JP7145864B2 - 旋動式破砕機 - Google Patents

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Description

本発明は、岩石等を破砕するジャイレトリクラッシャまたはコーンクラッシャ等の旋動式破砕機に関する。
従来、大きな原石(岩石)を破砕するための破砕機として、ジャイレトリクラッシャまたはコーンクラッシャ等の旋動式破砕機が使用されている。従来の旋動式破砕機のうち、油圧式コーンクラッシャを例として、その概要および破砕原理について、図1を参照して説明する。
図1に示した従来の旋動式破砕機は、截頭逆略円錐管体状の上部フレーム1とそれに連結された下部フレーム2で形成された内部空間の中央部に、中心軸線L1が上部フレーム1の中心軸線L2に対して傾斜して配置された主軸5が設けられている。なお、上部フレーム1と下部フレーム2を一体としてフレーム31という。
主軸5は、下部が円筒面形状の外面を有し、下端部が偏心軸用スラスト軸受23を介して下部フレーム2の底部に支持された偏心スリーブ4に形成された主軸嵌挿穴3に回転自在に嵌挿され、底面がスラスト軸受6に支持されている。また、偏心スリーブ4は、その外周面が下部フレーム2に配設された外筒7に形成された偏心スリーブ嵌挿穴27に回転自在に嵌挿されている。また、主軸5の上端部は上部軸受17により回転自在に支持され、上部軸受17は上部フレーム1に連結されたスパイダ18により支持されている。なお、スパイダ18は、上部フレーム1の中心部を通過して上部フレーム1の上端部を連絡する梁体を形成している。
ここで、図1に示される旋動式破砕機においては、偏心スリーブ4および外筒7の上方であって、円筒形状の仕切板24の内周側に油圧室27が形成されており、主軸嵌挿穴3内に嵌挿された主軸5の外周面と偏心スリーブ4の内周面との間、および偏心スリーブ4の外周面と外筒7の内周面との間には、ラジアルすべり軸受として機能するため、円滑な摺動の確保、摺動面の摩耗防止等のための油膜を形成すべく、油圧室27から潤滑油等が供給されている。なお、油圧室27へのダストの侵入防止のために、ダストシール25が、マントルコア12の底面にダストシールカバー26を使用して取り付けられている。
以下、主軸嵌挿穴3内に嵌挿された主軸5の外周面と偏心スリーブ4の内周面との間の軸受部分を主軸軸受10、偏心スリーブ4の外周面と外筒7の内周面との間の軸受部分を偏心スリーブ軸受11といい、また、主軸軸受10および偏心スリーブ軸受11を特に区別せずに(抽象化して)軸受15ということがある。
主軸5の上部の外面には、外周面が截頭略円錐面を形成するマントルコア12が焼き嵌めにより強固に取り付けられている。マントルコア12の外面には、耐摩耗性材料(例えば、高マンガン鋳鋼)で製造され、外周面が截頭略円錐面を形成するマントル13が取り付けられている。
また、上部フレーム1の内面には、耐摩耗性材料(例えば、高マンガン鋳鋼)で製造されたコーンケーブ14が備えられている。コーンケーブ14とマントル13とにより形成され、鉛直断面において下部が狭くなる略楔状をなす空間により破砕室16が形成される。
主軸5の中心軸線L1と上部フレーム1の中心軸線L2とは、破砕機の上部空間における交点Oにおいて交差しており、主軸5は、主軸5の中心軸線L1と上部フレーム1の中心軸線L2とを含む平面において、上部フレーム1に対して傾斜を有している。また、偏心スリーブ4は、上部フレーム1の中心軸線L2と略同一の中心軸線L4を有し、L4の回りに回転できるように配置されている。
この構成により、フレーム31の外部に設けられた電動機(図示省略)によりプーリ22、横軸、ベベルギア19(駆動側ベベルギア20および従動側ベベルギア21)等の動力伝達機構を介して、従動側のベベルギア21と連結された偏心スリーブ4が、上部フレーム1の中心軸線L2を回転中心として回転すると、主軸5が、交点Oを空間上の固定点として破砕室16内において偏心旋回運動、いわゆる歳差運動を行う。なお、前記挙動は、理想的な幾何学上のものであり、現実の装置においては、運転時等において、上部軸受17における軸受隙間やフレーム(ケーシング)の変形等により交点Oは微小変動し、それに伴い、主軸5も幾何学的な運動挙動が微小変動することがある。これにより、破砕室16における上部フレーム1の中心軸線上L2の任意の位置の水平断面における周方向の任意の位置におけるマントル13外表面とコーンケーブ14内表面との距離が、主軸5と同一周期により変化する。すなわち、偏心スリーブ4を回転させて主軸5を破砕室16内で旋回させると、例えば破砕室16の鉛直最下端におけるマントル13外表面とコーンケーブ14内表面との最短距離の位置は、図2に示されるように、主軸5の旋回に伴い変化する。
破砕対象となる岩石(以下、「被破砕物」という。)9は、破砕機の上方から投入され、破砕室16内に落下する。破砕室16は、コーンケーブ14とマントル13との間隔が下方に向かい狭くなり、かつ当該間隔が主軸5の旋回に伴い周期的に広狭が変化する。これにより、被破砕物9は、落下と圧縮を繰り返しながら、破砕が進行していき、コーンケーブ14の下部であって、コーンケーブ14とマントル13との最も狭い部分の間隔より小さく破砕されたものが、破砕品として下方より回収される。
旋動式破砕機における破砕原理から、マントル13には、破砕(破砕力W)に伴い、主軸5には破砕位置からフレーム31の内周側へ向かう反力P1が作用し、フレーム31には破砕位置からフレーム31の外周側へ向かう反力P2が作用する。主軸5に作用する内周側へ向かう反力P1により、主軸5は偏心スリーブ4の内周面に向かって移動し(並進運動)、また、前記2つの反力による主軸5およびフレーム31などの変位、変形等により、主軸5の中心軸線L1と主軸嵌挿穴3の中心軸線L3との平行が損なわれ、主軸5の中心軸線L1が主軸嵌挿穴3の中心軸線L3に対して傾く(回転運動)。これにより、主軸軸受10において、上端側または下端側で最小油膜が薄くなる状態、いわゆる片当たり状態となることがある。このような片当たりが進行すると、主軸5の外周面と偏心スリーブ4の内周面が、流体膜を介する流体潤滑状態から微視的な接触を伴う混合潤滑、あるいは固体表面同士が接触しながら摺動する状態に移行し、主軸5と偏心スリーブ4とがいわゆる焼き付きに至ることがある。
同様に、偏心スリーブ軸受11においても、主軸5を介して偏心スリーブ4に作用する反力P1により、偏心スリーブ4は、外筒7における反力P1の作用する側と反対側の内周面に向かって移動し、さらに、主軸5等に作用する内周側への反力P1およびフレーム31等に作用する外周側への反力P2による偏心スリーブ4、フレーム31等の変位、変形等により、偏心スリーブ4の中心軸線L4と偏心スリーブ嵌挿穴27の中心軸線L5との平行が損なわれ、偏心スリーブ4の中心軸線L4が偏心スリーブ嵌挿穴27の中心軸線L5に対して傾き、上端側または下端側で最小油膜が薄くなる状態、いわゆる片当たり状態となることがある。このような片当たりが進行すると、偏心スリーブ4の外周面と外筒7の内周面が、流体膜を介する流体潤滑状態から微視的な接触を伴う混合潤滑、あるいは固体表面同士が接触しながら摺動する状態に移行し、主軸5と偏心スリーブ4とがいわゆる焼き付きに至ることがある。
以下、軸受15(主軸軸受10または偏心スリーブ軸受11)の上端側の片当たりを「上当たり」、下端側の片当たりを「下当たり」という。なお、軸受15は、破砕運転時における反力の大きさ、軸受15の油膜厚(軸受隙間の大きさ)、主軸5、偏心スリーブ4の変形等の状態の変動により、上当たりと下当たりの両方が生じることがある。
このように、旋動式破砕機は、前記の破砕原理から、本質的に軸受の片当たりが発生し易いという特徴を有している。
また、このように軸受15が片当たりすると、軸受15は端部に局所的に大きな面圧が発生し、通常の使用では問題とならないような負荷条件で摩耗や焼き付き等により早期の交換等が必要となることがある。
また、旋動式破砕機の主たる破砕対象物である岩石は、強度や脆性等が多種・多様であり、破砕が困難な種類の被破砕物9を破砕する場合には、マントル13の受ける反力が非常に大きく、軸受15が短時間に損耗や破損するため、被破砕物9の種類に応じて、軸受15等の調整・試験による確認を行ったり、適切な旋動式破砕機を選定ないし使い分けるなど非常に煩雑あり、費用や労力が大きな負担であった。
また、旋動式破砕機は、運転の経過によるマントル13やコーンケーブ14の表面が徐々に摩耗して厚さが薄くなり、マントル13外表面とコーンケーブ14内表面との間の距離が変化する(広く)なるため、その変化に応じて上部フレーム1の位置または主軸5の位置を変更(調整)する必要がある。そのために、同一の種類の被破砕物9であっても、破砕荷重またはその反力が変化し、軸受15に対する荷重条件等が変化する。
このような性質を有する旋動式破砕機について、主軸を支持するスラスト滑り軸受について、片当たりによる軸受の割れを防止するために、特許文献1においては、摺動部材を採用する構造の提案がなされているが、ジャーナル軸受(ラジアルすべり軸受)を含むラジアル軸受については、何ら開示や提案等がされていない。
また、ジャーナル軸受において、片当たりにより端部に作用する局部的な面圧による摩耗や焼き付き等の軸受の損傷を防止するために当該端部にクラウニング処理(クラウニング部を設けること)が一般に知られているが、加工等の過大な費用、労力、時間を要するという問題があった。
特開2011-11187号公報
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためになされたものであって、多種多様な被破砕物に対してロバストに対応でき、また負荷条件の変化にもロバストに対応できる旋動式破砕機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様による旋動式破砕機は、コーンケーブの内部に回転可能に配置され、その中心軸線が前記コーンケーブの中心軸線に対して傾斜して偏心旋回運動をする主軸と、前記主軸に設けられたマントルと、前記主軸の下端部が回転自在に嵌挿される主軸嵌挿穴を有する偏心スリーブと、前記偏心スリーブが回転自在に嵌挿される偏心スリーブ嵌挿穴を有する外筒と、を備えた旋動式破砕機であって、前記主軸嵌挿穴に嵌挿された前記主軸の下端部の外周面と前記主軸嵌挿穴を形成する面とが、その隙間に潤滑油が供給されて主軸軸受を形成し、前記外筒に嵌挿された前記偏心スリーブの外周面と前記偏心スリーブ嵌挿穴を形成する面とが、その隙間に潤滑油が供給されて偏心スリーブ軸受を形成し、前記主軸軸受および前記偏心スリーブ軸受の少なくとも一方が、前記主軸を回転駆動するモータの動力の変化に対する前記潤滑油の最小油膜厚さの変化においてロバスト領域を有する、ことを特徴とする。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記モータの動力の定格値が、前記ロバスト領域の上限値以下に存在する、ことを特徴とする。
本発明の第3の態様は、第1または第2の態様において、前記主軸軸受および前記偏心スリーブ軸受の少なくとも一方の中心軸線が、前記主軸の下部の中心軸線と略平行となる状態が、前記ロバスト領域の上限値以下に存在する、ことを特徴とする。
本発明の第4の態様は、第1乃至第3のいずれかの態様において、前記主軸軸受および前記偏心スリーブ軸受の少なくとも一方の中心軸線が、前記モータの動力の定格値において、前記主軸の下部の中心軸線と略平行になる、ことを特徴とする。
本発明の第5の態様は、第1乃至第4のいずれかの態様において、前記主軸軸受および前記偏心スリーブ軸受の少なくとも一方において、前記主軸を回転駆動するモータの動力が定格値の約50%から約160%まで変化する際に、前記潤滑油の油膜厚さが最小となる位置が、軸受下端側から軸受上端側へ向かって変化するように構成されている、ことを特徴とする。
本発明の第6の態様は、第5の態様において、前記主軸軸受および前記偏心スリーブ軸受の少なくとも一方において、前記主軸を回転駆動するモータの動力が定格値の約50%から約160%まで変化する際に、前記潤滑油の油膜厚さが最小となる位置が、軸受下端側から軸受上下方向の全体へと変化するように構成されている、。
本発明の第7の態様は、第1乃至第4のいずれかの態様において、前記主軸軸受および前記偏心スリーブ軸受の少なくとも一方において、前記主軸を回転駆動するモータの動力が定格値の約50%から最大許容値まで変化する際に、前記潤滑油の油膜厚さが最小となる位置が、軸受下端側から軸受上下方向の全体へと変化するように構成されている、ことを特徴とする。
本発明の第8の態様は、第1乃至第4のいずれかの態様において、前記主軸軸受および前記偏心スリーブ軸受の少なくとも一方において、前記主軸を回転駆動するモータの動力が定格値の約50%から最大許容値まで変化する際に、前記潤滑油の油膜圧力の分布が、軸受下部に偏った分布から軸受上下方向の全体にかけて平滑な分布へと変化するように構成されている、ことを特徴とする。
本発明の第9の態様は、第1乃至第4のいずれかの態様において、前記主軸軸受および前記偏心スリーブ軸受の少なくとも一方において、前記主軸を回転駆動するモータの動力が定格値の約50%から約160%まで変化する際に、前記潤滑油の油膜圧力の分布が、軸受下部に偏った分布から軸受上下方向の全体にかけて平滑な分布となるように変化するように構成されている、ことを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明の第10の態様による旋動式破砕機は、コーンケーブの内部に回転可能に配置され、その中心軸線が前記コーンケーブの中心軸線に対して傾斜して偏心旋回運動をする主軸と、前記主軸に設けられたマントルと、前記主軸の下端部が回転自在に嵌挿される主軸嵌挿穴を有する偏心スリーブと、前記偏心スリーブが回転自在に嵌挿される偏心スリーブ嵌挿穴を有する外筒と、を備えた旋動式破砕機であって、前記主軸嵌挿穴に嵌挿された前記主軸の下端部の外周面と前記主軸嵌挿穴を形成する面とが、その隙間に潤滑油が供給されて主軸軸受を形成し、前記外筒に嵌挿された前記偏心スリーブの外周面と前記偏心スリーブ嵌挿穴を形成する面とが、その隙間に潤滑油が供給されて偏心スリーブ軸受を形成し、前記主軸軸受および前記偏心スリーブ軸受の少なくとも一方において、前記主軸を回転駆動するモータの動力が定格値の約50%から約160%まで変化する際に、前記潤滑油の油膜厚さが最小となる位置が、軸受下部から軸受上部へと変化するように構成されている、ことを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明の第11の態様による旋動式破砕機は、コーンケーブの内部に回転可能に配置され、その中心軸線が前記コーンケーブの中心軸線に対して傾斜して偏心旋回運動をする主軸と、前記主軸に設けられたマントルと、前記主軸の下端部が回転自在に嵌挿される主軸嵌挿穴を有する偏心スリーブと、前記偏心スリーブが回転自在に嵌挿される偏心スリーブ嵌挿穴を有する外筒と、を備えた旋動式破砕機であって、前記主軸嵌挿穴に嵌挿された前記主軸の下部の外周面と前記主軸嵌挿穴を形成する面とが、その隙間に潤滑油が供給されて主軸軸受を形成し、前記外筒に嵌挿された前記偏心スリーブの外周面と前記偏心スリーブ嵌挿穴を形成する面とが、その隙間に潤滑油が供給されて偏心スリーブ軸受を形成し、前記主軸軸受および前記偏心スリーブ軸受の少なくとも一方において、前記主軸を回転駆動するモータの動力が定格値の約50%から約160%まで変化する際に、前記潤滑油の油膜厚さが最小となる位置が、軸受下部から、軸受上下方向の全体へと変化するように構成されている、ことを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明の第12の態様による旋動式破砕機は、コーンケーブの内部に回転可能に配置され、その中心軸線が前記コーンケーブの中心軸線に対して傾斜して偏心旋回運動をする主軸と、前記主軸に設けられたマントルと、前記主軸の下端部に設けられた偏心スリーブと、前記偏心スリーブが回転自在に嵌挿される偏心スリーブ嵌挿穴を有する外筒と、を備えた旋動式破砕機であって、前記外筒に嵌挿された前記偏心スリーブの外周面と前記偏心スリーブ嵌挿穴を形成する面とが、その隙間に潤滑油が供給されて偏心スリーブ軸受を形成し、
前記偏心スリーブ軸受が、前記主軸を回転駆動するモータの動力の変化に対する前記潤滑油の最小油膜厚さの変化においてロバスト領域を有する、ことを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明の第13の態様による旋動式破砕機は、コーンケーブの内部に回転可能に配置され、その中心軸線が前記コーンケーブの中心軸線に対して傾斜して偏心旋回運動をする主軸と、前記主軸に設けられたマントルと、前記主軸の下端部が回転自在に嵌挿される主軸嵌挿穴を有する偏心スリーブと、前記偏心スリーブが回転自在に嵌挿される偏心スリーブ嵌挿穴を有する外筒と、を備えた旋動式破砕機であって、前記主軸嵌挿穴に嵌挿された前記主軸の下端部の外周面と前記主軸嵌挿穴を形成する面とが、その隙間に潤滑油が供給されて主軸軸受を形成し、前記外筒に嵌挿された前記偏心スリーブの外周面と前記偏心スリーブ嵌挿穴を形成する面とが、その隙間に潤滑油が供給されて偏心スリーブ軸受を形成し、前記主軸軸受および前記偏心スリーブ軸受の少なくとも一方において、前記主軸を回転駆動するモータの動力が定格値の約50%から約160%まで変化する際に、前記潤滑油の面圧分布が、軸受下部から軸受上部へと変化するように構成されている、ことを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明の第14の態様による旋動式破砕機は、コーンケーブの内部に回転可能に配置され、その中心軸線が前記コーンケーブの中心軸線に対して傾斜して偏心旋回運動をする主軸と、前記主軸に設けられたマントルと、前記主軸の下端部が回転自在に嵌挿される主軸嵌挿穴を有する偏心スリーブと、前記偏心スリーブが回転自在に嵌挿される偏心スリーブ嵌挿穴を有する外筒と、を備えた旋動式破砕機であって、前記主軸嵌挿穴に嵌挿された前記主軸の下部の外周面と前記主軸嵌挿穴を形成する面とが、その隙間に潤滑油が供給されて主軸軸受を形成し、前記外筒に嵌挿された前記偏心スリーブの外周面と前記偏心スリーブ嵌挿穴を形成する面とが、その隙間に潤滑油が供給されて偏心スリーブ軸受を形成し、前記主軸軸受および前記偏心スリーブ軸受の少なくとも一方において、前記主軸を回転駆動するモータの動力が定格値の約50%から約160%まで変化する際に、前記潤滑油の面圧分布が、軸受下部から、軸受上下方向の全体へと変化するように構成されている、ことを特徴とする。
本発明の第15の態様は、第1乃至第14のいずれかの態様において、さらに上部軸受を備え、前記主軸の上端部が、前記上部軸受に回転自在に支持されている、ことを特徴とする。
本発明の第16の態様は、第15の態様において、前記旋動式破砕機は、1次破砕機、或いは1次・2次兼用を含む2次破砕機である、ことを特徴とする。
本発明の第17の態様は、第1乃至第16のいずれかの態様による旋動式破砕機において、運転継続に伴って、前記ロバスト領域を有さない旋動式破砕機においては生じ得ない特有の摺動痕が軸受に形成される、ことを特徴とする。
本発明の第18の態様は、第17の態様において、前記特有の摺動痕は、少なくとも前記軸受の下部に形成される、ことを特徴とする。
本発明の第19の態様は、第18の態様において、前記特有の摺動痕は、運転継続に伴って、前記軸受の下部のみに形成された後、前記軸受の下部から上部にかけて全体的に形成される、ことを特徴とする。
本発明の第20の態様は、第19の態様において、前記特有の摺動痕は、運転継続に伴って、前記軸受の下部のみに形成された後、前記軸受の下部から上部にかけて全体的に形成され、その後に前記軸受の上部のみに形成される、ことを特徴とする。
本発明によれば、多種多様な被破砕物に対してロバストに対応でき、また負荷条件の変化にもロバストに対応できる旋動式破砕機を提供することができる。
従来の旋動式破砕機の一例の全体構成を示す縦断面図である。 旋動式破砕機による破砕原理を説明するための平面図である。 本発明の一実施形態による旋動式破砕機の軸受の形態について、破砕荷重の大きさにより、軸受15(主軸軸受10または偏心軸受11)の当たり状態と最小油膜厚さの関係を3つの状態に分類して模式的に示す図であり、(a)は下当たり状態を示す図、(b)は均等当たり状態を示す図、(c)は上当たり状態を示す図である。 軸受15の拡大縦断面図であって、主軸5の中心軸線L1、上部フレーム1の中心軸線L2、主軸挿通穴3の中心軸線L3、偏心スリーブ4の中心軸線L4および偏心スリーブ挿通穴27の中心軸線L5との関係を示す図である。 仕様Aの軸受15について、破砕荷重の変化に対する軸受の最小油膜厚の変化を示すグラフである。 仕様Aの軸受15について、破砕荷重の変化に対するに対する軸の傾斜角度の変化を示すグラフである。 仕様Bの軸受15について、破砕荷重の変化に対する軸受の最小油膜厚の変化を示すグラフである。 仕様Bの軸受15について、破砕荷重の変化に対するに対する軸の傾斜角度の変化を示すグラフである。 上当たり状態における軸受15の油膜圧力分布を示す図である。 図9と同一の破砕荷重および仕様の軸受について均等当たり状態における軸受15の油膜圧力分布を示す図である。 ロバスト特性を有する軸受とロバスト特性を有しない軸受における破砕荷重の変化に対する最小油膜厚さの変化((a))および傾斜角度の変化((b))の比較の概要を示す図である。 仕様Aの軸受15について、ロバスト特性を表す模式的な特性曲線を示すグラフである。 図12に示すロバスト特性曲線を2次関数で近似したグラフである。 図12に示すロバスト特性曲線を3次関数で近似したグラフである。 仕様Bの軸受15について、ロバスト特性を表す模式的な特性曲線を示すグラフである。 図15に示すロバスト特性曲線を2次関数で近似したグラフである。 図15に示すロバスト特性曲線を3次関数で近似したグラフである。
以下、本発明に係る旋動式破砕機の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態による旋動式破砕機は、基本的な構成については、図1に示す構成と同様であり、以下、同様な構成については、従来のものと同様な符号等を用いて説明し、異なる部分を中心に説明する。そのため、説明のない事項については、特に矛盾等がない限り、従来の旋動式破砕機と同様である。また、以下における実施形態においては、図1と対応させるために油圧式コーンクラッシャを一例として説明するが、本実施形態による旋動式破砕機は、油圧式コーンクラッシャを含むコーンクラッシャに限定されるものではなく、ジャイレトリクラッシャやその他の形式のものにも適用可能であることはいうまでもない。
本実施形態による油圧式コーンクラッシャは、截頭逆略円錐管体状の上部フレーム1とそれに連結された下部フレーム2で形成された内部空間の中央部に、中心軸線が破砕機の中心軸線に対して傾斜して配置された主軸5が設けられている。
主軸5は、下端部が偏心スリーブ4に形成された主軸嵌挿穴3に回転自在に嵌挿され、主軸嵌挿穴3に嵌挿された主軸5の外周面と偏心スリーブ4の内周面との間は、所定の隙間を保持したラジアルすべり軸受(主軸軸受10)を構成し、所定の隙間には、潤滑油が供給され、油膜が形成されている。
また、偏心スリーブ4は、下部フレーム2に配設された外筒7に回転自在に嵌挿され、偏心スリーブ4の外周面と外筒7の内周面との間は、所定の隙間を保持したジャーナル軸受(ラジアルすべり軸受)(偏心スリーブ軸受11)を構成し、所定の隙間には、潤滑油が供給され、油膜が形成されている。なお、以下では、説明の便宜上、主軸軸受10および偏心スリーブ軸受11を特に区別せずに抽象化して軸受15ということがある。
以下、本発明の実施形態における軸受15の構成について、詳細に説明する。
軸受15は、被破砕物の種類・性状(材質、大きさ、水分含有量など)、運転条件(回転数、被破砕物の投入量など)を変更することによる破砕荷重ひいては反力の変化により、主軸5やフレーム31等が変位、変形することにより、状態が変化する。
すなわち、被破砕物の種類・性状等の変更により破砕荷重の変化により、軸受15は、大別すると、図3に示す3つの状態を取りうる。
図3は、軸受15の動作・挙動を抽出して説明するため、破砕荷重Wの大きさに応じて変化する軸受荷重Fの大きさによる片当たりと最小油膜厚さTとの関係を3つの状態に分類し模式的に示す図であり、(a)は軸41の中心軸線Laが軸受15内周面の中心軸線Lbに対して(紙面において)左に傾斜した下当たりの状態、(b)は軸41の中心軸線Laと軸受15内周面の中心軸線Lbとがほぼ平行となり、ほぼ均等な当たり状態、(c)は軸41の中心軸線Laが軸受15内周面の中心軸線Lbに対して(紙面において)右に傾斜した上当たりの状態を示す図である。なお、軸受荷重Fは、破砕荷重Wの増減に応じて増減する。なお、下当たり、均等当たりおよび上当たりの状態における最小油膜厚さをそれぞれ、T1、T2およびT3とする。
ここで、主軸軸受10および偏心スリーブ軸受11について、個別に説明すれば、以下の通りである。
図3において、軸受15が主軸軸受10である場合は、軸41が主軸5であり(図4参照)、主軸5の中心軸線L1が主軸嵌挿穴3の中心軸線L3にほぼ平行であって、主軸嵌挿穴3の(紙面における)右方の内面側に接近し、軸長方向全体にわたりほぼ均等な厚さの油膜が形成されている状態(均等当たり状態)(図3(b))を基準として、軸受荷重Fが均等当たり状態となる軸受荷重Fより小さいときは、主軸5等の変位、変形が小さいため、主軸5の中心軸線L1が主軸嵌挿穴3の中心軸線L3に対して(紙面において)左に傾斜して下当たりの状態(図3(a))となり、逆に、軸受荷重Fが均等当たり状態となる軸受荷重Fより大きいときは、主軸5等の変位、変形が大きいため、主軸5の中心軸線L1が主軸嵌挿穴3の中心軸線L3に対して(紙面において)右方に傾斜して上当たりの状態(図3(c))となる。
ここで、主軸5は、軸受荷重Fによりフレーム31の内周方向(図3において紙面の右方向)に向かって押し付けられて変位、変形により移動するため、最小油膜厚さが発生する領域は、一般に、主軸軸受10におけるフレーム31の内周側となる。これにより、図3に示されるように、下当たり状態、均等当たり状態および上当たり状態のときに主軸軸受10における最小油膜厚さが発生する位置は、それぞれ、軸受荷重Fが作用する側の反対側における下端部、軸線方向全域(略均等)および上端部であり、また、最小油膜厚さTの大きさは、下当たり状態、均等当たり状態、上当たり状態の順に小さくなる。
また、図3において、軸受15が偏心スリーブ軸受11である場合は、軸41は偏心スリーブ4であり(図4参照)、主軸軸受10の場合と同様に、軸受荷重Fが小さいときは、偏心スリーブ4の中心軸線L4が偏心スリーブ嵌挿穴27の中心軸線L5に対して(紙面において)左に傾斜して下当たりの状態となり(図3(a))、逆に、軸受荷重Fが大きいときは、偏心スリーブ4の中心軸線L4が主軸嵌挿穴3の中心軸線L5に対して(紙面において)右方に傾斜して上当たりの状態(図3(c))となり、軸受荷重Fが前記の下当たり状態と上当たり状態の中間程度の大きさのときは、偏心スリーブ4の中心軸線L4が主軸嵌挿穴3の中心軸線L5にほぼ平行な状態で、主軸嵌挿穴3の(紙面における)右方の内面側に接近し、ほぼ均等な厚さの油膜が形成されている状態(均等当たり状態)(図3(b))となる。
ここで、偏心スリーブ軸受11において、下当たり状態、均等当たり状態および上当たり状態のときに最小油膜厚さが発生する位置および最小油膜厚さTの大きさについては、主軸軸受10と同様である。
なお、図3および4においては、理解の容易のため、主軸5の外周面と偏心スリーブ4の内周面との間隙、および偏心スリーブ4の外周面と外筒7の内周面との間隙を誇張して大きく描いている。
破砕荷重の大きさの相違による軸受15についての以上の3つの状態を整理すると、表1の通りである。
Figure 0007145864000001
旋動式破砕機における図3に示されるような軸受15についての設計範囲は、一般的に、L/Dが概略0.5~2の範囲においては、流体潤滑軸受の油膜特性を代表する評価指標であるゾンマーフェルト数Sのオーダは、概略0.0001~0.1、最小油膜厚さは、概略数μmないし数百μmである。ここで、LおよびDは、それぞれ、軸受長さおよび軸直径であり、ゾンマーフェルト数Sは、オイルなどにより潤滑されるすべり軸受と軸(流体潤滑)の潤滑状態を評価するための無次元量であって、次式(1)により計算される。
S=(ηn/P)(r/c) (1)
ここで、ηは潤滑油の粘性係数[P=10-1Pa・s]、nは軸回転数[s-1]、Pは軸受面圧[Pa]、rは軸径[m]、c(=R-r。R:軸受半径、r:軸半径)は軸受隙間[m]である。
以上を踏まえて、軸受15が、仕様A(L/D=約1.4、ゾンマーフェルト数S=約0.001)および仕様B(L/D=約0.8、ゾンマーフェルト数S=約0.01)である場合について、解析により求めた破砕荷重に対する最小油膜厚さおよび傾斜角度との関係について説明する。
図5は、主軸5やフレーム31(上部フレーム1および下部フレーム2)等の構造物の変形・変位をFEM(有限要素法)やBEM(境界要素法)などの構造解析により求め、さらにそれらの値を用いて、仕様Aの軸受15の油膜厚さを流体潤滑理論に基づくレイノルズ方程式を用いた油膜解析により求めて整理した、破砕荷重の変化に対する軸受15の最小油膜厚さの変化を示すグラフであり、図6は、破砕荷重の変化に対する仕様Aの軸受15の傾斜角度の変化を示すグラフである。また、図7は、主軸5やフレーム31等の構造物の変形・変位をFEMなどの構造解析により求め、さらにそれらの値を用いて、仕様Bの軸受15の油膜厚さを流体潤滑理論に基づくレイノルズ方程式を用いた油膜解析により求めて整理した、破砕荷重の変化に対する仕様Bの軸受15の最小油膜厚さの変化を示すグラフであり、図8は、破砕荷重に対する仕様Bの軸受15の傾斜角度との関係を示すグラフである。
ここで前記の構造解析と油膜解析は、それぞれ実験機や実績機での軸受状態(摺動痕など)と比較して、妥当性を検証した手法の適用が望ましい。なお前記の油膜解析では、軸と軸受の変形や傾斜を考慮した解析手法を用いる。また理想的には、構造解析と油膜解析は双方向に連成した解析手法が望まれるが、一般には、前記の通り構造解析の結果を用いて油膜解析をする、いわゆる一方向の連成解析が実用的である。
前記の解析手法の妥当性評価においては、解析から求まる片当たり状態(接触面圧分布)、最小油膜厚さなどと、実機を運転して得た摺動痕との比較する方法などが有効である。
なお、図5ないし図8においては、横軸の破砕荷重は定格荷重を100%として正規化している。
ここで、定格荷重とは、旋動式破砕機を駆動する電動機の定格出力で運転可能な旋動式破砕機においては、投入された原料(例えば岩石など)を定格出力で破砕処理を行う状態で旋動式破砕機が発生しうる破砕荷重を、または電動機の定格出力で破砕処理を行う際に発生しうる破砕荷重がその旋動式破砕機の本体若しくは構成装置の一部が継続的に耐えうる負荷の上限を超える旋動式破砕機においては、安全に破砕処理を継続しうる最大出力を定格出力とみなし、その出力に対応する破砕荷重をいう。
なお、コーンクラッシャが、一般に、連続的な破砕が継続する状態を想定して設計されるのに対して、一次破砕機などで使用されるジャイレトリクラッシャは、連続的な破砕を継続する状態のほか、大塊原料(具体的に例えば石など)などの単粒子破砕または不連続的な破砕を常用的に行う場合があるが、ジャイレトリクラッシャのように運転される旋動式破砕機においても、定格荷重は前記定義によるものとする。
また、図5および図7における縦軸の最小油膜厚さは、破砕荷重を100%としたときの軸受15の最小油膜厚さを1として正規化している。
また、図6および図8における縦軸の傾斜角度は、軸受15の中心軸線L2を基準として軸41が(紙面において)右側に傾斜している方向(上当たり状態に向かう方向)が正方向とし、破砕荷重を50%としたときの傾斜角度の絶対値を1として正規化している。正規化した傾斜角度に係る正負号は、負(-)が下当たり状態を、正が上当たり状態を示す。
軸受15は、傾斜角度については、図6および図8に示されるように、一般に、破砕荷重の増加に対して略直線的ないしなだらか曲線により単調に増加する。一方、軸受15は、最小油膜厚さについては、図5および図7に示されるように、一般に、破砕荷重の増加に対して全体的にはほぼ単調に減少するが、破砕荷重の一定の範囲において、当該一定範囲以外の範囲に比較して破砕荷重の増加に対する減少(変化)割合が小さくなっている。より具体的に説明すると、図5に示す仕様Aの軸受15においては、破砕荷重が50%から増加するに伴い最小油膜厚さが減少するが、破砕荷重の増加するにつれて最小油膜厚さの変化(一般には減少)の割合が連続的に緩やかになり、その傾向は、破砕荷重が約105%で、破砕荷重の増加に対する最小油膜厚さの減少の割合が急激に増加するまで継続する。図7に示す仕様Bの軸受15においては、破砕荷重が50%から増加するに伴い最小油膜厚さが減少するが、破砕荷重の増加するにつれて最小油膜厚さの変化(一般には減少、詳細は後に説明)の割合が連続的に緩やかになり、その傾向は、破砕荷重が約145%で、破砕荷重の増加に対する最小油膜厚さの変化の割合が急激に増加するまで継続する。
このように、それ以外の範囲に比べて、破砕荷重の増加に対する最小油膜厚さの減少(変化)割合が小さく、かつ前記の最小油膜厚さの変化の割合が急激に増加するまでの特定範囲を、本明細書においては、「ロバスト領域」とよび、また、軸受15において、ロバスト領域を備える性質を「ロバスト特性」とよぶ。一般に破砕荷重に対する最小油膜厚さの変化は、図5および図7に示されるように、ロバスト領域の上限値までは、破砕荷重が小さい状態からなだらかに移行するため、ロバスト領域の下限側の境界(下限値)は、明確に特定できない場合が多い。一方、ロバスト領域の上限側の境界(上限値)は、前記の通り、それまで緩やかであった破砕荷重の増加に対する最小油膜厚さの減少の割合が、急激に増加する特徴により特定される。具体的に例えば、仕様Aの軸受15においては破砕荷重の約105%が、仕様Bにおいては約145%が、各々のロバスト領域の上限値である。なお、上限値の数学的な特定方法については、後述する。
軸受15の傾斜角度は、仕様Aにおいては、図6より、破砕荷重の約100%、仕様Bにおいては、図8より、破砕荷重の約145%において、負から正に変化していることから、仕様Aにおいては、破砕荷重の約105%付近のときに、略均等当たり状態であって、破砕荷重が、約105%より小さいときに下当たり状態、約105%より大きいときに上当たり状態であり、仕様Bにおいては、破砕荷重の約145%付近のときに、略均等当たり状態であり、破砕荷重が、約145%より小さいときに下当たり状態、約145%より大きいときに上当たり状態となっている。
軸受15における傾斜角度について上述したように、本実施形態による旋動式破砕機の軸受15が、破砕荷重の増加に伴い上当たり状態に向かい、破砕荷重の減少に伴い下当たり状態に向かう特性があるのは、主には、主軸5が、下部軸受である軸受15および上部軸受17を支持点として、その中間部に作用する軸受荷重Fにより(弾性)変形することにより、軸受15に対する軸41の局部的な当接位置が軸受15の下端部から上端部へ移行していくためである。
主軸5の弾性変形、変位は、上部軸受17と軸受15(主軸軸受10または偏心スリーブ軸受11)との軸受中心間距離、および主軸5の直径などから決まる主軸の曲げ剛性に強く依存する。ここで、同一の破砕荷重について、例えば、上部軸受17と下部軸受(軸受15)との軸受中心間距離が大きくなると、主軸5の変形、変位は大きくなり、さらに例えば、主軸嵌挿穴3に嵌挿された部分の主軸5の直径またはマントル13の底面の直径が大きくなると、主軸5の変形、変位は小さくなる。
そのため、一般に旋動式破砕機では、構造的に下部軸受15が上当たり状態になりやすく、そのため下部軸受15で焼付きが生じる場合は上当たり状態であることが一般である。特に1次破砕機や2次破砕機として用いる旋動式破砕機では、特に構造的に主軸の直径に対する軸受中心間距離が長くなり、軸受15は破砕荷重の増加に伴い強い上当たり状態になりやすい。
一方、破砕荷重(反力)が大きくなり、主軸5、フレーム31などの変位、変形が大きくなるに伴って、均等当たり状態を経て、上当たり状態に移行し、最小油膜厚さが減少する(表2参照)。これにより、上当たり状態においては、軸受15の油膜圧力は、図9に示されるように、上端部にピークを有する分布となる。
このように下部軸受である軸受15において下当たり状態から上当たり状態へ移行すると、下部軸受である軸受15において主軸5(の中間部)に作用する破砕荷重の反力を受ける支持点(反作用点)が軸受15の下端部から上端部へ変化するため、破砕荷重の反力が作用する主軸15の作用点と軸受15の支持点との距離が短くなる。このため、上当たり状態においては、下当たり状態および略均等当たり状態に比べて、主軸5に作用する破砕荷重の反力が同一であっても、軸受15に作用する軸受荷重が大きくなる傾向にあるため、軸受としては過酷な条件となる。
ここで、比較のために、軸受荷重および仕様が同一の軸受を用いて、片当たり状態と、均等当たり状態とにおける油膜圧力分布の解析を行い、その結果をそれぞれ図9と図10に示す。なお、図9および図10における軸41の傾斜角度は、それぞれ0.015度および0度であり、圧力分布のスケールは同一である。
図9および図10より、均等当たり状態における圧力分布は、軸方向において際立ったピークがなく、全体的に低くなだらかな分布をしている。
軸受15、すなわち主軸軸受10と偏心スリーブ軸受11の少なくとも一方は、主軸5を回転駆動するモータの動力が増加して、破砕荷重がロバスト領域の下限値から上限値まで変化する場合には、軸受の当り状態が、下当たり状態から略均等当たり状態へ変化するため、潤滑油の油膜厚さが最小となる位置が、軸受の下端側から軸受上下方向全体へと変化する。このとき軸受の油膜圧力分布は、下当たり状態から略均等当たり状態へ変化するのに伴い、軸受の下端側に偏った状態から、軸受上下方向にわたり全体として平滑に近づくように変化する。
さらに破砕荷重が増加し、破砕荷重がロバスト領域の上限値を超過すると、軸15と軸受41の接触状態は上当たり状態に変化するため、油膜厚さが最小となる位置は、軸受15の上端側へと移動する。また油膜圧力分布は、略均等当たり状態から上当たり状態へと変化するに伴い、軸受上下方向にわたり平滑な分布から、軸受上端部に偏った急峻な圧力分布へと変化する。
なお、図9の片当たり状態における最小油膜厚さは、図10の均等当たり状態における最小油圧厚さの約13%程度まで減少していることから、同一の荷重条件および仕様においては、最小油膜厚さの観点から、油膜形成において、一般に、略均等当たり状態が有利であり、逆に、片当たり、特に上当たり状態は、最小油膜厚さが小さくなるため、軸受としては過酷な条件となる。
ただし、軸受15が破砕荷重の増加に伴い、軽度の下当たり状態から略均等当たり状態に、緩やかに変化する過程においては、軸受15はロバスト領域を有し、破砕荷重の変化に対して最小油膜厚さの変化は、ロバスト領域の範囲外に比べて鈍感な状態が確保されるため、最小油膜厚さが確保されやすいという特徴がある。
以下、ロバスト特性を有する軸受における特徴を詳細に説明する。
図11は、ロバスト特性を有しない軸受およびロバスト特性を有する軸受における破砕荷重の変化に対する最小油膜厚さの変化((a))および傾斜角度の変化((b))の比較を示す図である。ここで、図11においては、破砕荷重については定格荷重を100%、最小油膜厚さについては破砕荷重が定格荷重の100%のときの最小油膜厚さを1、傾斜角度については破砕荷重が定格荷重の20%のときの傾斜角度の絶対値を1として正規化し、また説明および理解の容易のため、最小油膜厚さおよび傾斜角度は、簡略して表現している。なお、ロバスト特性を有する軸受におけるロバスト領域の範囲については、ロバスト特性有りと無しの場合の相違の理解の容易等のため、ロバスト特性を有する軸受のロバスト領域の上限値を破砕荷重の120%と設定している。
旋動式破砕機において、例えば、破砕荷重を定格荷重に設定して破砕運転を行うと、破砕式16に投入される原料の投入量、形状・大きさ、性状等のばらつきにより、運転中の破砕荷重の大きさは変動するため、例えば、破砕荷重が、定格荷重に対して5%増加すれば、それに応じて、ロバスト特性を有しない軸受およびロバスト特性を有する軸受とも、傾斜角度が増加して、片当たり(上当たり)状態に移行する(図11(b))。傾斜角度については、ロバスト特性を有しない軸受では、破砕荷重が50%以上で上当たり状態である。一方、ロバスト特性を有する軸受では、破砕荷重が50%では下当たり状態で、破砕荷重が120%で完全な均等当たり状態に移行し、それ以上では上当たり状態である。
最小油膜厚さについては、ロバスト特性を有しない軸受およびロバスト特性を有する軸受とも、破砕荷重の増加に対して全体的にはほぼ単調に減少する。ロバスト特性を有しない軸受では、破砕荷重が50%において既に上当たりで、それ以上では傾斜角度が大きくなり、強い上当たりに移行するに伴い、最小油膜厚さは単調に減少する。一方、ロバスト特性を有する軸受では、破砕荷重が50%から増加するに伴い最小油膜厚さが減少するが、破砕荷重の増加するにつれて最小油膜厚さの変化(一般には減少)の割合が連続的に緩やかになり、その傾向は、破砕荷重が約105%で、破砕荷重の増加に対する最小油膜厚さの減少の割合が急激に増加するまで継続する、いわゆるロバスト特性を示す。図11の例では、特に破砕荷重が凡そ80%前後から120%の範囲において、当該範囲以外の範囲に比較して破砕荷重の増加(変化)に対する減少(変化)割合が小さく、典型的なロバスト特性を示している。破砕荷重の変化を軸受の片当たりの状態と関連付けて言い換えると、軽度な下当たり状態から略均等当たり状態までの範囲において、最小油膜厚さについてロバスト特性を示している。
したがって、旋動式破砕機では片当たり状態、および片当たり状態の移行点を調整することで、ロバスト特性を有することが可能であり、ロバスト領域において軸受は、破砕荷重の変動に対する油膜特性の安定性を確保でき、適正な油膜確保の観点から非常に有効となりうることがわかる。
なお前記の通り、ロバスト領域は軽度な下当たり状態から略均等当たりまでの範囲において形成される。図11のロバスト領域を有しない場合では、常に上当たり状態のみを範囲とする軸受を例に説明したが、軽度な下当たり状態を含まず、比較的に強い下当たり状態を範囲とする軸受でも同様にロバスト領域は有しない。
なおロバスト特性を有する軸受では、ロバスト領域の上限値か、上限値より少し小さい破砕荷重で、破砕荷重の変化に対する最小油膜厚さの変化の割合が最も鈍感(小さく)なる。一般に破砕荷重に対する最小油膜厚さの変化は単調減少であるが、ロバスト領域の上限値よりも少し小さい破砕荷重で変化の割合が0(ゼロ)になる場合がある。係るケースにおいては、当該荷重からロバスト領域の上限値の間で、破砕荷重の増加に伴い最小油膜厚さが微弱に増加し、破砕荷重が上限値を超えると再度、最小油膜厚さは破砕荷重の増加と共に減少に転ずる場合がある。ただしこの挙動は微弱で限られた条件でのみ発生しうることから、破砕荷重に対する最小油膜厚さ変化は、一般には単調に減少すると見做して問題ない。
以上のようなロバスト特性の有無による最小油膜厚さの相違により、ロバスト特性を有する軸受とロバスト特性を有しない軸受では、摺動痕に相違が生じる。以下、両者の摺動痕の相違について説明する。
一般的な旋動式破砕機では、軸、軸受や潤滑油が健全であれば、軸受の材質特性や、潤滑油中の極圧添加剤などの効果で、軽微な接触を伴う摺動で直ちに焼付くことはないが、多くの場合、軸受は軽微な接触を経験すると、軸受端近傍において自然に望ましいクラウニングが形成されたり、軸受表面では表面の凹凸が滑らかにされたりすることで、軸受は新品状態よりも強い片当たりや薄い油膜厚さでも健全に機能するように改質される。一般に「慣らし」や「なじみ」と呼ばれる現象であり、この過程で軸や軸受の表面にはなんらかの摺動痕が形成される。ただし健全な軸受油膜が形成されている場合であっても、油膜厚さに対して無視できない大きさや量の異物が、潤滑油に混入すると、線状痕、研磨痕などの摺動痕や、異物の噛込み痕が形成される。
前記の通り、軸受15は、その片当たり状態とその移行点に着目をすると、軽度な下当たり状態から略均等当たり状態までの範囲において、最小油膜厚さに関するロバスト特性を有する。
そのため、ロバスト領域の範囲内においては、局所的で強い摺動痕ではなく、比較的に広く、滑らかな摺動痕が形成される。また、ロバスト領域において形成された摺動痕が、潤滑油中の微細な異物による場合は、異物が研磨材のように作用し、比較的に広い範囲に摺動痕(研磨痕)を形成される。
このような摺動痕が形成される場合には、軸受が軽度な下当たり状態にあるときは、軸受の下端部に最小油膜が形成され上方に向かうに従って油膜厚さが緩やかに変化(一般に減少)するため、軸受15の下端を基準として軸長の約1/5ないし1/3の位置から下方の領域にわたる広い範囲に摺動痕が形成され易い。また、軸受が略均等当たり状態にあるときは、破砕荷重の変動に対して均等当たり状態を中心に傾斜角度が変動するため、軸方向の中央部を中心に摺動痕が形成されることから、軸受15の下端を基準として軸長の約1/5ないし1/3の位置と、軸受15の上端を基準として軸長の約1/5ないし1/3の位置との間の広い範囲に連続する摺動痕が形成される。さらに軸受15が、略均等当たりから上当たり状態に移行すると、軸受15はロバスト領域の上限を超えてロバスト特性が失われる。このように軸受が上当たり状態に移行した場合には、逆に、軸受の上端部に最小油膜が形成され下方に向かうに従って油膜が厚くなるため、軸受15の上端を基準として軸長の約1/5ないし1/3の位置から上方の領域にわたる広い範囲に上当たり状態の摺動痕が形成される。
したがって軸受15が、ロバスト領域を有し、かつその上限値を超えて上当たり状態に移行する場合には、前記の軸受15の上端を基準として軸長の約1/5ないし1/3の位置から上方の範囲における上当たり状態の摺動痕と共に、軸受15の下端を基準として軸長の約1/5ないし1/3の位置と、軸受15の上端を基準として軸長の約1/5ないし1/3の位置との間の広い範囲に連続する摺動痕が形成される。
以上より、ロバスト特性を有する軸受においては、破砕荷重の変動等により、油膜の欠損等による焼き付き等の発生を生じ難く、軸長方向において比較的広い範囲に滑らかな摺動痕が形成する傾向がある。なおロバスト特性の上限値と下限値を有する軸受が、破砕荷重に応じて片当たり状態が変化するとき、略均等当たり状態における最小油膜厚さT2および下当たり状態おける最小油膜厚さT1は、上当たり状態における最小油膜厚さT3より大きくなる。そのため上当たり状態に比べて、軽度な下当たり状態、および略均等当たり状態では、油膜状態が改善され、摺動痕自体が形成され難い構成になる。したがってロバスト領域を有する場合であっても、前記、軸受15の下端を基準として軸長の約1/5ないし1/3の位置における摺動痕は、比較的に軽度であるか、或いは形成されていない場合がある。
一方、ロバスト領域の範囲外において は、軸受は比較的に傾斜が強い下当たり状態、または上当たり状態にある。ロバスト領域の範囲外である下当たり状態では軸受の下端部付近に局部的な摺動痕が形成され、上当たり状態では軸受の上端を基準として軸長の約1/5ないし1/3の位置より上方において摺動痕が形成される。なお、ロバスト領域の範囲外にある上当たり状態の軸受において、破砕荷重をさらに増加させると、上当たりの進行と共に最小油膜厚さが急激に減少するため、局所的に強い摺動痕が形成されやすくなり、更には摺動痕に止まらず、油膜の欠損等による焼き付き等が発生することがある。
ロバスト特性を有しない軸受は、上当たり状態を範囲とする軸受か、比較的に傾斜の強い下当たり状態を範囲とする軸受である。言い換えると、軽度な下当たり状態と略均等当たりを範囲としない軸受である。したがって、この様な軸受では、前記のロバスト領域の範囲外における摺動痕の特徴の内、何れか一方のみを有し、ロバスト領域を有する場合に特有の摺動痕は形成しない。
油膜厚さが十分に厚いか、油膜厚さに対して無視できない大きさや量の異物が潤滑油に混入しない場合には、一般に摺動痕は形成されない。したがって、このような軸受では摺動痕からロバスト領域の有無を評価できないが、前記のロバスト領域に起因した摺動痕が観察される場合には、ロバスト領域があると判断できる。
なお、図11(a)においては、最小油膜厚さが正規化されているため、正規化された最小油膜厚さはロバスト特性を有する軸受けとロバスト特性を有しない軸受とで同一となっているが、ロバスト特性を有しない軸受における破砕荷重の変化に対する最小油膜厚さの変化率を考慮すると、定格荷重時における現実の最小油膜厚さは、ロバスト特性を有しない軸受の方が大きくなっている。
ロバスト特性を有する軸受におけるロバスト領域の上限値の特定方法について説明する。
前記、図5および図7に関する説明の通り、ロバスト領域特性を有する軸受では、破砕荷重に対する最小油膜厚さの変化が、ロバスト領域の上限値の前後で明確に変化する。図5および図7の黒丸(●)は油膜解析で求めた値を、実線は黒丸を直線で結んだものである。ロバスト領域を有する軸受に関しては、図5および図7のように多くの破砕荷重点で最小油膜厚さを解析すれば、ロバスト領域の上限値を特定することは容易である。図5では約105%が、図7では約145%が上限値と判断できる。
数学的な手法を用いれば、ロバスト特性は2つの近似曲線で、具体的に例えば2次または3次関数などでの曲線で近似することができる。またロバスト領域の上限値は、それら2つの近似曲線の交点より同定することができる。図13および図14は、図12に示した軸受仕様A(図5)のロバスト特性を、2次および3次関数の曲線でそれぞれ近似した場合である。それぞれ近似曲線の交点を求めることにより、ロバスト特性の上限値は図13の近似では104.7%、図14の近似では105.1%と特定される。同様に図16および図17は、図15に示した軸受仕様B(図7)を2次および3次関数の曲線でそれぞれ近似した場合で、ロバスト特性の上限値は図16では144.1%、図17では145.4%と特定される。
上記の例はロバスト特性が比較的に明瞭な場合である。ロバスト領域における破砕荷重の変化に対する最小油膜厚さの変化率と、ロバスト領域の範囲外における変化率との差が小さい場合には、ロバスト領域が不明瞭になるが、このような場合でも、特性曲線を2本の2次または3次関数などの曲線で近似でき、それらの交点からロバスト領域の上限値を特定できる場合には、その軸受はロバスト特性を有すると考える。
ロバスト領域の上限値が著しく高負荷帯にある軸受や、軸受の負荷容量が著しく小さい場合には、ロバスト領域の上限値が現れることなく、油膜厚さが許容油膜厚さを下回ることがある。このような場合は、たとえ特定の範囲において、破砕荷重に対する最小油膜厚さの変化が著しく小さい軸受であっても、ロバスト特性を有するとは見做さない。
ロバスト領域を発生させる破砕荷重の大きさやロバスト領域の範囲の広さないし大きさは、一般に、フレーム、軸、軸受支持部などの剛性の大きさないしバランスの影響を受けて変化する。このため、各部の剛性は、破砕負荷と共に、ロバスト領域設計における重要なパラメータとなる。
また、上記に加えて、上部軸受の磨耗量も、ロバスト領域設計における重要なパラメータとなる。主軸を上部軸受17および下部軸受15で支持する形式の旋動式破砕機の一般的な上部軸受では、軸受メタルが経年的に摩耗する。上部軸受の摩耗に伴い下部軸受の当り状態が上当たり傾向に変化するため、ロバスト領域は設計当初、或いは新品状態から変化する。具体的には例えば、上部軸受が摩耗した状態では、摩耗のない新品時と比べて、ロバスト領域は負荷が低い側に変化する。図5、図7の例においては、上部軸受が磨耗すると、それぞれの特性曲線は、紙面において左方に移動する。
旋動式破砕機では、なんらかの理由でマントル13とコーンケーブ14より形成される破砕室16内で、破砕工程、排出工程が滞った状態で運転を継続しようとすると、破砕室16に停留する原料によって、破砕機の回転運動が阻害されて、瞬間的に負荷が定格を大幅に超える事象が発生することがある。
このような事象が発生すると、モータのトルク特性に起因して、モータの定格出力時を超えるトルク、具体的には例えば、三相誘導モータでは一般に定格負荷状態の160%以上の最大トルクが発生し、軸受には前記トルクに対応した軸受荷重がかかることがある(この結果、160%以上の破砕荷重が発生する)。ただし、旋動式破砕機の本体の機械的な損傷防止の観点から、なんらかの安全装置が設けられることが一般で、その上限値は、大きくても旋動式破砕機の定格荷重の200%以下とすることが好ましい。また、定格荷重以上の過大な破砕荷重が発生することは、モータに過負荷が作用することになるため、破砕荷重が160%以下であることがさらに好ましい。
かかる事象が発生する場合には、意図的にロバスト領域を、破砕荷重が定格荷重よりも大きい荷重側に設定することで、万が一の事態に対して信頼性を確保できる。このとき破砕荷重が常用荷重(原料の種類や性状等により通常使用される破砕荷重)、或いは定格荷重が、ロバスト領域の下限値よりも低い例が考えられる。ところが上述のように、破砕荷重が小さい場合は、下当たり状態になる傾向にあるが、破砕荷重W(軸受荷重F)が小さいので、図5、図7に示されるように、そもそも十分な最小油膜厚さT1が確保されやすい。
一方、比較的柔らかい原料を破砕処理するプラントにおいては、旋動式破砕機は、破砕荷重が定格荷重以下、例えば50%程度の破砕荷重による条件で運転されることが多いが、このような運転においては、ロバスト領域を破砕荷重が低い領域(範囲)に設定することにより、運転時における軸受の信頼性を高めることができる。
以上の特徴を有する軸受15を使用した旋動式破砕機を用いることにより、被破砕物の種類や運転条件の変更や変化(マントル13やコーンケーブ14の摩耗による破砕荷重の変化も含む。)などにより破砕荷重が異なる場合に、改めて軸受15等の調整・試験による確認を行ったり、適切な旋動式破砕機を選定ないし使い分けるなどを行う必要がなく、片当たりを生ずることなく、破砕プラントの運転を行うことができるため、労力、費用、稼働率等の向上が図れる。
なお、破砕荷重は、モータ動力にほぼ比例し、旋動式破砕機の現実の運転においては、破砕荷重よりモータ動力の方が、直接的に測定や管理が容易であるため、破砕荷重と最小油膜厚さとの関係よりモータ動力と最小油膜厚さとの関係で整理や把握を行う方が便利であるところ、前記の結果は、破砕荷重を定格荷重(定格値)で正規化しているため、破砕荷重をモータ動力としても(読み替えても)そのまま当てはまる。
また、従来の旋動式破砕機である油圧式コーンクラッシャの構造例を示す図1は、下部に配設された軸受15の他に、上部にも上部軸受17が配設されているが、本実施形態に係る軸受15は、上部軸受17を有していない旋動式破砕機についても前記と同様な特徴を有している。
上述した実施形態による旋動式破砕機によれば、多種多様な被破砕物に対してロバストに対応でき、また負荷条件の変化にもロバストに対応することができる。
また、上述した実施形態による旋動式破砕機によれば、軸受15における極端な上当たり状態や極端な下当たり状態を回避することができる。
ただし、多少の上当たり状態や多少の下当たり状態は、本技術分野において許容されるものであり、むしろ、旋動式破砕機の運転期間において、多少の上当たり状態と多少の下当たり状態の両方の状態が発生することは、極端な上当たり状態や極端な下当たり状態を回避する上で有効であると言える。
その意味では、軸受15において、それらの内周面の上部および下部の両方に、片当たりによる摺動痕が生じている場合には、上述した実施形態のように理想的な運転状態が確保されていると言うことができる。
上述した実施形態におけるロバスト領域は、好ましくは、上限値がモータの動力の定格値の約70%以上であり、または、約80%以上であり、或いは約100%以上である。
また、上述した実施形態におけるロバスト領域は、好ましくは、上限値がモータの動力の定格値の約200%以下であり、または、約160%以下であり、或いは約110%以下である。
なお、本件発明は、大型の旋動式破砕機において特に有効である。具体的には、旋動式破砕機の入口寸法が200mm以上の旋動式破砕機において特に効果を発揮する。ここで、入口寸法とは、コーンケーブ14の内面とマントル13の上端との間の距離であり、旋動式破砕機に供給できる原料の最大寸法を規定する。
以下、本実施形態による旋動式破砕機のロバスト領域設計において考慮すべき事項について説明する。
上述したように、ロバスト領域を発生させる破砕荷重の大きさやロバスト領域の範囲の広さないし大きさは、一般に、フレーム(ケーシング)、軸、軸受支持部などの剛性の大きさないしバランスの影響を受けて変化するため、各部の剛性は、破砕負荷と共に、ロバスト領域設計における重要なパラメータである。
すなわち、フレーム31、スパイダ18、主軸5など、下部軸受15における片当たり状態の発生態様に影響する部位の剛性を変化させ、それらの変形量を変化させることで、片当たり状態の発生態様の調整を行うことができる。このとき、主軸5やフレーム31等の構造物の変形・変位をFEM(有限要素法)やBEM(境界要素法)などの構造解析により求め、さらにそれらの値を用いて、軸受15の油膜厚さを流体潤滑理論に基づくレイノルズ方程式を用いた油膜解析により求める(図5等参照)。
例えば、ロバスト特性を得たい負荷領域で、下部軸受15が上当たり状態になる傾向(上当たり傾向)にある旋動式破砕機では、フレーム31の曲げ剛性や、スパイダ18の曲げ剛性、捩じり剛性、主軸5の曲げ剛性などが、大きくなるようにそれらの形状を変更することで、当該負荷領域における下部軸受15の片当たり状態の発生態様は、上当たり傾向から、下当たり傾向に調整され、この下当たり量を適正に設計することで、当該負荷領域におけるロバスト特性を獲得することができる。
1 上部フレーム
2 下部フレーム
3 主軸嵌挿穴
4 偏心スリーブ
5 主軸
6 スラスト軸受
7 外筒
9 被破砕物
10 主軸軸受
11 偏心スリーブ軸受
12 マントルコア
13 マントル
14 コーンケーブ
15 軸受
16 破砕室
17 上部軸受
18 スパイダ
19 ベベルギア
20 駆動側ベベルギア
21 従動側ベベルギア
22 プーリ
23 主軸用スラスト軸受
24 仕切板
25 ダストシールリング
26 ダストシールリングカバー
27 偏心スリーブ嵌挿穴
31 フレーム
41 軸
L1 主軸5の中心軸線
L2 上部フレーム1の中心軸線
L3 主軸嵌挿穴3の中心軸線
L4 偏心スリーブ4の中心軸線
L5 偏心スリーブ嵌挿穴27の中心軸線
La 軸41の中心軸線
Lb 軸受42の内周面の中心軸線
O 主軸5の中心軸線L1と上部フレーム1の中心軸線L2との交点
F 破砕荷重
T 最小油膜厚さ
T1 下当たり状態における最小油膜厚さ
T2 均等当たり状態における最小油膜厚さ
T3 上当たりの状態における最小油膜厚さ

Claims (19)

  1. コーンケーブの内部に回転可能に配置され、その中心軸線が前記コーンケーブの中心軸線に対して傾斜して偏心旋回運動をする主軸と、前記主軸に設けられたマントルと、前記主軸の下端部が回転自在に嵌挿される主軸嵌挿穴を有する偏心スリーブと、前記偏心スリーブが回転自在に嵌挿される偏心スリーブ嵌挿穴を有する外筒と、を備えた旋動式破砕機であって、
    前記主軸嵌挿穴に嵌挿された前記主軸の下端部の外周面と前記主軸嵌挿穴を形成する面とが、その隙間に潤滑油が供給されて主軸軸受を形成し、
    前記外筒に嵌挿された前記偏心スリーブの外周面と前記偏心スリーブ嵌挿穴を形成する面とが、その隙間に潤滑油が供給されて偏心スリーブ軸受を形成し、
    前記主軸軸受および前記偏心スリーブ軸受の少なくとも一方が、前記主軸を回転駆動するモータの動力の変化に対する前記潤滑油の最小油膜厚さの変化においてロバスト領域を有
    前記モータの動力の定格値が、前記ロバスト領域の上限値以下に存在する、旋動式破砕機。
  2. 前記主軸軸受および前記偏心スリーブ軸受の少なくとも一方の中心軸線が、前記主軸の下部の中心軸線と略平行となる状態が、前記ロバスト領域の上限値以下に存在する、請求項記載の旋動式破砕機。
  3. 前記主軸軸受および前記偏心スリーブ軸受の少なくとも一方の中心軸線が、前記モータの動力の定格値において、前記主軸の下部の中心軸線と略平行になる、請求項1または2に記載の旋動式破砕機。
  4. 前記主軸軸受および前記偏心スリーブ軸受の少なくとも一方において、前記主軸を回転駆動するモータの動力が定格値の50%から160%まで変化する際に、前記潤滑油の油膜厚さが最小となる位置が、軸受下端側から軸受上端側へ向かって変化するように構成されている、請求項1乃至のいずれか一項に記載の旋動式破砕機。
  5. 前記主軸軸受および前記偏心スリーブ軸受の少なくとも一方において、前記主軸を回転駆動するモータの動力が定格値の50%から160%まで変化する際に、前記潤滑油の油膜厚さが最小となる位置が、軸受下端側から軸受上下方向の全体へと変化するように構成されている、請求項に記載の旋動式破砕機。
  6. 前記主軸軸受および前記偏心スリーブ軸受の少なくとも一方において、前記主軸を回転駆動するモータの動力が定格値の50%から最大許容値まで変化する際に、前記潤滑油の油膜厚さが最小となる位置が、軸受下端側から軸受上下方向の全体へと変化するように構成されている、請求項1乃至のいずれか一項に記載の旋動式破砕機。
  7. 前記主軸軸受および前記偏心スリーブ軸受の少なくとも一方において、前記主軸を回転駆動するモータの動力が定格値の50%から最大許容値まで変化する際に、前記潤滑油の油膜圧力の分布が、軸受下部に偏った分布から軸受上下方向の全体にかけて平滑な分布へと変化するように構成されている、請求項1乃至のいずれか一項に記載の旋動式破砕機。
  8. 前記主軸軸受および前記偏心スリーブ軸受の少なくとも一方において、前記主軸を回転駆動するモータの動力が定格値の50%から160%まで変化する際に、前記潤滑油の油膜圧力の分布が、軸受下部に偏った分布から軸受上下方向の全体にかけて平滑な分布となるように変化するように構成されている、請求項1乃至のいずれか一項に記載の旋動式破砕機。
  9. コーンケーブの内部に回転可能に配置され、その中心軸線が前記コーンケーブの中心軸線に対して傾斜して偏心旋回運動をする主軸と、前記主軸に設けられたマントルと、前記主軸の下端部が回転自在に嵌挿される主軸嵌挿穴を有する偏心スリーブと、前記偏心スリーブが回転自在に嵌挿される偏心スリーブ嵌挿穴を有する外筒と、を備えた旋動式破砕機であって、
    前記主軸嵌挿穴に嵌挿された前記主軸の下端部の外周面と前記主軸嵌挿穴を形成する面とが、その隙間に潤滑油が供給されて主軸軸受を形成し、
    前記外筒に嵌挿された前記偏心スリーブの外周面と前記偏心スリーブ嵌挿穴を形成する面とが、その隙間に潤滑油が供給されて偏心スリーブ軸受を形成し、
    前記主軸軸受および前記偏心スリーブ軸受の少なくとも一方において、前記主軸を回転駆動するモータの動力が定格値の50%から160%まで変化する際に、前記潤滑油の油膜厚さが最小となる位置が、軸受下部から軸受上部へと変化するように構成されている、旋動式破砕機。
  10. コーンケーブの内部に回転可能に配置され、その中心軸線が前記コーンケーブの中心軸線に対して傾斜して偏心旋回運動をする主軸と、前記主軸に設けられたマントルと、前記主軸の下端部が回転自在に嵌挿される主軸嵌挿穴を有する偏心スリーブと、前記偏心スリーブが回転自在に嵌挿される偏心スリーブ嵌挿穴を有する外筒と、を備えた旋動式破砕機であって、
    前記主軸嵌挿穴に嵌挿された前記主軸の下部の外周面と前記主軸嵌挿穴を形成する面とが、その隙間に潤滑油が供給されて主軸軸受を形成し、
    前記外筒に嵌挿された前記偏心スリーブの外周面と前記偏心スリーブ嵌挿穴を形成する面とが、その隙間に潤滑油が供給されて偏心スリーブ軸受を形成し、
    前記主軸軸受および前記偏心スリーブ軸受の少なくとも一方において、前記主軸を回転駆動するモータの動力が定格値の50%から160%まで変化する際に、前記潤滑油の油膜厚さが最小となる位置が、軸受下部から、軸受上下方向の全体へと変化するように構成されている、旋動式破砕機。
  11. コーンケーブの内部に回転可能に配置され、その中心軸線が前記コーンケーブの中心軸線に対して傾斜して偏心旋回運動をする主軸と、前記主軸に設けられたマントルと、前記主軸の下端部に設けられた偏心スリーブと、前記偏心スリーブが回転自在に嵌挿される偏心スリーブ嵌挿穴を有する外筒と、を備えた旋動式破砕機であって、
    前記外筒に嵌挿された前記偏心スリーブの外周面と前記偏心スリーブ嵌挿穴を形成する面とが、その隙間に潤滑油が供給されて偏心スリーブ軸受を形成し、
    前記偏心スリーブ軸受が、前記主軸を回転駆動するモータの動力の変化に対する前記潤滑油の最小油膜厚さの変化においてロバスト領域を有
    前記モータの動力の定格値が、前記ロバスト領域の上限値以下に存在する、旋動式破砕機。
  12. コーンケーブの内部に回転可能に配置され、その中心軸線が前記コーンケーブの中心軸線に対して傾斜して偏心旋回運動をする主軸と、前記主軸に設けられたマントルと、前記主軸の下端部が回転自在に嵌挿される主軸嵌挿穴を有する偏心スリーブと、前記偏心スリーブが回転自在に嵌挿される偏心スリーブ嵌挿穴を有する外筒と、を備えた旋動式破砕機であって、
    前記主軸嵌挿穴に嵌挿された前記主軸の下端部の外周面と前記主軸嵌挿穴を形成する面とが、その隙間に潤滑油が供給されて主軸軸受を形成し、
    前記外筒に嵌挿された前記偏心スリーブの外周面と前記偏心スリーブ嵌挿穴を形成する面とが、その隙間に潤滑油が供給されて偏心スリーブ軸受を形成し、
    前記主軸軸受および前記偏心スリーブ軸受の少なくとも一方において、前記主軸を回転駆動するモータの動力が定格値の50%から160%まで変化する際に、前記潤滑油の面圧分布が、軸受下部に偏った分布から軸受上部に偏った分布へと変化するように構成されている、旋動式破砕機。
  13. コーンケーブの内部に回転可能に配置され、その中心軸線が前記コーンケーブの中心軸線に対して傾斜して偏心旋回運動をする主軸と、前記主軸に設けられたマントルと、前記主軸の下端部が回転自在に嵌挿される主軸嵌挿穴を有する偏心スリーブと、前記偏心スリーブが回転自在に嵌挿される偏心スリーブ嵌挿穴を有する外筒と、を備えた旋動式破砕機であって、
    前記主軸嵌挿穴に嵌挿された前記主軸の下部の外周面と前記主軸嵌挿穴を形成する面とが、その隙間に潤滑油が供給されて主軸軸受を形成し、
    前記外筒に嵌挿された前記偏心スリーブの外周面と前記偏心スリーブ嵌挿穴を形成する面とが、その隙間に潤滑油が供給されて偏心スリーブ軸受を形成し、
    前記主軸軸受および前記偏心スリーブ軸受の少なくとも一方において、前記主軸を回転駆動するモータの動力が定格値の50%から160%まで変化する際に、前記潤滑油の面圧分布が、軸受下部に偏った分布から、軸受上下方向の全体にかけて平滑な分布へと変化するように構成されている、旋動式破砕機。
  14. さらに上部軸受を備え、
    前記主軸の上端部が、前記上部軸受に回転自在に支持されている、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の旋動式破砕機。
  15. 前記旋動式破砕機は、1次破砕機、或いは1次・2次兼用を含む2次破砕機である、請求項14に記載の旋動式破砕機。
  16. 請求項1乃至15のいずれか一項に記載の旋動式破砕機において、運転継続に伴って、前記ロバスト領域を有さない旋動式破砕機においては生じ得ない特有の摺動痕が軸受に形成される、ことを特徴とする旋動式破砕機。
  17. 前記特有の摺動痕は、少なくとも前記軸受の下部に形成される、請求項16記載の旋動式破砕機。
  18. 前記特有の摺動痕は、運転継続に伴って、前記軸受の下部のみに形成された後、前記軸受の下部から上部にかけて全体的に形成される、請求項17記載の旋動式破砕機。
  19. 前記特有の摺動痕は、運転継続に伴って、前記軸受の下部のみに形成された後、前記軸受の下部から上部にかけて全体的に形成され、その後に前記軸受の上部のみに形成される、請求項18記載の旋動式破砕機。
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