JP7146294B2 - チョコレート - Google Patents

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本発明は、チョコレートに関する。
通常、チョコレートには、乳化剤としてレシチンが添加されている。レシチンは、既存添加物名簿に収載された食品添加物である(非特許文献1)。
"既存添加物名簿収載品目リスト",[online],令和2年2月26日(最終改正日),公益財団法人 日本食品化学研究振興財団,[令和2年7月29日検索],インターネット<URL:http://www.ffcr.or.jp/webupload/kizon_tenkabutsu_2020.pdf>
ところで、レシチンを含むチョコレートは、レシチンが天然由来のものであっても、食品添加物を含むチョコレートとしてマイナスイメージを持たれることがある。また、レシチンを含むチョコレートは、添加物不使用チョコレートと表示することはできない。一方で、チョコレートを製造する際に、単純にレシチンを加えないというだけでは、チョコレートの粘度が上昇するため、チョコレートを製造する際の作業性が悪くなったり、チョコレートの状態が不安定になって分離しやすくなったりする。
そこで、本発明は、レシチンを加えなくても粘度が上昇するのを抑えることができるチョコレートを提供することを目的とする。
前記した目的を達成するためのチョコレートは、食品添加物としてレシチンを含まないチョコレートであって、バターミルクパウダーと、カカオ由来ではない食物繊維が加えられてなることを特徴とする。
このようなチョコレートによれば、レシチンを加えなくても粘度が上昇するのを抑えることができる。
前記したチョコレートは、30℃での表面粘度が14000cp以下であることが望ましい。
これによれば、レシチンを含まないチョコレートを製造する際の作業性が低下するのを抑えることができる。
前記したチョコレートは、30℃での降伏値が12Pa以下であることが望ましい。
これによれば、レシチンを含まないチョコレートを製造する際の作業性が低下するのを抑えることができる。
前記したチョコレートは、一例として、バターミルクパウダーを5~10質量%含む。
前記したチョコレートは、一例として、食物繊維を5~10質量%含む。
前記したチョコレートにおいて、食物繊維は、一例として、イソマルトデキストリン、イヌリン、または、大豆食物繊維である。
前記したチョコレートは、一例として、ホワイトチョコレートである。
前記したチョコレートは、一例として、テンパリングタイプである。
本発明によれば、レシチンを加えなくても粘度が上昇するのを抑えることができる。
実施例および比較例の原材料の配合を示す表である。 実施例および比較例の表面粘度、降伏値、乳化時間、型伸びの測定結果と、コーティングテストの評価結果を示す表である。 比較例1~4のコーティングテストの結果を示す写真である。 比較例5~7および実施例1~3のコーティングテストの結果を示す写真である。 実施例4~9のコーティングテストの結果を示す写真である。
発明に係るチョコレートは、食品添加物(乳化剤)としてレシチンを含まないチョコレートであって、バターミルクパウダーと、食物繊維が加えられてなるチョコレートである。ここで、本発明における「チョコレート」とは、カカオマスを含有するチョコレート(スイートチョコレート、ミルクチョコレート)と、カカオマスを含有しないチョコレート(ホワイトチョコレート)のいずれをも含む概念であり、また、チョコレート類の表示に関する公正競争規約などの法規により規制された呼称に限定されるものではない。
発明に係るチョコレートは、テンパリングを必要とするテンパタイプのチョコレートであってもよいし、テンパリングを必要としないノーテンパタイプのチョコレートであってもよい。
発明に係るチョコレートは、カカオ分、バターミルクパウダー、食物繊維以外に、チョコレートに一般的に配合される原材料、例えば、砂糖や乳糖などの糖類、全粉乳や脱脂粉乳などの粉乳、乳脂肪、油脂などを任意に含んでいてもよい。カカオ分は、例えば、カカオニブ、カカオマス、ココアバター、ココアケーキ、ココアパウダー、カカオパルプパウダーなどである。
発明に係るチョコレートは、食品添加物としての乳化剤だけでなく、食品添加物としての香料や着色料などを含まないチョコレートであることが望ましい。すなわち、発明に係るチョコレートは、食品添加物を含まないチョコレートであることが望ましい。
バターミルクパウダーは、クリームからバターを作った後に残った液体(バターミルク)を乾燥させたものであり、レシチンなどと同様に、リン脂質が含まれている。
発明に係るチョコレートは、バターミルクパウダーを、1~20質量%含むことが望ましく、5~10質量%含むことがより望ましい。バターミルクパウダーの含有量が少ないと、チョコレートの粘度が上昇するのを抑える効果が低下する可能性がある。また、バターミルクパウダーの含有量が多いと、製造されたチョコレートが高価になる可能性がある。
発明に係るチョコレートに加えられる食物繊維は、カカオ由来ではない食物繊維である。チョコレートの原材料であるカカオ分、例えば、カカオマスなどには、食物繊維が含まれていることが知られているが、「カカオ由来ではない食物繊維」とは、チョコレートの原材料であるカカオ分にもともと含まれている食物繊維ではなく、カカオ分に含まれている食物繊維とは別に、原材料として加えられる食物繊維である。すなわち、発明に係るチョコレートは、カカオ分と、バターミルクパウダーと、チョコレートに一般的に配合される原材料のほかに、さらに食物繊維を加えたチョコレートである。なお、カカオ由来ではない食物繊維は、カカオ分に含まれる食物繊維と同じ物質を含んでいても構わない。
以下では、特に断りがない限り、「食物繊維」は、カカオ由来ではない食物繊維を意味するものとする。
食物繊維は、水溶性食物繊維、不溶性食物繊維のいずれであってもよい。水溶性食物繊維は、例えば、イソマルトデキストリン、イヌリンなどである。また、不溶性食物繊維は、例えば、大豆食物繊維である。
発明に係るチョコレートは、食物繊維を、1~20質量%含むことが望ましく、5~10質量%含むことがより望ましい。食物繊維の含有量が少ないと、チョコレートの粘度が上昇するのを抑える効果が低下する可能性がある。また、食物繊維の含有量が多いと、その分、糖類や粉乳の割合を減らさなければならなくなる可能性があり、糖類や粉乳の割合を減らした場合には、風味がおちてしまう可能性がある。また、特に不溶性食物繊維は、口どけがよくない傾向があるため、含有量が多いと、チョコレートを食べたときに舌でざらつきを感じる可能性がある。
発明に係るチョコレートに加えられる食物繊維は、1種類であってもよいし、複数種類であってもよい。
発明に係るチョコレートは、30℃での表面粘度が14000cp以下であることが望ましい。30℃での表面粘度は、B型粘度計を用いて測定した粘度である。30℃での表面粘度が高いと、レシチンを含まないチョコレートを製造する際の作業性が低下し、例えば、混ぜにくくなったり、コーティングしにくくなったりする可能性がある。また、30℃での表面粘度が高いと、チョコレートを製造する機械への負荷が大きくなる。
発明に係るチョコレートは、30℃での降伏値が12Pa以下であることが望ましく、8Pa以下であることがより望ましい。30℃での降伏値が高いと、レシチンを含まないチョコレートを製造する際の作業性が低下し、例えば、チョコレートを型に流し込んだ際に広がりにくくなったり、コーティングをした際に厚くかかってしまったりする可能性がある。
発明に係るチョコレートは、公知のチョコレートと同様の製造工程により製造することができる。詳しくは、発明に係るチョコレートは、原材料の混合工程において、例えば、カカオ分、糖類、粉乳などとともに、バターミルクパウダーと食物繊維を混合することで製造することができる。そして、例えば、テンパリングタイプのチョコレートの場合には、原材料の混合工程の後に、微細化工程(レファイニング)、精練工程(コンチング)、調温工程(テンパリング)、成形工程、冷却工程などを経て製造することができる。
発明に係るチョコレートによれば、レシチンを加えなくても、バターミルクパウダーと食物繊維を加えることで、粘度が上昇するのを抑えることができる。これにより、チョコレートの状態(結晶構造)を安定した状態に保つことが可能になる。
また、30℃での表面粘度が14000cp以下であることで、レシチンを含まないチョコレートを製造する際の作業性が低下するのを抑えることができる。これにより、例えば、混ぜやすくなったり、コーティングしやすくなったりする。また、チョコレートを製造する機械への負荷が小さくなる。
また、30℃での降伏値が12Pa以下であることで、レシチンを含まないチョコレートを製造する際の作業性が低下するのを抑えることができる。これにより、例えば、チョコレートを型に流し込んだ際の広がり(型伸び)が良くなったり、コーティングをした際にチョコレートを薄くかけたりすることができる。
次に、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例により限定されるものではない。
(チョコレート)
実施例および比較例の原材料の配合割合は、図1に示すとおりである。実施例1~9および比較例1~7は、テンパリングタイプのホワイトチョコレートである。
比較例1は、レシチンを含むチョコレートである。比較例1において、レシチンの含有量は、外割である。具体的には、比較例1は、レシチン以外の原材料100に対して、レシチンを0.4の割合で加えたものである。
比較例2~7および実施例1~9は、レシチンを含まない。
比較例2は、レシチンを含まないこと以外は比較例1と同じである。比較例2は、単純にレシチンを加えていないチョコレートである。
比較例3は、バターミルクパウダーを5質量%含むチョコレートである。
比較例4は、バターミルクパウダーを10質量%含むチョコレートである。バターミルクパウダーは、ベータセーラムパウダーBSP2(The TATUA Cooperative Dairy Company Ltd.)を使用した。
比較例3および比較例4は、食物繊維を含まない。
比較例5は、食物繊維として、イソマルトデキストリンを10質量%含むチョコレートである。イソマルトデキストリンは、ファイバリクサ(登録商標)(株式会社林原)を使用した。
比較例6は、食物繊維として、イヌリンを10質量%含むチョコレートである。イヌリンは、Fuji FF(フジ日本精糖株式会社)を使用した。
比較例7は、食物繊維として、大豆食物繊維を10質量%含むチョコレートである。大豆食物繊維は、FIBRIM(登録商標) 2000(デュポン株式会社)を使用した。
比較例5~7は、バターミルクパウダーを含まない。
実施例1~3は、バターミルクパウダーを5質量%含み、食物繊維を5質量%含むチョコレートである。実施例1の食物繊維は、イソマルトデキストリンであり、実施例2の食物繊維は、イヌリンであり、実施例3の食物繊維は、大豆食物繊維である。
実施例4~6は、バターミルクパウダーを10質量%含み、食物繊維を5質量%含むチョコレートである。実施例4の食物繊維は、イソマルトデキストリンであり、実施例5の食物繊維は、イヌリンであり、実施例6の食物繊維は、大豆食物繊維である。
実施例7~9は、バターミルクパウダーを5質量%含み、食物繊維として大豆食物繊維を10質量%含むチョコレートである。実施例7の食物繊維は、イソマルトデキストリンであり、実施例8の食物繊維は、イヌリンであり、実施例9の食物繊維は、大豆食物繊維である。
(チョコレートの製造)
各実施例および各比較例について、それぞれ、原材料を図1に示す配合割合で混合した後、公知のチョコレートを製造する場合と同様に、微細化(レファイニング)、精練(コンチング)、テンパリングを行った。その後、チョコレート生地を型に流し込んで成形し、冷却した後、型抜きをすることでチョコレートを製造した。
(表面粘度の測定)
各実施例および各比較例について、それぞれ、製造したチョコレートを45℃にて融解させ、次に、30℃まで温度を下げた。その後、30℃に調温したチョコレート250gを計量カップにとり、表面粘度(30℃での表面粘度)を、B型粘度計(東機産業株式会社、機種「TVB-10」)を用いて測定した(4号ロータ、回転数:12rpm)。
(降伏値の測定)
各実施例および各比較例について、それぞれ、製造したチョコレートを45℃にて融解させ、次に、30℃まで温度を下げた。その後、30℃に調温したチョコレートの降伏値(30℃での降伏値)を、BROOKFIELD回転粘度計(BROOKFIELD社、型式「HA DV2T」)を用いて測定した(測定温度:30℃、サンプル量:10.4ml、スピンドル:SC4-27、チャンバ:SC4-13RP)。
(乳化時間の測定)
各実施例および各比較例について、それぞれ、製造したチョコレートを45℃にて融解させ、次に、40℃まで温度を下げた。次に、40℃に調温したチョコレート100gをボウル(直径15cm、高さ6cm、容量700ml)に投入し、そこへ40℃に温めた生クリーム50gを投入した。これを室温25℃の部屋にて、ゴムベラを用いて人力で混ぜた。混ぜる力と、混ぜる速さは、一定となるように行った。具体的には、メトロノームを用いて、120回/分の速さで1拍ごとに1回混ぜるようにした。そして、チョコレートと生クリームの混合物が乳化するまでの時間を測定した。乳化したか否かは、目視により、混合物中の結晶がすべて融解したタイミングを乳化したと評価した。
(型伸びの測定)
各実施例および各比較例について、それぞれ、製造したチョコレートを45℃にて融解させ、次に、30℃まで温度を下げた。その後、室温25℃の部屋にて、30℃に調温したチョコレート1gを、40°に傾斜させた平らな金属製の板の上に絞り出し、固まるまで放置した。チョコレートは、固まるまでの間、板に沿って流れた。チョコレートが固まった後、絞り出した位置から、流れたチョコレートの先端の位置までの長さを測定した。
(コーティングテスト)
各実施例および各比較例について、それぞれ、製造したチョコレートを45℃にて融解させ、次に、30℃まで温度を下げた。その後、室温25℃の部屋にて、30℃に調温したチョコレート60gを、カップに上から注いだ。カップは、円錐台形状のカップであり、口を下にして伏せて置いたものである。チョコレートは、カップの外表面を流れていき固まることで、カップの外表面にコーティングされた状態となる。本テストでは、固まった後のチョコレートの状態(コーティングの状態)を目視で評価した。なお、カップは、透明であり、コーティングの状態が分かりやすいように、カップの下からライトを当てた。
(結果)
表面粘度、降伏値、乳化時間、型伸びの測定結果と、コーティングテストの評価結果を図2に示す。また、コーティングテストの結果(コーティングの状態)を撮影した写真を図3~図5に示す。
図2に示すように、30℃での表面粘度は、比較例1(レシチンを含む通常のチョコレートに相当)が7000cpであり、比較例2(単純にレシチンを加えていないチョコレート)が25220cpであった。
実施例1~9は、表面粘度が14000cp以下、すなわち、比較例1の2倍以下であった。実施例1~9は、比較例2よりも表面粘度が小さく、比較例2よりも比較例1に近い値であった。このことから、レシチンを加えなくても、バターミルクパウダーと食物繊維を加えることで、表面粘度が上昇するのを抑えることができることが分かる。
比較例3(バターミルクパウダーのみ5質量%)は、比較例2と表面粘度が同等であるが、比較例4(バターミルクパウダーのみ10質量%)は、比較例2よりも表面粘度が小さい。このことから、レシチンを加えなくても、バターミルクパウダーのみをある程度加えることでも、表面粘度が上昇するのを抑えることができることが分かる。
比較例4(バターミルクパウダーのみ10質量%)は、実施例1~9と同様に、表面粘度が14000cp以下であるが、今回の実験で使用したバターミルクパウダーと食物繊維を比較すると、食物繊維の価格は、パターミルクパウダーの価格の3割以下である。そのため、表面粘度を14000cp以下とする場合、比較例4のようにバターミルクパウダーのみを10質量%加えるよりも、例えば、実施例1~3のようにバターミルクパウダーと食物繊維を5質量%ずつ加える方が、原価の面で有利である。実施例7~9のようにバターミルクパウダーを5質量%加え、食物繊維を10質量%加える場合も、比較例4よりも、原価の面で有利である。
また、実施例4~6(バターミルクパウダー10質量%、食物繊維5質量%)は、比較例4(バターミルクパウダーのみ10質量%)よりも表面粘度が小さい。このことから、バターミルクパウダーに、食物繊維をさらに加えることで、表面粘度が上昇するのをより抑えることができることが分かる。
比較例5~7(食物繊維のみ10質量%)は、比較例2よりも表面粘度が小さい。このことから、レシチンを加えなくても、食物繊維のみを加えることでも、表面粘度が上昇するのを抑えることができることが分かる。
一方で、実施例1(バターミルクパウダー5質量%、イソマルトデキストリン5質量%)は、比較例5(イソマルトデキストリンのみ10質量%)よりも表面粘度が小さい。また、実施例2(バターミルクパウダー5質量%、イヌリン5質量%)は、比較例(イヌリンのみ10質量%)よりも表面粘度が小さい。また、実施例3(バターミルクパウダー5質量%、大豆食物繊維5質量%)は、比較例(大豆食物繊維のみ10質量%)よりも表面粘度が小さい。このことから、食物繊維のみを10質量%加えるよりも、バターミルクパウダーと食物繊維を5質量%ずつ両方加える方が、表面粘度が上昇するのをより抑えることができることが分かる。
また、実施例7(バターミルクパウダー5質量%、イソマルトデキストリン10質量%)は、比較例5(イソマルトデキストリンのみ10質量%)よりも表面粘度が小さい。また、実施例8(バターミルクパウダー5質量%、イヌリン10質量%)は、比較例6(イヌリンのみ10質量%)よりも表面粘度が小さい。また、実施例9(バターミルクパウダー5質量%、大豆食物繊維10質量%)は、比較例7(大豆食物繊維のみ10質量%)よりも表面粘度が小さい。このことから、食物繊維に、バターミルクパウダーをさらに加えることで、表面粘度が上昇するのをより抑えることができることが分かる。
30℃での降伏値は、比較例1が5.23Paであり、比較例2が50.00Paであった。
実施例1~9は、降伏値が12Pa以下であった。実施例1~9は、比較例2よりも降伏値が小さく、比較例2よりも比較例1に近い値であった。このことから、レシチンを加えなくても、バターミルクパウダーと食物繊維を加えることで、降伏値が上昇するのを抑えることができることが分かる。
比較例3,4(バターミルクパウダーのみ)は、比較例2よりも降伏値が小さい。このことから、レシチンを加えなくても、バターミルクパウダーのみを加えることでも、降伏値が上昇するのを抑えることができることが分かる。
一方で、実施例1~3(バターミルクパウダー5質量%、食物繊維5質量%)や、実施例7~9(バターミルクパウダー5質量%、食物繊維10質量%)は、比較例3(バターミルクパウダーのみ5質量%)よりも降伏値が小さい。具体的には、実施例1~3,7~9は、降伏値が比較例3の半分以下である。
また、実施例4~6(バターミルクパウダー10質量%、食物繊維5質量%)は、比較例4(バターミルクパウダーのみ10質量%)よりも降伏値が小さい。さらに言えば、実施例4~6は、降伏値が、比較例1と同様に、10未満である。
このことから、バターミルクパウダーに、食物繊維をさらに加えることで、降伏値が上昇するのをより抑えることができることが分かる。
また、実施例1~3(バターミルクパウダー5質量%、食物繊維5質量%)は、比較例4(バターミルクパウダーのみ10質量%)よりも降伏値が小さい。このことから、バターミルクパウダーのみを10質量%加えるよりも、バターミルクパウダーと食物繊維を5質量%ずつ両方加える方が、原価を抑えつつ、降伏値が上昇するのをより抑えることができることが分かる。
比較例5~7(食物繊維のみ10質量%)は、比較例2よりも降伏値が小さい。このことから、レシチンを加えなくても、食物繊維のみを加えることでも、降伏値が上昇するのを抑えることができることが分かる。
一方で、実施例1(バターミルクパウダー5質量%、イソマルトデキストリン5質量%)は、比較例5(イソマルトデキストリンのみ10質量%)よりも降伏値が小さい。また、実施例2(バターミルクパウダー5質量%、イヌリン5質量%)は、比較例(イヌリンのみ10質量%)よりも降伏値が小さい。また、実施例3(バターミルクパウダー5質量%、大豆食物繊維5質量%)は、比較例(大豆食物繊維のみ10質量%)よりも降伏値が小さい。このことから、食物繊維のみを10質量%加えるよりも、バターミルクパウダーと食物繊維を5質量%ずつ両方加える方が、降伏値が上昇するのをより抑えることができることが分かる。
また、実施例7(バターミルクパウダー5質量%、イソマルトデキストリン10質量%)は、比較例5(イソマルトデキストリンのみ10質量%)よりも降伏値が小さい。また、実施例8(バターミルクパウダー5質量%、イヌリン10質量%)は、比較例6(イヌリンのみ10質量%)よりも降伏値が小さい。また、実施例9(バターミルクパウダー5質量%、大豆食物繊維10質量%)は、比較例7(大豆食物繊維のみ10質量%)よりも降伏値が小さい。このことから、食物繊維に、バターミルクパウダーをさらに加えることで、降伏値が上昇するのをより抑えることができることが分かる。
乳化時間は、比較例1が85秒であり、比較例2が115秒であった。乳化時間は、時間が短いほど、優れていると評価した。
実施例1~9は、比較例2よりも乳化時間が短かった。このことから、レシチンを加えなくても、バターミルクパウダーと食物繊維を加えることで、チョコレートを製造する際の作業性が低下するのを抑えることができることが分かる。
実施例5,7~9については、比較例1(レシチンを含む通常のチョコレートに相当)よりも乳化時間が短かった。特に、実施例7~9については、比較例1よりも乳化時間が略20秒以上短かった。このことから、チョコレートは、レシチンを加えなくても、バターミルクパウダーを5質量%、食物繊維を10質量%加えることで、乳化時間を短くすることができることが分かる。
型伸びは、比較例1が8.48cmであり、比較例2が2.08cmであった。型伸びは、比較例2と比較して1cm以上の差があるもの、すなわち、3.08cm以上を優れていると評価した。
実施例1~9は、型伸びが3.08cm以上であった。特に、実施例5,6,8,9については、型伸びが比較例2の2倍以上であった。このことから、レシチンを加えなくても、バターミルクパウダーと食物繊維を加えることで、チョコレートを製造する際の作業性が低下するのを抑えることができることが分かる。具体的には、チョコレートを型に充填した際の広がりが良くなることが分かる。
また、実施例1~3(バターミルクパウダー5質量%、食物繊維5質量%)や、実施例7~9(バターミルクパウダー5質量%、食物繊維10質量%)は、比較例3(バターミルクパウダーのみ5質量%)よりも型伸びが優れている。このことから、バターミルクパウダー5質量%に、食物繊維をさらに加えることで、チョコレートを型に充填した際の広がりがより良くなることが分かる。
また、実施例5(バターミルクパウダー10質量%、イヌリン5質量%)や、実施例6(バターミルクパウダー10質量%、大豆食物繊維5質量%)は、比較例4(バターミルクパウダーのみ10質量%)よりも型伸びが優れている。このことから、バターミルクパウダー10質量%に、食物繊維(イヌリンまたは大豆食物繊維)をさらに加えることで、チョコレートを型に充填した際の広がりがより良くなることが分かる。
食物繊維としてイソマルトデキストリンを含む群について、実施例1,4,7は、比較例5(食物繊維のみ)よりも型伸びが優れている。また、食物繊維としてイヌリンを含む群について、実施例2,5,8は、比較例6(食物繊維のみ)よりも型伸びが優れている。また、食物繊維として大豆食物繊維を含む群について、実施例3,6,9は、比較例7(食物繊維のみ)よりも型伸びが優れている。このことから、バターミルクパウダーと食物繊維の両方を加えることで、チョコレートを型に充填した際の広がりが良くなることが分かる。
コーティングは図3および図4に示す、比較例1,7のように略均一の厚さにコーティングをすることができたものをAと評価した。また、比較例3,4,6のように、コーティングをすることはできたが、厚さにばらつきがあるものをBと評価した。厚さにばらつきがあるとは、比較例4のように全体的に凸凹しているものと、比較例3,6のように部分的に厚い部分(図中、矢印で指し示した部分)があるものである。また、比較例2,5のように、コーティングをすることができなかったものをCと評価した。
図4および図5に示すように、実施例1~9は、評価がAまたはBであり、コーティングをすることができた。特に、実施例2,5,6,9については、評価がAであり、比較例1と同様に、略均一の厚さにコーティングをすることができた。また、実施例8については、Bと評価したが、カップの上の部分については、Aと評価したものと遜色がない程度に、略均一の厚さにコーティングをすることができた。
図2に示すように、実施例5,6,8,9は、いずれも降伏値が8Pa以下である。降伏値が8Pa以下であることで、コーティングをした際にチョコレートが厚くかかってしまうのを抑えることができることが分かる。また、実施例5,6,8,9は、型伸びが4.2cm以上で他の実施例よりも優れており、チョコレートを型に流し込んだ際に広がりやすいことが分かる。

Claims (7)

  1. 食品添加物としてレシチンを含まないチョコレートであって、
    バターミルクパウダーと、カカオ由来ではない食物繊維が加えられてなり、
    バターミルクパウダーを5~10質量%含み、
    カカオ由来ではない食物繊維を5~10質量%含むことを特徴とするチョコレート。
  2. 30℃での表面粘度が14000cp以下であることを特徴とする請求項1に記載のチョコレート。
  3. 30℃での降伏値が12Pa以下であることを特徴とする請求項2に記載のチョコレート。
  4. カカオ由来ではない食物繊維は、イソマルトデキストリン、イヌリン、または、大豆食物繊維であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のチョコレート。
  5. ホワイトチョコレートであることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載のチョコレート。
  6. テンパリングタイプであることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載のチョコレート。
  7. カカオ由来ではない食物繊維は、カカオ分とともに混合、微細化、精練されたものであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のチョコレート。
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低糖質☆ココナッツミルクチョコ by低糖質もーこ[クックパッド] 簡単おいしいみんなのレシピが364万品[online],2016年12月26日,[検索日:2022年2月9日],https://cookpad.com/recipe/4243447

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