JP7146297B2 - 閉鎖力を調節するための装置を有する家具用ヒンジ - Google Patents

Description

本発明の目的は、閉鎖力を調節するための装置を備えた、厨房用家具等の家具用のヒンジである。

上記種類のヒンジは、広く知られており、横開き（ｓｉｄｅ－ｈｉｎｇｅｄ ｏｐｅｎｉｎｇ）の縦型扉の場合、扉と固定構造体の間で、家具製品の下部及び上部に配置される。

欧州特許出願公開第１１５４１０９号明細書（特許文献１）は、固定構造体に対する扉の移動のための装置であり、該装置は、扉に拘束され、固定構造体に対して回転する第１関節要素、固定構造体にヒンジ拘束される第２関節要素を含み、上記２つの関節要素の端部は、互いにヒンジ結合され、第１関節要素は、弾性的に可変な伸長部を有し、それにより上記２要素は、確実に、一方を他方に対して、一連の不安定な位置を通過して、安定した収縮位置及び安定した伸長位置にでき、上記装置は、更に、２要素間のヒンジの軸と、固定構造体に対する第２要素の回転軸との間の距離を調節するために、調節手段を含む、装置について記載している。

家具製品の側面を審美的に向上させるのと同時に、該側面から伝統的なヒンジの嵩張りを除去するために、現在、底部（下面）及び家具製品のカバー（上面又は最上部）に挿入される４本のピン付きヒンジを使用する傾向がある。

扉の重さ及び寸法は様々なため、これらのヒンジは、異なる性能を有する。

性能の違いは、主に扉の閉鎖段階で見られ、閉鎖段階中に補助するのに使用される吸収材又は緩衝装置の存在によって顕著になる。

従って、先行技術によれば、これらのヒンジは、該ヒンジが作動させねばならない扉に基づいて調整され、そのため、在庫部品において、特に、異なる種類の扉用に異なる弾性力のバネを備える必要がある。

扉の種類に基づいて異なる力のバネを提供しても、性能の低下は、ヒンジの使用中における摩耗が原因で発生し得る。

欧州特許出願公開第１１５４１０９号明細書

本発明の目的は、上述した種類の既知のヒンジに関する欠点を排除、又は少なくとも軽減することである。

より詳細には、本発明の一目的は、閉鎖力を調節可能であり、その結果、異なる扉が様々な家具において使用されたとしても、在庫の材料を削減可能な、家具用ヒンジを提供することである。

本発明の別の目的は、各扉の開閉機能の改善された最適化を可能にするようなヒンジを提供することである。

本発明の更に別の目的は、ヒンジの使用中に発生し得る、摩耗による性能低下に対処できるようなヒンジを提供することである。

本発明の更なる目的は、単純且つ経済的な設計の、使い易い、閉鎖力を調節するための装置を有するような家具用ヒンジを供給することである。

これらの及び他の目的は、付記された独立請求項１の特徴を有する本発明による家具用ヒンジによって達成される。

本発明の有利な実施形態は、従属請求項で開示される。

実質的に、本発明による家具用ヒンジは、移動機構を用いて扉を開閉するように作動するために、底部又は最上部等の家具製品の構造体の水平面の座部に収容される傾向がある固定部、及び家具製品の扉の座部に収容される傾向がある可動部を含み、該移動機構は、ヒンジの上記固定部に配設されたピン、及び上記可動部に配設されたピンに接続する少なくとも１本レバーを含み、扉の閉鎖力は、ロッカアームに推力を加えるプッシャに作用するバネ手段（２０）によって決定され、ロッカアームに抗して扉移動機構の上記レバーが作用し、また、レバーアームを変化させ、その結果、移動レバーの反力を変化させ、従って、扉の閉鎖力を変化させるために、ロッカアームの枢動ピンからの上記バネ手段の距離を変化させる傾向がある手段を提供し、また、上記バネ手段と上記枢動ピンは、両方共、上記固定部又は上記可動部に配設され、また、扉の閉鎖力を調節する上記手段は、上記バネ手段及びプッシャを収容する引出しを含み、該プッシャは、ロッカアームの上記枢動ピンに接離移動するように、並進できる。

本発明の更なる特徴は、単なる非限定的な実施例として、添付図に図説される本発明の実施形態の１つを参照して、以下の詳細な説明によって一層明確にされるであろう。

扉の閉鎖位置で示された、本発明の第１実施形態によるヒンジの不等角投影図である。 扉の開放位置で示された、本発明の第１実施形態によるヒンジの不等角投影図である。 本発明によるヒンジが使用されている、扉付き家具製品の部分を示している。 図３の、ヒンジの一方、例えば下のヒンジで取られた、水平断面図である。 扉の閉鎖の構成におけるヒンジの部品を示す、図４のような略平面図である。 扉の開放（部分的）の構成におけるヒンジの部品を示す、図４のような略平面図である。 閉鎖力を調節するための装置を、更に詳細に示す、図６のヒンジの断面図である。 本発明によるヒンジの第２実施形態を示す、図５と同様の図である。 本発明によるヒンジの第２実施形態を示す、図６と同様の図である。

図３は、本発明によるヒンジの位置及び機能を図説するのに十分な家具の一部を模式的に示している。より詳細には、底面１、側壁３に接続された上面又は最上部２、及び扉４が示されている。

扉４は、扉自体と上記底部１及びカバー２の面との間で作用する一対のヒンジ１０を用いて、家具製品の構造体に対して、横開きで開放できる。

また、当然ながら、ヒンジ１０は、扉４と、家具製品の構造体に固着された中間面（図示せず）との間にも設けられる。

ヒンジ１０は、その構造が図１及び図２に示されており、家具製品の水平面１、２の座部に挿入される部分１１と、そうではなく、縦型扉４の座部に挿入される部分１２とを含む。

ヒンジの部分１２は、図３で示されるように、ヒンジが家具製品の底部１又は最上部２に配設されるかに応じて、上方に又は下方に指向される部分１３を有する、２つの異なる構成で作製される。

次に、本発明の第１実施形態によるヒンジ１０について、図５及び図６の平面図、及び閉鎖力を調節するための装置の構造をより良く示す図７の断面図を参照して、記載される。

ヒンジ１０は、４本のピン１４、１５、１６及び１７を有し、該ピンに、一対のレバー又はアーム１８、１９が、其々拘束され、該レバー又はアームは、開閉移動中、ヒンジ部又はブロック１２を用いて、扉４を一緒に動かす。

扉４の閉鎖力は、バネ２０によって決定され、該バネは、プッシャ２１を用いて、推力を、ヒンジ部１１の下部にある枢軸２３で枢動するロッカアーム２２に加え、そのロッカアーム２２に抗して、該アームの自由端付近で、扉作動機構のレバーアーム１８が作用する。

枢軸２３からのバネ２０の距離が長いほど、レバーアーム１８の反力、従って、扉の閉鎖力は、大きくなる。

閉鎖移動を緩やかにするために、緩衝装置又は吸収材３０も設けられ、該緩衝装置又は吸収材３０は、ロッカアーム２２と略平行に配設され、ヒンジの固定部１１に設けられたピン１４と可動部１２に設けられたピン１５との間にある、レバーアーム１８の中間部で作用する。

本発明によると、バネ２０及びプッシャ２１は、ネジ２６が係合する雌ネジが形成された側突部２５を有する引出し２４に収容され、該ネジを一方向に又は他方向に回転させることで、引出し２４を並進させて、ロッカアーム２２の枢動ピン２３に関するプッシャ２１の接離移動を決定し、その結果、レバーアームが変化する。

この状況は、図５及び図６でより明確に示されており、プッシャ２１が、其々実線と点線で、２つの異なる位置で示されている。

実線の位置では、バネ２０の力Ｆは、アームＬ１で、ロッカアーム２２に作用し、扉４を作動するための機構のアーム１８に対する反力Ｆ１を発生させ、アーム１８にこの力Ｆ１で、扉を閉鎖させる。

引出し２４を上方に並進させ、プッシャ２１を点線で示された位置にするために、ネジ２６に螺進方向で作用すると、レバーアームは、Ｌ１からＬ２に増大し、そのために、バネ２０の同じ力Ｆが、アーム１８に対するより大きな反力Ｆ２を発生させ、その結果、扉の閉鎖力がより大きくなる。

図８及び図９は、本発明による扉の閉鎖力を調節するための装置を有するヒンジの第２実施形態を示している。

参照番号１０’で表されるこのヒンジは、幾つかの構成部品の配置及び構成に関してのみ、以前に記載された実施形態とは異なり、該部品は、以前に使用されたのと同じ参照番号によって表される。

実質的に、この場合、緩衝装置又は吸収材３０は、バネ２０に略平行に配設され、従って、ロッカアーム２２に実質的に垂直であり、移動レバー１８の枢動ピン１４に対して反対側にある延伸部１８’に作用する。

その結果、ロッカアーム２２の位置は、前の実施形態に対して逆になり、枢動ピン２３が、ヒンジ部１１の下部よりは、むしろ上部に配設された状態になる。

この場合、閉鎖力を増大させるには、引出し２４を枢動ピン２３から離隔し、レバーアームをＬ１からＬ２に増大させ、その結果レバー１８の反力をＦ１からＦ２に増大させるために、引出し２４を下方に並進させるように、ネジ２６に作用する必要がある。

本発明による調節装置を有するヒンジ１０、１０’は、家具製品に取着される扉の寸法及び重さに応じて、必要な力の違いを補償できる。

同様に、ヒンジの使用中の摩耗による性能の低下も、バネ２０を保持する引出し２４に作用する単純な調節ネジ２６を用いて、補償できる。

以上の記載では、１本のバネ２０に関して言及したが、ロッカアーム２２に作用するバネ群も提供可能であることは、明らかである。

当然ながら、本発明は、これまでに記載され、添付図で図説された特定の実施形態に限定されないが、多数の詳細変更を、該実施形態に対して、当業者が想到する範囲内で、そうした変更によって、付記された請求項で規定される同発明の範囲から逸脱することなく、行い得る。

Claims (9)

1. 移動機構を用いて扉を開閉時に動作させるために、底部（１）又は最上部（２）等の家具構造体の水平面の座部に収容される固定部（１１）、及び前記家具の扉（４）の座部に収容される可動部（１２）を含む、家具用ヒンジ（１０、１０’）であり、前記移動機構は、前記ヒンジの前記固定部（１１）に配設されたピン（１４）、及び前記可動部（１２）に配設されたピン（１５）に接続する少なくとも１本のレバー（１８）を含み、
   前記扉の閉鎖力は、ロッカアーム（２２）に推力を加えるプッシャ（２１）に作用するバネ手段（２０）によって決定され、前記ロッカアーム（２２）に抗して前記扉移動機構の前記レバー（１８）が作用する、ヒンジ（１０、１０’）であって、
   該ヒンジは、前記ロッカアーム（２２）を変化させ、その結果、前記レバー（１８）の反力を変化させ、従って、扉の閉鎖力を変化させるために、前記ロッカアーム（２２）の枢動ピン（２３）からの前記バネ手段（２０）の距離を変化させる手段を提供し、
   前記バネ手段（２０）と前記枢動ピン（２３）は、両方共、前記固定部（１１）又は前記可動部（１２）に配設され、
   前記扉の閉鎖力を調節する前記手段は、前記バネ手段（２０）及びプッシャ（２１）を収容する引出し（２４）を含み、前記プッシャ（２１）は、前記ロッカアーム（２２）の前記枢動ピン（２３）に接離移動するように、並進できることを特徴とする、ヒンジ（１０、１０’）。
2. ネジ手段（２６）は、前記引出し（２４）を並進移動させるように設けられることを特徴とする、請求項１に記載のヒンジ（１０、１０’）。
3. 前記引出し（２４）は、雌ネジが形成された突出部（２５）を有し、該突出部に、前記ヒンジの前記固定部（１１）の外側から接近可能な前記ネジ手段（２６）が係合することを特徴とする、請求項２に記載のヒンジ（１０、１０’）。
4. 前記ヒンジの閉鎖移動を緩やかにするために、前記レバー（１８）に抗して作用する緩衝装置（３０）を提供することを特徴とする、請求項２又は３に記載のヒンジ（１０、１０’）。
5. 前記ロッカアーム（２２）の前記枢動ピン（２３）は、前記ネジ手段（２６）に対して反対側で、前記プッシャ（２１）と相対的に配置され、前記扉（４）を作動する前記レバー（１８）は、前記ロッカアーム（２２）の自由端付近に作用することを特徴とする、請求項４に記載のヒンジ（１０）。
6. 前記緩衝装置（３０）は、前記ピン（１４、１５）間にある前記レバー（１８）の中間ゾーンで作用することを特徴とする、請求項４又は５に記載のヒンジ（１０）。
7. 前記ロッカアーム（２２）の前記ピン（２３）は、前記ネジ手段（２６）と前記プッシャ（２１）との間に位置し、前記レバー（１８）は、前記枢動ピン（２３）と前記プッシャ（２１）との間にある個所で、前記ロッカアーム（２２）に作用することを特徴とする、請求項４に記載のヒンジ（１０’）。
8. 前記緩衝装置（３０）は、前記家具の平面（１、２）に拘束された前記ヒンジの固定部（１１）に位置する前記枢動ピン（１４）の先にある前記レバー（１８）の延伸部（１８’）に作用することを特徴とする、請求項４又は７に記載のヒンジ（１０’）。
9. 前記扉移動機構は、前記ヒンジの前記固定部（１１）と可動部（１２）との間で、各レバー（１８、１９）に接続する４本のピン（１４、１５及び１６、１７）を有することを特徴とする、請求項１～８のうちいずれか一項に記載のヒンジ（１０、１０’）。

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