(第1実施形態)
以下、媒体処理装置、後処理装置、媒体搬送装置の第1実施形態を、図面を参照して説明する。媒体処理装置は、例えば、用紙などの媒体に液体の一例であるインクを吐出し、媒体に文字や画像を記録するインクジェット式のプリンターである。
図1に示すように、媒体処理装置11は、媒体12に処理の一例である前処理を施す印刷装置13と、前処理された媒体12に後処理を施す後処理装置14と、印刷装置13と後処理装置14との間に位置する中間装置15と、を備える。前処理とは、媒体12に文字や画像を記録する記録処理である。後処理とは、記録処理に付随して行われる処理であり、本実施形態の後処理装置14では、記録された複数の媒体12をステープルで綴じるステープラー処理を行う。
媒体処理装置11には、印刷装置13から中間装置15を経由して後処理装置14まで続く図1に二点鎖線で示す搬送経路17が設けられている。媒体処理装置11は、搬送モーター18の駆動により搬送経路17に沿って媒体12を搬送する少なくとも1つ搬送ローラー対19を備える。なお、中間装置15や後処理装置14における搬送ローラー対19は、それぞれの装置に搬送モーター18を備えても良い。さらに、印刷装置13や中間装置15や後処理装置14は、複数の搬送モーター18を備えても良い。こうすることで、印刷装置13や中間装置15や後処理装置14における複数の搬送ローラー対19の動作を、効率的に制御できる。
図面では、媒体処理装置11が水平面上に置かれているものとして重力の方向をZ軸で示し、Z軸と交差する面に沿う方向をX軸及びY軸で示す。X軸、Y軸、及びZ軸は、好ましくは互いに直交し、X軸とY軸は、水平面に沿う。以下の説明では、X軸方向を幅方向X、Z軸方向を鉛直方向Zともいい、幅方向Xと直交して搬送経路17に沿う方向を第1搬送方向Y1ともいう。第1搬送方向Y1は、搬送ローラー対19が媒体12を搬送する方向であり、上流側の印刷装置13から下流側の後処理装置14に向かう方向である。
印刷装置13には、媒体12を積層した状態で収容可能なカセット21が着脱可能に設けられている。印刷装置13には、複数のカセット21を着脱可能に設けてもよい。印刷装置13は、カセット21に収容された媒体12のうち、最上位の媒体12を送り出すピックアップローラー22と、ピックアップローラー22により送り出された媒体12を1枚ずつ分離する分離ローラー23と、を備える。
印刷装置13は、搬送経路17沿いの位置に設けられて媒体12を支持する支持部25と、支持部25により支持された媒体12にノズル26から液体を吐出して記録処理を行う処理部の一例である記録ヘッド27と、を備える。記録ヘッド27は、搬送経路17を挟んで支持部25と対向する位置に設けられている。記録ヘッド27は、幅方向Xに亘って液体を同時に吐出可能な所謂ラインヘッドとしてもよいし、幅方向Xに移動しながら液体を吐出する所謂シリアルヘッドとしてもよい。
印刷装置13は、搬送経路17の一部分として、媒体12が排出される排出経路101と、媒体12がスイッチバック搬送されるスイッチバック経路102と、媒体12の姿勢が反転される反転経路103とを備える。排出経路101は、記録ヘッド27により記録された媒体12が排出部104に向けて排出される経路である。排出部104は、印刷装置13の上部に位置する。排出経路101を搬送される媒体12は、排出部104に載置される。
スイッチバック経路102及び反転経路103は、両面印刷される媒体12が搬送される経路である。スイッチバック経路102は、排出経路101に沿うように延びる。反転経路103は、スイッチバック経路102から延びる。反転経路103は、記録ヘッド27の下流から記録ヘッド27の上流に向けて、記録ヘッド27の上方を通過するように延びる。
両面印刷を実行する際、片面に印刷された媒体12は、まずスイッチバック経路102へ搬送される。次に、媒体12は、スイッチバック経路102においてスイッチバック搬送される。すなわち、媒体12は、スイッチバック経路102において、逆向きに搬送される。次に、媒体12は、スイッチバック経路102から反転経路103へ搬送される。
媒体12は、スイッチバック経路102及び反転経路103を搬送されることにより、印刷された片面が上方を向く姿勢から下方を向く姿勢に反転される。反転経路103を搬送された媒体12は、再び記録ヘッド27により記録される。このとき、媒体12は、すでに印刷された面とは反対側の面に印刷される。このようにして、印刷装置13は、媒体12に両面印刷を実行する。印刷装置13は、印刷した媒体12を排出部104又は中間装置15に向けて搬送する。
中間装置15は、搬送経路17の一部分として、導入経路201と、第1スイッチバック経路202と、第2スイッチバック経路203と、第1合流経路204と、第2合流経路205と、導出経路206とを備える。導入経路201は、印刷装置13から媒体12が導入される経路である。第1スイッチバック経路202及び第2スイッチバック経路203は、導入経路201から延び、媒体12がスイッチバック搬送される経路である。第1スイッチバック経路202及び第2スイッチバック経路203は、導入経路201から分岐するように延びる。
第1合流経路204は、第1スイッチバック経路202から延びる経路である。第2合流経路205は、第2スイッチバック経路203から延びる経路である。導出経路206は、第1合流経路204及び第2合流経路205から延び、後処理装置14に向けて媒体12が導出される経路である。第1合流経路204及び第2合流経路205は、導出経路206にて合流する。
印刷装置13から中間装置15へ搬送される媒体12は、導入経路201を搬送される。導入経路201を搬送される媒体12は、第1スイッチバック経路202又は第2スイッチバック経路203の何れかへ搬送される。導入経路201を搬送される媒体12は、導入経路201から第1スイッチバック経路202及び第2スイッチバック経路203に分岐する箇所に設けられるフラップなどによって、第1スイッチバック経路202及び第2スイッチバック経路203に振り分けられる。
第1スイッチバック経路202へ搬送された媒体12は、第1スイッチバック経路202においてスイッチバック搬送される。媒体12は、第1スイッチバック経路202においてスイッチバック搬送されると、第1合流経路204へ搬送される。第1合流経路204を搬送される媒体12は、導出経路206へ搬送される。
導入経路201から第2スイッチバック経路203へ搬送された媒体12は、第2スイッチバック経路203においてスイッチバック搬送される。媒体12は、第2スイッチバック経路203においてスイッチバック搬送されると、第2合流経路205へ搬送される。第2合流経路205を搬送される媒体12は、導出経路206へ搬送される。
中間装置15を搬送される媒体12は、第1スイッチバック経路202又は第2スイッチバック経路203においてスイッチバック搬送される。そのため、中間装置15を搬送される媒体12は、印刷装置13において直前に印刷された面が上方を向く姿勢から下方を向く姿勢となるように反転される。これにより、後処理装置14に導出される媒体12は、印刷装置13において直前に印刷された面が下方を向く姿勢となる。中間装置15に媒体12を搬送させることにより、液体を吐出された媒体12の乾燥時間が確保される。媒体12の乾燥時間を確保することにより、媒体12に吐出された液体の転写、吐出された液体の水分による媒体12のカール等を抑制できる。
次に、後処理装置14の一実施形態について説明する。
図1に示すように、後処理装置14は、媒体搬送装置28を備える。媒体搬送装置28は、媒体12を搬送ベルト29に吸着して搬送する搬送機構30を備える。媒体搬送装置28は、搬送機構30よりも第1搬送方向Y1の上流側に位置する媒体12を検出する検出部31を備えてもよい。媒体搬送装置28は、搬送ベルト29により搬送された媒体12をスタックするスタッカーの一例である中間スタッカー32を備える。後処理装置14は、中間スタッカー32にスタックされる媒体12に後処理を施す後処理機構33と、中間スタッカー32から送り出された媒体12をスタックする排出スタッカー34と、を備える。
図2に示すように、中間スタッカー32は、スタックする媒体12の第1搬送方向Y1における上流側の端である後端12rを揃える整列部36を備える。中間スタッカー32は、整列部36側の端が反対側の端よりも鉛直方向Zの下側に位置するように斜めに設けられている。
搬送機構30は、中間スタッカー32の鉛直方向Zの上方の位置に、中間スタッカー32と搬送ベルト29とが対向するように設けられる。搬送機構30は、搬送ベルト29を回転させる回転機構37と、記録ヘッド27により記録処理されて中間装置15から排出された媒体12を環状の搬送ベルト29に吸着させる吸着機構38と、を備える。
回転機構37は、搬送ベルト29を回転させるベルトモーター40と、ベルトモーター40の駆動により回転する駆動プーリー41と、駆動プーリー41の軸線と平行な軸線を中心に回転自在な従動プーリー42と、を備える。本実施形態の回転機構37は、2つの従動プーリー42を備える。搬送ベルト29は、駆動プーリー41及び従動プーリー42に三角環状に掛け渡されている。搬送ベルト29は、ベルトモーター40の駆動により駆動プーリー41及び従動プーリー42の外側を周回移動する。具体的には、回転機構37は、ベルトモーター40を正転駆動することにより、搬送ベルト29を第1回転方向A1に回転させる。回転機構37は、ベルトモーター40を逆転駆動することにより、搬送ベルト29を第1回転方向A1とは反対の第2回転方向A2に回転させる。
吸着機構38は、搬送ベルト29と、吸引室44を有する箱状の吸引部45と、ダクト46を介して吸引室44内を吸引するファン47と、を備える。搬送ベルト29の外側の面は、媒体12を吸着する吸着面29aとされている。吸引部45は、吸引室44の一部が搬送ベルト29で覆われるように、搬送ベルト29の内側の面である内面29bと接触する状態で設けられている。
図3に示すように、駆動プーリー41及び従動プーリー42には、複数の搬送ベルト29を幅方向Xに並べて掛け渡してもよい。搬送ベルト29には、吸着面29aと内面29bとに開口するように搬送ベルト29を貫通する多数の孔49が形成されている。
図2,図3に示すように、吸着機構38は、ファン47の駆動に伴って吸引室44内を負圧にし、吸引室44と連通する孔49を通じて搬送ベルト29の吸着面29aに媒体12を吸着する。すなわち、吸着機構38は、搬送ベルト29に形成された孔49から空気を吸引する吸引方式により媒体12を搬送ベルト29に吸着する。
図2に示すように、搬送機構30は、搬送ベルト29に媒体12を吸着し、この状態で搬送ベルト29を回転させることで、搬送ベルト29と中間スタッカー32との間の領域において媒体12を搬送する。具体的には、回転機構37は、媒体12を吸着した搬送ベルト29を第1回転方向A1に回転させることで、媒体12を第1搬送方向Y1に搬送する。回転機構37は、媒体12を吸着した搬送ベルト29を第2回転方向A2に回転させることで、媒体12を第1搬送方向Y1とは反対の第2搬送方向Y2に搬送する。回転機構37は、媒体12を第1搬送方向Y1に搬送した後、媒体12を第2搬送方向Y2に搬送して中間スタッカー32にスタックさせる。
図2に示すように、媒体搬送装置28は、搬送ベルト29と中間スタッカー32の間において媒体12の変位が可能となる領域の一例である可動領域MAの大きさ変更する変更機構51を備える。後処理装置14は、中間スタッカー32にスタックされた媒体12を幅方向Xに整合する一対の整合部材52と、整合部材52を幅方向Xに移動させる移動機構53と、を備える。図2では一対の整合部材52のうち、一方の整合部材52を図示する。
変更機構51は、ガイド軸55を中心に回動可能な可動ガイド56と、ガイド軸55を回動させるガイドモーター57と、を有する。可動ガイド56は、ガイドモーター57の駆動により、図2に実線で示す第1ガイド位置と、第1ガイド位置よりも中間スタッカー32に近い図2に二点鎖線に示す第2ガイド位置と、に移動可能に設けられている。
ガイド軸55は、搬送ベルト29の内側の位置に、幅方向Xに延びるように設けられる。第1ガイド位置に位置する可動ガイド56は、搬送ベルト29よりも中間スタッカー32から離れた位置に位置し、吸着面29aにおいて吸引室44と連通する孔49が形成された部分よりも上側に位置する。可動ガイド56が第1ガイド位置に位置するとき、搬送ベルト29と中間スタッカー32の間の領域が可動領域MAとなる。
第2ガイド位置に位置する可動ガイド56は、一部が搬送ベルト29よりも中間スタッカー32に近い位置に位置し、幅方向Xから見て吸着面29aと交差する。可動ガイド56が第2ガイド位置に位置するとき、可動ガイド56により可動領域MAが狭められ、可動ガイド56と中間スタッカー32との間の領域が可動領域MAの一部となる。
可動ガイド56が第1ガイド位置に位置するとき、ガイド軸55から離れた可動ガイド56の先端56aは、第2搬送方向Y2においてガイド軸55よりも下流側に位置する。第1ガイド位置に位置する可動ガイド56は、先端56aが下がるように回動して第2ガイド位置に移動する。そのため、可動ガイド56が第2ガイド位置に位置する場合の可動領域MAは、可動ガイド56が第1ガイド位置に位置する場合の可動領域MAに比べ、第2搬送方向Y2における下流側が狭い。
一対の整合部材52は、幅方向Xに互いに間隔を有して設けられる。整合部材52には、整合部材52が媒体12を整合する動作において、第2ガイド位置に位置する可動ガイド56との接触を回避して可動ガイド56の移動を許容する切り欠き59が形成されている。可動ガイド56は、第2ガイド位置に位置するとき、切り欠き59を介して整合部材52を回避して移動可能である。整合部材52は、媒体12の幅方向Xの端と接触して媒体12を整合する第1ガイド面の一例である整合面60を有する。移動機構53は、整合部材52の整合面60と、媒体12の幅方向Xの端と、が接触するように、一対の整合部材52を中間スタッカー32にスタックされる媒体12の大きさに合わせて移動させる。すなわち、一対の整合部材52は、幅方向Xに相対移動する。
切り欠き59は、第2搬送方向Y2における上流の端である第1端59aと、下流の端である第2端59bと、が鉛直方向Zにおいて異なる位置に位置する。具体的には、第1端59aは、第2端59bよりも鉛直方向Zの上方であって、搬送ベルト29に近い位置に位置する。第1端59aと第2端59bは、図2に二点鎖線で示す第2ガイド位置に位置する可動ガイド56の先端56aよりも鉛直方向Zの上方に位置し、ガイド軸55よりも鉛直方向Zの下方に位置する。したがって、第2ガイド位置に位置する可動ガイド56は、第1端59aと第2端59bとを結ぶ第1仮想線L1と交差する。
整合部材52は、吸着面29aに沿う直線を第1搬送方向Y1の下流に延ばした第2仮想線L2よりも鉛直方向Zの上方に位置する突出部61を備える。突出部61は、整合面60の一部を構成する。突出部61は、切り欠き59よりも鉛直方向Zの上側に位置する。突出部61は、搬送ベルト29を挟んで駆動プーリー41と第1搬送方向Y1に並ぶ。
搬送ベルト29と中間スタッカー32との間の位置で媒体12が変形することで、媒体12が整合部材52と当接できずに整合できないような場合であっても、搬送ベルト29が第2仮想線L2よりも鉛直方向Zの上方の位置に突出しているので、媒体12を確実に突出部61に当接させることができ整合が可能になる。
次に、媒体処理装置11の電気的構成について説明する。
図4に示すように、媒体処理装置11は、媒体処理装置11における各機構の駆動を統括的に制御する制御部62を備える。制御部62は、例えばコンピューター及びメモリーを含む処理回路等から構成される。制御部62は、メモリーに記憶されたプログラムに従って媒体処理装置11で実行される各種動作を制御する。制御部62は、時間を計時する計時部63を備える。制御部62は、検出部31に信号を受信可能に接続される。制御部62は、搬送モーター18、記録ヘッド27、後処理機構33、ベルトモーター40、ファン47、変更機構51、及び移動機構53に対して信号を送信し、各機構の動作を制御する。
次に、媒体処理装置11の作用について説明する。
図2に示すように、搬送ローラー対19により媒体12が第1搬送方向Y1に搬送されるとき、制御部62は、可動ガイド56を図2に実線で示す第1ガイド位置に位置させた状態でファン47を駆動させると共に、ベルトモーター40を正転駆動して搬送ベルト29を第1回転方向A1に回転させる。
図5に示すように、媒体12が搬送ベルト29まで搬送されると、吸着機構38は、媒体12における第2面の一例である上面12bを吸着する。媒体12の上面12bは、媒体12における中間スタッカー32側の第1面の一例である下面12aとは反対側の面である。
媒体12が吸着面29aに吸着されて、第1回転方向A1に回転する搬送ベルト29により第1搬送方向Y1に搬送されるとき、可動ガイド56は、吸着面29aよりも上側の第1ガイド位置に位置する。そのため、媒体12は、可動ガイド56とは非接触の状態、あるいは、可動ガイド56に沿う状態で第1搬送方向Y1に搬送される。
図6に示すように、制御部62は、検出部31が媒体12の後端12rを検出すると、所定時間が経過した後に可動ガイド56を第2ガイド位置に移動させ、ベルトモーター40を逆転駆動する。すなわち、制御部62は、ベルトモーター40を正転駆動する状態で後端12rが検出されると、所定時間だけベルトモーター40の正転駆動を続けて搬送ベルト29を第1回転方向A1に回転させる。制御部62は、後端12rが検出されてから所定時間が経過すると、ベルトモーター40の駆動を一時停止させ、続けてベルトモーター40を逆転駆動して搬送ベルト29を第2回転方向A2に回転させる。
所定時間とは、媒体12の後端12rが可動ガイド56を抜けるのに必要な時間である。所定時間は、検出部31から第2ガイド位置に位置する可動ガイド56と搬送ベルト29の吸着面29aとが交差する位置までの搬送経路17に沿う距離を、媒体12を搬送する速度で割った商と略等しい。所定時間が経過して搬送ベルト29の回転方向が第1回転方向A1から第2回転方向A2に変更されるとき、媒体12は、後端12rが第1搬送方向Y1において可動ガイド56のガイド軸55よりも下流側に位置する状態で一時停止される。
図7に示すように、制御部62は、媒体12の搬送が停止している間に、可動ガイド56を第2ガイド位置に移動させ、可動ガイド56が第2ガイド位置に位置する状態で搬送ベルト29を第2回転方向A2に回転させる。すなわち、変更機構51は、媒体12を第2搬送方向Y2に搬送するときの第2搬送方向Y2における下流側の可動領域MAの大きさを、媒体12を第1搬送方向Y1に搬送するときに比べて狭くする。
図8に示すように、搬送ベルト29が第2回転方向A2に回転すると、媒体12は、第2搬送方向Y2に搬送される。第2ガイド位置に位置する可動ガイド56は、第2搬送方向Y2に搬送される媒体12の上面12bに接触し、媒体12を吸着面29aから剥がす。可動ガイド56により吸着面29aから剥がされた媒体12は、後端12rが整列部36に当たって位置決めされ、搬送ベルト29の下側に位置する中間スタッカー32にスタックされる。
このように、搬送ベルト29が第2回転方向A2に回転し、媒体12を第2搬送方向Y2に搬送させる際、媒体12の一部を搬送ベルト29で吸着させながら搬送するため、媒体12と中間スタッカー32とが互いに離れた状態が生じる。これによって、例えば、既に中間スタッカー32にスタックされた先行する媒体12の上面12bに対して、後続する媒体12の下面12aが触れる機会を少なくできる。
とりわけ、水系インクを用いたインクジェット式のプリンターでは、媒体12にインクなどの液体を付着させると、媒体12同士を摺動させたときの抵抗が大きくなる。そのため、後続する媒体12を中間スタッカー32にスタックするにあたって、先行する媒体12の上面12bに対して後続する媒体12の下面12aを接触させる時間が長いと、先行する媒体12と後続する媒体12との摺動抵抗により、後続する媒体12の後端12rが整列部36に適切に当たらず、後続する媒体12を中間スタッカー32に適切にスタックできない可能性がある。
しかしながら、搬送ベルト29に媒体12を吸着させることにより、既に中間スタッカー32にスタックされた先行する媒体12の上面12bに対して、後続する媒体12の下面12aが触れる機会を少なくできるため、後続する媒体12を中間スタッカー32に適切にスタックできるようになる。
図9に示すように、可動ガイド56の第2ガイド位置は、中間スタッカー32にスタックされる媒体12の数に応じて変化させることが好ましい。制御部62は、可動ガイド56の第2ガイド位置を中間スタッカー32にスタックされる媒体12の数に応じて変化するように制御してもよい。本実施形態の制御部62は、中間スタッカー32にスタックされる媒体12の数が閾値数よりも少ない場合は、図9に二点鎖線で示す第2ガイド位置に可動ガイド56を位置させ、中間スタッカー32にスタックされる媒体12の数が閾値数以上である場合は、図9に実線で示す第2ガイド位置に可動ガイド56を位置させる。そのため、媒体12の数が多い場合に第2ガイド位置に位置する可動ガイド56と中間スタッカー32との間隔は、媒体12の数が少ない場合に第2ガイド位置に位置する可動ガイド56と中間スタッカー32との間隔よりも大きい。
中間スタッカー32に媒体12がスタックされている場合、中間スタッカー32にスタックされた媒体12と搬送ベルト29との間の領域、及び中間スタッカー32にスタックされた媒体12と可動ガイド56との間の領域が可動領域MAとなる。
中間スタッカー32に所定数の媒体12がスタックされると、後処理機構33は媒体12に後処理を施す。後処理を施す所定数とは、媒体12を後処理する際の、部単位の枚数である。制御部62は、図示しない送出機構を駆動して中間スタッカー32にスタックされた媒体12を中間スタッカー32から第1搬送方向Y1に送り出す。中間スタッカー32から送り出された媒体12は、排出スタッカー34にスタックされる。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1-1)搬送ベルト29から離れた媒体12は、可動領域MAにおいて変形する。そのため、可動領域MAが広いほど媒体12は大きく変形する虞がある。その点、変更機構51は、媒体12を第1搬送方向Y1に搬送するときに比べ、媒体12を第2搬送方向Y2に搬送するときに搬送ベルト29と中間スタッカー32の間の可動領域MAを狭くする。したがって、第2搬送方向Y2に搬送される媒体12が搬送ベルト29から離れて大きく変形することを抑制でき、媒体12の変形を抑制した状態で媒体12を中間スタッカー32にスタックできる。
(1-2)可動ガイド56は、第1ガイド位置よりも中間スタッカー32に近い第2ガイド位置に位置するとき、媒体12の上面12bに接触する。そのため、第2ガイド位置に位置する可動ガイド56により媒体12を搬送ベルト29から剥がすと共に、可動領域MAを狭くすることができる。
(1-3)中間スタッカー32にスタックされる媒体12の数に応じて可動ガイド56の第2ガイド位置が変化する。そのため、第2ガイド位置に位置する可動ガイド56と中間スタッカー32にスタックされる媒体12との関係を適切に維持できる。
(1-4)可動ガイド56の第2ガイド位置は、中間スタッカー32にスタックされる媒体12の数に応じて変化するように制御部62に制御される。そのため、中間スタッカー32にスタックされた媒体12に可動ガイド56が接触する虞を低減できる。
(1-5)中間スタッカー32が有する一対の整合部材52には、切り欠き59が形成されている。そのため、第2ガイド位置に位置する可動ガイド56と、整合部材52と、が干渉する虞を低減できる。
(1-6)吸着機構38は、吸引方式により媒体12を搬送ベルト29に吸着する。したがって、例えば粘着性のベルトにより媒体12を搬送する場合に比べ、媒体12が傷つく虞を低減できる。
(1-7)記録処理により液体が付着した媒体12同士を重ねたときの摩擦抵抗は、液体が付着していない媒体12同士を重ねたときの摩擦抵抗よりも大きい。そのため、記録処理後の媒体12を先に記録処理された媒体12の上を滑らせるようにスタックすると、媒体12が揃わない虞がある。その点、搬送機構30は、中間スタッカー32の鉛直方向Zの上方に位置し、媒体12を上から落とすようにして中間スタッカー32にスタックする。そのため、記録処理されて摩擦抵抗が大きな媒体12を中間スタッカー32にスタックする場合でも、媒体12を揃えてスタックできる。
(第2実施形態)
次に、媒体処理装置、後処理装置、媒体搬送装置の第2実施形態について図を参照しながら説明する。なお、この第2実施形態は、変更機構の構成が第1実施形態の場合とは異なっている。そして、その他の点では第1実施形態とほぼ同じであるため、同一の構成については同一符号を付すことによって重複した説明は省略する。
図10に示すように、後処理装置14は、媒体搬送装置28を備える。媒体搬送装置28は、第2搬送方向Y2に搬送される媒体12を搬送ベルト29から剥がす分離フラップ65と、分離フラップ65を付勢する例えばねじりばねなどの付勢部材66と、を備える。後処理装置14は、幅方向Xに互いに間隔を有して並ぶ複数の分離フラップ65を備えてもよい。分離フラップ65は、フラップ上面65aと、フラップ下面65bと、を有する。
複数の分離フラップ65のうち、一対の搬送ベルト29に挟まれた分離フラップ65は、搬送されるすべての媒体12に共通して、該媒体12を搬送ベルト29から分離させるように作用する。一方、複数の分離フラップ65のうち、一対の搬送ベルト29に挟まれていない分離フラップ65は、少なくとも一対の分離フラップ65が媒体12の側端部の側に接触して、該媒体12を搬送ベルト29から分離させるように作用する。このようにすることで、異なるサイズの媒体12を搬送する場合でも、搬送ベルト29から適切に分離させることができる。そのため、一対の搬送ベルト29に挟まれていない分離フラップ65の位置は、搬送を想定する媒体12の複数の定型サイズに応じて決定することが好ましい。
分離フラップ65は、フラップ軸67を中心に揺動し、姿勢を変更可能に設けられている。分離フラップ65は、図10に実線で示す第1フラップ位置と、図10に二点鎖線で示す第2フラップ位置と、に移動可能である。付勢部材66は、分離フラップ65を第1フラップ位置に向かって付勢する。分離フラップ65が第1フラップ位置に位置するとき、フラップ上面65aとフラップ下面65bは、幅方向Xから見て搬送ベルト29における吸着面29aと交差する。分離フラップ65が第1フラップ位置に位置するとき、フラップ上面65aと吸着面29aとがなす角度は鋭角であり、フラップ下面65bと吸着面29aとがなす角度は鈍角である。
本実施形態の媒体搬送装置28が備える変更機構69は、駆動プーリー41と従動プーリー42のうち、第1搬送方向Y1において最も下流側に位置する駆動プーリー41を中心として搬送機構30とフラップ軸67を回動させる。すなわち、変更機構69は、搬送ベルト29を中間スタッカー32に対して相対移動させることで、搬送ベルト29と中間スタッカー32に挟まれた領域である可動領域MAのサイズを変更する。
搬送ベルト29は、図10に示す第1ベルト位置と、第1ベルト位置よりも中間スタッカー32に近い図13に示す第2ベルト位置と、に移動可能に設けられている。搬送機構30が第2ベルト位置に位置する場合の第2搬送方向Y2の下流側における可動領域MAのサイズは、搬送機構30が第1ベルト位置に位置する場合よりも狭い。
次に、媒体処理装置11の作用について説明する。
図10に示すように、搬送ローラー対19により媒体12が第1搬送方向Y1に搬送されるとき、制御部62は、搬送ベルト29を第1ベルト位置に位置させた状態でファン47を駆動させると共に、ベルトモーター40を正転駆動して搬送ベルト29を第1回転方向A1に回転させる。
図11に示すように、媒体12が搬送ベルト29まで搬送されると、吸着機構38は、媒体12の上面12bを吸着する。第1回転方向A1に回転する搬送ベルト29は、吸着した媒体12を第1搬送方向Y1に搬送する。媒体12が分離フラップ65まで搬送されると、媒体12は、前端12fがフラップ上面65aに接触して分離フラップ65を押す。これにより、分離フラップ65は、付勢部材66の付勢力に抗して回動し、図11に二点鎖線で示す第2フラップ位置に移動する。
図12に示すように、フラップ上面65aの少なくとも一部は、第1搬送方向Y1に搬送される媒体12が分離フラップ65を通過するとき、媒体12の下面12aに接触する。媒体12は、付勢部材66により付勢される分離フラップ65により搬送ベルト29に押し付けられ、分離フラップ65と搬送ベルト29に挟まれた状態で搬送される。
制御部62は、検出部31が媒体12の後端12rを検出すると、所定時間が経過した後にベルトモーター40を逆転駆動する。すなわち、制御部62は、ベルトモーター40を正転駆動する状態で後端12rが検出されると、所定時間だけベルトモーター40の正転駆動を続けて搬送ベルト29を第1回転方向A1に回転させる。制御部62は、後端12rが検出されてから所定時間が経過すると、ベルトモーター40の駆動を一時停止させ、続けてベルトモーター40を逆転駆動して搬送ベルト29を第2回転方向A2に回転させる。
所定時間とは、媒体12の後端12rが分離フラップ65を抜けるのに必要な時間である。所定時間は、検出部31から分離フラップ65の先端までの搬送経路17に沿う距離を、媒体12を搬送する速度で割った商と略等しい。
図13に示すように、所定時間が経過して搬送ベルト29の回転方向が第1回転方向A1から第2回転方向A2に変更されるとき、媒体12は、後端12rが第1搬送方向Y1において分離フラップ65よりも下流側に位置する状態で一時停止される。媒体12が分離フラップ65から離れると、分離フラップ65は、付勢部材66の付勢力により第1フラップ位置に戻る。すなわち、分離フラップ65は、搬送ベルト29の回転方向が第1回転方向A1から第2回転方向A2に切り替わるとき、第1フラップ位置に位置する。
制御部62は、搬送ベルト29の回転が一時停止された状態で変更機構69を駆動し、搬送ベルト29を第2ベルト位置に移動させ、第2ベルト位置に位置する搬送ベルト29を第2回転方向A2に回転させる。すなわち、変更機構69は、媒体12を第1搬送方向Y1に搬送するときには、搬送ベルト29を第1ベルト位置に位置させ、媒体12を第2搬送方向Y2に搬送するときには、搬送ベルト29を中間スタッカー32に近づけて第2ベルト位置に位置させる。
図14に示すように、搬送ベルト29が第2回転方向A2に回転すると、媒体12は、第2搬送方向Y2に搬送される。このとき、分離フラップ65は、第1フラップ位置に位置し、フラップ下面65bの少なくとも一部は、第2搬送方向Y2に搬送される媒体12の上面12bに接触し、媒体12を吸着面29aから剥がす。分離フラップ65により吸着面29aから剥がされた媒体12は、後端12rが整列部36に当たって位置決めされ、搬送ベルト29の下側に位置する中間スタッカー32にスタックされる。後処理機構33は、中間スタッカー32に所定数の媒体12がスタックされると、媒体12に後処理を施す。後処理を施す所定数とは、媒体12を後処理する際の、部単位の枚数である。
上記第2実施形態によれば、上記第1実施形態の効果に加えて以下のような効果を得ることができる。
(2-1)変更機構69は、媒体12を第1搬送方向Y1に搬送するときには搬送ベルト29を第1ベルト位置に位置させ、媒体12を第2搬送方向Y2に搬送するときには、搬送ベルト29を第1ベルト位置よりも中間スタッカー32に近い第2ベルト位置に位置させる。そのため、搬送ベルト29により可動領域MAを狭くすることができると共に、搬送ベルト29を中間スタッカー32に近づけた状態で媒体12を中間スタッカー32にスタックできるため、媒体12を速やかにスタックできる。
(第3実施形態)
次に、媒体処理装置、後処理装置、媒体搬送装置の第3実施形態について図を参照しながら説明する。なお、この第3実施形態は、変更機構の構成が第1実施形態及び第2実施形態の場合とは異なっている。そして、その他の点では第1実施形態及び第2実施形態とほぼ同じであるため、同一の構成については同一符号を付すことによって重複した説明は省略する。
図15に示すように、後処理装置14は、媒体12に向かって送風する送風部71を備える。一対の整合部材52は、整合面60よりも搬送ベルト29側の位置に設けられた第2ガイド面の一例である領域ガイド72を有する。領域ガイド72は、搬送ベルト29に吸着されて搬送される媒体12の下面12aと対向可能である。
図16に示すように、領域ガイド72は、整合部材52における整合面60よりも上側の位置から他方の整合部材52に向かって延びるように庇状に形成されている。そのため、幅方向Xにおいて、一対の領域ガイド72同士の間隔は、一対の整合面60同士の間隔よりも狭い。
本実施形態の媒体搬送装置28では、変更機構の一例である移動機構53が整合部材52を幅方向Xに移動させることにより、可動領域MAのサイズを変更する。移動機構53は、一対の整合部材52を図16に実線で示す退避位置と、図16に二点鎖線で示す整合位置と、に移動させる。幅方向Xにおいて、整合位置に位置する一対の整合部材52同士の間隔は、退避位置に位置する一対の整合部材52同士の間隔よりも狭い。
幅方向Xにおいて、一対の整合部材52が整合位置に位置するときの一対の整合面60同士の間隔は、一対の整合部材52が退避位置に位置するときの一対の整合面60同士の間隔よりも狭く、媒体12の幅と略同じである。一対の整合部材52が整合位置に位置するときの領域ガイド72同士の幅方向Xにおける間隔は、媒体12の幅よりも狭い。一対の整合部材52が退避位置に位置するときの一対の領域ガイド72同士の幅方向Xにおける間隔は、媒体12の幅よりも広い。
次に、媒体処理装置11の作用について説明する。
図15,図16に示すように、移動機構53は、搬送ベルト29が第1回転方向A1に回転して媒体12を第1搬送方向Y1に搬送するとき、一対の整合部材52を退避位置に位置させる。このとき、搬送ベルト29と中間スタッカー32との間の領域が可動領域MAとなる。
制御部62は、検出部31が媒体12の後端12rを検出すると、後端12rが検出されてから所定時間が経過後にベルトモーター40の駆動を一時停止させ、続けてベルトモーター40を逆転駆動して搬送ベルト29を第2回転方向A2に回転させる。
図17に示すように、移動機構53は、搬送ベルト29の回転が一時停止された状態で、整合部材52を整合位置に位置させる。これにより、媒体12の下面12aと領域ガイド72とが対向し、搬送ベルト29と領域ガイド72との間の領域が可動領域MAとなる。移動機構53は、搬送ベルト29が第2回転方向A2に回転して媒体12を第2搬送方向Y2に搬送するときには、一対の整合部材52を整合位置に位置させる。
図18に示すように、搬送ベルト29が第2回転方向A2に回転すると、媒体12は、第2搬送方向Y2に搬送され、分離フラップ65により搬送ベルト29から剥がされる。領域ガイド72は、搬送ベルト29から剥がされた媒体12の下面12aと接触して媒体12をガイドする。
送風部71は、搬送ベルト29が媒体12を第2搬送方向Y2に搬送するとき、媒体12の下面12aに向かって送風する。下から風が吹き付けられた媒体12は、風圧により上側に位置する搬送ベルト29や図示しないガイド部材などに押し付けられ、カールなどの変形が抑制された状態で搬送される。媒体12の後端12rが整列部36に当たって媒体12が位置決めされると、制御部62は、ベルトモーター40の駆動を停止させると共に、送風部71の駆動を停止させる。
図19に示すように、搬送ベルト29から剥がされた媒体12は、領域ガイド72により支持される。
図20に示すように、次の媒体12が搬送ローラー対19により搬送され、検出部31が次の媒体12の前端12fを検出すると、制御部62は、ベルトモーター40を正転駆動して搬送ベルト29を第1回転方向A1に回転させるとともに、一対の整合部材52を退避位置に位置させる。これにより、領域ガイド72に支持されていた先の媒体12は、領域ガイド72から落とされるようにして中間スタッカー32にスタックされる。
図21に示すように、制御部62は、検出部31が後の媒体12の後端12rを検出すると、移動機構53を駆動して一対の整合部材52を整合位置に移動させる。整合部材52は、中間スタッカー32にスタックされた媒体12を幅方向Xに揃える。制御部62は、後端12rが検出されてから所定時間が経過後にベルトモーター40の駆動を一時停止させ、続けてベルトモーター40を逆転駆動して搬送ベルト29を第2回転方向A2に回転させ、後の媒体12を先の媒体12と同様に中間スタッカー32にスタックする。後処理機構33は、中間スタッカー32に所定数の媒体12がスタックされると、媒体12に後処理を施す。後処理を施す所定数とは、媒体12を後処理する際の、部単位の枚数である。
上記第3実施形態によれば、上記第1実施形態及び第2実施形態の効果に加えて以下のような効果を得ることができる。
(3-1)幅方向Xにおいて、一対の領域ガイド72同士の間隔は、一対の整合面60同士の間隔よりも狭い。そのため、整合面60と媒体12の端とが接触して整合部材52が媒体12を整合する状態で次の媒体12が第2搬送方向Y2に搬送されると、次の媒体12は、領域ガイド72によりガイドされる。領域ガイド72は、整合面60よりも搬送ベルト29側に位置するため、領域ガイド72により媒体12の可動領域MAを狭くできる。
(3-2)媒体12の下面12aに向かって送風する送風部71を備える。そのため、搬送ベルト29から離れる媒体12の挙動を安定させることができる。
(第4実施形態)
次に、媒体処理装置、後処理装置、媒体搬送装置の第4実施形態について図を参照しながら説明する。なお、この第4実施形態は、変更機構の構成が第1実施形態~第3実施形態の場合とは異なっている。そして、その他の点では第1実施形態~第3実施形態とほぼ同じであるため、同一の構成については同一符号を付すことによって重複した説明は省略する。
図22に示すように、変更機構51は、ガイド軸55を中心として回動可能な可動ガイド56と、ガイド軸55を回動させるガイドモーター57と、を備える。可動ガイド56は、ガイド軸55に挿通され、ガイド軸55に対して回動するように設けられている。
変更機構51は、可動ガイド56と共に移動可能な移動部材74と、可動ガイド56と移動部材74との間に設けられるコイルばね75と、を備える。移動部材74は、ねじ76によりガイド軸55に固定される。移動部材74は、ガイド軸55を中心としてガイド軸55と一体で回動する。可動ガイド56は、移動部材74と中間スタッカー32との間に位置する。
コイルばね75は、可動ガイド56を移動部材74から離れる方向に押す。可動ガイド56は、移動部材74と係合する係合部56bを有する。移動部材74は、係合部56bよりも鉛直方向Zの下方の位置であって、係合部56bと中間スタッカー32との間の位置に位置する制限部74aを有する。制限部74aは、係合部56bと係合し、可動ガイド56が移動部材74から離れる方向への移動部材74に対する移動を制限する。
図23に示すように、変更機構51は、ガイド軸55に固定されるレバー78と、レバー78を押すカム79と、レバー78をカム79に押し付けるための引っ張りばね80と、を備えてもよい。カム79は、例えば略円盤形状をなし、中心とは異なる位置に軸が挿通された偏芯カムである。カム79は、ガイドモーター57の駆動により回転し、引っ張りばね80の力に抗してレバー78を押す。
カム79がレバー78を押すと、ガイド軸55及び移動部材74は、図22において時計回り方向に回動する。コイルばね75により移動部材74に対して押される可動ガイド56は、係合部56bが制限部74aに係合した状態で移動部材74と共にガイド軸55を中心として回動する。すなわち、可動ガイド56は、図22に示す第1ガイド位置から図26に示す第2ガイド位置に移動する。
カム79がレバー78の押し付けを解除すると、レバー78は、引っ張りばね80の力により元の位置に戻る。ガイド軸55及び移動部材74は、図22において反時計回り方向に回動する。制限部74aに係合部56bが係合する可動ガイド56は、係合部56bが制限部74aに押し上げられるようにして、第2ガイド位置から第1ガイド位置に移動する。
次に、媒体処理装置11の作用について説明する。
図22に示すように、搬送ローラー対19により媒体12が第1搬送方向Y1に搬送されるとき、制御部62は、可動ガイド56を図22に示す第1ガイド位置に位置させた状態でファン47を駆動させると共に、ベルトモーター40を正転駆動して搬送ベルト29を第1回転方向A1に回転させる。
図24に示すように、媒体12が搬送ベルト29まで搬送されると、吸着機構38は、媒体12の上面12bを吸着する。媒体12が吸着面29aに吸着されて、第1回転方向A1に回転する搬送ベルト29により第1搬送方向Y1に搬送されるとき、可動ガイド56は、吸着面29aよりも中間スタッカー32から離れた第1ガイド位置に位置する。そのため、媒体12は、可動ガイド56とは非接触の状態、あるいは、可動ガイド56に沿う状態で第1搬送方向Y1に搬送される。
図25に示すように、制御部62は、検出部31が媒体12の後端12rを検出すると、所定時間だけベルトモーター40を正転駆動した後、ベルトモーター40の駆動を一時停止させる。
図26に示すように、搬送ベルト29の回転が停止したとき、媒体12は、後端12rが第1搬送方向Y1においてガイド軸55よりも下流に位置する。制御部62は、媒体12の搬送が停止している間に、可動ガイド56を第2ガイド位置に移動させる。可動ガイド56が第2ガイド位置に位置すると、可動領域MAの大きさが、可動ガイド56が第1ガイド位置に位置するときに比べて狭くなる。
第1ガイド位置に位置する可動ガイド56は、第2搬送方向Y2においてガイド軸55よりも下流に位置する先端56aが下がるように回動して第2ガイド位置に移動する。そのため、可動ガイド56が第2ガイド位置に位置する場合の可動領域MAは、可動ガイド56が第1ガイド位置に位置する場合の可動領域MAに比べ、第2搬送方向Y2における下流側が狭い。
図27に示すように、制御部62は、可動ガイド56が第2ガイド位置に位置する状態で搬送ベルト29を第2回転方向A2に回転させる。搬送ベルト29が第2回転方向A2に回転すると、媒体12は、第2搬送方向Y2に搬送される。第2ガイド位置に位置する可動ガイド56は、第2搬送方向Y2に搬送される媒体12の上面12bに接触し、媒体12を吸着面29aから剥がす。可動ガイド56により吸着面29aから剥がされた媒体12は、後端12rが整列部36に当たって位置決めされ、搬送ベルト29の下方に位置する中間スタッカー32にスタックされる。
制御部62は、検出部31が次の媒体12を検出するまで可動ガイド56を第2ガイド位置に位置させ、可動領域MAを狭い状態に維持してもよい。可動領域MAを狭くしておくことにより、媒体12が中間スタッカー32にスタックされた状態でカールする虞を低減できる。
中間スタッカー32に媒体12がスタックされていないとき、第2ガイド位置に位置する可動ガイド56と中間スタッカー32との最小間隔は、中間スタッカー32にスタック可能な媒体12の厚みよりも小さい。したがって、中間スタッカー32にスタックされる媒体12の厚みが、可動ガイド56と中間スタッカー32の最小間隔以上の場合、第2ガイド位置に位置する可動ガイド56は、中間スタッカー32にスタックされた媒体12に接触する。
図28に示すように、中間スタッカー32に媒体12がスタックされている場合、中間スタッカー32にスタックされた媒体12と搬送ベルト29との間の領域、及び中間スタッカー32にスタックされた媒体12と可動ガイド56との間の領域が可動領域MAとなる。
中間スタッカー32にスタックされた媒体12の厚みが、可動ガイド56と中間スタッカー32の最小間隔以上の場合には、中間スタッカー32にスタックされた媒体12に可動ガイド56が接触する位置が可動ガイド56の第2ガイド位置となる。
可動ガイド56において媒体12に接する部分は、移動部材74と中間スタッカー32との間に位置する。そのため、可動ガイド56と移動部材74が第1ガイド位置から中間スタッカー32に近づくように移動すると、移動部材74よりも先に可動ガイド56が中間スタッカー32にスタックされた媒体12に接触する。第1ガイド位置から第2ガイド位置に移動する可動ガイド56が中間スタッカー32にスタックされた媒体12に接触すると、可動ガイド56は、媒体12に接した位置で移動を停止する。
移動部材74は、可動ガイド56に対して相対移動可能である。コイルばね75は、収縮して可動ガイド56に対する移動部材74の移動を許容する。移動部材74は、制限部74aが係合部56bから離れて中間スタッカー32に近づくように移動する。
可動ガイド56の第2ガイド位置は、中間スタッカー32にスタックされる媒体12の数に応じて変化する。中間スタッカー32にスタックされる媒体12の数が変化した場合でも、可動ガイド56を第2ガイド位置に位置させる場合の移動部材74の位置は変化せず、可動ガイド56の第2ガイド位置と、係合部56bと制限部74aの間隔と、が変化する。
第2ガイド位置に位置する可動ガイド56は、第2搬送方向Y2に搬送される媒体12が接触すると、この媒体12に押されて中間スタッカー32から離れる方向に移動する。すなわち、第2搬送方向Y2に搬送される媒体12は、可動ガイド56を押し上げるようにして、先にスタックされている媒体12と可動ガイド56との間を通過し、中間スタッカー32にスタックされる。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(4-1)第2ガイド位置に位置する可動ガイド56は、中間スタッカー32にスタックされた媒体12に接触可能であり、第2搬送方向Y2に搬送される媒体12に押されて中間スタッカー32から離れる方向に移動する。そのため、第2ガイド位置は、可動ガイド56が中間スタッカー32にスタックされた媒体12に接触する位置となり、中間スタッカー32にスタックされる媒体12の数に応じて第2ガイド位置を自動的に変化させることができる。
上記実施形態は以下に示す変更例のように変更してもよい。上記実施形態と下記変更例とは、任意に組み合わせてもよい。下記変更例に含まれる構成同士を任意に組み合わせてもよい。
・後処理装置14は、付勢部材66を備えない構成としてもよい。例えば、分離フラップ65は、フラップ軸67に対して媒体12と接する側とは反対側の位置に重りを設け、第2フラップ位置に位置する分離フラップ65を自重により第1フラップ位置に戻してもよい。後処理装置14は、例えば分離フラップ65を移動させるソレノイドや、フラップ軸67を回動させるモーターなど、分離フラップ65を移動させる駆動源を備えてもよい。
・後処理装置14は、搬送ベルト29との間に媒体12を挟むと共に、媒体12の搬送に伴って従動回転するローラーを備えてもよい。このローラーは、周面に凹凸が形成された歯付ローラーとすると、両面印刷された媒体12の下面12aに付着した液体がローラーに移る虞を低減できる。
・後処理装置14は、中間スタッカー32にスタックされた媒体12を押さえる押え具を備えてもよい。押え具は、例えば回転可能に設けられた板状の弾性部材や、変位可能に設けられた重しにより構成される。押え具は、搬送ベルト29が第1回転方向A1に回転するときに、中間スタッカー32にスタックされた媒体12を押え、搬送ベルト29が第2回転方向A2に回転するときには、媒体12から離れる位置に移動する。
・後処理機構33は、後処理として媒体12に穴を開けるパンチ処理、媒体12を部単位でずらして排出するシフト処理、媒体12を裁断する裁断処理、媒体12を折り畳む折丁処理、媒体12を製本する製本処理や丁合処理などの任意の処理を行ってもよい。
・吸着機構38は、媒体12と搬送ベルト29とを帯電させる静電吸着方式により媒体12を搬送ベルト29に吸着してもよい。吸着機構38が静電吸着方式により媒体12を搬送ベルト29に吸着すると、例えば粘着性のベルトにより媒体12を搬送する場合に比べ、媒体12が傷つく虞を低減できる。
・第1実施形態及び第2実施形態において、後処理機構33は、送風部71を備えてもよい。第3実施形態において、後処理機構33は、送風部71を備えない構成としてもよい。
・第1実施形態において、後処理装置14は、移動機構53を備えない構成としてもよい。すなわち、整合部材52は、幅方向Xに移動させなくてもよい。
・第1実施形態において、整合部材52には、切り欠き59を形成しない構成としてもよい。
・第1実施形態において、後処理装置14は、整合部材52を備えない構成としてもよい。
・第2実施形態において、後処理装置14は、整合部材52を備えてもよい。整合部材52には、搬送ベルト29の移動を許容する切り欠きを形成してもよい。
・第1実施形態において、可動ガイド56は、3つ以上の第2ガイド位置に位置可能としてもよい。
・第1実施形態において、第2ガイド位置は、変化させなくてもよい。可動ガイド56は、中間スタッカー32にスタックされる媒体12の数に関係なく同じ第2ガイド位置に位置させてもよい。
・第4実施形態において、変更機構51は、コイルばね75を備えない構成としてもよい。第2ガイド位置に位置する可動ガイド56は、中間スタッカー32にスタックされた媒体12を自重により押えてもよい。
・第4実施形態において、移動部材74は、制限部74aを備えない構成とし、可動ガイド56は、係合部56bを備えない構成としてもよい。例えばコイルばね75の一端を移動部材74に接続し、コイルばね75の他端を可動ガイド56に接続し、移動部材74は、可動ガイド56をコイルばね75によって吊るすように保持してもよい。変更機構51は、コイルばね75とは別の変形可能な変形部材により移動部材74と可動ガイド56とを接続してもよい。
・変更機構51,69及び移動機構53は、媒体12が第1搬送方向Y1に搬送されるときと、第2搬送方向Y2に搬送されるときの、搬送ベルト29と中間スタッカー32の間の可動領域MAの大きさを、第2搬送方向Y2の全体に亘って変更してもよいし、第2搬送方向Y2における上流の大きさを変更してもよい。
・変更機構51,69は、搬送ベルト29が回転して媒体12が搬送されている間に、可動領域MAを変更してもよい。例えば、変更機構51は、第1搬送方向Y1に搬送される媒体12の後端12rが、吸着面29aにおいて、第2ガイド位置に位置する可動ガイド56と交差する部分を通過した後で可動ガイド56を第1ガイド位置から第2ガイド位置に移動させてもよい。変更機構51は、媒体12が第2搬送方向Y2に搬送されている間に、可動ガイド56を第1ガイド位置から第2ガイド位置に移動させてもよい。変更機構69は、吸着面29aに後端12rが吸着された媒体12が、第1搬送方向Y1もしくは第2搬送方向Y2に搬送されている間に、搬送ベルト29を第1ベルト位置から第2ベルト位置に移動させてもよい。
・媒体処理装置11は、中間装置15の機能と後処理装置14の機能と印刷装置13の機能とを一体に備えた装置であってもよい。
・媒体処理装置11は、中間装置15の機能及び後処理装置14の機能を一体に備えた装置と、印刷装置13とを備えた装置であってもよい。
・媒体処理装置11は、中間装置15と後処理装置14を備えない構成とし、印刷装置13に搬送機構30と、搬送機構30により搬送された媒体12をスタックするスタッカーと、を設けてもよい。媒体処理装置11は、後処理機構33を備えない構成としてもよい。媒体処理装置11は、記録ヘッド27により記録処理された媒体12を、搬送機構30により第1搬送方向Y1及び第2搬送方向Y2に搬送し、媒体12の後端12rが揃うように、印刷装置13が備えるスタッカーにスタックしてもよい。
・液体は、媒体12に付着することで、この媒体12に印刷することができるものであれば任意に選択することができる。なお、液体とは、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状体を含むものとする。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては、インクが挙げられる。インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。
・媒体処理装置11は、媒体12にインクなどの液体を付着させることにより文字や絵、写真などの画像を印刷する装置であって、シリアルプリンター、ラテラル式プリンター、ラインプリンター、ページプリンターなどとしてもよい。また、印刷装置13は、オフセット印刷装置、捺染印刷装置などとしてもよい。
・媒体処理装置11は、媒体12に記録された情報を読み取り処理する処理部の一例である読取部を備えるスキャナーやコピー機としてもよい。後処理装置14や媒体搬送装置28は、読取部により情報が読み取られて排出された媒体12を搬送してもよい。
・媒体処理装置11は、媒体の一例である紙を製造処理する処理部の一例である製紙部を備える製紙装置としてもよい。後処理装置14や媒体搬送装置28は製紙部により製紙されて排出された媒体を搬送してもよい。
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
媒体処理装置は、媒体に処理を行う処理部と、前記処理部により処理された前記媒体を環状の搬送ベルトに吸着させる吸着機構と、前記搬送ベルトを第1回転方向及び該第1回転方向とは反対の第2回転方向に回転させる回転機構と、前記搬送ベルトにより搬送された前記媒体をスタックするスタッカーと、前記搬送ベルトと前記スタッカーの間において前記媒体の変位が可能となる領域を変更する変更機構と、を備え、前記吸着機構は、前記媒体における前記スタッカー側の第1面とは反対側の第2面を吸着し、前記回転機構は、前記媒体を吸着した前記搬送ベルトを前記第1回転方向に回転させて前記媒体を第1搬送方向に搬送した後、前記搬送ベルトを前記第2回転方向に回転させて前記媒体を第2搬送方向に搬送して前記スタッカーにスタックさせ、前記変更機構は、前記媒体を前記第2搬送方向に搬送するときの前記領域を、前記媒体を前記第1搬送方向に搬送するときに比べて狭くする。
搬送ベルトから離れた媒体は、媒体の変位が可能となる領域において変形する。そのため、媒体の変位が可能となる領域が広いほど媒体は大きく変形する虞がある。その点、この構成によれば、変更機構は、媒体を第1搬送方向に搬送するときに比べ、媒体を第2搬送方向に搬送するときに搬送ベルトとスタッカーの間の領域を狭くする。したがって、第2搬送方向に搬送される媒体が搬送ベルトから離れて大きく変形することを抑制でき、媒体の変形を抑制した状態で媒体をスタッカーにスタックできる。
上記媒体処理装置において、前記変更機構は、第1ガイド位置と、該第1ガイド位置よりも前記スタッカーに近い第2ガイド位置と、に移動可能な可動ガイドを有し、前記第2ガイド位置に位置する前記可動ガイドは、前記第2搬送方向に搬送される前記媒体の前記第2面に接触してもよい。
この構成によれば、可動ガイドは、第1ガイド位置よりもスタッカーに近い第2ガイド位置に位置するとき、媒体の第2面に接触する。そのため、第2ガイド位置に位置する可動ガイドにより媒体を搬送ベルトから剥がすと共に、媒体の変位が可能となる領域を狭くすることができる。
上記媒体処理装置において、前記第2ガイド位置は、前記スタッカーにスタックされる前記媒体の数に応じて変化し、スタックされる前記媒体の数が多い場合の前記第2ガイド位置に位置する前記可動ガイドと前記スタッカーとの間隔は、スタックされる前記媒体の数が少ない場合の前記第2ガイド位置に位置する前記可動ガイドと前記スタッカーとの間隔よりも大きくてもよい。
この構成によれば、スタッカーにスタックされる媒体の数に応じて可動ガイドの第2ガイド位置が変化する。そのため、第2ガイド位置に位置する可動ガイドと、スタッカーにスタックされる媒体と、の関係を適切に維持できる。
上記媒体処理装置は、前記可動ガイドの前記第2ガイド位置を前記スタッカーにスタックされる前記媒体の数に応じて変化するように制御する制御部を備えてもよい。
この構成によれば、可動ガイドの第2ガイド位置は、スタッカーにスタックされる媒体の数に応じて変化するように制御部に制御される。そのため、スタッカーにスタックされた媒体に可動ガイドが接触する虞を低減できる。
上記媒体処理装置において、前記第2ガイド位置に位置する前記可動ガイドは、前記スタッカーにスタックされた前記媒体に接触可能であり、前記第2搬送方向に搬送される前記媒体に押されて前記スタッカーから離れる方向に移動してもよい。
この構成によれば、第2ガイド位置に位置する可動ガイドは、スタッカーにスタックされた媒体に接触可能であり、第2搬送方向に搬送される媒体に押されてスタッカーから離れる方向に移動する。そのため、第2ガイド位置は、可動ガイドがスタッカーにスタックされた媒体に接触する位置となり、スタッカーにスタックされる媒体の数に応じて第2ガイド位置を自動的に変化させることができる。
上記媒体処理装置は、前記スタッカーにスタックされる前記媒体を前記第1搬送方向と直交する幅方向に整合する一対の整合部材をさらに備え、前記整合部材には、該整合部材が前記媒体を整合する動作において、前記第2ガイド位置に位置する前記可動ガイドとの接触を回避する切り欠きが形成されてもよい。
この構成によれば、スタッカーが有する一対の整合部材には、切り欠きが形成されている。そのため、第2ガイド位置に位置する可動ガイドと、整合部材と、が干渉する虞を低減できる。
上記媒体処理装置において、前記搬送ベルトは、第1ベルト位置と、該第1ベルト位置よりも前記スタッカーに近い第2ベルト位置と、に移動可能に設けられ、前記変更機構は、前記媒体を前記第1搬送方向に搬送するときには、前記搬送ベルトを前記第1ベルト位置に位置させ、前記媒体を前記第2搬送方向に搬送するときには、前記搬送ベルトを前記第2ベルト位置に位置させてもよい。
この構成によれば、変更機構は、媒体を第1搬送方向に搬送するときには搬送ベルトを第1ベルト位置に位置させ、媒体を第2搬送方向に搬送するときには、搬送ベルトを第1ベルト位置よりもスタッカーに近い第2ベルト位置に位置させる。そのため、搬送ベルトにより媒体の変位が可能となる領域を狭くすることができると共に、搬送ベルトをスタッカーに近づけた状態で媒体をスタッカーにスタックできるため、媒体を速やかにスタックできる。
上記媒体処理装置は、前記第1搬送方向と直交する幅方向に相対移動して前記スタッカーにスタックされた前記媒体を整合する一対の整合部材をさらに備え、前記整合部材は、前記媒体の端を整合する第1ガイド面と、前記第1ガイド面よりも前記搬送ベルト側の位置であり、前記第1ガイド面よりも前記幅方向の内側で前記媒体の前記第1面側をガイドする第2ガイド面と、を有してもよい。
この構成によれば、幅方向において、一対の第2ガイド面同士の間隔は、一対の第1ガイド面同士の間隔よりも狭い。そのため、第1ガイド面と媒体の端とが接触して整合部材が媒体を整合する状態で次の媒体が第2搬送方向に搬送されると、次の媒体は、第2ガイド面によりガイドされる。第2ガイド面は、第1ガイド面よりも搬送ベルト側に位置するため、第2ガイド面により媒体の変位が可能となる領域を狭くできる。
上記媒体処理装置は、前記媒体を前記第2搬送方向に搬送するとき、前記媒体の前記第1面に向かって送風する送風部を備えてもよい。
この構成によれば、媒体の第1面に向かって送風する送風部を備える。そのため、搬送ベルトから離れる媒体の挙動を安定させることができる。
上記媒体処理装置において、前記吸着機構は、前記搬送ベルトに形成された孔から空気を吸引する吸引方式、又は前記媒体と前記搬送ベルトとを帯電させる静電吸着方式により前記媒体を前記搬送ベルトに吸着してもよい。
この構成によれば、吸着機構は、吸引方式又は静電吸着方式により媒体を搬送ベルトに吸着する。したがって、例えば粘着性のベルトにより媒体を搬送する場合に比べ、媒体が傷つく虞を低減できる。
後処理装置は、排出された媒体を環状の搬送ベルトに吸着させる吸着機構と、前記搬送ベルトを第1回転方向及び該第1回転方向とは反対の第2回転方向に回転させる回転機構と、前記搬送ベルトにより搬送された前記媒体をスタックする中間スタッカーと、前記中間スタッカーにスタックされる前記媒体に後処理を施す後処理機構と、前記中間スタッカーから送り出された前記媒体をスタックする排出スタッカーと、前記搬送ベルトと前記中間スタッカーの間において前記媒体の変位が可能となる領域を変更する変更機構と、を備え、前記吸着機構は、前記媒体における前記中間スタッカー側の第1面とは反対側の第2面を吸着し、前記回転機構は、前記媒体を吸着した前記搬送ベルトを前記第1回転方向に回転させて前記媒体を第1搬送方向に搬送した後、前記搬送ベルトを前記第2回転方向に回転させて前記媒体を第2搬送方向に搬送して前記中間スタッカーにスタックさせ、前記変更機構は、前記媒体を前記第2搬送方向に搬送するときの前記領域を、前記媒体を前記第1搬送方向に搬送するときに比べて狭くする。この構成によれば、上記媒体処理装置と同様の効果を奏することができる。
媒体搬送装置は、排出された媒体を環状の搬送ベルトに吸着させる吸着機構と、前記搬送ベルトを第1回転方向及び該第1回転方向とは反対の第2回転方向に回転させる回転機構と、前記搬送ベルトにより搬送された前記媒体をスタックするスタッカーと、前記搬送ベルトと前記スタッカーの間において前記媒体の変位が可能となる領域を変更する変更機構と、を備え、前記吸着機構は、前記媒体における前記スタッカー側の第1面とは反対側の第2面を吸着し、前記回転機構は、前記媒体を吸着した前記搬送ベルトを前記第1回転方向に回転させて前記媒体を第1搬送方向に搬送した後、前記搬送ベルトを前記第2回転方向に回転させて前記媒体を第2搬送方向に搬送して前記スタッカーにスタックさせ、前記変更機構は、前記媒体を前記第2搬送方向に搬送するときの前記領域を、前記媒体を前記第1搬送方向に搬送するときに比べて狭くする。この構成によれば、上記媒体処理装置と同様の効果を奏することができる。