JP7147748B2 - 肉又は豆の焦げ風味を付与するための組成物 - Google Patents

肉又は豆の焦げ風味を付与するための組成物 Download PDF

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Description

本発明は、肉又は豆の焦げ風味を付与するために好適に用いられる組成物、加熱調理香を付与するために好適に用いられる組成物、塩味、スパイス感及び甘味からなる群より選択される少なくとも一つを増強するために好適に用いられる組成物、並びに、不快臭をマスキングするために好適に用いられる組成物に関する。また、本発明は当該組成物等を利用した食品の製造方法に関する。さらに本発明は、当該組成物等を利用した肉又は豆の焦げ風味の付与方法、加熱調理香の付与方法、塩味、スパイス感及び甘味からなる群より選択される少なくとも一つの増強方法、並びに、不快臭のマスキング方法に関する。
食品に付与され得る風味の一つとして、加熱調理により発現する風味がある。当該風味は、一般に、食品を加熱したときに、これに含有されている成分が分解されたり、あるいは当該成分同士で反応したりすることによって、加熱前には存在しなかった揮発性物質等が発生した結果、発現すると考えられている。
加熱調理により発現する風味を得るために、例えば、アミノ-カルボニル反応やカラメル化反応等が利用されており、いわゆる「リアクションフレーバー」として多くの技術が知られている(非特許文献1~3)。しかしながら、これらの技術における反応の多くは水溶液中で行われるため、「炒め」や「焼き」等の高温加熱により発現する風味を再現することは困難であった。
高温加熱により発現する風味を得る技術として、水をなるべく使用しない粉体系でのアミノ-カルボニル反応を利用する方法が報告されている(特許文献1)。当該方法によればアミノ-カルボニル反応を利用してフレーバー組成物を調製し得るが、用いられる材料が粉体であるため、調製に所定の装置が必要になるという問題や、反応の制御が容易でないという問題がある。また、風味を付与する食品に応じて組成や調製条件を調整する必要があるという問題や、所望の風味以外の香気成分も副成されるため使用範囲が限定されるという問題もある。
特開2005-198505号公報
M.A. J.S. van Boekel, Biotechnology Advances 24 (2006), pp230-233 Food Chemistry 4th revised and extended ed. pp 270-283, H.-D. Belitz ・ W. Grosch ・ P. Schieberle, Springer-Verlag BerlinHeidelberg 2009 Food Chemistry 4th revised and extended ed. pp 360-374, H.-D. Belitz ・ W. Grosch ・ P. Schieberle, Springer-Verlag BerlinHeidelberg 2009
本発明者らは、加熱調理により発現する風味について鋭意検討した結果、肉又は豆の焦げ風味が、加熱調理により発現する風味を構成する主要な要素の一つであることを見出した。
本発明は、加熱調理により発現する風味の主要な構成要素の一つである肉又は豆の焦げ風味を食品に付与できる組成物、肉又は豆の焦げ風味の付与方法等の提供を目的とする。
また本発明は、加熱調理香(例えば、焼成感、油調感等)を食品に付与できる組成物、塩味、スパイス感、甘味を増強できる組成物、不快臭をマスキングできる組成物、加熱調理香(例えば、焼成感、油調感等)の付与方法、塩味、スパイス感、甘味の増強方法、不快臭のマスキング方法等の提供も目的とする。
本発明者らは、上述の課題を解決するべく種々検討した結果、特定の化合物を組み合わせることによって、肉又は豆の焦げ風味を食品に付与し得ることを見出した。
さらに本発明者らは、当該特定の化合物の組み合わせが、加熱調理香(例えば、焼成感、油調感)を付与し得ること、塩味、スパイス感、甘味を増強し得ること、また不快臭をマスキングし得ることも見出した。
本発明者らは、これらの知見に基づいてさらに研究を重ねることによって、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
[1](A)1-フルフリルピロールと、
(B1)グアヤコール、(B2)4-エチルフェノール及び(B3)フルフリルメチルジスルフィドからなる群より選択される少なくとも一つと、
(C1)2-プロピルピラジン、(C2)6,7-ジヒドロ-5-メチル-5H-シクロペンタピラジン、(C3)2-アセチル-3,5(6)-ジメチルピラジン、(C4)2-エチルピラジン、(C5)2,3-ジメチルピラジン及び(C6)2,3-ジエチルピラジンからなる群より選択される少なくとも一つと
を含有する組成物。
[2]食品における(A)の濃度が0.00001~150重量ppmとなるように食品に添加される、[1]記載の組成物。
[3](B1)を含有し、食品における(B1)の濃度が0.00002~50重量ppmとなるように食品に添加される、[1]又は[2]記載の組成物。
[4](B2)を含有し、食品における(B2)の濃度が0.00002~50重量ppmとなるように食品に添加される、[1]~[3]のいずれか一つに記載の組成物。
[5](B3)を含有し、食品における(B3)の濃度が0.000001~5重量ppmとなるように食品に添加される、[1]~[4]のいずれか一つに記載の組成物。
[6](C1)を含有し、食品における(C1)の濃度が0.00005~100重量ppmとなるように食品に添加される、[1]~[5]のいずれか一つに記載の組成物。
[7](C2)を含有し、食品における(C2)の濃度が0.00002~50重量ppmとなるように食品に添加される、[1]~[6]のいずれか一つに記載の組成物。
[8](C3)を含有し、食品における(C3)の濃度が0.0001~150重量ppmとなるように食品に添加される、[1]~[7]のいずれか一つに記載の組成物。
[9](C4)を含有し、食品における(C4)の濃度が0.0001~150重量ppmとなるように食品に添加される、[1]~[8]のいずれか一つに記載の組成物。
[10](C5)を含有し、食品における(C5)の濃度が0.0001~150重量ppmとなるように食品に添加される、[1]~[9]のいずれか一つに記載の組成物。
[11](C6)を含有し、食品における(C6)の濃度が0.00001~15重量ppmとなるように食品に添加される、[1]~[10]のいずれか一つに記載の組成物。
[12](B1)を含有し、(A)の含有量と(B1)の含有量の重量比(A:B1)が、1:0.00014~18000である、[1]~[11]のいずれか一つに記載の組成物。
[13](B2)を含有し、(A)の含有量と(B2)の含有量の重量比(A:B2)が、1:0.00014~18000である、[1]~[12]のいずれか一つに記載の組成物。
[14](B3)を含有し、(A)の含有量と(B3)の含有量の重量比(A:B3)が、1:0.000005~800である、[1]~[13]のいずれか一つに記載の組成物。
[15](C1)を含有し、(A)の含有量と(C1)の含有量の重量比(A:C1)が、1:0.0003~40000である、[1]~[14]のいずれか一つに記載の組成物。
[16](C2)を含有し、(A)の含有量と(C2)の含有量の重量比(A:C2)が、1:0.00014~18000である、[1]~[15]のいずれか一つに記載の組成物。
[17](C3)を含有し、(A)の含有量と(C3)の含有量の重量比(A:C3)が、1:0.0008~120000である、[1]~[16]のいずれか一つに記載の組成物。
[18](C4)を含有し、(A)の含有量と(C4)の含有量の重量比(A:C4)が、1:0.0008~120000である、[1]~[17]のいずれか一つに記載の組成物。
[19](C5)を含有し、(A)の含有量と(C5)の含有量の重量比(A:C5)が、1:0.0006~100000である、[1]~[18]のいずれか一つに記載の組成物。
[20](C6)を含有し、(A)の含有量と(C6)の含有量の重量比(A:C6)が、1:0.0001~14000である、[1]~[19]のいずれか一つに記載の組成物。
[21]肉又は豆の焦げ風味付与用である、[1]~[20]のいずれか一つに記載の組成物。
[22]加熱調理香付与用である、[1]~[20]のいずれか一つに記載の組成物。
[23]加熱調理香付与が、焼成感及び油調感からなる群より選択される少なくとも一つの付与である、[22]記載の組成物。
[24]塩味、スパイス感及び甘味からなる群より選択される少なくとも一つの増強用である、[1]~[20]のいずれか一つに記載の組成物。
[25]不快臭のマスキング用である、[1]~[20]のいずれか一つに記載の組成物。
[26][1]~[25]のいずれか一つに記載の組成物を含有する食品。
[27](A)1-フルフリルピロールと、
(B1)グアヤコール、(B2)4-エチルフェノール及び(B3)フルフリルメチルジスルフィドからなる群より選択される少なくとも一つと、
(C1)2-プロピルピラジン、(C2)6,7-ジヒドロ-5-メチル-5H-シクロペンタピラジン、(C3)2-アセチル-3,5(6)-ジメチルピラジン、(C4)2-エチルピラジン、(C5)2,3-ジメチルピラジン及び(C6)2,3-ジエチルピラジンからなる群より選択される少なくとも一つと
を添加することを含む、食品の製造方法。
[28]食品における(A)の濃度が0.00001~150重量ppmとなるように(A)を添加する、[27]記載の方法。
[29]食品における(B1)の濃度が0.00002~50重量ppmとなるように(B1)を添加することを含む、[27]又は[28]記載の方法。
[30]食品における(B2)の濃度が0.00002~50重量ppmとなるように(B2)を添加することを含む、[27]~[29]のいずれか一つに記載の方法。
[31]食品における(B3)の濃度が0.000001~5重量ppmとなるように(B3)を添加することを含む、[27]~[30]のいずれか一つに記載の方法。
[32]食品における(C1)の濃度が0.00005~100重量ppmとなるように(C1)を添加することを含む、[27]~[31]のいずれか一つに記載の方法。
[33]食品における(C2)の濃度が0.00002~50重量ppmとなるように(C2)を添加することを含む、[27]~[32]のいずれか一つに記載の方法。
[34]食品における(C3)の濃度が0.0001~150重量ppmとなるように(C3)を添加することを含む、[27]~[33]のいずれか一つに記載の方法。
[35]食品における(C4)の濃度が0.0001~150重量ppmとなるように(C4)を添加することを含む、[27]~[34]のいずれか一つに記載の方法。
[36]食品における(C5)の濃度が0.0001~150重量ppmとなるように(C5)を添加することを含む、[27]~[35]のいずれか一つに記載の方法。
[37]食品における(C6)の濃度が0.00001~15重量ppmとなるように(C6)を添加することを含む、[27]~[36]のいずれか一つに記載の方法。
[38](B1)を添加することを含み、(A)の添加量と(B1)の添加量の重量比(A:B1)が、1:0.00014~18000である、[27]~[37]のいずれか一つに記載の方法。
[39](B2)を添加することを含み、(A)の添加量と(B2)の添加量の重量比(A:B2)が、1:0.00014~18000である、[27]~[38]のいずれか一つに記載の方法。
[40](B3)を添加することを含み、(A)の添加量と(B3)の添加量の重量比(A:B3)が、1:0.000005~800である、[27]~[39]のいずれか一つに記載の方法。
[41](C1)を添加することを含み、(A)の添加量と(C1)の添加量の重量比(A:C1)が、1:0.0003~40000である、[27]~[40]のいずれか一つに記載の方法。
[42](C2)を添加することを含み、(A)の添加量と(C2)の添加量の重量比(A:C2)が、1:0.00014~18000である、[27]~[41]のいずれか一つに記載の方法。
[43](C3)を添加することを含み、(A)の添加量と(C3)の添加量の重量比(A:C3)が、1:0.0008~120000である、[27]~[42]のいずれか一つに記載の方法。
[44](C4)を添加することを含み、(A)の添加量と(C4)の添加量の重量比(A:C4)が、1:0.0008~120000である、[27]~[43]のいずれか一つに記載の方法。
[45](C5)を添加することを含み、(A)の添加量と(C5)の添加量の重量比(A:C5)が、1:0.0006~100000である、[27]~[44]のいずれか一つに記載の方法。
[46](C6)を添加することを含み、(A)の添加量と(C6)の添加量の重量比(A:C6)が、1:0.0001~14000である、[27]~[45]のいずれか一つに記載の方法。
[47]食品が、肉又は豆の焦げ風味が付与された食品である、[27]~[46]のいずれか一つに記載の方法。
[48]食品が、加熱調理香が付与された食品である、[27]~[46]のいずれか一つに記載の方法。
[49]加熱調理香が付与された食品が、焼成感及び油調感からなる群より選択される少なくとも一つが付与された食品である、[48]記載の方法。
[50]食品が、塩味、スパイス感及び甘味からなる群より選択される少なくとも一つが増強された食品である、[27]~[46]のいずれか一つに記載の方法。
[51]食品が、不快臭がマスキングされた食品である、[27]~[46]のいずれか一つに記載の方法。
[52](A)1-フルフリルピロールと、
(B1)グアヤコール、(B2)4-エチルフェノール及び(B3)フルフリルメチルジスルフィドからなる群より選択される少なくとも一つと、
(C1)2-プロピルピラジン、(C2)6,7-ジヒドロ-5-メチル-5H-シクロペンタピラジン、(C3)2-アセチル-3,5(6)-ジメチルピラジン、(C4)2-エチルピラジン、(C5)2,3-ジメチルピラジン及び(C6)2,3-ジエチルピラジンからなる群より選択される少なくとも一つと
を添加することを含む、肉又は豆の焦げ風味の付与方法;加熱調理香の付与方法(好ましくは、焼成感及び油調感からなる群より選択される少なくとも一つの付与方法);塩味、スパイス感及び甘味からなる群より選択される少なくとも一つの増強方法;不快臭のマスキング方法。
[53]食品における(A)の濃度が0.00001~150重量ppmとなるように(A)を食品に添加する、[52]記載の方法。
[54]食品における(B1)の濃度が0.00002~50重量ppmとなるように(B1)を食品に添加することを含む、[52]又は[53]記載の方法。
[55]食品における(B2)の濃度が0.00002~50重量ppmとなるように(B2)を食品に添加することを含む、[52]~[54]のいずれか一つに記載の方法。
[56]食品における(B3)の濃度が0.000001~5重量ppmとなるように(B3)を食品に添加することを含む、[52]~[55]のいずれか一つに記載の方法。
[57]食品における(C1)の濃度が0.00005~100重量ppmとなるように(C1)を食品に添加することを含む、[52]~[56]のいずれか一つに記載の方法。
[58]食品における(C2)の濃度が0.00002~50重量ppmとなるように(C2)を食品に添加することを含む、[52]~[57]のいずれか一つに記載の方法。
[59]食品における(C3)の濃度が0.0001~150重量ppmとなるように(C3)を食品に添加することを含む、[52]~[58]のいずれか一つに記載の方法。
[60]食品における(C4)の濃度が0.0001~150重量ppmとなるように(C4)を食品に添加することを含む、[52]~[59]のいずれか一つに記載の方法。
[61]食品における(C5)の濃度が0.0001~150重量ppmとなるように(C5)を食品に添加することを含む、[52]~[60]のいずれか一つに記載の方法。
[62]食品における(C6)の濃度が0.00001~15重量ppmとなるように(C6)を食品に添加することを含む、[52]~[61]のいずれか一つに記載の方法。
[63](B1)を添加することを含み、(A)の添加量と(B1)の添加量の重量比(A:B1)が、1:0.00014~18000である、[52]~[62]のいずれか一つに記載の方法。
[64](B2)を添加することを含み、(A)の添加量と(B2)の添加量の重量比(A:B2)が、1:0.00014~18000である、[52]~[63]のいずれか一つに記載の方法。
[65](B3)を添加することを含み、(A)の添加量と(B3)の添加量の重量比(A:B3)が、1:0.000005~800である、[52]~[64]のいずれか一つに記載の方法。
[66](C1)を添加することを含み、(A)の添加量と(C1)の添加量の重量比(A:C1)が、1:0.0003~40000である、[52]~[65]のいずれか一つに記載の方法。
[67](C2)を添加することを含み、(A)の添加量と(C2)の添加量の重量比(A:C2)が、1:0.00014~18000である、[52]~[66]のいずれか一つに記載の方法。
[68](C3)を添加することを含み、(A)の添加量と(C3)の添加量の重量比(A:C3)が、1:0.0008~120000である、[52]~[67]のいずれか一つに記載の方法。
[69](C4)を添加することを含み、(A)の添加量と(C4)の添加量の重量比(A:C4)が、1:0.0008~120000である、[52]~[68]のいずれか一つに記載の方法。
[70](C5)を添加することを含み、(A)の添加量と(C5)の添加量の重量比(A:C5)が、1:0.0006~100000である、[52]~[69]のいずれか一つに記載の方法。
[71](C6)を添加することを含み、(A)の添加量と(C6)の添加量の重量比(A:C6)が、1:0.0001~14000である、[52]~[70]のいずれか一つに記載の方法。
本発明によれば、肉又は豆の焦げ風味を付与できる組成物を提供できる。
本発明によれば、肉又は豆の焦げ風味が付与された食品の製造方法、並びに肉又は豆の焦げ風味の付与方法を提供できる。
また本発明によれば、肉又は豆の焦げ風味を食品に付与できるため、加熱調理により発現する風味(加熱調理香)を効果的に付与された食品を提供できる。
本発明によれば、焼成感及び油調感からなる群より選択される少なくとも一つが付与された食品を提供できる。
本発明によれば、塩味、スパイス感及び甘味からなる群より選択される少なくとも一つが増強された食品、不快臭がマスキングされた食品を提供できる。
本発明の組成物は、特定の化合物を混合することにより得られるため、当業者において一般に利用されている装置で製造でき、その製造条件も容易に制御できる。
さらに、本発明の組成物は特定の化合物を含有するものであり、食品の種類に応じて組成を調整する必要がないため、様々な食品に広く利用できる。
(本発明の組成物)
本発明の組成物は、(A)1-フルフリルピロール(CAS登録番号:1438-94-4、本明細書において単に「(A)」と称する場合がある)と、(B1)グアヤコール(CAS登録番号:90-05-1、本明細書において単に「(B1)」と称する場合がある)、(B2)4-エチルフェノール(CAS登録番号:123-07-9、本明細書において単に「(B2)」と称する場合がある)及び(B3)フルフリルメチルジスルフィド(CAS登録番号:57500-00-2、本明細書において単に「(B3)」と称する場合がある)からなる群より選択される少なくとも一つと、(C1)2-プロピルピラジン(CAS登録番号:18138-03-9、本明細書において単に「(C1)」と称する場合がある)、(C2)6,7-ジヒドロ-5-メチル-5H-シクロペンタピラジン(CAS登録番号:23747-48-0、本明細書において単に「(C2)」と称する場合がある)、(C3)2-アセチル-3,5(6)-ジメチルピラジン(CAS登録番号:72797-17-2、本明細書において単に「(C3)」と称する場合がある)、(C4)2-エチルピラジン(CAS登録番号:13925-00-3、本明細書において単に「(C4)」と称する場合がある)、(C5)2,3-ジメチルピラジン(CAS登録番号:5910-89-4、本明細書において単に「(C5)」と称する場合がある)及び(C6)2,3-ジエチルピラジン(CAS登録番号:15707-24-1、本明細書において単に「(C6)」と称する場合がある)からなる群より選択される少なくとも一つとを含有することを主たる特徴とする。
本明細書において、(B1)、(B2)及び(B3)からなる群より選択される少なくとも一つを、「成分グループB」と称する場合がある。また(C1)、(C2)、(C3)、(C4)、(C5)及び(C6)からなる群より選択される少なくとも一つを、「成分グループC」と称する場合がある。当該成分グループB及びCは、それぞれ一つの化合物のみから構成される場合があることは言うまでもない。
(A)、成分グループB及び成分グループCの各成分の製造方法は、いずれも特に制限されず、自体公知の方法(例えば、化学合成法、抽出法、発酵法等)によって製造したものを用いてよい。これらの成分は市販品を用いてもよく、簡便であることから好ましい。あるいは、各成分そのものを使用せずともよく、各成分のいずれか1種又は2種以上を多量に含有する食品素材を代わりに使用してもよい。
本発明の組成物は、成分グループBとして、(B1)、(B2)及び(B3)からなる群より選択される少なくとも一つを含有すればよいが、(B1)、(B2)及び(B3)からなる群より選択される少なくとも二つ(例えば、(B1)及び(B2)、(B1)及び(B3)あるいは(B2)及び(B3)等)を含有することが好ましく、(B1)、(B2)及び(B3)を全て含有することがより好ましい。
本発明の組成物は、成分グループCとして、(C1)、(C2)、(C3)、(C4)、(C5)及び(C6)からなる群より選択される少なくとも一つを含有すればよいが、一態様として(C1)及び(C2)からなる群より選択される少なくとも一つを含有することが好ましく、(C1)及び(C2)を共に含有することがより好ましい。本発明の組成物は、他の一態様として、(C1)、(C2)、(C3)、(C4)、(C5)及び(C6)からなる群より選択される少なくとも二つを含有することが好ましく、(C1)、(C2)、(C3)、(C4)、(C5)及び(C6)からなる群より選択される少なくとも三つ(例、(C2)、(C4)及び(C5)等)を含有することがより好ましい。
好適な本発明の組成物の一態様としては、例えば、
(A)と、
(B1)、(B2)及び(B3)からなる群より選択される少なくとも一つ(より好ましくは、少なくとも二つ)と、
(C1)、(C2)、(C3)、(C4)、(C5)及び(C6)からなる群より選択される少なくとも一つ(より好ましくは、少なくとも二つ、更に好ましくは、少なくとも三つ(例、(C2)、(C4)及び(C5)等)と
を含有する組成物等が挙げられ、
好ましくは、
(A)と、
(B1)、(B2)及び(B3)と、
(C1)、(C2)、(C3)、(C4)、(C5)及び(C6)からなる群より選択される少なくとも一つ(より好ましくは、少なくとも二つ(例、(C1)及び(C2)等)、更に好ましくは、少なくとも三つ(例、(C2)、(C4)及び(C5)等)と
を含有する組成物である。
好適な本発明の組成物の別の一態様としては、例えば、
(A)と、
(B1)、(B2)及び(B3)からなる群より選択される少なくとも一つ(より好ましくは、少なくとも二つ)と、
(C1)及び(C2)と
を含有する組成物;並びに、
(A)と、
(B1)、(B2)及び(B3)と、
(C1)及び(C2)からなる群より選択される少なくとも一つと
を含有する組成物;等が挙げられ、
特に好ましくは、(A)、(B1)、(B2)、(B3)、(C1)及び(C2)を含有する組成物である。
本発明の組成物における(A)の含有量は、一態様として、本発明の組成物に対し、通常0.1重量%以上であり、より好ましい効果が得られることから、好ましくは1重量%以上であり、より好ましくは3重量%以上である。当該含有量は、別の一態様として、より好ましい効果が得られることから、本発明の組成物に対し、好ましくは5重量%以上であり、より好ましくは8重量%以上である。また当該含有量は、本発明の組成物に対し、通常99重量%以下であり、コスト的な観点から、好ましくは20重量%以下であり、より好ましくは14重量%以下である。
本発明の組成物が(B1)を含有する場合、一態様として、本発明の組成物における(B1)の含有量は、本発明の組成物に対し、通常0.1重量%以上であり、より好ましい効果が得られることから、好ましくは3重量%以上であり、より好ましくは5重量%以上である。当該含有量は、別の一態様として、より好ましい効果が得られることから、本発明の組成物に対し、好ましくは10重量%以上であり、より好ましくは14重量%以上である。また当該含有量は、本発明の組成物に対し、通常99重量%以下であり、コスト的な観点から、好ましくは30重量%以下であり、より好ましくは25重量%以下であり、特に好ましくは20重量%以下である。
本発明の組成物が(B2)を含有する場合、一態様として、本発明の組成物における(B2)の含有量は、本発明の組成物に対し、通常0.1重量%以上であり、より好ましい効果が得られることから、好ましくは3重量%以上であり、より好ましくは5重量%以上である。当該含有量は、別の一態様として、より好ましい効果が得られることから、本発明の組成物に対し、好ましくは10重量%以上であり、より好ましくは14重量%以上である。また当該含有量は、本発明の組成物に対し、通常99重量%以下であり、コスト的な観点から、好ましくは30重量%以下であり、より好ましくは25重量%以下であり、特に好ましくは20重量%以下である。
本発明の組成物が(B3)を含有する場合、一態様として、本発明の組成物における(B3)の含有量は、本発明の組成物に対し、通常0.1重量%以上であり、より好ましい効果が得られることから、好ましくは0.2重量%以上であり、より好ましくは0.3重量%以上である。当該含有量は、別の一態様として、より好ましい効果が得られることから、本発明の組成物に対し、好ましくは0.3重量%以上であり、より好ましくは0.5重量%以上である。また当該含有量は、本発明の組成物に対し、通常99重量%以下であり、コスト的な観点から、より好ましくは3重量%以下であり、特に好ましくは1重量%以下である。
本発明の組成物が(C1)を含有する場合、本発明の組成物における(C1)の含有量は、本発明の組成物に対し、通常0.1重量%以上であり、より好ましい効果が得られることから、好ましくは30重量%以上であり、より好ましくは35重量%以上である。また当該含有量は、本発明の組成物に対し、通常99重量%以下であり、コスト的な観点から、好ましくは45重量%以下であり、より好ましくは41重量%以下である。
本発明の組成物が(C2)を含有する場合、一態様として、本発明の組成物における(C2)の含有量は、本発明の組成物に対し、通常0.1重量%以上であり、より好ましい効果が得られることから、好ましくは3重量%以上であり、より好ましくは5重量%以上である。当該含有量は、別の一態様として、より好ましい効果が得られることから、本発明の組成物に対し、好ましくは10重量%以上であり、より好ましくは14重量%以上である。また当該含有量は、本発明の組成物に対し、通常99重量%以下であり、コスト的な観点から、好ましくは25重量%以下であり、より好ましくは20重量%以下である。
本発明の組成物が(C3)を含有する場合、本発明の組成物における(C3)の含有量は、本発明の組成物に対し、通常0.1重量%以上であり、より好ましい効果が得られることから、好ましくは60重量%以上であり、より好ましくは65重量%以上である。また当該含有量は、本発明の組成物に対し、通常99重量%以下であり、コスト的な観点から、好ましくは80重量%以下であり、より好ましくは75重量%以下である。
本発明の組成物が(C4)を含有する場合、本発明の組成物における(C4)の含有量は、本発明の組成物に対し、通常0.1重量%以上であり、より好ましい効果が得られることから、好ましくは35重量%以上であり、より好ましくは40重量%以上である。また当該含有量は、本発明の組成物に対し、通常99重量%以下であり、コスト的な観点から、好ましくは80重量%以下であり、より好ましくは75重量%以下であり、更に好ましくは50重量%以下である。
本発明の組成物が(C5)を含有する場合、本発明の組成物における(C5)の含有量は、本発明の組成物に対し、通常0.1重量%以上であり、より好ましい効果が得られることから、好ましくは25重量%以上であり、より好ましくは30重量%以上である。また当該含有量は、本発明の組成物に対し、通常99重量%以下であり、コスト的な観点から、好ましくは75重量%以下であり、より好ましくは70重量%以下であり、更に好ましくは45重量%以下である。
本発明の組成物が(C6)を含有する場合、本発明の組成物における(C6)の含有量は、本発明の組成物に対し、通常0.1重量%以上であり、より好ましい効果が得られることから、好ましくは10重量%以上であり、より好ましくは15重量%以上である。また当該含有量は、本発明の組成物に対し、通常99重量%以下であり、コスト的な観点から、好ましくは30重量%以下であり、より好ましくは25重量%以下である。
本発明の組成物が(B1)を含有する場合、本発明の組成物における(A)の含有量と(B1)の含有量の重量比(A:B1)は、より効果的に風味を付与し得ることから、好ましくは1:0.00014~18000であり、より好ましくは1:0.14~18であり、特に好ましくは1:1.4~1.8である。
本発明の組成物が(B2)を含有する場合、本発明の組成物における(A)の含有量と(B2)の含有量の重量比(A:B2)は、より効果的に風味を付与し得ることから、好ましくは1:0.00014~18000であり、より好ましくは1:0.014~180であり、特に好ましくは1:1.4~1.8である。
本発明の組成物が(B3)を含有する場合、本発明の組成物における(A)の含有量と(B3)の含有量の重量比(A:B3)は、より効果的に風味を付与し得ることから、好ましくは1:0.000005~800であり、より好ましくは1:0.0005~8であり、特に好ましくは1:0.05~0.08である。
本発明の組成物が(C1)を含有する場合、本発明の組成物における(A)の含有量と(C1)の含有量の重量比(A:C1)は、より効果的に風味を付与し得ることから、好ましくは1:0.0003~40000であり、より好ましくは1:0.03~400であり、特に好ましくは1:3~4である。
本発明の組成物が(C2)を含有する場合、本発明の組成物における(A)の含有量と(C2)の含有量の重量比(A:C2)は、より効果的に風味を付与し得ることから、好ましくは1:0.00014~18000であり、より好ましくは1:0.14~18であり、特に好ましくは1:1.4~1.8である。
本発明の組成物が(C3)を含有する場合、本発明の組成物における(A)の含有量と(C3)の含有量の重量比(A:C3)は、より効果的に風味を付与し得ることから、好ましくは1:0.0008~120000であり、より好ましくは1:0.8~120であり、特に好ましくは1:8~12である。
本発明の組成物が(C4)を含有する場合、本発明の組成物における(A)の含有量と(C4)の含有量の重量比(A:C4)は、より効果的に風味を付与し得ることから、好ましくは1:0.0008~120000であり、より好ましくは1:0.8~120であり、特に好ましくは1:8~12である。
本発明の組成物が(C5)を含有する場合、本発明の組成物における(A)の含有量と(C5)の含有量の重量比(A:C5)は、より効果的に風味を付与し得ることから、好ましくは1:0.0006~100000であり、より好ましくは1:0.6~100であり、特に好ましくは1:6~10である。
本発明の組成物が(C6)を含有する場合、本発明の組成物における(A)の含有量と(C6)の含有量の重量比(A:C6)は、より効果的に風味を付与し得ることから、好ましくは1:0.0001~14000であり、より好ましくは1:0.1~14であり、特に好ましくは1:1~1.4である。
本発明の組成物の形態は特に制限されず、例えば、固体状(粉末状、顆粒状等を含む)、液体状(スラリー状等を含む)、ゲル状、ペースト状等が挙げられる。
本発明の組成物は、(A)、成分グループB及び成分グループCのみからなるものであってよいが、これらに加えて、食品香料分野において慣用の基剤をさらに含有するものであってもよい。
本発明の組成物の形態が液体状の場合の基剤としては、例えば、水、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、各種動植物油類等が挙げられる。
本発明の組成物の形態が固体状の場合の基剤としては、例えば、澱粉、デキストリン、シクロデキストリン、スクロースやグルコースなどの各種糖類、蛋白質、ペプチド、食塩、固形脂、二酸化ケイ素、およびそれらの混合物、また酵母菌体や各種の粉末エキス類等が挙げられる。
本発明の組成物は、本発明の目的を損なわない限り、(A)、成分グループB及び成分グループCに加えて、例えば、賦形剤、pH調整剤、酸化防止剤、増粘安定剤、甘味料(例、砂糖類等)、酸味料、香辛料、着色料等を更に含有してよい。
本発明の組成物の製造は、食品香料分野で慣用の手法により行い得る。本発明の組成物は、例えば、濃縮処理、乾燥処理、脱色処理等を、単独で又は組み合わせて施されてもよい。
本発明の組成物は、肉又は豆の焦げ風味を付与するために、食品に添加できる。従って、本発明の組成物は、好ましくは肉又は豆の焦げ風味付与用組成物である。本発明において「食品」は、経口で摂取し得るものを広く包含する概念であり、飲料や調味料等も包含される。また「肉又は豆の焦げ風味付与用組成物」は、肉又は豆の焦げ風味付与剤を包含する概念である。
本発明において「肉又は豆の焦げ風味」とは、肉又は豆を直火等で加熱し、その表面に焦げが生じた際に発現する香りをいう。肉又は豆の焦げ風味の有無や程度は、専門パネルによる官能評価(例えば、後述の実施例に示される官能評価等)によって評価できる。
また本発明において肉又は豆の焦げ風味等の「付与」とは、例えば、肉又は豆の焦げ風味を有しない食品に、肉又は豆の焦げ風味を新たに付与することだけでなく、肉又は豆の焦げ風味を有する食品に、肉又は豆の焦げ風味を更に付与すること、すなわち肉又は豆の焦げ風味を増強することも含む概念である。
肉又は豆の焦げ風味を食品に付与することによって、加熱調理香を付与できるため、本発明の組成物は、加熱調理香を付与するために、食品に添加できる。従って、本発明の組成物は、加熱調理香付与用組成物であってよい。「加熱調理香付与用組成物」は、加熱調理香付与剤を包含する概念である。
本発明において「加熱調理香」とは、食品を高温(例えば、90~700℃)で加熱調理した際に発現する香ばしい香りをいう。加熱調理香には、例えば、炒め、焼き、揚げ、焙焼、煮込み等により発生した香りが含まれる。加熱調理香の有無や程度は、専門パネルによる官能評価によって評価できる。
本発明の組成物は、加熱調理香として、焼成感、油調感を付与するために食品に添加することもできる。本発明において「焼成感」とは、食品を焼いた際に感じられる香ばしさを、「油調感」とは、食品を揚げた際に感じられる香ばしさをいい、焼成感及び油調感は、加熱調理香に含まれるものである。焼成感の付与及び油調感の付与は、それぞれ加熱調理香の付与機能の一部であり、本発明の加熱調理香付与組成物は、一態様として、焼成感付与用組成物、油調感付与用組成物であってよい。焼成感、油調感の有無や程度は、専門パネルによる官能評価(例えば、後述の実施例に示される官能評価等)によって評価できる。
本発明の組成物は、塩味、スパイス感及び甘味からなる群より選択される少なくとも一つを増強するために食品に添加することもでき、本発明の組成物は一態様として、塩味、スパイス感及び甘味からなる群より選択される少なくとも一つの増強用組成物であってよい。本発明において「スパイス感」とは、スパイス特有の風味、辛味をいう。塩味、スパイス感、甘味の有無や程度は、それぞれ専門パネルによる官能評価(例えば、後述の実施例に示される官能評価等)によって評価できる。
本発明において塩味の「増強」とは、あたかも塩分濃度を高めたかのように、塩味が強く感じられるようになることをいう。
本発明においてスパイス感の「増強」とは、あたかもスパイス濃度を高めたかのように、スパイス特有の風味、辛味が強く感じられるようになることをいう。本発明におけるスパイスは、食品の風味付け、辛味付け等に一般に用いられ得るものであれば特に制限されないが、例えば、ナツメグ、メース、ガーリック、ローレル、タイム、コショー(例、ブラックペッパー、ホワイトペッパー等)、バジル、ジンジャー、ターメリック、フェンネル、キャラウェイ、チリペッパー、シナモン、マジョラム、ローズマリー、クミン、セロリ、コリアンダー、オニオン等が挙げられ、好ましくは、ナツメグ、メース、ガーリック、ローレル、ブラックペッパー、ホワイトペッパー、バジル、ジンジャー、ターメリック、フェンネル、キャラウェイ、チリペッパー、シナモン、クミン、オニオンであり、より好ましくは、ブラックペッパー、ホワイトペッパー、ガーリック、オニオンである。
本発明において甘味の「増強」とは、あたかも甘味成分の濃度を高めたかのように、甘味が強く感じられるようになることをいう。本発明において「甘味成分」とは、口腔内に含んだ際に甘味を呈し得る物質をいい、例えば、砂糖、でん粉糖(例、果糖、ブドウ糖、麦芽糖、異性化糖、水飴等)、糖アルコール(例、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、キシリトール等)、フラクトオリゴ糖等の糖類;ステビア、グリチルリチン、ソーマチン、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムカリウム等の非糖質系甘味料等が挙げられる。
本発明の組成物は、不快臭をマスキングするために食品に添加することもでき、本発明の組成物は一態様として、不快臭のマスキング用組成物であってよい。
本発明において「不快臭」とは、主として各種畜肉原料、魚介原料、野菜原料、酵母原料等に起因する、不快感を惹起させ得る臭いの総称であり、具体例としては、獣臭さ、生臭さ、青臭さ、発酵臭等が挙げられる。また不快臭の「マスキング」とは、不快臭が部分的又は完全に感知されなくなることをいう。不快臭のマスキングの程度は、専門パネルによる官能評価(例えば、後述の実施例に示される官能評価等)によって評価できる。
本発明の組成物は、一態様として、香料組成物であってよい。本発明において「香料」とは、香り、風味、味等を食品に付与するために用いられる食品添加物をいう。本発明の組成物は、好適な一態様として、肉又は豆の焦げ風味付与用の香料組成物あるいは加熱調理香の付与用の香料組成物(例、焼成感付与用の香料組成物、油調感付与用の香料組成物等)であってよい。本発明の組成物は、別の好適な一態様として、塩味、スパイス感及び甘味からなる群より選択される少なくとも一つの増強用の香料組成物あるいは不快臭のマスキング用の香料組成物であってもよい。
本発明の組成物を添加し得る食品は特に制限されないが、一態様として、加熱調理香が付与されることを所望されるものが好ましく、例えば、野菜炒め、炒飯、焼きそば、回鍋肉、麻婆豆腐、青椒肉絲、干焼蝦仁、肉野菜炒め、ナシゴレン、焼きビーフン、炒り卵、きんぴらごぼう、カレールウ、肉炒め、中華丼等の炒め物;蒸し野菜等の蒸し物;焼き魚、焼き鳥、ステーキ、焼肉、すき焼き、ハンバーグ、焼き野菜、焼きおにぎり、米菓、各種焼き菓子(例、クッキー等)、ピザ生地、パン等の焼き物;から揚げ、フライ、素揚げ、てんぷら等の各種揚げ物及びそのバッターやパン粉;ドレッシング(例、和風ドレッシング、クリーミードレッシング、シーザードレッシング、フレンチドレッシング、タルタルソース、マヨネーズ等);ソース(例、ステーキソース、生姜焼きのたれ、ピザソース、カラメルソース、みたらし団子のたれ、焼肉のたれ、デミグラスソース等);コンソメスープ、ポタージュスープ、クリームスープ、ミネストローネスープ、コーンスープ、トマトスープ等のスープ;天然系調味料、風味調味料等の調味料;コーヒー、紅茶、中国茶、緑茶、ココア、麦茶、ハーブティー等の飲料;及びこれらの加工品(例、電子レンジ調理用食品、インスタント食品、冷凍食品、乾燥食品等)等が挙げられる。
本発明において「食品」とは、経口摂取し得るものを広く包含する概念であり、調味料、飲料等も含まれる。
また本明細書において「天然系調味料」とは、天然物を原料として、抽出、分解、加熱、発酵等の手法によって製造される調味料をいい、その具体例としては、鶏肉エキス、牛肉エキス、豚肉エキス、羊肉エキス等の各種畜肉エキス類;鶏がらエキス、牛骨エキス、豚骨エキス等の各種がらエキス類;鰹エキス、鯖エキス、ぐちエキス、帆立エキス、蟹エキス、蝦エキス、煮干エキス、干し貝柱エキス等の各種魚介エキス類;鰹節エキス、鯖節エキス、宗田節エキス等の各種節エキス類;オニオンエキス、白菜エキス、セロリエキス等の各種野菜エキス類;昆布エキス等の各種海藻エキス類;ガーリックエキス、唐辛子エキス、胡椒エキス、カカオエキス等の各種香辛料エキス類;酵母エキス類;各種タンパク加水分解物;醤油、魚醤、蝦醤、味噌等の各種発酵調味料等やその混合物、加工品等が挙げられる。
また本明細書において「風味調味料」とは、食品に風味原料の香気、風味、味を付与するために用いられる調味料をいい、例えば、天然系調味料に砂糖類、食塩等を加えること等によって製造できる。風味調味料の具体例としては、鶏風味調味料、牛風味調味料、豚風味調味料等の各種畜肉風味調味料;鰹風味調味料、煮干風味調味料、干し貝柱風味調味料、甲殻類風味調味料等の各種魚介風味調味料;各種香辛野菜風味調味料;昆布風味調味料等が挙げられる。
本発明の組成物は、塩味が増強されることを所望される食品に添加されてもよく、そのような食品の種類は、食塩を含有するものであれば特に制限されないが、例えば、加熱調理香が付与されることを所望される食品として例示したもの(上述)と同様のもの等が挙げられる。食品の塩分濃度は、好ましくは0.01~99重量%であり、より好ましくは0.05~90重量%であり、特に好ましくは0.1~80重量%である。本発明の組成物が添加される食品は、健康の観点から、減塩された食品(具体的には、食塩濃度が8重量%以下、好ましくは5重量%以下である食品)であってよい。
本発明の組成物は、不快臭がマスキングされることを所望される食品に添加されてもよく、そのような食品の種類としては、例えば、各種畜肉含有食品、魚介含有食品(例、ぶり大根等)、野菜含有食品(例、野菜炒め、大豆ハンバーグ等)、エキス(例、畜肉エキス類、魚介エキス類、野菜エキス類、酵母エキス類等)又はその分解物を含有する食品、並びにこれらの加工品(例、電子レンジ調理用食品、インスタント食品、冷凍食品、乾燥食品等)等が挙げられる。
本発明の組成物は、スパイス感が増強されることを所望される食品に添加されてもよく、そのような食品の種類は、スパイスを含有するものであれば特に制限されないが、例えば、加熱調理香が付与されることを所望される食品として例示したもの(上述)と同様のもの等が挙げられる。食品のスパイス濃度は、好ましくは0.001~20重量%であり、より好ましくは0.01~10重量%であり、特に好ましくは0.1~1重量%である。
本発明の組成物は、甘味が増強されることを所望される食品に添加されてもよく、そのような食品の種類は、甘味成分を含有するものであれば特に制限されないが、例えば、菓子類(例、みたらしだんご、プリン等)、飲料(例、清涼飲料、エナジードリンク等)、パン類、乳製品等が挙げられる。食品の甘味成分濃度は、好ましくは0.001~20重量%であり、より好ましくは0.01~10重量%であり、特に好ましくは0.1~1重量%である。
本発明の組成物を添加し得る食品は、喫食に適した態様で提供(販売、流通等)されるものであってよく、又は喫食に適した態様になるための所定の処理や調理を必要とする態様で提供(販売、流通等)されるものであってもよい。例えば、本発明の組成物を添加し得る食品は、喫食に適した態様となるために水等で希釈することを必要とする濃縮物等として提供されてよい。
本発明の組成物を食品に添加する方法及び条件は特に限定されず、本発明の組成物の形態や食品の種類等に応じて適宜設定できる。本発明の組成物を食品に添加する時期は特に限定されず、いかなる時点で添加してもよいが、例えば、食品の製造中、食品の完成後(例、食品の喫食直前、食品の喫食中等)等が挙げられる。食品を製造する前の食品原料に本発明の組成物を添加してもよい。
本発明の組成物は、炒め物、焼き物、揚げ物、スープ、魚介含有食品、野菜含有食品、スパイス含有食品又はそれらの加工品等に添加される場合、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(炒め物、焼き物、揚げ物、スープ、魚介含有食品、野菜含有食品、スパイス含有食品又はそれらの加工品等)における(A)の濃度が、0.00001重量ppm以上となるように添加されることが好ましく、0.001重量ppm以上となるように添加されることがより好ましく、0.1重量ppm以上となるように添加されることが特に好ましい。また、この場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(炒め物、焼き物、揚げ物、スープ、魚介含有食品、野菜含有食品、スパイス含有食品又はそれらの加工品等)における(A)の濃度が、150重量ppm以下となるように添加されることが好ましく、15重量ppm以下となるように添加されることがより好ましく、0.5重量ppm以下となるように添加されることが特に好ましい。
本明細書中、「食品における(A)の濃度」とは、食品に添加される(A)の重量の、添加後の食品全体の重量に対する割合をいい、例えば、食品に(A)を添加する前から該食品が予め(A)と同様の成分を含有する場合、食品が予め含有する成分の重量は、食品に添加される(A)の重量に含めない。当該説明は、以下に示す食品における(A)以外の成分の濃度(例えば、「食品における(B1)の濃度」等)についても準用される。
上述の「食品における(A)の濃度」は、喫食時濃度であることが好ましい。本明細書中、「喫食時濃度」とは、食品を喫食する際における濃度をいう。本発明の組成物を添加し得る食品が、例えば、喫食に適した態様となるために水等で希釈することを必要とする濃縮物や、他の食品に添加して使用される調味料等である場合、食品における(A)の濃度は希釈倍率や添加量等に応じて適宜調整してよい。当該説明は、以下に示す食品における(A)以外の成分の濃度(例えば、「食品における(B1)の濃度」等)についても準用される。
本発明の組成物が(B1)を含有し、炒め物、焼き物、揚げ物、スープ、魚介含有食品、野菜含有食品、スパイス含有食品又はそれらの加工品等に添加される場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(炒め物、焼き物、揚げ物、スープ、魚介含有食品、野菜含有食品、スパイス含有食品又はそれらの加工品等)における(B1)の濃度が、0.00002重量ppm以上となるように添加されることが好ましく、0.002重量ppm以上となるように添加されることがより好ましく、0.2重量ppm以上となるように添加されることが特に好ましい。また、この場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(炒め物、焼き物、揚げ物、スープ、魚介含有食品、野菜含有食品、スパイス含有食品又はそれらの加工品等)における(B1)の濃度が、50重量ppm以下となるように添加されることが好ましく、10重量ppm以下となるように添加されることがより好ましく、1重量ppm以下となるように添加されることが特に好ましい。
本発明の組成物が(B2)を含有し、炒め物、焼き物、揚げ物、スープ、魚介含有食品、野菜含有食品、スパイス含有食品又はそれらの加工品等に添加される場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(炒め物、焼き物、揚げ物、スープ、魚介含有食品、野菜含有食品、スパイス含有食品又はそれらの加工品等)における(B2)の濃度が、0.00002重量ppm以上となるように添加されることが好ましく、0.002重量ppm以上となるように添加されることがより好ましく、0.2重量ppm以上となるように添加されることが特に好ましい。また、この場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(炒め物、焼き物、揚げ物、スープ、魚介含有食品、野菜含有食品、スパイス含有食品又はそれらの加工品等)における(B2)の濃度が、50重量ppm以下となるように添加されることが好ましく、10重量ppm以下となるように添加されることがより好ましく、1重量ppm以下となるように添加されることが特に好ましい。
本発明の組成物が(B3)を含有し、炒め物、焼き物、揚げ物、スープ、魚介含有食品、野菜含有食品、スパイス含有食品又はそれらの加工品等に添加される場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(炒め物、焼き物、揚げ物、スープ、魚介含有食品、野菜含有食品、スパイス含有食品又はそれらの加工品等)における(B3)の濃度が、0.000001重量ppm以上となるように添加されることが好ましく、0.0001重量ppm以上となるように添加されることがより好ましく、0.01重量ppm以上となるように添加されることが特に好ましい。また、この場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(炒め物、焼き物、揚げ物、スープ、魚介含有食品、野菜含有食品、スパイス含有食品又はそれらの加工品等)における(B3)の濃度が、5重量ppm以下となるように添加されることが好ましく、0.5重量ppm以下となるように添加されることがより好ましく、0.05重量ppm以下となるように添加されることが特に好ましい。
本発明の組成物が(C1)を含有し、炒め物、焼き物、揚げ物、スープ、魚介含有食品、野菜含有食品、スパイス含有食品又はそれらの加工品等に添加される場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(炒め物、焼き物、揚げ物、スープ、魚介含有食品、野菜含有食品、スパイス含有食品又はそれらの加工品等)における(C1)の濃度が、0.00005重量ppm以上となるように添加されることが好ましく、0.005重量ppm以上となるように添加されることがより好ましく、0.5重量ppm以上となるように添加されることが特に好ましい。また、この場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(炒め物、焼き物、揚げ物、スープ、魚介含有食品、野菜含有食品、スパイス含有食品又はそれらの加工品等)における(C1)の濃度が、100重量ppm以下となるように添加されることが好ましく、10重量ppm以下となるように添加されることがより好ましく、1重量ppm以下となるように添加されることが特に好ましい。
本発明の組成物が(C2)を含有し、炒め物、焼き物、揚げ物、スープ、魚介含有食品、野菜含有食品、スパイス含有食品又はそれらの加工品等に添加される場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(炒め物、焼き物、揚げ物、スープ、魚介含有食品、野菜含有食品、スパイス含有食品又はそれらの加工品等)における(C2)の濃度が、0.00002重量ppm以上となるように添加されることが好ましく、0.002重量ppm以上となるように添加されることがより好ましく、0.2重量ppm以上となるように添加されることが特に好ましい。また、この場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(炒め物、焼き物、揚げ物、スープ、魚介含有食品、野菜含有食品、スパイス含有食品又はそれらの加工品等)における(C2)の濃度が、50重量ppm以下となるように添加されることが好ましく、10重量ppm以下となるように添加されることがより好ましく、1重量ppm以下となるように添加されることが特に好ましい。
本発明の組成物が(C3)を含有し、炒め物、焼き物、揚げ物、スープ、魚介含有食品、野菜含有食品、スパイス含有食品又はそれらの加工品等に添加される場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(炒め物、焼き物、揚げ物、スープ、魚介含有食品、野菜含有食品、スパイス含有食品又はそれらの加工品等)における(C3)の濃度が、0.0001重量ppm以上となるように添加されることが好ましく、0.01重量ppm以上となるように添加されることがより好ましく、1重量ppm以上となるように添加されることが特に好ましい。また、この場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(炒め物、焼き物、揚げ物、スープ、魚介含有食品、野菜含有食品、スパイス含有食品又はそれらの加工品等)における(C3)の濃度が、150重量ppm以下となるように添加されることが好ましく、50重量ppm以下となるように添加されることがより好ましく、5重量ppm以下となるように添加されることが特に好ましい。
本発明の組成物が(C4)を含有し、炒め物、焼き物、揚げ物、スープ、魚介含有食品、野菜含有食品、スパイス含有食品又はそれらの加工品等に添加される場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(炒め物、焼き物、揚げ物、スープ、魚介含有食品、野菜含有食品、スパイス含有食品又はそれらの加工品等)における(C4)の濃度が、0.0001重量ppm以上となるように添加されることが好ましく、0.01重量ppm以上となるように添加されることがより好ましく、1重量ppm以上となるように添加されることが特に好ましい。また、この場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(炒め物、焼き物、揚げ物、スープ、魚介含有食品、野菜含有食品、スパイス含有食品又はそれらの加工品等)における(C4)の濃度が、150重量ppm以下となるように添加されることが好ましく、50重量ppm以下となるように添加されることがより好ましく、5重量ppm以下となるように添加されることが特に好ましい。
本発明の組成物が(C5)を含有し、炒め物、焼き物、揚げ物、スープ、魚介含有食品、野菜含有食品、スパイス含有食品又はそれらの加工品等に添加される場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(炒め物、焼き物、揚げ物、スープ、魚介含有食品、野菜含有食品、スパイス含有食品又はそれらの加工品等)における(C5)の濃度が、0.0001重量ppm以上となるように添加されることが好ましく、0.01重量ppm以上となるように添加されることがより好ましく、1重量ppm以上となるように添加されることが特に好ましい。また、この場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(炒め物、焼き物、揚げ物、スープ、魚介含有食品、野菜含有食品、スパイス含有食品又はそれらの加工品等)における(C5)の濃度が、150重量ppm以下となるように添加されることが好ましく、50重量ppm以下となるように添加されることがより好ましく、5重量ppm以下となるように添加されることが特に好ましい。
本発明の組成物が(C6)を含有し、炒め物、焼き物、揚げ物、スープ、魚介含有食品、野菜含有食品、スパイス含有食品又はそれらの加工品等に添加される場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(炒め物、焼き物、揚げ物、スープ、魚介含有食品、野菜含有食品、スパイス含有食品又はそれらの加工品等)における(C6)の濃度が、0.00001重量ppm以上となるように添加されることが好ましく、0.001重量ppm以上となるように添加されることがより好ましく、0.1重量ppm以上となるように添加されることが特に好ましい。また、この場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(炒め物、焼き物、揚げ物、スープ、魚介含有食品、野菜含有食品、スパイス含有食品又はそれらの加工品等)における(C6)の濃度が、15重量ppm以下となるように添加されることが好ましく、5重量ppm以下となるように添加されることがより好ましく、0.5重量ppm以下となるように添加されることが特に好ましい。
本発明の組成物は、調味料等に添加される場合、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(調味料等)における(A)の濃度が、0.0001重量ppm以上となるように添加されることが好ましく、0.01重量ppm以上となるように添加されることがより好ましく、1重量ppm以上となるように添加されることが特に好ましい。また、この場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(調味料等)における(A)の濃度が、15000重量ppm以下となるように添加されることが好ましく、1500重量ppm以下となるように添加されることがより好ましく、50重量ppm以下となるように添加されることが特に好ましい。
本発明の組成物が(B1)を含有し、調味料等に添加される場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(調味料等)における(B1)の濃度が、0.0002重量ppm以上となるように添加されることが好ましく、0.02重量ppm以上となるように添加されることがより好ましく、2重量ppm以上となるように添加されることが特に好ましい。また、この場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(調味料等)における(B1)の濃度が、5000重量ppm以下となるように添加されることが好ましく、1000重量ppm以下となるように添加されることがより好ましく、100重量ppm以下となるように添加されることが特に好ましい。
本発明の組成物が(B2)を含有し、調味料等に添加される場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(調味料等)における(B2)の濃度が、0.0002重量ppm以上となるように添加されることが好ましく、0.02重量ppm以上となるように添加されることがより好ましく、2重量ppm以上となるように添加されることが特に好ましい。また、この場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(調味料等)における(B2)の濃度が、5000重量ppm以下となるように添加されることが好ましく、1000重量ppm以下となるように添加されることがより好ましく、100重量ppm以下となるように添加されることが特に好ましい。
本発明の組成物が(B3)を含有し、調味料等に添加される場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(調味料等)における(B3)の濃度が、0.00001重量ppm以上となるように添加されることが好ましく、0.001重量ppm以上となるように添加されることがより好ましく、0.1重量ppm以上となるように添加されることが特に好ましい。また、この場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(調味料等)における(B3)の濃度が、500重量ppm以下となるように添加されることが好ましく、50重量ppm以下となるように添加されることがより好ましく、5重量ppm以下となるように添加されることが特に好ましい。
本発明の組成物が(C1)を含有し、調味料等に添加される場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(調味料等)における(C1)の濃度が、0.0005重量ppm以上となるように添加されることが好ましく、0.05重量ppm以上となるように添加されることがより好ましく、5重量ppm以上となるように添加されることが特に好ましい。また、この場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(調味料等)における(C1)の濃度が、10000重量ppm以下となるように添加されることが好ましく、1000重量ppm以下となるように添加されることがより好ましく、100重量ppm以下となるように添加されることが特に好ましい。
本発明の組成物が(C2)を含有し、調味料等に添加される場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(調味料等)における(C2)の濃度が、0.0002重量ppm以上となるように添加されることが好ましく、0.02重量ppm以上となるように添加されることがより好ましく、2重量ppm以上となるように添加されることが特に好ましい。また、この場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(調味料等)における(C2)の濃度が、5000重量ppm以下となるように添加されることが好ましく、1000重量ppm以下となるように添加されることがより好ましく、100重量ppm以下となるように添加されることが特に好ましい。
本発明の組成物が(C3)を含有し、調味料等に添加される場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(調味料等)における(C3)の濃度が、0.001重量ppm以上となるように添加されることが好ましく、0.1重量ppm以上となるように添加されることがより好ましく、10重量ppm以上となるように添加されることが特に好ましい。また、この場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(調味料等)における(C3)の濃度が、15000重量ppm以下となるように添加されることが好ましく、5000重量ppm以下となるように添加されることがより好ましく、500重量ppm以下となるように添加されることが特に好ましい。
本発明の組成物が(C4)を含有し、調味料等に添加される場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(調味料等)における(C4)の濃度が、0.001重量ppm以上となるように添加されることが好ましく、0.1重量ppm以上となるように添加されることがより好ましく、1重量ppm以上となるように添加されることが特に好ましい。また、この場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(調味料等)における(C4)の濃度が、15000重量ppm以下となるように添加されることが好ましく、5000重量ppm以下となるように添加されることがより好ましく、500重量ppm以下となるように添加されることが特に好ましい。
本発明の組成物が(C5)を含有し、調味料等に添加される場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(調味料等)における(C5)の濃度が、0.001重量ppm以上となるように添加されることが好ましく、0.1重量ppm以上となるように添加されることがより好ましく、10重量ppm以上となるように添加されることが特に好ましい。また、この場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(調味料等)における(C5)の濃度が、15000重量ppm以下となるように添加されることが好ましく、5000重量ppm以下となるように添加されることがより好ましく、500重量ppm以下となるように添加されることが特に好ましい。
本発明の組成物が(C6)を含有し、調味料等に添加される場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(調味料等)における(C6)の濃度が、0.0001重量ppm以上となるように添加されることが好ましく、0.01重量ppm以上となるように添加されることがより好ましく、1重量ppm以上となるように添加されることが特に好ましい。また、この場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(調味料等)における(C6)の濃度が、1500重量ppm以下となるように添加されることが好ましく、500重量ppm以下となるように添加されることがより好ましく、50重量ppm以下となるように添加されることが特に好ましい。
本発明の組成物は、菓子類等に添加される場合、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(菓子類等)における(A)の濃度が、0.000001重量ppm以上となるように添加されることが好ましく、0.0001重量ppm以上となるように添加されることがより好ましく、0.01重量ppm以上となるように添加されることが特に好ましい。また、この場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(菓子類等)における(A)の濃度が、150重量ppm以下となるように添加されることが好ましく、15重量ppm以下となるように添加されることがより好ましく、0.5重量ppm以下となるように添加されることが特に好ましい。
本発明の組成物が(B1)を含有し、菓子類等に添加される場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(菓子類等)における(B1)の濃度が、0.000002重量ppm以上となるように添加されることが好ましく、0.0002重量ppm以上となるように添加されることがより好ましく、0.02重量ppm以上となるように添加されることが特に好ましい。また、この場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(菓子類等)における(B1)の濃度が、50重量ppm以下となるように添加されることが好ましく、10重量ppm以下となるように添加されることがより好ましく、1重量ppm以下となるように添加されることが特に好ましい。
本発明の組成物が(B2)を含有し、菓子類等に添加される場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(菓子類等)における(B2)の濃度が、0.000002重量ppm以上となるように添加されることが好ましく、0.0002重量ppm以上となるように添加されることがより好ましく、0.02重量ppm以上となるように添加されることが特に好ましい。また、この場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(菓子類等)における(B2)の濃度が、50重量ppm以下となるように添加されることが好ましく、10重量ppm以下となるように添加されることがより好ましく、1重量ppm以下となるように添加されることが特に好ましい。
本発明の組成物が(B3)を含有し、菓子類等に添加される場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(菓子類等)における(B3)の濃度が、0.0000001重量ppm以上となるように添加されることが好ましく、0.00001重量ppm以上となるように添加されることがより好ましく、0.001重量ppm以上となるように添加されることが特に好ましい。また、この場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(菓子類等)における(B3)の濃度が、5重量ppm以下となるように添加されることが好ましく、0.5重量ppm以下となるように添加されることがより好ましく、0.05重量ppm以下となるように添加されることが特に好ましい。
本発明の組成物が(C1)を含有し、菓子類等に添加される場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(菓子類等)における(C1)の濃度が、0.000005重量ppm以上となるように添加されることが好ましく、0.0005重量ppm以上となるように添加されることがより好ましく、0.05重量ppm以上となるように添加されることが特に好ましい。また、この場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(菓子類等)における(C1)の濃度が、100重量ppm以下となるように添加されることが好ましく、10重量ppm以下となるように添加されることがより好ましく、1重量ppm以下となるように添加されることが特に好ましい。
本発明の組成物が(C2)を含有し、菓子類等に添加される場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(菓子類等)における(C2)の濃度が、0.000002重量ppm以上となるように添加されることが好ましく、0.0002重量ppm以上となるように添加されることがより好ましく、0.02重量ppm以上となるように添加されることが特に好ましい。また、この場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(菓子類等)における(C2)の濃度が、50重量ppm以下となるように添加されることが好ましく、10重量ppm以下となるように添加されることがより好ましく、1重量ppm以下となるように添加されることが特に好ましい。
本発明の組成物が(C3)を含有し、菓子類等に添加される場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(菓子類等)における(C3)の濃度が、0.00001重量ppm以上となるように添加されることが好ましく、0.001重量ppm以上となるように添加されることがより好ましく、0.1重量ppm以上となるように添加されることが特に好ましい。また、この場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(菓子類等)における(C3)の濃度が、150重量ppm以下となるように添加されることが好ましく、50重量ppm以下となるように添加されることがより好ましく、5重量ppm以下となるように添加されることが特に好ましい。
本発明の組成物が(C4)を含有し、菓子類等に添加される場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(菓子類等)における(C4)の濃度が、0.00001重量ppm以上となるように添加されることが好ましく、0.001重量ppm以上となるように添加されることがより好ましく、0.1重量ppm以上となるように添加されることが特に好ましい。また、この場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(菓子類等)における(C4)の濃度が、150重量ppm以下となるように添加されることが好ましく、50重量ppm以下となるように添加されることがより好ましく、5重量ppm以下となるように添加されることが特に好ましい。
本発明の組成物が(C5)を含有し、菓子類等に添加される場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(菓子類等)における(C5)の濃度が、0.00001重量ppm以上となるように添加されることが好ましく、0.001重量ppm以上となるように添加されることがより好ましく、0.1重量ppm以上となるように添加されることが特に好ましい。また、この場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(菓子類等)における(C5)の濃度が、150重量ppm以下となるように添加されることが好ましく、50重量ppm以下となるように添加されることがより好ましく、5重量ppm以下となるように添加されることが特に好ましい。
本発明の組成物が(C6)を含有し、菓子類等に添加される場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(菓子類等)における(C6)の濃度が、0.000001重量ppm以上となるように添加されることが好ましく、0.0001重量ppm以上となるように添加されることがより好ましく、0.01重量ppm以上となるように添加されることが特に好ましい。また、この場合、本発明の組成物は、より効果的に風味を付与し得ることから、当該食品(菓子類等)における(C6)の濃度が、15重量ppm以下となるように添加されることが好ましく、5重量ppm以下となるように添加されることがより好ましく、0.5重量ppm以下となるように添加されることが特に好ましい。
本発明によれば、本発明の組成物を含有する食品(本明細書中、単に「本発明の食品」と称する場合がある)も提供される。
本発明の食品における本発明の組成物の含有量は、本発明の食品における(A)、成分グループB及び成分グループCの各濃度が、上述の範囲内となるように適宜調整すればよく、特に制限されない。
本発明の食品の種類は特に制限されないが、加熱調理香が付与されることを所望されるもの、塩味が増強されることを所望されるもの、不快臭がマスキングされることを所望されるもの、スパイス感が増強されることを所望されるもの、甘味が増強されることを所望されるものが好ましく、例えば、本発明の組成物を添加し得る食品として例示したものと同様のものが挙げられる。
(本発明の製造方法)
本発明は、(A)と、(B1)、(B2)及び(B3)からなる群より選択される少なくとも一つと、(C1)、(C2)、(C3)、(C4)、(C5)及び(C6)からなる群より選択される少なくとも一つとを添加することを含む、食品の製造方法(本明細書中、単に「本発明の製造方法」と称する場合がある)も提供する。
本発明の製造方法は、成分グループBとして、(B1)、(B2)及び(B3)からなる群より選択される少なくとも一つを添加すればよいが、(B1)、(B2)及び(B3)からなる群より選択される少なくとも二つ(例えば、(B1)及び(B2)、(B1)及び(B3)あるいは(B2)及び(B3)等)を添加することが好ましく、(B1)、(B2)及び(B3)を全て添加することがより好ましい。
本発明の製造方法は、成分グループCとして、(C1)、(C2)、(C3)、(C4)、(C5)及び(C6)からなる群より選択される少なくとも一つを添加すればよいが、一態様として(C1)及び(C2)からなる群より選択される少なくとも一つを添加することが好ましく、(C1)及び(C2)を共に添加することがより好ましい。本発明の製造方法は、他の一態様として、(C1)、(C2)、(C3)、(C4)、(C5)及び(C6)からなる群より選択される少なくとも二つを添加することが好ましく、(C1)、(C2)、(C3)、(C4)、(C5)及び(C6)からなる群より選択される少なくとも三つ(例、(C2)、(C4)及び(C5)等)を添加することがより好ましい。
好適な本発明の製造方法の一態様としては、例えば、
(A)と、
(B1)、(B2)及び(B3)からなる群より選択される少なくとも一つ(より好ましくは、少なくとも二つ)と、
(C1)、(C2)、(C3)、(C4)、(C5)及び(C6)からなる群より選択される少なくとも一つ(より好ましくは、少なくとも二つ、更に好ましくは、少なくとも三つ(例、(C2)、(C4)及び(C5)等))と
を添加することを含む、食品の製造方法等が挙げられ、
好ましくは、
(A)と、
(B1)、(B2)及び(B3)と、
(C1)、(C2)、(C3)、(C4)、(C5)及び(C6)からなる群より選択される少なくとも一つ(より好ましくは、少なくとも二つ、更に好ましくは、少なくとも三つ(例、(C2)、(C4)及び(C5)等))と
を添加することを含む、食品の製造方法である。
好適な本発明の製造方法の別の一態様としては、例えば、
(A)と、
(B1)、(B2)及び(B3)からなる群より選択される少なくとも一つ(より好ましくは、少なくとも二つ)と、
(C1)及び(C2)と
を添加することを含む、食品の製造方法;並びに、
(A)と、
(B1)、(B2)及び(B3)と、
(C1)及び(C2)からなる群より選択される少なくとも一つと
を添加することを含む、食品の製造方法;等が挙げられ、
特に好ましくは、
(A)と、
(B1)、(B2)及び(B3)と、
(C1)及び(C2)と
を添加することを含む、食品の製造方法である。
本発明の製造方法によって製造される食品は特に制限されないが、加熱調理香が付与されることを所望されるもの、塩味が増強されることを所望されるもの、不快臭がマスキングされることを所望されるもの、スパイス感が増強されることを所望されるもの、甘味が増強されることを所望されるものが好ましく、例えば、本発明の組成物を添加し得る食品として例示したものと同様のものが挙げられる。
本発明の製造方法において(A)、成分グループB及び成分グループCの添加は、食品が炒め物、焼き物、揚げ物、スープ、魚介含有食品、野菜含有食品、スパイス含有食品又はそれらの加工品等である場合、当該食品(炒め物、焼き物、揚げ物、スープ、魚介含有食品、野菜含有食品、スパイス含有食品又はそれらの加工品等)における(A)、成分グループB及び成分グループCの各濃度が、本発明の組成物が当該食品に添加される場合の当該食品における(A)、成分グループB及び成分グループCの各濃度(上述)と同様となるように行い得る。
本発明の製造方法において(A)、成分グループB及び成分グループCの添加は、食品が調味料等である場合、当該食品(調味料等)における(A)、成分グループB及び成分グループCの各濃度が、本発明の組成物が当該食品に添加される場合の当該食品における(A)、成分グループB及び成分グループCの各濃度(上述)と同様となるように行い得る。
本発明の製造方法において(A)、成分グループB及び成分グループCの添加は、食品が菓子類等である場合、当該食品(菓子類等)における(A)、成分グループB及び成分グループCの各濃度が、本発明の組成物が当該食品に添加される場合の当該食品における(A)、成分グループB及び成分グループCの各濃度(上述)と同様となるように行い得る。
本発明の製造方法において(A)の添加量と、成分グループB及びCの各成分の添加量の重量比は、本発明の組成物における(A)の含有量と成分グループB及びCの各成分の含有量の重量比(上述)と同様に設定し得る。
本発明の製造方法は、(A)、成分グループB及び成分グループCを個別に添加してよいが、(A)、成分グループB及び成分グループCを添加前に予め混合し、得られた混合物を添加してもよい。(A)、成分グループB及び成分グループCの添加は、本発明の組成物を使用して行われてもよい。
(A)、成分グループB及び成分グループCを個別に添加する場合、添加の順序及び間隔は特に制限されず、例えば(A)、成分グループB及び成分グループCの順序、あるいはその逆の順序等で添加してよい。また(A)、成分グループB及び成分グループCを同時に添加してもよい。
本発明の製造方法は、上述の(A)、成分グループB及び成分グループCの添加に加えて、食品の製造において慣用の処理工程、調理工程を、製造する食品の種類等に応じて適宜含んでよい。
本発明の製造方法によれば、肉又は豆の焦げ風味が付与された食品を製造できる。また肉又は豆の焦げ風味を食品に付与することによって、加熱調理香を付与できるため、本発明の製造方法によれば、加熱調理香が付与された食品(例、焼成感が付与された食品、油調感が付与された食品等)を製造できる。
本発明の製造方法によれば、塩味、スパイス感及び甘味からなる群より選択される少なくとも一つが増強された食品、不快臭がマスキングされた食品を製造できる。
(本発明の付与方法)
本発明は、(A)と、(B1)、(B2)及び(B3)からなる群より選択される少なくとも一つと、(C1)、(C2)、(C3)、(C4)、(C5)及び(C6)からなる群より選択される少なくとも一つとを添加することを含む、肉又は豆の焦げ風味の付与方法(本明細書中、単に「本発明の付与方法」と称する場合がある)も提供する。
本発明の付与方法は、特に断りのない限り、本発明の製造方法と同様に実施し得、好ましい態様も同様である。
本発明の付与方法において、(A)、成分グループB及び成分グループCを添加する方法及び条件は特に限定されず、(A)、成分グループB及び成分グループCを添加する食品の種類等に応じて適宜設定できる。(A)、成分グループB及び成分グループCを食品に添加する時期は特に限定されず、いかなる時点で添加してもよいが、例えば、食品の製造中及び食品の完成後(例、食品の喫食直前、食品の喫食中等)等が挙げられる。食品を製造する前の食品原料に(A)、成分グループB及び成分グループCを添加してもよい。
本発明の付与方法によれば、食品に肉又は豆の焦げ風味を付与することができる。また肉又は豆の焦げ風味を食品に付与することによって、加熱調理香を付与できるため、本発明の付与方法によれば、食品に加熱調理香を付与することができる。従って、本発明の付与方法は、加熱調理香の付与方法(例、焼成感の付与方法、油調感の付与方法等)であってよい。
本発明の付与方法によって肉又は豆の焦げ風味が付与され得る食品は特に制限されないが、加熱調理香が付与されることを所望されるものが好ましく、例えば、本発明の組成物を添加し得る食品として例示したものと同様のものが挙げられる。
(本発明の増強方法)
本発明は、(A)と、(B1)、(B2)及び(B3)からなる群より選択される少なくとも一つと、(C1)、(C2)、(C3)、(C4)、(C5)及び(C6)からなる群より選択される少なくとも一つとを添加することを含む、塩味、スパイス感及び甘味からなる群より選択される少なくとも一つの増強方法(本明細書中、単に「本発明の増強方法」と称する場合がある)も提供する。
本発明の増強方法は、特に断りのない限り、本発明の製造方法、本発明の付与方法と同様に実施し得、好ましい態様も同様である。
本発明の増強方法によって塩味、スパイス感及び甘味からなる群より選択される少なくとも一つが増強され得る食品は特に制限されないが、塩味が増強されることを所望されるもの、スパイス感が増強されることを所望されるもの、甘味が増強されることを所望されるものが好ましく、例えば、本発明の組成物を添加し得る食品として例示したものと同様のものが挙げられる。
(本発明のマスキング方法)
本発明は、(A)と、(B1)、(B2)及び(B3)からなる群より選択される少なくとも一つと、(C1)、(C2)、(C3)、(C4)、(C5)及び(C6)からなる群より選択される少なくとも一つとを添加することを含む、不快臭のマスキング方法(本明細書中、単に「本発明のマスキング方法」と称する場合がある)も提供する。
本発明のマスキング方法は、特に断りのない限り、本発明の製造方法、本発明の付与方法と同様に実施し得、好ましい態様も同様である。
本発明のマスキング方法によって不快臭がマスキングされ得る食品は特に制限されないが、不快臭がマスキングされることを所望されるものが好ましく、例えば、本発明の組成物を添加し得る食品として例示したものと同様のものが挙げられる。
以下の実施例において本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。尚、本明細書において「%」、「ppm」と記載されている場合は、特に断りのない限り「重量%」、「重量ppm」を意味する。
1.添加溶液の調製
所定量の1-フルフリルピロール、グアヤコール、4-エチルフェノール、フルフリルメチルジスルフィド、2-プロピルピラジン、6,7-ジヒドロ-5-メチル-5H-シクロペンタピラジン、2-アセチル-3,5(6)-ジメチルピラジン、2-エチルピラジン、2,3-ジメチルピラジン、2,3-ジエチルピラジンをそれぞれエタノール(販売元:日本アルコール産業、商品名:特定アルコール トレーサブル95 1級)に溶解して、当該各成分の0.0001重量%~10重量%溶液(添加溶液)を調製した。使用した各成分の販売元は、表1及び2に示す通りである。
Figure 0007147748000001
Figure 0007147748000002
2.肉又は豆の焦げ風味の付与効果の評価
市販の回鍋肉の素(製品名:CookDo(登録商標)「回鍋肉」、販売元:味の素株式会社)の調味液を、水で5倍希釈した後、当該希釈液に上記1.において調製した各成分の添加溶液を添加して全量を100gとし、十分に攪拌して混合することにより、評価サンプル(実施例1~37、比較例1~6)を調製した。使用した添加溶液中の各成分の濃度、添加溶液の添加量、各成分の評価サンプル中の濃度は、下記表3~10の「添加溶液濃度(%)」、「添加量(mg)」、及び「サンプル中濃度(ppm)」に示す通りである。
肉又は豆の焦げ風味の付与効果の評価は、3名の専門パネルにより、各評価サンプルを無添加品(添加溶液を添加していない上記希釈液そのもの)と比較して、肉又は豆の焦げ風味を付与する効果の有無や程度を確認し、下記の評価基準で行った。
[評価基準]
±:肉又は豆の焦げ風味を付与する効果がない
+:肉又は豆の焦げ風味を付与する効果がわずかにある
++:肉又は豆の焦げ風味を付与する効果がややある
+++:肉又は豆の焦げ風味を付与する効果が適度にある
++++:肉又は豆の焦げ風味を付与する効果がかなりある
+++++:肉又は豆の焦げ風味を付与する効果が非常にある
結果を下記表3~10に示す。
Figure 0007147748000003
Figure 0007147748000004
Figure 0007147748000005
Figure 0007147748000006
Figure 0007147748000007
Figure 0007147748000008
Figure 0007147748000009
Figure 0007147748000010
表3及び表5~10に示される結果から、(A)と、(B1)、(B2)及び(B3)からなる群より選択される少なくとも一つと、(C1)、(C2)、(C3)、(C4)、(C5)及び(C6)からなる群より選択される少なくとも一つとを添加することによって、肉又は豆の焦げ風味を付与し得ることが確認された。
一方、表4に示される結果から明らかなように、(A)、成分グループB及び成分グループCのいずれかを単独で添加した場合(比較例1~3)には、肉又は豆の焦げ風味を付与できなかった。また、(A)及び成分グループBのみ添加し、成分グループCは添加しなかった場合(比較例4)、(A)及び成分グループCのみ添加し、成分グループBは添加しなかった場合(比較例5)、成分グループB及びCのみ添加し、(A)は添加しなかった場合(比較例6)にも、肉又は豆の焦げ風味を付与できなかった。
3.香料組成物の調製
1-フルフリルピロール、グアヤコール、4-エチルフェノール、フルフリルメチルジスルフィド、2-プロピルピラジン、6,7-ジヒドロ-5-メチル-5H-シクロペンタピラジンを、表11に示す割合で混合し、香料組成物を調製した。
Figure 0007147748000011
4.加熱調理香の付与効果の評価
(1)炊飯米(350g)、チャーシュー(70g)、長ねぎ(40g)及び卵(2個)を用いて常法により作製した炒飯に、上記3.において調製した香料組成物を、当該炒飯における香料組成物の喫食時濃度が2.27重量ppmとなるように添加した後、3名の専門パネルにより、加熱調理香の有無や程度を確認した。その結果、当該炒飯に加熱調理香(詳細には、高温で加熱した様な風味)が付与されたことが確認された。
(2)市販の中華丼の具(冷凍食品、販売元:味の素冷凍食品株式会社)に、上記3.において調製した香料組成物を、当該中華丼の具における香料組成物の喫食時濃度が1.36重量ppmとなるように添加した後、3名の専門パネルにより、加熱調理香の有無や程度を確認した。その結果、当該中華丼の具に加熱調理香(詳細には、炒め感のある風味、肉や野菜を炒めた風味)が付与されたことが確認された。
上記(1)及び(2)の結果から、(A)と、(B1)、(B2)及び(B3)からなる群より選択される少なくとも一つと、(C1)及び(C2)からなる群より選択される少なくとも一つとを添加することによって、食品に加熱調理香を付与できることが確認された。
5.焼成感の付与効果の評価
評価サンプルとして、下記1)~6)の手順でクッキーを作製した(実施例38)。使用した添加溶液中の各成分の濃度、添加溶液の添加量、各成分の評価サンプル中の濃度は、下記表12の「添加溶液濃度(%)」、「添加量(mg)」、及び「サンプル中濃度(ppm)」に示す通りである。
[クッキーの作製方法]
1)フードプロセッサーに、薄力粉25g、強力粉25g、砂糖15g及び食塩0.26gを入れて混合した(2000rpm、10秒間×2回)。
2)上記1)で得られた混合物に、発酵バター3.1g及びショートニング22.5gを加えて混合した(2000rpm、10秒間×4回)。
3)上記2)で得られた混合物に、卵8g及び上記1.において調製した各成分の添加溶液を添加し、更に水を加えて全量を100gとした後、均一になるまで混合した(2000rpm、10秒間×2回)。
4)上記3)で得られた混合物をチャック付ポリ袋に入れ、麺棒で平ら(厚さ5mm程度)に伸ばした。
5)上記4)で得られたクッキー生地を-20℃で30分間、冷凍保存した。
6)冷凍保存後のクッキー生地を所定の形状に型ぬきした後、オーブンにて180℃で12分間焼成した。
焼成感の付与効果の評価は、3名の専門パネルにより、評価サンプルを無添加品(添加溶液に代えて同量の水を使用したこと以外は実施例38と同様に作製したクッキー)と比較して、焼成感の有無や程度を確認し、下記の評価基準で行った。
[評価基準]
-:無添加品よりも焼成感が弱い
±:無添加品と焼成感に差がない
+:無添加品よりもわずかに焼成感が上昇している
++:無添加品よりもやや焼成感が上昇している
+++:無添加品よりも適度に焼成感が上昇している
++++:無添加品よりもかなり焼成感が上昇している
+++++:無添加品よりも非常に焼成感が上昇している
結果を下記表12に示す。
Figure 0007147748000012
表12に示される結果から、(A)と、(B1)、(B2)及び(B3)からなる群より選択される少なくとも一つと、(C1)及び(C2)からなる群より選択される少なくとも一つとを添加することによって、焼成感を付与し得ることが確認された。また実施例38の評価サンプルは、甘い風味が付与されていた。
6.油調感の付与効果の評価
一口大にカットした鶏もも肉90gに、市販のから揚げ粉(製品名:から揚げ粉 揚げない調理タイプ、販売元:日清製粉株式会社)10gをまぶした後、電子レンジにて加熱(600W、2分50秒間)し、から揚げを作製した。当該から揚げ(100g)に、上記1.において調製した各成分の添加溶液を添加して、評価サンプル(実施例39)を調製した。使用した添加溶液中の各成分の濃度、添加溶液の添加量、各成分の評価サンプル中の濃度は、下記表13の「添加溶液濃度(%)」、「添加量(mg)」、及び「サンプル中濃度(ppm)」に示す通りである。
油調感の付与効果の評価は、3名の専門パネルにより、評価サンプルを無添加品(添加溶液を添加していないから揚げ)と比較して、油調感の有無や程度を確認し、下記の評価基準で行った。
[評価基準]
-:無添加品よりも油調感が弱い
±:無添加品と油調感に差がない
+:無添加品よりもわずかに油調感が上昇している
++:無添加品よりもやや油調感が上昇している
+++:無添加品よりも適度に油調感が上昇している
++++:無添加品よりもかなり油調感が上昇している
+++++:無添加品よりも非常に油調感が上昇している
結果を下記表13に示す。
Figure 0007147748000013
表13に示される結果から、(A)と、(B1)、(B2)及び(B3)からなる群より選択される少なくとも一つと、(C1)及び(C2)からなる群より選択される少なくとも一つとを添加することによって、油調感を付与し得ることが確認された。また実施例39の評価サンプルは、醤油の香ばしい風味が強まっていた。
7.塩味増強効果の評価
市販のコーンクリームスープ(製品名:クノール(登録商標)カップスープ コーンクリーム、販売元:味の素株式会社)100g(食塩濃度:0.67重量%)に、上記1.において調製した各成分の添加溶液を添加して、評価サンプル(実施例40~43)を調製した。使用した添加溶液中の各成分の濃度、添加溶液の添加量、各成分の評価サンプル中の濃度は、下記表14の「添加溶液濃度(%)」、「添加量(mg)」、及び「サンプル中濃度(ppm)」に示す通りである。
塩味増強効果の評価は、3名の専門パネルにより、評価サンプルを無添加品(添加溶液に代えて同量の水のみを添加したコーンクリームスープ)と比較して、塩味の強度を確認し、下記の評価基準で行った。
[評価基準]
-:無添加品よりも塩味強度が弱い
±:無添加品と塩味強度に差がない
+:無添加品よりもわずかに塩味強度が上昇している
++:無添加品よりもやや塩味強度が上昇している
+++:無添加品よりも適度に塩味強度が上昇している
++++:無添加品よりもかなり塩味強度が上昇している
+++++:無添加品よりも非常に塩味強度が上昇している
結果を下記表14に示す。
Figure 0007147748000014
表14に示される結果から、(A)と、(B1)、(B2)及び(B3)からなる群より選択される少なくとも一つと、(C1)及び(C2)からなる群より選択される少なくとも一つとを添加することによって、塩味を増強し得ることが確認された。
8.不快臭のマスキング効果の評価
一口大に切った小松菜120g及び市販の調味料(製品名:CookDo(登録商標)鶏ガラ、ネギ油、こがしにんにくの油香味ペースト、販売元:味の素株式会社)3gに、水10gを加え、よく混合した後、電子レンジにて加熱(600W、2分間)し、野菜炒めを作製した。当該野菜炒め100gに対し、上記1.において調製した各成分の添加溶液を添加して、評価サンプル(実施例44~46)を調製した。使用した添加溶液中の各成分の濃度、添加溶液の添加量、各成分の評価サンプル中の濃度は、下記表15の「添加溶液濃度(%)」、「添加量(mg)」、及び「サンプル中濃度(ppm)」に示す通りである。
不快臭のマスキング効果の評価は、3名の専門パネルにより、評価サンプルを無添加品(添加溶液を添加していない野菜炒め)と比較して、不快臭(具体的には、小松菜に起因する青臭さ)のマスキング強度の有無や程度を確認し、下記の評価基準で行った。
[評価基準]
-:無添加品よりもマスキング強度が弱い
±:無添加品とマスキング強度に差がない
+:無添加品よりもわずかにマスキング強度が上昇している
++:無添加品よりもやや塩味強度が上昇している
+++:無添加品よりも適度にマスキング強度が上昇している
++++:無添加品よりもかなりマスキング強度が上昇している
+++++:無添加品よりも非常にマスキング強度が上昇している
結果を下記表15に示す。
Figure 0007147748000015
表15に示される結果から、(A)と、(B1)、(B2)及び(B3)からなる群より選択される少なくとも一つと、(C1)及び(C2)からなる群より選択される少なくとも一つとを添加することによって、不快臭をマスキングし得ることが確認された。
9.スパイス感増強効果の評価
市販のコショー(製品名:GABAN(登録商標)「コショー」、販売元:ハウス食品株式会社)0.1gを水100gに加え、コショー水溶液を調製した。当該コショー水溶液(100g)に、上記1.において調製した各成分の添加溶液を添加して、評価サンプル(実施例47~50)を調製した。使用した添加溶液中の各成分の濃度、添加溶液の添加量、各成分の評価サンプル中の濃度は、下記表16の「添加溶液濃度(%)」、「添加量(mg)」、及び「サンプル中濃度(ppm)」に示す通りである。
スパイス感増強効果の評価は、3名の専門パネルにより、評価サンプルを無添加品(添加溶液に代えて同量の水のみを添加したコショー水溶液)と比較して、スパイス強度を確認し、下記の評価基準で行った。
[評価基準]
-:無添加品よりもスパイス強度が弱い
±:無添加品とスパイス強度に差がない
+:無添加品よりもわずかにスパイス強度が上昇している
++:無添加品よりもややスパイス強度が上昇している
+++:無添加品よりも適度にスパイス強度が上昇している
++++:無添加品よりもかなりスパイス強度が上昇している
+++++:無添加品よりも非常にスパイス強度が上昇している
結果を下記表16に示す。
Figure 0007147748000016
表16に示される結果から、(A)と、(B1)、(B2)及び(B3)からなる群より選択される少なくとも一つと、(C1)及び(C2)からなる群より選択される少なくとも一つとを添加することによって、スパイス感を増強し得ることが確認された。
10.甘味増強効果の評価
市販のみたらしだんご(製品名:焦がし醤油風味の串団子、販売元:山崎製パン株式会社)に、上記1.において調製した各成分の添加溶液を添加して、評価サンプル(実施例51~55)を調製した。使用した添加溶液中の各成分の濃度、みたらしだんご100g当たりの添加溶液の添加量、各成分の評価サンプル中の濃度は、下記表17の「添加溶液濃度(%)」、「添加量(mg)」、及び「サンプル中濃度(ppm)」に示す通りである。
甘味増強効果の評価は、3名の専門パネルにより、評価サンプルを無添加品(添加溶液を添加していないみたらしだんご)と比較して、甘味の強度を確認し、下記の評価基準で行った。
[評価基準]
-:無添加品よりも甘味強度が弱い
±:無添加品と甘味強度に差がない
+:無添加品よりもわずかに甘味強度が上昇している
++:無添加品よりもやや甘味強度が上昇している
+++:無添加品よりも適度に甘味強度が上昇している
++++:無添加品よりもかなり甘味強度が上昇している
+++++:無添加品よりも非常に甘味強度が上昇している
結果を下記表17に示す。
Figure 0007147748000017
表17に示される結果から、(A)と、(B1)、(B2)及び(B3)からなる群より選択される少なくとも一つと、(C1)及び(C2)からなる群より選択される少なくとも一つとを添加することによって、甘味を増強し得ることが確認された。
11.各種食品における効果の評価
各種食品に、(A)と、(B1)、(B2)及び(B3)からなる群より選択される少なくとも一つと、(C1)及び(C2)からなる群より選択される少なくとも一つとを添加し、スパイス感増強効果、塩味増強効果、不快臭のマスキング効果、甘味増強効果の評価を行った。
下記表20及び21に示す各種食品に、上記1.において調製した各成分の添加溶液を添加して、評価サンプル(実施例56~64)を調製した。使用した添加溶液中の各成分の濃度、食品100g当たりの添加溶液の添加量、各成分の評価サンプル中の濃度は、下記表20及び21の「添加溶液濃度(%)」、「添加量(mg)」、及び「サンプル中濃度(ppm)」に示す通りである。
評価サンプルの調製に使用した各種食品は、それぞれ下記の手順で作製、準備した。
(風味調味料水溶液)
市販の風味調味料(製品名:RosDee(登録商標) Pork、販売元:タイ味の素社)を水に1重量%溶解し、風味調味料水溶液を調製した。
(から揚げ)
一口大にカットした鶏もも肉に、市販のから揚げ粉(製品名:Sajiku(登録商標)、販売元:インドネシア味の素社)をまぶし、常法によりから揚げを作製した。
(コーンスープ、ポタージュスープ、トマトスープ、コンソメスープ)
市販のコーンスープの素、ポタージュスープの素、トマトスープの素、コンソメスープの素(販売元:いずれもクノール食品株式会社)を用い、各製品パッケージに記載の方法に従い、常法により各スープを作製した。
(大豆ハンバーグ)
下記表18に示す材料を用い、特許第6160131号公報に記載の方法に従って、大豆ハンバーグを作製した。
(ぶり大根)
下記表19に示す材料を用い、特許第6160131号公報に記載の方法に従って、ぶり大根を作製した。ぶり大根の作製は、具体的には下記1)~4)の手順で行った。
[ぶり大根の作製方法]
1)ぶりを一口大に切り、酒及び生姜に1分間漬けた。
2)大根を1cm幅に輪切りした後、4等分にいちょう切りしたものを容器に入れ、市販の風味調味料(製品名:ほんだし(登録商標)煮物上手(登録商標)、販売元:味の素株式会社)及び水を加え、電子レンジで加熱した(600W、3分間)。
3)上記2)の加熱後の大根に、上記1)のぶり切り身を加え、電子レンジで加熱した(600W、3分30秒間)。
4)加熱したぶり大根を、電子レンジから出し、5分間以上蒸らした。
(プリン)
市販のプリン(製品名:プッチンプリン、販売元:グリコ乳業株式会社)をそのまま使用した。
Figure 0007147748000018
Figure 0007147748000019
スパイス感増強効果、塩味増強効果、不快臭のマスキング効果、甘味増強効果の評価は、3名の専門パネルにより、評価サンプルを無添加品(添加溶液を添加していない食品)と比較して、上記7.~10.と同様の評価基準で行った。
実施例56(風味調味料水溶液)及び実施例57(から揚げ)の各評価サンプルは、スパイス感増強効果の評価を、実施例58(コーンスープ)、実施例59(ポタージュスープ)、実施例60(トマトスープ)及び実施例61(コンソメスープ)の各評価サンプルは、塩味増強効果の評価を、実施例62(大豆ハンバーグ)及び実施例63(ぶり大根)の各評価サンプルは、不快臭(具体的には、大豆に起因する青臭さ、ぶりに起因する生臭さ)のマスキング効果の評価を、実施例64(プリン)の評価サンプルは、甘味増強効果の評価を、それぞれ行った。
結果を下記表20及び21に示す。
Figure 0007147748000020
Figure 0007147748000021
表20、21に示される結果から、各種食品に(A)と、(B1)、(B2)及び(B3)からなる群より選択される少なくとも一つと、(C1)及び(C2)からなる群より選択される少なくとも一つとを添加することによって、スパイス感増強効果、塩味増強効果、不快臭のマスキング効果、甘味増強効果を奏し得ることが確認された。
本発明によれば、肉又は豆の焦げ風味を付与できる組成物を提供できる。
本発明によれば、肉又は豆の焦げ風味が付与された食品の製造方法、並びに肉又は豆の焦げ風味の付与方法を提供できる。
また本発明によれば、肉又は豆の焦げ風味を食品に付与できるため、加熱調理により発現する風味(加熱調理香)を効果的に付与された食品を提供できる。
本発明によれば、焼成感及び油調感からなる群より選択される少なくとも一つが付与された食品を提供できる。
本発明によれば、塩味、スパイス感及び甘味からなる群より選択される少なくとも一つが増強された食品、不快臭がマスキングされた食品を提供できる。
本発明の組成物は、特定の化合物を混合することにより得られるため、当業者において一般に利用されている装置で製造でき、その製造条件も容易に制御できる。
さらに、本発明の組成物は特定の化合物を含有するものであり、食品の種類に応じて組成を調整する必要はないため、様々な食品に広く利用できる。
本出願は、日本で出願された特願2017-066149(出願日:2017年3月29日)を基礎としており、その内容は本明細書に包含されるものである。

Claims (6)

  1. (A)1-フルフリルピロールと、
    (B1)グアヤコール、(B2)4-エチルフェノール及び(B3)フルフリルメチルジスルフィドと
    (C1)2-プロピルピラジン、(C2)6,7-ジヒドロ-5-メチル-5H-シクロペンタピラジン、(C3)2-アセチル-3,5(6)-ジメチルピラジン、(C4)2-エチルピラジン、(C5)2,3-ジメチルピラジン及び(C6)2,3-ジエチルピラジンからなる群より選択される少なくとも一つと
    を含有する、肉又は豆の焦げ風味付与用組成物。
  2. 食品における(A)の濃度が0.00001~150重量ppmとなるように食品に添加される、請求項1記載の組成物。
  3. (A)1-フルフリルピロールと、
    (B1)グアヤコール、(B2)4-エチルフェノール及び(B3)フルフリルメチルジスルフィドと
    (C1)2-プロピルピラジン、(C2)6,7-ジヒドロ-5-メチル-5H-シクロペンタピラジン、(C3)2-アセチル-3,5(6)-ジメチルピラジン、(C4)2-エチルピラジン、(C5)2,3-ジメチルピラジン及び(C6)2,3-ジエチルピラジンからなる群より選択される少なくとも一つと
    を添加することを含む、肉又は豆の焦げ風味が付与された食品の製造方法。
  4. 食品における(A)の濃度が0.00001~150重量ppmとなるように(A)を添加する、請求項記載の方法。
  5. (A)1-フルフリルピロールと、
    (B1)グアヤコール、(B2)4-エチルフェノール及び(B3)フルフリルメチルジスルフィドと
    (C1)2-プロピルピラジン、(C2)6,7-ジヒドロ-5-メチル-5H-シクロペンタピラジン、(C3)2-アセチル-3,5(6)-ジメチルピラジン、(C4)2-エチルピラジン、(C5)2,3-ジメチルピラジン及び(C6)2,3-ジエチルピラジンからなる群より選択される少なくとも一つと
    を添加することを含む、肉又は豆の焦げ風味の付与方法。
  6. 食品における(A)の濃度が0.00001~150重量ppmとなるように(A)を食品に添加する、請求項記載の方法。
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