[実施形態1]
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する一実施形態は、ゲーム装置の一例としての、2種類の支払い方式にて対価の支払いが可能なゲーム装置に、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、複数種類の支払い方式にて対価の支払いが可能に構成された任意の機器に適用可能である。
また、本明細書において、「現実通貨」とは、硬貨や紙幣、これら貨幣と等価なメダル等、現物を有し、決済には当該現物のやり取りが必要となる通貨を指すものとする。対して、「仮想通貨」とは、現実通貨のような現物を有さず、決済は電子データのみのやり取りが必要である通貨を指すものとする。
本実施形態のゲーム装置では、1回のゲームプレイに対して1枚のゲームカードを提供し、ユーザは該ゲームカードの情報を装置に取得させることで、該ゲームカードに対応付けられたキャラクタの登場するゲームをプレイできるものとして説明する。即ち、本実施形態のゲーム装置は、ゲームプレイに際して情報取得可能であり、情報取得させることで所定のゲーム要素をゲームに登場させることが可能なゲームカードを提供可能に構成される。しかしながら、本発明の実施においてゲーム装置が提供するゲーム用物品の種別、またゲーム装置でのゲーム用物品の提供有無はこれに限られるものではない。
《ゲームシステムの構成》
ここで、本発明の実施形態1に係るゲームシステムのシステム構成について、図1(a)を用いて説明する。
図示されるように、ゲームシステムは、ネットワーク300を介することでサーバ200と複数のゲーム装置100の各々とが通信可能に構成される。ゲーム装置100は、ゲームプレイの提供が可能に構成され、1回のゲームプレイについて予め定められた額の対価の支払いを要件として構成される。ゲーム装置100において対価の支払いは、少なくとも現実通貨を用いる方式と仮想通貨を用いる方式が基本的には選択可能に設けられており、ユーザは所望の方式を選択してゲームプレイの提供を受けることができる。サーバ200は、仮想通貨での決済用に設けられたサーバであり、ゲーム装置100において仮想通貨での対価の支払い要求があった場合に、ユーザに対応付けられた仮想通貨について決済を行うように構成される。
以下、各装置の機能構成について詳細を説明する。なお、以下の説明では、ゲーム装置100とサーバ200において同様の機能を実現する構成要素については、後者に「サーバ」の接頭文字を付して峻別する。
〈ゲーム装置100の構成〉
まず、ゲーム装置100の機能構成について、図2のブロック図を用いて説明する。
制御部101は、例えばCPUであり、ゲーム装置100が有する各ブロックの動作を制御する。具体的には制御部101は、例えば記録媒体102に記録されている各ブロックの動作プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより各ブロックの動作を制御する。
記録媒体102は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的にデータを保持可能な記録装置である。記録媒体102は、ゲーム装置100が有する各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作において必要となるパラメータ等の情報や、ゲーム装置100が実行するゲームに使用される各種のグラフィックスデータを記憶する。メモリ103は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。メモリ103は、各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
支払受付部104は、ゲーム装置100において、ゲームプレイの対価の支払いを受け付ける。本実施形態のゲーム装置100は、各々異なる2種類の支払い方式での対価の支払いを可能ならしめるため、第1受付部120及び第2受付部130を有する。
第1受付部120は、現実通貨での対価の支払いを受け付けるべく設けられた受付部であり、例えば投入口121への効果や相当するコインの投入を検出し、支払受付部104に伝送する。支払受付部104は、第1受付部120に対して投入された現実通貨の額が、ゲームプレイの提供に対して定められた所定の額に達したことをもって、対価の支払いがなされたことを示す情報を制御部101に出力する。即ち、第1受付部120を介して対価の支払いを受け付ける場合には、ゲーム装置100において対価の決済処理が行われる。
一方、第2受付部130は、仮想通貨(電子マネー)での対価の支払いを受け付けるべく設けられた受付部である。本実施形態のゲーム装置100では、所定のICカードや携帯端末等に含められた所定のICチップ等の記録媒体との近接無線通信が第2受付部130を介して可能に構成される。支払受付部104は、第2受付部130を介した対価の支払いを受付可能な状態にある場合、第2受付部130を介してICチップに記憶された識別情報を取得し、該識別情報に基づいてサーバ200に決済要求を行う。詳細は後述するが、本実施形態のゲームシステムでは、決済要求に応じて行われる決済処理において、識別情報に対応づけられて管理されている仮想通貨からゲームプレイの提供に対して定められた額を引きさることで決済を行う。
取得部105は、対価の支払いに応じて提供するゲームのプレイに際し、使用するゲームカードからの情報取得をカードリーダ140を介して行う。本実施形態のゲーム装置100では、ユーザはゲームプレイに際してゲームカードから情報取得をさせることで、該ゲームカードに対応づけられたキャラクタをゲーム中に登場させることが可能に構成される。ゲームカードには、例えばその表面に1次元または2次元コードの態様で、可視または不可視に付されているものであってよく、カードリーダ140はこれを読み取り可能に構成される。ゲームカード等のゲーム用物品への、対応づけるゲーム要素の情報付加は、このように物品表面にコードを印刷する態様で実現されるものに限られず、物品に内蔵された記録媒体にデータを格納する態様で実現されるものであってもよい。後者の場合、カードリーダ140は、第2受付部130と同様に近接無線通信によってゲームカードからの情報取得が可能に構成されていればよい。
なお、本実施形態では、第2受付部130とカードリーダ140とで情報取得の方式が異なるため、これらを別の構成であるものとして説明するが、これらは一体となって構成されるものであってもよい。即ち、第2受付部130を介して行われる仮想通貨による対価の支払いは、カードリーダ140を用いて代用可能に構成されてもよいことは言うまでもない。
本実施形態ではゲームカードには、該カードに対応付けられたゲーム要素であるキャラクタの識別情報(キャラクタID)が付されており、取得部105はカードリーダ140を介してこれを取得するものとする。即ち、ゲームプレイにあたりゲームカードに付されたキャラクタIDを取得することで、制御部101は提供するゲームに登場させるべきキャラクタを特定し、登場させるよう制御することができる。
キャラクタDB106は、ゲームに登場するものとして予め定められたキャラクタの各々についての情報(キャラクタ情報)を管理するデータベースである。本実施形態のゲーム装置100で提供されるゲームは、1回のゲームプレイに係るゲーム中に複数体のキャラクタが登場させることが可能に構成される。ユーザは、ゲームプレイに際してゲームカードを使用することで、該カードに対応付けられたキャラクタを、例えばユーザの使用キャラクタとしてゲームに登場させて、使用する(操作する)ことが可能である。
1つのキャラクタについて管理されるキャラクタ情報は、例えば図7(a)に示されるようなデータ構成を有するものであってよい。図示されるように、キャラクタ情報は、キャラクタを一意に特定するキャラクタID701に関連付けて、該キャラクタをゲームに登場させる際の画面生成に用いられるグラフィックスデータ等を含む描画用情報702、同じく音声提示に用いられる音声データ703、及び本発明に係る参照情報の一例としての、キャラクタの名称、属性等に加え、予め定められた体力(耐久力)、攻撃力、防御力、発動技、特殊スキル等の要素固有の能力を記述した進行パラメータ704を含む。進行パラメータ704は、キャラクタを登場させるゲームにおいて参照される情報であり、該情報を使用することで提供されるゲームの進行制御が行われる。
なお、本実施形態ではキャラクタDB106に、グラフィックスデータや音声データが格納され、キャラクタ情報がこれらデータを含むものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。キャラクタ情報には、該当のデータの格納場所を示す情報が含まれるものであってもよい。
また本実施形態では簡単のため、キャラクタDB106において各キャラクタにつき管理されるキャラクタ情報にキャラクタIDが関連付けられており、取得部105によりゲームカードから取得されたキャラクタIDに基づいて、該カードに対応付けられたキャラクタに係るゲームの進行制御に必要な各種の情報が取得可能に構成されているものとして説明する。しかしながら、本発明の実施はこれに限られるものではなく、ゲームカードに付される情報は、キャラクタID等の、ゲーム要素を特定するための情報のみを有して構成されるものである必要はない。例えばゲームカードには、キャラクタIDに加え、進行パラメータ調整用の情報等、キャラクタの進行制御に用いられるその他の情報が付与されているものであってもよい。
提示制御部107は、ゲーム装置100におけるユーザへの各種情報提示の制御を司る。本実施形態のゲーム装置100では、ユーザへの各種情報提示の手段として、画像(ゲーム画面、メニュー画面等)表示を行う表示部150を備える。しかしながら、情報提示の手段はこれに限られるものではなく、音声出力を行う音声出力部等、代替あるいは追加が可能に構成されるものであってよいことは言うまでもない。
提示制御部107は、例えばGPU等の描画装置を含み、表示部150に表示させる画面を生成する際には所定の描画処理を行う。具体的には提示制御部107は、ゲーム装置100の稼働中(ゲームプレイ中やスタンバイ状態中)において、制御部101により行われた処理や命令に基づいて必要な描画用オブジェクトに対して適当な演算処理を実行し、画面の描画を行う。生成した画面は、ゲーム装置100と同一筐体内、あるいはゲーム装置100の外部に着脱可能に接続された表示装置であってよい表示部150に出力され、所定の表示領域中に表示されることでユーザに提示される。
提供制御部108は、対価の支払いに基づく1回のゲームプレイにつき、通常1枚のゲームカードを提供するよう制御する。ゲーム装置100により提供されるゲームカードは、例えば所定の遊戯(操作キャラクタを操作するゲームパート:対戦ゲーム)の提供に係るゲームシーケンスの開始前に提供される、即ち基本的にはゲームのプレイ内容によらずカードごとに予め定められた(固定の)情報が付されたゲームカードである。カード提供部160は、例えばカードディスペンサであり、鉛直方向にゲームカードを堆積する不図示のストッカを有し、提供制御部108によりなされた提供命令に応じてストッカ最下部に保持されているゲームカードを1枚提供する機構を有する構成であってよい。提供されたゲームカードは、カード提供部160がゲーム装置100と同一筐体内に内蔵される場合は、ゲーム装置100の外部からアクセス可能な取出口161(図1参照)に導かれることでユーザに提供されてよい。本実施形態のゲーム装置100から提供されるゲームカードは、予め印刷製造された既製カードであり、ゲームカード表面に印刷されるキャラクタ画像やパラメータ等のデザインが固定的であるものとして説明する。
なお、本実施形態のゲーム装置100は、予め工場等で印刷、発行された固定的なデザインを有する既製カードを提供するものとして説明するが、提供されるゲームカードは所謂オンデマンド印刷により動的にデザイン変更可能なものであってもよい。この場合、カード提供部160は、所定の紙媒体に印刷を行ってゲームカードを生成する印刷装置であってよい。例えば、ゲームの進行に応じてユーザにより、もしくは抽選処理により選択されたキャラクタのキャラクタIDを、ゲームカード用の変換方式で変換することでコードに変換し、カード提供部160はキャラクタ画像とコードとを印刷してゲームカードを生成する。
操作入力部109は、例えば方向入力用の操作部材や決定入力用の操作部材や各種センサ等の、ゲーム装置100が有するユーザインタフェースである。操作入力部109は、操作部材に対する操作入力がなされたことを検出すると、該操作入力に対応する制御信号を制御部101に出力する。なお、本実施形態ではゲーム装置100は物理的な操作部材として各種インタフェースを備えるものとして説明するが、例えば表示部150の画面上になされたタッチ入力を検出するタッチ入力検出センサ等を含んでいてもよい。
通信部110は、ゲーム装置100が有する外部装置との通信インタフェースである。通信部110は、インターネット等の通信網や機器間を接続するケーブルであってもよいネットワーク300(有線・無線を問わない)を介して外部装置と接続し、データの送受信を可能とすることができる。通信部110は、例えば送信対象として入力された情報を所定の形式のデータに変換し、ネットワーク300を介してサーバ200等の外部装置に送信する。また通信部110は、例えばネットワーク300を介して外部装置から情報を受信すると、該情報を復号し、メモリ103に格納する。詳細は後述するが、本実施形態では通信部110はサーバ200に対して決済要求を送信し、返送された決済結果の情報を受信する。
〈サーバ200の構成〉
次に、サーバ200の機能構成について、図3のブロック図を用いて説明する。なお、本実施形態のサーバ200では、図3のブロック図において破線で示した構成は有さないものとする。
サーバ制御部201は、例えばCPUであり、サーバ200が有する各ブロックの動作を制御する。具体的にはサーバ制御部201は、例えばサーバ記録媒体202に記録されている各ブロックの動作プログラムを読み出し、サーバメモリ203に展開して実行することにより各ブロックの動作を制御する。
サーバ記録媒体202は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的にデータを保持可能な記録装置である。サーバ記録媒体202は、サーバ200が有する各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作において必要となるパラメータ等の情報を記憶する。サーバメモリ203は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。サーバメモリ203は、各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
決済部204は、ゲーム装置100において受け付けられた仮想通貨での対価の支払いについて、該支払いに係る決済処理を行う。より詳しくは決済部204は、ゲーム装置100から支払いに用いられるICカードの識別情報と仮想通貨に係る決済要求とを受信すると、該識別情報に対応付けて管理されている仮想通貨の残高からゲームプレイについて定められた対価分を引きさる。ここで、ICカードごとの残高は、本実施形態ではサーバ200の残高DB205において管理される。
残高DB205は、利用可能に流通しているICカードの各々について、仮想通貨の残高や、なされた決済の履歴等の情報を管理するデータベースである。ICカードごとに管理される情報は、例えば該カードのICチップに保持されている識別情報711に関連付けて、該カードについて使用可能な仮想通貨の残高を示す残高情報712、及び該カードを使用して行われた仮想通貨での支払い履歴を示す履歴情報713を含んで構成されるものであってよい。
決済部204は、決済要求に基づく決済処理を実行し、処理の結果を該決済要求を受信したゲーム装置100に返送する。決済処理は、該当の残高情報712で示される残高の額が、1回のゲームプレイについて予め定められた額(1プレイ額)以上であるか否かに応じて決済可否の判断がなされる。決済部204は、該当の残高情報712の残額が1プレイ額よりも多い場合には、残額から1プレイ額を減算した額で残高情報712を更新して決済し、その旨示す情報をゲーム装置100に返送する。一方、該当の残高情報712の残額が1プレイ額よりも少ない場合には、決済部204は決済を行わず、未決済であることを示す情報を返送する。
従って、本実施形態のゲームシステムでは、ゲーム装置100において第2受付部130を使用した対価の支払いを受け付け可能であるかは、ゲーム装置100とサーバ200が通信接続可能な状態にあることが必須の要件となる。
なお、本実施形態ではサーバ200の残高DB205に各ICカードの残高情報が管理され、決済処理を決済部204が行うものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、決済可否の判断の高速化のため、ICカード自体に残高情報が格納されており、ゲーム装置100において決算処理及びICカードの残高情報の更新を行うものとしてもよい。即ち、ゲーム装置100においてICカードから取得した情報で決済処理を完結させることで、サーバ200からの返送を待たずにゲームプレイの提供を可能ならしめるよう構成してもよい。ただし、この態様においても不正利用等防止のため、更新後の残高情報は各ICカードの決済状況を管理するサーバ200に送信されて同期される必要があり、やはりゲーム装置100とサーバ200との通信接続可能であることが、支払い受け付けの必須要件となる。
サーバ通信部206は、サーバ200が有する外部装置との通信インタフェースである。サーバ通信部206は、ネットワーク300を介して外部装置と接続し、データの送受信を可能とすることができる。サーバ通信部206は、例えば送信対象として入力された情報を所定の形式のデータに変換し、ネットワーク300を介してゲーム装置100等の外部装置に送信する。またサーバ通信部206は、例えばネットワーク300を介して外部装置から情報を受信すると、該情報を復号し、サーバメモリ203に格納する。
《提供処理》
このような構成をもつ本実施形態のゲームシステムにおいて、ゲームプレイの提供にあたり実行される提供処理について、図4のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101及びサーバ制御部201が、例えば各装置の記録媒体に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、装置のメモリに展開して実行することにより実現することができる。なお、本提供処理は、例えばゲーム装置100が起動され、プレイ受け付けが可能なスタンバイ状態になった際に開始されるものとして説明する。
S401で、制御部101は、ゲーム装置100とサーバ200とが通信可能な状態にあるか否かを判断する。例えば制御部101は、通信部110を介してサーバ200に対して応答確認を行うことにより、本ステップの判断を行えばよい。制御部101は、ゲーム装置100とサーバ200とが通信可能な状態にあると判断した場合は処理をS402に移し、通信不可能な状態にあると判断した場合は処理をS411に移す。
S402で、提示制御部107は制御部101の制御の下、現実通貨と仮想通貨の双方で対価の支払いが可能であることを示す通知を、表示部150の表示に含め、ユーザに提示する。また提示と共に、支払受付部104は、第1受付部120と第2受付部130の双方を、対価の支払いを受け付け可能な状態に制御する。なお、本実施形態では2種類の支払い方式が可能であることの提示を行うものとして説明するが、現実通貨での対価の支払いが一般的に認知されていることを考慮し、当該提示は、仮想通貨での対価の支払いが可能であることのみを示すものであってもよい。
S403で、制御部101は、対価の支払いが検出されたか否かを判断する。制御部101は、対価の支払いが開始されたと判断した場合は処理をS404に移し、まだ対価の支払いが開始されていないと判断した場合は本ステップの処理を繰り返す。
S404で、制御部101は、いずれの方式で対価の支払いがなされるかを判断する。具体的には制御部101は、第1受付部120と第2受付部130のいずれで支払受付部104が対価の支払いを検出するかに基づいて判断する。ここで、本ステップの判断は、決済完了が検出されたタイミングで行われるのではなく、対価の支払いが第1受付部120と第2受付部130のいずれを使用して開始されたかを判別したタイミングにおいて行われるのであってよい。即ち、制御部101は、支払受付部104が第1受付部120を介して硬貨の挿入を検出したか、第2受付部130を介してICカードの識別情報を取得したかに応じて行われるものであってよい。制御部101は、現実通貨にて対価の支払いがなされると判断した場合は処理をS413に移し、仮想通貨にて対価の支払いがなされると判断した場合は処理をS405に移す。
S405で、支払受付部104は制御部101の制御の下、第2受付部130を介して取得したICカードの識別情報を通信部110に伝送し、決済要求と共にサーバ200に送信させる。
S405において送信された決済要求を受信すると、サーバ200の決済部204はS406で、使用されたICカードに係る仮想通貨での決済が可能であるか否かを判断する。より詳しくは、決済部204は、残高DB205に識別情報に関連付けて管理されている残高情報712を読み出し、該残高情報712により示される残額が1プレイ額以上であるか否かにより、本ステップの判断を行う。決済部204は、使用されたICカードに係る仮想通貨での決済が可能であると判断した場合は処理をS407に移し、決済が不可能であると判断した場合は処理をS410に移す。
S407で、決済部204は、実際に仮想通貨での支払いを決済する決済処理を実行する。本決済処理において、決済部204は、S405において読み出した残高情報712を、管理されていた残額から1プレイ額分を引きさった額に変更し、変更後の残高情報で、残高DB205に識別情報に関連付けて管理されている同情報を更新する。また決済時(1プレイ額分の引きさる処理が完了した際)には、決済部204は、決済した内容を履歴情報713に加える処理を行ってよい。
S408で、決済部204は、決済したことを示す決済完了情報をサーバ通信部206に伝送し、決済要求を行ったゲーム装置100に送信させる。このように送信された決済完了情報により、決済要求に対して仮想通貨での対価の支払いが完了したことがゲーム装置100に伝送される。
一方、S405において決済が不可能であると判断した場合、決済部204はS409で、決済できなかった旨を示す未決済情報をサーバ通信部206に伝送し、決済要求を行ったゲーム装置100に送信させる。
サーバ200から決済要求に対して返送された情報を受信すると、支払受付部104はS410で、受信した情報が決済完了情報と未決済情報のいずれかであるかを判断する。支払受付部104は、受信した情報が決済完了情報であると判断した場合は、仮想通貨での決済がなされたものとして、処理をS415に移し、受信した情報が未決済情報であると判断した場合は処理をS411に移す。
支払受付部104はS411で、未決済情報が受信されたことに応じて、仮想通貨での決済が残高不足により決済なされていないと判断し、その旨を制御部101に通知する。そして提示制御部107は制御部101の制御の下、該通知を受けて、ICカードに係る仮想通貨の残高が1プレイ額に不足している旨の通知を表示部150の表示に含め、ユーザに提示し、処理をS401に戻す。
また、S401においてゲーム装置100とサーバ200とが通信不可能な状態にあると判断した場合、提示制御部107はS412で、制御部101の制御の下、現実通貨でのみ対価の支払いが可能であることを示す通知を表示部150の表示に含め、ユーザに提示する。あるいは、当該通知を仮想通貨での対価の支払いが不可能であることを示す通知に変更する、または仮想通貨での対価の支払いが不可能であることを示す通知と共に提示するものとしてもよい。また提示と共に、支払受付部104は、第1受付部120のみを対価の支払いを受け付け可能な状態に制御し、第2受付部130は対価の支払いを受け付け不可能な状態に制御する。
S413で、制御部101は、対価の支払いが検出されたか否かを判断する。本ステップでの判断は、第1受付部120に対する対価の支払いを支払受付部104が検出したか否かに基づいて行われる。制御部101は、対価の支払いがなされたと判断した場合は処理をS414に移し、なされていないと判断した場合は本ステップの処理を繰り返す。
S414で、支払受付部104は制御部101の制御の下、第1受付部120に対して支払われた対価の総額が1プレイ額に達したか否かを判断する。制御部101は、第1受付部120に対して支払われた対価の総額が1プレイ額に達したと判断した場合、現実通貨での決済がなされたものと判断し、処理をS415に移す。即ち、支払われた対価の総額が1プレイ額に達した場合、支払受付部104は現実通貨での対価の支払いに係る決済処理を行い、制御部101が決済したことを受けて処理を進める。また制御部101は、第1受付部120に対して支払われた対価の総額が1プレイ額に満たない場合は、本ステップの処理を繰り返す。
S415で、提供制御部108は制御部101の制御の下、ゲームカードを提供するようカード提供部160を制御する。また制御部101は、該ゲームカードの提供に際し、ゲームカードが提供される旨の通知を提示制御部107に行わせる。
S416で、制御部101は、提供する1回のゲームプレイに係るゲーム処理を実行する。ゲーム処理の実行によってゲームプレイが提供されるゲームでは、ゲームカードからの情報取得を行わせることで、該ゲームカードに対応付けられたキャラクタを操作キャラクタ登録するシーケンス、相手キャラクタを選択するシーケンス、及び例えばゲームカードを操作することで進行する、操作キャラクタと相手キャラクタとの対戦ゲームを行うシーケンスを含んでいてよい。
ゲームの終了条件が満たされると、制御部101は処理をS417に移して、1回のゲームプレイの提供終了に係る終了処理を実行した後、本提供処理を完了する。
以上説明したように、本実施形態のゲームシステムによれば、対価の支払い方式を複数種類設けることで、ユーザの利便性を向上させることができる。より詳しくは、ゲームシステムのゲーム装置において、常に対価の支払いを受け付け可能な第1の形態の支払い方式と、仮想通貨での決済管理を行うサーバと通信可能な状態であるか否かに応じて支払いを受け付け可能か否かを制御する第2の形態の支払い方式とを設けることで、ゲーム装置の状況に応じた支払い方式をユーザに提案することができ、結果としてユーザの利便性を向上させることができる。
なお、本実施形態ではサーバ200において仮想通貨の残高の情報が管理され、決済処理は決済部204が行うものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、決済処理を行う装置はゲーム装置100であってもよく、例えば第2受付部130が通信部110を介してサーバ200から識別情報に対応した残高情報を取得し、決済処理を行うものとしてもよい。
[実施形態2]
上述した実施形態1では、仮想通貨に係るICカードからの情報収集が可能に構成された第2受付部130をゲーム装置100が備え、ユーザは携帯しているICカードを使用することで、仮想通貨での対価の支払いを行えるものとして説明した。しかしながら、本発明の実施はこのように、ICカードからの情報取得を行わなくとも、仮想通貨での対価の支払いを受け付け、ゲームプレイの提供を可能ならしめるものであってよい。仮想通貨での対価の支払い方式は、ICカードやICチップを内蔵した装置からの情報取得を要件していないものも含んで複数種類存在しており、例えば携帯電話やスマートホン上での操作により、オンラインで決済可能な支払い方式も存在している。本実施形態では、このような多様な支払い方式の存在を考慮し、仮想通貨での対価の支払いに際し、通信端末上において所望の支払い方式をユーザが選択可能に構成されたゲームシステムについて説明する。
《ゲームシステムの構成》
ここで、本発明の実施形態2に係るゲームシステムのシステム構成について、図1(b)を用いて説明する。
図示されるように、本実施形態のゲームシステムは、実施形態1のゲームシステムとは異なり、例えば携帯端末やスマートホン等のゲームプレイを行うユーザが使用する通信端末500をさらに含む。ゲーム装置100は、実施形態1と同様に、1回のゲームプレイに係る対価の支払いに、現実通貨を用いる方式と仮想通貨を用いる方式が選択可能に設けられている。しかしながら、本実施形態のゲーム装置100における仮想通貨での対価の支払いは実施形態1とは異なり、ゲーム装置100からサーバ200に対して決済要求が行われるものではない。
本実施形態のゲームシステムでは、ゲームプレイについての仮想通貨での対価の支払いは、通信端末500からサーバ200に決済要求を行うことを可能ならしめるべく、ゲーム装置100は仮想通貨での対価の支払いの選択指示がなされた場合に、決済要求に必要な情報を提示する。ユーザは、通信端末500を用いて該必要な情報を取得することで、所望の仮想通貨の支払い方式を選択して支払いを行うことができ、通信端末500は選択された支払い方式に該当するサーバ200に対して、取得した情報に基づき決済要求を行う。このため、本実施形態のゲームシステムは、複数の仮想通貨の支払い方式のそれぞれについて、決済用のサーバ200が含まれる。詳細は後述するが、各サーバ200は、ネットワーク300を介して複数のゲーム装置100及び複数の通信端末500と通信可能に構成されている。
以下、各装置の機能構成について詳細を説明する。なお、以下の説明において、実施形態1と同様の構成についての説明は基本的に省略し、実施形態1と異なる動作を行うブロックについて主に説明する。また通信端末500の構成要素のうち、ゲーム装置100及びサーバ200と同様の機能を実現する構成要素については、「端末」の接頭文字を付して峻別する。
〈ゲーム装置100の構成〉
本実施形態のゲーム装置100の構成は図2に示した通りであるが、実施形態1とは異なり、仮想通貨での対価の支払いに際してICカードからの情報取得は必要ないため、第2受付部130は、所定のICチップ等の記録媒体との近接無線通信機能を有さない。
支払受付部104は、実施形態1と同様に、現実通貨と仮想通貨に係る2種類の支払い方式での対価の支払いを可能に構成される。一方、本実施形態のゲーム装置100では、仮想通貨での対価の支払う方式の選択には、該方式を選択する操作入力を要するものとする。
詳細は後述するが、本実施形態では第2受付部130は、仮想通貨での対価を支払う旨の操作入力に応じて、該支払いイベントを一意に特定する識別情報(支払いID)を発行し、提示制御部107を介して表示部150に該支払いIDを提示させる。また該識別情報に基づいて通信端末500において仮想通貨での対価の支払いが行われて決済された後、第2受付部130は、その旨を示す操作入力に応じて、該当のサーバ200に決済確認要求を行う。そしてサーバ200から返送された決済完了情報を第2受付部130が受信すると、支払受付部104は、仮想通貨での対価の支払いが決済したことを制御部101に伝送する。
〈通信端末500の構成〉
次に、通信端末500の機能構成について、図5のブロック図を用いて説明する。
端末制御部501は、例えばCPUであり、通信端末500が有する各ブロックの動作を制御する。具体的には端末制御部501は、例えば端末記録媒体502に記録されている各ブロックの動作プログラムを読み出し、端末メモリ503に展開して実行することにより各ブロックの動作を制御する。
端末記録媒体502は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的にデータを保持可能な記録装置である。端末記録媒体502は、通信端末500が有する各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作において必要となるパラメータ等の情報を記憶する。端末メモリ503は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。端末メモリ503は、各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
撮像部504は、例えばCMOSセンサ等の撮像素子を備え、撮像範囲に存在する被写体を撮像し、撮像画像を出力する。本実施形態では、仮想通貨での対価の支払いイベントを一意に特定する支払いIDのゲーム装置100から通信端末500への伝達は、支払いIDを変換した2次元コードが表示部150に提示され、撮像部504によりこれを撮像することで実現される。なお、本実施形態では、通信端末500における煩雑な操作を回避すべく、ゲーム装置100から通信端末500への支払いIDの伝達を、2次元コードへの変換及び該コードの撮像を介する態様として説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、ゲーム装置100と通信端末500とが通信可能に構成される場合は、支払いIDはゲーム装置100から送信されることによって通信端末500に伝達されるものであってもよい。あるいは、支払いIDが英数字等のテキストで構成される場合、該テキストを表示部150に表示させ、ユーザが該テキストを参照しながら、通信端末500において入力操作を行うことで、支払いIDの伝達が実現されるものであってもよい。
決済要求部505は、仮想通貨での対価の支払いに使用するものとして選択されたサーバ200に対して、1プレイ額分の決済要求を行う。より詳しくは、決済要求部505は、撮像部504により撮像された撮像画像に対して所定の演算を適用することで支払いIDを取得し、該支払いIDと1プレイ額の情報を端末通信部506に伝送し、該当のサーバ200に対し決済要求と共に送信させる。このとき、該サーバが提供する仮想通貨の決済サービスの利用にあたり、通信端末500のユーザを識別するために用いられているユーザIDも、決済要求と共に送信されるものとする。
端末通信部506は、取得部105が有する外部装置との通信インタフェースである。端末通信部506は、ネットワーク300を介して外部装置と接続し、データの送受信を可能とすることができる。端末通信部506は、例えば送信対象として入力された情報を所定の形式のデータに変換し、ネットワーク300を介してサーバ200等の外部装置に送信する。また端末通信部506は、例えばネットワーク300を介して外部装置から情報を受信すると、該情報を復号し、端末メモリ503に格納する。
〈サーバ200の構成〉
本実施形態のサーバ200の構成は、実施形態1にて図3を用いて説明したブロックに加え、破線で示したブロック(決済DB210)をさらに有する。
本実施形態の決済部204は、通信端末500において受け付けられた仮想通貨での対価の支払いについて、該支払いに係る決済処理を行う。より詳しくは決済部204は、通信端末500から仮想通貨に係る決済要求を受信すると、共に受信したユーザIDに関連付けられて管理されている仮想通貨の残高から1プレイ額分を引きさる決算処理を行う。ここで、利用者ごとの残高の情報は、本実施形態では決済サービスごとに、該当のサーバ200の残高DB205において管理される。
また本実施形態の残高DB205は、該サーバ200を用いて提供されている仮想通貨決済サービスの利用者ごとに、仮想通貨の残高や、なされた決済の履歴等の情報を管理するデータベースである。利用者ごとに管理される情報は、例えば該利用者(ユーザ)を一意に特定するためのユーザID721に関連付けて、該利用者が使用可能な仮想通貨の残高を示す残高情報722、及び該利用者の行った仮想通貨での支払い履歴を示す履歴情報723を含んで構成されるものであってよい。
決済部204は、決済要求に基づく決済処理を実行し、処理の結果を該決済要求を受信した通信端末500に返送する。決済処理は、実施形態1と同様に、該当の残高情報722で示される残高の額が、1プレイ額以上であるか否かに応じて決済可否の判断がなされるものであってよい。
一方、本実施形態のサーバ200は、決済DB210において決済要求ごとに決済されたか否かの情報(決済状況情報)が管理される。決済DB210において管理される決済状況情報は、例えば決済要求とともに受信した支払いID731に関連付けて、該支払いID731に係る決済がなされたか否かを示す決済フラグ732(論理型)を含むものであってよい。ここで、決済フラグ732は、決済処理が行われ、かつ決済した場合に真に設定され、それ以外(決済処理が行われていない、決済に失敗した)の場合には初期値である偽に設定されているものであってよい。本実施形態では、決済したか否かに依らず、支払いIDごとに決済DB210に決済状況情報が登録され、所定の期間保持されるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、決済DB210に決済状況情報として管理される情報は、決済がなされたか否かを示す情報を含むものである必要はなく、決済した支払いに係る支払いIDのみが、決済DB210に保持される構成としてもよい。
本実施形態のゲームシステムでは、サーバ200は決済DB210に決済状況情報を管理し、ゲーム装置100から決済確認要求を受信した場合にこれを提供するように構成される。即ち、本実施形態のゲームシステムでは、仮想通貨での対価の支払いに基づいて1回のゲームプレイを提供する際には、次のような流れとなる。まずゲーム装置100において仮想通貨での対価の支払いを行う旨の操作入力がなされると、ゲーム装置100において支払いIDを含む2次元コードの提示が行われ、ユーザが通信端末500を用いて該コードを撮像することにより、ゲーム装置100から通信端末500への支払いIDの伝達がなされる。そして、通信端末500においてユーザが支払いを行う仮想通貨決済サービスを選択すると、通信端末500から該当のサーバ200に対して支払いIDを含む決済要求が送信され、サーバ200において決算処理が行われ、決済完了情報が通信端末500に返送される。このとき正常に決済されると、決済がなされた旨を示す決済状況情報が支払いIDに対応付けられて管理される。決済完了情報に基づき、通信端末500において決済がなされたことが通知されると、ユーザは該通知をもとに、ゲーム装置100において決済したサービスを選択する操作入力を行う。これにより、ゲーム装置100は仮想通貨での決済がなされたサービスを把握することができるため、該サービスを提供するサーバ200に対して支払いIDとともに決済確認要求を送信する。そして該要求を受信したサーバ200では、支払いIDに対応付けられた決済状況情報を決済DB210から取得してゲーム装置100に返送し、ゲーム装置100は該決済状況情報が決済完了を示しているのであれば、ゲームプレイの提供を開始する。
このため、やはり本実施形態のゲームシステムでも、ゲーム装置100において仮想通貨での対価の支払いを受け付け可能であるかは、最終的な決済状況情報の確認が必要となるため、ゲーム装置100とサーバ200が通信接続可能な状態にあることが必須の要件となる。
なお、本実施形態では、外部の仮想通貨決済サービス等の利用も考慮し、このような手法で決済確認がなされるものとして説明するが、本発明の実施がこれに限られるものではないことは容易に理解されよう。即ち、通信端末500からなされた決済要求についての決済完了情報の送信先がゲーム装置100となるように構成されていてもよい。この場合サーバ200からゲーム装置100に対して、支払いIDに関連付けて決済フラグ732に相当する情報が送信されることで、ゲーム装置100から通信端末500に対して決済確認要求を行うことなく同様の処理を実現することができる。また、本実施形態では複数の仮想通貨決済サービスでの支払いを可能ならしめ、通信端末500においてユーザがいずれのサービスを利用して決済するかを選択可能である構成について説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、利用可能な仮想通貨決済サービスは1つであるものとし、通信端末500における利用するサービスの選択操作やゲーム装置100における決済したサービスの選択操作の受け付けに係る処理を回避するものとして構成してもよい。
《提供処理》
このような構成をもつ本実施形態のゲームシステムにおいて、ゲームプレイの提供にあたり実行される提供処理について、図6のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101及びサーバ制御部201が、例えば各装置の記録媒体に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、装置のメモリに展開して実行することにより実現することができる。なお、本提供処理は、例えばゲーム装置100が起動され、プレイ受け付けが可能なスタンバイ状態になった際に開始されるものとして説明する。また本提供処理の説明において、実施形態1の提供処理と同様の処理を行うステップについては同一の参照符号を付し、説明を省略するものとする。
S401においてゲーム装置100とサーバ200とが通信可能な状態にあると判断した場合、提示制御部107はS601で、現実通貨と仮想通貨の双方で対価の支払いが可能であることを示す通知、及びこれらのいずれを用いて対価の支払いを行うかを問い合わせる選択表示を、表示部150を介してユーザに提示する。実施形態1において説明した態様と同様、本ステップで行われる提示は、仮想通貨での対価の支払いを行うか否かを問い合わせる選択表示のみを提示するものであってもよい。
S602で、制御部101は、対価の支払いを仮想通貨で行うことが選択されたか否かを判断する。本ステップの判断は、S601で行われた選択表示に対する選択操作に応じて行われるものであってよい。制御部101は、対価の支払いを仮想通貨で行うことが選択されたと判断した場合は処理をS603に移し、現実通貨で行うものと判断した場合は処理をS413に移す。
S603で、第2受付部130は制御部101の制御の下、今回のゲームプレイに係る支払いIDを発行し、該支払いIDと1プレイ額の情報とを2次元コードに変換し、提示制御部107に伝送して表示部150に提示させる。なお、本実施形態では、支払いIDの発行はゲーム装置100において第2受付部130が行うものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。支払いIDの発行は利用される仮想通貨決済サービスに係るサーバ200において発行されて供給されるものであってもよく、この場合、ゲーム装置100において利用するサービスの選択後、第2受付部130は該当のサーバ200と通信して取得を行えばよい。
S604で、通信端末500の端末制御部501は、支払いIDと1プレイ額の情報を取得したか否かを判断する。より詳しくは、端末制御部501は、通信端末500において撮像に係る操作入力がなされたことに応じて撮像部504から出力された撮像画像に2次元コードが含まれ、かつ該2次元コードを復号することで支払いIDと1プレイ額の情報が得られたか否か、に応じて本ステップの判断を行う。端末制御部501は、支払いIDと1プレイ額の情報を取得したと判断した場合は処理をS605に移し、取得していないと判断した場合は本ステップの処理を繰り返す。
なお、本実施形態では提供処理の一連の処理の流れを簡単に説明するために、本ステップにおいて端末制御部501は、支払いID及び1プレイ額の情報が得られるまで処理を繰り返すものとして説明する。しかしながら、ゲーム装置100において提示された2次元コードの撮像が行われるか否かは、ゲーム装置100とは独立してユーザが通信端末500を操作するか否かに依るものであるため、本ステップの処理を繰り返す処理は行われず、以降の処理は行われないものとしてもよい。この場合、ゲーム装置100において、2次元コードの提示から所定のタイムアウト期間の経過をもって、再度スタンバイ状態に移行するよう制御部101は制御を行えばよい。
S605で、端末制御部501は、支払いIDで識別される今回のゲームプレイについて、いずれの仮想通貨決済サービスで対価の支払いを行うかの選択を受け付ける。選択可能な仮想通貨決済サービスは、例えば既に通信端末500において利用登録がなされているサービスのうちの、ゲームシステムでの対価の支払いに利用可能なサービスが対象になるものであってよい。端末制御部501は、対価の支払いを行う仮想通貨決済サービスの選択が受け付けられると、処理をS606に移す。
S606で、決済要求部505は、取得した支払いID及び1プレイ額の情報と、該当の仮想通貨決済サービスのユーザIDとを端末通信部506に伝送し、決済要求と共に対象のサーバ200に送信させる。
S606において送信された決済要求を受信すると、サーバ200の決済部204はS607で、該要求と共に受信した支払いIDについて、新たに決済DB210に決済状況情報を登録する。本ステップで登録される決済状況情報は、決済要求と共に受信した支払いIDを支払いID731とし、初期値「偽」の状態の決済フラグ732を有する。
S608で、決済部204は、決済要求と共に受信したユーザIDに係る仮想通貨での決済が可能であるか否かを判断する。より詳しくは、決済部204は、残高DB205にユーザIDに関連付けて管理されている残高情報722を読み出し、該残高情報722により示される残額が1プレイ額以上であるか否かにより、本ステップの判断を行う。決済部204は、ユーザIDに係る仮想通貨での決済が可能であると判断した場合は処理をS609に移し、決済が不可能であると判断した場合は処理をS611に移す。
S609で、決済部204は、実際に仮想通貨での支払いを決済する決済処理を実行する。本決済処理において、決済部204は、S608において読み出した残高情報722を、管理されていた残額から1プレイ額分を引きさった額に変更し、変更後の残高情報で、残高DB205にユーザIDに関連付けて管理されている同情報を更新する。また決済時(1プレイ額分の引きさる処理が完了した際)には、決済部204は、決済した内容を履歴情報723に加える処理を行ってよい。加えて、決済部204は、決済に係る支払いIDが関連付けられた決済DB210の決済状況情報の決済フラグ732を真に変更する処理を行うものとする。
S610で、決済部204は、決済したことを示す決済完了情報をサーバ通信部206に伝送し、決済要求を行った通信端末500に送信させる。このように送信された決済完了情報により、決済要求に対して仮想通貨での対価の支払いが完了したことが通信端末500に伝送される。
一方、S608において決済が不可能であると判断した場合、決済部204はS611で、決済できなかった旨を示す未決済情報をサーバ通信部206に伝送し、決済要求を行った通信端末500に送信させる。
サーバ200から決済要求に対して返送された情報を受信すると、決済要求部505はS612で、受信した情報が決済完了情報と未決済情報のいずれかであるかを判断する。決済要求部505は、受信した情報が決済完了情報であると判断した場合は、仮想通貨での決済がなされたことを示す提示を通信端末500において行い、受信した情報が未決済情報であると判断した場合は処理をS613に移す。
S613で、決済要求部505は、未決済情報が受信されたことに応じて、仮想通貨での決済が残高不足により決済なされていないと判断し、選択された仮想通貨決済サービスに係る仮想通貨の残高が1プレイ額に不足している旨の通知を提示し、処理をS605に戻す。
S614で、第2受付部130は、仮想通貨での決済の完了を受けてユーザによりなされる、決済を行った仮想通貨決済サービスを選択する操作入力が受け付けられたか否かを判断する。第2受付部130は、決済を行った仮想通貨決済サービスの選択する操作入力が受け付けられたと判断した場合は処理をS615に移し、受け付けられていないと判断した場合は本ステップの処理を繰り返す。
S615で、第2受付部130は、決済を行った仮想通貨決済サービスに該当するサーバ200に対し、通信部110を介して支払いIDと共に決済確認要求を送信する。
このように送信された決済確認要求を受信すると、サーバ制御部201はS616で、該要求と共に受信した支払いIDが関連付けられた決済状況情報を残高DB205から取得してゲーム装置100に返送する。
そして決済確認要求に対して返送された決済状況情報を第2受付部130が受信すると、支払受付部104はS617で、今回のゲームプレイについて仮想通貨での決済がなされたか否かを判断する。本ステップの判断は、受信した決済状況情報の決済フラグ732が真であるか否かに応じて行われるものであってよい。支払受付部104は、今回のゲームプレイについて仮想通貨での決済がなされたと判断した場合は処理をS415に移し、なされていないと判断した場合は処理をS601に戻す。
以上説明したように、本実施形態のゲームシステムによれば、対価の支払い方式を複数種類設けることで、ユーザの利便性を向上させることができる。より詳しくは、ゲームシステムのゲーム装置において、常に対価の支払いを受け付け可能な第1の形態の支払い方式と、仮想通貨での決済管理を行うサーバと通信可能な状態であるか否かに応じて支払い手続きに必要となる支払いIDに係る表示を伴う第2の形態の支払い方式とを設けることで、ゲーム装置の状況に応じた支払い方式をユーザに提案することができ、結果としてユーザの利便性を向上させることができる。
[変形例1]
ところで、上述したように業務用のゲーム筐体等のゲーム装置には、製造コスト面や集金容易性の観点から、慣習的に釣り銭の払出機能が設けられていない。このため、ゲーム装置の利用に係る現実通貨の対価は、例えば100円硬貨1枚等、釣り銭の払出機能を有さずともユーザが用意し易い額に設定されてきている。即ち、このような事情から、ゲーム装置における1回のゲームプレイについて設定される現実通貨の対価の額は、物価の変動(特に物価の上昇)に合わせた変更が困難である実情がある。
一方で、仮想通貨であれば、釣り銭の払出機能を要さずに決済処理ができるため、対価の額を現実通貨を使用する場合と異なる額に変更することも可能である。即ち、例えば物価が上昇した場合に、仮想通貨について設定する対価の額を、現実通貨について設定された対価の額(固定)よりも高額に設定することもできる。
しかしながら、このように現実通貨での支払いと仮想通貨での支払いとで、サービス利用に必要な対価の額に差を設ける場合、サービス利用するユーザ間での公平性が担保されなくなる。このため、例えば現実通貨での支払いがなされて提供されるゲームプレイと、仮想通貨での支払いがなされて提供されるゲームプレイとで、異なる種別のゲームカードが提供されるよう、カード提供部160を複数の種別のカードを提供可能に構成してもよい。即ち、上述した実施形態では、対価の支払いが現実通貨と仮想通貨のいずれであるかに依らず、カード提供部160は、1つのストッカに無作為に収容されたゲームカードを下から順に提供するものとして説明したが、例えば収容されるゲームカードが異なるストッカが2つ設け、現実通貨と仮想通貨のいずれで支払いがなされたかに応じて、ゲームカードを提供するストッカを異ならせるよう制御を行うものとしてもよい。このとき、仮想通貨の支払い方式は現実通貨の支払い方式よりも対価を高額に設定可能であるため、仮想通貨での支払いに応じて提供されるゲームカードは、例えば箔押し加工やエンボス加工がなされた製造コストが高い、あるいは対応付けられるキャラクタがゲームを有利に進行せしめるパラメータを有している等、現実通貨での支払いに応じて提供されるゲームカードよりも価値の高い(高レアリティ)物品となるようにしてもよい。あるいは、例えば支払いがなされた通貨がいずれであるか応じて、既製カードとオンデマンド印刷カードとを提供し分ける構成としてもよい。
また、このような支払い方式に応じた提供物品の価値の差は、物品の種別を異ならせることにより実現されるものでなくてもよい。例えば、仮想通貨の支払い方式に対応するストッカに収容される高レアリティの物品の割合を、現実通貨の支払い方式に対応するストッカよりも高くなるようにすることで実現されるものであってもよい。あるいは、例えば物品がデータ書き換え可能な記録媒体を具備して構成される態様においては、仮想通貨での支払いに応じて提供される物品には、ゲームプレイにおいて情報取得させた場合に、アイテムや得点ボーナス等、ゲームを有利に進行せしめる追加的なゲーム要素の付加を行い、現実通貨での支払いに応じて提供される物品には当該付加を行わないよう、ゲーム装置100が構成されていてもよい。
[変形例2]
上述した実施形態及び変形例では、1回のゲームプレイについての対価の支払いを受け付ける場合の制御について説明した。ところで、業務用のゲーム筐体等のゲーム装置の中には、例えば少なくとも一部のゲームの進行状況を継続させた状態でのゲームプレイを可能ならしめる等、同一のユーザによる連続のゲームプレイを許容しているゲーム装置も存在する。換言すれば、所謂「コンティニュー」機能を設けたゲームを提供するゲーム装置では、同一のユーザに対し、1回のゲームプレイの完了後に更なる対価の支払いがなされることを要件として、連続する後続のゲームプレイを提供する。
このような場合、先行して行われたゲームプレイについて選択された対価の支払い方式に応じて、後続のゲームプレイの対価の支払い方式を制御するようにしてもよい。例えば、先行して行われたゲームプレイが現実通貨での対価の支払いに応じて提供されたものである場合、支払受付部104は後続のゲームプレイについては、ゲーム装置100とサーバ200とが通信接続可能な状態であるか否かに依らず、第1受付部120でのみ、即ち現実通貨でのみ対価の支払いを受け付け、仮想通貨での対価の支払いを受け付けないように制御してもよい。これは、現実通貨での対価の支払いを行ったユーザは、仮想通貨での対価の支払いを行う術を有していないと想定されることに基づく。また例えば、先行して行われたゲームプレイが仮想通貨での対価の支払いに応じて提供されたものである場合、支払受付部104は後続のゲームプレイについては、ゲーム装置100とサーバ200とが通信接続可能な状態であることを要件として、現実通貨と仮想通貨のいずれかを選択して対価の支払いを受け付け可能なように制御してもよい。これは、先行して行われたゲームプレイに係る引き去りにより、仮想通貨の残高が1プレイ額以下となったユーザであっても、現実通貨であれば後続のゲームプレイを行うことを可能にすることで、ユーザ利益と収益の機会とを担保することに依る。
このようにすることで、コンティニュープレイ時における不要な制御を回避しつつ、好適なゲームプレイを提供することが可能となる。
[その他の実施形態]
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。また本発明に係るゲームシステム及びゲーム装置は、1以上のコンピュータを該ゲームシステムまたはゲーム装置として機能させるプログラムによっても実現可能である。該プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されることにより、あるいは電気通信回線を通じて、提供/配布することができる。