以下に、本発明の実施の形態に係る空気調和機及び空気調和機の室内機を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
まず、実施の形態1に係る空気調和機1の構成を説明する。図1は、実施の形態1に係る空気調和機1の構成を示す図である。空気調和機1は、空気調和を行う室内機2と、室内機2と共に空気調和を行う室外機3と、空気調和についてユーザによって操作される室内機操作端末4とを有する。本願では、空気調和機の室内機を「室内機」と記載し、空気調和機の室外機を「室外機」と記載する場合がある。
室内機操作端末4は、ユーザが室内機2を制御するための遠隔操作機器である。室内機操作端末4は、無線で室内機2に接続されていてもよいし、有線で室内機2に接続されていてもよい。室内機操作端末4は、後述する室内機操作端末4が有する機能を実現するためのアプリケーションプログラムがインストールされた携帯端末であってもよい。携帯端末の例は、スマートフォンである。
室内機操作端末4は、室内機2と通信を行う端末側通信部41と、室内機操作端末4が有する構成要素を制御する端末側制御装置42と、情報を表示する端末側表示装置43とを有する。例えば、端末側表示装置43は、空気調和についての設定の内容を表示する。端末側表示装置43が空気調和についての設定の内容を表示することにより、ユーザは空気調和についての設定の内容を認識することができる。端末側表示装置43の例は、液晶表示装置である。
端末側制御装置42は、空気調和の内容を示す設定データと当該設定データを識別する識別番号とを受け付ける受付部44を有する。空気調和の内容は、空気調和の運転条件と記載される場合がある。例えば、設定データは、室内機2が空気調和を行う場合の運転モード、設定温度及び設定風速の全部又は一部を示すデータである。識別番号は、識別情報の例である。識別情報は、番号ではなく、記号であってもよい。識別情報は、例えば、ユーザ名、又は、用途を特定する文字列であってもよい。用途を特定する文字列の例は、「就寝用」という文字列である。つまり、識別番号は、識別記号、ユーザ名、又は、用途を特定する文字列に置き換えられてもよい。いずれにしても、識別情報は、設定データを識別する情報である。以下では、識別情報の例に、識別番号を用いる。
端末側通信部41は、受付部44が受け付けた設定データと識別番号とを室内機2に送信する。端末側制御装置42は、情報を記憶する端末側記憶部45を更に有する。端末側記憶部45の例は、半導体メモリである。端末側制御装置42は、端末側通信部41、端末側表示装置43、受付部44及び端末側記憶部45を制御する端末側制御部46を更に有する。
室内機2は、室内機操作端末4と通信を行う室内機側通信部21を有する。室内機側通信部21は、室内機操作端末4が有する端末側通信部41が送信した設定データと識別番号とを受信する。室内機側通信部21と端末側通信部41とが行う通信は、有線で行われてもよいし、無線で行われてもよい。当該通信は、WiFi又はBluetooth(登録商標)が用いられて行われてもよい。
室内機2は、室内機2が設置されている位置からあらかじめ決められた距離までの範囲において、人の位置、人の動作、又は、あらかじめ決められた物の動作を検出する検出部22を更に有する。例えば、当該範囲は、室内機2が設置されている位置が中心である場合、半径が当該あらかじめ決められた距離であるときの球の内部である。検出部22の詳細については、実施の形態2において説明する。
室内機2は、情報を表示する室内機側表示装置23を更に有する。例えば、室内機側表示装置23は、室内機2が行っている空気調和の運転の状態と設定の内容とを表示する。室内機側表示装置23が運転の状態と設定の内容とを表示することにより、ユーザは室内機2が行っている運転の状態と設定の内容とを認識することができる。室内機側表示装置23の例は、液晶表示装置である。
室内機2は、室内機2が有する構成要素を制御する室内機側制御装置24を更に有する。室内機側制御装置24は、空気調和についての制御を行う室内機側制御部25と、情報を記憶する室内機側記憶部26とを更に有する。室内機側記憶部26の例は、半導体メモリである。室内機側記憶部26は、室内機側通信部21が受信した設定データ27と識別番号28とを紐付けて記憶する。室内機側記憶部26は、設定データ27と識別番号28とが室内機操作端末4に送信される場合に用いられる設定呼出データ29を更に記憶する。
室内機側記憶部26が紐付けられた設定データ27と識別番号28との組合せを1個又は複数個記憶した後、室内機操作端末4において、受付部44は識別番号を受け付け、端末側通信部41は受付部44が受け付けた識別番号を室内機2に送信する。室内機2において、室内機側通信部21は、端末側通信部41が送信した識別番号を受信し、室内機側制御部25は、室内機側記憶部26が記憶している1個又は複数個の組合せのなかの室内機側通信部21が受信した識別番号を含む組合せに含まれている設定データにしたがって空気調和についての制御を行う。
次に、実施の形態1に係る空気調和機1の動作を説明する。先ず、空気調和機1の動作の概略を説明する。図2は、実施の形態1に係る空気調和機1の動作の概略を説明するための実施の形態1に係る室内機操作端末4の動作の手順の概略を示すフローチャートである。当該フローチャートは、室内機2の室内機側記憶部26が紐付けられた設定データ27と識別番号28との組合せを1個又は複数個記憶した後の室内機操作端末4の動作の手順の概略を示している。
室内機側記憶部26が設定データ27と識別番号28との組合せを1個又は複数個記憶した後、ユーザは、識別番号を室内機操作端末4に入力することなく室内機2及び室外機3を運転させることも、識別番号を室内機操作端末4に入力して室内機2及び室外機3を運転させることもできる。ユーザは、識別番号を室内機操作端末4に入力しない場合、運転モードを室内機操作端末4に入力する。受付部44は、入力された運転モードを受け付ける(S1)。
ユーザは、基本運転条件の設定データを室内機操作端末4に入力する。受付部44は、入力された基本運転条件の設定データを受け付ける(S2)。ユーザは、付加機能条件の設定データを室内機操作端末4に入力する。受付部44は、入力された付加機能条件の設定データを受け付ける(S3)。端末側記憶部45は、受付部44が受け付けた設定データを記憶する(S4)。端末側記憶部45が記憶する設定データは、受付部44が受け付けた運転モード、基本運転条件の設定データ及び付加機能条件の設定データを含む。
上述の通り、ユーザは、識別番号を室内機操作端末4に入力して室内機2及び室外機3を運転させることもできる。ユーザは、識別番号を室内機操作端末4に入力して室内機2及び室外機3を運転させる場合、識別番号を室内機操作端末4に入力する。受付部44は、入力された識別番号を受け付ける(S5)。
ステップS4又はステップS5の動作が行われた後、端末側通信部41は、運転情報を室内機2に送信する(S6)。端末側通信部41が室内機2に送信する運転情報は、ユーザが識別番号を室内機操作端末4に入力しない場合、ステップS4において端末側記憶部45が記憶した設定データであり、ユーザが識別番号を室内機操作端末4に入力する場合、ステップS5において受付部44が受け付けた識別番号である。
図3は、実施の形態1に係る空気調和機1の動作の概略を説明するための実施の形態1に係る室内機2の動作の手順の概略を示すフローチャートである。当該フローチャートは、室内機2の室内機側記憶部26が紐付けられた設定データ27と識別番号28との組合せを1個又は複数個記憶した後の室内機2の動作の手順の概略を示している。
室内機側通信部21は、室内機操作端末4から送信された情報を受信する。室内機側制御部25は、室内機側通信部21が室内機操作端末4より受信した情報を解析する(S11)。室内機側制御部25は、当該情報に空気調和の運転の要求が含まれているか否かを判断する(S12)。当該情報に空気調和の運転の要求が含まれていないと室内機側制御部25によって判断された場合(S12でNo)、空気調和についての室内機2の動作は終了する。
室内機側制御部25は、当該情報に空気調和の運転の要求が含まれていると判断した場合(S12でYes)、当該情報に識別番号が含まれているか否かを判断する(S13)。室内機側制御部25は、当該情報に識別番号が含まれていないと判断した場合(S13でNo)、室内機側通信部21が室内機操作端末4より受信した設定データを運転設定データとして設定する(S14)。
室内機側制御部25は、当該情報に識別番号が含まれていると判断した場合(S13でYes)、識別番号と紐付けられている設定データを運転設定データとして室内機側記憶部26から呼び出す(S15)。室内機側制御部25は、ステップS14又はステップS15の動作を行った後、運転設定データをもとに空気調和についての制御を行う(S16)。
次に、ユーザが室内機2の室内機側記憶部26に記憶されている設定データ27を確認する場合の室内機操作端末4の動作を説明する。図4は、実施の形態1に係る室内機操作端末4が実施の形態1に係る室内機2の室内機側記憶部26に記憶されている設定データ27をユーザに提示する場合の室内機操作端末4の動作の手順を示すフローチャートである。
ユーザは、室内機2に対して、室内機側記憶部26に記憶されている設定データ27を室内機操作端末4に送信させることを指示するための操作を室内機操作端末4に対して行う。受付部44は、室内機2に対して、室内機側記憶部26に記憶されている設定データ27を室内機操作端末4に送信させる指示を受け付ける(S21)。図4のステップS21では、受付部44が、室内機2に対して、室内機側記憶部26に記憶されている設定データ27を室内機操作端末4に送信させる指示を受け付けることは、「設定データの送信の要求の受付」と記載されている。
端末側通信部41は、受付部44が受け付けた指示を室内機2に送信する。その後、端末側通信部41は、室内機2より設定データ27を受信し、端末側表示装置43は、端末側通信部41が受信した設定データ27を表示する(S22)。これにより、ユーザは、室内機側記憶部26に記憶されている設定データ27を確認することができる。
図5は、実施の形態1に係る室内機操作端末4が実施の形態1に係る室内機2の室内機側記憶部26に記憶されている設定データ27をユーザに提示する場合の室内機2の動作の手順を示すフローチャートである。室内機側通信部21は、室内機操作端末4から送信された情報を受信する。室内機側制御部25は、室内機側通信部21が室内機操作端末4より受信した情報を解析する(S31)。
室内機側制御部25は、当該情報に室内機側記憶部26に記憶されている設定データ27を室内機操作端末4へ送信させる要求が含まれているか否かを判断する(S32)。図5のステップS32では、室内機側制御部25が、当該情報に室内機側記憶部26に記憶されている設定データ27を室内機操作端末4へ送信させる要求が含まれているか否かを判断することは、「設定データの呼出か?」と記載されている。
当該情報に室内機側記憶部26に記憶されている設定データ27を室内機操作端末4へ送信させる要求が含まれていないと室内機側制御部25によって判断された場合(S32でNo)、設定データ27の室内機操作端末4への送信についての室内機2の動作は終了する。
室内機側制御部25は、当該情報に室内機側記憶部26に記憶されている設定データ27を室内機操作端末4へ送信させる要求が含まれていると判断した場合(S32でYes)、室内機側記憶部26に記憶されている識別番号28を導出する(S33)。ステップS33において、例えば、室内機側制御部25は、数字が小さい順に識別番号28を導出する。例えば、室内機側制御部25は、設定データ27を送信することが要求された回数が多い順に識別番号28を導出する。室内機側制御部25は、導出した識別番号28に紐付けられている設定データ27を室内機側記憶部26から呼び出す(S34)。
室内機側通信部21は、室内機操作端末4へ室内機側制御部25が呼び出した設定データ27を送信する(S35)。室内機操作端末4では、図4のステップS22の動作が行われる。すなわち、端末側通信部41は、室内機2より設定データ27を受信し、端末側表示装置43は、端末側通信部41が受信した設定データ27を表示する。これにより、ユーザは、室内機側記憶部26に記憶されている設定データ27を確認することができる。
ユーザは、室内機2の室内機側記憶部26に記憶されている設定データ27を確認する場合、特定の識別番号28を室内機操作端末4に入力し、特定の識別番号28に紐付けられている設定データ27のみを室内機操作端末4に表示させてもよい。
次に、室内機2の室内機側記憶部26が紐付けられた設定データ27と識別番号28との組合せを記憶する際の空気調和機1の動作を説明する。図6は、実施の形態1に係る室内機2の室内機側記憶部26が設定データ27と識別番号28との組合せを記憶する際の実施の形態1に係る室内機操作端末4の動作の手順の例を示すフローチャートである。当該フローチャートは、室内機2の室内機側記憶部26が紐付けられた設定データ27と識別番号28との組合せを1個又は複数個記憶した後の室内機操作端末4の動作の手順の概略を示している。
ユーザは、設定データ27と識別番号28との組合せを室内機2の室内機側記憶部26に記憶させようとする場合、上記の組合せを室内機側記憶部26に登録するための操作を室内機操作端末4に対して行う。室内機操作端末4において、受付部44は、上記の組合せを室内機側記憶部26に登録するための指示を受け付ける(S41)。図6のステップS41では、受付部44が上記の組合せを室内機側記憶部26に登録するための指示を受け付けることは、「設定データの登録の指示の受付」と記載されている。
ユーザは、識別番号を室内機操作端末4に入力する。例えば、ユーザは、室内機2と室内機操作端末4との間で通信を行わせ、室内機側記憶部26が現在記憶している1個又は複数個の組合せを端末側表示装置43に表示させる。各組合せは、ひとつの設定データ27とひとつの識別番号28とを含む。ユーザは、端末側表示装置43が表示する1個又は複数個の組合せに対応する1個又は複数個の識別番号28のなかから1個の識別番号28を選択することにより、識別番号を室内機操作端末4に入力する。受付部44は、入力された識別番号を受け付ける(S42)。
端末側表示装置43は、受付部44が受け付けた識別番号に紐付けられている設定データを表示する(S43)。ユーザは、端末側表示装置43によって表示された設定データが示す運転条件での登録を希望する場合、当該設定データが示す運転条件での登録を希望する旨の操作を室内機操作端末4に対して行う。ユーザは、端末側表示装置43によって表示された設定データが示す運転条件と異なる登録を希望する場合、当該設定データが示す運転条件と異なる登録を希望する旨の操作を室内機操作端末4に対して行う。
端末側制御部46は、ユーザが室内機操作端末4に対して行った操作が、端末側表示装置43によって表示された設定データが示す運転条件での登録を希望する旨の指示であるか否かを判断する(S44)。上述の通り、ユーザは、端末側表示装置43によって表示された設定データが示す運転条件での登録を希望する場合、当該設定データが示す運転条件での登録を希望する旨の操作を室内機操作端末4に対して行う。その場合、端末側制御部46は、ユーザが室内機操作端末4に対して行った操作が、端末側表示装置43によって表示された設定データが示す運転条件での登録を希望する旨の指示であると判断し(S44でYes)、室内機操作端末4の動作は後述するステップS46に移行する。
上述の通り、ユーザは、端末側表示装置43によって表示された設定データが示す運転条件と異なる登録を希望する場合、運転条件を修正するための操作を室内機操作端末4に対して行う。その場合、端末側制御部46は、ユーザが室内機操作端末4に対して行った操作は端末側表示装置43によって表示された設定データが示す運転条件での登録を希望しない旨の指示であると判断する(S44でNo)。受付部44は、ユーザが行った操作にしたがって運転条件を修正する指示を受け付ける(S45)。
ユーザの操作が端末側表示装置43によって表示された設定データが示す運転条件での登録を希望する旨の指示であると端末側制御部46によって判断された場合(S44でYes)、ステップS46において、端末側通信部41は、修正されなかった運転条件を示す設定データと当該設定データに紐付けられている識別番号とを室内機2に送信する。図6のステップS46では、端末側通信部41が設定データと当該設定データに紐付けられている識別番号とを室内機2に送信することは、「室内機へ登録情報の送信」と記載されている。ステップS45の動作が行われた場合、ステップS46において、端末側通信部41は、修正された運転条件を示す設定データと当該設定データに紐付けられている識別番号とを室内機2に送信する。
ユーザが室内機操作端末4に対して行った操作が端末側表示装置43によって表示された設定データが示す運転条件での登録を希望する旨の指示であると端末側制御部46によって判断された場合(S44でYes)、端末側通信部41は、修正されなかった運転条件を示す設定データに紐付けられている識別番号だけを室内機2に送信してもよい。端末側通信部41がステップS46において室内機2に送信する登録情報は、室内機2の室内機側記憶部26に設定データ27と識別番号28との組合せを記憶させるための情報である。
図7は、実施の形態1に係る室内機2の室内機側記憶部26が設定データ27と識別番号28との組合せを記憶する際の室内機2の動作の手順の概略を示すフローチャートである。室内機2において、室内機側通信部21は、室内機操作端末4から送信された情報を受信する。室内機側制御部25は、室内機側通信部21が室内機操作端末4より受信した情報を解析する(S51)。室内機側制御部25は、室内機側通信部21が室内機操作端末4より受信した情報が、室内機2の室内機側記憶部26に設定データ27と識別番号28との組合せを記憶させるための登録情報であるか否かを判断する(S52)。
室内機側通信部21が受信した情報が室内機2の室内機側記憶部26に設定データ27と識別番号28との組合せを記憶させるための登録情報でないと室内機側制御部25によって判断された場合(S52でNo)、室内機2は、室内機側記憶部26に上記の組合せを記憶させるための動作を終了する。
室内機側通信部21が受信した情報が室内機2の室内機側記憶部26に設定データ27と識別番号28との組合せを記憶させるための登録情報であると室内機側制御部25によって判断された場合(S52でYes)、室内機側記憶部26は、登録情報にしたがって、設定データ27と識別番号28とを紐付けて記憶する(S53)。
上述の通り、室内機操作端末4において、受付部44は、空気調和の内容を示す設定データ27と当該設定データ27を識別する識別番号28とを受け付ける。端末側通信部41は、受付部44が受け付けた設定データ27と識別情報28とを室内機2に送信する。室内機2において、室内機側記憶部26は、端末側通信部41が送信した設定データ27と識別情報28とを紐付けて記憶する。
室内機側記憶部26が紐付けられた設定データ27と識別情報28との組合せを1個又は複数個記憶した後、受付部44が識別番号を受け付けると、室内機側制御部25は、室内機側記憶部26が記憶している1個又は複数個の組合せのなかの受付部44が受け付けた識別番号を含む組合せに含まれている設定データ27にしたがって空気調和についての制御を行う。
つまり、ユーザは、室内機側記憶部26が紐付けられた設定データ27と識別情報28との組合せを1個又は複数個記憶した後、識別番号を室内機操作端末4に入力するだけで、ユーザが所望する空気調和を実現させることができる。実現される空気調和は、日付と関係ない。識別番号を室内機操作端末4に入力することは、比較的簡単な操作である。すなわち、実施の形態1に係る空気調和機1は、日付と関係なく、ユーザができるだけ簡単な操作を行うことによって、ユーザが所望する空気調和を行うことができる。更に言うと、空気調和機1は、日付と関係なく、空気調和の制御についてのユーザにかかる負担を抑制して、ユーザが所望する空気調和を行うことができる。
実施の形態2.
次に、実施の形態2に係る空気調和機を説明する。実施の形態2に係る空気調和機の構成は、実施の形態1に係る空気調和機1の構成と同じである。つまり、実施の形態1において用いられた図1は、実施の形態2に係る空気調和機の構成を示す図でもある。実施の形態2では、実施の形態1との相違点を主に説明する。
実施の形態2では、実施の形態1において用いられた識別番号は用いられない。実施の形態2では、管理番号が用いられる。室内機2の室内機側記憶部26は、1個又は複数個の管理番号を記憶する。各管理番号は、空気調和の内容を示す設定データに紐付けられる。実施の形態1において説明した通り、室内機2は、室内機2が設置されている位置からあらかじめ決められた距離までの範囲において、人の位置、人の動作、又は、あらかじめ決められた物の動作を検出する検出部22を有する。
室内機操作端末4において、受付部44は、空気調和の内容を示す設定データと、当該設定データに紐付けられる検索用情報とを受け付ける。検索用情報は、人の位置、人の動作、又は、あらかじめ決められた物の動作を示す情報であって、設定データを検索するための情報である。端末側通信部41は、受付部44が受け付けた設定データと検索用情報とを室内機2に送信する。室内機2において、室内機側通信部21は、端末側通信部41が送信した設定データと検索用情報とを受信する。室内機側記憶部26は、室内機側通信部21が受信した設定データと検索用情報とを紐付けて記憶する。
室内機2の室内機側記憶部26が紐付けられた設定データと検索用情報との組合せを1個又は複数個記憶した後、室内機側制御部25は、室内機側記憶部26が記憶している1個又は複数個の組合せのなかの検出部22によって得られた検出結果に対応する検索用情報を含む組合せに含まれている設定データにしたがって空気調和についての制御を行う。
例えば、検索用情報が、人があらかじめ決められた場所に位置することを示す情報であって、設定データが、室内機2からの風を当該あらかじめ決められた場所に向かわせる設定を示すデータであることを想定する。加えて、当該あらかじめ決められた場所が、室内機2が設置されている位置からあらかじめ決められた距離までの範囲において存在し、検出部22が、人が当該あらかじめ決められた場所に位置していることを検出した場合を想定する。
この場合、例えば、室内機側制御部25は、室内機2からの風を当該あらかじめ決められた場所に向かわせる制御を行う。上記の想定では、例えば、検出部22は、カメラを用いて人の位置を検出する。当該あらかじめ決められた場所の例は、キッチンである。例えば、キッチンで調理をしている人は暑さを感じることがある。例えば、室内機側制御部25は、室内機2からの比較的低温の風を当該あらかじめ決められた場所に向かわせる制御を行う。人がキッチンに居ることに起因して行われる室内機側制御部25の制御は、キッチンに居る人にとって適切な空気調和の制御であることが多い。
なお、室内機側制御部25は、人があらかじめ決められた時間継続してキッチンに居る場合に上記の制御を行ってもよい。つまり、検索用情報は、人があらかじめ決められた時間継続してあらかじめ決められた場所に位置することを示す情報であってもよい。この場合、検出部22は、室内機2が設置されている位置からあらかじめ決められた距離までの範囲において、人があらかじめ決められた時間継続してあらかじめ決められた場所に位置することを検出する。
例えば、検索用情報が、人があらかじめ決められた動作を行うことを示す情報であって、設定データが、室内機2からの風をあらかじめ決められた場所に向かわせる設定を示すデータであることを想定する。あらかじめ決められた動作の例は、室内機操作端末4が複数のボタンを有している場合において、人が当該複数のボタンのうちのあらかじめ決められたボタンを押下する動作である。又は、あらかじめ決められた動作の例は、人が、室内機2が設置されている位置からあらかじめ決められた距離までの範囲において立った状態から着席する動作である。加えて、当該あらかじめ決められた場所が、室内機2が設置されている位置からあらかじめ決められた距離までの範囲において存在し、検出部22が、人が当該あらかじめ決められた動作を行ったことを検出した場合を想定する。この場合、例えば、室内機側制御部25は、室内機2からの風を当該あらかじめ決められた場所に向かわせる制御を行う。上記の想定では、例えば、検出部22は、カメラを用いて人の動作を検出する。
例えば、検索用情報が、あらかじめ決められた物が動作することを示す情報であって、設定データが、室内機2からの風をあらかじめ決められた場所に向かわせる設定を示すデータであることを想定する。加えて、あらかじめ決められた物は、室内機2が設置されている位置からあらかじめ決められた距離までの範囲において存在することを想定する。あらかじめ決められた物の例は、室内機2が設置されている部屋のドアである。当該あらかじめ決められた物の動作の例は、当該ドアが閉められている状態から開けられた状態へ変化することである。さらに、検出部22が、当該あらかじめ決められた物の動作を検出した場合を想定する。
この場合、例えば、室内機側制御部25は、室内機2からの風を当該あらかじめ決められた場所に向かわせる制御を行う。上記の想定では、例えば、検出部22は、カメラを用いて人の動作を検出する。多くの場合、ドアの開閉は人によって行われ、当該ドアが閉められている状態から開けられた状態へ変化することは、人が、室内機2が設置されている部屋に入ることを意味する。そのため、ドアが開けられたことが検出部22によって検出されることに起因して行われる室内機側制御部25の制御は、当該部屋に入る人にとって適切な空気調和の制御であることが多い。
次に、実施の形態2に係る空気調和機の動作を説明する。図8は、実施の形態2に係る室内機2の室内機側記憶部26に設定データと検索用情報とを紐付けて記憶させる場合の室内機操作端末4の動作の手順を示すフローチャートである。ユーザは、室内機2の室内機側記憶部26に設定データと検索用情報とを紐付けて記憶させようとする場合、設定データと検索用情報とを室内機側記憶部26に記憶させるための操作を室内機操作端末4に対して行う。室内機操作端末4において、受付部44は、設定データと検索用情報とを室内機側記憶部26に記憶させるため操作に対応する情報を受け付ける(S61)。図8のステップS61では、受付部44が設定データと検索用情報とを室内機側記憶部26に記憶させるため操作に対応する情報を受け付けることは、「設定データ及び検索用情報の登録の受付」と記載されている。
端末側表示装置43は、設定データと検索用情報とを室内機側記憶部26に新たに記憶させるか否かを示す情報を表示する。端末側制御部46は、受付部44が受け付けた情報が設定データと検索用情報とを室内機側記憶部26に新たに記憶させることを示しているか否かを判断する(S62)。図8のステップS62では、端末側制御部46が行う判断は「新規登録か?」と記載されている。
ユーザは、設定データと検索用情報とを室内機側記憶部26に新たに記憶させる場合、設定データと検索用情報とを室内機側記憶部26に新たに記憶させるための動作を室内機操作端末4に対して行う。ステップS62において、端末側制御部46は、ユーザが行った操作をもとに、受付部44が受け付けた情報が設定データと検索用情報とを室内機側記憶部26に新たに記憶させることを示しているか否かを判断する。
受付部44が受け付けた情報が設定データと検索用情報とを室内機側記憶部26に新たに記憶させることを示していると端末側制御部46によって判断された場合(S62でYes)、ユーザは管理番号と設定データとを室内機操作端末4に入力し、受付部44は入力された管理番号と設定データを受け付ける(S63)。
受付部44が受け付けた情報が設定データと検索用情報とを室内機側記憶部26に新たに記憶させることを示していないと端末側制御部46によって判断された場合(S62でNo)、ユーザは管理番号と当該管理番号に紐付けられる設定データを選択し、受付部44は選択された管理番号と設定データとを受け付ける(S64)。なお、ステップS64の動作は、ステップS64の動作が行われるまでに管理番号と設定データとの組合せが1個又は複数個作成されている場合に行われる。
ステップS63又はステップS64の動作が行われた後、ユーザは検索用情報を室内機操作端末4に入力し、受付部44は入力された検索用情報を受け付ける(S65)。端末側通信部41は、受付部44が受け付けた管理番号、設定データ及び検索用情報を室内機2に送信する(S66)。図8のステップS66では、端末側通信部41が管理番号、設定データ及び検索用情報を室内機2に送信することは、「室内機へ登録情報の送信」と記載されている。
図9は、実施の形態2に係る室内機2の室内機側記憶部26に設定データと検索用情報とを紐付けて記憶させる場合の室内機2の動作の手順を示すフローチャートである。室内機2において、室内機側通信部21は、室内機操作端末4から送信された情報を受信する。室内機側制御部25は、室内機側通信部21が受信した情報を解析する(S71)。室内機側制御部25は、室内機側通信部21が受信した情報が、設定データと検索用情報とを室内機側記憶部26に記憶させるための情報であるか否かを判断する(S72)。
室内機側通信部21が受信した情報が、設定データと検索用情報とを室内機側記憶部26に記憶させるための情報でないと室内機側制御部25によって判断された場合(S72でNo)、設定データと検索用情報とを室内機側記憶部26に記憶させるための室内機2の動作は終了する。室内機側通信部21が受信した情報が、設定データと検索用情報とを室内機側記憶部26に記憶させるための情報であると室内機側制御部25によって判断された場合(S72でYes)、室内機側記憶部26は、設定データと検索用情報とを室内機側通信部21が受信した管理番号に紐付けて記憶する(S73)。
図10は、実施の形態2に係る空気調和機が空気調和を行う際の空気調和機の動作の手順を示すフローチャートである。検出部22は、ユーザの動作を検出する(S81)。室内機側制御部25は、検出部22によって得られた検出結果に対応する検索用情報が室内機側記憶部26に記憶されているか否かを判断する(S82)。図10のステップS82では、室内機側制御部25が、検出部22によって得られた検出結果に対応する検索用情報が室内機側記憶部26に記憶されているか否かを判断することは、「呼出条件の成立?」と記載されている。
検出部22によって得られた検出結果に対応する検索用情報が室内機側記憶部26に記憶されていないと室内機側制御部25によって判断された場合(S82でNo)、空気調和機が空気調和を行う際の室内機2の動作は終了する。
室内機側制御部25は、検出部22によって得られた検出結果に対応する検索用情報が室内機側記憶部26に記憶されていると判断した場合(S82でYes)、検索用情報に紐付けられている管理番号を導出する(S83)。室内機側制御部25は、導出した管理番号に紐付けられている設定データを呼び出す(S84)。室内機側制御部25は、呼び出した設定データをもとに空気調和を制御する(S85)。
上述の通り、実施の形態2では、室内機操作端末4において、受付部44は、空気調和の内容を示す設定データと、当該設定データに紐付けられる検索用情報とを受け付ける。検索用情報は、人の位置、人の動作、又は、物の動作を示す情報である。端末側通信部41は、受付部44が受け付けた設定データと検索用情報とを室内機2に送信する。室内機2において、室内機側記憶部26は、端末側通信部41が送信した設定データと検索用情報とを紐付けて記憶する。室内機側記憶部26が紐付けられた設定データと検索用情報との組合せを1個又は複数個記憶した後、室内機側制御部25は、室内機側記憶部26が記憶している1個又は複数個の組合せのなかの検出部22によって得られた検出結果に対応する検索用情報を含む組合せに含まれている設定データにしたがって空気調和についての制御を行う。
つまり、実施の形態2では、室内機側記憶部26が紐付けられた設定データと検索用情報との組合せを1個又は複数個記憶した後、ユーザは室内機操作端末4を操作することなく、ユーザが所望する空気調和を実現させることができる。すなわち、実施の形態2に係る空気調和機は、日付と関係なく、空気調和の制御についてのユーザにかかる負担を抑制して、ユーザが所望する空気調和を行うことができる。
なお、上述した実施の形態2では、室内機2が検出部22を有する。しかしながら、室内機2は検出部22を有しておらず、室内機操作端末4が検出部22を有していてもよい。その場合、室内機2の室内機側通信部21が、室内機操作端末4が有する検出部22によって得られた検出結果を端末側通信部41から受信し、室内機側制御部25は、室内機側記憶部26が記憶している1個又は複数個の組合せのなかの室内機側通信部21によって受信された検出結果に対応する検索用情報を含む組合せに含まれている設定データにしたがって空気調和についての制御を行う。
室内機操作端末4が検出部22を有する場合、検出部22はグローバルポジショニングシステムの機能を有していてもよい。又は、検出部22は人の位置を特定するための情報を検出し、端末側通信部41が当該情報を室内機2に送信し、室内機側通信部21が当該情報を受信し、室内機側制御部25が当該情報を解析して人の位置を特定してもよい。いずれにしても、室内機側制御部25は、室内機側記憶部26が記憶している1個又は複数個の組合せのなかの検出部22によって得られた検出結果に対応する検索用情報を含む組合せに含まれている設定データにしたがって空気調和についての制御を行う。
検出部22は、室内機2にも室内機操作端末4にも含まれていなくてもよい。例えば、検出部22は、室内機2と通信を行う機能を有する検出装置に含まれていてもよい。その場合、室内機2の室内機側通信部21が、検出部22によって得られた検出結果を検出装置から受信し、室内機側制御部25は、室内機側記憶部26が記憶している1個又は複数個の組合せのなかの室内機側通信部21によって受信された検出結果に対応する検索用情報を含む組合せに含まれている設定データにしたがって空気調和についての制御を行う。
検出装置が検出部22を有する場合、検出部22はグローバルポジショニングシステムの機能を有していてもよい。又は、検出部22は人の位置を特定するための情報を検出し、検出装置が当該情報を室内機2に送信し、室内機側通信部21が当該情報を受信し、室内機側制御部25が当該情報を解析して人の位置を特定してもよい。いずれにしても、室内機側制御部25は、室内機側記憶部26が記憶している1個又は複数個の組合せのなかの検出部22によって得られた検出結果に対応する検索用情報を含む組合せに含まれている設定データにしたがって空気調和についての制御を行う。
図11は、実施の形態1に係る空気調和機1の室外機2が有する室内機側通信部21、検出部22、室内機側表示装置23及び室内機側制御部25の少なくとも一部の機能がプロセッサ91によって実現される場合のプロセッサ91を示す図である。つまり、室内機側通信部21、検出部22、室内機側表示装置23及び室内機側制御部25の少なくとも一部の機能は、メモリ92に格納されるプログラムを実行するプロセッサ91によって実現されてもよい。プロセッサ91は、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、又はDSP(Digital Signal Processor)である。図11には、メモリ92も示されている。
室内機側通信部21、検出部22、室内機側表示装置23及び室内機側制御部25の少なくとも一部の機能がプロセッサ91によって実現される場合、当該少なくとも一部の機能は、プロセッサ91と、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェア及びファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア又はファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリ92に格納される。プロセッサ91は、メモリ92に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、室内機側通信部21、検出部22、室内機側表示装置23及び室内機側制御部25の少なくとも一部の機能を実現する。
室内機側通信部21、検出部22、室内機側表示装置23及び室内機側制御部25の少なくとも一部の機能がプロセッサ91によって実現される場合、室外機2は、室内機側通信部21、検出部22、室内機側表示装置23及び室内機側制御部25によって実行されるステップの少なくとも一部が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ92を有する。メモリ92に格納されるプログラムは、室内機側通信部21、検出部22、室内機側表示装置23及び室内機側制御部25が実行する手順又は方法の少なくとも一部をコンピュータに実行させるものであるともいえる。
メモリ92は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性もしくは揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク又はDVD(Digital Versatile Disk)等である。
図12は、実施の形態1に係る空気調和機1の室外機2が有する室内機側通信部21、検出部22、室内機側表示装置23及び室内機側制御部25の少なくとも一部が処理回路93によって実現される場合の処理回路93を示す図である。つまり、室内機側通信部21、検出部22、室内機側表示装置23及び室内機側制御部25の少なくとも一部は、処理回路93によって実現されてもよい。
処理回路93は、専用のハードウェアである。処理回路93は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、並列プログラム化されたプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものである。
室内機側通信部21、検出部22、室内機側表示装置23及び室内機側制御部25が有する複数の機能について、当該複数の機能の一部がソフトウェア又はファームウェアで実現され、当該複数の機能の残部が専用のハードウェアで実現されてもよい。このように、室内機側通信部21、検出部22、室内機側表示装置23及び室内機側制御部25が有する複数の機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって実現することができる。
実施の形態1に係る空気調和機1の室内機操作端末4が有する端末側通信部41、端末側表示装置43、受付部44及び端末側制御部46の少なくとも一部の機能は、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサによって実現されてもよい。当該メモリは、端末側通信部41、端末側表示装置43、受付部44及び端末側制御部46によって実行されるステップの少なくとも一部が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリである。端末側通信部41、端末側表示装置43、受付部44及び端末側制御部46の少なくとも一部の機能は、処理回路によって実現されてもよい。当該処理回路は、処理回路93と同様の処理回路である。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略又は変更することも可能である。