JP7148217B2 - ガラス容器の化学的不均一性を決定する方法 - Google Patents

ガラス容器の化学的不均一性を決定する方法 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、その全体がここに参照することによって本願に援用される、発明の名称を「ガラス容器の化学的不均一性を決定する方法(Methods for Determining Chemical Heterogeneity of Glass Containers)」とする、2016年10月12日出願の米国仮特許出願第62/407,321号の優先権を主張する。
本明細書は、概して、ガラス包装における不均一性の程度を決定することに関する。より詳細には、本明細書は、医薬品用ガラス包装における不均一性の程度を決定するための方法及び装置を対象とする。
歴史的に、ガラスは、その気密性、光学的透明度、及び他の材料と比較して優れた化学的耐久性の理由から、医薬品の包装に好ましい材料として用いられている。具体的には、医薬品包装に用いられるガラスは、その中に含まれる医薬品組成物の安定性に影響を及ぼさないように、適当な化学的耐久性を有していなければならない。適切な化学的耐久性を有するガラスとしては、ASTM規格E438.92の「IA型」及び「IB型」のガラス組成物、若しくは、米国薬局方<660>でI型の組成物と定義されているガラス組成物(本明細書では、以後、「I型」と称される)に入るガラス組成物が挙げられ、これらは、過去に化学的耐久性が実証されている。一般的には、化学的に耐久性のガラスとは、ガラスが溶液に長時間晒されたときに、その構成成分がガラスから溶出しないガラスである。しかしながら、化学的に耐久性のガラス組成物であっても、薬液に晒された後に、剥離するか、あるいはガラス粒子が脱落する傾向がある。
ガラス容器の剥離に関与する主因は、ガラス容器の化学的不均一性である。ある特定の化学種は、ガラス容器の形成の間にそれらを揮発させる、より低い揮発温度を有する。よって、これらの種は、ガラス容器内部のある特定の領域に大量に堆積する可能性があり、結果的に、ガラス容器に化学的不均一性をもたらす。加えて、ガラス表面からの揮発性種の除去によっても、化学的不均一性が生じうる。これらの揮発種が堆積し、ガラス表面に取り込まれたガラス容器の領域、若しくは、揮発性種がガラス表面から除去された領域は、耐久性が低下し、ガラス組成物中の他の種よりも容器の内容物と高度に反応する揮発性種が豊富になっている。結果として、これらの領域のガラス腐食の量は増加する。豊富になった領域からホウ酸ナトリウムが失われると、主にシリカである表皮が後に残る。このシリカの表皮は、剥離フレークとなって失われる。これは最も一般的には、ガラス容器のヒール又は下部側壁に見られる。
DSIMS、XPSなど、ガラス容器の不均一性を測定するための従来の方法は、費用がかかり、薬物接触領域を代表するのに十分なガラス容器表面領域をサンプリングしていない。米国薬局方<1660>など、剥離機構を調査するための従来の方法は、不確かな反応及び長いリードタイムを伴う。加えて、米国薬局方<1660>などの化学的耐久性についての従来の試験は、グリシン溶液などの物質で満たして、ガラス容器を90%まで満たす工程、及び時間経過に伴って溶液をガラス容器と反応させる工程を包含する。このような試験には、ガラス容器を物質で完全に満たすことが必要であり、信頼できる結果を達成するには長時間かかる場合がある。幾つかの方法では、信頼できる結果の達成に8カ月以上かかる場合がある。剥離をもたらす化学的不均一性は、局所的な製造条件によって引き起こされうることから、1つの試料中にフレーク又はラメラが存在しないことが、別の試料におけるフレーク又はラメラの不存在を必ずしも保証するものではないため、サンプリングは、製造されたガラス容器が剥離しにくいことを確実にするには必ずしも適当ではない。8か月以上のリードタイム、及びガラス容器が物質でほぼ完全に満たされているという要件では、従来の試験方法を用いてすべてのガラス容器を試験することは、商業的に実施可能な選択肢ではない。
したがって、信頼できる結果を達成するために8か月以上を必要とせず、また、ガラス容器をグリシンなどの物質で完全に満たすことも必要としない、ガラス容器の化学的不均一性を測定するための装置及び方法が必要とされている。
本明細書に開示される実施形態は、複数のガラス容器の剥離の危険性を決定する方法について記載する。該方法は、複数のガラス容器の各ガラス容器が同様の組成及び同様の幾何学形状を有する、複数のガラス容器を得る工程、及び各ガラス容器中の溶媒の体積が、ガラス容器の5.0容積%以上~ガラス容器の50.0容積%以下を構成するように、複数のガラス容器の各ガラス容器に溶媒を加える工程を含む。次に、複数のガラス容器は90℃~130℃の温度まで加熱され、次いで、該複数のガラス容器は室温まで冷却される。該方法は、複数のガラス容器から溶媒を取り出し、統合して、統合溶媒を得る工程、及び該統合溶媒を滴定する工程をさらに含み、ここで、統合溶媒の滴定に用いた滴定剤の量は、受領時の滴定量である。その後、ガラス容器の少なくとも内面をエッチング液と接触させることによって、複数のガラス容器をエッチングし、該エッチングによって、0.75μm以上~15μm以下の厚さを有する、各ガラス容器の内面の層を除去し、複数の被エッチングガラス容器を得て、次に、該複数の被エッチングガラス容器の各被エッチングガラス容器をすすいで、残留エッチング液を除去する。次に、各被エッチングガラス容器内の第2の溶媒の体積が、被エッチングガラス容器の5.0容積%以上~被エッチングガラス容器の50.0容積%以下を構成するように、複数の被エッチングガラス容器の各被エッチングガラス容器に第2の溶媒を加え、該複数の被エッチングガラス容器を90℃~130℃の温度まで加熱し、室温まで冷却する。第2の溶媒を複数の被エッチングガラス容器から取り出し、統合して、エッチング後の統合溶媒を得る。次に、該方法は、エッチング後の統合溶媒を滴定する工程を含み、ここで、エッチング後の統合溶媒の滴定に用いた滴定剤の量は、エッチング後の滴定量である。最後に、複数のガラス容器の化学耐久率(CDR)を次のように計算する:
Figure 0007148217000001
別の実施形態では、複数のガラス容器の剥離の危険性を決定する方法が記載される。該方法は、複数のガラス容器の各ガラス容器が同様の組成及び同様の幾何学形状を有する、複数のガラス容器を得る工程、及び各ガラス容器中の溶媒の体積が、ガラス容器の8.0容積%以上~ガラス容器の25.0容積%以下を構成するように、複数のガラス容器の各ガラス容器に溶媒を加える工程を含む。さらには、複数のガラス容器の各容器を防水プラグで閉栓し、該複数のガラス容器の各容器を倒立させる。次に、該方法は、複数のガラス容器を90℃~130℃の温度まで加熱する工程、及び複数のガラス容器を室温まで冷却する工程を含む。その後、複数のガラス容器から溶媒を取り出し、統合して、統合溶媒を得て、該統合溶媒を滴定し、ここで、統合溶媒の滴定に用いた滴定剤の量は、受領時の滴定量である。該方法はまた、各ガラス容器の少なくとも内面をエッチング液と接触させることによって、複数のガラス容器の各ガラス容器をエッチングする工程であって、該エッチングによって、0.75μm以上~15μm以下の厚さを有する、各ガラス容器の内面の層を除去し、複数の被エッチングガラス容器を得る、工程も含む。複数の被エッチングガラス容器の各被エッチングガラス容器をすすいで、残留エッチング液を除去し、該方法は、各被エッチングガラス容器内の第2の溶媒の体積が、被エッチングガラス容器の8.0容積%以上~被エッチングガラス容器の25.0容積%以下を構成するように、複数の被エッチングガラス容器の各被エッチングガラス容器に第2の溶媒を加える工程を含む。その後、複数のガラス容器の各容器を防水プラグで閉栓し、倒立させる。複数の被エッチングガラス容器を90℃~130℃の温度まで加熱し、室温まで冷却する。該方法は、次に、複数の被エッチングガラス容器から第2の溶媒を取り出し、統合して、エッチング後の統合溶媒を得る工程、及び該エッチング後の統合溶媒を滴定する工程を含み、ここで、エッチング後の統合溶媒の滴定に用いた滴定剤の量は、エッチング後の滴定量である。最後に、複数のガラス容器の化学耐久率(CDR)を次式によって計算する:
Figure 0007148217000002
さらなる特徴及び利点には、以下の詳細な説明に記載されており、一部には、その説明から当業者に容易に明らかとなり、あるいは、以下の詳細な説明、特許請求の範囲、並びに添付の図面を含めた本明細書に記載される実施形態を実施することによって認識されるであろう。
前述の概要及び以下の詳細な説明はいずれも、さまざまな実施形態を説明しており、特許請求の範囲の主題の性質及び特徴を理解するための概観又は枠組みを提供することが意図されていることが理解されるべきである。添付の図面は、さまざまな実施形態のさらなる理解をもたらすために含まれ、本明細書に取り込まれてその一部を構成する。図面は、本明細書に記載されるさまざまな実施形態を例証しており、その説明とともに、特許請求の範囲の主題の原理及び動作を説明する役割を担う。
本明細書に記載される1つ以上の実施形態に従うガラス容器、具体的にはガラスバイアルの断面の概略図 本明細書に記載される1つ以上の実施形態に従う、内面層の除去前の図1のガラス容器の側壁のある領域の概略図 本明細書に開示及び記載される1つ以上の実施形態に従う、12.5%の充填量で試験した6つの試料タイプの容器についての受領時の滴定量及びエッチング後の滴定量を示すグラフ 本明細書に開示及び記載される実施形態に従う、90.0%の充填量で試験した6つの試料タイプの容器についての受領時の滴定量及びエッチング後の滴定量を示すグラフ 本明細書に開示及び記載される実施形態に従うガラス容器のさまざまな系統についてのCDR値を示すグラフ
これより、その例が添付の図面に示されている、ガラスバイアルなどのガラス容器の不均一性を測定するための装置及び方法のさまざまな実施形態について、詳述する。可能なかぎり、同一又は同様の部分についての説明には、図面全体にわたって同じ参照番号が用いられる。一実施形態では、複数のガラス容器の剥離の危険性を決定する方法は、複数のガラス容器の各ガラス容器が同様の組成及び同様の幾何学形状を有する、複数のガラス容器を得る工程;各ガラス容器中の溶媒の体積が、ガラス容器の5.0容積%以上~ガラス容器の50.0容積%以下を構成するように、複数のガラス容器の各ガラス容器に溶媒を加える工程;複数のガラス容器を90℃~130℃の温度まで加熱する工程;複数のガラス容器を室温まで冷却する工程;複数のガラス容器から溶媒を取り出し、統合して、統合溶媒を得る工程;統合溶媒に指示薬を加える工程;統合溶媒を滴定する工程であって、統合溶媒の滴定に用いた滴定剤の量が受領時の滴定量である、工程;各ガラス容器にエッチング液を加えることによって、複数のガラス容器の各ガラス容器をエッチングする工程であって、該エッチングによって、0.75μm以上~15.0μm以下の厚さを有する、各ガラス容器の内面の層を除去し、それによって複数の被エッチングガラス容器を得る、工程;複数の被エッチングガラス容器の各被エッチングガラス容器をすすいで、残留エッチング液を除去する工程;各被エッチングガラス容器内の第2の溶媒の体積が、被エッチングガラス容器の5.0容積%以上~被エッチングガラス容器の50.0容積%以下を構成するように、複数の被エッチングガラス容器の各被エッチングガラス容器に第2の溶媒を加える工程;複数の被エッチングガラス容器を90℃~130℃の温度まで加熱する工程;複数の被エッチングガラス容器を室温まで冷却する工程;複数の被エッチングガラス容器から第2の溶媒を取り出し、統合して、エッチング後の統合溶媒を得る工程;エッチング後の統合溶媒を滴定する工程であって、エッチング後の統合溶媒の滴定に用いた滴定剤の量がエッチング後の滴定量である、工程;複数のガラス容器の化学耐久率(CDR)を次式によって計算する工程:
Figure 0007148217000003
を含む。
用語「化学的耐久性」とは、本明細書で用いられる場合、特定の化学的条件にさらされた際に劣化に耐える、ガラス組成物の能力を指す。具体的には、本明細書に記載されるガラス組成物の化学的耐久性を、つの確立された材料試験規格:2001年3月付の「ガラスの試験-沸騰塩酸水溶液による攻撃に対する耐性-試験方法及び分類(Testing of glass-Resistance to attack by a boiling aqueous solution of hydrochloric acid-Method of test and classification)」と題された、DIN12116;「ガラス-混合アルカリの沸騰水溶液による攻撃に対する耐性-試験方法と分類(Glass-Resistance to attack by a boiling aqueous solution of mixed Alkari-Method of test and classification)」と題された、ISO695:1991;「ガラス-121℃におけるガラス粒子の耐加水分解性-試験方法と分類(Glass-Hydrolytic resistance of glass grains at 121 degrees C-Method of test and classification)」と題された、ISO720:1985;及び、「ガラス-98℃におけるガラス粒子の耐加水分解性-試験方法と分類(Glass-Hydrolytic resistance of glass grains at 98 degrees C-Method of test and classification)」と題された、ISO719:1985に従って評価した。各規格及び各規格内の分類は、本明細書にさらに詳細に記載されている。あるいは、ガラス組成物の化学的耐久性は、「表面ガラス試験(Surface Glass Test)」と題された米国薬局方<660>、及び/又は、ガラスの内面の耐久性を評価する、「医薬品用途のためのガラス容器(Glass Conatiners For Pharmaceutical Use)」と題された欧州薬局方3.2.1によって評価することができる。
本明細書に記載される方法及び装置は、ガラス容器の化学的不均一性の測定に用いることができる。実施形態では、ガラス容器は、医薬品組成物を保持するためのガラスバイアルでありうる。
医薬品組成物を入れるためのガラス容器又はガラス包装は、概して、IA型又はIB型のアルカリホウケイ酸ガラスなど、良好な化学的耐久性及び低い熱膨張を示すことが知られているガラス組成物から形成される。アルカリホウケイ酸ガラスは良好な化学的耐久性を示す一方で、容器製造業者は、ガラス容器に含まれる溶液中に、シリカが豊富なガラスフレーク又はラメラが分散しているのを観察した。この現象は、本明細書では剥離と称される。剥離は、特に、溶液を長期間(数ヶ月から数年)、ガラス表面と直接接触させて保管した場合に起こる。したがって、上記試験で分類して、最高レベルの化学的耐久性を示すガラスが、剥離に対して必ずしも耐性であるとは限らない場合がある。したがって、剥離を低減又は排除する、ガラス包装用のガラス組成物及びガラス包装を製造するためのプロセスは、例えば、それらの全体がここに参照することによって本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2014/0151370号及び同第2013/0327740号の各明細書に開示されている。
剥離とは、一連の浸出、腐食、及び/又は風化反応の後に、ガラス粒子がガラスの表面から放出される現象を指す。概して、粒子は、例えば、容器内に含まれる溶液へのホウ素などの修飾イオン又は弱いネットワーク形成剤の浸出の結果として、容器の内面から生じる、シリカが豊富なガラスのフレーク又はラメラである。これらのフレーク又はラメラは、該して、約50μm超の幅を伴って、1nm~2μmの厚さでありうる。これらのフレーク又はラメラは、主にシリカで構成されているため、フレーク又はラメラは、一般に、ガラスの表面から放出された後に、さらに分解することはない。
以前は、剥離は、ガラスが、該ガラスを容器形状へと再形成するのに用いられる高温に晒されたときにアルカリホウケイ酸ガラスに起こる相分離に起因すると仮定されていた。しかしながら、現在では、ガラス容器の内面からのシリカが豊富なガラスのフレーク又はラメラの剥離は、その受領時又は形成時の状態におけるガラス容器の組成特徴に起因するものと考えられている。具体的には、高シリカ含量のアルカリホウケイ酸ガラスによって、該ガラスは、比較的高い溶融温度及び成形温度を有するようになる。しかしながら、ガラス組成物中の例えばナトリウムなどのアルカリ、並びにホウ酸塩成分は、はるかに低い温度で溶融及び/又は蒸発する。特に、ガラス中のホウ酸塩種は非常に揮発性であり、ガラスの形成及び再形成に必要な高温において、ガラスの表面から蒸発する。
具体的には、ガラス管などのガラス素材は、高温及び直火で、例えばガラスバイアルなどのガラス容器へと再形成される。速い装置速度に必要とされる高温によって、より揮発性のホウ酸塩種はガラスの表面領域から蒸発してしまう。この蒸発がガラス容器の内容積内で起こる場合、揮発したホウ酸塩種は、ガラス容器表面の他の領域に再堆積し、ガラス容器表面、特にガラス容器の内部の表面近傍領域(すなわち、ガラス容器の内面又はそれに直接隣接した領域)に対し、組成の不均一性を生じさせる。
例として図1を参照すると、医薬品組成物を保管するためのガラス容器などのガラス容器の断面が概略的に示されている。ガラス容器100は、一般に、ガラス本体102を有するガラス容器を含む。ガラス本体102は、内面104と外面106との間に延在し、一般に、内容積108を取り囲んでいる。図1に示されるガラス容器100の実施形態では、ガラス本体102は、一般に、壁領域110及びベース領域112を含む。壁領域110及びベース領域112は、該して、0.5mm~3.0mmの範囲の厚さを有しうる。壁領域110は、ヒール領域114を通ってベース領域112へと移行する。ガラス容器100は、図1では、特定の形状(すなわち、バイアル)を有するように示されているが、ガラス容器100は、限定はしないが、バキュテナー、カートリッジ、シリンジ、シリンジバレル、アンプル、ボトル、フラスコ、小型の薬瓶、管、ビーカーなどを含めた、他の形状を有していてもよいことが理解されるべきである。
本明細書で述べたように、ガラス容器100は、ガラス管を容器形状へと変換するか、又はガラスをバイアルなどの容器形状へと成形することによって形成されうる。例えば、ガラス管の一端を加熱してガラス管を閉じ、容器100の底部又はベース領域112を形成する際に、ホウ酸塩種及び/又はアルカリ種(ナトリウムなど)等のより揮発性の高い種は、容器の底部領域から揮発し、容器内の別の場所に再堆積しうる。容器のベース領域からの材料の揮発は、容器のこれらの領域が最も広範な再形成を被り、したがって最も高温に晒されることから、特に顕著である。結果として、ベース領域112など、容器の高温にさらされる領域は、シリカが豊富な表面を有しうる。ヒール領域114など、揮発種の堆積を受け入れる容器の内面104の他の領域は、揮発種の凝縮によって形成された内面層105(図2に概略的に示されている)を有する可能性があり、こうして、表面は、例えばナトリウム及びホウ素などの揮発性種が豊富になる。例えば、ホウ酸塩種の場合には、ガラス組成物のアニール点を上回るが、ガラスが再形成される間に供される最高温度未満の温度にある、ホウ素の堆積を受け入れる領域は、ガラス表面にホウ素の取り込みを生じうる。
これより、図1及び2を参照すると、図2に示される実施形態は、堆積した揮発種を含む内面層105を含む、ガラス容器100のある領域の内面104を概略的に示している。内面層105の組成は、壁領域110の中間点MPなど、壁領域のより深くのガラスの組成とは異なっている。具体的には、図2は、図1のガラス容器100の壁領域110の部分断面を概略的に示している。ガラス容器100のガラス本体102は、ガラス容器100の内面104から壁領域110の厚さの中へと、ガラス容器の内面104からの深さDSLまで延在する、内面層105を含む。内面層105内のガラス組成物は、壁領域の中間点MPにおけるガラスと比較して、永続層の不均一性を有しており、したがって、内面層105のガラスの組成は、壁領域110の中間点MPにおけるガラスとは異なっていることが理解されるべきである。幾つかの実施形態では、内面層の厚さTSLは、少なくとも30nmである。幾つかの実施形態では、内面層の厚さTSLは、少なくとも50nmである。幾つかの実施形態では、内面層の厚さTSLは、少なくとも100nmである。幾つかの実施形態では、内面層の厚さTSLは、少なくとも150nmである。他の幾つかの実施形態では、内面層の厚さTSLは、少なくとも200nm、又は約250nmでさえある。他の幾つかの実施形態では、内面層の厚さTSLは、少なくとも300nm、又は約350nmでさえある。さらに他の実施形態では、内面層の厚さTSLは、少なくとも500nmである。幾つかの実施形態では、内面層は、少なくとも1μm、又はさらには少なくとも2μmの厚さTSLまで広がりうる。
本明細書に記載される実施形態では、語句「永続層の不均一性」とは、内面層105のガラス組成物の構成成分(例えば、SiO、Al、NaO等)の濃度が、ガラス本体の厚さの中間点(すなわち、内面104と外面106との間のガラス本体を均等に二等分する中間点の線MPに沿った点)における同じ構成成分の濃度から、ガラス容器内に含まれる溶液に長時間晒されたときにガラス本体の剥離を生じるであろう量で変化することを意味する。本明細書に記載される実施形態では、ガラス本体の内面層における永続層の不均一性は、ガラス容器100が受領時の状態である場合に、内面層105におけるガラス組成物の構成成分の各々の層濃度の極値(すなわち、最小値又は最大値)が、ガラス本体の厚さの中間点における同じ構成成分の92%未満又は108%超になるようなものである。他の実施形態では、ガラス本体の内面層105における永続層の不均一性は、ガラス容器100が受領時の状態である場合に、内面層105のガラス組成物の構成成分の各々の層濃度の極値が、ガラス本体の厚さの中間点における同じ構成成分の90%未満又は110%超になるようなものである。さらに他の実施形態では、ガラス本体の内面層105における永続層の不均一性は、ガラス容器100が受領時の状態である場合に、内面層105のガラス組成物の構成成分の各々の層濃度の極値が、ガラス本体の厚さの中間点における同じ構成成分の80%未満又は120%超になるようなものである。幾つかの実施形態では、永続層の不均一性は、2モル%未満の量で存在するガラス組成物の構成成分を除外する。永続層の不均一性はまた、ガラス組成物中に存在しうる水も除外する。
本明細書に記載される実施形態では、語句「永続層の均一性」とは、内部領域におけるガラス組成物の構成成分(例えば、SiO、Al、NaO等)の濃度が、ガラス本体の厚さの中間点(すなわち、修飾された内面104と外面106との間のガラス本体を均等に二等分する中間点の線MPに沿った点)における同じ構成成分の濃度から、ガラス容器内に含まれる溶液に長時間晒されたときにガラス本体の剥離を生じるであろう量で変化しないことを意味する。本明細書に記載される実施形態では、ガラス本体の内部領域における永続層の均一性は、不均一な永続層を有する内面層がガラス容器から除去された後に、内部領域120のガラス組成物の構成成分の各々の層濃度の極値(すなわち、最小値又は最大値)が、ガラス本体の厚さの中間点における同じ構成成分の80%以上120%以下になるようなものである。他の実施形態では、ガラス本体の内部領域における永続層の均質性は、不均一な永続層を有する内面層がガラス容器から除去された後に、内部領域120におけるガラス組成物の構成成分の各々の層濃度の極値が、ガラス本体の厚さの中間点における同じ構成成分の90%以上110%以下になるようなものである。さらに他の実施形態では、ガラス本体の内部領域における永続層の均質性は、不均一な永続層を有する内面層がガラス容器から除去された後に、内部領域120におけるガラス組成物の構成成分の各々の層濃度の極値が、ガラス本体の厚さの中間点における同じ構成成分の92%以上108%以下になるようなものである。幾つかの実施形態では、永続層の均質性は、2モル%未満の量で存在するガラス組成物の構成成分を除外する。永続層の均質性はまた、ガラス組成物中に存在しうる水も除外する。
用語「受領時の状態」とは、本明細書で用いられる場合、完成した市販の製品に慣習的に含まれている任意のコーティング又は処理を伴った既製の状態のガラス容器100の組成物を指す。「受領時の状態」のガラス容器に含まれうるコーティングとしては、潤滑コーティング及び熱コーティング、又はPECVD二酸化ケイ素などのバリアコーティングが挙げられうる。「受領時の状態」の容器が被りうる処理には、化学的又は熱的強化、アニーリングなどが含まれる。「受領時の状態」の1つの例外は、硫酸塩又はフッ化物処理したガラス容器である。以下により詳細に論じられるように、処理されたガラス容器のCDRは、実施形態では、処理を行う前に測定される。
堆積した揮発種の内面層105が内面104に残っているか、あるいはアニーリングプロセス中に再び取り込まれる場合、容器内に含まれる溶液によって、内面層105から堆積した揮発種が浸出しうる。これらの揮発種がガラスから浸出すると、高シリカガラスネットワーク(ゲル)が内面104に残り、これが、水和中に膨張し、歪み、最終的には表面から剥がれ(すなわち、ガラス容器100の内面104が剥離する)、ガラス容器内に含まれる溶液に、粒子状物質が取り込まれる可能性がある。図1に示されるものなど、ガラス容器がバイアルである実施形態では、バイアルのネックの形成は、ホウ酸塩種及び、例えばナトリウムなどのアルカリ種の揮発を生じさせうる。これらの揮発したホウ酸塩種及びアルカリ種は、次に、ガラス容器100の壁領域110、ショルダー領域116、ベース領域112、並びにヒール領域114及び下部側壁(114に近い110の領域)に再堆積されうる。よって、このような実施形態では、ガラス容器100の下部側壁領域及びヒール領域114は、ガラス容器100の壁領域110よりも多量のホウ酸塩種及びアルカリ種を含む。ひとたびガラス容器100が例えば医薬化合物などの溶液で満たされると、ホウ酸塩種及びアルカリ種は、医薬化合物中に溶解して、シリカゲルなど、壁領域110と比較して高濃度のシリカを有するヒール領域114の表面が後に残る。高濃度のシリカを有するこの表層は、時間の経過とともに、薬品との連続的な反応及び誘導応力による歪みに起因して膨張し、ガラス容器100の下部側壁領域及びヒール領域114からの材料の剥離を生じうる。実際、この剥離は非常に一般的であるため、2011年3月24日に米国食品医薬品局が、小容量のガラスバイアル内にガラスラメラが形成される可能性があることを製造業者に通知する勧告を発行した。
上記のように、剥離は、溶液に長時間晒された後に、ガラス容器内に含まれる溶液へのシリカが豊富なガラスフレーク又はラメラの放出を生じさせうる。また、ホウ酸塩及びアルカリなどのある特定の種の揮発に起因して、ガラス容器のベース領域及びヒール領域は、シリカが豊富な層を有する可能性が最も高い、ガラス容器の領域である。したがって、ガラス容器が剥離する危険性は、下部側壁領域及びガラス容器のヒール領域で最も高い。しかしながら、ガラス容器の化学的不均一性を決定するための従来の方法は、上記の懸念に基づいて信頼できる結果をもたらすように厳密に調整されていないか、あるいは焦点が絞られていない。
ガラス物品の化学的不均一性を調べるための従来の方法としては、米国薬局方<660>試験、メチレンブルー試験、米国薬局方<1660>試験、及び、米国特許第9,322,766号明細書に記載されているショットのクイックテストが挙げられる。しかしながら、これらの試験方法の各々は、下記に記載されるように、欠点を有する。
米国薬局方<660>表面ガラス試験は、ガラス容器が90%の容量まで処理流体で満たされることを必要とし、よって、それはガラスの全内部表面積にわたって結果を平均しているのであって、剥離の危険性がより高い、ガラス容器のヒール及び下部側壁に焦点を当てていない。例えば、ヒール領域の高い化学的不均一性は、90%の充填によって希釈されてしまう。さらには、各容器に用いられる流体の量は、ガラス容器のほぼ全容量である。加えて、米国薬局方<660>表面ガラス試験の結果は、硫酸アンモニウム又は表面コーティングの存在を覆い隠す場合がある。よって、米国薬局方<660>表面ガラス試験は、剥離する可能性のあるガラス容器の領域を特に対象としておらず、変換プロセス中に生じたかもしれない、堆積した材料の検出を妨げる。米国薬局方<660>表面ガラス試験は、ガラス容器の化学的不均一性を決定するための信頼できる試験ではない。
メチレンブルー試験は、通常、ある特定の化学成分が存在する領域を、染色によって示すために用いられる。しかしながら、メチレンブルーは、剥離の危険性が高いガラスの領域を確実には染色せず、メチレンブルーは、定量的な結果をもたらさない。さらには、メチレンブルーは、誤検出をもたらす傾向がある。よって、メチレンブルーは、ガラス容器の化学的不均一性を決定するための信頼できる試験ではない。
米国薬局方<1660>試験は、高温での加熱を推奨している。これらの高温は、試験溶液中にフレーク又はラメラの溶解を生じさせ、信頼できない結果をもたらしうる。また、シリカが豊富な層の膨潤及び移動には長時間を要し、加速試験手法では必ずしも再現性がない。加えて、加速試験手法は、ガラス容器の耐用年数では起こらない化学的機構、あるいは、実際に起こるものとは異なる化学的機構を活性化する場合がある。よって、米国薬局方<1660>の加速試験手法は、信頼できない試験結果をもたらしうる。最後に、米国薬局方<1660>は、陽性対照をもたらさない。米国薬局方<1660>で用いられる加速試験手法及び試験溶液は、試験集団と、剥離の危険性が証明されているガラス容器の陽性対照ロットとの比較をもたらさない。よって、米国薬局方<1660>は、ガラス容器の化学的不均一性を決定するための信頼できる試験ではない。
ショットのクイックテストは、ガラス容器におけるすべての化学的不均一性を考慮に入れていない。よって、ショットのクイックテストに合格するガラス容器は、それらのガラス表面に依然として、剥離を生じさせうる化学的不均一性を有する可能性がある。特に、ショットのクイックテストは、ガラスの表面におけるナトリウム堆積量のみを測定し、ホウ酸塩種の揮発及び堆積を考慮していない。ショットのクイックテストはまた、ガラス表面からガラスネットワークへの堆積した材料の再取り込みを生じる、アニーリングがガラス容器に与える影響についても考慮していない。よって、ショットのクイックテストは、ガラス容器の化学的不均一性を決定するための信頼できる試験ではない。
従来の試験における上記欠陥を考慮して、本明細書に開示される実施形態は、ガラス容器の化学的不均一性を決定する方法を提供し、幾つかの実施形態は、特に、化学的不均一性の結果として剥離を生じる危険性が高いガラス容器の領域の化学的不均一性を決定する方法を提供する。ガラス容器の剥離の危険性が高い領域について試験することに焦点を絞ることによって、米国薬局方<660>で必要とされる90%の充填率までガラス容器を満たす必要なく、正確な結果を達成することができる。したがって、実施形態では、非常に少量の溶媒で複数のガラス容器を同時に試験することができ、非常に正確な結果が得られる。
本明細書に開示される実施形態では、ガラス容器の化学的不均一性は、ガラス容器の化学耐久率(CDR)を計算することによって測定することができる。ガラス容器のCDRは、被エッチングガラス容器の滴定量に対する受領時のガラス容器の滴定量の比である。本明細書で用いられる場合、用語「受領時のガラス容器」とは、完成した市販の製品に慣習的に含まれている任意のコーティング又は処理を伴った、既製の状態の容器を指す。しかしながら、「受領時のガラス容器」の1つの例外は、硫酸塩又はフッ化物処理したガラス容器である。以下により詳細に論じられるように、硫酸塩処理された又はフッ化物ガラス容器のCDRは、実施形態では、硫酸塩又はフッ化物処理が行われる前に測定される。「受領時のガラス容器」のガラス容器に含まれうるコーティングとしては、潤滑コーティング及び熱コーティング、又はPECVD二酸化ケイ素などのバリアコーティングが挙げられうる。「受領時のガラス容器」が被りうる処理には、化学的又は熱的強化、アニーリングなどが含まれる。ガラス容器のCDRは、次式(1)を使用して計算することができる:
Figure 0007148217000004
上記方程式(1)を使用してガラス容器のCDRを計算することにより、ガラス容器の化学的不均一性を決定することができる。すなわち、1に近いCDR(すなわち、CDR≒1)を有するガラス容器は、最小の化学的不均一性を有し、したがって、剥離の危険性がほとんどない。同様に、CDRが1よりもはるかに大きいか又ははるかに小さい、1から大きく逸脱したCDRを有するガラス容器は、化学的不均一性を有し、したがって、剥離の危険性が高い。実施形態では、0.7以上~1.5以下など、0.6以上~1.6以下のCDRを有するガラス容器は、最小の化学的不均一性を有するとみなすことができ、剥離しにくい。他の実施形態では、0.9以上~1.1以下など、0.8以上~1.2以下のCDRを有するガラス容器は、化学的不均一性を有しないとみなすことができ、剥離しにくい。CDRが所望の範囲から外れると、剥離の危険性が高まる。
1つ以上の実施形態では、CDR値が、5.5以下、5.0以下、4.5以下、4.0以下、3.5以下、3.0以下、2.5以下、2.0以下、又は1.5以下など、6.0未満の場合には、ガラス容器は剥離しにくい。上述したように、CDR値が1に近いほど(すなわち、CDR≒1.0)、剥離は起こりにくい。したがって、たとえ6.0未満のCDR値が、剥離が起こりそうにないことを示唆していても、例えば3.0のCDR値を有するガラス容器は、例えば4.0のCDR値を有するガラス容器など、3.0よりも高いCDR値を有するガラス容器よりも、剥離する可能性が低い。したがって、CDR試験はガラス容器内に剥離が生じる可能性を測定するということもまた理解されるべきである。したがって、6.0未満のCDR値を有するガラス容器は、剥離する傾向が低いが、6.0未満のCDR値を有することは、ガラス容器がいかなる状況(長期保管時及び苛性の容器内容物など)においても剥離しないことを保証するものではない。CDR値が1.0から増大するにつれて、剥離の可能性もまた増大する。よって、2.0のCDR値を有するガラス容器でさえ、1.0のCDR値を有するガラス容器よりは剥離の危険性が高い。よって、ガラス容器の剥離がほとんど害を及ぼさない、ある特定の状況では、例えば、2.0のCDR値を有するガラス容器で十分でありうる。しかしながら、剥離が大きな害を及ぼしうる状況では、約1.0のCDR値を有するガラス容器が必要かもしれない。
これより、受領時の滴定量及びエッチング後の滴定量を取得する方法の実施形態について説明する。複数のガラス容器を使用し、該複数のうちの各ガラス容器は、該複数のうちの他のガラス容器と同様の組成、幾何学形状、及び容量を有しうる。本明細書で用いられる場合、「同様の組成、幾何学形状、及び容量」とは、各ガラス容器が、合理的な製造公差を考慮に入れて、同じ組成を有し、同じ容量を有し、かつ同じ形状を有することを意味する。初めに、ガラス容器を高純度水で少なくとも3回すすぎ、ガラス容器の内面に存在しうる環境汚染物質を除去する。本明細書で用いられる場合、「高純度水」とは、米国薬局方<1231>に定められる精製水、新鮮な蒸留水、現行の欧州薬局方の精製水[EP Chapter 4.1.1-Water]と一致する水、水R又はR1、又は米国薬局方の二酸化炭素を含まない水など、少なくとも10MΩ-cmを有する水を指す。ガラス容器を高純度水ですすいだ後、それらを空にし、高純度水を廃棄し、容器を完全に空にして、追加の高純度水がガラス容器から放出されなくなるまで、容器を柔らかい表面に繰り返しタップすることなどによって、タップ乾燥する。
ガラス容器をすすいだら、ガラス容器の化学的不均一性の決定に必要とされる溶媒の量を計算する。上記のとおり、ガラス容器のヒール領域は、化学的不均一性によって剥離が起こるリスクが高い。したがって、ガラス容器の剥離の危険性は、ガラス容器を十分な溶媒で満たして、ガラス容器の不均一な領域(ヒール及びヒールの少し上など)を覆うことによって評価することができる。実施形態では、これは、溶媒が、ガラス容器の6.0容積%以上~ガラス容器の35.0容積%以下、ガラス容器の8.0容積%以上~ガラス容器の25.0容積%以下、ガラス容器の9.0容積%以上~ガラス容器の15.0容積%以下、又はさらにはガラス容器の10.0容積%以上~ガラス容器の14.0容積%以下など、ガラス容器の5.0容積%以上~ガラス容器の50.0容積%以下を構成するように、ガラス容器を溶媒で満たすことによって達成することができる。他の実施形態では、ガラス容器は、溶媒がガラス容器の約12.5容積%など、ガラス容器の11.0容積%以上~ガラス容器の13.0容積%以下を構成するように、溶媒で満たされうる。ガラス容器を必要なパーセンテージまで満たすのに必要とされる溶媒の量は、少なくとも6個のガラス容器を最大容量まで満たし、該少なくとも6個のガラス容器の最大容量を平均化することによって計算される。次に、この平均最大容量を使用して、所望のパーセンテージに対応するようにガラス容器に加える溶媒の体積を計算する。例として、限定はしないが、少なくとも6個のガラス容器の平均最大容量が10.0mLであり、所望のパーセンテージが12.5容積%である場合、ガラス容器を満たす溶媒の実際の体積は、少なくとも0.1mLの測定精度で、1.25mLである。実施形態では、溶媒は高純度水である。他の実施形態では、溶媒は、酸、塩基、又はグリシン溶液でありうる。
実施形態では、試験すべきガラス容器の総数は、ガラス容器に加えられる溶媒の実際の体積、並びに滴定を行うのに必要な溶液の体積に基づいて決定される。幾つかの実施形態では、滴定には、40mL以上の溶液、又はさらには45mL以上の溶液など、25mL以上の溶液が必要である。幾つかの実施形態では、滴定には、60mL以上の溶液、又はさらには100mL以上の溶液など、50mL以上の溶液が必要である。過剰の溶液(すなわち、滴定の実施に必要とされる溶液量よりも多い)を形成し、次に、滴定を行うのに必要な溶液量を過剰の溶液から分けることができることが理解されるべきである。その後、過剰の溶液を他の試験に使用してもよい。高い正規化滴定値を有する小さい容器については、25mLを使用することができ、必要とする反復は1回のみである。しかしながら、容器の容量が増加し、滴定量が低下するにつれて、プール容量は50mLまで増加し、反復は2及び3に増加する。最大容量が>100mLのバイアルについては、試験には、3回の反復滴定で滴定すべき少なくとも3つの容器から100mLの溶液が必要である。よって、必要な容器の数を計算するためには:[(滴定するプール容量-25、50、又は100mL)/0.125×(縁まで満たした容量)]=反復1回あたりのバイアル数。この数は3より大きいはずであり、オートクレーブ中の蒸発損失を考慮するために、該して、5~10%増加させる。必要なバイアルの総数=反復1回あたりのバイアル数×(反復回数)。実施形態では、試験されうるガラス容器の数は、100個以上のガラス容器~250個以下のガラス容器、又はさらには120個以上のガラス容器~220個以下のガラス容器など、10個以上のガラス容器~300個以下のガラス容器である。この数は、試験される容器の大きさに応じて変動することが理解されるべきである。
前述の計算によって決定した数の試験すべきガラス容器を、溶媒で所望のパーセンテージまで満たし、清潔な超高真空アルミホイル又は例えばペトリ皿などの溶出させたガラス物品で覆う。ガラス容器を覆ったら、95℃以上~125℃以下など、90℃以上~130℃以下の温度まで加熱する。幾つかの実施形態によれば、加熱工程は、覆ったガラス容器を、周囲温度で水を含むオートクレーブ内に入れる工程を含む。覆ったガラス容器を、オートクレーブ内の水の高さより上に保ち、それらがオートクレーブ内の水で汚染されないことを確実にすることができる。オートクレーブにガラス容器を入れたら、それを約100℃まで加熱し、蒸気を通気コックから約10分間、放出させる。約10分経過後、通気コックを閉じて、オートクレーブを毎分約1℃の速度で約100℃から約121℃まで加熱する。オートクレーブ温度を121±1℃で60±1分間、維持する。その後、オートクレーブ内に真空が形成されるのを防ぐために通気しながら、オートクレーブの温度を毎分約0.5℃の速度で約121℃から約100℃まで下げる。次に、オートクレーブを開ける前に95℃まで冷却し、ガラス容器をオートクレーブから取り出す。次に、冷たい水道水を流して補給した約80℃の水浴中でガラス容器を冷却することができる。幾つかの実施形態では、冷却プレート及びファンが水浴の代わりに使用されている。水浴又は冷却プレートをガラス容器の冷却に用いるかどうかにかかわらず、ガラス容器は、25分以下、20分以下、又はさらには10分以下など、30分以下の間、冷却されるべきである。冷却後、ガラス容器内の溶液の温度は、23℃以下など、25℃以下であるべきである。
実施形態では、ガラス容器をオートクレーブから取り出した後1時間以内に、溶液を滴定する。溶液を滴定するため、予め清浄にしたじょうごを使用して、ガラス容器の各々からの溶液を単一の容器に統合する。統合した溶液の体積は、滴定に必要とされる量以上であるべきである。統合した溶液の正確な体積(25、50、又は100mL)を測定し、滴定を行うのに適した予め溶出させた容器内に入れる。統合したら、実施形態に従い、滴定に必要とされる統合した溶液を適量、収集し、メチルレッド指示薬を加える。実施形態では、溶液25mLあたり約0.05mLのメチルレッド指示薬を加える。
ガラス容器から統合した溶液と実質的に同じ体積を有する滴定ブランクを調合する(これは、25mLの高純度水あたり0.05mLのメチルレッドを添加して、高純度水から調合される)。
実施形態では、0.01MのHClを滴定ブランクに滴下して添加することによって、滴定ブランクを滴定する。滴定ブランクの色を変化させるのに必要なHClの体積を記録する(これは、100mLの統合した溶液あたり、0.1mL未満であるべきである)。0.01MのHClを統合した溶液に滴下して添加することによって、ガラス容器から統合した溶液も同様に滴定する。統合した溶液の色を変化させるのに必要なHClの体積を記録する。統合した溶液及びブランクは、任意の順序で滴定してよいことが理解されるべきである。幾つかの実施形態では、滴定ブランクの色を変化させるのに必要なHClの体積を、統合した溶液の色を変化させるのに必要なHClの体積から差し引く。滴定の結果を、統合した溶液100mLあたりのmLにおける0.01MのHClで記録する。この結果は、受領時の滴定量である。
これより、エッチング後の滴定量を決定するための方法の実施形態について開示する。エッチング後の滴定量を決定するための方法は、受領時の滴定量について上で説明した方法と同様である;しかしながら、エッチング後の滴定量を決定するために、ガラス容器の内面の薄層が、エッチングによって除去されている。エッチングは、ガラス容器の内面に、又はガラス容器の内面及び外面に、行われうる。
実施形態によれば、ガラス容器の内面の層を除去するのに適したエッチング液は、HClとHFとの混合物である。適切なエッチング液は、例えば、その全体がここに参照することによって本明細書に取り込まれる、米国特許出願公開第2016/0145150号明細書に開示されている。実施形態では、エッチング液は、Fisher Scientific社製造のHCl A1445-212、及びJT Baker社製造のHF 9560-06、又は、その全体がここに参照することによって本明細書に取り込まれる、米国特許第9,346,707号明細書に開示されている、微量金属グレードのエッチング液である。幾つかの実施形態では、エッチング液は、HFを、1.5M以上~2.5M以下、例えば約2.0Mなど、1.0M以上~3.0M以下の濃度で含みうる。実施形態では、エッチング液は、HClを、2.5M以上~3.5M以下、例えば約3.0Mなど、2.0M以上~4.0M以下の濃度で含みうる。エッチングされる特定のガラス組成物について、所望のエッチング速度を達成するように、HF及びHClの両方の濃度を選択することができることが理解されるべきである。1つ以上の実施形態では、例えば、HSO、HNO、HPO、HBO、及びHBrなどの他の無機酸を、HF及び/又はHClの代わりに、若しくはそれに加えて、使用することができることが理解されるべきである。
上記のように、エッチング液中のHF及びHClの濃度は、エッチング液がガラス容器を所望のエッチング速度でエッチングするように選択される。所望のエッチング速度は、1分以上~60分以下の継続時間で、0.75μm以上~15μm以下の厚さを有するガラス容器の内面の層をエッチングするように選択される。実施形態では、除去されるガラス容器の内面の層の厚さは、0.85μm以上~1.5μm以下、又はさらには0.95μm以上~1.25μm以下など、0.75μm以上~5μm以下である。実施形態では、除去されるガラス容器の内面の層の厚さは、少なくとも1.00μmである。実施形態では、エッチング処理の継続時間は、2.0分以上~4.0分以下など、1.0分以上~60分以下である。他の実施形態では、エッチング処理の継続時間は、約3.0分など、2.5分以上~3.5分以下である。特定の理論に縛られるわけではないが、揮発成分は、ガラス容器に堆積し、最大約500nmまでの深さに再び組み込まれると考えられる。したがって、滴定剤がバルク濃度(すなわち、揮発成分及び析出成分を含まない濃度)を有するガラス容器の領域に接触するように、エッチングによって500nmより多く除去することが望ましい。エッチングは、エッチング液をガラス容器の内部に入れることによって、又はエッチング液槽にガラス容器を沈めることによって行うことができることが理解されるべきである。厚さは、実施形態では、次式によって決定することができる:厚さ=質量/密度/エッチングした表面積。
実施形態によれば、ひとたびガラス容器をエッチングしたら、それらを室温の水浴中に約5分間、浸漬させる。このプロセスは、ガラス容器から残留エッチング液を除去するために、何度でも繰り返すことができる。浸漬工程がすべて完了した後、ガラス容器を、幾つかの実施形態によれば、米国薬局方<1231>に定められる精製水、新鮮な蒸留水、現行の欧州薬局方の精製水[EP Chapter 4.1.1-Water]と一致する水、水R又はR1、又は米国薬局方の二酸化炭素を含まない水など、18MΩ-cm以上の導電性を有する水で、約6回洗浄する。幾つかの実施形態では、ガラス容器を、16MΩ-cmの水で3回洗浄し、その後、容器を18MΩ-cmの水で少なくとも3回洗浄して、ガラス容器のエッチングした表面に汚染物質が含まれていないことを確実にする。
ひとたびガラス容器がエッチングされ、清浄化されたら、ガラス容器の化学的不均一性の決定に必要な溶媒の量を計算する。実施形態によれば、エッチング後の滴定でガラス容器のほぼ同じ領域が測定されるように、受領時のガラス容器に加えた溶媒の量とほぼ同じ量の溶媒を被エッチングガラス容器に加えるべきである。実施形態では、これは、溶媒が、ガラス容器の6.0容積%以上~ガラス容器の35.0容積%以下、ガラス容器の8.0容積%以上~ガラス容器の25.0容積%以下、ガラス容器の9.0容積%以上~ガラス容器の15容積%以下、又はさらにはガラス容器の10.0容積%以上~ガラス容器の14.0容積%以下など、ガラス容器の5.0容積%以上~ガラス容器の50.0容積%以下を構成するように、被エッチングガラス容器を溶媒で満たすことによって達成することができる。他の実施形態では、被エッチングガラス容器は、溶媒が、ガラス容器の約12.5容積%など、ガラス容器の11.0容積%以上~ガラス容器の13.0容積%以下を構成するように、溶媒で満たされうる。被エッチングガラス容器を必要なパーセンテージまで満たすのに必要とされる溶媒の量は、少なくとも6個の被エッチングガラス容器を最大容量まで満たし、少なくとも6個の被エッチングガラス容器の最大容量を平均化することによって計算される。次に、この平均最大容量を使用して、所望のパーセンテージに対応するようにガラス容器に加える溶媒の実際の体積を計算することができる。実施形態では、溶媒は高純度水である。幾つかの実施形態では、溶媒は、酸、塩基、又はグリシン溶液でありうる。
実施形態では、試験すべき被エッチングガラス容器の総数は、ガラス容器に加えられる溶媒の実際の体積、並びに滴定を行うのに必要な溶液の体積に基づいて決定される。幾つかの実施形態では、滴定には、40mL以上の溶液、又はさらには45mL以上の溶液など、25mL以上の溶液を必要とする。幾つかの実施形態では、滴定には、60mL以上の溶液、又はさらには100mL以上の溶液など、50mL以上の溶液を必要とする。過剰の溶液(すなわち、滴定の実施に必要とされる溶液量よりも多い)を形成することができ、その後、滴定を行うのに必要な溶液の量を、過剰の溶液から分離してよいことが理解されるべきである。試験すべき被エッチングガラス容器の数は、上記定義したように決定することができる。実施形態では、試験されうるガラス容器の数は、100個以上のガラス容器~250個以下のガラス容器、又はさらには120個以上のガラス容器~220個以下のガラス容器など、10個以上のガラス容器~300個以下のガラス容器である。容器の数は、試験される容器の容量に応じて変動することが理解されるべきである。
前述の計算によって決定した、試験すべき被エッチングガラス容器の数を、所望のパーセンテージの溶媒で満たし、清潔な超高真空アルミホイル又は例えばペトリ皿などの溶出させたガラス物品で覆う。ガラス容器を覆ったら、95℃以上~125℃以下など、90℃以上~130℃以下の温度まで加熱する。幾つかの実施形態では、加熱工程は、被エッチングガラス容器を、周囲温度で、水を含むオートクレーブ内に入れる工程を含む。覆った被エッチングガラス容器を、オートクレーブ内の水の高さより上に保って、それらがオートクレーブ内の水によって汚染しないことを確実にすることができる。オートクレーブに被エッチングガラス容器を入れたら、それを約100℃まで加熱し、蒸気を通気コックから約10分間、放出させる。約10分経過後、通気コックを閉じて、オートクレーブを毎分約1℃の速度で約100℃から約121℃まで加熱する。オートクレーブ温度を121±1℃で60±1分間、維持する。その後、オートクレーブ内に真空が形成されるのを防ぐために通気しながら、オートクレーブの温度を毎分約0.5℃の速度で約121℃から約100℃まで下げる。次に、オートクレーブを開ける前に95℃まで冷却し、ガラス容器をオートクレーブから取り出す。次に、冷たい水道水を流して補給した約80℃の水浴中でガラス容器を冷却することができる。幾つかの実施形態では、冷却プレート及びファンが水浴の代わりに使用されている。水浴又は冷却プレートをガラス容器の冷却に用いるかどうかにかかわらず、ガラス容器は、25分以下、又はさらには20分以下など、30分以下の間、冷却されるべきである。冷却後、被エッチングガラス容器内の溶液の温度は、23℃以下など、25℃以下であるべきである。
実施形態では、被エッチングガラス容器をオートクレーブから取り出した後1時間以内に、溶液を滴定する。溶液を滴定するため、予め清浄にしたじょうごを使用して、被エッチングガラス容器の各々からの溶液を単一の容器に統合する。上述のとおり、統合した溶液の体積量は、溶液の滴定に必要とされる量以上であるべきである。統合したら、実施形態によれば、滴定を行うのに必要な統合した溶液の量を取り出し、レッド指示薬を加える。実施形態では、溶液25mLあたり約0.05mLのメチルレッド指示薬を加える。
ガラス容器から統合した溶液と実質的に同じ体積を有する滴定ブランクを調合する。滴定ブランクの体積は、溶液の滴定に必要とする体積と実質的に同じであり、米国薬局方<1231>に定められる精製水、新鮮な蒸留水、現行の欧州薬局方の精製水[EP Chapter 4.1.1-Water]と一致する水、水R又はR1、25mLの高純度水あたり0.05mLのメチルレッドを加えた、米国薬局方の二酸化炭素を含まない水など、高純度水から調合される。
実施形態では、0.01MのHClを滴定ブランクに滴下して添加することによって、滴定ブランクを滴定する。滴定ブランクの色を変化させるのに必要とされるHClの体積を記録する。0.01MのHClを統合した溶液に滴下して添加することによって、被エッチングガラス容器からの統合した溶液を滴定する。統合した溶液の色を変化させるのに必要なHClの体積を記録する。幾つかの実施形態では、滴定ブランクの色を変化させるのに必要なHClの体積を、統合した溶液の色を変化させるのに必要なHClの体積から差し引く。滴定の結果を、統合した溶液100mLあたりの0.01MのHClのmL単位で記録する。この結果は、エッチング後の滴定量である。
校正自動滴定装置を使用して、上記滴定プロセス(受領時のガラス容器とエッチング後のガラス容器の両方)を自動化することができることが理解されるべきである。このような装置は、当技術分野でよく知られており、例として、814USBサンプルプロセッサ・オートサンプラーを含む888Titrando交換ユニット(運用4/25/14)を備えたMetrohmが挙げられる。自動滴定装置パラメータは以下のように設定されうる:投与速度5mL/分;添加の合間の60秒の休止;投与量増加0.02mL;及び、信号ドリフト25mV/分。
測定したら、次に、受領時の滴定量及びエッチング後の滴定量を方程式(1)に用いて、ガラス容器のヒール領域及びベース領域の耐久性を表すCDR値を得る。上に概略説明したように、1に近いCDR値は、化学的不均一性が、ガラス容器のヒール領域及びベース領域にほとんど又は全く存在せず、よって、ガラス容器は、ほとんど又は全く剥離しないことを示唆している。しかしながら、CDR値が1から離れると剥離の危険性が高くなる。
上記のように、「受領時の状態」の1つの例外は、硫酸塩処理されたガラス容器である。硫酸処理したガラス容器の幾つかは、CDR値が約1.0であっても、剥離することが分かった。特定の理論に縛られるわけではないが、硫酸塩処理によって、ホウ酸塩種がガラス容器表面の浅い部分から引き出されるために、硫酸塩処理されたガラス容器の浅い表層はホウ酸塩の量が少ないと考えられる。したがって、このような状況では、受領時の容器の滴定量は、ホウ酸塩で低く、エッチングした容器の滴定量と同様になり、1.0又はその近くのCDR値が得られる。しかしながら、剥離は、硫酸塩処理したガラス容器の保管中に起こりうることが示されている。硫酸塩処理によって、ホウ酸塩がガラス容器の浅い表面から引き出されるが、ホウ酸塩種は、その浅い表面を越えて、ガラス容器の側壁の厚さの中にまだ存在していると考えられる。このホウ酸塩含有層は、剥離を生じうる。別の言い方をすると、硫酸塩処理したガラス容器には、該ガラス容器の表面に少量のホウ酸塩を含む浅い層、ガラス容器の側壁の厚さのより深くに、より多量のホウ酸塩を含む中間層、並びに、側壁の中心又は中心付近の厚さである、ガラス容器の側壁の厚さのさらに深くに少量のホウ酸塩を含むバルク層が存在する。この状況では、CDR試験における受領時の滴定量は、少量のホウ酸塩を含む浅い層で測定され、エッチング後の滴定量は、少量のホウ酸塩を含むバルク層で測定される。これは、1.0又はそれに近いCDR値をもたらすが、剥離を引き起こしうるより多量のホウ酸塩を含む中間層を無視している。
よって、実施形態によれば、硫酸塩処理したガラス容器は、硫酸塩処理が行われる前に、(本明細書に詳細に記載されるように)試験される。これを行うことにより、受領時の滴定量は硫酸塩処理の影響を受けない。硫酸塩処理が行われる前に、ガラス容器が剥離する可能性がないことを示唆するCDR値(例えば、6.0未満のCDR値など)をガラス容器が有している場合、ガラス容器は、硫酸塩で処理することができ、剥離は起こりそうにない。しかしながら、硫酸塩処理が行われる前に、ガラス容器が剥離しうることを示唆するCDR値(例えば、6.0超のCDR値など)をガラス容器が有している場合、該ガラス容器は、硫酸塩処理後でさえも、剥離する可能性がある。したがって、ガラス容器が剥離する傾向を有しないことを示唆する、硫酸塩処理前のCDR値(例えば、6.0未満のCDR値)を有するガラス容器のみに、硫酸塩処理をすべきである。
上述したように、揮発種はガラス容器のヒール領域に堆積する傾向があるため、ガラス容器のヒール領域は、剥離の危険性が高い。再び図1を参照すると、剥離の危険性があるガラス容器の別の領域は、ガラス容器100のショルダー領域116である。したがって、幾つかの実施形態では、ショルダー領域116が、特に成形したバイアルによく見られる化学的不均一性を有するかどうか、したがって、剥離しがちであるかどうかを決定するために、ショルダー領域116のCDRを測定することが望ましいであろう。ガラス容器のショルダー領域116の試験は、ガラス容器に滴定剤を加えた後に、ガラス容器を倒立してガラス容器のショルダーのCDRを測定することを除き、ガラス容器のヒール領域114の試験と同様の方法で行われる。この倒立CDR試験について、以下にさらに詳細に説明する。
複数のガラス容器を使用し、該複数のうちの各ガラス容器は、該複数のうちの他のガラス容器と同様の幾何学形状及び容量を有しうる。初めに、ガラス容器を高純度水で少なくとも3回すすぎ、ガラス容器の内面に存在しうる環境汚染物質を除去する。ガラス容器を高純度水ですすいだ後、それらを空にし、高純度水を廃棄する。
一旦、ガラス容器をすすぎ、ガラス容器の化学的不均一性の決定に必要とされる溶媒の量を計算する。上記のとおり、ガラス容器のショルダー領域は、化学的不均一性によって剥離が生じる危険性を有する。よって、ガラス容器が倒立位置にあるときに、ショルダー領域及びガラス容器のショルダー領域付近の垂直な側壁の一部分に及ぶように、ガラス容器を十分な溶媒で満すことによって、幾つかのガラス容器の剥離を正確に決定することができる。実施形態では、これは、溶媒が、ガラス容器の6.0容積%以上~ガラス容器の35.0容積%以下、ガラス容器の8.0容積%以上~ガラス容器の25.0容積%以下、ガラス容器の9.0容積%以上~ガラス容器の15容積%以下、又はさらにはガラス容器の10.0容積%以上~ガラス容器の14.0容積%以下など、ガラス容器の5.0容積%以上~ガラス容器の50.0容積%以下を構成するように、ガラス容器を溶媒で満たすことによって達成することができる。他の実施形態では、ガラス容器は、溶媒が、ガラス容器の約12.5容積%など、ガラス容器の11.0容積%以上~ガラス容器の13.0容積%以下を構成するように、溶媒で満たされうる。ガラス容器を必要なパーセンテージまで満たすのに必要とされる溶媒の量は、少なくとも6個のガラス容器を最大容量まで満たし、少なくとも6個のガラス容器の最大容量を平均化することによって計算される。次に、この平均最大容量を使用して、所望のパーセンテージに対応するようにガラス容器に加える溶媒の実際の体積を計算する。例として、限定はしないが、少なくとも6個のガラス容器の平均最大容量が10mLであり、所望のパーセンテージが12.5容積%の場合、試験される容器が溶媒で満たされる実際の体積は、1.25mLである。実施形態では、溶媒は高純度水である。
実施形態では、試験すべきガラス容器の総数は、ガラス容器に加えられる溶媒の実際の体積、並びに滴定を行うのに必要な溶液の体積に基づいて決定される。幾つかの実施形態では、滴定には、40mL以上の溶液、又はさらには45mL以上の溶液など、25mL以上の溶液を必要とする。幾つかの実施形態では、滴定には、60mL以上の溶液、又はさらには100mL以上の溶液など、50mL以上の溶液を必要とする。過剰の溶液(すなわち、滴定の実施に必要とされる溶液量よりも多い)を形成することができ、次に、滴定を行うのに必要な溶液の量を過剰の溶液から分離してよいことが理解されるべきである。その後、過剰の溶液を追加の試験に使用することができる。試験すべきガラス容器の数は、上述したように決定することができる。実施形態では、試験されうるガラス容器の数は、100個以上のガラス容器~250個以下のガラス容器、又はさらには120個以上のガラス容器~220個以下のガラス容器など、10個以上のガラス容器~300個以下のガラス容器である。容器の数は、試験される容器の用量に応じて変動することが理解されるべきである。
前述の計算によって決定した、試験すべきガラス容器の数を、所望のパーセンテージの溶媒で満たし、防水プラグで覆う。実施形態によれば、防水プラグは、ガラス容器の滴定結果にはほとんど又は全く影響を与えない材料で構成されるべきである。幾つかの実施形態では、防水プラグによって生じる受領時の滴定量の偏差は、溶液100mLあたり0.15mL以下、又はさらには溶液100mLあたり0.10mL以下など、溶液100mLあたり0.20mL以下でありうる。幾つかの実施形態では、防水プラグは、テフロン(登録商標)でコーティングされたゴム又はプラスチックのプラグでありうる。プラグは、オートクレーブサイクルで水に晒すことによって、使用前に予め溶出させるべきである。他の実施形態は、「テフロン」テープ又はPTFEセプタムで覆われたプラグを含みうる。
次に、溶液がガラス容器のショルダー領域と接触するように、閉栓したガラス容器を倒立させる。ガラス容器を、95℃以上~125℃以下など、90℃以上~130℃以下の温度まで加熱する。幾つかの実施形態では、加熱工程は、ガラス容器を、周囲温度で、水を含むオートクレーブ内に入れる工程を含む。ひとたびオートクレーブに閉栓したガラス容器を入れたら、それを約100℃まで加熱し、蒸気を通気コックから約10分間、放出させる。約10分経過後、通気コックを閉じて、オートクレーブを毎分約1℃の速度で約100℃から約121℃まで加熱する。オートクレーブ温度を121±1℃で60±1分間、維持する。その後、オートクレーブ内に真空が形成されるのを防ぐために通気しながら、オートクレーブの温度を毎分約0.5℃の速度で約121℃から約100℃まで下げる。次に、オートクレーブを開ける前に95℃まで冷却し、倒立位置を維持しつつ、閉栓したガラス容器をオートクレーブから取り出す。次に、冷たい水道水を流して補給した約80℃の水浴中で、倒立かつ閉栓したガラス容器を冷却することができる。幾つかの実施形態では、冷却プレート及びファンが水浴の代わりに使用されている。水浴又は冷却プレートを閉栓したガラス容器の冷却に用いるかどうかにかかわらず、閉栓したガラス容器は、25分以下、20分以下、又はさらには10分未満など、30分以下の間、冷却されるべきである。閉栓したガラス容器は、冷却プロセスの間中、倒立位置に維持される。冷却後、閉栓したガラス容器内の溶液の温度は、23℃以下など、25℃以下であるべきである。
実施形態では、倒立かつ閉栓したガラス容器をオートクレーブから取り出した後1時間以内に、溶液を滴定する。溶液を滴定するため、ガラス容器の栓を抜き、予め清浄にしたじょうごを使用して、ガラス容器の各々からの溶液を単一の容器に統合する。統合した溶液の体積量は、溶液の滴定に必要とされる量以上であるべきである。統合したら、実施形態によれば、滴定の完了に必要な溶液の量を統合した溶液から取り出し、メチルレッド指示薬を加える。実施形態では、25mLの溶液あたり約0.05mLのメチルレッド指示薬が加えられる。
ガラス容器から統合した溶液と実質的に同じ体積を有する滴定ブランクを調合する。滴定ブランクの体積は、溶液の滴定に必要とされる体積と実質的に同じであり、25mLの高純度水あたり0.05mLのメチルレッドを添加して、高純度水から調合する。
実施形態では、0.01MのHClを滴定ブランクに滴下して添加することによって、滴定ブランクを滴定する。滴定ブランクの色を変化させるのに必要とされるHClの体積を記録する。0.01MのHClを統合した溶液に滴下して添加することによって、ガラス容器から統合した溶液を滴定する。統合した溶液の色を変化させるのに必要なHClの体積を記録する。幾つかの実施形態では、滴定ブランクの色を変化させるのに必要とされるHClの体積を、統合した溶液の色を変化させるのに必要とされるHClの体積から差し引く。滴定の結果を、統合した溶液100mLあたりの0.01MのHClのmL単位で記録する。この結果は、受領時の滴定量である。
倒立CDR試験についてのエッチング後の滴定量を決定するための方法の実施形態について、これより開示する。エッチング後の滴定量を決定するための方法は、受領時の滴定量について上で説明した方法と同様である;しかしながら、エッチング後の滴定量を決定するために、ガラス容器の内面の薄層が、エッチングによって除去されている。ガラス容器の内面の薄層を除去するためのエッチング液は、CDR試験について上述したエッチング液と同じである。
上記のように、エッチング液中のHF及びHClの濃度は、エッチング液が、ガラス容器を所望のエッチング速度でエッチングするように、選択される。所望のエッチング速度は、1分以上~60分以下の継続時間で、0.75μm以上~15μm以下の厚さを有するガラス容器の内面の層をエッチングするように、選択される。実施形態では、除去されるガラス容器の内面の層の厚さは、0.85μm以上~1.5μm以下、又はさらには0.95μm以上~1.25μm以下など、0.75μm以上~5μm以下である。実施形態では、除去されるガラス容器の内面の層の厚さは、少なくとも1.00μmである。実施形態では、エッチング処理の継続時間は、2.0分以上~4.0分以下など、1.0分以上~60分以下である。他の実施形態では、エッチング処理の継続時間は、約3.0分間など、2.5分以上~3.5分以下である。特定の理論に縛られるわけではないが、揮発成分は、ガラス容器に堆積し、最大約500nmまでの深さに再び組み込まれると考えられる。したがって、滴定剤がバルク濃度(すなわち、揮発成分及び析出成分を含まない濃度)を有するガラス容器の領域に接触するように、エッチングによって500nmより多く除去することが望ましい。エッチングは、エッチング液をガラス容器の内部に入れることによって又はエッチング液槽にガラス容器を沈めることによって行うことができることが理解されるべきである。
実施形態によれば、ひとたびガラス容器をエッチングしたら、エッチング液を廃棄する。次に、ガラス容器を水浴中に約5分間、浸漬させる。浸漬工程がすべて完了した後、幾つかの実施形態によれば、米国薬局方<1231>に定められる精製水、新鮮な蒸留水、現行の欧州薬局方の精製水[EP Chapter 4.1.1-Water]と一致する水、水R又はR1、又は米国薬局方の二酸化炭素を含まない水など、18MΩ-cm以上の導電性を有する水で、少なくとも6回、ガラス容器を洗浄する。幾つかの実施形態では、ガラス容器を、10MΩ-cmの水中で3回、洗浄し、その後、該容器を、10MΩ-cmの水中で少なくとも3回、洗浄し、ガラス容器のエッチングした表面に汚染物質が含まれていないことを確実にする。
ひとたびガラス容器をエッチングし、清浄化したら、ガラス容器の化学的不均一性の決定に必要な溶媒の量を計算する。実施形態によれば、滴定によってガラス容器の同じ領域が測定されるように、受領時のガラス容器に加えたのとほぼ同じ量の溶媒を、被エッチングガラス容器に加えるべきである。実施形態では、これは、溶媒が、ガラス容器の6.0容積%以上~ガラス容器の35.0容積%以下、ガラス容器の8.0容積%以上~ガラス容器の25.0容積%以下、ガラス容器の9.0容積%以上~ガラス容器の15容積%以下、又はさらにはガラス容器の10.0容積%以上~ガラス容器の14.0容積%以下など、ガラス容器の5.0容積%以上~ガラス容器の50.0容積%以下を構成するように、被エッチングガラス容器を溶媒で満たすことによって達成することができる。他の実施形態では、被エッチングガラス容器は、溶媒が、ガラス容器の約12.5容積%など、ガラス容器の11.0容積%以上~ガラス容器の13.0容積%以下を構成するように、溶媒で満たされうる。被エッチングガラス容器を必要なパーセンテージまで満たすのに必要とされる溶媒の量は、少なくとも6個の被エッチングガラス容器を最大容量まで満たし、少なくとも6個の被エッチングガラス容器の最大容量を平均化することによって計算される。その後、この平均最大容量を使用して、所望のパーセンテージに対応するようにガラス容器に加える溶媒の実際の体積を計算することができる。実施形態では、溶媒は高純度水である。幾つかの実施形態では、溶媒は、酸、塩基、又はグリシンでありうる。
実施形態では、試験すべき被エッチングガラス容器の総数は、ガラス容器に加えられる溶媒の実際の体積、並びに滴定を行うのに必要な溶液の体積に基づいて決定される。幾つかの実施形態では、滴定には、40mL以上の溶液、又はさらには45mL以上の溶液など、25mL以上の溶液を必要とする。幾つかの実施形態では、滴定には、60mL以上の溶液、又はさらには100mL以上など、50mL以上の溶液の溶液を必要とする。過剰の溶液(すなわち、滴定の実施に必要とされる溶液量よりも多い)を形成することができ、その後、滴定を行うのに必要な溶液の量を過剰の溶液から分離してもよいことが理解されるべきである。試験すべき被エッチングガラス容器の数は、滴定に必要な体積を各ガラス容器に加えられる溶媒の実際の体積で割ることによって決定することができる。
前述の計算によって決定した、試験すべき被エッチングガラス容器の数を、所望のパーセンテージの溶媒で満たし、上述したように防水プラグで閉栓する。次に、閉栓した被エッチングガラス容器を倒立位置に置き、95℃以上~125℃以下など、90℃以上~130℃以下の温度へと加熱する。幾つかの実施形態では、加熱工程は、容器を、周囲温度で、水を含むオートクレーブ内に、倒立位置で入れる工程を含む。ひとたび、閉栓した被エッチングガラス容器をオートクレーブに入れたら、それを約100℃まで加熱し、蒸気を通気コックから約10分間、放出させる。約10分経過後、通気コックを閉じて、オートクレーブを毎分約1℃の速度で約100℃から約121℃まで加熱する。オートクレーブ温度を121±1℃で60±1分間、維持する。その後、オートクレーブ内に真空が形成されるのを防ぐために通気しながら、オートクレーブの温度を毎分約0.5℃の速度で約121℃から約100℃まで下げる。次に、オートクレーブを開ける前に95℃まで冷却し、閉栓した被エッチングガラス容器を、倒立位置でオートクレーブから取り出す。次に、冷たい水道水を流して補給した約80℃の水浴中で、ガラス容器を冷却することができる。幾つかの実施形態では、冷却プレート及びファンが水浴の代わりに使用されている。水浴又は冷却プレートを閉栓した被エッチングガラス容器の冷却に用いるかどうかにかかわらず、ガラス容器は、25分以下、又はさらには20分以下など、30分以下の間、冷却されるべきである。冷却後、閉栓した被エッチングガラス容器内の溶液の温度は、23℃以下など、25℃以下であるべきである。閉栓した被エッチングガラス容器は、冷却プロセスの間中、倒立位置に維持される。
実施形態では、閉栓した被エッチングガラス容器をオートクレーブから取り出した後1時間以内に、溶液を滴定する。溶液を滴定するため、ガラス容器から栓を抜き、予め清浄にしたじょうごを使用して、被エッチングガラス容器の各々からの溶液を単一の容器に統合される。上述のとおり、統合した溶液の体積量は、溶液の滴定に必要とされる量以上であるべきである。統合したら、実施形態によれば、滴定を行うのに必要な統合した溶液の量を取り出し、メチルレッド指示薬を加える。実施形態では、溶液25mLあたり約0.05mLのメチルレッド指示薬を加える。
ガラス容器から統合した溶液と実質的に同じ体積を有する滴定ブランクを調合する。滴定ブランクの体積は、溶液の滴定に必要な体積と実質的に同じであり、25mLの高純度水あたり0.05mLのメチルレッドを添加して、高純度水から調合する。
実施形態では、0.01MのHClを滴定ブランクに滴下して添加することによって、滴定ブランクを滴定する。滴定ブランクの色を変化させるのに必要なHClの体積を記録する。0.01MのHClを統合した溶液に滴下して添加することによって、被エッチングガラス容器からの統合した溶液を滴定する。統合した溶液の色を変化させるのに必要なHClの体積を記録する。幾つかの実施形態では、滴定ブランクの色を変化させるのに必要なHClの体積を、統合した溶液の色を変化させるのに必要なHClの体積から差し引く。滴定の結果を、統合した溶液100mLあたりの0.01MのHClのmL単位で記録する。この結果は、エッチング後の滴定量である。
校正自動滴定装置を使用して、上記滴定プロセス(受領時のガラス容器とエッチング後のガラス容器の両方)を自動化することができることが理解されるべきである。このような装置は、当技術分野でよく知られており、例として、814USBサンプルプロセッサ・オートサンプラーを含む888Titrando交換ユニット(運用4/25/14)を備えたMetrohmが挙げられる。自動滴定装置パラメータは以下のように設定されうる:投与速度5mL/分;添加の合間の60秒の休止;投与量増加0.02mL;及び、信号ドリフト25mV/分。
測定後、次に、倒立CDR試験のための受領時の滴定量及びエッチング後の滴定量を、受領時の滴定量とともに方程式(1)で使用して、ガラス容器のショルダー領域のCDR値を得ることができる。上に概略説明したように、1に近いCDR値は、ガラス容器のショルダー領域には化学的不均一性がほとんど又は全く存在せず、剥離の危険性がほとんど又は全くないことを示唆している。しかしながら、CDR値が1から遠ざかると、剥離の危険性は増加する。
実施形態では、CDR値が0.6以下の場合、低いCDR値が化学的不均一性の結果であるかどうか、若しくは、低いCDR値が他の何らかの異常の結果であるかどうかを決定するために、任意選択的に、追加の分析を行ってもよい。追加の分析は、標準的なCDR試験を行ったか、あるいは、倒立CDR試験を行ったかにかかわらず、実施することができる。この追加の試験は、滴定をさまざまなエッチング間隔で行うことができるように、ガラス容器の薄層をエッチングする複数のエッチング工程を含みうる。例えば、幾つかの実施形態では、追加の分析は、ガラス表面の100nm厚の層をエッチングする工程、及び、次に、上記滴定プロセスなどの滴定プロセスを行う工程を含みうる。滴定プロセスの完了後、ガラス容器を再びエッチングして、ガラス容器の追加の100nm厚の層を除去し、200nmの総エッチング深さで、上記滴定プロセスなどの追加の滴定プロセスを行うことができる。この滴定プロセス後のエッチングは、所望の厚さがガラス容器から除去されるまで、複数回行うことができる。例として、限定はしないが、100nmの厚さの層がガラス物品からエッチングされ、ガラス容器から除去される所望の厚さが1μmの場合には、1μmの所望の厚さに達するまでに、10回のエッチング及び滴定工程が行われうる。ガラス容器の厚さ及びエッチングによって除去されるガラスの所望の厚さに基づいて、追加の分析におけるエッチング間隔は変動しうることが理解されるべきである。実施形態によれば、追加の分析のエッチング間隔は、75nm以上225nm以下、又はさらには100nm以上200nm以下など、50nm以上250nm以下でありうる。幾つかの実施形態では、追加の分析のエッチング間隔は、約150nmなど、125nm以上175nm以下でありうる。これらの実施形態では、所望の厚さとは、ガラス容器がエッチングされる、除去される層の最大厚さを指す。ある特定の実施形態では、所望の厚さは、行われるすべてのエッチング処理の合計である。
追加の分析が行われる実施形態では、考慮されるべき複数の個々の滴定量(すなわち、エッチング間隔の各々に由来する少なくとも1つの滴定量及び所望の厚さでの滴定)が存在する。このような実施形態では、エッチング間隔滴定からの最大滴定量及び所望の厚さでの滴定量を使用してCDRを計算する。したがって、CDRは、方程式(2)で計算することができる:
Figure 0007148217000005
方程式(2)では、間隔の最大滴定量は、最大エッチングレベルの滴定量を除いたすべてのインターバルの滴定量の最大離散値であり、最大厚さにおける滴定量は、最高レベルのエッチングで測定した滴定量である。
幾つかの実施形態では、プランジャ、シリンジ、又は一体型のキャップなど、ガラス容器のガラス組成物以外の材料から作られた対象物(以下、「対象物」と称される)が、医薬品包装内に存在していてもよい。このような医薬品包装においてCDR試験を行う場合、対象物から生じる滴定量とガラス容器から生じる滴定量とを別々に決定することが必要でありうる。実施形態では、この決定は、対象物を隔離し、滴定を行うことによって行うことができる。例えば、対象物をガラス容器から取り外し可能な場合には、対象物を取り外し、(オートクレーブ処理などによって)清浄化して、どの成分が溶液中に抽出されるかを確認してから、滴定を行うことができる。この滴定は、滴定結果にほとんど又は全く影響を与えない容器内に対象物を入れ、容器を滴定剤で満たすことによって行われうる。容器を滴定剤で満たしたら、CDR試験について上述したように、滴定を行うことができる。この滴定の結果を記録し、上記プロセスで滴定ブランクが用いられるのと同じ方法での対象物の滴定の結果を使用することなどによって、CDR試験におけるガラス容器の滴定の結果に含めてもよい。対象物をガラス容器から取り外せない場合には、滴定剤が対象物とほぼ接触するようにガラス容器の配向を操作することによって、滴定のために対象物を隔離することができる。例えば、対象物が、ガラス容器から取り外しできないプランジャの場合、滴定剤をガラス容器に加えてもよく、滴定剤がプランジャとほぼ接触するように、該ガラス容器を倒立又は他の方法で配向させてもよい。滴定剤がプランジャとほぼ接触するようにガラス容器を配向させたら、CDR試験のために上記のように滴定を行うことができる。この滴定の結果を記録し、ブランクとしての結果を差し引くことなどによって、CDR試験におけるガラス容器の滴定の結果に含めることができる。
本明細書に記載される実施形態では、ガラス容器は、「実験装置のガラスのための標準仕様(Standard Specification for Glasses in Laboratory Apparatus)」と題されたASTM規格E438-92(2011)に従う、I型、クラスA(IA型)又はI型、クラスB(IB型)ガラスの基準を満たすガラス組成物から形成されうる。ホウケイ酸ガラスは、I型(A又はB)の基準を満たしており、医薬品包装に日常的に使用されている。ホウケイ酸ガラスの例としては、限定はしないが、Corning(登録商標)Pyrex(登録商標)7740、7800、Wheaton180、200、及び400、Schott Duran(登録商標)、Schott Fiolax(登録商標)、KIMAX(登録商標)N-51A、Gerresheimer GX-51 Flint及び他のものが挙げられる。
ガラス容器を形成するガラス組成物は、ISO720規格によって決定して、化学的に耐久性があり、劣化に対して耐性がある。ISO720規格は、蒸留水中での劣化に対するガラスの耐性(すなわち、ガラスの耐加水分解性)の尺度である。簡単に述べると、ISO720規格のプロトコルは、30分間、オートクレーブ条件下(121℃、2atm(約203kPa))で10MΩ-cmの水と接触するように置かれた、砕いたガラス粒を利用する。次に、溶液を希HClで比色滴定して中性pHにする。次いで、中性溶液まで滴定するのに必要とされるHClの量を、ガラスから抽出されたNaOの当量に変換し、これを、より小さい値がより大きい耐久性を示す、μg単位のガラスで報告する。「ガラスの試験-沸騰塩酸水溶液による攻撃に対する耐性-試験方法及び分類(Testing of glass-Resistance to attack by a boiling aqueous solution of hydrochloric acid-Method of test and classification)」と題されたISO720;「ガラス-混合アルカリの沸騰水溶液による攻撃に対する耐性-試験方法と分類(Glass-Resistance to attack by a boiling aqueous solution of mixed Alkari-Method of test and classification)」と題された、ISO695:1991;「ガラス-121℃におけるガラス粒子の耐加水分解性-試験方法と分類(Glass-Hydrolytic resistance of glass grains at 121 degrees C-Method of test and classification)」と題された、ISO720:1985;及び、「ガラス-98℃におけるガラス粒子の耐加水分解性-試験方法と分類(Glass-Hydrolytic resistance of glass grains at 98 degrees C-Method of test and classification)」と題された、ISO719:1985。各規格及び分類規格は、個々のタイプに分けられている。HGA1型は、最大62μgのNaOの抽出当量
を示し;HGA2型は、62μg超及び最大で527μgのNaOの抽出当量を示し;HGA3型は、527μg超及び最大で930μgのNaOの抽出当量を示す。本明細書に記載されるガラス容器は、受領時の状態においてISO720のHGA1型の耐加水分解性を有する。
ガラス容器を形成するガラス組成物もまた、ISO719規格によって決定して、化学的に耐久性があり、劣化に対して耐性がある。ISO719規格は、蒸留水中での劣化に対するガラスの耐性(すなわち、ガラスの耐加水分解性)の尺度である。簡単に述べると、ISO720規格のプロトコルは、2atm(約203kPa)の圧力及び98℃の温度で60分間、18MΩ-cmの水と接触するように置かれた、砕いたガラス粒を利用する。次に、溶液を希HClで比色滴定して中性pHにする。次いで、中性溶液まで滴定するのに必要とされるHClの量を、ガラスから抽出されたNaOの当量に変換し、これを、より小さい値がより大きい耐久性を示す、μg単位のガラスで報告する。ISO719規格は、個々のタイプに分けられている。HGB1型は、最大で31μgのNaOの抽出当量を示し;HGB2型は、31μg超及び最大で62μgのNaOの抽出当量を示し;HGB3型は、62μg超及び最大で264μgのNaOの抽出当量を示し;HGB4型は、264μg超及び最大で620μgのNaOの抽出当量を示し;HGB5型は、620μg超及び最大で1085μgのNaOの抽出当量を示す。本明細書に記載されるガラス容器は、受領時の状態において、ISO719のHGB1型の耐加水分解性を有する。
米国薬局方<660>試験及び/又は欧州薬局方3.2.1試験に関して、本明細書に記載されるガラス容器は、受領時の状態でI型の化学的耐久性を有する。上記のように、米国薬局方<660>及び欧州薬局方3.2.1試験は、砕いたガラス粒ではなく、無傷のガラス容器に対して行われ、このように、米国薬局方<660>及び欧州薬局方3.2.1試験を使用して、ガラス容器の内面の化学的耐久性を直接評価することができる。
ガラス容器を形成するガラス組成物はまた、受領時の状態において、DIN12116規格によって決定して、化学的に耐久性があり、酸性溶液中での劣化に対して耐性がある。簡単に述べると、DIN12116規格は、計量し、次にある量の6Mの沸騰塩酸と6時間接触させて置いた、既知の表面積の研磨ガラス試料を利用する。次に、溶液から試料を取り出し、乾燥して、再び計量する。酸性溶液への曝露中に失われるガラスの質量は、試料の酸耐久性の尺度であり、数値が小さいほど耐久性が高いことを示す。試験の結果は、表面積当たりの半質量、具体的にはmg/dmの単位で報告されている。DIN12116規格は、個々のクラスに分けられている。クラスS1は、最大で0.7mg/dmの重量損失を示し;クラスS2は、0.7mg/dm~最大で1.5mg/dmの重量損失を示し;クラスS3は、1.5mg/dm~最大で15mg/dmの重量損失を示し;及び、クラスS4は、15mg/dm超の重量損失を示す。本明細書に記載されるガラス容器は、受領時の状態でDIN12116のクラスS2以上の耐酸性を有する。
ガラス容器を形成するガラス組成物はまた、受領時の状態において、ISO695規格によって決定して、化学的に耐久性があり、塩基性溶液中での劣化に対して耐性がある。簡単に述べると、ISO695規格は、計量し、次に、沸騰している1MのNaOH+0.5MのNaCOの溶液中に3時間置いた、研磨ガラス試料を利用する。次いで、溶液から試料を取り出し、乾燥し、再び計量する。塩基性溶液への曝露中に失われるガラスの質量は、試料の塩基耐久性の尺度であり、数値が小さいほど耐久性が高いことを示す。試験の結果は、表面積当たりの半質量、具体的にはmg/dmの単位で報告されている。DIN12116規格は、個々のクラスに分けられている。DIN12116規格と同様に、ISO695規格の結果は、表面積あたりの質量、具体的にはmg/dmの単位で報告されている。ISO695規格は、個々のクラスに分けられている。クラスA1は、最大で75mg/dmの重量損失を示し;クラスA2は、75mg/dm~最大で175mg/dmの重量損失を示し;及び、クラスA3は、175mg/dm超の重量損失を示す。本明細書に記載されるガラス容器は、受領時の状態でSO695のクラスA2以上の耐塩基性を有する。
ISO695、ISO719、ISO720、又はDIN12116に準拠して上記の分類を参照する場合、特定の分類「以上」を有するガラス組成物又はガラス容器とは、ガラス組成物の性能が、特定の分類と同じくらい良好であるか、又はそれよりも良好であることを意味することが理解されるべきである、。例えば、ISO695の「クラスA2」以上の耐塩基性を有するガラス容器は、ISO695のクラスA2又はクラスA1のいずれかに分類されうる。
本明細書に記載される方法及び装置の実施形態が、これより、さまざまな項において定義される。以下の項は例示であり、本明細書に開示及び記載される他の実施形態を制限するものではない。下記の項はいずれも、1つ以上の他の項と組み合わせることができることが理解されるべきである。
第1項は、複数のガラス容器の剥離の危険性を決定する方法であって、
複数のガラス容器の各ガラス容器が同様の組成及び同様の幾何学形状を有する、複数のガラス容器を得る工程;
各ガラス容器中の溶媒の体積が、ガラス容器の5.0容積%以上~ガラス容器の50.0容積%以下を構成するように、複数のガラス容器の各ガラス容器に溶媒を加える工程;
複数のガラス容器を90℃~130℃の温度まで加熱する工程;
複数のガラス容器を室温まで冷却する工程;
複数のガラス容器から溶媒を取り出し、統合して、統合溶媒を得る工程;
統合溶媒を滴定する工程であって、該統合溶媒の滴定に用いた滴定剤の量が受領時の滴定量である、工程;
各ガラス容器の少なくとも内面をエッチング液と接触させることによって、複数のガラス容器の各ガラス容器をエッチングする工程であって、該エッチングによって、0.75μm以上~15μm以下の厚さを有する、各ガラス容器の内面の層を除去し、複数の被エッチングガラス容器を得る、工程;
複数の被エッチングガラス容器の各被エッチングガラス容器をすすいで、残留エッチング液を除去する工程;
各被エッチングガラス容器内の第2の溶媒の体積が、被エッチングガラス容器の5.0容積%以上~被エッチングガラス容器の50.0容積%以下を構成するように、複数の被エッチングガラス容器の各被エッチングガラス容器に第2の溶媒を加える工程;
複数の被エッチングガラス容器を90℃~130℃の温度まで加熱する工程;
複数の被エッチングガラス容器を室温まで冷却する工程;
複数の被エッチングガラス容器から第2の溶媒を取り出し、統合して、エッチング後の統合溶媒を得る工程;
エッチング後の統合溶媒を滴定する工程であって、該エッチング後の統合溶媒の滴定に用いた滴定剤の量がエッチング後の滴定量である、工程;
複数のガラス容器の化学耐久率(CDR)を次式によって計算する工程:
Figure 0007148217000006
を含む、方法を含む。
第2項は、複数のガラス容器の各ガラス容器に加えられる溶媒が、ガラス容器の8.0容積%以上~ガラス容器の25.0容積%以下を構成し、かつ、複数の被エッチングガラス容器の各被エッチングガラス容器に加えられる溶媒が、ガラス容器の8.0容積%以上~被エッチングガラス容器の25.0容積%以下を構成する、第1項に記載の方法を含む。
第3項は、複数のガラス容器の各ガラス容器に加える溶媒が、ガラス容器の約12.5容積%を構成し、かつ、複数の被エッチングガラス容器の各被エッチングガラス容器に加える溶媒が、ガラス容器の約12.5容積%を構成する、第1項及び第2項のいずれかに記載の方法を含む。
第4項は、溶媒及び第2の溶媒のうちの少なくとも一方が高純度水である、第1項から第3項のいずれかに記載の方法を含む。
第5項は、0.6未満又は1.6のCDRを有するガラス容器を廃棄する工程をさらに含む、第1項から第4項のいずれかに記載の方法を含む。
第6項は、0.8未満又は1.2のCDRを有するガラス容器を廃棄する工程をさらに含む、第1項から第5項のいずれかに記載の方法を含む。
第7項は、複数のガラス容器を構成するガラス容器の数が、10以上~300以下である、第1項から第6項のいずれかに記載の方法を含む。
第8項は、エッチングを行って、0.75μm以上~5μm以下の厚さを有する層を除去する、第1項から第7項のいずれかに記載の方法を含む。
第9項は、CDRの決定後に、該方法が、
(a)第2の複数のガラス容器の各容器にエッチング液を加えることによって、第2の複数のガラス容器をエッチングする工程であって、該エッチングによって、50nm以上~250nm以下の厚さを有する、第2の複数の容器の各容器の内面の層を除去する、工程;
(b)第2の複数のガラス容器の各ガラス容器をすすいで、残留エッチング液を除去する工程;
(c)第2の複数のガラス容器の各ガラス容器中の第3の溶媒の体積が、第2の複数のガラス容器の1つのガラス容器の5.0容積%以上~第2の複数のガラス容器の1つのガラス容器の50.0容積%以下を構成するように、第2の複数のガラス容器の各ガラス容器に第3の溶媒を加える工程;
(d)第2の複数のガラス容器を90℃~130℃の温度まで加熱する工程;
(e)第2の複数のガラス容器を室温まで冷却する工程;
(f)第2の複数の被エッチングガラス容器から第3の溶媒を取り出し、統合して、第2のエッチング後の統合溶媒を得る工程;
(g)第2のエッチング後の統合溶媒を滴定する工程であって、第2のエッチング後の統合溶媒の滴定に用いた滴定剤の量が、インターバルの滴定量である、工程;
(h)エッチングによって除去されたガラス容器の内面の全厚さが0.75μm以上~15μm以下になるまで、(a)~(g)を繰り返す工程;
(i)複数のガラス容器の第2の化学耐久率(CDR)を次式によって計算する工程:
Figure 0007148217000007
をさらに含む、第1項から第8項のいずれかに記載の方法を含む。
第10項は、ガラス容器が医薬品包装である、第1項から第9項のいずれかに記載の方法を含む。
第11項は、ガラス容器が米国薬局方<660>に従うI型の耐加水分解性を有する、第1項から第10項のいずれかに記載の方法を含む。
第12項は、複数のガラス容器を加熱する工程が、
複数のガラス容器をオートクレーブ内に入れる工程;
オートクレーブを約100℃まで加熱する工程;
オートクレーブを約100℃で約10分間、保持する工程;
オートクレーブを毎分約1℃の速度で約100℃から約121℃まで加熱する工程;
オートクレーブを約121℃で約60分間、保持する工程;及び
オートクレーブを毎分約0.5℃の速度で約121℃から約100℃まで冷却する工程
を含む、第1項から第11項のいずれかに記載の方法を含む。
第13項は、複数の被エッチングガラス容器を加熱する工程が、
複数の被エッチングガラス容器をオートクレーブに入れる工程;
オートクレーブを約100℃まで加熱する工程;
オートクレーブを約100℃で約10分間、保持する工程;
オートクレーブを毎分1℃の速度で約100℃から約121℃まで加熱する工程;
オートクレーブを約121℃で約60分間、保持する工程;及び
オートクレーブを毎分0.5℃の速度で約121℃から約100℃まで冷却する工程
を含む、第12項に記載の方法を含む。
第14項は、統合溶媒及びエッチング後の統合溶媒が、0.01MのHClを用いて滴定される、第1項から第13項のいずれかに記載の方法を含む。
第15項は、
複数のガラス容器が、ガラス容器の組成とは異なる組成を有する対象物を含み、かつ、
方法が、
対象物を対象容器内に隔離する工程;
対象容器に対象溶媒を加える工程;
対象物及び対象溶媒を90℃~130℃の温度まで加熱する工程;
対象物及び対象溶媒を室温まで冷却する工程;
溶媒を統合して、統合対象溶媒を得る工程;
統合対象溶媒を滴定する工程であって、統合対象溶媒の滴定に用いた滴定剤の量が対象物の滴定量である、工程;
対象物の滴定量に基づいて、CDRを調節する工程
をさらに含む、
第1項から第14項のいずれかに記載の方法を含む。
第16項は、複数のガラス容器の剥離の危険性を決定する方法であって、
複数のガラス容器の各ガラス容器が同様の組成及び同様の幾何学形状を有する、複数のガラス容器を得る工程;
各ガラス容器中の溶媒の体積が、ガラス容器の5.0容積%以上~ガラス容器の50.0容積%以下を構成するように、複数のガラス容器の各ガラス容器に溶媒を加える工程;
複数のガラス容器の各容器を防水プラグで閉栓する工程;
複数のガラス容器の各容器を倒立させる工程;
複数のガラス容器を90℃~130℃の温度まで加熱する工程;
複数のガラス容器を室温まで冷却する工程;
複数のガラス容器から溶媒を取り出し、統合して、統合溶媒を得る工程;
統合溶媒を滴定する工程であって、統合溶媒の滴定に用いた滴定剤の量が受領時の滴定量である、工程;
エッチング液を各ガラス容器の少なくとも内面と接触させることによって、複数のガラス容器の各ガラス容器をエッチングする工程であって、該エッチングによって、0.75μm以上~15μm以下の厚さを有する、各ガラス容器の内面の層を除去し、複数の被エッチングガラス容器を得る、工程;
複数の被エッチングガラス容器の各被エッチングガラス容器をすすいで、残留エッチング液を除去する工程;
各被エッチングガラス容器内の第2の溶媒の体積が、被エッチングガラス容器の5.0容積%以上~被エッチングガラス容器の50.0容積%以下を構成するように、複数の被エッチングガラス容器の各被エッチングガラス容器に第2の溶媒を加える工程;
複数のガラス容器の各容器を防水プラグで閉栓する工程;
複数のガラス容器の各容器を倒立させる工程;
複数の被エッチングガラス容器を90℃~130℃の温度まで加熱する工程;
複数の被エッチングガラス容器を室温まで冷却する工程;
防水プラグを取り外し、複数の被エッチングガラス容器からの第2の溶媒を統合して、エッチング後の統合溶媒を得る工程;
エッチング後の統合溶媒を滴定する工程であって、エッチング後の統合溶媒の滴定に用いた滴定剤の量がエッチング後の滴定量である、工程;
複数のガラス容器の化学耐久率(CDR)を次式によって計算する工程:
Figure 0007148217000008
を含む、方法を含む。
第17項は、複数のガラス容器の各ガラス容器に加える溶媒が、ガラス容器の8.0容積%以上~ガラス容器の25.0容積%以下を構成し、かつ、複数の被エッチングガラス容器の各被エッチングガラス容器に加える溶媒が、ガラス容器の8.0容積%以上~被エッチングガラス容器の25.0容積%以下を構成する、第16項に記載の方法を含む。
第18項は、複数のガラス容器の各ガラス容器に加える溶媒が、ガラス容器の約12.5容積%を構成し、かつ、複数の被エッチングガラス容器の各被エッチングガラス容器に加える溶媒が、ガラス容器の約12.5容積%を構成する、第16項から第17項のいずれかに記載の方法を含む。
第19項は、0.6未満又は1.6のCDRを有するガラス容器を廃棄する工程をさらに含む、第16項から第18項のいずれかに記載の方法を含む。
第20項は、エッチングを行って、0.85μm以上~1.15μm以下の厚さを有する層を除去する、第16項から第19項のいずれかに記載の方法を含む。
第21項は、複数のガラス製医薬品容器の剥離の危険性を決定する方法であって、
形成時の状態における複数のガラス製医薬品容器の特性を、エッチング後の状態における複数のガラス製医薬品容器の特性と比較することによって、化学耐久率(CDR)を計算する工程;及び、
CDRが3.0以上の場合に、複数のガラス製医薬品容器の剥離の危険性が高いと評価する工程
を含む、方法を含む。
第22項は、
複数のガラス製医薬品容器の各ガラス製医薬品容器が、同様の組成及び同様の幾何学形状を有し、かつ
CDRを計算する工程が、
各ガラス製医薬品容器内の溶媒の体積が、ガラス製医薬品容器の5.0容積%以上~ガラス製医薬品容器の50.0容積%以下を構成するように、複数のガラス製医薬品容器の各ガラス製医薬品容器に溶媒を加える工程;
複数のガラス製医薬品容器を90℃~130℃の温度まで加熱する工程;
複数のガラス製医薬品容器を室温まで冷却する工程;
複数のガラス製医薬品容器から溶媒を取り出し、統合して、統合溶媒を得る工程;
統合溶媒を滴定する工程であって、統合溶媒の滴定に用いた滴定剤の量が受領時の滴定量である、工程;
各ガラス製医薬品容器の少なくとも内面をエッチング液と接触させることによって、複数のガラス製医薬品容器の各ガラス製医薬品容器をエッチングする工程であって、エッチングによって、0.75μm以上~15μm以下の厚さを有する、各ガラス製医薬品容器の内面の層を除去し、それによって複数のエッチングしたガラス製医薬品容器を得る、工程;
複数のエッチングしたガラス製医薬品容器の各エッチングしたガラス製医薬品容器をすすいで、残留エッチング液を除去する工程;
各エッチングしたガラス製医薬品容器内の第2の溶媒の体積が、エッチングしたガラス製医薬品容器の5.0容積%以上~エッチングしたガラス製医薬品容器の50.0容積%以下を構成するように、複数のエッチングしたガラス製医薬品容器の各エッチングしたガラス製医薬品容器を第2の溶媒に加える工程;
複数のエッチングしたガラス製医薬品容器を90℃~130℃の温度まで加熱する工程;
複数のエッチングしたガラス製医薬品容器を室温まで冷却する工程;
複数のエッチングしたガラス製医薬品容器から第2の溶媒を取り出し、統合して、エッチング後の統合溶媒を得る工程;
エッチング後の統合溶媒を滴定する工程であって、エッチング後の統合溶媒の滴定に用いた滴定剤の量がエッチング後の滴定量である、工程;
複数のガラス製医薬品容器のCDRを次式によって計算する工程:
Figure 0007148217000009
を含む、第21項に記載の方法を含む。
第23項は、複数のガラス製医薬品容器の各ガラス製医薬品容器に加える溶媒が、ガラス製医薬品容器の8.0容積%以上~ガラス製医薬品容器の25.0容積%以下を構成し、かつ、複数のエッチングしたガラス製医薬品容器の各エッチングしたガラス製医薬品容器に加える第2の溶媒が、ガラス製医薬品容器の8.0容積%以上~エッチングしたガラス製医薬品容器の25.0容積%以下を構成する、第21項及び第22項のいずれかに記載の方法を含む。
第24項は、複数のガラス製医薬品容器の各ガラス製医薬品容器に加える溶媒が、ガラス製医薬品容器の約12.5容積%を構成し、かつ、複数のエッチングしたガラス製医薬品容器の各エッチングしたガラス製医薬品容器に加える第2の溶媒が、ガラス製医薬品容器の約12.5容積%を構成する、第21項から第23項のいずれかに記載の方法を含む。
第25項は、溶媒及び第2の溶媒のうちの少なくとも一方が高純度水である、第21項から第24項のいずれかに記載の方法を含む。
第26項は、0.6未満又は1.6超のCDRを有するガラス製医薬品容器を廃棄する工程をさらに含む、第21項から第25項のいずれかに記載の方法を含む。
第27項は、0.8未満又は1.2超のCDRを有するガラス製医薬品容器を廃棄する工程をさらに含む、第21項から第26項のいずれかに記載の方法を含む。
第28項は、複数のガラス製医薬品容器を含むガラス製医薬品容器の数が、10以上~300以下である、第21項から第27項のいずれかに記載の方法を含む。
第29項は、エッチングが、0.75μm以上~5μm以下の厚さを有する層を除去するために行われる、第21項から第28項のいずれかに記載の方法を含む。
第30項は、CDRの決定後に、該方法が、
(a)第2の複数のガラス製医薬品容器の各ガラス製医薬品容器にエッチング液を加えることによって、第2の複数のガラス製医薬品容器をエッチングする工程であって、エッチングによって、50nm以上~250nm以下の厚さを有する、第2の複数のガラス製医薬品容器の各ガラス製医薬品容器の内面の層を除去する、工程;
(b)第2の複数のガラス製医薬品容器の各ガラス製医薬品容器をすすいで、残留エッチング液を除去する工程;
(c)第2の複数のガラス製医薬品容器の各ガラス製医薬品容器内の第3の溶媒の体積が、第2の複数のガラス製医薬品容器の1つのガラス製医薬品容器の8.0容積%以上~第2の複数のガラス製医薬品容器の1つのガラス製医薬品容器の25.0容積%以下を構成するように、第2の複数のガラス製医薬品容器の各ガラス製医薬品容器に第3の溶媒を加える工程;
(d)第2の複数のガラス製医薬品容器を90℃~130℃の温度まで加熱する工程;
(e)第2の複数のガラス製医薬品容器を室温まで冷却する工程;
(f)第2の複数のエッチングしたガラス製医薬品容器から第3の溶媒を取り出し、統合して、第2のエッチング後の統合溶媒を得る工程;
(g)第2のエッチング後の統合溶媒を滴定する工程であって、第2のエッチング後の統合溶媒の滴定に用いた滴定剤の量が、インターバルの滴定量である、工程;
(h)エッチングによって除去されるガラス製医薬品容器の内面の全厚さが0.75μm以上~15μm以下になるまで、(a)~(g)を繰り返す工程;
(i)複数のガラス製医薬品容器の第2の化学耐久率(CDR)を次式によって計算する工程:
Figure 0007148217000010
をさらに含む、第21項から第29項のいずれかに記載の方法を含む。
第31項は、ガラス製医薬品容器が米国薬局方<660>に従うI型の耐加水分解性を有する、第21項から第30項のいずれかに記載の方法を含む。
第32項は、複数のガラス製医薬品容器を加熱する工程が、
複数のガラス製医薬品容器をオートクレーブに入れる工程;
オートクレーブを約100℃まで加熱する工程;
オートクレーブを約100℃で約10分間、保持する工程;
オートクレーブを毎分約1℃の速度で約100℃から約121℃まで加熱する工程;
オートクレーブを約121℃で約60分間、保持する工程;及び
オートクレーブを毎分約0.5℃の速度で約121℃から約100℃まで冷却する工程
を含む、第21項から第31項のいずれかに記載の方法を含む。
第33項は、複数のエッチングしたガラス製医薬品容器を加熱する工程を加熱する工程が、
複数のエッチングしたガラス製医薬品容器をオートクレーブに入れる工程;
オートクレーブを約100℃まで加熱する工程;
オートクレーブを約100℃で約10分間、保持する工程;
オートクレーブを毎分1℃の速度で約100℃から約121℃まで加熱する工程;
オートクレーブを約121℃で約60分間、保持する工程;及び
オートクレーブを毎分0.5℃の速度で約121℃から約100℃まで冷却する工程
を含む、第21項から第32項のいずれかに記載の方法を含む。
第34項は、統合溶媒及びエッチング後の統合溶媒が、0.01MのHClを用いて滴定される、第21項から第33項のいずれかに記載の方法を含む。
第35項は、複数のガラス製医薬品容器が、ガラス製医薬品容器の組成とは異なる組成を有する対象物を含み、かつ
方法が、
対象物を対象容器内に隔離する工程;
対象容器に対象溶媒を加える工程;
対象物及び対象溶媒を90℃~130℃の温度まで加熱する工程;
対象物及び対象溶媒を室温まで冷却する工程;
溶媒を統合して、統合対象溶媒を得る工程;
統合対象溶媒を滴定する工程であって、統合対象溶媒の滴定に用いた滴定剤の量が対象物の滴定量である、工程;及び
対象物の滴定量に基づいて、CDRを調節する工程
をさらに含む、第21項から第34項のいずれかに記載の方法を含む。
実施形態は、ガラス容器のCDRを測定するための以下の実施例によって、さらに明確になるであろう。
実施例1
この実施例のために6つのタイプのガラス容器を得た。容器1は、Corning Incorporated社製造の3mLのアルカリアルミノケイ酸ガラス容器であり;容器2は、Gerresheimer AG社製造の3mLのホウケイ酸ガラス容器であり;容器3は、OMPIによって変換されたSchott AG社製造の3mLのホウケイ酸ガラス容器であり;容器4は、Schott AG社製造の2mLのガラス容器であり;容器5は、mLのガラス容器であり;及び容器6は、Gerresheimer AG社製の3mLの成形ガラス容器である。
最初に、各々のガラス容器を高純度水で3回すすいだ。ガラス容器をすすいだら、高純度水を加えて、各容器を12.5体積パーセントまで、蒸発用に過剰に満たした。3mLのガラス容器については、0.60mLの高純度水を各容器に加え、2mLのガラス容器については、0.50mLの高純度水を各容器に加えた。これらの実際の充填量を使用して、6タイプのガラス容器の各々について12.5容積パーセントまで満たす必要のあるガラス容器の数を計算した。ガラス容器1~3、5、及び6については、滴定に必要とされる50mLの溶液を得るためには、各ガラス容器タイプについて、100個のガラス容器を満たす必要があると計算された(すなわち、50mL/1容器あたり0.60mL)。ガラス容器4については、滴定に必要とされる50mLの溶液を得るためには、120個のガラス容器を満たす必要があると計算された(すなわち、50mL/1容器あたり0.50mL)。高純度水を加えた後、ペトリ皿を各ガラス容器の開口部に置き、ガラス容器をオートクレーブに入れた。
ひとたびオートクレーブにガラス容器を入れたら、それを閉じて100℃まで加熱し、蒸気を10分間通気コックから放出した。10分経過後、通気コックを閉じて、オートクレーブを毎分1℃の速度で100℃から121℃へと加熱した。オートクレーブ温度を121±1℃で60分間、維持した。その後、オートクレーブ内に真空が形成されるのを防ぐために通気しながら、オートクレーブの温度を、毎分0.5℃の速度で121℃から100℃に下げた。オートクレーブを開ける前に95℃まで冷却し、6つのタイプのガラス容器をオートクレーブから取り出した。次に、ガラス容器を25℃まで約20分間、冷却した。
予め清浄にしたじょうごを使用して、各タイプのガラス容器からの溶液を、6つの異なる容器(各タイプのガラス容器について1つの容器)に統合した。統合した後、6つの統合した溶液の各々50mLを過剰の液体から分離し、予め溶出させた100mLビーカーにピペットで入れた。各溶液に、100μLの指示薬を加え、814USBサンプルプロセッサ・オートサンプラーを含む888Titrando交換ユニット(運用4/25/14)を備えたMetrohm滴定装置を使用して、各々を別々に滴定した。自動滴定装置パラメータは以下のように設定されうる:投与速度5mL/分;添加の合間の60秒の休止;投与量増加0.02mL;及び、信号ドリフト25mV/分。自動滴定装置のラインを洗い流し、気泡及び滴定剤としての0.01MのHClを除去した。6つのタイプのガラス容器の各々についての滴定の結果を受領時の滴定量として記録した。これらの滴定の結果は、図3の棒グラフ及び下記表1に示されている。6つのタイプのガラス容器の各々について滴定を3回繰り返し、結果の信頼性を確保した。
受領時の滴定量を記録した後、エッチング後の滴定量を決定した。上記試験されたガラス容器の各々をすすぎ、2MのHF及び3MのHClの混合液をエッチング液として使用してエッチングした。バイアルを、200~500mLのエッチング液を含むエッチング液槽に完全に沈め、全てのガラス容器が完全に沈められ、満たされることを確実にした。ガラス容器をエッチング液で3分間、エッチングした。
ガラス容器をエッチングした後、それらを水浴中に5分間、浸した。5分間の浸漬時間の完了後、ガラス容器を第2の水浴中に5分間、浸した。第2の浸漬工程の完了後、ガラス容器を、16MΩ-cmの水中で3回、洗浄した。その後、ガラス容器を、8MΩ-cmの水中で少なくとも3回、洗浄した。
ガラス容器をエッチングし、清浄化した後、高純度水を加え、各容器を、蒸発を考慮して過剰に12.5体積パーセントまで満たした。3mLのガラス容器については、0.60mLの高純度水を各容器に加え、2mLのガラス容器については、0.50mLの高純度水を各容器に加えた。高純度水を加えた後、ペトリ皿を各ガラス容器の開口部に置き、ガラス容器をオートクレーブに入れた。
オートクレーブに被エッチングガラス容器を入れたら、それを100℃まで加熱し、蒸気を10分間、通気コックから放出した。10分経過後、通気コックを閉じて、オートクレーブを毎分1℃の速度で100℃から121℃へと加熱した。オートクレーブ温度を121±1℃で60分間、維持した。その後、オートクレーブ内に真空が形成されるのを防ぐために通気しながら、オートクレーブの温度を毎分0.5℃の速度で121℃から100℃に下げた。オートクレーブを開ける前に95℃まで冷却し、ガラス容器をオートクレーブから取り出した。次に、外部冷却器を備えた冷却プレート上で、ガラス容器を冷却した。ガラス容器を冷却プレート上で約20分間、冷却した。
予め清浄にしたじょうごを使用して、各タイプの被エッチングガラス容器からの溶液を、6つの異なる容器(各タイプのガラス容器について1つの容器)に統合した。統合後、814USBサンプルプロセッサ・オートサンプラーを含む888Titrando交換ユニット(運用4/25/14)を備えたMetrohm滴定装置を使用して、6つの統合した溶液の各々50mLを別々に滴定した。自動滴定装置パラメータは以下のように設定されうる:投与速度5mL/分;添加の合間の60秒の休止;投与量増加0.02mL;及び、信号ドリフト25mV/分。自動滴定装置のラインを洗い流して、気泡及び滴定剤としての0.01MのHClを除去した。6つのタイプのガラス容器の各々についての滴定の結果を、エッチング後の滴定量として記録した。これらの滴定の結果は、図3の棒グラフ及び下記表1に示されている。6タイプのガラス容器の各々について滴定を3回繰り返し、結果の信頼性を確保した。
Figure 0007148217000011
次に、上記のように得られた受領時の滴定量及びエッチング後の滴定量を方程式(1)に用いて、ガラス容器のCDR値を計算した。これらの試験結果は、下記表2に提供されている。
Figure 0007148217000012
比較例1
実施例1の結果と、ガラス容器を90.0容積パーセントまで満たす標準試験との比較が提供される。容器7は、Corning Incorporated社製造の3mLのアルカリアルミノケイ酸ガラス容器であり;容器8は、Gerresheimer AG社製造の3mLのホウケイ酸ガラス容器であり;容器9は、OMPIによって変換された、Schott AG社製造の3mLのホウケイ酸ガラス容器であり;容器10は、Schott AG社製造の2mLのガラス容器であり;容器11は、3mLの成形ガラス容器であり;容器12は、Gerresheimer AG社製造の3mLのガラス容器である。
初めに、ガラス容器の各々を高純度水で3回すすいだ。ガラス容器をすすいだ後、高純度水を加えて、各容器を、蒸発を考慮して過剰に90.0体積パーセントまで満たした。3mLのガラス容器については、4.3mLの高純度水を各容器に加え、2mLのガラス容器については、4.0mLの高純度水を各容器に加えた。これらの実際の充填量を使用して、6タイプのガラス容器の各々について90.0容積パーセントまで満たすのに必要なガラス容器の数を計算した。ガラス容器1~3、5、及び6については、滴定に必要とされる50mLの溶液を得るためには、各ガラス容器タイプについて15個のガラス容器を満たす必要があると計算された(すなわち、50mL/1容器あたり4.3mL)。ガラス容器4については、滴定に必要とされる50mLの溶液を得るためには、20個のガラス容器を満たす必要があると計算された(すなわち、50mL/1容器あたり4.0mL)。高純度水を加えた後、ペトリ皿を各ガラス容器の開口部に置き、ガラス容器をオートクレーブに入れた。
容器7~12をオートクレーブ処理し、上記容器1~6と同様の方法で滴定して、受領時の滴定量を得た。その後、エッチング後に容器7~12に90.0容積パーセントの溶液を加えたことを除いて、容器7~12のエッチング後の滴定量を、容器1~6と同様の方法で得た。得られた滴定結果を、エッチング後の滴定量として使用した。受領時及びエッチング後の滴定量の結果が図4及び下記表3に提供されている。
Figure 0007148217000013
次に、上記のように得られた受領時の滴定量及びエッチング後の滴定量を方程式(1)に使用して、ガラス容器の米国薬局方<660>様の表面試験及び米国薬局方<660>様のエッチング試験の値を計算した。これらの試験結果が下記表4に提供されている。
Figure 0007148217000014
実施例及び比較例の試験から決定できるように、化学耐久率の結果は、12.5%の低充填量の事例において、誇張されている。
実施例2
上述のCDR測定を、さまざまな市販されているガラス容器系統及び製薬関連のガラス容器系統に対して行った。図5は、50を超える個々のCDR測定値をまとめ、容器のタイプごとにグループ化したものである(y軸に任意の配置で示されている)。一番下のグループでは、標準的な管状のホウケイ酸容器は、約2~約9の幅広い範囲のCDR値を示している。図に示されるエラーバーは、その系統の反復によって得られた最大及び最小のCDR値を表している(最大受領時÷最小エッチング後=最大エラーバー、及び最小受領時÷最大エッチング後=最小エラーバー)。結果は、容器壁が厚くなると、より大きいCDR値を示す傾向があることを示している(7~9のCDR値を結果的にもたらす1.2mm及び1.5mmの壁の容器を、2~4のCDR値を結果的にもたらす1.0mm及び1.1mmの壁の容器と比較した)。このCDR値の差異はより厚い壁のバイアルを形成するためには、より大きな熱が必要とされることと一致している。
成形したホウケイ酸容器は、米国薬局方<1660>に論じられているように、管状の容器と比較して、成形中に、はるかに少ない表面化学変化を示す。図5は、一貫して0.8~1.5にある、幅広い範囲の成形したホウケイ酸容器についてのCDRの結果を示している。試験した容器は、5~>1000mLの公称容量と、透明及び琥珀色の組成物の両方を含む。より均質な表面化学と、したがって均質な耐久性(1.0に近いCDR値)についてのこの観察は、成形した容器に関する、剥離の危険性がより低いことと一致している。
成形したソーダライムケイ酸容器(米国薬局方<660>III型)は、1.0に近いCDR値を示しており、それらの表面が化学的に均質であることが示唆される。処理したソーダライムケイ酸容器(米国薬局方<660>II型)は、1.0よりはるかに低いCDR値を示しており、それらの表面が基礎となるガラスとは大きく異なることが示唆される。ソーダライムケイ酸ガラスはI型のガラスと比較して非常に低い化学的耐久性を有する。よって、これらのガラスは多くの薬学的使用には適していない可能性がある。
剥離する管状のホウケイ酸容器の10を超える系統の試験では、6.0以上のCDR値において、容器が剥離を示す危険性が高いことを示した。加えて、6.0未満のCDR値を有する1つの容器は剥離を示したが、約5.0のCDR値を有する1つの容器は剥離を示さなかった。よって、この実施例によれば、試験したバイアルのうち6.0を超えるCDR値を有するものはすべて、剥離を示した。
理想的な条件下で作られたが、その後に硫酸アンモニウム処理されたバイアルを調べたところ、1.0~5.0など、実質的に低いCDR値を示した。上記で詳しく説明したように、処理が対象の不均一性を覆い隠してしまうことから、この方法では、硫酸塩処理したホウケイ酸容器を直接評価することはできない。CDR性能が硫酸塩処理の前に評価され、かつ、CDR値が低い場合(例えば5.0未満)、硫酸塩処理は、剥離の危険性を実質的には増加させない。しかしながら、硫酸塩処理の前に評価されたCDRの性能が高い場合(例えば、5.0超)、剥離の危険性は依然として高いままであり、これらの系統は避けるべきである。
調べた最後の系統は、「ホウ素を含まない」又は「アルミノケイ酸ガラス」組成物の管状のバイアルであった。図5に示されるように、これらの容器は、変換プロセスが耐久性の有意な低下を引き起こさなかったことを示唆する、1.0に近いCDR値を示しうる。
特許請求される主題の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される実施形態に対してさまざまな修正及び変形がなされうることは当業者にとって明白であろう。よって、本明細書は、このような修正及び変形が添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物の範囲内に入ることを条件に、本明細書に記載されるさまざまな実施形態の修正及び変形にも及ぶことが意図されている。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
複数のガラス容器の剥離の危険性を決定する方法であって、
複数のガラス容器の各ガラス容器が同様の組成及び同様の幾何学形状を有する、複数のガラス容器を得る工程;
各ガラス容器中の前記溶媒の体積が、前記ガラス容器の5.0容積%以上~前記ガラス容器の50.0容積%以下を構成するように、前記複数のガラス容器の各ガラス容器に溶媒を加える工程;
前記複数のガラス容器を90℃~130℃の温度まで加熱する工程;
前記複数のガラス容器を室温まで冷却する工程;
前記複数のガラス容器から前記溶媒を取り出し、統合して、統合溶媒を得る工程;
前記統合溶媒を滴定する工程であって、該統合溶媒の滴定に用いた滴定剤の量が、受領時の滴定量である、工程;
前記各ガラス容器の少なくとも内面をエッチング液と接触させることによって、前記複数のガラス容器の各ガラス容器をエッチングする工程であって、前記エッチングによって、0.75μm以上~15μm以下の厚さを有する、各ガラス容器の前記内面の層が除去され、それによって複数の被エッチングガラス容器を得る、工程;
前記複数の被エッチングガラス容器の各被エッチングガラス容器をすすいで、残留エッチング液を除去する工程;
各被エッチングガラス容器内の第2の溶媒の体積が、前記被エッチングガラス容器の5.0容積%以上~前記被エッチングガラス容器の50.0容積%以下を構成するように、前記複数の被エッチングガラス容器の各被エッチングガラス容器に第2の溶媒を加える工程;
前記複数の被エッチングガラス容器を90℃~130℃の温度まで加熱する工程;
前記複数の被エッチングガラス容器を室温まで冷却する工程;
前記複数の被エッチングガラス容器から前記第2の溶媒を取り出し、統合して、エッチング後の統合溶媒を得る工程;
前記エッチング後の統合溶媒を滴定する工程であって、該エッチング後の統合溶媒の滴定に用いた滴定剤の量がエッチング後の滴定量である、工程;
前記複数のガラス容器の化学耐久率(CDR)を次式によって計算する工程:
Figure 0007148217000015
を含む、方法。
実施形態2
前記複数のガラス容器の各ガラス容器に加える前記溶媒が、前記ガラス容器の8.0容積%以上~前記ガラス容器の25.0容積%以下を構成し、かつ
前記複数の被エッチングガラス容器の各被エッチングガラス容器に加える前記第2の溶媒が、前記ガラス容器の8.0容積%以上~前記被エッチングガラス容器の25.0容積%以下を構成する
ことを特徴とする、実施形態1に記載の方法。
実施形態3
前記複数のガラス容器の各ガラス容器に加える前記溶媒が、前記ガラス容器の約12.5容積%を構成し、かつ
前記複数の被エッチングガラス容器の各被エッチングガラス容器に加える前記第2の溶媒が、前記ガラス容器の約12.5容積%を構成する
ことを特徴とする、実施形態1に記載の方法。
実施形態4
前記溶媒及び前記第2の溶媒のうちの少なくとも一方が高純度水であることを特徴とする、実施形態1に記載の方法。
実施形態5
0.6未満又は1.6超のCDRを有するガラス容器を廃棄する工程をさらに含むことを特徴とする、実施形態1に記載の方法。
実施形態6
0.8未満又は1.2超のCDRを有するガラス容器を廃棄する工程をさらに含むことを特徴とする、実施形態1に記載の方法。
実施形態7
前記複数のガラス容器を構成するガラス容器の数が、10以上~300以下であることを特徴とする、実施形態1に記載の方法。
実施形態8
前記エッチングが、0.75μm以上~5μm以下の厚さを有する層を除去するために行われることを特徴とする、実施形態1に記載の方法。
実施形態9
前記CDRの決定後に、前記方法が、
(a)第2の複数のガラス容器の各ガラス容器にエッチング液を加えることによって、該第2の複数のガラス容器をエッチングする工程であって、前記エッチングにより、50nm以上~250nm以下の厚さを有する、前記第2の複数のガラス容器の各ガラス容器の内面の層を除去する、工程;
(b)前記第2の複数のガラス容器の各ガラス容器をすすいで、残留エッチング液を除去する工程;
(c)前記第2の複数のガラス容器の各ガラス容器内の第3の溶媒の体積が、前記第2の複数のガラス容器のうちの1つのガラス容器の8.0容積%以上~前記第2の複数のガラス容器のうちの1つのガラス容器の25.0容積%以下を構成するように、前記第2の複数のガラス容器の各ガラス容器に第3の溶媒を加える工程;
(d)前記第2の複数のガラス容器を90℃~130℃の温度まで加熱する工程;
(e)前記第2の複数のガラス容器を室温まで冷却する工程;
(f)前記第2の複数の被エッチングガラス容器から前記第3の溶媒を取り出し、統合して、第2のエッチング後の統合溶媒を得る工程;
(g)前記第2のエッチング後の統合溶媒を滴定する工程であって、該第2のエッチング後の統合溶媒の滴定に用いた滴定剤の量が、インターバルの滴定量である、工程;
(h)エッチングによって除去された前記ガラス容器の前記内面の全厚が、0.75μm以上~15μm以下になるまで、(a)~(g)を繰り返す工程;
(i)前記複数のガラス容器の第2の化学耐久率(CDR)を次式によって計算する工程:
Figure 0007148217000016
をさらに含むことを特徴とする、実施形態1に記載の方法。
実施形態10
前記ガラス容器が医薬品包装であることを特徴とする、実施形態1に記載の方法。
実施形態11
前記ガラス容器が、米国薬局方<660>に従うI型の耐加水分解性を有することを特徴とする、実施形態1に記載の方法。
実施形態12
前記複数のガラス容器を加熱する工程が、
前記複数のガラス容器をオートクレーブに入れる工程;
前記オートクレーブを約100℃まで加熱する工程;
前記オートクレーブを約100℃で約10分間、保持する工程;
前記オートクレーブを、毎分約1℃の速度で約100℃から約121℃まで加熱する工程;
前記オートクレーブを約121℃で約60分間、保持する工程;及び
前記オートクレーブを、毎分約0.5℃の速度で約121℃から約100℃まで冷却する工程
を含むことを特徴とする、実施形態1に記載の方法。
実施形態13
前記複数の被エッチングガラス容器を加熱する工程が、
前記複数の被エッチングガラス容器をオートクレーブ内に入れる工程;
前記オートクレーブを約100℃まで加熱する工程;
前記オートクレーブを約100℃で約10分間、保持する工程;
前記オートクレーブを毎分1℃の速度で約100℃から約121℃まで加熱する工程;
前記オートクレーブを約121℃で約60分間、保持する工程;及び
前記オートクレーブを毎分0.5℃の速度で約121℃から約100℃まで冷却する工程
を含むことを特徴とする、実施形態12に記載の方法。
実施形態14
前記統合溶媒及び前記エッチング後の統合溶媒が、0.01MのHClを用いて滴定されることを特徴とする、実施形態1に記載の方法。
実施形態15
前記複数のガラス容器が、前記ガラス容器の組成とは異なる組成を有する対象物を含み、かつ
前記方法が、
前記対象物を対象容器内に隔離する工程;
前記対象容器に対象溶媒を加える工程;
前記対象物及び前記対象溶媒を90℃~130℃の温度まで加熱する工程;
前記対象物及び前記対象溶媒を室温まで冷却する工程;
前記溶媒を統合して、統合対象溶媒を得る工程;
前記統合対象溶媒を滴定する工程であって、該統合対象溶媒の滴定に用いた滴定剤の量が対象物の滴定量である、工程;
前記対象物の滴定量に基づいて、前記CDRを調節する工程
をさらに含むことを特徴とする、実施形態1に記載の方法。
実施形態16
複数のガラス容器の剥離の危険性を決定する方法であって、
前記複数のガラス容器の各ガラス容器が同様の組成及び同様の幾何学形状を有する、複数のガラス容器を得る工程;
各ガラス容器中の前記溶媒の体積が、前記ガラス容器の5.0容積%以上~前記ガラス容器の50.0容積%以下を構成するように、前記複数のガラス容器の各ガラス容器に溶媒を加える工程;
前記複数のガラス容器の各ガラス容器を防水プラグで閉栓する工程;
前記複数のガラス容器の各ガラス容器を倒立させる工程;
前記複数のガラス容器を90℃~130℃の温度まで加熱する工程;
前記複数のガラス容器を室温まで冷却する工程;
前記複数のガラス容器から前記溶媒を取り出し、統合して、統合溶媒を得る工程;
前記統合溶媒を滴定する工程であって、該統合溶媒の滴定に用いた滴定剤の量が、受領時の滴定量である、工程;
エッチング液を各ガラス容器の少なくとも内面と接触させることによって、前記複数のガラス容器の各ガラス容器をエッチングする工程であって、前記エッチングによって、0.75μm以上~15μm以下の厚さを有する、各ガラス容器の前記内面の層を除去し、それによって複数の被エッチングガラス容器を得る、工程;
前記複数の被エッチングガラス容器の各被エッチングガラス容器をすすいで、残留エッチング液を除去する工程;
各被エッチングガラス容器内の第2の溶媒の体積が、前記被エッチングガラス容器の5.0容積%以上~前記被エッチングガラス容器の50.0容積%以下を構成するように、前記複数の被エッチングガラス容器の各被エッチングガラス容器に第2の溶媒を加える工程;
前記複数のガラス容器の各ガラス容器を防水プラグで閉栓する工程;
前記複数のガラス容器の各ガラス容器を倒立させる工程;
前記複数の被エッチングガラス容器を90℃~130℃の温度まで加熱する工程;
前記複数の被エッチングガラス容器を室温まで冷却する工程;
前記防水プラグを取り外し、かつ前記複数の被エッチングガラス容器からの前記第2の溶媒を統合して、エッチング後の統合溶媒を得る工程;
前記エッチング後の統合溶媒を滴定する工程であって、該エッチング後の統合溶媒の滴定に用いた滴定剤の量がエッチング後の滴定量である、工程;
前記複数のガラス容器の化学耐久率(CDR)を次式によって計算する工程:
Figure 0007148217000017
を含む、方法。
実施形態17
前記複数のガラス容器の各ガラス容器に加える前記溶媒が、前記ガラス容器の8.0容積%以上~前記ガラス容器の25.0容積%以下を構成し、かつ
前記複数の被エッチングガラス容器の各被エッチングガラス容器に加える前記第2の溶媒が、前記ガラス容器の8.0容積%以上~前記被エッチングガラス容器の25.0容積%以下を構成する
ことを特徴とする、実施形態16に記載の方法。
実施形態18
前記複数のガラス容器の各ガラス容器に加える前記溶媒が、前記ガラス容器の約12.5容積%を構成し、かつ
前記複数の被エッチングガラス容器の各被エッチングガラス容器に加える前記第2の溶媒が、前記ガラス容器の約12.5容積%を構成する
ことを特徴とする、実施形態16に記載の方法。
実施形態19
0.6未満又は1.6超のCDRを有するガラス容器を廃棄する工程をさらに含むことを特徴とする、実施形態16に記載の方法。
実施形態20
前記エッチングが、0.85μm以上~1.15μm以下の厚さを有する層を除去するために行われることを特徴とする、実施形態16に記載の方法。
実施形態21
複数のガラス製医薬品容器の剥離の危険性を決定する方法であって、
形成時の状態における前記複数のガラス製医薬品容器の特性を、エッチング後の状態における前記複数のガラス製医薬品容器の特性と比較することによって、化学耐久率(CDR)を計算する工程;及び
前記CDRが3.0以上の場合に、前記複数のガラス製医薬品容器に対して剥離の危険性が高いと評価する工程
を含む、方法。
実施形態22
前記複数のガラス製医薬品容器の各ガラス製医薬品容器が、同様の組成及び同様の幾何学形状を有し、かつ
前記CDRを計算する工程が、
各ガラス製医薬品容器内の溶媒の体積が、前記ガラス製医薬品容器の5.0容積%以上~前記ガラス製医薬品容器の50.0容積%以下を構成するように、前記複数のガラス製医薬品容器の各ガラス製医薬品容器に溶媒を加える工程;
前記複数のガラス製医薬品容器を90℃~130℃の温度まで加熱する工程;
前記複数のガラス製医薬品容器を室温まで冷却する工程;
前記複数のガラス製医薬品容器から前記溶媒を取り出し、統合して、統合溶媒を得る工程;
前記統合溶媒を滴定する工程であって、該統合溶媒の滴定に用いた滴定剤の量が、受領時の滴定量である、工程;
前記各ガラス製医薬品容器の少なくとも内面をエッチング液と接触させることによって、前記複数のガラス製医薬品容器の各ガラス製医薬品容器をエッチングする工程であって、前記エッチングによって、0.75μm以上~15μm以下の厚さを有する、各ガラス製医薬品容器の前記内面の層を除去し、それによって複数のエッチングしたガラス製医薬品容器を得る、工程;
前記複数のエッチングしたガラス製医薬品容器の各エッチングしたガラス製医薬品容器をすすいで、残留エッチング液を除去する工程;
各エッチングしたガラス製医薬品容器内の第2の溶媒の体積が、前記エッチングしたガラス製医薬品容器の5.0容積%以上~前記エッチングしたガラス製医薬品容器の50.0容積%以下を構成するように、前記複数のエッチングしたガラス製医薬品容器の各エッチングしたガラス製医薬品容器に第2の溶媒を加える工程;
前記複数のエッチングしたガラス製医薬品容器を90℃~130℃の温度まで加熱する工程;
前記複数のエッチングしたガラス製医薬品容器を室温まで冷却する工程;
前記複数のエッチングしたガラス製医薬品容器から前記第2の溶媒を取り出し、統合して、エッチング後の統合溶媒を得る工程;
前記エッチング後の統合溶媒を滴定する工程であって、該エッチング後の統合溶媒の滴定に用いた滴定剤の量がエッチング後の滴定量である、工程;
前記複数のガラス製医薬品容器のCDRを次式によって計算する工程:
Figure 0007148217000018
を含む
ことを特徴とする、実施形態21に記載の方法。
実施形態23
前記複数のガラス製医薬品容器の各ガラス製医薬品容器に加えた前記溶媒が、前記ガラス製医薬品容器の8.0容積%以上~前記ガラス製医薬品容器の25.0容積%以下を構成し、かつ
前記複数のエッチングしたガラス製医薬品容器の各エッチングしたガラス製医薬品容器に加える前記第2の溶媒が、前記ガラス製医薬品容器の8.0容積%以上~前記エッチングしたガラス製医薬品容器の25.0容積%以下を構成する
ことを特徴とする、実施形態22に記載の方法。
実施形態24
前記複数のガラス製医薬品容器の各ガラス製医薬品容器に加えた前記溶媒が、前記ガラス製医薬品容器の約12.5容積%を構成し、かつ
前記複数のエッチングしたガラス製医薬品容器の各エッチングしたガラス製医薬品容器に加える前記第2の溶媒が、前記ガラス製医薬品容器の約12.5容積%を構成する
ことを特徴とする、実施形態22に記載の方法。
実施形態25
前記溶媒及び前記第2の溶媒のうちの少なくとも一方が高純度水であることを特徴とする、実施形態22に記載の方法。
実施形態26
0.6未満又は1.6超のCDRを有するガラス製医薬品容器を廃棄する工程をさらに含むことを特徴とする、実施形態21に記載の方法。
実施形態27
0.8未満又は1.2超のCDRを有するガラス製医薬品容器を廃棄する工程をさらに含むことを特徴とする、実施形態21に記載の方法。
実施形態28
前記複数のガラス製医薬品容器を含むガラス製医薬品容器の数が、10以上~300以下であることを特徴とする、実施形態21に記載の方法。
実施形態29
前記エッチングが、0.75μm以上~5μm以下の厚さを有する層を除去するために行われることを特徴とする、実施形態22に記載の方法。
実施形態30
前記CDRの決定後に、前記方法が、
(a)第2の複数のガラス製医薬品容器の各ガラス製医薬品容器にエッチング液を加えることによって、第2の複数のガラス製医薬品容器をエッチングする工程であって、前記エッチングによって、50nm以上~250nm以下の厚さを有する、前記第2の複数のガラス製医薬品容器の各ガラス製医薬品容器の内面の層を除去する、工程;
(b)前記第2の複数のガラス製医薬品容器の各ガラス製医薬品容器をすすいで、残留エッチング液を除去する工程;
(c)前記第2の複数のガラス製医薬品容器の各ガラス製医薬品容器中の第3の溶媒の容積が、前記第2の複数のガラス製医薬品容器の1つのガラス製医薬品容器の8.0容積%以上~前記第2の複数の前記ガラス製医薬品容器の1つのガラス製医薬品容器の25.0容積%以下を構成するように、前記第2の複数のガラス製医薬品容器の各ガラス製医薬品容器に、第3の溶媒を加える工程;
(d)前記第2の複数のガラス製医薬品容器を90℃~130℃の温度まで加熱する工程;
(e)前記第2の複数のガラス製医薬品容器を室温まで冷却する工程;
(f)前記第2の複数のエッチングしたガラス製医薬品容器から前記第3の溶媒を取り出し、統合して、第2のエッチング後の統合溶媒を得る工程;
(g)前記第2のエッチング後の統合溶媒を滴定する工程であって、該第2のエッチング後の統合溶媒の滴定に用いた滴定剤の量が、インターバルの滴定量である、工程;
(h)エッチングによって除去された前記ガラス製医薬品容器の前記内面の全厚が0.75μm以上~15μm以下になるまで、(a)~(g)を繰り返す工程;
(i)前記複数のガラス製医薬品容器の第2の化学耐久率(CDR)を次式によって計算する工程:
Figure 0007148217000019
をさらに含むことを特徴とする、実施形態22に記載の方法。
実施形態31
前記ガラス製医薬品容器が、米国薬局方<660>に従うI型の耐加水分解性を有することを特徴とする、実施形態21に記載の方法。
実施形態32
前記複数のガラス製医薬品容器を加熱する工程が、
前記複数のガラス製医薬品容器をオートクレーブに入れる工程;
前記オートクレーブを約100℃まで加熱する工程;
前記オートクレーブを約100℃で約10分間、保持する工程;
前記オートクレーブを、毎分約1℃の速度で約100℃から約121℃まで加熱する工程;
前記オートクレーブを約121℃で約60分間、保持する工程;及び
前記オートクレーブを、毎分約0.5℃の速度で約121℃から約100℃まで冷却する工程
を含むことを特徴とする、実施形態22に記載の方法。
実施形態33
前記複数のエッチングしたガラス製医薬品容器を加熱する工程が、
前記複数のエッチングしたガラス製医薬品容器をオートクレーブに入れる工程;
前記オートクレーブを約100℃まで加熱する工程;
前記オートクレーブを約100℃で約10分間、保持する工程;
前記オートクレーブを毎分1℃の速度で約100℃から約121℃まで加熱する工程;
前記オートクレーブを約121℃で約60分間、保持する工程;及び
前記オートクレーブを毎分0.5℃の速度で約121℃から約100℃まで冷却する工程
を含むことを特徴とする、実施形態32に記載の方法。
実施形態34
前記統合溶媒及び前記エッチング後の統合溶媒が、0.01MのHClを用いて滴定されることを特徴とする、実施形態22に記載の方法。
実施形態35
前記複数のガラス製医薬品容器が、前記ガラス製医薬品容器の組成とは異なる組成を有する対象物を含み、かつ
前記方法が、
前記対象物を対象容器内に隔離する工程;
前記対象容器に対象溶媒を加える工程;
前記対象物及び前記対象溶媒を90℃~130℃の温度まで加熱する工程;
前記対象物及び対象溶媒を室温まで冷却する工程;
前記溶媒を統合して、統合対象溶媒を得る工程;
前記統合対象溶媒を滴定する工程であって、該統合対象溶媒の滴定に用いた滴定剤の量が対象物の滴定量である、工程;及び
前記対象物の滴定量に基づいて、前記CDRを調節する工程
をさらに含むことを特徴とする、実施形態22に記載の方法。
100 ガラス容器
102 ガラス本体
104 内面
105 内面層
106 外面
108 内容積
110 壁領域
112 ベース領域
114 ヒール領域
116 ショルダー領域

Claims (10)

  1. 複数のガラス製医薬品容器の剥離の危険性を決定する方法であって、
    形成時の状態における前記複数のガラス製医薬品容器の特性を、エッチング後の状態における前記複数のガラス製医薬品容器の特性と比較して、前記複数のガラス製医薬品容器の化学耐久率(CDR)を次式によって計算する工程:
    Figure 0007148217000020
    ;及び
    前記CDRが3.0以上の場合に、前記複数のガラス製医薬品容器に対して剥離の危険性が高いと評価する工程
    を含む、方法。
  2. 前記複数のガラス製医薬品容器の各ガラス製医薬品容器が、同様の組成及び同様の幾何学形状を有し、かつ
    前記CDRを計算する工程が、
    各ガラス製医薬品容器内の溶媒の体積が、前記ガラス製医薬品容器の5.0容積%以上~前記ガラス製医薬品容器の50.0容積%以下を構成するように、前記複数のガラス製医薬品容器の各ガラス製医薬品容器に溶媒を加える工程;
    前記複数のガラス製医薬品容器を90℃~130℃の温度まで加熱する工程;
    前記複数のガラス製医薬品容器を室温まで冷却する工程;
    前記複数のガラス製医薬品容器から前記溶媒を取り出し、統合して、統合溶媒を得る工程;
    前記統合溶媒を滴定する工程であって、該統合溶媒の滴定に用いた滴定剤の量、受領時の滴定量と定義する、工程;
    前記各ガラス製医薬品容器の少なくとも内面をエッチング液と接触させることによって、前記複数のガラス製医薬品容器の各ガラス製医薬品容器をエッチングする工程であって、前記エッチングによって、0.75μm以上~15μm以下の厚さを有する、各ガラス製医薬品容器の前記内面の層を除去し、それによって複数のエッチングしたガラス製医薬品容器を得る、工程;
    前記複数のエッチングしたガラス製医薬品容器の各エッチングしたガラス製医薬品容器をすすいで、残留エッチング液を除去する工程;
    各エッチングしたガラス製医薬品容器内の第2の溶媒の体積が、前記エッチングしたガラス製医薬品容器の5.0容積%以上~前記エッチングしたガラス製医薬品容器の50.0容積%以下を構成するように、前記複数のエッチングしたガラス製医薬品容器の各エッチングしたガラス製医薬品容器に第2の溶媒を加える工程;
    前記複数のエッチングしたガラス製医薬品容器を90℃~130℃の温度まで加熱する工程;
    前記複数のエッチングしたガラス製医薬品容器を室温まで冷却する工程;
    前記複数のエッチングしたガラス製医薬品容器から前記第2の溶媒を取り出し、統合して、エッチング後の統合溶媒を得る工程;
    前記エッチング後の統合溶媒を滴定する工程であって、該エッチング後の統合溶媒の滴定に用いた滴定剤の量をエッチング後の滴定量と定義する、工程
    含む
    ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記複数のガラス製医薬品容器の各ガラス製医薬品容器に加えた前記溶媒が、前記ガラス製医薬品容器の8.0容積%以上~前記ガラス製医薬品容器の25.0容積%以下を構成し、かつ
    前記複数のエッチングしたガラス製医薬品容器の各エッチングしたガラス製医薬品容器に加える前記第2の溶媒が、前記エッチングしたガラス製医薬品容器の8.0容積%以上~前記エッチングしたガラス製医薬品容器の25.0容積%以下を構成する
    ことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  4. 前記CDRの決定後に、前記方法が、
    (a)第2の複数のガラス製医薬品容器の各ガラス製医薬品容器にエッチング液を加えることによって、第2の複数のガラス製医薬品容器をエッチングする工程であって、前記エッチングによって、50nm以上~250nm以下の厚さを有する、前記第2の複数のガラス製医薬品容器の各ガラス製医薬品容器の内面の層を除去する、工程;
    (b)前記第2の複数のガラス製医薬品容器の各ガラス製医薬品容器をすすいで、残留エッチング液を除去する工程;
    (c)前記第2の複数のガラス製医薬品容器の各ガラス製医薬品容器中の第3の溶媒の容積が、前記第2の複数のガラス製医薬品容器の1つのガラス製医薬品容器の8.0容積%以上~前記第2の複数の前記ガラス製医薬品容器の1つのガラス製医薬品容器の25.0容積%以下を構成するように、前記第2の複数のガラス製医薬品容器の各ガラス製医薬品容器に第3の溶媒を加える工程;
    (d)前記第2の複数のガラス製医薬品容器を90℃~130℃の温度まで加熱する工程;
    (e)前記第2の複数のガラス製医薬品容器を室温まで冷却する工程;
    (f)前記第2の複数のガラス製医薬品容器から前記第3の溶媒を取り出し、統合して、第2のエッチング後の統合溶媒を得る工程;
    (g)前記第2のエッチング後の統合溶媒を滴定する工程であって、該第2のエッチング後の統合溶媒の滴定に用いた滴定剤の量を、インターバルの滴定量と定義する、工程;
    (h)エッチングによって除去された前記ガラス製医薬品容器の前記内面の全厚が0.75μm以上~15μm以下になるまで、(a)~(g)を繰り返す工程;
    (i)前記複数のガラス製医薬品容器の第2の化学耐久率(CDR)を次式によって計算する工程:
    Figure 0007148217000021
    をさらに含むことを特徴とする、請求項2又は3に記載の方法。
  5. 前記複数のガラス製医薬品容器を加熱する工程が、
    前記複数のガラス製医薬品容器をオートクレーブに入れる工程;
    前記オートクレーブを100℃まで加熱する工程;
    前記オートクレーブを100℃で10分間、保持する工程;
    前記オートクレーブを、毎分1℃の速度で100℃から121℃まで加熱する工程;
    前記オートクレーブを121℃で60分間、保持する工程;及び
    前記オートクレーブを、毎分0.5℃の速度で121℃から100℃まで冷却する工程
    を含むことを特徴とする、請求項2~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記複数のエッチングしたガラス製医薬品容器を加熱する工程が、
    前記複数のエッチングしたガラス製医薬品容器をオートクレーブに入れる工程;
    前記オートクレーブを100℃まで加熱する工程;
    前記オートクレーブを100℃で10分間、保持する工程;
    前記オートクレーブを毎分1℃の速度で100℃から121℃まで加熱する工程;
    前記オートクレーブを121℃で60分間、保持する工程;及び
    前記オートクレーブを毎分0.5℃の速度で121℃から100℃まで冷却する工程
    を含むことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  7. 前記統合溶媒及び前記エッチング後の統合溶媒が、0.01MのHClを用いて滴定されることを特徴とする、請求項2~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記複数のガラス製医薬品容器が、前記ガラス製医薬品容器の組成とは異なる組成を有する対象物を含み、かつ
    前記方法が、
    前記対象物を対象容器内に隔離する工程;
    前記対象容器に対象溶媒を加える工程;
    前記対象物及び前記対象溶媒を90℃~130℃の温度まで加熱する工程;
    前記対象物及び対象溶媒を室温まで冷却する工程;
    前記溶媒を統合して、統合対象溶媒を得る工程;
    前記統合対象溶媒を滴定する工程であって、該統合対象溶媒の滴定に用いた滴定剤の量を対象物の滴定量と定義する、工程;及び
    前記対象物の滴定量をブランクとして、前記CDRから差し引く工程
    をさらに含むことを特徴とする、請求項2~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記複数のガラス製医薬品容器の各ガラス製医薬品容器に加えた前記溶媒が、前記ガラス製医薬品容器の12.5容積%を構成し、かつ
    前記複数のエッチングしたガラス製医薬品容器の各エッチングしたガラス製医薬品容器に加える前記第2の溶媒が、前記ガラス製医薬品容器の12.5容積%を構成する
    ことを特徴とする、請求項2~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 0.6未満又は1.6超のCDRを有するガラス製医薬品容器を廃棄する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
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