発明の詳細な説明
[発明の背景]
1.発明の分野
本発明は、一般に、連続的グルコース測定に関する。より詳細には、本発明は、皮下挿入可能なグルコースセンサ、挿入器アセンブリ、及び、リーダを備えるグルコース測定システムに関する。
2.従来技術の説明
ランセットは、血液サンプルを得るために患者の皮膚に穿刺するための、医療分野で一般に用いられる周知の器具である。ランセットは、病院、他の医療機関において、また糖尿病患者のような個人により、様々な分析物について血液の小滴を検査するために利用される。通常、ランセットは、HIV、肝炎、及び、他の血液感染性の病気のリスクを低減するために、一度だけ使用される。ランセットまたはこれらの器具の鋭利物は、使用前に専門家またはユーザによりコックされる(cocked)小型ばねにより患者の皮膚に打ち込まれる。ランセットは、ランセットの端部を無菌状態に保ち、且つ、使用前に取り外される、保護安全キャップにて覆われる。
様々なランセット装置が、患者、及び/または、医療関係者により使用可能である。あるランセット装置は、複数回、及び/または、反復使用するように構成される。この種類において、ユーザは、通常、ランセット注入器上のボタンまたは他の装置を押し、ランセットを患者の皮膚に貫入させる。より一般的には、ランセット装置は、正確な、標準化された、且つ、一貫した方法で穿刺するために、ランセットを効果的に収容し、患者の皮膚内に発射する。ランセット注入器には、ランセットの針の貫入深さを制御し、調整するためのアダプタキャップが設けられてもよい。
ランセット及びセンサの統合装置が、ランセット、及び、試験片またはセンサを単一のパッケージに統合するように開発されてきた。これらの統合装置は、通常、ランセット注入器と共に用いられて、統合されたランセット及び試験片が、ランセットにより生成される血液サンプルの試験片による採取後に、ランセット注入器から取り外されて測定器に接続されるか、または、ランセット注入器に内蔵される測定器と共に用いられる。
さらに最近では、連続的グルコース測定装置が、患者の皮膚に埋め込むために開発されてきた。連続的測定システムは、通常、組織液中の分析物レベルを検査するために、皮下、または、皮下脂肪層に挿入される、超小型埋め込み型センサを用いる。送信機が、例えば、モニタへ有線で、または、センサからワイヤレスモニタへ電波により無線で、分析物レベルについて情報を送信する。これらの装置は、通常、患者のグルコース値をリアルタイムで測定するために、3~7日の使用日数の間埋め込まれる。
1つのこのような装置が、John Mastrototaroに対する米国特許第5,299,571に開示される。この装置は、生体内センサの埋め込みのための装置である。この装置は、ハウジング、ハウジングから延出するデュアルルーメンチューブ、及び、チューブの一方のルーメン内に収容される生体内センサを備える。針は、チューブの他方のルーメン内に収容され、皮膚を通してチューブを挿入するために用いられる。埋め込み後、針は取り外され、フレキシブルチューブ及びセンサは、皮膚の下に残される。
米国特許出願公開2010/0022863(2010年、Mogensen等)は、経皮的センサ用の挿入器を開示する。この挿入器は、針ユニットおよびセンサハウジングを備える。針ユニットは針ハブ及びキャリア本体を備える。センサハウジング及び針ハブは解除可能に接続され、それらが接続されるとき、挿入針が、センサに沿って(例えば、センサを完全に、または、部分的に包囲して)取り付けられる。キャリア本体は、後退位置と前進位置との間で、ハウジングに対する移動を案内する。解除されるとき、針ユニット及びセンサハウジングは、ばねユニットにより、針及びセンサが皮下に配置される前進位置に押される。ハウジングの脚部で上方に湾曲する部分が、患者の皮膚への約30度の挿入角度を設定する。
米国特許出願公開2012/0226122(2012年、Meuniot等)は、分析物センサ用の挿入器装置を開示する。装置は、皮下脂肪層の上方に配置されるハウジング、ブレードシャトル(blade shuttle)、及び、センサシャトルを備える。ばねが、ブレードシャトルとセンサシャトルとの間で圧縮される。ブレードシャトル及びセンサシャトルは、皮下脂肪層に向かって移動する。ばね力がばねにより解放されるとき、ブレードシャトルは、皮下脂肪層に向かって移動して皮下脂肪層を突き刺し、皮下脂肪層への経路を生成する。分析物センサは、ブレードシャトルにより生成される経路内へ、ブレードシャトルを追って入るセンサシャトルにより埋め込まれる。ブレードシャトルは、その後、皮下脂肪層から後退し、分析物センサを脂肪層に残す。
米国特許出願公開2013/0256289(2013年、Hardvary等)は、診断装置を開示する。診断装置は、装置内で測定手段に固定して接続される診断要素の皮内配置のための、部分的に引き込み可能な中空ガイド針を備える。これは、皮膚内への配置後に、ガイド針を取り外し、診断要素を測定手段に接続する必要性を排除する。
[発明の概要]
連続的グルコース測定(CGM)装置は、初期展開や長期使用(3~7日)の痛み及び長期の不快感により、多くの患者により採用されることが遅れている。現在入手可能な装置が、それらの展開の痛みについて一般に比較され、CGMユーザのフォーラムにて批判される。
展開の痛みが、装置の設計に直接関連することが示されうる。皮下層を通過し、表皮にて終端する軸索は、侵害受容器と呼ばれる。これらの特殊なニューロンは、痛みのメッセージを伝達する。これらの痛みの受容器の密度は、皮膚表面の直下では、2~2500神経突起/mm2の間で変動し、位置に応じて大幅に変化する。任意の切開中の疼痛反応の確率及び大きさは、影響を受けた侵害受容器の数、及び、これらの侵害受容器に与えられた外傷に比例する。侵害受容器は表皮の厚さ全体にわたり配置されるので、より深い切開は、より多くの侵害受容器に対する外傷の可能性の増大により、疼痛反応を引き起こす可能性が高い。
皮下組織に挿入される場合に、センサ及び導入器の総断面積は、挿入力、及び、疼痛反応を引き起こす確率及び大きさにも比例する。図1は、挿入器セットの測定断面積(in2×10-3)14に対してプロットされた様々な市販の挿入器セットの最大ピーク挿入力(lbs.)12を示すグラフ10である。図1のデータ点の線形回帰により見られるように、ピーク力は、式1及び式1aによって示される回帰直線16のように断面積と共に直線的に増加し、0.932のR2値を有する。グラフ10のデータは、特定の針の意図される挿入角度に関わらず、皮膚表面に対して90度で挿入された針についてのものである。
ピーク力(lbf)=(0.3998)(断面積(in2))+0.0556lbf (1)
ピーク力(N)=(.0223)(断面積(m2))+1.100N (1a)
図1のグラフ10及び図2のグラフ20に関して試験された針の中で、ブランドAは、ルーメンを有する22ゲージ分割針であり、ブランドBは、デュアルルーメンを有する22~24ゲージ針であり、ブランドCは、シングルルーメンを有する23~24ゲージ分割針であり、ブランドDは26ゲージ針である。分割針は、針の約3分の1が、針内にスカイブカット(skive cut)を形成する距離にわたり取り除かれることを意味する。ルーメンを有するブランドA針は、最大のピーク力を有する。ブランドC針は、より大きい22ゲージのブランドA分割針よりわずかに小さいピーク力を有する。ブランドD針は、皮膚表面に対して45度で挿入するように意図される針である。皮膚表面に対して、90度と比較して45度で針を挿入する場合に、ピーク力が11%増加することに注目すべきである。それゆえに、意図されるように用いられる場合に、ブランドD針についてのピーク力は、図1に示されるよりも11%大きくなるであろう。
本発明のセンサが、様々な針サイズに導入され、ピーク挿入力について試験されたことに留意すべきである。グラフから見られるように、23ゲージ分割針内の本発明のセンサは、同等のブランドC針より小さいピーク挿入力を有する。同様に、24ゲージ分割針内の本発明のセンサは、ブランドD針より大きい断面積を有するにもかかわらず、ブランドD26ゲージ針より小さいピーク挿入力を有した。最小ピーク力(図1)及び最低の仕事(図2)を伴う針は、オーバルの断面形状を有する27ゲージXTWスカイブカット針内の本発明のセンサである。
挿入器セット(つまり、針及びセンサ)の断面積もまた、これらの装置のユーザにより報告されるように、挿入痛の相対強度と強く相関関係を持つ。ブランドD装置は、先のブランドAシステムと比べて、はるかに快適であるとユーザにより考えられている。同じかまたはより大きい針ゲージの本発明は、図1及び2から見られるように、同等のブランド針のより良好な(より小さい)ピーク挿入力を有する。
図2は、様々な市販の導入器セットのセンサ及び導入器の総断面積(in2×10-3)24に対してプロットされた仕事(lb-in)22を示すグラフ20である。センサ及び導入器を結合した挿入に関して、皮下組織内への挿入長さまたは深さは、仕事エネルギ(力×距離)に比例し、且つ、ユーザから疼痛反応を引き起こす確率及び大きさに比例する。図2のデータ点の線形回帰により見られるように、仕事は、式2及び2aにより示される回帰直線26で断面積と共に増加し、0.9715のR2値を有する。
仕事(lb-in)=(0.0439)(断面積(in2))+0.0133 (2)
仕事(N-m)=(6.23×E-5)(断面積(m2))+1.50×E-3 N-m (2a)
図3は、仕事エネルギの概念を明示するために、典型的な挿入力(lbs.)32が挿入距離(in)34に対してプロットされたグラフ30である。図3は、ブランドRセンサを有するブランドR挿入器についての3つの個別の挿入力測定値から得られるデータをプロットしたものである。鋭利物が組織に貫入するにつれて、力が動的に記録される。曲線36の積分(つまり、曲線36a~36cのうちの1つの下の面積28)は、仕事エネルギ(lb-in)である。仕事エネルギ(力×距離)は、挿入器がユーザによる疼痛反応を引き起こす発生率に比例する。簡単に言えば、小さく浅い切開は、上述の理由で痛みが少ない。それゆえに、挿入痛を低減または最小限にする挿入器が、患者により採用される可能性が高い。
挿入痛を低減または最小限にすることは、任意の連続的測定システムの患者の承諾のための1つの基準である。他の基準は、挿入器装置の利便性及び使いやすさを含む。それゆえに、挿入器セット及び挿入器アセンブリに対して、患者の痛み及び連続的測定センサの挿入の不便性を低減または最小限にする必要性が存在する。本発明は、患者へのセンサの皮下配置のための連続的分析物測定挿入器装置、及び、断面積の削減により挿入痛を最小限にする鋭利物/針を提供することにより、これらの及び他の目的を実現する。
本発明の一実施形態において、連続的グルコース測定に有用な鋭利物は、尖った先端を有する長尺状の管状体を有する。長尺状の管状体は、概してオーバルまたは楕円形の断面形状を有し、そこを通る導管を画定する。鋭利物の開口領域は、尖った先端から、長尺状の管状体に沿って予め定められた距離だけ延出し、概してオーバルな管状体の一部が取り除かれており、それにより、残りの長尺状の管状体内に、包囲されない凹状ウェル(concave well)を画定する。別の実施形態において、鋭利物は、凹状ウェル内に保持される連続的測定センサを備え、連続的測定センサの上面は、管状体の壁により形成される凹状ウェルの中に完全に存在する。
本発明の別の態様は挿入器アセンブリである。一実施形態において、挿入器アセンブリは、シングルアクション挿入器アセンブリであり、1回の動作で、(1)センサを患者の皮下に埋め込むステップと、(2)患者に取り付けられるセンサハウジング内にセンサを備えるセンサ展開アセンブリを固定して取り付けるステップと、(3)センサを埋め込むために使用した針を後退させるステップと、(4)センサハウジングから挿入器アセンブリを解放するステップと、を実質的に同時に実施する。一実施形態において、針を後退させる動作は、針を挿入器アセンブリ内に後退させることにより実施される。別の実施形態において、挿入器アセンブリは、センサと共にルーメンを、患者の皮下に埋め込むこと、をさらに含む。
別の実施形態において、挿入器アセンブリは、針展開機構を含む展開ボタンを備える。針展開機構は、鋭利物を内蔵する針キャリア、及び、針キャリアが移動することを一時的に防止する針キャリアキャッチを備える。展開ボタンは、挿入器ハウジング内に移動可能に収容され、挿入器ハウジングは、鋭利物に嵌合一致(mating agreement)で接続するセンサ展開アセンブリを備える。鋭利物は、センサ展開アセンブリを超えてセンサハウジング内へ延出し、鋭利物に固定して取付けられていないセンサを備える。センサハウジングは、挿入器ハウジング内に着脱可能に収容される。
別の実施形態において、挿入器アセンブリは、第1ハウジング端及び第2ハウジング端を有する挿入器ハウジングを備える。展開ボタンは、第1ハウジング端を通して挿入器ハウジング内に、その中で摺動可能に少なくとも部分的に配置され、展開ボタンは、第1位置と第2位置との間で移動可能である。第2位置は係止位置としてもよい。展開ボタン内に摺動可能に配置される展開機構は、準備位置と、挿入位置と、後退位置との間で移動可能である。展開機構は針を備える。
センサ展開アセンブリは、挿入器ハウジング内に配置され、展開機構及び展開ボタンに取り外し可能に係合する。センサ展開アセンブリは、展開機構が準備位置にある場合に、針がその中に配置される針孔を有する。センサは、部分的に、針または針孔内に配置され、展開機構、針、及び、センサが、展開軸を画定する。センサは、電極システム及び電気的接点部を有する。一実施形態において、電気的接点部は、展開軸に平行であり、しかし、展開軸からは間隔が空けられる。別の実施形態において、電気的接点部は、展開軸から離れて横方向に延出する。一実施形態において、例えば、電気的接点部は、展開軸から実質的に垂直に延出する。
挿入器アセンブリは、挿入器ハウジングの第2ハウジング端に配置され、これにより取り外し可能に保持されるセンサハウジングも備える。センサハウジングは、展開軸が通り展開軸に整列するセンサ開口、を画定する底面を有する。
第1位置から第2位置へ展開ボタンが移動すると、センサが展開軸に沿って患者の皮下に埋め込まれ、展開機構の針が後退位置に後退し、センサ展開アセンブリがセンサハウジング内に固定され、且つ、挿入器アセンブリがセンサハウジングから解放される。一実施形態において、挿入器アセンブリは、挿入器ハウジング、展開ボタン、及び、展開機構を備える。
いくつかの実施形態において、第1位置から第2位置への展開ボタンの移動は1回の移動であって、実質的に同時に、センサが展開軸に沿って患者の皮下に埋め込まれ、展開機構の針が後退位置に後退し、センサ展開アセンブリがセンサハウジング内に固定され、且つ、挿入器ハウジング、展開ボタン、及び、展開機構をセンサハウジングから解放することを引き起こす。
一実施形態において、1回の作動(single activation)が、センサが患者に埋め込まれ、挿入器アセンブリがセンサハウジングから解放されることを示す聴覚的な表示を有する。別の実施形態においては、1回の作動が、センサが患者に埋め込まれ、挿入器アセンブリがセンサハウジングから解放されることを示す挿入器アセンブリを通した感覚的な表示を有する。
別の実施形態において、挿入器ハウジングは、展開ボタンが第2位置にある場合に、ボタンキャッチを収容し保持するための収容凹部を有する。
別の実施形態において、挿入器ハウジングは、挿入器ハウジング内でセンサハウジングを部分的に保持する本体キャッチを有する。展開ボタンが第2位置に移動される場合に、本体キャッチは、展開ボタンによりセンサハウジングから解放される。
別の実施形態において、センサ展開アセンブリは、センサ展開本体、センサ展開ガイド、及び、センサキャリアを備える。センサ展開本体は、ボタンが第2係止位置に移動される場合にセンサハウジングに係合するように構成されるセンサ展開係止機構を備え、それにより、センサ展開アセンブリをセンサハウジングで係止する。一実施形態において、センサ展開係止機構は、センサハウジング上で展開キャッチ面に係合するように付勢されるセンサ展開アセンブリ上の1つ以上の弾性展開キャッチである。同様に、展開係止機構は、センサ展開アセンブリ上でそれぞれの展開キャッチ面に係合するように付勢されるセンサハウジング上の1つ以上の弾性展開キャッチとしてもよい。
センサ展開ガイドは、センサ展開本体に取り付けられ、且つ、展開ボタンが第2係止位置に移動される場合に、展開アセンブリの移動を停止するように配置される。例えば、展開ガイドは、展開アセンブリの移動を停止するために、センサハウジングに接触する。センサキャリアは、センサ展開ガイドに取り付けられ、センサを固定し、基板収容面を有する。
いくつかの実施形態において、センサ展開アセンブリは、センサの電気的接点部に電気的に結合される複数の電子結合パッドをさらに備える。電子結合パッドは、測定電子機器に電気的に結合されるように配置される。
いくつかの実施形態において、センサ展開アセンブリは、上部センサキャリア面に沿ってセンサ溝を画定し、センサは、上部展開本体に取り付けられる電子結合パッドに向かう過程でセンサ溝を通って延出する。
いくつかの実施形態において、展開軸は、センサハウジングの底面に対して実質的に垂直であり、センサハウジングの底面は、センサの埋め込み中に患者に接触するように構成される。
さらに他の実施形態において、挿入器アセンブリは、センサハウジングに取り外し可能に取り付け可能であり、かつ、センサ上の電極システムにより生成される電気信号を送受信するように構成される電気部品ハウジングを備える。
他の実施形態において、挿入器アセンブリは、センサ展開アセンブリの上部に取り外し可能に取り付け可能なカバーアセンブリを備える。カバーアセンブリは、カバーアセンブリをセンサハウジングに係止するためにセンサハウジングに係合するように構成されるセンサハウジング係合機構を備える。カバーアセンブリの底面上の封止部材が、供給孔(delivery bore)と針孔との間に整列し、シールを形成する。電子結合パッドを有するセンサ基板は、センサの電気的接点部と電気的に結合され、センサは、測定電子機器に電気的に結合されるように配置された電子結合パッドと接続する。カバーアセンブリは、センサ上で電極システムにより生成される電気信号を送受信するように構成される電気部品も備える。電気部品は、センサ展開アセンブリ上の電子結合パッドに結合される電気的接点を有する。
他の実施形態において、挿入器アセンブリは、挿入器ハウジングまたはセンサハウジング上に弾性ボタンキャッチを有し、ボタンキャッチは、展開ボタンが第2位置にある場合に、挿入器ハウジングまたはセンサハウジングのうちの他方のボタンキャッチ面に係合するように付勢される。挿入器アセンブリは、展開ボタンまたは針キャリア上に弾性針キャリアキャッチを備えてもよく、針キャリアキャッチは、展開ボタンが第2位置に移動される場合に、展開ボタンまたは針キャリアのうちの他方の第2キャッチ面を解放するように付勢される。挿入器アセンブリは、挿入器ハウジングまたはセンサハウジング上に弾性ハウジングキャッチを備えてもよく、ハウジングキャッチは、ボタンが第2位置に移動される場合に、挿入器ハウジングまたはセンサハウジングのうちの他方のハウジングキャッチ面を解放するように付勢される。
挿入器アセンブリの別の実施形態は、壁内面、第1ハウジング端、及び、第2ハウジング端を画定するハウジング周壁を有する挿入器ハウジングを備える。ハウジング周壁は、第1ハウジング端から間隔が空けられる第1点から第2ハウジング端から間隔が空けられる第2点へ、壁内面の一部に沿って長手方向に延在するカム面か、または、カム面に沿って摺動するように構成されるカムライダ(cam rider)のうちの少なくとも何れか一方を有する。ハウジング周壁がカム面を有する場合に、カム面は、少なくとも1つのカム面に沿うハウジング周壁の壁厚が、第1点から第2点にかけて薄くなることを引き起こす。
挿入器アセンブリは、壁外面、第1ボタン端、及び、第2ボタン端を画定するボタン周壁を有する展開ボタンも備える。ボタン周壁は、挿入器ハウジングが少なくとも1つのカム面を有する場合に、ハウジング周壁の少なくとも1つのカム面に沿って摺動するように構成される弾性カムライダか、または、挿入器ハウジングがカムライダを有する場合に、ボタン外壁面の一部に沿って長手方向に延在するカム面、のうちの少なくとも何れか一方を有する。展開ボタンは、第1ハウジング端を通って、挿入器ハウジング内に、その中で摺動可能に少なくとも部分的に配置され、ここで、第2ボタン端は、挿入器ハウジングの内側であり、第1ボタン端は、挿入器ハウジングの外側である。展開ボタンは、ボタン周壁のより大きい部分が挿入器ハウジングの外側にある第1位置と、ボタン周壁のより小さい部分が挿入器ハウジングの外側にある第2位置との間のみで移動可能である。
挿入器アセンブリは、針本体端を有するアセンブリ本体、及び、針周壁を通る長手方向スロットを有する中空針、を備える針アセンブリも備える。中空針は、針本体端に固定して取り付けられる。針アセンブリは、展開ボタン内に摺動可能に配置され、準備位置と後退位置との間でのみ移動可能である。針アセンブリが準備位置にある場合に、中空針は、展開ボタンの第2ボタン端から外へ延出する。
挿入器アセンブリは、第2ボタン端で展開ボタンと取り外し可能に係合するセンサ展開アセンブリも備える。センサ展開アセンブリは、針アセンブリが準備位置にある場合に、中空針がそこを通って延出する針孔を有する。センサ展開アセンブリは、電極端部及びセンサ電気的接点部を有するセンサも備える。センサは、針孔内及び中空針内に部分的に配置され、センサは、針アセンブリが準備位置にあり、センサの皮下への挿入中である場合に、針周壁に対して横方向の力を与えるように構成される。センサ電気的接点部は、針孔及び中空針から離れて横方向に延出する。
挿入器アセンブリは、挿入器ハウジングの第2ハウジング端に配置され、第2ハウジング端により取り外し可能に保持されるセンサハウジングも備える。センサハウジングは底面を有し、且つ、底面を通るセンサ開口を画定し、センサ開口は、そこを通して中空針を収容するために中空針と整列する。
展開ボタンの第1位置から第2位置への移動は、実質的に同時に起こる動作として、センサが患者の皮下に埋め込まれ、針アセンブリが後退位置に後退し、センサ展開アセンブリがセンサハウジング内に固定され、さらに、挿入器ハウジングをセンサハウジングから解放することを引き起こす。
挿入器アセンブリの別の実施形態において、センサ展開アセンブリは、下部展開本体及び上部展開本体を備える。例えば、下部展開本体は、上面、底面、円周面、針孔の一部を形成する孔、及び、下部展開本体の上面に形成され、孔と連通するスロットを有し、ここで、スロットは、センサのセンサ電気的接点部を含む。上部展開本体は、上面、底面、針孔の一部を形成する孔、上面の上方及び底面の下方に延出する複数の弾性電気的接点部材、及び、上部展開本体の円周部に沿って底面から下方に延出するスカートを有する。スカートは、少なくとも下部展開本体の底面まで延出し、展開ボタンが第2位置に移動される場合に、センサ展開アセンブリの移動を停止するためにセンサハウジングに当接するように配置される。上部展開本体は、下部展開本体に固定して取り付けられ、それにより、下部展開本体のスロット内のセンサ電気的接点部を捕捉し、複数の弾性電気的接点部材が、センサ電気的接点部上の複数の電気的接点パッドと電気的に結合することを引き起こす。センサ展開アセンブリは、ボタンが第2位置に移動される場合に、センサハウジングと係合するように構成されるセンサ展開係止機構を備え、それにより、センサハウジング内でセンサ展開アセンブリを係止する。
挿入器アセンブリの別の実施形態において、センサハウジングの底面は、センサの埋め込みの間、患者に付着するように構成される。一実施形態において、例えば、センサ展開係止機構は、センサハウジングの内側底面から上方に延出する弾性展開キャッチを備える1つ以上の孔を有し、弾性展開キャッチは、センサ展開アセンブリ内の1つ以上の孔の展開キャッチ面に係合するように付勢される。
挿入器アセンブリの別の実施形態において、センサが患者の皮下に埋め込まれる場合に、センサは、患者内に約4mmから約7mmだけ延出するセンサ上に、電極システムの作用電極を備える。別の実施形態においては、センサが患者の皮下に埋め込まれる場合に、センサは、患者内に約2mmから約10mmだけ延出するセンサ上に、電極システムの作用電極を備える。
別の実施形態においては、挿入器アセンブリは、挿入器ハウジングまたはセンサハウジングの一方に弾性ボタンキャッチも備え、展開ボタンが第1位置にある場合に、ボタンキャッチは、挿入器ハウジングまたはセンサハウジングのうちの他方のボタンキャッチ面に係合するように付勢される。展開ボタンまたは針キャリアは、展開ボタンが第2位置に移動される場合に、展開ボタンまたは針アセンブリのうちの他方の第2キャッチ面を解放するように付勢される、弾性針アセンブリキャッチを備える。挿入器ハウジングまたはセンサハウジングの一方は、展開ボタンが第2位置に移動される場合に、挿入器ハウジングまたはセンサハウジングのうちの他方のハウジングキャッチ面を解放するように付勢される、弾性ハウジングキャッチを備える。
センサ挿入器アセンブリのいくつかの実施形態において、展開ボタンの第1位置から第2位置への移動は、実質的に同時に、センサが患者の皮下に埋め込まれ、針アセンブリが後退位置に後退し、センサ展開アセンブリがセンサハウジング内に固定され、挿入器ハウジングをセンサハウジングから解放することを引き起こす、1回の移動である。
本発明の別の態様は、皮下分析物センサの形成に用いる、多層薄膜基板アセンブリを対象にする。一実施形態において、基板アセンブリは、電気絶縁材料で作成されるベース層を有し、ベース層は、ベース層近位端部、ベース層遠位端部、及び、ベース層近位端部とベース層遠位端部との間に長手方向に延在するベース層ミドル部を有するベース層基板を有する。
第1金属化層は、ベース層基板上に配置され、ベース層基板に沿って長手方向に延出する少なくとも1つの回路を画定する。それぞれの回路は、ベース層近位端部及びベース層遠位端部のそれぞれに形成される導電性接点パッドを、ベース層近位端部における導電性接点パッドとベース層遠位端部における導電性パッドとを電気的に結合する導電性配線と共に有する。
ミドル層は、ベース層の上に配置され、ミドル層は、第2近位端部、第2遠位端部、及び、第2ミドル部を有する、電気絶縁材料で作成されるミドル層基板を有する。ミドル層は、ベース層と整列し、且つ、側壁を有する複数のミドル層貫通開口を有する。ミドル層貫通開口のそれぞれは、ベース層の回路の導電性接点パッドのうちの1つとそれぞれ連通する。
第2金属化層は、ミドル層及び貫通開口の側壁に配置される。第2金属化層は、少なくとも2つの回路を画定し、第2金属化層のそれぞれの回路は、第2近位端部及び第2遠位端部に形成される導電性接点パッドを、ミドル層第2近位端部における導電性接点パッドとミドル層遠位端部における導電性パッドとを電気的に結合する導電性配線と共に有する。回路のうちの1つは、複数のミドル層貫通開口を通して、ベース層の回路に電気的に結合される。
電気絶縁材料にて作成されるトップ層が、ミドル層の上に配置される。トップ層は、ミドル層近位端部のそれぞれの導電性接点パッドと一致する複数の接点開口、及び、ミドル層遠位端部のそれぞれの導電性接点パッドと一致する複数のセンサ開口を有し、それにより、基板近位端部、基板遠位端部、及び、基板近位端部と基板遠位端部との間に長手方向に延在するアセンブリミドル部を有する基板アセンブリを作成する。第2遠位端部におけるそれぞれの導電性接点パッドは、それぞれの電極を形成するために電極試薬を収容するように構成され、第2近位端部におけるそれぞれの導電性接点パッドは、電気的接点を収容するように構成される。
別の実施形態において、多層薄膜基板アセンブリは、多数のミドル層を有する。
別の実施形態において、ベース層、第1金属化層の回路、ミドル層、ミドル層回路、及び、トップ層は全体として、基板アセンブリに、基板近位端部から基板遠位端部にかけて、弓形形状を与える。
基板アセンブリの別の実施形態において、ベース層、ミドル層、及び、トップ層のそれぞれの電気絶縁材料は、スピン形成(spun-formed)され、熱硬化されるポリイミドである。
基板アセンブリの一実施形態において、例えば、ベース層及びミドル層は、約10ミクロンの厚さを有する。基板アセンブリの別の実施形態において、トップ層は、ミドル層の約5倍の厚さを有する。基板アセンブリの別の実施形態において、トップ層は、約55ミクロンの厚さを有する。基板アセンブリの別の実施形態において、センサアセンブリは、約75ミクロンの厚さを有する。さらに別の実施形態において、基板遠位端部及びアセンブリミドル部は、約279ミクロンの幅を有する。
基板アセンブリの別の実施形態において、第1金属化層は、約900オングストロームから約1,500オングストロームの範囲内の厚さを有する。
基板アセンブリの別の実施形態において、第1金属化層及び第2金属化層は、それぞれ金を含む。別の実施形態において、第1金属化層及び第2金属化層は、それぞれ、ベース層基板及びミドル層基板のそれぞれに対して配置されるクロム層を有し、金層がクロム層の上に配置される。別の実施形態において、第2金属化層は、ミドル層基板に対して配置されるクロム層を有し、金層がクロム層の上に配置され、プラチナ層が金層の上に配置される。
基板アセンブリの別の実施形態において、ベース層は、少なくとも2つの回路を、ベース層近位端部及びベース層遠位端部のそれぞれにおける回路のためのそれぞれの導電性パッドと共に有する。ミドル層は、少なくとも2つの第2層回路を、ミドル層近位端部及びミドル層遠位端部のそれぞれにおける第2層回路のための導電性パッドと共に有する。一実施形態において、例えば、ベース層の第1金属化層は、ベース層遠位端部に、ミドル層遠位端部における導電性パッドと整列し、一致する、少なくとも2つのさらなる導電性接点パッドを有する。
本発明の別の態様は、皮下分析物センサとして用いる、電気化学センサアセンブリを対象にする。一実施形態において、電極アセンブリは、ベース層近位端部、ベース層遠位端部、及び、ベース層近位端部とベース層遠位端部との間のベース層ミドル部を画定する電気絶縁材料のベース層基板を有するベース層を有する。ベース層は、ベース層基板上に配置され、且つ、ベース層基板に沿って長手方向に延びる少なくとも1つの回路を画定する、第1金属化層も有する。それぞれの回路は、ベース層近位端部及びベース層遠位端部のそれぞれに形成される導電性接点パッドを有する。導電性配線が、ベース層近位端部における導電性接点パッドと、ベース層遠位端部における導電性パッドとを電気的に結合する。
ミドル層は、ベース層の上に配置され、電気絶縁材料のミドル層基板を有する。ミドル層基板は、ミドル層近位端部、ミドル層遠位端部、及び、ミドル層ミドル部を有し、ミドル層は、ベース層と整列し、側壁を有する複数の第2層貫通開口を有する。複数の第2層貫通開口のそれぞれは、ベース層の少なくとも1つの回路の導電性接点パッドの1つとそれぞれ連通する。第2金属化層が、ミドル層基板及び第2層貫通開口の側壁に配置される。第2金属化層は、少なくとも2つの回路を画定し、第2層回路のそれぞれは、ミドル層近位端部及びミドル層遠位端部のそれぞれに形成される導電性接点パッドを、ミドル層近位端部における導電性接点パッドとミドル層遠位端部における導電性パッドとを電気的に結合する導電性配線と共に有する。少なくとも2つの第2層回路のうちの1つは、複数の第2層貫通開口を通して、ベース層の少なくとも1つの回路と電気的に結合される。
電気絶縁材料のトップ層は、ミドル層の上に配置される。トップ層は、ミドル層近位端部のそれぞれの導電性接点パッドと一致する複数の接点開口、及び、ミドル層遠位端部のそれぞれの導電性接点パッドと一致する複数のセンサウェルを有し、それにより、基板近位端部、基板遠位端部、及び、基板近位端部と基板遠位端部との間に長手方向に延在するアセンブリミドル部を有する基板アセンブリを作成する。
検出層が、ミドル層遠位端部に形成された少なくとも1つの導電性接点パッド上に配置され、少なくとも1つの第1作用電極を形成する。基準層が、ミドル層遠位端部に形成された少なくとも1つの導電性接点パッド上に配置され、基準電極を形成する。別の実施形態においては、対電極及び少なくとも1つの第2作用電極(サンプル内の干渉により引き起こされるバックグラウンド電流を測定し、特定の分析物を測定しないように用いられるため、ブランク電極とも呼ばれる)をさらに備える。さらに他の実施形態においては、他の特定の分析物を測定するように構成される1つ以上のさらなる作用電極を備える。一実施形態において、少なくとも第1作用電極は、グルコース測定電極である。
一実施形態において、検出層は、3つの被覆層を有する。ベース被覆層は、作用電極を形成するために用いる金属化パッド上に直接配置され、PHEMA及びグルコースオキシダーゼ、及び/または、グルコースデヒドロゲナーゼを含み、第2被覆層は、ベース被覆層上に直接配置され、PHEMA、及び、グルコースに対して実質的に全くまたはほとんど透過性が無いが酸素に対して実質的に高い透過性がある材料で作成される複数のマイクロスフェアを含み、第3被覆層は第2被覆層上にあり、第3被覆層は、PHEMA、及び、過酸化水素の検出層からの放出を防止する材料を含む。一実施形態において、マイクロスフェアは、ポリジメチルシロキサンで作成される。一実施形態において、第3被覆層はカタラーゼを含む。
別の実施形態において、ベース被覆層は、PHEMA、グルコースオキシダーゼ、及び/または、グルコースデヒドロゲナーゼ、及び、第2被覆層におけるマイクロスフェアの量よりも少ない量のマイクロスフェア、を含む。
電気化学センサアセンブリの別の実施形態において、ベース層、少なくとも1つの回路、ミドル層、少なくとも1つの第2層回路、及び、トップ層は、全体として、基板アセンブリに、基板近位端部から基板遠位端部にかけて弓形形状を与える。
電気化学センサアセンブリの別の実施形態において、ベース層基板、ミドル層基板、及び、トップ層基板のそれぞれは、スピン形成され、熱硬化されるポリイミドである。
電気化学センサアセンブリの別の実施形態において、ベース層基板及びミドル層基板はそれぞれ約10ミクロンの厚さを有する。別の実施形態において、トップ層は、ミドル層基板の約5倍の厚さを有する。別の実施形態において、トップ層は、約55ミクロンの厚さを有する。別の実施形態において、センサアセンブリは、約75ミクロンの厚さを有する。別の実施形態において、基板遠位端部及びアセンブリミドル部のそれぞれは、約279ミクロンの幅を有する。
電気化学センサアセンブリの別の実施形態において、第1金属化層は約900オングストロームから約1,500オングストロームの範囲内の厚さを有する。一実施形態において、第1金属化層及び第2金属化層はそれぞれ金を含む。別の実施形態において、第1金属化層及び第2金属化層は、それぞれ、ベース層基板及びミドル層基板に対してそれぞれ配置されるクロム層、及び、クロム層の上部に配置される金層を有する。
電気化学センサアセンブリの別の実施形態において、第2金属化層は、ミドル層基板に対して配置されるクロム層、クロム層の上部に配置される金層、及び、金層の上部に配置されるプラチナ層を有する。
電気化学センサアセンブリの別の実施形態において、ベース層は少なくとも2つの回路を有し、ミドル層遠位端部における、検出層を有する1つの導電性パッドは、作用電極回路を形成し、ミドル層遠位端部における第2導電性パッドは、ブランク電極を形成する。
電気化学センサアセンブリの別の実施形態において、ベース層は少なくとも2つの回路を有し、ミドル層は、少なくとも2つの回路を、遠位端部及び近位端部のそれぞれにおける回路のためのそれぞれの導電性パッドと共に有する。別の実施形態において、ベース層の第1金属化層は、ベース層遠位端部に、ミドル層遠位端部における導電性パッドと整列し、一致する、少なくとも2つのさらなる導電性接点パッドを有する。
本発明の別の実施形態において、連続的グルコース測定システムの開示がある。このシステムは、挿入器アセンブリ、センサハウジングカバーアセンブリ、及び、電子装置を備える。挿入器アセンブリは、挿入器ハウジングと、展開ボタンであって、皮下センサを、皮膚を通して皮下組織内に展開するときにのみ、展開ボタンが第1位置から第2位置へ摺動可能なように、挿入器ハウジング内に配置される展開ボタンと、展開ボタンからセンサ展開アセンブリを受容し、捕捉するためのセンサハウジングであって、センサ展開アセンブリが皮下センサを備える、センサハウジングと、を備える。センサハウジングカバーアセンブリは、皮下センサの挿入後にセンサハウジングに取り付けるように構成され、カバーアセンブリは、皮下センサと電子結合し、センサからの入力信号に基づく計算データを保存及び送信可能にするために配置される電子モジュールを備える。電子装置は、センサハウジングカバーアセンブリの電子モジュールと通信するために無線通信が装備される。電子装置は、センサからの入力信号を受信し、入力信号を分析物データに変換し、分析物データを電子装置のユーザインタフェースに表示し、呼び出すためにデータを保存し、且つ、データの報告を作成、及び/または、送信するための、電子回路及びソフトウェアを備える。
別の実施形態において、連続的グルコース測定システムのセンサは、ベース電子回路を有するベース層、ミドル電子回路を有するミドル層を備え、ミドル層は、ミドル電子回路の一部をベース電子回路の一部と電気的に接続する、ベース層への開口を備える。
本発明の別の態様において、患者の連続的分析物測定のために生体内分析物センサを皮下に挿入する方法は、針、埋め込み可能なセンサ、針を用いて埋め込み可能なセンサを埋め込み、針を後退させるための展開ボタン、及び、展開ボタンにより一旦展開された埋め込まれたセンサを、埋め込まれた配向に保持するためのセンサハウジング、を備えるシングルアクション挿入器アセンブリを提供するステップと、以下の動作、(1)センサを患者の皮下に埋め込み、(2)センサを患者に取り付けられたセンサハウジング内に固定して取り付け(3)針を挿入器アセンブリに後退させ(4)挿入器アセンブリをセンサハウジングから解放する、を実質的に同時に引き起こす、シングルアクション挿入器アセンブリの展開ボタンを作動させるために、1回の動作を使用するステップと、を含む。
本方法の別の実施形態において、提供するステップは、針に配置されるルーメンを有するシングルアクション挿入器アセンブリを提供することを含み、使用するステップは、ルーメンをセンサと共に患者の皮下に埋め込むこと、及び、ルーメンを患者に取り付けられたセンサハウジング内に固定して取り付けること、を含む。
本発明の別の態様において、患者の皮膚内へのセンサの皮下配置のための連続的分析物測定挿入器装置が、患者に対する痛みを最小限にする。一実施形態において、装置は、第1ハウジング端及び第2ハウジング端を有する挿入器ハウジングを備えるシングルアクション挿入器アセンブリを備える。展開ボタンが、第1ハウジング端を通って挿入器ハウジング内に部分的に、その中で摺動可能に配置され、展開ボタンは、第1位置と第2位置との間で移動可能である。センサハウジングは、第2ハウジング端内に部分的に配置され、その中に取り外し可能に保持される。針が、シングルアクション挿入器アセンブリ内に移動可能に配置される。針は、患者の皮膚内へのピーク挿入力を最小限にする断面形状を有する。埋め込み可能なセンサが、針内に部分的に配置される。挿入器アセンブリは、患者への痛みを最小限にする一方で、展開ボタンを第1位置から第2位置に移動することによる展開ボタンの1回の作動にて、実質的に同時に、センサを患者の皮下に埋め込み、針を後退させ、センサをセンサハウジング内に固定し、挿入器アセンブリをセンサハウジングから解放するように構成される。
別の実施形態において、針の長手方向部は、針の尖った先端から予め定められた位置まで、針の長さに沿ったスカイブカットを有する。
別の実施形態において、針はシングルアクション挿入器の表面に対して実質的に垂直に配向され、この表面は、センサハウジングの一部であり、患者の皮膚に対する配置を意図される。
別の実施形態において、針はオーバル、楕円形、卵形、または、長円形の断面形状を有する。別の実施形態において、針の長手方向部は、オーバル、楕円形、卵形、または、長円形の断面形状を有する。
本発明の別の態様は、患者の連続的分析物測定のために生体内分析物センサを皮下に挿入するときに、痛みを最小限にする方法である。一実施形態において、本方法は、患者の皮膚内へのピーク挿入力を最小限にする断面形状を有する針、埋め込み可能なセンサ、針を用いて埋め込み可能なセンサを埋め込み、針を後退させるための展開ボタン、及び、展開ボタンにより一旦展開された埋め込まれた配向にて、埋め込まれたセンサを保持するためのセンサハウジング、を備えるシングルアクション挿入器アセンブリを提供することと、次の動作、(1)センサを患者の皮下に埋め込み、(2)センサを患者に取り付けられたセンサハウジング内に固定して取り付け、(3)挿入器アセンブリ内にセンサを埋め込むために用いられた針を後退させ、(4)挿入器アセンブリをセンサハウジングから解放する、を実質的に同時に引き起こす、シングルアクション挿入器アセンブリの展開ボタンを作動させるために1回の動作を使用することと、を含み、針及び1回の動作は、センサを皮下に挿入するときに痛みを最小限にする。
本方法の別の実施形態において、提供するステップは、針の尖った先端から、針の長さに沿った予め定められた位置に、針の長手方向部に沿ってスカイブカットを有する針を提供することを含む。
本方法の別の実施形態において、提供するステップは、シングルアクション挿入器の表面に実質的に垂直に配向される針を提供することを含み、ここで、この表面は、センサハウジングの一部であり、患者の皮膚に対する配置が意図される。
本方法の別の実施形態において、提供するステップは、オーバル、楕円形、卵形、または、長円形の断面形状を有する針を提供することを含む。本方法の別の実施形態において、提供するステップは、オーバル、楕円形、卵形、または、長円形の断面形状を有する長手方向部を有する針を提供することを含む。
本発明の別の態様において、鋭利物の作成方法は、第1端及び第2端を有する長手方向管状体を供給することと、長手方向管状体を、実質的にオーバル、及び/または、楕円形の断面形状を有するように圧縮することと、第1端に近接し、第2端に向かって予め定められた距離だけ延出する管状体の一部であり、この一部はオーバル/楕円形の断面形状の主軸と平行である管状体の一部を取り除くことと、第1端に尖った先端を形成することと、を含む。
本発明のさらに別の態様において、連続的分析物測定の方法は、挿入器アセンブリを患者の挿入部位上に配置することを含む。挿入器アセンブリは、センサキャリア、鋭利物及び分析物センサを備える挿入器セット、及び、展開アセンブリを備える。展開アセンブリは、展開ボタン、挿入器ハウジング、及び、展開機構を備える。本方法は、導入器セットの展開ボタンを押すステップも含み、それにより、導入器セットを患者の皮下組織内に展開し、患者内のセンサキャリア内に分析物センサを展開したままにする一方で、展開アセンブリを後退させて鋭利物を患者から取り外し、且つ、展開アセンブリをセンサキャリアから取り外す。
本発明の別の態様は、皮下分析物センサの形成に用いる多層薄膜基板アセンブリを形成する方法を対象にする。一実施形態において、ポリイミドベース層基板を、ベース層近位端部、ベース層遠位端部、及び、ベース層近位端部とベース層遠位端部との間のベース層ミドル部を有する長尺状にスピン形成及び熱硬化するステップと、第1金属化層をベース層基板上に堆積するステップであって、ベース層基板に沿って長手方向に延在する少なくとも1つの回路を画定し、少なくとも1つの回路は、ベース層近位端部及びベース層遠位端部のそれぞれに形成される導電性接点パッドを、ベース層近位端部における導電性接点パッドと、ベース層遠位端部における導電性パッドと、を電気的に結合する導電性配線と共に有する、堆積するステップと、ポリイミドミドル層基板を、第1金属化層及びベース層基板上に、ベース層基板と整列するようにスピン形成及び熱硬化するステップであって、ミドル層基板は、ミドル層近位端部、ミドル層遠位端部、及び、その間のミドル層ミドル端部を画定し、ミドル層近位端部及びミドル層遠位端部は、側壁を有する複数の第2層貫通開口を画定し、複数の第2層貫通開口のそれぞれは、少なくとも1つのベース層の回路の導電性接点パッドのうちの1つとそれぞれ連通する、スピン形成及び熱硬化するステップと、第2金属化層を、ミドル層基板、及び、第2層貫通開口の側壁に堆積するステップであって、それにより少なくとも2つの回路を画定し、それぞれの回路は、ミドル層近位端部及びミドル層遠位端部のそれぞれに形成される導電性接点パッドを、ミドル層近位端部における導電性接点パッドとミドル層遠位端部における導電性パッドとを電気的に結合する導電性配線と共に有し、少なくとも1つの回路は、複数の第2層貫通開口を通して少なくとも1つのベース層の回路と電気的に結合される、堆積するステップと、トップ層をミドル層基板及び第2金属化層の上にスピン形成及び熱硬化するステップであって、トップ層は、ミドル層のそれぞれの導電性パッドと一致する複数の開口を画定して、それにより、基板近位端部、基板遠位端部、及び、基板近位端部と基板遠位端部との間に長手方向に延在するアセンブリミドル部を有する基板アセンブリを作成し、ミドル層遠位端部におけるそれぞれの導電性接点パッドは、それぞれの電極を形成するために電極試薬を収容するように構成され、ミドル層近位端部におけるそれぞれの導電性接点パッドは、電気的接点を収容するように構成される、スピン形成及び熱硬化するステップと、を含む。
一実施形態において、センサの皮下への挿入方法が開示される。本方法は、センサ及びセンサを皮下組織内に埋め込むように構成される挿入針を備える挿入器アセンブリを提供することであって、挿入器アセンブリは、ユーザにより加えられる1.5lbsよりも大きい初期加圧力と、その後、1.5lbs未満の加圧力に加圧力が低下することとを必要とする、提供することと、挿入器アセンブリを患者の皮膚に対して配置することと、挿入器アセンブリを作動させることであって、それによりセンサを皮下に埋め込み、埋め込まれたセンサを備えるセンサハウジングを挿入器アセンブリから解放する、作動させることと、挿入器アセンブリを患者の皮膚から取り外すことと、を含む。本実施形態において、取り外された挿入器アセンブリは、作動アセンブリである。
別の実施形態において、提供するステップは、ユーザにより加えられる1.5~2.5lbs.の範囲内の初期加圧力と、その後、針を皮下組織内に挿入するための加圧力に低下することと、を必要とし、針を挿入するための加圧力は、約0.5lbs~約1.3lbsの範囲内である、挿入器アセンブリを含む。
一実施形態において、センサの皮下への挿入方法が開示される。本方法は、センサ及びセンサを皮下組織内に埋め込むように構成される挿入針を備える挿入器アセンブリを提供することであって、挿入器アセンブリは、センサを皮下組織内に挿入し、埋め込み後1秒未満で作動後(post-actuation)アセンブリを離すように構成される、提供することと、挿入器アセンブリを患者の皮膚に対して配置することと、挿入器アセンブリを作動させることであって、それによりセンサを皮下に埋め込み、1秒未満で作動後挿入器アセンブリを離す、作動させることと、作動後挿入器アセンブリを廃棄することと、を含む。
別の実施形態において、提供するステップは、皮下にセンサを埋め込むことが可能な挿入器アセンブリを提供することと、埋め込み後、0.5秒未満、0.25秒未満から0.8秒の範囲、0.5秒未満から0.8秒の範囲、0.5秒から0.8秒の範囲、0.25秒から0.5秒の範囲、及び、0.5秒の時間内に、作動後アセンブリを離すことと、を含む。
別の実施形態において、作動させるステップは、センサを皮下に埋め込むことと、0.5秒未満、0.25秒未満から0.8秒の範囲、0.5秒未満から0.8秒の範囲、0.5秒から0.8秒の範囲、0.25秒から0.5秒の範囲、及び、0.5秒の時間内に、作動後挿入器アセンブリを離すことと、を含む。
従来技術の様々な市販の挿入器セットについての挿入力データを示すグラフであり、最大ピーク挿入力が挿入器セットの測定断面積に対してプロットされる。
従来技術の様々な市販の挿入器セットについてのデータを示すグラフであり、挿入の仕事が挿入器セットの測定断面積に対してプロットされる。
従来技術の1つの挿入器セットについてのデータを示すグラフであり、挿入力が挿入距離に対してプロットされ、曲線の下の面積は仕事エネルギである。
本発明の鋭利物の一実施形態の斜視図であり、鋭利物先端、鋭利物開口領域、及び鋭利物本体の一部を示す。
図4の鋭利物の端部斜視図であり、鋭利物開口領域により画定される凹状ウェルを示す。
図5の鋭利物の鋭利物開口領域の断面を、凹状ウェル内に配置されたセンサと共に示す図である。
本発明の1つの挿入器セットについてのデータを示すグラフであり、挿入力が、挿入距離に対してプロットされ、曲線の下の面積は仕事エネルギである。
本発明のCGMシステムの一実施形態の斜視図であり、センサ挿入器アセンブリ、センサハウジングカバー、及び、表示モジュールを示す。
図7の挿入器アセンブリの斜視図である。
図8の挿入器アセンブリの側断面図である。
図8の挿入器アセンブリの分解斜視図である。
図8のセンサ挿入器アセンブリの分解側面図である。
図8の挿入器アセンブリの展開ボタンアセンブリの側面図であり、使用するために組み立てられた、展開ボタン、針アセンブリ、及び、センサ展開アセンブリを示す。
図11の展開ボタンアセンブリの正面図である。
図11の展開アセンブリの側断面図である。
図12の展開ボタンアセンブリの正面断面図である。
図8の挿入器アセンブリの挿入器ハウジングアセンブリの側面図であり、挿入器ハウジング及びセンサハウジングを示す。
図15の挿入器ハウジングアセンブリの正面図である。
図15の挿入器ハウジングアセンブリの側断面図であり、1つ以上のカム面及びセンサハウジングを有する挿入器ハウジングを示す。
図16の挿入器ハウジングアセンブリの断面図であり、湾曲可能で弾性のあるセンサハウジング保持部材を示す。
挿入器アセンブリの一実施形態の側断面図であり、センサハウジング、挿入器ハウジング、針アセンブリ、センサ展開アセンブリ、展開ボタン、及び、展開ボタンカバーを示す。
挿入器ハウジング内の展開ボタンの上面図であり、カム面のうちの1つを通るビューライン(view line)21-21を示す。
図20のビューライン21-21に沿って切り取られた、展開ボタン及び挿入器ハウジングの断面図である。
図21にて囲まれた、カム面及び展開ボタン保持部材の拡大図である。
カム面を有する挿入器の針を用いる5つのサンプルについて、人工合成皮膚に配置される場合の力対距離を示すグラフである。
図23のサンプル1についての力対距離を示すグラフである。
図23のサンプル2についての力対距離を示すグラフである。
図23のサンプル3についての力対距離を示すグラフである。
図23のサンプル4についての力対距離を示すグラフである。
図23のサンプル5についての力対距離を示すグラフである。
挿入器アセンブリの側断面図であり、挿入位置の針及びセンサを示す。
挿入器ハウジング内の展開ボタンの上面図であり、図30のカム面のうちの1つを通るビューライン31-31を示す。
図30のビューライン31-31に沿って切り取られた、展開ボタン及び挿入器ハウジングの断面図である。
図31にて囲まれた、カム面及び展開ボタン保持部材の拡大図である。
挿入器アセンブリの側断面図であり、展開ボタン内に後退した針アセンブリを示す。
挿入器アセンブリの正面断面図であり、解除位置のセンサ展開アセンブリ保持部材を示す。
挿入器アセンブリの正面断面図であり、センサハウジング内にセンサ展開アセンブリを捕捉したときのセンサハウジング保持部材を示す。
挿入器アセンブリの正面断面図であり、展開ボタンにより引き起こされる、解除位置の挿入器ハウジング保持部材をセンサハウジングと共に示す。
挿入器ハウジングの解除後にセンサハウジング内に捕捉されるセンサ展開アセンブリを有するセンサハウジングの斜視上面図である。
図37のセンサハウジングの側断面図である。
センサハウジングカバーの一実施形態の斜視底面図であり、センサハウジングカバーの内側に取り付けられた電子モジュール及びバッテリを示す。
センサの展開後にセンサハウジングに接続されてCGMアセンブリを形成する、図37のセンサハウジングカバーの斜視上面図である。
図40のCGMアセンブリの側断面図である。
本発明の多層センサの一実施形態の斜視図である。
図42の多層センサの分解斜視図である。
図42のセンサの平面図であり、丸で囲まれた電気的接点部及びセンサ端部を有するベース層のみを示す。
図44の電気的接点部の拡大図である。
図44のセンサ端部の拡大図である。
図42のセンサの平面図であり、丸で囲まれた電気的接点部及びセンサ端部を有するミドル層のみを示す。
図47の電気的接点部の拡大図である。
図47のセンサ端部の拡大図である。
電気的接点パッドのうちの1つの拡大断面図であり、ミドル層からベース層への導電性ビアを示す。
本発明のCGMシステムの使用時の概略図である。
本発明の多層センサの一実施形態の拡大側面図であり、センサのカールまたは湾曲を示す。
本発明の挿入器アセンブリが、患者の皮下に分析物センサを埋め込むために用いられる場合に発生する工程のステップを示すフローチャートである。
本発明のセンサの作成工程のステップを示すフローチャートである。
センサの機能性電極を形成するために、センサ基板上に試薬層を堆積する工程のステップを示すフローチャートである。
[好ましい実施形態の詳細な説明]
本発明の例示的な実施形態は、図4~55に示される。図4及び5は、本発明の針/鋭利物100の一実施形態の斜視図を示す。針/鋭利物100は、鋭利物本体102、鋭利物開口領域104、及び、鋭利物先端106を有する。鋭利物本体102は、長手方向に延在する鋭利物100の環状部分であり、そこを通る包囲される導管101を画定する。一実施形態において、鋭利物100は、公称で約0.016インチ(0.41mm)の外径及び公称で約0.012インチ(0.30mm)の内径を有する27ゲージXTWステンレス鋼管で作成される。管は、その後、オーバルまたは楕円形状の短軸に沿った外側高さ108が約0.0120インチ(0.30mm)のオーバルまたは楕円形状を有するように平たくされる。後述する新しいセンサの製造では、公称で約0.014インチ(0.36mm)の外径及び公称で約0.011インチ(0.28mm)の内径を有する28ゲージXTWステンレス鋼管で作成されるより小型の鋭利物100の製造が可能である。
ワイヤEDM機械加工工程またはレーザ工程が、鋭利物開口領域104を画定するために、管壁103の一部分を、鋭利物100に沿って予め定められた距離だけ除去するために用いられ、それにより、鋭利物開口領域104におけるオーバルまたは楕円形状の短軸に沿った鋭利物100の全体の高さ110が、約0.008インチ(0.20mm)に減少する。上述したように、ワイヤEDM機械加工工程及びレーザ工程の両方が、円筒管、または、平たくされたオーバル管に実施されうる。鋭利物開口領域104は、鋭利物先端106から鋭利物本体102にかけて包囲されない凹状ウェル114を画定する、鋭利物開口領域104の長さに沿って管壁103と共に長手方向に延在する環状体の一部である。
凹状ウェル114は、連続的測定センサ120を収容する大きさにされる。一実施形態において、凹状ウェル114は、最大幅約0.011(0.28mm)、最大厚さ約0.003(0.075mm)の大きさを有する連続的測定センサ120を収容する大きさにされる。一実施形態において、連続的測定センサ上面122(図示なし)は、鋭利物開口領域104に沿って、管壁116の上面116aと同一平面上、または、その下方に位置付けられる。このような鋭利物及びセンサの結合体の切開部は、約1.33×10-3in2(0.81mm2)の断面積112を有し、断面積112は、管壁103の外面100a、及び、鋭利物開口領域104における管壁116の上面116a内で画定される(図5Aにも示される)。鋭利物100の凹状ウェル114に配置される連続的測定センサ120を備えることは、同一の管の円筒状の鋭利物、または、鋭利物開口領域は有するけれども鋭利物開口領域の外に延出する連続的測定センサを有する円筒状の鋭利物と比較して、鋭利物及びセンサの結合された断面積を、最小化する。それゆえに、連続的測定センサ120を備える鋭利物100についての挿入力は、従来技術の挿入セットの挿入力よりも大幅に小さい。
ここで、図6を参照すると、プロット80は、本発明の挿入器セット200についての挿入力データを、挿入距離84に対してプロットされた挿入力82を用いて示す。図6におけるそれぞれのプロット線86は、隣接する異なる挿入部位における個別の測定を示す。挿入力(ポンド)82は、挿入距離または深さ(インチ)84に対してプロットされる。図6に示されるように、挿入力82は、約0.1インチ(2.5mm)の深さ84を超えると、挿入深さ84が約0.3インチ(7.6mm)である場合でさえも、わずかな増加があるだけで実質的に一定である。組織表面に対して垂直な方向での鋭利物100の挿入により、挿入器セット200は、連続的測定センサ120を、臨界的な皮下層内に、組織に対する最小限の外傷で配置することができる。皮下のグルコースの正確な測定のための使用中の典型的な挿入深さは、4mmから7mmである。他の挿入器設計は、鋭利物を(およそ)約45度の角度で挿入し、それゆえに、挿入長さを41%増加させる。仕事エネルギ(力×距離;カーブ86の下の面積)は、ユーザにより報告される疼痛反応の発生率に比例することが示されている。
挿入痛をさらに低減または最小限にするために、本発明の鋭利物100は、連続的測定センサ120を皮膚組織内に展開する挿入器アセンブリ200内で用いられる。患者自身の組織内に鋭利物100を打ち込むことを患者に依存する導入器設計は、小さい力及び低仕事の設計を提供することにより、患者に大きな利益をもたらす。この利益は、鋭利物を比較的柔らかい腹部または臀部に挿入しなければならないという、実用的な面からだけでなく、心理的な理由からも生じる。
ここで、図7を参照すると、本発明のCGMシステム1000の一実施形態が示される。CGMシステム1000は、挿入器アセンブリ200、センサハウジングカバーアセンブリ850、及び、無線通信のために装備される電子装置900,902を備える。挿入器アセンブリ200の底部に接着により取り付けられる接着部品600は、挿入器アセンブリ200を患者の皮膚に接着により取り付けるために、接着部品の裏側にも接着層を有する。接着部品600は、任意に、CGMシステム1000の一部であってもよく、または、挿入器アセンブリ200が使用直前である場合にのみ、挿入器アセンブリ200の底部に取り付けられる別個の部品であってもよい。
図8及び9は、本発明の挿入器アセンブリ200の一実施形態の斜視図及び断面図をそれぞれ示す。挿入器アセンブリ200は、挿入器ハウジング202、挿入器ハウジング202に摺動可能に収容される展開ボタン204、及び、挿入器ハウジング202により取り外し可能に捕捉されるセンサハウジング206を備える。ハウジング係止機構205(例えば、弾性タブ、クリップ、突起など)は、展開ボタン204が展開されるまで、挿入器ハウジング202により捕捉されるセンサハウジング206を保持する。挿入器ハウジング202は、第1ハウジング端213及び第2ハウジング端215を有し、展開ボタン204が、第1ハウジング端213を通して、少なくとも部分的に挿入器ハウジング202内に配置され、その中で摺動可能とされる。針アセンブリ208は、展開ボタン204、挿入器ハウジング202、及び、センサハウジング206により動作可能である。挿入器ハウジング202は、以下でより詳細に説明されるように、挿入器アセンブリ200の組み立て後、及び、挿入器アセンブリ200の使用後でさえも、互いに接続される展開ボタン204及び挿入器ハウジング202を常に保持するために、展開ボタン204と係合するための1つ以上の凹部212(図示なし)を有する。挿入器ハウジング202、展開ボタン204、針アセンブリ208、ボタンキャップ203、及び、センサハウジング206の組み合わせが、作動アセンブリ201を形成する。
挿入器ハウジング202は、凹部、開口、レッジ、突起、または、他の構造により画定される少なくとも1つの第1キャッチ面210(図17及び22により詳細に示される)を有する。第1キャッチ面210は、展開ボタン204上の対応する弾性係止キャッチ214(図11,12に示される)と係合するように構成され、そのような大きさにされる。第1キャッチ面210は、最初に組み立てられたときに挿入器ハウジング202内で展開ボタン204を係止し、組み立て後に、展開ボタン204が挿入器ハウジング202から不注意に、または、意図的に分離されることを防止する。挿入器ハウジング202は、第2キャッチ面210’も有し、第2キャッチ面210’も、凹部、開口、レッジ、突起、または、他の構造により画定される。第2キャッチ面210’は、挿入器ハウジング202内で、第1キャッチ面210よりも下方に配置される。第1及び第2キャッチ面210,210’は両方とも、第1及び第2キャッチ面210,210’のそれぞれの間でハウジング壁218内に形成されるハウジングカム面211と共に、互いに整列する。展開ボタン204が第1(準備位置)にある場合に、係止キャッチ214は、ハウジング壁218の第1キャッチ面210と当接することにより保持される。ユーザが展開ボタン204を押し下げた場合に、係止キャッチの第1キャッチ面210からカム面211上への移動により、最初に係止キャッチ214に張力が生じる。カム面211は、係止キャッチ214が、第2キャッチ面210’に係合するように、それが静止する、張力がかからない位置に向かって、カム面211に沿って外向きに移動することを可能にするように構成される。挿入器ハウジング202及び展開ボタン204は、第1および第2キャッチ面210,210’が展開ボタン204上にあり、係止キャッチ214が挿入器ハウジング202上にあるように構成されうることは言うまでもない。当技術分野にて周知の他の解除可能な係止機構もまた採用可能である。
図9に見られるように、展開ボタン204は、展開ボタン204内の展開機構空洞228に摺動可能に収容される針アセンブリ208をさらに備える。展開キャップ230は針アセンブリ208へのアクセスを妨げるために、展開機構空洞228を閉鎖する。針アセンブリ208は、展開ばね232、針キャリアキャッチ235を有する針/鋭利物キャリア234、空洞、スロット付き針100、及び、センサ展開アセンブリ236を備える。展開ばね232(例えば、コイルばね)は、ばね支持部品231と針キャリア234との間に、張力がかかる向きに配置される。針キャリアキャッチ235は、針キャリア234が展開ばね232により展開キャップ230に向かって移動されることを防止する。展開ボタン204、針アセンブリ208、展開キャップ230、及び、挿入器ハウジング202は、共にカム追従展開構造217を形成する。ユーザが展開ボタン204を押したとき、針キャリアキャッチ235は、挿入器ハウジング202のキャリア解除面203によりボタンキャッチ面240から解放され、展開ばね232はその後、針キャリア234を展開キャップ230に向けて付勢する。
図10及び10Aは、挿入器アセンブリ200の分解斜視図及び分解側面図であり、挿入器アセンブリ200を形成する様々な部品を示す。センサハウジング206は、挿入器ハウジング202の第2ハウジング端215に取り付けられる。アセンブリガスケット802は、センサハウジング206の外周と第2ハウジング端215との間に配置される。センサハウジンググロメット251は、センサ120の皮下への挿入中に針100及びセンサ120を収容する底部開口206b’に取り付けられる。アセンブリガスケット802及びグロメット251は、センサハウジング206に密封接着される。センサ展開アセンブリ236は、下部展開本体270、上部展開本体236a、並びに、下部展開本体270と上部展開本体236aとの間に捕捉される近位端部501、及び、下部展開本体270を通り、さらに超えて延出する遠位端部502を有するセンサ500、を備える。センサ展開アセンブリ236は第2ボタン端204bに取り付けられ、その後解放されて、使用中はセンサハウジング206に取り付けられる。針アセンブリ208は展開ボタン204内に収容されて、展開キャップ230により展開ボタン204内に保持される。針キャリア234は、針アセンブリ208及び針100が展開機構空洞228内で回転することを防止するために、展開機構空洞228の空洞孔228a内に滑り込む、少なくとも1つの長尺状の側翼部234aを有する。針キャリア234は、少なくとも1つの針キャリアキャッチ235も有する。
図11及び12は、ボタンアセンブリ220の一実施形態の側面図及び正面図である。ボタンアセンブリ220は、挿入器アセンブリ200のサブアセンブリである。ボタンアセンブリ220は、展開ボタン204、展開ボタン204内に収容される針アセンブリ208、展開キャップ230、及び、センサ展開アセンブリ236を備える。本実施形態において、係止キャッチ214は、展開ボタン204の一部である。展開ボタン204は、展開ボタン204が作動されるまで、挿入器アセンブリ200内でセンサ展開アセンブリ236を展開ボタン204に保持する、センサ展開アセンブリキャッチ214’も有する。
図13及び14は、それぞれ、図11及び12に示される実施形態の側断面図及び正面断面図である。図13において、針アセンブリ208は、準備位置にある間、展開ばね232の圧縮を維持するように配置される。針キャリアキャッチ235は、緩んだ状態でボタンキャッチ面240に接触し、このことは、展開ばね232が、針キャリア234を展開キャップ230に向かって押し上げることを防止する。図14において、センサ展開アセンブリキャッチ214’は、センサ展開アセンブリ236を第2ボタン端204bの一部に押し当てる。図11~14のそれぞれにおいて、センサ500の一部は、針100内に配置される。
次に、図15~18においては、挿入器ハウジングアセンブリ222の一実施形態が示される。図15及び16は、挿入器ハウジングアセンブリ222の側面図及び正面図である。挿入器ハウジングアセンブリ222は、挿入器ハウジング202、センサハウジング206、及び、アセンブリガスケット802を備える。ハウジング係止機構205は、センサハウジング206を第2ハウジング端202bに保持する。図17は、ハウジングカム面211を、第1キャッチ面210及び第2キャッチ面210’と共に示し、ハウジングカム面211は、第1及び第2キャッチ面210,210’の間に延在する。挿入器アセンブリ200の様々な係止/保持/解除構造の相互関係だけでなく、ハウジングカム面211、第1キャッチ面210、及び、第2キャッチ面201’の、展開ボタン204との関係が、図19~26に関して、後により明確に説明される。図18は、ハウジング係止機構205を、その通常位置にて、センサハウジング206を保持する係止機構端キャッチ205aと共により明確に示し、ここで、係止機構端キャッチ205aは、センサハウジングキャッチ面206aと相互作用する。また、センサハウジング206と一体に、一元的に形成される、センサ展開アセンブリ保持部材217も示される。
図19は、挿入器アセンブリ200の即使用可能な位置における拡大側断面図である。本図が特に興味深いのは、センサ500が針100内に配置され、針100がハウジンググロメット251と整列し、患者の皮下組織への挿入準備ができていることが見られるからある。また、挿入器ハウジング202のカム面211が、第1及び第2キャッチ面210,210’のそれぞれと共に、より明確に示される。
図20は、挿入器ハウジングアセンブリ222の上面図であり、カム面211を通って長手方向に切り取られるビューライン21-21を有する。本実施形態において、4つのカム面211があり、カム面211のうちの1つは、それぞれ、展開ボタン204の4つの弾性係止キャッチのうちの1つと相互作用するけれども、より少ないかまたは多い数の弾性係止キャッチが、任意に選ばれうることに留意すべきである。
図21は、図20においてビューライン21-21に沿って切り取られた挿入器ハウジングアセンブリ222の断面図である。この断面図は、カム面211の外形を弾性係止キャッチ214と共に示し、弾性係止キャッチ214は、組み立て後に展開ボタン204が挿入器ハウジング202から分離されることを防止する一方で、即使用可能な位置にて展開ボタン204を保持する。図22は、図21の参照楕円22により囲まれた、対応する領域の拡大図である。図22に見られるように、弾性係止キャッチ214は、第1キャッチ面210により捕捉され、このことは、展開ボタン204が、一旦挿入器ハウジング202に組み込まれると、容易に且つ不注意で、挿入器ハウジング202から分離されることを防止する。本実施形態において、ハウジング壁118の内側面118aに形成される凹部118bは、第1キャッチ面210を作成し、第1キャッチ面210は、内側面118aと交差している。その結果、展開ボタン204が挿入器ハウジング202内に組み込まれる(つまり、挿入される)場合に、弾性係止キャッチ214は、展開ボタン204が凹部118b及び第1キャッチ面210により画定される予め定められた位置に到達するまで、ハウジング壁118により内側に付勢される。弾性係止キャッチ214が第1キャッチ面210の凹部118bに到達するとき、係止キャッチ214は、凹部118bに押し付けられて、第1キャッチ面210に突き当たる。このことは、弾性係止キャッチ214がより緩んだ状態に移動するように与えられる付勢力により引き起こされる。凹部118bは、内側面118aに向かって後方に延出し、第1キャッチ面210から離れる傾斜凹部面118cも有する。傾斜凹部面118cは、展開ボタン204の展開に抵抗し、このことは、1.5lbs.よりも大きい初期加圧力と、その後、1.5lbs.未満の加圧力が続くことを必要とする。初期加圧力は、作動力とも呼ばれるが、以下で論じられるように、2.5lbs.(1.13kg)未満で、しかしながら、1lb.(453.6g)よりも大きい加圧力である。カム面211、カム面部211a、凹部118b、傾斜凹部面118c、第1及び第2キャッチ面210,210’、及び、弾性係止キャッチの組み合わせが、カム追従展開構造209を形成する。
カム面211に沿って、ハウジング壁118は、矢印Aにより示される、第1キャッチ面210に隣接する位置における内面118aから、または、内面118aの近傍から、矢印Bにより示される、第2キャッチ面210’に近接する第2位置へ、予め定められた距離Lに沿って厚さが減少する。図22に示されるように、カム面211は方向を変え、カム面部211aは、第2キャッチ面210’への短い距離の間、ハウジング壁118の内側面118aに向かって傾斜する。本実施形態についての第1及び第2キャッチ面210,210’の間の距離は、約0.44インチ(約11.1~11.2mm)である。カム面部211aは、カム面部211aにより引き起こされる展開力のわずかな増加を引き起こし、第2キャッチ面210’への放出前に、より付勢される方向に向かって弾性係止キャッチ214を押し戻す。
カム追従展開構造209は、展開中に患者に感触を与えるだけでなく、作動中に勢いをつけるように、意図的に設計された。カム追従展開構造209の外形は、作動に必要とされる初期展開力を決定する。針の挿入力は、図1、2及び6に関連してすでに述べられた。しかしながら、針挿入力は、皮下センサの良好な展開を決定する唯一の要因ではない。挿入機構、作動力、及び、針挿入力の設計は、組み合わされて、患者により経験される、快適さまたは不快適さを決定する。連続的グルコース測定(CGM)システムにおいて、針及びグルコースセンサの患者の皮下組織への挿入及び展開を実施する自己管理をするのは、通常、患者であることに留意することが重要である。痛みは、皮膚に針で孔を空けることに一般的に関連するので、このことは、自傷行動に類似する。自分自身に痛みを与えることは、自然な状態ではない。多くの患者にとって、自分自身に行うことは困難である。図1、2及び6において開示される全ての種類は、皮下センサが完全に埋め込まれ、挿入針から解放される前の、針及び皮下センサの挿入工程の間に、患者が完全に成し遂げられないことを引き起こしうる、比較的大きい針、及び/または、挿入機構の何れかを使用する。カム面211及びカム追従部(つまり、弾性係止キャッチ214)は、一旦患者が展開機構を起動すると、センサ展開工程、及び、挿入された皮下センサからの展開機構の取り外し、を完了する迅速且つ容易な機構をもたらし、その結果、挿入器アセンブリ200の使用中の加圧力プロファイルにより、患者は、一旦起動されると、挿入動作の間中、皮下センサの挿入に関して何もできない。換言すれば、患者は、挿入器アセンブリへの挿入/加圧力の低下により、意識的に、また、無意識に、センサ埋め込み工程を完了することをやり遂げる。
[作動力、針挿入力、及び、挿入器アセンブリの関係]
作動力、針挿入力、及び、カム面211及びカム追従/弾性係止キャッチ214を有する挿入器アセンブリの関係は、メクメシン製2.5xtフォーステスタ(Mecmesin 2.5xt Force Tester)を用いて検討された。メクメシン製2.5xtフォーステスタを作動方法として用いて、5つのサンプルが配置された。具体的な試験構成は、50Nロードセル、100Hzのサンプル周波数、0.44インチの変位、毎分10インチの速度、例えばSIMUラボによるSIP-10等の人工皮膚、及び、本発明の挿入器アセンブリ200、を含む。メクメシン製フォーステスタは、挿入器アセンブリ200上の展開ボタン204を押圧するように配置される。ロードセルは、圧縮力を測定するが、この圧縮力は、人工皮膚サンプルへの針の貫入だけでなく、カム機構(つまり、カム面211及び弾性係止キャッチ214)により与えられる反力である。メクメシンは、ピーク力、平均力を取り込み/記録し、それぞれのサンプルについて生成されるカーブの下の仕事/エネルギを計算する。
表1は、メクメシン製2.5xtフォーステスタにより記録された針の展開力のデータを示す。上述したように、ピーク力、仕事及び平均力は、5つの挿入器アセンブリ200のそれぞれについて記録された。
次に、図23~28においては、挿入器機構200の力対距離のデータのグラフ図が示される。図23は試験において用いられた5つの挿入器機構200全てについての力対距離データを示すグラフである。図23に見られるように、展開ボタン204を第1キャッチ面210から解放し、カム面211に沿って摺動を開始することを引き起こす展開力が必要である。表1のピーク力データ、及び、図23のグラフ図により確認されるように、作動工程を開始する作動力は、1.5lbs.(680.4g)から2.5lbs.(1.13kg)の間である。約0.5lbs.(226.8g)以下への力の値の急激な低下は、上述したような傾斜構造を有するカム面211によるものである。ピーク力の変動は、1回限りの使用として設計された挿入器部品の再利用によるだけでなく、試験装置の展開の変動にもよるものである。これらの変動にもかかわらず、ピーク作動力における標準偏差は、わずか0.133lbf.(lbfは重量ポンドを意味する)である。試験時間がメクメシン製フォーステスタの速度から計算されうることに留意すべきである。距離が約0.44インチであり、フォーステスタの速度が毎分10インチである。試験の実施時間は、約2.6秒である。しかしながら、使用中に、作動、センサ100の皮下組織への埋め込み、作動後挿入器アセンブリ201’のセンサハウジング206からの取り外し、の間に実際に経過した時間は非常に短い。センサハウジング206が患者の皮膚に残る一方で、作動後挿入器アセンブリ201’は、展開ボタン204、挿入器ハウジング202、及び、針アセンブリ208を備える。挿入器アセンブリ202の作動から、作動後挿入器アセンブリ201’の解放までの時間は、1秒未満であり、0.5秒未満である。一般的には、0.25秒未満から0.8秒の範囲、または、0.25秒から0.5秒の範囲、または、0.5秒から0.8秒の範囲である。
次に、図24~28においては、それぞれの図において、1つのサンプルについてのデータのグラフ図が示される。既に明らかにされたように、使用中のセンサの皮下組織への一般的な挿入深さは、皮下グルコースの測定ために4mmから7mm(±0.3mm)であるが、2mmから10mmもまた許容範囲である。これは、センサが、センサ挿入中にスロット付き針100内で運ばれるので、鋭利物/針が、センサ挿入深さよりも深く皮下組織に貫入しなければならないことを意味する。概して、針が人工皮膚サンプルに貫入するとき、力は比較的小さいレベル(0.5と1lbfの間)のままであり、針が0.2インチを超えて、最遠の貫入が達成されるまで上昇を開始する(加圧力は、1.5lbf未満まで増加する)。およそ0.4インチの距離における小さい隆起は、カム追従部(つまり、弾性係止キャッチ214)がカム面部211aを通り抜けて第2キャッチ面210’に到達するために必要とされる力の増加を示す。しかしながら、それぞれの図に示されるように、約2lbs.の初期加圧力に達した後の、力の急激な低下によりつけられた(カム追従展開構造209の設計により引き起こされる)推進力が、最遠深さの貫入に到達し、針100が解放されるまでに生じる針挿入力のわずかな上昇のあらゆる影響を最小限にする。これを、図3及び6に示される挿入力の一定の上昇と比較する。
カム面211の重要な特徴は、一旦初期加圧力が及ぶと、ボタン204の展開を維持するための力が大幅に減少し、装置は、患者が展開を中止しようとする前に完全に配置され、その結果、部分的な展開は不可能である。この重要な安全機能は、システム全体の危険及びリスクを減少するだけでなく、部分的に展開されるシステムが発生し得ないことを確実にし、FMEA解析(故障モード及び影響解析)を大幅に単純化する。危険及びリスクは、これに限定されるわけではないが、同じ挿入点への針及びセンサの再展開、部分的な展開の結果として皮下創に生じる血液により引き起こされるセンサの汚染、部分的な展開の結果としてのセンサの損傷などを含む。
凹部118b及び傾斜凹部面118cを有するこのようなカム面211を用いる利点のうちの1つは、展開ボタンを即使用可能な位置に保持するための展開ボタンばねが必要ないことである。展開ボタンばねの使用と比較した場合の別の有利な点として、展開ボタンばねは、展開ボタンばねが圧縮されることにより、展開ボタンの下方への移動に対して抵抗力を増加させてしまう。このことは、展開ボタン204を押圧するために用いられる力が、不十分であるか、または展開ボタンの終点に達せず停止される場合に、不適切な挿入、及び/または、部分的な挿入、及び、その後の除去を引き起こしうる。別の欠点は、このような失敗が、1度目の挿入の試みの後、展開ボタン204の再展開を可能にすることである。一方、カム面211は、展開ボタン204がばねに抗して移動するときに増加する、ばねが付勢する抵抗が無いという利点、及び、展開ボタン204が押圧されるときに、カム面211に沿ってハウジング壁218の壁厚が減少することにより、展開ボタン204の弾性係止キャッチ214と挿入器ハウジング壁218との間の抵抗が軽減され、係止キャッチ214に加えられる付勢力の緩和が可能となるという利点を有する。これは、展開ボタン204が、弾性係止キャッチ214が第2キャッチ面210’に係合する予め定められた深さまで完全に押されることを確実にする。
図29は、図19の挿入器アセンブリ200の完全に挿入された位置における側断面図である。挿入工程中のこの時点で、針100及びセンサ500は、皮下組織1に貫入する。展開ボタン204は、1つ以上の挿入器ハウジング停止面203に接触する。ハウジング停止面203の一部は、針キャリアキャッチ235を針100に向かって内側に押圧し、針キャリアキャッチ235をボタンキャッチ面240から離して解放することにより、針キャリアキャッチ235とも相互作用する。
図30は、挿入器ハウジングアセンブリ222の上面図であり、カム面211を長手方向に通るビューライン25-25を示す。図31は、図30のビューライン32-32に沿って切り取られた挿入器ハウジングアセンブリ222の断面図である。本断面図は、カム面211の外形を、挿入位置において展開ボタン204を保持する弾性係止キャッチ214と共に示す。図32は、図31において参照楕円26により囲まれる対応する領域の拡大図である。
図32に見られるように、このとき弾性係止キャッチ214は、第2キャッチ面210’により捕捉され、このことは、展開ボタン204の再利用及び再展開を防止する。弾性係止キャッチ214が第2キャッチ面210’の凹部に到達するとき、係止キャッチ214は、第1キャッチ面210’に合致させられる。
次に、図33~36において、挿入器アセンブリ200の動作が説明される。一旦展開ボタン204が押され、針100及びセンサ500が皮下組織に挿入されると、図33に示されるように、展開ボタン204が1つ以上の挿入器ハウジング停止面203に接触し、キャリアキャッチ235が針キャリアキャッチ235から解放されるとき、展開ばね232は、もはやその圧縮状態に留められることはなく、それにより、展開ばね232が広がって、針100を備える針キャリア234が皮下組織から後退し、展開機構空洞228に退避することを引き起こすことができる。キャリアキャッチ235の解除と実質的に同時に、展開ボタンキャッチ214は、展開ボタン204を挿入位置で係止するように、第2キャッチ面210’に滑り込む。
「実質的に同時」という語は、センサの皮下組織への挿入の間に明らかにされる動作は、非常に速く、時間的に非常に接近して発生し、様々な動作が、1つの動作または複数の同時の事象と別に起こるとは人間の感覚により感知できない、ことを意味することに留意すべきである。
上述の動作が起こる一方で、センサ展開アセンブリ236は、実質的に同時に、センサ展開アセンブリキャッチ214’から解放される。図34は、センサ展開アセンブリキャッチ214’を通る挿入器アセンブリ200の断面図である。展開ボタン204は、挿入器ハウジング停止面203の最も低い位置にあるので、センサ展開アセンブリキャッチ214’は、アセンブリキャッチ214’をセンサ展開アセンブリ236から押し離すセンサアセンブリキャッチ解除面206’と相互作用する。
図35は、センサ展開アセンブリ236のセンサハウジング206内での実質的に同時に起こる捕捉を示す。下部展開本体270及び上部展開本体236aは、少なくとも1つの整列する貫通開口236bを有する。貫通開口236bは、展開本体キャッチ面270bが貫通開口236b内に形成されるように、上部展開本体236に貫通開口部236cを有すると共に、下部展開本体270に貫通開口部270aを有する。センサハウジング206は、内側底面206bから延出し、貫通開口236bと整列して配置される、少なくとも1つのセンサ展開アセンブリキャッチ206aを備える。センサ展開アセンブリキャッチ206aは、アセンブリキャッチ214’の解除と実質的に同時に、センサ展開アセンブリ236をセンサハウジング206内に捕捉し、保持する。
既に開示した全ての捕捉及び解放動作が起こる一方で、図36は、センサハウジング206の挿入器アセンブリ200からの実質的に同時に起こる解放を示す。展開ボタン204が最も低い位置にあるとき、第2ボタン端204bは、ハウジング係止機構205に係合している。この解放動作に先立って、ハウジング係止機構205が、センサハウジングキャッチ面206aに引っ掛けられる係止機構端部キャッチ205aを備え、挿入器ハウジング202の第2ハウジング端215に対してセンサハウジング206を保持することを思い出すべきである。第2ボタン端204bは、ハウジング係止機構を、センサハウジングキャッチ面206aから離れるように押圧/付勢し、挿入器ハウジング202をセンサハウジング206から解放する。
挿入器アセンブリ200の実質的に同時に起こる捕捉及び解放動作を通して、針100はセンサを皮下に埋め込み、皮下組織から展開ボタン204内に後退し、センサ展開アセンブリ236は、展開ボタン204から解除されてセンサハウジング206内に捕捉され、展開ボタン204を備える挿入器ハウジング202は、皮下に配置されたセンサ500を備えるセンサハウジング206を残して、センサハウジング206から解除される。
図37は、センサハウジング206内に捕捉されるセンサ展開アセンブリ236を備えるセンサハウジング206の拡大図を示す。明瞭にするために、皮下組織は図示されない。センサ展開アセンブリは、複数の弾性電気的結合部材237を備える。電気的結合部材237a~dは、センサ500の様々な電極に結合する。電気的結合部材237e~fは、センサハウジングカバーアセンブリ850内のバッテリ706とモジュール回路基板702との間で電気回路を完成させるひと続きのスイッチである。図38は、図37のセンサハウジングの断面図であり、センサ120の遠位端部502がセンサハウジンググロメット251を通って延出し、センサ120の近位端部501が、下部展開本体270と上部展開本体236aとの間に捕捉される。
図39は、センサハウジングカバーアセンブリ850の一実施形態の拡大底面斜視図である。示されるように、カバーアセンブリ850は、電子モジュール700を備える。電子モジュール700は、モジュール回路基板702及びバッテリ706を備える。モジュール回路基板702は、測定回路と、センサ展開アセンブリ236のそれぞれの電気的結合部材237a~fと、を電気的に結合する複数の電気コネクタ708を備える。センサハウジングカバー850は、弾性カバー係止タブ854とセンサハウジングキャッチ面206aとの結合により、アセンブリガスケット802を、カバー850の外周とセンサハウジング206の外周206”との間に捕捉する。本実施形態においては、カバー850の両側に1つずつ、2つのカバー係止タブ854がある。他の実施形態において、カバー850は、反対側が、ヒンジ式動作でハウジングキャッチ面に係合する固定係止タブのみを有する一方で、解除可能な係止タブ854を1つだけ有してもよく、ここで、固定係止タブが、最初にハウジングキャッチ面に引っ掛けられ、その後、解除可能な係止タブ854がセンサハウジングキャッチ面206aに係合する。
図40は、センサハウジング206に嵌合したセンサハウジングカバー850を示す。図41は、図40のセンサハウジングカバー850及びセンサハウジング206の断面図であり、バッテリ706及び電子モジュール700と、センサハウジング206及びセンサ展開アセンブリ236の位置に対する、バッテリ706及び電子モジュール700の位置と、を示す。
本発明の様々な実施形態にはいくつかの利点がある。本発明の1つの態様は、患者の皮膚内へのセンサのほぼ無痛の皮下挿入といった利点をもたらす。本発明の別の態様は、センサ120を埋め込み、針/鋭利物100を後退させ、埋め込まれたセンサ120を備えるセンサハウジング206を残して挿入器アセンブリ200を解放し、ここで、センサハウジングが電子モジュール700を収容する準備ができている、といった1回の動作の利点をもたらす。本発明のさらに別の態様において、別の利点は、安全な廃棄のための鋭利物の安全な後退のような、さらなる有益な特徴を取り入れる挿入器アセンブリの設計である。鋭利物は、皮膚に孔を開けるかまたは傷をつけうる尖った先端を有する器具としてFDA(米国食品医薬品局)により規定され、針、注射器、輸液セット、及び、ランセットなどの器具を含む。鋭利物の不適切な廃棄または処理は、B型肝炎(HBV)、C型肝炎(HBC)、及び、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の伝染を含む偶発的なの針刺し被害を引き起こしうる。使用済み鋭利物は、適切な廃棄についての現地法と照合する前に、BD(商標)ホームシャープコンテナなどの「鋭利物」コンテナ内に配置され、完全に密閉されなければならない。上述したように、第1及び第2キャッチ面210,210’に加えてカム面211の構造的特徴は、ボタン204の部分的な展開及びそのような部分的展開が引き起こす危険を防止する。
図9、19及び33は、挿入器アセンブリ200内に完全に包囲される鋭利物を示す。鋭利物は、完全に覆われ、指でアクセスすることはできない。設計により、本装置は鋭利物を再展開させることはできない。センサの展開後に挿入器ハウジングを保管及び廃棄するために、いかなる特別な「鋭利物」コンテナも必要としない。現地法に従って、本体全体が廃棄されうる。
[センサ構造]
新しい種類の多層センサ基板500の構造は、説明されない。図42は、多層センサアセンブリ500の一実施形態の斜視図を示し、本実施形態においては、基準電極134、ブランクまたは第2作用電極133、対電極132、及び、第1作用電極130を有する連続的測定センサ120を作成するために、試薬の堆積準備ができている。電極130,132,133,134は、基板遠位端部502に形成され、アセンブリミドル部530を介して、基板近位端部501における導電性接点パッド503と導通する。多層センサ基板500は、グルコース測定センサなどの皮下分析物センサを形成するために有用である。
検出層(図示なし)は、第1及び第2作用電極130,133のそれぞれに形成される。検出層は、ベース被覆層、第2被覆層、及び第3層またはトップ被覆層の3つの被覆層で構成される。ベース被覆層は、ポリ-2-ヒドロキシエチルメタクリレート(PHEMA)を含み、基板遠位端部502におけるそれぞれのウェル底部に露出した金属上に直接配置される被覆である。グルコースオキシダーゼ、及び/または、グルコースデヒドロゲナーゼもまた含まれることは、グルコースが測定される第1作用電極に特有である。第1作用電極が、皮下組織内のグルコースの量により引き起こされる部分、及び、背景雑音及び干渉因子に由来する電流を含む全電流を有しうるので、第2作用電極またはブランク電極は、いかなる酵素も含まず、サンプル内の背景雑音、及び/または、干渉因子を測定するためにだけ用いられる。第2作用またはブランク電極に由来する電流を、第1作用電極から差し引くアルゴリズムを用いることは、より正確なグルコース測定をもたらす。第2被覆層は、ベース被覆層の上に直接配置され、PHEMA、及び、ポリジメチルシロキサン(PDMS)からなるマイクロスフェアを含む。PDMSは、グルコースに対して実質的に全くまたはほとんど透過性が無く、しかし、酸素に対して実質的に高い透過性がある材料である。第3またはトップ被覆層は、第2被覆層の上に直接配置され、PHEMA及びカタラーゼを含む。カタラーゼは、検出層から周辺環境への過酸化水素の放出を防止する材料である。この場合において、周辺皮下組織である。
基準電極134として、銀-塩化銀(AgCl)層が、ウェル底部における金属上に作成され、その後、AgCl層がヒドロゲル膜にて覆われる。対電極132は、ヒドロゲル膜のみに覆われるウェル底部に金属を有する。
ここで、図43を参照すると、斜視拡大図が、多層センサ基板500を共に構成する、ベース層510、ミドル層550、及び、トップ層580を示す。「ミドル層」は、ここでは、ベース層510とミドル層550との間に他の層がある場合に、間にいかなる絶縁層を入れることなく、トップ層580に隣接する層を意味する。ベース層510は、電気絶縁性を有しており、ベース近位端部514、ベース遠位端部516、及び、ベース近位端部514とベース遠位端部516との間のベースミドル部518を有する。ベース金属化層520は、ベース層510上に配置され、ベース層510に沿って長手方向に延出する少なくとも1つの回路552を画定する。それぞれの回路552は、ベース近位端部に形成される導電性接点パッド524、及び、ベース遠位端部516に形成される導電性接点パッド526を、ベース近位端部514における導電性接点パッド524と、ベース遠位端部516における導電性接点パッド526とを電気的に結合する導電性配線528と共に有する。
ミドル層550もまた電気絶縁性を有してベース層510上に配置され、ミドル層近位端部554、ミドル層遠位端部556、及び、ミドル層ミドル部558を有する。ミドル層550は、ベース層520と一致する大きさ及び形状を有し、ベース層510と整列する。ミドル層550は、それぞれの電極を形成するために電極材料または試薬を収容するように構成される導電性接点パッド560をミドル層遠位端部556に有する。ミドル層近位端部554におけるそれぞれの導電性接点パッド562は、電気的接点を収容するように構成される。
トップ層580もまた電気絶縁性を有してミドル層550上に配置される。トップ層580は、ミドル層550及びベース層510と一致する大きさ及び形状を有する。トップ層580は、トップ層近位端部582、トップ層遠位端部584、トップ層ミドル部586を有し、トップ層580は、ベース層510及びミドル層550と整列する。トップ層580は、基板近位端部501上の接点開口590、及び、基板遠位端部502上のセンサウェル592を含む複数の開口を有する。接点開口590及びセンサウェル592は、ミドル層550の導電性接点パッド560,562のそれぞれと一致する。ベース層510、ミドル層550、及び、トップ層580は、例えば、図42に示されるように、基板近位端部501、基板遠位端部502、及び、基板近位端部501と基板遠位端部502との間に長手方向に延出するアセンブリミドル部503を有する多層センサ基板500を作成するために、ベース層510及びミドル層550上に、回路552,572と共に製造される。基板遠位端部502及びアセンブリミドル部503は、それぞれ約279ミクロンの幅を有する。
ここで、図44~46を参照すると、ベース層510が図44に平面図にて示され、ベース近位端部514が図45に拡大して示され、ベース遠位端部516が、図46に拡大して示される。ベース層510は、電気絶縁性を有し、ベース近位端部514、ベース遠位端部516、及び、ベース近位端部514とベース遠位端部516との間に延出し、これらを接続するベースミドル部518、を有するベース層基板512を有する。一実施形態において、ベース層基板512はポリイミド製であり、7.5μm~12.5μmの厚さを有する。例えば、ベース層基板512は、約10μmの厚さを有する。以下により詳細に説明される一実施形態において、ベース層基板512は、ガラス板上にスピンコーティングされたポリイミドに、さらにリソグラフィ工程が続くことにより形成されてもよい。
ベース金属化層520はベース層基板512上に直接配置され、ベース層近位端部514からベース層遠位端部516へ、ベース層基板512に沿って長手方向に延出する少なくとも1つの回路を画定する。示されるような一実施形態において、ベース金属化層520は、2つの回路522を画定し、それぞれの回路522a,522bは、それぞれ、ベース近位端部514に形成される導電性接点パッド524a,524bを有する。回路522aは、ベース遠位端部516に形成される導電性接点パッド526a1~526a2を有する。回路522bは、遠位端部516に導電性接点パッド526bを有する。それぞれの回路522a,522bは、ベース近位端部514における導電性接点パッド524a1~524a2、524bを、ベース遠位端部516における導電性接点パッド526a,526bのそれぞれと電気的に結合する導電性配線528a及び528bを有する。例えば、回路522aは、センサアセンブリ120の作用電極130として構成され、回路522bはセンサアセンブリ120のブランク電極133として構成される(図36に示される)。
接点パッド526a1~526a2のそれぞれは、ミドル層基板552の貫通開口564のためだけの大きさにされるよりはむしろ、ミドル金属化層550の1つ以上の接点パッド562と一致するサイズ及び形状を有する。この構成の利点は、後述する回転塗布工程に起因して接点パッド562に誘発され、ミドル金属化層570において接点パッド562の亀裂を引き起こす応力を、接点パッド526a1~526a2が軽減することである。一実施形態において、例えば、接点パッド526a1は、貫通開口564cではなく、ミドル金属化層570の接点パッド562aの実質的に下にあるような大きさ及び形状にされる。接点パッド526a2は、ミドル金属化層570の接点パッド562b,562c及び貫通開口564dの実質的に下にあるようなサイズ及び形状にされる。
一実施形態において、ベース金属化層520は、全体に1200±300Åの厚さを
有する。例えば、ベース金属化層520は、クロムの第1部分(200±150Å)を直接ベース基板512上に対して堆積し、金の第2部分(1000±150Å)がクロム上に直接配置され、且つ、クロムの第3部分(200±150Å)が金上に直接配置されることにより形成される。換言すれば、ベース金属化層520は、約900オングストロームから約1,500オングストロームの範囲の厚さを有する。他の導電性材料及び厚さが、センサアセンブリ120の使用目的に応じて、ベース金属化層520として許容可能である。
ここで、図47~49を参照すると、ミドル層550が図47に平面図にて示され、第2近位端部554が図48に拡大して示され、さらに、第2遠位端部556が図49に拡大して示される。ミドル層550は、電気的絶縁性のミドル層基板552を有すると共に、側壁を有してベース層510に延出する、複数のミドル層貫通開口564を画定しており、それぞれのミドル層貫通開口564は、ベース層510の回路552の導電性接点パッド524,526のそれぞれと導通する。一実施形態において、ミドル層基板552は、例えば、多層センサ基板500の作成方法600にて後述されるように、ベース層510及びベース金属化層520上にスピンコートされるポリイミドにて作成される。一実施形態において、ミドル層基板552は、7.5μm~12.5μm、例えば約10μmの厚さを有する。
ミドル金属化層570は、少なくとも2つのミドル層回路572を画定するために、ミドル層基板552及び貫通開口564の側壁上に直接配置される。それぞれのミドル層回路572は、ミドル層近位端部554に形成される導電性接点パッド560、及び、ミドル層遠位端部556に形成される導電性接点パッド562を、ミドル層近位端部554における接点パッド560と、ミドル層遠位端部556における導電性パッド562とを電気的に結合する導電性配線574と共に有し、且つ、少なくとも1つ以上のさらなる導電性パッド560,562を、電気的接点内に貫通開口564と共に有する。少なくとも1つ以上のさらなる導電性パッド560,562は、貫通開口またはビア564を通して、ベース層回路552と電気的に結合される。例えば、ミドル金属化層570は、上面550a上、貫通開口564の側壁上、及び、ベース金属化層520の一部の上に堆積され、ベース金属化層520と、それぞれの接点パッド560,562との間の導通を作成する。
図48に示されるようなミドル層近位端部554の一実施形態において、例えば、ミドル層回路572aは接点パッド560bを有し、ミドル層回路572bは接点パッド560cを有する。接点パッド560a,560dは、ミドル層回路572a,572bからは分離されている。接点パッド560a(例えば、作用電極130用)は、2つの貫通開口564aを画定し、接点パッド560b(例えば、ブランク電極133用)は、2つの貫通開口564bを画定し、接点パッド560a,560bのそれぞれは、接点パッド524a及び接点パッド524b(図45に示す)のそれぞれにて、ベース金属化層520と導通する。
図49に示されるミドル層遠位端部556の一実施形態において、例えば、ミドル層回路572aは接点パッド562aを有し、ミドル層回路572bは接点パッド562cを有する。接点パッド562b,562dは、ミドル層回路572a,572bからは分離されている。ミドル層基板552は、接点パッド526b(図46に示される)にてベース金属化層520と導通する接点パッド562b(例えば、ブランク電極133用)に、貫通開口564cを有する。ミドル層基板552は、貫通開口564dを、接点パッド526a2(図46に示す)と導通する接点パッド562dと共に画定する。接点パッド562d及び562bは、ミドル層回路572a,572bとは絶縁される。接点パッド562a(つまり、基準電極134)は、3つの接点パッド部562a1,562a2及び562a3に分割される。基準電極134は、Ag/AgClの亀裂及び接点パッド562aからの層間剥離を防止するために分割され、このことは、センサ500が患者の皮下に埋め込まれる場合には、明らかに有利である。
ここで、図50を参照すると、接点パッド524aにて基板近位端部501を通って切り取られた多層センサ基板500の断面切片が、ベース層510とミドル層550との間の導通を示すために用いられる。接点パッド524aはベース層基板512上にあり、ミドル層基板552はベース層510上に配置され、接点パッド564aはミドル層基板552上に配置され、且つ、トップ層580はミドル層550上に配置される。接点パッド560aは、ミドル層基板552内の貫通開口564aの側壁564a’を含むミドル層基板552に上に配置され、それにより、接点パッド560aと接点パッド524aとの間の導通を可能にする。トップ層580は、電気絶縁性を有し、ミドル層550を周辺環境から分離するために、ミドル層550上に配置される。一実施形態において、トップ層580は、ミドル層550上にスピンコートされ、硬化後に約55μmの厚さを有するポリイミドである。接続ビアを有するこの多層構築方法の利点は、多層電極及びそれらに付随する導電性配線の作成を可能にする一方で、多層センサアセンブリ500の全体の幅が、可能な限り小さく保たれることである。
一実施形態において、ベース金属化層520及びミドル金属化層570は、それぞれ金を含む。別の実施形態において、ベース金属化層520及びミドル金属化層570それぞれは、ベース層基板512及びミドル層基板552上にそれぞれ直接配置されるクロム層と、クロム層の上部に直接配置される金層と、を有する。別の実施形態において、ミドル金属化層570は、ミドル層基板552上に直接配置されるクロム層、クロム層の上部に直接配置される金層、及び、金層の上部に直接配置されるプラチナ層を有する。
ここで、図51を参照すると、側面図は、近位端部501及び遠位端部502を有する多層センサ基板500を示す。多層センサ基板500の作成に用いられる工程は、完成したセンサが、その長さに沿って弓形形状を有することを引き起こす。弓形形状は、上面122に半径Rの曲げを形成する。一実施形態において、曲げ半径Rは、1.375インチ(35mm)以下である。曲げ半径Rは、本発明の計画された特徴である。曲げ半径Rの利点は、連続的測定センサ120のセンサ遠位端部502が、センサ120が皮下組織内の挿入工程を通して無傷で使用可能なままであることを確実にするために、他の部品または構造なしで、カニューレ/針の内壁に係合する多層センサ基板500の摩擦力により患者への展開中にカニューレ/針100内に保持され、強固に入れ子状になることである。これは、0.011インチ幅(279ミクロン)で0.003インチ厚(75ミクロン)であるセンサ120の遠位端部502の大きさを考慮すると特に重要である。
図52は、センサ120の皮下組織への挿入後に使用されるシステム1000の一実施形態を示す。示されるように、図52は、電子装置902,902’、患者の腕上の(センサ展開アセンブリ236及びセンサハウジングカバー850を収容するセンサハウジング206である)送信機1004の例を示している。送信機1004は、分析物測定データを、患者に展開された連続的測定センサ120から電子装置902に伝達し、データがユーザに対してユーザインタフェース918上に表示される。
システム1000は、挿入器アセンブリ200、送信機1004、送信機1004との無線通信のために装備される電子装置902にインストールされるシステムソフトウェアを備える。システム1000は、分析物ストリップリーダ906を較正のために任意に利用する。電子装置902の例は、コンピュータ、タブレットコンピュータ、電話、データロガー、腕時計、自動車情報/娯楽システム、または、他の電子装置を含む。無線通信は、高周波(RF)通信、Wi-Fi、BlueTooth、近距離無線通信(NFC)、センサ無線、移動体エリアネットワーク(MBAN)または他の無線通信プロトコルを介してもよい。この実施形態において、ストリップリーダ906は、統合されたBLE(BlueTooth low energy)を備え、較正データを電子装置902に無線で送信し、新しい較正データ点を使用するという患者の意思を患者に問い合わせる。
上述したように、挿入器アセンブリ200は、対象者の体上で挿入器アセンブリ200を位置決めした後に、連続的測定センサ120を対象者に展開するために用いられ、連続的測定センサ120を展開し、電子モジュール700及び(送信機804を備える)バッテリ706を備えるセンサハウジングカバー850をセンサハウジング206上に取り付け、それにより送信機1004を形成する。
一実施形態において、送信機1004は、Bluetooth Low Energy(BLE)などの無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)を用いて、電子装置902と通信する。他の実施形態において、他の無線通信プロトコルが、数センチメートルから数メートルの範囲内で一般的に効果的な通信に用いられてもよい。いくつかの実施形態において、例えば、システムソフトウェアは、携帯電話などにインストールされ、30フィート(約9.2メートル)以下の範囲を有する、アンドロイド及び/またはアップルソフトウェアプラットフォームで通信するように構成される。
一実施形態において、送信機1004は、標準Bluetooth BLEプロトコルを介して電力を節約して動作するように設計される。例えば、連続的測定センサ120からのセンサ測定値は、5分毎に送信機1004から伝送され、センサ測定値は、ユーザの電子装置902により受信された後、ユーザに対して即座に表示される。一般に、送信機1004は、1~2回の試みを経て、電子装置902への接続に成功するであろう。
一実施形態において、システム1000は、別の装置からの不要な通信を防止するために、汎用一意識別子(UUID)フィルタリングを用いる。特にユーザが、地下鉄、コンサート、または、他の公共の場所などの人が密集したエリアにいる場合に、複数の装置が電子装置902に近接して存在し、発見されうることが予想される。
一実施形態において、システム1000は、別のストリップリーダから無線で得られる較正データを利用する。例えば、グルコースに関する指のストリップ(finger strip)の測定値が取得され、その後、手動または自動で較正のためにシステム1000に入力される。一実施形態において、システム1000のソフトウェアアプリケーションは、ユーザが、任意の計測器から取得される1点較正値を手動で入力する手段を備える。例えば、ユーザは、電子装置902のインタフェースを用いて、別のストリップリーダを用いて得られる較正測定値100mg/dlを入力する。較正データを入力した後で、ユーザは、較正データを承認、拒否、または、手動により再入力しうる。他の実施形態において、システムソフトウェアは、外部計測器からBLE較正情報を受信する。システム1000が較正データを受信した後で、ユーザは、ユーザインタフェースにより、この較正データの承認、拒否、または、手動による再入力をしうる。
システムソフトウェアは、ユーザインタフェース918を提供し、この1つの例は、タッチセンサ式の表示画面である。一実施形態において、ユーザインタフェース918は、電波強度及び電池強度のための表示部910aを有するメイン画面909を備える。別の表示部910bは、分析物濃度(例えば、グルコース濃度)を、mg/dL(ミリグラム毎デシリットル)、または、mmol/L(ミリモル毎リットル)単位で表示する。表示部1010cは、分析物濃度(例えば、グルコース)が増加、減少、または、不変であるかをユーザに伝達するためのグルコース傾向矢印を表示する。一実施形態において、傾向矢印のための表示部910cは、相対的な変化率もまた伝達する。
一実施形態において、例えば、予め定められた値以上(例えば、≧3mg/dL)の絶対値を有する変化率が、2つの垂直に配向される矢印(上向きまたは下向き)として表示される。予め定められた値(例えば、2~3mg/dL)未満の絶対値を有する第2の予め定められた範囲における変化率が、1つの垂直に配向される矢印(上向きまたは下向き)として表示される。第2の予め定められた範囲(例えば、1~2mg/dL)未満の絶対値を有する第3の予め定められた範囲における変化率が、水平に対して45°傾斜された矢印(上向きまたは下向き)として表示される。また、第3の予め定められた範囲(例えば、1mg/dL以下)の絶対値未満の絶対値を有する第4の予め定められた範囲における変化率が、定常状態を示す水平な矢印として表示される。一実施形態において、変化率は、次の数式を用いて、5つの連続的なデータ点に基づいて計算される。
一実施形態において、分析物(例えば、グルコース)濃度が、送信機1004からのデータにて5分毎に更新され、メイン画面909に表示される。電子装置902が、その間に圏外にあるか、または、受信できない場合には、伝送されるデータは、任意に、送信機にて更新され、保存される。一実施形態において、送信機1004によるそれぞれの伝送は、電子装置902がその間に受信できない場合に欠測データを補うために、予め定められた数の過去のデータ点(例えば、5つ)を含む。
メイン画面909は、時間に対する分析物濃度のプロット911も表示する。一実施形態において、Y軸(分析物濃度)は、プロットされるデータの最小値より10%下回る最小Y軸値、及び、プロットされるデータの最大値よりも10%上回る最大Y軸値に自動的に対応するように構成される。X軸は、ユーザの選択する時間枠を表示するように構成されてもよい。
メイン画面909は、プロット911にて表示されるデータを含むデータのマクロタイムスケール912も表示する。マクロタイムスケール912に表示されるデータの一部はハイライトされ、これはプロット911に表示されるデータに一致する。例えば、マクロタイムスケール912は、3時間、6時間、12時間、24時間、3日、または、1週間にわたる分析物濃度データを表示するように構成されてもよい。結果的に、プロット911に表示されるデータは、マクロタイムスケール912に表示されるデータの一部である。一実施形態において、マクロタイムスケール912のハイライト領域913は、ユーザインタフェース908上のアクティブな要素である。例えば、中央のハイライト領域913に触れ、左または右にドラッグすることにより、プロット911のデータが選択されて移動する。同様に、左端913aまたは右端913b上のハイライト領域913に触れ、左または右にドラッグすることにより、ハイライト領域913が、時間軸に沿って拡大または縮小される。ハイライト領域913の大きさまたは位置が調整される場合に、プロット911は、ハイライト領域913と同じ最小値と最大値との間のデータを表示するように、自動的に更新される。メイン画面909は、アクティブサービスアイコン915も表示する。アクティブサービスアイコン915を選択することにより、較正及びカスタマイズのための表示部910を含むサービス画面が表示される。例えば、サービス画面は、上下範囲、警告限界、表示される単位、装置のペアリング設定、タイムスケール、X軸時間領域などの設定のための表示部910を含む。例えば、ユーザは、マクロタイムスケール912及びプロット911に表示されるデータの時間幅を設定するためにサービス画面にアクセスする。較正アイコンを選択することにより、分析物データの較正のために用いられる較正画面が開かれる。いくつかの実施形態において、サービス画面は、使用説明、または、使用説明にアクセスするためのリンクを含む。
例えば、最大及び最小濃度/制御限界についてのユーザ設定値または初期値が、水平方向に延出する破線916a,916bのそれぞれとして、プロット911上に表示される。一実施形態において、ユーザ設定制御限界は、警告されない。初期制御限界は、上下警報限界(alert limits)、及び、上下報告可能範囲限界(reportable range limits)を与える。最大値916aを上回る、または、最小値916bを下回る測定値は、ユーザに対する振動または可聴報知などの警告をもたらす。一実施形態において、最大濃度限界916aは、510mg/dLの初期値を有し、最小濃度限界916bは、90mg/dLの初期値を有する。
いくつかの実施形態において、システムソフトウェアは、医療専門家のための報告書を生成するように構成される。例えば、アイコンに触れることにより、クラウドを介して、医療専門家に伝送されうる報告及び設定、例えば、目標範囲を上回る、又は下回る時間、警告報告、CGM値、推定A1C及びeAG値、及び、経時的な分析物測定値など、が開かれる。
一実施形態において、システム1000は、ユーザが、別のグルコースストリップリーダにて取得された1点較正値を手動で入力することを可能にする。例えば、ユーザは、試験ストリップ測定にて得られた、100mg/dlを入力する。較正データの入力後、患者は、ユーザインタフェースにより、この較正データの承認、拒否、または、手動による再入力をしうる。
別の実施形態において、システム1000は、ストリップリーダから、BLEまたは他の無線通信プロトコルを介して、較正情報を受信するように構成される。
いくつかの実施形態において、設定及び選択はロックされてもよく、設定及び選択メニューをアンロックする鍵として機能する、パスワード、生体情報、または、他の情報の入力によってのみアクセスされる。
一実施形態において、システム1000は、次の一般的な変数ラベルを用いて一般データ演算を実施する。
A0=(M*X+B)-(N*Y+C)
A1=A0+較正調整
A2=A1/18.018018
X=((<チャネル0>*0.000494)-1)*1000
Y=((<チャネル1>*0.000494)-1)*1000
ジェネリック変数は次のように定義される。
A0は、mg/dLの未較正CGM値
A1は、mg/dLの表示された較正CGM値
A2は、mmol/L(代替単位)の表示された較正CGM値
Xは、チャネル0(センサ信号チャネル)の出力のmV測定値
Mは、チャネル0の傾斜補正係数
Bは、チャネル0のオフセット補正係数
Yは、チャネル1(ブランク信号チャネル)の出力のmv測定値
Nは、チャネル1の傾斜補正係数
Cは、チャネル1のオフセット補正係数
一実施形態において、M,B,N及びC変数の値は、電子装置902に保存される。一実施形態において、A0,A1,X及びY値は、日付タイムスタンプと共にSqliteデータベースに保存される。例えば、日時、チャネル0値、チャネル1値、算出されたグルコース値、算出された較正グルコース値、及び、装置IDが挙げられる。別のデータベースは、患者により入力され、日時などのタイムスタンプを有する較正データ、入力された較正値、及び、装置IDを任意に含む。
一実施形態において、予め定められた最大限界(例えば、800mg/dLまたは27.7mmol/L)よりも大きいA1またはA2値(患者に対してプロット911に表示される値)は、ユーザインタフェース918上に表示されるエラーメッセージ、例えば、「報知可能範囲超過(Above Reportable Range)」などをもたらす。同様に、予め定められた最小限界(例えば、40gm/dLまたは2.2mmol/L)未満のA1またはA2値は、ユーザに対して表示されるエラーメッセージ、例えば、「報知可能範囲未満(Below Reportable Range)」などをもたらす。
送信機1004と電子装置902との間の通信は安全である。例えば、BLEがサポートされるセキュリティマネージャプロトコルが、送信機1004と電子装置902との間で利用される。SMPは、暗号化及び認証、ペアリング及び結合、装置識別解決用のキー作成、データ署名、暗号化、送信機1004及び電子装置902の入力/出力性能に基づくペアリング方法を含む装置間のペアリング、認証、及び、暗号化を管理するための手順及び動作を規定する。
一実施形態において、電子装置902は、送信機1004と無線通信するように構成される腕時計である。このような実施形態において、システムソフトウェアは、腕時計として構成される電子装置902’のユーザインタフェース918上に3つの画面を有する。第1画面は、最新の分析物濃度及び計測単位を表示する。例えば、グルコース濃度が、mg/dLまたはmmol/Lで表示部910bにより表示され、5分毎に更新される。傾向矢印表示部910cは、上述のような相対的な変化率を示す。
第2画面は、最新のグルコース濃度及び計測単位を表示する。第2画面は、過去1時間の分析物濃度データにてプロット911を表示し、ここでY軸はグルコース濃度であり、X軸は時間である。上下限界916a,916bは、破線にて表示される。第3画面は、24時間の取得データにてマクロタイムスケール912を表示する。
[皮下センサ埋め込み方法]
ここで、図53を参照すると、フローチャートが、例えばグルコースなどの連続的分析物測定のための方法1100の例示的なステップを示す。最初に、ステップ1105にて、センサ120を備えるセンサ展開アセンブリ236を含む組み立て前の挿入器アセンブリ200を選択する。ステップ1110にて、接着パッドが予め取り付けられていない場合には、センサハウジング206と共に用いるように構成されるセンサハウジング接着パッド600を、任意に、センサハウジングの底部に取り付ける。ユーザが、挿入器アセンブリ200をユーザの皮膚に取り付けるために裏当てを容易に取り外す場合には、接着パッド600は、挿入器アセンブリ200に予め取り付けられていてもよいと考えられる。さらに、センサハウジング206の患者への接着固定の当技術分野で周知である全ての他の方法が用いられてもよいと考えられる。
ステップ1120にて、挿入器アセンブリ200は、患者の挿入部位上にセンサハウジング206にて配置され、センサハウジング接着パッド600が任意に取り付けられる場合には、これが、患者の皮膚に接触する。一実施形態において、接触領域は非常に小さく、幅約1インチ(25.4mm)、長さ約1.5インチ(38.1mm)である。一実施形態において、ステップ1120は、挿入器アセンブリ200を、医療グレードの接着テープなどを用いて皮膚に固定することを含む。
ステップ1125にて、ユーザは、ボタン204を、その第2位置(下位置)に手動で押下し、低力で針/鋭利物100及び連続的測定センサ120を動作させる。通常、針/鋭利物100は、皮下組織に約8mm挿入される。ステップ1125は、約0.1lbs.の力がかかり、患者に対して実質的には無痛であると示されている。
ステップ1130にて、展開機構208は、「最も低い位置にある」か、または、センサハウジング206に向かって、その最も下方の位置に到達する。振動の感覚と共に可聴の「クリック音」がユーザに報知する。ステップ1135にて、クリック音及び振動の感覚が、ユーザに、センサ120が埋め込まれ、針/鋭利物100が挿入器アセンブリ200内に後退し、且つ、挿入器アセンブリ200はセンサハウジング206から解放されたことを示す。
ステップ1135の間に、展開機構208は、針キャリア挿入前の位置(下位置)から針キャリア解除位置(上位置)へ自動的に後退または移動し、連続的測定センサ120を皮膚内に約7mm挿入したままにする。針/鋭利物100は、針/鋭利物100及び針キャリア234を即座に後退させる複動式の展開機構208により解放される。
ステップ1140にて、挿入器ハウジング202、展開ボタン204、及び、展開機構208(集合的に、挿入器アセンブリ200とも呼ばれる)は、挿入器アセンブリ200をセンサハウジング206から解放するためのさらなる動作が実施されることを必要とすることなく、センサハウジング206から取り外され/移動される。上述したように、挿入器アセンブリ200のセンサハウジング206からの解放は、展開ボタン204が「最も低い位置にある」として自動的に起こり、挿入器ハウジング202上の係止機構205の、センサハウジング206からの解放(例えば、スナップ機構の押圧)を引き起こす。センサ展開アセンブリを備えるセンサハウジング206は、患者に残される。
ステップ1145にて、電子モジュール700及びバッテリ706を備えるセンサハウジングカバー850が、センサハウジング206上に取り付けられる。センサハウジングカバー850をセンサハウジング206上に取り付けることにより、電子モジュール700の電源が自動的に入り、取り付けはステップ1150にて完了する。
ステップ1145にて、完成したセンサハウジングアセンブリが、使用可能である。電子モジュール700は、センサ120により生成される電気信号の受信を開始する。患者の皮下に埋め込まれたセンサ120により生成される電気信号は、皮下組織内の分析物濃度と直接的に関連する。グルコースセンサが用いられる場合には、センサ120により生成される電気信号は、皮下組織内のグルコース濃度と直接的に関連する。電子モジュール700は、連続的グルコース測定の場合においてはグルコースである、関心のある分析物の測定及び記録を可能にする電子及び/または電気部品を備える。センサ120から得られるデータは、生成されたデータの、同時または後の表示、及び/または、伝送のために、電子モジュール700の電子及び/または電気部品の電子回路に保存されてもよい。電子モジュールは、内蔵のバッテリ電源が、センサハウジングから取り外すことなく便利に充電されうるように、電磁誘導充電機能も有してもよい。
[センサ基板形成方法]
図54を参照すると、フローチャートが、多層センサ基板500を作成する1つの方法1200のステップを示す。
ステップ1205にて、精密な平坦ソーダ石灰フロートガラス基板が、4”×4”の大きさで、裏面に錫被覆を有して供給される。
ステップ1210にて、境界が、ガラス基板のガラス前面上に金属化される。一実施形態において、境界は、4mmの幅を有する。境界の金属化は、ガラス基板上にスピンコーティングされたフォトレジスト層への、第1の境界の画像形成により実施される。次に、スパッタリング装置または熱蒸着を用いて、クロム層が、フォトレジスト上に堆積される。フォトレジストは、アセトンを用いて取り除かれ、その後、表面が洗浄、ベークドライ、及び、プラズマ洗浄される。
ステップ1215にて、第1ポリイミド絶縁層(ベース層基板512)が塗布され、硬化される。一実施形態において、第1ポリイミド層は、スピンコート法により塗布され、硬化後、10.0μm±2.5μmの厚さを有する。例えば、ポリイミドは、スピンコート法により塗布され、その後、100℃のホットプレート上で10分間ソフトベークされ、オーブンまたは加熱炉内で温度を350℃に上げて、その温度で30分間維持することにより硬化される。硬化後、第1ポリイミド絶縁層の厚さが、測定され、検証されてもよい。
ステップ1220にて、ベース金属化層520が、ベース層基板512に塗布され、処理される。まず、表面を洗浄するために580WでRFエッチングが実施される。一実施形態において、ベース金属化層520は、スパッタリングにより蒸着されており、クロムの第1層(厚さ200±150Å)、クロム上にスパッタリングされた金の第2層(1000±150Å)、及び、金上にスパッタリングされたクロムの第3層(200±150Å)を含む3部構成の金属層である。
ベース金属化層1220は、その後画像形成される。まず、フォトレジストがベース金属化層520上に回転塗布され、上述したようにホットプレート上でソフトベークされる。マスクアライナを用いてフィーチャが位置合わせされ、フォトレジストが第1金属層マスクを用いて露光される。フォトレジストは、現像され、プラズマ洗浄される。次に、ベース金属化層520の露光した金属が、イオンミリングを用いて除去され、その後、残りのフォトレジストが溶剤にて除去される。全ての金属が除去されたことを確実にするために、ベース層基板512の抵抗が任意に検査される。ベース金属化層520の導電性配線528は、任意に短絡及び開放検査され、可能であれば修正される。回路の動作を確認するために、「作用」配線528と「ブランク」配線528の間の抵抗について様々な位置で測定される。一実施形態において、抵抗が少なくとも10MΩであり、これは、開放負荷の抵抗である。
ステップ1225にて、ミドル層基板552(例えば、第2ポリイミド絶縁層)が、ベース層510上に堆積され、処理される。スピンコートによる堆積後、ミドル層基板552はソフトベークされ、硬化される。一実施形態において、第2ポリイミド絶縁層は、硬化後、10.0μm±2.5μmの厚さを有する。第2ポリイミド絶縁層は、まず、70℃のホットプレート上で5分間ソフトベークされ、その後、105℃のホットプレート上で10分間ソフトベークされる。オーブンまたは加熱炉内で、350℃に上げ、30分間その温度で維持することにより硬化が実施され、その後、プラズマ洗浄される。ミドル層基板552は、フォトレジストを塗布し、その後、位置調整され、マスクアライナ上で「ビアマスク」を用いてフォトレジストを露光することにより画像形成される。フォトレジストは現像液を用いて現像され、噴霧現像装置にて洗い流される。
ステップ1230にて、ミドル金属化層570は、ミドル層基板552(第2ポリイミド絶縁層)上に堆積され、処理される。ミドル金属化層は、スパッタリング装置または許容可能な代替品を用いて堆積されてもよい。このステップは、表面を洗浄し準備するために、金属堆積に先立って実施される580WのRFエッチングを任意に最初に含む。一実施形態において、ミドル金属化層570は、クロムの第1部分(200±150Å)、クロム上に堆積される金の第2部分(1000±150Å)、金上に堆積されるプラチナの第3部分(1000±150Å)、及び、プラチナ上に堆積されるクロムの第4部分(200±150Å)を含む4部構成の層である。
ミドル金属化層570が画像形成される。まず、フォトレジストがミドル金属化層570にスピンコートされ、その後、ホットプレート上でソフトベークされる。次に、フォトレジストが、第2金属層マスクを用いて位置合わせされて露光され、その後、フォトレジストが現像されプラズマ洗浄される。次に、ミドル金属化層570の露光した金属は、イオンミリングにより除去される。残りのフォトレジストが、その後除去される。ミドル金属化層570の余分な金属が、適切に除去されたことを確実にするために、抵抗検査が第2ポリイミド絶縁層(ミドル層基板552)上で任意に実施される。ミドル層550の導電性配線574が、短絡及び開放について検査され、その後、プラズマ洗浄される。
ミドル金属化層570について、任意に抵抗が検査される。例えば、抵抗は、導電性配線574の間で測定される。抵抗は少なくとも10MΩ(開放負荷)であることが好ましい。
ステップ1235にて、トップ層580(例えば、第3ポリイミド絶縁層)が、ミドル層550に塗布される。一実施形態において、トップ層580は、生体適合性のポリイミドまたは許容可能な代替品であり、ポリイミドは回転塗布され、ソフトベークされ、さらに、硬化される。ソフトベークは、70℃のホットプレート上で5分間実施され、その後、105℃のホットプレート上で10分間ソフトベークされる。一実施形態において、トップ層580は、硬化後、55.0μm±5.0μmの厚さを有する。
トップ層580は、トップ層580を通って延出し、ミドル金属化層570の接点パッド560,562のそれぞれと一致する、接点開口590及びセンサウェル592を画定するために画像形成される。一実施形態において、トップ層580は、硬化後に約55μmの厚さを有するポリイミドである。フォトレジスト層のスピンコート後に、トップ層580は位置合わせされ、フォトレジストはマスクアライナ上で「ウェルマスク」を用いて露光される。フォトレジストは、現像液を用いて現像され、噴霧現像装置にて洗い流される。接点開口590及びセンサウェル592は、任意に、現像完了について検査され、その後、硬化前高さについて抜き取り検査される。トップ層580は、その後、オーブンまたは加熱炉の中で、550℃に上げられてその温度で60分間維持され、その後、350℃に上げられてその温度で30分間維持されることにより、ゆっくり硬化される。ゆっくり冷却した後、トップ層580は、プラズマ洗浄され、顕微鏡を用いて、視覚的に検査される。接点開口590及びセンサウェル592の深さが、任意に、様々な位置にて検査されてもよい。
ステップ1240にて、ミドル金属化層は、トップ層580のセンサウェル592及び接点開口590を通して露光された部分がエッチングされる。例えば、ミドル金属化層570の第4クロム層は、全てのセンサウェル592及び接点開口590上で第3プラチナ層を露光するように化学的に除去される。センサウェル592及び接点開口590は、完全なクロムの除去について検査され、その後、センサアセンブリ120のプラズマ洗浄が行われる。
ステップ1245にて、センサ基板により画定される基準電極134上に銀が堆積され、その後、基準電極として機能するであろうAg/AgCl電極を生成するために銀の一部が塩化銀に変換される。
ステップ1250にて、例えば、以下の方法1300で述べられるように、センサの化学的構造がセンサ開口592に堆積される。
ステップ1255にて、レーザ分離が、複数の連続的測定センサ120をガラス基板から取り外し、かつ、互いに取り外すために実施される。この時点で、連続的測定センサ120の湾曲またはカールが検査され、所望のセンサ湾曲またはカールと適合していると確認されてもよい。例えば、センサ湾曲またはカールが、高性能な顕微鏡を用いて、プレート当たりに予め定められた数のセンサ120について測定される。一実施形態において、最大湾曲半径Rは、1.375インチ未満(~35mm)である。この湾曲半径Rを有する連続的測定センサ120は、カニューレ/針100の内壁との摩擦力により、カニューレ/針100の内側に保持される。
最大湾曲半径を超えると、連続的測定センサ120がカニューレから落下しうる。湾曲半径Rは、ある程度、層500,510,550の相対的な厚さに由来する。湾曲半径Rは、ベース層510に始まり、その後、ミドル層550が続き、さらにトップ層580が続く、多層センサ基板500の連続的に硬化される層500,510,550にも、ある程度由来する。ベース層基板512のポリイミドは、硬化時に厚さが約37%収縮する。ミドル層基板552及びトップ層580のポリイミドは、硬化時に厚さが約40%収縮する。また、トップ層580(~55μm)は、ベース層510(~10μm)またはミドル層550(~10μm)の何れかのおよそ10倍の厚さであるので、ベース層510及びミドル層550の後の硬化中のトップ層550の収縮は、多層センサ基板500に湾曲半径Rを与える。
一実施形態において、連続的測定センサ120は、約6.99mmの長さを有する基板近位端部501を含んで約18.42mmの長さを有し、基板遠位端部502及びアセンブリミドル部503のそれぞれは、約279μmの幅を有し、基板近位端部501は、約711μmの幅を有する。これらの寸法で、連続的測定センサ120は、共に尖った形状の針100に成形される円形25ゲージの薄壁ステンレス鋼管、または、27ゲージの平たくされた薄壁ステンレス鋼管内で使用するための大きさにされる。25ゲージ薄壁管は、公称で約0.020インチ(0.51mm)の外径、及び、約0.015インチ(0.38mm)の内径を有する。27ゲージ薄壁管は、公称で約0.016インチ(0.41mm)の外径、及び、公称で約0.012インチ(0.30mm)の内径を有する。他のゲージの針も許容可能であり、多層センサ基板500の寸法は、与えられる針内で、よりきつく、または、より緩く嵌合するために、必要に応じて調整されてもよい。
多層センサ基板500に複数の層(例えば、510,550,580)を有する連続的測定センサ120を作成する利点は、予め定められた領域により多くの回路(例えば、522,572)を設けうることである。このようにして、連続的測定センサ120は、電極130,132,133,134について使用可能な展開の選択肢を増加してきた。また、複数の層は、予め定められた同じ領域においてより多くの電極回路を設けうる能力を増大でき、それゆえに、単一の連続的測定センサ120上で様々な異なる種類の電極を可能にする。本発明の範囲内で、連続的測定センサ120は、追加的な層、例えば、4番目、5番目、6番目、または、他の追加的な層(つまり、ベース層510及びミドル層550/トップ層580との間の他の「ミドル」層)など、を有する構成が考えられる。
[センサの化学的構造の堆積方法]
ここで、図55を参照すると、フローチャートが、方法1200のステップ1250にて述べたような、センサの化学的構造の堆積のための1つの方法1300の例示的なステップを示す。ステップ1310において、多層センサ基板500は、方法1200のステップ1205~1275にて説明したように供給され、多層センサ基板500は、少なくとも第1作用電極及び基準電極である2つ以上の電極を画定し、ここで、他の電極は、対電極、第2作用電極、及び、他の分析物作用電極から選択され、全ての電極は、センサ基板500の一方の面にある。通常、複数の多層センサ基板500が、ガラス基板上にまとめて供給される。
ステップ1315にて、液状フォトレジストがセンサ基板に、例えば、スピンコートなどにより塗布される。フォトレジストは、予め定められたパターンにて紫外線に露光され、さらに露光されない領域が除去されて、フォトレジストに、センサ基板のセンサ開口590及び/またはセンサウェル592と整列する開口を有するパターンを画定する。同様にして、ネガ型フォトレジストが用いられる場合には、露光された領域が、除去される。本発明の実施形態は、多層センサ基板500の一面に電極130,132,133,134を有するとして説明されるが、両面センサもまた、本発明の範囲内であると考えられることを理解すべきである。
ステップ1320において、予め定められた量のヒドロゲル膜溶液を施すことにより、ヒドロゲル膜が、Ag/AgCl基準電極134及び対電極133上に堆積される。
ステップ1325にて、センサ基板内に画定される作用電極130及びブランク電極133に一致する開口を画定するために、フォトレジスト層がセンサ基板上に堆積され、紫外線に露光され、且つ、剥離される。
ステップ1335にて、ポリ-2-ヒドロキシエチルメタクリレート(PHEMA)膜前駆体溶液が、作用電極130及びブランク電極133上に堆積され、紫外線硬化され、洗浄及び乾燥される。2つの電極のうちの1つは、グルコース電極であり、従って、この電極のためのPHEMA膜前駆体溶液が、さらにグルコース酵素、好ましくはグルコースオキシダーゼを含むことは、当業者により理解されるべきである。グルコース酵素を含むPHEMA膜前駆体溶液は、以下に説明される複合膜に加えて、予め定められた量のマイクロスフェアを任意に含んでも良い。マイクロスフェアの予め定められた量は、以下に説明するように複合膜内のマイクロスフェアの量よりも少ない。
ステップ1340にて、複合膜前駆体溶液が、作用電極130(例えば、グルコース電極)及びブランク電極133上に堆積され、紫外線硬化され、乾燥される。
複合膜前駆体溶液の調製が、ここで説明される。マイクロスフェアは、グルコースに対する透過性を、実質的に全くまたはほとんど有さず、しかしながら、実質的に酸素に対する高い透過性を有する材料から調製される。マイクロスフェアは、PDMS(ポリジメチルシロキサン)から調製されることが好ましい。マイクロスフェアは、グルコースの透過を可能にするヒドロゲル前駆体と混合される。ポリウレタンヒドロゲルが作用するが、PHEMA前駆体が好ましい。ヒドロゲルに対するマイクロスフェアの比率は、グルコースと酸素との透過性の比率を決定する。それゆえに、当業者は、必要とされる低い酸素消費量にてグルコース測定の所望のダイナミックレンジを可能にする比率を容易に決定することができる。ポリウレタンヒドロゲルが用いられる場合においては、膜は、紫外線を用いる代わりに、溶剤の蒸発により硬化されることに留意すべきである。
ステップ1345にて、さらなるPHEMA膜前駆体カタラーゼ溶液が、作用電極130(例えば、グルコース)及びブランク電極133上に任意に堆積され、紫外線硬化され、乾燥される。この任意のステップがカタラーゼを加え、過酸化水素の生物環境への放出を防止し、センサ感度に影響する流量を削減し、且つ、マイクロスフェア表面の生物環境への直接的な接触を防止する。
ステップ1350、及び、図48に説明される分離ステップの後で、連続的測定センサ120は、上述した好ましい実施形態によりカニューレ/針100内に取り付けられる。
本発明の好ましい実施形態が、ここに説明されてきたけれども、上の記述は、単なる例である。ここで開示される本発明のさらなる変更は当業者に起こりうることであり、全てのこのような変更は、添付の特許請求の範囲により画定されるような本発明の範囲内であるとみなされる。