JP7147520B2 - 廃トナー回収装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、廃トナー回収装置及び画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置において、像担持体表面に残った転写残トナーを廃トナー回収容器に送り回収する技術が知られている。
また、特許文献1(特開2002-148884号公報)には、複数の作像エンジンを備えたカラー画像形成装置において、複雑な搬送機構を用いることなく各作像エンジンから廃トナーを回収することを目的とした廃トナーの回収ボックスが開示されている。
しかし、廃トナー回収容器を画像形成装置から取り外して振る等すると、廃トナー回収容器内の廃トナーの密度が高くなり、廃トナー回収容器内の廃トナーの嵩(かさ)が下がる。これにより、廃トナー回収容器に貯留される廃トナーの貯留量を検知する検知部の検知結果が、満杯状態から強制的に解除される。廃トナー回収容器内においては、貯留された廃トナーを搬送スクリューにより均している。廃トナー回収容器内の廃トナーの密度が高くなった状態で、この搬送スクリューが稼働すると、搬送スクリューに過度の負荷を掛かり、搬送スクリュー及び搬送スクリューの駆動モータ等が破損する不都合を生ずる。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、廃トナーの貯留量の検知結果を維持して、廃トナーの搬送部品及び駆動部品が破損する不都合を防止可能な廃トナー回収装置及び画像形成装置の提供を目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、画像形成の際に余剰となった廃トナーを貯留する貯留部と、貯留部の一部であって、貯留部内への開口を有して廃トナーを収容する廃トナー収容部と、貯留部内の廃トナーを廃トナー収容部へ搬送する搬送部と、廃トナー収容部の廃トナーの収容量が所定量に達したことを検知する検知部と、検知部で、廃トナー収容部の廃トナーの収容量が所定量に達したことが検知された際に、廃トナー収容部の開口を閉塞する閉塞部と、を有し、廃トナー収容部は、廃トナーが流入する第1の開口部と、第1の開口部とは反対側にある第2の開口部と、を有し、閉塞部は、第2の開口部を閉塞させることを特徴とする
本発明によれば、廃トナーの貯留量の検知結果を維持して、廃トナーの搬送部品及び駆動部品が破損する不都合を防止できるという効果を奏する。
図1は、実施の形態の画像形成装置の断面図である。 図2は、実施の形態の画像形成装置に設けられている作像ユニットの断面図である。 図3は、廃トナーが満杯時における廃トナー回収装置断面図である。 図4は、廃トナーが満杯の検知結果が強制的に解除された際の不都合を説明するための廃トナー回収装置の断面図である。 図5は、実施の形態の画像形成装置に装着されている廃トナー回収装置の断面図である。 図6は、廃トナー回収装置の上面図であり、上面側から廃トナー回収装置内を透視した状態の図である。 図7は、実施の形態の画像形成装置の廃トナー回収装置の動作を説明するための断面図である。
以下、添付図面を参照して、廃トナー回収装置及び画像形成装置の実施の形態について説明する。
(画像形成装置の構成)
図1は、実施の形態の画像形成装置の断面図である。また、図2は、実施の形態の画像形成装置に設けられている作像ユニットの断面図である。この図1及び図2は、左側面と右側面を結ぶ直線に沿って切断した状態の画像形成装置の切断面を前面側から見た図である。この図1及び図2に示すように、画像形成装置100は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒又はキープレート(K)のトナー像を作像するための4つの作像ユニット7Y,7M,7C,7Kを備えている。各作像ユニット7Y,7M,7C,7Kは、画像形成物質として、互いに異なる色のY,M,C,Kトナーが用いられる以外は、同様の構成となっており、寿命到達時に交換される。
各作像ユニットの構成を、Yトナー像を作像する作像ユニット7Yを例に説明する。作像ユニット7Yは、図2に示すように、ドラム状の感光体1Y、ドラムクリーニング装置2Y、除電装置3Y、帯電装置4Y、現像装置5Y、光走査装置6Y等を有している。
帯電装置4Yは、感光体1Yに対して接触又は近接して設けられた帯電ローラ101を有している。この帯電ローラ101に帯電バイアスが印加されることで、感光体1Yの表面がトナーの帯電極性と同じ極性に帯電処理される。なお、感光体1Yは、駆動部により図1中及び図2中、時計回り方向に回転駆動されるが、その表面の帯電状態を均一化するために、帯電ローラ101も回転駆動される。
光走査装置6Yは、LED(発光ダイオード)アレイを有しており、画像情報に応じた書き込み光を生成し、感光体1Yの表面を光走査する。一様に帯電処理されている感光体1Yの表面のうち、光走査装置6Yによって書き込み光が照射された箇所は、電位が減衰する。これにより、感光体1Yの表面にY用の静電潜像が形成される。
なお、光走査装置6Yは、LEDアレイの代りに、レーザーダイオードを用いる構成としてもよい。この場合、光走査装置6Yは、レーザーダイオードからのレーザー光を、回転駆動されるポリゴンミラーで主走査方向(感光体軸方向)に偏向させながら、光学レンズ及びミラー等を介して感光体に照射する構成となる。これにより、上述と同様に、感光体1Yの表面にY用の静電潜像を形成することができる。
感光体1Yの表面に形成されたY用の静電潜像は、Yトナーを用いる現像装置5YによってYトナー像に現像される。そして、Y用の静電潜像は、樹脂製又はゴム製の無端状の中間転写ベルト8の表面(ループ外周面)上に中間転写される。
ドラムクリーニング装置2Yは、片持ち支持された状態で自由端を感光体1Yに当接させているクリーニングブレード2aYと、搬送スクリュー2bYとを有している。Y用の一次転写ニップを通過した後の感光体1Yの表面に付着している転写残トナーは、クリーニングブレード2aYによって掻き取られ、廃トナーとして搬送スクリュー2bY上に落下する。搬送スクリュー2bYは、その回転駆動により、図2の紙面に直交する方向における奥側から手前側に向けて廃トナーを搬送し、ドラムクリーニング装置2Y内から排出させる。排出後の廃トナーは、後述する廃トナー回収装置200内に落下して廃棄される。
除電装置3Yは、例えば発光ダイオード(LED)等の光源からの光を感光体1Yに照射して感光層を電気が通りやすい性質とし、クリーニング後の感光体1Yの残留電荷を除電する。この除電により、感光体1Yの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。
他色用の作像ユニット7M、7C、7Kにおいても、同様にして感光体1M、1C、1K上にM、C、Kトナー像が形成される。
図1において、筐体99内における最下部には、複数枚の用紙Pを収納する給紙カセット250が設けられている。この給紙カセット250は、図1の紙面に直交する方向に延在しつつ、図1中におけるカセット右側端部を下方から支える右レール、及び同方向に延在しつつ、図1中におけるカセット左側端部を下方から支える左レール、の上でスライド移動する。また、給紙カセット250は、操作者により、同方向における奥側から手前側に向けて引っ張られながらスライド操作されることで、筐体99内から引き出し可能となっている。
このような給紙カセット250内のシート束における一番上の用紙Pには、フィードローラ26aが接触している。用紙Pは、フィードローラ26aが回転することで、給紙路に向けて送出される。給紙路に送出された用紙Pは、搬送ローラ対28を経由した後、給紙路の末端付近に配設されたレジストローラ対29のレジストニップに挟み込まれて一旦停止する。
図1中、作像ユニット7Y,7M,7C,7Kの上方には、転写ユニット15が設けられている。この転写ユニット15は、上述のように静電潜像が中間転写される中間転写ベルト8を移動させる。また、転写ユニット15は、中間転写ベルト8の他、4つの一次転写バイアスローラ9Y,9M,9C,9K、及び、ベルトクリーニング装置10を有している。また、転写ユニット15は、二次転写バックアップローラ12、クリーニングバックアップローラ、及び、テンションローラ14等を有している。
中間転写ベルト8は、ループ内側に設けられた複数のローラのうち、少なくとも一つのローラの回転駆動により、図1中、反時計回り方向に移動される。一次転写バイアスローラ9Y,9M,9C,9Kは、このように移動される中間転写ベルト8を、感光体1Y,1M,1C,1Kとの間に挟み込み、Y,M,C,K用の一次転写ニップを形成している。これらの一次転写バイアスローラは、中間転写ベルト8の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(例えばプラス)の転写バイアスを印加する。一次転写バイアスローラ9Y,9M,9C,9Kを除く他のローラは、全て接地されている。
中間転写ベルト8には、移動に伴ってY,M,C,K用の一次転写ニップを順次通過していく過程で、感光体1Y,1M,1C,1K上のY,M,C,Kトナー像が、それぞれ重ね合わされて一次転写される。これにより、中間転写ベルト8上に、4色のトナー画像が重ね合わされて形成された4色トナー像が形成される。
ベルトループ内側に設けられた二次転写バックアップローラ12は、ベルトループ外側に設けられた二次転写ローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト8の表面と、二次転写ローラ19との当接による二次転写ニップが形成されている。レジストローラ対29のレジストニップに挟み込まれて一旦停止した用紙Pは、中間転写ベルト8上の4色トナー像の移動に同期するタイミングで、二次転写ニップに向けて送出される。そして、二次転写ニップ内で4色トナー像が用紙Pに二次転写される。
二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト8には、用紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、ベルトクリーニング装置10のクリーニングブレード10cによってクリーニングされる。このクリーニングブレード10cは、片持ち支持された状態で、自由端を中間転写ベルト8に当接させている。また、ベルトクリーニング装置10は、例えばステアリン酸亜鉛等の潤滑剤粉末を潤滑剤塗布ブラシ10aにより、中間転写ベルト8の表面に塗布することで、中間転写ベルト8の表面の潤滑性を維持する。
クリーニングブレード10cによって中間転写ベルト8から除去された転写残トナーは、潤滑剤塗布ブラシ10aの下方に設けられた排出スクリュー部材10bにより、図1の紙面に直交する方向における奥側から手前側に向けて搬送される。そして、転写残トナーは、ベルトクリーニング装置10内から排出された後、廃トナーとして、後述する廃トナー回収装置200内に落下して廃棄される。
二次転写ニップから送り出された用紙Pは、定着装置20に送られる。そして、用紙Pは、熱源を内包する定着ローラ20aと加圧ローラ20bとの当接による定着ニップに挟み込まれることで、熱と圧力が加えられる。この熱と圧力との作用により、用紙P上の4色トナー像のトナーが軟化して、用紙Pの表面に定着する。
このように4色トナー像が定着処理された用紙Pは、定着装置20から排紙ローラ対30に送られ、筐体99外に排出される。画像形成装置100の筐体99の上面は、スタック部31となっている。排紙ローラ対30により筐体99外に排出された用紙Pは、このスタック部31上に順次スタックされる。
転写ユニット15とスタック部31との間は、ボトル収容部33となっている。このボトル収容部33には、Y,M,C,Kトナーのトナーボトル32Y,32M,32C,32Kが収容されている。トナーボトル32Y,32M,32C,32K内のY,M,C,Kトナーは、トナー補給装置により、作像ユニット7Y,7M,7C,7Kの現像装置に適宜補給される。これらのトナーボトル32Y,32M,32C,32Kは、作像ユニット7Y,7M,7C,7Kとは独立して筐体99に脱着可能である。
定着装置20の近傍には、スイッチバック装置が設けられている。用紙Pの両面に画像を形成する両面プリントモードにおいては、定着装置20により一方の面にトナー像が定着処理された用紙Pが、スイッチバック装置により上下反転されて、レジストローラ対29のレジストニップに再度、送出される。そして、レジストニップから二次転写ニップに送出されることで、他方の面にもトナー像が形成された後、定着装置20で定着処理が施され、排紙ローラ対30を介してスタック部31上に、両面プリントされた用紙Pがスタックされる。
(比較例となる従来の廃トナー回収装置の構成)
従来の画像形成装置では、廃トナー回収装置の外部に、廃トナーのセンサ装置を設けることで、廃トナー回収装置内に回収された廃トナーの影響で、廃トナーの貯留量の誤検知を防止可能となっている。図3及び図4は、比較例の廃トナー回収装置500の断面図である。このうち、図3は、廃トナーが満杯時における廃トナー回収装置500の断面図である。また、図4は、廃トナーが満杯の検知結果が強制的に解除された際の不都合を説明するための廃トナー回収装置500の断面図である。
この図3及び図4に示すように、廃トナー回収装置500は、廃トナーを容器内に落下させるための回収用孔部201と、回収された廃トナーを均一に均すための搬送スクリュー220を有している。回収用孔部201は、廃トナー回収装置500の上面部200aの一方の端部200b近傍に設けられている。搬送スクリュー220は、矢印Aで示すように一方の端部200b側から反対側の他方の端部200c側にかけて廃トナーを搬送するようになっている。
また、廃トナー回収装置500内には、端部200c近傍に、廃トナー収容部203が設けられている。廃トナー収容部203は、例えば3枚の長方形形状の板状部材を「コ」の字状に接続することで形成された、上面及び左右が開放された箱型形状である。なお、廃トナー収容部203は、板状部材を接続して形成する他、プラスチック部材又は金属部材等を用いて一体成型等で形成してもよい。また、全体形状も、廃トナーの収容部203が形成される形状であれば、例えば半円筒形状等、どのような形状でもよい。
このような廃トナー収容部203は、廃トナー収容部203の長手方向と、搬送スクリュー220の長手方向とを一致させ、かつ、搬送スクリュー220と、廃トナー回収装置500の上面部200aの間に位置するように、廃トナー回収装置500内の他方の端部200c近傍に設けられている。すなわち、廃トナー収容部203は、他方の端部200c側に第1の開口部204を有し、反対側に第2の開口部205を有すると共に、開放されている上面側が、廃トナー回収装置500の上面部200aの裏面で蓋をされるかたちで廃トナー回収装置500に設けられている。
搬送スクリュー220は、第1の開口部204の近傍部の羽部と、この近傍部以外の羽部は、それぞれ廃トナーの搬送方向が異なる。すなわち、第1の開口部204の近傍部以外の羽部は、矢印A方向に廃トナーを搬送するための第1の羽部である。これに対して、第1の開口部204の近傍部の羽部は、第1の開口部204を介して、廃トナー収容部203内に廃トナーを送り込むための第2の羽部である。
このため、廃トナー回収装置500内に落下した廃トナーは、最初は、第1の羽部により矢印A方向に搬送されるが、第1の開口部204の近傍部まで搬送されると、第2の羽部により矢印A方向とは反対方向に搬送され、廃トナー収容部203に送り込まれる。従って、廃トナー収容部203内の廃トナーは、他の箇所よりも、高めの圧力が加えられて収容されるようになる。
また、廃トナー回収装置500の上面部200aには、廃トナー収容部203内に位置するように、可撓性が高い部材で形成された変形部206が設けられている。この変形部206は、廃トナー収容部203内に流入した廃トナーが増加するに連れ、廃トナー回収装置500内から廃トナー回収装置500外に、徐々に突出するように変形する。
廃トナー回収装置500外の上面部200a側には、センサ装置207が設けられている。センサ装置207は、アーム部210と、光源及び受光部を備えたフォトカプラである検知センサ208とを有している。アーム部210の一端側には、変形部206に当接するように設けられた脚部212と、脚部212から廃トナー回収装置500の反対方向(変形部206の突出方向)に突出するように設けられた被検知体209が設けられている。また、アーム部210の他端側は、回動軸211となっている。アーム部210は、回動軸211を軸として、変形部206の突出量に応じて回動するようになっている。検知センサ208は、アーム部210に設けられた被検知体209を検知することで、廃トナー回収装置500内の廃トナーの貯留量を検知するようになっている。
(比較例となる従来の廃トナー回収装置の動作)
このような廃トナー回収装置500において、上面部200aに設けられた変形部206は、廃トナーの非満杯時には、図3に破線で示すように、廃トナー収容部203の内部側に窪んだ状態となっている。廃トナー回収装置500内に廃トナーが蓄積すると、搬送スクリュー220の搬送動作により、廃トナー収容部203内に徐々に廃トナーが流入する。そして、廃トナー回収装置500内で廃トナーの貯留量が多くなると、廃トナー収容部203に収容される廃トナーの収容量も多くなり、変形部206は、廃トナー収容部203に収容された廃トナーにより、廃トナー回収装置500の上面部200a方向に、徐々に押し上げられる。
この変形部206を押し上げる力は、変形部206からセンサ装置207の脚部212に伝達される。これにより、変形部206により脚部212が押し上げられ、アーム部210が回動軸211に基づいて回動する。そして、変形部206が押し上げられて突出するに連れ、徐々にアーム部210が回動し、被検知体209が検知センサ208の検知位置まで徐々に移動する。
一例ではあるが、検知センサ208は、受光部で受光される光の光量に基づいて、廃トナー回収装置500に貯留された廃トナーの貯留量(ニア満杯及び満杯)を、廃トナー収容部203の廃トナーの収容量に基づいて検知する。具体的には、廃トナーの貯留量がニア満杯状態となると、被検知体209により、受光部で受光される光の80%程度が遮光される。これにより、それまで100%であった受光部の受光レベルが、20%程度に低下する。この状態となった際に、後段の判定部は「ニア満杯状態」と判定し、表示部等を介してユーザにニア満杯状態を報知する。
さらに、廃トナー回収装置500に貯留された廃トナーの貯留量が満杯状態となると、廃トナー収容部203に収納された廃トナーも満杯状態となり、廃トナーにより変形部206が、廃トナー回収装置500外に最大限に突出し、被検知体209が検知センサ208の検知位置まで完全に移動する。この状態においては、被検知体209により、光源からの光が略100%遮光された状態となり、受光部の受光レベルが略0%となる。この状態となった際に、後段の判定部は「満杯状態」と判定し、表示部等を介してユーザに満杯状態を報知すると共に、搬送スクリュー220を停止制御する。
(比較例の効果)
このような比較例となる廃トナー回収装置500は、廃トナー回収装置500外に設けられた検知センサ208により、廃トナー回収装置500内の廃トナーの貯留量を検知できる。このため、廃トナー回収装置500内の廃トナーの舞い上がり等に影響を受けることなく、廃トナー回収装置500内の廃トナーの貯留量を正確に検知することができる。
(検知結果が矯正的に解除されることで生ずる不都合)
ここで、廃トナー収容部203が満杯状態の廃トナー回収装置500は、通常、空の廃トナー回収装置500と交換される。しかし、満杯状態の廃トナー回収装置500を画像形成装置100から取り外し、振る等の外乱(振動)を廃トナー回収装置500に加えると、廃トナー収容部203内に蓄積されている廃トナーが、図4中、点線の楕円で示す、廃トナー回収装置500の他方の端部200c近傍に集中する。また、廃トナー収容部203内の密度が高くなり、廃トナー収容部203内の廃トナーの嵩(かさ)が下がる。そして、廃トナーの嵩(かさ)が下がることで、それまで突出していた変形部206が、図4に示すように廃トナー収容部203内の初期位置まで戻り、連れて被検知体209が検知センサ208の検知位置から外れた位置まで移動する。これにより、検知センサ208で検知されていた満杯状態が強制的に解除される。
このように、検知センサ208の検知結果が強制的に解除された状態で搬送スクリュー220が再稼働されると、廃トナー回収装置500の他方の端部200c近傍に集中した廃トナー、及び、廃トナー収容部203内で密度が高くなった廃トナーにより、搬送スクリュー220に大きな負荷が掛かる。これにより、搬送スクリュー220及び搬送スクリュー220を回転駆動するモータ等が破損する不都合を生ずる。
(実施の形態の廃トナー回収装置の構成)
実施の形態の画像形成装置100は、検知センサ208を廃トナー回収装置200外に設けることで、廃トナーが舞い上がることによる誤検知を防止すると共に、検知センサ208の検知結果の強制的な解除を防止して、搬送スクリュー220及び回転駆動部等の破損を防止している。図5は、実施の形態の画像形成装置に装着されている廃トナー回収装置200(貯留部の一例)の断面図である。また、図6は、廃トナー回収装置200の上面図であり、上面側から廃トナー回収装置200内を透視した状態の図である。この図5、図6及び後述で用いる図7には、比較例の廃トナー回収装置500と同じ動作を示す箇所には、同じ符号を付している。詳しくは、上述の各符号に対応する説明を参照されたい。以下、上述の比較例の廃トナー回収装置500と実施の形態の画像形成装置の廃トナー回収装置200との差異となる部分を説明する。
実施の形態の画像形成装置100の廃トナー回収装置200は、図5及び図6に示すように、廃トナー収容部203の第2の開口部205を閉塞状態とするための、長方形形状の平板のシャッタ部230(閉塞部の一例)を有している。すなわち、シャッタ部230は、第2の開口部205の幅よりも若干広めの幅を有すると共に、第2の開口部205の高さよりも若干高めの高さを有している。このため、閉塞時には、廃トナー収容部203内の廃トナーが廃トナー回収装置200内に漏れないように、第2の開口部205を閉塞状態とする。また、第2の開口部205を閉塞状態とする前においては、シャッタ部230は、図5に示すように第2の開口部205の例えば2/3程度を被覆する位置に設けられている。
なお、第2の開口部205を閉塞状態とする前におけるシャッタ部230の位置は、この他、第2の開口部205を半分程度被覆する位置、又は、第2の開口部205を解放する位置等でもよく、設計等に応じて設定可能である。
また、このシャッタ部230は、例えばゴム部材、シリコン等の可撓性部材で形成された半楕円のドーム型のカバー部231により、廃トナー回収装置200の外側から蓋をするかたちで被覆されている。このため、シャッタ部230を設けた箇所から漏れ出した廃トナーが、廃トナー回収装置200外に飛散しないようになっている。
また、実施の形態の画像形成装置100の廃トナー回収装置200の場合、アーム部210の回動軸211に、カバー部231の外部からシャッタ部230を押圧する押圧部240が設けられている。この押圧部240は、後述するように、廃トナー回収装置200の廃トナー収容部203が満杯状態に近づくに連れ、カバー部231を介してシャッタ部230を徐々に押圧し、廃トナー収容部203の第2の開口部205を閉塞状態として廃トナーの収容量を維持する。また、一旦、シャッタ部230で第2の開口部205が閉塞状態とされた後は、廃トナー回収装置200に振る等の外乱が加わっても、押圧部240によりカバー部231が押圧され続け、シャッタ部230による第2の開口部205の閉塞状態が維持される。
シャッタ部230及びカバー部231のうち、少なくとも一方を、非可逆的な構成としてもよい。これにより、第2の開口部205を閉塞状態とした後は、シャッタ部230が元の位置(開口状態の位置)に戻らず、また、カバー部231も、元のドーム形状に戻らず、凹んだ形状を維持するため、より強固に、第2の開口部205の閉塞状態を維持することができる。
このシャッタ部230は、廃トナー回収装置200の廃トナー収容部203が満杯状態となるまでは、第2の開口部205の開口状態を維持する位置で待機し、廃トナー回収装置200の廃トナー収容部203が満杯状態となった際に、第2の開口部205を遮蔽して閉塞状態とする。そして、第2の開口部205を閉塞状態とした後は、シャッタ部230は、第2の開口部205を閉塞状態とした位置から移動しない構造(非可逆の構造)となっている。このため、一旦、シャッタ部230で第2の開口部205が閉塞状態とされた後は、廃トナー回収装置200に振る等の外乱が加わっても、第2の開口部205が閉塞状態を維持するようになっている。
また、実施の形態の画像形成装置の廃トナー回収装置200の場合、変形部206は、満杯状態の位置まで被検知体209を移動させた後は、その突出量を維持するように非可逆となる。
(実施の形態の廃トナー回収装置の動作)
図7は、実施の形態の画像形成装置100の廃トナー回収装置200の動作を説明するための断面図である。この図7において、回収用孔部201を介して回収された廃トナーが徐々に満杯に近づくに連れ、搬送スクリュー220(搬送部の一例)の搬送動作により廃トナー収容部203に流入する廃トナーの量も多くなり、変形部206も廃トナー回収装置200外に、徐々に突出する。変形部206が廃トナー回収装置200外に突出すると、回動軸211の軸回りにアーム部210が回動し、被検知体209が、検知部の一例であるセンサ装置207の検知センサ208の検知位置まで移動する。ここまでは、上述のとおりである。
実施の形態の画像形成装置100の廃トナー回収装置200の場合、アーム部210が回動し、被検知体209が、検知センサ208の検知位置まで移動するに連れ、アーム部210の押圧部240が、図7に矢印Dで示すようにカバー部231を介してシャッタ部230を徐々に押圧する。これにより、廃トナー収容部203の第2の開口部205が、シャッタ部230により徐々に閉塞状態とされる。そして、廃トナー回収装置200の廃トナー収容部203が満杯状態となると、図7に矢印Eで示すように、押圧部240により、廃トナー収容部203の第2の開口部205がシャッタ部230で閉塞状態とされる。
シャッタ部230で第2の開口部205が閉塞状態とされると、検知センサ208の後段の判定部300が、表示部等を介してユーザに満杯状態を報知すると共に、搬送スクリュー220を停止制御する。
廃トナー収容部203の第1の開口部204に、搬送スクリュー220で廃トナーが送り込まれる第1の開口部204の流入口は、搬送スクリュー220で廃トナーを送り込むことが可能であり、かつ、廃トナー収容部203を閉塞状態とした後は、流入口から廃トナーが漏れ出ないように、狭目に設計されている。このため、シャッタ部230で第2の開口部205が閉塞された状態では、少なくとも廃トナー収容部203内の廃トナーの移動は抑制される。このため、変形部206の突出状態は維持され、検知センサ208における被検知体209の検知状態も、満杯状態のまま維持される。さらに、カバー部231及びシャッタ部230も、第2の開口部205を閉塞状態とした位置から非可逆となる。
このため、一旦、シャッタ部230で第2の開口部205が閉塞状態とされた後は、振る等の外乱を廃トナー回収装置200に加えても、非可逆特性の変形部206、カバー部231及びシャッタ部230により、第2の開口部205の閉塞状態が維持される。これより、検知センサ208で検知されていた満杯状態が強制的に解除される不都合を防止することができ、一旦、検知された満杯状態の検知結果を維持することができる。
(実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、実施の形態の画像形成装置100は、廃トナー回収装置200の廃トナー収容部203が満杯状態となった際に、廃トナー回収装置200内に設けた廃トナー収容部203の第2の開口部205を、シャッタ部230により閉塞状態とする。これにより、廃トナー回収装置200に外乱が加えられた場合でも、廃トナー収容部203内の廃トナーの変動を抑制することができる。
このため、廃トナー回収装置200内の廃トナーの増加に比例して増加する廃トナー収容部203内の廃トナーの収容量に基づいて、廃トナー回収装置200内の廃トナーの貯留量を検知するセンサ装置207の検知結果を維持することができる。また、廃トナー収容部203内の廃トナーの収容量が変動して、センサ装置207で誤検知が発生する不都合を防止できる。従って、検知センサ208で検知された廃トナー収容部203の満杯状態が強制的に解除されることで、搬送スクリュー220及び駆動モータ等が破損する不都合を防止することができる。
また、廃トナー収容部203の廃トナーの収容量に応じて突出量を変化させる変形部206は、一旦突出した状態となると、その突出位置及び形状を維持する非可逆特性を有している。同様に、カバー部231も、一旦、押圧されると、その凹んだ状態を維持し、シャッタ部230も、一旦、第2の開口部205を閉塞状態とすると、その状態を維持する非可逆特性を有している。
このため、廃トナー回収装置200の廃トナー収容部203の満杯状態が検知センサ208で検知された後において、検知センサ208で検知された満杯状態が強制的に解除される不都合を強力に防止することができ、一旦、検知された満杯状態の検知結果を強固に維持することができる。従って、検知センサ208で検知された満杯状態が強制的な解除も強力に防止して、搬送スクリュー220及び駆動モータ等が破損する不都合も強力に防止することができる。
なお、上述の実施の形態の説明では、変形部206、カバー部231及びシャッタ部230は、第2の開口部205を閉塞状態とした後に、それぞれ非可逆となることとしたが、いずれか一つが非可逆となるようにしてもよい。この場合でも、上述と同じ効果を得ることができる。
また、さらに一組のアーム部及びシャッタ部を設け、変形部206に連動して、廃トナー収容部203の第1の開口部204も閉塞状態としてもよい。この場合、廃トナー収容部203の第1の開口部204及び第2の開口部205の両方を閉塞状態とすることができる。このため、廃トナー収容部203内の廃トナーの変動を、さらに強固に抑制することができ、上述と同様の効果を得ることができる。
最後に、上述の実施の形態は、一例として提示したものであり、本発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な各実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことも可能である。また、各実施の形態及び各実施の形態の変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
100 画像形成装置
200 廃トナー回収装置
200a 廃トナー回収装置の上面部
200b 廃トナー回収装置の上面部の一方の端部
200c 廃トナー回収装置の上面部の他方の端部
201 回収用孔部
203 廃トナー収容部
204 廃トナー収容部の第1の開口部
205 廃トナー収容部の第2の開口部
206 変形部
207 センサ装置
208 検知センサ
209 被検知体
210 アーム部
211 回動軸
212 脚部
220 搬送スクリュー
230 シャッタ部
231 カバー部
240 押圧部
500 廃トナー回収装置
特開2002-148884号公報

Claims (7)

  1. 画像形成の際に余剰となった廃トナーを貯留する貯留部と、
    前記貯留部の一部であって、貯留部内への開口を有して前記廃トナーを収容する廃トナー収容部と、
    前記貯留部内の前記廃トナーを前記廃トナー収容部へ搬送する搬送部と、
    前記廃トナー収容部の前記廃トナーの収容量が所定量に達したことを検知する検知部と、
    前記検知部で、前記廃トナー収容部の前記廃トナーの収容量が所定量に達したことが検知された際に、前記廃トナー収容部の前記開口を閉塞する閉塞部と、
    を有し、
    前記廃トナー収容部は、前記廃トナーが流入する第1の開口部と、前記第1の開口部とは反対側にある第2の開口部と、を有し、
    前記閉塞部は、前記第2の開口部を閉塞させること
    を特徴とする廃トナー回収装置。
  2. 前記閉塞部は、
    前記廃トナー収容部の収容量が増加するに連れ、前記貯留部の外側に突出する変形部と、
    前記変形部の突出量に応じて、前記廃トナーの収容量が所定量に達したことを検知する検知部の検知位置まで被検知体を移動させる移動部と、をさらに備え、
    前記貯留部の上限とされている貯留量を検知する検知位置まで前記被検知体が移動した際に、前記廃トナー収容部の前記第2の開口部を閉塞すること、
    を特徴とする請求項に記載の廃トナー回収装置。
  3. 前記変形部は、可撓部材で形成されており、前記廃トナー収容部の収容量が増加することで、前記貯留部に収容された前記廃トナーにより、前記貯留部の内側から押圧されることで、前記貯留部の外側に突出して、前記被検知体を移動させること
    を特徴とする請求項に記載の廃トナー回収装置。
  4. 前記移動部は、
    一端部に前記被検知体が設けられ、他端部に前記閉塞部を押圧する押圧部が設けられたアーム部と、
    前記アーム部を回動可能に支持する支持部と、を備え、
    前記アーム部が前記変形部により押し上げられて前記支持部の軸回りに回動することで、前記一端部に設けられた前記被検知体が、前記検知部の検知位置まで移動し、前記他端部に設けられた前記押圧部が、前記一端部の押し上げ方向とは反対の押し下げ方向に移動して前記閉塞部を押圧することで、前記廃トナー収容部の前記第2の開口部を閉鎖するように前記閉塞部を動作させること
    を特徴とする請求項又は請求項に記載の廃トナー回収装置。
  5. 貯留部外から前記閉塞部を被覆する可撓部材で形成されたカバー部を、さらに備え、
    前記アーム部に設けられた前記押圧部は、前記カバー部を介して前記閉塞部を押圧すること
    を特徴とする請求項に記載の廃トナー回収装置。
  6. 前記変形部、前記閉塞部及び前記カバー部のうち、少なくとも一つは、前記第2の開口部を閉塞させる動作を行った後に非可逆となること、
    を特徴とする請求項に記載の廃トナー回収装置。
  7. トナー画像を担持して回転する像担持体と、
    前記像担持体の前記トナー画像を印刷媒体に転写した後に、前記像担持体に残留したトナーを廃トナーとして回収するクリーニング装置と、
    前記クリーニング装置で回収された前記廃トナーを貯留する請求項1から請求項のうち、いずれか一項に記載の廃トナー回収装置と、
    を有する画像形成装置。
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