JP7148842B2 - コイル対、送電装置及び受電装置並びに電力伝送システム - Google Patents

コイル対、送電装置及び受電装置並びに電力伝送システム Download PDF

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Description

本発明は、コイル対、送電装置及び受電装置並びに電力伝送システムの技術分野に属する。より詳細には、非接触型電力伝送用のコイル対並びに当該コイル対を用いた非接触型の送電装置及び受電装置並びに電力伝送システムの技術分野に属する。
近年、例えばリチウムイオン電池等からなる蓄電池を搭載した電気自動車が普及しつつある。このような電気自動車では、蓄電池に蓄えた電力を使ってモータを駆動して移動することとなるため、蓄電池への効率のよい充電が求められる。そこで、電気自動車に対して充電用プラグ等を物理的に接続することなくそれに搭載されている蓄電池を充電する方法として、互いに離隔して対向された受電コイルと送電コイルを用いる、いわゆるワイヤレス電力伝送に関する研究が行われている。ワイヤレス電力伝送の方式としては、一般には、電界結合方式、電磁誘導方式及び磁界共鳴方式等がある。これらの方式を、例えば使用周波数、水平及び垂直それぞれの方向の位置自由度並びに伝送効率等の観点から比較した場合、電気自動車に搭載されている蓄電池を充電するためのワイヤレス電力伝送の方式としては、コンデンサを使った電界結合方式又はコイルを使った磁界共鳴方式が有望視されており、これらに対する研究開発も活発に行われている。このような背景技術を開示した先行技術文献としては、例えば下記特許文献1が挙げられる。この特許文献1には、1回巻き(1ターン)のループコイルと、5.5回巻き(5.5ターン)のオープンコイルと、を用いて磁界共鳴方式により電力伝送を行うコイルが開示されている。
特開2011-200045号公報
一方、上述したような方式のワイヤレス電力伝送システムは、それが屋外で用いられるものである等の理由により、当該ワイヤレス電力伝送システムが用いられる国における電波法等の法規等に対応する必要がある。このとき上記法規等は、例えば人体への影響を考慮して漏洩磁界が予め決められた所定のレベル以下になるように規制している。また、広い汎用性を確保すべく、全ての送電コイルと受電コイルとの間における相互接続利用を可能とするためには、結果的に、両者が予め決められた所定範囲の周波数を利用する必要があり、このため上記所定範囲の周波数又は周波数帯域も、上記法規等としてのISO(International Organization for Standardization)又はIEC(International Electrotechnical Commission)等の国際機関の推奨に従う必要がある。更に、上記送電コイルと上記受電コイルとの間の所定の位置ずれも考慮した電力の伝送効率の下限値も上記国際機関により規定されているため、結果的に特定の周波数において高い電力の伝送効率が要求される。
そこで本発明は、上記の要請に鑑みて為されたもので、その課題の一例は、電力の伝送効率をより最適化することが可能な非接触型電力伝送用のコイル対並びに当該コイル対を用いた非接触型の送電装置及び受電装置並びに電力伝送システムを提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、非接触型電力伝送用のコイル対において、送電又は受電用の第1コイルと、送電時には当該送電すべき電力が供給され、受電時には受電された電力が出力される第2コイルであって、前記第1コイルに対して同心に積層される第2コイルと、を備え、前記第2コイルは、当該第2コイルの外周側から内周側に向けて同心に巻回された外内巻回線と、当該第2コイルの内周側から外周側に向けて同心に且つ前記外内巻回線と同じ巻回方向に巻回された内外巻回線と、が接続されてなる直列接続を備え、前記第2コイルにおいて、前記直列接続における両端部のそれぞれが当該第2コイルの最外周部で外部接続用端子とされており、前記コイル対の径方向における前記第2コイルの位置が、当該径方向における前記第1コイルの位置に相当する位置であり、前記第2コイルにおいて最外周に巻回された巻回線の前記径方向における位置が、前記第1コイルにおいて最外周に巻回された巻回線の前記径方向における位置に相当する位置とされ、前記第2コイルにおいて最内周に巻回された巻回線の前記径方向における位置が、前記第1コイルにおいて最内周に巻回された巻回線の前記径方向における位置に相当する位置とされている。
請求項1に記載の発明によれば、第1コイルに対して同心に積層される第2コイルが、外内巻回線と内外巻回線とが接続されてなる直列接続を備え、直列接続における両端部のそれぞれがコイル対の最外周部で外部接続用端子とされているので、コイル対全体としての電力の伝送効率をより最適化することができる。
また、コイル対の径方向における第2コイルの位置が当該径方向における第1コイルの位置に相当する位置であり、第2コイルにおいて最外周に巻回された巻回線のコイル対の径方向における位置が第1コイルにおいて最外周に巻回された巻回線の当該径方向における位置に相当する位置とされ、第2コイルにおいて最内周に巻回された巻回線の当該径方向における位置が第1コイルにおいて最内周に巻回された巻回線の当該径方向における位置に相当する位置とされている。よって、結果的に、第2コイルにおいて最外周に巻回された巻回線と、第2コイルにおいて最内周に巻回された巻回線と、が離れることとなり、効果的に電力の伝送効率を最適化することができる。
上記の課題を解決するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のコイル対において、前記外内巻回線及び前記内外巻回線は、それぞれ、前記第2コイルにおける当該外内巻回線の巻回の中心と当該内外巻回線の巻回の中心とが一致するように巻回されている。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、外内巻回線の巻回の中心と内外巻回線の巻回の中心とが一致するように各巻回線が巻回されているので、伝送効率を向上させることができる。
上記の課題を解決するために、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のコイル対において、前記第2コイルでは、前記外内巻回線と前記内外巻回線とが、相互に絶縁されつつ一の層内で巻回されている。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用に加えて、外内巻回線と内外巻回線とが、相互に絶縁されつつ一の層内で巻回されているので、コイル対全体としての電力の伝送効率の最適化とコイル対としての小型化とを両立することができる。
上記の課題を解決するために、請求項4に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のコイル対において、前記第2コイルでは、前記外内巻回線が形成されている層と、前記内外巻回線が形成されている層と、が、絶縁部を挟んで積層されている。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用に加えて、外内巻回線が形成されている層と内外巻回線が形成されている層とが絶縁部を挟んで積層されているので、コイル対全体としての電力の伝送効率をより最適化することができる。
上記の課題を解決するために、請求項に記載の発明は、請求項1から請求項のいずれか一項に記載のコイル対において、前記外内巻回線及び前記内外巻回線それぞれの巻回数が、一回半以上三回以下であるように構成される。
請求項に記載の発明によれば、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、外内巻回線及び内外巻回線それぞれの巻回数が一回半以上三回以下であるので、効果的に電力の伝送効率を最適化することができる。
上記の課題を解決するために、請求項に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のコイル対において、前記第1コイルは、それぞれが同心に巻回された複数の巻回線が、絶縁部を挟んで積層されて構成されている。
請求項に記載の発明によれば、請求項1から請求項に記載の発明の作用に加えて、第1コイルが、それぞれが同心に巻回された複数の巻回線が絶縁部を挟んで積層されて構成されているので、コイル対としての電力の伝送効率及び反射率を向上させることができる。
上記の課題を解決するために、請求項に記載の発明は、送電装置と、当該送電装置から離隔した受電装置と、により構成され、前記送電装置から非接触で前記受電装置に電力を伝送する電力伝送システムに含まれる前記送電装置において、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の前記コイル対である送電コイル対と、伝送すべき電力を前記送電コイル対に出力する出力手段と、を備える。
上記の課題を解決するために、請求項に記載の発明は、送電装置と、当該送電装置から離隔した受電装置と、により構成され、前記送電装置から非接触で前記受電装置に電力を伝送する電力伝送システムに含まれる前記受電装置において、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の前記コイル対であって、前記送電装置に対向して配置される受電コイル対と、当該受電コイル対に接続された入力手段と、を備える。
上記の課題を解決するために、請求項に記載の発明は、請求項に記載の送電装置と、当該送電装置から離隔し、且つ前記送電コイル対に対向して配置される受電装置であって、前記送電装置から送信された電力を受電する受電装置と、を備える。
上記の課題を解決するために、請求項10に記載の発明は、送電装置と、請求項に記載の受電装置であって、前記送電装置から離隔し且つ前記受電コイル対が当該送電装置に対向して配置され、前記送電装置から送信された電力を受電する受電装置と、を備える。
請求項から請求項10のいずれか一項に記載の発明によれば、電力伝送システムを構成する送電装置に備えられた送電コイル体又は受電装置に備えられた受電コイル体の少なくともいずれか一方が請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のコイル体であるので、電力伝送システム全体としての電力の伝送効率を最適化することができる。
また、コイル対の径方向における第2コイルの位置が当該径方向における第1コイルの位置に相当する位置であり、第2コイルにおいて最外周に巻回された巻回線のコイル対の径方向における位置が第1コイルにおいて最外周に巻回された巻回線の当該径方向における位置に相当する位置とされ、第2コイルにおいて最内周に巻回された巻回線の当該径方向における位置が第1コイルにおいて最内周に巻回された巻回線の当該径方向における位置に相当する位置とされている。よって、結果的に、第2コイルにおいて最外周に巻回された巻回線と、第2コイルにおいて最内周に巻回された巻回線と、が離れることとなり、効果的に電力の伝送効率を最適化することができる。
本発明によれば、第1コイルに対して同心に積層される第2コイルが、外内巻回線と内外巻回線とが接続されてなる直列接続を備え、直列接続における両端部のそれぞれがコイル対の最外周部で外部接続用端子とされている。
従って、コイル対全体としての電力の伝送効率を最適化することができる。
また、コイル対の径方向における第2コイルの位置が当該径方向における第1コイルの位置に相当する位置であり、第2コイルにおいて最外周に巻回された巻回線のコイル対の径方向における位置が第1コイルにおいて最外周に巻回された巻回線の当該径方向における位置に相当する位置とされ、第2コイルにおいて最内周に巻回された巻回線の当該径方向における位置が第1コイルにおいて最内周に巻回された巻回線の当該径方向における位置に相当する位置とされている。よって、結果的に、第2コイルにおいて最外周に巻回された巻回線と、第2コイルにおいて最内周に巻回された巻回線と、が離れることとなり、効果的に電力の伝送効率を最適化することができる。
第1実施形態の電力伝送システムの概要構成を示すブロック図である。 第1実施形態のコイルの構造を示す平面図(i)である。 第1実施形態のコイルの構造を示す平面図(ii)である。 第1実施形態のコイルの構造を示す平面図(iii)である。 第1実施形態のコイルの構造を示す平面図(iv)である。 第1実施形態のコイルの構造を示す平面図(v)である。 第1実施形態のコイルの構造を示す平面図(vi)である。 第1実施形態のコイルの構造を示す平面図(vii)である。 図6乃至図8のA-A’部分の断面図である。 第1実施形態のコイルの構造による効果としての反射・伝送効率-周波数の関係を示すグラフ図である。 第2実施形態のコイルの構造を示す平面図(i)である。 第2実施形態のコイルの構造を示す平面図(ii)である。 第2実施形態のコイルの構造を示す平面図(iii)である。 第2実施形態のコイルの構造を示す平面図(iv)である。 第3実施形態のコイルの構造を示す平面図である。 第4実施形態のコイルの構造を示す平面図である。 第5実施形態のコイルの構造を示す平面図である。 第6実施形態のコイルの構造を示す平面図である。 第2実施形態乃至図6実施形態それぞれのコイルの構造による効果としての反射・伝送効率-周波数の関係を示すグラフ図である。
次に、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する各実施形態は、電気自動車に搭載されている充電池を充電するための電力を、当該充電池を備えた電気自動車に対して磁界共鳴方式により非接触で電送する電力伝送システムに対して、本発明を適用した場合の実施形態である。
ここで、各実施形態の磁界共鳴方式による電力伝送システムは、電力を送る送電コイルと、当該送電コイルから離隔して向き合うように(即ち対向するように)配置され且つ送電コイルから送られた電力を受電する受電コイルと、を備える。そして上記送電コイルは、後述する送電ループコイルと、後述する送電オープンコイルと、が、同心に積層されて構成されている。また上記受電コイルは、後述する受電オープンコイルと、後述する受電ループコイルと、が、同心に積層されて構成されている。
(I)第1実施形態
初めに、本発明に係る第1実施形態について、図1乃至図9を用いて説明する。
(i)第1実施形態の電力伝送システムの全体構成及び動作について
先ず、第1実施形態の電力伝送システムの全体構成及び動作について、図1を用いて説明する。なお図1は、第1実施形態の電力伝送システムの概要構成を示すブロック図である。
図1に示すように、第1実施形態の電力伝送システムSは、受電部RV及び上記受電コイルRCを備えた受電装置Rと、送電部TR及び上記送電コイルTCを備えた送電装置Tと、により構成されている。このとき受電装置Rは上記電気自動車に搭載され、且つ当該電気自動車に搭載されている図示しない蓄電池に接続されている。一方送電装置Tは、当該電気自動車が移動又は停車する位置の地面に設置されている。そして、当該蓄電池を充電する場合、受電装置Rの受電コイルRCと送電装置Tの送電コイルTCとが対向するように、電気自動車が運転又は停車される。なお、第1実施形態の電力伝送システムSによる上記蓄電池の充電に際しては、停車している電気自動車に搭載されている受電装置Rに対して、その停車位置の下方の地面に設置された送電装置Tの送電コイルTCを介して、当該送電装置Tから電力を伝送するように構成することができる。またこの他、移動中の電気自動車に搭載されている受電装置Rに対して、その電気自動車が移動している道路の一定距離の区間に設置された複数の送電装置Tの送電コイルTCを介して、当該送電装置Tから連続的に電力を伝送するように構成してもよい。このとき、送電部TRが本発明の「出力手段」の一例に相当し、受電部RVが本発明の「入力手段」の一例に相当する。
一方上記送電コイルTCは、送電ループコイルTLと、送電オープンコイルTOと、を備えている。また上記受電コイルRCは、受電オープンコイルROと、受電ループコイルRLと、を備えている。このとき送電ループコイルTLには、送電すべき電力が送電部TRから入力される。そして送電オープンコイルTOは、送電ループコイルTLに対して同心に積層され且つその両端が開放されている。他方受電オープンコイルROは、送電オープンコイルTOに対向するように配置され且つその両端が開放されている。そして受電ループコイルRLは、受電オープンコイルROに対して同心に積層され、且つ磁界共鳴方式により送電コイルTCから受電した電力を受電部RVに出力する。このとき、送電コイルTC又は受電コイルRCが本発明の「コイル対」の一例に相当し、送電オープンコイルTO又は受電オープンコイルROが本発明の「第1コイル」の一例に相当し、送電ループコイルTL又は受電ループコイルRLが本発明の「第2コイル」の一例に相当する。
以上の構成において、送電装置Tの送電部TRは、例えば電力伝送システムSが用いられる国における上記法規等に対応しつつ、受電装置Rに伝送すべき電力を送電コイルTCに出力する。一方、上記磁界共鳴方式により送電コイルTCからの電力を受電した受電装置Rの受電コイルRCは、当該受電した電力を受電部RVに出力する。これにより受電部RVは、当該電力に対応した出力(例えば85キロヘルツの高周波電力となる)を、例えば図示しない電力変換ユニットによりDC(直流)電流に変換し、電気自動車の蓄電池に出力する。これにより当該蓄電池には、必要量の電力が充電される。
(ii)送電コイルTC(受電コイルRC)の構成について
次に、上述した第1実施形態の電力伝送システムSに用いられる、第1実施形態の送電コイルTC及び受電コイルRCの構成について、図2乃至図9を用いて説明する。なお、第1実施形態の送電コイルTCと受電コイルRCとは、基本的に同じ構成を備える。即ち、上記送電ループコイルTLの構成と上記受電ループコイルRLの構成とは基本的に同一である。また、上記送電オープンコイルTOの構成と上記受電オープンコイルROの構成とは基本的に同一である。更に、上記送電ループコイルTLと上記送電オープンコイルTOとの送電コイルTC内における位置関係と、上記受電ループコイルRLと上記受電オープンコイルROとの受電コイルRC内における位置関係と、は基本的に同一である。よって以下の説明では、送電コイルTCについて、その構造を説明する。また、図2乃至図8は第1実施形態の送電コイルTCの構造を示す平面図であり、図9は第1実施形態の送電コイルTCの構造を示す部分断面図である。なお図2乃至図8は、送電装置Tにおいて、送電部TR側から送電コイルTCを見た場合の平面図である。
図2にその平面図を示すように、第1実施形態の送電コイルTCは、送電ループコイルTL(図1参照)と、送電オープンコイルTO(図1参照)と、が、図2の紙面方向に積層されて構成される。そして、送電ループコイルTLは、図2にその平面形状を示すループコイルTCL1と、図2において図示を省略するループコイルTCL2と、が、図2に示す絶縁性のフィルムBF1(詳細は後述する)を介して図2の紙面方向に積層されて構成される。また送電オープンコイルTOは、後述する二つのコイルCL1及びコイルCL2が、図2において図示を省略する絶縁性のフィルムBF3(詳細は後述する)を介して図2の紙面方向に積層されて構成される。そして、送電ループコイルTLと送電オープンコイルTOと間にも、フィルムBF1及びフィルムBF3と同じ材料からなり且つ図2において図示を省略する絶縁性のフィルムBF2(詳細は後述する)が積層されている。なお第1実施形態では、送電ループコイルTLを構成するループコイルTCL1とループコイルTCL2との間の絶縁のためにフィルムBF1を用い、送電ループコイルTLと送電オープンコイルTOとの間の絶縁のためにフィルムBF2を用い、更にコイルCL1とコイルCL2との間の絶縁のためにフィルムBF3を用いているが、これらの他に、ガラスエポキシ材料等の絶縁性の材料をそれぞれの層間に用いることもできる。また、送電コイルTCとして発生した熱を効率良く放熱するため、例えばセラミック粒子等を分散した薄膜化材料を絶縁用として用いることもできる。更に、ループコイルTCL1、ループコイルTCL2、コイルCL1及びコイルCL2をそれぞれ構成する後述の銅薄膜線の巻回の中心は、相互に同一又は略同一とされている。
そして図2に示すように、送電ループコイルTLのループコイルTCL1は、その最外周端部(図2に示す場合は右辺部の中央)が、送電部TRに接続される接続用端子O1とされている。そしてループコイルTCL1は、当該接続用端子O1から始まる反時計回りに、その最外周部から最内周部に向けて、例えば銅薄膜線が渦巻き状に一回転半(1.5ターン)巻回されて構成されている。この、ループコイルTCL1を構成する銅薄膜線が、本発明の「外内巻回線」の一例に相当する。また、ループコイルTCL1を構成する上記銅薄膜線は、ループコイルTCL1の全周に渡って同一幅及び同一厚さとされている。更にループコイルTCL1では、図2におけるその上辺部、下辺部、左辺部及び右辺部それぞれに直線部が設けられており、それぞれの直線部が曲線部により接続されている。ここで、ループコイルTCL1を構成する上記銅薄膜線における一巻回目の銅薄膜線と、二巻回目の銅薄膜線との間の距離wは、ループコイルTCL1自体の位置が積層方向においてループコイルTCL2並びに送電オープンコイルTOのコイルCL1及びコイルCL2に重なる位置となる範囲において、なるべく長いことが望ましい。また、ループコイルTCL1の最内周部には、図2の紙面方向においてその直下に積層されているループコイルTCL2との間の電気的接続を構成するためのビアV1が接続されている。
次に、上記フィルムBF1を介して上記ループコイルTCL1の直下に積層されている、送電ループコイルTLを構成するループコイルTCL2の構成について、図3を用いて説明する。なお図3は、当該ループコイルTCL2のみを取り出して示す平面図である。
図3に示すように、送電ループコイルTLのループコイルTCL2は、その最内周部に、上記ループコイルTCL1との電気的接続を構成するための上記ビアV1が接続されている。即ち、ループコイルTCL1とループコイルTCL2との接続は直列接続とされている。そしてループコイルTCL2は、当該ビアV1から始まる反時計回りに(即ち、ループコイルTCL1と同じ巻回方向に)、その最内周部から最外周部に向けて、例えば銅薄膜線が渦巻き状に一回転半(1.5ターン)巻回されて構成されている。またその最外周端部(図3に示す場合は右辺部の中央)が、送電部TRに接続されるもう一つの接続用端子O2とされている。この、ループコイルTCL2を構成する銅薄膜線が、本発明の「内外巻回線」の一例に相当する。また、ループコイルTCL2を構成する上記銅薄膜線は、ループコイルTCL2の全周に渡って同一幅及び同一厚さとされている。更にループコイルTCL2では、図3におけるその上辺部、下辺部、左辺部及び右辺部それぞれに直線部が設けられており、それぞれの直線部が曲線部により接続されている。ここで、ループコイルTCL2を構成する上記銅薄膜線における一巻回目の銅薄膜線と、二巻回目の銅薄膜線との間の距離は、ループコイルTCL1における当該距離w(図2参照)と同一である。
ここで、上記ループコイルTCL1及び上記ループコイルTCL2をそれぞれ構成する銅薄膜線同士の位置関係としては、上記反時計周りに一回転半(1.5ターン)巻回されているループコイルTCL1の銅薄膜線の巻回の中心の位置と、同じ反時計周りに一回転半(1.5ターン)巻回されているループコイルTCL2の銅薄膜線の巻回の中心の位置と、が、略一致するように、それぞれの銅薄膜線が巻回されている。そして、それぞれの最内周部に接続されているビアV1により、ループコイルTCL1とループコイルTCL2とが直列に接続されている。これにより、ループコイルTCL1の最外周部から最内周部への巻回を、ビアV1を介して同じ巻回方向のまま層を変えてループコイルTCL2に繋げることで、ループコイルTCL2が最内周部から最外周部へ巻回されていることになる。そして、それぞれの最外周端部が、相互に隣接する位置で上記接続用端子O1及び上記接続用端子O2とされている。
次に、上記フィルムBF2を介して上記送電ループコイルTLのループコイルTCL2の直下に積層されている、送電オープンコイルTOを構成するコイルCL1の構成について、図4を用いて説明する。なお図4は、当該コイルCL1のみを取り出して示す平面図である。
図4に示すように、送電オープンコイルTOを構成するコイルCL1は、その最外周端部が開放端T1とされている。そしてコイルCL1は、当該開放端T1から始まる反時計回りに、その最外周部から最内周部に向けて、例えば銅薄膜線が渦巻き状に十回転半(10.5ターン)巻回されて構成されている。またその最内周部には、図4の紙面方向においてその直下に積層されているコイルCL2との間の電気的接続を構成するためのビアV2が接続されている。なおコイルCL1を構成する上記銅薄膜線は、コイルCL1の全周に渡って同一厚さ及び同一幅とされている。更にコイルCL1では、図4におけるその上辺部、下辺部、左辺部及び右辺部それぞれに、互いに平行な直線部が設けられており、各直線部が、略同心円弧状の曲線部によりそれぞれ接続されている。
次に、上記フィルムBF3を介して上記コイルCL1の直下に積層されているコイルCL2の構成について、図5を用いて説明する。なお図5は、当該コイルCL2のみを取り出して示す平面図である。
図5に示すように、上記コイルCL1と共に送電オープンコイルTOを構成するコイルCL2は、その最内周部に、上記コイルCL1との電気的接続を構成するための上記ビアV2が接続されている。即ち、コイルCL1とコイルCL2との接続は直列接続とされている。そしてコイルCL2は、当該ビアV2から始まる時計回りに(即ち、コイルCL1と反対の方向に)、その最内周部から最外周部に向けて、例えば銅薄膜線が渦巻き状に二回転半(2.5ターン)巻回されて構成されている。またその最外周端部が開放端T2とされている。なおコイルCL2を構成する上記銅薄膜線は、コイルCL2の全周に渡って同一厚さ及び同一幅とされている。更にコイルCL2では、図5におけるその上辺部、下辺部、左辺部及び右辺部それぞれに、互いに平行な直線部が設けられており、各直線部が、略同心円弧状の曲線部によりそれぞれ接続されている。
ここで、上記コイルCL1及び上記コイルCL2をそれぞれ構成する銅薄膜線同士の位置関係としては、それらの巻回数が十回転半(10.5ターン)と二回転半(2.5ターン)で異なっているが、上記反時計方向に巻回されているコイルCL1の銅薄膜線の位置と、上記時計方向に巻回されているコイルCL2の銅薄膜線の位置と、が、コイルCL1及びコイルCL2それぞれの巻回の中心から見て一致するように、それぞれの銅薄膜線が巻回されている。そして、それぞれの最内周部に接続されているビアV2により、コイルCL1とコイルCL2とが直列に接続されている。これにより、コイルCL1の最外周部から最内周部への巻回を当該最内周部で反対方向に切り返す(折り返す)ことで、コイルCL2が最内周部から最外周部へ巻回されていることになる。このため結果として、図4及び図5に示すように、コイルCL1を構成する銅薄膜線の幅は、コイルCL2を構成する銅薄膜線の幅よりも狭くなっている。
次に、上記送電ループコイルTL(即ちループコイルTCL1及びループコイルTCL2)並びに上記送電オープンコイルTO(即ち上記コイルCL1及び上記コイルCL2)をそれぞれ構成する銅薄膜線同士の位置関係について、図6乃至図8を用いて説明する。
先ず、送電ループコイルTLのループコイルTCL1及びループコイルTCL2をそれぞれ構成する銅薄膜線同士の位置関係について、図6を用いて説明する。なお図6は、ループコイルTCL1と、ループコイルTCL2と、の重なり状況を示す平面図であり、ループコイルTCL1を実線で、その直下にフィルムBF1(図6において図示を省略する。)を介して積層されているループコイルTCL2を破線で、それぞれ示している。
図6に破線で示すように、内周から外周に向けて銅薄膜線がループコイルTCL1と同じ巻回方向で一回転半(1.5ターン)巻回され且つその最内周部でビアV1によりループコイルTCL1と接続されるループコイルTCL2では、その二分の一周ごとに、銅薄膜線の巻回におけるピッチ(即ち、各辺において隣り合う銅薄膜線の中心線の、巻回における径方向の距離。以下、同様。)の三分の一ずつその直線部の位置が外周側にずれるように、各曲線部が形成されて銅薄膜線が巻回され、接続用端子O2がそれぞれの巻回の最外周側に突出する形状とされている。一方図6に実線で示すように、外周から内周に向けて銅薄膜線が一回転半(1.5ターン)巻回され且つその最内周部でビアV1によりループコイルTCL2と接続されるループコイルTCL1では、その二分の一周ごとに、銅薄膜線の巻回におけるピッチの三分の一ずつその直線部の位置が内周側にずれるように、各曲線部が形成されて銅薄膜線が巻回され、接続用端子O1がその巻回の最外周側に突出する形状とされている。これらにより、ループコイルTCL1とループコイルTCL2とが積層されているループコイルTLでは、図6に示すように、左右それぞれの辺では、ループループコイルTCL1とループコイルTCL2を構成する銅薄膜線が重なるように積層されている。
次に、上記ループコイルTC2及び上記送電オープンコイルTOのコイルCL1をそれぞれ構成する銅薄膜線同士の位置関係について、図7を用いて説明する。なお図7は、ループコイルTCL2と、コイルCL1と、の重なり状況を示す平面図であり、ループコイルTCL2を実線で、その直下にフィルムBF2(図7において図示を省略する。)を介して積層されているコイルCL1を破線で、それぞれ示している。
図7に破線で示すように、外周から内周に向けて銅薄膜線が十回転半(10.5ターン)巻回され且つその最内周部でビアV2によりコイルCL2(図7において図示を省略する。)と接続されるコイルCL1では、その四分の一周ごとに、銅薄膜線の巻回におけるピッチの四分の一ずつその直線部の位置が内周側にずれるように、各曲線部が形成されて銅薄膜線が巻回されている。一方図7に実線で示すように、上記ループコイルTCL2を構成する銅薄膜線は、コイルCL1の外縁付近及び内縁付近を、当該外縁及び内縁にそれぞれ沿って積層されている。これらにより、ループコイルTCL2とコイルCL1とが積層されている送電オープンコイルTOでは、図7に示すように、上下左右それぞれの辺では、ループコイルTCL2とコイルCL1を構成する銅薄膜線が重なるように積層されている。
最後に、上記送電オープンコイルTOのコイルCL1及びコイルCL2をそれぞれ構成する銅薄膜線同士の位置関係について、図8を用いて説明する。なお図8は、コイルCL1と、コイルCL2と、の重なり状況を示す平面図であり、コイルCL1を実線で、その直下にフィルムBF3(図8において図示を省略する。)を介して積層されているコイルCL2を破線で、それぞれ示している。
図8に破線で示すように、内周から外周に向けて銅薄膜線が二回転半(2.5ターン)巻回され且つその最内周部でビアV2によりコイルCL1と接続されるコイルCL2では、その四分の一周ごとに、銅薄膜線の巻回におけるピッチの四分の一ずつその直線部の位置が外周側にずれるように、各曲線部が形成されて銅薄膜線が巻回されており、その最外周端部が開放端T2とされている。一方図8に実線で示すように、コイルCL1を構成する銅薄膜線は、コイルCL2の外縁付近及び内縁付近にそれぞれ沿って積層されており、その最外周端部が開放端T1とされている。これらにより、コイルCL1とコイルCL2とが積層されて構成される送電オープンコイルTOと、ループコイルTCL1とループコイルTCL2が積層されて構成される送電ループコイルTLと、が積層されている送電コイルTCでは、図6乃至図8に示すように、上下左右それぞれの辺では、送電ループコイルTL(ループコイルTCL1及びループコイルTCL2)を構成する銅薄膜線と、送電オープンコイルTO(コイルCL1及びコイルCL2)と、をそれぞれ構成する銅薄膜線が重なるように積層されている。
次に、上記送電ループコイルTLと送電オープンコイルTOとの積層状態、並びにループコイルTCL1とループコイルTCL2との接続状態及びコイルCL1とコイルCL2との接続状態について、それぞれ、図6乃至図8に示すA-A’部分の断面図として、図9を用いて説明する。
図9に示すように、図2乃至図8における左辺部では、先ず、ループコイルTCL1とループコイルTCL2とがフィルムBF1を挟んで積層されており、それぞれがビアV1により電気的に接続されている。このビアV1の位置で、同方向に巻回されているループコイルTCL1とループコイルTCL2とがフィルムBF1を挟んで接続されている。一方、送電オープンコイルTOのコイルCL1とコイルCL2とはフィルムBF3を挟んで積層されており、それぞれがビアV2により電気的に接続されている。このビアV2の位置で、コイルCL1の上記反時計方向の巻回が切り返されて(折り返されて)、コイルCL2の上記時計方向の巻回が形成されている。他方、コイルCL1及びコイルCL2からなる送電オープンコイルTOと、ループコイルTCL1及びループコイルTCL2からなる送電ループコイルTLとは、フィルムBF2を挟んで積層されている。このとき、送電ループコイルTLと、送電オープンコイルTOと、は、フィルムBF2により絶縁されている。
(iii)送電コイルTC及び受電コイルRCの製造方法について
次に、第1実施形態の送電コイルTC及び受電コイルRCの製造方法について説明する。
当該製造方法としては、基本的には従来と同様の、下記(a)-1乃至(a)-12の各工程を含む第1製造方法、又は下記(b)-1乃至(b)-14の各工程を含む第2製造方法等を用いることができる。なお、送電コイルTCの製造方法と受電コイルRCの製造方法とは基本的に同一であるので、以下の説明では、送電コイルTCの製造方法についてそれぞれ説明する。
(a)第1製造方法
(a)-1:フィルムBF1の両面全体に銅薄膜を形成する。
(a)-2:上記(a)-1で形成された銅薄膜(両面)の上にそれぞれレジストを塗布する。
(a)-3:上記(a)-2で塗布したレジストを、それぞれの面についてループコイルTCL1及びループコイルTCL2の銅薄膜線にパターニングする。
(a)-4:上記(a)-3のパターニング後にエッチング処理を施し、ループコイルTCL1及びループコイルTCL2としての銅薄膜線を形成する。
(a)-5:上記ビアV1を形成して送電ループコイルTLとする。
(a)-6:フィルムBF3の両面全体に銅薄膜を形成する。
(a)-7:上記(a)-6で形成された銅薄膜(両面)の上にそれぞれレジストを塗布する。
(a)-8:上記(a)-7で塗布したレジストを、それぞれの面についてコイルCL1及びコイルCL2の銅薄膜線にパターニングする。
(a)-9:上記(a)-8のパターニング後にエッチング処理を施し、コイルCL1及びコイルCL2としての銅薄膜線を形成する。
(a)-10:上記ビアV2を形成して送電オープンコイルTOとする。
(a)-11:上記(a)-5の送電ループコイルTLと、上記(a)-10の送電オープンコイルTOと、を、フィルムBF2を間に挟んで貼り合わせ、送電コイルTCを形成する。
(a)-12:接続用端子O1及び接続用端子O2と、送電部TRと、を接続する。
(b)第2製造方法
(b)-1:フィルムBF1の両面全体に銅薄膜を形成する。
(b)-2:ビアV1に相当する位置にレーザ等により貫通穴を形成する。
(b)-3:貫通穴を含む全体に対して無電解銅めっき法および電解銅めっき法による銅めっき処理を施し、ビアV1を形成する。
(b)-4:上記(b)-3で形成された銅めっき(両面)の上にそれぞれレジストを塗布する。
(b)-5:上記(b)-4で塗布したレジストをループコイルTCL1及びループコイルTCL2の銅薄膜線にパターニングする。
(b)-6:上記(b)-5のパターニング後にエッチング処理を施し、ループコイルTCL1及びループコイルTCL2としての銅薄膜線を形成して送電ループコイルTLとする。
(b)-7:フィルムBF3の両面全体に銅薄膜を形成する。
(b)-8:ビアV2に相当する位置にレーザ等により貫通穴を形成する。
(b)-9:貫通穴を含む全体に対して無電解銅めっき法および電解銅めっき法による銅めっき処理を施し、ビアV2を形成する。
(b)-10:上記(b)-9で形成された銅めっき(両面)の上にそれぞれレジストを塗布する。
(b)-11:上記(b)-10で塗布したレジストをコイルCL1及びコイルCL2の銅薄膜線にパターニングする。
(b)-12:上記(b)-11のパターニング後にエッチング処理を施し、コイルCL1及びコイルCL2としての銅薄膜線を形成して送電オープンコイルTOとする。
(b)-13:上記(b)-6の送電ループコイルTLと、上記(b)-12の送電オープコイルTOと、を、フィルムBF2を間に挟んで貼り合わせ、送電コイルTCを形成する。
(b)-14:接続用端子O1及び接続用端子O2と送電部TRとを接続する。
(iv)第1実施形態の電力伝送システムの効果について
次に、第1実施形態の送電コイルTC及び受電コイルRCを含む第1実施形態の電力伝送システムSを用いて電力伝送を行った場合の効果について、本願の発明者による実験結果(シミュレーション結果)を踏まえて、図10を用いて説明する。なお図10は、第1実施形態のコイルの構造による効果としての反射・伝送効率-周波数の関係を示すグラフ図である。また以下の説明では、第1実施形態の電力伝送システムSを用いて電力伝送を行った場合の効果のシミュレーション結果を、従来例の電力伝送システムを用いて電力伝送を行った場合の効果のシミュレーション結果に対比させつつ、説明する。ここで上記従来例としては、一辺が100ミリメートルの正方形形状で一回転(1ターン)巻き構造のループコイルと、当該ループコイルの中心軸と同軸に配置され且つ当該ループコイルと同じ一辺100ミリメートルの正方形形状で筒状に十回転半(10.5ターン)巻き構造のコイル及び二回転半(2.5ターン)巻き構造のコイルを含むオープンコイル(即ち、第1実施形態の送電オープンコイルTO又は受電オープンコイルROと同一構造のオープンコイル)と、からなる送電コイル及び受電コイルを含む電力伝送システムを用いた。
図10に、反射率を示すSパラメータ(S11)と周波数との関係を◆マーク(第1実施形態)及び▲マーク(従来例)で示すと共に、電力の伝送効率を示すSパラメータ(S21)と周波数との関係を■マーク(第1実施形態)及び●マーク(従来例)で示すように、第1実施形態の送電コイルTC及び受電コイルRCを含む第1実施形態の電力伝送システムSを用いた場合では、共振周波数となる周波数(約1.65メガヘルツ)において、電力の伝送効率(SパラメータS21)が格段に向上しており、且つ反射率(SパラメータS11)も格段に低減されていることが判る。
以上説明したように、第1実施形態の送電コイルTC及び受電コイルRCを含む第1実施形態の電力伝送システムSを用いた電力伝送によれば、送電オープンコイルTO(又は受電オープンコイルRO)に対して同心に積層される送電ループコイルTL(又は受電ループコイルRL)が、その外周側から内周側に巻回されるループコイルTCL1と、その内周側から外周側に巻回されるループコイルTCL2と、が接続されてなる直列接続を備え、直列接続における両端部のそれぞれが送電コイルTC(又は受電コイルRC)の最外周部で接続用端子O1及び接続用端子O2とされているので、送電コイルTC(又は受電コイルRC)全体としての電力の伝送効率を向上させてより最適化することができる。
また、ループコイルTCL1の巻回の中心とループコイルTCL2の巻回の中心とが一致するように各銅薄膜線が巻回されているので、伝送効率を向上させることができる。
更に、ループコイルTCL1が形成されている層とループコイルTCL2が形成されている層とが、絶縁性のフィルムBF1を挟んで積層されているので、送電コイルTC(又は受電コイルRC)全体としての電力の伝送効率をより最適化することができる。
更にまた、送電コイルTC(又は受電コイルRC)の径方向における送電ループコイルTL(又は受電ループコイルRL)の位置が当該径方向における送電オープンコイルTO(又は受電オープンコイルRO)の位置に相当する位置であり、送電ループコイルTL(又は受電ループコイルRL)において最外周に巻回された銅薄膜線の送電コイルTC(又は受電コイル)の径方向における位置が送電オープンコイルTO(又は受電オープンコイルRO)において最外周に巻回された銅薄膜線の当該径方向における位置に相当する位置とされ、送電ループコイルTL(又は受電ループコイルRL)において最内周に巻回された銅薄膜線の送電コイルTC(又は受電コイル)の径方向における位置が送電オープンコイルTO(又は受電オープンコイルRO)において最内周に巻回された銅薄膜線の当該径方向における位置に相当する位置とされているので、結果的に、送電ループコイルTL(又は受電ループコイルRL)において最外周に巻回された銅薄膜線と最内周に巻回された銅薄膜線とが距離w(図2参照)だけ離れることとなり、効果的に電力の伝送効率を最適化することができる。
また、送電オープンコイルTO(又は受電オープンコイルRO)が、それぞれが同心に巻回された複数の銅薄膜線により構成されるコイルCL1及びコイルCL2が絶縁性のフィルムBF3を挟んで積層されて構成されているので、送電コイルTC(又は受電コイルRC)としての電力の伝送効率及び反射率を向上させることができる。
(II)第2実施形態
次に、本発明の他の実施形態である第2実施形態の構成について、図11乃至図14を用いて説明する。
以下に説明する第2実施形態の電力伝送システムは、上述した第1実施形態の電力伝送システムSに対して、第2実施形態の送電オープンコイル及び受電オープンコイルの構成のみが異なっており、その他の構成及びその製造方法は第1実施形態の電力伝送システムSと同様である。よって以下の説明では、当該構成が異なる部分についてのみ説明し、その他の当該同様の構成及び製造方法については説明を省略する。また、第1実施形態の電力伝送システムSと同様に、第2実施形態の送電オープンコイルの構成と第2実施形態の受電オープンコイルの構成とは基本的に同一である。よって以下の説明では、第2実施形態の送電オープンコイルについて、その構造を説明する。更に、図11乃至図14は第2実施形態の送電オープンコイルの構造を示す平面図であり、第2実施形態の送電装置において、第2実施形態の送電部側から第2実施形態の送電コイルを見た場合の平面図である。このとき、図11乃至図14では、第1実施形態の電力伝送システムSと同様の構成部材については、同様の部材番号を付している。
第2実施形態の送電コイルは、第1実施形態の送電ループコイルTLと同様の構成を備える第2実施形態の送電ループコイルと、図11乃至図14を用いてそれぞれの構成を説明する第2実施形態のコイルCL21及びコイルCL22を備える第2実施形態の送電オープンコイルと、が、第1実施形態の送電コイルTCと同様の絶縁性のフィルム(図11乃至図14において図示を省略する。)を介して図11乃至図14それぞれの紙面方向に積層されて構成される。また第2実施形態の送電オープンコイルは、二つの上記コイルCL21及びコイルCL22が、上記絶縁性のフィルムを介して図11乃至図14の紙面方向に積層されて構成される。なお第2実施形態でも、各上記フィルムの他に絶縁用として、ガラスエポキシ材料等の絶縁性の材料やセラミック粒子等を分散した薄膜化材料を用いることもできる。更に、第2実施形態の送電ループコイル並びにコイルCL21及びコイルCL22をそれぞれ構成する銅薄膜線の巻回の中心は、相互に同一又は略同一とされている。
次に、上記フィルムを介して第2実施形態の送電ループコイルの直下に積層されている、第2実施形態の送電オープンコイルを構成するコイルCL21の構成について、図11を用いて説明する。なお図11は、当該コイルCL21のみを取り出して示す平面図である。また図11では、図面の明確化のため、コイルCL21を構成する銅薄膜線の巻回の一部の記載を省略している。
図11に示すように、第2実施形態の送電オープンコイルを構成するコイルCL21は、その最外周端部が開放端T1とされている。そしてコイルCL21は、当該開放端T1から始まる反時計回りに、その最外周部から最内周部に向けて、例えば銅薄膜線が渦巻き状に十七回転半(17.5ターン)巻回されて構成されている。またその最内周部には、図11の紙面方向においてその直下に積層されているコイルCL22との間の電気的接続を構成するためのビアV2が接続されている。なおコイルCL21を構成する上記銅薄膜線は、コイルCL21の全周に渡って同一厚さとされているが、その幅は、コイルCL21の内側になるに従って太くなるように形成されている。更にコイルCL21では、図11におけるその上辺部、下辺部、左辺部及び右辺部それぞれに、互いに平行な直線部が設けられており、各直線部が、略同心円弧状の曲線部によりそれぞれ接続されている。そして、コイルCL21を構成する銅薄膜線の幅は、上記直線部では一定とされ、上記曲線部において、コイルCL21の内側になるに従って太くなるように形成されている。
次に、上記フィルムを介して上記コイルCL21の直下に積層されているコイルCL22の構成について、図12を用いて説明する。なお図12は、当該コイルCL22のみを取り出して示す平面図である。また図12では、図面の明確化のため、コイルCL22を構成する銅薄膜線の巻回の一部の記載を省略している。
図12に示すように、上記コイルCL21と共に第2実施形態の送電オープンコイルを構成するコイルCL22は、その最内周部に、上記コイルCL21との電気的接続を構成するための上記ビアV2が接続されている。即ち、コイルCL21とコイルCL22との接続は直列接続とされている。そしてコイルCL22は、当該ビアV2から始まる時計回りに(即ち、コイルCL21と反対の方向に)、その最内周部から最外周部に向けて、例えば銅薄膜線が渦巻き状に三回転半(3.5ターン)巻回されて構成されている。またその最外周端部が開放端T2とされている。なおコイルCL22を構成する上記銅薄膜線は、コイルCL22の全周に渡って同一厚さとされているが、その幅は、コイルCL22の外側になるに従って細くなるように形成されている。更にコイルCL22では、図12におけるその上辺部、下辺部、左辺部及び右辺部それぞれに、互いに平行な直線部が設けられており、各直線部が、略同心円弧状の曲線部によりそれぞれ接続されている。そして、コイルCL22を構成する銅薄膜線の幅は、上記直線部では一定とされ、上記曲線部において、コイルCL22の外側になるに従って細くなるように形成されている。
ここで、上記コイルCL21及び上記コイルCL22をそれぞれ構成する銅薄膜線同士の位置関係としては、それらの巻回数が十七回転半(17.5ターン)と三回転半(3.5ターン)で異なっているが、上記反時計方向に巻回されているコイルCL21の銅薄膜線の位置と、上記時計方向に巻回されているコイルCL22の銅薄膜線の位置と、が、コイルCL21及びコイルCL22それぞれの巻回の中心から見て一致するように、それぞれの銅薄膜線が巻回されている。そして、それぞれの最内周部に接続されているビアV2により、コイルCL21とコイルCL22とが直列に接続されている。これにより、コイルCL21の最外周部から最内周部への巻回を当該最内周部で反対方向に切り返す(折り返す)ことで、コイルCL22が最内周部から最外周部へ巻回されていることになる。このため結果として、図11及び図12に示すように、コイルCL21を構成する銅薄膜線の幅は、コイルCL22を構成する銅薄膜線の幅よりも狭くなっている。
次に、第2実施形態の送電ループコイル並びに第2実施形態の送電オープンコイル(即ち上記コイルCL21及び上記コイルCL22)をそれぞれ構成する銅薄膜線同士の位置関係について、図13及び図14を用いて説明する。
先ず、第2実施形態の送電ループコイルのループコイルTCL2及び第2実施形態の送電オープンコイルのコイルCL21をそれぞれ構成する銅薄膜線同士の位置関係について、図13を用いて説明する。なお図13は、ループコイルTCL2と、コイルCL21と、の重なり状況を示す平面図であり、ループコイルTCL2を実線で、その直下に絶縁性のフィルム(図13において図示を省略する。)を介して積層されているコイルCL21を破線で、それぞれ示している。
図13に破線で示すように、外周から内周に向けて銅薄膜線が十七回転半(17.5ターン)巻回され且つその最内周部でビアV2によりコイルCL22(図13において図示を省略する。)と接続されるコイルCL21では、その四分の一周ごとに、銅薄膜線の巻回におけるピッチの四分の一ずつその直線部の位置が内周側にずれるように、各曲線部が形成されて銅薄膜線が巻回されている。一方図13に実線で示すように、上記ループコイルTCL2を構成する銅薄膜線は、コイルCL21の外縁付近及び内縁付近を、当該外縁及び内縁にそれぞれ沿って積層されている。これらにより、ループコイルTCL2とコイルCL21とが積層されている第2実施形態の送電コイルでは、図13に示すように、上下左右それぞれの辺では、ループコイルTCL2とコイルCL21を構成する銅薄膜線が重なるように積層されている。
次に、第2実施形態の送電オープンコイルのコイルCL21及びコイルCL22をそれぞれ構成する銅薄膜線同士の位置関係について、図14を用いて説明する。なお図14は、コイルCL21と、コイルCL22と、の重なり状況を示す平面図であり、コイルCL21を実線で、その直下に絶縁性のフィルム(図14において図示を省略する。)を介して積層されているコイルCL22を破線で、それぞれ示している。
図14に破線で示すように、内周から外周に向けて銅薄膜線が三回転半(3.5ターン)巻回され且つその最内周部でビアV2によりコイルCL21と接続されるコイルCL22では、その四分の一周ごとに、銅薄膜線の巻回におけるピッチの四分の一ずつその直線部の位置が外周側にずれるように、各曲線部が形成されて銅薄膜線が巻回されており、その最外周端部が開放端T2とされている。一方図14に実線で示すように、コイルCL21を構成する銅薄膜線は、コイルCL22の外縁付近及び内縁付近にそれぞれ沿って積層されており、その最外周端部が開放端T1とされている。これらにより、コイルCL21とコイルCL22とが積層されて構成された第2実施形態の送電オープンコイルと、上記ループコイルTCL2を含む第2実施形態の送電ループコイルと、が積層されている第2実施形態の送電コイルでは、図13及び図14に示すように、上下左右それぞれの辺では、第2実施形態の送電ループコイルを構成する銅薄膜線と、コイルCL21とコイルCL22それぞれを構成する銅薄膜線と、が重なるように積層されている。
なお、第2実施形態の電力システムの構成による効果については、後ほど図19を用いて説明する。
(III)第3実施形態乃至第6実施形態
次に、本発明の更に他の実施形態である第3実施形態乃至第6実施形態の構成について、それぞれ図15乃至図18を用いて説明する。
以下に説明する第3実施形態乃至第6実施形態の電力伝送システムは、上述した第2実施形態の電力伝送システムに対して、第3実施形態乃至第6実施形態の送電ループコイル及び受電ループコイルの構成のみが異なっており、その他の送電オープンコイル及び受電オープコイル等の構成並びにその製造方法は、第2実施形態の電力伝送システムと同様である。よって以下の説明では、当該構成が異なる各実施形態の送電ループコイル及び受電ループコイルについてのみその構成を説明し、送電オープンコイル及び受電オープンコイルを含むその他の構成及び製造方法については、それぞれの説明を省略する。また、第2実施形態の電力伝送システムと同様に、第3実施形態乃至第6実施形態の送電オープンコイルの構成と、第3実施形態乃至第6実施形態の受電オープンコイルの構成と、は基本的に同一である。よって以下の説明では、第3実施形態乃至第6実施形態それぞれの送電ループコイルについて、各構成を説明する。
更に、図15は第3実施形態のコイルの構造を示す平面図であり、図16は第4実施形態のコイルの構造を示す平面図であり、図17は第5実施形態のコイルの構造を示す平面図であり、図18は第6実施形態のコイルの構造を示す平面図である。そして、図15乃至図18は、第3実施形態乃至第6実施形態それぞれの電力伝送システムにおける送電部側から当該各実施形態の送電コイルを見た場合の平面図である。このとき、図15乃至図18では、第2実施形態の電力伝送システムと同様の構成部材については、同様の部材番号を付している。
なお、第3実施形態乃至第6実施形態の電力システムの構成による効果については、後ほど図19を用いて纏めて説明する。
(i)第3実施形態の送電ループコイルについて
先ず、第3実施形態の送電ループコイルの構成について、図15を用いて説明する。
第3実施形態の送電コイルは、図15にその平面図を示す第3実施形態の送電ループコイルTL3と、第2実施形態の送電オープンコイル(図11乃至図14参照。以下、同様。)と同様の構成を備える第3実施形態の送電オープンコイル(図15において図示を省略する。)と、が、図15において図示を省略する絶縁性のフィルムを介して、図15の紙面方向に積層されて構成される。そして送電ループコイルTL3は、図15にその平面形状を実線で示すループコイルTCL31と、図15にその平面形状を破線で示すループコイルTCL32と、が、図15において図示を省略する絶縁性のフィルムを介して、図15の紙面方向に積層されて構成される。なお第3実施形態においても、上記フィルムの他に、ガラスエポキシ材料等の絶縁性の材料をそれぞれの層間に用いることもできるし、例えば上記セラミック粒子等を分散した薄膜化材料を絶縁用として用いることもできる。更に、ループコイルTCL31及びループコイルTCL32をそれぞれ構成する銅薄膜線の巻回の中心と、第3実施形態の送電オープンコイルを構成する銅薄膜線の巻回の中心は、相互に同一又は略同一とされている。
以上の構成において、送電ループコイルTL3のループコイルTCL31は、図15に示すように第1実施形態又は第2実施形態のループコイルTCL1と同様の構成(即ち、その最外周端部が接続用端子O1とされた銅薄膜線が、直線部及び曲線部を含んで反時計方向に一回転半(1.5ターン)巻回され且つその最内周部にビアV1が接続された構成。以下、同様。)を備えている。また、送電ループコイルTL3のループコイルTCL32は、図15に示すように第1実施形態又は第2実施形態のループコイルTCL2と同様の構成(即ち、ビアV1に接続された最内周部から反時計方向に銅薄膜線が、直線部及び曲線部を含んで一回転半(1.5ターン)巻回され且つその最外周端部が接続用端子O2とされた構成。以下、同様。)を備えている。そして、上記ループコイルTCL31と上記ループコイルTCL32とは、上記フィルムを介して積層されており、それぞれの最内周部がビアV1を介して接続されている。即ち、積層された異なる層内でそれぞれ同じ巻回方向に巻回された上記ループコイルTCL31と上記ループコイルTCL32とは、ビアV1を介して直列接続とされている。
一方図15に示すように、第3実施形態の送電ループコイルTL3では、上記ループコイルTCL31を構成する銅薄膜線と、上記ループコイルTCL32を構成する銅薄膜線と、が、平面視において例えば0.6ミリメートル程度の間隔を空けて近接するように、異なる層内に巻回されている。このとき図15に示すように、ループコイルTCL31を構成する銅薄膜線の一部とループコイルTCL31を構成する銅薄膜線の一部(例えば、それぞれの上辺部)は、平面視において重なるように巻回されている。
(ii)第4実施形態の送電ループコイルについて
次に、第4実施形態の送電ループコイルの構成について、図16を用いて説明する。
第4実施形態の送電コイルは、図16にその平面図を示す第4実施形態の送電ループコイルTL4と、第2実施形態の送電オープンコイルと同様の構成を備える第4実施形態の送電オープンコイル(図16において図示を省略する。)と、が、図16において図示を省略する絶縁性のフィルムを介して、図16の紙面方向に積層されて構成される。そして送電ループコイルTL4は、図16にその平面形状を実線で示すループコイルTCL41と、図16にその平面形状を破線で示すループコイルTCL42と、が、図16において図示を省略する絶縁性のフィルムを介して、図16の紙面方向に積層されて構成される。なお第4実施形態においても、上記フィルムの他に、ガラスエポキシ材料等の絶縁性の材料をそれぞれの層間に用いることもできるし、例えば上記セラミック粒子等を分散した薄膜化材料を絶縁用として用いることもできる。更に、ループコイルTCL41及びループコイルTCL42をそれぞれ構成する銅薄膜線の巻回の中心と、第4実施形態の送電オープンコイルを構成する銅薄膜線の巻回の中心は、相互に同一又は略同一とされている。
以上の構成において、送電ループコイルTL4のループコイルTCL41は、図16に示すように第1実施形態又は第2実施形態のループコイルTCL1と同様の構成を備えている。また、送電ループコイルTL4のループコイルTCL42は、図16に示すように第1実施形態又は第2実施形態のループコイルTCL2と同様の構成を備えている。そして、上記ループコイルTCL41と上記ループコイルTCL42とは、上記フィルムを介して積層されており、それぞれの最内周部がビアV1を介して接続されている。即ち、積層された異なる層内でそれぞれ同じ巻回方向に巻回された上記ループコイルTCL41と上記ループコイルTCL42とは、ビアV1を介して直列接続とされている。
一方図16に示すように、第4実施形態の送電ループコイルTL4では、上記ループコイルTCL41を構成する銅薄膜線と、上記ループコイルTCL42を構成する銅薄膜線と、が、交差する部分を除いて平面視において重ならないように、異なる層内に巻回されている。ここで、第1実施形態のループコイルTCL1とループコイルTCL2においては、その一部の辺同士が平面視において重なるようにそれぞれの銅薄膜線が巻回されているが(図6参照)、このような重なりがない点が、第4実施形態のループコイルTCL41及びループコイルTCL42に特有の構成である。
(iii)第5実施形態の送電ループコイルについて
次に、第5実施形態の送電ループコイルの構成について、図17を用いて説明する。
第5実施形態の送電コイルは、図17にその平面図を示す第5実施形態の送電ループコイルTL5と、第2実施形態の送電オープンコイルと同様の構成を備える第5実施形態の送電オープンコイル(図17において図示を省略する。)と、が、図17において図示を省略する絶縁性のフィルムを介して、図17の紙面方向に積層されて構成される。そして送電ループコイルTL5は、図17にその平面形状を実線で示す第1実施形態のループコイルTCL1と、図17にその平面形状を破線で示すループコイルTCL52と、が、図17において図示を省略する絶縁性のフィルムを介して、図17の紙面方向に積層されて構成される。なお第5実施形態においても、上記フィルムの他に、ガラスエポキシ材料等の絶縁性の材料をそれぞれの層間に用いることもできるし、例えば上記セラミック粒子等を分散した薄膜化材料を絶縁用として用いることもできる。更に、ループコイルTCL1及びループコイルTCL52をそれぞれ構成する銅薄膜線の巻回の中心と、第5実施形態の送電オープンコイルを構成する銅薄膜線の巻回の中心は、相互に同一又は略同一とされている。
以上の構成において、送電ループコイルTL5のループコイルTCL52は、図17に示すように、ループコイルTCL1と上記フィルムを挟んでビアV1を介して接続された最内周部から反時計方向に、直線部及び曲線部を含む銅薄膜線が半回転(0.5ターン)巻回され且つその最外周端部が接続用端子O2とされた構成を備えている。これに対してループコイルTCL1は、上述したように、その最外周端部が接続用端子O1とされた銅薄膜線が、直線部及び曲線部を含んで反時計方向に一回転半(1.5ターン)巻回され且つその最内周部にビアV1が接続された構成を備えている。そして、上記ループコイルTCL1と上記ループコイルTCL52とは、上記フィルムを介して積層されており、それぞれの最内周部がビアV1を介して接続されている。即ち、積層された異なる層内でそれぞれ同じ巻回方向に巻回された上記ループコイルTCL1と上記ループコイルTCL52とは、ビアV1を介して直列接続とされている。
一方図17に示すように、第5実施形態の送電ループコイルTL5では、上記ループコイルTCL1を構成する銅薄膜線と、上記ループコイルTCL52を構成する銅薄膜線と、が、交差する部分を除いて平面視において重ならないように、異なる層内に巻回されている。
(iv)第6実施形態の送電ループコイルについて
最後に、第6実施形態の送電ループコイルの構成について、図18を用いて説明する。
第6実施形態の送電コイルは、図18にその平面図を示す第6実施形態の送電ループコイルTL6と、第2実施形態の送電オープンコイルと同様の構成を備える第6実施形態の送電オープンコイル(図18において図示を省略する。)と、が、図18において図示を省略する絶縁性のフィルムを介して、図18の紙面方向に積層されて構成される。そして送電ループコイルTL6は、図18にその平面形状を実線で示すループコイルTCL61と、図18にその平面形状を破線で示すループコイルTCL62と、が、図18において図示を省略する絶縁性のフィルムを介して、図18の紙面方向に積層されて構成される。なお第6実施形態においても、上記フィルムの他に、ガラスエポキシ材料等の絶縁性の材料をそれぞれの層間に用いることもできるし、例えば上記セラミック粒子等を分散した薄膜化材料を絶縁用として用いることもできる。更に、ループコイルTCL61及びループコイルTCL62をそれぞれ構成する銅薄膜線の巻回の中心と、第6実施形態の送電オープンコイルを構成する銅薄膜線の巻回の中心は、相互に同一又は略同一とされている。
以上の構成において、送電ループコイルTL6のループコイルTCL61は、図18に示すように、その最外周端部が接続用端子O1とされた銅薄膜線が、直線部及び曲線部を含んで反時計方向に二回転(2ターン)巻回され且つその最内周部(接続用端子O1に近い側の辺上となる)にビアV1が接続された構成を備えている。また、送電ループコイルTL6のループコイルTCL62は、図18に示すように、ビアV1に接続された最内周部(下記接続用端子O2に近い側の辺上となる)から反時計方向に、銅薄膜線が直線部及び曲線部を含んで二回転(2ターン)巻回され、且つその最外周端部が、接続用端子O1に隣接する接続用端子O2とされた構成を備えている。そして、上記ループコイルTCL61と上記ループコイルTCL62とは、上記フィルムを介して積層されており、それぞれの最内周部がビアV1を介して接続されている。即ち、積層された異なる層内でそれぞれ同じ巻回方向に巻回された上記ループコイルTCL61と上記ループコイルTCL62とは、ビアV1を介して直列接続とされている。
一方図18に示すように、第6実施形態の送電ループコイルTL6では、上記ループコイルTCL61を構成する銅薄膜線と、上記ループコイルTCL62を構成する銅薄膜線と、は、その一部(図18に例示する場合は右辺及び左辺)で平面視において重なるようにそれぞれの銅薄膜線が巻回されている。
(IV)第3実施形態乃至第6実施形態それぞれの電力伝送システムの効果について
次に、第3実施形態乃至第6実施形態の送電ループコイルを含む各実施形態の電力伝送システムを用いて電力伝送を行った場合の効果について、本願の発明者による実験結果(シミュレーション結果)を踏まえて、それぞれ図19及び下記表を用いて説明する。なお図19は、第2実施形態乃至図6実施形態それぞれのコイルの構造による効果としての反射・伝送効率-周波数の関係を示すグラフ図である。また以下の説明では、各実施形態の電力伝送システムを用いて電力伝送を行った場合の効果のシミュレーション結果を、相互に対比させつつ説明する。
Figure 0007148842000001
このとき、表1に示されている第1伝送効率は、送電部TRから送電コイルTCに入力された送電すべき電力と、受電コイルRCにおいて受電されて受電部RVに出力された電力と、の比である。一方第2伝送効率は、送電部TRから送電コイルTCに入力された上記送電すべき電力から送電部TRにより反射された電力を差し引いた電力と、受電コイルRCにおいて受電されて受電部RVに出力された電力と、の比である。
ここで第1伝送効率及び第2伝送効率について、図19に示されている第2実施形態の場合を用いてより具体的に説明する。即ち、図19に示される第2実施形態についての実験結果では、送電部TRから出力された電力の反射率を示すSパラメータ(S11)の値は、「-11.7」となっている。これにより、送電部TRから出力された電力の約6.8%が送電コイルTCに入力されず、送電部TRに反射されていることが判る。このとき上記第1伝送効率では、この反射が考慮されておらず、更に、第2実施形態の場合は電力の伝送効率を示すSパラメータ(S21)の値が「-1.1」となっていることから、送電コイルTCに入力された送電すべき電力と、受電部RVに出力された電力と、の比である第1伝送効率は77.6%となる。これに対し第2伝送効率については、上記6.8%の反射が送電部TRに戻っているので、送電コイルTCに入力される電力は、送電部TRから出力された電力の93.2%であり、この結果、送電コイルTCと受電コイルRCとの間の第2伝送効率は、77.6/93.2≒83.2%になる。
図19に、電力の反射率を示すSパラメータ(S11)と周波数との関係を□マーク(第2実施形態)及び○マーク(第3実施形態)並びに◇マーク(第4実施形態)で示すと共に、電力の伝送効率を示すSパラメータ(S21)と周波数との関係を■マーク(第2実施形態)及び○マーク(第3実施形態)並びに◆マーク(第4実施形態)で示し、更に表1に示すように、第1実施形態の送電ループコイルTL(図6参照)と同じ構成の第2実施形態の送電ループコイルを用いた場合と第4実施形態の送電ループコイルTL4を用いた場合は、それぞれ第2伝送効率が83パーセント(第2実施形態の場合)及び82パーセント(第4実施形態の場合)と高いのに対して、第3実施形態の送電ループコイルTL3を用いた場合は第2伝送効率が76パーセントとなっている。これらにより、一般に、送電ループコイル(又は受電ループコイル)を構成する二つの銅薄膜線の送電コイル(又は受電コイル)の径方向の間隔(例えば図2に示す距離w)は広い方が伝送効率が上がることが判る。これに対して、上記各銅薄膜線の少なくとも一部同士が、送電ループコイル(又は受電ループコイル)を平面視した場合に重なっている場合(第2実施形態参照)と、重なっていない場合(第4実施形態参照)と、では、伝送効率には影響がないことが判る。
一方、第2実施形態乃至第4実施形態と第5実施形態とを比較した場合、第2伝送効率は第5実施形態の方が低い。このことは、伝送効率については、送電ループコイル(又は受電ループコイル)を構成する二つの銅薄膜線は同じ巻回数である方が上がることが判る。
更に、第6実施形態の場合は第2伝送効率が94パーセントで最も高いが、これにより、送電ループコイル(又は受電ループコイル)を構成する二つの銅薄膜線の巻回数は、それぞれ二回転(2ターン)の方が、伝送効率が上がることが判る。ここで第6実施形態の場合は、第1伝送効率が例えば第2実施形態や第5実施形態よりも低いが、この点は、各送電ループコイル(又は各受電オープンコイル)におけるインピーダンスの調整により第1伝送効率を上げることが可能である。なお、送電ループコイル(又は受電ループコイル)を構成する二つの銅薄膜線の巻回数については、本願の発明者による他の実験結果では、それぞれの巻回数が二回転半(2.5ターン)である場合も高い伝送効率が得られている。これに対し、それぞれの巻回数を四回転半(4.5ターン)とした場合は、共振周波数が1.5メガヘルツの場合に第1伝送効率が33パーセントとなり第2伝送効率が75パーセントとなった。更に、送電ループコイル(又は受電ループコイル)を構成する二つの銅薄膜線それぞれの幅を太くして、各巻回において相隣接する銅薄膜線同士の間隔を狭くした場合は、共振周波数が1.0メガヘルツの場合に第1伝送効率が5パーセントとなり第2伝送効率が46パーセントとなった。これらによれば、巻回数を増やしすぎても伝送効率としては低下してしまい、また銅薄膜線同士の間隔を狭くすると伝送効率としては更に低下してしまうことが判った。
以上の実験結果により、送電ループコイル(又は受電ループコイル)を構成する二つの銅薄膜線の巻回数としては、それぞれ同じ巻回数で、且つ一回転半(1.5ターン)以上三回転(3ターン)が最適値であることが判る。
以上それぞれ説明したように、第2実施形態乃至第6実施形態の電力伝送システムによれば、送電ループコイル(又は受電ループコイル)を構成する二つの銅薄膜線の巻回数を一回転半(1.5ターン)以上三回転(3ターン)とすれば、効果的に電力の伝送効率を最適化することができる。
なお上述した各実施形態では、送電ループコイル(又は受電ループコイル)を構成する各ループコイルが、絶縁性のフィルムを挟んで積層されていたが、これ以外に、各ループコイルが、ジャンパ線等を用いて相互に絶縁されつつ一の層内で巻回されていてもよい。この場合は、送電コイル(又は受電コイル)全体としての電力の伝送効率の最適化とそれらの小型化とを両立することができる。
また上述した各実施形態では、送電オープンコイル(又は受電オープンコイル)を構成する各コイルについて、それぞれの最外周部の開放端が巻回における同じ位置となり、それぞれの最内周部も巻回における同じ位置となるように構成したが、これ以外に、開放端の位置並びに最内周部の位置のいずれか又は双方が異なる位置に形成されていてもよい。
更に、上述した各実施形態における送電ループコイル(又は受電ループコイル)及び送電オープンコイル(又は受電オープンコイル)それぞれを構成する各コイルが形成されている層を入れ換えても(即ち、送電部又は受電部から見た当該各コイルの位置(順番)を入れ換えても)、各実施形態と同様の効果を得ることができる。
更にまた、上述した各実施形態において、送電ループコイル又は受電ループコイル、或いは、開放端とされている送電オープンコイル又は受電オープンコイルの端部に対して、直列又は並列にコンデンサを更に接続して、送電ループコイル又は受電ループコイル、或いは、送電オープンコイル又は受電オープンコイルとしての寄生容量を調整することで、共振周波数の低周波数化を図るように構成してもよい。このとき、送電オープンコイル又は受電オープンコイルとのいずれかの開放端に対して直列にコンデンサを接続する場合は、当該開放端のいずれかに接続されていないコンデンサの端子を開放端とすればよい。
(V)変形形態
次に、本発明の変形形態について説明する。上述した各実施形態の電力伝送システムSの構成については、以下の(A)乃至(G)に示すような変形を加えてもよい。本発明の発明者は、当該各変形を加えても、上記電力伝送システムSと同等の効果を奏し得ることを確認している。
(A)第1変形形態
先ず第1変形形態として、例えば第1実施形態の送電オープンコイルTO(又は受電オープンコイルRO)では、それぞれを構成するコイルCL1及びコイルCL2それぞれの巻回数を十回転半(10.5ターン)及び二回転半(2.5ターン)としたが、これら以外に、コイルCL1とコイルCL2が上記と異なる巻回数であってもよいし、コイルCL1の巻回数とコイルCL2の巻回数とが同じであってもよい。
(B)第2変形形態
次に第2変形形態として、各実施形態の送電オープンコイルTO(又は受電オープンコイルRO)では、例えば送電ループコイルTL(又は受電ループコイルRL)とコイルCL1とを異なる層内に形成したが、これらを同じ層内に形成し、且つ送電ループコイルTL(又は受電ループコイルRL)とコイルCL1とを同心に積層してもよい。
(C)第3変形形態
次に第3変形形態として、各実施形態のコイルCL1(又はコイルCL21)とコイルCL2(又はコイルCL22)とは、それぞれの最内周部でビアV2により接続されていたが、これら以外に、コイルCL1(又はコイルCL21)とコイルCL2(又はコイルCL22)とが相互に絶縁されていてもよい。
(D)第4変形形態
次に第4変形形態として、例えば第1実施形態の送電ループコイルTL(又は受電ループコイルRL)の側から見た第1実施形態のコイルCL1及びコイルCL2の順番を入れ換えてもよい。
(E)第5変形形態
次に第5変形形態として、例えば第1実施形態の送電コイルTCにおける送電ループコイルTLの位置と送電オープンコイルTOの位置とを入れ換え、また、第1実施形態の受電コイルRCにおける受電ループコイルRLの位置と受電オープンコイルROの位置とを入れ換えてもよい。この第5変形形態の場合、第5変形形態の電力伝送システム全体としては、送電コイルの送電ループコイルTLと受電コイルの受電ループコイルRLとが相互に対向して配置されることになる。
(F)第6変形形態
次に第6変形形態として、各実施形態のコイルCL1(又はコイルCL21)及びコイルCL2(又はコイルCL22)では、それらの幅を、その外周から内周にかけて広くする構成としたが、これら以外に、コイルCL1(又はコイルCL21)及びコイルCL2(又はコイルCL22)の幅が全周に渡って同じでもよい。
(G)第7変形形態
最後に第7変形形態として、例えば第1実施形態において、開放端とされている送電オープンコイルTO又は受電オープンコイルTOの端部に対して直列又は並列に、或いは送電ループコイルTL又は受電ループコイルRLに対して並列に、それぞれコンデンサを更に接続して、送電ループコイルTO又は受電ループコイルRO、或いは送電オープンコイルTL又は受電オープンコイルRLとしての寄生容量を調整することで、共振周波数の低周波数化を図るように構成してもよい。このとき、送電オープンコイルTO又は受電オープンコイルROにおけるいずれかの開放端に対して直列にコンデンサを接続する場合は、当該開放端のいずれかに接続されていないコンデンサの端子を開放端とすればよい。
以上それぞれ説明したように、本発明は非接触の電力伝送の分野に利用することが可能であり、特に電気自動車に搭載された蓄電池を充電するための電力伝送の分野に適用すれば特に顕著な効果が得られる。
S 電力伝送システム
T 送電装置
R 受電装置
TR 送電部
TC 送電コイル
RV 受電部
RC 受電コイル
TL、TL3、TL4、TL5、TL6 送電ループコイル
TO 送電オープンコイル
RO 受電オープンコイル
RL 受電ループコイル
O1、O2 接続用端子
V1、V2 ビア
T1、T2 開放端
TCL1、TCL2、TCL31、TCL32、TCL41、TCL42、TCL52、TCL61、TCL62 ループコイル
CL1、CL2、CL21、CL22 コイル
BF1、BF2、BF3 フィルム

Claims (10)

  1. 非接触型電力伝送用のコイル対において、
    送電又は受電用の第1コイルと、
    送電時には当該送電すべき電力が供給され、受電時には受電された電力が出力される第2コイルであって、前記第1コイルに対して同心に積層される第2コイルと、
    を備え、
    前記第2コイルは、
    当該第2コイルの外周側から内周側に向けて同心に巻回された外内巻回線と、
    当該第2コイルの内周側から外周側に向けて同心に且つ前記外内巻回線と同じ巻回方向に巻回された内外巻回線と、
    が接続されてなる直列接続を備え、
    前記第2コイルにおいて、前記直列接続における両端部のそれぞれが当該第2コイルの最外周部で外部接続用端子とされており、
    前記コイル対の径方向における前記第2コイルの位置が、当該径方向における前記第1コイルの位置に相当する位置であり、
    前記第2コイルにおいて最外周に巻回された巻回線の前記径方向における位置が、前記第1コイルにおいて最外周に巻回された巻回線の前記径方向における位置に相当する位置とされ、
    前記第2コイルにおいて最内周に巻回された巻回線の前記径方向における位置が、前記第1コイルにおいて最内周に巻回された巻回線の前記径方向における位置に相当する位置とされていることを特徴とするコイル対。
  2. 請求項1に記載のコイル対において、
    前記外内巻回線及び前記内外巻回線は、それぞれ、前記第2コイルにおける当該外内巻回線の巻回の中心と当該内外巻回線の巻回の中心とが一致するように巻回されていることを特徴とするコイル対。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のコイル対において、
    前記第2コイルでは、前記外内巻回線と前記内外巻回線とが、相互に絶縁されつつ一の層内で巻回されていることを特徴とするコイル対。
  4. 請求項1又は請求項2に記載のコイル対において、
    前記第2コイルでは、前記外内巻回線が形成されている層と、前記内外巻回線が形成されている層と、が、絶縁部を挟んで積層されていることを特徴とするコイル対。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のコイル対において、
    前記外内巻回線及び前記内外巻回線それぞれの巻回数が、一回半以上三回以下であることを特徴とするコイル対。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のコイル対において、
    前記第1コイルは、それぞれが同心に巻回された複数の巻回線が、絶縁部を挟んで積層されて構成されていることを特徴とするコイル対。
  7. 送電装置と、当該送電装置から離隔した受電装置と、により構成され、前記送電装置から非接触で前記受電装置に電力を伝送する電力伝送システムに含まれる前記送電装置において、
    請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の前記コイル対である送電コイル対と、
    伝送すべき電力を前記送電コイル対に出力する出力手段と、
    を備えることを特徴とする送電装置
  8. 送電装置と、当該送電装置から離隔した受電装置と、により構成され、前記送電装置から非接触で前記受電装置に電力を伝送する電力伝送システムに含まれる前記受電装置において、
    請求項1から請求項のいずれか一項に記載の前記コイル対であって、前記送電装置に対向して配置される受電コイル対と、
    当該受電コイル対に接続された入力手段と、
    を備えることを特徴とする受電装置。
  9. 請求項7に記載の送電装置と、
    当該送電装置から離隔し、且つ前記送電コイル対に対向して配置される受電装置であって、前記送電装置から送信された電力を受電する受電装置と、
    を備えることを特徴とする非接触型の電力伝送システム
  10. 電装置と、
    請求項8に記載の受電装置であって、前記送電装置から離隔し且つ前記受電コイル対が当該送電装置に対向して配置され、前記送電装置から送信された電力を受電する受電装置と、
    を備えることを特徴とする非接触型の電力伝送システム。
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