けられたヒンジ部押え部材121のヒンジ部との当接部が、ヒンジ部の外周側斜め上方部に当接する。
この時、ヒンジ部押え部材121のヒンジ部との当接部がヒンジ部の外周側斜め上方部に当接していることで、当接点が支点となってキャップ持上げ部材131の移動でキャップに回転方向の力を与えるとともに、試料用チューブT自体がラック111から上方に持ち上げられること防ぎ、確実にキャップを開放することができる。
なお、キャップ持上げ部材131の動作は斜め上方への直線運動であるため、ここでのキャップの開放は、図5に示すように90°以下の角度までの開放となる。
所定の試料用チューブTが位置決めされると、キャップ開放ユニット140のキャップ開放部材141は、開放部材移動アクチュエータ142によって試料用チューブTの開口部近傍をヒンジ部とは反対側のキャップの端縁側からヒンジ部の方向に移動し、キャップ持ち上げユニット130により90°以下の角度まで開放されたキャップを180°近傍の角度までさらに大きく開放させる。
この位置で、別途の適宜の処理装置や作業者の介入によって、所定の試料用チューブTの内容物の吸入や、希釈剤、反応剤とうの内部への注入等、内容物へのアクセスを行うことができる。
内容物へのアクセスを完了すると、キャップが180°近傍の角度まで開放された所定の試料用チューブTは、ラック保持台115の移動によって、キャッピングユニット160のキャップ押圧部材163の下方に移動して位置決めされる。
次に、キャッピングユニット160のキャップ押圧部材163は、押圧部材移動アクチュエータ164によって、試料用チューブTの上方から下方に移動してキャップを完全に閉塞する。
なお、上記一連の処理は、1つの試料用チューブTに対して別々に行ってもよく、複数の試料用チューブTに対して異なる処理を同時並行で行ってもよい。
さらに、試料用チューブTのキャップが開放した状態で一旦上記搬出処理を行い、別の空間で試料用チューブTの内容物にアクセスした後、再び搬入処理を行ってキャッピングユニット160の処理を行ってもよい。
また、取り扱う試料用チューブTの具体的態様についても、図示するものに限定されるものではなく、医学、生物工学、化学、薬学等において試料等を封入する用途に好適なものであり、縦立状態で収容可能でヒンジ部で本体と開閉可能に結合されたキャップを有するものであれば、大きさ、断面その他の形状等はいかなるものであってもよい。
101 ・・・ チューブ保持機構
102 ・・・ デキャップ機構
111 ・・・ ラック
112 ・・・ 位置決めピン
113 ・・・ 水平移動手段
114 ・・・ ガイドレール
115 ・・・ ラック保持台
120 ・・・ ヒンジ部押えユニット
121 ・・・ ヒンジ部押え部材
122 ・・・ 押え部材移動アクチュエータ
130 ・・・ キャップ持ち上げユニット
131 ・・・ キャップ持上げ部材
132 ・・・ 持上げ部材移動アクチュエータ
140 ・・・ キャップ開放ユニット
141 ・・・ キャップ開放部材
142 ・・・ 開放部材移動アクチュエータ
150 ・・・ キャップ確認ユニット
151 ・・・ カメラ(撮像部)
160 ・・・ キャッピングユニット
161 ・・・ キャップ戻し部材
162 ・・・ 戻し部材移動アクチュエータ
163 ・・・ キャップ押圧部材
164 ・・・ 押圧部材移動アクチュエータ
T ・・・ 試料用チューブ
Claims (5)
- ヒンジ部で本体と開閉可能に結合されたキャップを有する試料用チューブのキャップを開放するチューブデキャッパであって、
試料用チューブを保持するチューブ保持機構と、前記チューブ保持機構に保持された試料用チューブのキャップを開放するデキャップ機構とを備え、
前記チューブ保持機構は、複数の試料用チューブを縦立状態で保持するラックと、前記ラックを水平方向に移動可能な水平移動手段とを有し、
前記デキャップ機構は、前記水平移動手段によるラックの移動経路の所定の位置に配置されたヒンジ部押えユニットとキャップ持ち上げユニットとを有し、
前記ヒンジ部押えユニットは、前記チューブ保持機構に保持された試料用チューブのヒンジ部の外周側斜め上方部に当接可能なヒンジ部押え部材と、前記ヒンジ部押え部材を当接位置と離間位置との間で水平方向に移動させる押え部材移動アクチュエータとを有し、
前記キャップ持ち上げユニットは、前記ヒンジ部押えユニットとは独立して配置され、前記チューブ保持機構に保持された試料用チューブのヒンジ部とは反対側のキャップの端縁の下方に当接可能で斜め上方に移動可能なキャップ持上げ部材と、前記キャップ持上げ部材を斜め上下方向に移動させる持上げ部材移動アクチュエータとを有することを特徴とするチューブデキャッパ。 - 前記チューブデキャッパは、キャップ開放ユニットをさらに有し、
前記キャップ開放ユニットは、前記キャップ持ち上げユニットと水平方向に異なる位置に配置され、ヒンジ部とは反対側のキャップの端縁側からヒンジ部の方向に移動して前記キャップ持ち上げユニットにより開放されたキャップをさらに大きく開放させるキャップ開放部材と、前記キャップ開放部材をヒンジ部とは反対側のキャップの端縁側からヒンジ部の方向に移動させる開放部材移動アクチュエータを有することを特徴とする請求項1または請求項1に記載のチューブデキャッパ。 - 前記チューブデキャッパは、キャップ確認ユニットをさらに有し、
前記キャップ確認ユニットは、前記キャップ持ち上げユニットと水平方向に異なる位置に配置され、試料用チューブの上方からキャップの上面を撮像する撮像部を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のチューブデキャッパ。 - 前記チューブデキャッパは、キャッピングユニットをさらに有し、
前記キャッピングユニットは、前記キャップ持ち上げユニットと水平方向に異なる位置に配置され、ヒンジ部からヒンジ部の反対側のキャップの端縁側の方向に移動してキャップを試料用チューブの上方に戻すキャップ戻し部材と、前記キャップ戻し部材を試料用チューブのヒンジ部からヒンジ部の反対側のキャップの端縁側の方向に移動させる戻し部材移動アクチュエータと、試料用チューブの上方から下方に移動してキャップを閉塞するキャップ押圧部材とを有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のチューブデキャッパ。 - 前記チューブ保持機構は、試料用チューブのヒンジ部の向きを固定する位置決めピンを有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のチューブデキャッパ。
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